JP4533692B2 - 導電性部材を有する現像装置及び画像形成装置 - Google Patents

導電性部材を有する現像装置及び画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4533692B2
JP4533692B2 JP2004218556A JP2004218556A JP4533692B2 JP 4533692 B2 JP4533692 B2 JP 4533692B2 JP 2004218556 A JP2004218556 A JP 2004218556A JP 2004218556 A JP2004218556 A JP 2004218556A JP 4533692 B2 JP4533692 B2 JP 4533692B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
developing device
layer
roller
regulating roller
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004218556A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006039188A (ja
Inventor
誠 中村
泰輔 徳脇
善之 ▲高▼野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2004218556A priority Critical patent/JP4533692B2/ja
Publication of JP2006039188A publication Critical patent/JP2006039188A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4533692B2 publication Critical patent/JP4533692B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Dry Development In Electrophotography (AREA)

Description

本発明は、画像形成装置の現像装置に関し、特に、現像装置で使用されるトナー規制導電性部材を有する現像装置、画像形成装置に関する。
電子写真プロセスにおいては、溶融温度が低い樹脂粉体であるトナーが介在するために、静電潜像担持体周辺の部品には、トナーが固着したり、付着したりしないようにすることが望まれている。
帯電部材、トナー担持体、トナー規制部材、転写部材等は部材表面にトナーの付着を伴いかつ、各部材が他の部材に当接して回転しているために、トナーへ掛かるストレスによって、経時でトナーが溶融し、部材表面に固着する場合がある。そのため、部材表面にトナーが固着しないような材料をコーティングすることが良く用いられる。
トナーの付着を防止する離型性の良好な材料としては、フッ素系材料が良く知られており、実際に使用されている。しかしながら、このようなフッ素系材料は、塗料にして加工性を良好にするために、フッ素含有率は少なくかつ、フッ素を部品表面に選択的に配向させることが難しい。
そのため、例えば、トナー担持体及び、トナー規制部材の場合、その担持体表面に、直接トナーあるいは、トナーとキャリアが混合された現像剤を担持したり、押圧されるために、トナーが担持体表面あるいは、規制部材に付着しやすく、また、トナーが担持体と規制部材当接部で強いストレスを受けるために、経時においてトナーが融着してしまう場合がある。
特に、トナーのみを用いる一成分現像方式の場合は、トナー担持体上でトナーを帯電させるために、トナー担持体にトナー供給部材や、トナー規制部材を強く当接させるため、トナー固着がより研著に発生しやすくなる。このトナー固着を防止するために、トナー担持体表面あるいは、トナー規制部材にフッ素系材料が用いられている。
しかしながら、前述のように、その部材の表面へのフッ素の配向が十分でないために、経時のトナー融着を防止する効果が十分ではなかった。また、フッ素系材料は、一般的に用いられている負帯電性のトナーの場合、トナー帯電性としては、逆帯電させる傾向があるためにトナー帯電量が低くなるという問題が発生する。
また、表面の摩擦係数が高いと、トナーとの摩擦熱が発生するために、トナーが融着しやすくなる。また、フッ素系材料は耐摩耗性に劣るため、部品の長寿命化が難しいということがあった。
従来では、軸体の外周面に少なくとも1層が形成された低硬度導電性ロールであり、その最外層が、シリコーングラフトアクリルポリマーであり、シロキサンから誘導される構造部分を除いたアクリルポリマー部分のガラス転移温度が−35〜30℃の範囲に設定された低硬度導電性ロールが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この提案と本発明の導電性部材との相違点は、本発明で用いられるアクリルシリコン樹脂は、アクリルポリマー部分のガラス転移温度は、30℃を超えるものである。また、硬度は、JIS−A 60〜80度であり、上記実施例に記載されている、35度という低硬度という部分において異なっている。
また、(a)フッ素化(メタ)アクリレート、(b)ポリシロキサン基含有(メタ)アクリレート(c)、前記(a)および(b)以外の(メタ)アクリレートを用いてなる共重合体(A)と、(B)フッ素化オレフィン系樹脂、(C)(メタ)アクリル系樹脂、(D)アミノ樹脂、(E)導電剤という(A)〜(E)を必須成分とする導電性組成物およびそれを用いた導電性ロールが提案されている(例えば特許文献2参照)。
この特許文献2と本発明の導電性組成物との相違点としては、本発明の導電性組成物では、フッ素化(メタ)アクリレート、フッ素化オレフィン系樹脂、アミノ樹脂は含んでおらず、材料の構成要件が異なる。
また、(a)フッ素化(メタ)アクリレート、(b)ポリシロキサン基含有(メタ)アクリレート、(c)(a)および(b)以外の(メタ)アクリレート(A)、(B)フッ素化オレフィン系樹脂、(C)(メタ)アクリル系樹脂、(D)イソシアネート系硬化剤およびアミノ樹脂の少なくとも一方からなる硬化剤、(E)表面にポリマーがグラフトまたは被覆されてなるカーボンブラック、の上記(A)、(B)、(C)、(D)、(E)を必須成分とする導電性組成物およびそれを用いた導電性ロールが提案されている(例えば、特許文献3参照)。この導電性組成物本発明の導電性組成物との相違点は、本発明の導電性組成物では、フッ素化(メタ)アクリレート、フッ素化オレフィン系樹脂は含んでおらず、材料の構成要件が異なる。
また、導電性部材の最外樹脂層が、ポリシロキサン含有アクリルモノマーを含む樹脂を基材樹脂として含有したロールで、基材樹脂が、ウレタン変性アクリル樹脂導電性組成物およびそれを用いた導電性ロールも提案されている(例えば、特許文献4参照)。
このロールの導電性組成物と本発明の導電性組成物との相違点は、本発明の導電性組成物においては、アクリル酸モノマーを重合したアクリル系樹脂(ポリマー)を用いており、アクリルモノマーではない。
現像装置及びそれに使用するトナー規制ローラ及びそのトナー規制ローラの現像装置への組み込み方法及びその現像装置を用いた画像形成装置について、本実施例と同様の現像装置に関して、トナー規制ローラの表面層をフッ素樹脂により構成した装置が提案されている(例えば、特許文献5参照)。
