JP4890000B2 - アクスル装置および作業機械 - Google Patents
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Description
また、同様に、出力軸と円筒ケースの蓋部との間にプレートを介装し、出力軸が摺動しても蓋部が損傷することを防ぐことのできる減速機付油圧駆動装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。なお、このプレートは、プラネットギアを保持するキャリアに設けられている。
さらに、トルクシャフトとシャフト側保護部材とが別体であるので、シャフト側保護部材の材料選択性や加工の自由度を向上できる。従って、シャフト側保護部材の強度および面粗さを調整することができ、シャフト側保護部材の磨耗を一層抑制できる。
(1)ホイールローダ1の概略構成
図1は、本実施形態に係るホイールローダ1を示す側面図である。
ホイールローダ1は、掘削して得た土砂等をトラック等に運搬および積込する作業機械である。このホイールローダ1は、図1に示すように、前部ユニット21および後部ユニット22を有する車体本体2を備えている。
また、後部ユニット22の前方側部分で、車体本体2の略中央には、内部に運転席を有するキャブ221が設けられている。
図2は、ホイールローダ1に設けられたアクスル装置6を示す断面図である。図3は、図2の部分拡大図である。
アクスル装置6は、タイヤ31,32毎に設けられ、図示しないアクスルハウジング内部に設けられたデファレンシャルギアを介してエンジンの駆動力をタイヤ31,32に伝達する。
このうち、トルクシャフト7は、一端(図2および図3中矢印A1側の端部)がデファレンシャルギアに接続された棒状部材で形成され、後述するハウジング8のハウジング本体81を挿通し、他端(図2および図3中矢印A2側の端部)がハウジング本体81から露出している。
ハウジング8は、回転減速機構9を回転自在に保持するものである。このハウジング8は、ハウジング本体81、プレート82、リングギアハブ83、2つのローラーベアリング84,85および油圧ピストン86を備えて構成されている。
ハウジング本体81は、車体本体2のアクスルハウジング端部に固定される。このハウジング本体81には、トルクシャフト7が貫通する孔811が形成されている。また、詳しい図示を省略したが、ハウジング本体81において、デファレンシャルギアが配置される側(矢印A1側)の端部には、後述する回転減速機構9のホイールハブ93に設けられたブレーキディスク931を把持して、当該ホイールハブ93の回転を止めるディスクブレーキ装置の油圧ピストン86が設けられている。
リングギアハブ83は、後述する回転減速機構9の第1リングギア912および第2リングギア922を保持するものである。このリングギアハブ83は、第1リングギア912および第2リングギア922の回転を許容しない。
ローラーベアリング84,85は、ハウジング8の外周に固定されており、後述するホイールハブ93のハウジング8の外周に沿った回転を円滑にする。
回転減速機構9は、トルクシャフト7の回転を、タイヤ31,32のホイール932に伝達する。この回転減速機構9は、第1回転減速機構91、第2回転減速機構92およびホイールハブ93を備えて構成されている。
第1回転減速機構91は、トルクシャフト7の回転を減速して第2回転減速機構92に伝達する。この第1回転減速機構91は、第1サンギア911、第1リングギア912、第1プラネットギア913および第1キャリア914を備えて構成されている。
この第1サンギア911には、トルクシャフト7の先端側(図2および図3中矢印A2側)の端面を覆い、本発明のシャフト側保護部材としてのスラストプレート9111が、交換可能に固定されている。このため、スラストプレート9111は、トルクシャフト7および第1サンギア911と一体に回転する。
なお、本実施形態では、スラストプレート9111は、図示したように、第1サンギア911にピンによって固定されているが、ねじによって固定されるようにしてもよい。
第1プラネットギア913は、本発明のプラネットギアに相当し、第1サンギア911の外側で、かつ、第1リングギア912の内側に配置され、第1サンギア911および第1リングギア912のそれぞれと噛合する。この第1プラネットギア913は、第1リングギア912がリングギアハブ83に固定されているので、トルクシャフト7および第1サンギア911の回転により自転しながら、第1サンギア911の外周に沿って公転する。
第2サンギア921は、トルクシャフト7の回転中心の延長線上に中心が位置するように配置され、前述のように、第1回転減速機構91の第1キャリア914とスプライン結合された円筒状のギアである。このため、トルクシャフト7の回転により第1キャリア914が回転すると、第2サンギア921は、第1キャリア914と一体となって回転する。なお、この第2サンギア921には、軸方向に沿って当該第2サンギア921を貫通する貫通孔9211が形成されており、当該貫通孔9211内部には、後述するカバー925の台座部9251が配置される。
