JP4883293B2 - 強誘電体膜形成用組成物の製造方法及び強誘電体膜の製造方法 - Google Patents

強誘電体膜形成用組成物の製造方法及び強誘電体膜の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4883293B2
JP4883293B2 JP2006308368A JP2006308368A JP4883293B2 JP 4883293 B2 JP4883293 B2 JP 4883293B2 JP 2006308368 A JP2006308368 A JP 2006308368A JP 2006308368 A JP2006308368 A JP 2006308368A JP 4883293 B2 JP4883293 B2 JP 4883293B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ferroelectric film
composition
forming
lead
zirconium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006308368A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008120644A (ja
Inventor
宏行 亀井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2006308368A priority Critical patent/JP4883293B2/ja
Publication of JP2008120644A publication Critical patent/JP2008120644A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4883293B2 publication Critical patent/JP4883293B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)

Description

本発明は、比較的低温の焼成でMOD法により強誘電体膜を形成できる強誘電体膜形成用組成物製造方法及び強誘電体膜の製造方法に関する。
チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等に代表される結晶を含む強誘電体膜は、自発分極、高誘電率、電気光学効果、圧電効果、焦電効果等を有しているため、圧電素子等の広範なデバイス開発に応用されている。このような強誘電体膜の成膜方法としては、例えば、ゾル−ゲル法、MOD(Metal Organic Deposition)法などの化学溶液法(Chemical Solution Deposition Method)がある。
ゾル−ゲル法は、金属アルコキシド等の有機金属化合物の加水分解および重縮合によりM−O−Mの3次元構造を形成することにより前駆体を形成する方法であり、比較的低温の焼成で緻密な膜が得られるが、空気中の水分で反応が進むため安定性が低くゾル−ゲル法用の溶液の管理が非常に困難であるという問題がある。一方、MOD法は、ゲル化反応(加水分解反応)を起こさずに、単に有機金属化合物の溶液の塗布・乾燥・脱脂・焼成だけで強誘電体膜を得る方法であり、MOD法用の溶液は、金属のカルボン酸塩等の安定な有機金属化合物を分子状態で存在させることにより非常に安定な溶液とすることができるが、比較的高温の焼成が必要になるという問題がある。
この問題を解決するものとして、ゾル−ゲル法を改良してゾル−ゲル法用の溶液にMOD法用の溶液を混合反応させる方法がある(特許文献1参照)。この文献に記載された方法では、MOD法用の溶液と比較的低温での焼成が可能なゾル−ゲル法用の溶液とを混合して用いているため、MOD法用の溶液を単独で用いる場合よりも、低温での焼成で緻密な膜を得ることができる。
特開2005−306711号公報(特許請求の範囲等)
しかしながら、特許文献1の溶液はゾル−ゲル法用の溶液を用いているので、溶液の安定性が十分ではないという問題がある。
本発明はこのような事情に鑑み、低温の焼成でMOD法により強誘電体膜を形成することができる強誘電体膜形成用組成物製造方法及び強誘電体膜の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の強誘電体膜形成用組成物の製造方法は、鉛及びジルコニウム以外の金属の化合物と酢酸鉛とジルコニウムアセチルアセトナートとを溶媒に常温で混合し加熱してコロイド溶液を形成した後、このコロイド溶液を5〜15℃の環境で12時間以上25日未満静置することにより、強誘電体膜をMOD法により形成するための強誘電体膜形成用組成物であって、鉛(Pb)ジルコニウム(Zr)メチル基カルボキシレート基同じ分子中に含む有機金属化合物と、鉛及びジルコニウム以外の金属の化合物とを含有する強誘電体膜形成用組成物を得ることを特徴とする。
