JP4877705B2 - 難燃性ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents

難燃性ポリカーボネート樹脂組成物 Download PDF

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Description

本発明は難燃性のポリカーボネート樹脂組成物に関する。より詳細には、テルペン樹脂、有機金属塩化合物、繊維形成型の含フッ素ポリマーおよび特定のゴム状弾性体を特定量含有した、極めて高度な流動性、衝撃強度を示す難燃性ポリカーボネート樹脂組成物に関する。さらには、ハロゲンやリンを含有する従来の難燃剤を使用することが全くないため、環境調和性にも極めて優れた組成物が得られることを特徴とする。
ポリカーボネート樹脂は、耐衝撃性、耐熱性等に優れた熱可塑性樹脂であり、電気・電子・ITE、機械、自動車、建材等の分野で広く使用されている。このうち電気・電子・ITEの分野では、パーソナルコンピュータ外装部品のように高度な難燃性(UL94V)や耐衝撃性を要求される部品が少なくない。ポリカーボネート樹脂は、自己消火性を備えた難燃性の高いプラスチック材料ではあるが、電気・電子・OA分野では安全上の要求を満たすため、UL94V−0やV−1相当の一層高い難燃性が求められている。
そこでポリカーボネート樹脂の難燃性を向上するために、従来、難燃剤としてハロゲン系化合物やリン系化合物を配合する方法が採用されている。これらの中で特に臭素や塩素等のハロゲン系化合物については、環境面からこれらを含有しない難燃剤の使用が望まれている。
一方、難燃性のポリカーボネート樹脂にテルペン樹脂を用いることは行われているが(特許文献3及び4)、これらにおいてテルペン樹脂は難燃効果をもたらすものとしては用いられておらず、リン系化合物等の難燃剤を配合して難燃性を達成するものであった。
特開平7−179742号公報 特開平9−95610号公報 特開2000−63651号公報 特開2003−160724号公報
近年ではポリカーボネート樹脂を用いた製品の軽量・薄肉化の傾向が著しく、また意匠面やデザイン上の要求を満足するため、上記の優れた性能に加えて、ハロゲン系またはリン系難燃剤を使用することなしに高度な難燃性を有し、かつ高度な流動性(成形性)を具備した材料が求められていた。
本発明者らはポリカーボネート樹脂に対し、テルペン樹脂、有機金属塩化合物、繊維形成型の含フッ素ポリマーおよびゴム状弾性体を特定量配合することにより、ハロゲンやリンなどを含有する従来の難燃剤を使用することなく、相乗効果的に極めて優れた難燃性、流動性、強度及び外観のバランスを併せ持つポリカーボネート樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ポリカーボネート樹脂(A)80〜99.5重量%及びテルペン樹脂(B)0.5〜20重量%からなる樹脂成分の合計100重量部に対し、(以下、成分(A)及び(B)の合計を「樹脂成分」という場合がある。)、芳香族スルホン酸の金属塩またはパーフルオロアルカンスルホン酸の金属塩(C)0.005〜2重量部、繊維形成型の含フッ素ポリマー(D)0.05〜2重量部およびゴム状弾性体(E)0.1〜5重量部を配合してなる難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を提供するものである。
本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物は、優れた流動性、強度及び外観を有するものであって、かつハロゲンやリンなどを含有する従来の難燃剤を使用しないため燃焼時にハロゲンを含むガスの発生等の懸念もなく、環境調和性の面からも極めて優れている。さらには、流動性、強度等にも優れているため、種々の大型若しくは薄肉成形品や各種難燃性工業部品材料として好適に使用可能であり、工業的利用価値が非常に高い。
本発明にて使用されるポリカーボネート樹脂(A)は、種々のジヒドロキシジアリール化合物とホスゲンとを反応させるホスゲン法、又はジヒドロキシジアリール化合物とジフェニルカーボネートなどの炭酸エステルとを反応させるエステル交換法によって得られる重合体であり、代表的なものとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)から製造されたポリカーボネート樹脂が挙げられる。
上記ジヒドロキシジアリール化合物としては、ビスフェノールAの他に、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3、5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパンのようなビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンのようなビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルエーテルのようなジヒドロキシジアリールエーテル類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィドのようなジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルスルホキシドのようなジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルスルホンのようなジヒドロキシジアリールスルホン類等が挙げられる。
