JP4881623B2 - Cea核酸増幅用プライマー、プライマーセット、及びがんの診断支援方法 - Google Patents

Cea核酸増幅用プライマー、プライマーセット、及びがんの診断支援方法 Download PDF

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Description

本発明は、癌胎児性抗原(Carcinoembrionic antigen:CEA)の核酸増幅に用いる核酸増幅プライマー、核酸増幅プライマーセット、及びがんの診断支援方法に関する。
癌胎児性抗原(以下、CEAと略す)は、結腸癌と胎児結腸粘膜組織に共通して存在する抗原物質として発見された糖タンパク質であり、近年最もよく用いられている腫瘍マーカーの一つである。CEAは、直腸癌、結腸癌、胃癌、食道癌、肺癌、乳癌、肝臓癌、胆道癌、膵臓癌、甲状腺癌、膀胱癌、前立腺癌、陰嚢癌、子宮癌、子宮体癌、子宮頸癌、卵巣癌など、さまざまながんにおいて発現している。腫瘍マーカーとしてCEAの発現を検出することは、がんの診断や、術後及び化学療法等の治療後の経過観察の指標となり、その有用性が認められている。この腫瘍マーカーであるCEAの発現を特異的に検出する方法として、CEA遺伝子のmRNA(以下、CEAmRNAとする)を検出する方法(遺伝子検査)がある。
遺伝子検査によりCEAmRNAを検出するためのプライマーセットとして、特許文献1に記載のプライマーセットが知られている。このプライマーセットは、LAMP法またはRT−LAMP法に用いられ、2種類のインナープライマー(FIP及びRIP)と、2種類のアウタープライマー(F3P及びR3P)と、2種類のループプライマー(LPF及びLPR)と、を含む。
特開2004−154088
上記のプライマー及びプライマーセットは、CEAmRNAを特異的に検出することができるが、特許文献1には、検出の再現性については記載されていない。本発明は、既に報告されているCEA核酸増幅用プライマー及びプライマーセットよりCEAを再現性良く検出できるプライマー及びプライマーセットを提供することを目的とする。
本発明は、CEAをコードする遺伝子のmRNAを検出するための核酸増幅法に用いる核酸増幅プライマーセットであって、第1プライマー、第2プライマー、第3プライマー、第4プライマーおよび第5プライマーを含み、第1プライマーが、配列番号14〜17の何れかの配列からなるオリゴヌクレオチドを含み、第2プライマーが、配列番号18〜22の何れかの配列からなるオリゴヌクレオチドを含み、第3プライマーが、配列番号13の配列からなるオリゴヌクレオチドを含み、第4プライマーが、配列番号23の配列からなるオリゴヌクレオチドを含み、第5プライマーが、配列番号24〜26の何れかの配列からなるオリゴヌクレオチドを含む、プライマーセットを提供する。

さらに本発明は、上記の核酸増幅プライマーセットと、逆転写活性を有する酵素と、dNTPsと、鎖置換型DNAポリメラーゼと、を備えるCEAmRNAを検出するための試薬キットを提供する。
また、本発明は、生体から採取された生体試料、逆転写活性を有する酵素、dNTPs、鎖置換型DNAポリメラーゼ、及び上記プライマーセットを混合して反応液を調製する工程と、
上記プライマーセットを用いたCEAのmRNAに基づく増幅反応が行なわれるように上記反応液を加温する工程と、上記増幅を測定し、測定結果に基づいて前記生体試料中にCEAのmRNAが存在するか否かを判定する工程と、を含む診断支援方法を提供する。
本発明によれば、従来のCEA検出用核酸増幅プライマーよりCEAmRNAを再現性良く検出できるプライマーを提供することができる。さらに、このプライマーを用いて生体試料に含まれるCEAmRNAを検出することにより、がんの診断支援情報を提供することができる。
本実施形態のプライマーは、CEAmRNAを検出するための核酸増幅法に用いることができる。CEAmRNAのアミノ酸に翻訳され得る領域の塩基配列、すなわちCording sequence(CDS)は、配列番号1に記載されている。なお、配列番号1のRNAの塩基配列に含まれるウラシル(U)はチミン(T)に変換して記載されている。
核酸増幅法としては特に限定されないが、例えばPCR法、RT−PCR法、LAMP法、RT−LAMP法等が挙げられる。
RT−LAMP法は、標的領域(RNA)を鋳型として両端にループ構造を持つDNAを合成し、これを合成起点としてDNAを増幅する核酸増幅法である。本実施形態では、CEAmRNAを鋳型とするため、RT−LAMP法を用いることができる。
本実施形態におけるRT−LAMP法で用いるプライマーの設計方法は、特許文献1に記載の通りである。具体的には、プライマー設計に必要な領域として、CEAmRNAの、5’末端側から順にF3、F2、F1、R1、R2という領域を設定する。F3に相補的な領域をF3c、F2に相補的な領域をF2c、F1に相補的な領域をF1c、R1に相補的な領域をR1c、R2に相補的な領域をR2c、とする。
F1cとしては例えば、以下のF1c−1〜F1c−3等を挙げることができる。
F1c−1:配列番号1の881−901番目の領域に相補的な領域(配列番号2)
F1c−2:配列番号1の881−898番目の領域に相補的な領域(配列番号3)
F1c−3:配列番号1の881−899番目の領域に相補的な領域(配列番号4)
