JP4884698B2 - 半導体装置の製造方法、半導体レーザ装置、光伝送モジュールおよび光ディスク装置 - Google Patents

半導体装置の製造方法、半導体レーザ装置、光伝送モジュールおよび光ディスク装置 Download PDF

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Description

本発明は半導体装置の製造方法、半導体レーザ装置、光伝送モジュールおよび光ディスク装置に関する。
量子井戸構造やトランジスタなどを有する半導体装置においては、半導体材料に電流を注入し、また、外部との電気的なコンタクトをとるために電極が配されている。通常、半導体微細構造に電流を注入させるためには、微細構造上の電極を引き出し、より広い電極領域を設けて、そこに金属ワイヤなどを接続する工夫がなされている。たとえば、電流注入領域以外を絶縁性樹脂または誘電体で埋め込み、あるいは電流注入領域とは異なる導電型の半導体層で埋め込み、電流注入領域上からその埋め込み領域上へと電極を引き出し、金属ワイヤなどをボンディングしやすい広い電極領域を確保させている。またその電流注入領域の多くは、半導体層をメサ形状に加工して形成されているため、上記埋め込み領域は、メサによる段差を解消し、電極を引き出しやすくする役目も果たしている。
従来の半導体装置としては、例えば、発光層からレーザ光を出射する半導体レーザ装置がある。この半導体レーザ装置(図示せず)は、一般的に、いわゆる埋め込みリッジ型構造を有している。より詳しく説明すると、上記半導体レーザ装置では、活性層は下クラッド層と上クラッド層とで挟まれている。そして、上記上クラッド層上には、活性層のストライプ状の領域に電流を注入するためにリッジストライプ部が形成され、さらに、このリッジストライプ部の両側方には電流狭窄層が形成されている。
この埋め込みリッジ型構造は次のように作製される。
まず、1回目の半導体結晶成長を行って、下クラッド層、活性層および上クラッド層などを基板上に積層した後、基板上の半導体層の一部をエッチングすることにより、リッジ状のストライプ部を形成する。
そして、2回目の半導体結晶成長を行って、ストライプ部の両側方に電流狭窄層を積層する。
さらに、3回目の半導体結晶成長を行って、ストライプ部および電流狭窄層上にコンタクト層を積層することにより、電極が形成されるコンタクト層の領域を広く確保する。
このように、上記埋め込みリッジ型構造は全部で半導体結晶成長工程を3回行う必要があり、低コスト化は非常に困難であるという問題がある。
この問題を解決するいわゆるエアリッジ構造が特許文献1(特開2000−114660号公報)に記載されている。図13に示すように、このエアリッジ構造は、絶縁体膜などを用いて電流を狭窄することのできる構造であるので、半導体結晶成長工程が1回のみで済むという利点がある。
このエアリッジ構造を有する半導体レーザ装置は次のようにして作製される。
まず、図13に示すn−GaAs基板501上に、n−AlGaAs下クラッド層502、i−AlGaAs下部光閉じ込め層503、InGaAs量子井戸層とGaAsP障壁層からなる量子井戸活性層504、i−AlGaAs上部光閉じ込め層505、p−AlGaAs上クラッド層506を形成するためのAlGaAs層、p−GaAsコンタクト層507を形成するためのGaAs層を有機金属化学気相成長(MOCVD)法により順次積層する。
そして、通常のフォトリソグラフィ工程およびエッチング工程により、p−AlGaAs上クラッド層506を形成するためのAlGaAs層と、p−GaAsコンタクト層507を形成するためのGaAs層との一部をエッチングして、リッジ状のストライプ部511を形成する。
次に、全面をSiNで被覆し、コンタクト層507上のSiNのみを除去して、SiNからなる絶縁保護膜508を形成し、コンタクト層507の上面を表出させた後、コンタクト層507および絶縁保護膜508上にp側電極509を形成する。
次に、上記n−GaAs基板501の裏面(各半導体層が積層される面とは反対側の面)にn側電極510を付ける。
そして、ウエハ全体を共振器長幅のバー状にへき開し、表出した2つのへき開面に低反射膜・高反射膜(図示せず)をそれぞれ成膜して、さらにチップ状に分割して半導体レーザ装置が完成する。
この半導体レーザ装置によれば、ストライプ部511の幅が数μm程度と微細であるから、通常の電流注入に用いる金属ワイヤを直接ストライプ部511の上面のみにボンディングすることは不可能である。そのため、上記絶縁保護膜508からコンタクト層507の上面を表出し、コンタクト層507および絶縁保護膜508上にp側電極509を形成することで、上記p側電極509をストライプ部511から絶縁保護膜508上に引き出した箇所で金属ワイヤ(図示せず)をボンディングして、ストライプ部511への電流注入を可能にしている。
また、他の従来の半導体装置としては、図14に示すように、特許文献2(特開2003−100767号公報)に記載されたGaAs系ヘテロ接合バイポーラトランジスタがある。
このGaAs系ヘテロ接合バイポーラトランジスタは次のようにして作製される。
まず、図14に示す半絶縁性のGaAs基板601上に、n型GaAsサブコレクタ層602、n型GaAsコレクタ層603を形成するためのGaAs層、p型GaAsベース層604を形成するためのGaAs層、n型AlGaAsエミッタ層605を形成するためのAlGaAs層、n型GaAs第1エミッタコンタクト層606を形成するためのGaAs層およびn型InGaAs第2エミッタコンタクト層607を形成するためのInGaAs層をMOCVD法によりエピタキシャル順次成長させる。
次に、公知のフォトリソグラフィ工程とエッチング工程とを行って、p型GaAsベース層604およびn型GaAsサブコレクタ層602の表面を露出させる。
次に、WNxからなるエミッタオーミック接触電極613をn+型InGaAs第2エミッタコンタクト層607上に、Pt/Ti/Pt/Auからなるベースオーミック接触電極612をp+型GaAsベース層604上に、AuGe/Ni/Auからなるコレクタオーミック接触電極611をn+型GaAsサブコレクタ層602上にそれぞれスパッタ及び蒸着法で形成する。引き続き、アロイ工程を行って、p+型GaAsベース層604およびn型GaAsコレクタ層603のオーミック接続を得る。
次に、上記ベースオーミック接触電極612上に、Ti/Pt/Auからなる中間金属膜615を形成すると共に、エミッタオーミック接触電極613上に、Ti/Pt/Auからなる中間金属膜616を形成する。
次に、上記n+型GaAsサブコレクタ層602、n型GaAsコレクタ層603、p+型GaAsベース層604、n型AlGaAsエミッタ層605、n+型GaAs第1エミッタコンタクト層606およびn+型InGaAs第2エミッタコンタクト層607で形成された段差を埋めるために、熱硬化性樹脂620を形成する。この熱硬化性樹脂620の材料としては感光性のポリイミドを使用する。
上記熱硬化性樹脂620の形成方法を具体的に説明すると、溶媒で希釈したポリイミド前駆体をGaAs基板601上にスピンコート法で塗布し、そのポリイミド前駆体に露光・現像を行って、所望のパターンのポリイミド前駆体を形成する。そして、上記ポリイミド前駆体を熱処理でポリイミド化させて、熱硬化性樹脂620を得る。この熱硬化性樹脂620は、できるだけ、コレクタオーミック接触電極611を形成した領域とは重ならないように設計している。
次に、上記コレクタオーミック接触電極611上に、Ti/Pt/Auからなる中間金属膜621を形成し、引き続いて、各オーミック接続電極に対する配線金属電極618,619を形成してヘテロ接合バイポーラトランジスタが完成する。
このヘテロ接合バイポーラトランジスタにおいて、エミッタオーミック接触電極613上の中間金属膜616から引き出す配線金属電極618と、ベースオーミック接触電極612上の中間金属膜615から引き出す配線金属電極619とは、メサ形状の半導体部の上部から引き出されるため、半導体層の段差を埋めるために形成された熱硬化性樹脂620上に、段切れを起こさないように形成されている。
