JP4867735B2 - 車両の制振制御を行う駆動制御装置 - Google Patents

車両の制振制御を行う駆動制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、自動車等の車両の駆動制御装置に係り、より詳細には、車両の駆動出力(駆動力又は駆動トルク)を制御して車体の振動を抑制する制振制御機能を有する駆動制御装置に係る。
車両の走行中のピッチ・バウンス等の振動は、車両の加減速時に車体に作用する制駆動力(若しくは慣性力)又はその他の車体に作用する外力により発生するところ、それらの力は、車輪(駆動時には、駆動輪)が路面に対して作用している「車輪トルク」(車輪と接地路面上との間に作用するトルク)に反映される。そこで、車両の制振制御の分野に於いて、車両のエンジン又はその他の駆動装置の駆動出力制御を通して車輪トルクを調節して、車両の走行中に於ける車体の振動を抑制することが提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。かかる駆動出力制御による振動の制振制御に於いては、所謂車体のばね上・ばね下振動の力学的モデルを仮定して構築された運動モデルを用いて、車両の加減速要求があった場合又は車体に外力(外乱)が作用して車輪トルクに変動があった場合に車体に生ずるピッチ・バウンス振動を予測し、その予測された振動が抑制されるように車両の駆動装置の駆動出力が調節される。
上記の如き駆動出力制御による制振制御に於いては、サスペンションによる制振制御の如く発生した振動エネルギーを吸収することにより振動を抑制するというよりは、振動を発生する力の源を調節して振動エネルギーの発生を抑えることになるので、制振作用が比較的速やかであり、また、エネルギー効率が良いなどの利点を有する。また、駆動出力制御による制振制御に於いては、制御対象が駆動装置の駆動出力(駆動トルク)に集約されるので、制御の調節が比較的に容易である。
特開2004−168148 特開2006−69472 特公平5−61468号公報
上記の駆動出力制御による制振制御が実行されると、駆動装置の出力は、車両のピッチ・バウンス振動を抑制するよう車輪トルクを制御すべく、通常の場合よりも頻繁に振動的に変動されることとなる。この点に関し、駆動装置がガソリンエンジンである場合、前記の如き振動的な出力の変動があると、エンジンのノッキング防止のための点火時期制御の作用により燃費の悪化が深刻な問題となることが見出された。
よく知られているように、ガソリンエンジンに於いて駆動トルクを制御する場合には、そのときのエンジン回転数を参照し、エンジンに対して要求される駆動トルク(要求駆動トルク)が実現されるよう、予め定められたマップを用いて、点火時期、吸入空気量等が調節される。かかる駆動トルク制御では、要求駆動トルクが増大するほど、吸入空気量は、増大するよう制御され、点火時期は、基本的には、そのときのエンジン回転数と、設定される吸入空気量とに於いて、発生する駆動トルクが最大となるか又は燃費が最良となる時期に設定される(基本点火時期)。しかしながら、要求駆動トルクの変化に伴って点火時期が進角側に変化させられる際、その点火時期の変化が急であると、ノッキングが発生するおそれが生ずる。そこで、実際のエンジンの点火時期制御に於いては、点火時期が進角側に変化する場合には、所謂「なまし処理」、即ち、点火時期の進角側の変化を制限する処理が実行される(例えば、特許文献3参照)。
上記の如き点火時期の進角側の変化に対するなまし処理が実行されると、点火時期は、その間、燃費又は出力が最適の基本点火時期からずれることになり、エンジンの出力トルクの低減及び燃費の悪化が生ずることとなるが、通常の、制振制御を実行しない場合の、駆動トルク制御に於いては、要求駆動トルクは、車両の加減速に伴って変化するので、車両の通常の走行中に於いて、点火時期変化のなまし処理が実際に実行される期間又は頻度は、比較的少なく、従って、なまし処理による燃費の悪化がさほどに大きな問題とはならない。しかしながら、上記の如き制振制御が実行される場合には、ピッチ・バウンス振動を低減又は相殺するべく要求駆動トルクが振動的に変化し、しかも急峻な変化も発生し得るため、なまし処理が実行される期間及び頻度が増大し、従って、燃費の増大が相当量となり、これによる燃費の悪化が重大な問題となり得る。
しかしながら、上記の如く制振制御のための要求駆動トルクの変動に伴う点火時期の変化が、点火時期制御に於けるなまし処理のために相当な燃費の悪化に繋がり得ることは、従来の技術に於いて、指摘されておらず、また、従前の駆動制御装置において、かかる制振制御と点火時期制御のなまし処理とに関わる燃費悪化の問題に対処することも配慮されていない。
本発明によれば、ガソリンエンジンを駆動装置とする車両の制振制御のための駆動出力制御を実行する形式の駆動制御装置であって、制振制御の実行中に於いて、点火時期制御に於ける点火時期の進角側変化のなまし処理に起因する燃費の増大を抑制又は低減しつつ、より良好に制振効果が得られるよう改良された車両の駆動制御装置が提供される。
本発明の車両の駆動出力を制御して車両のピッチ又はバウンス振動を抑制する制振制御を実行する車両のガソリンエンジンの駆動制御装置は、車両の車輪と路面との接地個所に於いて発生する車輪に作用する車輪トルクに基づいてピッチ又はバウンス振動振幅を抑制するエンジンの駆動トルクを制御する制振制御部と、エンジンに対する要求駆動トルクに基づいてエンジンの点火時期を制御する点火時期制御部とを含み、点火時期制御部が点火時期を進角する際には進角量のなまし処理を実行するが、制振制御部による制振制御の実行時には、該制振制御により要求される進角量に対してはなまし処理を実行しないことを特徴とする。なお、進角量とは、エンジンの或るサイクルに於ける点火時期が、一つ前のサイクルに於ける点火時期から進角側の変化したときの変化量である。