これらは、単独又は2種類以上混合して使用されるが、ハロゲンで置換されていない方が燃焼時に懸念される当該ハロゲンを含むガスの環境への排出防止の面から好ましい。これらの他に、ピペラジン、ジピペリジルハイドロキノン、レゾルシン、4,4′−ジヒドロキシジフェニル等を混合して使用してもよい。
さらに、上記のジヒドロキシアリール化合物と以下に示すような3価以上のフェノール化合物を混合使用してもよい。
3価以上のフェノールとしてはフロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプテン、2,4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプタン、1,3,5−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ベンゾール、1,1,1−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−エタン及び2,2−ビス−[4,4−(4,4′−ジヒドロキシジフェニル)−シクロヘキシル]−プロパンなどが挙げられる。
ポリカーボネート樹脂(A)の粘度平均分子量は、通常10000〜100000、好ましくは15000〜35000、さらに好ましくは17000〜28000である。かかるポリカーボネート樹脂を製造するに際し、分子量調節剤、触媒等を必要に応じて使用することができる。
本発明にて使用されるテルペン樹脂(B)には、α−ピネン樹脂、β−ピネン樹脂、リモネン樹脂、ジペンテン樹脂、β−ピネン/リモネン樹脂、水添リモネン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、フェノール変性テルペン樹脂などが含まれる。
テルペン樹脂(B)はテルペン化合物を原料として得られ、テルペン化合物は、一般にモノテルペン、セスキテルペン、ジテルペン等のイソプレンの重合体を基本骨格とする化合物である。テルペン化合物として、α−ピネン、β−ピネン、ジペンテン、d−リモネン、ミルセン、アロオシメン、オシメン、α−フェランドレン、α−テルピネン、γ−テルピネン、テルピノーレン、1,8−シネオール、1,4−シネオール、α−テルピネオール、β−テルピネオール、γ−テルピネオール、サビネン、パラメンタジエン類、カレン類等、好ましくはα−ピネン、β−ピネン、ジペンテン、d−リモネンが挙げられる。
テルペン樹脂(B)は、これらテルペン化合物をフリーデルクラフト触媒のもとで、カチオン重合したものである。原料としてテルペン化合物単独のほか、テルペン化合物と芳香族化合物(その重合体を芳香族変性テルペン樹脂という。)、テルペン化合物とフェノール系化合物(その重合体をフェノール変性テルペン樹脂という。)を使用してもよい。芳香族化合物として、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルトルエン等が挙げられ、フェノール系化合物として、例えば、フェノール、ビスフェノールA、クレゾール、キシレノール等が挙げられる。また、得られた上記テルペン樹脂を水素添加処理したものを使用してもよい。またテルペン樹脂として、テルペン化合物と環状ポリオレフィン、非環式モノ不飽和オレフィン等の成分を併用したものを使用してもよい。
このようなテルペン樹脂(B)として、例えば、ヤスハラケミカル(株)社製の「YSレジンPX」(テルペン樹脂)、「YSレジンTO」(芳香族変性テルペン樹脂)、「YSレジンTR」(芳香族変性テルペン樹脂)、「クリアロン」(水添テルペン樹脂)、「YSポリスター」(フェノール変性テルペン樹脂)、「マイティエース」(フェノール変性テルペン樹脂)などの商品名で市販されているものが挙げられる。
テルペン樹脂(B)の配合量は、樹脂成分中0.5〜20重量%、好ましくは1〜10重量%である。0.5重量%未満であると、相乗効果が得られにくいため十分な難燃性を示さないので好ましくない。また、20重量%を越えるとテルペン樹脂(B)自体の易燃性のため難燃性が得られにくいので好ましくない。
本発明にて使用される有機金属塩化合物(C)としては、芳香族スルホン酸の金属塩、パーフルオロアルカンスルホン酸の金属塩があげられる。金属の種類としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属等が挙げられる。好適には、4−メチル−N−(4−メチルフェニル)スルフォニル−ベンゼンスルフォンアミドのカリウム塩、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸カリウム、ジフェニルスルホン−3−3′−ジスルホン酸カリウム、パラトルエンスルホン酸ナトリウム、パーフルオロブタンスルホン酸カリウム塩等が好適に使用できる。
有機金属塩化合物(C)の配合量は、樹脂成分100重量部に対し、0.005〜2重量部、好ましくは0.01〜1重量部、より好ましくは0.015〜0.3重量部の範囲である。配合量が0.005重量部未満では、相乗効果が得られにくいため難燃性が低下するので好ましくない。また、2重量部を超えると、衝撃強度や難燃性が得られなかったり、表面外観が悪化したりするといった問題が発生する場合があるので好ましくない。