これによれば、鉛(Pb)とジルコニウム(Zr)とメチル基とカルボキシレート基を同じ分子中に含む有機金属化合物と、鉛及びジルコニウム以外の金属の化合物とを含有する強誘電体膜形成用組成物を確実に形成することができる。そして、この本発明の強誘電体膜形成用組成物の製造方法により製造される強誘電体膜形成用組成物はPb、Zr、メチル基及びカルボキシレート基を同じ分子中に有する有機金属化合物を含有するので、この強誘電体膜形成用組成物を塗布・乾燥・脱脂・焼成することにより、PbとZrとを異なる分子中に有する強誘電体膜形成用組成物を用いた場合よりも、低エネルギーで強誘電体膜成分の結晶化を進行させることができるため、低温の焼成でPb及びZrを有する強誘電体膜を形成することができる。また、MOD法用の強誘電体膜形成用組成物なので、ゾル−ゲル法用の強誘電体膜形成用組成物のように、空気中の水分と反応してしまうこともなく、長期に亘って安定な強誘電体膜形成用組成物となる。
さらに、前記有機金属化合物が、0.1μm以下の微結晶として含有されることが好ましい。
これによれば、PbとZrと−CHと−COO−を含む有機金属化合物が0.1μm以下の微結晶として含有された強誘電体膜形成用組成物となり、低温での焼成でも緻密な強誘電体膜を得ることができる。
また、前記鉛及びジルコニウム以外の金属の化合物としてのチタニウムテトライソプロポキシドとジエタノールアミンとを前記溶媒に混合した後、前記酢酸鉛及び前記ジルコニウムアセチルアセトナートを混合することが好ましい。
これによれば、低温の焼成でMOD法によりPZT膜を形成することができる強誘電体膜形成用組成物を提供することができる。
本発明の強誘電体膜の製造方法は、上記強誘電体膜形成用組成物の製造方法により強誘電体薄膜形成用組成物を製造し、この製造した強誘電体薄膜形成用組成物を被対象物上に塗布し、これを乾燥及び脱脂後焼成することにより前記強誘電体膜を形成することを特徴とする。
これによれば、低温の焼成で強誘電体膜を形成することができるので、加熱による被対象物等への影響を抑制することができる。
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
本発明の強誘電体膜形成用組成物は、MOD法により強誘電体薄膜を形成するのに用いられるコロイド溶液であり、具体的には、鉛(Pb)とジルコニウム(Zr)とメチル基(−CH)とカルボキシレート基(−COO−)を含む有機金属化合物と、鉛及びジルコニウム以外の金属の化合物とを含有するものである。
このようなMOD法用の本発明の強誘電体膜形成用組成物は、一般的なMOD法での焼成温度700〜750℃よりも低い温度、例えば50℃程度低い650〜700℃程度の焼成で結晶化させて強誘電体膜を形成することができる。これは、本発明の強誘電体膜形成用組成物に含有される−CHと−COO−を含む有機金属化合物が、PbとZrの両方を有しているためと推測される。
詳述すると、本発明においては、強誘電体膜形成用組成物に含有される−CHと−COO−を含む有機金属化合物が同じ分子中にPbとZrを有しているため、この強誘電体膜形成用組成物を基板等の被対象物に塗布・乾燥・脱脂することにより、Pb−Zr合金の酸化物が形成される。また、鉛及びジルコニウム以外の金属の酸化物も形成される。そして、その後の焼成により、Pb−Zr合金の酸化物に鉛及びジルコニウム以外の金属の酸化物が固溶して結晶化し、強誘電体膜が形成される。
一方、PbとZrが同じ化合物ではなく異なる化合物中に存在する強誘電体膜形成用組成物では、塗布・乾燥・脱脂により酸化鉛と酸化ジルコニウムとが別々に形成され、その後の焼成により、酸化鉛と、酸化ジルコニウムと、鉛及びジルコニウム以外の金属の酸化物とが、一度に固溶して結晶化し、強誘電体膜が形成される。
したがって、結晶化して強誘電体膜を形成するためのエネルギーは、前者の本発明の強誘電体膜形成用組成物を用いると、後者のPbとZrが異なる化合物中に存在する強誘電体膜形成用組成物を用いた場合よりも低くなるため、本発明の強誘電体膜形成用組成物を用いると、比較的低温の焼成でPb及びZrを有する強誘電体膜を形成することができると推測される。
具体的に説明すると、本発明において、例えば、鉛及びジルコニウム以外の金属の化合物をチタン化合物(下記式中「Ti−R’」と表記する。R’はアルキル基である。)とした場合、本発明の強誘電体膜形成用組成物を被対象物に塗布・乾燥・脱脂することにより、下記反応式に示すように、PbとZrと−CHと−COO−を含む有機金属化合物(下記式中「PbZr−R」と表記する。)はPb−Zr合金の酸化物になり、チタン化合物はチタン酸化物になる。
Figure 0004883293
その後、焼成することにより、PbZrOにTiOが固溶し結晶化する。この結晶化は、PbとZrが同じ化合物ではなく異なる化合物中に存在する強誘電体膜形成用組成物を用いた場合、即ち、PbO(0.1≦a≦1)、ZrO(0.1≦b≦2)、TiO(0.1≦c≦2)が一度に固溶する場合よりも、低エネルギーで固溶結晶化が進行する。このため、本発明の強誘電体膜形成用組成物は、比較的低温の焼成でPb及びZrを有する強誘電体膜を形成することができると推測される。
