以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る接続アダプタ1が適用されたネットワークシステムの概略構成図である。
図1において、IP網8は、例えばNGN(Next Generation Network)であり、SIPサーバ6およびIP電話等のSIP端末7と接続されている。また、GW2は、例えばホームゲートウェイであり、LAN4を介してIP電話等のSIP端末3と接続されている。また、優先端末5は、監視カメラ、警報センサ、セキュリティ端末等の、GW2配下のSIP端末3よりも通信が優先される端末であり、SIP以外の呼制御プロトコルが用いられている。
そして、本実施の形態に係る接続アダプタ1は、配下のGW2および優先端末5をIP網8に接続しており、SIPサーバ6に登録されたGW2の登録情報を用いて、GW2とIP網8との間のセッションよりも優先端末5とIP網8との間のセッションが優先されるように、優先端末5とIP網8との間のセッションを制御する。
図2は、本実施の形態に係る接続アダプタ1の概略構成図である。
図示するように、接続アダプタ1は、インターフェース部11と、記憶部12と、処理部13と、を有する。
インターフェース部11は、WANインターフェース(WAN IF)部111と、LANインターフェース部(LAN IF)112と、拡張インターフェース(拡張IF)部113と、を有する。
WANインターフェース部111は、IP網8に接続するためのインターフェースである。LANインターフェース部112は、GW2に接続するためのインターフェースである。そして、拡張インターフェース部113は、優先端末5を接続するためのインターフェースである。
記憶部12は、登録情報格納部121と、セッション情報格納部122と、優先端末情報格納部123と、音声ガイダンス格納部124と、を有する。
登録情報格納部121には、SIPサーバ6に登録されたGW2の登録情報が格納される。
音声ガイダンス格納部124には、GW2配下のSIP端末3とIP網8側のSIP端末7とのセッションを強制切断するのに先立ち、これらのSIP端末3、7に送信される各メディアタイプの音声ガイダンスデータが格納されている。
セッション情報格納部122は、確立中および確立動作中のセッションの情報が格納される。図3(A)は、セッション情報格納部122の登録内容を模式的に表した図である。図示するように、セッション情報格納部122には、確立中および確立動作中のセッション毎にレコード1220が登録される。レコード1220は、発信元情報を登録するフィールド1221と、発信先情報を登録するフィールド1222と、ヘッダ情報を登録するフィールド1223と、ボディ情報を登録するフィールド1224と、セッション状態を登録するフィールド1225と、を有する。
ここで、発信元情報とは、INVITEメッセージに含まれる発信元の情報である。発信先情報とは、INVITEメッセージに含まれる発信先の情報である。ヘッダ情報とは、INVITEメッセージのメッセージヘッダの情報である。ボディ情報とは、INVITEメッセージのメッセージボディの情報であり、メディアタイプの情報を含む。そして、セッション状態には、「確立動作中」および「確立中」の二つがある。接続アダプタ1がINVITEメッセージを受信してからACKメッセージを受信するまでの間は、セッション状態が「確立動作中」となり、セッションの確立動作が完了してからセッションが切断されるまでの間は、セッション状態が「確立中」となる。
優先端末情報格納部123は、拡張インターフェース部113に接続されている優先端末5を管理する端末管理テーブル(TB)1231と、これらの優先端末5の通信相手となるSIP端末7を管理する相手管理テーブル(TB)1232と、を有する。
図3(B)は、端末管理テーブル1231の登録内容を模式的に表した図である。図示するように、端末管理テーブル1231には、優先端末5毎にレコード12310が登録されている。レコード12310は、SIP用端末番号を登録するフィールド12311と、独自プロトコル用端末番号を登録するフィールド12312と、を有する。
ここで、SIP用端末番号とは、接続アダプタ1が優先端末5の代行としてIP網8とSIPメッセージをやり取りする際に使用する端末番号である。この端末番号は、登録情報格納部121に登録されたGW2の登録情報に含まれている端末番号のなかから動的に割り当てられる。また、独自プロトコル用端末番号とは、この優先端末5が接続アダプタ1と独自プロトコルの呼制御メッセージをやり取りする際に使用する端末番号である。
図3(C)は、相手管理テーブル1232の登録内容を模式的に表した図である。図示するように、相手管理テーブル1232には、優先端末5に対して予め定められた通信相手(相手端末)毎に、レコード12320が登録されている。レコード12320には、この相手端末の端末番号(SIP用端末番号)である相手端末番号を登録するフィールド12321と、この相手端末の発信先となる優先端末5の端末番号(独自プロトコル用端末番号)である発信先端末番号を登録するフィールド12322と、を有する。
ここで、相手端末番号とは、相手端末(SIP端末7)が接続アダプタ1とSIPメッセージをやり取りする際に使用する端末番号である。
図2に戻って説明を続ける。処理部13は、NAT処理部131と、TCP/IP処理部132と、SIP中継処理部133と、レジストラ部134と、WAN側SIP−UA部135と、LAN側SIP−UA部136と、優先端末用AP部137と、音声ガイダンス送出部138と、を有する。
NAT処理部131は、NAT(Network Address Translation)機能を有する。
すなわち、NAT処理部131は、NATテーブル(不図示)を参照して、WANインターフェース部111より受け取ったIPパケットの送信先アドレスをグローバルアドレスからローカルアドレスに変換し、そのIPパケットをTCP/IP処理部132に渡す。また、TCP/IP処理部132より受け取ったIPパケットの送信元アドレスをローカルアドレスからグローバルアドレスに変換し、そのIPパケットをWANインターフェース部111に渡す。
TCP/IP処理部132は、TCP/IP層の処理機能を有する。
また、TCP/IP処理部132は、WANインターフェース部111(NAT処理部131経由)、LANインターフェース部112、あるいは拡張インターフェース部113より受け取ったIPパケットからTCPパケットを取り出し、このTCPパケットのペイロードに格納されているデータを調べる。このデータがSIPメッセージである場合は、これをSIP中継処理部133に渡し、このデータが独自プロトコルの呼制御メッセージである場合は、これを優先端末用AP部137に渡す。また、このデータが、SIPメッセージおよび独自プロトコルの呼制御メッセージ以外のデータ(例えばRTPパケット)である場合、このTCPパケットを格納したIPパケットを、このIPパケットの送信先アドレスに対応するWANインターフェース部111(NAT処理部131経由)、LANインターフェース部112、あるいは拡張インターフェース部113に渡す。
また、TCP/IP処理部132は、SIP中継処理部133より受け取ったSIPメッセージ、優先端末用AP部137より受け取った独自プロトコルの呼制御メッセージ、あるいは音声ガイダンス送出部138より受け取った音声ガイダンスデータをTCPパケットに格納し、さらにIPパケットに格納して、このIPパケットの送信先アドレスに対応するWANインターフェース部111(NAT処理部131経由)、LANインターフェース部112、あるいは拡張インターフェース部113に渡す。
