JP2013191781A - 半導体製造装置および半導体製造装置の制御方法 - Google Patents

半導体製造装置および半導体製造装置の制御方法 Download PDF

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陽子 田中
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浩之 大井
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Abstract

【課題】高品質な状態で半導体チップを粘着シートから剥離し取り上げることができる半導体製造装置および半導体製造装置の制御方法を提供する。
【解決手段】ピックアップ装置の保持ステージ10は、粘着シート2を介して半導体チップ1aが載置される第1ステージ11と、第1ステージ11に載置された半導体チップ1aどうしが接触することを防止する接触防止板31と、を備える。このピックアップ装置において、第1ステージ11の溝21が設けられた面に半導体チップ1aを載置する。第1ステージ11の上方の所定の位置に所定の間隔をあけて接触防止板31を配置する。そして、減圧手段によって溝21および粘着シート2で囲まれた閉空間23を減圧し、隣り合う溝21の側壁で構成された突起部22に半導体チップ1aを保持する。その後、第1ステージ11から離れた位置に接触防止板31を移動し、コレットによって半導体チップ1aをピックアップする。
【選択図】図7

Description

この発明は、半導体製造装置および半導体製造装置の制御方法に関する。
近年、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)は、高性能化および低コスト化のために、半導体ウエハの薄化が進められている。例えば、IGBTの高性能化および低コスト化のために、半導体ウエハの厚さを50μm〜100μm程度、またはそれ以下の厚さになるまで薄くする必要がある。
デバイス厚の薄い半導体装置の製造方法として、次の方法が提案されている。半導体ウエハのおもて面にデバイス構造を形成した後、所定の厚さになるまで、半導体ウエハ裏面のバックグラインドやシリコンエッチングを行う。そして、半導体ウエハのおもて面に形成されたデバイス構造ごとにダイシングを行い、半導体ウエハを個々の半導体チップに切断する。
また、デバイス厚の薄い半導体装置の別の製造方法として、次の方法が提案されている。半導体ウエハのおもて面にデバイス構造を形成した後、ダイシングラインに沿って、半導体ウエハのおもて面に例えば半導体装置の完成後の所定の厚さよりも深い溝を形成する。そして、半導体ウエハ裏面のバックグラインドやシリコンエッチングを行い、半導体ウエハを所定の厚さになるまで薄くすることで、おもて面に形成された溝によって半導体ウエハは個々の半導体チップに切断される。
デバイス厚の薄い半導体装置を製造する別の方法として、さらに、次の方法が提案されている。半導体ウエハのおもて面にデバイス構造を形成した後、半導体ウエハ裏面のバックグラインドやシリコンエッチングを行い、半導体ウエハの直径よりも狭い範囲で半導体ウエハの中央部のみを薄くして、半導体ウエハの外周部(以下、リブ部とする)を残す。そして、半導体ウエハのリブ部を残したまま、またはリブ部を除去した後にダイシングを行い、半導体ウエハを個々の半導体チップに切断する。
このように半導体ウエハをダイシングする際に、ダイシングによって分離された半導体チップが飛び散るなどの問題を回避するために、例えば、半導体ウエハの裏面にダイシングシートなどの粘着シートを貼り付けてダイシングを行う方法が公知である。半導体ウエハの裏面に粘着シートを貼り付けてダイシングを行った後、半導体チップをピックアップするためのピックアップ装置に、粘着シートに貼り付いて固定された状態の半導体チップを投入し、粘着シートからピックアップして個々の半導体チップに分離する。
粘着シートから半導体チップをピックアップする方法として、次の方法が提案されている。粘着シートが貼り付けられた裏面側から半導体チップを例えばニードルによって上方に突き上げることにより、半導体チップと粘着シートとの接触面積を低減させる。ニードルによって上方に突き上げられた半導体チップは、半導体チップ上面をコレットなどによって吸引されることにより粘着シートからピックアップされ、半導体チップが搭載されるダイパッドなどに搬送される。しかしながら、半導体チップが薄化されている場合、ニードルによる突き上げにより、半導体チップの裏面が傷ついたり、半導体チップが破損したりする虞がある。
このような問題を解決するために、ニードルによる突き上げを行わない方法として、次の方法が提案されている。固定ジグは、片面に複数の突起物と側壁を有するジグ基台と、ジグ基台の突起物を有する面上に積層され側壁の上面に接着された密着層とからなる。ジグ基台の突起物を有する面には、密着層、突起物および側壁により区画空間が形成され、貫通孔によって真空源に接続されている。貫通孔を通して区画空間内の空気を吸引して密着層を変形させるとともに、チップの上面側から吸着コレットがチップを吸引して、チップを密着層からピックアップする(例えば、下記特許文献1参照。)。
また、別の方法として、チップ状部品と対向する領域をカバーするように分布する複数の吸引溝と、これら吸引溝間であって各チップ状部品に対して少なくとも2箇所において部分的に対向するように位置する突起とを有する、載置台上に保持シートを載置し、吸引溝に負圧を付与することによって、保持シートを突起に沿うように変形させてチップ状部品から剥がそうとするとき、まず、チップ状部品の周縁部に対向する吸引溝に付与される負圧をより強くし、チップ状部品の周縁部から保持シートが剥がれるようにする方法が提案されている(例えば、下記特許文献2参照。)。
