JP4885614B2 - 導電性ローラ - Google Patents

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Description

本発明は、導電性ローラに関する。特に、電子写真装置等に用いられる帯電付与部材に関し、さらに詳しくは複写機、プリンター、ファクシミリ及びこれらの複合機等の電子写真装置に用いられる導電性ローラに関する。
従来から、感光体ドラムを初期化帯電するための帯電器としてコロナ放電器が用いられてきた。しかし、コロナ放電は多量のオゾンを発生し、作業環境上の問題があること、また近年、OA機器は小型化の潮流にあることなどの理由により、コロナ放電に代わるものとして帯電ローラなどを用いる接触帯電方式が採用されるようになってきている。
電子写真装置の作動過程においては、感光体を一様に帯電させるための帯電ローラ、トナーを搬送し、感光体に付着させるための現像ローラ、トナーを感光体から用紙に転写するための転写ローラ、感光体に残留するトナーをかきとるクリーニングブレードを補助するクリーニングローラ等の種々の導電性ローラが使用されている。このような導電性ローラとしては、通常、金属よりなる回転軸の外周に、導電弾性層が同心円状に積層されたものが使用され、さらにその表面性を付与することを目的としてスポンジ状の導電弾性層の外周に表面層を積層して2層以上からなる導電弾性層を有する導電性ローラも必要に応じて用いられている。
このような導電弾性層は、感光体等の被接触材と常に一定の当接幅を確保するために低硬度で変形しやすく、しかも圧縮永久歪みが小さく、また、相手材への汚染性が著しく低いものが望まれている。このような導電弾性層として好ましい特性を備えている材料としては、カーボンブラック等の公知の導電性フィラー、イオン導電剤等を単独または併用して導電性を付与したウレタン樹脂が知られている。
しかしながら、表面層を積層せず導電弾性層を直接感光体に当接して使用するローラでは、イオン導電剤が感光体表面に移行する問題がある。また、要求される導電性を発揮するため、かなり多量の導電性フィラーを添加するとウレタン樹脂に用いるポリオール成分の粘度上昇によりイソシアネートとの混合が困難になり、製造上の問題がある。これらの問題点を軽減するためにスポンジ状の導電弾性層中に吸湿性のエチレンオキシドを含有させて導電性の向上を図ることが特許文献1(特開平10−268633号公報)に開示されている。
電子写真用現像ローラは、非磁性一成分トナーを供給ローラや薄層形成ブレードとの摩擦帯電により、トナーを帯電させ感光体上にトナーを搬送する。現像ローラは、トナーを帯電、搬送する機能が必要である。また、感光体、供給ローラ、薄層ブレードと接触しており、その摩擦係数は低い方が駆動トルク低減、すなわち消費電力の削減、駆動モーターの小型化で優位である。一方相手材と接触するためにローラの内層としては柔らかいほうが均一接触が可能であり、接触面積を稼げるといった利点がある。つまり内層はソフトで表面は摩擦係数が低い、トナーの帯電性が高い、あるいは、コントロールできるといった機能が必要となる。そのためにローラの内層はソフトなエラストマーで形成し、表面にコーティングを施す帯電性制御に関する特許出願が多く見受けられる。
特許文献2(特開平5−188733号公報)には、帯電音を低減することを意図しているのであるが、帯電フィルムを用いて、フィルムチューブ内側から押圧することなく感光体に接触させて帯電を行う技術が開示されている。しかし、この方法では駆動ローラ、帯電チューブおよびフィルムの押圧手段など複雑なシステムが必要になる。また、特許文献3(特開平7−92776号公報)には、発泡部材の外周面を導電性チューブで被覆した帯電ローラが記載されている。