既に述べた如く、駆動装置がガソリンエンジンの場合、制振制御によるエンジン出力の振動的な変動に伴う点火時期の振動的な変化に於いて、点火時期の進角側の変化になまし処理が実行されることによって、点火時期が基本点火時期から変位し、これが燃費を悪化させることとなっていた。そこで、上記の本発明の装置では、上記の如く、制振制御部による制振制御の実行時の制振制御により要求される進角量に対しては、なまし処理が実行されないように、即ち、制振制御によって、頻繁に要求される点火時期の進角側の変化に対しては、制限をしないよう点火時期制御の構成が修正される。かかる構成によれば、制振制御のための要求駆動トルクの変動に対応する点火時期の進角側の変化量(進角量)が、本来であれば、なまし処理が実行されるはずの大きさであっても、なまし処理が実行されないことから、点火時期は、要求駆動トルクに基づきそのときのエンジン回転数と吸入空気量の目標値に対応して決定された基本点火時期に又はその時期により近い値に設定されることとなる。従って、基本点火時期からの実際の点火時期のずれの大きさと、ずれの発生している期間が低減され、制振制御が振動的な要求駆動トルクの変化を要求することに起因する燃費の悪化が回避されることとなる。なお、車両の加減速のための要求駆動トルクの変化に対応する点火時期の進角側の変化に対しては、なまし処理が実行されてよい。
上記の本発明の駆動制御装置の実施の態様として、点火時期制御に於ける点火時期の進角側への変化のなまし処理は、任意の形式又は手法により実行されてよく、例えば、進角量を所定値以下に制限する形式にて実行されてよい。かかる形式のなまし処理の場合、一つの態様としては、点火時期制御部は、制振制御により要求される進角量が所定値を超えるときには、制振制御により要求される進角量だけ点火時期を進角するようになっていてよい。なお、ここで、制振制御により要求される進角量とは、エンジンに対する要求駆動トルクの変化のうち制振制御に寄与するトルクの変化分に対応する進角量、即ち、車両の加減速に関わる駆動トルクの変化分に対する進角量を除いた進角量である。
上記の如く、制振制御により要求される進角量が所定値を越える場合、車両の加減速のための要求駆動トルクの変化に対する点火時期の進角量の大きさによらず、現在の(これから達成されるべき)要求駆動トルクに対応する基本点火時期(今回基本点火時期)と既に実行された点火時期(前回点火時期)との差、即ち、進角量がなまし処理の作用を受ける可能性が高い。そこで、制振制御により要求される進角量だけで、なまし処理の所定値を越えてしまっている場合には、点火時期を、前回点火時期から制振制御により要求される進角量だけ進めるように、即ち、制振制御に起因する点火時期の進角に対してなまし処理が実行されないようして、基本点火時期により近い値となるよう制御し、これにより、燃費の悪化を抑えるようになっていてよい。また、かかる構成によれば、制振制御による駆動トルクの要求については、エンジン出力に反映されることとなるので、制振制御の作用効果は、保持されることとなる。なお、別の態様として、点火時期を、前回点火時期から制振制御により要求される進角量だけ進める制御は、前回点火時期からの今回基本点火時期の進角量がなまし処理の所定値を越えているときに実行するようになっていてもよい。
制振制御により要求される進角量が所定値を超えないが、要求駆動トルクに基づいて決定される今回基本点火時期と現在の点火時期(前回点火時期)との差がなまし処理の所定値を超える場合には、点火時期をそのなまし処理の所定値だけ進角するようになっていてよい。この場合には、制振制御により要求される進角量については、全量が実際の点火時期に反映され、制振制御により要求される進角量以外の進角量、即ち、車両の加減速のための要求駆動トルクの変化に対する点火時期の進角量に対してなまし処理が実行されることとなる。
上記の制振制御により要求される進角量の算出は、制振制御を実行する駆動制御装置のシステムの構成に依存して、任意の方法により算出することができるであろう。上記の本発明の駆動制御装置が要求駆動トルクを決定する要求駆動トルク決定部を含み、制振制御部が車輪トルクに基づいて算出される要求駆動トルク補償成分に基づいて要求駆動トルクを修正するよう構成されている場合には、制振制御により要求される進角量は、エンジンの現在の発生トルクに要求駆動トルク補償成分の変化分を付加した値から決定される基本点火時期(制振制御による要求駆動トルクの変化分だけを考慮した基本点火時期)と現在の点火時期(前回点火時期)との差に基づいて算出されてよい。
上記の本発明の駆動制御装置によれば、要すれば、ガソリンエンジンに於いて駆動出力制御によるピッチ・バウンス制振制御を実行する際に、これに起因するエンジンの点火時期の振動的な変化に対しては、なまし処理を実行しないようにすることにより、燃費の悪化の程度が低減されることとなる。そして、本発明の制御手法によれば、制振制御により要求される駆動トルクの変化に相当する点火時期の変化は、概ね実現され、特に、車両の加減速に関わる要求駆動トルクの変化がないときには、理論的には、ほぼ完全に実現されることになるので、制振制御による制振作用効果も良好に実現されることとなる。
特に理解されるべきことは、本発明の対象となっているピッチ・バウンス制振制御に於いては、車両の加減速に関わる運転者又は自動走行制御装置等が要求するエンジン負荷要求とは、別に、独立的にピッチ・バウンス振動を相殺する目的で駆動トルクの上下振動を要求するというややユニークな駆動制御を実行する場合があるという点である。典型的な車両又は車輪の回転の加減速を目的とするエンジンの駆動制御であれば、一般的には、エンジンに要求される駆動トルクの変化は、運転者又は自動走行制御装置等からの要求を修正する程度であるので、エンジンに対する要求駆動トルクの値が、頻繁に若しくは振動的に或いは急峻に変動することは少なく、従って、エンジンの点火時期が、振動的に大きく変化することは殆どないと考えられる。しかしながら、ピッチ・バウンス制振に於ける駆動出力制御の場合、要求駆動トルクは、本質的に、振動的であり、また、その振幅は、車輪トルクへの外乱による振動を抑える場合には、急峻となる可能性があり、従って、頻繁な或いは急激な点火時期の進角側の変化が要求される状況が発生し得る。本発明の制御の構成は、そのようなピッチ・バウンス制振制御のユニークな制御手法に於いて発生する状況に着目し、ピッチ・バウンス制振制御をガソリンエンジンの駆動制御に組み込む際に、ピッチ・バウンス制振制御と既存の点火時期のなまし処理とを協調させつつ、燃費の悪化を抑制し、制振効果が有効に発揮されるようにするものであるということができる。
本発明のその他の目的及び利点は、以下の本発明の好ましい実施形態の説明により明らかになるであろう。
