JP4892003B2 - 高強度エラストマーに架橋可能なイオン及び/又は有機金属官能化シリコーンポリマー - Google Patents

高強度エラストマーに架橋可能なイオン及び/又は有機金属官能化シリコーンポリマー Download PDF

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Description

本発明は、クーロン静電相互作用及び場合により付加な共有結合により、高強度エラストマーに架橋できるイオン及び/又は有機金属官能基を有するシリコーンポリマーに関する。
エラストマー原料としてのシリコーンの際だった価値は、その高い耐熱性とそれらの著しい低温柔軟性による。そのうえシリコーンは、著しい紫外線安定性と抗酸化性を有する。シリコーンは、その他の例えば低い誘電率、良好な表面漏れ電流及び絶縁耐力、疎水性、光学透明度及び生物適合性のような無類の特性が組み合わさって、なお多くの特性を有する。
従って、シリコーンエラストマーは、多くの工業分野において使用されている。自動車工業では、これらは例えば、振動ダンパー及び共振ダンパー、排気バルブサスペンション及び触媒サスペンションとして、ならびにエンジンマウントとして使用される。更なる使用は、医療分野でのローラーポンプチューブ、膜、バルブ、パッキングならびに高張力野での、例えばアイソレーター及びケーブルエンドキャップである。
しかし、引張強さ、引裂強さ及び摩擦抵抗のような機械特性において、シリコーンエラストマーは、他の有機エラストマーを下回る。従って、工業的用途には、充填剤、特に高分散ケイ酸で強化したシリコーンエラストマーだけが考慮の対象になる。従って、予め挙げた強度までも比較的に減少する。
ポリマー材料の機械的強度を改善する1つの可能性は、一般にイオン基を挿入することにあり、これは例えば、Kirk-Othmer、Encyclopedia of Chemical Technology,第4版、14巻、815〜829頁(1995)に記載されている。
イオン及び/又は有機金属ポリマーの架橋により生じるシリコーンエラストマーは、これまでに殆ど知られていない。このようなシリコーンエラストマー中には、イオン及び/又は有機金属結合の他に、例えば従来のアイオノマーの場合のように、付加的な共有結合を含んでいてもよい。更に、イオン官能基又は有機金属官能基を含有するが、高強度のエラストマーに架橋しないシリコーンポリマーも公知である。
特許文献US 6783709には、可逆性及びエネルギー散逸性架橋ドメインを含有する自己修復性オルガノシロキサンが記載されている。この場合に、側鎖にオリゴグリシン基を有する線状ポリジメチルシロキサンが製造される。得られるゲル様材料は、自己修復性の特性を有する。ここで自己修復とは、ゲルの細分後に再び接触する断面で生じる癒合であると解釈される。このために、共有相互作用によらずに形成される架橋点が、少なくとも50pN、多くとも約1000pNの結合強さを有することが重要であり、このことは、非特異的な(ロンドン力、ケーソム力及びデバイ力)ならびにH−架橋−相互作用として特
徴付けられる。更に架橋成分として開示されたアイオノマーは、化学的に特定されていない。従って、これが有機又はシリコーンアイオノマーであるのかどうかは明白ではない。これらのアイオノマーの構造は、重要では無いものとして記載されている。むしろ、請求されているシリコーン組成物がその都度、反対の電荷を有するアイオノマーを含有する限りは、その化学組成物、電荷密度及び大きさが変化し得る。場合により共有結合の架橋点を含有する材料が記載されていたとしても、共有結合架橋可能なシリコーン組成物は何も記載されていない。これらのアイオノマーもしくはこれらから得られる生成物の機械的特性は、それ以上記載されていない。
特許明細書CA 2309486とCA2274040には、1つの疎水性ポリシロキサン−主鎖と、前記疎水性ポリシロキサン主鎖に共有結合している少なくとも1つの親水性基を有するシリコーンが記載されている。親水性基は、少なくとも2個のカルボン酸官能基を有するキレートリガンドである。これらの化合物クラスの代表は、置換マロン酸及びN−置換イミノ二酢酸ならびに例えば、前記化合物の多くの構造異性体又は一般にEDTA類似体化合物に由来する。これらのキレート官能性シリコーンは、金属もしくは金属イオン結合又は界面活性物質として使用される。記載したシリコーンは、共有結合架橋可能なシリコーン組成物ではない。
カルボキシレート官能性シロキサン−アイオノマーの製造と特性は、G.A. Gornowitz等、Polym. Mater. Sci. Eng. 59, 1009-1013頁(1988)に記載されている。この場合に、これはその側鎖にカルボン酸官能基と、リチウム、亜鉛、チタン、鉛及びカルシウム金属のイオンの相応する塩を有するポリシロキサンである。この場合に、アイオノマー含有ポリシロキサンは、専らカルボキシレート基だけを有する、すなわち、何も金属対イオンを有さない相応の官能基ポリマーと比べて、確かに高い破断強さを有するのだが、それと同時に極めて僅かな破断点伸びを有するので、極めて壊れやすい材料であり、それらのエラストマーとしての使用は、極めて限られた可能性しかないことが分かる。
硬化可能なエラストマー組成物は、特許US 3047528に初めて記載されている。この組成物には、カルボキシアルキル基を含有するポリシロキサン、例えばケイ酸のような充填剤、及び硬化剤としての多価金属化合物が含まれる。すなわち、エラストマーへの架橋は、クーロン相互作用により金属イオンとカルボキシルイオンの間で成立する架橋点により専ら行われる。しかし、達成された機械的強度は、今日の通常のシリコーンエラストマーの値をはるかに下回っている。さらに特許文献US 3248409には、カルボキシアルキル官能性ポリシロキサンの多価金属塩が開示されており、これは防水仕上げ繊維材料に使用されている。
例えば相応の亜鉛−アイオノマーのような側鎖カルボン酸基を有するポリジメチルシロキサンは、Klok等により、J. Polym. Sci., Part B, Polym. Physics 37, 485-495頁(1999)に記載されている。この場合に、イオン架橋及び水素架橋を形成する置換基を有するポリジメチルシロキサンの可逆的ゲル化が記載されている。
液晶ポリシロキサン及び側鎖にスルホン酸基を有するアイオノマーの例は、B. Zhang等、J. Appl. Polym. Sci. 68, 1555-1561及びJ. Hu等、J. Appl. Polym. Sci. 80, 2335-2340頁(2001)に開示されている。この場合に、得られた液晶ポリマーのメソモルフィック特性と熱特性に対するイオン凝集の影響が試験されている。機械特性は記載されていない。
欧州特許公開公報EP 1264865 A1には、改善された粘性(付着)を有するシリコーン組成物及びそれから製造された硬化シリコーン生成物が請求されている。この場合には、これは、β−ケトカルボニル化合物の加硫可能なチタン錯体又はジルコニウム錯体を粘着剤として含有する付加架橋可能なシリコーンゴム材料である。前記材料は、0〜20の平均重合度を有する任意のシロキサン基を含有していてもよい。
有機金属化合物とは、メタロセン、特にフェロセンを意味するのがふさわしい。ドイツ国特許公開公報DE 1495970 A1には、メタロセン基を含有するポリシロキサンが記載されている。更に、このようなフェロセン−シロキサン−コポリマーを熱安定剤として含有するHTV加硫物が記載されている。
Z. Huang等、J. Appl. Polym. Aci. 83, 3099-3104頁(2002)には、ラテラルに結合した第四級アンモニウム基を有するポリシロキサン−アイオノマーのイオン凝集が記載されている。この場合に、これはエラストマーに架橋しない室温で液体の化合物である。
例えば、D. Gravier等、J. Polym. Sci., Polym. Chem. 17版、3559-3572頁(1979)に記載されているアように、アミノ官能性シロキサンから出発して、プロパンスルトン双性アイオノマーとの反応により得ることができる。
イオン基の濃度により、僅かな弾性ゴム特性が観察されるか、又は軟質材料が得られる。しかし、機械的強度は少なく、かつ今日通常のシリコーンエラストマーの技術水準に相応しない。