特許文献4(特開平10−239985号公報)には、回転軸の外周に導電弾性層および表面層を同心に積層して設け、該表面層の外周に現像剤を担持させる電子写真装置の現像ローラにおいて、表面層にシリコン・アクリル共重合樹脂を0.2〜30重量%含有するポリウレタン樹脂を用いた現像ローラが開示されており、特許文献5(特開2002−235730号公報)には、帯電音圧の低減を意図して導電性軸体の外周面上に貯蔵弾性率1×104〜2×106Paの導電弾性層と表面層とを積層して成る導電性ローラが開示されている。
特開平10−268633号公報 特開平5−188733号公報 特開平7−92776号公報 特開平10−239985号公報 特開2002−235730号公報
公知となっているこれら導電性ローラの表面層は、ポリウレタン樹脂を主体としているので、対磨耗性、屈曲・変形性には優れているものの、導電性ローラと静電潜像保持体との周速度の差により接触面において導電性ローラの表面ウレタン層が静電保持体に引っ張られて復元する際に異音を発したり、微振動を起こすという問題やプリンターなどの場合にフィルミングと称する未消費の現像剤が導電性ローラ外周面にフィルム状に固着しやすくなる問題がある。
また、近年トナーは、ポリエステル系トナーが主流となっている。一般にポリウレタンは、物性の確保という面でポリウレタン樹脂はエステル系のものが使用されるが、エステル系ウレタンは、構造中含まれるエステル基とポリエステル系トナーとのインターラクションが強く、トナーの帯電以外に物理的な付着によりトナーのローラ上への付着が多くなり、感光体と現像ローラ間でトナー層厚が高くなり、いわゆる鳴き砂現象で感光体とローラの回転時に異音が発生するといった問題が生じる。
さらに、特開2002−235730号公報で開示されている動的粘弾性の貯蔵弾性率が1×104〜2×106Paの導電弾性層と表面層とを積層して成る導電性ローラでは、交流成分を含む電圧を印加して被帯電部材に電荷を付与した場合に発生する帯電音圧を耳障りに感じない70dB以下に低減できるという貯蔵弾性率であって、本発明の意図する貯蔵弾性率の範囲とは関連性がない。
本願発明は、トナーの帯電性をコントロールすると共に高温高湿環境(HH環境)下でのトナーの固着を防止するものである。
また、本願発明は、トナー介在下での感光体とローラの摩擦音を低減することを目的とする。
かかる視点に立って、導電性ローラについて鋭意研究した結果、本技術を完成した。
本発明の主な構成は次のとおりである。
(1)ポリエステル系トナーに用いられる電子写真装置用導電性ローラにおいて、弾性層とその上に少なくとも1層を有するコート層を設けた積層構造のローラであって、
該コート層は、アクリル樹脂とエーテル系ウレタン樹脂のブレンド物からなり、かつ、該コート層の粘弾性が、温度分散動歪が0.1%、周波数10Hz,昇温速度2℃/分の測定条件により測定した0〜50℃間の貯蔵弾性率E’が1.5x10Pa以上であり、厚みが0.1〜3μmであることを特徴とする導電性ローラ。
(2)ポリエステル系トナーに用いられる電子写真装置用導電性ローラにおいて、弾性層とその上に1層以上を有するコート層を設けた積層構造のローラであって、
該コート層は、アクリル樹脂とウレタン樹脂のブレンド物からなり、アクリル樹脂とウレタン樹脂の比率が8:2〜2:8であり、厚みが0.3〜3μmあって、ウレタン樹脂がポリカーボネート系ウレタンであることを特徴とする導電性ロ―ラ。
(3)電子写真用導電性ローラが現像ローラであることを特徴とする(1)又は(2)記載の導電性ローラ。
(1)電子写真装置等に用いられる導電性ローラにおいて、弾性層とその上に少なくとも1層コート層を設けた2層以上の構造からなり、最外層がアクリル樹脂とエーテル系ウレタン樹脂のブレンド物からなり、0〜50℃における厚さ0.1〜3μmであるコート層の貯蔵弾性率を1.5X10Pa以上にすることによりバルクはソフトで、表面は摩擦係数が低く、トナーの帯電性が高いあるいは帯電性をコントロールでき、HH環境でのトナーの保管安定性も優れた導電性ローラを提供することが可能となった。