本発明にて使用される、繊維形成型の含フッ素ポリマー(D)としては、樹脂成分中で繊維構造(フィブリル状構造)を形成するものがよく、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン系共重合体(例えば、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、等)、米国特許第4379910号に示される様な部分フッ素化ポリマー、フッ素化ジフェノールから製造されるポリカーボネート等が挙げられる。とりわけ、分子量1000000以上で二次粒子径100μm以上のフィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンが好適に使用される。
繊維形成型の含フッ素ポリマー(D)の配合量は、樹脂成分100重量部に対し、0.05〜2重量部である。配合量が0.05重量部未満では、相乗効果が得られにくく、かつ燃焼時のドリッピング防止効果に劣るので好ましくない。また、2重量部を超えると樹脂組成物の造粒が困難となることから安定生産に支障をきたすので好ましくない。この配合量は、好ましくは、0.1〜1重量部、より好ましくは0.2〜0.5重量部の範囲である。この範囲では、難燃性、成形性のバランスが一層良好となる。
本発明にて使用されるゴム状弾性体(E)としては、特に制限はないが、とりわけ、コア・シェル構造を有するブタジエン系ゴム状弾性体やポリオルガノシロキサンゴム成分とポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分とが分離できないように相互に絡み合った構造を有している複合ゴムに一種または二種以上のビニル系単量体がグラフト重合されてなる複合ゴム系グラフト共重合体等が好適に用いられる。
コア・シェル構造を有するブタジエン系ゴム状弾性体は、コアー部にポリブタジエン系重合体、シェル部がスチレン重合体やスチレンとメチルメタアクリレート共重合体等からなる重合体であって、代表的な製品としては、ローム&ハース社製パラロイドEXL2602やEXL2603等が挙げられる。
また、本発明において使用される複合ゴム系グラフト共重合体を得るには、まず3員環以上の各種の環状オルガノシロキサン、例えばヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等と、架橋剤及び/またはグラフト交叉剤を用いて乳化重合によりポリオルガノシロキサンゴムのラテックスを調整し、次にアルキル(メタ)アクリレート単量体、架橋剤及びグラフト交叉剤とをポリオルガノシロキサンゴムのラテックスに含浸させてから重合することによって得られる。ここで用いられるアルキル(メタ)アクリレート単量体としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のアルキルアクリレートおよびヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート等のアルキルメタクリレートが挙げられるが、特にn−ブチルアクリレートを用いることが好ましい。この複合ゴムにグラフト重合させるビニル系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物、メチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート等のメタクリル酸エステル、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート等のアクリル酸エステル等が挙げられ、これらは単独もしくは2種以上組み合わせて用いられる。複合化ゴムの平均粒子径は0.08〜0.6μmであることが好ましい。複合ゴムの平均粒子径が0.08μm未満では得られる樹脂組成物の耐衝撃性が低下し、平均粒子径が0.6μmを超えると、得られる樹脂組成物の成形品の表面外観が悪化する。特に好ましいものとしては、三菱レイヨン(株)社製メタブレンS−2001という商品名で市販されているものが挙げられる。
ゴム状弾性体(E)の配合量は、樹脂成分100重量部に対して0.1〜5重量部である。より好ましくは、1〜3重量部の範囲である。配合量が、0.1重量部未満では、衝撃強度の向上度合いが不十分であるので好ましくない。また、5重量部を越えると、逆に難燃性が低下することがあるため好ましくない。
さらに、本発明の効果を損なわない範囲で、各種の熱安定剤、酸化防止剤(リン系やフェノール系酸化防止剤)、紫外線吸収剤、着色剤、蛍光増白剤、離型剤、軟化材、帯電防止剤、展着剤(エポキシ大豆油、流動パラフィン等)等の添加剤、他のポリマーを配合してもよい。熱安定剤としては、例えば硫酸水素ナトリウム、硫酸水素カリウム、硫酸水素リチウム等の硫酸水素金属塩及び硫酸アルミニウム等の硫酸金属塩等が挙げられる。
本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物中の各種配合成分の混合順番や混合方法には特に制限はなく、公知の混合機、例えばタンブラー、リボンブレンダー等による混合が可能であって、その混合物を通常の一軸または二軸押出機により容易に溶融混練することができる。
本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を成形する方法としては、特に制限はなく、公知の射出成形法、射出・圧縮成形法等を用いることができる。
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はそれら実施例に制限されるものではない。尚、「部」は重量基準に基づく。