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を幾つかの好ましい実施形態について詳細に説明する。図中、同一の符号は、同一の部位を示す。
装置の構成
図1(A)は、本発明の制振制御を実行する駆動制御装置の好ましい実施形態が搭載される自動車等の車両を模式的に示している。同図に於いて、左右前輪12FL、12FRと、左右後輪12RL、12RRを有する車両10には、通常の態様にて、運転者によるアクセルペダル14の踏込みに応じて後輪に駆動力又は駆動トルクを発生する駆動装置20が搭載される。駆動装置20は、図示の例では、エンジン22から、トルクコンバータ24、自動変速機26、差動歯車装置28等を介して、駆動トルク或いは回転駆動力が後輪12RL、12RRへ伝達されるよう構成される。エンジン22は、公知の態様のガソリンエンジンであり、アクセルペダルの踏み込み量及び下記に説明する制御量に応じて決定される要求駆動トルクを達成するよう吸入空気量を調節すべく、スロットル弁22aの開度、点火プラグ22bの点火時期が制御される。また、簡単のため図示していないが、車両10には、通常の車両と同様に各輪に制動力を発生する制動装置と前輪又は前後輪の舵角を制御するためのステアリング装置が設けられる。なお、車両は、四輪駆動車又は前輪駆動車であってもよい。
エンジン22の駆動出力、即ち、スロットル開度、点火時期等のエンジンの制御パラメータは、電子制御装置50の指令によって調節される。電子制御装置50は、通常の形式の、双方向コモン・バスにより相互に連結されたCPU、ROM、RAM及び入出力ポート装置を有するマイクロコンピュータ及び駆動回路を含んでいてよい。電子制御装置50には、各輪に搭載された車輪速センサ30i(i=FL、FR、RL、RR)からの車輪速Vwi(i=FL、FR、RL、RR)を表す信号と、車両の各部に設けられたセンサからのエンジンの回転速ne、アクセルペダル踏込量θa等の信号が入力される。なお、上記以外に、本実施形態の車両に於いて実行されるべき各種制御に必要な種々のパラメータを得るための各種検出信号が入力されてよいことは理解されるべきである。電子制御装置50は、図1(B)に於いてより詳細に模式的に示されているように、エンジン及びその他の駆動装置20の作動を制御する駆動制御装置50aと制動装置(図示せず)の作動を制御する制動制御装置50bとから構成されてよい。制動制御装置50bには、図示の如く、各輪の車輪速センサ30FR、FL、RR、RLからの、車輪が所定量回転する毎に逐次的に生成されるパルス形式の電気信号が入力され、かかる逐次的に入力されるパルス信号の到来する時間間隔を計測することにより車輪の回転速が算出され、これに車輪半径が乗ぜられることにより、車輪速値r・ωが算出される。そして、その車輪速値r・ωは、後に詳細に説明する制振制御を実行するために、駆動制御装置50aへ送信されて、車輪トルク推定値の算出に用いられる。なお、車輪回転速から車輪速への演算は、駆動制御装置50aにて行われてもよい。その場合、車輪回転速が制動制御装置50bから駆動制御装置50aへ与えられる。
駆動制御装置50aに於いては、運転者からの駆動要求がアクセルペダル踏込量θaに基づいて運転者の要求するエンジンの要求駆動トルクを決定する要求駆動トルク決定部51と、駆動トルク制御による車体のピッチ/バウンス振動制振制御を実行するための要求駆動トルク補償成分を算出して要求駆動トルクを修正する制振制御部52とが含まれる。ピッチ/バウンス振動制振制御に於いては、後でより詳細に説明される如く、(1)駆動輪に於いて路面との間に作用する力による駆動輪の車輪トルク推定値の算出、(2)車体振動の運動モデルによるピッチ/バウンス振動状態量の演算、(3)ピッチ/バウンス振動状態量を抑制する車輪トルクの修正量の算出とこれに基づく要求駆動トルクの修正が実行される。そして、制振制御部52により修正された要求駆動トルクの指令値は、エンジン作動を決定する制御パラメータの目標値を決定するエンジン作動パラメータ決定部又は制御指令決定部53へ送られる。
エンジン作動パラメータ決定部53に於いては、そのときのエンジン回転数を参照して、予め実験的に又は理論的に定められたマップを用いて、エンジンに於いて要求駆動トルクを実現する吸入空気量の目標値、点火時期、燃料噴射量等が決定される。この点に関し、よく知られているように、ガソリンエンジンでは、概して述べれば、吸入空気量、点火時期、燃料噴射量が変動することにより、エンジンの出力(パワー)、即ち、エンジンの出力トルク×回転数、が変動する。しかしながら、エンジン回転数は機械的に車速に拘束され、車速は瞬時に変更されない。従って、駆動トルク制御では、エンジン回転数は、入力パラメータの一つとして参照し、前記のエンジンの作動パラメータを調節することにより、実際にエンジンから出力されるトルクが制御されることとなる。
上記の駆動トルク制御に於ける作動パラメータについて、燃料噴射量は、吸入空気量に追従して、最適な空燃比を達成する最適量が存在する。また、点火時期についても、既に「発明の開示」の欄で触れたように、任意のエンジン回転数及び任意の吸入空気量に対して、トルクが最大になり燃費が最小となる最適値が存在する(下記の注参照)。従って、駆動トルク制御に於ける作動パラメータの決定に於いては、そのときのエンジン回転数に於いて、燃料噴射量が最適な空燃比を与え、且、点火時期がトルクを最大にし燃費を最小とする最適な時期(「基本点火時期」と称される。)に設定されるとした場合に、要求駆動トルクを与える吸入空気量の目標値が、前記の如き予め定められたマップを用いて決定され(吸入空気量決定部54)、しかる後に、エンジン回転数と、決定された吸入空気量の目標値のマップから燃料噴射量(図示せず)と点火時期(点火時期制御部55)が決定される。なお、吸入空気量の制御に於いては、その吸入空気量の指標値として、「負荷率」が用いられる。負荷率とは、1回の吸気行程で吸入される空気量を、スロットル全開時の1回の吸気行程で吸入される空気量で割った値、即ち、スロットル全開時の1回の吸気行程に於ける吸入空気量を100%としたときの、1回の吸気行程に於ける吸入空気量の比率である。1回の吸気行程に於ける吸入空気量は、吸気入口に於ける単位時間当たりの吸入空気量をそのときのエンジン回転数で割ることにより算出される。負荷率は、シリンダの充填効率とともに変化し、その充填効率は、吸気管圧力とともに変化するので、吸入空気量の指標値として、吸気管圧力が用いられてもよい。
