JP4877339B2 - 洗濯機 - Google Patents
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Description
本発明は、洗い、すすぎ、脱水を逐次実行する洗濯機に関するものである。
従来、このような洗濯機はドラムの水槽に加速度センサを取り付け加速度センサ出力の変化量と、モータのトルク電流成分の変化量から、衣類の挙動を推定して、ドラムを回転させるモータの回転数を変化させる制御手段を備えている(例えば、特許文献1参照)。
図10は、前記公報に記載された従来のドラム式洗濯機の構成を示すものである。筐体1内にサスペンション構造によって支持された水槽2内に、回転ドラム3が配設され、回転ドラム3はモータ4によって回転駆動され、開閉自在に設けられた扉5を開くことにより水槽2の正面開口部および回転ドラム3の正面開口部を通して洗濯物を回転ドラム4内から出し入れできるように構成されている。水槽2には半導体加速度センサ6が取付けられ、この半導体加速度センサの出力の変化量と、モータのトルク電流成分の変化量から、衣類の挙動を推定して、前記洗濯機モータによる洗浄運転を制御する制御手段7が設けられている。
特開2006−346270号公報
しかしながら前記従来の手段では洗濯物に化繊系が多い、水が多い、洗剤による泡立ちが多いなどの要因により、洗濯物が水に浮き攪拌突起に引っ掛けられず、洗濯物に叩き洗いの作用を加えられない状態が存在する。単純な加速度出力値の変化量では、洗濯物が水に浮いた状態なのか、洗濯物が小容量の状態であるのかを把握できない。モータのトルク成分を示す電流値についても同様であり、洗濯物が浮いた状態とトルクには相関は見られないことがある。
本発明の目的は、洗濯物が水槽内に張り付いているかどうかを判断し、最適な洗濯を実現する洗濯機を提供することを目的としている。
前記従来の課題を解決するために、本発明では、周波数成分の大小に応じて前記モータの回転速度を変化させる回転速度制御手段を備え、前記周波数成分の計算により算出した値の大小に応じて前記モータの回転速度および回転時間を変化させるようにしたものである。
水槽の振動から、特定の周波数の振動成分を抽出することにより、衣類の挙動を判定する。具体的には、振動検出手段で得た振動から、周波数成分計算手段により、ドラムの回転速度に搭載している攪拌突起の個数をかけたものに対応する周波数成分を抽出する。この成分は、ドラムに備え付けられた攪拌突起が、給水された水を叩く成分に起因する。この周波数成分の計算結果により回転速度を変化させる。
本発明は、上記の計算方法により最適な叩き洗い洗濯をすることができ、かつ洗濯時間の短縮と洗浄性能を高めることができる。
本発明の洗濯機は、振動検出手段から得られた出力を効率よく処理し、最適な回転制御
を行うことにより、洗濯時間の短縮と洗浄性能を高めることを目的とする。
を行うことにより、洗濯時間の短縮と洗浄性能を高めることを目的とする。
第1の発明は、洗濯物を収容して回転するドラムと、前記ドラムを収容しかつ筐体から弾性支持機構により支持された水槽と、前記ドラムを回転させるモータと、収容された洗濯物を引っ掛け持ち上げる攪拌突起と、前記水槽の振動を検出する振動検出手段と、洗浄、すすぎ、脱水、乾燥などの一連の工程を制御する制御手段と、前記振動検出手段で検出した振動に対して周波数成分を計算する周波数成分計算手段とを備え、前記制御手段は、前記周波数成分の大小に応じて前記モータの回転速度を変化させる回転速度制御手段を備え、前記周波数成分の計算により算出した値の大小に応じて前記モータの回転速度および回転時間を変化させるようにした洗濯機である。この構成により、洗濯物やドラムの振動状態を精度よく把握して、適切にモータの回転速度や回転時間を変化させることができる。
第2の発明は、特に、第1の発明において、振動検出手段は、少なくともひとつ以上の加速度センサから構成され、水槽の上下、左右、前後の方向の少なくともひとつの振動成分を検出し、検出した方向毎の加速度、もしくは検出した方向毎の加速度の和または積を出力する。これにより、多軸の加速度センサを振動の検出に用いた場合、それぞれの方向の加速度情報だけでなく、方向毎の和と積を利用できる。水槽の振動は必ずしも一方向だけではないため、方向毎の加速度情報の和と積を利用することにより、より精度よく水槽の振動を把握できる。
