JP4634636B2 - 電熱糸及び該電熱糸を用いたヒーター - Google Patents

電熱糸及び該電熱糸を用いたヒーター Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可撓性と絶縁性を有し、かつ信頼性に優れた電熱糸、及びそれを用いたヒーターに関する。
【0002】
【従来の技術】
電気発熱線(電熱線)は、例えば、所定の電気抵抗となるように設定されたニクロム線等の発熱用芯材の表面を絶縁することで汎用性を高めることが行われており、この絶縁方法として、例えば耐熱性のゴム、樹脂材料を熔融押出して被覆成形し、又は絶縁性繊維材料をブレード状の編組体にしてなる外皮で被包するなどのことが一般になされている。
【0003】
これら電熱線は、用いる目的、用途、使い方などに合わせて種々仕様に設定され、例えば電気コンロ、炊飯器などのような高温加熱を行うものではその発熱量を大とするために発熱線自体を比較的太くするとともに機器への取り付けに際しての強度、使用中の変形を防ぐ必要から、例えばシーズヒーターのように剛性を有する外皮によって絶縁することが多用される。
【0004】
これに対して、近年では例えばホットカーペット、電気毛布などのような折り曲げ自在な採暖製品に使用するために、古くは例えば特開昭60−235386号公報、さらには実開61−206226号公報などにより提案された電熱線を用いることが行われている。
【0005】
また、このような電熱線の新たな用途として半導体製造に使用されるプロセスガス供給用の配管に付設しガス液化を防ぐための配管加温用ヒーターがある。この加温用ヒーターは、比較的密に設置されているガス配管の必要部位に容易に取り付けうるよう、テープ状、半割状、又は割面付きの弾性チューブ体の基体に電熱線を設けるものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来のこれら用途に用いられてきた前記電熱線は、その発熱用の芯材、表面への絶縁を、耐熱性プラスチックなどの押出し成形被覆によって設けたものであり、絶縁層が比較的厚く形成されることから、電熱線が太いものとなり、従って電熱線の剛性が大となりがちである。
【0007】
そのため、このような電熱線を用いたヒーター自体の形態は相対的に大きく、乃至厚くなり、しかもその表面には電熱線による凹凸が形成されゴワゴワした違和感を与える因ともなっている。
【0008】
さらに、このような電熱線では、繰返し曲げなどによる折損、乃至疲労破壊が生じやすく、寿命を減じ、かつこれを基材に付設配線する場合においても、その間隔を狭くすることができず、温度ムラを大きくするなど、ヒーターの精度、品質を低下しがちとなる。
【0009】
又このような押出し被覆による絶縁層に換えて、前述のごとく発熱線の表面に絶縁繊維材料をブレード状に編組した網状体を被せることによって可撓性を付与することも考えうるが、電熱線が例えば0.8mm以下のような細径のものにあっては強固な被包ができず、発熱線が絶縁層から抜け落ちやすいものとなる。
【0010】
仮に発熱線に密着した編組加工ができたとしても、これをリード線等に接続する為に編組した外皮の一部を取り除こうとする場合、それを構成する編組網目が肉眼では目視困難な細さであることから、各外皮繊維を個々に解きほぐすことは到底困難であり、またカッターなどで編組外皮のみを切除する場合にあっても内部発熱線にまで損傷を与えやすく、断線などの危険性が大となり、そのため、専用工具を用いる熟練作業が必要となる。
【0011】
このように、従来の電熱線では発熱線はある程度細くできるとしても、その表面を覆う絶縁層のために全体的な太さを小とするには限界があり、所定の強度を備えながらも、十分な可能性を持たせた糸状の電熱線としては不完全なものであった。
【0012】