この開示と本発明との相違点は、本発明の導電性組成物が、表面層に水酸基を有するアクリルシリコン樹脂と、イソシアネート基から形成された架橋生成物から構成したものである点である。その他のトナー担持体、トナー供給部材、動作等は同等である。
その他、高分子型イオン導電材料を分散した熱可塑性樹脂組成物からなる抵抗調整層を導電性支持体上に形成し、該抵抗調整層の表面が、アクリル骨格中にポリシロキサン成分を含有するセラミックハイブリッド材料からなる保護層を被覆した帯電部材、そのポリシロキサンが、シリコンに少なくとも1つのアルキル基を有するものであり、前記保護層が、抵抗調整層と保護層の界面ではアクリル成分が豊富であり、層表面ではポリシロキサン成分が豊富である傾斜構造からなることを特徴とする帯電部材が開示されている(例えば、特許文献6参照)。
本発明の導電性組成物との相違点は、本発明の導電性組成物は、アクリル酸ポリマー中の水酸基を架橋剤により架橋させる点で異なっており、帯電部材限定となっている。
特許第3221385号公報 特開2002−298647号公報 特開2003−3032号公報 特開2003−140418号公報 特開2002−323816号公報 特開2003−76116号公報
本発明は、上述した実情を考慮してなされたもので、特にトナーが直接その表面に接触して機能する部品、すなわち現像装置に組み込まれている部品のトナー融着(固着)を防止してかつ、トナーを適正に帯電させ、耐摩耗性が高く、長寿命化を達成できる部品を提供することを目的とする。特に、トナー規制部材の表面にアクリルシリコン樹脂を用いることにより、表面の摩擦係数を低くして、トナーとの摩擦力を低減してかつ、経時に渡ってのトナー固着防止を図る。また、トナー帯電性を向上させ、画像形成装置としての高画質化を図る。
さらに、水酸基を有するアクリルシリコン樹脂を架橋剤で架橋させて、非可逆的にすることにより、機械的強度(耐摩耗性)を向上、耐水性を向上させ、耐環境性(抵抗変動)を向上し、シリコンにより摩擦係数を低減させ、トナー帯電性を向上させることを目的とする。
また、耐摩耗性の良好なアクリル酸ポリマーから形成されるアクリル樹脂と共重合させることで、ポリシロキサンの摩耗性を防止することを目的とする。
また、アクリルシリコン樹脂を他の部材との摺動時のストレスで樹脂層が剥離することがないように接着させることを目的とする。
さらに、イソシアネート基と水酸基により、ウレタン結合を形成することにより、柔軟性、耐摩耗性を発現させ、弾性基体上に形成しても、割れ等の不具合を防止することを目的とする。また、ウレタン結合により、トナー帯電性をより良好にすることを目的とする。
また、ポリシロキサンが表面方向に配向(集まる)することにより、ポリシロキサンに結合しているアルキル基が表面に配向するために、撥水性の向上、またシリコンの配向による撥油性を向上させ、トナー付着性を低減することを目的とする。
また、導電性部材が他の部材とニップを形成して摺動する際に、低摩擦係数によりトルクアップを防止する。また、ニップ部にトナーが介在する場合は、トナーの滑り性を向上させることにより、発熱を防止して、固着を防止することを目的とする。
また、アクリルシリコン樹脂から形成される導電性部材を現像装置のトナー規制部材として用いて、トナー担持体と接触させて、トナーを規制することにより、低摩擦係数によりトルクアップを防止、トナー帯電性を高くする、シリコンの表面への配向によるトナー固着の防止を図ることを目的とする。
また、トナー規制部材をローラ形状にして、非現像時に適宜回転させることにより、トナー担持体との当接面を経時に渡って同一面にしなくて済むため、トナーの蓄積によるトナー融着防止及び、トナー凝集体、トナー外添剤等の蓄積によるトナー担持体上のトナー薄層のスジの発生防止、経時同一面使用によるトナー規制部材の摩耗を防止することを目的とする。
また、トナー規制ローラの硬度を適正範囲にすることにより、トナー担持体とのニップ(接触面積)を形成することにより、トナー担持体上に適正な帯電量の適正なトナー層を形成することを目的とする。
帯電不良のトナーの通過を防止することにより、地汚れ等の画像不良を防止することを目的とする。
トナー担持体とトナー規制部材の当接ニップ部の圧力を均一にして、トナー担持体上のトナー量、トナー帯電量を均一にすることを目的とする。
また、トナー担持体とのニップ(接触面積)を形成することにより、トナー担持体上に適正な帯電量の適正なトナー層を形成することを目的とする。
トナー担持体とトナー規制部材の当接ニップ部の圧力を均一にして、トナー担持体上のトナー量、トナー帯電量を均一にすることを目的とする。
トナー担持体にトナー規制部材を押圧する際に導電性支持体が変形してニップ部の圧力の不均一を防止することを目的とする。
また、トナー規制ローラの表面粗さを規定することにより、トナー規制ローラ表面凹凸部へのトナーの蓄積防止を図ることができ、経時に渡ってトナー融着を防止することを目的とする。
また、トナー規制ローラの表面の(表面粗さより波長の長い)うねりを規定することにより、トナー担持体とトナー規制ローラとのニップの圧力を均一にして、トナー担持体上のトナー量、トナー帯電量を均一にすることを目的とする。
また、トナー規制ローラの体積抵抗値を規定することにより、静電的なトナー規制ローラへのトナーの付着を防止することとを目的とする。
また、トナー規制ローラを形成する導電性高分子層の体積抵抗値を規定することにより、静電的なトナー規制ローラへのトナーの付着を防止することとを目的とする。
また、経時に渡ってトナー担持体及び、トナー規制部材にトナー融着が発生しないことにより、安定した画像不良の発生を防止し、安定した画像形成装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、静電潜像が形成された像担持体に接触し、トナーを付着させて前記静電潜像を可視化させるために作像時に回転されるトナー担持体、及び前記トナー担持体に付着するトナーの量を規制して、前記トナー担持体にトナー薄層を形成するトナー規制ローラを備える、画像形成装置に使用される現像装置であって、前記トナー規制ローラは、現像時は停止しており、非現像時に、トナー担持体が、作像時の回転方向とは逆方向に回転するに伴って、トナー担持体との摩擦によって、トナー担持体と連れ周りで回転するものであって、少なくとも2層以上の異なる材料により構成される導電性部材からなる層を有し、その最外層が水酸基を有するアクリルシリコン樹脂と架橋剤からなり、前記水酸基が架橋剤により架橋することによる架橋生成物から形成されていることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の現像装置において、トナー規制ローラのローラ硬度がJIS−A60〜80度であることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の現像装置において、前記トナー規制ローラが、導電性の支持体上に導電性の高分子層を形成し、その上面に表面層が形成された構成であり、導電性の支持体の外径をA、導電層の厚さをBとしたときに、0.16≦(B×2)/A≦0.40であることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の現像装置において、前記トナー規制ローラの表面粗さRaが0.8μm以下であることを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の現像装置において、前記トナー規制ローラの表面うねりWcaが0.3μm以下であることを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の現像装置において、前記トナー規制ローラの体積抵抗が、1.0×10 4 〜1.0×10 12 Ωであることを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の現像装置において、前記トナー規制ローラの導電性高分子層の体積抵抗が、1.0×10 3 〜1.0×10 7 Ω以下であることを特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、請求項1に記載の現像装置において、前記アクリルシリコン樹脂が、アクリル酸ポリマーとポリシロキサンからなることを特徴とする。