F2としては例えば、以下のF2−1及びF2−2等を挙げることができる。
F2−1:配列番号1の830−848番目の領域(配列番号5)
F2−2:配列番号1の830−849番目の領域(配列番号6)
R1としては例えば、以下のR1−1及びR1−2等を挙げることができる。
R1−1:配列番号1の911−931番目の領域(配列番号7)
R1−2:配列番号1の913−931番目の領域(配列番号8)
R2cとしては例えば、以下のR2c−1〜R2c−4等を挙げることができる。
R2c−1:配列番号1の956−974番目の領域に相補的な領域(配列番号9)
R2c−2:配列番号1の954−972番目の領域に相補的な領域(配列番号10)
R2c−3:配列番号1の958−974番目の領域に相補的な領域(配列番号11)
R2c−4:配列番号1の957−974番目の領域に相補的な領域(配列番号12)
F3としては例えば、以下のF3−1等を挙げることができる。
F3−1:配列番号1の798−817番目の領域(配列番号13)
上記の5つの領域に基づいて、3種のプライマー(FIP(forward inner primer)、RIP(reverse inner primer)、及びF3P(forward outer primer))を設計することができる。
FIPは、F2と実質的に同一の塩基配列を3’末端に有し、5’末端にF1cと実質的に同一の塩基配列を有するように設計する。
この場合、F2配列と、F1c配列との間に、CEAmRNAに依存しない配列(以下、介在配列とする)が介在していても良い。介在配列が存在する場合、介在配列の長さは、好ましくは1〜100塩基、より好ましくは1〜50塩基である。
FIPとしては例えば、以下のFIP−1(配列番号14)〜FIP−4(配列番号17)等を挙げることができる。
FIP−1 :CTTGGCACGTATAGGATCCACTCCAGCAATCCACCCAAGA
(配列番号14)
FIP−2 :GGCACGTATAGGATCCACTCCAGCAATCCACCCAAGA
(配列番号15)
FIP−3 :TGGCACGTATAGGATCCACTCCAGCAATCCACCCAAGA
(配列番号16)
FIP−4 :CTTGGCACGTATAGGATCCACTCCAGCAATCCACCCAAGAG
(配列番号17)
RIPは、R2cと実質的に同一の塩基配列(以下、R2c配列とする)を3’末端に有し、5’末端にR1と実質的に同一の塩基配列(以下、R1配列とする)を有するように設計する。RIPもFIPと同様に、R2c配列と、R1配列との間に介在配列が存在していても良い。
RIPとしては例えば、以下のRIP−1(配列番号18)〜RIP−5(配列番号22)等を挙げることができる。
RIP−1:CAGACACTGGCCTCAATAGGAGGTTTGGGTGGCTCTGCAT
(配列番号18)
RIP−2:CAGACACTGGCCTCAATAGGATTTGGGTGGCTCTGCATAG
(配列番号19)
RIP−3:CAGACACTGGCCTCAATAGGAGGTTTGGGTGGCTCTGC
(配列番号20)
RIP−4:GACACTGGCCTCAATAGGAGGTTTGGGTGGCTCTGCAT
(配列番号21)
RIP−5:CAGACACTGGCCTCAATAGGAGGTTTGGGTGGCTCTGCA
(配列番号22)
F3Pは、F3と実質的に同一の塩基配列を有するように設計する。
F3Pとしては例えば、以下のF3P−1(配列番号13)等を挙げることができる。
F3P−1: TGCACAGTACTCTTGGTTTG(配列番号13)
本実施形態のプライマーを用いてRT−LAMP法を行なう場合、核酸の増幅反応は、特許文献1に記載のステップを経て進行する。具体的には次の1)〜5)のステップを経て、核酸増幅が進行する。
1)RIPが、鋳型となりうるCEAmRNA(以下、鋳型RNAとする)にハイブリダイズし、相補鎖が合成される(以下、RIP及びRIPからの伸長鎖をRIP鎖とする)。RIP鎖の合成反応は、逆転写活性を有する酵素、例えばトリ骨髄芽球症ウイルス(Avian Myeloblastosis Virus)由来のAMV Reverse Transcriptaseのような逆転写酵素等を用いて行なうことができる。この時、AMV Reverse Transcriptaseのように、逆転写活性及びRNase活性を有する逆転写酵素を用いることが好ましい。
2)次に、mRNAと二本鎖を形成していたRIP鎖を一本鎖にする。例えば、上述のようなRNase活性を有する逆転写酵素を用いることにより、鋳型RNAが分解され、RIP鎖は一本鎖となる。逆転写酵素がRNase活性を持たない場合は、RNase活性を有する酵素をさらに用いることが好ましい。
また、R2よりも下流の領域にハイブリダイズするプライマー(R3P)を用いることにより、RIP鎖を一本鎖にすることもできる。
一本鎖となったRIP鎖は、5’末端側にループ構造を形成する。
3)以降、伸長鎖の合成反応は鎖置換型DNAポリメラーゼによる。鎖置換型DNAポリメラーゼとしては例えば、バシラス・ステロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)由来のBst DNA Polymerase Large Fragment等を用いることができる。
RIP鎖にFIPがハイブリダイズし、相補鎖が合成され、RIP鎖と、FIPを含む相補鎖(以下、FIP及びFIPからの伸長鎖をFIP鎖とする)の二本鎖が形成される。