さらに、別の方法として、次の方法が提案されている。吸着駒のダイシング用テープを介して半導体チップの裏面側を載置する面には、上に凹状かつ略半球形状で、同一の高さの複数の突起がそれぞれ垂直に立ち上がるように設けられた吸着面と、吸着面の外周部の全周囲にわたって幅が0.4mm以下、かつ高さが突起の高さと同じか突起の高さとの差が1mm未満である側壁と、が設けられている。そして、突起同士の間の谷もしくは突起の側面またはその両方の少なくとも一つ以上に設けられた吸着穴からダイシング用テープを吸着して、突起に吸い寄せ、半導体チップのおもて面側からコレットによって半導体チップをピックアップする。吸着穴からダイシング用テープを吸着する際には、ダイシング用テープの弾力性の範囲内で吸着駒の側壁と吸着面との間にダイシング用テープがわずかに沈み込むようにする(例えば、下記特許文献3参照。)。
また、半導体チップに傷がつくことなどを回避するピックアップ装置として、次の装置が提案されている。ウエハ載置台は、頂部で粘着シートを介してICチップの下面を保持する複数の突起と、複数の突起の谷部に形成された吸引溝と、この吸引溝に接続管を介して接続され、吸引溝に吸引力を発生させることで、粘着シ−トをICチップから剥離して突起の谷部に吸着する真空装置を具備する(例えば、下記特許文献4参照。)。
特開2008−103493号公報 特開平11−54594号公報 特開2010−123750号公報 特開平5−335405号公報
しかしながら、上述した各特許文献に示す技術では、次のような問題が生じる。図13
は、従来の半導体製造装置の保持ステージに保持された状態の半導体チップを示す断面図である。図13には、複数の半導体チップ101aを固定する粘着シート102を保持ステージ111の突起部111aに沿うように変形させて、半導体チップ101aから粘着シート102を断続的に剥離した状態を示す。図13に示すように粘着シート102を変形させたときに、1つの半導体チップ101a−1の面内で粘着シート102が半導体チップ101aから剥離されるタイミングが異なる場合、粘着シート102の剥離が早かった部分が浮いてしまう。つまり、コレットによって半導体チップ101a−1を吸引する前に、半導体チップ101a−1が保持ステージ111に対して傾いた状態となってしまう。
半導体チップ101a−1が保持ステージ111に対して傾いた状態となった場合、半導体チップ101a−1の端部が隣り合う半導体チップ101a−2に接触し、半導体チップ101a−1,101a−2に欠けが生じる虞がある。また、半導体チップ101a−1が保持ステージ111に対して傾いた状態となった場合、半導体チップ101a−1の浮き上がった側の端部がコレット(不図示)に衝突し、半導体チップ101a−1に傷がつく虞がある。
また、半導体チップ101a裏面の表面粗さや金属膜の有無によって半導体チップ101aと粘着シート102との密着力が異なること、粘着シート102を構成する基材および粘着層の材質などによって粘着力や剛性が変わることなどの要因によって、突起部111aへの粘着シート102の変形しやすさが異なる。このため、突起部111aへの粘着シート102の変形を一定に制御することは難しい。したがって、上述した各特許文献に示す技術では、上述したように半導体チップ101a−1が保持ステージ111に対して傾いた状態となってしまうことを防止することができない。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、高品質な状態で半導体チップを粘着シートから剥離し取り上げることができる半導体製造装置および半導体製造装置の制御方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、本発明の目的を達成するため、この発明にかかる半導体製造装置は、ダイシングによって切断された半導体チップを粘着シートから取り上げる半導体製造装置であって、次の特徴を有する。前記半導体チップが載置されるステージを備える。前記ステージの前記半導体チップが載置される面には、溝が設けられている。また、前記ステージの前記半導体チップが載置される面には、前記溝の開口部側の端部によって形成され、前記粘着シートを介して前記半導体チップを保持する頂点部が設けられている。前記ステージには、前記溝に連結された少なくとも1つの通気孔が設けられている。前記ステージに載置された前記半導体チップの前記ステージ側の面に貼り付いている前記粘着シート、および前記ステージに設けられた前記溝で囲まれた空間を、前記通気孔を介して減圧する減圧手段を備える。前記減圧手段によって前記空間が減圧されることで前記頂点部に保持された前記半導体チップを吸引して取り上げる吸引手段を備える。前記ステージの上方に所定の間隔をあけて配置され、前記減圧手段によって前記空間が減圧されるときに前記半導体チップどうしが接触することを防止する接触防止板を備える。
また、この発明にかかる半導体製造装置は、上述した発明において、前記減圧手段によって前記空間が減圧される前に、前記ステージの上方に前記接触防止板を移動し、前記吸引手段によって前記半導体チップの取り上げが開始される前に、前記吸引手段の動作を妨げない位置に前記接触防止板を移動する移動手段をさらに備える。
また、この発明にかかる半導体製造装置は、上述した発明において、ダイシングによって前記半導体チップの1辺の長さa、前記半導体チップの厚さb、隣り合う前記半導体チップ間の間隔cとなるように切断された矩形状の前記半導体チップが載置された前記ステージの上方に、下記(1)式を満たす所定の間隔xをあけて前記接触防止板が配置されることを特徴とする。
Figure 2013191781