また、請求項9に記載の発明は、請求項1に記載の現像装置において、前記アクリルシリコン樹脂と架橋剤により形成された樹脂層が、高分子の基体上に形成されていることを特徴とする。
また、請求項10に記載の発明は、請求項1に記載の現像装置において、前記架橋剤がイソシアネート基を有し、アクリルシリコンの水酸基とウレタン結合を形成することを特徴とする。
また、請求項11に記載の発明は、請求項1に記載の現像装置において、記ポリシロキサンが導電性部材の表面方向へ選択的に配向していることを特徴とする。
また、請求項12に記載の発明は、請求項1に記載の現像装置において、前記導電性部材の表面の最大静止摩擦係数が0.2以下であることを特徴とすることを特徴とする。
また、請求項13に記載の発明は、請求項に記載の現像装置、像担持体、帯電手段、光書き込み手段、転写部材、定着装置が少なくとも具備されていることを特徴とする画像形成装置を特徴とする。
本発明によれば、画像形成装置に使用される導電性部材において、少なくとも2層以上の異なる材料により構成されており、最外層が水酸基を有するアクリルシリコン樹脂と架橋剤からなり、前記水酸基が架橋剤により架橋することによる架橋生成物から形成されていることを特徴とする導電性部材により、最外層が、水酸基を有するアクリルシリコン樹脂と架橋剤からなり、架橋剤の水酸基とが架橋し、架橋生成物を形成することにより、撥水・撥油性、低摩擦係数になるため他の部品と摺動する場合、スチックスリップを起こしにくくなりかつ、トナー固着(融着)を防止することが可能となる。
また、アクリルシリコン樹脂と架橋剤により形成された樹脂層を、高分子の基体(層)上に形成することにより、樹脂層の接着性が良くなるため、樹脂層にねじれ等の力が加わっても、基体との界面で剥離することがない。
架橋剤がイソシアネート基を有することにより、低温で架橋反応をさせることが可能となるため、熱可塑性樹脂あるいは、ゴム等の高分子基体において使用することが可能となる。また、アクリルシリコンの水酸基とイソシアネート基が反応することによりウレタン結合が形成されるため、樹脂層の耐摩耗性及び、柔軟性を付加することが可能となる。
また、導電性部材をトナー担持体に付着するトナーの量を規制するトナー規制部材として現像装置で使用することにより、経時に渡って規制部材表面へのトナー固着を防止することができる。
また、トナー規制部材をローラにして、現像時は停止して、トナー担持体が、非現像時に作像時の回転方向とは逆方向に回転するに伴って、トナー担持体との摩擦によって、トナー担持体と連れ周りで回転させることにより、規制部材とトナー担持体との接触面を断続的に変更することができるため、規制ローラ表面を新しい部分にすることができかつ、経時での摩耗変化を防止することができる。また、接触による発生した熱の蓄熱を低減することができる。
さらに、本発明のトナー規制ローラは、現像時は停止して、トナー担持体が、非現像時に作像時の回転方向とは逆方向に回転するに伴って、トナー担持体との摩擦によって、トナー担持体と連れ周りで回転する現像装置を、画像形成装置に組み込んで用いることにより、経時で安定した画像を得ることができかつ、装置のメンテナンスとしては、現像装置を交換することなくトナーの補充のみで済むようになるため、ユーザーメンテナンスを非常に容易とすることが可能となる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
OA機器に用いられる導電性部材は、一般的には、金属等の機械的剛性(強度)の高い基体上に種々の機能を付加するために、表面層(機能表面)が形成されている。構成としては、金属等の上に直接、表面層を形成する場合や、樹脂及びゴム(エラストマー)を形成し、その上に表面層を形成する場合がある。導電性部材は、他の部品と当接して使用される場合が多く、その場合、どちらかの部材を弾性体にする必要がある。基体の材質は、金属、高分子(ゴム、プラスチック、エラストマー)より適宜選定される。
水酸基を有するアクリルシリコン樹脂は、水酸基を有するアクリル酸ポリマーとポリシロキサンから共重合することにより得ることができる。アクリル酸ポリマーとポリシロキサンの割合としては、ポリシロキサンを構成するジメチルシロキサンの割合が共重合全体の10〜20%が望ましい。10%を下回ると、表面への配向量が十分でなくなるために、摩擦係数の上昇及び、撥水・撥油性が低下する。また、20%を超えると、アクリル酸ポリマーとの相溶性が悪くなるために、樹脂として機能しにくくなる。
イソシアネート基を有する化合物(架橋剤)としては、種々のものがあり、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、シクロヘキサンジイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート、ウンデカントリイソシアネート、ヘキサメチレントリイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、及びこれらイソシアネート化合物の重合体、誘導体、変性体、水素添加体などが挙げられる。
これらの中では、特にヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環族イソシアネート、これらの重合体、誘導体、変性体が耐オゾン性や耐熱性などに優れる点から好ましく用いられる。イソシアネート化合物は、水酸基と反応することにより、架橋構造を形成する。また、化合物1分子のイソシアネート基数は、2官能(個)以上が望ましく、官能基数によって、アクリルシリコン樹脂との架橋構造が異なり、1分子当たりの官能基数が多くなるほど、3次元構造が発達し、剛直な樹脂となる。そのため、イソシアネート化合物は、基体の硬度等の弾性に応じて検討する。
本発明で用いる、アクリルシリコン樹脂は、図1に示す様に、基体21の上に、アクリルシリコン樹脂層22が配されており、ポリシロキサンを構成するジメチルシリコン23がアクリルシリコン樹脂層22内において、表面方向へ配向する傾向がある。そして、その最表面には、図2に示すように、ポリシロキサンのアルキル基であるメチル基24が配向しており、これにより、撥水(疎水)性が発現される。
撥油性に関しては、シリコンにより発現される。図3に一般の塗膜表面の状態を示すが、一般の塗料により形成形成された表面25は、カルボキシル基、水酸基が存在しているため、親水性が高く、撥水・撥油性に劣る。ポリシロキサンが表面方向へ配向する理由としては、ポリシロキサンとアクリル部の相溶性の悪さに加えて、溶剤が揮発していく際にポリシロキサンが一緒に移動していくものと考えられる。