本発明は、かかる課題を解決し、強度、絶縁性、可撓性に優れ、かつ品質、信頼性を向上しうる細径の電熱糸、及びそれを用いたヒーターの提供を目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明のうち請求項1記載の発明は、発熱用の芯材、及びこの芯材に沿って耐熱性繊維の束を偏平状に拡幅させながら螺旋状に巻回することにより形成される第一絶縁層と、該第一絶縁層とは逆巻きされる第二絶縁層との2以上の複層体からなる絶縁層からなり、かつ全体太さ0.8mm以下の糸状であるとともに、前記芯材は、冷間加工によって硬質仕上げされた硬質ステンレス鋼細線の単線、又はその複数線の集束成形、撚り成形、又は編み成形によって得られた複合細線であることを特徴とする電熱糸である。
【0014】
又請求項2記載の発明は、前記芯材が、硬質ステンレス鋼細線又は前記複合細線と、非導電性耐熱繊維材料による補強芯材との組み合わせにより形成したものであることを特徴としている。
【0015】
さらに請求項記載の発明は、請求項1又は2のいずれかに記載の電熱糸を耐熱性基材に沿って配線し、前記電熱糸に通電することによって所定温度に発熱可能としたヒーターであり、かつ請求項の発明は、前記基材が可撓性を有することにより、被加温体を周回しうる可撓性を有し、かつ両端部を結合しうる係合手段を具えた面状体であることを特徴としている。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。
図1は、本発明に係る電熱糸1の一形態を例示する拡大図であって、電熱糸1は、発熱用の芯材2と、この芯材2の周囲を被包する絶縁用の絶縁層3とからなる連続した糸状体であり、その全体の太さを0.8mm以下としている。
【0017】
前記芯材2は、所定電圧の印加通電によって所定温度に発熱する抵抗値、乃至導電性を有し、この芯材2は、ステンレス鋼線による細径の単線2A或いはこの単線を集束し、あるいは撚り合わせ又は編成した複合細線2Bとして用いうるものであり、特にステンレス鋼は細線状態にあっても強度、耐熱性にすぐれ、本発明に好適に使用しうる。
【0018】
またステンレス鋼線の場合は、例えばSUS302,SUS304,SU310,SUS205などオーステナイト系ステンレス鋼を冷間加工によって硬質仕上げした硬質ステンレス鋼の細線では、強度、弾性が良好で、復元性に優れ、かつ可撓性をも具えるため電熱糸1の芯材2として好適に採用しうる。この場合、単線2Aは例えば0.1mm以下、より好ましくは5〜60μmの繊細な断面寸法になるように冷間伸線加工(例えば加工率60%以上)によって細径化したものの他、例えば特開昭47−22356号公報が提案した集束伸線法による金属繊維トウ、撚糸、紡績糸など種々のものが用いられる。
【0019】
図2は、このようなステンレス鋼細線における加工状態が電気抵抗に及ぼす影響を示す結果の一例であり、これによれば、熱処理しない加工材あるいは温度600℃程度までの比較的低い温度で処理した場合は電気抵抗が比較的大きく、しかも変化が少ないことが分かる。しかし、焼きなまし処理のように600゜Cを越える高温で熱処理した場合は、電気抵抗は急激に低下し、しかも特性的にも軟質となり強度自体も下がることから、細い電熱糸とするものとしてはやや特性に劣り、好ましいものとは言い難い。
【0020】
このように冷間伸線加工した硬質ステンレス鋼細線は、高温での焼きなまし状態のものに比して電気抵抗が大きくなる利点がある。しかもこのような硬質細線は、その複数本(例えば3〜10本程度)を適宜撚合わせることにより強度、可撓性をさらに向上した芯材2とすることができる。
【0021】
また本発明ではこのような芯材2の強度をさらに高める為に、図1に示すように非導電性の耐熱繊維材料からなる補強芯材2Cを配置し併用することもできる。この補強芯材2Cとしては、例えばケブラー(商品名)などのアラミド繊維、ガラス繊維などのロービングの他、種々の高強度かつ高耐熱性の繊維材料が採用されるが、その太さや本数、集合状態などは用いる用途、仕様によって種々設定される。
【0022】
他方、前記絶縁層3は、本発明では従来用いられていた押出し被覆法、網体の被包法による絶縁層に代えて、図1に例示するごとく、芯材2の表面に、耐熱性の繊維材料を巻回した第一絶縁層3Aと第二絶縁層3Bなど、2層以上の絶縁層を積層形成することによって形成されている。又そのとき、各絶縁層は巾方向に偏平状に拡幅させながら巻回できるように、例えばロービングなどの繊維束を用いるとともに、その巻回方向を、第一絶縁層3Aと第二絶縁層3Bとが異なる方向としており、これにより芯材2の露出を防いで絶縁性を高めるとともに可撓性も向上しうる。
