JP4867505B2 - 車載用モータ駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に搭載され、モータにより被駆動部が駆動されるよう構成された車載用モータ駆動装置に関する。
従来より、例えば図16(a)に示すような、自動車の内燃機関に設けられた二つの吸気ポート(詳細は後述。図1参照。)のうち一方の第1吸気ポート5aを開閉するためのスワールコントロールバルブ(swirl control valve ;以下「SCV」と略す)10を、モータ(図示略)で通電駆動する場合、一般に、モータの回転駆動力を減速ギア等を介してSCV10の回動軸20へ伝達するようなシステムが構成される。このSCV10は、図16(a)の左側に示す第1吸気ポート5aを全閉した状態か、若しくは図16(a)の右側に示す第1吸気ポート5aを全開した状態のいずれか一方に駆動される。そのため、このSCV10の動作範囲は、全閉状態(閉位置)から全開状態(開位置)の間に限定される。
つまり、図16(a)に示すように、SCV10が全閉状態(図16(a)の左側の状態)にあるとき、モータを制御するマイコン(図示略)から駆動回路(図示略)への開指令により駆動回路がモータへの通電を開始すると、モータが回転し、その回転駆動力が減速ギア等を介してSCV10に伝達される。そのため、SCV10は、回動軸20を中心に回動して開き始める(図16(a)の中央の状態)。そして、SCV10が全開状態(図16(a)の右側の状態)に達すると、SCV10は第1吸気ポート5aの内壁に当接してそれ以上動かなくなる。これにより、モータへの通電が継続中であっても回転は停止される。この状態をロック状態ともいう。モータの回転中は、その回転によって生じる逆起電力のために通電電流が抑制されるが、ロック状態になると、モータはその回転が強制的に停止されるため、逆起電力を失い、通電電流が急激に上昇して過大な電流(以下「ロック電流」ともいう)が流れる。
SCV10が全開状態から全閉状態に向けて駆動される場合についても、モータへの通電によってSCV10は徐々に閉位置へと近づいていき、やがてSCV10の先端部が第1吸気ポート5aの内壁に設けられた規制突起21に当接する。これにより、SCV10は全閉状態となってそれ以上は動かなくなる。このときもやはり、モータはロック状態となってロック電流が流れる。
モータに長時間ロック電流を流すことは、所定の位置までモータを回転させてSCV10を開閉駆動するという本来の目的からは意味のない動作と言える。また、ロック電流が長時間流れるとモータおよびその駆動回路は発熱して最大定格を超えるおそれがある。そこで、定格を超えないようにする方法として、次の3つの方法が考えられる。
第1の方法は、モータおよびその駆動回路を発熱に耐えうるものにすることである。しかしこの場合、駆動回路において、導通抵抗を小さくするためにチップサイズの大きな半導体を使用しなければならないため、半導体が高価なものとなってしまう。或いは、過大な発熱に耐えうる、放熱性の高い体格の大きな構造のモータや駆動回路を使用しなければならない。そのため、コスト的に不利となって現実的ではない。
第2の方法は、SCV10に角度センサを設け、所定の開度(開位置或いは閉位置に相当する開度)に達したところで、通電を停止或いは低減することである。このように角度センサを設けることにより、駆動回路の発熱を低減することが可能となり、駆動回路を必要最小限のサイズに留めることができる。しかしながら、角度センサを設ける必要があることから、当然ながらその分のコストがかかるため、システム全体としては高価なものとなってしまう。
第3の方法は、通電電流の上限値を設定してそれを超えないように制限しつつモータへの通電を行い、通電電流がその上限値に達した状態が一定時間継続した場合に、モータがロックしたものと判断する方法である(例えば、特許文献1参照)。
即ち、通電電流が上限値に達した後、SCV10が完全に開閉したかどうかわらないがおよそ全開または全閉(即ちモータがロック)したであろうと思われる十分な時間、その上限値での通電が継続したならば、モータがロック、つまりSCV10が全閉或いは全開したものと判断するのである。この方法は、全開又は全閉の判断をあくまでも通電電流およびその通電時間に基づいて行うものであり、開閉状態を検出するための上記角度センサはコストダウンのために用いない。この方法だと、SCV10の開閉動作を確保しつつ、駆動回路等の小型化をはかることができ、上記第1及び第2の方法と比べてコスト的にも最も有利である。
図17に基づいて具体的に説明すると、SCV10が閉状態のときにマイコンからSCV10を開状態にすべき旨の開指令が出力されると、その開指令を受けて駆動回路がモータへの通電を開始する。このとき、モータへの通電はDUTY100%で行われ、回転開始直後は突入電流が流れるもののその後の回転中は、回転速度に応じた値の電流が流れる。そのため、駆動回路の温度上昇も少ない。
この間、SCV10は徐々に開いていくが、開位置に達して全開状態となると、既述の如くSCV10が第1吸気ポート5aの内壁に当接し、モータの回転も強制的に停止する(ロックする)。これにより通電電流は急上昇するが、電流制限値に達するとそこで電流上昇は制限される。
この電流制限は、駆動回路自身の自己保護機能により行われる。即ち、それまでDUTY100%での通電だったものが、電流制限値に達すると、その電流制限値を超えないようにDUTY比100%未満での通電(デューティ駆動)に切り替わる。
なお、図17では、SCV10の開動作中はモータの通電電流が電流制限値より低く、全開状態になってモータがロックしたときに電流制限値を超える場合について説明したが、SCV10やその駆動系の状態によっては、後述する図18のように、開動作中であってもモータの通電電流が電流制限値に達する場合もある。そのため、電流制限値に制限された状態がロック判定時間T1継続したときに、モータがロック、即ちSCV10が全開状態になったものとして、マイコンからの開指令出力を停止してモータへの通電を停止させるようにしている。
つまり、角度センサを持たないため、全開又は全閉したことが直接的にはわからないものの、全開又は全閉するであろう十分長い時間モータへの通電を行うことによってSCV10を確実に開閉させようとする方法であり、「突き当て制御」とも呼ばれる。
特許第3458753号公報
しかしながら、上記の突き当て制御は、全開又は全閉するであろう十分な長時間をロック判定時間T1として設定する必要があるため、制限電流値での通電が長時間継続することになる。そのため、図17に示すように、モータがロックしてから通電が停止されるまでの間、駆動回路やモータの温度が上昇していく。しかも、この上昇した温度が元のレベル(通電開始前のレベル)に戻らないうちに再び通電が開始されるということが繰り返されると、駆動回路やモータの温度は上昇の一途をたどることになる。
この温度上昇は、当然ながらモータやその駆動回路にとっては好ましいものではない。そのため、温度が過度に上昇しないよう、ロック判定時間T1をできるだけ短く設定するのが望ましい。
しかし、SCV10は内燃機関の吸気系に用いられるバルブであるため、長期間の使用に伴ってデポジットが蓄積されていき、使用年数の経過と共に回転速度(開閉速度)も遅くなる。そのため、上記ロック判定時間T1は、長期使用後(耐久後)であっても確実に全閉又は全開させることができるよう、耐久後のSCV10の状態を想定して十分長く設定する必要がある。
即ち、どのようなシステムであれ長時間使用していることにより、バルブ等の開閉部分には、吸気ポート(吸気管)内に浮遊する埃や水分、油分等が溜まったり、またその埃が水分や油分を吸着して粘性を帯びたりすることが一般に知られている。上記のSCV10についても同様であり、図16(b)に示すように、これらの粘性を帯びた物質であるデポジット23が、SCV10の回動軸20等に付着して、SCV10の回動を妨げる粘性抵抗になる。水分を含むことから低温ではこの粘性抵抗は増大し、場合によって非常に大きな抵抗となり、SCV10の回動には大きなトルクかまたは長時間通電して開閉を完全なものとする必要が生じる。そして、使用環境にもよるものの、粘性抵抗は、製品寿命の最後、すなわち耐久後に最も増大するのが一般的である。
そして、使用年数が長くなるほど、デポジットによる粘性抵抗が増大して、モータの回転速度も低下する。このようにモータの回転速度が低下すると、モータの逆起電力も低下して、回転中であってもその通電電流の値はロック電流近くまで上昇していき、図18に示すように電流制限値に到達してしまう。つまり、回転速度が遅いために、回転開始後すぐに通電電流が上昇していって、まだ回転中であっても電流制限値での通電状態となる。そのため、ロック判定時間T1は、耐久後のデポジットを考慮して十分に長く設定する必要があるのである。
ところが、製品の初期状態では、逆にこれらの粘性抵抗によるデポジットは全くない(或いはほとんどない)ため、SCV10はスムーズに開閉し、最短の時間で開閉が可能である。即ち、耐久後の場合は図16(b)に示すようにデポジット23の付着によってSCV10は低速回動するが、初期状態の場合は図16(a)に示すようにデポジットはないためSCV10は高速回動可能である。にもかかわらず、ロック判定時間T1は耐久後を見越した長時間に固定設定されているため、上限一杯の電流制限値での通電が長時間継続し、モータや駆動回路の発熱が増大してしまう。
具体例を挙げると、例えば、耐久後の最悪の状態を見越してロック判定時間T1が2秒に設定されている場合、耐久後は粘性抵抗が大きく回転速度も遅いため、1.8秒程度で開閉が完了し、残り0.2秒はロック電流(電流制限値)が流れることになるが、初期状態では、粘性抵抗は全くないため0.1秒程度で開閉が完了し、残り1.9秒はロック電流(電流制限値)が流れ続けることになる。このように、開閉が完了しているにも拘わらずロック電流が長時間流れ続けると、モータやその駆動回路は大きく発熱することになるのである。
モータや駆動回路の発熱を低減するためには、ロック判定時間T1をできる限り短くして制限電流値での通電時間を短くするのが望ましいのだが、あまり短くしすぎると、まだ回転中で完全に開閉していないにも拘わらずロック判定時間T1が経過して全閉或いは全開と誤判定されてしまうおそれがある(特に耐久後)。そのため、ロック判定時間T1の短縮には限度があり、耐久後を見越して長く設定する必要がある以上、初期状態に近ければ近いほど必然的に発熱量が増大してしまう。
また、耐久後についても、回転中の早い段階から通電電流が電流制限値に達し、それ以上の電流上昇は制限されるため、回転中であってもそれ以上のトルク上昇は制限されてしまう。つまり、耐久後はただでさえデポジットによって回転速度が遅く、より大きな回転トルクが必要となるにもかかわらず、回転中に電流制限がかかってそれ以上のトルクは加わらなくなる。そのため、モータ回転速度の低下がより助長され、SCV10の駆動応答性は悪化してしまう。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、モータにより被駆動部を駆動する車載用モータ駆動装置において、被駆動部の駆動応答性を良好に維持しつつ、モータやその駆動回路の発熱を低減して、装置の耐久性や信頼性を向上することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の発明は、外的要因により予め定められている位置に強制的に位置決めされるようにモータによって駆動される被駆動部の駆動を制御する車載用モータ駆動装置であって、入力される駆動指令に基づいてモータへ通電を行うことにより該モータを駆動する駆動手段と、被駆動部の駆動を制御するための駆動指令を駆動手段へ出力する制御手段と、モータの通電電流を検出する電流検出手段と、被駆動部が外的要因により強制的に位置決めされた際にモータに流れるロック流を判別するための値に設定された電流閾値が、被駆動部の駆動完了を判定するための判定基準として設定された第1の閾値設定手段と、モータの負荷とは別にモータに直接又は間接的に作用してそのモータの通電電流特性に影響を及ぼす環境パラメータを検出する環境パラメータ検出手段と、環境パラメータ検出手段により検出された環境パラメータに基づいて、被駆動部の駆動完了が正確に判断されるよう電流閾値を演算し、その演算結果に応じた第1の閾値指令を第1の閾値設定手段へ出力する第1の閾値指令出力手段と、を備え、第1の閾値設定手段は、第1の閾値指令出力手段からの第1の閾値指令に従って電流閾値を設定する。
更に、第1の閾値指令出力手段による電流閾値の演算結果を、電流検出手段により検出されたモータの通電電流の値に基づいて補正する閾値補正手段と、電流検出手段により検出された通電電流が第1の閾値設定手段に設定された電流閾値を超えたときに被駆動部の駆動が完了したものと判定する第1の駆動完了判定手段とを備える。尚、ここでいう補正とは、被駆動部の駆動完了が正確に判断されるような値に補正することをいう。
そして特に、第1の閾値指令出力手段は、閾値補正手段による補正後の電流閾値に応じた第1の閾値指令を、第1の閾値設定手段へ出力し、制御手段は、被駆動部の駆動開始から少なくともその被駆動部の駆動が上記外的要因により強制的に位置決めされることで完了するまでの間は、モータを連続的に通電させるための駆動指令である連続通電指令を駆動手段へ出力する。この連続通電指令に基づくモータへの通電開始後(即ち被駆動部の駆動開始後)、第1の駆動完了判定手段にて被駆動部の駆動が完了したと判定されたとき、駆動手段は、モータへの通電を停止又は低減する。
つまり、被駆動部をモータにより駆動するにあたり、駆動開始からその駆動が完了するまでは、上述の従来技術のような、通電電流の上限値を設けてそれを超えないように制限するといった電流制限を行うことなく、モータへの通電を連続的に行う。これにより、駆動手段が供給可能な最大限の電流がモータへ通電されることになる。但し、モータ回転中(被駆動部の駆動中)はモータ自身の逆起電力により通電電流はある程度抑制される。そして、被駆動部の駆動が完了してモータがそれ以上回転できないロック状態になると、逆起電力が失われて通電電流が急激に増加する(既述の図17,図18参照)。
そこで、所定の電流閾値を設定し、この電流閾値を超えた場合に、被駆動部の駆動が完了してモータもロック状態になったものと判定するようにした。尚、このときの電流閾値は、ロック状態になったときに流れるロック電流であるかどうかが判別できる値に設定されている。更に、駆動完了と判定されたときは、駆動手段によるモータへの通電を停止又は低減するようにしたのである。
また、モータに流れる電流は、モータの電源電圧やモータ周囲の環境等の影響を受ける。例えば、電源電圧が大きいほどモータに流れる電流も大きくなり、回転速度が速くなる。また例えば、電源電圧が一定であってもモータ周囲の温度が高くなると、モータの抵抗値(正確にはモータ巻線の電気抵抗値)が大きくなってモータに流れる電流は小さくなり、回転速度は遅くなる。そのため、例えば自動車のエンジンの周辺といった、温度変化や電源電圧の変化が激しいような環境でモータが駆動される場合は、その変化レベルによっては、閾値(ここでは電流閾値)を一定値に固定したままでは正確に被駆動部の駆動完了(モータロック)を検出できなくなるおそれがある。
そこで、閾値(ここでは電流閾値)は、上述したモータの電源電圧や周囲温度等のような、モータの負荷とは別にモータに直接又は間接的に作用してそのモータの通電電流特性に影響を及ぼすパラメータである環境パラメータに応じて適宜設定変更できるようにしている。
また、環境パラメータが同じであっても、モータ自身の個体差によってはその特性に違いが生じる可能性もある。例えば、設計上は同じモータであっても、製造公差やその他各種の微妙な個体差(電気的或いはメカ的な個体差)によって、全く同じ環境・同じ電源で回転させても通電電流や回転速度が異なることも考えられる。また、閾値指令出力手段(ここでは第1の閾値指令出力手段)に異常が生じると、環境パラメータに応じた閾値(ここでは電流閾値)の演算が正確に行われなくなる可能性もある。そうなると、閾値設定手段(ここでは第1の閾値設定手段)にて設定される閾値(電流閾値)も、個々のモータ特性に応じた適切な値或いは環境パラメータに応じた適切な値とはならず、被駆動部の駆動完了が正確に判定されなくなる可能性がある。そこで、閾値補正手段を備えるようにしている。
このように構成された請求項1記載の車載用モータ駆動装置によれば、被駆動部の駆動中はモータへの通電が連続的に(従来技術のような通電制限をすることなく)行われるため、被駆動部の駆動応答性が良好となる。また、通電電流が電流閾値を超えたとき、即ち被駆動部の駆動完了が判定されたときはモータへの通電が停止又は低減されるため、駆動完了後(ロック後)もロック電流が流れるといった従来の問題が解消され、モータや駆動手段の発熱を低減することができる。しかも、電流閾値がロック電流であるかどうかがその値でもって判別できるようになっているので、従来のように電流制限値に通電電流が達し、かつ所定時間流れたことでロックと判定するというやり方に対して、より確実にかつ短時間で検出することができる。従って、被駆動部の駆動完了の判定のために既述の角度センサ等の装置を別途設ける必要がない。そのため、コストの上昇を抑えつつ、車載用モータ駆動装置の耐久性や信頼性を向上することが可能となる。
また、環境パラメータに応じた適切な値の電流閾値が演算・設定されるため、環境パラメータに変動があっても被駆動部の駆動停止を正確に判定することができ、駆動停止後速やかにモータへの通電を停止又は低減することが可能となる。
更に、閾値補正手段を備えていることにより、例えば、電源電圧は正常であって環境パラメータ検出手段により検出された温度が高い場合に、その温度に応じて第1の閾値指令出力手段が電流閾値を低めに演算したにも拘わらず、実際に検出された通電電流が設計上想定される値よりも大きい場合は、そのモータの巻線抵抗値が設計値よりも低いこと等が予想されるため、演算された電流閾値を閾値補正手段が高い値に補正する、といったことが可能となる。
閾値補正手段による電流閾値の補正は、例えば、通電電流開始時の突入電流の値に基づいて行ってもよいし、或いは回転中の通電電流の値に基づいて行ってもよく、具体的にどのタイミングでの通電電流に基づいて行うかは適宜決めることができる。後述する請求項13における、閾値補正手段によるリップル周期閾値の補正、及び請求項14における、閾値補正手段によるリップル検出閾値の補正についても、同様である。
なお、被駆動部の駆動完了とは、被駆動部が予め決められた状態まで駆動されたときに何らかの外的要因で停止させられることをいい、この駆動完了によってモータはそれ以上は回転できなくなる。つまり、被駆動部の駆動が完了すると、引き続き駆動させるべくモータへの通電を継続しても被駆動部は動かないため、必然的にモータの回転も強制停止される(ロックする)ことになる。そのため、以下の説明においてモータの「ロック」とは、被駆動部の駆動完了によってモータの回転が強制的に停止させられることを意味し、モータがロックすることと被駆動部の駆動が完了することとは同義として扱う。
電流閾値は、例えば、モータ回転中には達することはない値であって、且つ、モータがロックして通電電流が増加した場合には十分に達するような値とするなど、モータのロック・被駆動部の駆動完了をモータが回転する際に流れる通電電流値と判別可能な値を適宜設定する。
第1の駆動完了判定手段による駆動完了の判定結果に基づく、駆動手段によるモータへの通電の停止又は低減は、具体的には、例えば後述する請求項20又は22に記載の構成で実現することができるが、駆動完了の判定後できる限り速やかに通電を停止又は低減できる限り、その具体的構成は特に限定されない。
また、被駆動部の駆動完了後に通電を低減する場合、具体的にどの程度まで低減するかは適宜決めることができ、例えば、駆動完了状態の被駆動部がバネ等で付勢されていてモータへの通電を停止するとその付勢力で被駆動部が元の状態へ戻ってしまうような場合は、その付勢力に対抗できる程度の電流(保持電流)を流して駆動完了状態を保持するようにしてもよい。また例えば、上記のようなバネ等による付勢はないものの、被駆動部が置かれている環境等によっては外部から荷重(例えば流体による圧力)を受けて動いてしまうおそれがあるような場合も、その荷重を受けても被駆動部が駆動完了状態から動かない程度の保持電流を流すようにしてもよい。
逆に、一旦駆動完了した後は被駆動部が動いても構わないような場合、或いは、駆動完了状態を保持する必要はあるもののモータへの通電を停止しても駆動完了状態が保持されるよう構成されている場合などは、モータへの通電を完全に停止するようにしてもよい。つまり、被駆動部の駆動完了後に通電を停止するか低減するか、低減する場合は具体的にどの程度低減するかについては、車載用モータ駆動装置全体の構成、被駆動部への荷重の有無、周囲環境、駆動完了状態の保持の必要性などの諸条件を考慮して、適宜決めればよい。
上記請求項1に記載の車載用モータ駆動装置は、モータへの通電電流が電流閾値を超えたことをもって被駆動部の駆動完了を判定する構成であったが、モータが、整流子及びこの整流子に摺接するブラシを有するブラシ付き直流モータ(以下単に「直流モータ」という)である場合は、例えば請求項2に記載のように、直流モータならではの通電特性を利用して被駆動部の駆動完了を判定することができる。直流モータならではの通電特性とは、モータの回転によって、ブラシに接触中の整流子がそのブラシから離れる一方で次の整流子がそのブラシへ接触するまでの整流子切り替わり過程において、双方の整流子が共に一つのブラシに接触する二重接触期間が存在し、この二重接触期間中は他の期間(一つのブラシに一つの整流子が接触している期間)よりも通電電流値が増大することである。
この結果、モータ回転中はその通電電流はリップルを含むリップル電流となる。逆に、モータ回転が停止すると、当然ながらこのリップルは発生しないことになる。そこで、このリップルの有無を検出すれば、モータが回転しているか否か、延いては被駆動部の駆動が完了したか否かを判定することができる。
即ち、請求項2記載の発明は、外的要因により予め定められている位置に強制的に位置決めされるようにモータによって駆動される被駆動部の駆動を制御する車載用モータ駆動装置であって、モータは、整流子及び該整流子に摺接するブラシを有し、このブラシを介して外部から供給される直流電源により駆動されるモータ(直流モータ)である。
そして、モータにより駆動される被駆動部と、入力される駆動指令に基づいてモータへ通電を行うことにより該モータを駆動する駆動手段と、被駆動部の駆動を制御するための駆動指令を駆動手段へ出力する制御手段と、モータの通電電流を検出する電流検出手段と、被駆動部が外的要因により強制的に位置決めされた際にモータに流れるロック電流を判別するための値に設定された電流閾値が、被駆動部の駆動完了を判定するための判定基準として設定された第1の閾値設定手段と、電流検出手段により検出された通電電流が第1の閾値設定手段に設定された電流閾値を超えたときに被駆動部の駆動が完了したものと判定する第1の駆動完了判定手段と、を備える。