なお、本実施形態では、カバー925と、台座部9251およびワッシャ受け台座部9252とは別部材として構成したが、台座部9251およびワッシャ受け台座部9252をカバー925に一体的に設けてもよい。
このホイールハブ93の矢印A1側の端部には、ブレーキディスク931が取り付けられている。このブレーキディスク931が、ハウジング8に設けられた油圧ピストン86によって把持されることで、ホイールハブ93、ひいては、ホイール932の回転が止められる。
ここで、トルクシャフト7の回転に伴うホイール932の回転について説明する。
トルクシャフト7が回転すると、当該トルクシャフト7の外周に設けられた第1サンギア911が回転する。この第1サンギア911の回転は、当該第1サンギア911に噛合する第1プラネットギア913に伝達される。ここで、第1プラネットギア913に噛合する第1リングギア912は、リングギアハブ83に固定されているので、第1プラネットギア913は、第1サンギア911の外周に沿って自転しながら公転する。
この第2サンギア921の回転は、第2サンギア921に噛合する第2プラネットギア923に伝達される。第2プラネットギア923が噛合する第2リングギア922は、リングギアハブ83に固定されているので、第2プラネットギア923は、第2サンギア921の外周に沿って自転しつつ公転する。
また、スラストプレート9111がトルクシャフト7および第1サンギア911とは別部材で構成されているので、当該スラストプレート9111の材料および形状等の選択自由度を向上できる。この際、スラストプレート9111を強度の高い材料で形成することで、当該スラストプレート9111の磨耗を抑制できる。また、スラストプレート9111のスラスト受けワッシャ9253に対向する面の面粗さを小さくすることにより、スラストプレート9111がスラスト受けワッシャ9253に当接して摺動した際の当該スラストプレート9111の抵抗を下げることができる。従って、スラストプレート9111の材料の選択および面粗さの調整により、スラストプレート9111自体の磨耗も抑制することができる。
さらに、スラストプレート9111は、トルクシャフト7の端面を覆うように設けられているので、トルクシャフト7の先端面全面を保護することができる。
加えて、スラストプレート9111が第1サンギア911に交換可能に固定されているので、スラストプレート9111の取付を容易に行うことができる。
本発明を実施するための最良の構成などは、以上の記載で開示されているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部若しくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
また、前記実施形態では、スラストプレート9111は、トルクシャフト7の端面を覆う板状体として構成されているが、本発明はこれに限らない。すなわち、トルクシャフト7が、第2キャリア924および当該第2キャリア924と一体となって回転する部材に対して直接当接しないように、スラストプレート9111が、トルクシャフト7と第2キャリア924との間に介装されていればよい。
Claims (4)
- アクスル装置であって、
軸方向を中心にして回転するトルクシャフトと、
前記トルクシャフトと回転中心を同じにして配置され、当該トルクシャフトと一体に回転するサンギアと、
前記サンギアと略同じ位置に中心軸を有し、前記サンギアの外側に配置されるリングギアと、
前記サンギアおよび前記リングギアと噛合して、前記サンギアの外周に沿って回転するプラネットギアと、
前記トルクシャフトの端面に対向して配置され、前記プラネットギアまたは前記リングギアを介して回転する回転機構とを備え、
前記トルクシャフトの端面と回転機構との間には、前記サンギア又は前記トルクシャフトに固定され、前記トルクシャフトと同じ回転速度で前記トルクシャフトと一体に回転するシャフト側保護部材が設けられている
ことを特徴とするアクスル装置。 - 請求項1に記載のアクスル装置において、
前記シャフト側保護部材は、前記トルクシャフトの端面を覆い、前記回転機構との対向する面の面積が、前記端面の面積よりも大きい板状に形成されている
ことを特徴とするアクスル装置。 - 請求項1または請求項2に記載のアクスル装置において、
前記回転機構の前記シャフト側保護部材に対向する面には、当該回転機構に対して着脱自在な回転機構側保護部材が設けられている
ことを特徴とするアクスル装置。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載のアクスル装置を備えている
ことを特徴とする作業機械。
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