そのため、塗料の溶剤の種類及び、希釈率、コーテイング方法等によっても配向の度合いは変化する。コーテイング方法については、後にも述べるが、例えばディップ法、スプレーコート、ロールコート法などの種々公知のコーテイング方法が挙げられる。特に、スプレイコート法は、膜厚均一性に優れており、本実施例においては、スプレイコート法を用いた。
導電性部材は、他の部品と当接して使用される場合が多く、特に、接触帯電装置、現像装置、転写装置においては、回転等により摺動することから、モータトルクの低減、異音、発熱を防止するために低摩擦係数が要求される。また、摩擦係数が高いと、ステイックにより画像にバンデイング(ムラ)が発生する。
ゴムあるいは、プラスチック等の高分子層表面の摩擦係数は、非常に高く、単独では使用できない。そのため、表面に各種機能を発現するコーテイングを行う。本発明においては、アクリルシリコン樹脂を用いることにより、一般に、摩擦係数を低減させるために用いられているフッ素系樹脂に比べて、低摩擦係数を達成することができた。このことにより、モータトルクの低減、現像部におけるトナーへのストレスの低減及び、バンデイングの発生を防止できた。摩擦係数としては、0.7以下が望ましいが、摺動速度が速くなる場合は、更に低い場合が望ましく、0.2以下が最も良好である。
(最大摩擦係数測定方法)(図4参照)
コピー用紙(リコーType6500)をローラにのせて、一方に0.98N(100g重)の重り30つけ、もう一方からデジタルプッシュプルゲージ31で紙32を一定速度(1mm/s)で10mm引っ張り、ゲージの最大値を読む。この時の値をF(N)とすると最大静止摩擦係数(μ)は次式で求められる。
μ=[ln(F/0.98)]/(π/2)
図5に本発明の現像装置を示す。この現像装置の動作を説明する。図5において、1は一成分現像装置である。この現像装置1の筐体2内には、現像ローラ3、トナー供給ローラ4、トナー搬送攪拌部材5、トナー規制部材としてのトナー規制ローラ6が設けられ、7はトナーである。なお、図示していないが、現像ローラには像担持体との間に電界を形成するために現像バイアスが印加されている。また、トナー規制ローラ及びトナー供給ローラは現像ローラと同電位になるように接続されている。
(現像ローラの構成)
現像ローラ3は直径26mmのアルミニウム製円柱体から構成されている。
そのアルミニウム製円柱体の両端部には図6に示すように回転軸3aが形成されている。図6において、符号3cは軸受けである。そのアルミニウム製円柱体の表面には層厚が10μm程度の表面層3bが形成されている。その現像ローラ3の表面粗さはJIS Rz規格で2μ以下の平滑面とされている。その表面層3bはアルミニウム製円柱体の表面に塗料をスプレー塗装して硬化させることにより形成される。その塗料には、ポリエステル樹脂とメラミン硬化剤と導電性粒子としてのITOとを分散して作成したものを用いる。
メラミン硬化剤はアミノ基を含有する物質であり、マイナス帯電トナーと逆極性を示す物質(プラス帯電性)であり、ITOはアルミナ粉をベースとして、このアルミナ粉の表面にインジウムドープ酸化錫をコーティングしたものである。
(トナー規制ローラの構成)
(1)弾性層
トナー規制ローラ6は、ここでは、現像ローラ3を剛性としたので、弾性ローラにより構成されている。その硬度は現像ローラ3の硬度よりも低硬度である。
これにより、現像ローラ3の耐久性が相対的に向上する。材料としては、ポリウレタン、EPDM、天然ゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、NBR、エピクロルヒドリンゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、シリコーンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン-プリピレンゴム、クロルプレンゴム、アクリルゴム及び、これらの混合物が挙げられる。さらにまた、架橋してゴム状物質とするために、架橋剤、加硫剤を添加することができる。この場合、有機過酸化物架橋及び、硫黄架橋のいずれの場合でも、加硫助剤、加硫促進剤、加硫遅延剤等を用いることもできる。更にまた、上記以外にもゴム配合剤として一般に用いられている発泡剤、可塑剤、軟化剤、粘着付与剤、粘着防止剤、分離剤、離型剤、増量剤、着色剤等を特性を損なわない範囲で添加することができる。また、塩素化ポリエチレン、EEA、EVA等の熱可塑性エラストマーも用いることができる。
ここでは、このトナー規制ローラ6は図7に示すようにステンレンス製の円筒状芯金(導電性支持体)6aの外周に、ニトリル−ブタジエンゴム(NBR)を被覆することにより弾性層6bを形成した。弾性層は、導電剤を添加することにより、導電性を付与又は調整して所定の抵抗値とすることができる。その導電剤としては、特に限定されず、ラウリルトリメチルアンモニウム、ステアリルメチルアンモニウム、オクタドデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、変性脂肪酸・ジメチルエチルアンモニウムの過塩素酸塩、塩素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、硫酸塩、エトサルフェート塩、臭化ベンジル塩、塩化ベンジル塩等のハロゲン化ベンジル塩等の第四級アンモニウム塩などの陽イオン性界面活性剤、脂肪族スルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加硫酸エステル塩、高級アルコール燐酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加燐酸エステル塩などの陰イオン界面活性剤、高級アルコールエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステル等の非イオン性帯電防止剤などの帯電防止剤、NaClO4、LiAsF6、LiBF4、NaSCN、KSCN、NaCl等のLi+、Na+、K+等のイオンを含む周期律表第1族の金属塩、あるいはNH4 +の塩などの電解質、また、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等の導電性カーボン、SAF、ISAF、HAF、FEF、GPF、SRF、FT、MT等のゴム用カーボン、酸化処理を施したカラー(インク)用カーボン、熱分解カーボン、天然グラファイト、人造グラファイト、アンチモンドープの酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、ニッケル、銅、銀、ゲルマニウム等の金属及び金属酸化物、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン等の導電性ポリマー等が挙げられる。
この場合、これら導電剤の配合量は、組成物の種類や導電部材の種類などに応じて適宜選定され、特に制限されるものではないが、102〜1010Ω、好ましくは103〜107Ωとなるように調整される。本発明においては、アセチレンブラックを用いて抵抗調整を行った。
トナー規制ローラの体積抵抗を、104〜1012Ωにすることにより、高抵抗側の画像上の残像の発生及び、低抵抗側の、地汚れの発生を防止することができる。