【0023】
この絶縁層用の繊維材料としては、例えば前記アラミド繊維、ガラス繊維、セラミック繊維などが用いられるが、特にアラミド繊維は強度と耐熱性、絶縁性を有し、柔軟であることから好ましい。しかもアラミド繊維は加熱時にも有害ガスなどの内部発生がないことから例えば半導体製造環境のように超クリーン状態で使用されるヒーターとして好ましいものである。
【0024】
またこの巻回のために、繊維材料は、例えば繊維径0.1〜30μm程度の微細繊維を数十〜数千本程度の束として形成し、かつこれを図1に破線で示すごとく、幅方向に例えば0.05mm〜2mm程度にまで広げながら順次巻き付け、即ち、繊維材料は前記芯材2の長さ方向に長軸を有するように拡巾されつつ所定ピッチで密巻きないし一部重ね巻きすることにより長手方向における平滑性が維持される。また必要により、第三、第四の絶縁層を重ねて積層することも可能であるが、その場合は絶縁性、費用、可撓性などを考慮し設定される。
【0025】
また、芯材2として図1に示したように、細線2A又は複合細線2Bを前記補強芯材2Cで包むように配置したときには、該補強繊維2Cの束が有する弾性によってより強く巻き付けることができ、被包処理後に芯材のみが抜け落ちたりするなどの問題は軽減される。このような強固な巻き状態を得る為には、例えば巻回ピッチ(P)300〜2000回/m程度で行うことが好ましい。
【0026】
本発明の電熱糸1は、芯材2を、少なくとも第一絶縁層3Aと逆方向巻きの第二絶縁層3Bで巻回被包したものであり、このような構成にすることによって、第一絶縁層3Aで仮に芯材2の露出があったとしても、その表面に施す第二絶縁層3Bによって解消でき、絶縁性を向上できる。また、両絶縁層の巻回方向は共に交差しながらも電熱糸1となった場合に受ける曲がり方向に近いものであり、しかも、本発明ではその太さを0.8mm以下としていることから、可撓性を大としうる。
【0027】
また本発明でその太さを0.8mm以下とする理由は、それよりも太い電熱線については従来から行われている編組方法で足り、本発明の電熱糸1は、太径の場合の編組法では対応できない細径領域において可撓性などを付与しうる。さらに表面に巻回する繊維束についても巻回径が小さい程、巻戻りが小さく、強固な巻付け状態が可能となることから、0.8mm以下としており、より好ましく0.5mm以下とする。なおこのような巻回処理は装飾糸などの製糸業界で広く行われている例えばカバリングマシンによるカバリング糸と同様に行うことができる。
【0028】
このように本発明の電熱糸1は、微細な芯材2を用い、また絶縁層として耐熱性繊維束を幅方向に拡幅しながら複数の巻回層を形成していることから、繰り返し曲げなどの変形に対して優れた柔軟性を発揮し、通常の繊維糸などと同様の感覚で用いることができる。また、これをリード線などに接続する場合においても、該絶縁層として巻回された繊維束を巻きほどくことで簡単に解放することができ、特別な工具や技術を必要としないものである。
【0029】
図3〜図6は、かかる電熱糸1を用いたヒーターの一例として、図5に示すごとく、半導体製造ガスの供給用或いは排気用配管31に装着し、配管31の外部から間接加熱することによりガス流体の液化を防ぎ、かつ着脱容易なワンタッチ方式としたヒーターを示している。なお図3は電熱糸1の取り付け配線状態を示す為にその一部を切除した平面図であり、図4は図3のA−A線矢示方向の断面図、また図5、6はヒーターの連結使用状態を示す斜視図、線図である。
【0030】
図3に示すように、ヒーター30は、前記電熱糸1を基材20の一面側に蛇行あるいはジグザグ状に配線して取り付け、その表面を袋状とする外装材22で覆うとともに、前記電熱糸1の両端末は各リード線40、40からコネクタ端子44、45を介して外部電源50に接続できるように取り出され、このコネクタ端子44、45に所定電流を付加することで内部の電熱糸1を加熱し、発熱するものである。
【0031】