[(注)有限の燃焼期間が存在する実際のエンジンに於いては、点火時期が早くなると、つまり、進角側に変化するほど、エンジンのシリンダ内のピストンの上死点前の圧縮仕事(機械損失、冷却損失等)が増大し、点火時期が遅くなると、つまり、遅角側に変化するほど、膨張比が小さくなり、排気損失が増大する。これらの進角側及び遅角側のエンジン出力の低下の要因は、エンジン回転数と吸入空気量に依存するので、出力、燃費が最良となる点火時期は、エンジン回転数と吸入空気量によって変動することとなる。]
かくして、エンジンの作動パラメータが決定されると、そのパラメータが制御指令としてエンジンの各部に送信され、調節制御が実行される。しかしながら、点火時期については、後に詳細に述べるように、その指令値が進角側に変化する場合、その変化、即ち、進角量が大きいと、エンジンのノッキング現象が発生する可能性が高くなることから、所謂「なまし処理」、即ち、一度に所定値以上進角側に変化しないよう進角量に制限を設ける処理が実行される。
なお、上記の本発明の駆動制御装置の各部は、電子制御装置50内のマイクロコンピュータ等の処理作動に於いて実現されることは理解されるべきである。以下、駆動トルク制御による制振制御と、これと協調して実行される点火時期制御の構成と作動についてそれぞれ詳細に説明する。
車体のピッチ/バウンス振動制振制御を行う駆動トルク制御の構成
車両に於いて、運転者の駆動要求に基づいて駆動装置が作動して車輪トルクの変動が生ずると、図2(A)に例示されている如き車体10に於いて、車体の重心Cgの鉛直方向(z方向)のバウンス振動と、車体の重心周りのピッチ方向(θ方向)のピッチ振動が発生し得る。また、車両の走行中に路面から車輪上に外力又はトルク(外乱)が作用すると、その外乱が車両に伝達され、やはり車体にバウンス方向及びピッチ方向の振動が発生し得る。そこで、ここに例示するピッチ・バウンス振動制振制御に於いては、車体のピッチ・バウンス振動の運動モデルを構築し、そのモデルに於いて要求駆動トルク(を車輪トルクに換算した値)と、現在の車輪トルク(の推定値)とを入力した際の車体の変位z、θとその変化率dz/dt、dθ/dt、即ち、車体振動の状態変数を算出し、モデルから得られた状態変数が0に収束するように、即ち、ピッチ/バウンス振動が抑制されるよう駆動装置(エンジン)の駆動トルクが調節される(要求駆動トルクが修正される。)。
図2(B)は、本発明の実施形態に於ける駆動トルク制御の構成を制御ブロックの形式で模式的に示したものである。なお、各制御ブロックの作動は、(C0、C3を除き)電子制御装置50の駆動制御装置50a又は制動制御装置50bのいずれかにより実行される。図2(B)を参照して、本発明の実施形態の駆動トルク制御に於いては、運転者の駆動要求を車両へ与える要求駆動トルク決定部51と、車体のピッチ/バウンス振動を抑制するよう運転者の駆動要求を修正するための制振制御部52とから構成される(図1(B)参照)。要求駆動トルク決定部に於いては、運転者の駆動要求、即ち、アクセルペダルの踏み込み量(C0)が、通常の態様にて、要求駆動トルクに換算された後(C1)、要求駆動トルクが、目標負荷率(目標吸入空気量)、目標スロットル開度の順に変換されてスロットル弁アクチュエータへの制御指令が決定され、また、目標負荷率とエンジン回転数に基づいて点火時期、燃料噴射量等のその他の作動パラメータの目標値も決定され(C2)、駆動装置(C3)へ送信される。なお、図2(B)には示されていないが、点火時期が進角側に変化する場合には、点火時期制御部55(図1(B)参照)に於いて、後に説明される如き態様にて、なまし処理が実行される。
一方、制振制御部は、フィードフォワード制御部分とフィードバック制御部分とから構成される。フィードフォワード制御部分は、所謂、最適レギュレータの構成を有し、ここでは、下記に説明される如く、C1の要求駆動トルクを車輪トルクに換算した値(運転者要求車輪トルクTw0)が車体のピッチ・バウンス振動の運動モデル部分(C4)に入力され、運動モデル部分(C4)では、入力されたトルクに対する車体の状態変数の応答が算出され、その状態変数を最小に収束する要求駆動車輪トルクの修正量が算出される(C5)。また、フィードバック制御部分に於いては、車輪トルク推定器(C6)にて、後に説明される如く車輪トルク推定値Twが算出され、車輪トルク推定値は、フィードバック制御ゲインFB(運転モデルに於ける運転者要求車輪トルクTw0と車輪トルク推定値Twとの寄与のバランスを調整するためのゲイン)が乗ぜられた後、外乱入力として、要求車輪トルクに加算されて運動モデル部分(C4)へ入力され、これにより、外乱に対する要求車輪トルクの修正分も算出される。C5の要求車輪トルクの修正量は、駆動装置の要求トルクの単位に換算されて(要求駆動トルク補償成分)、加算器(C1a)に送信され、かくして、要求駆動トルクは、ピッチ・バウンス振動が発生しないように修正された後、制御指令に変換されて(C2)、駆動装置(C3)へ与えられることとなる。
上記のフィードフォワード制御部分へ外乱として入力される車輪トルクは、理想的には、各輪にトルクセンサを設け、実際に検出されればよいが、通常の車両の各輪にトルクセンサを設けることは困難である。そこで、図示の例では、車輪トルクの外乱入力として、走行中の車両に於けるその他の検出可能な値から車輪トルク推定器(C6)にて推定された車輪トルク推定値が用いられる。車輪トルク推定値Twは、典型的には、駆動輪の車輪速センサから得られる車輪回転速ω又は車輪速値r・ωの時間微分を用いて、
Tw=M・r・dω/dt …(5)
と推定することができる。ここに於いて、Mは、車両の質量であり、rは、車輪半径である。[駆動輪が路面の接地個所に於いて発生している駆動力の総和が、車両の全体の駆動力M・G(Gは、加速度)に等しいとすると、車輪トルクTwは、
Tw=M・G・r …(5a)
にて与えられる。車両の加速度Gは、車輪速度r・ωの微分値より、
G=r・dω/dt …(5b)
で与えられるので、車輪トルクは、式(5)の如く推定される。]
制振制御の原理