一般的に、このようなヘテロ接合バイポーラトランジスタにおいては、ベース・エミッタ接合面積を小さくし、かつ、ベース抵抗を低減するために、メサ形状の半導体部は上方から見て矩形をしており、かつ、その矩形の長手方向に平行なメサ側面は図14に示すように逆テーパー形状を有している。さらに、このバイポーラトランジスタを低コスト化するには、トランジスタのチップ面積を小さくする必要があり、メサ形状の半導体部の上部から電極を引き出す際に、上記メサ側面をまたぐように引き出さなければならない。このことからも、上記熱硬化性樹脂による埋め込みが重要である。
しかしながら、図13の半導体レーザ装置では、成膜された絶縁保護膜やp電極に段切れが生じやすく、作製が困難であり、歩留が低いという問題がある。また、上記コンタクト層507の上面部のみが開口するようにエッチングで上記絶縁保護膜508を部分的に除去して、上記コンタクト層507の上面部を表出させるために、レジストなどでパターンマスクを形成して、開口部以外を保護せねばならない。それには一般的にフォトリソグラフィ工程が用いられるが、そのためのフォトマスクを使用する必要があり、フォトマスクやアライメント工程が増加し、またアライメントのトレランスも少なく、コストの増加や歩留の低下の問題があった。さらに、上記開口部は上記リッジ部511の大きさからせいぜい上記リッジ部511の最下部の幅程度にすぎず、それ以上は上記開口部すなわち上記p電極509と上記コンタクト層507との接合面積を稼ぐことができない。このことは、より抵抗の少ない良好な特性を持つ半導体レーザ装置へと改善するにあたり、大きな障害となる。
また、図14のトランジスタでは、電極618,619をメサ上部から段切れさせることなく引き出すために、樹脂などの絶縁物質620をメサ側面に部分的に埋め込む工程が必要となるが、そのためには上述と同様に、不必要な箇所の絶縁物質を除去するために、フォトリソグラフィ工程によるパターン作製工程が増加し、歩留の低下や製造コストの増加などの問題がある。
特開2000−114660号公報(段落0013〜段落0017、図1参照) 特開2003−100767号公報(段落0024、図4(a)参照)
そこで、本発明の課題は、歩留を向上させて、製造コストを低減することができる半導体装置の製造方法、半導体レーザ装置、上記半導体レーザ装置を用いた光伝送モジュール、および、上記半導体レーザ装置を用いた光ディスク装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の半導体装置の製造方法は、
半導体基板上に、複数の半導体層からなる半導体層群を積層する工程と、
上記半導体層群の少なくとも一部が、上記半導体層群から上記基板に向かう方向に対して交差する方向に張り出すような庇部を有するように、上記半導体層群を加工する工程と、
加工された上記半導体層群の表面上に、ポジ型の感光性を有する絶縁物を塗布する工程と、
上記絶縁物の全面に上方より露光する工程と、
上記露光により感光した上記絶縁物を現像により取り除く工程と、
上記庇部を有する半導体層の上面の少なくとも一部の領域から、上記庇部の側方において露出している上記半導体層上の少なくとも一部の領域にかけて、上記庇部の略下にある上記現像により残された上記絶縁物の側面上の少なくとも一部の領域も含めて被覆する薄膜を形成する工程と
を備え、
上記薄膜を形成する前に、上記現像により残された上記庇部の略下にある上記絶縁物を、その絶縁物の少なくとも一部が上記庇部の下から熱膨張により外側へ張り出すように変形させる工程
を含む
ことを特徴としている。
ここでいう庇部とは、ある半導体層がその下にある半導体層よりも側方へ張り出している形状の箇所を指す。また、「加工された上記半導体層群の表面」とは、加工済みの半導体層群の露出している面を意味し、上記庇部の上面、庇部以外の部分の上面のみならず、庇部の側面、庇部の下面をも含む概念である。
上記構成によれば、上記庇部を有する半導体層の上からその外へと上記薄膜を引き出す際に、上記絶縁物の側面上を介することで上記薄膜の段切れを防ぐことが可能となる。その絶縁物の形成方法において、上記絶縁物がポジ型の感光性を有することにより、塗布にて上記庇部の略下に入り込んだ絶縁物は、その後の全面への露光にて感光することはない。一方、上記庇部を有する半導体層の上面および上記庇部の外側に露出している半導体層上にある絶縁物が感光するので、現像により上記庇部の略下に入り込んだ絶縁物のみを残すことができる。したがって、本半導体装置の製造方法におけるフォトリソグラフィ工程内の露光工程では、パターニングのためのフォトマスクが不要であり、工程を短縮化できるとともに、アライメントずれなどによるパターン不良が生じることがない。よって、歩留の向上を図り、以ってコストの低減を図ることができる。
また、上記絶縁物が上記庇部の略下から外側へ張り出すので、上記絶縁物上の上記薄膜は、側面のカバレジを向上させる特別な作製方法を取らなくても、段切れすることなく、上記庇部を有する半導体層の上面から上記庇部の下かつ外方において外側に露出している半導体層上へと形成することができるようになる。そのため、より安価に製造でき、かつ歩留まりがよい半導体装置を提供することができる。
ここで、薄膜とは、上記庇部を有する半導体層の上面と、上記庇部の外側に露出している半導体層により形成された段差の高さよりも十分に薄い膜を意味する。
また、1実施の形態の半導体装置の製造方法では、上記絶縁物を塗布する前に、潤滑剤を塗布する工程を含む。
この実施の形態によれば、上記絶縁物が上記潤滑剤により滑りやすくなって、入り組んだ構造となっている上記庇部の下に上記絶縁物を充填しやすくなり、歩留の向上を図ることが可能となる。また、上記庇部を有する半導体層の上面でも上記絶縁物が滑りやすくなるので、後の現像工程で除去したい絶縁物の膜厚が薄くなる。したがって、現像後の上記庇部を有する半導体層の上面における絶縁物の残留による不良を低減でき、歩留の向上を図ることができる。
また、1実施の形態の半導体装置の製造方法では、
上記絶縁物が、熱膨張性を有する微小物を含有するポリイミドからなり、
上記変形させる工程が熱処理である。
この実施の形態によれば、上記絶縁物を構成する材料として樹脂の中でも特にポリイミドを主に用いることによって、絶縁性に富み、また、ポジ型の感光性を持たせることも容易であり、通常の露光・現像により容易に所望の形状に加工できるようになる。したがって、上記のような形状の絶縁物を好適に作製することができる。さらに、上記ポリイミドが熱膨張性を有する微小物を含有していることから、熱処理工程を行うことで容易にその体積を増加させることができ、上記庇部の略下にある上記絶縁物を、その少なくとも一部が上記庇部の外側へ張り出すように容易に変形させることができる。
また、1実施の形態の半導体装置の製造方法では、
上記基板が第一導電型を有し、
上記半導体層群を積層する工程では、上記半導体層群として、少なくとも、第一半導体層、第二半導体層および第三半導体層を、上記基板側から順に積層し、
上記第一半導体層は、ドーピング濃度が1×1017cm−3以下の第二導電型の低濃度半導体層となるように形成し、
上記第二半導体層および第三半導体層は、ドーピング濃度が1×1018cm−3以上の第二導電型の高濃度半導体層となるように形成し、
上記半導体層群を加工する工程では、上記第一半導体層の上面に、上記第二半導体層と上記第三半導体層がストライプ状リッジ構造を形成し、かつ、上記第三半導体層により上記庇部が形成されるように、上記半導体層群にエッチングを行い、
上記薄膜を形成する工程では、上記薄膜として電極を形成し、
上記電極と上記第三半導体層との界面に高濃度側の化合物層を形成すると共に、上記電極と上記第一半導体層との界面に低濃度側の化合物層を形成するように、上記電極の形成後に熱処理を行う工程
を含む。
ここで、第一導電型とは、p型またはn型のどちらか一方の導電型を指し、第二導電型とは、p型またはn型のどちらか他方の導電型を指す。
この実施の形態によれば、ドーピング濃度が1×1017cm−3以下の上記低濃度半導体層と上記電極とのショットキー接合において、上記低濃度側の化合物層によって十分な電流狭窄が得られると共に、ドーピング濃度が1×1018cm−3以上の上記高濃度半導体層と上記電極とのオーミック接合において、上記高濃度側の化合物層によって、より低コンタクト抵抗が得られる。このようにショットキー接合性とオーミック接合性がより強化されるので、例えば、電流ブロック層の埋め込み再成長工程や電極コンタクト層の結晶再成長工程を行うことなしに、低しきい値電流発振と高出力動作が可能で、長期信頼性が得られると共に、製造工程の簡略化によりコストを低減できる放熱特性に優れた半導体レーザ装置の製造方法が提供される。したがって、十分な電流狭窄性と優れた素子信頼性が得られ、かつ、低消費電力で高出力動作が可能な半導体装置を製造することが可能となる。