X. Yu等、J. Polym. Sci., Part B, Polym. Physics 24, 2681-2702頁(1986)には、双性アイオノマーのポリシロキサンとポリウレタンから成るブロックコポリマーが記載されている。得られたエラストマーの機械特性は、ポリウレタンセグメントの割合が高くなるほど、かつポリシロキサンセグメント中のイオン官能基が多く存在するほど改善される。しかし、ウレタンコポリマーの含有量の無い単なるポリシロキサン−双性アイオノマーは、僅かな機械的強度だけしか示さない。
本課題は、高強度のシリコーンエラストマーに架橋可能な、適切に変性したオルガノポリシロキサンを提供することにある。意外にも、イオン及び/又は有機金属官能化オルガノポリシロキサンが、著しい機械的強度を有するシリコーンエラストマーに架橋できることが見出された。更に、高強度のシリコーンエラストマーは、オルガノポリシロキサンを適切に官能化したイオン及び/又は有機金属官能化添加剤と反応させて、"インサイチュー(in situ)"で得られる。有利ことに、クーロン相互作用又は配位相互作用により確立する適切に変性されたオルガノポリシロキサンの架橋点に加えて、共有結合架橋を行うことができる。技術水準では、イオン及び/又は有機金属官能化シリコーンは、僅かな場合にだけ架橋生成物の製造に使用されている。そこでは、エラストマーの製造を意図したとしても、僅かな機械的強度だけしか観察されない。本発明によるシリコーンエラストマーは、高い割合のオルガノポリシロキサンを含有できるので、特に、J. Polym. Sci., Part B, Polym. Physics 24, 2681-2702頁(1986)に記載されているようなシリコーンブロックコポリマーとは異なる。
例えば天然ゴムから製造されるエラストマーのような有機エラストマーとは異なり、有利に使用されるポリジメチルシロキサンは、低い融点(−45℃)と著しく低いガラス遷移温度(−125℃)を有し、このことはポリジメチルシロキサン鎖の高い柔軟性による。低い融点は、室温でのシリコーンエラストマーのポリマー鎖の十分な対称性にもかかわらず、歪みに誘導される結晶化を起こさない条件であり、この事がシリコーンネットワークの機械的強度を著しく高めるのであろう。ポリジメチルシロキサン鎖の間の(分子内及び分子間)相互作用は、メチル基の防御作用により非常に少ない。一方では、より良い張力の非局在化を引き起こす分子間相互作用が少ないので、シリコーンネットワークの機械的要求の際にポリマー鎖を極めて様々な伸張度ならびにエネルギーにさらす結果となる。他方では、機械的過負荷により生じる結合分解の場合には、ポリマー鎖のほぼ全体で、予め吸収した変形エネルギーがネットワーク周辺で急激に放出される事と関連する。この事は膨張により進行する引き裂けや故障につながる。従って、結合分解により形成される2つの鎖断片は弛緩し、引き伸ばされていない平衡状態に素早く戻る。その際、周囲の鎖との化学的又は物理的相互作用による著しい変形エネルギーの残りを保持していない。充填されていない初めのシリコーンネットワークは、少なくとも部分的な自己修復が機械的に誘発されるネットワークの欠陥を生じ得るメカニズムを有さない。従って、充填剤不含のシリコーンエラストマーの機械的強度は極めて低く、かつ大抵の利用に不十分である。
J. Phys. Chem. A 103, 11355-11365頁(1999)によると、機械的に誘発される鎖分解は等方的に行われ、すなわちラジカル断片が生じる。しかし本発明に関しては、ポリジオルガノシロキサンの機械的結合分解は、むしろ異方的に行われる。これはラジカルの代わりにイオン末端基を有するポリマー断片が生じることを意味し、この事は高強度シリコーンエラストマーの全く新しいコンセプトにとって決定的な重要性をもつ。従って、シリコーンエラストマーのイオン官能化により、ネットワーク内で改善した張力の等分配ならびに機械的に誘発される鎖分解の場合には、自己修復の可能性が得られる。これについて、付加的に共有結合したシリコーンネットワークにより詳細に検討することにする。
クーロン相互作用により形成される結合の機械的強度は、一般に例えばSi−O−結合のような共有結合の強度を下回るが、非特異的相互作用とH−架橋−相互作用(まとめてファンデルワールス相互作用とも称される)により形成される結合をはるかに上回る。イオン基で官能化したポリジオルガノシロキサンの使用は、それらの共有結合架橋の際に、シリコーンネットワークを生じる。これは、ポリマー鎖が(従来の)共有結合の架橋点だけにより結合するのではなく、そのイオン基によって付加的に分子間相互作用することに傑出している。これはイオン架橋点とも解釈できる。このようなシリコーンネットワークの変形の際に、ネットワーク内に生じる張力がクーロン力により形成されるイオン架橋点の機械的強度を上回り次第、まずイオン架橋点が分解するが、その際、共有結合したシリコーンネットワークの内部で結合分解は何も行われない。イオン架橋点の分解に必要な電荷の分離は、電場内で変形エネルギーの貯蔵を生じる。加えて、形成されたポリマー鎖の反対に帯電する基は、他のポリマー鎖の相応の基と組換えられ、それにともなってポリマー鎖間のイオン性分子間相互作用は、ネットワークの変化した変形状態で、自己修復に相応してネットワーク構造の再構築により再び形成される。更に、ポリマー鎖の帯電基は、電荷を保持しながら隣り合うシリコーン鎖と化学的に反応することができる。最終的に、更なる変形の際に、共有結合したシリコーンネットワーク内での結合分解を生じる結果となる。この場合に、イオン架橋点ならびに特にそれらの分解の際に形成された帯電基を含有する無傷のポリマー鎖は、裂けたシロキサン鎖の弛緩するイオン鎖断片にとってアンカー点として働く。これにより、その貯蔵された変形エネルギーの一部を容易に放出することができ、かつ全体としてシリコーンネットワークが自己修復する。ポリジメチルシロキサン鎖の間でイオン基により行われる分子間相互作用ならびに記載した自己架橋のメカニズムの確立が、本発明によるシリコーンエラストマーの究極の著しい強度の増大を可能にする。
既に説明したように、アイオノマーに公知の、特に高温で生じる不利なクリープ(コールドフロー)現象を阻止するので、本発明によるシリコーンエラストマーの付加的な共有結合架橋は有利である。従って、予め説明した強化メカニズムと自己修復メカニズムは、付加的に共有結合架橋したシリコーンアイオノマーの場合に適用され、イオン基又は有機金属基の間に存在する相互作用が十分に強いが、しかしSiO−結合の強度を上回らないことが必要不可欠である。その結果、シリコーンネットワークの変形の際に、共有結合の結合分解が発生する直前に、電荷の分離を生じる結果となる。例えば、Chem. Phys. Lett. 414 (2005) 132-137に記載されているようなSi−O−結合の機械的強度は、約2〜4nNと見積もることができるので、それらの機械的結合強度が少なくとも500pN、4nN未満、特に有利には1〜2nNの間であるイオン及び有機金属基が有利である。個々の結合の機械的強度は、個々の分子の原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscopy)により実験的に決定できる。
ファンデル・ワールス相互作用(特にこれには水素架橋結合も含まれる)とは異なり、クーロン引力は基本的に強いだけではなく、大きさが更に十分である。例えば、正に帯電したケイ素原子と負に帯電した酸素原子の理論的クーロン結合エネルギーは、1.64Åの距離であり、これはポリジメチルシロキサン中のケイ素原子と酸素原子の結合距離に相応する−301kJ/mol("Si+−O-−イオンモデル")。従って、クーロン引力により生じるエネルギーは、硫黄共有結合エネルギーの範囲に相応する。それに対してケイ素−炭素−結合の結合エネルギーは、−306kJ/molであり、これは前記の値に殆ど相応する。
単なるイオン架橋シリコーンポリマーの他に、特にこのようなシリコーンエラストマーは、イオン結合の他に、共有結合により形成される架橋点も含有して著しい機械的強度を有する。従って、これは単なるイオン架橋シリコーンポリマーに矛盾しない。それというのも、シロキサン架橋アーチ内で、異種の結合分解により初めに形成されたイオン断片がそれらの切断後、かつ外力を作用させながらエラストマーの変形に伴って、その都度反対の電荷のイオンと新たなイオン架橋部位を形成できるからである。従って、イオン及び/又は有機金属結合の増強作用は、その可逆性にもよる。それに対して、単なるポリジオルガノシロキサンから成るネットワークは自己修復が出来ない。従って、本発明の対象は、