前記基材20としては、例えば芳香族ポリアミドなど耐熱性の繊維材料からなる厚さ0.5〜3mm程度の非導電性フェルト、乃至織物などの布状体を用い、この表面上に前記電熱糸1を配線しており、本例では、その配線取り付けにあたって、図3に示すように配置電熱糸1の上を交互に跨ぎながら折り返す縫糸24によって押さえる方法を採用している。このような方法によって、確実な配線の固定ができるとともに、コンピューター制御による刺繍縫製装置によって自動化作業が可能となる。
【0032】
こうして得られた基材20は、その表面をテフロンシートなど耐熱絶縁性を有する前記外装材22で覆い、その合わせ部23を縫い合わすことにより、外装材22中に内装している。これにより全体的な柔軟性と保温性を高めることとし、これを配管31に装着する場合にも、容易に取付けできるとともに配管の周囲を有効に包み込むことができる。
【0033】
なお、ヒーターの設計にあたって、用いる電熱糸1やこれを取り付ける基材20の仕様については、付加電流、到達温度、及び使用環境などを考慮し、発熱糸の構成太さや長さ、あるいは基材への付設方向などについて最適な条件を選定すべきであり、例えば基材20と外装材22との間に断熱材21を介在させたり、あるいは、熱伝達性を高め部品点数の削減を図る為に、電熱糸1を前記外装材22に直接取り付けることも可能である。
【0034】
また、本発明のヒーター30では、図5に示すように配管31に沿って複数のヒーター30を連結するコンパクトな発熱体エレメントとして取扱性、汎用性を高め、必要ケ所に必要数だけを用いるものとすることもできる。こうした使い方の場合の大きさについては、例えば一辺30〜200mm程度の矩形の面状ヒーターとして構成される。
【0035】
また、このような連結使用の場合、各ヒーター30を等しく発熱させることが望ましく、このため図6に示すように並列回路にして各ヒーターに加わる電流に差が生じないようにし、加熱温度の安定化を図ることが好ましい。
【0036】
なお、図中の符号46A、46Bは、該ヒーター30を配管31に装着する際に合わせ止めする為の係合手段の一例としての雄雌のホックであり、このホック46A、46Bを図5のように嵌合することによって配管31に着脱容易に取付けうる。又T型やL型など種々形状の配管に対しても広く対応させることができる。なお、他の係合手段としては、例えばマジックテープ、フックなどの他、紐体を設け結び合わすことも可能である。
【0037】
又本発明の電熱糸1は、可撓性に優れた糸状の細いものであり、またその表面には絶縁層を有するものでもあることから、これを通常の織糸や編糸と同様に用い、例えば図7に示すごとく、例えばアラミド繊維などの耐熱糸51を織成、編成などした織物状の基材20内に、前記電熱糸1を例えば横糸などとして交えながら織製し、又は前記織物状の基材20に電熱糸を直接縫い込むことによってテープ状のヒーター30として形成することもできる。なおこのとき、電熱糸1は、その側辺において折り返しながら全長に亘って断線することなく連続させることもできる。
【0038】
特にこのように、テープ体50の横糸として用いたものでは、これを使用する場合の折り曲げや巻き付け時の張力を直接受けることがなく、優れた寿命を有し、またその配線もテープ体50の全幅に亘るものであることから、全体として加熱効率を高めたものとなる。
【0039】
【実施例1】
発熱用の芯線として、表1に示すステンレス鋼繊維及び極細単線を選択し撚り加工を施し、複合細線とした。その電気抵抗を測定した結果を合わせて示す。
【0040】
【表1】
Figure 0004634636
【0041】
この芯線は、加工率80〜90%で冷間加工した硬質ステンレス鋼細線によるものであり、これを撚り合わせた後、500℃でテンパー処理したものであって、細径でありながらも強度、弾性、しなやかさに優れている。
【0042】
この発熱線の合計太さはいづれも100μmより細いものであり、さらに強度アップの為に、補助芯材として、200デニールのアラミド繊維ロービング材を前記発熱芯材に沿って配置した。
【0043】
こうして組合わした複合芯材は巻線機にセットされ、一方、絶縁層としての巻糸として、前記同様の200デニールのアラミド繊維ロービング材を用い、これを拡幅させながらカバーリング処理を行った。