また、1実施の形態の半導体装置の製造方法では、
上記電極の最下層がTiからなり、
上記熱処理を行う工程では、350℃以上430℃以下の熱処理によって上記低濃度側の化合物層と上記高濃度側の化合物層を形成する。
この実施の形態によれば、上記熱処理の温度が350℃未満であると、上記高濃度側の化合物層および上記低濃度側の化合物層が十分に形成されず、また430℃を超えると、上記高濃度側の化合物層が高抵抗を有してしまうため、上記温度範囲の熱処理により、良好なオーミック特性およびショットキー接合特性を有する半導体装置を提供することができる。
また、1実施の形態の半導体装置の製造方法では、
上記電極の最下層がPtからなり、
上記熱処理を行う工程では、350℃以上450℃以下の熱処理によって上記低濃度側の化合物層と上記高濃度側の化合物層を形成する。
この実施の形態によれば、上記熱処理の温度が350℃未満であると、上記高濃度側の化合物層および上記低濃度側の化合物層が十分に形成されず、また450℃を超えると、Ptが半導体層中に拡散しすぎてしまい、半導体装置の特性が悪化してしまうことから、上記温度範囲の熱処理により、良好なオーミック特性およびショットキー接合特性を有する半導体装置を提供することができる。
また、この発明の半導体レーザ装置は、
第一導電型のIII‐V族化合物半導体からなる半導体基板と、
上記半導体基板に順次積層された、第一導電型のIII‐V族化合物半導体からなる下クラッド層、III‐V族化合物半導体からなる活性層、第二導電型のIII‐V族化合物半導体からなる上クラッド層および第二導電型のIII‐V族化合物半導体からなるコンタクト層を少なくとも含む半導体層群と
を備え、
少なくとも上記半導体層群の一部は、ストライプ状のリッジ構造を有しており、そのリッジ構造の延伸方向に交差する方向に張り出す庇部を有しており、
また、上記庇部の略下方に位置して、上記庇部の上面に位置しないと共に、上記リッジ構造の両側に位置する絶縁物と、
上記庇部を有する半導体層の上面の少なくとも一部の領域から、上記庇部の下の外方において露出している半導体層上の少なくとも一部の領域にかけて、上記庇部の略下にある上記絶縁物の側面上の少なくとも一部の領域も含めて被覆する薄膜と
を備え、
上記絶縁物の一部が上記庇部の下から外側に張り出していると共に、上記絶縁物の厚さは、上記庇部の下から外側に張り出すにつれて薄くなっている
ことを特徴としている。
上記構成によれば、上記庇部を有する半導体層の上面の少なくとも一部の領域から上記庇部の外側に露出している半導体層上の少なくとも一部の領域にかけて、上記庇部の略下にある上記絶縁物の側面上の少なくとも一部の領域も含めて、上記薄膜を段切れが生ずることなく連続して被覆することが可能になる。したがって、歩留の向上を図り、以ってコストの低減を図ることができる。
また、1実施の形態の半導体レーザ装置では、
上記絶縁物が熱膨張した微小物を含有するポリイミドからなる。
この実施の形態によれば、絶縁性に富み、また通常のプロセスにより容易に所望の形状に加工でき、さらに微小物が膨張していることにより上記庇部の略下から外側へ張り出す形状を有する絶縁物を、マスクアライメントを必要とせずに簡便に形成することができる。
また、1実施の形態の半導体レーザ装置では、
上記半導体層群は、上記ストライプ状のリッジ構造と上記活性層との間に一部が位置すると共に、他の一部が上記ストライプ状のリッジ構造の側方に表面を有している第二導電型のIII‐V族化合物半導体からなるリッジ下部層を含み、
上記薄膜は、上記庇部を有する上記半導体層の上面の少なくとも一部の領域から、上記庇部の下の外方において露出している上記リッジ下部層上の少なくとも一部の領域にかけて、上記庇部の略下にある上記絶縁物の側面上の少なくとも一部の領域も含めて被覆する電極であり、
上記電極と上記リッジ下部層と間のショットキー接合を用いて、上記ストライプ状リッジ構造に対する電流狭窄を行っている。
この実施の形態によれば、上記電極と上記リッジ下部層との間に、窒化珪素(SiNx)や酸化珪素(SiO)などといった絶縁層を設けることなく、電流狭窄を行うことができるようになるため、低コストで製造できる半導体レーザ装置が提供される。
また、上記実施の形態によれば、結晶成長工程は1回であり、結晶成長工程を3回必要とする埋め込みリッジ型に比べ、結晶成長や加工プロセスの工程を減らすことができるため、製造コストを低減することができる。
また、1実施の形態の半導体レーザ装置では、
上記コンタクト層が上記ストライプ状のリッジ構造の頂部に位置し、
上記コンタクト層はドーピング濃度が1×1018cm−3以上であり、
上記リッジ下部層はドーピング濃度が1×1017cm−3以下であり、
上記電極と上記リッジ下部層との界面に、上記電極の構成元素の少なくとも一つと上記リッジ下部層の構成元素の少なくとも一つからなる低濃度側の化合物層が形成され、
上記電極と上記コンタクト層との界面に、上記電極の構成元素の少なくとも一つと上記コンタクト層の構成元素の少なくとも一つからなる高濃度側の化合物層が形成されている。
この実施の形態によれば、ドーピング濃度が1×1018cm−3以上の上記コンタクト層と上記電極とのオーミック接合では、上記高濃度側の化合物層によってより低コンタクト抵抗が得られるとともに、ドーピング濃度が1×1017cm−3以下の上記リッジ下部層と上記電極とのショットキー接合では、上記低濃度側の化合物層によって十分な電流狭窄が得られる。このようにオーミック接合性とショットキー接合性がともにより強化されるので、電流狭窄を行うための埋め込み層(電流ブロック層)の結晶再成長工程と、低コンタクト抵抗を得るためのコンタクト層の結晶再成長工程を別途行うことなく、十分な電流狭窄性と低コンタクト抵抗を実現でき、熱的、電気的信頼性が向上する。このように製造工程が簡略化され、さらに良好な放熱特性を有する上記電極を備えているために、低しきい値電流で発振し、かつ、高出力動作が可能で、長期信頼性が得られると共に、製造工程の簡略化によりコストを低減でき、従来構造を有する半導体レーザ装置と同等以上の信頼性と高出力特性を低消費電力にて実現できる。
また、1実施の形態の半導体レーザ装置では、
上記リッジ下部層は、少なくともリッジ下部高ドープ層とリッジ下部低ドープ層を含む複数の半導体層で構成されており、
上記リッジ下部高ドープ層は上記リッジ下部低ドープ層よりも上記基板側に位置し、
上記リッジ下部低ドープ層は、ドーピング濃度は1×1017cm−3以下である第二導電型のIII‐V族化合物半導体によって形成されており、
上記リッジ下部高ドープ層は、ドーピング濃度が1×1017cm−3を越える第二導電型のIII‐V族化合物半導体によって形成されている。
この実施の形態によれば、上記リッジ下部高ドープ層の存在により、ショットキー接合特性を考慮した制限を受けることなく、第二導電型の半導体層により要求される光学特性仕様に応じて自在に層厚・組成等を変更することができると共に、素子抵抗の上昇を抑えることができて、一層の低消費電力化を図ることができる。
また、1実施の形態の半導体レーザ装置では、上記電極の最下層の材料がTiもしくはPtからなる。
この実施の形態によれば、十分な電流狭窄性と低コンタクト抵抗を両立することのできる、上記高濃度側の化合物層と上記低濃度側の化合物層を同時に形成することができる。
本発明の光伝送モジュールは、上述の半導体レーザ装置を備える。
上記構成によれば、上記半導体レーザ装置を用いているから、モジュール単価を大幅に低く抑えることができる。
本発明の光ディスク装置は、上述の半導体レーザ装置を備える。
上記構成によれば、上記半導体装置レーザ装置を用いているから、その装置単価を大幅に低く抑えることができる。
以上より明らかなように、この発明の半導体装置の製造方法によれば、上記庇部を有する半導体層の上面からその外側へと上記薄膜を引き出す際に、上記絶縁物の側面上を介するために上記薄膜の段切れを防ぐことができる。