また、この発明にかかる半導体製造装置は、上述した発明において、前記接触防止板は、前記ステージに載置されたすべての前記半導体チップの主面に対向することを特徴とする。
また、上述した課題を解決し、本発明の目的を達成するため、ダイシングによって切断された半導体チップを粘着シートから取り上げる半導体製造装置の制御方法であって、次の特徴を有する。前記粘着シートが貼り付けられた側の面をステージ側にして、前記ステージの溝が設けられた面に前記半導体チップを載置する載置工程を行う。つぎに、前記溝および前記粘着シートで囲まれた空間を減圧し、前記溝の開口部側の端部によって形成された頂点部に前記半導体チップを保持させる減圧工程を行う。前記減圧工程では、前記ステージの上方に所定の間隔をあけて配置された接触防止板によって前記半導体チップどうしが接触することを防止する。つぎに、吸引手段によって、前記頂点部に保持された前記半導体チップを吸引して取り上げる吸引工程を行う。
また、この発明にかかる半導体製造装置の制御方法は、上述した発明において、さらに、次の特徴を有する。前記減圧工程の前に、前記ステージの上方に前記接触防止板を移動する第1移動工程を行う。前記載置工程後、前記吸引工程の前に、前記吸引手段の動作を妨げない位置に前記接触防止板を移動する第2移動工程を行う。
また、この発明にかかる半導体製造装置の制御方法は、上述した発明において、さらに次の特徴を有する。前記載置工程では、ダイシングによって前記半導体チップの1辺の長さa、前記半導体チップの厚さb、隣り合う前記半導体チップ間の間隔cとなるように切断された矩形状の前記半導体チップを前記ステージに載置する。前記第1移動工程では、前記ステージの上方に、下記(2)式を満たす所定の間隔xをあけて前記接触防止板を配置する。
Figure 2013191781
また、この発明にかかる半導体製造装置の制御方法は、上述した発明において、前記接触防止板は、前記ステージに載置されたすべての前記半導体チップの主面に対向することを特徴とする。
上述した発明によれば、減圧手段によって粘着シートおよびステージの溝で囲まれた閉空間が減圧されている間、ステージの上方の所定位置に所定の間隔をあけて接触防止板が配置されるため、半導体チップがステージに対して傾いた状態になったとしても、隣り合う他の半導体チップに接触しない程度に半導体チップの傾き角度を抑えることができる。これにより、隣り合う半導体チップどうしが接触することにより生じる半導体チップの欠けや傷を防止することができる。
また、実施の形態によれば、接触防止板はステージに載置されたすべての半導体チップの主面に対向するため、ステージに載置されたすべての半導体チップの欠けや傷を防止することができる。また、実施の形態によれば、吸引手段によって半導体チップをピックアップするときには、接触防止板はコレットの動作を妨げない位置に移動されるため、従来のピックアップ装置と同様の動作を行う吸引手段を用いることができる。
本発明にかかる半導体製造装置および半導体製造装置の制御方法によれば、高品質な状態で半導体チップを粘着シートから剥離し取り上げることができるという効果を奏する。
実施の形態にかかる半導体製造装置で処理される半導体ウエハを示す平面図である。 図1に示す半導体ウエハのダイシング後の状態を示す平面図である。 実施の形態にかかる半導体製造装置の要部を模式的に示す斜視図である。 実施の形態にかかる半導体製造装置の要部を模式的に示す断面図である。 実施の形態にかかる半導体製造装置に半導体チップを載置した後の状態を示す断面図である。 実施の形態にかかる半導体製造装置の要部を模式的に示す鳥瞰図である。 実施の形態にかかる半導体製造装置の保持ステージに載置された状態の半導体チップを示す断面図である。 図7に示す隣り合う半導体チップどうしが接触した状態を示す断面図である。 実施の形態にかかる半導体製造装置の動作について順に示す断面図である。 実施の形態にかかる半導体製造装置の動作について順に示す断面図である。 実施の形態にかかる半導体製造装置の動作について順に示す断面図である。 実施の形態にかかる半導体製造装置の動作について順に示す断面図である。 従来の半導体製造装置の保持ステージに保持された状態の半導体チップを示す断面図である。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる半導体製造装置および半導体製造装置の制御方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、以下の実施の形態の説明および添付図面において、同様の構成には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
(実施の形態)
図1は、実施の形態にかかる半導体製造装置で処理される半導体ウエハを示す平面図である。また、図2は、図1に示す半導体ウエハのダイシング後の状態を示す平面図である。実施の形態にかかる半導体製造装置で処理される前の半導体ウエハ1について説明する。図1,2に示すように、半導体ウエハ1は、粘着シート2を貼り付けられた状態でダイシングされ、デバイスの表面構造が形成された個々の半導体チップ1aに切断される。
具体的には、例えば、次のように半導体ウエハ1をダイシングして個々の半導体チップ1aに切断する。半導体ウエハ1には、図1に示すように、半導体チップの形成領域1bごとに、半導体ウエハ1のおもて面側にデバイスの表面構造が形成されている。半導体チップの形成領域1bは、例えば等間隔にマトリクス状に配置されている。隣り合う半導体チップの形成領域1bの間には、ダイシングライン1c等の目印が形成されている。
半導体ウエハ1の裏面は、バックグラインドやシリコンエッチングを行い、半導体ウエハ1を所定の厚さになるまで薄化されており、裏面側の半導体層や電極などが形成されている。半導体ウエハ1は、裏面が平坦なウエハであってもよいし、裏面側の外周部(リブ部)を残したリブウエハとしてもよい。