A1)平均的一般式(I)
1 a2 b3 c4 dSiO(4-a-b-c-2d)/2 (I)
[式中、
1は、それぞれ相互に独立に、脂肪族の不飽和基を有さず、かつヘテロ原子を含有していてもよい一価の非置換又はハロゲン置換された1〜20個の炭素原子を有する炭化水素基であり、
2は、ヘテロ原子を含有していてもよく、かつラジカル架橋又はヒドロシリル化反応が可能な1〜20個の炭素原子を有する同じ又は異なる一価の脂肪族の不飽和、非置換又はハロゲン置換された炭化水素基であり、
3は、イオン官能基、有機金属官能基、又はイオン官能基と有機金属官能基を含有する一価の基であり、
4は、一般式(II)
5xMLy5 (II)
(式中、
5は、脂肪族炭素−炭素−多重結合を有さない、1つ又は2つの原子価に酸素原子を有していてもよい2〜20個の炭素原子を有する非置換又は置換された二価の炭化水素基を意味し、
Lは、R5に共有結合し、かつMにイオン結合、有機金属結合、又は同様に共有結合した官能基であり、
Mは、金属原子、金属イオン又はイオン基であり、かつ
xは、0又は1であり、
yは、0又は1であるが、
但し、xが0であり、又はyが0である場合には、R5は、Mに直接に結合している)
の二価の基であり、
aは、1.6〜2.0の間の数であり、
bは、0〜0.2の間の数であり、
cは、0又は0.001〜0.2の間の数であり、かつ
dは、0又は0.001〜0.2の間の数であるが、
但し、成分A2が不在の場合には、cとdの数のうち少なくとも1つは0とは異なり、かつc+d≧0.001である]
の少なくとも1つのポリジオルガノシロキサン100質量部
A2)少なくとも1つのイオン基、有機金属基又はイオン基と有機金属基を有する一般式(III)
2xMLy2 (III)
(式中、R2、L、x、y及びMは、先に記載した意味を有する)
の化合物0〜60質量部、
B)少なくとも1つの架橋剤1〜20質量部、
C)補強性充填剤又は非補強性充填剤0〜200質量部、
D)触媒0〜100質量部、及び
E)着色顔料、触媒、阻害剤、可塑剤、溶剤、安定剤、難燃添加剤、接着促進剤、シリコーン樹脂、離型添加剤、電防止剤、微小中空球、発泡剤、接着力調整添加剤、熱伝導性又は電気伝導率を高める添加剤ならびにそれらの混合物を含有するグループから選択される更なる成分0〜100質量部、
を含有する架橋可能なシリコーンゴム組成物である。
本発明によるもう1つの実施態様では、イオン及び/又は有機金属官能基は、ポリジオルガノシロキサン(A1)により直接にもたらされるのではなく、架橋可能なシリコーンゴム組成物に添加剤として添加され、かつポリジオルガノシロキサンの原子価によりこれらにインサイチューで結合する。その結果、中間に一般式(I)のポリジオルガノシロキサン(A1)が生じる。
本発明の対象は、更に
a)20〜10000の間の平均重合度
b)アルケニル官能性オルガノシロキシ単位0〜20mol%、
c)一価のイオン、有機金属、又はイオン及び有機金属官能化オルガノシロキシ単位0.1〜20mol%、及び
d)二価のイオン、有機金属、又はイオン及び有機金属官能化オルガノシロキシ単位0.1〜20mol%
を有する、一般式(I)のイオン、有機金属、又はイオン及び有機金属官能化ポリジオルガノシロキサン(A1)である。
本発明によるポリジオルガノシロキサン(A1)は、平均的一般式
1 a2 b3 c4 dSiO(4-a-b-c-2d)/2 (I)
[式中、
aは、1.6〜2.0の間の数であり、
bは、0〜0.2の間の数であり、
cは、0であるか、又は0.001〜0.2の間の数であり、かつ
dは、0であるか、又は0.001〜0.2の間の数であるが、但し、
cとdの数のうち少なくとも1つは、0とは異なる。すなわち、c+d≧0.001である]
を有する。
平均重合度は、20〜10000の間であってよいので、式(I)に関する数の記載は、分子あたり平均で少なくとも1つの基R3又はR4が存在すべきであると解釈される。
同じまたは異なっていてよい基R1は、脂肪族不飽和基を有さない、場合によりハロゲン置換された又はヘテロ原子含有の1〜20個の炭素原子を有する一価の炭化水素基である。このための例は、アルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t−フェニル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、2,2,4−トリメチルペンチル、n−ノニル、及びオクタデシル基;シクロアルキル基、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ノルボルニル、アダマンチルエチル、又はボルニル基;アリール又はアルカリール基、例えば、フェニル、エチルフェニル、トリル、キシリル、メシチル又はナフチル基;アラルキル基、例えば、ベンジル、2−フェニルプロピル、又はフェニルエチル基、ならびに例えば、3,3,3−トリフルオロプロピル、3−ヨードプロピル、3−イソシアナトプロピル、アミノプロピル、メタクリロキシメチル又はシアノエチル基である。R1は、OH−基であってもよい。有利なR1基は、メチル、フェニル及び3,3,3−トリフルオロプロピル基である。特に有利なR1基は、メチル基である。
同じ又は異なっていてもよい基R2は、ラジカル架橋又はヒドロシリル化が可能な、場合によりハロゲン置換された又はヘテロ原子を含有する1〜20個の炭素原子を有する一価の脂肪族不飽和炭化水素基である。このための例は、アルケニル基及び/又はアルキニル基、例えば、ビニル、アリル、イソプロペニル、3−ブテニル、2,4−ペンタジエニル、ブタンジエニル、5−ヘキセニル、10−ウンデセニル、エチニル、プロピニル、及びヘキシニル基;シクロアルキニル基、例えば、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、3−シクロヘキセニルエチル、5−ビシクロヘプテニル、ノルボルネイル、4−シクロオクテニル又はシクロオクタジエニル基;アルケニルアリール基、例えば、スチリル、スチリルエチル基、ならびに例えば、これらから生じる基のハロゲン化された及び/又はヘテロ原子含有の誘導体、例えば、2−ブロモビニル、3−ブロモ−1−プロピニル、1−クロロ−2−メタリル、2−(クロロメチル)−アリル、スチリルオキシ、アリルオキシプロピル、1−メトキシビニル、シクロペンテニルオキシ、3−シクロヘキセニルオキシ、アクリロイル、アクリロイルオキシ、メタクリロイル又はメタクリロイルオキシ基である。有利な基R2は、ビニル、アリル、5−ヘキセニル及び10−ウンデセニル基である。特に有利な基はビニル基である。
一価の基R3のイオン及び/又は有機金属官能基は、原則的に複合化学又は有機金属化学から公知である。しかし、高強度のシリコーンエラストマーの製造に全てのイオン及び/又は有機金属基が適切なわけではない。例えば、架橋反応を妨害又は全く阻止し得る。以下に、特記されない限り分かり易くするために、イオン官能基は有機金属官能基も意味すると解釈される。それとゆうのも、後者がクーロン効率を有するからである。
適切な一価の基R3は、例えば、アルキルカルボン酸基、例えば、アクリル、メタクリル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ウンデシル又はn−オクタデシル酸基、アラルキルカルボン酸基、例えば、4−ヒドロキシカルボニルフェニルメチル又は4−ヒドロキシカルボニルフェニルエチル基、アルキルジカルボン酸基、例えば、2−プロピル基、2−ウンデシルマロン酸基又は2−プロピルコハク酸基、アルキルスルホン酸基、例えば、n−プロピル基又はn−ウンデシルスルホン基、N−アルキルイミノ二酢酸基、例えば、n−プロピル−又はn−ウンデシルイミノ二酢酸基(イミド二酢酸−N−ウンデセ−11−イル基)、β−ケトカルボニル化合物の誘導体、例えば、n−プロピル又はn−ウンデシルアセト酢酸エステル基(アセト酢酸−プロピ−3−イル−エステル又はアセト酢酸−ウンデセ−11−イル−エステル基)、3−n−プロピル−又は3−n−ウンデセ−11−イルアセチルアセトン基、第四級アンモニウム化合物、例えば、F-、Cl-、Br-、I-のよう対イオンを有するN,N,N,N−トリメチル−プロピ−3−イル基、N,N,N,N−トリメチル−ノニ−9−イル基、N,N,N,N−トリメチル−ウンデセ−11−イル基又はN,N,N,N−ジメチル−ベンジル−ウンデセ−11−イル基、アンモニウムアルキルスルホナト−双性イオンならびにベタイン(アンモニウム−アルキルカルボキシレート)。更に、メタロセン、例えば、フェロセン基、フェロセニルエチル基、フェロセニルウンデシル基又は類似のフェロセニウムイオン基は、基R3を含有する適切な有機金属基である。ターピリジン−官能基も適切であり、その際、基R3中では、ターピリジンリガンドは、有利にはアルキル基C2〜C20を介して、平均的一般式R1 a2 b3 c4 dSiO(4-a-b-c-2d)/2 を有するケイ素原子と結合している(例えば、ウンデシ−11−イル−4’−オキシ−2,2’:6,2’’−ターピリジン基)。同様に、ベンズカテキン−官能基、例えば、3,4−ジヒドロキシフェニルエチル又は3,4−ジヒドロキシフェニルウンデシ−11−イル基も適切である。