本発明の実施形態に於ける制振制御に於いては、既に触れたように、まず、車体のバウンス方向及びピッチ方向の力学的運動モデルを仮定して、運転者要求車輪トルクTw0と車輪トルク推定値Tw(外乱)とを入力としたバウンス方向及びピッチ方向の状態変数の状態方程式を構成する。そして、かかる状態方程式から、最適レギュレータの理論を用いてバウンス方向及びピッチ方向の状態変数を0に収束させる入力(トルク値)を決定し、得られたトルク値に基づいて要求駆動トルクが修正される。
車体のバウンス方向及びピッチ方向の力学的運動モデルとして、例えば、図3(A)に示されている如く、車体を質量M及び慣性モーメントIの剛体Sとみなし、かかる剛体Sが、弾性率kfと減衰率cfの前輪サスペンションと弾性率krと減衰率crの後輪サスペンションにより支持されているとする(車体のばね上振動モデル)。この場合、車体の重心のバウンス方向の運動方程式とピッチ方向の運動方程式は、下記の数1の如く表される。
Figure 0004867735
ここに於いて、Lf、Lrは、それぞれ、重心から前輪軸及び後輪軸までの距離であり、rは、車輪半径であり、hは、重心の路面からの高さである。なお、式(1a)に於いて、第1、第2項は、前輪軸から、第3、4項は、後輪軸からの力の成分であり、式(1b)に於いて、第1項は、前輪軸から、第2項は、後輪軸からの力のモーメント成分である。式(1b)に於ける第3項は、駆動輪に於いて発生している車輪トルクT(=Tw0+Tw)が車体の重心周りに与える力のモーメント成分である。
上記の式(1a)及び(1b)は、車体の変位z、θとその変化率dz/dt、dθ/dtを状態変数ベクトルX(t)として、下記の式(2a)の如く、(線形システムの)状態方程式の形式に書き換えることができる。
dX(t)/dt=A・X(t)+B・u(t) …(2a)
ここで、X(t)、A、Bは、それぞれ、
Figure 0004867735
であり、行列Aの各要素a1-a4及びb1-b4は、それぞれ、式(1a)、(1b)のz、θ、dz/dt、dθ/dtの係数をまとめることにより与えられ、
a1=-(kf+kr)/M、a2=-(cf+cr)/M、
a3=-(kf・Lf-kr・Lr)/M、a4=-(cf・Lf-cr・Lr)/M、
b1=-(Lf・kf-Lr・kr)/I、b2=-(Lf・cf-Lr・cr)/I、
b3=-(Lf2・kf+Lr2・kr)/I、b4=-(Lf2・cf+Lr2・cr)/I
である。また、u(t)は、
u(t)=T
であり、状態方程式(2a)にて表されるシステムの入力である。従って、式(1b)より、行列Bの要素p1は、
p1=h/(I・r)
である。
状態方程式(2a)に於いて、
u(t)=−K・X(t) …(2b)
とおくと、状態方程式(2a)は、
dX(t)/dt=(A−BK)・X(t) …(2c)
となる。従って、X(t)の初期値X0(t)をX0(t)=(0,0,0,0)と設定して(トルク入力がされる前には振動はないものとする。)、状態変数ベクトルX(t)の微分方程式(2c)を解いたときに、X(t)、即ち、バウンス方向及びピッチ方向の変位及びその時間変化率、の大きさを0に収束させるゲインKが決定されれば、ピッチ・バウンス振動を抑制するトルク値u(t)が決定されることとなる。
ゲインKは、所謂、最適レギュレータの理論を用いて決定することができる。かかる理論によれば、2次形式の評価関数
J=1/2・∫(XQX+uRu)dt …(3a)
(積分範囲は、0から∞)
の値が最小になるとき、状態方程式(2a)に於いてX(t)が安定的に収束し、評価関数Jを最小にする行列Kは、
K=R−1・B・P
により与えられることが知られている。ここで、Pは、リカッティ方程式
-dP/dt=AP+PA+Q−PBR−1
の解である。リカッティ方程式は、線形システムの分野に於いて知られている任意の方法により解くことができ、これにより、ゲインKが決定される。
なお、評価関数J及びリカッティ方程式中のQ、Rは、それぞれ、任意に設定される半正定対称行列、正定対称行列であり、システムの設計者により決定される評価関数Jの重み行列である。例えば、ここで考えている運動モデルの場合、Q、Rは、
Figure 0004867735
などと置いて、式(3a)に於いて、状態ベクトルの成分のうち、特定のもの、例えば、dz/dt、dθ/dt、のノルム(大きさ)をその他の成分、例えば、z、θ、のノルムより大きく設定すると、ノルムを大きく設定された成分が相対的に、より安定的に収束されることとなる。また、Qの成分の値を大きくすると、過渡特性重視、即ち、状態ベクトルの値が速やかに安定値に収束し、Rの値を大きくすると、消費エネルギーが低減される。
実際の制振制御部の作動は、図2(B)のブロック図に示されている如く、運動モデルC4に於いて、トルク入力値を用いて式(2a)の微分方程式を解くことにより、状態変数ベクトルX(t)が算出される。次いで、C5にて、上記の如く状態変数ベクトルX(t)を0又は最小値に収束させるべく決定されたゲインKを運動モデルC4の出力である状態ベクトルX(t)に乗じた値U(t)が、(駆動装置のトルクに換算されて)加算器(C1a)に於いて、要求駆動トルクから差し引かれる(運動モデルC4の演算のために、運動モデルC4のトルク入力値にもフィードバックされる。(状態フィードバック)。)式(1a)及び(1b)で表されるシステムは、共振システムであり、任意の入力に対して状態変数ベクトルの値は、実質的には、システムの固有振動数を概ね中心とした或るスペクトル特性を有する帯域の周波数成分のみとなる。かくして、U(t)の換算値、即ち、要求駆動トルク補償成分が要求駆動トルクから差し引かれるよう構成することにより、要求駆動トルクのうち、システムの固有振動数の成分、即ち、車体に於いてピッチ・バウンス振動を引き起こす成分が修正され、車体に於けるピッチ・バウンス振動が抑制されることとなる。車輪トルク推定器から送信されてくるTw(外乱)に於いてピッチ・バウンス振動を引き起こす変動が発生した場合には、そのTw(外乱)による振動が収束するよう駆動装置へ入力される要求トルク指令が−U(t)を用いて修正される。