第3の発明は、特に、第1の発明または第2の発明において、周波数成分計算手段は、所定のドラムの回転速度に対応する周波数における振動の周波数成分を計算し、回転速度制御手段は、前記周波数成分の計算に基づいて回転速度を変化させる。これにより、衣類の状態を精度よく判断することができ、洗濯時に最適な叩き洗い時の回転数を算出することができる。
第4の発明は、特に、第3の発明において、周波数成分計算手段は、所定のドラムの回転速度に対応する周波数における振動の周波数成分を計算し、回転速度制御手段は、前記周波数成分の計算で得られた領域の重心を基準とし、回転速度を変化させる。これにより、衣類の状態を計算値で知ることができ、最適な叩き洗い状態を維持することが容易に判断できる。
第5の発明は、特に、第4の発明において、回転速度制御手段は、周波数成分の計算で得られた領域の重心を基準にして、左右の領域のモーメントを計算し、その大小で回転速度を変化させる。これにより、衣類の動きを的確に捉えることができ、かつ最適な叩き洗い状態を維持する回転制御を容易に行うことができる。
第6の発明は、特に、第5の発明において、回転速度制御手段は、周波数成分の計算で得られた領域の重心を基準にして、左右の領域のモーメントを計算し、左側の領域が右側の領域より大きい場合、回転速度を下げる。これにより、低周波側で回転が大きい場合になるので、高周波側に回転数を下げることにより、ドラムに張り付いた衣類を最適な叩き洗い状態に持っていくことができる。
第7の発明は、特に、第5の発明において、回転速度制御手段は、周波数成分の計算で得られた領域の重心を基準にして、左右の領域のモーメントを計算し、左側の領域が右側の領域より小さい場合、回転速度を上げる。これにより、高周波側で回転数が大きい場合になるので、低周波側に回転数を上げることにより、ドラムの下部でゴロゴロした衣類を最適な叩き洗い状態に持っていくことができる。
第8の発明は、特に、第1〜7の発明において、洗濯機の機能の少なくとも一部をコンピュータに実現させるためのプログラムである。プログラムであるので、電気・情報機器、コンピュータ等のハードリソースを協働させて用いることにより、本発明の機能の一部あるいは全部を容易に実現することができる。また、記録媒体に記録したり通信回線を用いてプログラムを配信したりすることでプログラムの配布やインストール作業が簡単にできる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における洗濯機の構成図である。図中に記載した本発明の主要な構成を順に説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態における洗濯機の構成図である。図中に記載した本発明の主要な構成を順に説明する。
図1において衣類などの洗濯物を収容し回転する洗濯槽としての回転ドラム3は、モータ4と結合しており、回転して洗濯物を洗浄する。回転ドラム3を回転させるためのモータ4はブラシレスモータ等で構成し、回転速度は可変であり、洗濯工程では正転・反転を繰り返す。ドラム1と水を収容する水槽3は、図1に示すように、ばね8aやダンパー8bなどの弾性支持機構8を介して筐体1に固定する。
水槽2の振動を検出する振動検出手段となる半導体加速度センサ6は、本実施の形態では、例としてドラムの正面に対して左右方向の振動(加速度)を検出するものとする。なお、加速度センサとしては、半導体加速度センサ、圧電型加速度センサなどのいずれでも良く、さらに多軸(2軸もしくは3軸)方向の加速度センサでも良い。実際の水槽の振動は、必ずしも一方向に限定できないので、3軸の加速度センサを用いて、3軸の加速度成分を加算して合計したもの、もしくは積算して利用するのが良い。
振動検出手段6で検出した振動(加速度)から、フーリエ変換処理を行い、モータの回転速度に対応する周波数成分を抽出する周波数成分計算手段9は、具体的にはマイコンで構成されており、振動検出手段6で得た信号から離散フーリエ変換(DFT)もしくは高速フーリエ変換(FFT)を行い、周波数成分の大きさを計算する。なお、ドラムの回転速度は、回転速度制御手段10から、回転時間は回転時間制御手段11から取得する。制御手段は、複数の回転数を周波数成分計算手段9で計算した振動の周波数成分を基に比較を行い、これらの大小により回転速度制御手段10により、モータ4の速度を変更する。