SIP中継処理部133は、SIPメッセージ中のIPアドレスとNAT処理部131のNATテーブルとを参照して、TCP/IP処理部132、レジストラ部134、WAN側SIP−UA部135、およびLAN側SIP−UA部136間におけるSIPメッセージの中継を制御する。
具体的には、TCP/IP処理部132より受け取ったSIPメッセージの送信元がGW2である場合、SIP中継処理部133は、このSIPメッセージがREGISTERメッセージであれば、これをレジストラ部134に中継し、REGISTERメッセージ以外のSIPメッセージであれば、LAN側SIP−UA部136に中継する。
また、TCP/IP処理部132より受け取ったSIPメッセージの送信元がIP網8側である場合、SIP中継処理部133は、このSIPメッセージがREGISTERメッセージに対する200OKメッセージであれば、これをレジストラ部134に中継し、REGISTERメッセージに対する200OKメッセージ以外のSIPメッセージであれば、WAN側SIP−UA部135に中継する。
また、SIP中継処理部133は、レジストラ部134、WAN側SIP−UA部135、およびLAN側SIP−UA部136の何れかから受け取ったSIPメッセージを、TCP/IP処理部132に中継する。
レジストラ部134は、SIP中継処理部133よりREGISTERメッセージを受け取ったならば、このREGISTERメッセージに含まれている登録情報を登録情報格納部121に仮登録すると共に、SIPサーバ6を送信先とするこのREGISTERメッセージをSIP中継処理部133に出力する。
また、レジストラ部134は、SIP中継処理部133よりREGISTERメッセージに対する200OKメッセージを受け取ったならば、先に登録情報格納部121に仮登録した登録情報を本登録すると共に、GW2を送信先とするこの200OKメッセージをSIP中継処理部133に出力する。なお、登録情報は、本登録されることで有効となり、SIPサーバ6へのアクセスにこの登録情報を用いることが可能となる。
WAN側SIP−UA部135は、SIPサーバ6とSIPメッセージのやり取りを行うユーザ・エージェントである。
SIP中継処理部133からSIPメッセージを受け取った場合、WAN側SIP−UA部135は、優先端末情報格納部123を参照する。そして、このSIPメッセージの送信先の端末番号が端末管理テーブル1231に登録されている、あるいは送信元の端末番号が相手管理テーブル1232に登録されているならば、このSIPメッセージを優先端末用AP部137に渡す。一方、このSIPメッセージの送信先の端末番号が端末管理テーブル1231に登録されておらず、且つ送信元の端末番号も相手管理テーブル1232に登録されていないならば、このSIPメッセージをLAN側SIP−UA部136に渡す。
また、LAN側SIP−UA部136あるいは優先端末用AP部137から、SIPサーバ6を宛先とするSIPメッセージを受信した場合、WAN側SIP−UA部135は、このSIPメッセージをSIP中継処理部133に渡す。
また、WAN側SIP−UA部135は、IP網8上に確立中のセッション、および確立動作中のセッションの情報をセッション情報格納部122に登録する。
LAN側SIP−UA部136は、GW2とSIPメッセージのやり取りを行うユーザ・エージェントである。
SIP中継処理部133からSIPサーバ6を送信先(つまり、送信元がGW2)とするSIPメッセージを受け取った場合、LAN側SIP−UA部136は、このSIPメッセージをWAN側SIP−UA部135に渡す。
但し、このSIPメッセージがINVITEメッセージである場合、LAN側SIP−UA部136は、セッション情報格納部122を参照して、確立中あるいは確立動作中のセッションの数が最大同時接続セッション数未満であるか否かを確認する。最大同時接続セッション数未満であるならば、このINVITEメッセージをWAN側SIP−UA部135に渡す。一方、最大同時接続セッション数ならば、このINVITEメッセージの送信元(GW2)にBUSYメッセージを返す等の所定のエラー処理を行う。
また、WAN側SIP−UA部135から、GW2を送信先とするSIPメッセージ(つまり、送信元がIP網8側)を受け取った場合、LAN側SIP−UA部136は、このSIPメッセージをSIP中継処理部133に渡す。
優先端末用AP部137は、独自プロトコルに基づく呼制御メッセージのやり取りを優先端末5と行うと共に、独自プロトコルに基づく呼制御メッセージおよびSIPメッセージ間の相互変換を行う。
WAN側SIP−UA部135からSIPメッセージを受け取った場合、優先端末用AP部137は、独自プロトコルの呼制御メッセージとSIPメッセージとの対応関係が記述された変換テーブル(不図示)を用いて、受け取ったSIPメッセージを、このSIPメッセージに対応する独自プロトコルの呼制御メッセージに変換すると共に、優先端末情報格納部123の端末管理テーブル1231を用いて、この独自プロトコルの呼制御メッセージの送信先の端末番号を、受け取ったSIPメッセージの送信先の端末番号であるSIP用端末番号に対応する独自プロトコル用端末番号に変換する。そして、この独自プロトコルの呼制御メッセージをTCP/IP処理部132に渡す。
また、TCP/IP処理部132から独自プロトコルの呼制御メッセージを受け取った場合、優先端末用AP部137は、上述の変換テーブルを用いて、受け取った呼制御メッセージを、この呼制御メッセージに対応するSIPメッセージに変換すると共に、優先端末情報格納部123の端末管理テーブル1231を用いて、このSIPメッセージの送信元の端末番号を、受け取った呼制御メッセージの送信元の端末番号である独自プロトコル用端末番号に対応するSIP用端末番号に変換する。そして、このSIPメッセージをWAN側SIP−UA部135に渡す。
但し、受け取った呼制御メッセージに対応するSIPメッセージがINVITEメッセージである場合、優先端末用AP部137は、セッション情報格納部122を参照して、確立中あるいは確立動作中のセッションの数が最大同時接続セッション数未満であるか否かを確認する。最大同時接続セッション数未満であるならば、このINVITEメッセージをWAN側SIP−UA部135に渡す。一方、最大同時接続セッション数ならば、セッション情報格納部122を参照して、GW2配下のSIP端末3とIP網8側のSIP端末7との間に確立中あるいは確立動作中の何れかのセッションを切断対象セッションに選択する。そして、音声ガイダンス送出部138に切断対象セッションの情報を通知する。それから、切断対象セッションと接続するSIP端末7を送信先とするBYEメッセージをWAN側SIP−UA部135に渡すと共に、切断対象セッションに接続するSIP端末3を送信先とするBYEメッセージをLAN側SIP−UA部136に渡す。そして、確立中あるいは確立動作中のセッションの数が最大同時接続セッション数未満となった後、このINVITEメッセージをWAN側SIP−UA部135に渡す。
また、優先端末用AP部137は、セッション情報格納部122を参照して、優先端末情報格納部123に格納されている端末管理テーブル1231を更新する。
音声ガイダンス送出部138は、優先端末用AP部137より指定されたセッションのメディアタイプに応じた音声ガイダンスデータを、このセッションに接続されているGW2配下のSIP端末3およびIP網8側のSIP端末7のそれぞれを送信先として送信する。