4)F3Pが、FIP鎖と二本鎖を形成しているRIP鎖にハイブリダイズし、相補鎖が合成される。この結果、F3Pを含む相補鎖とRIP鎖が二本鎖を形成し、FIP鎖は一本鎖となる。一本鎖となったFIP鎖は、両端(5’末端及び3’末端)にループ構造を形成する。
5)両端にループ構造を有するFIP鎖は、DNAポリメラーゼのはたらきにより、3’末端から自己を鋳型として相補鎖を合成し、ヘアピン状の構造となる。ループ構造にRIPがハイブリダイズし、相補鎖が合成されることによってヘアピン鎖の二本鎖部分が解離し、一本鎖が形成される。この一本鎖がループ構造を形成し、3’末端から自己を鋳型とした相補鎖が合成される。さらにループ構造にFIPがハイブリダイズし、相補鎖が合成される。
このような合成反応が繰り返されることにより、核酸増幅が進行する。
伸長鎖とは、RNAまたはDNAにハイブリダイズしたプライマーの3’末端からDNAポリメラーゼによって連続的に合成されたポリヌクレオチドをいう。
上記の反応においては、逆転写酵素とDNAポリメラーゼの2種類の酵素を用いているが、例えばバシラス・カルドテナクス(Bacillus caldotenax )由来のBca DNA polymeraseのような、逆転写活性とDNAポリメラーゼ活性の両活性を有する酵素等を用いる場合、上記の伸長鎖の合成反応は1つの酵素で実施することができる。
LAMP法では、上述したFIP、RIP、及びF3Pと共に、ループプライマー(LPF、及び/またはLPR)を用いることにより、合成起点を増やすことができ、DNAをより迅速に増幅することができる(国際公開WO 02/24902号公報)。FIP鎖においてループプライマーがハイブリダイズし得る領域(LF)は、F1c配列の3’末端とF1領域の5’末端との間の領域に含まれる。RIP鎖においてループプライマーがハイブリダイズし得る領域(LR)は、R1配列の3’末端とR1c領域の5’末端との間の領域である。
上記の領域は、配列番号1に記載の塩基配列上の領域、または、配列番号1に記載の塩基配列に相補的な塩基配列上の領域で表すことができる。
LFとしては例えば、以下のLF−1等を挙げることができる。
配列番号1の970−988番目の領域に相補的な領域(配列番号23)
LRとしては例えば、以下のLR−1〜LR−3等を挙げることができる。
LR−1:配列番号1の1048−1065番目の領域(配列番号24)
LR−2:配列番号1の1047−1065番目の領域(配列番号25)
LR−3:配列番号1の1048−1066番目の領域(配列番号26)
上記の領域に基づき、ループプライマーを設計することができる。LPFは、LFと実質的に同一の塩基配列を有するように設計する。LPRは、LRと実質的に同一の塩基配列を有するように設計する。
LPFとしては例えば、以下のLPF−1(配列番号23)等を挙げることができる。
LPF−1:TCACAGTGATGTTGGGGAT(配列番号23)
LPRとしては例えば、以下のLPR−1(配列番号24)〜LPR−3(配列番号26)等を挙げることができる。
LPR−1:ACAGTCACGACGATCACA(配列番号24)
LPR−2:CACAGTCACGACGATCACA(配列番号25)
LPR−3:ACAGTCACGACGATCACAG(配列番号26)
実質的に同一、あるいは実質的に相補的という用語はいずれも完全に同一、あるいは完全に相補的であることを要しない。例えば、あるポリヌクレオチドAにハイブリダイズすることのできるポリヌクレオチドBは、ポリヌクレオチドAに対して実質的に相補的であるといえる。即ち、ポリヌクレオチドBはポリヌクレオチドAに対して完全に相補的である必要はなく、ポリヌクレオチドBはポリヌクレオチドAにハイブリダイズすることができれば、1〜複数個のヌクレオチドの置換、欠失、挿入、若しくは付加といった変異を含んでいてもよい。
プライマーがハイブリダイズする領域(F1、F1c、R1、R1c、F2、F2c、R2、R2c、F3、LF、またはLR)は、塩基組成、GC含量、二次構造、融解温度(Tm)などを考慮して選択することが好ましい。Tmは、一般的にNearest Neighbor法で求めることができる。Tmは、好ましくは55〜65℃、より好ましくは58〜64℃であり、GC含量は好ましくは40〜70%、より好ましくは50〜65%である。
プライマーの鎖長は、RNAまたはDNAとハイブリダイズし得る程度の鎖長であれば特に限定されないが、好ましくは5〜200塩基、より好ましくは10〜50塩基である。配列依存的な核酸合成反応を触媒する公知のポリメラーゼが認識するプライマーの鎖長は最低5塩基前後であることから、ハイブリダイズする部分の鎖長はそれ以上であることが好ましい。加えて、塩基配列としての特異性を維持するためには、10塩基以上であることが好ましい。一方、あまりにも長いプライマーは化学合成によって調製することが困難となることから、前記のような鎖長が好ましい。
上述したプライマーは、CEAmRNAを鋳型とした増幅反応に用いられるため、ゲノムのCEA遺伝子からの増幅反応が行なわれないように設計することが好ましい。