導電性高分子層の体積抵抗を、103〜107Ω以下とすることにより、表面層の抵抗を調整することなく、トナー規制ローラ全体の体積抵抗を、容易に調整することができる。また、表面層を高抵抗に設定することが可能であり、表面層の表面性を良好(表面粗さ、うねりを小さくする)にすることができる。
なお、ローラ硬度(軸上硬度)は、現像ローラ上に適正な帯電したトナー層を形成するためのニップを確保するためにJIS−A60〜80度であることが望ましい。60度を下回ると、弾性層の材料硬度を低くする必要があり、低硬度になると、加工上、表面粗さが大きくなってしまう。また、80度を超えると、現像ローラとの十分なニップを確保することができない。
ローラ硬度をJIS―A60〜80度とすることにより、トナー担持体上のトナー付着量及び、トナー帯電量を適正にすることができるニップを形成することができる。低帯電トナーの通過を防止することができるため、地汚れを防止することができる。
なお、この弾性層の厚さは、部材の種類や形態、大きさ、層構成等に応じて適宜設定され、特に制限されるものではないが、現像ローラとの当接圧を均一にするためには、トナー規制ローラの導電性支持体の外径(A)と弾性導電層の厚さ(B)の比率を0.16≦(B×2)/A≦0.40とすることが望ましい。0.16を下回ると、弾性層の弾性が寄与しなくなり、ほとんど導電性支持体の硬度と同等になるため、現像ローラとの十分なニップが形成できない。
また、線接触に近くなるためトナーへ掛かる荷重が強くなるため、トナーが粉砕されるあるいは、外添剤が埋没する等の不具合が発生する。逆に0.40を超えると、現像ローラとのニップが広くなり、トナーのニップ内の通過時間が長くなるためストレスにより発熱しやすく、融着しやすくなる。トナー規制ローラは上記関係式を満足するのみならず、剛性として導電性支持体の最低限の外径が必要である。支持体の最低限の外径としては、8mm以上、好ましくは、10mm以上である。このことにより、従来にない長寿命の現像装置を提供することができる。
弾性層の形成方法としては、押し出し成型、プレス成型等の成型方法によって、導電性支持体上に形成される。その後、形状を仕上げるために、円筒研作を行い、更に表面粗さ、うねりを小さくするために、ラッピングシートによるフィニッシャー加工を行った。このような加工を行うことにより、表面粗さRa0.8μm以下、うねりWca0.3μm以下の弾性層を得た(測定方法は下記の通りである)。
表面粗さをRa0.8μm以下にすることにより、微粉トナーの堆積によるトナー凝集体の発生を防止することができ、そのためにトナー固着を防止することができる。また、うねりをWca0.3μm以下とすることにより、トナー担持体上のトナー薄層ムラの発生を防止することができる。ここで、極性ゴムを用いることにしたのは、表面層6cの弾性層6bへの接着強度を増加させ、その剥離を防止するためである。これにより、画像プリントしたときにトナーの非画像部へ付着を防止することにより、地汚れの少ない良好な画像を形成できることになる。
弾性層6bと円筒状芯金6aとは接着剤6mを介して接続するのが望ましい。このように接着剤6mを用いて弾性層6bを円筒状芯金6aに接着すると、円筒状芯金6aと弾性層6bとの剥離を防止でき、弾性層6bの形状を安定に保つことができる。また、接着剤6mは導電性であることが望ましい。接着剤6mを導電性とすることにより、同様に地汚れの少ない良好な画像を形成できる。
(硬度測定方法)
A型硬度計を用いて、1kgの荷重を掛け、硬度計をローラ軸上に押し付て30秒後の測定値とした。
(表面粗さ、うねり測定方法)
測定器;小坂研究所 SE-30H
測定条件
表面粗さ;縦倍率;×2000、横倍率;×20、
測定長さ;2.5mm、
送り;0.5mm/s、
カットオフ;λc0.8mm
うねり;縦倍率;×2000、横倍率;×5、
測定長さ;25mm、
送り;2mm/s、
カットオフ;fh0.8mm、fl2.5mm
(2)表面層
表面層は、例えばディップ法、スプレーコート、ロールコート法どの種々公知のコーティング方法により、基体上に形成する。表面層の膜厚は、各部材の必要寿命に応じて摩耗量との兼ね合いで決定されるものであり、任意である。しかし最近の高画質化に対応するためには、部材の表面粗さはできるだけ小さいことが望ましく、従って、表面層の形成において、ローラ表面を平滑にする必要が生じてきた。そのためには、基材の表面粗さ以上の膜厚にして、弾性層の凹凸を埋めるような塗装方法を行う。なお、コーティングに際しては、各方法に適した塗料の粘度に調整するために、樹脂を溶剤に溶かして希釈して行う。コーティング後は、溶剤の揮発及び、架橋反応を促進するために、加熱・焼成を行うことが望ましい。この弾性層6bの表面にアクリルシリコン樹脂及び、イソシアネート架橋剤からなる表面層6cをスプレー塗装によって形成し、架橋反応を促進するために、80℃の熱風乾燥炉にて、1時間加熱硬化させた。そのアクリルシリコン樹脂からなる表面層6cの層厚は20μmである。このように、表面層を形成した後の表面粗さはRa0.8μm以下、うねりWca0.3μm以下であった(測定方法は上記)。本実施例においては、表面層は、導電性は付与していないが、システムの仕様に応じて、導電性付与剤によって、導電化しても構わない。
(3)抵抗値について(測定方法は、図14(a)、(b)に示す)
トナー規制ローラの抵抗値としては、1.0×104〜1.0×1012Ωであることが好ましい。1.0×1012Ωを超えると、画像に残像が発生してしまう。また、1.0×104Ω以下になると、表面層へ導電剤を高充填しなければならず、表面粗さ、うねりが大きくなり、現像ローラ上のトナー薄層が不均一になるという不具合が発生する。
測定条件は、印加電圧;100V、電圧印加時間;15秒、電極径;φ26とし、トナー規制部材の両端部に18Nの荷重を掛けて上記条件で測定する(図14(b))。
(トナー規制ローラの回転動作方法)
トナー規制ローラ6はその両端に回転軸部6dを有する。この回転軸部6dは図8に示すワンウエイクラッチ6eの内筒6fに回転可能に支承されている。ワンウエイクラッチ6eの内筒6fと外筒6gとの間にはボール6hが設けられると共に、食い込み突起6iが設けられている。ワンウエイクラッチ6eは内筒6fが矢印D方向に回転されると、ボール6hが食い込み突起6iに食い込んで、トナー規制ローラ6の回転を阻止する。内筒6fが矢印D方向と反対方向に回転すると、ボール6hと食い込み突起6iとの食い込みが解除されて、トナー規制ローラ6はスームズに回転され、ここでは、トナー規制ローラ6の矢印D方向の回転と反対方向への回転が図5に示す矢印C方向の回転(非作像時の従動回転方向)に対応している。
そのトナー規制ローラ6は一対の付勢スプリング8によって現像ローラ3に接触する方向(当接する方向)に付勢されている。その付勢スプリング8はここでは、ワンウエイクラッチ6eを付勢する構成とされている。
その現像ローラ3はその作像時に図5に示す矢印A方向に回転され、これにより、トナーの上流側9から下流側10に向かってトナー7が供給される。また、その現像ローラ3はその非作像時に矢印A方向とは逆方向Bに回転される。トナー規制ローラ6は、現像ローラ3が図5に示す矢印A方向に回転するときにはその回転が停止され、現像ローラ3が矢印B方向に回転するときには、現像ローラ3との摩擦接触によって矢印C方向に従動回転される。
