JP4877062B2 - 共押出多層フィルム及び該フィルムからなる包装材 - Google Patents

共押出多層フィルム及び該フィルムからなる包装材 Download PDF

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Description

本発明は、易開封性に優れ、ピロー包装用として適度な剛性と耐熱性を有し、さらに、低温下での結束包装にも耐えうる耐寒性を有する共押出多層フィルムに関する。
従来の菓子パン等のピロー集積包装では、一般に無延伸ポリプロピレン系フィルム(CPP)が使用されており、包装袋の開口部を、ひねって固定する結束具、即ちスリットを有する約2cm四方のプラスチック板、テープ、ひも等により結束した状態で販売されている。内容物が複数個のロールパンである場合や、単数個であっても大きなものの場合は、利便性を良くするため、再封が可能な結束具により何度も開閉できる形態の包装が多く使用されている。
しかし、現行の無延伸ポリプロピレン系フィルムをピロー包装用フィルムとして用いて、高温でヒートシールした際にシール強度が高くなり、包装がきれいに開封できない、あるいは開封時にシール部以外の部分が破け、結束具での再封が困難な場合があった。また、低温でシールした場合でも、シール部の易開封性の安定性に劣り、シール強度が弱い場合には、包装時及び輸送時にシール部が開封し、結束部の隙間から虫等による異物混入の可能性があった。
一方、ヒートシール層にエチレン系重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体あるいはプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体等を用いることにより、易開封性を付与することが提案されている。例えば、ヒートシール層として融点が158℃以上のプロピレン重合体(A)20〜80重量%と密度が0.860〜0.930g/cmのエチレン系重合体(B)80〜20重量%とのプロピレン重合体組成物から得られる樹脂層を備えた易開封性積層フィルムが知られている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、この易開封性積層フィルムは、主成分がポリプロピレンであるため、耐寒性が不充分で、低温下で結束具により結束する際に、結束部分で破袋を起こす問題があった。
そこで、低温下で結束具により結束しても破袋しない耐寒性を有し、さらに、包装適性を損なうことのない剛性を有し、さらに易開封性に優れたフィルムが強く望まれている。
特開2003−127298号公報
本発明の課題は、集積包装用ピロー包装用フィルムとして用いることができ、容易に手で開封できる易開封性と低温下で結束具により結束しても破袋しない耐寒性を有し、さらに包装適性を損なうことのない剛性を有した共押出多層フィルムを提供することである。
発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、融点150〜170℃のプロピレン系樹脂を主成分として造核剤を含有する表面層(A)と、直鎖状低密度ポリエチレンを主成分とする中間層(B)と、低密度ポリエチレン(c1)65〜85質量%及びエチレン−ブテン−1共重合体ラバー(c2)15〜35質量%からなる中間層(C)と、プロピレン−αオレフィン共重合体を主成分とするシール層(D)との4層からなり、これら4つの層を表面層(A)/中間層(B)/中間層(C)/シール層(D)の順で積層した共押出多層フィルムを、ピロー集積包装用フィルムとして用いると、充分なヒートシール強度を有し、易開封性に優れ、低温下で結束具により結束しても破袋しない耐寒性を有し、かつ包装適性が良好であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、融点150〜170℃のプロピレン系樹脂(a)を主成分とし、造核剤を含有する表面層(A)と、直鎖状低密度ポリエチレン(b)を主成分とする中間層(B)と、低密度ポリエチレン(c1)65〜85質量%及びエチレン−ブテン−1共重合体ラバー(c2)15〜35質量%からなる中間層(C)と、プロピレン−α−オレフィン共重合体(d)を主成分とするシール層(D)からなり、前記表面層(A)、中間層(B)、中間層(C)及びシール層(D)が、(A)/(B)/(C)/(D)の順で積層されていることを特徴とする共押出多層フィルムを提供するものである。