上記のように薄化された半導体ウエハ1の裏面側に粘着シート2を貼り付ける。粘着シート2は、ダイシングによって分離された半導体チップ1aが飛び散るなどの問題を回避する機能を有する。図1は、半導体ウエハ1の裏面側に粘着シート2が貼り付けられた状態を示している。
なお、粘着シート2は予めダイシングフレーム3に貼り付けられており、粘着シート2に半導体ウエハ1を貼り付けることにより、ダイシングフレーム3に半導体ウエハ1を固定する。
つぎに、ダイシングライン1cに沿って、半導体ウエハ1のおもて面側から半導体ウエハ1をダイシングする。このとき、ダイシングによる切れ込みが粘着シート2を貫通しないようにダイシングを行う。これにより、図2に示すように、半導体ウエハ1は個々の半導体チップ1aに切断される。
なお、半導体ウエハ1に対する切断工程終了後、粘着シートの粘着力の性能に応じて、この粘着力を弱める工程を備えてもよい。粘着力を弱める工程は、粘着シートの粘着層の特性に応じて、加熱を行ったり、裏面側から紫外線を照射したりするものである。
粘着シート2の厚さは、例えば20μm以上200μm以下であるのが望ましい。その理由は、粘着シート2の厚さが200μmを超えると、粘着シート2の剛性が高くなり、実施の形態にかかる半導体製造装置によって粘着シート2から半導体チップ1aを取り上げる(ピックアップする)際に、後述するように保持ステージに設けられた溝に沿って粘着シート2が変形しにくく、半導体チップ1aから粘着シート2を剥離することができなくなるからである。
半導体チップ1aは、粘着シート2に貼り付いていた状態であるため、後述する実施の形態にかかる半導体製造装置によって粘着シート2からピックアップされ分離される。すなわち、実施の形態にかかる半導体製造装置は、粘着シート2に貼り付いた半導体チップ1aを粘着シート2からピックアップするピックアップ装置である。
つぎに、実施の形態にかかる半導体製造装置(以下、ピックアップ装置とする)の構成について説明する。図3は、実施の形態にかかる半導体製造装置の要部を模式的に示す斜視図である。図4は、実施の形態にかかる半導体製造装置の要部を模式的に示す断面図である。図5は、実施の形態にかかる半導体製造装置に半導体チップを載置した後の状態を示す断面図である。図3〜5に示すように、ピックアップ装置の保持ステージ10は、粘着シート2を介して半導体チップ1aが載置される第1ステージ11と、第1ステージ11を支持する第2ステージ12と、保持ステージ10の真空引きを行うための真空引き用の配管13と、第1ステージ11に載置された半導体チップ1aどうしが接触することを防止する接触防止板31と、を備える。
第1ステージ11の半導体チップ1aが載置される側の面(以下、上面とする)には、複数の溝21と、隣り合う溝21の側壁で構成された突起部22と、溝21に連結された通気孔14と、が設けられている。第1ステージ11は、例えば、円形状の平面形状を有する。そして、第1ステージ11は、例えば片側(以下、底面とする)12aが塞がれた筒形状の側壁12bを有する第2ステージ12の開口部12cを塞ぐように、第2ステージ12の側壁12bに支持されている。
第1ステージ11は、第1ステージ11の上面に対して反対側の面(以下、下面とする)が、第2ステージ12の底面12aから離れた状態で、第2ステージ12の側壁12bに支持されている。また、第1ステージ11の側面は、第2ステージ12の側壁12bとの間に隙間ができないように接触している。これにより、保持ステージ10内には、第1ステージ11と第2ステージ12とに囲まれた真空引き用の空間15が形成される。
この真空引き用の空間15は、第1ステージ11に設けられた通気孔14と、第2ステージ12に設けられた配管13とをつなぐように形成されている。通気孔14は、第1ステージ11の上面に形成された溝21の底部から第1ステージ11を貫通し、溝21と真空引き用の空間15とをつなぐように形成されている。通気孔14は、第1ステージ11に少なくとも1つ以上設けられている。
配管13は、例えば、第2ステージ12の側壁12bを貫通し、第2ステージ12の外側に露出する。配管13の、第2ステージ12の外側に露出した部分は、図示省略するバルブを介して真空装置などの減圧手段(不図示)に連結されている。減圧手段によって真空引きが行われることにより、通気孔14、真空引き用の空間15および配管13を通る空気の流れ(実線矢印)16が形成され、第1ステージ11の上面側の空気が吸引される。
後述するように、第1ステージ11の上面には、半導体チップ1aの粘着シート2が貼り付けられた面を下側(第1ステージ11側)にして半導体チップ1aが載置される。このため、減圧手段によって真空引きが行われることにより、粘着シート2および第1ステージ11の溝21で囲まれた空間(以下、閉空間とする)が減圧される。これにより、粘着シート2が溝21の側壁に沿って変形し、粘着シート2の溝21に対向する部分が半導体チップ1aから剥離される。
減圧手段は、第1ステージ11の上面に粘着シート2を介して半導体チップ1aが載置
されたときに形成される粘着シート2および第1ステージ11の溝21で囲まれた閉空間を減圧する。そして、減圧手段は、半導体チップ1aに貼り付けられた粘着シート2を溝21の内壁に沿うように変形させる。具体的には、減圧手段は、半導体チップ1aと粘着シート2との接触部分が突起部22の半導体チップ1a側の端部(以下、頂点部とする)に対応する部分のみになるまで当該閉空間を減圧する。