以上のように構成された洗濯機について、以下、その動作・作用を、図2〜図4を用いて説明する。
図2は、本発明の第1の実施形態における洗濯機の制御装置の構成図である。本洗濯機は、洗濯、すすぎ、脱水、乾燥に渡る一連の動作を指示入力と各部の動作状態の監視に基づいて制御する制御装置が設けられている。前記の制御装置は、交流電力31を整流器32により整流し、チョークコイル33及び平滑コンデンサ34からなる平滑回路により平滑化された直流電力を駆動電力として、インバータ回路26によりドラム駆動モータ4を回転駆動すると共に、入力設定手段21から入力される運転指示及び各検知手段により検知される運転状態の監視情報に基づいてドラム駆動モータ5の回転を制御し、負荷駆動手段39により給水弁14、排水弁13を制御する。
ドラム駆動モータ4は、3相巻線5a、5b、5cを有するステータと、8極の永久磁石を有するロータとを備え、3つの位置検出素子24a、24b、24cを設けた直流ブ
ラシレスモータとして構成され、スイッチング素子26a〜26fにより構成されたPWM制御インバータ回路26により回転制御される。
ラシレスモータとして構成され、スイッチング素子26a〜26fにより構成されたPWM制御インバータ回路26により回転制御される。
位置検出素子24a、24b、24cが検出するロータ位置検出信号は制御手段7に入力され、このロータ位置検出信号に基づいて駆動回路25によりスイッチング素子26a〜26fのオンオフ状態をPWM制御することにより、ステータの3相巻線5a、5b、5cに対する通電を制御してロータを所要回転速度で回転される。
なお、制御手段7は、3つの位置検出手段24a、24b、24cのいずれかの信号の状態が変わるたびにその周期を検出し、その周期によりロータの回転速度を算出するようになっている。また、図1および図2に示すように、水槽2の前上部に半導体加速度センサ(振動検出手段)6が取り付けられ、水槽の振動により加速度を検出して、それを信号処理して周波数スペクトラムを算出した後に、それらを比較してその大小を決め、さらに前後の回転数を比較して、その大小で次の回転数を決定する。
なお、半導体加速度センサ6は3方向の検出軸を持っており、水槽2の振動を3次元からなるモーションを捉えることができる。したがって、どの軸でも同じ処理方法でも判定結果には影響はない。
本洗濯機の振動検出手段6で得たドラムの振動データに対して周波数分析を行った結果を図3に示す。横軸は周波数[Hz]であり、縦軸はフーリエ振幅スペクトラムである。ドラム回転速度に対応する周波数は、回転数をNrpmした場合、N/60Hzとし、ドラム回転速度に搭載した攪拌突起12の個数(この実施の形態では3個)をかけた周波数となる。図3の(a)は37rpm時の周波数成分である。前記の計算式に当てはまると周波数は1.85Hzとなる。同様に図3の(b)で45rpmは2.25Hz、図3の(c)で53rpmは2.65Hzとなる。なお、水のみの場合は攪拌突起12の個数で決まるが、衣類の状態や重量によって、必ずしも同じ周波数成分に出力すると限らない。しかしながら、衣類の状態により十分考えられる状況なので、攪拌突起12の個数で周波数領域を計算している。
次に、図4を用いて回転数判定のフローについて説明する。
まず、ステップ100にて洗濯工程が始まると、ステップ101にて給水が始まる、そのあと所定の水位に達しているかどうかをステップ102で見て、達していればステップ103で洗濯の攪拌が始まる。もし、達していなかった場合もう一回所定の水位になるまでこの動作を行う。
次に、ステップ104にてドラム4が所定回転数で回転するようモータ4に指示を与える。このときの所定回転数を45rpmとする。ステップ105でタンブル回数4回を回転した時点で各タンブルの全周波数成分のスペクトラムの合計を計算し、4回の総和を値として出力する。なお、所定回転数およびタンブル回数は他のものでも同様な結果が得られる。すなわち、ここでは4回の総和としているが、それより数回増減した総和でもよい。
次にステップ106にて、ドラム4が比較回転数で回転するようモータ4に指示を与える。このときの比較回転数を49rpmとする。ステップ107でステップ105と同様な作業を行い、4回の総和を値として出力したあと、ステップ108にて2つの値を係数を掛けて比較を行う、このとき比較係数としては5%とする。なお、比較係数は15%以内であれば同様な結果が得られる。ステップ108にて比較した結果、比較回転数(49rpm)の総和の値が大きかった場合、ステップ110にて回転数比較を行う。このとき
比較を行うのは、45rpmと49rpmである。
比較を行うのは、45rpmと49rpmである。
回転数比較を行ったあと、比較回転数(49rpm)の方が大きかった場合は、ステップ111にて49rpmから回転数を上げる。もし、比較回転数が小さかった場合は、ステップ112にて比較回転数から回転数を下げる。次にステップ107と同様のタンブル作業を行い総和の値と回転数を随時更新して上記と同様の比較を行う。
ステップ108にて、2つの回転数の総和の値を比較した結果、比較回転数(49rpm)の総和の値が小さくて、ステップ109にて5%以内に入っていない場合は、ステップ116にて回転数比較を行う。もし比較回転数が大きかった場合は、ステップ113から回転数を下げる。もし、比較回転数が小さかった場合は、比較回転数から回転数を上げる。次にステップ107と同様な作業を行い総和の値と回転数を随時更新して上記と同様の比較を行う。
ステップ109にて5%以内に入っている場合、ステップ115にて比較回転数を維持してステップ107の動作を行う。このときは49rpmを維持して次のループを実行する。これらのループを実行するとき、常に新しいものを随時更新し以前のものを消去することによりマイコンの計算容量を確保している。
(実施の形態2)
図5は本発明の第2の実施の形態における回転数判定フローである。図にしたがって説明する。実施の形態1と同様のところは省略する。
図5は本発明の第2の実施の形態における回転数判定フローである。図にしたがって説明する。実施の形態1と同様のところは省略する。
まず、ステップ100にて洗濯工程が始まると、ステップ101にて給水が始まる、そのあと所定の水位に達しているかどうかをステップ102で見て、達していればステップ103で洗濯の攪拌が始まる。もし、達していなかった場合もう一回所定の水位になるまでこの動作を行う。
次に、ステップ104にて所定回転数をモータ4に指示を与える。このときの所定回転数を45rpmとする。ステップ105でタンブル回数4回を回転した時点で各タンブルの全周波数成分のスペクトラムの合計を計算し、4回の総和を値として出力する。なお、所定回転数およびタンブル回数は他のものでも同様な結果が得られる。
次にステップ106にて、比較回転数をモータ4に指示を与える。このときの比較回転数を49rpmとする。ステップ107でステップ105と同様な作業を行い、4回の総和を値として出力したあと、ステップ108にて2つの値を係数を掛けて比較を行う、このとき比較係数としては5%とする。なお、比較係数は15%以内であれば同様な結果が得られる。
ステップ108にて比較した結果、比較回転数(49rpm)の総和の値が大きかった場合、次に回転数を比較して、もしステップ117にて同回転数になった場合、ステップ119にて以前の回転数の状態を検知する。もし、上昇して総和の値が大きくなった場合、ステップ111にて比較回転数から回転数を上げる。もし、下降して総和の値が大きくなった場合、ステップ112にて比較回転数から回転数を下げる。
ステップ108にて、2つの回転数の総和の値を比較した結果、比較回転数の総和の値が小さく、ステップ109にて5%以内に入っていない場合、次に回転数を比較して、もしステップ118にて同回転数になった場合、ステップ120にて以前の回転数の状態を検知する。もし、上昇して総和の値が小さくなった場合、ステップ113にて比較回転すうから回転数を下げる。もし、下降して総和の値が小さくなった場合、ステップ114に
て比較回転数から回転数上げる。
て比較回転数から回転数上げる。
次にステップ107と同様な作業を行い総和の値と回転数を随時更新して上記と同様の比較を行う。ステップ109にて5%以内に入っている場合、ステップ115にて比較回転数を維持してステップ107の動作を行う。
(実施の形態3)
図6は第3の実施の形態における回転数判定フローチャートであり、図7は第3の実施の形態における回転数判定構成図である。図にしたがって説明する。実施の形態1ならびに実施の形態2と同様のところは省略する。