また、上記絶縁物がポジ型の感光性を有するので、塗布にて上記庇部の略下に入り込んだ絶縁物は、その後の全面への露光にて感光することはなく、上記庇部を有する半導体層の上面および上記庇部の外方で露出している絶縁物が感光するので、現像により上記庇部の略下に入り込んだ絶縁物のみを残すことができる。このように、本半導体装置の製造方法におけるフォトリソグラフィ工程内の露光工程では、パターニングのためのフォトマスクが不要であり、工程を短縮化できるとともに、アライメントずれなどによるパターン不良が生じることがなく、したがって、歩留の向上を図り、以ってコストの低減を図ることができる。
また、この発明の半導体レーザ装置によれば、上記庇部を有する半導体層の上面の少なくとも一部の領域から、上記庇部の下の外方において露出している半導体層上の少なくとも一部の領域にかけて、上記庇部の略下にある上記絶縁物の側面上の少なくとも一部の領域も含めて、上記薄膜を段切れが生ずることなく連続して被覆することが可能になる。したがって、歩留の向上を図り、以ってコストの低減を図ることができる半導体レーザ装置が得られる。
また、この発明の光モジュールは、上記半導体レーザ装置を備えるので、歩留が向上して、製造コストを低減できて、モジュール単価を大幅に低く抑えることができる。
また、この発明の光ディスク装置は、上記半導体レーザ装置を備えるので、歩留が向上して、製造コストを低減できて、装置単価を大幅に低く抑えることができる。
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
(第1実施の形態)
図1は、この発明の第1実施の形態の半導体装置の構造を示したものである。なお、この第1実施の形態においては、第一導電型はn型であり、以下「n−」と示す。また第二導電型はp型であり、以下「p−」と示す。
ここでは半導体装置の一例として半導体レーザ装置を取り上げる。この半導体レーザ装置は、図1に示すように、n−GaAs基板101上に、n−GaAsバッファ層102、n−Al0.5Ga0.5As第一下クラッド層103、n−Al0.489Ga0.511As第二下クラッド層104、Al0.25Ga0.75As下ガイド層105、多重歪量子井戸活性層106、Al0.25Ga0.75As上ガイド層107、p−Al0.4Ga0.6As第一上クラッド層108、p−Al0.548Ga0.452As第二上クラッド下部層109、p−Al0.548Ga0.452As第二上クラッド上部層110およびp−In0.34Ga0.66As0.40.6エッチングストップ層111を順次積層している。このエッチングストップ層111上に、逆メサストライプ形状のp−Al0.5Ga0.5As第三上クラッド層112、p−GaAs第一コンタクト層113およびp++−GaAs第二コンタクト層114を設け、さらに、表面の全面にp電極116、裏面にn電極117が設けられている。また、この半導体レーザ装置は、メサストライプ部121aと、そのメサストライプ部121aの両側方のメサストライプ側方部121bとを有する。また上記メサストライプ部121aは、そのストライプが延伸する方向に垂直な方向に庇部400を有しており、上記庇部400の略下に絶縁物であるポリイミド115が充填されている。なお、上記p電極116は、上記第二コンタクト層114の上面部から上記メサストライプ側方部121bにある上記エッチングストップ層111上にかけて、上記ポリイミド115の側面上も含めて被覆するように形成されている。また、ここで言う庇部400とは、上記メサストライプ部121aにおいて、p−GaAs第一コンタクト層113およびp++−GaAs第二コンタクト層114の一部であって、その一部の下のp−Al0.5Ga0.5As第三上クラッド層112よりも側方へ張り出している形状の箇所を指す。
次に、図2〜図5を参照しながら、上記半導体レーザ構造の作製方法を説明する。(100)面を持つn−GaAs基板101上にn−GaAsバッファ層102(層厚0.5μm)、n−Al0.5Ga0.5As第一下クラッド層103(層厚1.85μm)、n−Al0.489Ga0.511As第二下クラッド層104(層厚0.1μm)、Al0.25Ga0.75As下ガイド層105(層厚3nm)、In0.072Ga0.928As量子井戸層(層厚4.6nm、2層)とAl0.15Ga0.85As障壁層(基板側から層厚21.5nm・7.9nm・21.5nmの3層)を交互に配置してなる多重歪量子井戸活性層106、Al0.25Ga0.75As上ガイド層107(層厚0.1μm)、p−Al0.4Ga0.6As第一上クラッド層108(層厚0.1μm、ドーピング濃度は基板側0.05μmは4×1017cm−3、基板と反対側の0.05μmは8×1017cm−3)、リッジ下部層およびリッジ下部高ドープ層に相当するp−Al0.548Ga0.452As第二上クラッド下部層109(層厚0.22μm、ドーピング濃度は8×1017cm−3)、リッジ下部層およびリッジ下部低ドープ層に相当するp−Al0.548Ga0.452As第二上クラッド上部層110(層厚0.1μm、ドーピング濃度は1×1017cm−3)、第一半導体層としてのリッジ下部層およびリッジ下部低ドープ層に相当するp−In0.1568Ga0.8432As0.40.6エッチングストップ層111(層厚15nm、ドーピング濃度は1.0×1017cm−3)、第二半導体層としての上クラッド層に相当するp−Al0.5Ga0.5As第三上クラッド層112(層厚1.28μm、ドーピング濃度は2.4×1018cm−3)、第三半導体層としてのコンタクト層に相当するp−GaAs第一コンタクト層113(層厚0.45μm、ドーピング濃度は3.0×1018cm−3)およびp++−GaAs第二コンタクト層114(層厚:0.3μm、ドーピング濃度は1.0×1020cm−3)からなる半導体層群を順次有機金属化学気相成長(MOCVD)法にて結晶成長させる。
なお、上記p−Al0.5Ga0.5As第三上クラッド層112、p−GaAs第一コンタクト層113およびp++−GaAs第二コンタクト層114のドーピング濃度は、上述の値に限らず、1.0×1018cm−3以上であればよい。
さらに、図2において、メサストライプ部を形成する部分に、レジストマスク118(マスク幅6μm)をストライプ方向が(01−1)方向を持つようにフォトリソグラフィ工程により作製する。
次に、上記レジストマスク部118以外の部分をエッチングし、図3に示すように、メサストライプ部121aを形成する。エッチングは硫酸と過酸化水素水の混合水溶液(体積混合比は硫酸:過酸化水素水:水=1:8:50、液温は10℃)およびフッ酸を用いて二段階で行い、エッチングストップ層111直上まで行う。InGaAsPはフッ酸によるエッチングレートが非常に遅いということを利用し、エッチング面の平坦化およびメサストライプの幅制御を可能にしており、また、GaAsもフッ酸によるエッチングレートが非常に遅いため、フッ酸によるエッチングではほとんど上記第三上クラッド層112のみがエッチングされ、上記メサストライプ部121aは図3に示されるような庇部400を有する形状となる。この庇部400は、p−GaAs第一コンタクト層113およびp++−GaAs第二コンタクト層114の一部からなる。エッチングの深さは2.03μm、メサストライプの最下部の幅は約2.5μm、最上部の幅は約4.5μmである。
エッチング後、上記レジストマスク118を除去し、全面に密着性強化剤と潤滑剤としての水溶性ポリイミド前駆体を順に塗布し、プリベークを行う。次に、ポジ型の感光性を有するポリイミド材料を塗布し、再びプリベークを行うと、図4に示すように、上記メサストライプ部121a上も含めてポリイミド材料115aが全面を覆うように塗布され、庇部400の下にも充填される。
ここで、上面側より全面露光を行う。上記ポリイミド材料115aはポジ型感光性を有しているので、上記庇部400の略下(図4において、上記メサストライプ部121aの上記庇部400の下側であり、破線よりも上記第三上クラッド層112側の領域)にあるポリイミド材料115aは感光されず、それ以外の位置にあるメサストライプ部121a上および上記エッチングストップ層111上のポリイミド材料115aが感光される。図4において、破線部よりメサストライプ121a側にあるポリイミド材料115aは感光されないこととなる。その後、現像を行うことによって、感光されたポリイミド材料115aが除去されるので、図5の斜線部に示される部分のポリイミド材料115aのみが残る。
