JP4885758B2 - 紙パック用の蓋 - Google Patents
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Description
また、特許文献2に開示された紙パック用の蓋は、3個の山形突出部を有する本体(特許文献1の外筒に相当する)と、山形突出部を有する底板(特許文献1の中底板に相当する)と、からなり、底板の山形突出部を本体の中央の山形突出部に内嵌することにより、本体と底板の間に2箇所の収納空間を形成し、該空間に口金やしぼり袋が収容されている。
他方、このように中底板が接着テープなどで外筒に止着されているため、収納された口金などを取り出す際、中底板を外し難いという問題点がある。
上記紙パック用の蓋は、蓋本体から一体的に延設されたシート片を折り曲げることによって、物品収納空間が形成されるので、接着テープなどを用いてシート片を止着する必要がなく、物品を簡易に収納することができる。
また、上記物品収納済みの蓋は、折り曲げられたシート片を蓋本体から引き出すだけで、収納された物品を簡易に取り出すことができる。
さらに、上記紙パック用の蓋は、凹部に嵌入されるシート片の嵌入領域に、紙パックの板状突出部の面に当接しうる突部が形成されているので、紙パックの板状突出部に凹部を外嵌しつつ蓋を紙パックに被せることにより、シート片の突部が、紙パックの板状突出部に当たり、その板状突出部の面を押圧する。従って、蓋本体の凹部と紙パックの板状突出部の間に間隙を有していても、該隙間にシート片の突部が介在するので、被せた蓋が紙パックから不用意に外れることを防止できる。
かかる紙パック用の蓋は、蓋本体を紙パックの上方部に被した際、傾斜凸部が紙パックの傾斜面部の側辺部に係止されるので、被せた蓋が紙パックから不用意に外れることを防止できる。
また、本発明の紙パック用の蓋は、紙パックに対して外れ難いので、例えば、搬送途中で異物と接触した際に、紙パックから脱落することを防止できる。
ただし、同様の構成を示す用語の接頭語として、「第1」、「第2」などを付すが、これは、用語を区別するために付するものであり、部材の優劣、順序などを意味するものではない。また、方向を示す用語として、「上」は、紙パックを自立させた状態を基準として、自立させた面から鉛直方向へ離れる方向を指す。「下」は、紙パックを自立させた状態を基準として、自立させた面に近づく方向を指す。
本発明の蓋1は、図5に示すように、板状突出部21が突設された略切妻屋根状の上方部22を有する紙パック2に、着脱可能に取り付けられる。
具体的には、該紙パック2は、例えば、厚紙にフィルムが積層されたラミネートシートを用いて形成されている。該紙パック2は、四角筒状の胴部23と、該四角筒状の胴部23の下面を閉塞する平坦状の底面部24と、該胴部23の上面を閉塞する略切妻屋根状に形成された一対の傾斜面部25,26と該一対の傾斜面部25,26の稜線に沿って上方に突設された板状突出部21とを有する上方部22と、を備える。
上記紙パック2の上方部22は、四角筒状の胴部23の上方側に於ける4つの壁面のうち、対向する第1壁面及び第2壁面の面内に、各壁面の上辺中央から左右傾斜状に延びる折り目を形成し、該折り目に沿って前記第1及び第2壁面をそれぞれ内側へ折り込みつつ、残る2つの第3壁面及び第4壁面を互いに向かい合うように傾斜させると共に、該第3壁面及び第4壁面の上辺部を接着することによって形成されている。
この板状突出部21は、一対の傾斜面部25,26の上辺部を幅方向に帯状に接着した部分である。該板状突出部21は、その接着部分を捲り剥がすことによって、紙パック2を開口する開封口となる。
蓋本体3は、上記紙パック2の一対の凹み面部27を覆う一対の側面壁31,32(第1及び第2側壁面)と、該一対の側面壁31,32の間に形成され且つ紙パック2の一対の傾斜面部25,26を覆う一対の正面壁33,34(第1及び第2正面壁)と、前記一対の正面壁33,34の接合部分に形成され且つ紙パック2の板状突出部21に上方から外嵌可能な凹部35と、を有する。
蓋本体3の第1及び第2側面壁31,32は、紙パック2に被せた際、紙パック2の傾斜面部25,26の側辺部25a,26aの縁に当接しうる。この蓋本体3の側壁面31,32には、紙パック2の凹み面部27側(蓋本体3の内部側)へ向かって突出する係止凸部36が形成されている。この係止凸部36は、蓋本体3を紙パック2の上方部22に被せた状態に於いて、傾斜面部25,26の側辺部25a,26aの下方に係止できる位置に突出されている。