更に、被駆動部の駆動完了を判定するための判定基準としてのリップル周期閾値が設定された第2の閾値設定手段と、電流検出手段により検出された通電電流に含まれるリップルの周期が第2の閾値設定手段に設定されたリップル周期閾値を超えたときに被駆動部の駆動が完了したものと判定する第2の駆動完了判定手段と、駆動手段によるモータへの通電が停止又は低減されるタイミングの決定基準として、第1の駆動完了判定手段による判定結果又は第2の駆動完了判定手段による判定結果のうちいずれか一方を選択する判定選択手段と、を備える。
そして、制御手段は、被駆動部の駆動開始から少なくともその被駆動部の駆動が外的要因により強制的に位置決めされることで完了するまでの間は、モータを連続的に通電させるための駆動指令である連続通電指令を駆動手段へ出力する。そして、駆動手段は、制御手段からの連続通電指令に基づくモータへの通電開始後、判定選択手段により選択されたいずれかの駆動完了判定手段によって被駆動部の駆動が完了したと判定されたときに、モータへの通電を停止又は低減する。
つまり、直流モータの場合、回転している限りその回転速度に応じた周期でリップルが発生するが、回転が停止すると、以後はリップルが発生しなくなる。そこで、リップル周期閾値を適宜設定し、リップルの周期がこのリップル周期閾値よりも大きくなったとき(換言すれば、前回リップルが検出された後、リップル周期閾値が経過しても次のリップルが検出されないとき)に、被駆動部の駆動が停止してモータも回転停止(ロック)したものと判定するのである。第2の駆動完了判定手段が選択された場合にその第2の駆動完了判定手段による駆動完了の判定後は、請求項1と同様、モータへの通電電流を停止又は低減する。
そして、第1の駆動完了判定手段及び第2の駆動完了判定手段の各駆動完了判定手段を兼ね備え、判定選択手段により選択された何れかの駆動完了判定手段により駆動完了が判定されたときにモータへの通電が停止又は低減される。
このように構成された請求項2記載の車載用モータ駆動装置によっても、被駆動部の駆動中はモータへの通電が連続的に(従来技術のような通電制限をすることなく)行われるため、被駆動部の駆動応答性が良好となる。また、リップルの周期がリップル周期閾値を超えたとき、即ち被駆動部の駆動完了が判定されたときはモータへの通電が停止又は低減されるため、駆動完了後(ロック後)もロック電流が流れるといった従来の問題が解消され、モータや駆動手段の発熱を低減することができる。そのため、上記請求項1と同様、コストの上昇を抑えつつ、車載用モータ駆動装置の耐久性や信頼性を向上することが可能となる。
また、被駆動部の駆動完了を判定するための駆動完了判定手段を二種類備え、何れか一方によって駆動完了の判定がなされるため、駆動完了の判定方法の選択自由度が広がる。
上記請求項2記載の車載用モータ駆動装置における、第2の駆動完了判定手段による被駆動部の駆動完了の判定は、より具体的には、例えば請求項3記載の構成により実現することができる。即ち、電流検出手段により検出された通電電流から直流成分を除去する直流成分除去手段と、リップルの発生を判定するための判定基準としてのリップル検出閾値が設定された第3の閾値設定手段と、直流成分除去手段による直流成分除去後の通電電流が第3の閾値設定手段に設定されたリップル検出閾値を超えた場合にリップルが発生したと判定するリップル発生判定手段と、このリップル発生判定手段によってリップルが発生したと判定される毎に、該判定された後の経過時間をリップルの周期として計測する計測手段とを備える。そして、第2の駆動完了判定手段は、計測手段により計測される経過時間がリップル周期閾値を超えたときに、被駆動部の駆動が完了したものと判定する。
上記のように車載用モータ駆動装置を構成することで、リップルの検出やそれに基づくリップル周期の計測を確実に行うことができ、その計測結果に基づいて被駆動部の駆動完了を確実に判定することができる。
なお、直流成分除去手段による直流成分除去後の通電電流そのものを用いてリップル発生判定手段がリップルの発生を判定するようにしてもよいが、直流モータの回転時にその通電電流に含有されるリップル分は、一般に微小な値である。そのため、直流成分除去後の通電電流を適度な増幅率にて増幅し、その増幅後の通電電流に基づいてリップル検出閾値を設定して、リップル発生を判定するようにしてもよい。
なお、判定選択手段が上記二つの駆動完了判定手段のうちどちらを選択するかについては、例えば、通常はどちらか一方に固定しておいてそれが正常動作しなくなった場合に他方に切り替える、といった方法をとることができるなど、その選択方法や選択基準は多種多様に考えられるが、モータや被駆動部の状態に応じて、より確実に駆動完了を判定できる方を選択するようにすることも可能である。
即ち、被駆動部が初期状態(製造されたばかりの新品状態)である初期品の場合は、通常、既述のデポジットのような被駆動部の駆動を阻害する要因がなく(少なく)、モータの回転は速いため、整流子の二重接触期間が短く、リップルも小さくなる。そのため、回転速度が速いほどリップルの検出(リップル発生判定手段によるリップル発生の判定)もしにくくなる。その反面、通電電流値については、初期品の場合は回転速度が速いため、回転中は逆起電力が大きく通電電流値は低い。そして、被駆動部の駆動が完了してモータがロックすると、通電電流は急上昇する。つまり、回転中の通電電流と回転停止(ロック)中の通電電流との差が大きい。そのため、電流閾値に基づく駆動完了判定の方が比較的容易かつ正確に判定を行うことができる。
一方、被駆動部が耐久後の耐久品である場合は、通常、デポジットのような被駆動部の駆動を阻害する要因が多くなり、モータの回転速度は遅くなるため、整流子の二重接触期間が長く、リップルも大きくなる。そのため、リップルの検出を容易かつ正確に行うことができる。その反面、通電電流値については、モータの回転速度が遅いため、図18に示したように回転中であっても通電電流は大きくなり、回転中の電流値とロック時の電流値との差が初期品の場合よりも小さくなる。
つまり、初期品の場合は通電電流に基づく駆動完了判定の方が容易かつ正確にでき、耐久品の場合はリップル周期に基づく駆動完了判定の方が容易かつ正確にできる。更に、上記の通り初期品よりも耐久品の方がリップル周期は長いため、リップル周期に基づいて、初期品か耐久品かをおおよそ区別することが可能である。
そこで、請求項2又は請求項3記載の車載用モータ駆動装置における判定選択手段は、例えば請求項に記載のように、リップルの周期と予め設定した選択閾値とを比較し、その比較の結果、リップルの周期が選択閾値より大きい場合は第2の駆動完了判定手段による判定結果を選択し、リップルの周期が選択閾値以下の場合は第1の駆動完了判定手段による判定結果を選択するものとして構成することができる。
つまり、リップルの周期が選択閾値より大きい場合(回転が遅い場合)は耐久品或いはそれに近い状態と判断して、リップルの周期に基づく駆動完了判定を選択するようにし、リップルの周期が選択閾値以下の場合(回転が速い場合)は初期品或いはそれに近い状態と判断して、電流閾値に基づく駆動完了判定を選択するのである。
このように構成することで、第1又は第2の駆動完了判定手段のうち、被駆動部の状態に応じた適切な駆動完了判定手段によって被駆動部の駆動完了が判定されるため、被駆動部の状態(初期品か耐久品か)に拘わらずその駆動完了を正確に判定することが可能となる。
請求項2〜請求項4の何れか1項に記載の車載用モータ駆動装置においても、請求項5に記載のように、電流閾値環境パラメータに応じて適宜設定変更できるようにするとよい。即ち、請求項1と同様、環境パラメータ検出手段と第1の閾値指令出力手段とを備え、第1の閾値設定手段は、第1の閾値指令出力手段からの第1の閾値指令に従って電流閾値を設定する。
このように構成された車載用モータ駆動装置によれば、環境パラメータに応じた適切な値の電流閾値が演算・設定されるため、環境パラメータに変動があっても被駆動部の駆動停止を正確に判定することができ、駆動停止後速やかにモータへの通電を停止又は低減することが可能となる。
そして、請求項1又は請求項5に記載の車載用モータ駆動装置は、より具体的には、例えば請求項記載のように、環境パラメータ検出手段は、環境パラメータとしての、モータの温度を直接又は間接的に検出し、第1の閾値指令出力手段は、環境パラメータ検出手段により検出されたモータの温度が高いほど電流閾値の値が低くなるよう、該電流閾値の演算を行うようにするとよい。
たとえ電源電圧が一定であっても、モータの温度が高くなるとモータ巻線の抵抗値が大きくなって通電電流が低くなる。そこで、モータの温度が高いほど電流閾値が低くなるようにすれば、温度上昇によって通電電流が全体的に低くなってもそれに応じて電流閾値も低く設定されることになるため、モータの温度によらず被駆動部の駆動完了を正確に判定することができる。
特に、例えば自動車の内燃機関近傍のように、温度変化が激しいような環境にモータが晒される場合に本請求項記載の発明を適用するとより効果的である。このことは、後述する請求項及び請求項12においても同様である。
なお、モータの温度の検出は、例えば、温度センサをモータ本体に直接取り付けたり或いはモータ内部においてできる限りモータ巻線に近い部分に取り付けたりして、その温度を直接的に検出するようにしてもよいのはもちろんだが、例えば、モータ近傍の何らかの温度を検出し、それをもってモータの温度とする(或いはモータの温度を推定する)ようにしてもよい。後述する請求項及び請求項12においても同様である。
また、請求項1又は請求項5に記載の車載用モータ駆動装置は、例えば請求項に記載のように、環境パラメータ検出手段は、環境パラメータとしての、モータに供給される電源電圧を検出し、第1の閾値指令出力手段は、環境パラメータ検出手段により検出された電源電圧が低いほど電流閾値の値が低くなるよう、該電流閾値の演算を行うようにしてもよい。
電源電圧が低くなるとモータの通電電流も低くなるが、上記のように電源電圧の低下に応じて電流閾値も低くなるよう構成すれば、電源電圧の変動によらず被駆動部の駆動完了を正確に判定することができる。
特に、例えば自動車のバッテリのように電圧変動が比較的大きい電源の供給を受けてモータを駆動する必要がある場合に、本請求項記載の発明を適用すると、より効果的である。このことは、後述する請求項10及び請求項11においても同様である。
次に、請求項記載の発明は、請求項2〜のいずれか1項に記載の車載用モータ駆動装置であって、環境パラメータ検出手段(請求項と同じ)と、この環境パラメータ検出手段により検出された環境パラメータに基づいて、被駆動部の駆動完了が正確に判断されるようリップル周期閾値を演算し、その演算結果に応じた第2の閾値指令を第2の閾値設定手段へ出力する第2の閾値指令出力手段とを備えている。そして、第2の閾値設定手段は、第2の閾値指令出力手段からの第2の閾値指令に従ってリップル周期閾値を設定する。
このように構成された車載用モータ駆動装置によれば、環境パラメータに応じた適切な値のリップル周期閾値が演算・設定されるため、環境パラメータに変動があっても被駆動部の駆動停止を正確に判定することができ、駆動停止後速やかにモータへの通電を停止又は低減することが可能となる。
そして、より具体的には、例えば請求項記載のように、環境パラメータ検出手段は、環境パラメータとしての、モータの温度を直接又は間接的に検出し、第2の閾値指令出力手段は、環境パラメータ検出手段により検出されたモータの温度が高いほどリップル周期閾値の値が大きくなるよう、該リップル周期閾値の演算を行うようにするとよい。
たとえ電源電圧が一定であっても、モータの温度が高くなると、通電電流は低くなってモータの回転速度が低下し、リップルの周期が長くなる。そこで、モータの温度が高いほどリップル周期閾値が大きくなるようにすれば、温度上昇によってリップル周期が全体的に長くなってもそれに応じてリップル周期閾値も大きい値に設定されることになるため、モータの温度によらず被駆動部の駆動完了を正確に判定することができる。
次に、請求項10記載の発明は、外的要因により予め定められている位置に強制的に位置決めされるようにモータによって駆動される被駆動部の駆動を制御する車載用モータ駆動装置であって、モータは、整流子及び該整流子に摺接するブラシを有し、このブラシを介して外部から供給される直流電源により駆動されるものであり、モータにより駆動される被駆動部と、入力される駆動指令に基づいてモータへ通電を行うことにより該モータを駆動する駆動手段と、被駆動部の駆動を制御するための駆動指令を駆動手段へ出力する制御手段と、モータの通電電流を検出する電流検出手段と、被駆動部の駆動完了を判定するための判定基準としてのリップル周期閾値が設定された第2の閾値設定手段と、モータの負荷とは別にモータに直接又は間接的に作用してそのモータの通電電流特性に影響を及ぼす環境パラメータを検出する環境パラメータ検出手段と、環境パラメータ検出手段により検出された環境パラメータに基づいて、被駆動部の駆動完了が正確に判断されるようリップル周期閾値を演算し、その演算結果に応じた第2の閾値指令を第2の閾値設定手段へ出力する第2の閾値指令出力手段と、電流検出手段により検出された通電電流に含まれるリップルの周期が第2の閾値設定手段に設定されたリップル周期閾値を超えたときに被駆動部の駆動が完了したものと判定する第2の駆動完了判定手段と、を備えている。
そして、環境パラメータ検出手段は、環境パラメータとしての、モータに供給される電源電圧を検出し、第2の閾値指令出力手段は、環境パラメータ検出手段により検出された電源電圧が低いほどリップル周期閾値の値が大きくなるよう、該リップル周期閾値の演算を行い、第2の閾値設定手段は、第2の閾値指令出力手段からの第2の閾値指令に従ってリップル周期閾値を設定し、制御手段は、被駆動部の駆動開始から少なくともその被駆動部の駆動が外的要因により強制的に位置決めされることで完了するまでの間は、モータを連続的に通電させるための駆動指令である連続通電指令を駆動手段へ出力し、駆動手段は、制御手段からの連続通電指令に基づくモータへの通電開始後、第2の駆動完了判定手段にて被駆動部の駆動が完了したと判定されたとき、モータへの通電を停止又は低減する。
電源電圧が低くなるとモータの通電電流も低くなって回転速度が低下し、リップルの周期が長くなるが、上記のように電源電圧の低下に応じてリップル周期閾値も大きくなるよう構成すれば、電源電圧の変動によらず被駆動部の駆動完了を正確に判定することができる。
次に、請求項11記載の発明は、外的要因により予め定められている位置に強制的に位置決めされるようにモータによって駆動される被駆動部の駆動を制御する車載用モータ駆動装置であって、モータは、整流子及び該整流子に摺接するブラシを有し、このブラシを介して外部から供給される直流電源により駆動されるものであり、モータにより駆動される被駆動部と、入力される駆動指令に基づいてモータへ通電を行うことにより該モータを駆動する駆動手段と、被駆動部の駆動を制御するための駆動指令を駆動手段へ出力する制御手段と、モータの通電電流を検出する電流検出手段と、被駆動部の駆動完了を判定するための判定基準としてのリップル周期閾値が設定された第2の閾値設定手段と、電流検出手段により検出された通電電流に含まれるリップルの周期が第2の閾値設定手段に設定されたリップル周期閾値を超えたときに被駆動部の駆動が完了したものと判定する第2の駆動完了判定手段と、電流検出手段により検出された通電電流から直流成分を除去する直流成分除去手段と、リップルの発生を判定するための判定基準としてのリップル検出閾値が設定された第3の閾値設定手段と、直流成分除去手段による直流成分除去後の通電電流が第3の閾値設定手段に設定されたリップル検出閾値を超えた場合にリップルが発生したと判定するリップル発生判定手段と、リップル発生判定手段によってリップルが発生したと判定される毎に、該判定された後の経過時間をリップルの周期として計測する計測手段と、モータの負荷とは別にモータに直接又は間接的に作用してそのモータの通電電流特性に影響を及ぼす環境パラメータとして、モータに供給される電源電圧を検出する環境パラメータ検出手段と、リップルの周期が正確に検出されるよう、環境パラメータ検出手段により検出された電源電圧が低いほどリップル検出閾値の値が低くなるようにリップル検出閾値を演算し、その演算結果に応じた第3の閾値指令を第3の閾値設定手段へ出力する第3の閾値指令出力手段とを備えている。そして、第3の閾値設定手段は、第3の閾値指令出力手段からの第3の閾値指令に従ってリップル検出閾値を設定する。
そして、第2の駆動完了判定手段は、計測手段により計測される経過時間がリップル周期閾値を超えたときに、被駆動部の駆動が完了したものと判定し、制御手段は、被駆動部の駆動開始から少なくともその被駆動部の駆動が外的要因により強制的に位置決めされることで完了するまでの間は、モータを連続的に通電させるための駆動指令である連続通電指令を駆動手段へ出力し、駆動手段は、制御手段からの連続通電指令に基づくモータへの通電開始後、第2の駆動完了判定手段にて被駆動部の駆動が完了したと判定されたとき、モータへの通電を停止又は低減する。
このように構成された車載用モータ駆動装置によれば、環境パラメータ(ここでは電源電圧)に応じた適切な値のリップル検出閾値が演算・設定されるため、電源電圧に変動があってもリップルの発生を正確に検出でき、それに基づくリップル周期の計測も正確にできて、被駆動部の駆動停止を正確に判定することができる。そのため、駆動停止後速やかにモータへの通電を停止又は低減することが可能となる。
具体的には、電源電圧が低くなるとモータの通電電流は小さくなるため、リップルの波高値も低くなる。そこで、上記のように電源電圧の低下に応じてリップル検出閾値も低くなるよう構成すれば、電源電圧の変動によらずリップルの周期を正確に判定することができるようになる。
請求項11記載の発明は、更に、例えば請求項1記載のように、環境パラメータ検出手段は、環境パラメータとしてのモータの温度を直接又は間接的に検出し、第3の閾値指令出力手段は、環境パラメータ検出手段により検出されたモータの温度が高いほどリップル検出閾値の値が低くなるよう、該リップル検出閾値の演算を行うようにするとよい。
たとえ電源電圧が一定であっても、モータの温度が高くなると、モータ巻線の抵抗値増加により通電電流は小さくなり、リップルの波高値も小さくなる。そこで、モータの温度が高いほどリップル検出閾値が低くなるようにすれば、温度上昇(通電電流低下)によってリップルの波高値が低くなってもそれに応じてリップル検出閾値も低い値に設定されることになるため、モータの温度によらずリップルの周期を正確に判定することができるようになる。
次に、請求項13記載の発明は、外的要因により予め定められている位置に強制的に位置決めされるようにモータによって駆動される被駆動部の駆動を制御する車載用モータ駆動装置であって、モータは、整流子及び該整流子に摺接するブラシを有し、このブラシを介して外部から供給される直流電源により駆動されるものであり、モータにより駆動される被駆動部と、入力される駆動指令に基づいてモータへ通電を行うことにより該モータを駆動する駆動手段と、被駆動部の駆動を制御するための駆動指令を駆動手段へ出力する制御手段と、モータの通電電流を検出する電流検出手段と、被駆動部の駆動完了を判定するための判定基準としてのリップル周期閾値が設定された第2の閾値設定手段と、モータの負荷とは別にモータに直接又は間接的に作用してそのモータの通電電流特性に影響を及ぼす環境パラメータを検出する環境パラメータ検出手段と、環境パラメータ検出手段により検出された環境パラメータに基づいて、被駆動部の駆動完了が正確に判断されるようリップル周期閾値を演算し、その演算結果に応じた第2の閾値指令を第2の閾値設定手段へ出力する第2の閾値指令出力手段と、を備え、第2の閾値設定手段は、第2の閾値指令出力手段からの第2の閾値指令に従ってリップル周期閾値を設定する。
更に、第2の閾値指令出力手段によるリップル周期閾値の演算結果を、電流検出手段により検出されたモータの通電電流の値に基づいて補正する閾値補正手段と、電流検出手段により検出された通電電流に含まれるリップルの周期が第2の閾値設定手段に設定されたリップル周期閾値を超えたときに被駆動部の駆動が完了したものと判定する第2の駆動完了判定手段と、を備えている。尚、ここでいう補正とは、被駆動部の駆動完了が正確に判断されるような値に補正することをいう。
そして、第2の閾値指令出力手段は、閾値補正手段による補正後のリップル周期閾値に応じた第2の閾値指令を、第2の閾値設定手段へ出力し、制御手段は、被駆動部の駆動開始から少なくともその被駆動部の駆動が外的要因により強制的に位置決めされることで完了するまでの間は、モータを連続的に通電させるための駆動指令である連続通電指令を駆動手段へ出力し、駆動手段は、制御手段からの連続通電指令に基づくモータへの通電開始後、第2の駆動完了判定手段にて被駆動部の駆動が完了したと判定されたとき、モータへの通電を停止又は低減する。
このように構成された車載用モータ駆動装置によれば、被駆動部の駆動中はモータへの通電が連続的に(従来技術のような通電制限をすることなく)行われるため、被駆動部の駆動応答性が良好となる。また、リップルの周期がリップル周期閾値を超えたとき、即ち被駆動部の駆動完了が判定されたときはモータへの通電が停止又は低減されるため、駆動完了後(ロック後)もロック電流が流れるといった従来の問題が解消され、モータや駆動手段の発熱を低減することができる。そのため、コストの上昇を抑えつつ、車載用モータ駆動装置の耐久性や信頼性を向上することが可能となる。
また、環境パラメータに応じた適切な値のリップル周期閾値が演算・設定されるため、環境パラメータに変動があっても被駆動部の駆動停止を正確に判定することができ、駆動停止後速やかにモータへの通電を停止又は低減することが可能となる。
更に、例えば、環境パラメータ検出手段にて電源電圧が低いと検出された(つまりモータの回転速度は遅くなるはず)にも拘わらず、第2の閾値指令出力手段の異常によってリップル周期閾値が小さい値に演算されてしまうおそれがあるが、そのような場合も、電流検出手段により検出された通電電流(電源電圧に応じた小さな値)に基づいてリップル周期閾値を大きい値に補正する、といったことが可能となる。
