JP4873147B2 - フッ素含有化合物ガスの処理装置および処理方法 - Google Patents

フッ素含有化合物ガスの処理装置および処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、触媒を利用してPFC(Per Fluoro Compounds:過フッ素化合物)などのフッ素含有化合物ガスを処理するガス処理装置およびガス処理方法に関する。
半導体や液晶の製造プロセスでは、例えば、CF4、C26、SF6、NF3などのPFCが、ドライエッチング用ガスおよび成膜装置のクリーニングガスとして多く用いられている。しかし、PFCは地球温暖化係数がCO2に比べて格段に高いため、PFCの排出量を削減することが世界的に求められている。
そこで、PFCを分解する様々な方法および装置が提案され実用化されている。
例えば特許文献1には、半導体エッチング工程で用いられたフッ素化合物ガスのための分解装置が開示されている。この分解装置は、フッ素化合物ガスが導入される予熱器と、予熱器の後段に配された反応器とを有している。予熱器の外側にはヒータが配置されており、分解装置に導入されたフッ素化合物ガスは、まず、この予熱器で加熱される。反応器の内部には、アルミニウム原子を含む触媒が充填されている。予熱器で加熱されたフッ素化合物ガスは、次いで、反応器内で触媒と接触することによって分解され、分解によって生成されたガスが反応器から排出される。
また、特許文献2には、フッ素化合物ガスを分解するのに用いられる反応剤を収容した反応器の内部にヒータを設置した分解装置が開示されている。
特開2001−224926号公報([0038]、図10) 特開平10−15349号公報([0031]、図4)
触媒を利用してフッ素化合物ガスを分解する場合、そのガスの分解反応率は触媒の温度に影響される。また、分解反応は、通常、発熱反応または吸熱反応であるため、熱の移動により部分的に温度の偏りが生じやすい。そこで、安定した分解反応をエネルギーの無駄がないように生じさせるためには触媒の温度をできるだけ均一に制御することが望ましい。
触媒の温度に着目すると、特許文献1に開示された分解装置では、フッ素化合物ガスを予熱器の外側から加熱して反応器へ供給している。この場合、フッ素化合物ガスは予熱器で十分に加熱された状態で反応器へ供給される。
しかし、予熱器の外壁近傍では温度が高いが外壁から離れるにつれて温度が低下するように、フッ素化合物ガスに温度分布が生じる。温度分布を有するフッ素化合物ガスが反応器に導入される結果、反応器内の触媒にも温度分布が生じ、反応のムラにより全体としてのエネルギーの効率が低下する。このことは、単位時間当りのフッ素化合物ガスの流量が大きくなればなるほど、および予熱器のフッ素化合物ガスの流れ方向に直交する断面の寸法が大きくなればなるほど、顕著になる。
フッ素化合物ガスを所定の温度まで均一に予熱するためには、予熱空間を長くしたり、予熱器を充填層にしたりすることも考えられる。しかしこの場合は、充填物重量が増大し、分解装置容積も大きくなるため以下のような問題点がある。
(1)分解装置の表面積が大きくなり、必要電気容量が大きくなる。
(2)充填物重量(分解装置重量)が増大し、所定温度までの昇温時間(立ち上げ時間)が多くかかる。
(3)半導体製造プロセスでの排ガスの処理に用いる場合、排ガスの流量が一定ではなく変動するため、充填層の温度分布または装置重量が大きいと、温度制御が難しくなる。
(4)温度制御方法としては、充填層の温度を検出し、ヒータ取り付け部近傍の外壁温度をPID制御方式等でコントロールする方法が通常は用いられる。しかし、充填層と外壁との間に大きな熱抵抗があるため、特にガス流量の変動が多い半導体製造プロセスでは、変動に対して温度を最適に維持することが難しい。
特許文献2に開示された分解装置は、反応剤を収納した反応器の内部にヒータを設置しているので、コンパクトな設計で触媒層を加熱することは可能である。しかしこの場合は、ヒータの表面でフッ素化合物ガスの分解反応が起こり、その結果として生じる腐食性ガスなどによってヒータの機能が損なわれてしまう。ヒータの機能を長期にわたって維持するためには、ヒータの交換や修理といったメンテナンスを頻繁に行う必要がある。ヒータは反応器の内部に設置されているので、ヒータのメンテナンス作業は特に繁雑である。
なお、特許文献2ではヒータを耐食耐熱性のカバーで被覆しているが、これではヒータの性能が十分に発揮されない。したがって、反応器の内部にヒータを設置することは、あまり現実的ではない。
本発明の目的は、ヒータのメンテナンスが容易な外側からの加熱方式を採用しつつ、高い熱効率で温度応答性に優れ、触媒を均一に加熱し、フッ素含有化合物ガスを安定して処理することのできる、特にコンパクトなガス処理装置およびガス処理方法を提供することである。
本発明のガス処理装置は、フッ素含有化合物ガスを触媒層に流通させて処理するガス処理装置であって、外管と、外管の内側に位置する内管と、内管内に設けられた触媒層と、外管に取り付けられたヒータと、を有する。外管は、一端部から化合物ガスが導入され、他端が閉鎖されている。内管は、一端側にガス排出部を有し、他端および外周面をそれぞれ外管の他端および内周面と間隔をあけて対向させて、外管の内側に位置している。触媒層は、内管の他端部から一端に向かう中間位置まで内管内に充填されている。ヒータは、触媒層を取り囲んで外管の外周面に取り付けられている。
上記のとおり構成された本発明のガス処理装置では、外管に導入された化合物ガスは、外管の内周面と内管の外周面との間を通って流れ、外管の他端でUターンして内管内に送られる。この間、化合物ガスは、内管内を流れるガスとの熱交換、および外管の外側に設けられたヒータからの熱によって予熱される。内管内に送られた化合物ガスは、触媒層を通過し、その間に分解されてガス排出部から排出される。一方、ヒータは、外管の内周面と内管の外周面との間に形成される隙間を介して、内管内の触媒層を間接的に加熱する。ヒータによる触媒層の加熱は、輻射伝熱による加熱が支配的となる。このように、触媒層は、ヒータからの輻射伝熱、および外管を通って予熱されたガスが通過することによって、均一に加熱される。
外管と内管との間での化合物ガスの流れを阻害せず、かつヒータによる触媒層の輻射伝熱を効果的に発揮させるためには、触媒層での空塔ガス流速をU1、外管内でのガス流速をU2としたとき、U2/U1が0.5以上50以下になるように、外管の内周面と内管の外周面との隙間が規定されていることが好ましい。
また、外管は、外管内に化合物ガスを導入するためのガス導入部を有し、ガス導入部は、外管内に導入された化合物ガスが外管の周方向に沿った旋回流を形成して流れるように構成されていることが好ましい。これにより、化合物ガスが触媒層に導入されるまでの間に、化合物ガスが十分に加熱される。
さらに本発明のガス処理装置は、化合物ガスがPFCを含むガスである場合に好ましく用いられ、この場合、触媒層に含まれる触媒はPFCを分解するのに適した触媒である。PFCを分解することによって腐食性ガスが生成されるが、本発明のガス処理装置では外管はPFCの分解によって生じた腐食性ガスとは接触しない。従って、外管をステンレス材で構成することができる。また、本発明のガス処理装置がPFCの分解に用いられる場合、PFCの分解によって生成された腐食性ガスを処理する二次ガス処理部をさらに有していてもよい。二次ガス処理部は、内管のガス排出部から排出されたガスが直接導入されるように内管と一体化されていることが好ましい。
本発明のガス処理方法は、フッ素含有化合物ガスを触媒層に流通させて処理するガス処理方法であって、上述した本発明のガス処理装置を使用して、ガス処理装置のヒータを駆動して触媒層を加熱しながら、処理装置の外管の一端部から、外管内へ化合物ガスを導入し、導入された化合物ガスを内管のガス排出部から排出する。上記のガス処理方法において、外管内に導入された化合物ガスは、外管内にて外管の一端側から他端側へ流れ、他端側で内管に送られ、加熱されている触媒層を通過することで分解される。分解によって生じた処理ガスが、ガス排出部から排出される。
このように、本発明のガス処理方法では、上述した本発明のガス処理装置を用いているので、触媒層が均一に加熱される。
また、本発明のガス処理方法において、外管内へ導入した化合物ガスに、外管内で外管の周方向に沿った旋回流を生じさせることが好ましい。
本発明によれば、触媒層を外側から加熱する構成としつつも、高い熱効率で温度応答性に優れているため、触媒層を均一に加熱することができ、化合物ガスの処理を安定してかつ効率よく行うことができる。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1を参照すると、触媒を利用してフッ素含有化合物ガスを分解する、本発明の一実施形態によるガス処理装置1が模式的に示されている。このガス処理装置1は、例えば、半導体の製造に用いられるドライエッチング装置から排出されるガスの分解に用いられる。半導体のエッチング工程ではPFCを含有するガスがエッチングガスとして用いられる。ガス処理装置1は、このPFCを分解する。以下に、図1に示すガス処理装置1について詳細に説明する。
ガス処理装置1は、PFCを含有するガスが供給され、供給されたガスに含まれるPFCを加水分解して排出するPFC反応部10と、PFC反応部10から排出されたガスに含まれる酸性ガスを無害化して排出する二次ガス処理部18とを有する。本形態では、PFC反応部10と二次ガス処理部18とは導管19によって接続されている。
PFC反応部10は、外管11と内管12とを有する。外管11は、円筒状の部材であり、その一方の端(図1では下端)は閉鎖されている。外管11の上端部には、PFCを含有するガスを水とともに外管11内に導入するためのガス導入管15が接続されている。
内管12は、外管11の内径よりも小さな外径を有する円筒状の部材であり、その上端部を外管11から突出させた状態で外管11の内部に挿入されている。外管11の上端では、内管12とのすき間を閉鎖するように、外管11と内管12とが、例えば溶接等によって気密に接合されている。内管12の上端部にはガス排出管16が接続されている。ガス排出管16は、導管19と接続されている。内管12の下端には通気性プレート14が取り付けられている。通気性プレート14は、例えば、多数の貫通孔が形成されたパンチングプレートまたはメッシュ部材などで構成することができる。
内管12は、通気性プレート14が外管11の底面と間隔をあけて対向する位置まで外管11内に挿入されることによって、通気性プレート14が取り付けられた側を外管11の内部に位置させて支持されている。つまり、内管12は、通気性プレート14が底壁となる姿勢で支持されている。
内管12の中心軸は外管11の中心軸と一致している。したがって、外管11の内部では、内管12の外面は外管11の内面と内管12の周方向全周にわたって均一な隙間Cを介して対向している。
内管12の内部には触媒が収納されている。触媒は、通気性プレート14上に支持されて、通気性プレート14から内管12の軸方向中間の高さH1までの部分に充填されている。これによって、内管12の下部に触媒層13が形成される。触媒としては、PFCを分解するのに適したものであれば特に限定されず、例えば、アルミナ系の触媒を用いることができる。なお、内管12の内部に収納された触媒を上方から保持するために、内管12の内部にもう1つの通気性プレート(不図示)を、触媒層13を覆って設けてもよい。
一方、外管11の外側には、外管11内に導入されたガスを予熱するため、および内管12内に収納されている触媒を加熱するための、電熱式のヒータ17が設けられている。ヒータ17は環状であり、外管11の外周面を全周にわたって取り囲み、かつ外管11の外周面に密着して設置されている。また、外管11の軸方向でのヒータ17の寸法と触媒層13の高さH1との関係は、設計に応じて流動的ではあるが、ヒータ17が触媒層13を取り囲むように外管11の軸方向について触媒層13と対応する位置に設置されるように、ヒータ17の寸法を、触媒層13の高さH1と概ね等しいか、それ以上(好ましくは1.2〜2.0倍)とすることが好ましい。
ヒータ17の種類は、PFCの分解に適した温度まで触媒を加熱することができるものであれば特に限定されない。例えばPFCの一種であるCF4を分解する場合、触媒を400〜900℃、特に、約700℃以上に加熱すれば、ほぼ100%の分解率が得られる。よって、ヒータ17としては、800℃程度まで発熱する能力を有するものを好ましく用いることができる。
また、ヒータ17の形態として、ここでは円環状のヒータ17を示したが、外管11の外周面を全周にわたって加熱することができるように構成されていれば、任意の形態を採用することができる。その例として、複数の棒状ヒータを外管11の外周面上に、周方向に沿って並べた構成、あるいは、柔軟性を有する面状ヒータを外管11の外周面上に巻き付けた構成などが挙げられる。
PFC反応部10では、PFCの分解によってHF(フッ化水素)が発生する。例えばCF4の分解反応式は以下のとおりである。
CF4+2H2O→CO2+4HF (反応式1)
PFCの分解によって生じるHFは、酸性であり腐食性を有している。二次ガス処理部18は、PFC反応部10で発生したHFを中和等により除去する、いわゆるスクラバーである。二次ガス処理部18は、HFと反応してHFを除去する処理剤18bを収納した反応容器18aを有している。処理剤としては、例えばCa(OH)2が挙げられる。この場合、HFの分解反応式は以下のとおりである。
2HF+Ca(OH)2→CaF2+2H2O (反応式2)
次に、上述したガス処理装置1を用いたPFCの処理方法について、PFCとしてCF4を分解する場合を例に挙げて説明する。
PFC反応部10内へは、ガス導入管15から、N2を主成分としてCF4を1〜3vol%の割合で含有するガスが、水とともに、常温常圧で導入される。ガス導入管15から導入されたガスは、全体的な流れとして、外管11と内管12との間を通って外管11の底部へ流れ、そこでUターンして通気性プレート14から内管12内へ入り、内管12内を上昇してガス排出管16から排出される。
内管12の内部では、ガスは、まず触媒層13を通過し、その後、触媒層13の上方の空間を通ってガス排出管16へ達する。一方、外管1の外側ではヒータ17が通電されており、ヒータ17によって、触媒層13は外管11と内管12との間の空間を介して間接的に加熱される。より詳しくは、ヒータ17からの熱は、主として輻射熱として、外管11の内壁から、外管11の内周面と内管12の外周面との間の空間を介して、内管12の外壁に伝わる。これによって触媒層13中の触媒が加熱される。
本実施形態が対象としている約700℃という温度では、輻射による伝熱量は対流による伝熱量の10倍にも達する。したがって、ヒータ17から触媒への伝熱は、伝導および対流よりも輻射による伝熱が支配的である。輻射による加熱では、ヒータによる直接の加熱と異なり、ムラの少ない加熱が可能になる。また、ヒータ17は、外管11と内管12との間を流れるガスも加熱し、加熱されたガスが通気性プレート14を通って触媒層13内に送られる。
このようにして触媒は約700℃に制御され、これによって、ガスが触媒層13を通過すると、ガスに含まれているCF4は水と反応してCO2とHFに分解される(反応式1参照)。CF4が分解されたガスは、触媒層13の上方の空間をガス排出管16に向かって流れる。
CF4の分解反応を安定してかつ効率よく生じさせるためには、触媒層13内での触媒の温度をできるだけ均一にすること、言い換えれば触媒層13の温度分布をできるだけ小さくすることが重要である。
上述したように、ガス導入管15から外管11内に導入されたガスは、外管11のヒータ17が取り付けられた部分を通過する際に、ヒータ17によって加熱される。しかも、ガスが通過するのは外管11と内管12との隙間であり、ヒータ17からの距離も大きくないので、ガスは効率よく均一に加熱される。ヒータ17で加熱されたガスは、通気性プレート14から触媒層13に導入される。
さらに、ヒータ17による加熱に先立ち、ガス導入管15から外管11内に導入されたガスは、まず、内管12内を触媒層13からガス排出管16に向かう排ガスとの間での熱交換によって予熱される。排熱が有効利用されるため、ヒータ17による加熱をより少なくすることができる。なお、この熱交換によって、内管12内のガスは、触媒層13を通過してガス排出管16から排出されるまでの過程で、約200℃程度の温度まで冷却される。
このように、本実施形態では、PFC反応部10を、外壁面にヒータ17が設置された外管11と、触媒層13が設けられた内管12と、を有する二重管構造とし、外管11内に導入されたガスが外管11内の端部でUターンして内管12内に入り、内管12内の触媒層13を通過して排出されるように構成している。これによって、排熱を有効利用したガスの予熱と、ヒータ17からの輻射伝熱による触媒層13の加熱と、の相乗効果によって、触媒層13は、内管12と接触している部分から中心部まで全体がほぼ均一の温度に加熱される。
触媒層13全体がほぼ均一の温度に制御されることによって、触媒を利用したCF4の分解反応を安定してかつ効率よく行うことができる。しかもヒータ17は外管11の外側に配置されているので、CF4の分解反応で生じた腐食性ガスにヒータ17が曝されるともなく、かつ、ヒータ17のメンテナンスも容易である。
また、触媒層13が均一に加熱されるので、PFC反応部10、特に触媒層13を、従来よりも大きな直径で構成することができる。そのことにより、触媒の量が従来と同じであれば触媒層13の高さを従来よりも低くすることができ、PFC反応部10全体の高さをより低くコンパクトに設計することができる。
熱の移動に着目すると、PFC反応部10は、熱交換区間Aと加熱区間Bとに大別することができる。熱交換区間Aは、外管11が内管12と二重になっている部分のうち、ヒータ17が取り付けられていない部分に相当する区間であり、熱交換区間Aでは、外管11内を流れるガスと内管12内を流れるガスとの間で熱交換が行われる。加熱区間Bは、外管11が内管12と二重になっている部分のうち、ヒータ17が取り付けられている部分に相当する区間であり、加熱区間Bでは、ガスおよび触媒がヒータ17によって加熱される。熱交換区間Aでの伝熱を促進するために、熱交換区間Aにおいて、内管12の内部に充填物13aが充填されていることが好ましい。充填物13aとしては、例えば、アルミナ球などを用いることができる。
ガス導入管15から外管11内に導入されたガスの予熱を十分に行うためには、熱交換区間Aの高さ(外管11の軸方向長さ)は、触媒層13の高さ(本実施形態では加熱区間Bの高さH1と等しい)の0.5倍以上であることが好ましい。熱交換区間Aの高さに上限はないが、現実的にはガス処理装置が設置される室内高さなどによる制限を受け、例えば、触媒層13の高さの3倍以下といった値とされる。
PFC反応部10では、CF4の分解によって、腐食性ガスであるHFが生成される。したがって、HFに曝される内管12は、その少なくとも内面をインコネルといった耐腐食性材料で構成することが望ましい。一方、外管11については、CF4の分解反応によって生成されるHFとは接触しないので、外管11に必要とされる機械的強度や耐熱性等を確保できれば、任意の材料、例えばステンレス材で構成することができる。
このように、PFC反応部10を二重管構造とすることによって、外管11の材料選択の幅を拡げることができる。これに対して従来のような単管構造の場合は、全体を耐腐食性材料で構成する必要があった。ただし、本形態においても、外管11に導入されるガスが腐食性ガスを含んでいる場合は、外管11も耐腐食性材料で構成することが望ましい。また、PFC反応部10を二重管構造とすることで、仮にCF4の分解反応で生成されたガスによって内管12が損傷を受けた場合でも、生成されたガスが直ちにPFC反応部10の外部に漏出することを防止できる。
CF4の分解によって生成されたHFを含むガスは、ガス排出管16を通ってPFC反応部10から排出され、導管19を通って二次ガス処理部18内へ導入される。二次ガス処理部18に導入されたガスに含まれているHFは、反応容器18a内に収納されている処理剤18bによって、中和または吸着によって除去され(例えば反応式2参照)、清浄ガスとなって二次ガス処理部18から排出される。
二次ガス処理部18でのガスの処理方式は、乾式および湿式のいずれも適用可能である。乾式の場合は、処理剤18bとして酸化鉄(Fe23)および前述した水酸化カルシウム(Ca(OH)2)などを用いることができる。湿式の場合は、処理剤18bとして例えばアルカリ水を用いることができる。
ここで、PFC反応部10から排出されたガスは、HFと水を含む酸性ガスであるので、しかも導管19内を通って二次ガス処理部18へ至る過程でさらに冷却されることによって、導管19内で凝縮する場合がある。これは導管19を腐食させる原因にもなる。そこで、本実施形態では、ガス排出管16の近傍から内管12の内部にガス希釈用の空気を導入することによって、導管19内を流れる酸性ガス濃度を低くし、導管19内での酸の凝縮を抑制している。
以上説明した本実施形態のPFC反応部10において、外管11内を流れるガスの圧力損失の観点、およびヒータ17による輻射伝熱の観点から、外管11と内管12との隙間Cを適切に設定することが好ましい。
これら2つの観点を考慮した隙間Cは、外管11および内管12内でのそれぞれのガス流速に基づいて決定することができる。例えば、内管12内でのガス流速をU1、外管11内でのガス流速をU2とする。ここで、内管12は触媒層13を有しているので、内管12内でのガス流速U1は、触媒層13が存在していない空の状態での、所定の温度および圧力におけるガスの実流量を内管12の断面積で除した空塔ガス流速で定義する。また、図2に示すように、内管12の外径をD1、内管12の管壁の厚さをt、外管11の内径をD2とする。
一般的な単管構造のPFC分解装置では、触媒層を有する管の内径は、その管内の空塔ガス流速が0.01〜3m/sの範囲となるように、単位時間当りに処理するガス量に応じて決定されている。本実施形態では、内管12内の触媒層13での空塔ガス流速U1がこれに対応する。単位時間当りに処理するガス量と空塔ガス流速U1が決まれば、内管12の内径(=D1−2t)が決まる。内管12の管壁の厚さtは、内管12の材料や内管12に必要な機械的強度等に基づいて、例えば1〜5mm程度とすることができる。
そして、外管11内でのガス流速U2は、U2/U1が、好ましくは0.5以上50以下、より好ましくは1以上20以下となるように決定される。U2/U1は、内管12内部の断面積/外管11のガス流通部(内管12を除いた部分)の断面積と等しいので、
U2/U1=(D1−2t)2/(D22−D12) (式3)
で表すことができる。
U2/U1、D1およびtが決まっていれば、式3から外管11の内径D2を決定することができる。以上により外管11の内径D2および内管12の外径D1が決まるので、外管11と内管12との隙間Cは、
C=(D2−D1)/2 (式4)
となる。
式3からわかるように、D2とD1との差、すなわち外管11の内周面と内管12の外周面との隙間Cを大きくすればU2/U1の値は小さくなり、隙間Cを小さくすればU2/U1の値は大きくなる。隙間Cが大きく、U2/U1が1未満、特に0.5未満となると、ヒータ17から触媒層13への輻射伝熱量が減少し、触媒層13を均一に加熱することができなくなるおそれがある。一方、隙間Cが小さく、U2/U1が20を越える、特に50を越えると、外管11を流れるガスの圧力損失が大きくなってしまう。
よって、隙間Cを、上述したように、U2/U1が、好ましくは0.5以上50以下、より好ましくは1以上20以下、特に好ましくは2以上16以下となるように規定するのが、ガスの流れおよび触媒層13の加熱の点から好都合である。
なお、ガスの流れのUターン部分、すなわち外管11の閉鎖された他端とこれに対向する内管12の他端との距離は、ガスの流速がU2以下となるように設定されることが好ましい。
外管11内でのガスの加熱について、ガス導入管15から外管11内に導入されたガスは、通気性プレート14を通って内管12内に導入されるまでの間に、熱交換区間Aで予熱され、さらに加熱区間Bで加熱される。これらの区間でガスが十分に加熱されるようにするためには、外管11内でのガスの偏流を防止することが重要である。
そこで本実施形態では、ガスが外管11内で外管11の内周面に沿った旋回流を形成するように、外管11内にガスを導入している。このように、外管11内でガスの旋回流を生じさせることによって、外管11内に導入されたガスが通気性プレート14に達するまでの間でのガスの偏流を防止することができ、外管11から内管12への伝熱を、内管12の全周にわたって、より均一に行うことができる。
外管11内でガスに旋回流を生じさせる方法としては種々の方法が考えられるが、例えば図3および図4に示すような構成でガスを導入すれば、簡単な構成で実現できる。
図3に示す例では、ガス導入管15は先端面が閉塞しており、外管11の半径方向と平行になるように、先端部を外管11内に進入させて外管11に接続されている。ガス導入管15の外管11内に進入した先端部において、ガス導入管15の周面には、外管11の周方向を向く部分を含む領域に開口15aが形成されている。ガス導入管15に送られたガスは、この開口15aから外管11内に噴出し、これによって外管11の中で外管11の内周面に沿った旋回流を生じさせることができる。
図3ではガス導入管15を外管11の半径方向と平行に進入させた例を示したが、これに限らず、外管11の軸方向と平行に進入させた場合など、外管11の中心軸を通る平面と平行にガス導入管15を接続した場合にも本例の構造を適用することができる。
図4に示す例では、先端面に開口15a’を有するガス導入管15’が、外管11の接線方向と平行になるように、先端部を外管11内に進入させて外管11に接続されている。このような構成によっても、ガスが噴出する開口15a’は外管11の周方向を向くことになるので、外管11の内周面に沿った旋回流を生じさせることができる。
次に、本発明の他の実施形態について図5を参照して説明する。
図5に示すガス処理装置は、PFC反応部20と二次ガス処理部25とが一体になった構造を有している。
PFC反応部20は、前述した実施形態と同様、外管21、外管21の内部に配置された内管22、内管22の内部に設けられた触媒層23、および外管21の外側に配置されたヒータ24を有している。外管21および内管22は、下端部がフランジ状に広がって形成されており、このフランジ状に形成された部分において、外管21には、処理すべきPFCを含有するガスを導入するためのガス導入管26が接続されている。ガス導入管26は、前述した実施形態と同様、外管21内に旋回流を生じさせる構造を有している。
外管21は、その上端面が閉塞されているとともに、フランジ状に広がった部分では、その周縁部が全周にわたって、内管22のフランジ状に広がった部分の周縁部と気密に接続されている。さらに、内管22は、その上端が外管21の上面と間隔をあけて配置されている。
触媒層23は、内管22の上部に位置している。そのため、内管22の軸方向中間部に、触媒層23に含まれる触媒を支持する、前述した実施形態と同様の通気性プレート22aが設けられている。内管22の上端部にも、触媒層23中の触媒が外管21側へ不用意にこぼれおちないようにするために通気性プレート22bが設けられている。さらに、内管22の内部では、熱交換区間Aにおいて充填物23aが充填されている。
ヒータ24は、外管21および内管22の横断方向について触媒層23と対応する位置に配置されている。ヒータ24も、前述した実施形態と同様、外管21の外周面を全周にわたって加熱できるように構成され、外管21の外周面に密着して設置されている。
二次ガス処理部25は、PFC反応部20の下方に配置されており、その内部は、内管22の下端開口を介して内管22の内部と直接連通している。二次ガス処理部25の内部には、前述した実施形態と同様、HFを中和または吸着して除去するための処理剤が収納されている。また、二次ガス処理部25の下部には、処理剤によってHFが除去されたガスを排出するガス排出管27が接続されている。
図5に示したガス処理装置では、ガス導入管26から常温常圧で導入されたガスは、外管21と内管22との隙間を螺旋状に流れて上昇し、外管21の頂部でUターンして内管22内に入る。この間、ガスは熱交換区間Aで内管22内のガスとの熱交換によって予熱され、加熱区間Bでヒータ24によって加熱される。
内管22内に入ったガスは、触媒層23内で触媒と接触し、PFCが分解される。触媒層23内の触媒は、前述した実施形態と同様、外管21を通って加熱されたガスだけでなくヒータ24による輻射を主体とする伝熱によっても加熱されるので、触媒層23全体にわたって均一に加熱される。その結果、PFCを安定してかつ効率よく分解することができる。
触媒層23でPFCが分解されたガスは、熱交換区間Aで、外管21内を流れるガスとの間での熱交換によって冷却されながら、二次ガス処理部25内へ直接導入される。二次ガス処理部25内に導入されたガスは、そこでHFが除去されて清浄化され、ガス排出管27から排出される。
本形態の最も特徴的な点は、PFC反応部20と二次ガス処理部25とが一体化され、PFC反応部20からのガスが二次ガス処理部25に直接導入される点である。これにより、PFC反応部20と二次ガス処理部25とを接続する配管が不要となる。さらに、配管が不要であることにより、配管内での温度低下による酸性ガスの結露のおそれもなくなり、したがって、配管内に希釈用の空気を導入する必要もなくなる。以上により、ガス処理装置の構成をより簡略化することができる。
次に、本発明のさらに他の実施形態について図6を参照して説明する。
図6に示したガス処理装置は、PFC反応部30と二次ガス処理部35とが一体的になった構造を有しており、この点は図5に示したものと同様である。ただし、本形態では、外管31および内管32の形状が、図5に示した構造と異なっている。
外管31および内管32は、上部の直径が下部の直径に比べて小さい段付き円筒状に形成されており、内管32は、その底壁が外管31の底壁の一部で構成されるようにように外管31の内部に配置されている。
このガス処理装置の小径の上部において、外管31の上面は閉塞されており、内管32の上端は、外管31の閉塞された上面と間隔をあけて位置している。内管32の上部には触媒層33が、その上端および下端を通気性プレートに保持されて配置されており、その下方には充填物33aが充填されている。外管31および内管32の横断方向について触媒層33と対応する位置にはヒータ34が、外管31の外周面に密着して設置されている。
一方、ガス処理装置の大径の下部において、外管31には、外管31と内管32との隙間に、処理すべきPFCを含有するガスを導入するためのガス導入管36が接続されている。このガス導入管36も、前述した実施形態と同様、外管31内に旋回流を生じさせる構造を有している。内管32の内部には、触媒層33でのPFCの分解により生成されたHFを除去するための処理剤が収納されている。さらに、内管32の下端には、処理剤によってHFが除去されたガスを排出するためのガス排出管37が接続されている。
本形態では、ガス導入管36から常温常圧で導入された、PFCを含むガスは、まず大径の下部で、処理剤が収納されている部分の外周を旋回しながら上部へ向かって流れ、その間に、処理剤が収納されている部分を流れるガスとの間での熱交換によって予熱される。逆に、内管32の処理剤が収納されている部分を流れるガスは、ガス導入管36から導入されたガスとの間での熱交換によって冷却される。それ以外の、ガスの流れや分解反応等については、図5に示したガス処理装置と同様である。
以上のように、本形態は、外管31および内管32を有する二重管構造の下部で内管32内に処理剤を収納した構成であると考えることができる。この考えによれば、本形態の二重管構造は、処理剤が収納された部分が二次ガス処理部35であり、残りの部分がPFC反応部30であるということができる。
あるいは、本形態は、二次ガス処理部35も外壁および内壁で囲まれた二重管構造を有し、外壁および内壁がそれぞれ、PFC反応部30の外管31および内管32に連続していることによって、外壁と内壁との間の空間が、PFC反応部30へガスを供給するためのガス流路となっていると考えることもできる。
いずれの考え方によっても、図6に示したガス処理装置は、図5に示したガス処理装置と比較して全体のサイズをそれほど大きくすることなく、導入されたガスの予熱および排出するガスの冷却をより効果的に行うことができる。
以上、本発明について代表的な幾つかの実施形態を挙げて説明した。本発明は、これら実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で適宜変更することが可能である。
例えば、上述した各実施形態では、PFC反応部の上下の向きを特定して説明した。しかし、図1、5および6に示したPFC反応部は上下逆向きとしてもよい。さらには、PFC反応部を鉛直方向に対して傾けた姿勢で設置することも可能である。
また、上述した各実施形態では外管および内管は円筒形であり軸方向任意の位置で横断面積が一様であるものとして説明した。しかし、外管および内管は、横断面積が一様な筒状である必要はなく、例えば錐台形であってもよい。さらには、外管および内管の横断面の形状も、円形である必要はなく、三角形や四角形、五角形以上の多角形、あるいは楕円形や長円形など、任意の形状とすることができる。ただし、外管と内管との間に旋回流を生じさせる場合は、外管および内管を円筒形とすることにより旋回流が生じやすくなる。
外管と内管との隙間についても、外管と内管とが相似形であれば一様な大きさとなるが、外管および内管の形状が互いに異なっており、両者の隙間の大きさが軸方向で異なっていてもよい。
また、他の付加的な構成として、触媒層の内部に温度センサ(不図示)を設置し、この温度センサで検出された温度に従ってヒータを制御するようにしてもよい。さらには、内管内に触媒を充填するためのノズル(不図示)を外管に設けることも好ましい。
処理するガスについて、上述した実施形態ではPFCを含むガスを例に挙げて説明した。本発明においては、フッ素を含有するガスであれば、PFCに限らず、モノフルオロメタン、ジフルオロメタン、トリフルオロメタン、テトラフルオロメタン、モノクロロトリフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロモノフルオロメタン、ヘキサフルオロエタン、モノクロロペンタフルオロメタン、ヘキサフルオロエタン、テトラフルオロエチレン、ジクロロテトラフルオロエタン、トリクロロトリフルオロエタン、オクタフルオロプロパン、ヘキサフルオロプロペン、オクタフルオロブタン、ヘキサフルオロブテン、オクタフルオロペンテン、ジフルオロカルボニル等のフッ化炭素類;トリフルオロアンモニア等のフッ化窒素類;サルファーヘキサフルオライド、ジフルオロスルホキシド等のフッ化硫黄類;テトラフルオロシラン等のフッ化珪素類;ジフルオロエーテル等のフッ化酸素類など、種々のガスの処理に適用することができる。そして、触媒についても、処理するガスに対応して公知の触媒を用いることができる。
このように、処理するガスと触媒とを適宜組み合わせることによって、本発明のガス処理装置は、ガスの分解だけでなく化合物の製造にも使用することができる。
また、上述した実施形態では、前段に反応部(例えばPFC反応部10)を有し、後段に、反応部で生成されたガスをさらに処理する二次ガス処理部(例えば、HFを除去する二次ガス処理部18)を有している構成を示した。しかし、前段の反応部で生成されたガスが、そのまま大気中に放出しても差し支えない場合は、後段の二次ガス処理部は不要である。
次に、本発明の具体的な実施例について、比較例と併せて説明する。
(実施例1)
本例では、図1に示した構成を有するガス処理装置1を用いてCF4の分解を行った。内管12は、インコネルで作製し、内径が150mm、管壁の厚さが4.0mmであった。外管11は、ステンレスで作製し、内径が188mm、底面からガス導入管15までの高さが500mmであった。したがって、外管11と内管12との隙間Cの大きさは15mmであった。
外管11の外側に取り付けるヒータ17には、坂口電熱(株)製セラミックファイバーヒータ(型番:VS−08A18T、出力:3.9kW)を用いた。ヒータ17は、ヒータ17が設置されている部分での外管11の壁面の温度が710℃になるように制御した。併せて、触媒層13の中心部での温度も測定した。
触媒層13には、6.8L(リットル)のアルミナ系触媒を充填した。したがって、充填層13の高さは約380mmであった。また、熱交換区間Aには、導入されたガスの伝熱促進を図るため、充填物13aとしてアルミナ球(3.4mmφ)を1.8リットル(高さ100mm)充填した。ガス導入管15からは、CF4を1体積%の割合で含有するN2ベースのガスを、43L/minの流量で導入した。したがって、「処理するガスの流量/触媒体積」で表される空間速度SVは、375/hrであった。なお、ガス導入管15からは、CF4の分解反応の補助として、水および空気も一緒に導入した。処理ガスと一緒に導入する水および空気の、処理ガスに対する割合はそれぞれ、20%および17%とした。
(実施例2)
空間速度SVを750/hr(処理ガス流量=85L/min)としたこと以外は実施例1と同じ条件でCF4を分解した。
(実施例3)
空間速度SVを1500/hr(処理ガス流量=170L/min)としたこと以外は実施例1と同じ条件でCF4を分解した。
(比較例1)
本例では、従来の単管構造の円筒型反応器を有する触媒反応装置を用いてCF4の分解を行った。反応器はインコネル製であり、内径が150mm、管壁の厚さが4.0mm、下端からガス導入口までの高さが800mmであった。触媒層には、6.8Lのアルミナ系触媒を約380mmの高さで充填した。触媒層の前段には、予熱用充填物としてアルミナ球を400mmの高さで充填した。
反応器の外壁に設置されるガスの予熱用のヒータには、(株)アサヒ理化製作所製セラミック電気管状炉(型番:ARF−200−800)を用いた。ヒータは、ヒータが設置されている部分での反応器の壁面の温度が740℃になるように制御した。併せて、触媒層の中心部での温度も測定した。
処理するガスの成分は実施例1と同じにした。ただし、空間速度SVを169/hr(処理ガス流量=19L/min)とした。
(比較例2)
空間速度SVを255/hr(処理ガス流量=29L/min)としたこと以外は比較例1と同じ条件でCF4を分解した。
(比較例3)
空間速度SVを341/hr(処理ガス流量=39L/min)としたこと以外は比較例1と同じ条件でCF4を分解した。
(比較例4)
空間速度SVを429/hr(処理ガス流量=49L/min)としたこと以外は比較例1と同じ条件でCF4を分解した。
(比較例5)
空間速度SVを524/hr(処理ガス流量=59L/min)としたこと以外は比較例1と同じ条件でCF4を分解した。
(比較例6)
空間速度SVを618/hr(処理ガス流量=70L/min)としたこと以外は比較例1と同じ条件でCF4を分解した。
(結果)