次に、熱処理を行って上記ポリイミド材料115aのイミド化を行い樹脂化する。このとき、上記ポリイミド材料115aは熱処理を受けることによりその体積が増加する性質を持っている微小物(図示せず)を含有しているので、図1に示すように、上記微小物の膨張を受けて、上記庇部400の略下から側方へ張り出す形状のポリイミド115へと変形する。上記微小物とは、例えば、樹脂製の殻壁で低沸点炭化水素をマイクロカプセル化した熱膨張性微小球や、熱膨張性黒鉛などであって、それらはポリイミド化の熱処理温度とおおよそ同じ温度の熱が加わると体積が膨張する性質を有する。
その後、全面にTi(層厚:50nm)/Pt(層厚:50nm)/Au(層厚:300nm)からなるp電極116(薄膜に相当する)を形成する。また、その後、上記GaAs基板101の裏面(結晶成長をさせていない面)をエッチングして全体の厚さが100μm程度にし、裏面全面にAuGe(層厚:100nm)/Ni(層厚:15nm)/Au(層厚:300nm)からなるn電極117を配し、390℃にて1分間の熱処理を施す。このようにして、図1に示す構造の半導体レーザ装置を作製することができる。最終的なチップの状態へは、その後上記メサストライプの方向に対して垂直な面で所望の共振器長幅のバー状にへき開し、得られたへき開面に低反射膜・高反射膜(図示せず)をそれぞれ成膜して、さらにチップ状に分割する。また、電流注入のために要する金属ワイヤ(図示せず)は、上記メサストライプ側方部121bにある上記p電極116上にボンディングされる。
本第1実施の形態において、図9に示すように、パルス電流にて、しきい値電流12mA、外部量子効率0.95の特性をもつ半導体レーザ装置の動作確認をした。この特性は、有機金属気相成長法による結晶成長を3回行って作製した従来の半導体レーザ装置と同等であり、本半導体レーザ装置において必要な結晶成長は1回のみであるため、歩留を向上させることができると共に、製造工程やコストを大幅に減少させることができた。また、上記庇部400を有しているにも拘わらず、その庇部400の略下の空間がポリイミド115で充填されているため、上記第二コンタクト層114の上面よりp電極116を段切れさせることなく容易に引き出すことができた。また、そのポリイミド形成工程も、ポリイミド115にポジ型の感光性を持たせ、かつ、上記庇部400を利用した全面露光を行っているため、製造工程やコストを減少させることができ、また、フォトマスクのアライメントを不要としたことにより、さらに歩留を大幅に上昇させることができた。さらに、従来のエアリッジ構造の半導体レーザ装置に比べ、上記p電極116と上記第二コンタクト層114との接合面積を大きくすることができたので、素子抵抗を低減することができて、温度特性がよく高信頼性を有する半導体レーザ装置を実現することができた。
また、本第1実施の形態においては、上記ポリイミドすなわち絶縁物115が熱膨張性を有する微小物を有しているため、熱処理工程により、微小物が膨張して上記絶縁物115が上記庇部400の略下から外側へ張り出させることができる。その結果、上記p電極(薄膜)116を上記第二コンタクト層114の上面より段切れさせることなくメサストライプ側方部121bにおける上記エッチングストップ層111上へと容易に引き出すことができた。上記微小物とは、具体的には、樹脂製の殻壁で低沸点炭化水素をマイクロカプセル化した熱膨張性微小球や、熱膨張性黒鉛などが好ましい。これらは熱が加わることによりその体積が膨張する上、他の樹脂などと容易に混合することが可能である。さらに、本第1実施の形態では、上記微小物が膨張する熱処理温度とポリイミド化の熱処理温度がおおよそ同じであるため、上記熱処理が一度で済み、コストを低減することができる。
本第1実施の形態では、上記絶縁物115が張り出しているので、通常の蒸着法を用いて電極を蒸着しても、上記第二コンタクト層114の上面より段切れなく引き出せるp電極116を形成することができる。上記p電極(総層厚:400nm)は、上記庇部を有するメサストライプ部の高さ(2.03μm)よりも十分に薄く、このような薄膜でも、上記絶縁物を配置することで、庇部を有していてもその上部から段切れをすることなく薄膜を引き出すことができた。
本発明においては、絶縁物は、膨張するように変形しなくても、庇部の略下に充填されるように形成されていればよい。
図6に示す変形例のように、膨張しない、もしくは膨張しにくい絶縁物415を用いるなどして、絶縁物415が張り出していないときは、斜め蒸着法やスパッタ法を用いたp電極416の形成を行うことで、段切れすることなく引き出せるp電極416を形成することができる。図6において、図1に示す構成要素と同一構成要素は、図1の構成要素と同一参照番号を付して説明を省略する。
また、図1および4に示すように、本第1実施の形態においては、絶縁物にポリイミド115を用いており、その元となるポリイミド材料115aは添加物を用いて感光性を持たせることができるため、上記製造方法に適している。また、上記庇部400の形状や最終的に得たい絶縁物形状に対して、上記ポリイミド材料115aの粘度や膨張性を容易にコントロールすることができる。さらに、上記庇部400は外部からの衝撃に弱い構造となっているが、その略下に配する絶縁物115に樹脂を用いることで、その構造を補強して高信頼性を有する半導体レーザ装置とすることができる。
また、本第1実施の形態においては、上記庇部400の略下にある絶縁物115が、上記第三上クラッド層112に接するまで十分に充填されている。すなわち、ストライプ状リッジ構造内の上記第三上クラッド層112近傍には絶縁物115が存在しており、p電極である金属116と上記第三上クラッド層112とは接していない。
これまで、本発明者らは、金属−半導体間のショットキー接合による電流狭窄構造を用いて、従来の技術におけるエアリッジ構造から絶縁膜を省いた半導体レーザ装置を研究してきたが、ストライプ状リッジ構造内の上クラッド層に電極が接していたため、発振させたレーザ光がその電極により吸収を受け、十分な効率が得られない場合があることが分かった。
上述のとおり、本第1実施の形態では、上記第三上クラッド層112とp電極116とが接していないため、p電極116によるレーザ光の吸収を受けない高効率な半導体レーザ装置を実現することができた。さらに、そのために、光学設計における制約が緩まり、各半導体層の組成や層厚などの自由度を大きくすることができた。
また、図7に示す変形例のように、第三上クラッド層112と絶縁物715との間に空隙部119があってもよい。その場合は、上記第三上クラッド層112近傍は空気による光閉じ込めが行われるため、それを鑑みた半導体レーザ装置の光学設計を行っておけばよい。このようにすることで、上記絶縁物715が上記第三上クラッド層112に接しているときに比べ、半導体レーザ素子の動作雰囲気温度の影響による、半導体層からなる上記第三上クラッド層112と上記絶縁物715との間の体積膨張率の違いから生じる応力を、上記空隙部119で吸収することができるので、より高信頼性を有する半導体レーザ装置を得ることができる。図7において、図1に示す構成要素と同一構成要素は、図1の構成要素と同一参照番号を付して説明を省略する。
また、本第1実施の形態においては、図示しない水溶性ポリイミド前駆体を潤滑剤として用いている。これを用いない場合に比べて、その後、塗布される上記ポリイミド材料115aが潤滑剤により滑りやすくなるため、上記ポリイミド材料115aが上記庇部400の略下へ入り込みやすくなって充填されやすくなる効果がある。また、上記第二コンタクト層114の上面においては、上記ポリイミド材料115aの塗布膜厚を薄くすることができるので、その後の現像による露光部分の上記ポリイミド材料115aの除去における残渣といった不具合を軽減することができる効果がある。
また、本第1実施の形態においては、ショットキー接合を用いて上記ストライプ状リッジ部121aへの電流狭窄を行っている。もちろん、より一般的な絶縁性薄膜、たとえば酸化シリコン(SiO)や窒化シリコン(SiN)を介するエアリッジ構造においても、本発明を適用することで、その電極段切れ防止による歩留向上の効果を十分大きくすることが可能である。具体的には、図示しないが、p電極を作製する前に、上記絶縁性薄膜を蒸着などで全面に配し、少なくとも第二コンタクト層上の上記絶縁性薄膜を除去する必要があるが、上記絶縁性薄膜に段切れが起きてしまうと上記p電極を引き出すことができなくなるため、本第1実施の形態のような構造であれば、上記絶縁性薄膜も段切れを起こすことなく引き出すことが可能となる。