次に、請求項14記載の発明は、外的要因により予め定められている位置に強制的に位置決めされるようにモータによって駆動される被駆動部の駆動を制御する車載用モータ駆動装置であって、モータは、整流子及び該整流子に摺接するブラシを有し、このブラシを介して外部から供給される直流電源により駆動されるものであり、モータにより駆動される被駆動部と、入力される駆動指令に基づいてモータへ通電を行うことにより該モータを駆動する駆動手段と、被駆動部の駆動を制御するための駆動指令を駆動手段へ出力する制御手段と、モータの通電電流を検出する電流検出手段と、被駆動部の駆動完了を判定するための判定基準としてのリップル周期閾値が設定された第2の閾値設定手段と、電流検出手段により検出された通電電流から直流成分を除去する直流成分除去手段と、リップルの発生を判定するための判定基準としてのリップル検出閾値が設定された第3の閾値設定手段と、直流成分除去手段による直流成分除去後の通電電流が第3の閾値設定手段に設定されたリップル検出閾値を超えた場合にリップルが発生したと判定するリップル発生判定手段と、リップル発生判定手段によってリップルが発生したと判定される毎に、該判定された後の経過時間をリップルの周期として計測する計測手段と、モータの負荷とは別にモータに直接又は間接的に作用してそのモータの通電電流特性に影響を及ぼす環境パラメータを検出する環境パラメータ検出手段と、環境パラメータ検出手段により検出された環境パラメータに基づいて、リップルの周期が正確に検出されるようリップル検出閾値を演算し、その演算結果に応じた第3の閾値指令を前記第3の閾値設定手段へ出力する第3の閾値指令出力手段と、を備え、第3の閾値設定手段は、第3の閾値指令出力手段からの第3の閾値指令に従ってリップル検出閾値を設定する。
更に、第3の閾値指令出力手段によるリップル検出閾値の演算結果を、電流検出手段により検出されたモータの通電電流の値に基づいて補正する閾値補正手段と、電流検出手段により検出された通電電流に含まれるリップルの周期が第2の閾値設定手段に設定されたリップル周期閾値を超えたときに被駆動部の駆動が完了したものと判定する第2の駆動完了判定手段と、を備えている。尚、ここでいう補正とは、リップルの周期が正確に検出されるような値に補正することをいう。
そして、第3の閾値指令出力手段は、閾値補正手段による補正後のリップル検出閾値に応じた第3の閾値指令を、第3の閾値設定手段へ出力し、第2の駆動完了判定手段は、計測手段により計測される経過時間がリップル周期閾値を超えたときに、被駆動部の駆動が完了したものと判定し、制御手段は、被駆動部の駆動開始から少なくともその被駆動部の駆動が外的要因により強制的に位置決めされることで完了するまでの間は、モータを連続的に通電させるための駆動指令である連続通電指令を駆動手段へ出力し、駆動手段は、制御手段からの連続通電指令に基づくモータへの通電開始後、第2の駆動完了判定手段にて被駆動部の駆動が完了したと判定されたとき、モータへの通電を停止又は低減する。
上記構成の車載用モータ駆動装置によれば、被駆動部の駆動中はモータへの通電が連続的に(従来技術のような通電制限をすることなく)行われるため、被駆動部の駆動応答性が良好となる。また、リップルの周期がリップル周期閾値を超えたとき、即ち被駆動部の駆動完了が判定されたときはモータへの通電が停止又は低減されるため、駆動完了後(ロック後)もロック電流が流れるといった従来の問題が解消され、モータや駆動手段の発熱を低減することができる。そのため、コストの上昇を抑えつつ、車載用モータ駆動装置の耐久性や信頼性を向上することが可能となる。
また、リップルの検出やそれに基づくリップル周期の計測を確実に行うことができ、その計測結果に基づいて被駆動部の駆動完了を確実に判定することができる。
また、環境パラメータに応じた適切な値のリップル検出閾値が演算・設定されるため、環境パラメータに変動があってもリップルの発生を正確に検出でき、それに基づくリップル周期の計測も正確にできて、被駆動部の駆動停止を正確に判定することができる。そのため、駆動停止後速やかにモータへの通電を停止又は低減することが可能となる。
更に、例えば、環境パラメータ検出手段にてモータの温度が低いと検出された(つまり通電電流が大きくなってリップルの波高値も大きくなるはず)にも拘わらず、第3の閾値指令出力手段の異常によってリップル検出閾値が低めに演算されてしまうおそれがあるが、そのような場合も、電流検出手段により検出された通電電流(モータ温度に応じた大きな値)に基づいてリップル検出閾値を大きな値に補正する、といったことが可能となる。
次に、請求項15記載の発明は、請求項1,13,14の何れか1項に記載の車載用モータ駆動装置であって、駆動手段、電流検出手段、閾値設定手段、及び駆動完了判定手段は、いずれも同一の半導体集積回路内に形成され、電流検出手段により検出されたモータの通電電流がアナログ値として当該半導体集積回路の外部へ出力可能に構成されており、更に、半導体集積回路から出力された通電電流の値を受信してデジタルデータに変換するA/D変換手段を備え、閾値補正手段は、A/D変換手段による変換後の通電電流の値に基づいて上記補正を行う。
このように構成された車載用モータ駆動装置によれば、モータの駆動とそのロック検出機能及び通電電流検出・出力機能を内蔵した半導体集積回路を安価に提供することが可能となり、且つ、この半導体集積回路から出力される通電電流に基づいて閾値補正手段が閾値の補正を確実に行うことができる。
なお、本請求項15に記載の車載用モータ駆動装置は、更に、半導体集積回路内に、外部と相互にシリアル通信を行うためのシリアル通信手段を備えるようにし、閾値設定手段は、対応する閾値指令出力手段からシリアルデータ形式にて送信された閾値指令を、シリアル通信手段を介して受信するようにしてもよい。また、後述する請求項16〜19に記載の各車載用モータ駆動装置においても、請求項15と同様、電流検出手段まで同一半導体集積回路内に形成するようにしてもよい。
請求項1〜15のいずれかに記載の車載用モータ駆動装置は、例えば請求項16に記載のように、駆動手段、閾値設定手段、及び駆動完了判定手段をいずれも同一の半導体集積回路内に形成するようにしてもよい。このようにすることで、モータの駆動およびそのロック検出機能を内蔵した半導体集積回路を安価に提供することが可能となる。
次に、請求項17記載の発明は、外的要因により予め定められている位置に強制的に位置決めされるようにモータによって駆動される被駆動部の駆動を制御する車載用モータ駆動装置であって、入力される駆動指令に基づいてモータへ通電を行うことにより該モータを駆動する駆動手段と、被駆動部の駆動を制御するための駆動指令を駆動手段へ出力する制御手段と、モータの通電電流を検出する電流検出手段と、被駆動部が外的要因により強制的に位置決めされた際にモータに流れるロック電流を判別するための値に設定された電流閾値が、被駆動部の駆動完了を判定するための判定基準として設定された第1の閾値設定手段と、電流検出手段により検出された通電電流が第1の閾値設定手段に設定された電流閾値を超えたときに被駆動部の駆動が完了したものと判定する第1の駆動完了判定手段と、モータの負荷とは別にモータに直接又は間接的に作用してそのモータの通電電流特性に影響を及ぼす環境パラメータを検出する環境パラメータ検出手段と、環境パラメータ検出手段により検出された環境パラメータに基づいて、被駆動部の駆動完了が正確に判断されるよう電流閾値を演算し、その演算結果に応じた第1の閾値指令を第1の閾値設定手段へ出力する第1の閾値指令出力手段と、を備える。
そして、第1の閾値設定手段は、第1の閾値指令出力手段からの第1の閾値指令に従って電流閾値を設定し、制御手段は、被駆動部の駆動開始から少なくともその被駆動部の駆動が外的要因により強制的に位置決めされることで完了するまでの間は、モータを連続的に通電させるための駆動指令である連続通電指令を駆動手段へ出力し、駆動手段は、制御手段からの連続通電指令に基づくモータへの通電開始後、第1の駆動完了判定手段にて被駆動部の駆動が完了したと判定されたとき、モータへの通電を停止又は低減し、駆動手段、第1の閾値設定手段、及び第1の駆動完了判定手段は、いずれも同一の半導体集積回路内に形成され、半導体集積回路内には、更に、外部と相互にシリアル通信を行うためのシリアル通信手段が備えられている。
また、上記半導体集積回路を複数種類備え、第1の閾値指令出力手段は、半導体集積回路毎に個々に、電流閾値の演算及びその演算結果に応じた第1の閾値指令の送信を行い、第1の閾値指令出力手段から各半導体集積回路への第1の閾値指令の送信は、シリアルデータ形式により共通の伝送路を用いて行われ、第1の閾値設定手段は、第1の閾値指令出力手段からシリアルデータ形式にて送信された第1の閾値指令を、シリアル通信手段を介して受信する。
上記構成の車載用モータ駆動装置によれば、被駆動部の駆動中はモータへの通電が連続的に(従来技術のような通電制限をすることなく)行われるため、被駆動部の駆動応答性が良好となる。また、通電電流が電流閾値を超えたとき、即ち被駆動部の駆動完了が判定されたときはモータへの通電が停止又は低減されるため、駆動完了後(ロック後)もロック電流が流れるといった従来の問題が解消され、モータや駆動手段の発熱を低減することができる。しかも、電流閾値がロック電流であるかどうかがその値でもって判別できるようになっているので、従来のように電流制限値に通電電流が達し、かつ所定時間流れたことでロックと判定するというやり方に対して、より確実にかつ短時間で検出することができる。従って、被駆動部の駆動完了の判定のために既述の角度センサ等の装置を別途設ける必要がない。そのため、コストの上昇を抑えつつ、車載用モータ駆動装置の耐久性や信頼性を向上することが可能となる。
また、環境パラメータに応じた適切な値の電流閾値が演算・設定されるため、環境パラメータに変動があっても被駆動部の駆動停止を正確に判定することができ、駆動停止後速やかにモータへの通電を停止又は低減することが可能となる。
また、半導体集積回路外部からの第1の閾値指令をシリアル通信にて受信することで、例えば一つの伝送線で複数種類のデータを受信することができ、省配線およびそれによる装置全体の低コスト化が可能となる。
次に、請求項18に記載の発明は、外的要因により予め定められている位置に強制的に位置決めされるようにモータによって駆動される被駆動部の駆動を制御する車載用モータ駆動装置であって、モータは、整流子及び該整流子に摺接するブラシを有し、このブラシを介して外部から供給される直流電源により駆動されるものであり、モータにより駆動される被駆動部と、入力される駆動指令に基づいてモータへ通電を行うことにより該モータを駆動する駆動手段と、被駆動部の駆動を制御するための駆動指令を駆動手段へ出力する制御手段と、モータの通電電流を検出する電流検出手段と、被駆動部の駆動完了を判定するための判定基準としてのリップル周期閾値が設定された第2の閾値設定手段と、モータの負荷とは別にモータに直接又は間接的に作用してそのモータの通電電流特性に影響を及ぼす環境パラメータを検出する環境パラメータ検出手段と、環境パラメータ検出手段により検出された環境パラメータに基づいて、被駆動部の駆動完了が正確に判断されるようリップル周期閾値を演算し、その演算結果に応じた第2の閾値指令を第2の閾値設定手段へ出力する第2の閾値指令出力手段と、電流検出手段により検出された通電電流に含まれるリップルの周期が第2の閾値設定手段に設定されたリップル周期閾値を超えたときに被駆動部の駆動が完了したものと判定する第2の駆動完了判定手段と、を備える。
そして、第2の閾値設定手段は、第2の閾値指令出力手段からの第2の閾値指令に従ってリップル周期閾値を設定し、制御手段は、被駆動部の駆動開始から少なくともその被駆動部の駆動が外的要因により強制的に位置決めされることで完了するまでの間は、モータを連続的に通電させるための駆動指令である連続通電指令を駆動手段へ出力し、駆動手段は、制御手段からの連続通電指令に基づくモータへの通電開始後、第2の駆動完了判定手段にて被駆動部の駆動が完了したと判定されたとき、モータへの通電を停止又は低減し、駆動手段、第2の閾値設定手段、及び第2の駆動完了判定手段は、いずれも同一の半導体集積回路内に形成され、半導体集積回路内には、更に、外部と相互にシリアル通信を行うためのシリアル通信手段が備えられている。
また、上記半導体集積回路を複数種類備え、第2の閾値指令出力手段は、半導体集積回路毎に個々に、リップル周期閾値の演算及びその演算結果に応じた第2の閾値指令の送信を行い、第2の閾値指令出力手段から各半導体集積回路への第2の閾値指令の送信は、シリアルデータ形式により共通の伝送路を用いて行われ、第2の閾値設定手段は、第2の閾値指令出力手段からシリアルデータ形式にて送信された第2の閾値指令を、シリアル通信手段を介して受信する。
上記構成の車載用モータ駆動装置によれば、被駆動部の駆動中はモータへの通電が連続的に(従来技術のような通電制限をすることなく)行われるため、被駆動部の駆動応答性が良好となる。また、リップルの周期がリップル周期閾値を超えたとき、即ち被駆動部の駆動完了が判定されたときはモータへの通電が停止又は低減されるため、駆動完了後(ロック後)もロック電流が流れるといった従来の問題が解消され、モータや駆動手段の発熱を低減することができる。そのため、コストの上昇を抑えつつ、車載用モータ駆動装置の耐久性や信頼性を向上することが可能となる。
また、環境パラメータに応じた適切な値のリップル周期閾値が演算・設定されるため、環境パラメータに変動があっても被駆動部の駆動停止を正確に判定することができ、駆動停止後速やかにモータへの通電を停止又は低減することが可能となる。
また、半導体集積回路外部からの第2の閾値指令をシリアル通信にて受信することで、例えば一つの伝送線で複数種類のデータを受信することができ、省配線およびそれによる装置全体の低コスト化が可能となる。
次に、請求項19記載の発明は、外的要因により予め定められている位置に強制的に位置決めされるようにモータによって駆動される被駆動部の駆動を制御する車載用モータ駆動装置であって、モータは、整流子及び該整流子に摺接するブラシを有し、このブラシを介して外部から供給される直流電源により駆動されるものであり、モータにより駆動される被駆動部と、入力される駆動指令に基づいてモータへ通電を行うことにより該モータを駆動する駆動手段と、被駆動部の駆動を制御するための駆動指令を駆動手段へ出力する制御手段と、モータの通電電流を検出する電流検出手段と、被駆動部の駆動完了を判定するための判定基準としてのリップル周期閾値が設定された第2の閾値設定手段と、電流検出手段により検出された通電電流に含まれるリップルの周期が第2の閾値設定手段に設定されたリップル周期閾値を超えたときに被駆動部の駆動が完了したものと判定する第2の駆動完了判定手段と、電流検出手段により検出された通電電流から直流成分を除去する直流成分除去手段と、リップルの発生を判定するための判定基準としてのリップル検出閾値が設定された第3の閾値設定手段と、直流成分除去手段による直流成分除去後の通電電流が第3の閾値設定手段に設定されたリップル検出閾値を超えた場合にリップルが発生したと判定するリップル発生判定手段と、リップル発生判定手段によってリップルが発生したと判定される毎に、該判定された後の経過時間をリップルの周期として計測する計測手段と、モータの負荷とは別にモータに直接又は間接的に作用してそのモータの通電電流特性に影響を及ぼす環境パラメータを検出する環境パラメータ検出手段と、環境パラメータ検出手段により検出された環境パラメータに基づいて、リップルの周期が正確に検出されるようリップル検出閾値を演算し、その演算結果に応じた第3の閾値指令を第3の閾値設定手段へ出力する第3の閾値指令出力手段と、を備える。
そして、第3の閾値設定手段は、第3の閾値指令出力手段からの第3の閾値指令に従ってリップル検出閾値を設定し、第2の駆動完了判定手段は、計測手段により計測される経過時間がリップル周期閾値を超えたときに、被駆動部の駆動が完了したものと判定し、制御手段は、被駆動部の駆動開始から少なくともその被駆動部の駆動が外的要因により強制的に位置決めされることで完了するまでの間は、モータを連続的に通電させるための駆動指令である連続通電指令を駆動手段へ出力し、駆動手段は、制御手段からの連続通電指令に基づくモータへの通電開始後、第2の駆動完了判定手段にて被駆動部の駆動が完了したと判定されたとき、モータへの通電を停止又は低減し、駆動手段、閾値設定手段、及び第2の駆動完了判定手段は、いずれも同一の半導体集積回路内に形成され、半導体集積回路内には、更に、外部と相互にシリアル通信を行うためのシリアル通信手段が備えられている。
また、上記半導体集積回路を複数種類備え、第3の閾値指令出力手段は、半導体集積回路毎に個々に、リップル検出閾値の演算及びその演算結果に応じた第3の閾値指令の送信を行い、第3の閾値指令出力手段から各半導体集積回路への第3の閾値指令の送信は、シリアルデータ形式により共通の伝送路を用いて行われ、第3の閾値設定手段は、第3の閾値指令出力手段からシリアルデータ形式にて送信された第3の閾値指令を、シリアル通信手段を介して受信する。
上記構成の車載用モータ駆動装置によれば、被駆動部の駆動中はモータへの通電が連続的に(従来技術のような通電制限をすることなく)行われるため、被駆動部の駆動応答性が良好となる。また、リップルの周期がリップル周期閾値を超えたとき、即ち被駆動部の駆動完了が判定されたときはモータへの通電が停止又は低減されるため、駆動完了後(ロック後)もロック電流が流れるといった従来の問題が解消され、モータや駆動手段の発熱を低減することができる。そのため、コストの上昇を抑えつつ、車載用モータ駆動装置の耐久性や信頼性を向上することが可能となる。
また、リップルの検出やそれに基づくリップル周期の計測を確実に行うことができ、その計測結果に基づいて被駆動部の駆動完了を確実に判定することができる。
また、環境パラメータに応じた適切な値のリップル検出閾値が演算・設定されるため、環境パラメータに変動があってもリップルの発生を正確に検出でき、それに基づくリップル周期の計測も正確にできて、被駆動部の駆動停止を正確に判定することができる。そのため、駆動停止後速やかにモータへの通電を停止又は低減することが可能となる。
また、半導体集積回路外部からの第3の閾値指令をシリアル通信にて受信することで、例えば一つの伝送線で複数種類のデータを受信することができ、省配線およびそれによる装置全体の低コスト化が可能となる。
次に、請求項20記載の発明は、外的要因により予め定められている位置に強制的に位置決めされるようにモータによって駆動される被駆動部の駆動を制御する車載用モータ駆動装置であって、入力される駆動指令に基づいてモータへ通電を行うことにより該モータを駆動する駆動手段と、被駆動部の駆動を制御するための駆動指令を駆動手段へ出力する制御手段と、モータの通電電流を検出する電流検出手段と、被駆動部が外的要因により強制的に位置決めされた際にモータに流れるロック電流を判別するための値に設定された電流閾値が、被駆動部の駆動完了を判定するための判定基準として設定された第1の閾値設定手段と、電流検出手段により検出された通電電流が第1の閾値設定手段に設定された電流閾値を超えたときに被駆動部の駆動が完了したものと判定する第1の駆動完了判定手段と、第1の駆動完了判定手段により被駆動部の駆動完了が判定されたとき、駆動手段に対してモータの通電を停止又は低減するよう要求する通電抑制要求手段と、を備える。
そして、制御手段は、被駆動部の駆動開始から少なくともその被駆動部の駆動が外的要因により強制的に位置決めされることで完了するまでの間は、モータを連続的に通電させるための駆動指令である連続通電指令を駆動手段へ出力し、駆動手段は、制御手段からの連続通電指令に基づくモータへの通電開始後、通電抑制要求手段から上記要求があったとき、制御手段からの駆動指令の内容に拘わらず、モータへの通電を停止又は低減する。
つまり、被駆動部の駆動完了により通電停止又は低減の要求があったならば、制御手段による駆動指令がたとえ通電を継続すべき旨の内容であっても上記要求を優先して通電が停止又は低減されるのである。
そのため、被駆動部の駆動が完了したとき、駆動手段は確実にモータへの通電を停止又は低減することができる。
次に、請求項21記載の発明は、外的要因により予め定められている位置に強制的に位置決めされるようにモータによって駆動される被駆動部の駆動を制御する車載用モータ駆動装置であって、モータは、整流子及び該整流子に摺接するブラシを有し、このブラシを介して外部から供給される直流電源により駆動されるものであり、モータにより駆動される被駆動部と、入力される駆動指令に基づいてモータへ通電を行うことにより該モータを駆動する駆動手段と、被駆動部の駆動を制御するための駆動指令を駆動手段へ出力する制御手段と、モータの通電電流を検出する電流検出手段と、被駆動部の駆動完了を判定するための判定基準としてのリップル周期閾値が設定された第2の閾値設定手段と、電流検出手段により検出された通電電流に含まれるリップルの周期が第2の閾値設定手段に設定されたリップル周期閾値を超えたときに被駆動部の駆動が完了したものと判定する第2の駆動完了判定手段と、第2の駆動完了判定手段により被駆動部の駆動完了が判定されたとき、駆動手段に対してモータの通電を停止又は低減するよう要求する通電抑制要求手段と、を備える。
そして、制御手段は、被駆動部の駆動開始から少なくともその被駆動部の駆動が外的要因により強制的に位置決めされることで完了するまでの間は、モータを連続的に通電させるための駆動指令である連続通電指令を駆動手段へ出力し、駆動手段は、制御手段からの連続通電指令に基づくモータへの通電開始後、通電抑制要求手段から上記要求があったとき、制御手段からの駆動指令の内容に拘わらず、モータへの通電を停止又は低減する。
そのため、請求項20と同様、被駆動部の駆動が完了したとき、駆動手段は確実にモータへの通電を停止又は低減することができる。
次に、請求項22記載の発明は、外的要因により予め定められている位置に強制的に位置決めされるようにモータによって駆動される被駆動部の駆動を制御する車載用モータ駆動装置であって、入力される駆動指令に基づいてモータへ通電を行うことにより該モータを駆動する駆動手段と、被駆動部の駆動を制御するための駆動指令を駆動手段へ出力する制御手段と、モータの通電電流を検出する電流検出手段と、被駆動部が外的要因により強制的に位置決めされた際にモータに流れるロック電流を判別するための値に設定された電流閾値が、被駆動部の駆動完了を判定するための判定基準として設定された第1の閾値設定手段と、電流検出手段により検出された通電電流が第1の閾値設定手段に設定された電流閾値を超えたときに被駆動部の駆動が完了したものと判定する第1の駆動完了判定手段と、第1の駆動完了判定手段により被駆動部の駆動完了が判定されたときにその旨を制御手段へ通知する駆動完了通知手段と、を備える。
そして、制御手段は、被駆動部の駆動開始から少なくともその被駆動部の駆動が外的要因により強制的に位置決めされることで完了するまでの間は、モータを連続的に通電させるための駆動指令である連続通電指令を駆動手段へ出力して、駆動完了通知手段から通知があったとき、モータへの通電を停止又は低減させるための駆動指令である通電抑制指令を駆動手段へ出力し、駆動手段は、制御手段からの連続通電指令に基づくモータへの通電開始後、制御手段から通電抑制指令が入力されたとき、その通電抑制指令に従ってモータへの通電を停止又は低減する。