その処理条件と、得られた電熱糸の強度特性は表2の通りであった。
【0044】
【表2】
Figure 0004634636
【0045】
得られた電熱糸は、太さ0.3〜0.5mm程度の非常に細いもので巻きゆるみがなく、可撓性にも優れるものであった。またこの糸についての特性試験として、曲げr=1mmでの繰り返し曲げを行ったが、通常のニクロム線を用いたものでは数十〜百回程度の短時間で破断したのに対し、本例ではいづれも数千回以上の寿命特性を有していることが確認された。
【0046】
【実施例2】
実施例1において得られた資料6の電熱糸(長さ51cm)を60×40mm厚さ2mmの耐熱フェルトの一面に、配線間隔5mmで設け、その上を刺繍糸で止めることで固定し、しかもその配線回路が図6のように並列配線となるようにリード線とコネクタを接続するとともに、テフロン外皮で被包したヒーターを完成した。
【0047】
そのヒーター数個を配管上に連接し、予めリード線とコネクタとの間に1500Vを1分間印加し、絶縁性を調査したが、リーク電流は0.5mA以下で、十分な絶縁性を有していることが確認された。
【0048】
次に、このヒーターについての長期連続使用に関する耐久性を評価することとした。その結果を表3に示す。
【0049】
【表3】
Figure 0004634636
【0050】
この試験終了後、電熱糸を取り出し繰り返し曲げ試験を行ったが、いづれも数千回以上の寿命を有していることが確認され、使用前のものと比較して劣化はほとんど認められなかった。
【0051】
【発明の効果】
本発明の電熱糸は、芯材に沿って絶縁繊維束を巻き付けることでなるものであり、絶縁性に優れ、高い可撓性を有するものである。また、絶縁繊維は単に巻き付けによって形成している為、これを部分的に解放する場合にあっても容易に解きほどく事ができ、配線作業効率を高めることができる。
【0052】
またヒーターにあっても、電熱糸自体が細い糸状のものであることから狭い配線間隔で設けることができるとともに、コワゴワした違和感などを与えることもなく、厚さを減じることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電熱糸を拡大して示す側面図である。
【図2】ステンレス鋼単線の熱処理温度に伴う電気抵抗変化を例示する線図である。
【図3】ヒーターの一例を示す部分断面正面図である。
【図4】ヒーターの縦断面図である。
【図5】ヒーターの使用状態を例示する斜視図である。
【図6】並列接続を例示する線図である。
【図7】ヒーターの他の形態を例示する平面図である。
【符号の説明】
1 電熱糸
2 芯材
2A 細線
2B 複合細線
2C 補強芯材
3 絶縁層
3A 第一絶縁層
3B 第二絶縁層
20 基材
30 ヒーター
31 ガス供給配管
40 リード線

Claims (4)

  1. 発熱用の芯材、及びこの芯材に沿って耐熱性繊維の束を偏平状に拡幅させながら螺旋状に巻回することにより形成される第一絶縁層と、該第一絶縁層とは逆巻きされる第二絶縁層との2以上の複層体からなる絶縁層からなり、
    かつ全体太さ0.8mm以下の糸状であるとともに、
    前記芯材は、冷間加工によって硬質仕上げされた硬質ステンレス鋼細線の単線、又はその複数線の集束成形、撚り成形、又は編み成形によって得られた複合細線であることを特徴とする電熱糸。
  2. 前記芯材は、硬質ステンレス鋼細線又は前記複合細線と、非導電性耐熱繊維材料による補強芯材との組み合わせにより形成したものであることを特徴とする請求項1に記載の電熱糸。
  3. 請求項1又は2のいずれかに記載の電熱糸を耐熱性の基材に沿って配線し、前記電熱糸に通電することによって所定温度に発熱可能としたヒーター。
  4. 前記基材は、可撓性を有することにより、被加温体を周回しうる可撓性を有し、かつ両端部を結合しうる係合手段を具えた面状体であることを特徴とする請求項3記載のヒーター。
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