具体的には、音声ガイダンス送出部138は、GW2配下のSIP端末3を送信元とし、IP網8側のSIP端末7を送信先とする、音声ガイダンスデータを格納したIPパケットを、TCP/IP処理部132に渡す。また、IP網8側のSIP端末7を送信元とし、GW2配下のSIP端末3を送信先とする、音声ガイダンスデータを格納したIPパケットを、TCP/IP処理部132に渡す。
図4は、接続アダプタ1の動作を説明するためのフロー図である。
LANインターフェース部112、TCP/IP処理部132、およびSIP中継処理部133を介してレジストラ部134にGW2からのSIPのREGISTERメッセージが到達すると(S11でYES)、後述する登録処理が実施される(S12)。これにより、接続アダプタ1は、SIPサーバ6に登録されたGW2の登録情報を、自接続アダプタ1の登録情報として登録情報格納部121に登録する。
また、LANインターフェース部112、TCP/IP処理部132、およびSIP中継処理部133を介してLAN側SIP−UA部136にGW2からのSIPのINVITEメッセージが到達すると(S13でYES)、後述する通常発信処理が実施される(S14)。これにより、接続アダプタ1は、確立中および確立動作中のセッションの数が最大同時接続セッション数未満である場合に、このINVITEメッセージの送信元端末(GW2配下のSIP端末3)と送信先端末(IP網8側のSIP端末7)との間にセッションの確立を開始する。
また、拡張インターフェース部113、およびTCP/IP処理部132を介して優先端末用AP部137に、優先端末5からの独自プロトコルのセッション要求メッセージが到達すると(S15でYES)、後述する優先発信処理が実施される(S16)。これにより、接続アダプタ1は、GW2配下のSIP端末3とIP網8側のSIP端末7との間に確立中あるいは確立動作中のセッションより優先して、このセッション要求メッセージの送信元端末(優先端末5)と送信先端末(IP網8側のSIP端末7)との間にセッションの確立を開始する。
また、WANインターフェース部111、TCP/IP処理部132、およびSIP中継処理部133を介してWAN側SIP−UA部135に、SIPサーバ6からのSIPのINVITEメッセージが到達すると(S17でYES)、後述する着信処理が実施される(S18)。これにより、接続アダプタ1は、このINVITEメッセージの送信元端末(IP網8側のSIP端末7)と送信先端末(GW2配下のSIP端末3あるいは優先端末5)との間にセッションの確立を開始する。
図5は、図4の登録処理(S12)を説明するためのフロー図である。
レジストラ部134は、仮登録を示すフラグを立てて、REGISTERメッセージに格納されているGW2の登録情報を登録情報格納部121に登録する(S1201)。次に、レジストラ部134は、このREGISTERメッセージを、SIP中継処理部133、TCP/IP処理部132、NAT処理部131、およびWANインターフェース部111を介して、SIPサーバ6に転送する(S1202)。
それから、レジストラ部134は、WANインターフェース部111、NAT処理部131、TCP/IP処理部132、およびSIP中継処理部133を介して、SIPサーバ6から、このREGISTERメッセージに対する応答メッセージが届くのを待つ(S1203)。そして、レジストラ部134は、SIPサーバ6から受け取った応答メッセージが200OKメッセージであるならば(S1204で「200OK」)、GW2の登録情報と共に登録情報格納部121に登録されているフラグを、仮登録を示すフラグから、本登録を示すフラグに変更する(S1205)。また、この200OKメッセージを、SIP中継処理部133、TCP/IP処理部132、およびLANインターフェース部112を介して、GW2に転送する(S1206)。
一方、レジストラ部134は、SIPサーバ6から受け取った応答メッセージがエラーメッセージであるならば(S1204で「エラー」)、GW2の登録情報および仮登録を示すフラグを登録情報格納部121から削除する(S1207)。また、このエラーメッセージを、SIP中継処理部133、TCP/IP処理部132、NAT処理部131、およびLANインターフェース部112を介して、GW2に転送する(S1208)。
図6は、図4の通常発信処理(S14)を説明するためのフロー図である。
LAN側SIP−UA部136は、セッション情報格納部122を参照し、このセッション情報格納部122に登録されているレコード1220の数が最大同時接続セッション数(N)未満であるか否かを確認する(S1401)。
セッション情報格納部122に登録されているレコード1220の数が最大同時接続セッション数(N)未満である場合(S1401でYES)、LAN側SIP−UA部136は、WAN側SIP−UA部135にINVITEメッセージを渡す。これを受けて、WAN側SIP−UA部135は、セッション情報格納部122に新たなレコード1220を追加し、このレコード1220のフィールド1221〜1224に、このINVITEメッセージの発信元情報、発信先情報、ヘッダ情報、およびボディ情報を登録する。また、このレコード1220のフィールド1225に、セッション状態「確立動作中」を登録する(S1402)。
次に、WAN側SIP−UA部135は、このINVITEメッセージを、SIP中継処理部133、TCP/IP処理部132、NAT処理部131、およびWANインターフェース部111を介して、SIPサーバ6に転送する(S1403)。
それから、WAN側SIP−UA部135は、LAN側SIP−UA部136と連携して、このINVITEメッセージに関連してSIPサーバ6およびGW2間でやり取りされるSIPメッセージを中継する(S1404)。
具体的には、WAN側SIP−UA部135は、WANインターフェース部111、NAT処理部131、TCP/IP処理部132、およびSIP中継処理部133を介して、このINVITEメッセージに関連するSIPメッセージ(100Trying、180Ringing、200OK)をSIPサーバ6から受信すると、このSIPメッセージをLAN側SIP−UA部136に渡す。LAN側SIP−UA部136は、このSIPメッセージを、SIP中継処理部133、TCP/IP処理部132、およびLANインターフェース部112を介して、GW2に転送する。
また、LAN側SIP−UA部136は、LANインターフェース部112、TCP/IP処理部132、およびSIP中継処理部133を介して、このINVITEメッセージに関連するSIPメッセージ(ACK)をGW2から受信すると、このSIPメッセージをWAN側SIP−UA部135に渡す。WAN側SIP−UA部135は、このSIPメッセージを、SIP中継処理部133、TCP/IP処理部132、NAT処理部131、およびWANインターフェース部111を介して、SIPサーバ6に転送する。
さて、WAN側SIP−UA部135は、GW2からのACKメッセージを渡されたならば(S1405でYES)、セッション情報格納部122に追加したレコード1220のフィールド1225に登録されているセッション状態を「確立動作中」から「確立中」に更新する(S1406)。
以上のようにしてセッションが確立されると、セッション情報格納部122に追加したレコード1220のフィールド1221に登録されている発信元情報により特定されるGW2配下のSIP端末3と、このレコード1220のフィールド1222に登録されている発信先情報により特定されるIP網8側のSIP端末7との間で、以後、LANインターフェース部112、TCP/IP処理部132、NAT処理部131、およびWANインターフェース部111を介してIPパケットの送受が開始される(S1407)。