つまり、駆動手段の動作はあくまでも制御手段からの駆動指令に基づいて行われることを基本とし、被駆動部が駆動完了した場合はその旨が制御手段へ通知され、制御手段から通電停止又は低減の指令(通電抑制指令)が出力されてはじめて駆動手段が通電を停止又は低減するのである。
そのため、被駆動部の駆動が完了したとき、駆動手段は確実にモータへの通電を停止又は低減することができる。但し、駆動完了の旨が一旦制御手段に通知され、それを受けた制御手段が通電抑制指令を出力するという処理が必要となるため、請求項20に比べると、駆動完了から通電停止又は低減までの時間が長くなるおそれがある。そのため、駆動完了後少しでも早く通電を停止又は低減する必要があるならば、請求項20の構成が好ましい。
次に、請求項23記載の発明は、外的要因により予め定められている位置に強制的に位置決めされるようにモータによって駆動される被駆動部の駆動を制御する車載用モータ駆動装置であって、モータは、整流子及び該整流子に摺接するブラシを有し、このブラシを介して外部から供給される直流電源により駆動されるものであり、モータにより駆動される被駆動部と、入力される駆動指令に基づいてモータへ通電を行うことにより該モータを駆動する駆動手段と、被駆動部の駆動を制御するための駆動指令を駆動手段へ出力する制御手段と、モータの通電電流を検出する電流検出手段と、被駆動部の駆動完了を判定するための判定基準としてのリップル周期閾値が設定された第2の閾値設定手段と、電流検出手段により検出された通電電流に含まれるリップルの周期が第2の閾値設定手段に設定されたリップル周期閾値を超えたときに被駆動部の駆動が完了したものと判定する第2の駆動完了判定手段と、第2の駆動完了判定手段により被駆動部の駆動完了が判定されたときにその旨を制御手段へ通知する駆動完了通知手段と、を備える。
そして、制御手段は、被駆動部の駆動開始から少なくともその被駆動部の駆動が外的要因により強制的に位置決めされることで完了するまでの間は、モータを連続的に通電させるための駆動指令である連続通電指令を駆動手段へ出力して、駆動完了通知手段から通知があったとき、モータへの通電を停止又は低減させるための駆動指令である通電抑制指令を駆動手段へ出力し、駆動手段は、制御手段からの連続通電指令に基づくモータへの通電開始後、制御手段から通電抑制指令が入力されたとき、その通電抑制指令に従ってモータへの通電を停止又は低減する。
そのため、請求項22と同様、被駆動部の駆動が完了したとき、駆動手段は確実にモータへの通電を停止又は低減することができる。但し、駆動完了後少しでも早く通電を停止又は低減する必要があるならば、請求項21の構成が好ましい。
ところで、上記のように被駆動部の良好な駆動応答性と発熱の低減、耐久性や信頼性の向上が実現された請求項1〜23の車載用モータ駆動装置は、例えば、開閉動作する被駆動部を開位置又は閉位置のいずれか一方に駆動する装置であるとより効果的である。
特に、その被駆動部が、車両の内燃機関においてその内燃機関への空気吸入経路又はその内燃機関からの排気経路に設けられた車載用バルブであると、さらに効果的である。車両の内燃機関において空気が吸入或いは排出される経路に設けられた車載用バルブは、既述の通り、デポジット等による粘性抵抗の影響を受けるが、それらの影響に拘わらず(初期状態であろうが耐久後であろうが)確実にその駆動完了(開閉完了)を検出して通電を停止又は低減することができるからである。
以下に、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明が適用された実施形態のSCV(スワールコントロールバルブ)駆動システムの概略構成図である。本実施形態のSCV駆動システムは車両に搭載されるものであり、図1に示す如く、主として内燃機関2と、その内燃機関2における第1吸気ポート5aを開閉するSCV(スワールコントロールバルブ)10と、このSCV10を開閉駆動するモータ11と、このモータ11への通電を制御することによりSCV10を制御する電子制御装置1とを備える。
内燃機関2は、シリンダー3とピストン4を備え、空気と燃料との混合気を燃焼室6内で燃焼させることにより車両の駆動力を得る周知のものである。燃焼室6への吸気は、空気吸入経路としての吸気管5を介して行われるが、この吸気管5は、燃焼室6近傍にて第1吸気ポート5a及び第2吸気ポート5bの二つのポートに分かれる。
また、吸気管5には、スロットルバルブ8が設けられているほか、内燃機関の回転数に応じて吸気管5の長さを切り替え制御するACIS(Acoustic Control Induction System )において用いられる吸気管長切替バルブ9及び補助吸気管5cが設けられており、この吸気管長切替バルブ9を開閉することで吸気管長を切り換え、吸入空気量や吸気タイミング等を切り換えることができるよう構成されている。そのため、吸気管5へ流入した空気は、スロットルバルブ8及び吸気管長切替バルブ9(或いは補助吸気管5c)を介して二つの吸気ポート5a,5bへ流れ込む。
第1吸気ポート5aに設けられているSCV10は、燃焼室6内の空気に過流を発生させて内燃機関の低・中回転域での燃焼効率を高めるための周知のバルブである。このSCV10は、モータ11の駆動力により、図16で説明したように開閉駆動(開動作又は閉動作)する。即ち、モータ11の回転軸とSCV10の回動軸20とは減速ギア等を介して機械的に連結されており、モータ11が回転するとその回転駆動力が減速ギア等を介してSCV10の回動軸20に伝達され、SCV10が開閉駆動する。そして、SCV10が第1吸気ポート5aの内壁に当接してその開動作が完了したとき、或いはSCV10が規制突起21に当接してその閉動作が完了したとき、SCV10はそれ以上は回動できなくなり、必然的にモータ11もその回転が強制的に終了される。SCV10の開閉駆動の詳細は図16を用いて既に説明した通りであるため、ここではその説明を省略する。
なお、このSCV10は、実際には、回動軸20の位置や開動作が完了した状態、閉動作が完了した状態等は図16とは異なり、規制突起21もない。実際には、モータ11とSCV10との間に介在する減速ギアがSCV10の開位置及び閉位置に相当する各位置で規制されることにより、結果的にSCV10の動きが規制される。即ち、開動作中のSCV10が開位置に到達するとそれ以上は減速ギアが動かなくなって必然的にSCV10も回転しなくなる。閉動作についても、閉動作中のSCV10が閉位置まで到達したときに減速ギアがそれ以上は動かずにSCV10も停止するよう構成されている。ただ、本実施形態においては、SCV10が開位置や閉位置に到達するとそれ以上は動けない状態になってモータ11もロックする(即ち、外的要因によって強制的に位置決めされる)、ということをわかりやすく説明するために、SCV10を図16のような概念的な構成に置き換えて説明している。
燃焼後の排気を排出するための、排気経路としての排気管7には、EGR(Exhaust Gas Recirculation)システム用のEGR管12を開閉するためのEGRバルブ13が設けられており、このEGR13を開くことで燃焼後の排気を再び燃焼室6へ戻すことができるようになっている。
電子制御装置1は、SCV10駆動用のモータ11を含む内燃機関2全体を制御するためのものであり、各種制御の中枢を担う制御手段としてのマイコン15や、モータ11を駆動するモータ駆動用IC16、モータ11の電源でもある車載バッテリ(図示略)の電圧(以下単に「電源電圧」という)を検出する電源電圧検出回路17などを備える。そして、マイコン15からモータ駆動用IC16へ駆動指令が出力されると、モータ駆動用IC16はその駆動指令に応じてモータ11への通電を行い、モータ11を駆動する。これにより、SCV10が開位置又は閉位置へ駆動されることとなる。
モータ駆動用IC16は、後述するように、モータ11の通電電流を検出してその値(Id)をマイコン15へ出力したり、SCV10の駆動状態に応じた各種の出力データSDOをマイコン15へ出力する。また、モータ駆動用IC16には、マイコン15からのクロック信号SCKや各種の入力データSDI等が入力される。なお、出力データSDO及び入力データSDIはいずれも、シリアルデータ形式にて入・出力される。

また、本実施形態のSCV駆動システムは、内燃機関2の冷却水の温度(以下単に「水温」という)を検出する水温センサ18を備えている。電源電圧検出回路17にて検出された電源電圧や水温センサ18にて検出された水温は、マイコン15に入力される。そして、マイコン15は、これら入力された電源電圧や水温に基づいて、後述するようにモータ11の通電駆動に必要な各種演算等を実行する。また、モータ駆動用IC16には、後述するようにモータ11の通電電流を検出する電流検出回路36(図2参照)が設けられているが、この電流検出回路36にて検出された通電電流Idは、マイコン15にも出力される。
次に、電子制御装置1の具体的な構成について、図2に基づいて説明する。図2は、電子制御装置1の構成を示す説明図である。尚、後で詳述するが、電子制御装置1が備えるモータ駆動用IC16は、モータ11への通電を制御する駆動回路として、4つのスイッチング素子からなるHブリッジ駆動回路を備えている。そして、マイコン15からの駆動指令は、Hブリッジ駆動回路を構成する各スイッチング素子を各々オン/オフさせるための指令信号となっている。
そして、マイコン15は、SCV10を開動作又は閉動作させるべき所定の条件(詳細は省略)が成立したときに、モータ11をDUTY100%で通電させるための駆動指令(本発明の連続通電指令)をモータ駆動用IC16へ出力する。その後、SCV10の駆動が完了したとき、DUTY100%での駆動を停止して、モータ11への通電を停止させるための駆動指令(本発明の通電抑制指令)を出力する。
また、マイコン15は、電源電圧検出回路17により検出された電源電圧及び水温センサ18により検出された水温に基づいて、モータ駆動用IC16がSCV10の駆動完了(開動作又は閉動作の完了)を検出するために用いる各種閾値を演算し、モータ駆動用IC16へ出力する。この演算結果は、入力データSDIの一つとして、シリアル入力ライン82を介してモータ駆動用IC16へ入力される。なお、モータ駆動用IC16は、一つの半導体集積回路の内部に図示の各回路が形成されてなるものである。
次に、図2に示す如く、モータ駆動用IC16は、4つのスイッチング素子としてのNチャネルMOSFET(以下単に「FET」という)31〜34からなるHブリッジ駆動回路を備えている。
詳しく説明すると、Hブリッジ駆動回路は、ドレインが車載バッテリの+端子の電位である電源電圧Vbに接続され、ソースがモータ11の+端子に接続されたFET31と、ドレインが電源電圧Vbに接続され、ソースがモータ11の−端子に接続されたFET32と、ドレインがモータ11の−端子に接続され、ソースが車載バッテリの−端子の電位(以下「接地電位」という)に接続されたFET33と、ドレインがモータ11の+端子に接続され、ソースが接地電位に接続されたFET34とから構成されている。つまり、FET31とFET33とが、モータ11に+端子から−端子への正転方向の電流を流すためのスイッチング素子対になっており、FET32とFET34とが、モータ11に−端子から+端子への逆転方向の電流を流すためのスイッチング素子対になっている。なお、本実施形態では、モータ11に正転方向の電流が流れたときにSCV10が開位置側へ駆動され、逆転方向の電流が流れたときにSCV10が閉位置側へ駆動されるものとする。また、各FET31〜14のドレイン−ソース間には、ソース側からドレイン側を順方向にしてダイオード(寄生ダイオード)が夫々並設されているが、図2では図示を省略している。
また、モータ駆動用IC16は、FET31をオンすべき旨の駆動指令が入力された時に、FET31をオンさせるためのオン駆動電圧を出力してFET31をオンさせ、FET31をオフすべき旨の駆動指令が入力された時には、FET31をオフさせるためのオフ駆動電圧を出力してFET31をオフさせるプリドライブ回路41と、FET32をオンすべき旨の駆動指令が入力された時に、FET32をオンさせるためのオン駆動電圧を出力してFET32をオンさせ、FET32をオフすべき旨の駆動指令が入力された時には、FET32をオフさせるためのオフ駆動電圧を出力してFET32をオフさせるプリドライブ回路42と、FET33をオンすべき旨の駆動指令が入力された時に、FET33をオンさせるためのオン駆動電圧を出力してFET33をオンさせ、FET33をオフすべき旨の駆動指令が入力された時には、FET33をオフさせるためのオフ駆動電圧を出力してFET33をオフさせるプリドライブ回路43と、FET34をオンすべき旨の駆動指令が入力された時に、FET34をオンさせるためのオン駆動電圧を出力してFET34をオンさせ、FET34をオフすべき旨の駆動指令が入力された時には、FET34をオフさせるためのオフ駆動電圧を出力してFET34をオフさせるプリドライブ回路44とを備えている。
そして、上述した各オン駆動電圧及び各オフ駆動電圧は、駆動ロジック生成回路37からの指令信号に応じて出力される。駆動ロジック生成回路37は、マイコン15からの駆動指令に基づき、その駆動指令に応じた通電(モータ11への通電)がなされるよう、上記各指令信号を出力する。
即ち、モータ11に正転方向の電流を流すべき旨の駆動指令が駆動ロジック生成回路37へ入力された時は、FET31及びFET33に対応した各プリドライブ回路41,43へハイレベルの指令信号を出力すると共に、他の二つのプリドライブ回路42,44へローレベルの指令信号を出力する。これにより、FET31及びFET33がオンし、正転方向の電流が流れることとなる。
一方、モータ11に逆転方向の電流を流すべき旨の駆動指令が駆動ロジック生成回路37へ入力された時は、FET32及びFET34に対応した各プリドライブ回路42,44へハイレベルの指令信号を出力すると共に、他の二つのプリドライブ回路41,43へローレベルの指令信号を出力する。これにより、FET32及びFET34がオンし、逆転方向の電流が流れることとなる。
なお、モータ11への通電中にその通電を停止すべき旨の駆動指令が駆動ロジック生成回路37へ入力された時、駆動ロジック生成回路37は、モータ11の巻線に残留したエネルギーを環流させるための指令信号を出力する。例えば、正転方向の通電を停止する際は、FET33をオフさせると共にFET32をオンさせて(つまりFET31,32がオン)、モータ11の残留エネルギーを環流させる。
更に、Hブリッジ駆動回路を構成する4つのFET31〜34は、電流検出機能付きのいわゆるセンスFETとして構成されている。そして、ハイサイド側の二つのFET31,32における電流検出用FET(FET全体を構成する複数の小容量FETのうちごく一部からなる)を流れる電流が、電流検出回路36に取り込まれる。電流検出回路36は、その取り込まれた電流に基づいてモータ11の通電電流を検出し、検出結果に応じた電圧(電流値に比例した電圧)が出力される。尚、FET31〜34は電流検出機能付きでなくても良く、例えば電流検出回路36がFET33及びFET34のソース側の接続点とグランド端子との間に流れる電流を検出するようにしても良い。
この電流検出回路36にて検出された通電電流Id(アナログ値。実際には通電電流値に応じた電圧、以下同様。)は、マイコン15へ出力されると共に、モータ駆動用IC16内部において、通電電流モニタ回路51及びハイパスフィルタ(HPF)48へ出力される。
HPF48は、通電電流Idに含まれる高周波成分を除去するものであり、本実施形態では、通電電流Idに含まれるリップル(詳細は後述)の検出が正確に行えるよう、リップル分以外の高周波成分を除去する。
HPF48による高周波成分除去後の通電電流Idは、更に、ACカップリング52にて直流成分が除去される。そして、その直流成分除去後の通電電流Idは、リップル増幅回路53にて所定の増幅率にて増幅され、リップルモニタ回路54へ入力される。
ACカップリング52は、直流成分を除去して交流成分のみを出力する周知の回路であり、一端がHPF48の出力側と接続されて他端が抵抗67と接続されたカップリングコンデンサ66を備える。カップリングコンデンサ66に接続された抵抗67の他端側は、次段のリップル増幅回路53へ接続されると共に、抵抗68及びコンデンサ69を介して接地電位に接続される。
また、リップル増幅回路53は、ACカップリング52からの出力、即ち通電電流Idに含まれていたリップルを、所定の増幅率にて増幅する周知の回路であり、オペアンプ73と、入力抵抗71と、帰還抵抗72とを備えている。ACカップリング52から出力されたリップルは入力抵抗71を介してオペアンプ73の反転入力端子に入力され、増幅されてリップルモニタ回路54へ出力される。オペアンプ73の非反転入力端子は接地電位に接続されている。
なお、リップル増幅回路53の増幅率は、マイコン15からシリアル入力ライン82を介して入力される増幅率設定指令によって設定変更可能に構成されている。具体的には、帰還抵抗72が、増幅率設定指令に応じてその抵抗値が設定変更されるよう構成されており、この抵抗値の設定変更により、リップル増幅回路53の増幅率が設定変更される。
ここで、モータ11の通電電流にリップルが含まれることについて説明する。本実施形態のモータ11は、直流電源である電源電圧Vbによって駆動される直流モータである。即ち、図3に示すように、モータ11の回転軸29の一端側に、この回転軸29の外周部に沿って複数(本実施形態では三つ)の整流子27a,27b,27cが形成されると共に、モータ11の筐体における回転軸29の両側にブラシ25,26が固定設置された、周知の構成の直流モータである。そして、モータ11への電源電圧Vbの供給は、各ブラシ25,26を介して行われる。
このような構成のモータ11において、図3(a)に示すように、電源電圧Vbに接続されたブラシ25が一つの整流子27cに接触(摺接)すると共に、接地電位に接続されたブラシ26も一つの整流子27aに接触している状態では、同図から明らかなように、三つのモータ巻線28ab,28bc,28caのいずれにも電流が流れる。
一方、一つのブラシに二つの整流子が接触した状態になると、三つのモータ巻線28ab,28bc,28caの全てには電流は流れなくなる。即ち、図3(b)に示すように、電源電圧Vbに接続されたブラシ25に二つの整流子27c,27bが共に接触した状態になると、これら二つの整流子27c,27bと接続されたモータ巻線28bcには電流が流れなくなる。そのため、モータ11の通電電流は、全体として、図3(a)に示した状態のときよりも大きくなる。
モータ11の回転中は、図3(b)に示したような、一つのブラシに二つの整流子が接触する期間(二重接触期間)が生じる。そのため、モータ11の回転中の通電電流は、図4に示すように、リップルを含む電流となるのである。図4に示す如く、モータ11への通電を開始すると、その開始直後は突入電流が流れるものの、その後回転中は巨視的にみればほぼ一定の通電電流となる。しかし、微視的にみれば、回転している限り、二重接触期間の発生によりリップルが生じている。このリップルは、モータ11の回転速度に応じた周期T2で生じることになる。なお、モータ11の回転中は、逆起電力により通電電流がある程度は抑制される。
そして、SCV10の駆動(例えば閉位置から開位置への駆動)が完了することによりモータ11の回転が強制的に停止(ロック)すると、逆起電力を失って通電電流は急上昇する。そして、回転していないため、当然ながらリップルも生じず、通電電流(ロック電流)は一定となる。このように、モータ11の回転中は通電電流にリップルが含まれ、ロックしたときはリップルが含まれないという通電特性は、ブラシと整流子を有する直流モータならではの特性である。なお、本実施形態では、SCV10の駆動が完了後、その駆動完了がマイコン15にて判断されると、図4に示すように、モータ11への通電は停止される。この駆動完了の判断処理については後述する。
そして、本実施形態のSCV駆動システムでは、SCV10の開動作完了或いは閉動作完了を、モータ11の通電電流Idに基づいて判断する。詳しくは、通電電流Idの値、及び通電電流Idに含まれるリップルに基づいて判断する。そこで本実施形態では、モータ駆動用IC16内に、通電電流Idの値に基づいてSCV10の駆動完了を判断するための通電電流モニタ回路51と、通電電流Idに含まれるリップルに基づいてSCV10の駆動完了を判断するためのリップルモニタ回路54とを備える。
通電電流モニタ回路51は、電流検出回路36にて検出された通電電流Idと開閉完了電流閾値とを比較するコンパレータ63を備え、通電電流Idはコンパレータ63の非反転入力端子に入力される。開閉完了電流閾値は、モータ駆動用IC16内部における図示しない電源回路にて生成された内部駆動電圧Vcを二つの抵抗61,62にて分圧することにより生成される。即ち、通電電流モニタ回路51は、一端が内部駆動電圧Vcに接続され、他端が抵抗62に接続された電流閾値設定用抵抗61と、一端がこの電流閾値設定用抵抗61に接続され、他端が接地電位に接続された抵抗62とを備え、これら各抵抗61,62の接続点の電圧(内部駆動電圧Vcの分圧値)が、開閉完了電流閾値としてコンパレータ63の反転入力端子へ入力される。
電流閾値設定用抵抗61は、マイコン15からシリアル入力ライン82を介して入力される電流閾値設定指令(本発明の第1の閾値指令に相当)に応じてその抵抗値が設定変更されるよう構成されており、この抵抗値の設定変更により、コンパレータ63へ入力される開閉完了電流閾値が設定変更される。
このような構成により、電流検出回路36からの通電電流Idは、コンパレータ63にて開閉完了電流閾値と比較される。そして、通電電流Idが開閉完了電流閾値よりも小さい時はコンパレータ63の出力はローレベルであるが、通電電流Idが開閉完了電流閾値以上の時は、コンパレータ63の出力はハイレベルとなる。
開閉完了電流閾値は、SCV10の駆動完了を判定するための判定基準となるものであり、モータ11への通電開始後、モータ11の回転中(SCV10の駆動中)は到達することのない値であって、且つ、モータ11がロック(SCV10が駆動完了)したときには到達或いは超えるような通電電流値(詳しくはこの通電電流値に応じた電圧値)が、開閉完了電流閾値として設定されるよう、マイコン15から電流閾値設定用抵抗61へ電流閾値設定指令が出力される。つまり、設定される開閉完了電流閾値は、モータが回転する際に流れる通電電流と、モータがロック状態となり回転しない状態のときに流れる通電電流とを区別できる値に設定される。このような値に設定することで、角度センサなどSCV10などモータによって駆動される部材の位置を検出するセンサ等を必要とすることなく、全開状態および全閉状態の少なくとも一方を確実に検出することができる。