二価の基R4は、複合化学又は有機金属化学から原則的に公知であるイオン及び/又は有機金属官能基を有する。二価の基R4は、一般式
5xMLy5 (II)
[式中、
5は、脂肪族炭素−炭素−多重結合を有さない、1つ又は2つの原子価に酸素原子を有していてもよい非置換又は置換された2〜20個の炭素原子を有する二価の炭化水素基を意味し、
Lは、R5に共有結合し、かつMにイオン結合、有機金属結合、又は同様に共有結合した官能基を意味し、
Mは、金属原子、金属イオン又はイオン基を意味し、かつ
xは、0又は1であり、
yは、0又は1である]
のようなものであり、但し、xが0であり、又はyが0である場合には、R5は、Mに直接に結合している。
二価の炭化水素基R5の例は、アルキレン基、例えば、エチレン基−(CH22−、プロピレン基−(CH23−、ペンチレン基−(CH25−、又はウンデシレン基−(CH211−、アラルキレン基、例えば、4−エチレンフェニル基−(CH22−(CH4)−、又は1,4−ビス−(エチレン)−ベンゼン基−(CH22−(C64)−(CH22−、アルキレンオキシ基、例えば、エチレンオキシ基−(CH22−O−、プロピレンオキシ基−(CH23−O−、又はウンデシルオキシ基−(CH211−O−、ジオキシアルキレン基、例えば、エチレンジオキシ基−O−(CH22−O−である。
官能基Lの例は、イオン基及び錯体形成リガンド、例えば、カルボキシレート基COO-、スルホナト基−SO3 -、又はホスホナト基−P(O)OO2-、イミド二酢酸アニオン−N(CH2COO-2、β−ケトカルボニル基、例えば、1位又は3位でR5に結合するアセチルアセトン(アニオン)、R5の遊離電子価でエステル化されたアセト酢酸もしくは相応のアセト酢酸エステル官能基の非局在化したカルバニオンである。Lは、シクロペンタジエニルアニオンを意味してもよく、例えば錯体形成リガンド、例えば、3,4−ジヒドロキシフェニル及び4’位でR5に結合した2,2’:6,2’’−ターピリジン基であってもよい。適切な官能基は、第四級アンモニウム化合物及びアンモニウム−アルキルスルホナト双性イオンならびに例えばベタイン(アンモニウム−アルキルカルボキシレート)であり、この場合に上記の式(II)中、xが0であり、1つの原子価を有する基R5は、アルキル置換又はアラルキル置換窒素原子に直接に結合する。
金属原子又は金属イオンMの例は、ルテニウム、鉄、コバルト又はニッケル原子であり、かつ多価の金属カチオン、例えば、Mg2+、Ca2+、Ba2+、Fe2+及びFe 3+、Cu2+、Zn2+、Al 3+、Pb2+、V3+、Ti4+又はZr4+又は中性原子又はランタノイドのイオンである。しかし、金属カチオンは、1つ正に帯電した金属カチオン、例えば、Li+、及びNa+であることができる。更に、Mはアルキル置換又はアラルキル置換された窒素原子、例えば、−N+(CH32−であることができる。この場合に式(II)中、xは0であるので、上記の段落で既に記載したように、二価の基R5としてアルキレン基が直接結合することにより、第四級アンモニウム化合物とアンモニウム−アルキルスルホナト双性イオンならびに例えばベタインが生じる。
金属原子又は金属イオンと、リガンドとしての官能基Lから成る組合せの例は、マグネシウム−、カルシウム−及び亜鉛カルボキシレート、亜鉛スルホネート、亜鉛ホスホネート、ジルコニウムイミノジアセテート、銅アセチルアセトネート、チタン−又はジルコニウムアセト酢酸エステル、鉄(III)−カテコール錯体、鉄(II)−又はルテニウム(II)−2,2’:6,2’’−ターピリジン錯体、メタロセン、例えばフェロセンである。
本発明によるシリコーンエラストマーの高い機械的強度を達成するために、イオンもしくは有機金属基の最小の官能基密度が必要である。他方で、イオン及び/又は有機金属基の官能基密度は、高すぎてはならない。それというのも、エラストマー特性が失われてしまい、かつ材料が壊れてしまうからである。ポリジオルガノシロキサンに結合したイオン及び/又は有機金属基の官能基密度は、相応の官能化ポリジオルガノシロキサンのジオルガノシロキサン単位(D−単位)に対して、0.2〜20mol%の間、特に有利には1〜10mol%の間であり、とりわけ有利には2〜7mol%の間である。
イオン及び/又は有機金属官能基は、適切な金属化合物、例えばクロリド又はスルフェートのような塩、アセテートのようなカルボキシレート、メトキシド、エトキシド、n−プロポキシド、イソ−プロポキシド及びn−ブトキシドのようなアルコキシド、ヒドロキシド及びオキシドとの反応により、イオン結合を生じながら架橋する、式(I)のイオン及び/又は有機金属官能化オルガノポリシロキサンとして存在するだけではなく、架橋反応の際に適切なオルガノシロキサンと加硫する添加剤の形としても存在する。添加剤もポリマーも、線状(非分枝)構造を有するか、又は分枝化している。
イオン及び/又は有機金属添加剤A2は、一般式
2xMLy2 (III)
[式中、
2、L、x、y及びMは、上記の意味を有するが、但し、式(III)中の有利な基R2は、ビニル、アリル、5−ヘキセニル、10−ウンデセニル基及び10−ウンデセニルオキシ基であり、かつLは、同じ又は異なっていてよく、かつR2に共有結合し、かつMにイオン及び/又は有機金属結合又は同様に共有結合する基であり、これは、カルボキシレート、カルボネート、スルホネート、ホスホネート、グリシネート、イミノ二酢酸アニオン、エチレンジアミンテトラアセテート、ビス(サリシレート)エチレンビス(イミン)、エチレンジアミン、1,3−プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジホスフェート、ジアルセン、トリアルサン、ジチオレン及びジメチルグリオキシムを含むグループから選択される。Lは、シクロペンタジエチルアニオンならびに錯体形成リガンド、例えば、3,4−ジヒドロキシフェニル及びターピリジン、例えば、4’−位でR2に結合した2,2’:6,2’’−ターピリジン基、α,α’−ビピリジン、1,10−フェナントロリン、ポルフィン、フタロシアニン、クラウンエーテル又はクリプテートを意味してもよい。更に、Lは、第四級アンモニウム化合物及びアンモニウム−アルキルスルホナト双性イオン又はベタイン(アンモニウム−アルキルカルボキシレート)を意味してもよく、この場合に、上記式(III)中、xとyは0であり、かつ遊離官能価を有する基R2はアルキル置換又はアラルキル置換された窒素原子に直接に結合する]
を有する。
式(III)の添加剤の例は、亜鉛ウンデシレネート、ジルコニウム−ビス(N−10−ウンデセニル−イミノジアセテート)、鉄(II)−又はルテニウム(II)−ビス(4’−ウンデセニルオキシ−2,2’:6,2’’−ターピリジン)及びジビニルフェロセンである。
架橋反応をラジカルにより行う場合には、式(III)のイオン及び/又は有機金属添加剤A2を、平均的一般式(IV)
1 e2 fSiO(4-e-f)/2 (IV)
(式中、
eは、1.9〜2.0の間の数であり、かつ
fは、0〜0.1の間の数であり、かつ
1とR2は、式(I)で挙げた意味を有する)
のポリジオルガノシロキサンと反応させる。