PbとZrと−CHと−COO−を含む有機金属化合物がPb及びZrを含有することは、例えば、有機金属化合物をEDX測定することにより確認することができる。なお、当該有機金属化合物は微小なため、例えば下記試験例に示すように、本発明の強誘電体膜形成用組成物を、5〜15℃の環境で25日以上放置して当該有機金属化合物を成長させ、この成長したものをEDX測定することにより、確認することができる。
本発明の強誘電体膜形成用組成物が含有するPbとZrと−CHと−COO−を含む有機金属化合物は、FT−IRスペクトル測定において、770、847、929、953、1022、1125、1279、1333、1415、1508、1579、2862、2914、2964、3193、3276及び3411cm−1付近にピークを有することが好ましい。具体的には、図3に示されるFT−IRスペクトルと実質的に同じスペクトルであることが好ましい。なお、770、847、929、953、1022、1125、1279、1333、1415、1508、1579、2862、2914、2964、3193、3276及び3411cm−1調度にピークを有する有機金属化合物でも、これらの波数の付近、即ち、通常のFT−IRスペクトル測定での誤差範囲内、例えば、それぞれ±5cm−1の範囲内にピークを有する有機金属化合物でもよい。上記EDX測定と同様に、例えば下記試験例に示すように、本発明の強誘電体膜形成用組成物を5〜15℃の環境で25日以上放置して有機金属化合物を成長させ、この成長したものをFT−IR測定することにより、本発明の強誘電体膜形成用組成物が含有するPbとZrと−CHと−COO−を含む有機金属化合物のFT−IRスペクトルを確認することができる。
また、本発明の強誘電体膜形成用組成物は、上記PbとZrと−CHと−COO−を含む有機金属化合物が、大きさが0.1μm以下の微結晶として含有されることが好ましい。なお、微結晶の大きさは、SEM観察により測定することができ、「0.1μm以下の微結晶」とは、SEMにより観察される結晶の長辺が0.1μm以下であることを意味する。
鉛及びジルコニウム以外の金属の化合物としては、チタニウムアルコキシド、チタニウムイソプロポキシド等が挙げられる。なお、Pb、Zr、及び、Pb及びZr以外の金属の化合物の配合割合は特に限定されないが、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)からなる強誘電体薄膜形成用組成物を製造する場合は、Pb:Zr:Ti=1.0〜1.2:0.50〜0.55:0.45〜0.50(モル比)とすることが好ましい。
本発明の強誘電体膜形成用組成物の溶媒(分散媒)としては、ブチルセロソルブ、2−n−ブトキシアルコール、n−ペンチルアルコール、2−フェニルエタノール、2−フェノキシエタノール、メトキシエタノール、エチレングリコールモノアセテート、トリエチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、酢酸イソアミル等のアルコール溶媒を挙げることができ、これらの溶媒は単独で用いても複数種用いてもよい。
また、本発明の強誘電体膜形成用組成物は、さらにアルカノールアミン類を含有することが好ましい。アミン類を含有すると、各成分の分散安定性が良好になる。アミン類としては、アルカノールアミン、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等を挙げることができる。これらのアミン類は、単独で用いても複数種用いてもよい。
さらに、各成分を安定化させるためや、形成される強誘電体膜のクラックの発生を防止するための安定化剤として、必要に応じて、ポリエチレングリコール等を含有してもよい。また、その他の添加剤として、増粘剤等を加えてもよい。
上記本発明の強誘電体膜形成用組成物は、鉛及びジルコニウム以外の金属の化合物と、酢酸鉛と、ジルコニウムアセチルアセトナートとを溶媒に常温で混合し加熱してコロイド溶液を形成した後、このコロイド溶液を5〜15℃の環境で12時間以上25日未満静置することにより、製造することができる。
まず、常温(20〜25℃)で、チタニウムテトライソプロポキシド等の鉛及びジルコニウム以外の金属の化合物と、酢酸鉛と、ジルコニウムアセチルアセトナートとを、アルコール溶媒等の溶媒に混合する。その後、混合した液を加熱することによりコロイド溶液を形成する。この加熱する温度は限定されず、例えば70〜80℃とする。また、加熱時間も特に限定されず、目的とする強誘電体膜形成用組成物の量や種類に適した時間とすることができ、例えば30〜60分程度とすればよい。
その後、このコロイド溶液を、5〜15℃、好ましくは10℃前後の環境で、12時間以上25日未満、好ましくは1〜14日間静置する。このように、所定の温度で所定期間冷蔵することにより、本発明の強誘電体膜形成用組成物を得ることができる。
なお、ジエタノールアミン等のアルカノールアミン類を添加することが好ましい。また、必要に応じて、ポリエチレングリコール等を加熱後に添加物として加えてもよい。さらに、その他の添加剤として、増粘剤等を加えてもよい。