実施例1〜3よび比較例1〜6について、触媒層中心部の温度の測定結果を表1に示す。また、触媒層中心部の温度と空間速度SVとの関係のグラフを図7に示す。
Figure 0004873147
表1および図7のグラフより、実施例1〜3は、空間速度SVによらず触媒層中心部での温度がほぼ一定に加熱されていることがわかる。それに対して比較例1〜6では、空間速度SVが大きくなればなるほど、すなわち処理ガスの流量が増加すればするほど、触媒層中心部での温度が著しく低下することがわかる。
また、表2に、実施例1〜3についてのCF4の濃度(反応前、反応後および1時間経過後)、反応率、および反応速度を示す。CF4の濃度は、(株)堀場製作所製FT−IR(フーリエ変換赤外)分光器(型番:FT−730G、セル光路長:10m、分解能:2cm-1)にて測定した。反応率は、以下の式により求めた。
反応率(%)={(供給するガス中のCF4成分−排出されたガス中のCF4成分)/供給するガス中のCF4成分}×100
Figure 0004873147
表2より、空間速度SVが大きくなるほど反応率が低下する傾向が見られるものの、SV=1500/hrであっても85%以上の反応率を達成できることがわかる。表には示していないが、比較例については、空間速度SVが200/hrを越えると(比較例2〜6)、CF4の反応率は60%以下に低下するという結果が得られた。
なお、触媒層中心部の温度が一定の温度になるまでの時間(立ち上げ時間)は、実施例1〜3ではいずれも1時間以内であったが、比較例1〜6では2〜3時間を要した。
以上のことから、実施例1〜3は、処理するガスの流量が増えても触媒層中の触媒を均一に加熱することができ、よって安定した処理が可能である。
本発明の一実施形態によるガス処理装置の構成を模式的に示す図である。 図1に示すPFC反応部の外管と内管の断面図である。 外管内に旋回流を生じさせるための構造の一例を示す、ガス導入管が接続された部分でのPFC反応部の横断面図である。 外管内に旋回流を生じさせるための構造の他の例を示す、ガス導入管が接続された部分でのPFC反応部の横断面図である。 本発明の他の実施形態によるガス処理装置の構成を模式的に示す図である。 本発明のさらに他の実施形態によるガス処理装置の構成を模式的に示す図である。 実施例1〜3および比較例1〜6における、空間速度SVと触媒層中心部温度との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 ガス処理装置
10,20,30 PFC反応部
11,21,31 外管
12,22,32 内管
13,23,33 触媒層
15,26,36 ガス導入管
16,27,37 ガス排出管
17,24,34 ヒータ
18,25,35 二次ガス処理部
19 導管

Claims (10)

  1. フッ素含有化合物ガスを触媒層に流通させて処理するガス処理装置であって、
    一端部から前記化合物ガスが導入され、他端が閉鎖された外管と、
    一端側にガス排出部を有し、他端および外周面をそれぞれ前記外管の他端および内周面と間隔をあけて対向させて前記外管の内側に位置する内管と、
    前記内管の他端部から一端に向かう中間位置まで前記内管内に充填された触媒層と、
    前記触媒層を取り囲んで前記外管の外周面に取り付けられたヒータと、
    を有するガス処理装置。
  2. 前記触媒層での空塔ガス流速をU1、前記外管内でのガス流速をU2としたとき、U2/U1が0.5以上50以下になるように、前記外管の内周面と前記内管の外周面との隙間が規定されている、請求項1に記載のガス処理装置。
  3. 前記外管は、前記外管内に前記フッ素含有化合物ガスを導入するためのガス導入部を有し、該ガス導入部は、前記外管内に導入されたフッ素含有化合物ガスが前記外管の周方向に沿った旋回流を形成して流れるように構成されている、請求項1または2に記載のガス処理装置。
  4. 前記ガス導入部は、前記外管の周方向を向いた開口が形成され、該開口が前記外管と前記内管との間の空間に位置するように前記外管に取り付けられたガス導入管を有する、請求項3に記載のガス処理装置。
  5. 前記フッ素含有化合物ガスはPFCを含むガスであり、前記触媒層に含まれる触媒は、前記PFCを分解するのに適した触媒である、請求項1から4のいずれか1項に記載のガス処理装置。
  6. 前記外管はステンレス材で構成されている、請求項5に記載のガス処理装置。
  7. 前記PFCの分解によって生成された腐食性ガスを処理する二次ガス処理部をさらに有する、請求項5または6に記載のガス処理装置。
  8. 前記二次ガス処理部は、前記内管のガス排出部から排出されたガスが直接導入されるように前記内管と一体化されている、請求項7に記載のガス処理装置。
  9. フッ素含有化合物ガスを触媒層に流通させて処理するガス処理方法であって、
    請求項1に記載の処理装置を使用して、
    前記処理装置のヒータを駆動して触媒層を加熱しながら、前記処理装置の外管の一端部から、前記外管内へ前記フッ素含有化合物ガスを導入し、
    前記フッ素含有化合物ガスを、前記外管内にて前記外管の一端側から他端側へ流し、該他端側で前記内管に送り、加熱されている前記触媒層を通過させて、前記フッ素含有化合物ガスを分解し、処理ガスを前記内管のガス排出部から排出することを特徴とするガス処理方法。
  10. 前記外管内へ導入した前記フッ素含有化合物ガスに、前記外管内で前記外管の周方向に沿った旋回流を生じさせることを含む、請求項9に記載のガス処理方法。
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