ラジカル架橋剤として、技術水準に相応し、かつペルオキシドにより架橋可能なシリコーンゴム材料で通常使用されている全てのペルオキシドを原則的に使用できる。適切なペルオキシドの例は、ジアルキルペルオキシド、例えば、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルペルオキシド、t−ブチル−t−トリプチルペルオキシド及びt−ブチル−トリエチルメチルペルオキシド、ジアラルキルペルオキシド、例えば、ジクミルペルオキシド、アルキルアラルキルペルオキシド、例えば、t−ブチルクミルペルオキシド及びα,α’−ジ(t−ブチルペルオキシ)−m/p−ジイソプロピルベンゼン、アルキルアシルペルオキシド、例えば、t−ブチルペルベンゾエート、及びジアシルペルオキシド、例えば、ジベンゾイルペルオキシド、ビス−(2−メチルベンゾイルペルオキシド)、ビス−(4−メチルベンゾイルペルオキシド)及びビス−(2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド)である。
上記の式(IV)中で、記号fの値が0より大きい場合には、ビニル特異性ペルオキシドを使用するのが有利であり、それらの最も重要な代表は、ジアルキルペルオキシドとジアラルキルペルオキシドである。2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサンとジクミルペルオキシドを使用するのが最も有利である。種々のペルオキシドの混合物を使用することもできる。上記式中、記号fが0である場合には、ビス−(2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド)を使用するのが最も有利である。
上記式(IV)のポリジオルガノシロキサンとイオン及び/又は有機金属添加剤から成る本発明による材料中のペルオキシドの含有量は、有利には0.1〜3.0質量%の間、特に有利には0.5〜1.5質量%の間である。
電子ビーム又はエネルギーに富む電磁放射線、例えばγ線、有利には60Co−線によるラジカル架橋も同様に可能である。
添加剤の加工をヒドロシリル化により行う場合には、添加剤の末端の不飽和脂肪族基、有利にはアルケニル基へのSiH結合を促進する触媒の存在で、イオン及び/又は有機金属添加剤をSiH官能性架橋剤と反応させる。SiH−官能性架橋剤は、平均組成物
g1 hSiO(4-g-h)/2 (V)
(式中、
Hは、水素原子を意味し、
1は、上記の意味を有し、かつ
g、hは0.005≦g≦1と0.005≦h≦2の関係を満たす正の数である)
を有するが、但し、架橋分子当たり、平均で少なくとも3個のケイ素が結合した水素原子が存在する。
これらの架橋剤のSiH−官能性架橋剤の水素含有量は、ケイ素原子に直接に結合した水素原子に専ら関係し、有利には水素0.002〜1.7質量%の間、特に有利には水素0.02〜0.8質量%の間である。SiH−官能性架橋剤は、分子あたり少なくとも3個、多くとも1000個のケイ素原子、有利には分子あたり4〜700個のケイ素原子、特に有利には分子あたり20〜300個のケイ素原子を有する。架橋剤の構造は、線状、分枝状、環状又は樹脂状もしくはネットワークのような形であることができる。有利な架橋剤は、ポリ(ジメチルシロキサン−コ−メチル水素シロキサン)である。
架橋剤は、有利には架橋可能な混合物中に、SiH−基:イオン及び/又は有機金属添加剤の末端不飽和脂肪族基、有利にはアルケニル基のモル比が、1〜5、特に1〜3であるような量で含有される。架橋剤は、種々の架橋剤の混合物であることもできる。
ヒドロシリル化として称される添加剤のアルケニル基と、架橋剤のSiH基の間の付加反応は、有利には触媒の存在で行われる。原則的に、技術水準に相応し、かつ付加架橋可能なシリコーンゴム材料中で使用される全てのヒドロシリル化触媒が使用できる。これらは、特に例えば、白金、ロジウム、パラジウム、ルテニウム及びイリジウムのような金属であり、ならびにこれらに由来する有機金属化合物である。白金と白金化合物が有利であり、白金とビニルシロキサンの錯体形成化合物、例えば、sym−ジビニルテトラメチルジシロキサン、またカールステッド触媒も特に有利である。
使用されるヒドロシリル化触媒の量は、実質的に所望する架橋速度と経済的見地による。ヒドロシリル化触媒上の架橋剤及びイオン及び/又は有機金属添加剤から成る本発明による付加架橋可能な混合物の含有量は、その中に含有されている金属に対して、0.05〜1000重量ppmの間、特に有利にはその中に含有されている金属に対して1〜100重量ppmの間である。
上記式(I)のイオン及び/又は有機金属官能化ポリジオルガノシロキサンの付加的な共有結合架橋は、予め記載した添加剤の架橋と同様に、ラジカル的に又はヒドロシリル化反応により行われ、そこで記載した条件は、ここでも同じように完全に当てはまる。一般式(I)中の記号bが0よりも大きい数値であるという条件付でヒドロシリル化反応(付加架橋)が有利である。
イオン及び/又は有機金属基は、ポリジオルガノシロキサンにラテラルに及び/又は末端に結合していてよい。さらに、イオン及び/又は有機金属基はポリジオルガノシロキサンの主鎖中で二価の単位として結合していることができる。
高強度シリコーンエラストマーは、イオン及び/又は有機金属ポリマーの架橋により生じ得るが、しかしイオン及び/又は有機金属官能性を有さない他のポリジオルガノシロキサンとのそれらのブレンドの架橋により生じてもよい。
本来のイオン及び/又は有機金属官能基は、シリコーンエラストマー中の架橋アンカーとのスペーサを介して結合する。これは、例えば上記の架橋反応のうち1つの際に、一般式(II)中の基R5からもしくは一般式(III)中の基R2から生じる。
従ってスペーサーは、例えば1つの又は2つの末端の原子価に酸素原子を有していてもよい、場合により置換されたアルキレン鎖C1〜C100、有利にはC2〜C20のような二価の炭化水素基であることができる。しかし、それとは異なり、1〜100個、有利には1〜50個のジオルガノシロキサン単位を有するポリジオルガノシロキサン、又は例えばポリアルキレンオキシド、例えば、1〜100個、有利には1〜20個のエチレンオキシド単位もしくはプロピレンオキシド単位を有するポリエチレンオキシド又はポリプロピレンオキシドであることもできる。同様に、これとは異なりスペーサーは1〜100個のジオルガノシロキサン単位を有するポリジオルガノシロキサンであることもできる。
エラストマーの2個の架橋アーチの間でイオン及び/又は有機金属結合を形成するために、有利にはイオン及び/又は有機金属基は2個のスペーサーを有するので、各々2個の架橋アーチにおいて、2個のスペーサのうち1つとの結合が生じる。例えば、イオン及び/又は有機金属基は、2価の金属イオンもしくは金属原子と、遷移金属イオンの反対の電荷を有する2個のリガンドから成っていてもよい。従って、各々のリガンドは、他のシロキサン架橋アーチで1つのスペーサーと結合する。3価以上の金属原子もしくは金属イオンと、例えば3個のリガンドから成るイオン及び/又は有機金属基である場合は、各々のリガンドは、少なくとも2個又は最大で3個の種々のシロキサン架橋アーチで1個のスペーサーと結合することになる。リガンドは、同じ又は異なるリガンドであってよい。イオン及び/又は有機金属基が1個の金属原子又は金属イオンと2個よりも多いリガンドから成っている場合には、このようなリガンドは、スペーサを有さず、かつシリコーンネットワークと結合していない金属原子又は金属イオンに結合していてもよい。
イオン官能基が電気的に中性でない場合には、一般式(I)中の基R3とR4ならびに一般式(III)の添加剤は、電荷の平衡に相応する数の対イオンを含むことが必要である。イオン基の電荷に応じて、対イオンは例えば、H+、Li+、Na+又はCa2+のような以下チオン、又は例えば、F-、Cl-、Br-、I-、BF4 -又はPF6 -のようなアニオンであることができる。
一般に、イオン及び/又は有機金属基は配位的に飽和している。しかし、本発明によるエラストマー中に存在するイオン基もしくはスペーサーによりシリコーンネットワークに結合したリガンドの一部が配位的に飽和していない、すなわち金属原子もしくは1価又はそれ以上の価の金属イオンに配位結合が存在しなくてもよい。このような配位的に不飽和のイオン及び/又は有機金属基もしくは遊離リガンドの数は、例えば、存在する全てのイオン及び/又は有機金属基の10、20、30又は50mol%以上であることができる。しかし、10mol%未満の配位不飽和イオン及び/又は有機金属基を有する高い配位的飽和が有利であり、本発明によるエラストマー中ではイオン及び/又は有機金属基の完全な配位飽和が特に有利である。