なお、車体のバウンス方向及びピッチ方向の力学的運動モデルとして、例えば、図3(B)に示されている如く、図3(A)の構成に加えて、前輪及び後輪のタイヤのばね弾性を考慮したモデル(車体のばね上・下振動モデル)が採用されてもよい。前輪及び後輪のタイヤが、それぞれ、弾性率ktf、ktrを有しているとすると、図3(B)から理解される如く、車体の重心のバウンス方向の運動方程式とピッチ方向の運動方程式は、下記の数4の如く表される。
Figure 0004867735
ここに於いて、xf、xrは、前輪、後輪のばね下変位量であり、mf、mrは、前輪、後輪のばね下の質量である。式(4a)−(4b)は、z、θ、xf、xrとその時間微分値を状態変数ベクトルとして、図3(A)の場合と同様に、式(2a)の如き状態方程式を構成し(ただし、行列Aは、8行8列、行列Bは、8行1列となる。)、最適レギュレータの理論に従って、状態変数ベクトルの大きさを0に収束させるゲイン行列Kを決定することができる。実際の制振制御は、図3(A)の場合と同様である。
点火時期制御について
上記の如く、要求駆動トルク決定部51に於いて決定され制振制御部52の修正を受けた要求駆動トルクの指令値は、エンジン作動パラメータ決定部53へ送信される。エンジン作動パラメータ決定部53では、吸入空気量決定部に於いて、そのときのエンジン回転数と要求駆動トルクの指令値とから、図4(A)に於いて例示されている如き、予め定められたマップを用いて、要求駆動トルクを達成する吸入空気量の指標値である負荷率が決定される。そして、その負荷率とエンジン回転数から、図4(B)に例示されている如きマップを用いて、基本点火時期が決定される。
基本点火時期は、既に述べた如く、トルクが最大又は燃費が最良となるよう設定される点火時期である。なお、特に、エンジンの負荷が低い場合には、点火時期の変化によるトルクの変化は少ないため、燃費が最良となることを重視して決定されるようマップが構成されている。また、かかる点火時期の決定に関して、図4(B)のマップから理解される如く、負荷率が低いほど、基本点火時期は、進角側に設定される。これは、負荷率(吸入空気量)が低いと、吸気行程で生ずる作動ガスの乱れの減衰が早いこと及び吸気管内の負圧が大きく残留ガスの割合が多いことなどの理由により、燃焼速度が遅くなるため、負荷率が低いほど、早めに点火を実行することが好ましいためである。また、エンジン回転数が増大する際、点火から熱発生までの絶対時間がほぼ一定あるのに対し、行程が速く進むので、基本点火時期は、回転数が高いほど、進角側に変化するよう設定される。従って、図4(B)中の矢印にて示されている如く、基本点火時期は、負荷率が低いほど、及び、回転数が高いほど、進角側に設定される。(駆動トルク制御では、吸入空気量又は負荷率と基本点火時期と発生トルクとの関係は、予め実験的又は理論的に求められ、かかる関係に基づいて、マップが構成されているということは理解されるべきである。従って、負荷率の目標値は、要求駆動トルクの関数として、基本点火時期にて点火が実行された場合に要求駆動トルクを発生する負荷率に設定される。図示の例では、制御の流れとして、負荷率が決定された後、基本点火時期が決定されるようになっているが、要求駆動トルクを与えたときに、基本点火時期がエンジン回転数を参照して直接に決定されてもよい。)
かくして、上記の如く、負荷率と基本点火時期とが決定されると、基本的には、これらの値に基づいて、スロットル開度と点火プラグの点火が実行されることとなる。しかしながら、点火時期について、点火時期が進角側に変化する場合には、過度にその時期が進角側に変化すると、エンジンのノッキングが発生する可能性が高くなるため、図5(A)に例示されている如く、点火時期の変化量、即ち、進角量が所定値を越えないようにする「なまし処理」が実行される。かかる「なまし処理」に於いては、同図から理解される如く、要求駆動トルクの指令値に基づき、基本点火時期が図中の一点鎖線の如く変化しても、実際の点火時期は、所定値ずつ進角側へ変化させられる。既に述べた如く、点火時期の進角は、要求駆動トルクが低下し、負荷率が低下したときに要求されるので(エンジン回転数は車速に拘束されるので、急には変化し難い。)、要求駆動トルクが比較的急峻に変化したときには、点火時期の進角、即ち、点火時期の変化勾配が制限されることとなる(遅角側に変化する場合には、ノッキング発生の心配は少ないので、基本点火時期にて点火が実行される)。
上記の如く、なまし処理が実行され、点火時期の進角が制限される間は、実際の点火時期が基本点火時期からずれることになるので、その間、出力が低下し、燃費が最適ではないので、燃費が悪化することとなる。もっとも、車両の通常の走行中は、上記の如く、点火時期の急峻な、即ち、なまし処理の所定値を越える変化が要求される頻度及び期間は、余り多くないので、然程に問題にならない。しかしながら、制振制御が実行されている間に於いては、要求駆動トルクが振動的に変動するため、これに伴って、図5(B)に例示されている如く、基本点火時期も振動的に変化する。従って、容易に理解されるように、点火時期を進角側に変化する要求がなされる頻度及び期間が増大するので、この場合、なまし処理による燃費の悪化が問題となる場合がある。
そこで、本発明の実施形態に於ける駆動制御装置では、制振制御の要求駆動トルク補償成分に起因する点火時期の変化に対しては、なまし処理を実行しないように点火時期制御部に於ける制御構成が下記に説明される如く修正される。
図6(A)は、本発明の駆動制御装置内の点火時期制御部に於いて、車両の運転中に所定のサイクル時間にて繰り返し実行される点火時期の設定処理をフローチャートの形式で表したものである。なお、図示の例では、点火時期の進角側の変化を正としている。同図を参照して、まず、エンジン回転数と吸入空気量決定部にて決定された負荷率とから図4(B)に示されている如きマップを用いて基本点火時期が決定され(ステップ10)、かかる基本点火時期が、前回の点火時期、即ち、既に実行された点火の点火時期に比して、進角側に変化しているか否かが判定される(ステップ20)。基本点火時期が進角側に変化していなければ、基本点火時期がそのまま今回の点火時期に設定される(ステップ90)。
一方、基本点火時期が進角側に変化している場合には、制振制御が実行中か、即ち、ピッチ・バウンス振動の抑制のための要求駆動トルクの振動が発生しているか否かが判定される(ステップ30)。かかる判定に於いては、例えば、制振制御部に於ける要求駆動トルク補償成分U(C5の出力)及びその時間微分値を参照して、それらの絶対値が共に所定の微小量より小さいときに、即ち、実質的に0であるときに、制振制御が作動していないと判定するようになっていてよい。