接触防止板31は、例えば第1ステージ11の上面に対向する平坦面を有する板状部材である。接触防止板31は、少なくとも第1ステージ11に載置されたすべての半導体チップ1aに対向する大きさを有する。また、接触防止板31は、接触した半導体チップ1aに欠けが発生しない材料でできている。例えば、接触防止板31は、アクリルゴム、ニトリルゴム、フッ素系ゴム、シリコンゴムなどを半導体チップ1aと接触する側に貼り付けた2層構造を有する部材であってもよい。
接触防止板31は、移動可能に支持されており、減圧手段によって真空引き用の空間15の減圧が開始される前に、第1ステージ11の上方の所定位置に、第1ステージ11の上面と所定の間隔xをあけて配置される。接触防止板31の平坦面は、第1ステージ11に載置される半導体チップ1aの主面と対向する。接触防止板31は、少なくとも減圧手段によって真空引き用の空間15が減圧されている間、第1ステージ11の上方の所定位置で保持される。そして、接触防止板31は、半導体チップ1aの端部が浮き上がったときに、半導体チップ1aの浮き上がった端部の接触をうけて、半導体チップ1aの浮き上がりを抑えることにより、隣り合う半導体チップ1aどうしが接触することを防止する。
具体的には、接触防止板31は、第1ステージ11の上面と所定の間隔xをあけて配置され、一方の端部が浮き上がることにより第1ステージ11に対して傾いた半導体チップ1aの第1ステージ11に対する傾き角度(以下、半導体チップ1aの傾き角度とする)θを所定角度未満に抑える。半導体チップ1aの傾き角度θとは、半導体チップ1aの裏面(粘着シート2側の面)と第1ステージ11の上面とのなす角度である。隣り合う半導体チップ1aどうしが接触しないための接触防止板31と第1ステージ11の上面との所定の間隔xの条件、および半導体チップ1aの傾き角度θの条件については後述する。
一方、接触防止板31は、後述するコレット(不図示)によって半導体チップ1aがピックアップされるときには、コレットによる半導体チップ1aのピックアップ動作を妨げない位置に移動される。コレットによる半導体チップ1aのピックアップ動作を妨げない位置とは、例えば、接触防止板31の平坦面が第1ステージ11の上面から離れた位置である。具体的には、コレットによる半導体チップ1aのピックアップ動作を妨げない位置とは、例えば、接触防止板31の平坦面と第1ステージ11の上面とが略垂直になる位置など、接触防止板31の平坦面と第1ステージ11の上面とが対向しない位置である。第1ステージ11の上方の所定位置や、第1ステージ11の上面から離れた位置への接触防止板31の移動は、例えば図示省略する移動手段によって行われる。
保持ステージ10の上方には、半導体チップ1aをピックアップするコレットが設けられている。コレットは、減圧手段によって粘着シート2および第1ステージ11の溝21で囲まれた閉空間が減圧された後に、半導体チップ1aを吸引して吸着し半導体チップ1aをピックアップする。具体的には、コレットは、半導体チップ1aと粘着シート2との接触部分が突起部22に対応する部分のみになるまで粘着シート2が変形された後に、半導体チップ1aを吸引してピックアップする。
コレットは、第1ステージ11の突起部22に粘着シート2を介して保持された半導体チップ1aと予め定めた間隔hをあけて配置されるのが好ましい。その理由は、コレットを半導体チップ1aに押し付けずに半導体チップ1aをピックアップすることができ、半導体チップ1aの表面に形成された素子構造などに傷がつくことを防止することができるからである。
さらに、ピックアップ装置は、粘着シート2を加熱する加熱手段(不図示)を備えていてもよい。加熱手段によって粘着シート2を加熱することにより、粘着シート2が変形しやすくなる。具体的には、加熱手段は、例えば、減圧手段によって真空引き用の空間15が減圧されるときに、粘着シート2を加熱するヒーターであってよい。
ピックアップ装置を構成する保持ステージ10、接触防止板31、移動手段、減圧手段、コレットおよび加熱手段の制御は、例えば、ピックアップ装置におけるROM、RAM、磁気ディスク、光ディスクなどに記録されたプログラムやデータを用いて、CPUが所定のプログラムを実行することによって行われる。
つぎに、第1ステージ11の溝21および突起部22について詳細に説明する。図6は、実施の形態にかかる半導体製造装置の要部を模式的に示す鳥瞰図である。図6には、図3に示す第1ステージ11の一部分11aの拡大図を示す。図6に示すように、溝21は、所定の間隔で設けられた複数の第1溝部21aと、第1溝部21aに直交し、かつ所定の間隔で設けられた第2溝部21bと、からなる。第1,2溝部21a,21bは、例えば、第1ステージ11の上面から第1ステージ11の下面に達しない深さで設けられている。
隣り合う第1溝部21a間、および隣り合う第2溝部21b間の間隔は、矩形状の半導
体チップ1aの短辺の長さ以下であるのが望ましい。その理由は、半導体チップ1aの短
辺を少なくとも2つの突起部22で保持することができるからである。第1,2溝部21
a,21bの断面形状は、第1ステージ11の深さ方向に向かって徐々に幅が狭くなる逆
三角形状や、第1ステージ11の深さ方向に向かって幅がほぼ等しい矩形形状であるのが
好ましい。その理由は、第1ステージ11の上面に第1,2溝部21a,21bを形成す
る際に、加工しやすいからである。
突起部22は、複数の第1,2溝部21a,21bによって、第1ステージ11の上面に複数設けられ、粘着シート2を介して半導体チップ1aを保持する。突起部22は、角錐台状をなす。そして、突起部22の半導体チップ1a側の端部(頂点部)22aには、半導体チップ1aが面接触する平面が設けられている。突起部22の頂点部22aは、第1ステージ11の上面に保持される半導体チップ1aの例えば裏面に平行な平坦面となっており、半導体チップ1aの第1ステージ11側の面に面接触する。
