JP4869622B2 - 貼り合わせウエーハの製造方法及びそれに用いる剥離用治具 - Google Patents

貼り合わせウエーハの製造方法及びそれに用いる剥離用治具 Download PDF

Info

Publication number
JP4869622B2
JP4869622B2 JP2005121229A JP2005121229A JP4869622B2 JP 4869622 B2 JP4869622 B2 JP 4869622B2 JP 2005121229 A JP2005121229 A JP 2005121229A JP 2005121229 A JP2005121229 A JP 2005121229A JP 4869622 B2 JP4869622 B2 JP 4869622B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wafer
suction
ion
implanted
bonded
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2005121229A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006303101A (ja
Inventor
博幸 高橋
宏 藤沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Handotai Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Handotai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Handotai Co Ltd filed Critical Shin Etsu Handotai Co Ltd
Priority to JP2005121229A priority Critical patent/JP4869622B2/ja
Publication of JP2006303101A publication Critical patent/JP2006303101A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4869622B2 publication Critical patent/JP4869622B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Container, Conveyance, Adherence, Positioning, Of Wafer (AREA)

Description

本発明は、シリコンウエーハ等の2枚のウエーハを用いて、いわゆるイオン注入剥離法により貼り合わせウエーハを製造する方法、及びそれに使用する剥離用治具に関する。
高性能デバイス用のウエーハとして、半導体ウエーハを他のウエーハと貼り合わせて接合させた貼り合わせウエーハが使用されている。貼り合わせウエーハは、支持基板となるベースウエーハと、デバイスが形成されるボンドウエーハとを貼り合わせて製造される。例えば、鏡面研磨された2枚のシリコンウエーハの少なくとも一方のウエーハに酸化膜を形成した後、これらのウエーハを貼り合わせる。必要に応じて200〜1200℃の温度で熱処理して結合強度を高めた後、ボンドウエーハを研削及び研磨等して所望の厚さまで薄膜化する。このような方法により、SOI(silicon on insulator)層が形成された貼り合わせSOIウエーハを製造することができる。
また、貼り合わせウエーハの他の製造方法として、イオン注入剥離法と呼ばれる方法がある。例えば酸化膜が形成されたシリコンウエーハ(ボンドウエーハ)に水素イオン等のイオンガスを注入して内部にイオン注入層(微小気泡層)を形成した後、ベースウエーハと貼り合わせる。なお、酸化膜を介さずに直接シリコンウエーハ同士を貼り合わせることもあるし、ベースウエーハとして、石英、炭化珪素、アルミナ等の絶縁性ウエーハが用いられる場合もある。
貼り合わせ後、ボンドウエーハ内のイオン注入層を境界として剥離する。この剥離工程では、貼り合わされたボンドウエーハとベースウエーハに対し、例えば500℃程度の熱処理(剥離熱処理)を施す。剥離熱処理により、イオン注入層は原子レベルでの割れが生じ、さらに機械的に負荷をかけることでボンドウエーハ内のイオン注入層を境界として剥離(分離)されることになる。このようなイオン注入剥離法によれば、より厚さが均一で薄いSOI層(活性層)が形成された貼り合わせウエーハを製造することができる。そして、製造された貼り合わせSOIウエーハは、活性層上にデバイスが形成されることになる。
上記のように貼り合わせウエーハを製造する際、イオン注入層等で完全に剥離させるための方法として、イオン注入層等の剥離すべき部分に楔を挿入する方法、ガス等の流体を噴射する方法、あるいは、一方のウエーハを吸着保持し、他方のウエーハの中央部をガス等で加圧するとともに、イオン注入層等の剥離すべき部分に加圧ガスを供給する方法が提案されている(特許文献1参照)。
しかし、ベースウエーハとボンドウエーハを貼り合わせたとき外周には未結合部が生じているが、イオン注入層に楔を挿入するとなると、特に未結合部が狭い場合には楔によって活性層にダメージを与える可能性が極めて高い。
また、イオン注入層は極めて薄い層であるので、その部分に楔を挿入したり、ガス噴射を行うことは極めて困難である。
他の剥離方法として、図8(A)(B)に示したような板状の治具30を用いてウエーハをスライドさせて分離する方法が提案されている(特許文献2参照)。剥離熱処理後、図8(A)のように熱処理ボート35に支持されているウエーハ38を、治具30の支持面31上に載せて鉤状部32で支持する。そして、図8(B)のように治具30を傾斜させると、イオン注入層を境界として下側の部分、すなわちベースウエーハ上に活性層が形成された貼り合わせウエーハはストッパー33により移動が阻止される一方、上側の部分、すなわちボンドウエーハの残りの部分(剥離ウエーハ)は自重により段差部34まで滑り落ちて分離されることになる。
このようなスライド式の治具30では剥離作業を比較的容易に行うことができるが、自重により剥離を行うため、スムーズに剥離しない場合や、得られた貼り合わせウエーハの表面(活性層)にパーティクルが局所的に異常に付着している場合がある。
特開2001−230393号公報 特開2003−46070号公報
以上の点に鑑み、本発明は、イオン注入剥離法により貼り合わせウエーハを製造する際、ウエーハや活性層にダメージを与えず、容易にかつ確実に剥離を行うことができ、パーティクルの付着が抑制された貼り合わせウエーハを製造する技術を提供することを目的とする。
本発明によれば、少なくとも、デバイスが形成されるウエーハにイオン注入することにより内部にイオン注入層を形成する工程と、該ウエーハのイオン注入した側の面を支持基板となる他のウエーハと貼り合わせる工程と、前記貼り合わされたウエーハに対して熱処理を施し、前記イオン注入層を境界として剥離させる工程を含む貼り合わせウエーハの製造方法において、前記剥離工程として、前記熱処理を施した後、前記イオン注入されたウエーハと支持基板となるウエーハをそれぞれ真空吸着し、少なくとも一方のウエーハを引き離すようにして前記イオン注入層を境界として剥離させることを特徴とする貼り合わせウエーハの製造方法が提供される。
すなわち、イオン注入剥離法において、貼り合わされたウエーハに剥離熱処理を施した後、両側のウエーハをそれぞれ真空吸着して少なくとも一方のウエーハを引き離すようにすれば、ウエーハや活性層にダメージを与えずに剥離させることができる。また、両側のウエーハを真空吸着した上で強制的に引き離すので、容易にかつ確実に剥離させることができ、剥離後、パーティクルの付着が極めて効果的に抑制された貼り合わせウエーハを製造することができる。
この場合、前記イオン注入されたウエーハを前記支持基板となるウエーハから引き離すようにして前記イオン注入層を境界として剥離させることが好ましい。
イオン注入されたウエーハ、すなわちボンドウエーハをベースウエーハから引き離すようにしてイオン注入層で剥離させれば、貼り合わせウエーハ等へのダメージを確実に防ぐことができるとともに、より容易に剥離を行うことができる。
前記イオン注入されたウエーハを、該ウエーハの中心から半径の3分の2より外側となる領域を真空吸着することが好ましい。
すなわち、ボンドウエーハの外側領域を真空吸着すれば、一層容易に剥離させることができる。
また、前記イオン注入されたウエーハを、該ウエーハの中心を基準として非対称に吸着することが好ましい。
ボンドウエーハを非対称に吸着すれば、対称に吸着して剥離する場合よりも弱い力で剥離させることができる。
前記イオン注入するウエーハとして、シリコンウエーハを用いることができる。
ボンドウエーハとしてシリコンウエーハを用いた貼り合わせウエーハは需要が高く、本発明を適用することで、例えばSOI層にダメージが無く、パーティクルの付着も極めて抑制された高品質の貼り合わせSOIウエーハを製造することができる。
さらに本発明によれば、内部にイオン注入層が形成されたウエーハを支持基板となるウエーハと貼り合わせた後、前記イオン注入層を境界として剥離させるために使用する治具であって、少なくとも、いずれか一方のウエーハを真空吸着するための吸着手段を有するウエーハ吸着用ステージと、他方のウエーハを真空吸着するための吸盤を有するウエーハ吸着盤とを具備することを特徴とする剥離用治具が提供される。
このように貼り合わせ後のボンドウエーハとベースウエーハをそれぞれ真空吸着する剥離用治具であれば、真空吸着された各ウエーハを互いに引き離すことで、ウエーハや活性層にダメージを与えることなく、イオン注入層を境界として容易にかつ確実に剥離することができる。
この場合、前記ウエーハ吸着用ステージのウエーハを吸着する側の面に、吸着すべきウエーハを位置決めするためのピンが設けられたものとすることが好ましい。
すなわち、ウエーハ吸着用ステージに位置決め用のピンを設けた治具であれば、剥離前のウエーハを所定の位置で確実に吸着することができ、剥離作業を一層容易に行うことができるものとなる。
また、前記ウエーハ吸着盤の吸盤が、吸着すべきウエーハの中心から半径の3分の2より外側となる領域を吸着する位置に設けられていることが好ましく、また、吸着すべきウエーハを該ウエーハの中心を基準として非対称に吸着する位置に設けられていることが好ましい。
ボンドウエーハの外側領域を吸着する位置、あるいはボンドウエーハの中心を基準として非対称に吸着する位置に吸盤が設けられていれば、小さい力で容易に剥離させることができるものとなる。
また、前記ウエーハ吸着用ステージ及びウエーハ吸着盤の少なくとも一方のウエーハを吸着する側の面に、前記剥離を行う際に前記ウエーハ吸着用ステージとウエーハ吸着盤とが一定の距離以下に近づくことを回避するための突出部が設けられていることが好ましい。
このような突出部を設けておけば、吸着用ステージと吸着盤とを一定の距離に近づけてそれぞれウエーハを確実に吸着することができ、ウエーハにウエーハ吸着盤が衝突してキズを付けてしまうこともなく、剥離作業を一層容易にかつ確実に行うことができるものとなる。
本発明によれば、イオン注入剥離法により貼り合わせウエーハを製造する際、貼り合わされた2枚のウエーハに剥離熱処理を施した後、両側のウエーハをそれぞれ真空吸着して少なくとも一方のウエーハを引き離すようにしてイオン注入層を境界として剥離させることができる。これにより、ウエーハや活性層にダメージを与えずに剥離させることができる。また、両ウエーハを真空吸着した上で強制的に引き離すので、イオン注入層で容易にかつ確実に剥離させることができ、パーティクルの付着が極めて抑制された貼り合わせウエーハを製造することができる。
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明について具体的に説明する。図1は本発明に係る剥離用治具の一例を概略的に示している。また、図2はボンドウエーハとベースウエーハとを貼り合わせた後に治具1を用いてイオン注入層で剥離を行う様子を概略的に示している。この剥離用治具1は、主に、ウエーハ吸着用ステージ2と、ウエーハ吸着盤3とから構成されている。
ウエーハ吸着用ステージ2の吸着面の中央部には、吸着すべきウエーハ8aの全面を均等に真空吸着できるように真空路9及び真空ポンプに通じる溝4が形成されており、真空溝4の周囲にはO−リング6が設けられている。また、O−リング6の外側には、剥離を行う際にウエーハ吸着用ステージ2とウエーハ吸着盤3とが一定の距離以下に近づいてウエーハに衝突することを回避するための突出部5が設けられている。
ウエーハ吸着盤3には、ウエーハ8bを真空吸着するための吸盤7a,7bが設けられている。これらの吸盤7a,7bは、吸着すべきウエーハ8bをウエーハの中心を基準として非対称に吸着する位置に設けられている。また、各吸盤7a,7bは、ウエーハの中心から半径の3分の2より外側となる領域を吸着する位置に設けられている。これらの吸盤7a,7bは、真空路10を通じてウエーハ8(8b)を真空吸着することができる。吸盤7a,7bの材質は、ウエーハ8にキズを付けたり汚染せずに吸着できるものとし、例えばシリコーンゴム製の吸盤を好適に採用することができる。
なお、吸着用ステージ2及び吸着盤3のそれぞれの本体の材質は、ウエーハ8(8a,8b)を汚染しないものであれば特に限定されず、プラスチック、セラミックス等を使用でき、例えばPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)製のものを好適に使用できる。
図3は本発明に係る剥離用治具の他の例を概略的に示している。また、図4はこの治具11を用いて剥離を行う様子を概略的に示している。
この剥離用治具11も、ウエーハ吸着用ステージ12とウエーハ吸着盤13とを具備している。吸着用ステージ12の吸着面には、ウエーハ8aを真空吸着するための溝(不図示)とO−リング6が設けられている。また、O−リング6の外側には、吸着すべきウエーハ8aを位置決めするためのピン16が設けられている。なお、位置決め用のピン16は、図1で示した接触回避用の突出部5と兼用させてもよい。
ウエーハ吸着盤13には、図1の吸着盤3と同様、吸盤17a,17bが、吸着すべきウエーハ8bの中心から半径の3分の2より外側となる領域を非対称に吸着する位置に設けられている。
次に、剥離用治具1を用いて貼り合わせウエーハを製造する方法について説明する。図5は、本発明により貼り合わせSOIウエーハを製造する方法の一例を示すフロー図である。
まず、支持基板となるベースウエーハ21と、デバイスが形成されるボンドウエーハ22として2枚の鏡面化されたシリコンウエーハを用意する(図5(a))。
そして、少なくとも一方のウエーハ、ここではボンドウエーハ22を熱酸化し、表面に例えば0.1μm〜2.0μm厚の酸化膜23を形成する(図5(b))。
表面に絶縁膜(酸化膜)23を形成したボンドウエーハ22の片面に対して水素イオンを注入し、イオンの平均進入深さにおいて表面に平行なイオン注入層(微小気泡層)24を形成する(図5(c))。このときの注入温度は例えば25〜450℃とすることができる。なお、水素イオンのほかに、例えば希ガスイオンあるいは、これらの両方を注入することもできる。
水素イオン注入したボンドウエーハ22のイオン注入した側の面を、ベースウエーハ21と貼り合わせる(図5(d))。常温の清浄な雰囲気下で2枚のウエーハ21,22の表面同士を接触させることにより、接着剤等を用いることなくウエーハ同士が接合する。
貼り合わせ後、ボンドウエーハ22内のイオン注入層24を境界として剥離する(図5(e))。
貼り合わされたベースウエーハ21とボンドウエーハ22に対し、例えば、不活性ガス雰囲気下約500℃の熱処理(剥離熱処理)を施す。このような剥離熱処理により、イオン注入層24において原子レベルでの割れが生じる。そこで、完全に剥離させるため、本発明に係る剥離用治具1を用いる。例えば、ベースウエーハ21側を吸着用ステージ2で真空吸着し、ボンドウエーハ22側を吸着盤3で真空吸着する。次いで、吸着用ステージ2を固定した状態で吸着盤3を引上げてボンドウエーハ22をベースウエーハ21から引き離す。これにより吸盤7a,7bに吸着されたボンドウエーハ22の外側領域が反る形でボンドウエーハ22内のイオン注入層24を境界として剥離させることができる。
なお、剥離の際、ベースウエーハ21をボンドウエーハ22から引き離すようにしてもよいし、両ウエーハ21,22を互いに引き離すようにして剥離を行ってもよい。
このようにイオン注入層24で剥離されることで、剥離ウエーハ25と、SOIウエーハ26(SOI層27+埋め込み酸化膜23+ベースウエーハ21)に分離し、貼り合わせSOIウエーハ26を得ることができる(図5(f))。
貼り合わせ後のボンドウエーハとベースウエーハは、外周部において一般的に1mm〜2mm程度の幅の未結合部が生じているが、本発明に係る剥離用治具1では、ボンドウエーハの側面からイオン注入層を狙って楔等を差し込むことも無いので、ベースウエーハ21上に形成された酸化膜23とSOI層27、あるいは貼り合わせウエーハ26にダメージやキズを与えることもない。また、両ウエーハを真空吸着した上で強制的に引き離すので、イオン注入層で容易にかつ確実に剥離させることができ、パーティクルの付着が極めて抑制された貼り合わせウエーハ26を製造することができる。
なお、ボンドウエーハ22の中央部を吸着してもよいが、ボンドウエーハ22の中央部を吸着した場合よりも外側領域を吸着した方が弱い力で剥離を行うことができる。特に、ボンドウエーハ22の中心から半径の3分の2より外側となる領域を吸盤7a,7bで吸着すれば、ボンドウエーハ22の外側領域を確実に反らせる形で引き離すことができ、容易に剥離させることができる。
また、ボンドウエーハ22の中心を基準に対称にあるいは全周を吸着してもよいが、中心を基準に対称にあるいは全周を吸着した場合よりも非対称に吸着した場合の方が弱い力で容易に剥離させることができる。
あるいは、ボンドウエーハ22を吸着用ステージ2で真空吸着し、ベースウエーハ21を吸着盤3で真空吸着して剥離を行うこともできる。ただし、ベースウエーハ21側の外側領域を吸着してボンドウエーハ22から引き離そうとすると、製品となる貼り合わせウエーハ26の外側領域が反る形となり、その負荷が外周付近のSOI層に影響するおそれがあるので、前記のようにボンドウエーハ22を吸着盤3で真空吸着してベースウエーハ21から引き離すようにして剥離させることが好ましい。
さらに、吸着から剥離までの一連作業を自動化することもできる。例えば、吸着用ステージ2でベースウエーハ21側を真空吸着した後、吸着盤3が自動的に下降してボンドウエーハ22側を真空吸着する。そして、吸着後、吸着盤3が自動的に上昇するように構成すれば、剥離工程をほぼ自動的に行うことが可能となる。
剥離後、ベースウエーハ21とSOI層との結合力をより高めるために、あるいはSOI層27の表面を平坦化させるために、例えば不活性ガス、水素ガス、あるいはこれらの混合ガス雰囲気下、1000〜1300℃の範囲の熱処理を行ってもよい。
以下、本発明の実施例及び比較例について説明する。
(実施例)
直径200mmのシリコンウエーハを用い、図5に示したフローに従ってSOIウエーハを製造した。
具体的には、ボンドウエーハに水素イオンを注入し、ベースウエーハと貼り合わせた後、剥離熱処理(アルゴンガス雰囲気、約500℃、30分間)を施した。次いで、図1に示したような剥離用治具1を用い、ベースウエーハ側を吸着用ステージで真空吸着し、さらに、ボンドウエーハ側の外縁から10mm以内の領域を吸着盤で真空吸着した。そして、吸着用ステージを固定した状態で吸着盤を引上げることによりボンドウエーハをベースウエーハから引き離すようにしてボンドウエーハ内のイオン注入層を境界として剥離させた。
得られた貼り合わせウエーハのSOI層上のパーティクル(0.5μm以上)をパーティクルカウンタ(KLAテンコール社製、SP−1)を用いてカウントした。
図6(A)は48枚のSOIウエーハのパーティクル数と度数を示している。図6(A)に見られるように、43枚(約90%)のSOIウエーハではパーティクル数は5個以下であり、残りの5枚でもパーティクル数は最大8個であった。平均パーティクル数は2.6個であった。
また、図7(A)は吸盤の位置とパーティクルの発生状況の一例を示している。パーティクルの局所的な異常発生は見られなかった。
(比較例)
実施例と同様のシリコンウエーハを用いて貼り合わせ及び剥離熱処理を行った後、図8に示したようなスライド式の治具30を用いて剥離を行った。得られた貼り合わせウエーハのSOI層上のパーティクル(0.5μm以上)をカウントした。
図6(B)は132枚のSOIウエーハのパーティクル数と度数を示している。55枚(約42%)ではパーティクル数が5個以下であったが、36枚(約27%)では6〜10個、残りのウエーハでは11個以上カウントされ、最大185個のパーティクルがカウントされた。平均パーティクル数は13.3個であった。
また、図7(B)はパーティクルの発生状況の一例を示している。局所的にパーティクルが異常発生していることがわかる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は単なる例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
例えば、本発明に係る剥離用治具は、図1−4に示した態様のものに限定されず、例えば、吸着盤の吸盤の形状、数、位置等、吸着用ステージの真空溝の形状、配置等は適宜設計すればよい。また、吸着用ステージの吸着手段として、吸着盤と同様の吸盤を用いてもよい。
また、剥離熱処理後の貼り合わせウエーハを垂直に支持した状態で水平方向から吸着及び剥離を行ってもよい。
さらに、上記実施態様では、2枚のシリコンウェーハからSOIウェーハを製造する場合について説明したが、イオン注入剥離法により貼り合わせウエーハを製造する場合であれば、ボンドウエーハとベースウエーハの材質や大きさは特に限定されず、例えば、ボンドウエーハとしてGaAs等の化合物半導体ウェーハを用いる場合、ベースウエーハとして炭化珪素、アルミナ等の絶縁性ウエーハを用いる場合等にも本発明は当然適用することができる。
本発明に係る剥離用治具の一例を示す概略図である。 図1の剥離用治具をウエーハに吸着させた状態を示す概略図である。 本発明に係る剥離用治具の他の例を示す概略図である。 図3の剥離用治具をウエーハに吸着させた状態を示す概略図である。 本発明に係る貼り合わせウエーハの製造方法の一例を示すフロー図である。 パーティクル数と度数を示す図である。(A)実施例 (B)比較例 パーティクルの発生状況の一例を示す図である。(A)実施例 (B)比較例 従来の剥離用治具(スライド式)の一例を示す概略図である。
符号の説明
1,11…剥離用治具、 2,12…ウエーハ吸着用ステージ、 3,13…ウエーハ吸着盤、 4…真空溝、 5…接触回避用突出部、 6…O−リング、 7a,7b,17a,17b…吸盤、 8…貼り合わせウエーハ(剥離前)、 9,10…真空路、 16…位置決めピン、 21…ベースウエーハ、 22…ボンドウエーハ、 23…酸化膜、 24…イオン注入層、 25…剥離ウエーハ、 26…貼り合わせウエーハ、 27…SOI層(活性層)。

Claims (8)

  1. 少なくとも、デバイスが形成されるウエーハにイオン注入することにより内部にイオン注入層を形成する工程と、該ウエーハのイオン注入した側の面を支持基板となる他のウエーハと貼り合わせる工程と、前記貼り合わされたウエーハに対して熱処理を施し、前記イオン注入層を境界として剥離させる工程を含む貼り合わせウエーハの製造方法において、前記剥離工程として、前記熱処理を施した後、前記イオン注入されたウエーハと支持基板となるウエーハをそれぞれ真空吸着し、該真空吸着の際、前記イオン注入されたウエーハを、該ウエーハの中心から半径の3分の2より外側となる領域を真空吸着し、少なくとも一方のウエーハを引き離すようにして前記イオン注入層を境界として剥離させることを特徴とする貼り合わせウエーハの製造方法。
  2. 前記イオン注入されたウエーハを前記支持基板となるウエーハから引き離すようにして前記イオン注入層を境界として剥離させることを特徴とする請求項1に記載の貼り合わせウエーハの製造方法。
  3. 前記イオン注入されたウエーハを、該ウエーハの中心を基準として非対称に吸着することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の貼り合わせウエーハの製造方法。
  4. 前記イオン注入するウエーハとして、シリコンウエーハを用いることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の貼り合わせウエーハの製造方法。
  5. 内部にイオン注入層が形成されたウエーハを支持基板となるウエーハと貼り合わせた後、前記イオン注入層を境界として剥離させるために使用する治具であって、少なくとも、いずれか一方のウエーハを真空吸着するための吸着手段を有するウエーハ吸着用ステージと、他方のウエーハを真空吸着するための吸盤を有するウエーハ吸着盤とを具備し、該ウエーハ吸着盤の吸盤が、吸着すべきウエーハの中心から半径の3分の2より外側となる領域を吸着する位置に設けられていることを特徴とする剥離用治具。
  6. 前記ウエーハ吸着用ステージのウエーハを吸着する側の面に、吸着すべきウエーハを位置決めするためのピンが設けられていることを特徴とする請求項5に記載の剥離用治具。
  7. 前記ウエーハ吸着盤の吸盤が、吸着すべきウエーハを該ウエーハの中心を基準として非対称に吸着する位置に設けられていることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の剥離用治具。
  8. 前記ウエーハ吸着用ステージ及びウエーハ吸着盤の少なくとも一方のウエーハを吸着する側の面に、前記剥離を行う際に前記ウエーハ吸着用ステージとウエーハ吸着盤とが一定の距離以下に近づくことを回避するための突出部が設けられていることを特徴とする請求項5ないし請求項7のいずれか1項に記載の剥離用治具。
JP2005121229A 2005-04-19 2005-04-19 貼り合わせウエーハの製造方法及びそれに用いる剥離用治具 Active JP4869622B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005121229A JP4869622B2 (ja) 2005-04-19 2005-04-19 貼り合わせウエーハの製造方法及びそれに用いる剥離用治具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005121229A JP4869622B2 (ja) 2005-04-19 2005-04-19 貼り合わせウエーハの製造方法及びそれに用いる剥離用治具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006303101A JP2006303101A (ja) 2006-11-02
JP4869622B2 true JP4869622B2 (ja) 2012-02-08

Family

ID=37471054

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005121229A Active JP4869622B2 (ja) 2005-04-19 2005-04-19 貼り合わせウエーハの製造方法及びそれに用いる剥離用治具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4869622B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4995626B2 (ja) * 2007-04-27 2012-08-08 信越化学工業株式会社 貼り合わせ基板の製造方法
JP5065748B2 (ja) * 2007-04-27 2012-11-07 信越化学工業株式会社 貼り合わせウエーハの製造方法
JP5703853B2 (ja) * 2011-03-04 2015-04-22 信越半導体株式会社 貼り合わせウェーハの製造方法
JP6104753B2 (ja) * 2013-08-09 2017-03-29 東京エレクトロン株式会社 剥離装置、剥離システムおよび剥離方法
JP5909453B2 (ja) * 2013-03-07 2016-04-26 東京エレクトロン株式会社 剥離装置、剥離システムおよび剥離方法
CN104659039B (zh) * 2015-03-13 2017-10-27 京东方科技集团股份有限公司 承载基板、柔性显示装置制作方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000077287A (ja) * 1998-08-26 2000-03-14 Nissin Electric Co Ltd 結晶薄膜基板の製造方法
JP2000150611A (ja) * 1998-11-06 2000-05-30 Canon Inc 試料の処理システム
JP3886959B2 (ja) * 2002-12-10 2007-02-28 エス オー アイ テック シリコン オン インシュレータ テクノロジーズ エス.アー. 材料複合体の製造方法
JP4427777B2 (ja) * 2002-12-27 2010-03-10 株式会社Sumco 半導体基板の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006303101A (ja) 2006-11-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5351191B2 (ja) 熱−機械的効果を使用したトリミングにより多層構造を製造するための方法
KR101185426B1 (ko) 복합 트리밍 방법
JP4869622B2 (ja) 貼り合わせウエーハの製造方法及びそれに用いる剥離用治具
KR102225474B1 (ko) 박리 장치, 박리 시스템, 박리 방법 및 컴퓨터 기억 매체
JP5065748B2 (ja) 貼り合わせウエーハの製造方法
JP5343525B2 (ja) 半導体装置の製造装置および半導体装置の製造方法
JP5458531B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JP2006278971A (ja) 貼り合わせウエーハの製造方法及びそれに用いるウエーハ保持用治具
KR20150016115A (ko) 적층 웨이퍼의 가공 방법
JP4979732B2 (ja) 貼り合わせウェーハの製造方法
JP2013102126A (ja) 半導体装置の製造方法および半導体装置の製造装置
US9548202B2 (en) Method for bonding by means of molecular adhesion
KR20150087181A (ko) Soi 웨이퍼의 제조방법
JP2013191781A (ja) 半導体製造装置および半導体製造装置の制御方法
JP2007194571A (ja) 半導体チップの分離方法及び装置
JP5303883B2 (ja) 貼り合わせウェーハの製造装置及び製造方法
JP2004311980A (ja) 半導体製造装置及び半導体装置の製造方法
JP2013219245A (ja) 半導体装置の製造方法
EP1420452A1 (en) Soi wafer producing method, and wafer separating jig
JP2004209633A (ja) 加工用基板固定装置およびその製造方法
JP4677717B2 (ja) Soiウェーハの製造方法およびその装置
JP2005079389A (ja) 貼り合わせウェーハの分離方法及びその分離用ボート
JP2010021326A (ja) 貼り合わせウェーハの製造方法
TW200409282A (en) A method of increasing the area of a useful layer of material transferred onto a support
JP2009065079A (ja) 半導体ウェハを保持する方法とそのために用いられる支持部材

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070814

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110329

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110331

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110506

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111101

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111116

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4869622

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141125

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250