反対に、金属化合物、例えば、クロリド又はスルフェートのような塩、アセテートのようなカルボキシレート、メトキシド、エトキシド、n−プロポキシド、イソ−プロポキシド及びn−ブトキシドのようなアルコキシド、ヒドロキシド及びオキシドが本発明によるエラストマー中に過剰に存在することもできる。すなわち、イオン結合の完全な形成に必要なよりも多くの前記金属化合物が存在する。これらの割合は、例えば、イオン及び/又は有機金属基の完全な配位飽和に必要な金属化合物の量の10、20、30又は50mol%以上であることができる。しかし、本発明によるエラストマー中に10mol%未満の過剰な金属結合を有する、出来るだけ少ない過剰の金属化合物も有利でありが、過剰な金属結合を有さないのが特に有利である。
高強度エラストマーに架橋可能な材料を含有する本発明によるイオン及び/又は有機金属官能化ポリジオルガノシロキサンもしくはイオン及び/又は有機金属官能化添加剤は、場合により充填剤を含有してもよい。この充填剤は、少なくとも30m2/gの比表面積を有する場合により表面処理された細かい無機固体である。
充填剤として、シリコーン材料内で通常使用され、BETにより測定して少なくとも30m2/g、有利には100〜800m2/g、特に有利には150〜400m2/gの比表面積を有する全ての高分散充填剤が挙げられる。
通常は、これは例えばケイ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、セリウム、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、鉄及びホウ素のような金属のケイ酸、カーボンブラック及び微粒子の酸化物、水酸化物、炭酸塩、硫酸塩又は窒化物である。
高強度エラストマーに架橋可能な材料を含有する本発明によるイオン及び/又は有機金属官能化ポリジオルガノシロキサンもしくはイオン及び/又は有機金属官能化添加剤中で使用可能な充填剤は、熱分解法により製造されたケイ酸、沈降ケイ酸、エーロゲルとも称される脱水したケイ酸ヒドロゲルの形で得られるもの、ならびにカーボンブラックが挙げられる。沈降ケイ酸と熱分解法により製造されたケイ酸が特に有利である。
表面処理された充填剤がとりわけ有利である。表面処理は、微細な充填剤を疎水化する当業者に周知の方法により達成できる。疎水化は、高強度エラストマーに架橋可能な材料を含有する本発明によるイオン及び/又は有機金属官能化ポリジオルガノシロキサンもしくはイオン及び/又は有機金属官能化添加剤中に挿入する前に行うか、又はin-situ法によりこれらの材料の存在で行うこともできる。両方の方法は、バッチ法でも連続的にも実施できる。有利に使用される疎水化剤は、共有結合を形成しながら充填剤の表面と反応できるか、又は持続的に充填剤の表面で物理吸着した有機ケイ素化合物である。
有利な疎水化剤は一般式(VIa)と(VIb)
R6 4-xSiAx (VIa)、
(R6 3Si)yB (VIb)
[式中、
R6は、同じ又は異なっていてよく、かつ場合によりハロゲン置換された1〜18個の炭素原子を有する一価の炭化水素基であり、
Aは、ハロゲン原子又は−OH、−OR7又は−OCOR7であり、かつ
Bは、−NR8 3-yであり、
R7は、1〜18個の炭素原子を有する一価の炭化水素基であり、
R8は、水素原子であり、又は例えばR7が有するような同じ意味を有し、かつ
xは、1、2又は3であり、
yは、1又は2である]
に相応するか、又は有利な疎水化剤は、式R6 zSiA(4-z)/2(R6は上記の意味を有し、かつzは1、2又は3である)の単位から成るオルガノポリシロキサンである。
これに含まれるのは、特にアルキルクロロシラン、例えば、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、オクチルトリクロロシラン、オクタデシルトリクロロシラン、オクチルメチルジクロロシラン、オクタデシルメチルジクロロシラン、オクチルジメチルクロロシラン、オクタデシルジメチルクロロシラン及びt−ブチルジメチルクロロシラン;
アルキルアルコキシシラン、例えば、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン及びトリメチルエトキシシラン;
トリメチルシラノール;環式ジオルガノ(ポリ)シロキサン、例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン;線状ジオルガノポリシロキサン、例えば、トリメチルシロキシ末端基を有するジメチルポリシロキサンならびにシラノール末端基又はアルコキシ末端基を有するジメチルポリシロキサン;ジシラザン、例えば、ヘキサアルキルジシラザン、特にヘキサメチルジシラザン、ジビニルテトラメチルジシラザン、ビス(トリフルオロプロピル)テトラメチルジシラザン;環状ジメチルシラザン、例えば、ヘキサメチルシクロトリシラザンである。前記疎水化剤の混合物も使用できる。疎水化を促進するために、例えば、アミン、金属ヒドロキシドなどのような接触作用をする添加剤も可能である。疎水化は、1つ以上の疎水化剤を使用しながら1つの工程で、又は1つ以上の疎水化剤を使用しながら複数の工程でも行える。
有利な充填剤は、表面処理の結果、少なくとも0.01〜最大20質量%、有利には0.1〜10質量%の間、特に有利には0.5〜5質量%の間の炭素含有量を有する。
高強度エラストマーに架橋可能な材料を含有する、本発明によるイオン及び/又は有機金属官能化ポリジオルガノシロキサンもしくはイオン及び/又は有機金属官能化添加剤が更に共有結合架橋する場合には、表面処理したケイ酸は、例えば0.01〜2質量%の間の脂肪族不飽和基(Si−結合ビニル基)の含有量を有するのが有利である。
本発明により製造されたシリコーンエラストマーは、シリコーンの公知の有利な特性の他に、それらの機械的強度に重要である多くの用途、有利には、自動車製造、電気/電子技術、航空/宇宙航空学、医学技術、家庭用品製造、機械エンジニアリング及び装置エンジニアリング、ペーパーコーティング及びフィルムコーティングの分野に適切である。
実施例
以下に限定されるわけではないが、具体的に説明するために本発明の例を挙げる。これらの実施例では、特記されない限り、記載された全ての部又はパーセントのデータは、質量に関する。更に、全ての粘度のデータは25℃の温度に関する。ポリマーの可塑性は、25℃にて、かつ1分間あたり60回転でのブラインダープラストグラフで決定した。
Viは、ビニル基を意味し、Meはメチル基を意味する。
例1
オルガノポリシロキサンAは、式(Me2ViSiO1/22(Me2SiO)x(MeViSiO)y(ここで、x>>yである)を有する高分子ポリジオルガノポリシロキサンであるので、統計平均で2133個目の側鎖のケイ素原子ごとに、1個のビニル基を有し、0.03質量%のCH=CH2のビニル含有量に相応する。540〜600daNmのブラベンダー値から、約450000g/molの平均モル質量が生じる。
オルガノポリシロキサンA中に、実験室用圧延機にて1:1.1のフラクションで、まずSigma-Aldrich Chemie GmbH社から得られるウンデシレン酸亜鉛8.7質量%を20分間の間に加え、次に予め製造したオルガノポリシロキサンAとウンデシレン酸亜鉛の混合物に対して、1.2質量%のペルオキシド架橋剤Aを10分間の間に加えた。ペルオキシド架橋剤Aは、シリコーン油中の2,5−ビス(t-ブチルペルオキシ)−2,5−ジメチルヘキサンの45%濃度ペーストであり、Akzo社からTrigonox 101-45Sの商標名で得られる。
引き続き、このように得られたペルオキシド混合物を特殊鋼製のモールド中に充填し、かつ165℃及び5.45MPaの圧力で15分間、実験室用モールド内で加硫した。
DIN 53504-85/試験棒S1により測定した引裂強さは、同様にDIN 53504-85/試験棒S1により測定した比較例1の加硫物の引裂強さと比べて2.7倍高かった。
例1の本発明による加硫物の破断点伸びは、比較例1の加硫物よりも2.5倍高かった。
比較例1
オルガノポリシロキサンA中に、実験室用圧延機にて1:1.1のフラクションで、ペルオキシド架橋剤A1.2質量%を10分間の間に加えた。
引き続き、このように得られたペルオキシド混合物を特殊鋼製のモールド中に充填し、かつ165℃及び5.45MPaの圧力で15分間、実験室用モールド内で加硫した。
引裂強さをDIN 53504-85/試験棒S1により測定した。
例2
実験室用ニーダー(Polylab System,Gebrueder Haake GmbH社のRheocord 300PとRheomix 3000pから成る)内で、オルガノポリシロキサンA中に8.7質量%スルホン酸亜鉛添加剤Aを室温で30分以内に均一に混練した。