突起部22は、半導体チップ1aを吸引してピックアップするコレット(不図示)によって、突起部22上の半導体チップ1aを傾けることなくピックアップすることができる形状であればよい。具体的には、突起部22の形状は、角錐台状に限らず、例えば角錐状や立方体状であってもよい。突起部22の形状が角錐状である場合、突起部22の頂点部22aは、半導体チップ1aに点接触する。各突起部22は、各頂点部22aが同一面内に位置するように、それぞれ同じ高さで設けられている。
突起部22の頂点部22aの表面積は、例えば、突起部22の頂点部22aに粘着シート2を介して保持される半導体チップ1aをピックアップするコレットの吸引力によって決定される。具体的には、半導体チップ1aと突起部22の頂点部22aとの間にある粘着シート2のみが半導体チップ1aに貼り付いている状態のときに、半導体チップ1aと粘着シート2との密着力が、コレットによって半導体チップ1aをピックアップすることができる程度の密着力となるように、突起部22の頂点部22aの表面積を決定する。
つぎに、隣り合う半導体チップ1aどうしが接触しないための条件について説明する。図7は、実施の形態にかかる半導体製造装置の保持ステージに載置された状態の半導体チップを示す断面図である。図8は、図7に示す隣り合う半導体チップどうしが接触した状態を示す断面図である。図7は、図5に示すように半導体チップ1aが載置された第1ステージ11の一部を拡大して示す拡大図である。図8では、半導体チップ1aの傾き角度θを明確にするために、半導体チップ1aを図7と異なる寸法で図示する。
図7に示すように、半導体チップ1aは、粘着シート2が貼り付けられた側の面を下にして載置されることにより、粘着シート2を介して複数の突起部22の頂点部22aに接触した状態となる。これにより、粘着シート2および第1ステージ11の溝21(第1,2溝部21a,21b)で囲まれた閉空間23が形成される。この状態で、減圧手段によって閉空間23が減圧されることにより、粘着シート2が溝21の側壁に沿って変形し、粘着シート2の溝21に対向する部分が半導体チップ1aから剥離されるため、半導体チップ1aは、粘着シート2からほぼ剥離された状態となる。
図8に示すように、隣り合う半導体チップ1aを、対向する上端部どうしが接触するようにそれぞれ対向する側の端部を支点として第1ステージ11に対して同じ傾き角度で傾かせた場合の傾き角度よりも小さい傾き角度θであれば、隣り合う半導体チップ1aどうしは接触しない。このため、隣り合う半導体チップ1aどうしが接触しないための半導体チップ1aの傾き角度θの条件は、下記(3)式であらわされる。矩形状の半導体チップ1aの1辺の長さa、半導体チップ1aの厚さb、隣り合う半導体チップ1a間の間隔cとなるように、ダイシングにより個々の半導体チップ1aに切断されたものとする。
Figure 2013191781
接触防止板31は、半導体チップ1aの傾き角度θが上記(3)式を満たす位置で、半導体チップ1aの浮き上がった側の端部が接触するように、第1ステージ11との所定の間隔xをあけて配置される。このため、接触防止板31によって、上記(3)式を満たすように半導体チップ1aの端部の浮き上がりを抑えることができ、隣り合う半導体チップ1aどうしが接触することを防止することができる。したがって、上記(3)式を満たす接触防止板31と第1ステージ11との間隔xの条件は、下記(4)式であらわされる。
Figure 2013191781
上記(3)式、(4)式より、半導体チップ1aどうしが接触しないための接触防止板31と第1ステージ11との間隔xは、下記(5)式であらわされる。
Figure 2013191781
例えば、半導体チップ1aの1辺の長さaを10mmとし、半導体チップ1aの厚さbを100μmとし、隣り合う半導体チップ1a間の間隔cを30μmとした場合、上記(5)式より、半導体チップ1aどうしが接触しないための接触防止板31と第1ステージ11との間隔xは、1.6mm未満となる。矩形状の半導体チップ1aが長辺と短辺とを有する場合、半導体チップ1aの1辺の長さaは、例えば、小さい傾斜角度θで隣り合う半導体チップ1aと接触する可能性のある例えば長辺の長さを適用してもよい。このように、接触防止板31は、上記(5)式を満たすように接触防止板31と第1ステージ11との間隔xをあけて配置され、上記(3)式を満す傾き角度θとなるように半導体チップ1aの端部の浮き上がりを抑える機能を有する。
つぎに、実施の形態にかかるピックアップ装置による半導体チップ1aのピックアップ方法について説明する。図9〜12は、実施の形態にかかる半導体製造装置の動作について順に示す断面図である。図9〜12は、図7に示すように保持ステージ10の第1ステージ11の上面に載置された1つの半導体チップ1aについて示す。まず、図9に示すように、第1ステージ11の上面に、ダイシングフレーム3に固定された半導体チップ1aを、粘着シート2が貼り付けられた側の面を下にして載置する。第1ステージ11の載置された半導体チップ1aは、粘着シート2を介して複数の突起部22の頂点部22aに接触した状態となる。そして、粘着シート2および第1ステージ11の溝21(第1,2溝部21a,21b)で囲まれた閉空間23が形成される。
つぎに、図10に示すように、移動手段によって、第1ステージ11の上方の所定位置に接触防止板31を移動する。接触防止板31は、上記(5)式を満たすように第1ステージ11の上面と所定の間隔xをあけて配置される。これにより、接触防止板31の平坦面は、第1ステージ11に載置されたすべての半導体チップ1aの主面と所定の間隔をあけて対向する。第1ステージ11の上方に接触防止板31を移動するタイミングは、第1ステージ11に半導体チップ1aが載置される前であってもよいし、第1ステージ11に半導体チップ1aが載置された後であってもよい。