各成分を混合する順番は特に限定されないが、チタニウムテトライソプロポキシド等の鉛及びジルコニウム以外の金属の化合物とジエタノールアミン等のアルカノールアミン類を溶媒に混合した後、酢酸鉛及びジルコニウムアセチルアセトナートを混合することが好ましい。この順番で混合することにより、予め鉛及びジルコニウム以外の金属の化合物がアルコール溶媒中でアルカノールアミン類によりキレート化されるので、鉛及びジルコニウム以外の金属の化合物の安定性が確実に良好になるためである。
なお、酢酸鉛、ジルコニウムアセチルアセトナート、及び、鉛及びジルコニウム以外の金属の化合物の配合割合は特に限定されないが、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)からなる強誘電体薄膜形成用組成物を製造する場合は、Pb:Zr:Ti=1.0〜1.2:0.50〜0.55:0.45〜0.50(モル比)となるように、酢酸鉛、ジルコニウムアセチルアセトナート及びチタン化合物を混合することが好ましい。
このような強誘電体膜形成用組成物を、例えばシリコン基板等の被対象物上に塗布し、これを乾燥及び脱脂した後、焼成することにより強誘電体膜を製造することができる。本発明の強誘電体膜形成用組成物は、焼成温度を一般的なMOD法よりも低くすることができるため、被対象物へ与える加熱の影響を抑制することができる。なお、被対象物上に強誘電体膜形成用組成物を塗布する工程においては、強誘電体膜形成用組成物が貯留されたタンク内に乾燥不活性ガスを所定流量で導入し、強誘電体膜形成用組成物をタンクに接続されたノズルまで搬送して、強誘電体膜形成用組成物をそのノズルから回転する被対象物上に滴下するのが好ましい。これにより、膜成分が略均一に分散した強誘電体膜の前駆体膜を比較的容易に製造することができる。
以上説明した本発明の強誘電体膜形成用組成物を用いて形成された強誘電体膜は、広範なデバイス開発に応用することができ、その用途等は特に限定されないが、例えば、マイクロアクチュエータ、フィルタ、遅延線、リードセレクタ、音叉発振子、音叉時計、トランシーバ、圧電ピックアップ、圧電イヤホン、圧電マイクロフォン、SAWフィルタ、RFモジュレータ、共振子、遅延素子、マルチストリップカプラ、圧電加速度計、圧電スピーカ等に応用することができる。
以下、実施例に基づいてさらに詳細に説明する。
(実施例)
不活性ガス(窒素)中において、分散媒であるブチルセロソルブ(CH(CHOCHCHOH)354gにチタニウムテトライソプロポキシド(Ti((CHCHO))41.8gを混合し、さらにジエタノールアミン(HN(CHCHOH))75gを撹拌混合した。その後、空気中において、さらに酢酸鉛3水和物(Pb(CHCOO)・3HO)136.3g及びジルコニウムアセチルアセトナート(Zr(CHCOCHCOCH)76.6gを常温で撹拌混合した後、70℃で30分加熱撹拌し、各成分を溶解させてコロイド溶液を作成した。次に30℃以下まで冷却した後、クラック防止剤としてポリエチレングリコール(平均分子量400)34.2gを撹拌混合した。その後、この溶液を、10℃の環境下で10日間静置して、強誘電体膜形成用組成物を得た。なお、この強誘電体膜形成用組成物をSEMにより観察したところ、0.1μmより大きな結晶は観察されなかった。
次に、得られた強誘電体膜形成用組成物をシリコン基板上に塗布し、乾燥・脱脂後、650℃で焼成したところ、結晶化が良好に進行し、緻密なPZT膜が得られた。
(試験例)
実施例の強誘電体膜形成用組成物を、さらに10℃の環境下で20日間(合計30日)静置して、強誘電体膜形成用組成物に含まれる微粒子を成長させ析出させた。この析出した結晶をSEM観察した結果を図1に、EDX分析した結果を図2に示す。この結果、観察された結晶は、PbおよびZrを有する有機金属化合物であることが分かった。また、この析出した結晶をFT−IRで分析した結果を図3に示す。この結果、析出物はメチル基(−CH)およびカルボキシレート基(−COO−)を含むことが分かった。また、主なFT−IR吸収波長は、769.8、847.3、928.9、952.9、1021.8、1124.9、1279.4、1333.0、1415.0、1508.3、1579.0、2861.5、2913.7、2964.3、3193.4、3276.0、3411.2cm−1であった。
これらの結果から、実施例の強誘電体膜形成用組成物は、Pb、Zr、−CHおよび−COO−を有する有機金属化合物を含有していることが分かった。なお、酢酸鉛3水和物のFT−IRスペクトルを図4に、ジルコニウムアセチルアセトナートのFT−IRスペクトルを図5に、また、図3〜5を併記したものを図6に示す。これらの図から分かるように、本発明の強誘電体膜形成用組成物は、原料とは異なるFT−IRスペクトルを有し、Pb、Zr、−CHおよび−COO−を有する有機金属化合物を含有していることが確認された。
強誘電体膜形成用組成物を更に冷蔵して析出させた結晶のSEM観察結果 強誘電体膜形成用組成物を更に冷蔵して析出させた結晶のEDX測定結果 強誘電体膜形成用組成物を更に冷蔵して析出させた結晶のFT-IR測定結果 酢酸鉛3水和物のFT−IRスペクトル ジルコニウムアセチルアセトナートのFT−IRスペクトル 図3〜5のFT−IRスペクトルを併記した図