そのため、モータ11への通電開始によるSCV10の駆動開始後、コンパレータ63からの出力がローレベルの間は、SCV10が駆動中(回動中)ということであり、出力がハイレベルに転じた時は、SCV10の駆動が停止してモータ11がロックしたということになる。このコンパレータ63の出力である開閉完了検出信号は、シリアル出力ライン83を介してマイコン15へ送出される。そして、マイコン15は、このコンパレータ63からの開閉完了検出信号に基づいて、SCV10の駆動状態を判断する。
リップルモニタ回路54は、リップル増幅回路53からの出力とリップル検出閾値とを比較するコンパレータ78を備え、リップル増幅回路53からの出力はコンパレータ78の非反転入力端子に入力される。リップル検出閾値は、内部駆動電圧Vcを二つの抵抗76,77にて分圧することにより生成される。即ち、リップルモニタ回路54は、一端が内部駆動電圧Vcに接続され、他端が抵抗77に接続されたリップル検出閾値設定用抵抗76と、一端がこのリップル検出閾値設定用抵抗76に接続され、他端が接地電位に接続された抵抗77とを備え、これら各抵抗76,77の接続点の電圧(内部駆動電圧Vcの分圧値)が、リップル検出閾値としてコンパレータ78の反転入力端子へ入力される。
リップル検出閾値設定用抵抗76は、マイコン15からシリアル入力ライン82を介して入力されるリップル検出閾値設定指令(本発明の第3の閾値指令に相当)に応じてその抵抗値が設定変更されるよう構成されており、この抵抗値の設定変更により、コンパレータ78へ入力されるリップル検出閾値が設定変更される。
このような構成により、リップル増幅回路53からの入力信号は、コンパレータ78にてリップル検出閾値と比較される。そして、入力信号がリップル検出閾値よりも小さい時はコンパレータ78の出力はローレベルであるが、入力信号がリップル検出閾値以上の時は、コンパレータ78の出力はハイレベルとなる。
リップル検出閾値は、リップルの発生を判定するための判定基準となるものであり、モータ11への通電開始後、リップルが発生していない時は到達することのない値であって、且つ、リップルが発生した時は到達或いは超えるような値(詳しくはこの値に応じた電圧値)が、リップル検出閾値として設定されるよう、マイコン15からリップル検出閾値設定用抵抗76へリップル検出閾値設定指令が出力される。図4を用いて説明すると、リップル検出閾値は、モータ11の回転中に生じるリップルの波高値よりも小さい値となるよう設定される。そのため、モータ11への通電開始によるSCV10の駆動開始後、コンパレータ78からの出力がハイレベルに転じる毎に、リップルが発生したということになる。
このコンパレータ78の出力は、タイマ79へ入力される。タイマ79は、コンパレータ78の出力がローレベルからハイレベルへ転じる毎(立ち上がりエッジ検出毎)に、そのハイレベルに転じた時点からの経過時間を計測する。即ち、リップルの発生が検出される毎に、その発生時点からの経過時間を計測する。そして、計測開始後、コンパレータ78の出力が一旦ローレベルに転じた後に再びハイレベルに転じると(次のリップルが生じると)、それまでの計測結果がクリアされて新たに計測が開始される。つまり、タイマ79では、リップルの周期T2が計測されるわけである。このタイマ79による計測結果(経過時間)は、随時、シリアル出力ライン83を介してマイコン15へ出力される。
加えて、タイマ79には開閉完了リップル周期閾値が設定されており、計測結果がその開閉完了リップル周期閾値より小さい間はローレベル、開閉完了リップル周期閾値以上となったときにハイレベルの開閉完了検出信号が、タイマ79から出力される。開閉完了リップル周期閾値は、マイコン15からシリアル入力ライン82を介して入力されるリップル周期閾値設定指令(本発明の第2の閾値指令に相当)に応じてその値が設定変更されるよう構成されている。
このような構成により、コンパレータ78からの出力がハイレベルに転じる毎に(つまり通電電流Idに含まれるリップルが検出される毎に)、その時点からの経過時間が計測される。計測開始後、開閉完了リップル周期閾値に達する前にコンパレータ78の出力が再びローレベルからハイレベルに転じると、タイマ79の計測値はクリアされてタイマ79からの開閉完了検出信号もローレベルのままとなるが、計測開始後、コンパレータ78の出力が再びローレベルからハイレベルへ転じることなく(つまり再び次のリップルが検出されることなく)経過時間が開閉完了リップル周期閾値以上になると、タイマ79からの開閉完了検出信号がハイレベルとなる。
開閉完了リップル周期閾値は、既述の開閉完了電流閾値と同様、SCV10の駆動完了を判定するための判定基準となるものであり、モータ11の回転中(SCV10の駆動中)に発生するリップルの周期T2より十分に大きい値となるように設定される。そのため、モータ11の回転中はタイマ79の計時がこの開閉完了リップル周期閾値を超えることはない。一方、SCV10の駆動完了によりモータ11がロックすると、リップルは発生しなくなるため、タイマ79はやがて開閉完了リップル周期閾値を超えてハイレベルの開閉完了検出信号を出力することとなる。マイコン15は、開閉完了リップル周期閾値を上記のような値に設定すべく、タイマ79へリップル周期閾値設定指令を出力する。
従って、モータ11への通電開始によるSCV10の駆動開始後、タイマ79からの出力がローレベルの間は、SCV10が駆動中(回動中)ということであり、タイマ79からの出力がハイレベルに転じた時は、SCV10の駆動が停止してモータ11がロックしたということになる。このタイマ79の出力である開閉完了検出信号は、通電電流モニタ回路51からの開閉完了検出信号と同様、シリアル出力ライン83を介してマイコン15へ送出される。そして、マイコン15は、このタイマ79からの開閉完了検出信号に基づいて、SCV10の駆動状態を判断する。
モータ駆動用IC16は、マイコン15との間でシリアル通信を行うためのシリアルインターフェイス(以下「シリアルI/F」という)46を有している。マイコン15もまた、図示は省略したもののシリアルI/Fを有している。これにより、マイコン15からシリアルデータ形式にて送信される各種の入力データSDIは、シリアル入力ライン82及びシリアルI/F46を介してモータ駆動用IC16の内部に入力される。
このシリアル入力ライン82を介して入力されるシリアルデータとしては、既述の通り、通電電流モニタ回路51へ入力される電流閾値設定指令、リップルモニタ回路54へ入力されるリップル検出閾値設定指令及びリップル周期閾値設定指令、リップル増幅回路53へ入力される増幅率設定指令などがある。なお、マイコン15からクロックライン81を介して入力されるクロック信号SCKも、シリアルI/F46を介してモータ駆動用IC16内部へ入力される。
また、モータ駆動用IC16内部からマイコン15へ出力される各種データも、シリアルI/F46にてシリアルデータ形式にされた後、シリアル出力ライン83を介してマイコン15へ送信される。このシリアル出力ライン83を介して送信されるシリアルデータとしては、既述の通り、通電電流モニタ回路51からの開閉完了検出信号(即ちコンパレータ63の出力)や、リップルモニタ回路54からの開閉完了検出信号(即ちタイマ79の出力)などがある。
マイコン15は、外部から入力される各種アナログデータをデジタルデータに変換するA/D変換回路30を備えており、マイコン15へ入力される通電電流IdはこのA/D変換回路30にてA/D変換される。電源電圧検出回路17にて検出された電源電圧Vbや水温センサ18にて検出された水温もA/D変換回路30にてA/D変換される。マイコン15は、このA/D変換後の通電電流Id、電源電圧Vb、水温等に基づいて、上述した各種閾値を演算・補正し、その演算・補正結果に応じた各種閾値設定指令を、入力データSDIとしてシリアル入力ライン82を介してモータ駆動用IC16へ入力する。
また、マイコン15には、通電電流モニタ回路51からの開閉完了検出信号とリップルモニタ回路54からの駆動完了信号の双方が入力されるが、本実施形態では、これら二つの開閉完了検出信号のうち予め選択されたいずれか一方のみに基づいてSCV10の駆動完了が判断される。より具体的には、SCV10が初期状態(新品)或いはそれに近い状態であるときは通電電流モニタ回路51からの開閉完了検出信号を採用し、SCV10が耐久後或いはそれに近い状態であるときはリップルモニタ回路54からの開閉完了検出信号を採用する。
即ち、SCV10が初期状態である場合は、通常、既述のデポジットのようなSCV10の駆動を阻害する要因がなく(少なく)、モータ11は速く回転できるため、整流子の二重接触期間が短く、リップルの波高値も小さくなる。そのため、回転速度が速いほどリップルの波高値とリップル検出閾値との差が小さくなって、リップルモニタ回路54におけるリップルの検出(コンパレータ78による比較)が正確に行われなくなるおそれがある。その反面、通電電流Idの値については、初期状態の場合はモータ11の回転速度が速いため、回転中は逆起電力が大きく通電電流Idの値は低い。そして、SCV10の駆動が完了してモータ11がロックすると、図4に示したように通電電流Idは急上昇する。つまり、回転中の通電電流と回転停止(ロック)中の通電電流との差が大きい。そのため、初期状態においては開閉完了電流閾値に基づく駆動完了判定の方が比較的容易かつ正確に判定を行うことができ、通電電流モニタ回路51の出力結果の方がより信頼性が高くなる。
一方、SCV10が耐久後の耐久品である場合は、通常、デポジットのようなSCV10の駆動を阻害する要因が多くなり、モータ11の回転速度は遅くなるため、整流子の二重接触期間が長く、リップルも大きくなる。そのため、リップルの検出を容易かつ正確に行うことができる。その反面、通電電流Idの値については、モータ11の回転速度が遅いため、図18に示したように回転中であっても通電電流Idの値は大きくなり、回転中の通電電流値とロック時の通電電流値との差が初期状態の場合よりも小さくなる。
つまり、初期状態の場合は通電電流Idに基づく駆動完了判定の方が容易かつ正確にでき、耐久品の場合はリップルの周期T2に基づく駆動完了判定の方が容易かつ正確にできるのである。更に、上記の通り初期品よりも耐久品の方がリップル周期T2は長いため、リップル周期T2に基づいて、初期品か耐久品かをおおよそ区別することが可能である。
そこで本実施形態のSCV駆動システムでは、マイコン15において、モータ駆動用IC16内のタイマ79から出力される計測値に基づいてリップルの周期T2が検出されると共に、その検出された周期T2に基づいて、初期品か耐久品かが判断(延いては、通電電流モニタ回路51又はリップルモニタ回路54のどちらの開閉完了検出信号を採用するかが選択)される。
そして、リップルの周期T2が所定の選択閾値T2cより大きければ耐久品或いはそれに近い状態と判断されてリップルモニタ回路54からの開閉完了検出信号が選択される。この場合、通電電流モニタ回路51にてSCV10の駆動完了が判定されてその旨の開閉完了検出信号がマイコン15へ入力されても、マイコン15ではその開閉完了検出信号は無効とされる。一方、リップルの周期T2が所定の選択閾値T2c以上であれば初期品或いはそれに近い状態と判断されて通電電流モニタ回路51からの開閉完了検出信号が選択される。この場合、リップルモニタ回路54にてSCV10の駆動完了が判定されてその旨の開閉完了検出信号がマイコン15へ入力されても、マイコン15ではその開閉完了検出信号は無効とされる。
次に、上記のように構成された本実施形態のSCV駆動システムの動作について、図5〜7を用いて説明する。図5は、SCV10が初期品或いはそれに近い状態であって開閉完了検出信号として通電電流モニタ回路51からの出力が選択されているときの、SCV10の動作を説明するタイムチャートである。図6は、図5との比較のために示したものであって、耐久後のSCV10の駆動完了を通電電流モニタ回路51からの開閉完了検出信号に基づいて行う場合の動作を説明するタイムチャートである。図7は、SCV10が耐久品或いはそれに近い状態であって開閉完了検出信号としてリップルモニタ回路54からの出力が選択されているときの、SCV10の動作を説明するタイムチャートである。
まず、初期品或いはそれに近い状態におけるSCV10の動作について、図5に基づいて説明する。図示の如く、例えば閉位置にあるSCV10を開位置へと駆動するための駆動指令(ハイレベルのバルブ開指令)がマイコン15から出力されると、モータ駆動用IC16内の駆動ロジック生成回路37がモータ11への通電をDUTY100%で行うべく、各プリドライブ回路41〜44へ指令信号を出力する。これにより、モータ11の+端子に接続されたハイサイド側のFET31とモータ11の−端子に接続されたローサイド側のFET33が共にオンし、モータ11に正転方向の電流がDUTY100%で流れる。
この通電開始により、SCV10は徐々に開いていく。モータ11は、通電開始直後に突入電流が流れるものの、その後の回転中はほぼ一定値(ただし既述の通りリップルが含まれている)となる。このときの通電電流値Idは、逆起電力によってある程度抑制されている。また、通電中はモータ11の温度も徐々に上昇していく。
そして、SCV10が全開(開位置に到達)してその駆動が停止し、モータ11がロックすると、モータ11の通電電流は急上昇する。このとき、図17,図18で説明した従来のシステムでは、通電電流が電流制限値を超えないように制限されていたが(図中の一点鎖線部参照)、本実施形態では、そのような電流制限は設けずにDUTY100%での通電を継続する。そのため、ロック後の通電電流Idは従来の電流制限値を超えてさらに上昇していくこととなる。そして、通電電流Idが開閉完了電流閾値以上となって通電電流モニタ回路51のコンパレータ63の出力がハイレベルとなることにより、SCV10の開動作完了が検出される。本実施形態では、角度センサを用いてSCV10の開度を検出していないため、全開位置に達するまでに通電電流を制御するようにはしていない。つまり、SCV10の駆動が開始されてからその駆動が完了するまでの、SCV10が通常駆動される駆動期間は、何ら通電電流の制御を行なわずに通電電流を供給するような駆動システムとなっている。
このコンパレータ63からのハイレベル出力は、開閉完了検出信号としてマイコン15へ出力される。そして、マイコン15は、モータ駆動用IC16からの上記開閉完了検出信号を受信すると、開動作完了である旨を判断して、モータ11への通電を停止すべき旨の駆動指令(ローレベル信号)を出力する。これにより、モータ11への通電が停止されることになる。但し詳細には、急に通電電流が0になるわけではなく、モータ11の残留エネルギーを放出させるための環流電流が短時間流れる。
なお、モータ11がロックすると、通電電流の急上昇に伴ってモータ11の温度も急上昇していくが、上記のように開動作完了の検出によってその通電はやがて停止されるため、その通電停止以後は温度も徐々に低下していく。そのため、仮に、従来のように電流制限値に制限された状態での通電をロック判定期間T1継続させると、その通電継続中は温度が上昇し続けることになるが、本実施形態では、開動作完了が検出されるとモータ11への通電が迅速に停止されるため、発熱が低減される。
次に、耐久品或いはそれに近い状態におけるSCV10の駆動について説明する。耐久品或いはそれに近い状態の場合、本実施形態では、リップルモニタ回路54からの開閉完了検出信号に基づいてSCV10の開閉完了が判断されるが、その説明の前に、耐久品に対して仮に図5と同様に通電電流モニタ回路51からの開閉完了検出信号に基づいて開閉完了を判断するようにした場合の動作について、図6に基づいて説明する。
耐久品の場合は、既述の通り、デポジット等によってモータ11は比較的低速で回転する。そのため、図6に示す如く、通電開始後は回転中でも通電電流Idが大きくなる。図6は、回転中の通電電流Idが従来の電流制限値よりも大きい場合を示している。このように、モータ11が回転している限り(つまりSCV10が駆動中である限り)、通電電流に制限を設けることなくDUTY100%での通電が継続される。これにより、SCV10が開く速度は、図18に示した従来のシステムよりも速くなる(図6の一点鎖線部参照)。
そして、SCV10が全開(開位置に到達)してその駆動が停止し、モータ11がロックすると、モータ11の通電電流Idはさらに上昇する。そして、通電電流Idが開閉完了電流閾値以上になると、コンパレータ63の出力がハイレベルとなり、SCV10の開動作完了が検出される。これにより、図5の場合と同様、マイコン15から通電を停止すべき旨の駆動指令(ローレベル信号)が出力され、モータ11への通電が停止される。
なお、モータ11がロックすると、通電電流の急上昇に伴ってモータ11の温度も急上昇していくが、上記のように開動作完了の検出によってその通電はやがて停止されるため、その通電停止以後は温度も徐々に低下していく。そのため、耐久品の場合であっても、従来のように一定のロック判定期間T1は通電を継続するといったことはせずに、開動作完了が検出されると迅速に通電が停止されるため、発熱が低減される。尚、一転鎖線で示す従来のやり方、つまり電流制限を行うと共に所定時間T1を判定基準とする場合には、温度上昇を表す模式的なグラフに表されるように、発熱が本実施形態のものに比べて大きくなっている。一方、本実施形態ではロックしたか否かをその通電電流自体で判別できる開閉完了電流閾値を設定しており、その開閉完了電流閾値を超えた状態が所定時間続くかどうかという時間までは判定項目としていない。そのため、ロック状態のときに早い段階で確実に検出でき、発熱を従来の方法に比べて低減させることができる。さらに言えば、本実施形態では開閉完了電流閾値のみによってロック判定を行うようにしているのである。
但し、図5と図6を比較して明らかなように、モータ11の回転中の通電電流Idと開閉完了電流閾値との差は、初期品或いはそれに近い状態である図5の場合は大きいが、耐久品或いはそれに近い状態である図6の場合はその差は小さい。そのため、耐久品或いはそれに近い状態の場合、モータ11の回転速度や開閉完了電流閾値の設定値によっては、回転中の通電電流Idと開閉完了電流閾値との差が非常に小さくなってSCV10の駆動完了を正確に判断できなくなるおそれがある。
そこで本実施形態では、耐久品或いはそれに近い状態の場合は、通電電流Idに含まれるリップルの有無に基づいてSCV10の駆動完了を判断するようにしている。即ち、リップルモニタ回路54からの開閉完了検出信号に基づいてSCV10の駆動完了を判断するようにしている。これについて、図7に基づいて説明する。
図7に示す如く、モータ11への通電開始によりモータ11が回転を開始(SCV10が開動作開始)すると、リップルモニタ回路54において、通電電流Idに含まれるリップルが検出されると共に、そのリップルの周期T2の計測がタイマ79にて行われる。このとき、モータ11の回転中は、その回転速度に応じた周期T2でリップルが発生するため、リップル発生毎にタイマ79の計測値はクリアされる。そのため、回転中はタイマ79の計測値が開閉完了リップル閾値を超えることはない。
そして、SCV10が開位置に到達してその駆動が完了し、モータ11がロックすると、リップルは検出されなくなる。そのため、タイマ79の計測値はどんどんカウントアップされていき、ついには開閉完了リップル周期閾値以上となる。そうなると、タイマ79からはハイレベルの開閉完了検出信号が出力され、マイコン15へ送信される。
これにより、マイコン15はSCV10の駆動完了(開動作完了)を判断して、モータ11への通電を停止すべき旨の駆動指令(ローレベル信号)を出力する。そのため、モータ11への通電は停止されることになる。
ここまでは、モータ11に正転方向の電流を流してSCV10を開位置へ駆動する場合について説明したが、SCV10を閉位置へ駆動する場合についても、モータ11への通電方向が逆転方向であること以外は、SCV10の駆動特性やモータ11の通電特性は上述した開位置への駆動の場合と全く同様である。
ところで、モータ11の通電特性は、モータ11の電源電圧Vbやモータ11の温度(詳しくはモータ巻線の温度)の影響を受ける。具体的には、電源電圧Vbが大きいほどモータ11に流れる電流も大きくなり、回転速度が速くなる。また、電源電圧Vbが一定であってもモータ11の温度が高くなると、モータ巻線の抵抗値が大きくなってモータ11に流れる電流は小さくなり、回転速度は遅くなる。特に本実施形態のSCV駆動システムは、車両の内燃機関2に設けられたSCV10を駆動するためのシステムであってモータ11もその内燃機関2の近傍に設けられているため、電源電圧Vbの変化や温度変化も激しい。そのため、場合によっては、例えば温度が非常に高くなってモータ11の抵抗が増大して通電電流Idが小さくなり、モータ11がロックしても通電電流Idが開閉完了電流閾値を超えなくなるおそれがある。つまり、上記各閾値を一定値に固定したままだと、電源電圧Vbや温度の変化によっては、SCV10の駆動完了(モータ11のロック)を正確に検出できなくなるおそれがある。
そこで、本実施形態のSCV駆動システムでは、開閉完了電流閾値、開閉完了リップル周期閾値、リップル検出閾値の各閾値と、リップル増幅回路53における増幅率とが、一定値に固定されず、電源電圧Vbやモータ11の温度に応じて適宜設定変更される。即ち、マイコン15において、電源電圧検出回路17及び水温センサ18からの各検出結果に基づいて、上記各閾値、増幅率がそれぞれ適切な値に演算されるのである。そして、その演算結果が、既述の電流閾値設定指令、リップル周期閾値設定指令、リップル検出閾値設定指令、増幅率設定指令として、マイコン15からシリアル入力ライン82を介してモータ駆動用IC16へ入力される。なお、本実施形態では、モータ11の温度と内燃機関2の冷却水の温度はほぼ同等であるため、モータ11の温度を直接検出する代わりに、冷却水の温度をもってモータ11の温度を推定している。
上記各閾値・増幅率が具体的にどのように演算されるかについて、図8を用いて説明する。まず、電源電圧Vbが一定であっても、モータ11の温度が高いほど、モータ巻線の抵抗値は大きくなるため通電電流Idは小さくなり、その分、リップルの波高値も小さくなる。そして、通電電流Idが小さいと、モータ11のトルクも小さくなって回転速度も低下するため、リップルの周期T2は長くなる。
そこで、本実施形態では、図8(a)に示すように、水温センサ18にて検出された水温が高いほど(即ち、モータ11の温度が高いほど)、開閉完了電流閾値及びリップル検出閾値は低く、開閉完了リップル周期閾値及び増幅率は高くなるように設定される。
一方、モータ11の温度が一定であっても、電源電圧Vbが高いほど、モータ11の通電電流Idは大きくなり、リップルの波高値も高くなる。そして、通電電流Idが大きいとモータ11のトルクも大きくなって回転速度も上昇するため、リップルの周期T2は短くなる。
そこで、本実施形態では、図8(b)に示すように、電源電圧検出回路17にて検出された電源電圧Vbが高いほど、開閉完了電流閾値及びリップル検出閾値は高く、開閉完了リップル周期閾値及び増幅率は低くなるように設定される。