また、本第1実施の形態のように、ショットキー接合を用いて電流狭窄を行う場合、上記p電極116を形成した後、熱処理を行うことによって、上記p電極116の最下層の電極材料と、半導体層114,111との界面に化合物層を形成すれば、電流狭窄領域におけるショットキー接合性と、コンタクト層114におけるオーミック接合性がより強化され、リッジ部121aにのみ低抵抗で電流注入されるリッジ導波型半導体レーザ装置を得ることができる。
また、本第1実施の形態においては、上記p電極116の最下層がTiからなり、390℃の熱処理によって、Tiと半導体層114,111との間に合金化反応を起こさせている。Tiを半導体層114,111に蒸着形成した後、400℃程度に加熱すると、製造プロセス中に半導体層114,111の表面に形成された酸化物層が除去され、ドーピング濃度が1×1017cm−3以下の低濃度半導体層つまりエッチングストップ層111に対しては、安定なショットキー接合を得ることができる。本第1実施形態のようなInGaAsP層111やAlGaAs層110に対してTiを形成して適切に加熱した場合、特に熱的,電気的に安定なショットキー接合を得ることができる。これはp電極116と低濃度半導体層111との間の界面に低濃度側の化合物層としてのごく薄いTi合金化物層が形成されているためと考えられ、熱処理を実施しないとこのような安定なショットキー接合を得る効果は見られにくい。
また、1×1018cm−3以上にドーピングしたGaAsやInGaAsに対しては、前述の酸化物層除去効果に加え、TiAs層が形成されることで低コンタクト抵抗を実現させることができる。これら反応に適当な熱処理温度は350℃以上430℃以下である。350℃未満の場合、合金化による化合物層の生成の反応が十分に進まず、430℃を超えるとオーミック接合において、徐々にコンタクト抵抗が悪化してくる。430℃以上での抵抗悪化は、TiGa1−x層の生成およびTiより上層の金属材料のミキシングによるものと考えられる。本第1実施形態でも、裏面側のAuGe/Ni/Au電極材料の最適熱処理条件を鑑み、390℃で1分の熱処理を加えて、上記p電極116とGaAs第二コンタクト層114との間にその電極材料とコンタクト層の材料とからなる高濃度側の化合物層を形成して、所望のオーミック接合が得られた。
また、上記p電極116の最下層はPtでもよく、この場合の好ましい熱処理温度は、350℃以上450℃以下である。上記熱処理の温度が350℃未満であると、上記高濃度側の化合物層および上記低濃度側の化合物層が十分に形成されず、また450℃を超えると、Ptが半導体層中に拡散しすぎてしまい、半導体装置の特性が悪化してしまうことから、上記温度範囲の熱処理により、良好なオーミック特性およびショットキー接合特性を有する半導体装置を提供することができる。
また、本第1実施の形態においては、リッジ下部層として、1.0×1017cm−3の第二導電型のドーピング濃度を有する上記エッチングストップ層111および上記第二上クラッド上部層110と、8×1017cm−3の第二導電型のドーピング濃度を有する上記第二上クラッド下部層109とが形成され、かつ、上記第二上クラッド上部層110と上記活性層106との間に上記第二上クラッド下部層109が位置している。これにより、ショットキー接合特性を考慮した制限を受けることなく、第二導電型の半導体層により要求される光学特性仕様に応じて自在に層厚・組成等を変更することができると共に、素子抵抗の上昇を抑えることができ、一層の低消費電力化を図ることができる。もちろん、上記エッチングストップ層111がなくとも上記ショットキー接合性を有しているのだが、上記エッチングストップ層111がある場合、上記ショットキー接合性をより向上させ高信頼性を有する半導体レーザ装置を実現させることができる。さらに、上記エッチングストップ層111を用いたストライプ幅制御性の高いエッチングを行えることから、歩留向上の効果も得られる。
また、本第1実施の形態の半導体装置の製造方法では、ドーピング濃度が1×1017cm−3である上記エッチングストップ層111と上記p電極116とのショットキー接合において、上記低濃度側の化合物層によって十分な電流狭窄が得られると共に、ドーピング濃度が1×1020cm−3である上記第二コンタクト層114と上記p電極116とのオーミック接合において、上記高濃度側の化合物層によって、より低コンタクト抵抗が得られる。このようにショットキー接合性とオーミック接合性がより強化されるので、電流ブロック層の埋め込み再成長工程や電極コンタクト層の結晶再成長工程を行うことなしに、低しきい値電流発振と高出力動作が可能で、長期信頼性が得られる。さらに、製造工程の簡略化によりコストを低減できる放熱特性に優れた半導体レーザ装置の製造方法が提供される。したがって、十分な電流狭窄性と優れた素子信頼性が得られ、かつ、低消費電力で高出力動作が可能な半導体装置を製造することが可能となる。
本第1実施の形態においては、上記p電極の総層厚は400nmであるが、薄膜の層厚としては、上記メサストライプ部のような段差の高さの1/3以上程度であれば、段差による薄膜の段切れは起きにくくなる。しかしながら、薄ければ薄いほど、薄膜形成のために使用される原料の消費量を抑えることができ、装置の低コスト化を実現できる。
本第1実施の形態においては、上記エッチングストップ層111はInGaAsPからなる半導体層であるが、これに限るものではない。本第1実施の形態におけるエッチングでは、2回目に使用するエッチャントがフッ酸であるため、上記エッチングストップ層はGaAsでもよい。
また、本第1実施の形態の半導体レーザ装置のストライプ方向は、(100)面上における(01−1)方向、いわゆる逆メサ方向であるが、これに限るものではない。(100)面上において、ストライプ方向を上述とは垂直な(011)方向、いわゆる順メサ方向であってもよい。この変形例の場合、ストライプ方向に対して垂直な断面図は図8のようになり、第一コンタクト層813および第二コンタクト層814の側面が、基板101に向かって幅が広くなっていく形状となるため、p電極814の段切れがより起きにくい構造にすることができる。図8において、図1に示す構成要素と同一構成要素は、図1の構成要素と同一参照番号を付して説明を省略する。
また、本第1実施の形態の半導体レーザ装置では、上記絶縁物115は熱膨張性を有する微小物を含有するポリイミドからなり、上記庇部400の略下より外側へ張り出すように変形させる工程が熱処理工程であるが、これに限るものではない。本第1実施形態では、上記熱処理工程がポリイミド化工程・変形工程の両方を兼ねているが、各々の処理温度が異なっていれば、別々に熱処理を行ってもよい。その場合、変形工程の処理温度の方を低く設計し、ポリイミド化工程よりも先に変形工程を行うことが好ましい。また、上記微小物は、膨潤性を有する微小物でもよく、その場合は上記変形させる工程は湿潤工程とすればよい。また、上記微小物は発泡性を有していてもよい。その場合、上記微小物の発泡後は上記絶縁物の表面、すなわち上記p電極が配される面はなめらかでなく穴の開いた表面となるが、少なくとも一部の領域で段切れのないp電極が確保されていればよいので、問題とはならない。
(第2実施の形態)
図10は、本発明の第2実施の形態における光伝送システムの光伝送モジュール200を示す断面図である。また、図11は光源の部分を示す斜視図である。本第2実施の形態では、光源として第1実施の形態で説明した半導体レーザ装置(レーザチップ)201を、また受光素子202としてシリコン(Si)のpinフォトダイオードを用いている。この光伝送システムでは、信号を送受信する相手側も、上記と同じ光伝送モジュールを備えていることを前提としている。また上記半導体レーザ装置201は、上記モジュール実装状態で発光波長がおよそ890nmである。
図10において、回路基板206上には、半導体レーザ駆動用の正負両電極のパターン(図示せず)が形成され、レーザチップ201を搭載する部分には深さ300μmの凹部206aが設けられている。この凹部206aに、レーザチップ201を搭載したレーザマウント(マウント材)210をはんだで固定する。図10および11に示すように、レーザマウント210の正電極212の平坦部213は、回路基板206上のレーザ駆動用正電極部(図示せず)とワイヤー207aによって電気的に接続される。凹部206aはレーザ光の放射を妨げない程度の深さとなっており、また、面の粗さが放射角に影響を与えないようにされている。