本発明の共押出多層フィルムは、従来のピロー集積包装用フィルムと比較して、容易に手で開封できる易開封性を有し、低温下で結束具により結束しても破袋しない耐寒性を有し、かつ包装適性が良好である。したがって、各種食品包装用フィルムとして用いることができ、特にロールパン等の集積包装に使用されるピロー包装用フィルムとして好適に用いることができる。
本発明の共押出多層フィルムは、表面層(A)、中間層(B)、中間層(C)及びシール層(D)が、(A)/(B)/(C)/(D)の順で積層されたものであるが、各層に用いる樹脂は以下のものである。
表面層(A)は、融点150℃〜170℃のプロピレン系樹脂(a)を主成分とする樹脂層である。このプロピレン系樹脂(a)としては、例えば、プロピレン単独重合体;プロピレン−エチレンランダム共重合体、ポリエチレン−ポリプロピレンブロック共重合体、プロピレンとエチレン以外のα−オレフィンとのランダム共重合体等のプロピレン系共重合体などが挙げられる。これらのプロピレン系樹脂(a)は、前記表面層(A)中に80〜100質量%含有(その他の樹脂は0〜20質量%含有)することが好ましく、95〜100質量%含有(その他の樹脂は0〜5質量%含有)することがより好ましい。また、前記プロピレン系樹脂(a)の中でも、プロピレン単独重合体が好ましい。また、本発明で用いるプロピレン系樹脂(a)は、融点が150℃〜170℃のものであるが、融点が158〜165℃のものがより好ましい。
さらに、前記プロピレン系樹脂(a)に、耐熱性及び剛性を向上させるために、造核剤を配合する。この造核剤としては、プロピレン系樹脂に対して核となって結晶を成長させる効果を有するものであれば良く、例えば、パラ−t−ブチル安息香酸−アルミニウム塩、安息香酸のナトリウム塩、安息香酸のカリウム塩等の有機カルボン酸の金属塩;3−メチルブテン−1、ビニルシクロアルカン等の重合体からなる高分子核剤などが挙げられる。これらの造核剤の中でも、3−メチルブテン−1の重合体からなる高分子核剤及びパラ−t−ブチル安息香酸−アルミニウム塩は、耐熱性を大きく向上できるので好ましい。また、この高分子核剤の配合量としては、質量基準で100〜800ppmの範囲が好ましい。
中間層(B)は、直鎖状低密度ポリエチレン(b)を主成分とする樹脂層である。直鎖状低密度ポリエチレン(b)としては、密度が0.880〜0.950g/cmのものが挙げられ、特に、密度が0.900〜0.930g/cmであるものが好ましい。
中間層(B)に用いる直鎖状低密度ポリエチレン(b)は、主として、中圧法又は低圧法により製造される直鎖状エチレン−α−オレフィン共重合体である。この原料となるα−オレフィンとしては、炭素原子数3〜12のα−オレフィンが好ましく、具体的にはプロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、4−メチルペンテン−1等が挙げられる。直鎖状エチレン−α−オレフィン共重合体の密度は、エチレンとα−オレフィンとの比率を変化させることで調整することができる。
また、前記中間層(B)には、直鎖状低密度ポリエチレン(b)以外に、低温衝撃強度を損なわない範囲で、その他の樹脂として、例えば、プロピレン系樹脂、プロピレン−α−オレフィン共重合体等のオレフィン系樹脂、オレフィン系樹脂フィルムの製造の際に発生するフィルム端部からなる回収物(以下、「回収物」という。)を用いることができる。
中間層(C)は、低密度ポリエチレン(c1)及びエチレン−ブテン−1共重合体ラバー(c2)からなる樹脂層である。低密度ポリエチレン(c1)としては、密度が0.910〜0.930g/cmのものが挙げられ、特に、密度が0.915〜0.925g/cmであるものが好ましい。
前記エチレン−ブテン−1共重合体ラバー(c2)としては、ブテン−1由来成分の含有率が5〜20質量%の共重合体であることが好ましく、7〜15質量%の共重合体であることがより好ましい。また、エチレン−ブテン−1共重合体ラバー(c2)の融点としては、60〜145℃であることが好ましく、密度としては0.890〜0.930g/cmであることが好ましい。
また、前記中間層(C)で用いる前記低密度ポリエチレン(c1)と前記エチレン−ブテン−1共重合体ラバー(c2)との配合比としては、シール層(D)との層間接着強度が適度に低くすることで易開封性が付与でき、さらに適度なシール強度を保持できることから、質量比で(c1)/(c2)が65/35〜85/15であることが好ましく、80/20〜70/30であることがより好ましい。
シール層(D)は、プロピレン−α−オレフィン共重合体(d)を主成分とする樹脂層である。ここで用いるプロピレン−α−オレフィン共重合体(d)としては、例えば、プロピレン−ブテン−1ランダム共重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1ランダム共重合体、ポリプロピレンとポリエチレンとからなるブロック共重合体等が挙げられる。これらプロピレン−α−オレフィン共重合体(d)の中でも、低温シール性、剛性に優れるフィルムが得られることから、プロピレン−ブテン−1ランダム共重合体が好ましい。また、プロピレン−ブテン−1ランダム共重合体のブテン−1由来成分含有率は、10〜30重量%の範囲が好ましく、15〜25重量%の範囲がより好ましい。さらに、このプロピレン−α−オレフィン共重合体(d)は、融点が125〜140℃の範囲のものが好ましい。
前記中間層(C)の厚さは、1.5〜4μmが好ましく、特に包装袋の易開封性を向上するためには、1.0〜3.0μmであることがより好ましい。また、前記ヒートシール層(D)の厚さは、2.0〜4.5μmであるが、特に包装体の安定したシール強度と易開封性を向上するためには、2.5〜4.0μmであることがより好ましい。
また、本発明の共押出多層フィルムの全体の厚さは、特に限定されないが、通常20〜50μmが好ましく、中でも25〜40μmがより好ましい。また、前記中間層(C)と前記シール層(D)の合計の厚さは、3〜8μmが好ましいが、特に包装袋とした場合に適度なシール強度が得られ、易開封性も良好なフィルムが得られることから、中間層(B)とシール層(C)の合計の厚さは3〜5.5μmであることがより好ましい。
さらに、本発明の共押出多層フィルムは、表面層(A)/中間層(B)/中間層(C)/シール層(D)の順に積層された4層フィルムであるが、中間層(B)には共押出多層フィルムの製造の際に発生するフィルム端部からなる回収物を一部再利用する場合があるため、フィルム全体の厚さに対する中間層(B)の厚さの比率は、通常30〜65%が好ましく、さらに好ましくは35〜55%である。
本発明の共押出多層フィルムは、そのまま用いても良いが、印刷適性を向上のために表面層(A)にコロナ放電処理をしても良い。また、本発明の共押出多層フィルムの各層の中には、必要に応じて酸化防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、着色剤、シリカなどの添加剤等を適宜添加しても良い。
本発明の共押出多層フィルムの製造方法は、共押出成形法であればよく、特に限定されないが、例えば、3台以上の押出機を用いて溶融押出する、共押出多層ダイス法、フィードブロック法等の公知の共押出法により溶融状態で積層した後、インフレーション、Tダイ・チルロール法等の方法で長尺巻フィルムに加工する方法が好ましい。
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。なお、例中の部及び%は、特に断りのない限りすべて質量基準である(ただし、1%接線モジュラスを除く。)。
(実施例1)
表面層(A)用樹脂として、プロピレン単独重合体(以下、「HOPP」という。)〔密度:0.900g/cm、融点:162℃、MFR(測定温度230℃、荷重21.18N):9g/10分〕に、造核剤として3−メチルブテン−1の重合体を質量基準で400ppmを添加した混合物を用いた。また、中間層(B)用樹脂として、直鎖状エチレン−αオレフィン共重合体(以下、「LLDPE」という。)〔密度:0.920g/cm、MFR(測定温度190℃、荷重21.18N):4g/10分〕を用いた。中間層(C)用樹脂として、低密度ポリエチレン(以下、「LDPE」という。)〔密度:0.910g/cm、MFR(測定温度190℃、荷重21.18N):8g/10分〕70部と、エチレン−ブテン−1ランダム共重合体(以下、「EBR」という。)〔ブテン−1由来成分含有率:10%、密度:0.880g/cm、融点:67℃、MFR(測定温度190℃、荷重21.18N):3.5g/10分〕30部との混合物を用いた。さらに、シール層(D)用樹脂として、プロピレン−ブテン1共重合体〔ブテン1由来成分含率:23.0%、密度:0.900g/cm、融点:132℃、MFR(測定温度230℃、荷重21.18N):7g/10分〕用いた。各層用樹脂をそれぞれ4台の押出機に供給し、表面層(A)、中間層(B)及び(C)、シール層(D)の平均厚さが、それぞれ12μm、12μm、2.4μm及び3.6μmとなるように共押出して、厚さ30μmの4層からなる共押出多層フィルムを得た。次いで、共押出多層フィルムの表面層(A)の表面を、表面エネルギーが36mN/mになるようにコロナ放電処理を施した。
(実施例2)
実施例1の中間層(C)の混合比率を、LDPE80部/EBR20部に代え以外は実施例1と同様に行い、厚さ30μmの4層からなる共押出多層フィルムを得た。次いで、得られた共押出多層フィルムの表面層(A)の表面を、実施例1と同様に表面エネルギーが36mN/mになるようにコロナ放電処理を施した。
(実施例3)
実施例1のシール層(D)として用いたプロピレン−ブテン1共重合体の代わりに、プロピレン−エチレン−ブテン−1ランダム共重合体〔エチレン由来成分含率:4.5%、ブテン1由来成分含率:4.0%、密度:0.900g/cm、融点:127℃、MFR(測定温度230℃、荷重21.18N):7g/10分〕を用いた以外は、実施例1と同様に行い、厚さ30μmの4層からなる共押出多層フィルムを得た。次いで、得られた共押出多層フィルムの表面層(A)の表面を、実施例1と同様に表面エネルギーが36mN/mになるようにコロナ放電処理を施した
(比較例1)
実施例1の中間層(C)の混合比率を、LDPE60部/EBR40部に代えた以外は実施例1と同様に行い、厚さ30μmの4層からなる共押出多層フィルムを得た。次いで、得られた共押出多層フィルムの表面層(A)の表面を、実施例1と同様に表面エネルギーが36mN/mになるようにコロナ放電処理を施した。
(比較例2)
実施例1の中間層(C)の混合比率を、LDPE90部/EBR10部に代え以外は実施例1と同様に行い、厚さ30μmの4層からなる共押出多層フィルムを得た。次いで、得られた共押出多層フィルムの表面層(A)の表面を、実施例1と同様に表面エネルギーが36mN/mになるようにコロナ放電処理を施した。
(比較例3)
実施例1の中間層(C)を除き、表面層(A)、中間層(B)、シール層(D)の3層構成とし、表面層(A)、中間層(B)、シール層(D)の平均厚さが、それぞれ13.5μm、12μm、4.5μmとなるように共押出して、厚さ30μmの3層からなる共押出多層フィルムを得た。次いで、共押出多層フィルムの表面層(A)の表面を、表面エネルギーが36mN/mになるようにコロナ放電処理を施した。
(比較例4)
実施例1で中間層(B)として用いたLLDPEに代え、HOPP〔密度:0.900g/cm、融点:162℃、MFR(測定温度230℃、荷重21.18N):9g/10分〕を用いた以外は、同一の樹脂を使用した。各層用樹脂をそれぞれ4台の押出機に供給し、表面層(A)、中間層(B)及び(C)、シール層(D)の平均厚さが、それぞれ6μm、21μm、1.5μm及び1.5μmとなるように共押出して、厚さ30μmの4層からなる共押出多層フィルムを得た。次いで、得られた共押出多層フィルムの表面層(A)の表面を、実施例1と同様に表面エネルギーが36mN/mになるようにコロナ放電処理を施した。
(比較例5)
実施例2の表面層(A)とした用いたHOPPに代え、プロピレン−エチレンランダム共重合体(以下、「COPP」という。)〔密度:0.900g/cm、融点:140℃、MFR(測定温度230℃、荷重21.18N):9g/10分〕を用いた以外は、同一の樹脂を使用した。各層用樹脂をそれぞれ4台の押出機に供給し、表面層(A)、中間層(B)及び(C)、シール層(D)の平均厚さが、それぞれ6μm、21μm、1.5μm及び1.5μmとなるように共押出して、厚さ30μmの4層からなる共押出多層フィルムを得た。次いで、得られた共押出多層フィルムの表面層(A)の表面を、実施例1と同様に表面エネルギーが36mN/mになるようにコロナ放電処理を施した。
実施例、比較例で得られた共押出多層フィルムについて、シール強度、易開封性、衝撃強度(耐寒性)、剛性(1%接線モジュラス)、包装適性の評価を、以下のように行った。
(シール強度の測定及び評価)
上記で得られた共押出多層フィルムの2枚をシール層同士が接するように重ね合わせ、温度130℃、140℃、圧力0.2MPaで幅10mmのシールバーにより、1.0秒間ヒートシールした後、放冷し、次いでヒートシールしたフィルムから15mm幅の試験片を切り取り、23℃、引張速度300mm/分の条件で、テンシロン引張試験機〔株式会社エー・アンド・デー製〕で引き剥がす時の最大荷重を測定し、その最大荷重をシール強度(単位:N/15mm)とした。また、シール強度は、開封性が良好な場合でも、一定数値以上のシール強度が無ければ、商品陳列あるいは輸送時にシール部が開封し、シール不良となる場合がある。そこで、充分な数値を保持したシール強度として、上記測定で得た値から、次の基準で評価した
○:シール強度数値が2.0N/15mm以上のもの。
×:シール強度数値が2.0N/15mm未満のもの。
(易開封性)
上記で得られた共押出多層フィルムを用い、シール層が内側になるようにして横ピロー包装機〔フジキカイ株式会社製「FW−3400/B αV」〕にセットし、底部の上シールバー温度140℃、下シールバー温度140℃、センター(背貼り部)シール温度を140℃、製袋速度60個/分の条件で、ピロー包装袋(縦180mm、横150mm)を作製した。この包装袋について易開封性について次の基準で評価した。
○:手で簡単に開封可能なもの。
×:手で開封が不可能なもの。
(衝撃強度の測定及び耐寒性の評価)
上記で得られた共押出多層フィルムを用い、23℃または0℃に状態調整された恒温室内で、サンプルを6時間保持した後、直径25.4mmの球状の衝撃頭を用いてフィルムインパクト法で測定した。また、当フィルムを低温下で使用した場合、一定数値以上の衝撃強度を保持していなければ、結束時または輸送時に、破袋の問題を引き起こす可能性がある。そこで、耐寒性として、上記測定で得た値から、次の基準で評価した。
○:衝撃強度(0℃)が0.15N/15mm以上のもの。
×:衝撃強度(0℃)が0.15N/15mm未満のもの。
(剛性の測定)
ASTM D−882に基づき、23℃における1%接線モジュラス(単位:MPa)を、フィルム製造時の押出方向(以下、「MD」という。)について、テンシロン引張試験機〔株式会社エー・アンド・デー製〕を用いて測定した。
(包装適性の評価)
上記で得られた共押出多層フィルムを前記横ピロー包装機で包装する場合、横ピロー包装機でフィルムを送る際に、フィルムが一定以上の剛性(1%接線モジュラス)を有していないと、センターシールのズレやのシワの発生により、包装不良が発生しやすくなる。そこで、包装適性を、上記で得た1%接線モジュラスの値から、以下の基準で評価した。
○:1%接線モジュラスが600MPa以上のもの。
×:1%接線モジュラスが600MPa未満のもの。
上記の測定及び評価で得られた結果を表1に示す。
Figure 0004877062
表1に示した結果から以下のことが分かった。
実施例1、2及び3は、本発明の共押出多層フィルムを用いた例であるが、充分なヒートシール強度を有し、易開封性が良好で、耐寒性と剛性のバランスに優れ、包装適性が良好であることが分かった。
比較例1は、実施例1から中間層(C)の混合比率を、本願規定の範囲外であるLDPE60部/EBR40部に代えた共押出多層フィルムの例であるが、シール強度がやや高く、易開封性が不充分であることが分かった。
比較例2は、実施例1から中間層(C)の混合比率を、本願規定の範囲外であるLDPE90部/EBR10部に代えた共押出多層フィルムの例であるが、シール強度が低いことが分かった。
比較例3は、実施例1の中間層(C)を除き、表面層(A)、中間層(B)、シール層(D)の3層構成とした例であるが、シール強度が高く過ぎ、易開封性が不充分であることが分かった。
比較例4は、実施例1で中間層(B)として用いたLLDPEに代え、HOPPを使用した例であるが、衝撃強度が低く、耐寒性が不充分であることが分かった。
比較例5は、実施例1で表面層(A)として用いたHOPPに代え、COPPを使用した例であるが、剛性が低く、包装適性が不充分であることが分かった。

Claims (5)

  1. 融点150〜170℃のプロピレン系樹脂(a)を主成分とし、造核剤を含有する表面層(A)と、直鎖状低密度ポリエチレン(b)を主成分とする中間層(B)と、低密度ポリエチレン(c1)65〜85質量%及びエチレン−ブテン−1共重合体ラバー(c2)15〜35質量%からなる中間層(C)と、プロピレン−α−オレフィン共重合体(d)を主成分とするシール層(D)からなり、前記表面層(A)、中間層(B)、中間層(C)及びシール層(D)が、(A)/(B)/(C)/(D)の順で積層されていることを特徴とする共押出多層フィルム。
  2. 前記造核剤のポリプロピレン(a)中の含有量が、100〜800ppmである請求項1記載の共押出多層フィルム。
  3. 前記造核剤が、ポリ(3−メチル−ブテン−1)又はパラ−t−ブチル安息香酸アルミニウム塩である請求項1又は2記載の共押出多層フィルム。
  4. 前記中間層(C)及びシール層(D)の厚さが、それぞれ1.5〜4μmであり、かつ前記表面層(A)、中間層(B)、中間層(C)及びシール層(D)の合計厚さが20〜50μmである請求項1〜3のいずれか1項記載の共押出多層フィルム。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項記載の共押出多層フィルムからなることを特徴とする包装材。
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