本実施形態では、CEAmRNAにおいて、CEA遺伝子の第4エクソン(配列番号1の704〜958)に対応する領域を第4エクソン対応領域とし、CEA遺伝子の第5エクソン(配列番号1の959〜1237)に対応する領域を第5エクソン対応領域とする。上述した複数のプライマーのうち少なくとも1つは、第4エクソン対応領域と第5エクソン対応領域との連接部を含む領域にハイブリダイズすることが好ましい。この連接部を含む領域とは、第4エクソン対応領域の3’末端の塩基と第5エクソン対応領域の5’末端の塩基とを含む領域である。このようなプライマーを用いることによって、CEA遺伝子由来の配列のDNAが増幅されにくくなり、CEA mRNA由来の配列のDNAを選択的に増幅することが可能となる。
本実施形態の核酸増幅プライマーは、第4エクソン対応領域及び第5エクソン対応領域からなる第1標的領域、または第1標的領域に相補的な第2標的領域にハイブリダイズし得る配列を有する。プライマーは、FIP、RIP、及びF3Pの少なくとも3種を含み、さらにLPF及び/またはLPRを含んでいてもよい。いずれのプライマーにおいても、プライマー機能を有していれば、1〜複数個のヌクレオチドの置換、欠失、挿入、若しくは付加といった変異された配列を含んでいてもよい。
プライマー機能とは、ポリヌクレオチドが標的配列にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズし、ポリメラーゼによる核酸合成反応の合成起点となり得る機能をいう。
「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」とは、融解温度(Tm)より約5℃〜約30℃、好ましくは約10℃〜約25℃低い温度でハイブリダイゼーションが起こる条件をいう。また、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、ホルムアミド濃度、塩濃度、カオトロピックな塩濃度、pH(水素イオン濃度)、及び有機溶媒成分等の組成を変えることによって制御することができる。
ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の一例としては、50%ホルムアミド、5×SSC(150mM NaCl、15mM クエン酸三ナトリウム)、50mMリン酸ナトリウム、pH7.6、5×デンハーツ溶液、10%デキストラン硫酸、及び20μg/mlのDNAを含む溶液中、42℃で一晩ハイブリダイゼーション、といった条件があげられる。
プライマーは、公知の方法により製造することができる。具体的には、例えば、ハイスループット核酸合成機(ABI 3900 High−Throughput DNA Synthesizer)等を用いて合成することができる。
(プライマーセット)
本実施形態のプライマーを用いてRT−LAMP法を行う場合、少なくとも3種のプライマー(FIP、F3P、及びRIP)を組み合わせて、プライマーセットとして使用することができる。さらに、1種以上のループプライマーを組み合わせて、プライマーセットとして使用することもできる。
3種のプライマーからなるプライマーセットの例としては、配列番号14からなる第1プライマーと、配列番号18からなる第2プライマーと、配列番号13からなる第3プライマーとを備えるプライマーセット等を挙げることができる。
5種のプライマーを組み合わせてプライマーセットとして使用する場合、具体的には以下の表1のプライマーセットA〜Jのような例が挙げられる。表中の数字は配列番号を表す。
Figure 0004881623
(測定方法)
LAMP法では、増幅反応の過程で副産物として生成するピロリン酸マグネシウムの量が多いため、白濁が生じる。そこでこの反応液の濁りを目視により確認する、あるいは、反応液の散乱光強度や、透過光と散乱光の強度比から濁度を測定することにより、mRNAに基づく増幅反応の結果を測定することができる。
LAMP法で合成されたDNA鎖は、その大部分が二本鎖となっている。この特徴を利用して、mRNAに基づく増幅反応の結果を測定することが可能である。エチジウムブロマイド、SYBR Green I、あるいはPico Greenのような蛍光色素の存在下で核酸増幅を実施すれば、増幅産物の増加に伴って蛍光強度の増大が観察される。これをリアルタイムでモニターすれば、閉鎖系でmRNAに基づくDNAの増幅と蛍光の増加が同時に追跡可能である。
(試薬キット)
本実施形態に用いる試薬類は、試薬キットとして提供することもできる。試薬キットは、相補鎖合成の基質となるdNTPs(dATP、dCTP、dGTP、及びdTTPを含むdeoxynucleoside triphosphate)、逆転写活性を有する酵素、DNAポリメラーゼとを含む酵素類、及びプライマーを含む。試薬キットはさらに、反応液を増幅反応に好適な条件に調製することができる試薬類を含むことが好ましい。また、試薬キットは、RNase活性を有する酵素を含むことが好ましい。プライマーは、予めTEバッファー等の溶媒に溶解し、溶液として提供してもよいし、乾燥した状態で提供してもよい。
表2は、RT−LAMP反応に用いられる反応液の組成である。例えば表2に示す反応試薬類、プライマー溶液、及び酵素類を試薬キットとして提供する場合、反応試薬類とプライマー溶液を同一の容器に収容し、別の容器に酵素類のみを収容することができる。
また、反応液のpHを好適な範囲に調整することができる緩衝剤、酵素の触媒活性を維持することができる塩類、酵素の保護剤、Tmの調整剤等を用いることができる。緩衝剤としては、反応液のpHを好ましくは6.0〜8.0、より好ましくは6.5〜7.5に調製できるものであれば特に限定されない。例えばHEPES(N−2−hydroxyethlpiperazine−N’−2’−ethanesulfonic−acid)、Tris−HClをもちいることができる。塩類としては、例えば(NH42SO4、KCl、HCl、NaCl等を用いることがでる。酵素の保護剤としては、例えばTriton−X、ウシ血清アルブミン等を用いることができる。Tmの調整剤としては、例えばDMSO(dimethyl sulfoxide)やベタイン(N,N,N,−trimethylglycine)等を用いることができる。
上記の試薬類は、Tmや反応に用いる酵素の種類等によって適宜選択し得る。したがって、反応液が増幅反応に好適な条件で調製されていれば、上記全ての試薬類が反応液に含まれなくてもよい。
Figure 0004881623
表2の10×Thermopol bufferには、1.0%Triton−Xが含まれる。Triton−Xは非イオン性界面活性剤であり、酵素の立体構造を保持し、安定に保つ働きを有する。界面活性剤は加熱して、ある温度(曇点)に達すると濁りを生じるが、この曇点は界面活性剤によって異なる。1.0%Triton−Xは、後述する核酸増幅の反応温度(65℃)よりも曇点が低いため、本実施形態における核酸増幅反応によって、曇点に達する。これを回避するには、反応液の曇点(本来反応液に含まれている界面活性剤に起因する曇点)を核酸増幅の反応温度よりも高めることのできる界面活性剤を添加することが好ましい。このような界面活性剤としては、その曇点が反応温度よりも高い界面活性剤、好ましくは曇点が70℃以上である界面活性剤を挙げることができる。
生体試料にはRNaseが多量に含まれていることがあるため、生体試料中の鋳型となるmRNAが分解される可能性がある。したがって、試薬キットは、この生体試料由来のRNaseの阻害剤を含むことが好ましい。ただしこの阻害剤は、生体試料に含まれるRNaseの活性を阻害し、上述したRNase活性を有する逆転写酵素のRNase活性は阻害しないものを用いることが好ましい。
生体試料としては、組織、喀痰、尿、生検材料、体腔液、または体腔洗浄液等を用いることができる。組織としては例えば、血液、リンパ液、リンパ節、大腸や胃の組織切片等が挙げられる。体腔液としては例えば、腹水、胸水等が挙げられる。体腔洗浄液としては例えば、腹腔内洗浄液、胸腔洗浄液等が挙げられる。この生体試料を、後に詳述する生体試料処理液を添加してホモジナイズした後、例えばRNeasy Kit(Quiagen社)やTRIZOL Reagent(invitrogen社)などを用いてmRNAを抽出・精製し、テンプレート溶液として用いることができる。
上記のテンプレート溶液、逆転写活性を有する酵素、dNTPs、鎖置換型DNAポリメラーゼ、及び本実施形態のプライマーセットを混合して、RT−LAMP法に用いる反応液を調製することができる。この反応液を加温することにより、CEAmRNAに基づく増幅反応を行い、前記生体試料中のCEAmRNAを検出することができる。
(がんの診断支援)
CEAmRNAの検出結果に基づいて、がんの診断支援情報を提供することができる。
がんとしては例えば、直腸癌、結腸癌、胃癌、食道癌、肺癌、乳癌、肝臓癌、胆道癌、膵臓癌、甲状腺癌、膀胱癌、前立腺癌、陰嚢癌、子宮癌、子宮体癌、子宮頸癌、及び卵巣癌などが挙げられる。
がんの診断支援情報としては例えば、生体試料中にCEAmRNAが含まれるか否か、CEAmRNAに基づく増幅反応における増幅産物の濃度(濁度)が所定の値に到達するまでの時間(検出時間)、または、所定の時間内に到達する増幅産物の濃度(濁度)、検出時間から算出したCEAmRNAのコピー数等が挙げられる。さらに、上記の情報に基づいて、生体試料中のがん細胞の有無、生体試料中のがん細胞の含有量等をがんの診断支援情報として提供することができる。
がんの診断支援情報を用いて、医師等の医療従事者は、前記生体試料における微小転移の有無、転移がある場合のがん細胞の転移の程度等も判定することができる。また、がんの診断支援情報を用いて、がん細胞の転移のしやすさ、再発のしやすさ、予後の悪さ、抗がん剤に対する感受性などを判定することもできる。
RT−LAMP法を行って、がんの診断支援情報を得る方法としては、CEAmRNAの検出結果と、予め設定された閾値とを比較することが好ましい。例えば、RT−LAMP法を行なってCEAmRNAに基づく増幅反応における増幅産物の検出時間を測定し、この検出時間と、対応する閾値と比較し、比較結果をがんの診断支援情報とすることができる。RT−LAMP法を所定の時間内で行なって、CEAmRNAに基づく増幅反応における増幅産物の濃度(濁度)を測定し、この濃度(濁度)と、対応する閾値とを比較して、がんの診断支援情報を得ることもできる。また、検出時間からmRNAのコピー数を算出して、このコピー数と対応する閾値とを比較してもよい。
例えば検出時間に対応する閾値は、以下のようにして設定することができる。まず、多数のがん細胞を含む検体(がん陽性検体)を用いて、検出時間を測定する。次に、多数のがん細胞を含まない検体(がん陰性検体)を用いて、検出時間を測定する。がん陽性検体の検出時間より長い値であり、且つがん陰性検体の検出時間より短い値を閾値とすることができる。閾値より長い検出時間を示すがん陽性検体及び/または閾値より短い検出時間を示すがん陰性検体が含まれる場合は、がん陽性検体とがん陰性検体とを最も高確率で分けられる検出時間を閾値とすることができる。がん陽性検体は、病理医によってがん陽性と判断された検体を用いることができる。がん陰性検体は、がん陰性患者から採取した検体を用いることもできるし、がん陽性患者から採取した検体であっても、病理医ががん陰性と判断した検体であれば、用いることができる。
がんの摘出手術中に上記のようながんの診断支援情報を得ることにより、摘出する組織の辺縁やリンパ節の郭清範囲を決定することができる。術中に適切な摘出範囲を決定し、摘出手術を行うことにより、がん細胞の摘出が不十分で再手術を余儀なくされることや、正常な組織にまで及ぶ過度の摘出を回避することができる。
以下、本発明のプライマー、プライマーセット及びがんの診断支援方法について、実施例に基づき、より具体的に説明する。本発明はこれらの実施例に限定されない。
本実施例では、プライマーセットとして、表1のプライマーセットA〜Jのいずれかを用いた。
(実施例1)
プライマーセットA〜J及び既に報告されているプライマーセット(プライマーセット24とする)を用いて、CEAmRNAを検出できるかどうか、実験を行った。
プライマーセット24に含まれるプライマーは、配列番号27〜32に示す。
1)反応液の調製
CEAmRNAの塩基配列を基に設計したフォワードプライマー(5’CGGAATTCATGGAGTCTCCCT 3’:配列番号33)及びアウタープライマー(5’CGTCTAGACTATATCAGAGCAA 3’:配列番号34)、KATO III細胞から抽出したRNA、及びOne−step RT−PCR(QIAGEN社)を用いて、RT−PCRを行った。
得られた増幅産物及びプラスミドベクターであるpGEM-3Z(Promega社)を制限酵素(EcoR I、Xba I)処理し、ligation kit(TAKARA社)を用いて増幅産物をpGEM-3Zに組み込んで、組換えプラスミドを作製した。この組換えプラスミドを大腸菌にトランスフォームし、この大腸菌を培養した。培養した大腸菌を溶菌し、CEAmRNAに対応する cDNA(以下、CEAcDNA とする)を抽出した。得られたCEAcDNAから、Riboprobe in vitro transcription system(Promega社)を用いて、CEAmRNAと実質的に同一の配列を有するCEARNAを合成した。得られたCEARNA溶液の濃度を260nmでの吸光度測定により算出した。このCEARNA溶液の濃度をもとに、50 ng/mL yeast RNA(Ambion社)を用いて、CEARNAのコピー数が2μlあたり10,000,000コピーであるテンプレート溶液a、CEARNAのコピー数が2μlあたり100,000コピーであるテンプレート溶液b、及びCEARNAのコピー数が2μlあたり1,000コピーであるテンプレート溶液cを希釈調製した。
表2の組成で反応液を調製した。テンプレート溶液は、テンプレート溶液a〜cのいずれかを2μlを用いた。また、ネガティブコントロールとして、テンプレート溶液の代わりに50 ng/mL yeast RNA(Ambion社)を2μl用いた。プライマーセットは、上述したプライマーセット24、または上記表1のプライマーセットA〜Jのいずれかを用いた。なお、プライマーセット24を含む反応液は、F3Pとは異なるもう1種類のアウタープライマーであるR3Pを含むR3P溶液(5pmol/μl)1μlをさらに含有させ、4.21μlの純水ではなく3.21μlの純水を含有させること以外は、表2の組成で調製した。
2)RT−LAMP反応
調製した反応液を、リアルタイム濁度測定装置LA−200(テラメックス社)を用いて65℃で20分加温した。全ての反応液について、同様の実験を4回行なった。
3)検出時間の測定
反応液の濁度が0.1に達する時間(検出時間)をリアルタイムで測定した。測定には、2)と同様、LA−200(テラメックス社)を用いた。
4)結果
実施例1の結果を表3に示す。
Figure 0004881623
表3において、AVGは、4回測定した検出時間の平均値(分)を表す。NDは、20分以内にDNAの増幅が確認されなかったことを示す。ネガティブコントロールを含む反応液を用いた測定の結果、いずれのプライマーセットを用いても、DNAの増幅は確認されなかった。テンプレート溶液cを含む反応液を用いた測定の結果、プライマーセットA〜JではDNAの増幅が確認できたが、プライマーセット24では、4回の測定中1回しか増幅が確認できなかった。テンプレート溶液aを含む反応液を用いた測定、及びテンプレート溶液bを含む反応液を用いた測定の結果、全ての測定においてDNAの増幅が確認できた。しかし、プライマーセット24より、プライマーセットA〜Jの方が、検出時間が短かった。
以上の結果より、プライマーセットA〜Jは、プライマーセット24と比較して、低コピーのRNAを含む反応液におけるDNAの増幅を検出することができた。また、より短時間での検出が可能であることがわかった。
(実施例2)
本発明のプライマーセットを用いて、検出時間の再現性の検討を行なった。
実施例1と同様の方法で得られたCEARNA溶液及び50 ng/mL yeast RNA(Ambion社)を用いて、テンプレート溶液d(2μlあたり5,000コピーのCEARNAを含む)、テンプレート溶液e(2μlあたり2,500コピーのCEARNAを含む)、テンプレート溶液f(2μlあたり1,000コピーのCEARNAを含む)、テンプレート溶液g (2μlあたり500コピーのCEARNAを含む)を希釈調製した。
e〜gのいずれかのテンプレート溶液を2μl用いて、表2の組成で反応液を調製した。プライマーセットは、24、上記表1のプライマーセットA、またはプライマーセットHのいずれかを用いた。なお、プライマーセット24を含む反応液については、実施例1と同様の組成で調製した。調製した反応液を、LA−200(テラメックス社)を用いて65℃で20分加温した。全ての反応液について、同様の実験を10回行ない、検出時間をリアルタイムで測定した。
実施例2の結果を表4及び図1〜3に示す。
Figure 0004881623
表4のCV(coefficient of varidation:変動係数)は、検出時間の測定を繰り返し行なった場合の相対的な散らばりを表す指標であり、検出時間の平均値と標準偏差から算出される。NDは、20分以内にDNAの増幅が確認されなかったことを示す。図の縦軸は検出時間を表し、横軸はCEARNAのコピー数を表す。テンプレート溶液eを含む反応液を用いた測定の結果、プライマーセット24ではCVが5%以上であったが、プライマーセットAでは1.47%、プライマーセットHでは2.07%と低い値を示した。テンプレート溶液fを含む反応液を用いた測定の結果、プライマーセット24ではDNAの増幅を確認できない場合があったが、プライマーセットA及びHでは10回とも増幅を確認できた。CVは、プライマーセットAで1.59%、プライマーセットHで2.11%と低い値を示した。テンプレート溶液gを含む反応液を用いた測定の結果、プライマーセット24ではDNAの増幅を確認できない場合があったが、プライマーセットA及びHでは10回とも増幅を確認できた。CVは、プライマーセットAで3.25%、プライマーセットHで2.50%と低い値を示した。テンプレート溶液hを含む反応液を用いた測定の結果、プライマーセット24では10回の測定中4回、DNAの増幅を確認できなかったが、プライマーセットAでは10回中9回、プライマーセットHでは10回とも増幅を確認できた。以上の測定結果から、プライマーセットAを用いた結果、及びプライマーセットHを用いた結果は、プライマーセット24を用いた結果より、検出時間の再現性が良好であることが確認できた。
(実施例3)
ループプライマーを含まないプライマーセットを用いた増幅反応において、CEARNAに基づく増幅の確認を行なった。実施例1と同様の方法で得られたCEARNA溶液及び50 ng/mL yeast RNA(Ambion社)を用いて、CEARNAのコピー数が2μlあたり5,000コピーとなるよう希釈し、テンプレート溶液を得た。このテンプレート溶液を2μl用いて、表2に示す純水、反応試薬類、及び酵素類を含む混合液を調製した。
この混合液に対し、プライマーを表5のように添加し、反応液I〜IVを調製した。まず、反応液I〜IVに、FIP−1(配列番号14)を80pmol、RIP−1(配列番号18)を80pmol、F3P−1(配列番号13)を5pmol添加した。次に、反応液IIには、LPF−1(配列番号23)のみを60pmol添加した。反応液IIIには、LPR−1(配列番号24)のみを60pmol添加した。反応液IVには、LPF−1及びLPR−1を60pmol添加した。調製した反応液I〜IVを、リアルタイム濁度測定装置LA−200(テラメックス社)を用いて65℃で30分加温した。全ての反応液について、同様の実験を4回行ない、検出時間をリアルタイムで測定した。検出時間の平均を表5に示す。
Figure 0004881623
表5のように、反応液Iを用いた場合の検出時間は28.1分であった。LPF−1を含む反応液の検出時間は12.1分であった。LPR−1を含む反応液の検出時間は12.6分であった。LPF−1及びLPR−1を含む反応液の検出時間は8.7分であった。以上の結果より、ループプライマーを含まない反応液においても、CEAcDNAの増幅を確認することができた。
(実施例4)
本発明のプライマーセットを用いて、臨床検体中のCEAmRNAを特異的に検出できるかどうか検討した。臨床検体は、大腸癌転移陽性であることを組織学的に確認したリンパ節3検体(サンプル1、2、及び3)、及び大腸癌転移陰性であることを確認したリンパ節3検体(サンプル4、5、及び6)を用いた。サンプル1〜6にそれぞれ生体試料処理液(200mM Glicine−HCl、5% Brij35 (Polyoxyethylene(23)Lauryl Ether)、20% DMSO、及び0.05% KS−538(信越化学工業)を含む)を添加して電動ホモジナイザーにてホモジナイズした。ホモジナイズした生体試料から、RNeasy Kit(Quiagen社)を用いてRNAを抽出・精製した。次に、生体試料処理液を添加して10倍希釈し、テンプレート溶液1〜6を得た。テンプレート溶液1〜6のいずれかと、プライマーセットAまたはHを用いて、表2の組成で反応液を調製した。
プライマーセットAを用いた反応液について、テンプレート溶液1を含むものを反応液A1、テンプレート溶液2を含むものを反応液A2、テンプレート溶液3を含むものを反応液A3、テンプレート溶液4を含むものを反応液A4、テンプレート溶液5を含むものを反応液A5、テンプレート溶液6を含むものを反応液A6とする。
プライマーセットHを用いた反応液について、テンプレート溶液1を含むものを反応液H1、テンプレート溶液2を含むものを反応液H2、テンプレート溶液3を含むものを反応液H3、テンプレート溶液4を含むものを反応液H4、テンプレート溶液5を含むものを反応液H5、テンプレート溶液6を含むものを反応液H6とする。
ネガティブコントロールは、テンプレート溶液の代わりに上記生体試料処理液2μlを用いて、表2の組成で調製した。プライマーセットAを含むものをネガティブコントロールA(NA)、プライマーセットHを含むものをネガティブコントロールH(NH)とする。
反応液A1〜A6、反応液H1〜H6、NA、及びNHを、遺伝子増幅検出装置GD−100(シスメックス社)を用いて65℃で30分加温し、検出時間をリアルタイムで測定した。全ての反応液について、同様の実験を4回行なった。
測定の結果を表6および表7に示す。
Figure 0004881623
Figure 0004881623
表6はプライマーセットAを用いた測定結果である。表7はプライマーセットHを用いた測定結果である。NDは、30分以内にCEAmRNAに基づく増幅が確認されなかったことを示す。
反応液A1〜A3、H1〜H3を用いた測定では、全ての反応液においてCEAmRNAに基づく増幅が確認でき、がん細胞に含まれるCEAmRNAを特異的に検出することができた。
反応液A4〜A6を用いた測定では、全ての反応液において、CEAmRNAに基づく増幅が確認されなかった。
反応液H5及びH6を用いた測定では、全ての反応液において、CEAmRNAに基づく増幅が確認されなかった。
反応液H4を用いた測定では、4回中1回の測定において、CEAmRNAに基づく増幅が確認された。検出時間は28.7分であった。
この実施例における検出時間の閾値は20分である。この閾値と上述の測定結果とを比較することにより、リンパ節検体のサンプル1、2、及び3をがん転移陽性、リンパ節検体のサンプル4、5、及び6をがん転移陰性と判定することができた。
以上の結果より、本実施形態のプライマーセットを用いて臨床検体中に含まれるがん細胞の有無を判定し、この判定結果に基づいてがんのリンパ節転移の有無を判定し、これらの結果をがんの診断支援情報として提供できることが確認できた。
実施例2におけるプライマーセット24の測定結果の図である。 実施例2におけるプライマーセットAの測定結果の図である。 実施例2におけるプライマーセットHの測定結果の図である。

Claims (7)

  1. 癌胎児性抗原(Carcinoembryonic antigen:CEA)をコードする遺伝子のmRNAを検出するための核酸増幅法に用いる核酸増幅プライマーセットであって、
    第1プライマー、第2プライマー、第3プライマー、第4プライマーおよび第5プライマーを含み、
    前記第1プライマーが、配列番号14〜17の何れかの配列からなるオリゴヌクレオチドを含み、
    前記第2プライマーが、配列番号18〜22の何れかの配列からなるオリゴヌクレオチドを含み、
    前記第3プライマーが、配列番号13の配列からなるオリゴヌクレオチドを含み、
    前記第4プライマーが、配列番号23の配列からなるオリゴヌクレオチドを含み、
    前記第5プライマーが、配列番号24〜26の何れかの配列からなるオリゴヌクレオチドを含む、プライマーセット
  2. 前記第1プライマーが、配列番号14または15の配列からなるオリゴヌクレオチドを含み、
    前記第2プライマーが、配列番号18の配列からなるオリゴヌクレオチドを含み、
    前記第5プライマーが、配列番号24の配列からなるオリゴヌクレオチドを含む、請求項1記載のプライマーセット。
  3. 請求項1または2に記載の核酸増幅プライマーセットと、
    逆転写活性を有する酵素と、
    dNTPsと、
    鎖置換型DNAポリメラーゼと、を備えるCEAのmRNAを検出するための試薬キット。
  4. 生体試料中にCEAのmRNAが存在するか否かを判定することにより、がんの診断支援を行う診断支援方法において、
    生体から採取された生体試料、逆転写活性を有する酵素、dNTPs、鎖置換型DNAポリメラーゼ、及び請求項1または2に記載のプライマーセットを混合して反応液を調製する工程と、
    前記プライマーセットを用いたCEAのmRNAに基づく増幅反応が行なわれるように前記反応液を加温する工程と、
    前記増幅を測定し、測定結果に基づいて前記生体試料中にCEAのmRNAが存在するか否かを判定する工程と、を含む診断支援方法。
  5. 前記判定工程において、前記増幅の測定が反応液の濁度の測定であり、
    反応液の濁度が所定の値に到達するまでの時間、または、所定の時間内に到達する濁度を測定し、
    測定された時間または濁度に基づいて前記判定を行なう請求項4に記載の方法。
  6. 前記生体試料が、組織、喀痰、尿、生検材料、体腔液、または体腔洗浄液である請求項4または5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記がんが、直腸癌、結腸癌、胃癌、食道癌、肺癌、乳癌、肝臓癌、胆道癌、膵臓癌、甲状腺癌、膀胱癌、前立腺癌、陰嚢癌、子宮癌、子宮体癌、子宮頸癌、または卵巣癌由来である請求項4〜6のいずれかに記載の方法。
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