スルホン酸亜鉛添加剤Aは、例えば以下の工程a)〜e)で製造した:
a)N−アリル−4−フタルイミドカルボン酸の製造
温度がまず80℃まで、次にゆっくり100℃まで上がるように、ベラトール670ml中の無水トリメリット酸264.1g(1.37mol)の溶液/懸濁液に、70℃でアリルアミン102ml(1.36mol)を滴加した。その際、生じたアミド酸は白色の沈殿物として沈殿した。継続的に撹拌しながら、反応水が蒸発するまで更にゆっくり加熱した。更に還流しながら10分間撹拌し、次に冷却し、部分真空中で130℃でベラトロール500mlを蒸留した。引き続き、トルエン850mlを添加し、還流下に短く加熱し、次に室温まで冷却した。沈殿したアリルイミドを濾別し、かつもう一度トルエンから結晶化した。収率:265.2g(84%)。
b)N−アリル−4−フタルイミドカルボニルクロリドの製造
トルエン50ml中のN−アリル−4−フタルイミドカルボン酸263.2g(1.14mol)の懸濁液(a)に、55℃で123.5ml(1.46mol)塩化オキサリルを1.5時間以内に滴加した。引き続き、油浴中で100℃まで加熱した。この場合に内部温度を80℃から85℃に上げた。更に85℃で5時間撹拌し、その際、懸濁液が泡立ち、かつゆっくり黒く色づいた。
次に、この溶液を50℃で減圧下に抽出し、かつ得られた生成物を最後に30分間オイルポンプ真空中で乾燥させた。収率:293.2g(100%)。
c)N−アリル−4−フタルイミドカルボン酸−シトロネロールエステルの製造
シトロネロール156.3g(1.0mol)、トリエチルアミン111.0(1.1mol)及び触媒量(5.0g)の4−ジメチルアミノピリジンをトルエン1000ml中に装入した。この溶液に、トルエン600ml中に溶かしたN−アリル−4−塩化フタルイミドカルボニル(b)250.0g(1.0mol)を室温で撹拌しながら90分以内に滴加した。その際、温度が54℃まで上がった。次に還流下に3時間加熱した。
冷却後に、300ml氷/100ml濃HClに注いだ(pH2)。2つの相に分かれ、かつ有機相を水200mlで2回洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、かつ回転エバポレーターを用いて50℃で部分真空にて更に濃縮した。引き続き、生成物を50℃でオイルポンプ真空内で1.5時間乾燥させた。赤褐色の油が生じた。収率:332.5g(90%)。
d)N−アリル−4−フタルイミドカルボン酸−3’,7’−ジメチル−6’−スルホ−7’−オクラノールエステルへのN−アリル−4−フタルイミドカルボン酸−シトロネロールエステルのアセチルスルフェートでの選択的スルホニル化
無水塩化メチレン700mlに、無水アセタニド133mlを添加した。この混合物を氷浴内で0℃まで冷却した。次に、温度が10℃を上回らないように濃硫酸48mlを添加した。溶液は1モールのアセチルスルフェートであった。
N−アリル−4−フタルイミドカルボン酸−シトロネロールエステル295g(0.8mol)(c)を無水塩化メチレン1000ml中に溶かし、かつ0℃まで冷却した。この温度で予め製造した1モーラーのアセチルスルフェートの溶液881mlを滴加し、かつ0℃でもう一度1.5時間撹拌した。
後処理のために、この混合物を氷2lの上に注いだ。相が分離し、かつ有機相を塩化ナトリウム飽和溶液250mlで5回洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、かつ溶液を減圧下に50℃で抽出した。引き続き、オイルポンプ真空内で4時間乾燥させた。粘性の暗赤色の物質が生じた。収率:318.8g(89%)。
e)亜鉛−ビス(N−アリル−4−フタルイミドカルボン酸−3’,7’−ジメチル−6’−スルホナト−7’−オクテノールエステル)=スルホン酸亜鉛−添加剤Aの製造
塩化メチレン500ml中に溶かしたN−アリル−4−フタルイミドカルボン酸−3’,7’−ジメチル−6’−スルホ−7’−オクテノールエステル(d)318.8g(0.71mol)に、クロロホルム500ml中に溶かした亜鉛酢酸二水化物77.9g(0.35mol)を室温で撹拌しながら滴加した。引き続き、還流下に1時間加熱し、次に溶剤ならびに例えば、形成された酢酸を50℃の外部温度でまず減圧下に、次にオイルポンプ真空内で抽出した。収率:339.4g(99%)。
オルガノポリシロキサンAとスルホン酸亜鉛Aの本発明による混合物を、実験室用圧延機にて1:1.1のフラクションで、例1で記載したペルオキシド架橋剤Aの1.2質量%に10分間の間加えた。
引き続き、このように得られたペルオキシド混合物を特殊鋼製のモールド中に充填し、かつ165℃及び5.45MPaの圧力で15分間、実験室用モールド内で加硫した。
DIN 53504-85/試験棒S1により測定した引裂強さは、同様にDIN 53504-85/試験棒S1により測定した比較例1の加硫物の引裂強さと比べて5.8倍高かった。
例1の本発明による加硫物の破断点伸びは、比較例1の加硫物よりも12.1倍高かった。
例3
以下の組成物の付加架橋可能なゴムAを製造した:
96.4%オルガノポリシロキサンB、これは平均指数x=620及び20000mPasの粘度を有する式(Me2ViSiO1/22(Me2SiO)xのポリジオルガノシロキサンである。
0.2%オルガノポリシロキサンC、これは式(Me2ViSiO1/22(Me2SiO)x(MeViSiO)y(ここで、x>yである)を有するので、統計平均で5個目の側鎖のケイ素原子ごとに、1個のビニル基を有し、かつ1000mPasの粘度を有する。
2.5%オルガノポリシロキサンD、これは式(Me3SiO1/22(Me2SiO)x(MeHSiO)y(ここで、x>yである)を有するので、統計平均で3個目の側鎖のケイ素原子ごとに1個のSiH−結合基を有し、かつ1000mPasの粘度を有する。
80%までのエチニルシクロヘキサノールと20%までのトリメチルシラノールから成る阻害剤0.23g。
0.8%トリメチルシラノールと、オルガノポリシロキサンE中のsym−ジビニルテトラメチルジシロキサン(カールステッド触媒)との白金錯体の溶液0.1%、前記オルガノポリシロキサンEは式(Me2ViSiO1/22(Me2SiO)x(ここで、平均指数x=220)のポリジオルガノシロキサンを有し、かつ1000mPasの粘度を有し、白金の含有量は金属に対して1%である。
このゴムA中に、実験室用撹拌機により、ウンデシレン酸亜鉛20.6%とオルガノポリシロキサンD20.6%(それぞれ100%ゴムAに対して)を加えた。混合物中でSiH−基:脂肪族二重結合のモル比を2:1に調節するために、オルガノポリシロキサンDを更に添加する必要がある。
引き続き、このように得られた付加架橋可能な混合物を、特殊鋼製のモールド中に充填し、かつ170℃及び5.45MPaの圧力で10分間、実験室用モールド内で加硫した。
DIN 53504-85/試験棒S1により測定した引裂強さは、同様にDIN 53504-85/試験棒S1により測定した比較例2の加硫物の引裂強さと比べて5.2倍高かった。
例3の本発明による加硫物の破断点伸びは、比較例2の加硫物と同じ大きさであった。
比較例2
先の例3に記載したゴムAの付加架橋可能な混合物を、特殊鋼製のモールド中に充填し、かつ170℃及び5.45MPaの圧力で10分間、実験室用モールド内で加硫した。引裂強さをDIN 53504-85/試験棒S1により測定した。
例4
例3で記載したゴムA中に、実験室用撹拌機により、ポリ(ビス(アセトアセトキシプロピル−ポリジメチル−コ−ポリメチルビニルシロキサン)−チタン−ジイソプロポキシド)11%とオルガノポリシロキサンD9.7%を加えた(それぞれゴムA100%に対して)。混合物中でSiH−基:ケイ素結合ビニル基のモル比を2:1に調節するために、オルガノポリシロキサンDを更に添加する必要がある。
ポリ(ビス(アセトアセトキシプロピル−ポリジメチル−コ−ポリメチルビニルシロキサン)−チタン−ジイソプロポキシド)は、以下に記載する工程a)〜e)のように製造した:
a)1,1−ジメチル−1−シラ−2−オキサ−シクロペンタンの製造
1,1−ジメチル−1−シラ−2−オキサ−シクロペンタンの製造は、特許文献DE 10206121 C1に記載されている。
b)sym−ジヒドロキシプロピルテトラメチルジシロキサンの製造