(2)トナーとのインターラクションの低いポリカーボネート系のウレタンをウレタン樹脂に用いることで、異音の発生を防ぐことができる。トナーの付着量を低減できる。また、トナーのリセット性に優れることから、ローラ上のフィルミングを防止でき長期的に安定な画像を確保することができる。
本願発明は、ポリエステル系トナーに用いられる電子写真装置用導電性ローラにおいて、弾性層とその上に少なくとも1層を有するコート層を設けた2層以上の構造からなり、該コート層は、アクリル樹脂とエーテル系ウレタン樹脂のブレンド物からなり、かつ、該コート層の粘弾性が、温度分散動歪が0.1%、周波数10Hz,昇温速度2℃/分の測定条件により測定した0〜50℃間の貯蔵弾性率E’が1.5x10Pa以上とした導電性ローラである。
ローラの帯電性を制御するためにマイナス帯電性を示すアクリル樹脂とゼロ帯電性を示すウレタン樹脂をブレンドし、ブレンド比率を変更することで、帯電性を直線的にコントロールした。
アクリル樹脂は硬く、ウレタン樹脂は柔らかいので帯電性を若干プラスになるようにウレタン樹脂を多く配合した場合、被膜としてはソフトになる。
薄層ブレードやOPCは一定の荷重でローラに接触しており、コート層がソフトになると圧接でコート層が変形し、その部分が凹みとなるためにトナー層が厚くなるために黒筋となる。この凹みを防ぐには、コート層の貯蔵弾性率(E‘)を1.5X10Pa以上にすることが必要となる。
また、電子写真装置は、オフィスで使用されるためにある程度使用環境はコントロールされているが、機内温度の上昇、あるいは輸送環境を考慮すると最高50℃には上昇すると考えられるので、50℃でのコート層の弾性率を1.5X10Pa以上に制御する必要がある。このために、弾性率が50℃でも高く保持されたウレタン樹脂をアクリル樹脂にブレンドし、アクリル樹脂とウレタン樹脂のブレンド比率を変更することで帯電量をコントロールし、帯電性の低い、つまり、ウレタン樹脂量の多い範疇でもコート層の弾性率を確保することとした。このときの貯蔵弾性率E’の測定条件は、温度分散動歪0.1%、周波数10Hz、昇温速度を2℃/分である。
また、ポリエステル系トナーに用いられる電子写真装置用導電性ローラにおいて、弾性層とその上に1層以上を有するのコート層を設けた積層構造のローラであって、該コート層は、アクリル樹脂とウレタン樹脂のブレンド物からなり、アクリル樹脂とウレタン樹脂の比率が8:2〜2:8であって、ウレタン樹脂がポリカーボネート系ウレタンである導電性ロ―ラである。
近年、トナーはポリエステル樹脂系トナーが主流となっている。一般に、物性の確保という面でポリウレタン樹脂はエステル系のものが使用されるが、エステル系ウレタン樹脂は当然ながら構造中にエステル基を有しており、ポリエステル樹脂トナーとの相互作用が強い。そのためコート層とトナーとが物理結合を形成しやすくなるためにより固着しやすくなる。
特に薄層ブレードとローラの間に介在したトナ−は、ある荷重でローラ表面に押し付けられるためにローラとの相互作用により表面に固着しやすくなり、その部分がプリント数枚〜数十枚の間で白スジとなって現れることになる。
その解決手段として、ポリエステル樹脂系トナーとの相互作用を低下させるために、エーテル系のウレタン樹脂を使用した。
弾性率の高い樹脂で形成されているので、コート層が厚いと永久変形により凹みを生じる。逆に薄すぎると、コート層としての帯電性を確保する機能が発現できない。このためコート層の厚さは、0.1〜3μmが好ましい。