図6は第3の実施の形態における回転数判定フローチャートであり、図7は第3の実施の形態における回転数判定構成図である。図にしたがって説明する。実施の形態1ならびに実施の形態2と同様のところは省略する。
まず、ステップ100にて洗濯工程が始まると、ステップ101にて給水が始まる、そのあと所定の水位に達しているかどうかをステップ102で見て、達していればステップ103で洗濯の攪拌が始まる。もし、達していなかった場合もう一回所定の水位になるまでこの動作を行う。次にステップ200で初期回転数を設定して回転を行う、このとき45rpmに設定したあと、ステップ206にて加速度を検出して周波数分析を行ったあと、ステップ201にて比較回転数を設定する。このときの比較回転数は37rpmとする。同様にステップ206にて加速度検出して周波数分析を行う。なお、初期回転数と比較回転数は他の回転数にしても同様な効果が得られる。
次にステップ200初期回転数とステップ201比較回転数で回転して得られた周波数領域をすべての和もしくは積をして振動値を算出、ステップ202にてこれを比較する。もし比較回転数の振動値が大きかった場合、ステップ203にて重心を計算して左側と右側のモーメントを比較し、小さかった場合は比較する回転数のままでよい。
ここで、重心について説明する。図7では所定の衣類重量で計測した回転数37rpm、45rpm、53rpm時のスペクトラムである。横軸周波数[Hz]で縦軸は振動のスペクトラムである。なお、縦軸は桁の関係上倍率をあげている。それぞれの回転数の対応した重心を計算すると図7のようになる。今回重心について計算したが、計算方法についてはいろいろあり、ここで一例について説明する。まず、周波数成分計算手段で得られた周波数領域をある所定の個数に分割して格納する。その個数に対応したスペクトラム値を算出してその個数との積を求めたあと、その総和とする。これをスペクトラム値の総和で割ると重心が求まる。これを基準に左右のモーメントを求めてその比較を行う。
上記の計算方法で左右のモーメントを求めたあと、ステップ203で左右のモーメントを比較、もし左側の方が大きかった場合、低周波側で回転しているため、衣類状態は張り付いたままである。このときはステップ204にて回転数を下げる。もし左側が小さかった場合は、高周波側で回転しているため、衣類の状態はドラムの下部にてゴロゴロとした状態である。このときはステップ205にて回転数を上げる。今度は判定した回転の振動値がNewのデータとなり、ステップ201にて設定した回転の振動値がBaseのデータとなる。
(実施の形態4)
図8と図9は第4の実施の形態における回転数判定フローである。図にしたがって説明する。実施の形態1〜3と同様のところは省略する。
図8と図9は第4の実施の形態における回転数判定フローである。図にしたがって説明する。実施の形態1〜3と同様のところは省略する。
まず、ステップ100にて洗濯工程が始まると、ステップ101にて給水が始まる、そのあと所定の水位に達しているかどうかをステップ102で見て、達していればステップ103で洗濯の攪拌が始まる。もし、達していなかった場合もう一回所定の水位になるまでこの動作を行う。
次に、ステップ207にて複数の回転数、ここでは37rpm、41rpm、45rpm、49rpm、53rpmを順番に回転させ、ステップ208で回転毎に周波数成分を計算し、ステップ209でその大小を判定し、最適な回転数を判定する。最適な回転数が判定された場合、ステップ210にてその回転数でモータを駆動し、ステップ211にて次の工程を実施する。もし、周波数分析でその大小の差分がなかった場合、ステップ212にて予め設定しておいた所定回転数(現行回転数)に設定してステップ211にて次の工程を実施する。
なお、今回5種類の回転数でその大小を実施したが、30rpm〜60rpmまでの回転数で比較しても結果に影響はない。
また、図9を参考にしながら説明する。ステップ100にて洗濯工程が始まると、ステップ101にて給水が始まる、そのあと所定の水位に達しているかどうかをステップ102で見て、達していればステップ103で洗濯の攪拌が始まる。もし、達していなかった場合もう一回所定の水位になるまでこの動作を行う。