Claims (4)

  1. 鉛及びジルコニウム以外の金属の化合物と酢酸鉛とジルコニウムアセチルアセトナートとを溶媒に常温で混合し加熱してコロイド溶液を形成した後、このコロイド溶液を5〜15℃の環境で12時間以上25日未満静置することにより、強誘電体膜をMOD法により形成するための強誘電体膜形成用組成物であって、鉛(Pb)ジルコニウム(Zr)メチル基カルボキシレート基同じ分子中に含む有機金属化合物と、鉛及びジルコニウム以外の金属の化合物とを含有する強誘電体膜形成用組成物を得ることを特徴とする強誘電体膜形成用組成物の製造方法。
  2. 前記有機金属化合物が、0.1μm以下の微結晶として含有されることを特徴とする請求項に記載の強誘電体膜形成用組成物の製造方法
  3. 前記化合物としてのチタニウムテトライソプロポキシドとジエタノールアミンとを前記溶媒に混合した後、前記酢酸鉛及び前記ジルコニウムアセチルアセトナートを混合することを特徴とする請求項1または2に記載の強誘電体膜形成用組成物の製造方法。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載の強誘電体膜形成用組成物の製造方法により強誘電体薄膜形成用組成物を製造し、この製造した強誘電体薄膜形成用組成物を被対象物上に塗布し、これを乾燥及び脱脂後焼成することにより前記強誘電体膜を形成することを特徴とする強誘電体膜の製造方法。
JP2006308368A 2006-11-14 2006-11-14 強誘電体膜形成用組成物の製造方法及び強誘電体膜の製造方法 Expired - Fee Related JP4883293B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006308368A JP4883293B2 (ja) 2006-11-14 2006-11-14 強誘電体膜形成用組成物の製造方法及び強誘電体膜の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006308368A JP4883293B2 (ja) 2006-11-14 2006-11-14 強誘電体膜形成用組成物の製造方法及び強誘電体膜の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008120644A JP2008120644A (ja) 2008-05-29
JP4883293B2 true JP4883293B2 (ja) 2012-02-22

Family

ID=39505801

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006308368A Expired - Fee Related JP4883293B2 (ja) 2006-11-14 2006-11-14 強誘電体膜形成用組成物の製造方法及び強誘電体膜の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4883293B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5558876B2 (ja) * 2009-09-18 2014-07-23 東海ゴム工業株式会社 誘電膜、およびその製造方法、並びにそれを用いたトランスデューサ
JP6075143B2 (ja) * 2013-03-25 2017-02-08 三菱マテリアル株式会社 強誘電体薄膜形成用組成物の製造方法及びその用途