感光体と現像ローラ間に形成されるトナーの層厚は、いわゆる鳴き砂現象で感光体とローラの回転時に異音が発生する原因ともなる。その解決手段として、アクリル樹脂とウレタン樹脂のブレンド物からなり、アクリル樹脂とポリカーボネート系ウレタン樹脂とのブレンドをコート層に用いた。コート層は弾性率の高い樹脂で形成されているので、厚いと永久変形により凹みを生じる。逆に薄すぎるとコート層としての帯電性を確保する機能が発現できない。その厚さは、0.3〜3μmが好ましい。トナーとのインターラクションの低いポリカーボネート系のウレタン樹脂に用いることで、トナーの付着量を低減できるために異音の発生を防ぐことができる。また、トナーのリセット性に優れることから、ローラ上のフィルミングを防止でき、長期的に安定な画像を確保することができる。一方、ポリエステルトナーとのインターラクションのみを考慮した場合エーテル系ウレタンに較べて、機械的強度が高く耐久性に優れている。
以下、図面に基づき本発明を詳細に説明する。本発明の導電性ローラの基本構造は、先に本出願人が提案した特許文献5(特開2002−235730号公報)に開示したものと同様である。
図1は、本発明の実施の一形態による導電性ローラ1の軸線方向の断面図である。導電性ローラ1は、導電性の軸体2と、該軸体2の外周面上に形成された導電弾性層3と、導電性ウレタン樹脂内層3の外周面上に積層された表面層4とを含む多層構造を有する。本発明におけるコート層は、表面層4に相当する。
軸体2は、両端を軸支したり、駆動部品を嵌合するため両端を精密加工した細長い直円柱状であり、金属、たとえば鉄、アルミニウム合金、ステンレス鋼などが好適に用いられる。
導電性ウレタン樹脂内層3は、導電剤を配合したゴム組成物から形成される。ゴム組成物のゴム成分としては、天然ゴム、クロロプレンゴム、スチレン‐ブタジエンゴム、エチレン‐プロピレンゴム(EPDM)、ブチルゴム、アクリロニトリル‐ブタジエンゴム(NBR)、イソプレンゴム、シリコンゴム、エピクロルヒドリンゴム、ウレタンゴムなどやこれらのゴムの単量体を共重合して得られるゴムなどを挙げることができる。これらの合成ゴムおよび天然ゴムは、1種単独で使用してもよいし、2種以上混合して使用してもよい。
ゴム組成物に配合する導電性付与材としては、カーボンブラックや、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等の金属酸化物粒子を用いることができる。ゴムに対する分散性が良く、補強性にも優れる点で、カーボンブラックが好ましく用いられる。
表面層4は、アクリル樹脂とエーテル系ウレタン樹脂、あるいは、ポリカーボネート系ウレタン樹脂とのブレンド物からなり、導電性付与材や表面改質剤を添加、分散させた被膜からなる。
ゴム組成物中には、さらに加硫剤、加硫促進剤、軟化剤、充填剤、加工助剤などの各種配合剤や添加剤を添加してもよい。
導電性ウレタン樹脂内層3の層厚は、1〜10mm、好ましくは1.5〜5mmであり、コート層である表面層4の膜厚は、エーテル系ウレタン樹脂では0.1〜3μmが好ましく、ポリカーボネート系ウレタン樹脂では0.3〜3μmが好ましい。
さらに、エーテル系ウレタン樹脂をブレンドした場合は、コート層の粘弾性が0〜50℃間の貯蔵弾性率E‘が1.5X10Pa以上である。
一般に動的粘弾性測定におけるE’は動的弾性率あるいは貯蔵弾性率といい、虚数項である動的損失E”との和が応力とひずみの比である弾性率を示し、tanδは応力とひずみの位相差δの正接を示し、損失正接と称し、弾性率に対する粘性率の比である緩和時間の関数である。tanδのピーク温度は、動的粘弾性特性の一つであって動的粘弾性測定機によって測定されるtanδの中、最大となる値(ピーク値)を示す温度である。
E* = E’ + i E”
ここで、動的粘弾性とは、応力やヒズミが時間と共に周期的、正弦的に変わる場合の粘弾性をいい、貯蔵弾性率や損失係数、損失弾性率などによって特徴つけられる。また、ヒズミと応力との関係が線形であるような粘弾性を線形粘弾性といい、貯蔵弾性率E‘とは、線形粘弾性体に周期的、正弦的なヒズミまたは力を与えた場合に観測される弾性率をいう。この弾性率は弾性ゴム部材、すなわち、ゴム状高分子においては複素数になるため複素(動的)弾性率E*という。
導電性ローラ1は、軸体2の外周に導電性ウレタン樹脂内層3を設けてなり、導電性ウレタン樹脂内層3は、従来公知の押出成形や型注入成形などによって製造することができる。導電性ウレタン樹脂内層3を整形、研磨したのち、表面層4である外層をディッピング等の手段によりコートする。
本発明の導電性ローラは、電子写真装置、複写機・プリンター・FAX・これらの複合機などの現像ローラとして好適に用いることができるが、帯電ローラ、転写ローラ、クリーニングローラなどとしても使用することができる。
導電性ウレタン樹脂内層の上に表面層を設けたコート層に用いられるウレタン樹脂は、エーテル系ポリオール、ポリカーボネートポリオール、イソシアネート、架橋剤及び触媒を原料として製造される。
上記エーテル系ポリオールとしては、通常、ポリウレタンの形成に用いられるものであれば特に限定されず、ポリエチレングリコール、ポリブチレングリコール等のポリエーテルポリオールを挙げることができる。上記ポリオールは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
ポリカーボネート系ポリオールとしては、1,6ヘキサンカーボネート、1,5ペンタンカーボネートが用いられる。
上記アクリル樹脂とのブレンド物に用いられるエーテル系のウレタン樹脂に用いられるイソシアネートとしては、通常、ポリウレタンの形成に用いられるものであれば特に限定されず、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、及び、これらの異性体等を挙げることができる。好ましくは、耐摩耗性に優れたポリウレタンが得られることから、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、及び、その異性体である。上記イソシアネートは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
さらにウレタン樹脂に用いられる上記架橋剤としては、低分子量ジオールと低分子量トリオールとの混合物が好ましく用いられる。上記低分子量ジオールとしては、通常、ポリウレタンの形成に用いられるものであれば特に限定されず、例えば、1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等を挙げることができる。上記低分子量トリオールとしては、通常、ポリウレタンの形成に用いられるものであれば特に限定されず、トリメチロールプロパン、トリイソプロパノールアミン等を挙げることができる。
ウレタン化の触媒としては、トリエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリンなど三級アミン等のアミン系化合物、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジ(2−エチルヘキソエート)等の有機錫化合物が挙げられる。
一方、コート層でウレタン樹脂とブレンド物を形成するアクリル樹脂は、感光体、供給ローラ、薄層ブレード等相手材と接触する際に、摩擦係数を低減させるものであれば特に限定されず、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート等の硬度の大きいポリマーが好ましいが、ホモポリマーに限定するものではない。
〔実施例1〜5〕
<エーテル系ウレタン樹脂に関する実施例>
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。なお、コート層の厚み、粘弾性測定および導電性ロールの評価は、下記の方法で行った。
〔厚みの測定〕
コート層の断面を切断し、走査型電子顕微鏡(SEM)観察による断面写真から求めた。
〔粘弾性測定〕
コート層の塗工液をテフロン(登録商標)シート上に流し込み、希釈溶剤(THF/MEK等重量混合液)を蒸発除去した後、100℃で2時間乾燥させ、レオメーターDVE−V4(レオロジー社製)を用いて昇温速度2℃/分、周波数10Hzの測定条件で温度分散により求めた。
〔導電性ロールの評価〕
導電性ロールを市販のプリンターに設定して初期画像を出した後、50℃で1週間保管してから画像評価した。
導電性ウレタン樹脂内層および表面コート層と導電性ロールの作製方法を示す。
〔導電性ウレタン樹脂内層の作製〕
ポリオールであるエクセノール3030(旭硝子(株)製、水酸基価:56mgKOH/g)にあらかじめ1重量%濃度のケッチェンEC(ライオン(株)製、導電性カーボン)をロール分散した後、90℃で24時間減圧脱水して使用した。ポリオール100gに対してウレタン反応促進剤としてジブチル錫ジラウレート(日東化成製)100ppmを添加して混合し、これにイソシアネートとしてデスモジュールT−80(住化バイエルウレタン(株)製、NCO含量47%)を8.8g混合した。この混合液を金型に流し込み、100℃で10分間硬化反応した後、脱型してから80℃で12時間後硬化反応を行った。得られたウレタン樹脂硬化物を研磨して寸法を作りこみ、表面粗さ5μmのロール内層を作製した。
〔表面コート層と導電性ロールの作製〕
アクリル樹脂としてポリメントNK−380(日本触媒(株)製、固形分30重量%)に対して、ウレタン樹脂として3種のペレット、すなわち、E185(日本ポリウレタン工業(株)製、エステル系ウレタン樹脂)、P395(日本ポリウレタン工業(株)製、ポリエーテル系ウレタン樹脂)、P22M(日本ポリウレタン工業(株)製、エステル系ウレタン樹脂)を固形分15%となるようにテトラヒドロフラン(THF)に溶解してウレタン樹脂ドープを作製した。
導電性付与は、上記ケッチェンブラックを分散処理したものをコート層の固形分に対し、5重量%添加した。かくして得られた塗工液の固形分をテトラヒドロフラン(THF)/メチルエチルケトン(MEK)の等重量混合溶剤で変量して膜厚を変化させる方法でロールをディッピングによる被膜を形成してから100℃で2時間乾燥した後、端部をカットして導電性ロールを得た。
実施例1〜5および比較例1〜4の導電性ロールにおける実配合とコート層の固形分(重量%)、膜厚(μm)、0〜50℃における貯蔵弾性率および得られた導電性ロールを用いた実機による初期とHH環境条件(50℃、相対湿度85%の環境条件)での保管後の画像評価を表1にまとめて示した。
表1の結果から実施例と比較例の対比から、エーテル系ウレタン樹脂に対するアクリル樹脂の比率を増させることにより貯蔵弾性率を1.5X10Pa以上とした導電性ローラは、実機での初期およびHH環境条件での保管後のいずれにおいても画像評価は良好であったが、貯蔵弾性率が上記の値より低い比較例では画像評価に何らかの欠陥が認められた。
図2に実施例および比較例で用いた導電性ローラのコート層の貯蔵弾性率の温度依存性を示したが、実施例で示した導電性ローラでは、いずれも50℃以下の温度領域で1.5X10Pa以上の貯蔵弾性率を維持していることが明らかになった。
〔実施例6〜10〕
<ポリカーボネート系ウレタン樹脂に関する実施例>
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。なお、コート層の厚み、粘弾性測定および導電性ロールの評価は、下記の方法で行った。
〔厚みの測定〕
コート層の断面を切断し、走査型電子顕微鏡(SEM)観察による断面写真から求めた。
〔粘弾性測定〕
コート層の塗工液をテフロン(登録商標)シート上に流し込み、希釈溶剤(THF/MEK等重量混合液)を蒸発除去した後、100℃で2時間乾燥させ、レオメーターDVE−V4(レオロジー社製)を用いて昇温速度2℃/分、周波数10Hzの測定条件で温度分散により求めた。
〔導電性ロールの評価〕
導電性ロールを市販のプリンターに設定して、連続通紙テスト実施して画像、異音の状況を確認した。なお、「3連続通紙」は、1通紙単位1000枚とし、3000枚連続プリント試験を行ったことである。
導電性ウレタン樹脂内層および表面コート層と導電性ロールの作製方法を示す。
〔導電性ウレタン樹脂内層の作製〕
ポリオールであるエクセノール3030(旭硝子(株)製、水酸基価:56mgKOH/g)にあらかじめ1重量%濃度のケッチェンEC(ライオン(株)製、導電性カーボン)をロール分散した後、90℃で24時間減圧脱水して使用した。ポリオール100gに対してウレタン反応促進剤としてジブチル錫ジラウレート(日東化成製)100ppmを添加して混合し、これにイソシアネートとしてデスモジュールT−80(住化バイエルウレタン(株)製、NCO含量47%)を8.8g混合した。この混合液を金型に流し込み、100℃で10分間硬化反応した後、脱型してから80℃で12時間後硬化反応を行った。得られたウレタン樹脂硬化物を研磨して寸法を作りこみ、表面粗さ5μmのロール内層を作製した。
〔表面コート層と導電性ロールの作製〕
アクリル系樹脂としてアルマテックスL1044(三井化学製 固形分50%)を用いた。ウレタン樹脂ペレットとしてE980(カーホ゛ネート系、日本ホ゜リウレタン工業製 Hs=80A品) P22M(エステル系、日本ホ゜リウレタン工業製 Hs=80A品) E380(エーテル形 日本ホ゜リウレタン工業製 Hs=80A品)を用いた。これらのペレットを固形分15%になるようにTHFに溶解してウレタン樹脂ドープを作製した。
導電性付与は、上記ケッチェンブラックを分散処理したものをコート層の固形分に対し、5重量%添加した。
かくして得られた塗工液の固形分をテトラヒドロフラン(THF)/メチルエチルケトン(MEK)の等重量混合溶剤で変量して膜厚を変化させる方法でロールをディッピングによる被膜を形成してから100℃で2時間乾燥した後、端部をカットして導電性ロールを得た。
実施例6〜10、比較例5〜9および参考例の導電性ロールについて、その組成と画像評価を表2にまとめて示した。
表2の結果から実施例と比較例の対比から、アクリル樹脂とカーボネート系ウレタン樹脂の比率が8:2〜2:8の範囲にあるコート層を設けた導電性ローラが、異音が発生せず良好であった。コート層の厚みは、0.3〜3μmが良好であることが確認された。
導電性ローラの軸線方向の断面図 実施例1〜5、比較例1〜4に関するアクリル/ウレタンブレンド被膜のE‘
符号の説明
1 導電性ローラ
2 軸体
3 導電性ウレタン樹脂内層
4 表面層

Claims (3)

  1. ポリエステル系トナーに用いられる電子写真装置用導電性ローラにおいて、弾性層とその上に少なくとも1層を有するコート層を設けた積層構造のローラであって、
    該コート層は、アクリル樹脂とエーテル系ウレタン樹脂のブレンド物からなり、かつ、該コート層の粘弾性が、温度分散動歪が0.1%、周波数10Hz,昇温速度2℃/分の測定条件により測定した0〜50℃間の貯蔵弾性率E’が1.5x10Pa以上であり、厚みが0.1〜3μmであることを特徴とする導電性ローラ。
  2. ポリエステル系トナーに用いられる電子写真装置用導電性ローラにおいて、弾性層とその上に1層以上を有するコート層を設けた積層構造のローラであって、
    該コート層は、アクリル樹脂とウレタン樹脂のブレンド物からなり、アクリル樹脂とウレタン樹脂の比率が8:2〜2:8であり、厚みが0.3〜3μmであって、
    ウレタン樹脂がポリカーボネート系ウレタンであることを特徴とする導電性ロ―ラ。
  3. 電子写真用導電性ローラが現像ローラであることを特徴とする請求項1又は2記載の導電性ローラ。
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