なお、図8では、各閾値や増幅率を、水温や電源電圧に対して線形変化させる例を示したが、これは一例であって、非線形的に変化させるようにしてもよい。また、マイコン15による上記各閾値や増幅率の演算は、具体的には、水温や電源電圧に対して図8に示した傾向となるような数値演算を実行することにより行うようにしてもよいし、或いは、水温や電源電圧の値に対応した適切な閾値・増幅率を予め実験等で得ておいて、それをメモリに記憶(マップ化)しておき、その時々の水温や電源電圧に応じた値を使用するようにしてもよい。
要するに、開閉完了電流閾値であれば通電電流モニタ回路51にてSCV10の開閉完了が正確に検出できるよう、その時々の水温や電源電圧に応じた適切な値が演算され、開閉完了リップル周期閾値であればリップルモニタ回路54(詳しくはタイマ79)にてSCV10の開閉完了が正確に検出できるよう、その時々の水温や電源電圧に応じた適切な値が演算され、リップル検出閾値であればリップルモニタ回路54(詳しくはコンパレータ78)にてリップルの検出が正確に行われるよう、その時々の水温や電源電圧に応じた適切な値が演算され、増幅率であればリップル増幅回路53にてリップルが適切なレベル(後段のリップルモニタ回路54でリップルの検出を確実に行える程度の値)に増幅されるよう、その時々の水温や電源電圧に応じた適切な値が演算されるよう、マイコン15を構成するようにするとよい。
更に、本実施形態では、上記のように演算された各種閾値・増幅率が、通電電流Idに基づいて補正演算される。仮に水温や電源電圧Vbが一定であっても、モータ11の個体差によってはその通電特性に違いが生じる可能性もあるからである。例えば、設計上は同じモータ11であっても、製造公差やその他各種の微妙な個体差(電気的或いはメカ的な個体差)によって、全く同じ環境・同じ電源で回転させても通電電流や回転速度が異なることも考えられる。また、マイコン15における上記各閾値の演算にエラーが生じると、水温や電源電圧Vbに応じた適切な閾値等の演算が行われなくなる可能性もある。
そこで本実施形態では、マイコン15において、水温及び電源電圧Vbに基づいて演算された各閾値や増幅率について、更に、モータ駆動用IC16にて検出された実際の通電電流Idに基づいて、補正演算を行うようにしている。この補正演算は、モータ11への通電が開始される毎に毎回行われるが、補正する必要がない場合、即ち、演算された閾値或いは増幅率が適切な値であれば、実際の補正は行わず演算結果をそのまま使用する。つまり、演算結果と実際の通電電流Idの値とを比較し、補正する必要がある場合にのみ実際に補正を行うのである。
この補正演算は、上記各閾値や増幅率が適切な値に設定され、延いてはSCV10の駆動完了、モータ11のロックが正確に検出できるようにするために行われるものであり、具体的には、以下のような演算が行われる。
例えば、水温が高い場合に、その水温に応じて開閉完了電流閾値が低めの値に演算されたにも拘わらず、実際に検出された通電電流Idが設計上想定される値よりも大きかった場合は、モータ巻線の抵抗値が設計値よりも低いこと等が予想される。その場合は、その演算された開閉完了電流閾値がより高い値に補正される。
また、電源電圧Vbが高い場合に、その電源電圧Vbに応じて開閉完了電流閾値が高めの値に演算されたにも拘わらず、実際に検出された通電電流Idが設計上想定される値よりも小さかった場合は、モータ巻線の抵抗値が設計値よりも大きい、或いは電源電圧検出回路17の異常等が予想される。その場合は、その演算された開閉完了電流閾値がより低い値に補正される。
また、電源電圧Vbが低い(つまりモータ11の回転速度は遅くなるはず)にも拘わらず、マイコン15における演算プログラムのエラー等によって開閉完了リップル周期閾値の値が小さい値に演算されてしまった場合は、実際の通電電流Idの値(電源電圧Vbに応じた小さな値)に基づいて、その演算された開閉完了リップル周期閾値がより大きい値に補正される。
次に、マイコン15にて実行される各種処理について説明する。図9は、SCV10の開閉完了の判断を通電電流モニタ回路51からの開閉完了検出信号に基づいて行うか、或いはリップルモニタ回路54からの開閉完了検出信号に基づいて行うかを選択するための判定選択処理を表すフローチャートである。この処理は、モータ11がDUTY100%で駆動される毎に毎回(或いは定期的)に実行される。
モータ11の駆動が開始されることによりこの判定選択処理が開始されると、まず、リップルモニタ回路54のタイマ79から出力される計測値に基づき、リップルの周期T2が取得される(S110)。既述の通り、タイマ79による計測結果(経過時間)は随時マイコン15へ入力される。
なお、通電開始後、どのタイミングでの周期T2を取得するかは適宜決めればよく、例えば、突入電流が流れた後のほぼ一定状態に落ち着いた状態におけるリップル周期T2を取得してもよいし、通電開始後に複数のタイミングで周期T2を取得してそれらの平均値をとるようにしてもよい。
リップルの周期T2の取得後は、その周期T2が、予め設定した選択閾値T2c以下か否かが判断される(S120)。そして、選択閾値T2c以下であれば(S120:YES)、初期品或いはそれに近い状態であるものとして、通電電流値Idに基づくバルブ開閉検出モードに設定される(S130)。つまり、通電電流モニタ回路51からの開閉完了検出信号に基づいてSCV10の開閉完了の判断がなされるようになる。
一方、リップルの周期T2が選択閾値T2cより大きい場合は(S120:NO)、耐久品或いはそれに近い状態であるものとして、リップルの周期T2に基づくバルブ開閉検出モードに設定される(S140)。つまり、リップルモニタ回路54からの開閉完了検出信号に基づいてSCV10の開閉完了の判断がなされるようになる。
次に、SCV10の開動作又は閉動作の開始条件(詳細は省略)が成立してモータ11への通電が開始される際に実行される通電駆動処理について、図10に基づいて説明する。SCV10の駆動が開始される際は、まず、電源電圧Vb及び水温に基づき、上述したように各種閾値及び増幅率が演算される(S210)。そして、その演算結果に応じた各種設定指令(電流閾値設定指令、リップル周期閾値設定指令、リップル検出閾値設定指令、増幅率設定指令)がモータ駆動用IC16へ出力される(S220)。その後、DUTY100%の駆動指令(バルブ開指令。図5,図6参照。)がモータ駆動用IC16へ出力され、これによりモータ11へのDUTY100%での通電が開始されてSCV10の駆動が開始される(S230)。
モータ11への通電が開始されると、モータ駆動用ICから入力される実際の通電電流値Idに基づき、S210にて設定された各種閾値や増幅率が適切な値であるか否かが判断される(S240)。このとき、適切でなければ、上述のような補正演算が行われると共にその補正後の新たな値に対応した設定指令がモータ駆動用IC16へ出力されることとなるが、適切であれば補正は行われない。
そして、通電開始後、モータ駆動用IC16から開閉完了検出信号を受信したか否かが判断される(S250)。ここでは、通電電流モニタ回路51からの開閉完了検出信号又はリップルモニタ回路54からの開閉完了検出信号のうち、図9の判定選択処理にて選択されたいずれか一方の開閉完了検出信号が受信された場合に(S250:YES)、SCV10の開閉駆動が完了してモータ11がロックしたものと判断して、モータ11への通電を停止させる(S260)。つまり、駆動指令をローレベルとする。
なお、図10の処理では、モータ11への通電開始後、開閉完了が検出されるまで定期的に補正演算(S240)が行われるようにしたが、この補正演算は、通電開始後に1回だけ行うようにしてもよい。或いは、数回のみ行うようにしてもよい。
以上詳述した本実施形態のSCV駆動システムでは、SCV10を開位置又は閉位置へ駆動させる際、その駆動が完了するまではモータ11への通電をDUTY100%にて行う。つまり、従来技術のような、通電電流の上限値を設けてそれを超えないように制限するといった電流制限を行うことなく、モータ11への通電を連続的に行うのである。そして、SCV10の駆動完了によりモータ11がロックすると、通電電流Idが急上昇すると共に、通電電流Idのリップルもなくなる。
そこで、モータ駆動用IC16において、通電電流モニタ回路51では、通電電流Idが開閉完了電流閾値以上となったときにモータ11のロック(即ちSCV10の駆動完了)を検出して開閉完了検出信号を出力する。一方、リップルモニタ回路54では、リップルが検出されなくなったとき、つまりタイマ79の計測結果が開閉完了リップル周期閾値以上となったときに、モータ11のロックを検出して開閉完了検出信号を出力する。そして、マイコン15は、これら各開閉完了検出信号のいずれか一方が受信されたときに、SCV10の駆動完了を判断して、モータ11への通電を停止させる。
従って、本実施形態のSCV駆動システムによれば、SCV10の駆動中はモータ11への通電がDUTY100%で行われるため、SCV10の駆動応答性が良好となる。また、SCV10の駆動完了が判定されたときはモータ11への通電が停止されるため、駆動完了後(モータロック後)も引き続きロック電流が流れるといった従来の問題が解消され、モータ11やモータ駆動用IC16の発熱を低減することができる。しかも、SCV10の駆動完了の判定のために角度センサ等の装置を別途設ける必要がないため、コストの上昇を抑えつつ、モータ駆動用IC16やモータ11の耐久性、信頼性を向上することが可能となる。
また、SCV10が初期品或いはそれに近い状態の場合は通電電流モニタ回路51からの開閉完了検出信号に基づいてSCV10の駆動完了を判断し、SCV10が耐久品或いはそれに近い状態の場合はリップルモニタ回路54からの開閉完了検出信号に基づいてSCV10の駆動完了を判断するようにしているため、SCV10の状態(初期品か耐久品か)に拘わらずその駆動完了を正確に判定することができる。
更に、各種閾値や増幅率を一定値に固定せず、電源電圧Vbや水温に応じた適切な値を演算により求めている。加えて、その演算結果に対し、実際の通電電流Idに基づいて必要に応じて補正演算を行うようにしている。そのため、モータ駆動用IC16において各種閾値や増幅率がより適切な値に設定されることとなるため、モータ11のロック判断、SCV10の駆動完了の判断をより正確に行うことができる。
更にまた、マイコン15からモータ駆動用IC16への上記各閾値及び増幅率に対応した各種設定指令を、共通の伝送路としてのシリアル入力ライン82によってシリアルデータ形式で入力するようにしているため、マイコン15とモータ駆動用IC16との間の省配線化及びマイコン15のポート数削減が実現され、システム全体の小型化、低コスト化が可能となる。
なお、本実施形態において、マイコン15は、本発明の制御手段、判定選択手段、及び各閾値指令出力手段に相当し、電源電圧検出回路17及び水温センサ18はいずれも本発明の環境パラメータ検出手段に相当し、通電電流モニタ回路51におけるコンパレータ63は本発明の第1の駆動完了判定手段に相当し、リップルモニタ回路54におけるタイマ79は本発明の計測手段、第2の駆動完了判定手段、及び第2の閾値設定手段に相当し、リップルモニタ回路54におけるコンパレータ78は本発明のリップル発生判定手段に相当し、ACカップリング52は本発明の直流成分除去手段に相当する。通電電流モニタ回路51におけるコンパレータ63とリップルモニタ回路54におけるタイマ79は、シリアルI/F46と共に本発明の駆動完了通知手段を構成する。また、駆動ロジック生成回路37,各プリドライブ回路41〜44,及び各FET31〜34により本発明の駆動手段が構成され、通電電流モニタ回路51における電流閾値設定用抵抗61と抵抗62とにより本発明の第1の閾値設定手段が構成され、リップルモニタ回路54におけるリップル検出閾値設定用抵抗76と抵抗77とにより本発明の第3の閾値設定手段が構成される。
また、図9の判定選択処理は本発明の判定選択手段が実行する処理に相当する。また、図10の通電駆動処理におけるS210〜S220の処理は、本発明の各閾値指令出力手段が実行する処理に相当する。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態のSCV駆動システムについて説明する。本実施形態のSCV駆動システムが上記第1実施形態のSCV駆動システムと異なる点は、モータ駆動用ICにおいてSCV10の駆動完了(モータ11のロック)が検出されてからモータ11への通電が停止されるまでの動作であり、それ以外のハード構成・システムの動作については上記第1実施形態と全く同じである。そのため、以下、第1実施形態と異なる点に絞って説明する。
図2に、本実施形態のSCV駆動システムにおける電子制御装置100の構成を示す。本実施形態の電子制御装置100は、モータ駆動用IC91内に、開閉完了検出部87及び停止要求生成部86を備えている。
開閉完了検出部87には、通電電流モニタ回路51からの開閉完了検出信号及びリップルモニタ回路54からの開閉完了検出信号の双方が入力される。そして、開閉完了検出部87では、これら各開閉完了検出信号のうち、マイコン90からの指令により設定された何れか一方のみを有効な信号として、停止要求生成部86へ出力する。
即ち、マイコン90では、上記第1実施形態と同様、図9に示した判定選択処理が実行される。そして、その判定選択処理による処理結果(選択結果)が、シリアル入力ライン82及びシリアルI/F93を介して開閉完了検出部87に入力される。そのため、開閉完了検出部87は、マイコン90から入力された選択結果に従い、その選択されたいずれか一方の開閉完了検出信号のみを有効信号として扱う。
従って、例えばSCV10が初期品であって通電電流モニタ回路51からの開閉完了検出信号を選択するようマイコン90から指示を受けた場合は、通電電流モニタ回路51におけるコンパレータ63の出力がハイレベルとなったときに、そのハイレベル信号である開閉完了検出信号を停止要求生成部86へ出力する。逆に、SCV10が耐久品であってリップルモニタ回路54からの開閉完了検出信号を選択するようマイコン90から指示を受けた場合は、リップルモニタ回路54におけるタイマ79からハイレベルの開閉完了検出信号が出力されたときに、その開閉完了検出信号を停止要求生成部86へ出力する。
通電抑制要求手段としての停止要求生成部86は、開閉完了検出部87から開閉完了検出信号が入力された時、駆動ロジック生成回路92に対して、モータ11への通電を停止すべき旨の停止要求を出力する。駆動ロジック生成回路92は、停止要求生成部86から停止要求があった時は、マイコン90からの駆動指令の有無に拘わらずモータ11への通電を停止させる。つまり、本実施形態では、SCV10の駆動完了後、モータ11への通電停止が、マイコン90からの駆動指令に基づいて行われるのではなく、あくまでも、モータ駆動用IC91内部の停止要求生成部86からの停止要求によってハード的に行われるのである。
マイコン90は、SCV10の駆動開始時には、上記第1実施形態のマイコン15と同様、DUTY100%で通電させるための駆動指令を出力するが、その駆動指令は、一定期間T1(従来のロック判定期間T1相当。図17等参照。)は出力し続ける。つまり、SCV10の駆動が完了してモータ11がロックしても、上記期間T1が経過するまではハイレベルの駆動指令を出力し続ける。これは、モータ駆動用IC91において、SCV10の駆動が完了したにも拘わらず何らかの異常等で停止要求生成部86から停止要求が出力されない状態になってしまっても、モータ11への通電を停止させることができるようにするためである。このように、一定期間T1経過後に駆動指令をローレベルにすることで、停止要求が出力されないといった異常時にも、確実にSCV10を駆動完了させると共に通電を停止させることができる。
次に、本実施形態のSCV10の動作について、図12及び図13を用いて説明する。まず、図12は、SCV10が初期品或いはそれに近い状態であって、通電電流モニタ回路51からの開閉完了検出信号を選択するようマイコン90から指示を受けている場合の動作を示すフローチャートである。本図において、通電開始後、SCV10の駆動が完了して通電電流Idが開閉完了電流閾値以上となるまでの動作は、第1実施形態で説明した図5の動作と同じである。
本実施形態では、通電電流が開閉完了電流閾値以上になると、通電電流モニタ回路51から開閉完了検出信号(コンパレータ63からのハイレベル信号)が出力され、これにより停止要求生成部86から停止要求(ハイレベル信号)が出力される。この停止要求により、モータ11への通電は停止されることとなる。
そのため、本実施形態においても、第1実施形態における図5と同様、SCV10の駆動が完了すると速やかにモータ11への通電が停止され、モータ11やモータ駆動用IC91の発熱が最小限に抑制されることとなる。
図13は、SCV10が耐久品或いはそれに近い状態であって、リップルモニタ回路54からの開閉完了検出信号を選択するようマイコン90から指示を受けている場合の動作を示すフローチャートである。本図において、通電開始後、SCV10の駆動が完了してタイマ79の計測値が開閉完了リップル周期閾値以上となるまでの動作は、第1実施形態で説明した図7の動作と同じである。尚、一転鎖線部は、図6と同様、従来のやり方の電流制限を行いつつ判定時間T1を用いてロック判定を行う場合を示すものである。
本実施形態では、タイマ79の計測値が開閉完了リップル周期閾値以上になると、リップルモニタ回路54から開閉完了検出信号(タイマ79からのハイレベル信号)が出力され、これにより停止要求生成部86から停止要求(ハイレベル信号)が出力される。この停止要求により、モータ11への通電は停止されることとなる。
そのため、耐久後においても、第1実施形態における図7と同様、SCV10の駆動が完了すると速やかにモータ11への通電が停止され、モータ11やモータ駆動用IC91の発熱が最小限に抑制されることとなる。
このように、本実施形態においても、SCV10の駆動が完了すると、モータ11への通電は速やか且つ確実に停止される。但し、上記第1実施形態の場合、SCV10の駆動が完了していずれかのモニタ回路から開閉完了検出信号が出力されると、それが一旦マイコン15へ送信されてマイコン15にて駆動完了の旨が判断される。その後、マイコン15から通電を停止すべき旨の駆動指令(ローレベル信号)が出力され、これを受けてはじめて、モータ駆動用IC16ではモータ11への通電が停止される。つまり、駆動完了の旨がモータ駆動用IC16から一旦マイコン15へ通知され、その通知を受けたマイコン15がモータ駆動用IC16へ通電停止の指令を出す、というのが上記第1実施形態の動作である。
これに対し、本実施形態では、モータ駆動用IC91にてSCV10の駆動完了(モータ11のロック)が検出されると、モータ駆動用IC91内にて停止要求が生成され、マイコン90からハイレベルの駆動指令が出力されていてもその停止要求によってモータ11への通電が停止される。そのため、上記第1実施形態に比べ、本実施形態の方がより迅速にモータ11への通電を停止することができ、その分、モータ11やモータ駆動用IC16の発熱をより低く抑えることができる。
次に、本実施形態のマイコン90にて実行される通電駆動処理について、図14に基づいて説明する。図14の通電駆動処理において、S310〜S340の処理は、図10に示した第1実施形態の通電駆動処理におけるS210〜S240と全く同じであり、図14のS360の処理は図10のS260と同じである。そして、図14の通電駆動処理が図10と異なるのは、S350の処理である。
即ち、上記第1実施形態では、DUTY100%での通電開始後、モータ駆動用IC16から開閉完了検出信号が入力されたときに、通電を停止させるべく駆動指令をローレベルにしていたが、本実施形態では、図14に示す如く、DUTY100%での通電開始後は、SCV10の駆動状態に関係なく、一定期間T1が経過するまでハイレベルの駆動指令を出力し続ける(S350)。そして、一定期間T1経過後に、駆動指令をローレベルとする(S360)。
[変形例]
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、全開位置、全閉位置など外的要因によって、バルブなどモータにより駆動される物体が強制的に位置決めされて駆動完了となるものを検出するようにしたモータ駆動装置に特徴を有するものである。そして、上記実施形態では、通電電流によってロック状態を判別可能な閾値(開閉完了電流閾値、開閉完了リップル周期閾値など)を用いることで、回転角度センサなどの被駆動部の動作位置を検出するセンサ等を用いずに、全開位置、全閉位置といった、強制的に位置決めされた駆動完了状態を検出できるようにしたことを特徴とするものである。また、こうしたセンサ等を用いないため、バルブなどの被駆動部材の駆動を開始してから完了するまでの駆動期間において通電電流の制御を何ら行わないようにした点、即ちオープンループ制御である点も、本実施形態の特徴ということができる。
そして本発明の実施の形態は、上記各実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
例えば、上記実施形態では、SCV10の駆動完了後はモータ11への通電を停止するようにしたが、駆動完了状態を保持すべく、低い電流値にて通電を継続するようにしてもよい。即ち、SCV10の駆動完了によってモータ11への通電を停止した後、SCV10の構造によっては、外部からの振動や荷重を受けてその駆動完了状態が保持されなくなる場合もある。特に、SCV10のように車両の内燃機関における空気吸入経路に設けられるバルブは、流入する空気から圧力を受けるため、バルブの開閉機構によっては、通電を停止するとバルブの開閉状態が保持されなくなるおそれがある。そのような場合は、駆動完了後、モータへの通電を完全に停止するのではなく、駆動完了状態が保持されるよう、通電を継続するとよい。もちろん、駆動完了状態の保持のために最低限必要な電流値にて通電するのが望ましい。
つまり、SCV10等の駆動対象の駆動が完了した後にモータへの通電を停止するのか或いは状態保持のための電流を流すようにするのかについては、システムの構成や要求される仕様等に応じて適宜決めればよい。
また、上記実施形態では、通電電流モニタ回路51からの開閉完了検出信号(つまり通電電流値Idに基づくSCV10の開閉完了検出結果)とリップルモニタ回路54からの開閉完了検出信号(つまりリップルの有無・周期に基づくSCV10の開閉完了検出結果)のうち、SCV10の状態に応じたいずれか一方に基づいてSCV10の駆動完了を判断するようにしたが、両者を共に用いるようにしてもよい。例えば、いずれか一方の開閉完了検出信号が出力されたら、即、SCV10が駆動完了したものと判断するようにしてもよい。また例えば、双方の開閉完了検出信号が共に出力されたときにはじめて、SCV10の駆動完了を判断するようにしてもよい。
さらに、上記各開閉完了検出信号のうちどちらを選択するかについても、上記実施形態のように初期品であるか耐久品であるかによって決めるのはあくまでも一例であり、種々の基準にて選択することができる。