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4178578B2 (ja) * 1998-02-23 2008-11-12 セイコーエプソン株式会社 圧電体素子の製造方法
JP2001130958A (ja) * 1999-11-02 2001-05-15 Seiko Epson Corp 圧電体薄膜あるいは強誘電体薄膜の製造方法
JP2001213624A (ja) * 2000-01-27 2001-08-07 Seiko Epson Corp 強誘電体薄膜用原料溶液および強誘電体薄膜の作製方法
JP2001213625A (ja) * 2000-01-27 2001-08-07 Seiko Epson Corp チタン酸ジルコン酸鉛薄膜の製造方法及びそれを用いた薄膜デバイス
JP2001279464A (ja) * 2000-03-29 2001-10-10 Seiko Epson Corp 強誘電体薄膜の作製方法
JP2005306711A (ja) * 2004-03-26 2005-11-04 Seiko Epson Corp 原料溶液、強誘電体膜、強誘電体膜の製造方法、圧電素子、圧電アクチュエーター、インクジェット式記録ヘッドおよびインクジェットプリンタ
US7772748B2 (en) * 2004-07-13 2010-08-10 Seiko Epson Corporation Composite for forming ferroelectric thin film, ferroelectric thin film, method of manufacturing ferroelectric thin film, and liquid-jet head
JP2006111516A (ja) * 2004-09-17 2006-04-27 Seiko Epson Corp 強誘電体薄膜形成用組成物及び強誘電体薄膜並びに液体噴射ヘッド
JP4438958B2 (ja) * 2005-07-14 2010-03-24 セイコーエプソン株式会社 強誘電体薄膜形成用組成物の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008120644A (ja) 2008-05-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101371995B1 (ko) 도포액 및 이 도포액을 이용한 티탄산계 세라믹스막의제조방법
KR100562925B1 (ko) 강유전체막형성용 용액 및 강유전체막의 형성방법
WO2015060004A1 (ja) 非鉛誘電体薄膜及びこの薄膜形成用組成物並びにこの薄膜の形成方法
JP4883293B2 (ja) 強誘電体膜形成用組成物の製造方法及び強誘電体膜の製造方法
KR102019522B1 (ko) Pzt계 강유전체 박막 형성용 조성물 및 그 제조 방법 그리고 그 조성물을 사용한 pzt계 강유전체 박막의 형성 방법
JP4603254B2 (ja) 金属酸化物ゾル液の製造方法、結晶質金属複酸化物ゾルおよび金属酸化物膜
CN103979617A (zh) LaNiO3薄膜形成用组合物及使用该组合物的LaNiO3薄膜的形成方法
WO2015060003A1 (ja) 非鉛誘電体薄膜形成用液組成物及びその薄膜の形成方法並びにその方法で形成された非鉛誘電体薄膜
JP7222647B2 (ja) 圧電体膜形成用塗工液組成物、その製造方法、配向性圧電体膜、並びに、液体吐出ヘッド
JP5655272B2 (ja) 強誘電体薄膜形成用組成物、強誘電体薄膜の形成方法並びに該方法により形成された強誘電体薄膜
JP3953810B2 (ja) ゾル−ゲル工程を利用した強誘電体薄膜の製造方法
JP4329289B2 (ja) Sbt強誘電体薄膜、その形成用組成物及び形成方法
JP4329288B2 (ja) Blt又はbt強誘電体薄膜、その形成用組成物及び形成方法
JP7166800B2 (ja) 配向性圧電体膜用塗工液組成物、配向性圧電体膜、並びに、液体吐出ヘッド
JP2003095651A (ja) 誘電体膜形成用前駆体ゾル、前駆体ゾルの調製方法、誘電体膜、及び誘電体膜の形成方法
JP3127849B2 (ja) 塗布法による酸化物薄膜の製造方法
JP5754539B2 (ja) LaNiO3薄膜形成用組成物及びこの組成物を用いたLaNiO3薄膜の形成方法
JP2007200588A (ja) 強誘電体薄膜形成用組成物の製造方法
JP3152093B2 (ja) Ba1−xSrxTiyO3薄膜形成用組成物及びBa1−xSrxTiyO3薄膜の形成方法
JP2007197227A (ja) Pzt薄膜形成用組成物の製造方法
CN107794516A (zh) 一种高介电常数薄膜的制备方法
KR100529420B1 (ko) 비스무스나트륨 산화티타늄 화합물 제조방법
CN101193849B (zh) 2-乙基己酸铌衍生物、该衍生物的制造方法、含有该衍生物的有机酸金属盐组合物及使用该组合物的薄膜的制造方法
JP2008041725A (ja) 高誘電体薄膜形成用塗布組成物とその製造方法
JP3314134B2 (ja) 複合酸化物薄膜の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090817

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110815

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110817

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111017

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111109

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111122

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141216

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4883293

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees