JP4878217B2 - ボールペンチップ及びボールペンリフィル - Google Patents

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Description

本発明は、インクの逆流防止機構を備えたボールペンチップに関する。
従来の、インクが直接インク収容管内に充填されているボールペンにおいては、インクの自重により筆記先端にインクが供給される。そのため、筆記先端を上向き(水平より筆記先端が上向きになっている状態をいう)にして筆記した場合、筆記不能となった状態のまま、筆記先端を上向きで放置すると、ペン後端からインクが漏れる現象(以下、本明細書中ではこの現象を「逆流」と称する。)が発生し、場合によっては衣服を汚損するという問題点がある。
このような逆流対策として、下記特許文献1に示すように、筆記ボールの後方にもう一つボールを設けることが行われている。すなわち、このボールの先端側には内径を狭める段差が設けられ、さらにその段差には放射状に複数本のチャンネル溝が刻まれている。また、このボールの後端側はこのボールの直径より小さい径となるように窄まっている。そして、筆記先端を下向きにしたときにはこのボールは先端方向へ移動するがチャンネル溝により先端へのインクの流れは阻害されない。一方、筆記線を上向きにしたときには、ボールは後端側の窄まった部分を塞ぎ、これによりインクの後方への逆流が防止される。つまりこのボールは逆流防止弁として機能している。
また、この逆流現象とは別に、水性ボールペンのように比較的粘度の低いインクを使用する場合には筆記先端からインクが漏れ出す現象(以下、本明細書中ではこの現象を「直流」と称する。)が問題となる。このような直流対策としては、下記特許文献2に開示の発明のように、ボールペンチップ内に挿入したスプリングにより筆記ボールを常に先端方向へ付勢することで逆流防止を図ることが一般的である。
実開昭57−4373公報(第1図、第2図) 特開平10−329475号公報(図1〜図3)
上記特許文献1に示す従来技術のように、ボールペンチップ内において逆流防止用のボールの先端側に段差やチャンネル溝を設ける場合は、複数の切削行程が必要となる。そのため、ボールペンチップの製造工程が複雑になる。また、切削行程により微細な切り屑が発生する。このような切り屑がボールペンチップ内に残存すると筆記先端側の筆記ボールに付着し、筆記時にカスレやゴロつき感が生ずることともなる。
そこで本発明は、このような切り屑の発生が避けられない切削行程を経ずに、ボールペンチップ内で逆流防止用のボールを保持し逆流防止機能を十分に発揮させることを第1の課題とする。
また本発明は、上記第1の課題に加え、筆記ボールへのスプリングによる押圧でボールペンチップに直流防止機能を付与することを第2の課題とする。
(1)第1の発明
前記の第1の課題を解決するために、本発明のうち第1の発明に係るボールペンチップ20は、
円柱材を切削して形成されるホルダー30と、
前記ホルダー30の一端の外周を先細に切削して形成したテーパー部31と、
前記テーパー部31の内周を切削して形成したボールハウス33と、
前記ホルダー30の他端から前記ボールハウス33の近傍まで穿孔して形成したバック孔35と、
前記ボールハウス33と前記バック孔35との間を貫通して形成した断面円形の孔であるインク孔36と、
前記インク孔36の周囲に等配された複数箇所を前記ボールハウス33側から切削して該インク孔36に開放するように形成した溝であるチャンネル溝37と、
前記ボールハウス33内に挿入される筆記ボール21と、
前記ボールハウス33の底面において前記筆記ボール21をバック孔35方向へ押圧した際に該筆記ボール21の曲面が転写されたボール受座38と、
前記テーパー部31の先端部分を内側にカシメ加工して形成した先端カシメ部39と、
前記ホルダー30の後端付近を外方から複数箇所押圧変形させてバック孔35の内方へ突出させて設けられた内方突起部40と、
前記内方突起部40と前記バック孔35の後端との間のバック孔35内に挿入される逆流防止ボール24と、
前記バック孔35の後端部分を内側にカシメ加工して形成した後端カシメ部41とを備えたことを特徴とする。
「ホルダー30」とは、ボールペンチップ20から「筆記ボール21」を除いた本体部分をいい、ステンレス鋼等の金属製円柱材を切削することにより形成される。このホルダー30の先端側を先細に切削した部分を「テーパー部31」という。なお、ホルダー30後端側については特に限定はないが、外径を減じるように切削して「インク収容管11」あるいはこれとの間に介在する継手等に挿入される部分を形成することもできる。
「ボールハウス33」とは、テーパー部31の先端側から内周を切削して形成された空間をいい、この中に筆記ボール21が挿入される。
「バック孔35」とは、ホルダー30の後端からボールハウス33に達しない近傍までを切削した中心孔で、この中を「インク収容管11」に収容されるインク12がボールハウス33まで誘導されることとなっている。
「インク孔36」とは、バック孔35とボールハウス33とを連結するバック孔35よりも小径な中心孔である。
「チャンネル溝37」とは、インク孔36周囲に複数等配された軸方向の溝である。前記バック孔35の先端まで誘導されたインク12は、インク孔36からこのチャンネル溝37を経由して、ボールハウス33へ至ることとなる。
「筆記ボール21」とは、超硬ステンレス鋼等の金属製球体であり、前記ボールハウス33に挿入される。ボールハウス33へ至ったインク12は、筆記ボール21表面に付着して筆記面に転写されることになる。
「ボール受座38」とは、ボールハウス33に挿入された筆記ボール21を、いわゆる「タタキ加工」により後方に押圧して、ボールハウス33の底面34に筆記ボール21の曲面が転写されてできた凹曲面をいう。
「先端カシメ部39」とは、筆記ボール21を挿入した後のテーパー部31小口を内方にカシメ加工して内径を減じ、筆記ボール21の落下を防止する構造である。
「内方突起部40」とは、ホルダー30の後端付近において、逆流防止ボール24を先端側で保持するために形成された突起状構造である。この内方突起部40は、たとえば三点ポンチによって、外方から押圧塑性変形により内方へ突出する突起として形成されることになる。これら突起の先端により形成される最小径部分は、逆流防止ボール24の直径より小さい。すなわち、この内容突起部40は、切削工程によらず押圧塑性変形により形成されるため、切削に伴う切り屑が発生することなく、それに伴って筆記感を損なうなどの不具合もなく、また切り屑を排除するために洗浄する工程も必要なくなる。
「逆流防止ボール24」とは、筆記先端を上向きにした際にインク12の逆流を防止するための弁構造であって、ホルダー30の後端付近のバック孔35に、上記内方突起部40と下記の後端カシメ部41との間を移動可能に収納されている。
「後端カシメ部41」とは、上記逆流防止ボール24がホルダー30の後端からの落下を防ぐべく、ホルダー30後端が内方にカシメ変形されて内径を窄めた部分をいう。
本第1の発明に係るボールペンチップ20は、内部にインク12を収容するインク収容管11の先端に装着されることで、インクリフィル10として使用されることとなる。また、このインクリフィル10は軸筒内部に装着されることで、ボールペン10として使用されることとなる。ここで「インク収容管11」とは、ポリプロピレン等の比較的硬度の低い合成樹脂製の管であり、この内部にインク12が収容される。
本第1の発明に係るボールペンチップ20は、インクリフィル10に装着され、さらにボールペン10として使用される際に、以下のように作用する。
まず、筆記先端を下向きにして筆記が行われる際には、逆流防止ボール24はバック孔35内で先端方向へ移動するが、複数の内方突起部40により捕捉され、それ以上先端へ移動することはない。このとき、隣接する内方突起部40間には隙間があるので、この隙間を通じてインク収容管11から筆記先端へのインク流通が確保されている。
一方、筆記先端を上向きにして筆記が行われる際には、逆流防止ボール24はバック孔35内で後端方向へ移動するが、後端カシメ部41により捕捉され、それ以上後端へ移動することはない。このとき、逆流防止ボール24は後端カシメ部41の開口部を内側から完全に塞ぐことになるので、ここから後端方向へのインク12の逆流が防止されることとなる。
(2)第2の発明
前記の第2の課題を解決するために、本発明のうち第2の発明に係るボールペンチップ20は、前記第1の発明の特徴に加え、前記バック孔35内部に挿入されるとともに先端部分が前記筆記ボール21を先端へ押圧する押圧棒23として形成されているスプリング22の後端が、前記内方突起部40の前端部分で支持されていることを特徴とする。
本第2の発明に係るボールペンチップ20は、内部にインク12を収容するインク収容管11の先端に装着されることで、インクリフィル10として使用されることとなる。また、このインクリフィル10は軸筒内部に装着されることで、ボールペン10として使用されることとなる。ここで「インク収容管11」とは、ポリプロピレン等の比較的硬度の低い合成樹脂製の管であり、この内部にインク12が収容される。
本第2の発明に係るボールペンチップ20は、インクリフィル10に装着され、さらにボールペン10として使用される際に、以下のように作用する。
まず、筆記先端を下向きにして筆記が行われる際には、逆流防止ボール24はバック孔35内で先端方向へ移動するが、複数の内方突起部40により捕捉され、それ以上先端へ移動することはない。このとき、隣接する内方突起部40間には隙間があるので、この隙間を通じてインク収容管11から筆記先端へのインク流通が確保されている。
一方、筆記先端を上向きにして筆記が行われる際には、逆流防止ボール24はバック孔35内で後端方向へ移動するが、後端カシメ部41により捕捉され、それ以上後端へ移動することはない。このとき、逆流防止ボール24は後端カシメ部41の開口部を内側から完全に塞ぐことになるので、ここから後端方向へのインク12の逆流が防止されることとなる。
加えて、このスプリング22の付勢力により、押圧棒23により筆記ボール21が先端方向へ押圧されることになるが、この付勢力を支持する部分として、内方突起部40が機能することとなっている。これにより、特に比較的粘度の低い水性ゲルインクをインク12として使用する場合に、筆記ボール21が常に先端方向へ押圧されていることにより、非筆記時において筆記ボール21と先端カシメ部39との間のクリアランスを塞ぐことになる。これにより、非筆記時におけるインク12の直流が防止されることとなる。
本発明は、上述のように構成されているので、以下に記す効果を奏する。
すなわち、本発明の第1の発明の構成によると、切り屑の発生が避けられない切削行程を経ずに、ボールペンチップ内で逆流防止用のボールを保持し逆流防止機能を十分に発揮させることが可能となる。
また本発明の第2に発明の構成によると、上記の効果に加え、筆記ボールへのスプリングによる押圧でボールペンチップに直流防止機能を付与することが可能となる。
(1)第1の実施の形態
以下、図面を参照しつつ、本発明の第1の実施の形態を説明する。
図1は、本実施の形態に係るボールペンチップにおいて、筆記先端を下向きにした状態を正面断面図で表すものである。図2は、本実施の形態に係るボールペンチップにおいて、筆記先端を上向きにした状態を正面断面図で表すものである。図3は、図2(A)のA−A断面図である。図4は、本実施の形態に係るボールペンチップの製造工程を正面断面図で示すものである。図5は、本実施の形態に係るボールペンチップをボールペンリフィルに装着した状態を正面断面図で表すものである。
本実施の形態に係るボールペンチップ20は、図1及び図2に示すような形状を呈する。すなわち、ステンレス鋼製の円柱材のホルダー30の先端部分が先細に略円錐状に切削してテーパー部31として形成されるとともに、後端部分は外径を減じた被挿入部32として形成されている。この被挿入部32は、インク収容管11の先端に圧入される部分である。さらにテーパー部31の内側に抱持される筆記ボール21の先端部がテーパー部31先端縁から露出するとともに、テーパー部31小口が内方に押圧されて縮径変形された先端カシメ部39として形成されている(図1(C)及び図2(B)参照)。
ボールペンチップ20の内部においては、テーパー部31の先端内周が切削されて、超硬ステンレス鋼製の筆記ボール21を抱持するボールハウス33が形成されている(図1(C)及び図2(B)参照)。一方、ホルダー30の後端からは、テーパー部31の後端付近の位置まで段階的に内径を減じるバック孔35が穿孔されている(図1(A)及び図2(A)参照)。さらに、バック孔35とボールハウス33とを連結するように、バック孔35より内径の小さいインク孔36が穿孔されている。また、ボールハウス33の底面34から、インク孔36の回りに放射状に等配されたチャンネル溝37が形成されている(図1(C)及び図2(B)参照)。
ボールペンチップ20を形成する際には、ボールハウス33に筆記ボール21を挿入してさらに先端カシメ部39が形成された後、筆記ボール21を後端方向に押圧するタタキ工程が施される。これにより、ボールハウス33の底面34に筆記ボール21の球面が転写されてボール受座38が形成される(図1(C)及び図2(B)参照)。
一方、ホルダー30の後端近傍において、外方から3点ポンチによる押圧塑性変形が施され、その結果、3箇所に内方に突出した突起が形成される。この突起を、内方突起部40と称する(図3参照)。この内方突起部40の後方には、バック孔35後端部の内径よりやや小径な超硬合金製又はステンレス鋼製の逆流防止ボール24が位置する(図1(B)及び図2(C)参照)。
ホルダー30の後端は内方にカシメ加工が施され、内径が逆流防止ボール24の直径より小さくなっている。この部分を後端カシメ部41と称する(図1(B)及び図2(C)参照)。
本実施の形態に係るボールペンチップ20の製造工程は以下の通りである。
まず、ホルダー30となる円柱材の後端部分の外径を減じるように切削加工し、被挿入部32が形成される。一方、その反対側の先端部分を先細のテーパー状に切削加工し、テーパー部31が形成される。
次に、ホルダー30の後端から、ドリルの内径を3段階に減じつつ、先端方向へ向ってテーパー部31の後端位置付近までバック孔35を切削する。さらに内径を減じたドリルを用いて、テーパー部31の中間位置付近まで、インク孔36の後半部分を切削する。
今度はホルダー30の先端から、上記のインク孔36の後半部分を切削したドリルよりやや大径なドリルを用いてボールハウス33を切削加工する。そして、上記のインク孔36の後半部分を切削したドリルよりやや小径なドリルを用いて、ボールハウス33の底面34から後方へインク孔36の前半部分を貫通させる。さらに、チャンネルツールを用いて、ボールハウス33の底面34から後方へ向けて、上記インク孔36の前半部分のほぼ半ばに至るまで、チャンネル溝37を切削する。この段階で、ホルダー30は切削により生じた切り屑の洗浄工程に供される。
そして、ボールハウス33に筆記ボール21が入れられてから、テーパー部31の先端縁がカシメツールによりカシメ加工を施される。これにより、テーパー部31の先端縁は筆記ボール21を抱持するように内径を窄めた状態の先端カシメ部39となる(図1(C)及び図2(B)参照)。さらに、筆記ボール21に対して後端方向の荷重を加えることで、ボールハウス33の底面34に筆記ボール21の球面が転写され、ボール受座38が形成される(図1(C)及び図2(B)参照)。この段階で、図4(A)に示す状態に至る。
次に、ホルダー30の後端近傍において、外方から3点ポンチによる押圧塑性変形が施され、3箇所に内方突起部40が形成される(図3参照)。そして、ホルダー30の後端から逆流防止ボール24が挿入される(図4(C))。さらに後端縁がカシメツールにより内方にかしめられて後端カシメ部41が形成され(図4(D))、ここに至ってボールペンチップ20が完成することとなる。
ボールペンチップ20は、その被挿入部32をもってポリプロピレン製のインク収容管11の先端に圧入され固定される。一方、インク収容管11の後端からはインク12が充填され、ここに至ってインクリフィル10が完成することとなる(図5)。
さて、本実施の形態に係るボールペンチップ20は、筆記先端を下向きにした状態では、図1(B)に示すように、逆流防止ボール24は自重により先端方向へ移動し、内方突起部40へ当接する。このとき、筆記ボール21とホルダー30の後端縁との間には隙間ができる。また、内方突起部40間にも隙間があるため、これらの隙間を通じて、インク収容管11からバック孔35を通じた筆記先端方向へのインクの流れが確保されることとなる。
一方、筆記先端を上向きにすると、図2(C)に示すように、逆流防止ボール24は自重により後端方向へ移動し、後端カシメ部41の内側縁へ当接する。これにより、バック孔35は逆流防止ボール24により閉塞され、先端からインク収容管11へ向けたインク12の逆流が防止される。
(2)第2の実施の形態
以下、図面を参照しつつ、本発明の第2の実施の形態を説明する。
図6は、本実施の形態に係るボールペンチップにおいて、筆記先端を下向きにした状態を正面断面図で表すものである。図7は、本実施の形態に係るボールペンチップにおいて、筆記先端を上向きにした状態を正面断面図で表すものである。図8は、図7(A)のB−B断面図である。図9は、本実施の形態に係るボールペンチップをボールペンリフィルに装着した状態を正面断面図で表すものである。
本実施の形態に係るボールペンチップ20は、図6及び72に示すような形状を呈する。すなわち、ステンレス鋼製の円柱材のホルダー30の先端部分が先細に略円錐状に切削してテーパー部31として形成されるとともに、後端部分は外径を減じた被挿入部32として形成されている。この被挿入部32は、インク収容管11の先端に圧入される部分である。さらにテーパー部31の内側に抱持される筆記ボール21の先端部がテーパー部31先端縁から露出するとともに、テーパー部31小口が内方に押圧されて縮径変形された先端カシメ部39として形成されている(図6(C)及び図7(B)参照)。
ボールペンチップ20の内部においては、テーパー部31の先端内周が切削されて、超硬ステンレス鋼製の筆記ボール21を抱持するボールハウス33が形成されている(図6(C)及び図7(B)参照)。一方、ホルダー30の後端からは、テーパー部31の後端付近の位置まで段階的に内径を減じるバック孔35が穿孔されている(図6(A)及び図7(A)参照)。さらに、バック孔35とボールハウス33とを連結するように、バック孔35より内径の小さいインク孔36が穿孔されている。また、ボールハウス33の底面34から、インク孔36の回りに放射状に等配されたチャンネル溝37が形成されている(図6(C)及び図7(B)参照)。
ボールペンチップ20を形成する際には、ボールハウス33に筆記ボール21を挿入してさらに先端カシメ部39が形成された後、筆記ボール21を後端方向に押圧するタタキ工程が施される。これにより、ボールハウス33の底面34に筆記ボール21の球面が転写されてボール受座38が形成される(図6(C)及び図7(B)参照)。
一方、ホルダー30の後端近傍において、外方から3点ポンチによる押圧塑性変形が施され、その結果、3箇所に内方に突出した突起が形成される。この突起を、内方突起部40と称する。この内方突起部40の後方には、バック孔35後端部の内径よりやや小径な超硬合金製又はステンレス鋼製の逆流防止ボール24が位置する(図6(B)及び図7(C)参照)。
ホルダー30の後端は内方にカシメ加工が施され、内径が逆流防止ボール24の直径より小さくなっている。この部分を後端カシメ部41と称する(図6(B)及び図7(C)参照)。
さらに、バック孔35の内部には、コイルバネにより形成されたスプリング22が挿入されている。スプリング22の後端は内方突起部40の先端側に当接し支持されている。一方、スプリング22の先端は先端に向け真っ直ぐに伸びた押圧棒23として形成されている。この押圧棒23の先端は、インク孔36を通って筆記ボール21の後端に当接し、これにより筆記ボール21を先端方向へ付勢している。
ボールペンチップ20は、その被挿入部32をもってポリプロピレン製のインク収容管11の先端に圧入され固定される。一方、インク収容管11の後端からはインク12が充填され、これにより図9に示すインクリフィル10となる。
さて、本実施の形態に係るボールペンチップ20は、筆記先端を下向きにした状態では、図6(B)に示すように、逆流防止ボール24は自重により先端方向へ移動し、内方突起部40へ当接する。このとき、筆記ボール21とホルダー30の後端縁との間には隙間ができる。また、内方突起部40間にも隙間があるため、これらの隙間を通じて、インク収容管11からバック孔35を通じた筆記先端方向へのインクの流れが確保されることとなる。また、スプリング22の付勢力により押圧棒23が筆記ボール21を先端方向へ常に押圧しているため、非筆記時においては、先端カシメ部39と筆記ボール21との間のクリアランスは閉塞されることになる。これにより、水性ゲルインクのような比較的粘度の低いインク12を使用する場合でも、先端からのインク12の直流が防止されることとなる。
一方、筆記先端を上向きにすると、図7(C)に示すように、逆流防止ボール24は自重により後端方向へ移動し、後端カシメ部41の内側縁へ当接する。これにより、バック孔35は逆流防止ボール24により閉塞され、先端からインク収容管11へ向けたインク12の逆流が防止される。
本発明は、ボールペンに使用されるボールペンチップあるいはボールペンリフィルとして利用可能である。
本発明の第1の実施の形態において、筆記先端を下向きにした状態のボールペンチップの全体(A)、後端部分(B)及び先端部分(C)を正面断面図で示したものである。 本発明の第1の実施の形態において、筆記先端を上向きにした状態のボールペンチップの全体(A)、先端部分(B)及び後端部分(C)を正面断面図で示したものである。 図2(A)のA−A断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係るボールペンチップの製造工程を正面断面図で示すものである。 本発明の第1の実施の形態に係るボールペンチップをボールペンリフィルに装着した状態を正面断面図で示すものである。 本発明の第2の実施の形態において、筆記先端を下向きにした状態のボールペンチップの全体(A)、後端部分(B)及び先端部分(C)を正面断面図で示したものである。 本発明の第2の実施の形態において、筆記先端を上向きにした状態のボールペンチップの全体(A)、先端部分(B)及び後端部分(C)を正面断面図で示したものである。 図7(A)のB−B断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係るボールペンチップをボールペンリフィルに装着した状態を正面断面図で示すものである。
符号の説明
10 インクリフィル 11 インク収容管 12 インク
20 ボールペンチップ 21 筆記ボール 22 スプリング
23 押圧棒 24 逆流防止ボール
30 ホルダー 31 テーパー部 32 被挿入部
33 ボールハウス 34 底面 35 バック孔
36 インク孔 37 チャンネル溝 38 ボール受座
39 先端カシメ部 40 内方突起部 41 後端カシメ部

Claims (3)

  1. 円柱材を切削して形成される金属製のホルダーと、
    前記ホルダーの一端の外周を先細に切削して形成したテーパー部と、
    前記テーパー部の内周を切削して形成したボールハウスと、
    前記ホルダーの他端から前記ボールハウスの近傍まで穿孔して形成したバック孔と、
    前記ボールハウスと前記バック孔との間を貫通して形成した断面円形の孔であるインク孔と、
    前記インク孔の周囲に等配された複数箇所を前記ボールハウス側から切削して該インク孔に開放するように形成した溝であるチャンネル溝と、
    前記ボールハウス内に挿入される金属製の筆記ボールと、
    前記ボールハウスの底面において前記筆記ボールをバック孔方向へ押圧した際に該筆記ボールの曲面が転写されたボール受座と、
    前記テーパー部の先端部分を内側にカシメ加工して形成した先端カシメ部と、
    前記ホルダーの後端付近を外方から箇所押圧変形させてバック孔の内方へ突出させて設けられた内方突起部と、
    前記内方突起部と前記バック孔の後端との間のバック孔内に挿入され前記ホルダー又は前記筆記ボールと同種の材料からなる逆流防止ボールと、
    前記バック孔の後端部分を内側にカシメ加工して形成した後端カシメ部とを備えたことを特徴とするボールペンチップ。
  2. 前記バック孔内部に挿入されるとともに先端部分が前記筆記ボールを先端へ押圧する押圧棒として形成されているスプリングの後端が、前記内方突起部の前端部分で支持されていることを特徴とする請求項1記載のボールペンチップ。
  3. 内部にインクを収容するインク収容管の先端に前記請求項1又は請求項2記載のボールペンチップを装着したことを特徴とするボールペンリフィル。
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