また、上記第1実施形態では、マイコン15が一つのモータ駆動用IC16を制御するシステムについて説明したが、図15に示すように、一つのマイコンが複数のモータ駆動用IC(モータ駆動回路)を制御するようにしてもよい。
即ち、図15に示すように、マイコン120は、モータ駆動用IC16の他、他の異なる駆動対象を駆動するための複数のモータ駆動回路130,140,・・・も制御する。そして、マイコン120とモータ駆動用IC16及び各モータ駆動回路130,140,・・・とは、共通のシリアル通信線により接続されている。具体的には、マイコン120からモータ駆動用IC16及び各モータ駆動回路130,140,・・・へのクロック信号SCKの伝送用としてクロックライン81が接続され、同じくマイコン120からのシリアルデータ(入力データSDI)伝送用としてシリアル入力ライン82が接続され、モータ駆動用IC16及び各モータ駆動回路130,140,・・・からマイコン120へのシリアルデータ(出力データSDO)伝送用としてシリアル出力ライン83が接続されている。
このように、一つのマイコンで複数のモータ駆動用IC(モータ駆動回路)を上記各実施形態と同様に制御することも可能であり、その場合、図15に示したように、各種情報をシリアルデータ形式にて送受信すると共にその伝送路を共通化することとで、システム全体の小型化、低コスト化が可能となる。
また、上記実施形態では、モータ11の温度を直接検出する代わりに、内燃機関2の冷却水の水温を検出してこれをモータ11の温度に代用したが、可能であれば、モータ11の筐体に直接温度センサを取り付けたり、或いはモータ内部におけるモータ巻線近傍に温度センサを取り付けたりして、モータ11の温度を直接検出するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、環境パラメータとしての電源電圧Vbや水温に基づいて各種閾値や増幅率を演算するようにしたが、電源電圧Vbや水温はあくまでも環境パラメータの一例であって、それ以外のパラメータ(モータ負荷とは別にモータに直接又は間接的に作用してその通電電流特性に影響を及ぼすようなパラメータ)に基づいて各種閾値や増幅率の演算を行うようにしてもよい。
また、上記実施形態では、SCV駆動システムに対して本発明を適用した場合を例に挙げて説明したが、SCV10の駆動以外にも、例えば吸気管長切替バルブ9の開閉駆動、或いはEGRバルブ13の開閉駆動に対して、上記各実施形態と同様に本発明を適用してもよい。つまり、モータによって駆動対象を所定の位置・状態まで駆動させ、駆動が完了するとモータの回転も強制的にロックするよう構成されたシステムであれば、本発明を適用可能である。
SCV駆動システムの概略構成図である。 第1実施形態の電子制御装置の構成を示す説明図である。 モータにおけるブラシと整流子の接触状態を説明するための説明図である。 モータ回転中の通電電流にリップルが含まれることを説明するための説明図である。 第1実施形態のSCV駆動システム(初期品或いはそれに近い状態)の動作を示すタイムチャートである。 耐久品或いはそれに近い状態のSCV駆動システムに対して通電電流の値に基づく駆動完了検出を行った場合の動作を示すタイムチャートである。 第1実施形態のSCV駆動システム(耐久品或いはそれに近い状態)の動作を示すタイムチャートである。 水温及び電源電圧に対する、各閾値及び増幅率の変化を示すグラフである。 判定選択処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の通電駆動処理を示すフローチャートである。 第2実施形態の電子制御装置の構成を示す説明図である。 第2実施形態のSCV駆動システム(初期品或いはそれに近い状態)の動作を示すタイムチャートである。 第2実施形態のSCV駆動システム(耐久品或いはそれに近い状態)の動作を示すタイムチャートである。 第2実施形態の通電駆動処理を示すフローチャートである。 一つのマイコンに複数のモータ駆動用IC(モータ駆動回路)が接続された状態を示す説明図である。 SCVの開閉動作を説明するための説明図である。 従来のSCV駆動システム(初期品)の動作を示すタイムチャートである。 従来のSCV駆動システム(耐久品)の動作を示すタイムチャートである。
符号の説明
1,100…電子制御装置、2…内燃機関、5…吸気管、5a…第1吸気ポート、5b…第2吸気ポート、5c…補助吸気管、7…排気管、8…スロットルバルブ、9…吸気管長切替バルブ、10…SCV(スワールコントロールバルブ)、11…モータ、12…EGR管、13…EGRバルブ、15,90,120…マイコン、16,91…モータ駆動用IC、17…電源電圧検出回路、18…水温センサ、20…回動軸、21…規制突起、23…デポジット、25,26…ブラシ、27a,27b,27c…整流子、28ab,28bc,28ca…モータ巻線、29…回転軸、30…A/D変換回路、31〜34…FET、36…電流検出回路、37,92…駆動ロジック生成回路、41〜44…プリドライブ回路、46,93…シリアルI/F、51…通電電流モニタ回路、52…ACカップリング、53…リップル増幅回路、54…リップルモニタ回路、61…電流閾値設定用抵抗、62,77…抵抗、63,78…コンパレータ、66…カップリングコンデンサ、71…入力抵抗、72…帰還抵抗、73…オペアンプ、76…リップル検出閾値設定用抵抗、79…タイマ、81…クロックライン、82…シリアル入力ライン、83…シリアル出力ライン、86…停止要求生成部、87…開閉完了検出部、92…駆動ロジック生成回路、130,140…モータ駆動回路

Claims (25)

  1. 外的要因により予め定められている位置に強制的に位置決めされるようにモータによって駆動される被駆動部の駆動を制御する車載用モータ駆動装置であって、
    入力される駆動指令に基づいて前記モータへ通電を行うことにより該モータを駆動する駆動手段と、
    前記被駆動部の駆動を制御するための前記駆動指令を前記駆動手段へ出力する制御手段と、
    前記モータの通電電流を検出する電流検出手段と、
    前記被駆動部が前記外的要因により強制的に位置決めされた際に前記モータに流れるロック電流を判別するための値に設定された電流閾値が、前記被駆動部の駆動完了を判定するための判定基準として設定された第1の閾値設定手段と、
    前記モータの負荷とは別に前記モータに直接又は間接的に作用してそのモータの通電電流特性に影響を及ぼす環境パラメータを検出する環境パラメータ検出手段と、
    前記環境パラメータ検出手段により検出された環境パラメータに基づいて、前記被駆動部の駆動完了が正確に判断されるよう前記電流閾値を演算し、その演算結果に応じた第1の閾値指令を前記第1の閾値設定手段へ出力する第1の閾値指令出力手段と、
    を備え、
    前記第1の閾値設定手段は、前記第1の閾値指令出力手段からの前記第1の閾値指令に従って前記電流閾値を設定し、
    更に、
    前記第1の閾値指令出力手段による前記電流閾値の演算結果を、前記電流検出手段により検出された前記モータの通電電流の値に基づいて補正する閾値補正手段と、
    前記電流検出手段により検出された通電電流が前記第1の閾値設定手段に設定された電流閾値を超えたときに前記被駆動部の駆動が完了したものと判定する第1の駆動完了判定手段と、
    を備え、
    前記第1の閾値指令出力手段は、前記閾値補正手段による補正後の前記電流閾値に応じた前記第1の閾値指令を、前記第1の閾値設定手段へ出力し、
    前記制御手段は、前記被駆動部の駆動開始から少なくともその被駆動部の駆動が前記外的要因により強制的に位置決めされることで完了するまでの間は、前記モータを連続的に通電させるための前記駆動指令である連続通電指令を前記駆動手段へ出力し、
    前記駆動手段は、前記制御手段からの前記連続通電指令に基づく前記モータへの通電開始後、前記第1の駆動完了判定手段にて前記被駆動部の駆動が完了したと判定されたとき、前記モータへの通電を停止又は低減する
    ことを特徴とする車載用モータ駆動装置。
  2. 外的要因により予め定められている位置に強制的に位置決めされるようにモータによって駆動される被駆動部の駆動を制御する車載用モータ駆動装置であって、
    前記モータは、整流子及び該整流子に摺接するブラシを有し、このブラシを介して外部から供給される直流電源により駆動されるものであり、
    前記モータにより駆動される被駆動部と、
    入力される駆動指令に基づいて前記モータへ通電を行うことにより該モータを駆動する駆動手段と、
    前記被駆動部の駆動を制御するための前記駆動指令を前記駆動手段へ出力する制御手段と、
    前記モータの通電電流を検出する電流検出手段と、
    前記被駆動部が前記外的要因により強制的に位置決めされた際に前記モータに流れるロック電流を判別するための値に設定された電流閾値が、前記被駆動部の駆動完了を判定するための判定基準として設定された第1の閾値設定手段と、
    前記電流検出手段により検出された通電電流が前記第1の閾値設定手段に設定された電流閾値を超えたときに前記被駆動部の駆動が完了したものと判定する第1の駆動完了判定手段と、
    前記被駆動部の駆動完了を判定するための判定基準としてのリップル周期閾値が設定された第2の閾値設定手段と、
    前記電流検出手段により検出された通電電流に含まれるリップルの周期が前記第2の閾値設定手段に設定されたリップル周期閾値を超えたときに前記被駆動部の駆動が完了したものと判定する第2の駆動完了判定手段と、
    前記駆動手段による前記モータへの通電が停止又は低減されるタイミングの決定基準として、前記第1の駆動完了判定手段による判定結果又は前記第2の駆動完了判定手段による判定結果のうちいずれか一方を選択する判定選択手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記被駆動部の駆動開始から少なくともその被駆動部の駆動が前記外的要因により強制的に位置決めされることで完了するまでの間は、前記モータを連続的に通電させるための前記駆動指令である連続通電指令を前記駆動手段へ出力し、
    前記駆動手段は、前記制御手段からの前記連続通電指令に基づく前記モータへの通電開始後、前記判定選択手段により選択された前記いずれかの駆動完了判定手段によって前記被駆動部の駆動が完了したと判定されたとき、前記モータへの通電を停止又は低減する
    ことを特徴とする車載用モータ駆動装置。
  3. 請求項2記載の車載用モータ駆動装置であって、
    前記電流検出手段により検出された通電電流から直流成分を除去する直流成分除去手段と、
    前記リップルの発生を判定するための判定基準としてのリップル検出閾値が設定された第3の閾値設定手段と、
    前記直流成分除去手段による直流成分除去後の前記通電電流が前記第3の閾値設定手段に設定された前記リップル検出閾値を超えた場合に前記リップルが発生したと判定するリップル発生判定手段と、
    前記リップル発生判定手段によって前記リップルが発生したと判定される毎に、該判定された後の経過時間を前記リップルの周期として計測する計測手段と、
    を備え、
    前記第2の駆動完了判定手段は、前記計測手段により計測される前記経過時間が前記リップル周期閾値を超えたときに、前記被駆動部の駆動が完了したものと判定する
    ことを特徴とする車載用モータ駆動装置。
  4. 請求項2又は請求項3記載の車載用モータ駆動装置であって、
    前記判定選択手段は、前記リップルの周期と予め設定した選択閾値とを比較し、その比較の結果、前記リップルの周期が前記選択閾値より大きい場合は前記第2の駆動完了判定手段による判定結果を選択し、前記リップルの周期が前記選択閾値以下の場合は前記第1の駆動完了判定手段による判定結果を選択する
    ことを特徴とする車載用モータ駆動装置。
  5. 請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載の車載用モータ駆動装置であって、
    前記モータの負荷とは別に前記モータに直接又は間接的に作用してそのモータの通電電流特性に影響を及ぼす環境パラメータを検出する環境パラメータ検出手段と、
    前記環境パラメータ検出手段により検出された環境パラメータに基づいて、前記被駆動部の駆動完了が正確に判断されるよう前記電流閾値を演算し、その演算結果に応じた第1の閾値指令を前記第1の閾値設定手段へ出力する第1の閾値指令出力手段と、
    を備え、
    前記第1の閾値設定手段は、前記第1の閾値指令出力手段からの前記第1の閾値指令に従って前記電流閾値を設定する
    ことを特徴とする車載用モータ駆動装置。
  6. 請求項1又は請求項5記載の車載用モータ駆動装置であって、
    前記環境パラメータ検出手段は、前記環境パラメータとしての前記モータの温度を直接又は間接的に検出し、
    前記第1の閾値指令出力手段は、前記環境パラメータ検出手段により検出された前記モータの温度が高いほど前記電流閾値の値が低くなるよう、該電流閾値の演算を行う
    ことを特徴とする車載用モータ駆動装置。
  7. 請求項1又は請求項5記載の車載用モータ駆動装置であって、
    前記環境パラメータ検出手段は、前記環境パラメータとしての、前記モータに供給される電源電圧を検出し、
    前記第1の閾値指令出力手段は、前記環境パラメータ検出手段により検出された前記電源電圧が低いほど前記電流閾値の値が低くなるよう、該電流閾値の演算を行う
    ことを特徴とする車載用モータ駆動装置。
  8. 請求項2〜4のいずれか1項に記載の車載用モータ駆動装置であって、
    前記モータの負荷とは別に前記モータに直接又は間接的に作用してそのモータの通電電流特性に影響を及ぼす環境パラメータを検出する環境パラメータ検出手段と、
    前記環境パラメータ検出手段により検出された環境パラメータに基づいて、前記被駆動部の駆動完了が正確に判断されるよう前記リップル周期閾値を演算し、その演算結果に応じた第2の閾値指令を前記第2の閾値設定手段へ出力する第2の閾値指令出力手段と、
    を備え、
    前記第2の閾値設定手段は、前記第2の閾値指令出力手段からの前記第2の閾値指令に従って前記リップル周期閾値を設定する
    ことを特徴とする車載用モータ駆動装置。
  9. 請求項8記載の車載用モータ駆動装置であって、
    前記環境パラメータ検出手段は、前記環境パラメータとしての前記モータの温度を直接又は間接的に検出し、
    前記第2の閾値指令出力手段は、前記環境パラメータ検出手段により検出された前記モータの温度が高いほど前記リップル周期閾値の値が大きくなるよう、該リップル周期閾値の演算を行う
    ことを特徴とする車載用モータ駆動装置。
  10. 外的要因により予め定められている位置に強制的に位置決めされるようにモータによって駆動される被駆動部の駆動を制御する車載用モータ駆動装置であって、
    前記モータは、整流子及び該整流子に摺接するブラシを有し、このブラシを介して外部から供給される直流電源により駆動されるものであり、
    前記モータにより駆動される被駆動部と、
    入力される駆動指令に基づいて前記モータへ通電を行うことにより該モータを駆動する駆動手段と、
    前記被駆動部の駆動を制御するための前記駆動指令を前記駆動手段へ出力する制御手段と、
    前記モータの通電電流を検出する電流検出手段と、
    前記被駆動部の駆動完了を判定するための判定基準としてのリップル周期閾値が設定された第2の閾値設定手段と、
    前記モータの負荷とは別に前記モータに直接又は間接的に作用してそのモータの通電電流特性に影響を及ぼす環境パラメータを検出する環境パラメータ検出手段と、
    前記環境パラメータ検出手段により検出された環境パラメータに基づいて、前記被駆動部の駆動完了が正確に判断されるよう前記リップル周期閾値を演算し、その演算結果に応じた第2の閾値指令を前記第2の閾値設定手段へ出力する第2の閾値指令出力手段と、
    前記電流検出手段により検出された通電電流に含まれるリップルの周期が前記第2の閾値設定手段に設定されたリップル周期閾値を超えたときに前記被駆動部の駆動が完了したものと判定する第2の駆動完了判定手段と、
    を備え、
    前記環境パラメータ検出手段は、前記環境パラメータとしての、前記モータに供給される電源電圧を検出し、
    前記第2の閾値指令出力手段は、前記環境パラメータ検出手段により検出された前記電源電圧が低いほど前記リップル周期閾値の値が大きくなるよう、該リップル周期閾値の演算を行い、
    前記第2の閾値設定手段は、前記第2の閾値指令出力手段からの前記第2の閾値指令に従って前記リップル周期閾値を設定し、
    前記制御手段は、前記被駆動部の駆動開始から少なくともその被駆動部の駆動が前記外的要因により強制的に位置決めされることで完了するまでの間は、前記モータを連続的に通電させるための前記駆動指令である連続通電指令を前記駆動手段へ出力し、
    前記駆動手段は、前記制御手段からの前記連続通電指令に基づく前記モータへの通電開始後、前記第2の駆動完了判定手段にて前記被駆動部の駆動が完了したと判定されたとき、前記モータへの通電を停止又は低減する
    ことを特徴とする車載用モータ駆動装置。
  11. 外的要因により予め定められている位置に強制的に位置決めされるようにモータによって駆動される被駆動部の駆動を制御する車載用モータ駆動装置であって、
    前記モータは、整流子及び該整流子に摺接するブラシを有し、このブラシを介して外部から供給される直流電源により駆動されるものであり、
    前記モータにより駆動される被駆動部と、
    入力される駆動指令に基づいて前記モータへ通電を行うことにより該モータを駆動する駆動手段と、
    前記被駆動部の駆動を制御するための前記駆動指令を前記駆動手段へ出力する制御手段と、
    前記モータの通電電流を検出する電流検出手段と、
    前記被駆動部の駆動完了を判定するための判定基準としてのリップル周期閾値が設定された第2の閾値設定手段と、
    前記電流検出手段により検出された通電電流に含まれるリップルの周期が前記第2の閾値設定手段に設定されたリップル周期閾値を超えたときに前記被駆動部の駆動が完了したものと判定する第2の駆動完了判定手段と、
    前記電流検出手段により検出された通電電流から直流成分を除去する直流成分除去手段と、
    前記リップルの発生を判定するための判定基準としてのリップル検出閾値が設定された第3の閾値設定手段と、
    前記直流成分除去手段による直流成分除去後の前記通電電流が前記第3の閾値設定手段に設定された前記リップル検出閾値を超えた場合に前記リップルが発生したと判定するリップル発生判定手段と、
    前記リップル発生判定手段によって前記リップルが発生したと判定される毎に、該判定された後の経過時間を前記リップルの周期として計測する計測手段と、
    前記モータの負荷とは別に前記モータに直接又は間接的に作用してそのモータの通電電流特性に影響を及ぼす環境パラメータとして、前記モータに供給される電源電圧を検出する環境パラメータ検出手段と、
    前記リップルの周期が正確に検出されるよう、前記環境パラメータ検出手段により検出された前記電源電圧が低いほど前記リップル検出閾値の値が低くなるように前記リップル検出閾値を演算し、その演算結果に応じた第3の閾値指令を前記第3の閾値設定手段へ出力する第3の閾値指令出力手段と、
    を備え、
    前記第3の閾値設定手段は、前記第3の閾値指令出力手段からの前記第3の閾値指令に従って前記リップル検出閾値を設定し、
    前記第2の駆動完了判定手段は、前記計測手段により計測される前記経過時間が前記リップル周期閾値を超えたときに、前記被駆動部の駆動が完了したものと判定し、
    前記制御手段は、前記被駆動部の駆動開始から少なくともその被駆動部の駆動が前記外的要因により強制的に位置決めされることで完了するまでの間は、前記モータを連続的に通電させるための前記駆動指令である連続通電指令を前記駆動手段へ出力し、
    前記駆動手段は、前記制御手段からの前記連続通電指令に基づく前記モータへの通電開始後、前記第2の駆動完了判定手段にて前記被駆動部の駆動が完了したと判定されたとき、前記モータへの通電を停止又は低減する
    ことを特徴とする車載用モータ駆動装置。
  12. 請求項11記載の車載用モータ駆動装置であって、
    前記環境パラメータ検出手段は、前記環境パラメータとしての前記モータの温度を直接又は間接的に検出し、
    前記第3の閾値指令出力手段は、前記環境パラメータ検出手段により検出された前記モータの温度が高いほど前記リップル検出閾値の値が低くなるよう、該リップル検出閾値の演算を行う
    ことを特徴とする車載用モータ駆動装置。
  13. 外的要因により予め定められている位置に強制的に位置決めされるようにモータによって駆動される被駆動部の駆動を制御する車載用モータ駆動装置であって、
    前記モータは、整流子及び該整流子に摺接するブラシを有し、このブラシを介して外部から供給される直流電源により駆動されるものであり、
    前記モータにより駆動される被駆動部と、
    入力される駆動指令に基づいて前記モータへ通電を行うことにより該モータを駆動する駆動手段と、
    前記被駆動部の駆動を制御するための前記駆動指令を前記駆動手段へ出力する制御手段と、
    前記モータの通電電流を検出する電流検出手段と、
    前記被駆動部の駆動完了を判定するための判定基準としてのリップル周期閾値が設定された第2の閾値設定手段と、
    前記モータの負荷とは別に前記モータに直接又は間接的に作用してそのモータの通電電流特性に影響を及ぼす環境パラメータを検出する環境パラメータ検出手段と、
    前記環境パラメータ検出手段により検出された環境パラメータに基づいて、前記被駆動部の駆動完了が正確に判断されるよう前記リップル周期閾値を演算し、その演算結果に応じた第2の閾値指令を前記第2の閾値設定手段へ出力する第2の閾値指令出力手段と、
    を備え、
    前記第2の閾値設定手段は、前記第2の閾値指令出力手段からの前記第2の閾値指令に従って前記リップル周期閾値を設定し、
    更に、
    前記第2の閾値指令出力手段による前記リップル周期閾値の演算結果を、前記電流検出手段により検出された前記モータの通電電流の値に基づいて補正する閾値補正手段と、
    前記電流検出手段により検出された通電電流に含まれるリップルの周期が前記第2の閾値設定手段に設定されたリップル周期閾値を超えたときに前記被駆動部の駆動が完了したものと判定する第2の駆動完了判定手段と、
    を備え、
    前記第2の閾値指令出力手段は、前記閾値補正手段による補正後の前記リップル周期閾値に応じた前記第2の閾値指令を、前記第2の閾値設定手段へ出力し、