次に、ステップ207にて判定する複数の回転数、ここでは37rpm、41rpm、45rpm、49rpm、53rpmを順番に回転させ、ステップ208で回転毎に周波数成分を計算し、その大小を比較したあと、ステップ212にて最適な回転数で工程を実施する。ここで最新のデータをNewデータとし、その直前のデータをBaseデータとする。
ステップ213にてNewデータとBaseデータを比較し、NewデータがBaseデータより大きかった場合、ステップ214にてNewデータの回転数で次の工程を実施、もしNewデータがBaseデータより小さかった場合、ステップ215にてBaseデータの回転数で次の工程を実施する。これを繰り返し行うことにより、常に周波数成分の計算値が高いところ狙って洗浄することができるため、最適な回転数で衣類を洗うことができる。
なお、図4と図5に記載した「所定回転数」と図6に記載した「初期回転数」とは同様の意味を示す。
以上のように、本発明にかかる洗濯機、ドラム回転速度制御方法およびプログラムは、水槽振動の周波数成分からドラムの回転速度と回転時間を制御することができ、これにより洗濯物の張り付き状態やゴロゴロ状態を防ぐことができ、洗濯機の洗浄能力を向上させることができる。これは、家庭用の洗濯機だけでなく、洗濯乾燥機や業務用の洗濯機などに広く適用できる。
1 筐体
2 水槽
3 回転ドラム
4 モータ(駆動手段)
5 扉
6 半導体加速度センサ(振動検出手段)
7 制御手段
8a ばね(弾性支持機構)
8b ダンパー(弾性支持機構)
9 周波数成分計算手段
10 回転速度制御手段
11 回転時間制御手段
12 攪拌突起
2 水槽
3 回転ドラム
4 モータ(駆動手段)
5 扉
6 半導体加速度センサ(振動検出手段)
7 制御手段
8a ばね(弾性支持機構)
8b ダンパー(弾性支持機構)
9 周波数成分計算手段
10 回転速度制御手段
11 回転時間制御手段
12 攪拌突起
Claims (8)
- 洗濯物を収容して回転するドラムと、前記ドラムを収容しかつ筐体から弾性支持機構により支持された水槽と、前記ドラムを回転させるモータと、収容された洗濯物を引っ掛け持ち上げる攪拌突起と、前記水槽の振動を検出する振動検出手段と、洗浄、すすぎ、脱水、乾燥などの一連の工程を制御する制御手段と、前記振動検出手段で検出した振動に対して周波数成分を計算する周波数成分計算手段とを備え、前記制御手段は、前記周波数成分の大小に応じて前記モータの回転速度を変化させる回転速度制御手段を備え、前記周波数成分の計算により算出した値の大小に応じて前記モータの回転速度および回転時間を変化させるようにした洗濯機。
- 振動検出手段は、少なくともひとつ以上の加速度センサから構成され、水槽の上下、左右、前後の方向の少なくともひとつの振動成分を検出し、検出した方向毎の加速度、もしくは検出した方向毎の加速度の和または積を出力することを特徴とする請求項1記載の洗濯機。
- 周波数成分計算手段は、所定のドラムの回転速度に対応する周波数における振動の周波数成分を計算し、回転速度制御手段は、前記周波数成分の計算に基づいて回転速度を変化させることを特徴とする請求項1または2記載の洗濯機。
- 周波数成分計算手段は、所定のドラムの回転速度に対応する周波数における振動の周波数成分を計算し、回転速度制御手段は、前記周波数成分の計算で得られた領域の重心を基準とし、回転速度を変化させることを特徴とする請求項3記載の洗濯機。
- 回転速度制御手段は、周波数成分の計算で得られた領域の重心を基準にして、左右の領域のモーメントを計算し、その大小で回転速度を変化させることを特徴とする請求項4記載の洗濯機。
- 回転速度制御手段は、周波数成分の計算で得られた領域の重心を基準にして、左右の領域のモーメントを計算し、左側の領域が右側の領域より大きい場合、回転速度を下げることを特徴とする請求項5記載の洗濯機。
- 回転速度制御手段は、周波数成分の計算で得られた領域の重心を基準にして、左右の領域のモーメントを計算し、左側の領域が右側の領域より小さい場合、回転速度を上げることを特徴とする請求項5記載の洗濯機。
- 請求項1〜7に記載の洗濯機の少なくとも一部をコンピュータに実現させるためのプログラム。
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