一方、S1401において、セッション情報格納部122に登録されているレコード1220の数が最大同時接続セッション数(N)の場合(S1401でNO)、LAN側SIP−UA部136は、SIP中継処理部133、TCP/IP処理部132、およびLANインターフェース部112を介して、このINVITEメッセージの送信元にBUSYメッセージを返す等の所定のエラー処理を行う(S1408)。
図7は、図4の優先発信処理(S16)を説明するためのフロー図である。
優先端末用AP部137は、セッション情報格納部122を参照し、このセッション情報格納部122に登録されているレコード1220の数が最大同時接続セッション数(N)未満であるか否かを確認する(S1601)。
セッション情報格納部122に登録されているレコード1220の数が最大同時接続セッション数(N)未満である場合(S1601でYES)、優先端末用AP部137は、登録情報格納部121に登録されているGW2の登録情報に含まれている端末番号のなかから、使用中でない端末番号(セッション情報格納部122の何れのレコード1220にも発信元情報あるいは発信先情報として登録されていない端末番号)を選択する。また、独自プロトコルのセッション要求メッセージの発信元情報である端末番号(独自プロトコル用端末番号)がフィールド12312に登録されているレコード12310を、優先端末情報格納部123の端末管理テーブル1231から検索する。そして、検索したレコード12310のフィールド12311に、選択した端末番号(SIP用端末番号)を登録する(S1602)。
それから、優先端末用AP部137は、変換テーブルに基づいて、独自プロトコルのセッション要求メッセージをSIPのINVITEメッセージに変換すると共に、このINVITEメッセージの発信元情報として、S1602で選択した端末番号を設定する(S1603)。そして、優先端末用AP部137は、このINVITEメッセージをWAN側SIP−UA部135に渡す。
これを受けて、WAN側SIP−UA部135は、セッション情報格納部122に新たなレコード1220を追加し、このレコード1220のフィールド1221〜1224に、このINVITEメッセージの発信元情報、発信先情報、ヘッダ情報、およびボディ情報を登録する。また、このレコード1220のフィールド1225に、セッション状態「確立動作中」を登録する(S1604)。
次に、WAN側SIP−UA部135は、このINVITEメッセージを、SIP中継処理部133、TCP/IP処理部132、NAT処理部131、およびWANインターフェース部111を介して、SIPサーバ6に転送する(S1605)。
それから、WAN側SIP−UA部135は、優先端末用AP部137と連携して、このINVITEメッセージに関連してSIPサーバ6および優先端末5間でやり取りされるメッセージを中継する(S1606)。
具体的には、WAN側SIP−UA部135は、WANインターフェース部111、NAT処理部131、TCP/IP処理部132、およびSIP中継処理部133を介して、SIPサーバ6から、このINVITEメッセージに関連するSIPメッセージ(100Trying、180Ringing、200OK)を受信すると、このSIPメッセージを優先端末用AP部137に渡す。優先端末用AP部137は、変換テーブルにしたがって、このSIPメッセージを、このSIPメッセージに対応する独自プロトコルの呼制御メッセージに変換する。また、このSIPメッセージの発信先情報である端末番号(SIP用端末番号)がフィールド12311に登録されているレコード12310を優先端末情報格納部123の端末管理テーブル1231から検索し、検索したレコード12310のフィールド12312に登録されている独自プロトコル用端末番号を、この独自プロトコルの呼制御メッセージの発信先情報に設定する。それから、この独自プロトコルの呼制御メッセージを、TCP/IP処理部132および拡張インターフェース部113を介して、優先端末5に転送する。
また、優先端末用AP部137は、拡張インターフェース部113およびTCP/IP処理部132を介して、優先端末5から、このINVITEメッセージに関連する独自プロトコルの呼制御メッセージ(OK)を受信すると、変換テーブルにしたがって、この呼制御メッセージを、この呼制御メッセージに対応するSIPメッセージ(ACK)に変換する。また、この呼制御メッセージの発信元情報である端末番号(独自プロトコル用端末番号)がフィールド12312に登録されているレコード12310を優先端末情報格納部123の端末管理テーブル1231から検索し、検索したレコード12310のフィールド12311に登録されているSIP用端末番号を、このSIPメッセージの発信元情報に設定する。それから、このSIPメッセージを、WAN側SIP−UA部135に渡す。これを受けて、WAN側SIP−UA部135は、このSIPメッセージを、SIP中継処理部133、TCP/IP処理部132、NAT処理部131、およびWANインターフェース部111を介して、SIPサーバ6に転送する。
さて、WAN側SIP−UA部135は、優先端末5からの独自プロトコルの呼制御メッセージ(OK)に対応するACKメッセージを優先端末用AP部137から渡されたならば(S1607でYES)、セッション情報格納部122に追加したレコード1220のフィールド1225に登録されているセッション状態を「確立動作中」から「確立中」に更新する(S1608)。
以上のようにしてセッションが確立されると、セッション情報格納部122に追加したレコード1220のフィールド1221に登録された発信元情報により特定される優先端末5と、このレコード1220のフィールド1222に登録された発信先情報により特定されるIP網8側のSIP端末7との間で、拡張インターフェース部113、TCP/IP処理部132、NAT処理部131、およびWANインターフェース部111を介して、IPパケットの送受が開始される(S1609)。
一方、S1601において、セッション情報格納部122に登録されているレコード1220の数が最大同時接続セッション数(N)の場合(S1601でNO)、優先端末用AP部137は、優先端末5とIP網8側のSIP端末7との間に確立中あるいは確立動作中のセッション以外のセッションに関するレコード1220をセッション情報格納部122から選択し、このセッションを切断対象セッションに設定する(S1610)。ここで、優先端末情報格納部123の端末管理テーブル1231の何れかのレコード12310のフィールド12311に登録されているSIP用端末番号がフィールド1221およびフィールド1222の何れか一方に登録されているレコード1220が、優先端末5とIP網8側のSIP端末7との間に確立中あるいは確立動作中のセッションに関するレコード1220に該当する。
次に、優先端末用AP部137は、TCP/IP処理部132を制御して、切断対象セッションを介してやり取りされるIPパケットを破棄する。これにより、切断対象セッションに接続されたGW2配下のSIP端末3およびIP網8側のSIP端末7間の通信を遮断する(S1611)。
次に、優先端末用AP部137は、音声ガイダンス送出部138に、切断対象セッションのレコード1220を通知して音声ガイダンスの送信を指示する。これを受けて、音声ガイダンス送出部138は、通知されたレコード1220のフィールド1224に登録されているボディ情報に含まれているメディアタイプに対応した音声ガイダンスデータを音声ガイダンス格納部124から選択し、この音声ガイダンスデータを格納したIPパケットを生成する。また、通知されたレコード1220のフィールド1221、1222に登録されている発信元情報、発信先情報により、切断対象セッションに接続されたGW2配下のSIP端末3およびIP網8側のSIP端末7を特定する。
そして、音声ガイダンス送出部138は、TCP/IP処理部132およびLANインターフェース部112を介して、このGW2配下のSIP端末3に、このIP網8側のSIP端末7を送信元として、音声ガイダンスデータを含むIPパケットを送信する。また、TCP/IP処理部132、NAT処理部131、およびWANインターフェース部111を介して、このIP網8側のSIP端末7に、このGW2配下のSIP端末3を送信元として、音声ガイダンスデータを含むIPパケットを送信する(S1612)。
次に、優先端末用AP部137は、WAN側SIP−UA部135に、切断対象セッションのレコード1220を通知して、この切断対象セッションの切断を指示する。これを受けて、WAN側SIP−UA部135は、通知されたレコード1220のフィールド1221、1222に登録されている発信元情報、発信先情報により、切断対象セッションに接続されたGW2配下のSIP端末3およびIP網8側のSIP端末7を特定する。
そして、WAN側SIP−UA部135は、SIP中継処理部133、TCP/IP処理部132、NAT処理部131、およびWANインターフェース部111を介して、このIP網8側のSIP端末7に、このGW2配下のSIP端末3を送信元とするSIPのBYEメッセージを送信する。
また、WAN側SIP−UA部135は、このGW2配下のSIP端末3を送信先とし、このIP網8側のSIP端末7を送信元とするSIPのBYEメッセージを、LAN側SIP−UA部136に渡す。これを受けて、LAN側SIP−UA部136は、SIP中継処理部133、TCP/IP処理部132およびLANインターフェース部112を介して、このGW2配下のSIP端末3に、このSIPのBYEメッセージを送信する(S1613)。
さて、WAN側SIP−UA部135は、WANインターフェース部111、NAT処理部131、TCP/IP処理部132、およびSIP中継処理部133を介して、SIPのBYEメッセージに対する200OKメッセージをIP網8側のSIP端末7から受信すると共に、LANインターフェース部112、TCP/IP処理部132、およびSIP中継処理部133を介して、SIPのBYEメッセージに対する200OKメッセージをGW2配下のSIP端末3から受信すると(S1614でYES)、切断対象セッションのレコード1220をセッション情報格納部122から削除する(S1615)。
以上のようにして切断対象セッションが切断されたならば(S1616)、S1602に戻って処理を進める。
図8は、図4の着信処理(S18)を説明するためのフロー図である。
WAN側SIP−UA部135は、セッション情報格納部122に新たなレコード1220を追加し、このレコード1220のフィールド1221〜1224に、INVITEメッセージの発信元情報、発信先情報、ヘッダ情報、およびボディ情報を登録する。また、このレコード1220のフィールド1225にセッション状態「確立動作中」を登録する(S1801)。
次に、WAN側SIP−UA部135は、このINVITEメッセージの発信元情報により特定される端末番号が優先端末情報格納部123の相手管理テーブル1232の何れかのレコード12320のフィールド12321に登録されている否かを調べる(S1802)。
このINVITEメッセージの発信元情報により特定される端末番号が優先端末情報格納部123の相手管理テーブル1232の何れのレコード12320のフィールド12321にも登録されていない場合(S1802でNO)、WAN側SIP−UA部135は、このINVITEメッセージをLAN側SIP−UA部136に渡す。これを受けて、LAN側SIP−UA部136は、SIP中継処理部133、TCP/IP処理部132、およびLANインターフェース部112を介して、GW2に、このINVITEメッセージを転送する(S1803)。
それから、LAN側SIP−UA部136とWAN側SIP−UA部135とが連携して、このINVITEメッセージに関連してSIPサーバ6およびGW2間でやり取りされるSIPメッセージを中継する(S1804)。
具体的には、LAN側SIP−UA部136は、LANインターフェース部112、TCP/IP処理部132、およびSIP中継処理部133を介して、GW2から、このINVITEメッセージに関連するSIPメッセージ(180Ringing、200OK)を受信すると、このSIPメッセージをWAN側SIP−UA部135に渡す。WAN側SIP−UA部135は、このSIPメッセージを、SIP中継処理部133、TCP/IP処理部132、NAT処理部131、およびWANインターフェース部111を介して、SIPサーバ6に転送する。
また、WAN側SIP−UA部135は、WANインターフェース部111、NAT処理部131、TCP/IP処理部132、およびSIP中継処理部133を介して、SIPサーバ6から、このINVITEメッセージに関連するSIPメッセージ(ACK)を受信すると、このSIPメッセージをLAN側SIP−UA部136に渡す。LAN側SIP−UA部136は、このSIPメッセージを、SIP中継処理部133、TCP/IP処理部132、およびLANインターフェース部112を介して、GW2に転送する。
さて、WAN側SIP−UA部135は、SIPサーバ6からACKメッセージを受信したならば(S1805でYES)、セッション情報格納部122に追加したレコード1220のフィールド1225に登録されているセッション状態を「確立動作中」から「確立中」に更新する(S1806)。
以上のようにしてセッションが確立されると、セッション情報格納部122に追加したレコード1220のフィールド1221に登録されている発信元情報により特定されるIP網8側のSIP端末7と、このレコード1220のフィールド1222に登録されている発信先情報により特定されるGW2配下のSIP端末3との間で、WANインターフェース部111、NAT処理部131、TCP/IP処理部132、およびLANインターフェース部112を介して、IPパケットの送受が開始される(S1807)。
一方、S1802において、このINVITEメッセージの発信元情報により特定される端末番号が優先端末情報格納部123の相手管理テーブル1232の何れかのレコード12320のフィールド12321に登録されている場合(S1802でYES)、WAN側SIP−UA部135は、このINVITEメッセージを、このレコード12320のフィールド12322に登録されている発信先端末番号と共に、優先端末用AP部137に渡す。これを受けて、優先端末用AP部137は、優先端末情報格納部123の端末管理テーブル1231から、この発信先端末番号がフィールド12312に登録されているレコード12310を検索する。そして、検索したレコード12310のフィールド12311に、このINVITEメッセージの発信先情報により特定される端末番号(SIP用端末番号)を登録する(S1808)。
次に、優先端末用AP部137は、変換テーブルにしたがって、このINVITEメッセージを独自プロトコルのセッション要求メッセージに変換すると共に、このセッション要求メッセージの発信先情報として、WAN側SIP−UA部135より通知された発信先端末番号を設定する(S1809)。そして、優先端末用AP部137は、TCP/IP処理部132、および拡張インターフェース部113を介して、優先端末5に、このセッション要求メッセージを転送する(S1810)。
それから、優先端末用AP部137は、WAN側SIP−UA部135と連携して、このINVITEメッセージに関連してSIPサーバ6および優先端末5間でやり取りされるメッセージを中継する(S1811)。
具体的には、優先端末用AP部137は、拡張インターフェース部113およびTCP/IP処理部132を介して、優先端末5から、このINVITEメッセージに関連する独自プロトコルの呼制御メッセージ(呼出中、応答)を受信すると、変換テーブルにしたがって、この呼制御メッセージを、この呼制御メッセージに対応するSIPメッセージ(180Ringing、200OK)に変換する。また、この呼制御メッセージの発信元情報である端末番号(独自プロトコル用端末番号)がフィールド12312に登録されているレコード12310を優先端末情報格納部123の端末管理テーブル1231から検索し、検索したレコード12310のフィールド12311に登録されているSIP用端末番号を、このSIPメッセージの発信元情報に設定する。それから、このSIPメッセージをWAN側SIP−UA部135に渡す。WAN側SIP−UA部135は、SIP中継処理部133、TCP/IP処理部132、NAT処理部131、およびWANインターフェース部111を介して、SIPサーバ6に、このSIPメッセージを転送する。
また、WAN側SIP−UA部135は、WANインターフェース部111、NAT処理部131、TCP/IP処理部132、およびSIP中継処理部133を介して、SIPサーバ6から、このINVITEメッセージに関連するSIPメッセージ(ACK)を受信すると、優先端末用AP部137に、このSIPメッセージを渡す。これを受けて、優先端末用AP部137は、変換テーブルにしたがって、このSIPメッセージを、このSIPメッセージに対応する独自プロトコルの呼制御メッセージ(OK)に変換する。また、このSIPメッセージの発信先情報である端末番号(SIP用端末番号)がフィールド12311に登録されているレコード12310を優先端末情報格納部123の端末管理テーブル1231から検索し、検索したレコード12310のフィールド12312に登録されている独自プロトコル用端末番号を、この呼制御メッセージの発信先情報に設定する。それから、この呼制御メッセージを、TCP/IP処理部132および拡張インターフェース部113を介して、優先端末5に転送する。
さて、WAN側SIP−UA部135は、WANインターフェース部111、NAT処理部131、TCP/IP処理部132、およびSIP中継処理部133を介して、SIPサーバ6からACKメッセージを受信したならば(S1812でYES)、セッション情報格納部122に追加したレコード1220のフィールド1225に登録されているセッション状態を「確立動作中」から「確立中」に更新する(S1813)。
以上のようにしてセッションが確立されると、セッション情報格納部122に追加したレコード1220のフィールド1221に登録されている発信先情報により特定される優先端末5と、このレコード1220のフィールド1222に登録されている発信元情報により特定されるIP網8側のSIP端末7との間で、拡張インターフェース部113、TCP/IP処理部132、NAT処理部131、およびWANインターフェース部111を介して、IPパケットの送受が開始される(S1814)。
次に、図1に示すネットワークシステムの動作例を説明する。
図9は、GW2がSIPサーバ6にREGISTERメッセージを送信する場合の動作例を示すシーケンス図である。
GW2がREGISTERメッセージをSIPサーバ6に送信すると(S201)、接続アダプタ1は、これを受信し、このREGISTERメッセージに含まれているGW2の登録情報を、自接続アダプタ1の登録情報として仮登録する(S202)。また、接続アダプタ1は、SIPサーバ6に、このREGISTERメッセージを転送する(S203)。
次に、SIPサーバ6が、REGISTERメッセージに対する応答として、200OKメッセージをGW2に送信すると(S204)、接続アダプタ1は、これを受信し、S202で仮登録した登録情報を本登録する(S205)。また、接続アダプタ1は、この200OKメッセージをGW2に転送する(S206)。
図10は、GW2配下のSIP端末3がINVITEメッセージを送信した場合の動作例を示すシーケンス図である。ここでは、確立中および確立動作中のセッション数が最大同時セッション数(N)未満である場合の動作を例示している。
SIP端末3がINVITEメッセージを送信すると(S211)、GW2は、これを受信し、SIPサーバ6に、このINVITEメッセージを転送する(S212)。
接続アダプタ1は、GW2から転送されたINVITEメッセージを受信すると、確立中および確立動作中のセッション数が最大同時セッション数(N)未満であるか否かを判断する。そして、確立中および確立動作中のセッション数が最大同時セッション数(N)未満であることを確認すると(S213)、接続アダプタ1は、セッション状態「確立動作中」として、このINVITEメッセージに関するセッション情報を登録する(S214)。また、接続アダプタ1は、このINVITEメッセージをSIPサーバ6に転送する(S215)。
SIPサーバ6は、接続アダプタ1からINVITEメッセージを受信すると、発信先のSIP端末7に、このINVITEメッセージを転送する(S216)。また、SIPサーバ6は、接続アダプタ1に100Tryingメッセージを返す(S217)。この100Tryingメッセージは、接続アダプタ1およびGW2を経由して、発信元のSIP端末3に送信される(S218、S219)。
発信先のSIP端末7は、SIPサーバ6からINVITEメッセージを受信すると、180Ringingメッセージを返す(S220)。この180Ringingメッセージは、SIPサーバ6、接続アダプタ1およびGW2を経由して、発信元のSIP端末3に送信される(S221〜S223)。
さて、発信先のSIP端末7は、オフフック等されると、200OKメッセージをSIPサーバ6に送信する(S224)。この200OKメッセージは、SIPサーバ6、接続アダプタ1およびGW2を経由して、発信元のSIP端末3に送信される(S225〜S227)。
発信元のSIP端末3は、200OKメッセージを受信すると、ACKメッセージを返す(S228)。このACKメッセージは、GW2、接続アダプタ1、およびSIPサーバ6を経由して、発信先のSIP端末7に送信される(S229〜S231)。
また、接続アダプタ1は、GW2からACKメッセージを受信すると、このINVITEメッセージに関するセッション情報のセッション状態を「確立動作中」から「確立中」に変更する(S232)。
以上により発信元のSIP端末3と発信先のSIP端末7との間にセッションが確立され、通信が開始される(S233)。
図11は、優先端末5が、独自プロトコルのセッション要求メッセージを送信した場合の第一の動作例を示すシーケンス図である。ここでは、確立中および確立動作中のセッション数が最大同時セッション数(N)未満である場合の動作を例示している。
優先端末5が独自プロトコルのセッション要求メッセージを送信すると(S241)、接続アダプタ1は、これを受信し、確立中および確立動作中のセッション数が最大同時セッション数(N)未満であるか否かを判断する。そして、確立中および確立動作中のセッション数が最大同時セッション数(N)未満であることを確認すると(S242)、接続アダプタ1は、このセッション要求メッセージをSIPのINVITEメッセージに変換すると共に(S243)、セッション状態「確立動作中」として、このINVITEメッセージに関するセッション情報を登録する(S244)。また、接続アダプタ1は、GW2の登録情報に含まれている端末番号のなかから、使用中でない端末番号を選択し、選択した端末番号を発信元情報として、このINVITEメッセージをSIPサーバ6に転送する(S245)。
SIPサーバ6は、接続アダプタ1からINVITEメッセージを受信すると、このINVITEメッセージを発信先のSIP端末7に転送する(S246)。また、SIPサーバ6は、接続アダプタ1に100Tryingメッセージを返す(S247)。この100Tryingメッセージは、接続アダプタ1により独自プロトコルの呼制御メッセージに変換されて優先端末5に送信される(S248)。
発信先のSIP端末7は、SIPサーバ6からINVITEメッセージを受信すると、180Ringingメッセージを返す(S249)。この180Ringingメッセージは、SIPサーバ6を経由して接続アダプタ1に到達する(S250)。そして、180Ringingメッセージは、接続アダプタ1により独自プロトコルの呼制御メッセージに変換されて優先端末5に送信される(S251)。
さて、発信先のSIP端末7は、オフフック等されると、200OKメッセージをSIPサーバ6に送信する(S252)。この200OKメッセージは、SIPサーバ6を経由して接続アダプタ1に到達する(S253)。そして、200OKメッセージは、接続アダプタ1により独自プロトコルの呼制御メッセージに変換されて優先端末5に送信される(S254)。
優先端末5は、200OKメッセージに対応する独自プロトコルの呼制御メッセージを受信すると、その応答メッセージ(OK)を返す(S255)。接続アダプタ1は、この応答メッセージをSIPのACKメッセージに変換し、このACKメッセージをSIPサーバ6に転送する(S256)。このACKメッセージは、SIPサーバ6を経由して発信先のSIP端末7に送信される(S257)。
また、接続アダプタ1は、優先端末5から応答メッセージを受信すると、INVITEメッセージに関するセッション情報のセッション状態を「確立動作中」から「確立中」に変更する(S258)。
以上により発信元の優先端末5と発信先のSIP端末7との間にセッションが確立され、通信が開始される(S259)。
図12は、優先端末5が、独自プロトコルのセッション要求メッセージを送信した場合の第二の動作例を示すシーケンス図である。ここでは、確立中および確立動作中のセッション数が最大同時セッション数(N)と同じ場合の動作を例示している。
GW2配下のSIP端末3(SIP端末「A」3)とIP網8側のSIP端末7(SIP端末「B」7)との間にセッションが確立されているものとする(S271)。
優先端末5が独自プロトコルのセッション要求メッセージを送信すると(S272)、接続アダプタ1は、これを受信し、確立中および確立動作中のセッション数が最大同時セッション数(N)未満であるか否かを判断する。そして、確立中および確立動作中のセッション数が最大同時セッション数(N)未満でないこと、すなわち、最大同時セッション数(N)と同数であることを確認すると(S273)、接続アダプタ1は、確立中および確立動作中のセッションのなかから、切断対象セッションを選択する(S274)。ここでは、SIP端末「A」3とSIP端末「B」7との間に確立中のセッションが切断対象セッションとして選択されたものとする。
次に、接続アダプタ1は、このセッションを介して送受される通信パケットの中継を停止する。そして、このセッションを介してSIP端末「A」3およびSIP端末「B」7のそれぞれに、このセッションを強制切断する旨の音声ガイダンスデータを送信する(S275)。
それから、接続アダプタ1は、SIP端末「B」7にBYEメッセージを送信する(S276)。このBYEメッセージは、SIPサーバ6を介してSIP端末「B」7に送信される(S277)。
SIP端末「B」7は、SIPサーバ6からBYEメッセージを受信すると、200OKメッセージを返す(S278)。この200OKメッセージは、SIPサーバ6を介して接続アダプタ1に送信される(S279)。
また、接続アダプタ1は、SIP端末「A」3にBYEメッセージを送信する(S280)。このBYEメッセージは、GW2を介してSIP端末「A」3に送信される(S281)。
SIP端末「A」3は、GW2からBYEメッセージを受信すると、200OKメッセージを返す(S282)。この200OKメッセージは、GW2を介して接続アダプタ1に送信される(S283)。
以上によりSIP端末「B」7とSIP端末「A」3との間のセッションが切断され、確立中および確立動作中のセッションの数が最大同時接続セッション数(N)未満となる。接続アダプタ1は、切断されたセッションのセッション情報を削除する(S284)。
その後、図11のS243〜S259が実施され、発信元である優先端末5と発信先であるSIP端末「C」7との間にセッションが確立される(S285)。
図13は、IP網8側のSIP端末7が、GW2を発信先とするINVITEメッセージを送信した場合の第一の動作例を示すシーケンス図である。ここでは、発信元のSIP端末7の端末番号が優先端末情報格納部123の相手管理テーブル1232に登録されていない場合の動作を例示している。
SIP端末7がINVITEメッセージを送信すると(S291)、SIPサーバ6は、これを受信し、接続アダプタ1に、このINVITEメッセージを転送する(S292)。また、SIPサーバ6は、SIP端末7に100Tryingメッセージを返す(S293)。
接続アダプタ1は、SIPサーバ6からINVITEメッセージを受信すると、セッション状態「確立動作中」として、このINVITEメッセージに関するセッション情報を登録する(S294)。また、接続アダプタ1は、このINVITEメッセージの送信元情報が優先端末情報格納部123の相手管理テーブル1232に登録されているか否かを確認する。ここでは、上述したように、このINVITEメッセージの送信元情報が優先端末情報格納部123の相手管理テーブル1232に登録されていない。このため、接続アダプタ1は、このINVITEメッセージの送信先をGW2側に決定する(S295)。
次に、接続アダプタ1は、このINVITEメッセージをGW2に転送する(S296)。このINVITEメッセージは、GW2を介してSIP端末3に送信される(S297)。
SIP端末3は、GW2からINVITEメッセージを受信すると、180Ringingメッセージを返す(S298)。この180Ringingメッセージは、GW2、接続アダプタ1、およびSIPサーバ6を経由して、発信元のSIP端末7に送信される(S299〜S301)。
さて、SIP端末3は、オフフック等されると、200OKメッセージをGW2に送信する(S302)。この200OKメッセージは、GW2、接続アダプタ1、およびSIPサーバ6を経由して、発信元のSIP端末7に送信される(S303〜S305)。
発信元のSIP端末7は、200OKメッセージを受信すると、ACKメッセージを返す(S306)。このACKメッセージは、SIPサーバ6、接続アダプタ1、GW2を経由して、SIP端末3に送信される(S307〜S309)。
また、接続アダプタ1は、SIPサーバ6からACKメッセージを受信すると、このINVITEメッセージに関するセッション情報のセッション状態を「確立動作中」から「確立中」に変更する(S310)。
以上により発信先のSIP端末7とSIP端末3との間にセッションが確立され、通信が開始される(S311)。
図14は、IP網8側のSIP端末7が、GW2を発信先とするINVITEメッセージを送信した場合の第二の動作例を示すシーケンス図である。ここでは、発信元のSIP端末7の端末番号が優先端末情報格納部123の相手管理テーブル1232に登録されている場合の動作を例示している。