    前記制御手段は、前記被駆動部の駆動開始から少なくともその被駆動部の駆動が前記外的要因により強制的に位置決めされることで完了するまでの間は、前記モータを連続的に通電させるための前記駆動指令である連続通電指令を前記駆動手段へ出力し、
    前記駆動手段は、前記制御手段からの前記連続通電指令に基づく前記モータへの通電開始後、前記第2の駆動完了判定手段にて前記被駆動部の駆動が完了したと判定されたとき、前記モータへの通電を停止又は低減する
    ことを特徴とする車載用モータ駆動装置。
  14. 外的要因により予め定められている位置に強制的に位置決めされるようにモータによって駆動される被駆動部の駆動を制御する車載用モータ駆動装置であって、
    前記モータは、整流子及び該整流子に摺接するブラシを有し、このブラシを介して外部から供給される直流電源により駆動されるものであり、
    前記モータにより駆動される被駆動部と、
    入力される駆動指令に基づいて前記モータへ通電を行うことにより該モータを駆動する駆動手段と、
    前記被駆動部の駆動を制御するための前記駆動指令を前記駆動手段へ出力する制御手段と、
    前記モータの通電電流を検出する電流検出手段と、
    前記被駆動部の駆動完了を判定するための判定基準としてのリップル周期閾値が設定された第2の閾値設定手段と、
    前記電流検出手段により検出された通電電流から直流成分を除去する直流成分除去手段と、
    前記リップルの発生を判定するための判定基準としてのリップル検出閾値が設定された第3の閾値設定手段と、
    前記直流成分除去手段による直流成分除去後の前記通電電流が前記第3の閾値設定手段に設定された前記リップル検出閾値を超えた場合に前記リップルが発生したと判定するリップル発生判定手段と、
    前記リップル発生判定手段によって前記リップルが発生したと判定される毎に、該判定された後の経過時間を前記リップルの周期として計測する計測手段と、
    前記モータの負荷とは別に前記モータに直接又は間接的に作用してそのモータの通電電流特性に影響を及ぼす環境パラメータを検出する環境パラメータ検出手段と、
    前記環境パラメータ検出手段により検出された環境パラメータに基づいて、前記リップルの周期が正確に検出されるよう前記リップル検出閾値を演算し、その演算結果に応じた第3の閾値指令を前記第3の閾値設定手段へ出力する第3の閾値指令出力手段と、
    を備え、
    前記第3の閾値設定手段は、前記第3の閾値指令出力手段からの前記第3の閾値指令に従って前記リップル検出閾値を設定し、
    更に、
    前記第3の閾値指令出力手段による前記リップル検出閾値の演算結果を、前記電流検出手段により検出された前記モータの通電電流の値に基づいて補正する閾値補正手段と、
    前記電流検出手段により検出された通電電流に含まれるリップルの周期が前記第2の閾値設定手段に設定されたリップル周期閾値を超えたときに前記被駆動部の駆動が完了したものと判定する第2の駆動完了判定手段と、
    を備え、
    前記第3の閾値指令出力手段は、前記閾値補正手段による補正後の前記リップル検出閾値に応じた前記第3の閾値指令を、前記第3の閾値設定手段へ出力し、
    前記第2の駆動完了判定手段は、前記計測手段により計測される前記経過時間が前記リップル周期閾値を超えたときに、前記被駆動部の駆動が完了したものと判定し、
    前記制御手段は、前記被駆動部の駆動開始から少なくともその被駆動部の駆動が前記外的要因により強制的に位置決めされることで完了するまでの間は、前記モータを連続的に通電させるための前記駆動指令である連続通電指令を前記駆動手段へ出力し、
    前記駆動手段は、前記制御手段からの前記連続通電指令に基づく前記モータへの通電開始後、前記第2の駆動完了判定手段にて前記被駆動部の駆動が完了したと判定されたとき、前記モータへの通電を停止又は低減する
    ことを特徴とする車載用モータ駆動装置。
  15. 請求項1,13,14の何れか1項に記載の車載用モータ駆動装置であって、
    前記駆動手段、前記電流検出手段、前記閾値設定手段、及び前記駆動完了判定手段は、いずれも同一の半導体集積回路内に形成され、前記電流検出手段により検出された前記モータの通電電流がアナログ値として当該半導体集積回路の外部へ出力可能に構成されており、
    更に、前記半導体集積回路から出力された前記通電電流の値を受信してデジタルデータに変換するA/D変換手段を備え、
    前記閾値補正手段は、前記A/D変換手段による変換後の前記通電電流の値に基づいて前記補正を行う
    ことを特徴とする車載用モータ駆動装置。
  16. 請求項1〜15のいずれか1項に記載の車載用モータ駆動装置であって、
    前記駆動手段、前記閾値設定手段、及び前記駆動完了判定手段は、いずれも同一の半導体集積回路内に形成されている
    ことを特徴とする車載用モータ駆動装置。
  17. 外的要因により予め定められている位置に強制的に位置決めされるようにモータによって駆動される被駆動部の駆動を制御する車載用モータ駆動装置であって、
    入力される駆動指令に基づいて前記モータへ通電を行うことにより該モータを駆動する駆動手段と、
    前記被駆動部の駆動を制御するための前記駆動指令を前記駆動手段へ出力する制御手段と、
    前記モータの通電電流を検出する電流検出手段と、
    前記被駆動部が前記外的要因により強制的に位置決めされた際に前記モータに流れるロック電流を判別するための値に設定された電流閾値が、前記被駆動部の駆動完了を判定するための判定基準として設定された第1の閾値設定手段と、
    前記電流検出手段により検出された通電電流が前記第1の閾値設定手段に設定された電流閾値を超えたときに前記被駆動部の駆動が完了したものと判定する第1の駆動完了判定手段と、
    前記モータの負荷とは別に前記モータに直接又は間接的に作用してそのモータの通電電流特性に影響を及ぼす環境パラメータを検出する環境パラメータ検出手段と、
    前記環境パラメータ検出手段により検出された環境パラメータに基づいて、前記被駆動部の駆動完了が正確に判断されるよう前記電流閾値を演算し、その演算結果に応じた第1の閾値指令を前記第1の閾値設定手段へ出力する第1の閾値指令出力手段と、
    を備え、
    前記第1の閾値設定手段は、前記第1の閾値指令出力手段からの前記第1の閾値指令に従って前記電流閾値を設定し、
    前記制御手段は、前記被駆動部の駆動開始から少なくともその被駆動部の駆動が前記外的要因により強制的に位置決めされることで完了するまでの間は、前記モータを連続的に通電させるための前記駆動指令である連続通電指令を前記駆動手段へ出力し、
    前記駆動手段は、前記制御手段からの前記連続通電指令に基づく前記モータへの通電開始後、前記第1の駆動完了判定手段にて前記被駆動部の駆動が完了したと判定されたとき、前記モータへの通電を停止又は低減し、
    前記駆動手段、前記第1の閾値設定手段、及び前記第1の駆動完了判定手段は、いずれも同一の半導体集積回路内に形成され、
    前記半導体集積回路内には、更に、外部と相互にシリアル通信を行うためのシリアル通信手段が備えられ、
    前記半導体集積回路を複数種類備え、
    前記第1の閾値指令出力手段は、前記半導体集積回路毎に個々に、前記電流閾値の演算及びその演算結果に応じた前記第1の閾値指令の送信を行い、
    前記第1の閾値指令出力手段から前記各半導体集積回路への前記第1の閾値指令の送信は、シリアルデータ形式により共通の伝送路を用いて行われ、
    前記第1の閾値設定手段は、前第1の閾値指令出力手段からシリアルデータ形式にて送信された前記第1の閾値指令を、前記シリアル通信手段を介して受信する
    ことを特徴とする車載用モータ駆動装置。
  18. 外的要因により予め定められている位置に強制的に位置決めされるようにモータによって駆動される被駆動部の駆動を制御する車載用モータ駆動装置であって、
    前記モータは、整流子及び該整流子に摺接するブラシを有し、このブラシを介して外部から供給される直流電源により駆動されるものであり、
    前記モータにより駆動される被駆動部と、
    入力される駆動指令に基づいて前記モータへ通電を行うことにより該モータを駆動する駆動手段と、
    前記被駆動部の駆動を制御するための前記駆動指令を前記駆動手段へ出力する制御手段と、
    前記モータの通電電流を検出する電流検出手段と、
    前記被駆動部の駆動完了を判定するための判定基準としてのリップル周期閾値が設定された第2の閾値設定手段と、
    前記モータの負荷とは別に前記モータに直接又は間接的に作用してそのモータの通電電流特性に影響を及ぼす環境パラメータを検出する環境パラメータ検出手段と、
    前記環境パラメータ検出手段により検出された環境パラメータに基づいて、前記被駆動部の駆動完了が正確に判断されるよう前記リップル周期閾値を演算し、その演算結果に応じた第2の閾値指令を前記第2の閾値設定手段へ出力する第2の閾値指令出力手段と、
    前記電流検出手段により検出された通電電流に含まれるリップルの周期が前記第2の閾値設定手段に設定されたリップル周期閾値を超えたときに前記被駆動部の駆動が完了したものと判定する第2の駆動完了判定手段と、
    を備え、
    前記第2の閾値設定手段は、前記第2の閾値指令出力手段からの前記第2の閾値指令に従って前記リップル周期閾値を設定し、
    前記制御手段は、前記被駆動部の駆動開始から少なくともその被駆動部の駆動が前記外的要因により強制的に位置決めされることで完了するまでの間は、前記モータを連続的に通電させるための前記駆動指令である連続通電指令を前記駆動手段へ出力し、
    前記駆動手段は、前記制御手段からの前記連続通電指令に基づく前記モータへの通電開始後、前記第2の駆動完了判定手段にて前記被駆動部の駆動が完了したと判定されたとき、前記モータへの通電を停止又は低減し、
    前記駆動手段、前記第2の閾値設定手段、及び前記第2の駆動完了判定手段は、いずれも同一の半導体集積回路内に形成され、
    前記半導体集積回路内には、更に、外部と相互にシリアル通信を行うためのシリアル通信手段が備えられ、
    前記半導体集積回路を複数種類備え、
    前記第2の閾値指令出力手段は、前記半導体集積回路毎に個々に、前記リップル周期閾値の演算及びその演算結果に応じた前記第2の閾値指令の送信を行い、
    前記第2の閾値指令出力手段から前記各半導体集積回路への前記第2の閾値指令の送信は、シリアルデータ形式により共通の伝送路を用いて行われ、
    前記第2の閾値設定手段は、前記第2の閾値指令出力手段からシリアルデータ形式にて送信された前記第2の閾値指令を、前記シリアル通信手段を介して受信する
    ことを特徴とする車載用モータ駆動装置。
  19. 外的要因により予め定められている位置に強制的に位置決めされるようにモータによって駆動される被駆動部の駆動を制御する車載用モータ駆動装置であって、
    前記モータは、整流子及び該整流子に摺接するブラシを有し、このブラシを介して外部から供給される直流電源により駆動されるものであり、
    前記モータにより駆動される被駆動部と、
    入力される駆動指令に基づいて前記モータへ通電を行うことにより該モータを駆動する駆動手段と、
    前記被駆動部の駆動を制御するための前記駆動指令を前記駆動手段へ出力する制御手段と、
    前記モータの通電電流を検出する電流検出手段と、
    前記被駆動部の駆動完了を判定するための判定基準としてのリップル周期閾値が設定された第2の閾値設定手段と、
    前記電流検出手段により検出された通電電流に含まれるリップルの周期が前記第2の閾値設定手段に設定されたリップル周期閾値を超えたときに前記被駆動部の駆動が完了したものと判定する第2の駆動完了判定手段と、
    前記電流検出手段により検出された通電電流から直流成分を除去する直流成分除去手段と、
    前記リップルの発生を判定するための判定基準としてのリップル検出閾値が設定された第3の閾値設定手段と、
    前記直流成分除去手段による直流成分除去後の前記通電電流が前記第3の閾値設定手段に設定された前記リップル検出閾値を超えた場合に前記リップルが発生したと判定するリップル発生判定手段と、
    前記リップル発生判定手段によって前記リップルが発生したと判定される毎に、該判定された後の経過時間を前記リップルの周期として計測する計測手段と、
    前記モータの負荷とは別に前記モータに直接又は間接的に作用してそのモータの通電電流特性に影響を及ぼす環境パラメータを検出する環境パラメータ検出手段と、
    前記環境パラメータ検出手段により検出された環境パラメータに基づいて、前記リップルの周期が正確に検出されるよう前記リップル検出閾値を演算し、その演算結果に応じた第3の閾値指令を前記第3の閾値設定手段へ出力する第3の閾値指令出力手段と、
    を備え、
    前記第3の閾値設定手段は、前記第3の閾値指令出力手段からの前記第3の閾値指令に従って前記リップル検出閾値を設定し、
    前記第2の駆動完了判定手段は、前記計測手段により計測される前記経過時間が前記リップル周期閾値を超えたときに、前記被駆動部の駆動が完了したものと判定し、
    前記制御手段は、前記被駆動部の駆動開始から少なくともその被駆動部の駆動が前記外的要因により強制的に位置決めされることで完了するまでの間は、前記モータを連続的に通電させるための前記駆動指令である連続通電指令を前記駆動手段へ出力し、
    前記駆動手段は、前記制御手段からの前記連続通電指令に基づく前記モータへの通電開始後、前記第2の駆動完了判定手段にて前記被駆動部の駆動が完了したと判定されたとき、前記モータへの通電を停止又は低減し、
    前記駆動手段、前記閾値設定手段、及び前記第2の駆動完了判定手段は、いずれも同一の半導体集積回路内に形成され、
    前記半導体集積回路内には、更に、外部と相互にシリアル通信を行うためのシリアル通信手段が備えられ、
    前記半導体集積回路を複数種類備え、
    前記第3の閾値指令出力手段は、前記半導体集積回路毎に個々に、前記リップル検出閾値の演算及びその演算結果に応じた前記第3の閾値指令の送信を行い、
    前記第3の閾値指令出力手段から前記各半導体集積回路への前記第3の閾値指令の送信は、シリアルデータ形式により共通の伝送路を用いて行われ
    前記第3の閾値設定手段は、前記第3の閾値指令出力手段からシリアルデータ形式にて送信された前記第3の閾値指令を、前記シリアル通信手段を介して受信する
    ことを特徴とする車載用モータ駆動装置。
  20. 外的要因により予め定められている位置に強制的に位置決めされるようにモータによって駆動される被駆動部の駆動を制御する車載用モータ駆動装置であって、
    入力される駆動指令に基づいて前記モータへ通電を行うことにより該モータを駆動する駆動手段と、
    前記被駆動部の駆動を制御するための前記駆動指令を前記駆動手段へ出力する制御手段と、
    前記モータの通電電流を検出する電流検出手段と、
    前記被駆動部が前記外的要因により強制的に位置決めされた際に前記モータに流れるロック電流を判別するための値に設定された電流閾値が、前記被駆動部の駆動完了を判定するための判定基準として設定された第1の閾値設定手段と、
    前記電流検出手段により検出された通電電流が前記第1の閾値設定手段に設定された電流閾値を超えたときに前記被駆動部の駆動が完了したものと判定する第1の駆動完了判定手段と、
    前記第1の駆動完了判定手段により前記被駆動部の駆動完了が判定されたとき、前記駆動手段に対して前記モータの通電を停止又は低減するよう要求する通電抑制要求手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記被駆動部の駆動開始から少なくともその被駆動部の駆動が前記外的要因により強制的に位置決めされることで完了するまでの間は、前記モータを連続的に通電させるための前記駆動指令である連続通電指令を前記駆動手段へ出力し、
    前記駆動手段は、前記制御手段からの前記連続通電指令に基づく前記モータへの通電開始後、前記通電抑制要求手段から前記要求があったとき、前記制御手段からの前記駆動指令の内容に拘わらず、前記モータへの通電を停止又は低減する
    ことを特徴とする車載用モータ駆動装置。
  21. 外的要因により予め定められている位置に強制的に位置決めされるようにモータによって駆動される被駆動部の駆動を制御する車載用モータ駆動装置であって、
    前記モータは、整流子及び該整流子に摺接するブラシを有し、このブラシを介して外部から供給される直流電源により駆動されるものであり、
    前記モータにより駆動される被駆動部と、
    入力される駆動指令に基づいて前記モータへ通電を行うことにより該モータを駆動する駆動手段と、
    前記被駆動部の駆動を制御するための前記駆動指令を前記駆動手段へ出力する制御手段と、
    前記モータの通電電流を検出する電流検出手段と、
    前記被駆動部の駆動完了を判定するための判定基準としてのリップル周期閾値が設定された第2の閾値設定手段と、
    前記電流検出手段により検出された通電電流に含まれるリップルの周期が前記第2の閾値設定手段に設定されたリップル周期閾値を超えたときに前記被駆動部の駆動が完了したものと判定する第2の駆動完了判定手段と、
    前記第2の駆動完了判定手段により前記被駆動部の駆動完了が判定されたとき、前記駆動手段に対して前記モータの通電を停止又は低減するよう要求する通電抑制要求手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記被駆動部の駆動開始から少なくともその被駆動部の駆動が前記外的要因により強制的に位置決めされることで完了するまでの間は、前記モータを連続的に通電させるための前記駆動指令である連続通電指令を前記駆動手段へ出力し、
    前記駆動手段は、前記制御手段からの前記連続通電指令に基づく前記モータへの通電開始後、前記通電抑制要求手段から前記要求があったとき、前記制御手段からの前記駆動指令の内容に拘わらず、前記モータへの通電を停止又は低減する
    ことを特徴とする車載用モータ駆動装置。
  22. 外的要因により予め定められている位置に強制的に位置決めされるようにモータによって駆動される被駆動部の駆動を制御する車載用モータ駆動装置であって、
    入力される駆動指令に基づいて前記モータへ通電を行うことにより該モータを駆動する駆動手段と、
    前記被駆動部の駆動を制御するための前記駆動指令を前記駆動手段へ出力する制御手段と、
    前記モータの通電電流を検出する電流検出手段と、
    前記被駆動部が前記外的要因により強制的に位置決めされた際に前記モータに流れるロック電流を判別するための値に設定された電流閾値が、前記被駆動部の駆動完了を判定するための判定基準として設定された第1の閾値設定手段と、
    前記電流検出手段により検出された通電電流が前記第1の閾値設定手段に設定された電流閾値を超えたときに前記被駆動部の駆動が完了したものと判定する第1の駆動完了判定手段と、
    前記第1の駆動完了判定手段により前記被駆動部の駆動完了が判定されたときにその旨を前記制御手段へ通知する駆動完了通知手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記被駆動部の駆動開始から少なくともその被駆動部の駆動が前記外的要因により強制的に位置決めされることで完了するまでの間は、前記モータを連続的に通電させるための前記駆動指令である連続通電指令を前記駆動手段へ出力して、前記駆動完了通知手段から前記通知があったとき、前記モータへの通電を停止又は低減させるための前記駆動指令である通電抑制指令を前記駆動手段へ出力し、
    前記駆動手段は、前記制御手段からの前記連続通電指令に基づく前記モータへの通電開始後、前記制御手段から前記通電抑制指令が入力されたとき、その通電抑制指令に従って前記モータへの通電を停止又は低減する
    ことを特徴とする車載用モータ駆動装置。
  23. 外的要因により予め定められている位置に強制的に位置決めされるようにモータによって駆動される被駆動部の駆動を制御する車載用モータ駆動装置であって、
    前記モータは、整流子及び該整流子に摺接するブラシを有し、このブラシを介して外部から供給される直流電源により駆動されるものであり、
    前記モータにより駆動される被駆動部と、
    入力される駆動指令に基づいて前記モータへ通電を行うことにより該モータを駆動する駆動手段と、
    前記被駆動部の駆動を制御するための前記駆動指令を前記駆動手段へ出力する制御手段と、
    前記モータの通電電流を検出する電流検出手段と、
    前記被駆動部の駆動完了を判定するための判定基準としてのリップル周期閾値が設定された第2の閾値設定手段と、
    前記電流検出手段により検出された通電電流に含まれるリップルの周期が前記第2の閾値設定手段に設定されたリップル周期閾値を超えたときに前記被駆動部の駆動が完了したものと判定する第2の駆動完了判定手段と、
    前記第2の駆動完了判定手段により前記被駆動部の駆動完了が判定されたときにその旨を前記制御手段へ通知する駆動完了通知手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記被駆動部の駆動開始から少なくともその被駆動部の駆動が前記外的要因により強制的に位置決めされることで完了するまでの間は、前記モータを連続的に通電させるための前記駆動指令である連続通電指令を前記駆動手段へ出力して、前記駆動完了通知手段から前記通知があったとき、前記モータへの通電を停止又は低減させるための前記駆動指令である通電抑制指令を前記駆動手段へ出力し、
    前記駆動手段は、前記制御手段からの前記連続通電指令に基づく前記モータへの通電開始後、前記制御手段から前記通電抑制指令が入力されたとき、その通電抑制指令に従って前記モータへの通電を停止又は低減する
    ことを特徴とする車載用モータ駆動装置。
  24. 請求項1〜23のいずれか1項に記載の車載用モータ駆動装置であって、
    当該車載用モータ駆動装置は、開閉動作する前記被駆動部を開位置又は閉位置のいずれか一方に駆動する装置である
    ことを特徴とする車載用モータ駆動装置。
  25. 請求項24記載の車載用モータ駆動装置であって、
    前記被駆動部は、車両の内燃機関において、その内燃機関への空気吸入経路又はその内燃機関からの排気経路に設けられた車載用バルブであること
    を特徴とする車載用モータ駆動装置。
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