制振制御が実行されていないときは、従前の点火時期制御と同様に進角量のなまし処理が実行される(ステップ40)。
なまし処理に於いては、前記の基本点火時期と前回点火時期との差、即ち、要求駆動トルクに基づいて要求される進角量が所定値より大きいか否かが判定される(ステップ40)。もしその進角量が所定値よりも大きい場合には、かかる進角量は制限され、従って、今回の実際の点火時期は、前回点火時期に所定値だけ加算した値とされ(ステップ50)、かくして、点火時期が過度に急峻に進角側に変化することが回避されることとなる。一方、進角量が所定値よりも大きくない場合には、ステップ10で算出された基本点火時期がそのまま今回の点火時期に設定される(ステップ90)。
ステップ30で制振制御が実行されていると判定された場合には、既に述べた如く、制振制御の要求駆動トルク補償成分の変化に対応する点火時期の進角量については、なまし処理を適用せずに、かかる進角量が反映されるよう点火時期が設定される。しかしながら、この場合にも、制振制御以外の理由による(通常は、車両の加減速のための)進角側の変化については、なまし処理が適用されるようにすることが好ましい。
そこで、制振制御が実行されていると判定された場合には、まず、制振制御の要求駆動トルク補償成分の変化によって要求される点火時期の進角量が算出され(ステップ60)、かかる制振制御に起因する点火時期の進角量だけで、前記のなまし処理の所定値を越えてしまうか否かが判定される(ステップ70)。もし制振制御に起因する点火時期の進角量だけでなまし処理の所定値を越えてしまうとすれば、かかる状況で制振制御以外の理由による進角側の変化の要求をさせると、制振制御による進角量も反映されることになるので、点火時期を過度に進角側へ進めることとなり得る。従って、制振制御に起因する点火時期の変化量だけで、なまし処理の所定値を越える場合には、今回の点火時期は、前回点火時期に制振制御に起因する点火時期の進角量を加算したものに設定される(ステップ80)。これにより、制振制御以外の理由により要求される進角量は、なまし処理を受けるが(この場合は、0になまされる。)、制振制御に起因する点火時期の進角量については、なまし処理を受けずにそのまま点火時期の進角に反映されることとなる。
他方、制振制御に起因する点火時期の変化量だけでは、なまし処理の所定値を越えない場合には、前記の従前と同様の、ステップ40、50に於けるなまし処理を実行し、今回の点火時期が決定される。この場合、制振制御に起因する点火時期の変化量は、所定値を越えないことは分かっているから、ここで、点火時期の進角量が所定値になまされる場合、制振制御に起因する点火時期の変化量は、そのまま反映され、制振制御以外の理由により要求される進角量の値がなまされることとなる。
かくして、今回の点火時期が決定されると、かかる点火時期に於いて点火プラグが点火するよう制御指令が点火プラグの作動制御装置(図示せず)へ送信される。また、今回の点火時期は、次回のサイクルに於ける前回点火時期として記憶される(ステップ100)。
上記のステップ60に於ける制振制御に起因する点火時期の変化量は、例えば、図4(A)、(B)のマップを用いた基本点火時期の決定の処理と同様の要領にて算出することができる(図6(B)参照)。この場合、まず、現在のエンジンに於いて発生しているトルク(又はこれに対応する要求駆動トルク)が任意の方法により算出される(ステップ110)。次いで、そのエンジントルクに、制振制御部による要求駆動トルク補償成分の(前回のサイクルに於ける値からの)変化量を加算した結果の(仮想的な)トルク値に対応する負荷率が、図4(A)の如きマップを用いて算出される(ステップ120)。かくして、得られた仮想的なトルク値に対応する負荷率から、図4(B)に例示されたマップを用いて仮想的な基本点火時期を算出すると(ステップ130)、制振制御に起因する点火時期の変化量が、その基本点火時期と前回点火時期(現在の発生トルクを与える)との差により与えられる(ステップ140)。(もし制振制御以外に点火時期を変化させる要因がないとすれば、上記の仮想的な基本点火時期は、ステップ10にて算出された基本点火時期と同一である。)
かくして、上記の今回の点火時期の設定処理によれば、制振制御に起因する点火時期の進角量については、なまし処理によらず、実際の点火時期に反映されることになるので、実際の点火時期は、基本点火時期に一致するか(制振制御以外に点火時期を変化させる要因がないとき、実際の点火時期は、図5(B)の一点鎖線で示された基本点火時期にほぼ一致することとなる。)、実際の点火時期の基本点火時期からずれが低減されるので、制振制御が実行されても燃費の悪化が問題とならない程度に抑制されることが期待される。また、制振制御の要求通りに点火時期が制御されるので、良好な制振効果が発揮されることも期待される。
なお、上記の図6(A)の処理過程に於いては、今回の基本点火時期と前回点火時期との差の判定に先立って、制振制御の実行の有無が判定されていたが、今回の基本点火時期と前回点火時期との差がなまし処理の所定値を超えるか否かの判定が制振制御の実行の有無の判定に先立って実行されてもよい(図7参照)。この場合、今回の基本点火時期の算出後(ステップ10)、今回の基本点火時期と前回点火時期との差がなまし処理の所定値を超えるか否かの判定をし(ステップ20’)、差が所定値を超えるときには、制振制御の実行中か否かの判定が為される(ステップ30’)。制振制御の実行中に於いては、前記と同様に制振制御に起因する点火時期の進角量の算出(ステップ40’)、制振制御に起因する点火時期の進角量となまし処理の所定値との大小関係の判定が為され(ステップ50’)、制振制御に起因する点火時期の進角量が所定値を超える場合には、今回点火時期が前回点火時期に制振制御に起因する点火時期の進角量を加算したものとされる(ステップ60’)。一方、制振制御に起因する点火時期の進角量が所定値を超えない場合には、今回点火時期が前回点火時期になまし処理の所定値を加算したものとされる(ステップ70’)。