トナー規制ローラ6を非作像時に現像ローラ3の回転方向(矢印B方向)と逆方向(矢印C方向)に強制的に回転させる構成とすることもできるが、現像装置1の構成が複雑化し、かつ、駆動ギヤーの構成いかんによってはバンディング等の副作用が発生するので注意が必要である。
この現像装置1によれば、現像ローラ3とトナー規制ローラ6とによって形成されかつトナー7の上流側9に存在する楔形状領域11に堆積しているトナー7を上流側9に吐き戻すことができるので、楔形状領域11にトナーが詰まって固着するのを防止できる効果がある。
トナー規制ローラ6の現像ローラ3への弾発付勢力Fは、この弾発付勢力Fを図9に示すように、現像ローラ3の回転中心O1とトナー規制ローラ6の回転中心O2とを結ぶ線分Lに沿う方向の方向成分F1と、この方向成分F1と直交する直交方向成分F2とに分解したとき、直交方向成分F2が現像ローラ3とトナー規制ローラ6との接触箇所において非作像時のトナー規制ローラ6の従動回転方向(矢印C方向)に向いているのが望ましい。
このように構成すると、トナー規制ローラ6の摩擦力が小さくともトナー規制ローラ6を現像ローラ3により一層確実に従動させて回転させることができる。
また、図10に示すように、弾性層6bを研削砥石12で研削すると、図11に示すように、トナー規制ローラ6の弾性層6bの表面に目6jが生じるが、このトナー規制ローラ6の弾性層6bの順目方向に抗する方向に非作像時の現像ローラ3が回転されるようにしてトナー規制ローラ6を現像装置1に組み込む構成とすれば、作像時にはトナー規制ローラ6の現像ローラ3に対する静止摩擦係数を小さくできるため、作像時の現像ローラ3の摩擦発熱を抑制でき、トナー7が現像ローラ3に溶着するのを低減できる。
その一方、非作像時には、トナー規制ローラ6の現像ローラ3に対する摩擦力を増大させることができるため、非作像時のトナー規制ローラ6の従動回転の確実化を図ることができる。
また、トナー規制ローラ6の製造時に生じる目6jを有効に利用して摩擦力を調節できる。
更に、図12(a)に示すように、弾性層6bの外径が円筒状芯金6aの延びる方向回転軸部6d、6d側から中央に向かって滑らかに直径が増大するクラウン(太鼓)形状とすれば、現像ローラ3に対するトナー規制ローラ6の当接圧力のより一層の均一化を図ることができる。
その弾性層6bを長手方向に沿って断面下ときの輪郭線の形状は、二次以上の多次曲線又は円弧曲線であることが望ましい。すなわち、図12(b)に示すように、例えば、輪郭線の形状が角部k1〜k4を有する弾性層6bからなるトナー規制ローラ6の回転軸部6dの両側を付勢して現像ローラ3に当接させることにすると、角部k1〜k4の部分のみが現像ローラ3に当接し、角部k1〜k4以外の部分は凹んで現像ローラ3に当接しないが、図12(a)に示すような滑らかな輪郭線を有する曲線に形成すると、現像ローラ3の長手方向全ての箇所に弾性層6bが均等に当接することになり、当接箇所の均質化を図ることができる。なお、その輪郭線の形状は、図12(a)に示すように、トナー規制ローラ6の輪郭線の形状は、弾性層6bの長手方向の寸法L1と高さH1とを適宜考慮して実験により定めれば良い。
現像装置は、図5の形態である。
なお、図示していないが、現像ローラには、像担持体との間に電界を形成するために、現像バイアスが印加されている。また、トナー規制ローラ及び、トナー供給ローラは、現像ローラと同電位になるように接続されている。
トナー規制ローラの両端部に24Nの荷重をバネにより与えた。
(現像ローラ)
芯金は両端部にφ8mmの回転軸が圧入されているφ26mm(t=1.5mm)のアルミニウム製三ツ矢パイプである。
表面層;ポリエステル樹脂とメラミン樹脂を固形分比で7対3の割合、ITOを55wt%(樹脂固形分に対して)をペイントシェーカーにより分散して、MEK、トルエンで希釈して塗料とした。上記芯金上にスプレーコート法により、膜厚約10μmの樹脂層を形成し、その後、熱風炉で160℃、1時間加熱焼成することにより、ポリエステル樹脂とメラミン樹脂を架橋させた。その後、表面を#1000のラッピングフィルムにより、研磨することにより仕上げた。表面粗さRaは0.4μm以下であった。
(トナー規制ローラ)
弾性層の形成方法
芯金は両端部φ6mm、弾性層形成部φ12mmで導電性接着剤を塗布後、型にセットし、NBRにカーボンブラック、加硫剤等を練り込んだゴム材料を充填してプレス成形を行い、脱型後、研削加工を行い、外径を仕上げた後、#1000、#1500のラッピングフィルムで研磨することによりφ14mmに仕上げた。形状は、中央部が端部方向に比べて太くなるようにクラウン形状とし、端部と中央部の外径差が240μmになるような、4次式で形成した。
(表面層の形成方法)
次の表1に記載する実施例及び、比較例に示すような材料をスプレーコート法により弾性層表面に膜厚約10μmの樹脂層を形成し、その後、熱風炉で加熱焼成することにより種々の表面層を得た。
Figure 0004533692
川上塗料(株) ムキコート3000VH
山本窯業化工(株) セラトップシリコーンSi
関西ペイント(株) アレスシリコン
神東塗料(株) ハイテントップKS-057
旭硝子(株) ルミフロン
日本アチソン(株) エムラロン
ナガセケムテックス(株) ジスロンEC06
次に表1に示した各表面材料をコートしたトナー規制ローラを現像装置に組み込み、図13に示すような画像形成装置(IpSiO Color6500)において、耐久評価を行った。
動作条件としては、現像ローラ3を1分間作像方向に空回しした後、逆回転を0.1秒間行った後、約10秒間停止させることを1サイクルとした。プロセススピードはA4ペーパーで1分間20枚とした。画像パターンは5%チャートを使用した。
表2に各枚数毎のトナー規制ローラ表面へのトナー固着状態と非画像部へのトナー付着による地汚れを評価した結果を示す。
Figure 0004533692
実施例1〜4のアクリルシリコン樹脂は、トナー固着に対して良好であり、そのため、30000枚プリンとにおいても、画像の非画像部に地汚れが発生することはなかった。
本発明の導電性部材の構成断面図である。 本発明のポリシロキサンのメチル基の配向を示す模式図である。 一般の塗膜表面の配向の無い表面状態を示す模式図である。 本発明に使用する最大摩擦係数測定方法を示す模式図である。 本発明の現像装置の構成断面図である。 本発明に使用する現像ローラの構成断面図である。 本発明のトナー規制ローラの断面図である。 本発明のトナー規制ローラの回転制御機構の断面説明図である。 本発明の同規制ローラの現像ローラへの弾発付勢の説明図である。 本発明のローラの弾性層の砥石研削の説明図である。 本発明のローラの回転方向とローラ表面の逆目順目の関係説明図である。 本発明のローラのクラウン形状の断面図である。 本発明のローラを使用する画像形成装置の1例の構成図である。 本発明に使用する抵抗値測定方法の構成説明図である。
符号の説明
1 一成分現像装置
2 筐体
3 現像ローラ
3a 回転軸
3b 表面層
3c 軸受け
4 トナー供給ローラ
5 トナー搬送攪拌部材
6 トナー規制ローラ
6a 円筒状芯金
6b 弾性層
6d 回転軸部
6e ワンウエイクラッチ
6f 内筒
6g 外筒
6h ボール
6i 突起
7 トナー
8 付勢スプリング
9 トナーの上流側
10 下流側
11 楔形状領域
12 研削砥石
O1、O2 回転中心
F 弾発付勢力
F1 方向成分
F2 直交方向成分
L 線分