1,1−ジメチル−1−シラ−2−オキサ−シクロペンタン(a)111.3g(0.96mol)を氷冷かつ撹拌しながら装入した。これに、脱イオン水10.2g(0.56mol)を13分間の間ゆっくり滴加し、その際、温度が23℃まで上がった。
引き続き、氷浴を取り除き、かつ28℃で更に2時間撹拌した。収率:120.7g(99%)。
c)sym−ビスアセトアセトキシプロピル−テトラメチルジシロキサンの製造
Sym−ジヒドロキシプロピルテトラメチルジシロキサン(b)224.4g(0.9mol)と6滴のトリエチルアミンに、新たに蒸留したジケテン165.0g(1.96mol)を85℃で90分の間ゆっくり滴加し、85〜95℃の間の内部温度にした。次に、85℃で更に90分間撹拌し、メタノール30mlを添加し、更にこの温度で60分撹拌した。まず、減圧下に、最後に120℃で1時間、オイルポンプ真空内で過剰のメタノール、メチルアセトアセテート及び他の液体成分を抽出した。収率:357.8g(95%)。
d)アセトアセトキシプロピル−ポリジメチル−コ−ポリメチルビニルシロキサンの製造
窒素雰囲気下、かつ撹拌しながら、ビスアセトアセトキシプロピル−テトラメチルジシロキサン(c)45.3gと例3で記載したオルガノポリシロキサンC172gの混合物に、トリフルオロメタンスルホン酸0.4mlを添加した。次に、4時間撹拌しながら80℃まで加熱した。室温まで冷却し、かつ該反応混合物をフィルター助剤(Tonsil Optimum FH)(pH10)15gと混ぜ、かつ更に30分間撹拌した。次に、濾別し、かつオイルポンプ真空内で揮発性成分から濾液を取り除いた。収率:159.1g(73%)。1Hと29Si-NMR−スペクトルによれば、ポリマー(d)は、平均組成(Me2SiO)15.1(MeViSiO)4.2(Me2ViSiO1/20.2(Me(CH2 CH2 CH2−O−(CO)CH2 (CO)CH3)SiO1/21.7(Me2 (OH)SiO1/20.1を有した。
e)ポリ(ビス(アセトアセトキシプロピル−ポリジメチル−コ−ポリメチルビニルシロキサン)−チタン−ジイソプロポキシド)の製造
撹拌しながら、チタン(IV)−イソプロポキシド5.1g(17.8mmol)に、アセトアセトキシプロピル−ポリジメチル−コ−ポリメチルビニルシロキサン(d)38g(20mmol)を滴加した。次に、75℃まで加熱し、かつ更にこの温度で2時間撹拌した。引き続き、オイルポンプ真空内で75℃で全ての揮発性成分を抽出した。収率:ゴム様の高分子ポリマー37.7g(92%)
引き続き、得られたゴムA、ポリ(ビス(アセトアセトキシプロピル−ポリジメチル−コ−ポリメチルビニルシロキサン)−チタン−ジイソプロポキシド)とオルガノポリシロキサンDから成る付加架橋可能な混合物を、特殊鋼製のモールド中に充填し、かつ170℃及び5.45MPaの圧力で10分間、実験室用モールド内で加硫した。
DIN 53504-85/試験棒S1により測定した引裂強さは、同様にDIN 53504-85/試験棒S1により測定した比較例2の加硫物の引裂強さと比べて1.7倍高かった。
例4の本発明による加硫物の破断点伸びは、比較例2の加硫物と同じ大きさであった。

Claims (8)

  1. A1)平均的一般式(I)
    1 a2 b3 c4 dSiO(4-a-b-c-2d)/2 (I)
    [式中、
    1は、それぞれ相互に独立に、脂肪族の不飽和基を有さず、かつヘテロ原子を含有していてもよい一価の非置換又はハロゲン置換された1〜20個の炭素原子を有する炭化水素基であり、
    2は、ヘテロ原子を含有していてもよく、かつラジカル架橋又はヒドロシリル化反応が可能な2〜20個の炭素原子を有する同じ又は異なる一価の脂肪族不飽和、非置換又はハロゲン置換された炭化水素基であり、
    3、β−ケトカルボニル化合物のグループから選択される一価の基であり、
    4は、一般式(II)
    5xMLy5 (II)
    (式中、
    5は、脂肪族炭素−炭素−多重結合を有さない、1つ又は2つの原子価に酸素原子を有していてもよい2〜20個の炭素原子を有する非置換又は置換された二価の炭化水素基を意味し、
    Lは、β−ケトカルボニル化合物のグループから選択される、R5に共有結合し、かつMにイオン結合、有機金属結合、又は同様に共有結合した官能基であり、
    Mは、金属原子、金属イオン又はイオン基であり、かつ
    xは、0又は1であり、
    yは、0又は1であるが、
    但し、xが0であり、又はyが0である場合には、R5は、Mに直接に結合している)
    の二価の基であり、
    aは、1.6〜2.0の間の数であり、
    bは、0〜0.2の間の数であり、
    cは、0又は0.001〜0.2の間の数であり、かつ
    dは、0又は0.001〜0.2の間の数であるが、
    但し、成分A2が不在の場合には、cとdの数うち少なくとも1つは0とは異なり、かつc+d≧0.001である]
    の少なくとも1つのポリジオルガノシロキサン100質量部
    A2)少なくとも1つのイオン基、有機金属基又はイオン基と有機金属基を有する一般式(III)
    2xMLy2 (III)
    (式中、R2、L、x、y及びMは、先に記載した意味を有する)
    の化合物0〜60質量部、
    B)少なくとも1つの架橋剤1〜20質量部、
    C)補強性充填剤又は非補強性充填剤0〜200質量部、
    D)触媒0〜100質量部、及び
    E)着色顔料、触媒、阻害剤、可塑剤、溶剤、安定剤、難燃添加剤、接着促進剤、シリコーン樹脂、離型添加剤、電防止剤、微小中空球、発泡剤、接着力調整添加剤、熱伝導性又は電気伝導率を高める添加剤ならびにそれらの混合物を含有するグループから選択される更なる成分0〜100質量部、
    を含有する架橋可能なシリコーン材料。
  2. 一般式(III)のイオン基、有機金属基、又はイオン基と有機金属基を有する添加剤A2を、平均的一般式(IV)
    1 e2 fSiO(4-e-f)/2 (IV)
    (式中、
    eは、1.9〜2.0の間の数であり、かつ
    fは、0〜0.1の間の数であり、かつ
    1とR2は、式(I)で挙げた意味を有する)
    のポリジオルガノシロキサンと反応させる、請求項1に記載の架橋可能なシリコーン材料。
  3. 架橋剤(B)は、ラジカル開始(B1)、付加架橋/ヒドロシリル化(B2)又はクーロン力もしくは配位相互作用の形成により行われる架橋(B3)を引き起こす化合物を含有するグループから選択される、請求項1又は2に記載の架橋可能なシリコーン材料。
  4. 架橋剤(B1)は0.1〜5質量%含有され、かつ有機ペルオキシド又は有機ペルオキシドの混合物であり、架橋剤(B2)は1〜20質量%含有され、かつ少なくとも3個のSi−結合水素原子を有する有機ケイ素化合物であり、かつ架橋剤(B3)は0.1〜20質量%含有され、かつ無機酸又は有機酸の金属塩である、請求項に記載の架橋可能なシリコーン材料。
  5. 架橋したシリコーン材料は、架橋後に500pN〜4nNの間の機械的結合強さを有する、請求項1からまでのいずれか1項に記載の架橋可能なシリコーン材料。
  6. 請求項1に規定される平均的一般式(I)のポリジオルガノシロキサン(A1)がイオン官能化、有機金属官能化、又はイオン官能化及び有機金属官能化されることにより得られるポリジオルガノシロキサンであって、
    a)20〜10000の平均重合度
    b)アルケニル官能性オルガノシロキシ単位0〜20mol%、
    c)一価のイオン官能化、有機金属官能化、又はイオン官能化及び有機金属官能化されたオルガノシロキシ単位0.1〜20mol%、及び
    d)二価のイオン官能化、有機金属官能化、又はイオン官能化及び有機金属官能化されたオルガノシロキシ単位0.1〜20mol%
    を有する
    オルガノシロキサン。
  7. 請求項1からまでのいずれか1項に記載のシリコーン材料の架橋により得られるシリコーンエラストマー。
  8. 自動車製造、電気若しくは電子技術、航空若しくは宇宙航空学、医学技術、家庭用品製造、機械エンジニアリング若しくは装置エンジニアリング、又は、ペーパーコーティング若しくはフィルムコーティングにおける、請求項に記載のシリコーンエラストマーの使用。
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