以上の説明は、本発明の実施の形態に関連してなされているが、当業者にとつて多くの修正及び変更が容易に可能であり、本発明は、上記に例示された実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の概念から逸脱することなく種々の装置に適用されることは明らかであろう。
例えば、上記の実施形態に於ける車輪トルク推定値が車輪速から推定されるものであるが、車輪トルク推定値が車輪速から以外のパラメータから推定されるものであってもよい。また、上記の実施形態に於ける制振制御は、運動モデルとしてばね上又はばね上・ばね下運動モデルを仮定して最適レギュレータの理論を利用した制振制御であるが、本発明の概念は、車輪トルクを利用するものであれば、ここに紹介されているもの以外の運動モデルを採用したもの或いは最適レギュレータ以外の制御手法により制振を行うものにも適用され、そのような場合も本発明の範囲に属する。
図1Aは、本発明による駆動制御装置の好ましい実施形態が実現される自動車の模式図を示している。図1Bは、図1Aの電子制御装置の内部構成のより詳細な模式図である。 図2Aは、本発明の好ましい実施形態の一つである駆動制御装置の制振制御部の作動に於いて抑制される車体振動の状態変数を説明する図である。図2Bは、本発明の好ましい実施形態に於ける制振制御の構成を制御ブロック図の形式で表した図である。 図3は、本発明の好ましい実施形態の制振制御部に於いて仮定される車体振動の力学的運動モデルを説明する図である。図3Aは、ばね上振動モデルを用いた場合であり、図3Bは、ばね上・ばね下振動モデルを用いた場合である。 図4(A)は、エンジン回転数と要求駆動トルクから目標負荷率を決定するためのマップである。図中、一点鎖線は、発生するトルクの等高線を示す。発生トルクは、矢印の方向に増大する。要求駆動トルクが与えられると、そのトルクを発生する負荷率(縦軸)が目標負荷率として選択される。図4(B)は、目標負荷率とエンジン回転数から基本点火時期を決定するためのマップである。図中、一点鎖線は、発生する点火時期の等高線を示す。基本点火時期は、矢印の方向に進角側又は遅角側に変化する。 図5(A)は、基本点火時期(一点鎖線)の変化に対して実際の点火時期(実線)がなまし処理される場合の時間変化を示す。図5(B)は、制振制御が実行されている間の基本点火時期(一点鎖線)と進角側の変化に於いてなまし処理された実際の点火時期(実線)の時間変化を示す。基本点火時期(一点鎖線)と実際の点火時期(実線)とがずれる期間は、燃費が悪化する。 図6(A)は、本発明の点火時期制御部に於ける点火時期設定の処理をフローチャートの形式で表したものである。図6(B)は、図6(A)のステップ60に於ける制振制御により要求される進角量を算出する処理をフローチャートの形式で表したものである。 図7は、図6(A)の点火時期設定の処理の修正例をフローチャートの形式で表したものである。
符号の説明
10…車体
12FL、FR、RL、RR…車輪
14…アクセルペダル
20…駆動装置
22…ガソリンエンジン
22a…スロットル弁
30FL、FR、RL、RR…車輪速センサ
50…電子制御装置
50a…駆動制御装置
50b…制動制御装置

Claims (5)

  1. 車両の駆動出力を制御して前記車両のピッチ又はバウンス振動を抑制する制振制御を実行する車両のガソリンエンジンの駆動制御装置であって、前記車両の車輪と路面との接地個所に於いて発生する前記車輪に作用する車輪トルクに基づいて前記ピッチ又はバウンス振動振幅を抑制する前記エンジンの駆動トルクを制御する制振制御部と、前記エンジンに対する要求駆動トルクに基づいて前記エンジンの点火時期を制御する点火時期制御部とを含み、前記点火時期制御部が前記点火時期を進角する際には進角量のなまし処理を実行するが、前記制振制御部による制振制御の実行時には、前記要求駆動トルクの変化に対応して決定される進角量のうちの前記制振制御により要求される進角量を決定し、前記制振制御により要求される前記進角量が前記点火時期に於いて常に反映されるように前記制振制御以外により要求される進角量に対しては前記なまし処理を実行することにより、前記車両の加減速のための要求駆動トルクの変化により要求される進角量に対してはなまし処理の実行を許すが、前記制振制御により要求される進角量に対してはなまし処理を実行しないことを特徴とする車両の駆動制御装置。
  2. 請求項1の装置であって、前記点火時期の進角量のなまし処理が前記進角量を所定値以下に制限することにより実行されるものであり、前記点火時期制御部が、前記制振制御により要求される進角量が前記所定値を超えるときには、前記制振制御により要求される進角量だけ前記点火時期を進角することを特徴とする装置。
  3. 請求項2の装置であって、前記要求駆動トルクを決定する要求駆動トルク決定部を含み、前記制振制御部が前記車輪トルクに基づいて算出される要求駆動トルク補償成分に基づいて前記要求駆動トルクを修正し、前記点火時期制御部が、前記制振制御により要求される進角量が前記所定値を超えないとき、前記修正された要求駆動トルクに基づいて決定される基本点火時期と現在の点火時期との差が前記所定値を超える場合には、前記点火時期を前記所定値だけ進角することを特徴とする装置。
  4. 請求項2の装置であって、前記要求駆動トルクを決定する要求駆動トルク決定部を含み、前記制振制御部が前記車輪トルクに基づいて算出される要求駆動トルク補償成分に基づいて前記要求駆動トルクを修正し、前記点火時期制御部が、前記修正された要求駆動トルクに基づいて決定される基本点火時期と現在の点火時期との差が前記所定値を超え、前記制振制御により要求される進角量が前記所定値を超えるとき、前記点火時期を前記制振制御により要求される進角量だけ進角することを特徴とする装置。
  5. 請求項1の装置であって、前記要求駆動トルクを決定する要求駆動トルク決定部を含み、前記制振制御部が前記車輪トルクに基づいて算出される要求駆動トルク補償成分に基づいて前記要求駆動トルクを修正し、前記制振制御により要求される進角量が前記エンジンの現在の発生トルクに前記要求駆動トルク補償成分の変化分を付加した値から決定される基本点火時期と現在の点火時期との差に基づいて算出されることを特徴とする装置。

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