ただし、係止凸部36は、上記のように4ヶ所形成されている場合に限定されず、係止凸部36が、2ヶ所形成されているもの、或いは、1ヶ所形成されているものなどでもよい。要は、係止凸部36によって、紙パック2の傾斜面部25,26の側辺部25a,26aの少なくとも1ヶ所にて係止できればよい。もっとも、上記のように係止凸部36が4ヶ所形成されている場合には、紙パック2に対する係止を確実に行えるので好ましい。
該凹部35の内寸は、紙パック2の板状突出部21を挿入脱できる程度であれば特に限定されず、例えば、紙パック2の板状突出部21の肉厚よりも広く形成されている。例えば、板状突出部21は、通常、厚み1〜2mm程度のものが汎用されているため、凹部35の内寸は、3〜10mm程度に形成される。
なお、蓋本体3は、下方開口部を通じて紙パック2の上方部22に被せられるが、蓋本体3を被した際、蓋本体3の側面壁31,32の下方側及び正面壁33,34の下方側が、紙パック2の胴部23の一部に被さるように形成されている。
蓋本体3とシート片5の境界部分であるシート片5の基部には、ヒンジ部51が形成されている。このヒンジ部51は、シート片5の全幅に渡って(シート片5の一側縁5aから他側縁5bにかけて)形成された凸状部からなる。該ヒンジ部51を介して、シート片5を折り曲げることができる。また、該ヒンジ部51は、凸状部からなるので、シート片5を折り曲げた際、該凸状のヒンジ部51が、紙パック2の胴部23の上方側に当接しうる。このため、該凸状のヒンジ部51は、蓋本体3を紙パック2から外れ難くする機能を有する。
もっとも、ヒンジ部51は、かかる凸状部に限られず、例えば、シート片5にミシン目線やハーフカット線を形成することで代用することもできる。また、かかるヒンジ部51が設けられていなくても、シート片5は、蓋本体3との境界部分に於いて、折り曲げることができる。
該第1及び第2突部52,53は、シート片5を平面状に保持する補強リブとして機能する。また、第2突部53は、シート片5を蓋本体3の内部に折り曲げてその先端辺部5cを凹部35に嵌入した状態で、紙パック2の板状突出部21に当接する押圧用の突部としても機能する。シート片5を折り曲げた際に、第2突部53が紙パック2の板状突出部21に当たるようにするために、図2及び図3に示すように、第2突部53は、シート片5の上方側へ向けて突出されている。
また、シート片5の幅(シート片5の一側縁5aから他側縁5bまでの長さ)は、蓋本体3の第2正面壁34の下辺部34aの幅よりも僅かに狭く形成されている。
蓋1は、好ましくはシート成形法によって形成される。例えば、蓋1は、厚み300μm〜700μm程度の熱可塑性樹脂シート(例えば、ポリプロピレンシート等)を用いて、公知のシート成形法によって形成することができる。
なお、蓋1には、必要に応じて、適宜なデザイン印刷を施してもよいし、又、ラベルなどを貼付してもよい。
図6に示すように、蓋本体3の第2正面壁34の下面側に物品Xを挿入する。
収納される物品Xは、特に限定されず、各種景品、口金やしぼり袋などの調理用備品などの任意のものである。
次に、ヒンジ部51に於いてシート片5を内側へ折り曲げ、シート片5の先端辺部5cを蓋本体3の凹部35に嵌入する(該凹部35に嵌入した部分を、シート片5の嵌入領域という)。シート片5が、凹部35に嵌入されることにより、折り曲げられたシート片5は、凹部35に係止される。このためシート片5は元の状態に復帰せず、該シート片5と蓋本体3の第2正面壁34の間に物品Xの収納された物品収納空間6が形成される。
このように折り曲げたシート片5の一部が凹部35に嵌入されていると、シート片5の復元力によってシート片5が元の状態に戻る虞がなく、物品Xを確実に保持できる。
また、折り曲げられたシート片5は、それ自身の復元力によって、下方側へ回動するように付勢されている。従って、シート片5の嵌入領域は、凹部35の一方の内面35a(第1傾斜面33に近接した面)に当たった状態となる。
蓋本体3の凹部35には、折り曲げられたシート片5が嵌入しているので、該シート片5の嵌入領域が板状突出部21の一面に当たり、該シート片5の付勢力により、凹部35の一方の内面35aとシート片5の嵌入領域の間に存する板状突出部21を挟持することができる。特に、板状突出部21の嵌入領域には第2突部53が突設され、且つ凹部35には第3突部38が突設されているので、第2突部53が、板状突出部21の一面にスポット的に当接し、且つ第3突部38が板状突出部の他面にスポット的に当接する。従って、上記シート片5の付勢力と相乗して、シート片5の第2突部53が、板状突出部21の面を押圧するので、蓋1は、紙パック2から外れにくくなる。