Claims (13)

  1. 静電潜像が形成された像担持体に接触し、トナーを付着させて前記静電潜像を可視化させるために作像時に回転されるトナー担持体、及び前記トナー担持体に付着するトナーの量を規制して、前記トナー担持体にトナー薄層を形成するトナー規制ローラを備える、画像形成装置に使用される現像装置であって、
    前記トナー規制ローラは、現像時は停止しており、非現像時に、トナー担持体が、作像時の回転方向とは逆方向に回転するに伴って、トナー担持体との摩擦によって、トナー担持体と連れ周りで回転するものであって、少なくとも2層以上の異なる材料により構成される導電性部材からなる層を有し、その最外層が水酸基を有するアクリルシリコン樹脂と架橋剤からなり、前記水酸基が架橋剤により架橋することによる架橋生成物から形成されていることを特徴とする現像装置。
  2. 前記トナー規制ローラのローラ硬度がJIS−A60〜80度であることを特徴とする請求項に記載の現像装置
  3. 前記トナー規制ローラが、導電性の支持体上に導電性の高分子層を形成し、その上面に表面層が形成された構成であり、導電性の支持体の外径をA、導電層の厚さをBとしたときに、0.16≦(B×2)/A≦0.40であることを特徴とする請求項に記載の現像装置。
  4. 前記トナー規制ローラの表面粗さRaが0.8μm以下であることを特徴とする請求項に記載の現像装置。
  5. 前記トナー規制ローラの表面うねりWcaが0.3μm以下であることを特徴とする請求項に記載の現像装置。
  6. 前記トナー規制ローラの体積抵抗が、1.0×10 4 〜1.0×10 12 Ωであることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
  7. 前記トナー規制ローラの導電性高分子層の体積抵抗が、1.0×10 3 〜1.0×10 7 Ω以下であることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
  8. 前記アクリルシリコン樹脂が、アクリル酸ポリマーとポリシロキサンからなることを特徴とする請求項1に記載の現像装置
  9. 前記アクリルシリコン樹脂と架橋剤により形成された樹脂層が、高分子の基体上に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の現像装置
  10. 前記架橋剤がイソシアネート基を有し、アクリルシリコンの水酸基とウレタン結合を形成することを特徴とする請求項1に記載の現像装置
  11. 前記ポリシロキサンが導電性部材の表面方向へ選択的に配向していることを特徴とする請求項1に記載の現像装置
  12. 前記導電性部材の表面の最大静止摩擦係数が0.2以下であることを特徴とする請求項1に記載の現像装置
  13. 請求項に記載の現像装置が、搭載されている現像装置、像担持体、帯電手段、光書き込み手段、転写部材、定着装置が少なくとも具備されていることを特徴とする画像形成装置。
JP2004218556A 2004-07-27 2004-07-27 導電性部材を有する現像装置及び画像形成装置 Expired - Fee Related JP4533692B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004218556A JP4533692B2 (ja) 2004-07-27 2004-07-27 導電性部材を有する現像装置及び画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004218556A JP4533692B2 (ja) 2004-07-27 2004-07-27 導電性部材を有する現像装置及び画像形成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006039188A JP2006039188A (ja) 2006-02-09
JP4533692B2 true JP4533692B2 (ja) 2010-09-01