つぎに、減圧手段(不図示)によって、通気孔14を介して、粘着シート2および第1ステージ11の溝21で囲まれた閉空間23を減圧する。これにより、半導体チップ1aに貼り付けられた粘着シート2の、溝21に対向する部分に負圧が生じ、粘着シート2のみが溝21の内壁に沿って変形される。このため、粘着シート2および第1ステージ11の溝21で囲まれた閉空間23はほぼなくなる。このようにして、粘着シート2の、溝21に対向する部分が半導体チップ1aから剥離される。これにより、半導体チップ1aと粘着シート2とは、突起部22の頂点部22aに対応する部分のみで密着した状態となり、半導体チップ1aから粘着シート2がほぼ剥離された状態となる。したがって、半導体チップ1aと粘着シート2との密着をコレットの吸引力のみで吸引可能な程度に低くすることができる。
このとき、粘着シート2との密着力が低下した半導体チップ1aが第1ステージ11に対して傾いた状態となったとしても、第1ステージ11の上方には接触防止板31が上記(5)式を満たすように所定の間隔xをあけて配置されているため、半導体チップ1aの浮き上がった側の端部は接触防止板31に接触する。これにより、第1ステージ11に対して傾いた半導体チップ1aの傾き角度θは上記(3)式を満たす値となる。このため、半導体チップ1aは、第1ステージ11に対して傾いた状態になったとしても、隣り合う他の半導体チップ1aに接触しない。したがって、半導体チップ1aに欠けが生じることはない。
また、第1ステージ11に対して傾いた状態となった半導体チップ1aは、接触防止板31に接触することにより、第1ステージ11に対して傾いていない状態に戻る(傾き角度θ=0)。その後、移動手段によって、第1ステージ11から離れた位置に接触防止板31を移動する。つぎに、図11に示すように、半導体チップ1aから予め定めた間隔hをあけて半導体チップ1aの上方に、コレット41を移動する。つぎに、コレット41によって、半導体チップ1aを吸引して吸着する。半導体チップ1aと粘着シート2との密着力は十分に低くなっているので、コレット41と半導体チップ1aとの間隔hを例えば1mm以下とすることができる。これにより、コレット41の吸引力のみで半導体チップ1aをピックアップすることができる。
コレット41を半導体チップ1aに押し付けずに、半導体チップ1aをピックアップすることが好ましい。このため、コレット41と半導体チップ1aとの間隔hは、コレット41が半導体チップ1aに押し付けられない間隔であればよく、コレット41と半導体チップ1aとが接触していてもよい。すなわち、コレット41と半導体チップ1aとの間隔hは0mm以上であるのが好ましい。コレット41と半導体チップ1aとの間隔hを0mm以上とすることで、半導体チップ1aの表面に形成された素子構造などに傷がつくことを防止することができる。
また、コレット41によって半導体チップ1aを吸引している間、減圧手段によって閉空間23を減圧しつづける。これにより、半導体チップ1aから剥離された粘着シート2は、溝21の内壁に接した状態で維持されるので、コレット41によって半導体チップ1aを吸引するときに粘着シート2がコレット41に貼り付くことはない。このようにして、図12に示すように、第1ステージ11から半導体チップ1aがピックアップされる。
ピックアップ装置が加熱手段を備えている場合、加熱手段によって粘着シート2を加熱しながら、減圧手段によって閉空間23を減圧してもよい。加熱手段によって粘着シート2を加熱することで、粘着シート2は変形しやすくなる。このため、粘着シート2は、第1ステージ11の溝21の内壁に沿って容易に変形し、半導体チップ1aから剥離される。
以上、説明したように、実施の形態によれば、減圧手段によって粘着シートおよび第1ステージの溝で囲まれた閉空間が減圧されている間、第1ステージの上方の所定位置に所定の間隔をあけて接触防止板が配置されるため、半導体チップが第1ステージに対して傾いた状態になったとしても、隣り合う他の半導体チップに接触しない程度に半導体チップの傾き角度を抑えることができる。これにより、隣り合う半導体チップどうしが接触することにより生じる半導体チップの欠けや傷を防止することができる。したがって、高品質な状態で半導体チップを粘着シートから剥離しピックアップすることができる。
また、実施の形態によれば、接触防止板は第1ステージに載置されたすべての半導体チップの主面に対向するため、第1ステージに載置されたすべての半導体チップの欠けや傷を防止することができる。また、実施の形態によれば、コレットによって半導体チップをピックアップするときには、接触防止板はコレットの動作を妨げない位置に移動されるため、従来のピックアップ装置と同様の動作を行うコレットを用いることができる。このため、半導体チップをピックアップするための特殊な治具を設ける必要はない。
また、上述した発明によれば、減圧手段によって粘着シートおよび第1ステージの溝で囲まれた閉空間が減圧されることで、粘着シートの溝に対向する部分が半導体チップから剥離され、粘着シートを介して複数の頂点部のみに半導体チップを保持させることができる。このため、半導体チップと粘着シートとの密着力を吸引手段の吸引力のみで半導体チップをピックアップ可能な程度まで低下させることができる。これにより、半導体チップを粘着シートから確実に剥離しピックアップすることができる。また、半導体チップと粘着シートとの密着力をコレットの吸引力のみで半導体チップをピックアップ可能な程度まで低下させることができるので、吸引手段によって半導体チップをピックアップするときに、従来のようにニードルなどを用いて半導体チップを突き上げる処理を行う必要がない。したがって、半導体チップの表面にニードルなどによって傷が生じることを防止することができる。これにより、高品質な状態で半導体チップを粘着シートから剥離しピックアップすることができる。
さらに、上述した発明によれば、半導体チップと粘着シートとの密着力を吸引手段の吸引力のみで半導体チップをピックアップ可能な程度まで低下させることができる。このため、コレットを半導体チップに押し付けることなく、コレットの吸引力によって半導体チップを確実にピックアップすることができる。
このように、半導体チップを第1ステージに対して傾かせることなく、かつ半導体チップに欠けや割れを生じさせることなく第1ステージ上の半導体チップをピックアップすることができる。このため、実施の形態にかかるピックアップ装置により、薄化された半導体チップをピックアップすることが可能であり、薄化された半導体チップを安全に搬送することができる。
以上において本発明は、薄化された半導体ウエハの裏面に粘着シートを貼り付ける前に、半導体ウエハの裏面側に裏面電極などを形成した場合においても同様の効果が得られる。
以上のように、本発明にかかる半導体製造装置および半導体製造装置の制御方法は、ダイシングカットされた半導体チップを粘着シートからピックアップして個々の半導体チップに分離する際に有用である。
1 半導体ウエハ
1a 半導体チップ
2 粘着シート
3 ダイシングフレーム
10 保持ステージ
11,12 保持ステージを構成するステージ(第1,2)
13 真空引き用の配管
14 通気孔
15 真空引き用の空間
16 空気の流れ
21 溝
22 突起部
22a 突起部の頂点部
23 閉空間
31 接触防止板

Claims (8)

  1. ダイシングによって切断された半導体チップを粘着シートから取り上げる半導体製造装置であって、
    前記半導体チップが載置されるステージと、
    前記ステージの前記半導体チップが載置される面に設けられた溝と、
    前記溝の開口部側の端部によって形成され、前記粘着シートを介して前記半導体チップを保持する頂点部と、
    前記ステージに設けられ、前記溝に連結された少なくとも1つの通気孔と、
    前記ステージに載置された前記半導体チップの前記ステージ側の面に貼り付いている前記粘着シート、および前記ステージに設けられた前記溝で囲まれた空間を、前記通気孔を介して減圧する減圧手段と、
    前記減圧手段によって前記空間が減圧されることで前記頂点部に保持された前記半導体チップを吸引して取り上げる吸引手段と、
    前記ステージの上方に所定の間隔をあけて配置され、前記減圧手段によって前記空間が減圧されるときに前記半導体チップどうしが接触することを防止する接触防止板と、
    を備えることを特徴とする半導体製造装置。
  2. 前記減圧手段によって前記空間が減圧される前に、前記ステージの上方に前記接触防止板を移動し、前記吸引手段によって前記半導体チップの取り上げが開始される前に、前記吸引手段の動作を妨げない位置に前記接触防止板を移動する移動手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の半導体製造装置。
  3. ダイシングによって前記半導体チップの1辺の長さa、前記半導体チップの厚さb、隣り合う前記半導体チップ間の間隔cとなるように切断された矩形状の前記半導体チップが載置された前記ステージの上方に、下記(1)式を満たす所定の間隔xをあけて前記接触防止板が配置されることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体製造装置。
    Figure 2013191781
  4. 前記接触防止板は、前記ステージに載置されたすべての前記半導体チップの主面に対向することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の半導体製造装置。
  5. ダイシングによって切断された半導体チップを粘着シートから取り上げる半導体製造装置の制御方法であって、
    前記粘着シートが貼り付けられた側の面をステージ側にして、前記ステージの溝が設けられた面に前記半導体チップを載置する載置工程と、
    前記溝および前記粘着シートで囲まれた空間を減圧し、前記溝の開口部側の端部によって形成された頂点部に前記半導体チップを保持させる減圧工程と、
    吸引手段によって、前記頂点部に保持された前記半導体チップを吸引して取り上げる吸引工程と、
    を含み、
    前記減圧工程では、前記ステージの上方に所定の間隔をあけて配置された接触防止板によって前記半導体チップどうしが接触することを防止することを特徴とする半導体製造装置の制御方法。
  6. 前記減圧工程の前に、前記ステージの上方に前記接触防止板を移動する第1移動工程と、
    前記載置工程後、前記吸引工程の前に、前記吸引手段の動作を妨げない位置に前記接触防止板を移動する第2移動工程と、
    をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の半導体製造装置の制御方法。
  7. 前記載置工程では、ダイシングによって前記半導体チップの1辺の長さa、前記半導体チップの厚さb、隣り合う前記半導体チップ間の間隔cとなるように切断された矩形状の前記半導体チップを前記ステージに載置し、
    前記第1移動工程では、前記ステージの上方に、下記(2)式を満たす所定の間隔xをあけて前記接触防止板を配置することを特徴とする請求項5または6に記載の半導体製造装置の制御方法。
    Figure 2013191781
  8. 前記接触防止板は、前記ステージに載置されたすべての前記半導体チップの主面に対向することを特徴とする請求項5〜7のいずれか一つに記載の半導体製造装置の制御方法。
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