上記受光素子202は、やはり回路基板206に実装され、ワイヤー207bにより電気信号が取り出される。この他に、回路基板206上にレーザ駆動用/受信信号処理用のIC回路208が実装されている。
次いで、上記レーザマウント210をはんだで固定して搭載した部分である凹部206aに、光を拡散するフィラーを混入した液状のシリコン樹脂209を適量滴下する。このシリコン樹脂209は表面張力のために凹部206a内に留まり、レーザマウント210を覆い凹部206aに固定する。本第2実施の形態では、回路基板206上に凹部206aを設け、レーザマウント210を実装したが、上述のように、シリコン樹脂209は表面張力のためにレーザチップ201表面およびその近傍に留まるので、凹部206aは必ずしも設ける必要はない。
この後、上記シリコン樹脂209を80℃で約5分間加熱して、ゼリー状になるまで硬化させる。次いで、全面を透明なエポキシ樹脂モールド203により被覆する。レーザチップ201の上面には、放射角制御のためのレンズ部204が、また、受光素子202の上面には信号光を集光するためのレンズ部205がそれぞれ一体的にモールドレンズとして形成される。上述したように、この光伝送システムでは、相手側が同じ光伝送モジュールをもう1台保持して、光信号の送受信を行うことを前提としている。光源から情報を持って発した光信号は、相手の光伝送モジュールの受光素子によって受信され、また、相手から発信された光信号は上記受光素子202によって受信される。
次に、上記レーザマウント210について、図11を用いて説明する。図11に示すように、L字型のヒートシンク211にレーザチップ201がIn糊剤を用いてダイボンドされている。レーザチップ201は、第1実施の形態で説明したInGaAs系の半導体レーザ装置であり、そのチップ下面201bには高反射膜がコーティングされており、一方、レーザチップ上面201aには低反射膜がコーティングされている。これらの反射膜は、レーザチップ端面の保護も兼ねている。
上記ヒートシンク211の基部211bには正電極212が、ヒートシンク211と導通しないように絶縁物により固着されている。この正電極212とレーザチップ201の表面のショットキー接合部上に設けられた電極領域201cとは、金ワイヤー207cによって接続されている。上述のように、このレーザマウント210を、図10の回路基板206の負電極(図示せず)にはんだ固定して、正電極212の上部の平坦部213と回路基板206の正電極部(図示せず)とをワイヤー207aで接続する。このような配線の形成により、レーザビーム214を発振により得ることができる光伝送モジュール200が完成する。
本第2実施の形態の光伝送モジュール200は、前述の低コストで製造できる1回成長タイプの半導体レーザ装置201を使用しているため、そのモジュール単価を従来に比べて大幅に低く抑えることができる。
(第3実施の形態)
図12は、本発明の第3実施の形態にかかる光ディスク装置の構造の一例を示したものである。この光ディスク装置は光ディスク301にデータを書き込んだり、書き込まれたデータを再生するためのものであり、その際用いられる発光素子として、先に説明した第1実施の形態の半導体レーザ装置において、量子井戸活性層などの層に変更を加え、780nmで発振する半導体レーザ装置302を備えている。ストライプ状リッジ構造や絶縁物を形成する工程などは第1実施の形態と同様である。
この光ディスク装置についてさらに詳しく説明する。書き込みの際は、半導体レーザ装置302から出射された信号光がコリメートレンズ303により平行光とされ、ビームスプリッタ304を透過してλ/4偏光板305で偏光状態が調節された後、レーザ光照射用対物レンズ306で集光されて光ディスク301に照射される。
一方、読み出し時には、データ信号がのっていないレーザ光が書き込み時と同じ経路をたどって光ディスク301に照射される。このレーザ光がデータの記録された光ディスク301の表面で反射され、レーザ光照射用対物レンズ306、λ/4偏光板305を経た後、ビームスプリッタ304で反射されて90°角度を変えた後、再生光用対物レンズ307で集光されて、信号検出用受光素子308に入射する。信号検出用受光素子308内で入射したレーザ光の強弱によって記録されたデータ信号が電気信号に変換されて、信号光再生回路309において元の信号に再生される。
本第3実施の形態の光ディスク装置は、従来の半導体レーザ装置よりも製造工程や製造コストを低減した半導体レーザ装置302を用いているため、より低コストな光ディスク装置を提供することができた。
なお、ここでは、本発明の半導体レーザ装置302を記録再生型の光ディスク装置に適用した例について説明したが、同じ波長780nm帯を用いる光ディスク記録装置、光ディスク再生装置にも適用可能である。
なお、本発明の化合物半導体装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、たとえば半導体レーザ装置の井戸層・障壁層の層厚や層数など、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
本発明の第1実施の形態にかかる半導体レーザ装置の、ストライプ方向に対して垂直な面の断面図である。 本発明の第1実施の形態にかかる半導体レーザ装置の、レジストマスク作製終了後の、ストライプ方向に対して垂直な面の断面図である。 本発明の第1実施の形態にかかる半導体レーザ装置の、エッチングによるメサストライプ部の庇部形成後の、ストライプ方向に対して垂直な面の断面図である。 本発明の第1実施の形態にかかる半導体レーザ装置の、ポリイミド前駆体塗布形成後に、上方より全面露光を受けるときの、ストライプ方向に対して垂直な面の断面図である。 本発明の第1実施の形態にかかる半導体レーザ装置の、感光性ポリイミド前駆体現像後の、ストライプ方向に対して垂直な面の断面図である。 本発明の第1実施の形態にかかる半導体レーザ装置において、その製造方法を変更し、庇部の略下部に充填された絶縁物を、外側へ変形させる工程を略して作製した変形例のストライプ方向に対して垂直な面の断面図である。 本発明の第1実施の形態にかかる半導体レーザ装置において、その製造方法を変更し、第三上クラッド層と上記絶縁物の間に空隙部を有するように作製した変形例のストライプ方向に対して垂直な面の断面図である。 本発明の第1実施の形態にかかる半導体レーザ装置において、その製造方法を変更し、ストライプ方向を(011)方向、いわゆる順メサ方向に作製した変形例のストライプ方向に対して垂直な面の断面図である。 本発明にかかる半導体装置(半導体レーザ装置)の、電流−光出力特性のグラフである。 本発明の第2実施の形態にかかる光伝送システムに使用される光伝送モジュールの概略図である。 本発明の第2実施の形態にかかる光伝送システムにかかる光源の斜視図である。 本発明の第3実施の形態の光ディスク装置の概略図である。 従来の半導体レーザ装置の、ストライプ方向に対して垂直な面の断面概略図である。 従来のヘテロ接合バイポーラトランジスタの素子構造を示す、矩形のメサの長手方向に垂直な面の断面概略図である。
101 基板
102 バッファ層
103 第一下クラッド層
104 第二下クラッド層
105 下ガイド層
106 多重歪量子井戸活性層
107 上ガイド層
108 第一上クラッド層
109 第二上クラッド下部層
110 第二上クラッド上部層
111 エッチングストップ層
112 第三上クラッド層
113,813 第一コンタクト層
114,814 第二コンタクト層
115,415,815 ポリイミド
115a ポリイミド材料
116 p電極
117 n電極
118 レジストマスク
119 空隙部
121a メサストライプ部
121b メサストライプ側方部
200 光伝送モジュール
201 レーザチップ
201a レーザチップ上面
201b チップ下面
201c 電極領域
202 受光素子
203 エポキシ樹脂モールド
204,205 レンズ部
206 回路基板
206a 凹部
207a,207b ワイヤー
207c 金ワイヤー
208 回路
209 シリコン樹脂
210 レーザマウント
211 ヒートシンク
211b 基部