SIP端末7がINVITEメッセージを送信すると(S321)、SIPサーバ6は、これを受信し、接続アダプタ1に、このINVITEメッセージを転送する(S322)。また、SIPサーバ6は、SIP端末7に100Tryingメッセージを返す(S323)。
接続アダプタ1は、SIPサーバ6からINVITEメッセージを受信すると、セッション状態「確立動作中」として、このINVITEメッセージに関するセッション情報を登録する(S324)。また、接続アダプタ1は、このINVITEメッセージの送信元情報が優先端末情報格納部123の相手管理テーブル1232に登録されているか否かを確認する。ここでは、上述したように、このINVITEメッセージの送信元情報が優先端末情報格納部123の相手管理テーブル1232に登録されている。このため、接続アダプタ1は、このINVITEメッセージの送信先を優先端末5側に決定する(S325)。
次に、接続アダプタ1は、このINVITEメッセージを、INVITEメッセージに対応する独自プロトコルのセッション要求メッセージに変換して、変換したセッション要求メッセージを優先端末5に送信する(S326)。
優先端末5は、接続アダプタ1からセッション要求メッセージを受信すると、呼出中を示すメッセージを返す(S327)。接続アダプタ1は、このメッセージをSIPの180Ringingメッセージに変換して、それをSIPサーバ6に送信する(S328)。この180Ringingメッセージは、SIPサーバ6経由で発信元のSIP端末7に送信される(S329)。
さて、優先端末5は、オフフック等されると、接続応答を示すメッセージを接続アダプタ1に送信する(S330)。接続アダプタ1は、このメッセージをSIPの200OKメッセージに変換して、それをSIPサーバ6に送信する(S331)。この200OKメッセージは、SIPサーバ6経由で発信元のSIP端末7に送信される(S332)。
発信元のSIP端末7は、200OKメッセージを受信すると、ACKメッセージを返す(S333)。このACKメッセージは、SIPサーバ6を経由で接続アダプタ1に送信される(S334)。
接続アダプタ1は、SIPサーバ6からACKメッセージを受信すると、このACKメッセージを対応する独自プロトコルの呼制御メッセージに変換して優先端末5に送信する(S335)。また、接続アダプタ1は、INVITEメッセージに関するセッション情報のセッション状態を「確立動作中」から「確立中」に変更する(S336)。
以上により発信元のSIP端末7と優先端末5との間にセッションが確立され、通信が開始される(S337)。
以上、本発明の一実施の形態を説明した。
本実施の形態において、接続アダプタ1は、SIPサーバ6に登録されたGW2の登録情報を用いて、GW2配下のSIP端末3とIP網8側のSIP端末7との間のセッションよりも、優先端末5とIP網8側のSIP端末7との間のセッションが優先されるように優先端末5とIP網8側のSIP端末7との間のセッションを制御する。
具体的には、優先端末5からセッション要求メッセージを受信した場合に、確立中および確立動作中のセッション数が最大同時接続セッション数に達しているならば、GW2配下のSIP端末3とIP網8側のSIP端末7との間に確立されている何れかのセッションを強制切断し、さらに、SIPサーバ6に登録されているGW2の登録情報を用いて、この優先端末5のセッション要求メッセージを処理する。
したがって、本実施の形態によれば、優先端末5とのセッションをGW2配下のSIP端末3とのセッションよりも優先して確立することができる。また、本実施の形態では、SIPサーバ6に登録されているGW2の登録情報を用いてセッション制御を行うので、優先端末5がSIPサーバ6に登録されている必要はない。
また、本実施の形態において、接続アダプタ1は、セッションの強制切断に先立って、このセッションを介して音声ガイダンスデータを送信しているので、このセッションの利用者に、このセッションが切断されることを前もって通知することができる。
また、本実施の形態において、接続アダプタ1は、GW2がSIPサーバ6に送信したREGISTERメッセージからGW2の登録情報を取得して登録する。このため、接続アダプタ1へのGW2の登録情報の登録が自動的に行われる。
また、本実施の形態において、接続アダプタ1は、SIPサーバ6から受信したINVITEメッセージの発信元情報が、優先端末5の通信相手として予め登録されたSIP端末7の端末情報を示している場合、INVITEメッセージに対応する独自プロトコルのセッション要求メッセージを優先端末5に送信する。したがって、本実施の形態によれば、GW2の配下に属していない優先端末5への着信を処理することが可能となる。
また、本実施の形態において、接続アダプタ1は、優先端末用AP部137にSIPメッセージと独自プロトコルの呼制御メッセージとを相互に変換する機能を持たせているので、SIPに対応していない優先端末5とIP網8側のSIP端末7との間にセッションを確立させることができる。
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
例えば、上記の実施の形態において、優先端末5はSIP端末であってもよい。この場合、SIPメッセージと独自プロトコルの呼制御メッセージとを相互に変換する機能を優先端末用AP部137に持たせる必要はない。
また、上記の実施の形態において、GW2側からの発信の場合にのみ強制切断する動作について説明をおこなったが、これは、本装置が話中の場合、SIPサーバ6によってSIP端末7からのSIPメッセージ(INVITE)を制御できないからであって、本願はこれに限定しない。例えば、優先端末6とSIP端末3がセッション中にあらたにIP網8からINVITE(着信)を受信した場合は着信のSIPメッセージ(INVITE)によって強制切断する制御をおこなってもよい。
また、上記の実施の形態において、図2に示す接続アダプタ1の構成は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積ロジックICによりハード的に実行されるものでもよいし、あるいはDSP(Digital Signal Processor)、PC(Personal Computer)などの計算機によりソフトウエア的に実行されるものでもよい。
あるいは、図2に示す接続アダプタ1の構成は、CPU、メモリ、HDD、DVD−ROM等の補助記憶装置、およびNIC(Network Interface Card)を備えたPC(Personal Computer)等の汎用コンピュータにおいて、CPUが所定のプログラムを補助記憶装置からメモリ上にロードして実行することにより実現されるものでもよい。
また、上記の実施の形態において、接続アダプタ1にGW2の機能を持たせて、接続アダプタ1とGW2とを一体化してもよい。
1:接続アダプタ、2:GW、3:SIP端末、4:LAN、5:優先端末、6:SIPサーバ、7:SIP端末、8:IP網、11:インターフェース部、12:記憶部、13:処理部、111:WANインターフェース部、112:LANインターフェース部、113:拡張インターフェース部、121:登録情報格納部、122:セッション情報格納部、123:優先端末情報格納部、124:音声ガイダンス格納部、131:NAT処理部、132:TCP/IP処理部、133:SIP中継処理部、134:レジストラ部、135:WAN側SIP−UA部、136:LAN側SIP−UA部、137:優先端末用AP部、138:音声ガイダンス送出部、1231:端末管理テーブル、1232:相手管理テーブル