表2〜3に示す配合成分、配合量に基づき、タンブラーを用いて各種配合成分を混合し、37mm径の二軸押出機(神戸製鋼社製KTX−37)を用いて、シリンダー温度240℃にて溶融混練し、各種樹脂組成物のペレットを得た。
使用した配合成分は、それぞれ次のとおりである。
ポリカーボネート樹脂:
住友ダウ社製・カリバー200−20
(粘度平均分子量19000、以下「PC」と略記)
テルペン樹脂:
ヤスハラケミカル社製・マイティエースG−150
(フェノール変性テルペン樹脂、以下「テルペン樹脂」と略記)
有機金属塩化合物:
パラトルエンスルホン酸ナトリウム(以下「金属塩」と略記)
繊維形成型の含フッ素ポリマー:
ダイキン社製・ポリフロンFA−500
(ポリテトラフルオロエチレン、以下「PTFE」と略記)
ゴム状弾性体:
ローム&ハース社製・パラロイド・EXL2602
シェル部にスチレン重合体を有するブタジエン系ゴム状弾性体
(以下「ゴム状弾性体1」と略記)
三菱レイヨン社製・メタブレンS−2001
(以下「ゴム状弾性体2」と略記)
(外観)
得られた各種樹脂組成物のペレットを105℃で4時間乾燥した後に、射出成型機(日本製鋼所製J−100−E−C5)を用いて、溶融温度245℃、射出圧力1600kg/cmの条件下にて難燃性評価用試験片(125×13×1.6mm)を成型し、試験片の成型品外観を目視にて観察した。
(難燃性)
前述の試験片を温度23℃、湿度50%の恒温室の中で72時間放置し、アンダーライターズ・ラボラトリーズが定めているUL94試験(機器の部品用プラスチック材料の燃焼性試験)に準拠した難燃性の評価を行った。UL94によるクラスを表1に示す。
V−0を合格とした。
Figure 0004877705
残炎時間とは、着火源を遠ざけた後の試験片が、有炎燃焼を続ける時間の長さであり、ドリップによる綿の着火とは、試験片の下端から約300mm下にある標識用の綿が、試験片からの滴下(ドリップ)物によって着火されるかどうかによって決定される。
(流動性)
得られた各種樹脂組成物のペレットを105℃で4時間乾燥した後に、射出成型機(日本製鋼所製J−100―E−C5)により、溶融温度280℃、射出圧力1600kg/cmの条件下、アルキメデス スパイラルフロー金型(巾10mm、厚み1.0mm)を用いて流動長さ(単位:mm)を測定した。流動長さが125mm以上を合格とした。
(衝撃強度)
得られた各種樹脂組成物のペレットを105℃で4時間乾燥した後に、射出成型機(日本製鋼所製J−100SAII)を用いて、溶融温度270℃の条件下、衝撃強度評価用試験片(63×13×3.2mm)を成型した。そして、ASTM D256規格に準じ、23℃の条件下においてノッチ付アイゾット衝撃強度を測定した。値が、15Kg・cm/cm以上を合格とした。
それぞれの評価結果を表2〜3に示した。
Figure 0004877705
Figure 0004877705
* NRはどの難燃クラスにも属さないものを表す。
実施例1〜5に示すように、本発明の構成要件を具備したポリカーボネート樹脂組成物は高度な難燃性を維持しながら極めて大きな流動性向上効果および高い衝撃強度を発揮する。
一方、比較例1〜6に示すように、本発明の構成要件を満たさない場合においては、何れも何らかの欠点を有していた。
比較例1及び4は、ゴム状弾性体の配合量が規定範囲の下限よりさらに少ない場合であり、衝撃強度が不合格となった。
比較例2及び5は、逆にゴム状弾性体の配合量が規定範囲の上限を超えている場合であり、難燃性と流動性が不合格となった。
比較例3及び6は、テルペン樹脂の配合量が規定範囲の上限を超えている場合であり、難燃性、外観、衝撃強度等が不合格となった。




Claims (4)

  1. ポリカーボネート樹脂(A)80〜99.5重量%及びテルペン樹脂(B)0.5〜20重量%からなる樹脂成分の合計100重量部に対し、芳香族スルホン酸の金属塩またはパーフルオロアルカンスルホン酸の金属塩(C)0.005〜2重量部、繊維形成型の含フッ素ポリマー(D)0.05〜2重量部およびゴム状弾性体(E)0.1〜5重量部を配合してなることを特徴とする難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
  2. テルペン樹脂(B)が、芳香族変性テルペン樹脂である請求項1に記載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
  3. テルペン樹脂(B)が、フェノール変性テルペン樹脂である請求項1に記載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
  4. ゴム状弾性体(E)が、コア・シェル構造を有するブタジエン系ゴム状弾性体および/またはポリオルガノシロキサンゴム成分とポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分とが分離できないように相互に絡み合った構造を有している複合ゴムに一種または二種以上のビニル系単量体がグラフト重合されてなる複合ゴム系グラフト共重合体である請求項1に記載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
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