212 正電極
213 平坦部
214 レーザビーム
301 光ディスク
302 半導体レーザ装置
303 コリメートレンズ
304 ビームスプリッタ
305 偏光板
306 レーザ光照射用対物レンズ
307 再生光用対物レンズ
308 信号検出用受光素子
309 信号光再生回路

Claims (14)

  1. 半導体基板上に、複数の半導体層からなる半導体層群を積層する工程と、
    上記半導体層群の少なくとも一部が、上記半導体層群から上記基板に向かう方向に対して交差する方向に張り出すような庇部を有するように、上記半導体層群を加工する工程と、
    加工された上記半導体層群の表面上に、ポジ型の感光性を有する絶縁物を塗布する工程と、
    上記絶縁物の全面に上方より露光する工程と、
    上記露光により感光した上記絶縁物を現像により取り除く工程と、
    上記庇部を有する半導体層の上面の少なくとも一部の領域から、上記庇部の側方において露出している上記半導体層上の少なくとも一部の領域にかけて、上記庇部の略下にある上記現像により残された上記絶縁物の側面上の少なくとも一部の領域も含めて被覆する薄膜を形成する工程と
    を備え、
    上記薄膜を形成する前に、上記現像により残された上記庇部の略下にある上記絶縁物を、その絶縁物の少なくとも一部が上記庇部の下から熱膨張により外側へ張り出すように変形させる工程
    を含む
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
    上記絶縁物を塗布する前に、潤滑剤を塗布する工程
    を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  3. 請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
    上記絶縁物が、熱膨張性を有する微小物を含有するポリイミドからなり、
    上記変形させる工程が熱処理である
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  4. 請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
    上記基板が第一導電型を有し、
    上記半導体層群を積層する工程では、上記半導体層群として、少なくとも、第一半導体層、第二半導体層および第三半導体層を、上記基板側から順に積層し、
    上記第一半導体層は、ドーピング濃度が1×10 17 cm−3以下の第二導電型の低濃度半導体層となるように形成し、
    上記第二半導体層および第三半導体層は、ドーピング濃度が1×10 18 cm−3以上の第二導電型の高濃度半導体層となるように形成し、
    上記半導体層群を加工する工程では、上記第一半導体層の上面に、上記第二半導体層と上記第三半導体層がストライプ状リッジ構造を形成し、かつ、上記第三半導体層により上記庇部が形成されるように、上記半導体層群にエッチングを行い、
    上記薄膜を形成する工程では、上記薄膜として電極を形成し、
    上記電極と上記第三半導体層との界面に高濃度側の化合物層を形成すると共に、上記電極と上記第一半導体層との界面に低濃度側の化合物層を形成するように、上記電極の形成後に熱処理を行う工程
    を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  5. 請求項4に記載の半導体装置の製造方法において、
    上記電極の最下層がTiからなり、
    上記熱処理を行う工程では、350℃以上430℃以下の熱処理によって上記低濃度側の化合物層と上記高濃度側の化合物層を形成する
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  6. 請求項4に記載の半導体装置の製造方法において、
    上記電極の最下層がPtからなり、
    上記熱処理を行う工程では、350℃以上450℃以下の熱処理によって上記低濃度側の化合物層と上記高濃度側の化合物層を形成する
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  7. 第一導電型のIII‐V族化合物半導体からなる半導体基板と、
    上記半導体基板に順次積層された、第一導電型のIII‐V族化合物半導体からなる下クラッド層、III‐V族化合物半導体からなる活性層、第二導電型のIII‐V族化合物半導体からなる上クラッド層および第二導電型のIII‐V族化合物半導体からなるコンタクト層を少なくとも含む半導体層群と
    を備え、
    少なくとも上記半導体層群の一部は、ストライプ状のリッジ構造を有しており、そのリッジ構造の延伸方向に交差する方向に張り出す庇部を有しており、
    また、上記庇部の略下方に位置して、上記庇部の上面に位置しないと共に、上記リッジ構造の両側に位置する絶縁物と、
    上記庇部を有する半導体層の上面の少なくとも一部の領域から、上記庇部の下の外方において露出している半導体層上の少なくとも一部の領域にかけて、上記庇部の略下にある上記絶縁物の側面上の少なくとも一部の領域も含めて被覆する薄膜と
    を備え、
    上記絶縁物の一部が上記庇部の下から外側に張り出していると共に、上記絶縁物の厚さは、上記庇部の下から外側に張り出すにつれて薄くなっている
    ことを特徴とする半導体レーザ装置。
  8. 請求項7に記載の半導体レーザ装置において、
    上記絶縁物が熱膨張した微小物を含有するポリイミドからなる
    ことを特徴とする半導体レーザ装置。
  9. 請求項8に記載の半導体レーザ装置において、
    上記半導体層群は、上記ストライプ状のリッジ構造と上記活性層との間に一部が位置すると共に、他の一部が上記ストライプ状のリッジ構造の側方に表面を有している第二導電型のIII‐V族化合物半導体からなるリッジ下部層を含み、
    上記薄膜は、上記庇部を有する上記半導体層の上面の少なくとも一部の領域から、上記庇部の下の外方において露出している上記リッジ下部層上の少なくとも一部の領域にかけて、上記庇部の略下にある上記絶縁物の側面上の少なくとも一部の領域も含めて被覆する電極であり、
    上記電極と上記リッジ下部層と間のショットキー接合を用いて、上記ストライプ状リッジ構造に対する電流狭窄を行っている
    ことを特徴とする半導体レーザ装置。
  10. 請求項9に記載の半導体レーザ装置において、
    上記コンタクト層が上記ストライプ状のリッジ構造の頂部に位置し、
    上記コンタクト層はドーピング濃度が1×10 18 cm−3以上であり、
    上記リッジ下部層はドーピング濃度が1×10 17 cm−3以下であり、
    上記電極と上記リッジ下部層との界面に、上記電極の構成元素の少なくとも一つと上記リッジ下部層の構成元素の少なくとも一つからなる低濃度側の化合物層が形成され、
    上記電極と上記コンタクト層との界面に、上記電極の構成元素の少なくとも一つと上記コンタクト層の構成元素の少なくとも一つからなる高濃度側の化合物層が形成されている
    ことを特徴とする半導体レーザ装置。
  11. 請求項9に記載の半導体レーザ装置において、
    上記リッジ下部層は、少なくともリッジ下部高ドープ層とリッジ下部低ドープ層を含む複数の半導体層で構成されており、
    上記リッジ下部高ドープ層は上記リッジ下部低ドープ層よりも上記基板側に位置し、
    上記リッジ下部低ドープ層は、ドーピング濃度が1×10 17 cm−3以下である第二導電型のIII‐V族化合物半導体によって形成されており、
    上記リッジ下部高ドープ層は、ドーピング濃度が1×10 17 cm−3を越える第二導電型のIII‐V族化合物半導体によって形成されている
    ことを特徴とする半導体レーザ装置。
  12. 請求項9に記載の半導体レーザ装置において、
    上記電極の最下層の材料がTiもしくはPtからなる
    ことを特徴とする半導体レーザ装置。
  13. 請求項7に記載の半導体レーザ装置を備えることを特徴とする光伝送モジュール。
  14. 請求項7に記載の半導体レーザ装置を備えることを特徴とする光ディスク装置。
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