なお、該シート片5の中間部55には、シート片5の基部に形成されたヒンジ部51と同様に、シート片5の全幅に渡って凸状に延びるヒンジ部56が形成されていることが好ましい。その他、必要に応じて、上記実施形態と同様に、補強リブとなる突部や、板状突出部に当接する突部などを適宜形成してもよい(これらは、図9及び図10に於いて、図示せず)。
かかるシート片5は、中間部55のヒンジ部56に於いて山折りされると共に、基部のヒンジ部51に於いてシート片5全体を蓋本体3の内部に折り曲げ、シート片5の中間部55を蓋本体3の凹部35に嵌入することにより、2つの物品収納空間6,6を形成できる(図10参照)。
この場合、図10(b)に示すように、第1正面壁33の下方部に切り目33aを形成し、該切り目33aで囲われた部分を蓋本体3の内部に押し込むことにより、第1正面壁33の一部分に、上方に斜め傾斜した掛止片部33bを形成してもよい。該係止片部33bの上方から、上記折り曲げられたシート片5の先端辺部5cを差し込むことにより、蓋本体3内に折り曲げられたシート片5を外れ難くすることができる。
さらに、同図に示すように、蓋本体3の側壁面31,32に形成される係合凸部36を、上記実施形態に比して、少し上方側に配置してもよい。
また、同図に示すように、シート片5と共に物品収納空間6を形成する第2正面壁34の、凹部35の境界部分に、下方に凹む段部34bを形成してもよい。
また、上記実施形態に於いて、紙パック2は、一対の傾斜面部25,26が平坦状のものを例示しているが、例えば、一方の傾斜面部25の中央部に、筒状の注ぎ口が突設されている紙パック2を用い、該紙パック2に本発明の蓋1を被せることもできる。かかる筒状の注ぎ口を有する紙パック2は、酒やみりんなどを入れる紙パックとして広く用いられている。
この場合、蓋1は、例えば、その正面壁の一部が紙パック2の上記筒状の注ぎ口に対応して凹状に形成されているものや、例えば、図8に示すように、第1及び第2正面壁33,34の双方が上方に膨らんだ形状に形成されているものが好ましい。
Claims (3)
- 板状突出部が突設された上方部を有する紙パックに着脱可能に取り付けられる紙パック用の蓋に於いて、
前記紙パックの上方部に被せられる下方開口型の蓋本体であって、紙パックの板状突出部に外嵌可能な凹部が設けられた蓋本体と、前記蓋本体の下方開口部を構成する辺部のうちの少なくとも一辺部から一体的に延設されたシート片であって、蓋本体の内部へ折り曲げ可能なシート片と、を有し、
前記シート片を蓋本体の下方開口部から内部へ折り曲げることにより、蓋本体とシート片の間に物品収納空間が形成され、
前記シート片は、それを折り曲げた際、その一部が蓋本体の凹部に嵌入される嵌入領域を有し、且つ前記嵌入領域には、紙パックの板状突出部の面に当接しうる突部が形成されていることを特徴とする紙パック用の蓋。 - 互いに向かい合うように傾斜された一対の傾斜面部と、前記一対の傾斜面部の上辺部を接着することにより形成され且つ上方に突出された板状突出部と、前記一対の傾斜面部のそれぞれの側辺部間に形成された凹み面部と、を有する上方部を有する紙パックに着脱可能に取り付けられる紙パック用の蓋に於いて、
前記紙パックの上方部に被せられる下方開口型の蓋本体であって、紙パックの板状突出部に外嵌可能な凹部が設けられた蓋本体と、前記蓋本体の下方開口部を構成する辺部のうちの少なくとも一辺部から一体的に延設されたシート片であって、蓋本体の内部へ折り曲げ可能なシート片と、を有し、
前記蓋本体には、前記紙パックの凹み面部側へ突出する係止凸部であって、少なくとも何れか一方の傾斜面部の側辺部に係止可能な係止凸部が形成されており、
前記シート片を蓋本体の下方開口部から内部へ折り曲げることにより、蓋本体とシート片の間に物品収納空間が形成されることを特徴とする紙パック用の蓋。 - 前記紙パックの上方部が、互いに向かい合うように傾斜された一対の傾斜面部と、前記一対の傾斜面部の上辺部を接着することにより形成された板状突出部と、前記一対の傾斜面部のそれぞれの側辺部間に形成された凹み面部と、を有し、
前記蓋本体には、前記紙パックの凹み面部側へ突出する係止凸部であって、少なくとも何れか一方の傾斜面部の側辺部に係止可能な係止凸部が形成されている請求項1に記載の紙パック用の蓋。
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