Family

ID=35904250

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004218556A Expired - Fee Related JP4533692B2 (ja) 2004-07-27 2004-07-27 導電性部材を有する現像装置及び画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4533692B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5051282B2 (ja) 2010-07-22 2012-10-17 富士ゼロックス株式会社 ウレタン樹脂、定着用部材および画像形成装置
JP5971046B2 (ja) * 2012-09-12 2016-08-17 富士ゼロックス株式会社 トナー保持体及びこれを用いた現像装置、プロセスカートリッジ並びに画像形成装置
JP6318858B2 (ja) * 2014-05-27 2018-05-09 株式会社リコー 粉体搬送装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP6376688B2 (ja) * 2014-07-24 2018-08-22 住友ゴム工業株式会社 半導電性ローラ

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11159523A (ja) * 1997-02-27 1999-06-15 Tokai Rubber Ind Ltd 低硬度導電性ロール
JP2002040760A (ja) * 2000-05-16 2002-02-06 Hokushin Ind Inc 帯電部材
JP2003003032A (ja) * 2001-06-20 2003-01-08 Tokai Rubber Ind Ltd 導電性組成物およびそれを用いた導電性ロール
JP2004184623A (ja) * 2002-12-02 2004-07-02 Toyo Tire & Rubber Co Ltd トナー規制部材
JP2004191961A (ja) * 2002-11-29 2004-07-08 Hokushin Ind Inc 導電性ロール

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11159523A (ja) * 1997-02-27 1999-06-15 Tokai Rubber Ind Ltd 低硬度導電性ロール
JP2002040760A (ja) * 2000-05-16 2002-02-06 Hokushin Ind Inc 帯電部材
JP2003003032A (ja) * 2001-06-20 2003-01-08 Tokai Rubber Ind Ltd 導電性組成物およびそれを用いた導電性ロール
JP2004191961A (ja) * 2002-11-29 2004-07-08 Hokushin Ind Inc 導電性ロール
JP2004184623A (ja) * 2002-12-02 2004-07-02 Toyo Tire & Rubber Co Ltd トナー規制部材

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006039188A (ja) 2006-02-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6423553B2 (ja) 導電性ローラ用塗料組成物、それを用いた現像ローラおよび画像形成装置
JP2008276023A (ja) 帯電部材、プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置
JP5159156B2 (ja) 帯電部材、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP4533692B2 (ja) 導電性部材を有する現像装置及び画像形成装置
JP5025983B2 (ja) 現像ローラおよびそれを備えた画像形成装置
JP5173247B2 (ja) 帯電部材、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP2011215467A (ja) 電子写真用現像部材
JP3204191B2 (ja) トナー担持ローラ及び画像形成装置
JP2004037551A (ja) 現像ローラ及びそれを有する現像装置
JP2006163147A (ja) 帯電ローラ、帯電方法、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
KR20210091622A (ko) 대전 부재 및 이를 채용한 전자사진 화상 형성 장치
JP2005315979A (ja) 導電性部材、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP4194263B2 (ja) 帯電部材、画像形成装置、帯電方法及びプロセスカートリッジ
JP2007219555A (ja) 帯電部材の製造方法及び画像形成装置
JP4208765B2 (ja) 現像ローラ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP4885614B2 (ja) 導電性ローラ
JP2004157384A (ja) 帯電部材、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP2005345801A (ja) 導電性部材、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP5489608B2 (ja) 導電性ローラ及び該導電性ローラの製造方法
JP2010243642A (ja) 帯電部材及び帯電ローラ
JP2010156758A (ja) 現像ローラ、それを用いた現像装置、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び現像ローラの製造方法
JPH1195544A (ja) 現像ローラ及び現像装置
JP2004333638A (ja) トナー担持体及びその製造方法
WO2024025551A1 (en) Charging members
JP2007163786A (ja) 導電ローラとその製造方法、電子写真プロセスカートリッジおよび画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070706

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20070712

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100205

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100216

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100416

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100419

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100511

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100518

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100601

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100614

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130618

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees