JP4861830B2 - 糖タンパク質の産生において、グリカンのマンノシルリン酸化を除去する方法 - Google Patents

糖タンパク質の産生において、グリカンのマンノシルリン酸化を除去する方法 Download PDF

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    • C12P21/00Preparation of peptides or proteins
    • C12P21/005Glycopeptides, glycoproteins

Description

(関連出願の相互参照)
本願は、2003年12月24日に出願された、米国仮特許出願第60/532,461号の優先権を主張するものであり、本明細書中にてその全体が参考として援用される。
(連邦政府によって後援される研究についての宣言)
本発明は、商務省からの助成金、NIST−ATP協同協定番号(Cooperative Agreement Number)70NANB2H3046の下で、少なくとも一部分の資金を供給された。従って、米国政府は本発明に特定の権利を有し得る。
(発明の分野)
本発明は、糖タンパク質のグリカン上へのマンノシルリン酸転移の除去に関し、そしてさらに、酵母細胞および糸状菌細胞における、グリカン上へのマンノシルリン酸残基の付加を引き起こす遺伝子の除去に関する。特に、本発明は、マンノシルリン酸残基を有さないグリカンを産生する、酵母宿主細胞および糸状菌宿主細胞の操作に関する。
(発明の背景)
組換えヒトタンパク質を産生する能力によって、ヒトの健康管理において重要な進歩がもたらされ、そして、薬物の発見は活発な分野であり続ける。多くの治療的タンパク質は、ヒト血清における適切な構造機能活性、およびそれに伴う安定性を確実にするために、そのタンパク質の特定のアスパラギン残基への、共翻訳のグリカンの付加(N−グリコシル化)を必要とする。ヒトにおける治療的使用のために、糖タンパク質は、ヒト様N−グリコシル化を必要とする。ヒト様糖タンパク質プロセシングを模倣し得る哺乳動物細胞株(チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、およびヒト網膜細胞)は、低いタンパク質力価、長い発酵時間、不均一な産物、および進行中のウイルス封じ込めの問題を含む、いくつかの欠点を有する。従って、処理がより経済的で、安全性の妨げがより少なく、そしてより強い異種のタンパク質の産生を引き起こす、酵母発現系および糸状菌発現系の使用が、ヒトの治療のための宿主細胞として重点的に研究されている。
酵母および糸状菌において、哺乳動物由来の糖タンパク質のオリゴ糖とは異なるオリゴ糖を有する、糖タンパク質が産生される。具体的に酵母では、外鎖(outer chain)オリゴ糖は、高マンノシル化され、30〜150残基のマンノース残基を構成する(非特許文献1)。さらに、酵母にて産生される糖タンパク質のコアおよび糖外鎖(outer sugar chain)の双方に、マンノシルリン酸がしばしば転移される(非特許文献2)。最も重要なことは、酵母(Saccharomyces cerevisiae)において産生される糖タンパク質由来の、これらのマンノシルリン酸化されたグリカンが、ウサギにおける免疫応答を認めないことを示すことである(非特許文献3)。従って、酵母および糸状菌におけるマンノシルリン酸化の除去は、非免疫原性の治療的糖タンパク質の産生に必須である。
S.cerevisiaeにおいて、マンノシルリン酸の転移に関与する、少なくとも2つの遺伝子が存在する。これら2つの遺伝子、すなわちMNN4およびMNN6はクローン化され、そしてこれらの遺伝子産物の解析からは、これらの遺伝子産物がマンノシルリン酸の転移において機能することが示唆される(総説については、非特許文献4を参照のこと)。MNN6は、O−マンノシル化およびN−グルコシル化に関与する、ゴルジ a−1,2−マンノシルトランスフェラーゼとして特徴付けられた、Kre2p/Mnt1pタンパク質ファミリーと相同な、II型膜タンパク質をコードする(非特許文献5)。Δmnn6変異体は、インビボにおけるコアのグリカンのマンノシルリン酸化においては欠損を示さないが、インビトロにおけるマンノシルリン酸トランスフェラーゼ活性における減少を示す(非特許文献6)。Mnn4pはまた、S.cerevisiaeのYjr061pに33%同一である、推定上のII型膜タンパク質である(非特許文献7;非特許文献8)。Δmnn6変異体およびΔmnn4変異体の双方は、マンノシルリン酸の転移を減少させる。しかし、Δmnn6およびΔmnn4の二重変異体は、この活性をさらに減少させることはない。これらの知見は、コアのグリカンにマンノシルリン酸を付加する、さらなるマンノシルトランスフェラーゼの存在を示唆する。
従って、MNN4の破壊、MNN6の破壊、または双方の組み合わせによる、S.cerevisiaeにおけるマンノシルリン酸化の減少にもかかわらず、マンノシルリン酸トランスフェラーゼ活性の完全な除去を可能とする証拠は存在しない。マンノシルリン酸のレベルに影響する他の遺伝子が、S.cerevisiaeにおいて同定された。これらの遺伝子としては、PMR1、VRG4、MNN2およびMNN5が挙げられる。PMR1は、ゴルジ体の正常な機能に必要な、ゴルジ局在性Ca2+/Mn2+−ATPaseをコードし(非特許文献9);Vrg4pは、ゴルジ内のヌクレオチド−糖の輸送に関与し(非特許文献10)、そして、Mnn2pおよびMnn5pは、N連結グリカンの外鎖における分枝の開始を引き起こす、a1,2−マンノシルトランスフェラーゼである(非特許文献11)。4つのタンパク質全てについて、N連結グリカンに連結するマンノシルリン酸基の減少は、マンノシルリン酸基のトランスフェラーゼ活性における特異的な欠損ではなく、むしろゴルジ機能不全の結果、または、N連結グリカンの大きさの減少であるようである。
メチロトローフ酵母であるPichia pastorisにて発現されるタンパク質は、マンノシルリン酸化グリカンを含む(非特許文献12)。Miuraらは、PNO1(Phosphorylmannosylation of N−linked Oligosaccharides)遺伝子の同定を報告し、その破壊は、糖タンパク質のマンノシルリン酸化の減弱化をもたらす(特許文献1;非特許文献13)。PNO1遺伝子は、P.pastorisにおいてグリカンへのマンノシルリン酸の転移に関与するタンパク質について、コードする。しかしながら、その具体的な機能は未知である。言及されるように、Δpno1変異体は、野生型Pno1pを有するP.pastoris株と比較して、N−グリカンのマンノシルリン酸化を減少させるが、完全に破壊はしない。
現在、真菌宿主において産生される糖タンパク質上のマンノシルリン酸化を除去する方法は存在しない。糖タンパク質上のマンノシルリン酸化の残存量はなお、免疫原性であり得て、従ってヒトの治療としての使用には望ましくない。
それゆえ、必要とされるのは、マンノシルリン酸化されたグリカンを実質的に含まない糖タンパク質を産生する、酵母または糸状菌に基づく発現系である。
国際公開第01/88143号パンフレット Kukuruzinskaら、Annu.Rev.Biochem.(1987)56:915−944 Ballou、Methods Enzymol.(1990) 185:440−470 RosenfeldおよびBallou、JBC (1974) 249:2319−2321 JigamiおよびOdani、Biochim.Biophys.Acta (1999) 1426:333−345 Lussierら、JBC (1997) 272:15527−15531 Wangら、JBC (1997) 272:18117−18124 Odaniら、Glycobiology (1996) 6:805−810 HunterおよびPlowman、Trends in Biochem.Sci.(1997) 22:18−22 AntebiおよびFink、Mol.Biol.Cell (1992) 3:633−654 Deanら、JBC (1997) 272:31908−31914 RaynerおよびMunro、JBC (1998) 273:23836−23843 Mieleら、Biotech.Appl Biochem.(1997) 2:79−83 Miuraら、Gene (2004) 324:129−137
(発明の要旨)
本発明は、酵母宿主または糸状菌宿主(例えば、P.pastoris)における、糖タンパク質のグリカン上のマンノシルリン酸残基を除去する方法を提供する。本発明はまた、マンノシルリン酸化された糖タンパク質、またはそのフラグメントを正常に産生する真菌宿主を提供し、ここで、この真菌宿主は、マンノシルリン酸残基を実質的に含まない糖タンパク質を産生するように、改変される。1つの実施形態において、本発明は、MNN4と相同的な1つ以上の遺伝子を欠く、ヌル変異体を提供する。好ましい実施形態において、本発明は、mnn4Bおよびpno1の破壊、欠失、または変異を含む、Pichia属の宿主を提供する。得られる宿主株は、糖タンパク質のグリカン上のマンノシルリン酸化を、実質的に含まない。
本発明はさらに、マンノシルリン酸化糖タンパク質を実質的に含まない、糖タンパク質組成物を提供する。このような糖タンパク質組成物は、治療的用途のために用いられ得る、複合体Nグリカンを含む。
本発明はまた、P.pastorisのMNN4A、MNN4B、およびMNNCのコード配列からなる群より選択される核酸配列;これらの配列の縮重改変体である核酸配列;ならびに、関連する核酸配列およびフラグメントを含むか、またはこれらの核酸配列からなる、単離されたポリヌクレオチドを提供する。本発明はまた、P.pastorisのMNN4A、MNN4B、およびMNN4Cによってコードされる配列からなる群より選択されるポリペプチド配列;関連するポリペプチド配列、フラグメント、ならびに融合を含むか、またはこれらのポリペプチド配列からなる、単離されたポリペプチドを提供する。本発明の単離されたポリペプチドに特異的に結合する抗体もまた、提供される。
本発明はまた、P.pastorisのMNN4A、MNN4B、およびMNNC遺伝子のコード配列からなる群より選択される核酸配列、P.pastorisのMNN4A、MNN4B、およびMNNC遺伝子のコード配列の縮重改変体である核酸配列、ならびに関連する核酸配列およびフラグメントの、破壊、欠失、または変異を含む宿主細胞を提供し、ここで、この宿主細胞は、この破壊、欠失、または変異を含まない宿主細胞と比較して、この核酸配列によってコードされるポリペプチドの活性を減少させる。
(発明の詳細な説明)
本明細書中で他に定義しない限り、本発明と関連して用いられる科学用語および技術用語は、当業者に広く理解される意味を有する。さらに、文脈から他に要求されない限り、単数形の語は複数形を含み、そして複数形の語は単数形を含む。通常、本明細書中で記載される、生化学、酵素学、分子生物学、および細胞生物学、微生物学、遺伝学、ならびにタンパク質および核酸の化学およびハイブリダイゼーションに関連して用いられる命名法、およびこれらの技術は、当該分野で周知のものであり、そして当該分野で広く用いられる。本発明の方法および技術は、当該分野で周知である従来の方法に従い、そして、他に示されない限り、本明細書の全体にわたって引用され、考察される種々の一般的な参考文献、およびより詳細な参考文献において記載されるように、一般に実施される。例えば、Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、N.Y.(1989);Ausubelら、Current Protocols in Molecular Biology、Greene Publishing Associates(1992、および2002に補遺);HarlowおよびLane、Antibodies:A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、N.Y.(1990);TaylorおよびDrickamer、Introduction to Glycobiology、Oxford Univ.Press(2003);Worthington Enzyme Manual、Worthington Biochemical Corp.、Freehold、NJ;Handbook of Biochemistry:Section A Proteins、第I巻、CRC Press(1976);Handbook of Biochemistry:Section A Proteins、第II巻、CRC Press(1976);Essentials of Glycobiology、Cold Spring Harbor Laboratory Press(1999)を参照のこと。
本明細書中で言及される、全ての刊行物、特許、および他の参考文献は、その全体が参考として本明細書中に援用される。
以下の用語は、他に示されない限り、以下の意味を有するものとして理解される:
用語「ポリヌクレオチド」または「核酸分子」とは、長さが少なくとも10塩基のヌクレオチドのポリマー形態をいう。この用語は、DNA分子(例えば、cDNA、あるいはゲノムDNAまたは合成DNA)、およびRNA分子(例えば、mRNAまたは合成RNA)、ならびに非天然のヌクレオチドアナログ、非天然のヌクレオシド間結合、またはその双方を含む、DNAアナログもしくはRNAアナログを含む。核酸は、任意の形態の構造であり得る。例えば、核酸は、単鎖であっても、二本鎖であっても、三本鎖であっても、四重であっても、部分的に二本鎖であっても、分枝していても、ヘアピンであっても、環状であってもよいか、またはパドロック(padlock)された高次構造であってもよい。
他に示さない限り、「配列番号Xを含む核酸」とは、核酸の少なくとも一部分が、(i)配列番号Xの配列、または(ii)配列番号Xに相補的な配列のいずれかを有する核酸をいう。この2つの間の選択は、文脈から決定される。例えば、核酸がプローブとして用いられる場合、この2つの間の選択は、このプローブが所望の標的と相補的であるという要求によって決定される。
「単離された」または「実質的に純粋な」核酸またはポリヌクレオチド(例えば、RNA、DNA、または混合ポリマー)は、天然の宿主細胞において、天然のポリヌクレオチドと天然に付随する、その他の細胞性成分(例えば、リボソーム、ポリメラーゼ、および、天然に付随されるゲノム配列)から、実質的に分離される核酸またはポリヌクレオチドである。この用語は、(1)天然に存在する環境から取り除かれた核酸またはポリヌクレオチド、(2)ポリヌクレオチドの全体または一部分が付随しない核酸またはポリヌクレオチドであって、ここで「単離されたポリヌクレオチド」が天然に見出され、(3)天然においては連結されないポリヌクレオチドに、作動的に連結された核酸またはポリヌクレオチド、あるいは(4)天然には存在しない核酸またはポリヌクレオチドを包含する。用語「単離された」または「実質的に純粋な」とはまた、組換えDNA単離体またはクローン化DNA単離体、化学的に合成されたポリヌクレオチドアナログ、あるいは、異種の系によって生物学的に合成された、ポリヌクレオチドアナログに関して用いられ得る。
しかしながら、「単離された」とは、そのように記載される核酸またはポリヌクレオチド自体が、その天然の環境から物理的に取り出されることを、必ずしも必要としない。例えば、生物体のゲノム内にある内因性の核酸配列は、この内因性の核酸配列の発現が変化するように、異種の配列がこの内因性の核酸配列に隣接して配置される場合、本明細書中において「単離された」と判断される。この状況において、異種の配列は、この異種の配列自体が内因性(同じ宿主細胞、またはその子孫由来)であろうと無かろうと、または外因性(異なる宿主細胞、またはその子孫由来)であろうと無かろうと、この内因性の核酸配列に天然には隣接しない配列である。例えば、プロモーター配列が、宿主細胞のゲノム中にある遺伝子の天然のプロモーターと(例えば、相同組換えによって)置換され得、その結果、この遺伝子は、変化された発現パターンを有する。ここで、この遺伝子は、天然にこの遺伝子と隣接する、配列のうちの少なくともいくつかから分離されるので、この遺伝子は「単離された」こととなる。
核酸はまた、ゲノム中の対応する核酸に対して天然に生じない、任意の改変を含む場合、「単離された」とみなされる。例えば、内因性のコード配列は、例えばヒトの介入によって、人工的に導入された挿入、欠失、または点変異を含む場合、「単離された」とみなされる。「単離された核酸」としてはまた、異種の部位における宿主細胞の染色体の中に組み込まれた核酸、およびエピソームとして存在する核酸構築物が挙げられる。さらに、「単離された核酸」は、その他の細胞性物質を実質的に含まなくてもよいか、または組換え技術によって産生される場合、培地を実質的に含まなくてもよいか、または化学的に合成される場合、化学的な前駆物質もしくは他の化学物質を実質的に含まなくてもよい。
本明細書中で用いられる場合、参照の核酸配列の語句「縮重改変体」とは、この参照の核酸配列から翻訳されるアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を提供するために、標準的な遺伝コードに従って翻訳され得る核酸配列を包含する。用語「縮重オリゴヌクレオチド」または「縮重プライマー」は、配列上において必ずしも同一ではないが、1つ以上の特定のセグメント内で互いに相同である、標的核酸配列とハイブリダイズし得る、オリゴヌクレオチドを示すために用いられる。
核酸配列の文脈において、用語「パーセント配列同一性(percent sequence identity)」または「同一の」とは、最大の対応について並べられる場合、同じである2つの配列内の残基をいう。配列同一性の比較の長さは、少なくとも約9ヌクレオチド、普通は少なくとも約20ヌクレオチド、より普通には、少なくとも約24ヌクレオチド、代表的には、少なくとも約28ヌクレオチド、より代表的には、少なくとも約32ヌクレオチド、そして好ましくは、少なくとも約36以上のヌクレオチドの範囲より長くなり得る。ヌクレオチド配列同一性を測定するために用いられ得る、当該分野で公知の多数の異なるアルゴリズムが存在する。例えば、ポリヌクレオチド配列は、FASTA、Gap、またはBestfitを用いて比較され得、これらは、Wisconsin Package Version 10.0、Genetics Computer Group(GCG)、Madison、Wisconsinにおけるプログラムである。FASTAは、照会配列と検索配列との間の、最高の重複領域のアラインメント、およびパーセント配列同一性を提供する。Pearson、Methods Enzymol.183:63−98(1990)(本明細書中にて、その全体が参考として援用される)。例えば、核酸配列間のパーセント配列同一性は、そのデフォルトのパラメーター(6のワードサイズ、およびスコアリングマトリックスとしてNOPAMファクター)を用いてFASTAを使って決定され得るか、またはGCG Version 6.1(本明細書中で、参考として援用される)において提供されるようなデフォルトのパラメーターを用いてGapを使って決定され得る。あるいは、配列は、コンピュータープログラムであるBLAST(Altschulら、J.Mol.Biol.215:403−410(1990);GishおよびStates、Nature Genet.3:266−272(1993);Maddenら、Meth.Enzymol.266:131−141(1996);Altschulら、Nucleic Acids Res.25:3389−3402(1997);ZhangおよびMadden、Genome Res.7:649−656(1997))、特にblastpまたはtblastn(Altschulら、Nucleic Acids Res.25:3389−3402(1997))を用いて比較され得る。
核酸またはそのフラグメントを言及する場合、用語「実質的な相同性」または「実質的な類似性」とは、別の核酸(または、その相補的な鎖)と、適切なヌクレオチドの挿入物または欠失物とを最適に並べるとき、上に記載したような、任意の周知の配列同一性のアルゴリズム(例えば、FASTA、BLAST、またはGap)によって測定した場合、少なくとも約50%、より好ましくは、ヌクレオチド塩基の60%、普通は、少なくとも約70%、より普通には、少なくとも約80%、好ましくは、少なくとも約90%、そしてより好ましくは、ヌクレオチド塩基の少なくとも約95%、96%、97%、98%、または99%において、ヌクレオチド配列の同一性が存在することを示す。
あるいは、核酸またはそのフラグメントが、別の核酸、別の核酸の1つの鎖、またはその相補鎖と、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズする場合、実質的な相同性または実質的な類似性が存在する。核酸ハイブリダイゼーション実験の文脈において、「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」および「ストリンジェントな洗浄条件」とは、多数の異なる物理的パラメーターに依存する。核酸ハイブリダイゼーションは、当業者によって容易に理解されるように、塩濃度、温度、溶媒、ハイブリダイズ種の塩基組成、相補領域の長さ、および、ハイブリダイズする核酸の間のヌクレオチド塩基のミスマッチの長さのような条件によって影響される。当業者は、ハイブリダイゼーションの特定のストリンジェンシーを達成するために、これらのパラメーターをいかに変化させるべきか知っている。
一般に、「ストリンジェントなハイブリダイゼーション」は、特定の条件の組において、特異的なDNAのハイブリッドのための温度融解点(T)より低い約25℃において、行われる。「ストリンジェントな洗浄」は、特定の条件の組において、特異的なDNAハイブリッドのためのTより低い、約5℃の温度において行われる。Tは、標的配列の50%が完全に一致したプローブにハイブリダイズする温度である。Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、N.Y.(1989)、第9.51頁(本明細書中で、参考として援用される)を参照のこと。本明細書における目的のための「ストリンジェントな条件」とは、液相ハイブリダイゼーションについては、6×SSC(ここで、20×SSCは、3.0MのNaClおよび0.3Mのクエン酸ナトリウムを含む)、1%のSDS中における65℃で8〜12時間の水性ハイブリダイゼーション(すなわち、ホルムアミドを含まない)、続いて、0.2×SSC、0.1%のSDS中における、65℃で20分間の2回の洗浄として定義される。65℃におけるハイブリダイゼーションは、ハイブリダイズする配列の長さおよびパーセント同一性を含む、多数の因子に依存して、異なる速度で起こることが、当業者に理解される。
本発明の核酸(ポリヌクレオチドとも呼ばれる)としては、RNA、cDNA、ゲノムDNA、および合成形態のセンス鎖およびアンチセンス鎖の双方、ならびに上記の混合ポリマーが挙げられ得る。これらは、当業者に容易に理解されるように、化学的に改変されても、生化学的に改変されてもよいか、または非天然のヌクレオチド塩基を含んでも、誘導体化されたヌクレオチド塩基を含んでもよい。このような改変としては、例えば、標識、メチル化、1つ以上の天然に存在するヌクレオチドのアナログによる置換、例えば、電荷を有さない連結(例えば、メチルホスホネート、ホスホトリエステル、ホスホラミデート、カルバメートなど)、電荷を有する連結(ホスホロチオエート、ホスホロジチオエートなど)、ぶら下がった(pendent)部分(例えば、ポリペプチド)、インターカレーター(例えば、アクリジン、ソラレンなど)、キレーター、アルキレーター(alkylator)、および改変された連結(例えば、αアノマーの核酸など)のようなヌクレオチド間の改変が挙げられる。また、水素結合および他の化学的相互作用を介して、設計された配列に結合する能力において、ポリヌクレオチドを模倣する合成分子も挙げられる。このような分子は当該分野で公知であり、そして、例えば、分子の骨格において、ペプチド連結がリン酸結合を置換する分子が挙げられる。他の改変としては、例えば、リボース環が、架橋部分、または「ロックされた(locked)」核酸に見受けられる改変のような他の構造を含むアナログが挙げられ得る。
用語「変異の」とは、核酸配列に適用される場合、参照の核酸配列と比較して、挿入、欠失、または変化され得る核酸配列におけるヌクレオチドを意味する。単一の変化が、1つの遺伝子座においてなされてもよいか(点変異)、または、複数のヌクレオチドが、単一の遺伝子座において挿入、欠失、もしくは変化されてもよい。さらに、1つの核酸配列内における任意の数の遺伝子座において、1つ以上の変化がなされ得る。核酸配列は、当該分野で公知である、任意の方法によって変異され得、これらの方法としては、「エラープローンPCR(error−prone PCR)」(PCR産物の全長に沿って、高い割合で点変異が得られるように、DNAポリメラーゼのコピーフィデリティーが低い条件下で、PCRを行う方法;例えば、Leungら、Technique、1:11−15(1989)、ならびに、CaldwellおよびJoyce、PCR Methods Applic.2:28−33(1992)を参照のこと);および、「オリゴヌクレオチド指向性変異(oligonucleotide−directed mutagenesis)」(目的の任意のクローン化DNAセグメントのものにおける、部位特異的変異の生成を可能にする方法;例えば、Reidhaar−OlsonおよびSauer、Science 241:53−57(1988)を参照のこと)のような、変異技術が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書中で用いられる場合、用語「ベクター」は、連結される別の核酸を輸送し得る核酸分子をいうことを意図される。ベクターの1つの型は「プラスミド」であり、これは、その中にさらなるDNAセグメントが結合され得る環状の二重鎖DNAループをいう。他のベクターとしては、コスミド、細菌人工染色体(BAC)、および酵母人工染色体(YAC)が挙げられる。ベクターの別の型はウイルスベクターであり、ここで、さらなるDNAセグメントがウイルスゲノムの中に結合され得る(以下でより詳細に考察される)。特定のベクターは、導入された宿主細胞内において、自律的に複製し得る(例えば、宿主細胞内で機能する複製起点を有するベクター)。他のベクターは、宿主細胞への導入に際して、宿主細胞のゲノム中に組み込まれ得、そしてそれによって、宿主のゲノムと共に複製され得る。さらに、特定の好ましいベクターは、作動可能に連結される遺伝子の発現を方向付け得る。このようなベクターは、本明細書中で、「組換え発現ベクター」(または、単に「発現ベクター」)と呼ばれる。
用語「マーカー配列」または「マーカー遺伝子」とは、核酸配列であって、宿主細胞中におけるその配列の存在または非存在について、ポジティブな選抜またはネガティブな選抜のいずれかを可能にする、活性を発現し得る、核酸配列をいう。例えば、P.pastoris URA5遺伝子は、この遺伝子を含む細胞の、ウラシルの非存在下における増殖能力によって、その存在が選抜され得るので、マーカー遺伝子である。その存在はまた、この遺伝子を含む細胞の、5−FOAの存在下における増殖不能性によっても、選抜され得る。マーカー配列またはマーカー遺伝子は、必ずしも、ポジティブな選択可能性およびネガティブな選択可能性の双方を示す必要は無い。P.pastoris由来の、マーカー配列またはマーカー遺伝子の非限定的な例としては、ADE1、ARG4、HIS4、およびURA3が挙げられる。
「作動可能に連結された」発現制御配列とは、目的の遺伝子を制御するために、その発現制御配列が、目的の遺伝子と隣接する連結、および、目的の遺伝子を制御するために、トランスに作用するか、または距離を置いて作用する発現制御配列をいう。
本明細書中で用いる場合、用語「発現制御配列」とは、ポリヌクレオチド配列であって、このポリヌクレオチド配列が作動可能に連結されたコード配列の発現に影響するために必要な、ポリヌクレオチド配列をいう。発現制御配列は、核酸配列の転写、転写後の事象、および翻訳を制御する配列である。発現制御配列としては、適切な転写開始配列、転写終結配列、プロモーター配列、およびエンハンサー配列;スプライシングシグナルおよびポリアデニル化シグナルのような、有効なRNAプロセシングのシグナル;細胞質性mRNAを安定化させる配列;翻訳効率を亢進させる配列(例えば、リボソーム結合部位);タンパク質安定性を亢進する配列;ならびに、所望される場合、タンパク質分泌を亢進する配列が挙げられる。このような制御配列の性質は、宿主生物体に依存して異なり;原核生物では、このような制御配列としては一般に、プロモーター、リボソーム結合部位、および転写終結配列が挙げられる。用語「制御配列」とは、少なくとも、その存在が発現にとって必須である全ての構成要素を含むことが意図され、そして、その発現が有利である、付加的な構成要素(例えば、リーダー配列および融合相手の配列)をも含み得る。
本明細書中で用いられる場合、用語「組換え宿主細胞」(または単に「宿主細胞」)とは、組換えベクターが導入される細胞をいうことが意図される。このような用語は、特定の対象の細胞だけでなく、このような細胞の子孫もいうことを意図されることが、理解されるべきである。変異または環境的影響のいずれかによって、次世代において特定の改変が起こるので、実際には、このような子孫は、親の細胞と同一ではあり得ないが、本明細書中で用いられる場合、用語「宿主細胞」の範囲内になお含まれる。組換え宿主細胞は、単離された細胞であっても、培養液中で増殖された細胞株であってもよく、あるいは、生きている組織または生物体に存在する細胞であってもよい。
本明細書中で用いられる場合、用語「ペプチド」とは、短いポリペプチド(例えば、代表的には、約50アミノ酸長未満であり、より代表的には、約30アミノ酸長未満であるポリペプチド)をいう。本明細書中で用いられる場合、この用語は、構造的に模倣し、従って生物学的機能を模倣する、アナログおよび模倣物を包含する。
用語「ポリペプチド」とは、天然に存在するタンパク質、および天然に存在しないタンパク質の双方、ならびにそのフラグメント、変異体、誘導体、およびアナログを包含する。ポリペプチドは、モノマー性であってもポリマー性であってもよい。さらに、ポリペプチドは、多数の異なるドメインを含み得、そのそれぞれが1つ以上の異なる活性を有する。
用語「単離されたタンパク質」または「単離されたポリペプチド」とは、タンパク質またはポリペプチドであって、その起源、または誘導の源の効力によって、(1)その天然の状態において付随している天然に会合する構成要素と会合しない、(2)天然には見受けられない純粋さで存在し、この純粋さは他の細胞性物質の存在について判断される(例えば、同じ種に由来する他のタンパク質を含まない)、(3)異なる種に由来する細胞によって発現される、または、(4)天然に存在しない(例えば、天然に見受けられるポリペプチドのフラグメントであるか、もしくは天然に見受けられないアミノ酸アナログまたはアミノ酸誘導体、あるいは、標準のペプチド結合以外の連結を含む)タンパク質またはポリペプチドである。従って、化学的に合成されたポリペプチド、または、天然に由来する細胞とは異なる細胞系において合成されたポリペプチドは、天然に会合する構成要素から「単離されて」いる。ポリペプチドまたはタンパク質はまた、当該分野で周知のタンパク質精製技術を用いた単離によって、天然に会合する構成要素を実質的に含まなくされ得る。このように定義されるので、「単離された」とは、そのように記載されるタンパク質、ポリペプチド、ペプチド、またはオリゴペプチドが、その天然の環境から物理的に取り出されることを、必ずしも必要としない。
本明細書中で用いられる場合、用語「ポリペプチドフラグメント」とは、欠失(例えば、全長ポリペプチドと比較して、アミノ末端欠失および/またはカルボキシ末端欠失)を有するポリペプチドをいう。好ましい実施形態において、ポリペプチドフラグメントは、そのフラグメントのアミノ酸配列が、天然に存在する配列中の対応する部位と同一である隣接した配列である。フラグメントは代表的には、少なくとも5アミノ酸長、少なくとも6アミノ酸長、少なくとも7アミノ酸長、少なくとも8アミノ酸長、少なくとも9アミノ酸長、または少なくとも10アミノ酸長であり、好ましくは、少なくとも12アミノ酸長、少なくとも14アミノ酸長、少なくとも16アミノ酸長、または少なくとも18アミノ酸長であり、より好ましくは、少なくとも20アミノ酸長であり、より好ましくは、少なくとも25アミノ酸長、少なくとも30アミノ酸長、少なくとも35アミノ酸長、少なくとも40アミノ酸長、または少なくとも45アミノ酸長であり、なおより好ましくは、少なくとも50アミノ酸長、または少なくとも60アミノ酸長であり、そしてなおより好ましくは、少なくとも70アミノ酸長である。
「改変された誘導体」とは、一次構造配列においては実質的に相同的であるが、例えば、インビボまたはインビトロの化学的改変および生化学的改変を含むか、あるいは、天然のポリペプチドにおいては見受けられないアミノ酸を取り込んだ、ポリペプチドまたはそのフラグメントをいう。このような改変としては、例えば、アセチル化、カルボキシル化、リン酸化、グリコシル化、ユビキチン化、標識(例えば、放射性各種による)、および種々の酵素的改変が挙げられ、当業者によって容易に理解される。ポリペプチド標識のための種々の方法、およびこのような目的に有用な種々の置換基または標識は、当該分野で周知であり、そしてこれらとしては、放射性同位体(例えば、125I、32P、35S、およびH)、標識された抗リガンド(antiligand)(例えば、抗体)に結合するリガンド、フルオロフォア、化学発光因子、酵素、および、標識されたリガンドに対する、特異的な対合メンバーとして役に立ち得る、抗リガンドが挙げられる。標識の選択は、所望される感受性、プライマーとの結合体化の容易さ、所望される安定性、および使用可能な器具に依存する。ポリペプチドの標識の方法は、当該分野で周知である。例えば、Ausubelら、Current Protocols in Molecular Biology、Greene Publishing Associates(1992、および2002に補遺)(本明細書中で参考として援用される)を参照のこと。
用語「融合タンパク質」とは、異質なアミノ酸配列と連結する、ポリペプチドまたはフラグメントを含むポリペプチドをいう。融合タンパク質は、2つ以上の異なるタンパク質に由来する、2つ以上の所望の機能的な要素を含むように作製され得るので、有用である。融合タンパク質は、目的のポリペプチドに由来する、少なくとも10の隣接したアミノ酸、より好ましくは、少なくとも20アミノ酸または少なくとも30アミノ酸、なおより好ましくは、少なくとも40アミノ酸、少なくとも50アミノ酸、または少なくとも60アミノ酸、さらにより好ましくは、少なくとも75アミノ酸、少なくとも100アミノ酸、または少なくとも125アミノ酸を含む。本発明のタンパク質の全体を含む融合は、著しい有用性を有する。本発明の融合タンパク質内に含まれる、異質なポリペプチドは、長さが少なくとも6アミノ酸であり、しばしば、長さが少なくとも8アミノ酸であり、そして有用には、長さが少なくとも15アミノ酸、20アミノ酸、および25アミノ酸である。より大きなポリペプチド(例えば、IgGFc領域)、およびタンパク質全体(例えば、緑色蛍光タンパク質(「GFP」)発色団含有タンパク質)さえ含む融合は、著しい有用性を有する。融合タンパク質は、異なるタンパク質またはペプチドをコードする核酸配列を有し、ポリペプチドまたはそのフラグメントをインフレームでコードする核酸配列を作製する工程、次いでこの融合タンパク質を発現する工程によって、組換えて産生され得る。あるいは、融合タンパク質は、ポリペプチドまたはそのフラグメントを、別のタンパク質と架橋することによって、化学的に産生され得る。
用語「非ペプチドアナログ」とは、参照のポリペプチドの性質と類似した性質を有する化合物をいう。非ペプチド化合物はまた、「ペプチド模倣物(peptide mimetic)」または「ペプチド模倣物(peptidomimetic)」とも呼ばれ得る。例えば、Jones、Amino Acid and Peptide Synthesis、Oxford University Press(1992);Jung、Combinatorial Peptide and Nonpeptide Libraries:A Handbook、John Wiley(1997);Bodanszkyら、Peptide Chemistry−A Practical Textbook、Springer Verlag(1993);Synthetic Peptides:A Users Guide(Grant編、W.H.Freeman and Co.、1992);Evansら、J.Med.Chem.30:1229(1987);Fauchere、J.Adv.Drug Res.15:29(1986);VeberおよびFreidinger、Trends Neurosci.、8:392−396(1985);および上記のそれぞれで引用される参考文献を参照のこと。これらは本明細書中で、参考として援用される。このような化合物は、しばしば、コンピューター処理された分子モデリングの助けにより、開発される。本発明の有用なペプチドに、構造的に類似するペプチド模倣物は、相当する効果を生じ、それゆえ、本発明の部分となるように想像されるように、用いられ得る。
「ポリペプチド変異体」または「ムテイン(mutein)」とは、天然のタンパク質または野生型のタンパク質のアミノ酸配列と比較して、1つ以上のアミノ酸の挿入、重複、欠失、転位、または置換を含む配列を有するポリペプチドをいう。ムテインは、一つの位置における単一のアミノ酸が、別のアミノ酸と変換される、1つ以上のアミノ酸点置換、天然に存在するタンパク質の配列において、1つ以上のアミノ酸が挿入または欠失される、それぞれ1つ以上の挿入および/または欠失、ならびに/あるいは、アミノ末端またはカルボキシ末端のいずれかまたは双方における、アミノ酸配列の切断を有し得る。ムテインは、天然に存在するタンパク質と比較して同じ生物学的活性を有し得るが、好ましくは、異なる生物学的活性を有する。
ムテインは、その野生型の対照と、少なくとも50%の全体的な配列相同性を有する。なおより好ましくは、ムテインは、野生型タンパク質と、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、または少なくとも90%の、全体的な配列相同性を有する。なおより好ましい実施形態において、ムテインは、少なくとも95%の配列同一性を示し、なおより好ましくは、98%の全体的な配列同一性、なおより好ましくは99%の全体的な配列同一性、および、なおより好ましくは99.9%の全体的な配列同一性を示す。配列相同性は、任意の通常の配列解析アルゴリズム(例えば、GapまたはBestfit)によって測定され得る。
アミノ酸置換は、(1)タンパク質分解への感受性を減少させる、(2)酸化への感受性を減少させる、(3)タンパク質複合体を形成するための結合親和性を変化させる、(4)結合親和性または酵素学的活性を変化させる、そして(5)このようなアナログの、他の物理化学的性質または機能的性質を与える、または改変するようなアミノ酸置換を含み得る。
本明細書中で用いられる場合、20種の通常のアミノ酸、およびその略語は、通常の用法に従う。ImmunologyA Synthesis(GolubおよびGren編、Sinauer Associates、Sunderland、Mass.、第2版、1991)を参照のこと(これは、本明細書中で参考として援用される)。20種の通常のアミノ酸の立体異性体(例えば、Dアミノ酸)、異常なアミノ酸(例えば、a−,a−二置換のアミノ酸)、Nアルキルアミノ酸、および他の通常でないアミノ酸もまた、本発明のポリペプチドに適切な構成要素であり得る。通常でないアミノ酸の例としては:4ヒドロキシプロリン、γ−カルボキシグルタミン酸、e−N,N,Nトリメチルリジン、e−アセチルリジン、Oホスホセリン、Nアセチルセリン、Nホルミルメチオニン、3メチルヒスチジン、5ヒドロキシリジン、Nメチルアルギニン、ならびに、他の類似のアミノ酸、およびイミノ酸(例えば、4ヒドロキシプロリン)が挙げられる。本明細書中で用いられるポリペプチドの表記法においては、標準の用法および慣習に従って、左末端はアミノ末端に対応し、右末端はカルボキシ末端に対応する。
タンパク質をコードする核酸配列が、第二のタンパク質をコードする核酸配列と類似した配列を有する場合、このタンパク質は第二のタンパク質と、「相同性」を有するか、または「相同」である。あるいは、2つのタンパク質が「類似した」アミノ酸配列を有する場合、このタンパク質は第二のタンパク質と相同性を有する。(従って、用語「相同タンパク質」とは、2つのタンパク質が類似したアミノ酸配列を有することを意味するように定義される。)好ましい実施形態において、相同タンパク質は、野生型タンパク質と少なくとも65%の配列相同性を示すタンパク質であり、より好ましいのは、少なくとも70%の配列相同性である。なおより好ましいのは、野生型タンパク質と、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、または少なくとも90%の配列相同性を示す、相同タンパク質である。さらにより好ましい実施形態において、相同タンパク質は、少なくとも95%の配列同一性、少なくとも98%の配列同一性、少なくとも99%の配列同一性、または少なくとも99.9%の配列同一性を示す。本明細書中で用いられる場合、アミノ酸配列の2つの領域の間の相同性(特に、予測される構造的類似性に関する)は、機能における類似性を示ものとして、解釈される。
「相同な」が、タンパク質またはペプチドに関して用いられる場合、同一でない残基位置は、しばしば、保存的なアミノ酸置換によって異なるものと認識される。「保存的なアミノ酸置換」とは、あるアミノ酸残基が、類似した化学的性質(例えば、電荷または疎水性)を有する側鎖(R基)を有する、別のアミノ酸によって置換される、アミノ酸置換である。一般に、保存的なアミノ酸置換は、タンパク質の機能的性質を、実質的に変化させない。2つ以上のアミノ酸配列が、保存的置換によって、互いに異なる場合において、パーセント配列同一性(percent sequence identity)または相同性の度合いは、この置換の保存的な性質について矯正するように、上方に調整され得る。この調整をなすための方法は、当業者にとって周知である。例えば、Pearson、1994、Methods Mol.Biol.24:307−31、および25:365−89を参照のこと(本明細書中で、参考として援用される)。
以下の6つの群はそれぞれ、互いにとって保存的な置換であるアミノ酸を含む:1)セリン(S)、トレオニン(T);2)アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E);3)アスパラギン(N)、グルタミン(Q);4)アルギニン(R)、リジン(K);5)イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、アラニン(A)、バリン(V)、および6)フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、トリプトファン(W)。
ポリペプチドの配列相同性は、パーセント配列同一性としても呼ばれるが、代表的には、配列解析ソフトウェアを用いて測定される。例えば、Genetics Computer Group(GCG)のSequence Analysis Software Package、University of Wisconsin Biotechnology Center、910 University Avenue、Madison、Wisconsin 53705を参照のこと。タンパク質解析ソフトウェアは、種々の置換、欠失、および、保存的なアミノ酸置換を含む他の改変に起因する相同性の測定を用いて、類似配列をマッチさせる。例えばGCGは、例えば、異なる生物種に由来する相同なポリペプチド、または野生型タンパク質と、そのムテインの間のような、密接に関連したポリペプチドの間の配列相同性または配列同一性を決定するために、デフォルトのパラメーターを用いて使用され得る、例えば「Gap」および「Bestfit」のようなプログラムを含む。例えば、GCG Version 6.1を参照のこと。
特定のポリペプチド配列を、異なる生物体に由来する多数の配列を含むデータベースと比較する場合に、好ましいアルゴリズムは、BLASTコンピュータープログラム(Altschulら、J.Mol.Biol.215:403−410(1990);GishおよびStates、Nature Genet.3:266−272(1993);Maddenら、Meth.Enzymol.266:131−141(1996);Altschulら、Nucleic Acids Res.25:3389−3402(1997);ZhangおよびMadden、Genome Res.7:649−656(1997))であり、特にblastpまたはtblastn(Altschulら、Nucleic Acids Res.25:3389−3402(1997))である。
BLASTpの好ましいパラメーターは、以下の通りである:
期待値:10(デフォルト);フィルター:seg(デフォルト);ギャップを開けるためのコスト:11(デフォルト);ギャップを広げるためのコスト:1(デフォルト);最大アラインメント:100(デフォルト);ワードサイズ:11(デフォルト);記載数:100(デフォルト);ペナルティーマトリックス:BLOWSUM62。
相同性について比較されるポリペプチド配列の長さは、一般に、少なくとも約16アミノ酸残基であり、普通は、少なくとも約20残基であり、より普通には、少なくとも約24残基であり、代表的には、少なくとも約28残基であり、そして好ましくは、約35残基より多い。多数の異なる生物体に由来する配列を含むデータベースを検索する場合、アミノ酸配列を比較することが好ましい。アミノ酸配列を用いるデータベース検索は、当該分野で公知であるblastp以外のアルゴリズムによって、測定され得る。例えば、ポリペプチド配列は、GCG Version 6.1に含まれるプログラムである、FASTAを用いて比較され得る。FASTAは、照会配列と検索配列との間の最高の重複領域の、アラインメントおよびパーセント配列同一性を提供する。Pearson、Methods Enzymol.183:63−98(1990)(本明細書中で、参考として援用される)。例えば、アミノ酸配列間のパーセント配列同一性は、本明細書中で参考として援用される、GCG Version 6.1において提供されるような、デフォルトのパラメーター(ワードサイズは2、そしてPAM250のスコア付けマトリックス)を用いたFASTAを使用して、決定され得る。
本明細書中で用いられる場合、用語「領域」とは、生体分子の一次構造の、物理的に隣接する部分をいう。タンパク質の場合、領域は、そのタンパク質のアミノ酸配列の隣接する部分によって定義される。
本明細書中で用いられる場合、用語「ドメイン」とは、生体分子の、公知の機能または疑わしい機能に寄与する、その生体分子の構造をいう。ドメインは、領域またはその部分と同一の広がりを持ち得;ドメインはまた、生体分子の、異なる、隣接しない領域を含み得る。タンパク質ドメインの例としては、Igドメイン、細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、および細胞質性ドメインが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書中で用いられる場合、用語「分子」とは、任意の化合物を意味し、この化合物としては、低分子、ペプチド、タンパク質、糖、ヌクレオチド、核酸、脂質などが挙げられるが、これらに限定されず、そして、このような化合物は天然であっても合成的であってもよい。
マンノシルリン酸化に関して用いられる場合、用語「除去」とは、規定された設定におけるHPLCを用いて、明らかに検出可能なマンノシルリン酸残基を示さない、マンノシルリン酸化グリカンの検出レベルをいう。
他に定義しない限り、本明細書中で用いられる全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する分野における当業者に、通常理解されるものと同じ意味を有する。本明細書中に記載される方法および材料と、類似する、または同質な方法および材料がまた、本発明の実行にあたって用いられ得、そして当業者にとって明らかであるが、例示的な方法および材料が、以下に記載される。本明細書中で言及される全ての刊行物、および他の参考文献は、その全体が参考として援用される。相容れない場合、定義を含む本明細書が、対照標準である。材料、方法、および実施例は例示的なものでのみあり、そして限定することを意図しない。
(糖タンパク質上のマンノシルリン酸化を欠く、真菌宿主系統の産生方法)
本発明は、マンノシルリン酸化を有する糖タンパク質を正常に産生する、酵母宿主細胞または糸状菌宿主細胞において、糖タンパク質のグリカンへのマンノシルリン酸の転移を除去する方法を提供する。1つの実施形態において、マンノシルリン酸化を有する糖タンパク質を正常に産生する、酵母宿主細胞または糸状菌宿主細胞が、糖タンパク質上のグリカンにおけるマンノシルリン酸化が実質的に無くなるように、操作(engineer)される。別の実施形態において、この真菌宿主は一般的に、マンノシルリン酸トランスフェラーゼに関与するタンパク質をコードする、少なくとも1つの遺伝子を破壊、減弱化、または突然変異するように、改変される。好ましくは、この方法は、MNN4A、MNN4B、MNN4C、およびPNO1から選択される1つ以上の遺伝子の破壊、減弱化、または突然変異に関与する。
マンノシルリン酸トランスフェラーゼをコードする公知の遺伝子を用いて、P.pastorisにおけるマンノシルリン酸トランスフェラーゼをコードする、新規の遺伝子を単離した。S.cerevisiae由来のMNN4遺伝子配列(Genbank登録番号P36044)を、P.pastorisのゲノム(Integrated Genomics、Chicago、IL)に対して、ブラスト検索(blast)した。この検索の結果、PNO1遺伝子に加えて、過去には未知であった3つのORFを同定した。これらの3つのORFを、MNN4A(配列番号1)、MNN4B(配列番号3)、およびMNN4C(配列番号1)として名付けた。これらのORFを増幅し、続いて配列決定して、そしてそれぞれ図1〜図3に示す(実施例1)。MNN4A(配列番号2)、MNN4B(配列番号4)、MNN4C(配列番号6)についてコードされたアミノ酸をまた、図1〜図3に示す。
(核酸配列)
1つの局面において、本発明は、配列番号1と少なくとも50%の同一性を有する、P.pastorisのMNN4A遺伝子の改変体である配列を含む、またはこの配列からなる核酸分子を提供する。この核酸配列は、好ましくは、野生型遺伝子と少なくとも65%の同一性、少なくとも70%の同一性、少なくとも75%の同一性、または少なくとも80%の同一性を有し得る。なおより好ましくは、この核酸配列は、配列番号1と、85%の同一性、90%の同一性、95%の同一性、98%の同一性、99%の同一性、99.9%の同一性、またはなおより高い同一性を有し得る。本発明はまた、配列番号2と少なくとも50%の同一性を有する、P.pastorisのMNN4A遺伝子の改変体である配列を含む、またはこの配列からなるポリペプチドを提供する。このアミノ酸配列は、好ましくは、野生型遺伝子と少なくとも65%の同一性、少なくとも70%の同一性、少なくとも75%の同一性、または少なくとも80%の同一性を有し得る。なおより好ましくは、このアミノ酸配列は、配列番号2と、85%の同一性、90%の同一性、95%の同一性、98%の同一性、99%の同一性、99.9%の同一性、またはなおより高い同一性を有し得る。
別の実施形態において、P.pastorisのMNN4B遺伝子は、酵母菌株における糖タンパク質のグリカンへのマンノシルリン酸転移の除去に、特に有用である。本発明は、配列番号3と少なくとも50%の同一性を有する、P.pastorisのMNN4B遺伝子の改変体である配列を含む、またはこの配列からなる核酸分子を提供する。この核酸配列は、好ましくは、野生型遺伝子と少なくとも65%の同一性、少なくとも70%の同一性、少なくとも75%の同一性、または少なくとも80%の同一性を有し得る。なおより好ましくは、この核酸配列は、配列番号3と、85%の同一性、90%の同一性、95%の同一性、98%の同一性、99%の同一性、99.9%の同一性、またはなおより高い同一性を有し得る。本発明はまた、配列番号4と少なくとも50%の同一性を有する、P.pastorisのMNN4B遺伝子の改変体である配列を含む、またはこの配列からなるポリペプチドを提供する。このアミノ酸配列は、好ましくは、野生型遺伝子と少なくとも65%の同一性、少なくとも70%の同一性、少なくとも75%の同一性、または少なくとも80%の同一性を有し得る。なおより好ましくは、このアミノ酸配列は、配列番号4と、85%の同一性、90%の同一性、95%の同一性、98%の同一性、99%の同一性、99.9%の同一性、またはなおより高い同一性を有し得る。
さらに別の実施形態において、本発明は、配列番号5と少なくとも50%の同一性を有する、P.pastorisのMNN4C遺伝子の改変体である配列を含む、またはこの配列からなる核酸分子を提供する。この核酸配列は、好ましくは、野生型遺伝子と少なくとも65%の同一性、少なくとも70%の同一性、少なくとも75%の同一性、または少なくとも80%の同一性を有し得る。なおより好ましくは、この核酸配列は、配列番号5と、85%の同一性、90%の同一性、95%の同一性、98%の同一性、99%の同一性、99.9%の同一性、またはなおより高い同一性を有し得る。本発明はまた、配列番号6と少なくとも50%の同一性を有する、P.pastorisのMNN4C遺伝子の改変体である配列を含む、またはこの配列からなるポリペプチドを提供する。このアミノ酸配列は、好ましくは、野生型遺伝子と少なくとも65%の同一性、少なくとも70%の同一性、少なくとも75%の同一性、または少なくとも80%の同一性を有し得る。なおより好ましくは、このアミノ酸配列は、配列番号6と、85%の同一性、90%の同一性、95%の同一性、98%の同一性、99%の同一性、99.9%の同一性、またはなおより高い同一性を有し得る。
また提供されるのは、本発明の、上記の核酸分子を含む、発現ベクターおよびノックアウトベクターを含む、ベクターである。MNN4A、MNN4B、またはMNN4Cを含むノックアウトベクターは、MNN4A遺伝子座、MNN4B遺伝子座、またはMNN4C遺伝子座を破壊するために用いられ得る。あるいは、薬物耐性マーカーまたは栄養要求性マーカーを含む、組み込みベクターが、MNN4遺伝子座を破壊するために用いられる。
(マンノシルリン酸化遺伝子のノックアウトの組み合わせ)
3つの新たに同定されたP.Pastorisの遺伝子、MNN4A、MNN4B、MNN4Cのそれぞれが、マンノシルリン酸化における効果を決定するために、図4に示されるPCR重複戦略を用いて、破壊される。個々のΔmnn4A突然変異体、Δmnn4B突然変異体、およびΔmnn4C突然変異体は、ヒトプラスミノーゲンのクリングル3ドメイン(K3)タンパク質のグリカンへの、マンノシルリン酸化転移活性において、有意な減少を示さなかったが、一方で、Δpno1突然変異体(YSH−49)が、マンノシルリン酸化転移における減弱のみを示したものの(6%までの減少(図5C))、Miuraら(国際公開第01/88143号)において過去に記載されたレベルまでではなかった。異なる糖タンパク質は、同じ宿主細胞内において、異なる度合いおよび型のグリコシル化を示すと、仮定されている(Montesinoら、1998、Prot.Expr.Purif.14:197−207)。本発明の1つの実施形態において、ヌル突然変異の組み合わせが構築され、その1つである、P.pastorisにおけるΔpno Δmnn4bの二重突然変異体(double mutant)は、結果として、K3レポータータンパク質のグリカン上における、検出不可能なレベルのマンノシルリン酸化を生じた(図5D)。同様に、P.pastorisにおけるΔpno1 Δmnn4bの二重突然変異体によって産生される他の糖タンパク質(例えば、CD40およびインベルターゼ)もまた、結果として、マンノシルリン酸化の欠失を生じた。それゆえ、この二重突然変異体は、グリカン上にマンノシルリン酸化を有しない、種々の目的の糖タンパク質を産生する。従って、宿主(例えば、Pichia種)における糖タンパク質のグリカン上の、マンノシルリン酸残基の転移に関与する遺伝子の組み合わせを破壊する方法が提供される。好ましくは、この組み合わせは、MNN4BおよびPNO1の破壊を含む。
P.pastorisのMNN4B遺伝子座単独の破壊の場合は、グリカン上のマンノシルリン酸化が除去されないので、マンノシルリン酸化遺伝子の組み合わせが破壊される。好ましい実施形態において、MNN4B遺伝子座の破壊は、少なくとも1つの、マンノシルリン酸転移に関与する第二の遺伝子(例えば、MNN4A、MNN4B、MNN4C、またはPNO1)と組み合わせられる。この場合、好ましくは、この第二の遺伝子は、P.pastorisのPNO1遺伝子(Genbank登録番号BD105434)である。当業者は、オリゴ糖合成に関与する任意の遺伝子、またはそのフラグメントを、破壊されたMNN4Bまたは突然変異されたMNN4Bと組み合わせて、破壊しても、突然変異してもよいことが企図され、このことは結果として、他の真菌宿主におけるグリカンへのマンノシルリン酸転移の除去を生じる。
別の実施形態において、マンノシルリン酸転移活性が既に減弱化された宿主(例えば、P.pastoris)において、MNN4Bをコードする遺伝子(配列番号3)を破壊するための方法が提供される。さらに、他のPichia種におけるグリカンへのマンノシルリン酸転移の除去が、MNN4A、MNN4B、MNN4C、またはPNO1と相同性を有する遺伝子の任意の組み合わせを、破壊することまたは突然変異することに関与することが、企図される。
本発明のさらに別の局面において、新たに同定された、P.pastorisの3つの遺伝子、MNN4A、MNN4B、MNN4Cのそれぞれを、遺伝子ノックアウトの任意の組み合わせが、この突然変異系統において発現される糖タンパク質の、マンノシルリン酸化に効果を有するかどうかを決定するために、実施例3に記載される、融合ノックアウト戦略を用いて、破壊した。PCR重複ノックアウト戦略(図4)のように、個々のΔmnn4A突然変異体、Δmnn4B突然変異体、およびΔmnn4C突然変異体は、ヒトプラスミノーゲンのクリングル3ドメイン(K3)タンパク質のグリカンにおける、マンノシルリン酸化転移活性の減少を示さなかった(データは示さず)。しかしながら、Δpno1 Δmnn4bの二重ヌル突然変異体(YAS174)において発現されたK3レポータータンパク質は、実質的にいかなるマンノシルリン酸化も含まない(図6C、図6Aおよび図6Bと比較せよ)。20分〜30分の間の、マンノシルリン酸化グリカンの非存在に注目されたい。
(異種糖タンパク質発現系)
酵母および糸状菌において、異種糖タンパク質を発現するための、確立された技術を用いて、治療的糖タンパク質をコードする遺伝子が発現される。真菌組換えタンパク質発現系は、代表的には、プロモーター(例えば、AOXI、AOX2、または他の誘導性プロモーター)、転写終結因子(例えば、CYC)、選択可能なマーカー(例えば、URA3、URA5、G418、ADE1、ARG4、HIS4、Zeocin)、および分泌シグナル(例えば、S.cerevisiae MF)を含み得る。1つの実施形態において、この発現系は、少なくともmnn4B突然変異体であるように、改変される。好ましくは、糖タンパク質は、少なくともΔmnn4Bを有するP.pastorisにおいて産生される。
目的の糖タンパク質は、本明細書中に開示される方法の使用を通じる、任意の手段によって産生され得る。糖タンパク質産生は、細胞内区画中の蓄積、または細胞から培養液の上清への分泌を含む、宿主細胞における任意の手段によって提供され得る。本発明の宿主細胞は、当該分野で公知の、または企図される任意の手段を用いて、増殖されても、培養されてもよく、このような手段としては、細菌培養管、フラスコ、ローラーボトル(roller bottle)、振盪フラスコ、または発酵槽内での増殖が挙げられるが、これらに限定されない。糖タンパク質産物の単離および/または精製は、当該分野で公知の、または企図される任意の手段(例えば、分画、イオン交換、ゲル濾過、疎水性クロマトグラフィー、およびアフィニティクロマトグラフィー)によって行われ得る。糖タンパク質の産生および精製の例は、実施例7に開示される。
本明細書中に記載される方法を用いる、マンノシルリン酸化グリカンを含まずに発現される糖タンパク質としては:エリスロポエチン、サイトカイン(例えば、インターフェロン−α、インターフェロン−β、インターフェロン−γ、インターフェロン−ω、TNF−、顆粒球−CSF、GM−CSF、インターロイキン(例えば、IL−1ra))、凝固因子(例えば、第VIII因子、第IX因子、ヒトタンパク質C(human protein C)、アンチトロンビンIII、およびトロンボポエチン抗体);IgG、IgA、IgD、IgE、IgM、およびそれらのフラグメント、Fc領域およびFab領域、可溶性IgEレセプターa−鎖、ウロキナーゼ、キマーゼ、および尿素トリプシンインヒビター、IGF結合タンパク質、上皮成長因子、成長ホルモン分泌因子、FSH、アネキシンV融合タンパク質、アンギオスタチン、血管内皮細胞増殖因子−2、骨髄前駆体阻害因子(myeloid progenitor inhibitory factor)−1、オステオプロテゲリン、−1アンチトリプシン、DNaseII、−フェトプロテイン、ならびにグルコセレブロシダーゼが挙げられ得るが、これらに限定されない。
(マンノシルリン酸化を欠失した、複合糖タンパク質の産生)
本発明の別の局面において、本発明は、糖タンパク質上のグリカンへのマンノシルリン酸転移の除去工程を包含する、真菌および酵母(例えば、P.pastoris)における、複合N−連結グリカンの産生の方法が提供される。このような方法は、糖タンパク質上に、実質的にマンノシルリン酸残基を含まない、糖タンパク質組成物を提供する。1つの実施形態において、本発明は、全N−グリカンの1%未満が、マンノシルリン酸化された、糖タンパク質を提供する。さらに好ましい実施形態において、全N−グリカンの0.5%未満が、マンノシルリン酸化された、糖タンパク質を提供する。
本発明の別の局面において、この糖タンパク質組成物は、複合N−グリカン上に実質的にマンノシルリン酸残基を含まない。このようなグリカンを産生する方法は、複合N−グリカンを発現する宿主系統(例えば、K3レポータータンパク質を発現する、P.pastoris YSH−44)中における、PNO1遺伝子およびMNN4B遺伝子の破壊に関与する(Hamiltonら、2003、Science、301:1244−1246)。YAS−130として名付けた、pno1 mnn4B破壊を含む、操作された系統は、糖タンパク質のグリカン上のマンノシルリン酸残基を欠失する(実施例5)。YSH−44中のPNO1遺伝子の遺伝的破壊(YSH−49と名付けた)は、マンノシルリン酸化(酸性画分)を示すグリカンのモル%を減少させるが、マンノシルリン酸残基はなお残る(図5C)。YSH−44由来のグリカンの、穏やかな酸加水分解での処理、続けてアルカリホスファターゼでの処理は、この酸性画分が、全グリカンの約5%〜約15%を含むことを示す。このYSH−49系統は、約6%の酸性画分を示し、このことは、YSH−44の約9%の酸性画分に対して、好都合に比較する(図5B)。
対照的に、図5Dは、図5Aのコントロール(HO)、図5Bの、約9%のマンノシルリン酸化を有するYSH−44、および、図5Cの、約6%のマンノシルリン酸化を有するYSH−49(Δpno1)と比較して、P.pastoris YAS−130(Δpno1 Δmnn4B)における、グリカンへのマンノシルリン酸転移の除去を示す。本明細書中で、初めて、マンノシルリン酸化グリカンを実質的に含まないように操作された、酵母系統について記載される。
他の型の酵母および糸状菌が、本明細書中に記載される方法を用いて、マンノシルリン酸転移活性を欠失するように改変され得ることがまた、企図される。Pichia pastorisは、マンノシルリン酸残基を欠失する、複合N連結糖タンパク質を産生するために、好ましい宿主菌株であるが、以下の宿主細胞もまた、操作され得る:Pichia finlandica、Pichia trehalophila、Pichia koclamae、Pichia membranaefacines、Pichia methanolica、Pichia minuta(Ogataea minuta、Pichia lindneri)、Pichia opuntiae、Pichia thermotolerans、Pichi salictaria、Pichia guercum、Pichia pijperi、Pichia stiptis、およびPichia angusta(Hansenula polymorpha)。
(酵母(例えば、P.pastoris)において産生される、治療的糖タンパク質)
異なる糖タンパク質は、同じ宿主細胞中で、異なる度合いおよび型のグリコシル化を示し得る(Montesinoら、1998)。本発明は、マンノシルリン酸化を実質的に欠失する、組換え酵母系統における、種々の糖タンパク質の酸性方法を提供する。好ましくは、この方法は、P.pastoris Δpno1 Δmnn4Bにおける、異種糖タンパク質の発現の操作に関与する。このように、本発明は、種々の治療的糖タンパク質上のグリカンからの、マンノシルリン酸化の除去を示す(図7A〜図7E、図8)。
レポータータンパク質K3が、単一のN連結グリコシル化部位を含む一方で、本明細書中で開示されるレポータータンパク質His−エリスロポエチン(EPO)は、3つのN連結グリコシル化部位を含み、本明細書中で開示されるレポータータンパク質His−CD40は、2つのグリコシル化部位を含み、そして本明細書中で開示されるHis−インベルターゼタンパク質は、24個までのグリコシル化部位を含む。Hisでタグを付けられたエリスロポエチン(His−EPO)は、図7Bにおいて、マンノシルリン酸化を発現するP.pastoris系統から発現され、そして図7Cにおいて、マンノシルリン酸化を欠失する、P.pastoris Δpno1 Δmnn4B系統から発現される。Hisでタグを付けられたCD40(His−CD40)は、図7Dにおいて、マンノシルリン酸化を発現するP.pastoris系統から発現され、そして図7Eにおいて、マンノシルリン酸化を欠失する、P.pastoris Δpno1 Δmnn4B系統から発現される。Hisでタグを付けられたインベルターゼは、図8において、マンノシルリン酸化を欠失するP.pastoris系統から発現される。これらの糖タンパク質のそれぞれについての、系統構築は、実施例6に記載される。
(MNN4ホモログの同定)
本発明の別の局面において、任意の酵母(好ましくは、Pichia種)、または糸状菌における、MNN4遺伝子のホモログの同定方法が提供される。当業者は、MNN4A、MNN4B、MNN4C、またはPNO1(Genbank登録番号BD105434)のアミノ酸配列を用いて、任意の酵母(好ましくは、Pichia)のゲノムに対して、BLASTデータベース検索を行い、そしてこれらの遺伝子の任意のものの、ホモログを得ることが出来る。Pichia酵母における、MNN4/PNO1ホモログの同定によって、当業者は続いて、これらの相同な遺伝子の任意の組み合わせを、破壊または突然変異し得る。P.pastoris、S.cerevisiae、Neurospora crassa、Aspergillus nidulans、Candida albicans、およびPichia angusta(Hansenula polymorpha)における、MNN4/PNO1のホモログのアラインメントが、図9に示される。Pichia宿主から発現されるタンパク質上の、マンノシルリン酸化グリカンの存在についてのスクリーニング(実施例7)に際して、破壊すると、Pichia宿主から、マンノシルリン酸化を実質的に含まない糖タンパク質を発現させる、遺伝子または遺伝子の組み合わせを、当業者は決定し得る。
上記の破壊された遺伝子、または、糖タンパク質のグリカンへの、マンノシルリン酸の転移に関与するタンパク質についてコードする遺伝子は、好ましくは、Pichia属に属する酵母系統に由来する。本発明に従う、Pichia属に属する酵母としては:Pichia pastoris、Pichia finlandica、Pichia trehalophila、Pichia koclamae、Pichia membranaefaciens、Pichia methanolica、Pichia minuta(Ogataea minuta、Pichia lindneri)、Pichia opuntiae、Pichia thermotolerans、Pichia salictaria、Pichia guercum、Pichia pijperi、Pichia stiptis、およびPichia angusta(Hansenula polymorpha)が挙げられるが、これらに限定されない。これらの中で、Pichia pastorisが、好ましくは用いられる。ほかの酵母および糸状菌としては、Saccharomyces cerevisiae、Schizosaccharomyces pombe、Saccharomyce種、Hansenula polymorpha、Kluyveromyces種、Candida種、Candida albicans、Aspergillus nidulans、Aspergillus niger、Aspergillus oryzae、Trichoderma reesei、Chrysosporium lucknowense、Fusarium種、Fusarium gramineum、Fusarium venenatum、およびNeurospora crassaが挙げられる。
以下は、本発明の組成物および方法を例示する、実施例である。これらの実施例は、限定するように解釈されるべきではなく、これらの実施例は、例示の目的のみのために含まれる。
(実施例1)
(P.pastorisにおける、MNN4A、MNN4B、MNN4Cの同定および配列決定(図1〜図3))
Saccharomyces cerevisiae MNN4タンパク質配列(Genbank登録番号P36044)を、Pichia pastorisのゲノム配列(Integrated Genomics、Chicago、IL)に対して、相同性を有するタンパク質をコードするオープンリーディングフレームについて、ブラスト検索した。この検索から、MNN4pと相同な領域を有する、3つのORFを同定した。これらのORFを、MNN4A、MNN4B、およびMNN4Cと名付けた。続いて、これら3つの遺伝子のそれぞれを、配列決定した。MNN4A遺伝子は、860アミノ酸をコードする、2580ヌクレオチド塩基を含む、オープンリーディングフレームを含むように見受けられた(図1)。MNN4B遺伝子は、652アミノ酸をコードする、1956ヌクレオチド塩基を含む、オープンリーディングフレームを含むように見受けられ(図2)、そして、MNN4C遺伝子は、763アミノ酸をコードする、2289ヌクレオチド塩基を含む、オープンリーディングフレームを含むように見受けられた(図3)。
(実施例2)
(P.pastoris系統:YSH−44およびYSH−1の構築)
P.pastoris YSH−44およびYSH−1を、BK64−1(単一のN連結グリコシル化部位を有するレポータータンパク質である、K3を分泌する、Δoch1欠失突然変異体)から操作した(Choiら、2003、PNAS、100:5022−5027;Hamiltonら、2003、Science、301:1244−1246)。YSH−1は、GlcNAcManGlcNAcN−グリカンを主に有する糖タンパク質を発現し、そしてYSH−44は、GlcNAcManGlcNAcN−グリカンを主に有する糖タンパク質を発現する。
(YSH−44系統における、PNO1遺伝子の欠失)
PCR重複方法(Davidsonら、1999、Microbiol.148:2607−2615)によって、YSH−44における、pno1欠失対立遺伝子(pno1::Hyg)を生成した。プライマーPNK2(
Figure 0004861830
)(配列番号8)と対になるプライマーPNK1(
Figure 0004861830
)(配列番号7)、プライマーPNK4(
Figure 0004861830
)(配列番号10)と対になるプライマーPNK3(
Figure 0004861830
)(配列番号9)を、ゲノムDNA(NRRL−Y11430)から、PNO1遺伝子の5’隣接領域および3’隣接領域を増幅するために用いた。プライマーKAN2(5’−GCATAGGCCACTAGTGGATCTG−3’)(配列番号12)と対になるプライマーKAN1(5’−AGCTGAAGCT−TCGTACGCTGC−3’)(配列番号11)を、pAG32(GoldsteinおよびMcCusker、1999、Yeast、14:1541−1553)から、Hyg耐性マーカーを増幅するために用いた。次いで、重複産物を生成するために、第一回のPCR反応に由来する3つの産物全てを用いた、2回目の反応において、プライマーPNK1およびプライマーPNK4を用いた。結果として生じる融合PCR産物を、GlcNAc2Man3GlcNAc2を主に発現する、操作されたP.pastoris系統である、YSH−44系統に形質転換するために用いた。形質転換体を、200mg/mlのハイグロマイシンBを含むYPD(1%の酵母抽出物、2%のペプトン、2%のデキストロース)培地上で選抜した。欠失対立遺伝子pno1::Hygの適切な組み込みを、PCRによって確認した。このΔpno1系統を、YSH−49と名付けた。
(実施例3)
(P.pastoris YSH−49系統における、PNO1/MNN4Bノックアウト戦略(図4))
YSH−49におけるPCR重複によって、YAS−130(Δpno1 Δmnn4b)二重突然変異系統を達成した。TAS54プライマー(TTCAACGAGTGACCAATGTAGA)(配列番号13)、およびTAS51プライマー(
Figure 0004861830
)(配列番号14)を、Pichia pastorisゲノムDNA(NRRL−Y 11430)から、予測される開始コドンの5’側の、521bpのDNAフラグメントを増幅するために用いた。TAS51は、薬物耐性マーカー5’末端に相補的な、22bpの突出部を含む。TAS49(TGAAGACGTCCCCTTTGAACA)(配列番号15)、およびTAS52(
Figure 0004861830
)(配列番号16)を、予測される終止コドンの3’側の、503bpのDNAフラグメントを増幅するために用いた。TAS52はまた、薬物耐性マーカーの3’末端に相補的な、22bpの突出部を含む。薬物耐性マーカーのPCRは、DNA源としてpAG29(pat ORFを含む)を用いた(GoldsteinおよびMcCuster、1999)。この薬物耐性マーカーを、TAS53プライマー(
Figure 0004861830
)(配列番号17)、およびTAS50プライマー(
Figure 0004861830
)(配列番号14)を用いて、増幅した。TAS53は、予測されるMNN4Bの開始コドンの5’側の22bpと相補的な、22bpの突出部を有する。TAS50は、予測されるMNN4Bの終止コドンの3’側の22bpと相補的な、22bpの突出部を有する。MNN4Bの5’側フラグメント、MNN4Bの3’側フラグメント、および、選択可能なマーカーに対する耐性を与える遺伝子を、等モル比率において合わせ、そして、PCR重複反応について、テンプレートのDNAとして、TAS54プライマーおよびTAS49プライマーと共に、用いた。
(P.pastoris YSH−1系統における、PNO1/MNN4Bノックアウト戦略)
Δoch1 Δmnn4A Δpno1系統であるYAS159を得るために、SfiI消化したpJN503b(Δmnn4A Δpno1::URA3)を、YSH−1にエレクトロポレーションにて形質転換した。この系統において、5−FOAの対抗選択(counterselection)によって、URA3選択可能マーカーを回収した。結果として生じる系統である、YAS164(Δoch1;Δmnn4A Δpno1;ura3;his4;ade1;arg4)に、SfiI消化したpAS19(Δmnn4B:URA3)を形質転換して、Δoch1 Δmnn4A Δpno1 Δmnn4B系統である、YAS170を生じさせた。引き続いて、YAS174系統(Δoch1 Δmnn4A Δpno1 Δmnn4B;ura3;his4;ade1;arg4)を得るために、YAS170系統を5−FOAにて対抗選択した。従って、YAS174は、マンノース外鎖形成を欠失し、そしてN連結グリカン上のマンノシルリン酸を有さない、Pichia pastoris系統を表す。
(実施例4)
(PCR増幅)
全てのPCR反応について、Eppendorf Mastercyclerを用いた。PCR反応液は、テンプレートDNA、125mMのdNTP、それぞれ0.2mMのフォワードプライマーおよびリバースプライマー、Ex Taqポリメラーゼ緩衝液(Takara Bio Inc.)、ならびにEx Taqポリメラーゼを含んだ。予測されるMNN4B ORFの5’側のDNAフラグメント、予測されるMNN4B ORFの3’側のDNAフラグメント、および薬物耐性マーカーを、最初の変性工程が97℃で2分間、および、最後の伸長工程が72℃で7分間である、97℃で15秒間、55℃で15秒間、および72℃で90秒間の30サイクルによって、増幅した。PCRサンプルを、アガロースゲル電気泳動にて分離し、そしてDNAバンドを、Qiagenから入手したGel Extraction Kitを用いて、抽出および精製した。全てのDNA精製物を、pH8.0である、10mMのTrisに溶出したが、最後のPCR(3つのフラグメント全ての重複)は、脱イオン化HOに溶出した。
(実施例5)
(マンノシルリン酸化解析のための、P.pastorisにおける複合グリカンの産生のための、DNA形質転換、培養条件)
形質転換のためのDNAを、酢酸ナトリウムを最終濃度0.3Mまで添加することで、調製した。次いで、このDNAサンプルに、100%の氷冷エタノールを、最終濃度70%まで添加した。DNAを遠心分離(12000g×10分間)によってペレット化し、そして、70%の氷冷エタノールを用いて2回洗浄した。DNAを乾燥させ、次いでpH8.0である、10mMのTris50mlに再懸濁した。BMGY(緩衝化最小グリセロール:100mM、pH6.0のリン酸カリウム;1.34%の酵母ニトロゲンベース;4×10−5%のビオチン;1%のグリセロール)中で酵母培養物を、2〜6のO.D.まで拡大することで、YSH−49およびYAS−130を調製した。これらの酵母を、1Mのソルビトールで3回洗浄し、そして約1〜2mlの1Mソルビトールに再懸濁することで、エレクトロコンピテント(electrocompetent)にした。DNA(1〜2mg)を、100mlのコンピテント酵母と混合し、そして氷上で10分間インキュベートした。次いで、以下のパラメーター;1.5kV、129Ω、および25mF、を用いるBTX Electrocell Manipulator 600によって、酵母をエレクトロポレートした。このエレクトロポレートされた細胞に、1mlのYPDS(1%の酵母抽出物、2%のペプトン、2%のデキストロース、1Mのソルビトール)を添加した。引き続いて、形質転換された酵母を、選択寒天プレートにプレートした。hph抵抗性遺伝子を含むノックアウト構築物を形質転換された細胞を、0.4mg/mlのハイグロマイシンBを含む、YPD Y+(1%の酵母抽出物、2%のペプトン、2%のデキストロース、1.34%の、アミノ酸を含まない酵母ニトロゲンベース)寒天プレート上に塗付した。pat抵抗性遺伝子を含む構築物を形質転換された細胞を、0.6mg/mlのグルホシネートを含む、定義された培地(アミノ酸およびNHSOを欠く、1.34%の酵母ニトロゲンベース、2%のデキストロース、0.1%のL−プロリン、4×10−5%のビオチン)寒天プレート上に塗付した。コロニーを、同じ選択薬剤を含む別のプレート上に、寄せ集めた。この寄せ集めからDNAを単離し、野生型MNN4BORFの薬物耐性マーカーによる置換について、PCRによって解析した。
ノックアウトのスクリーニングを、ノックアウト構築物の5’側部分および3’側部分の双方をPCR増幅すること(図4)によって行った。ノックアウト構築物の5’側部分をスクリーニングするために、TAS81プライマー(TAGTCCAAGTACGA−AACGACACTATCG)(配列番号19)、およびTAS08プライマー(AGCTGCGCACGTCAAGAC−TGTCAAGG)(配列番号20)を用いる一方、ノックアウト構築物の3’側部分をスクリーニングするために、TAS82プライマー(ACGACGGTGAGTTCAAACAGTTTGGTT)(配列番号21)、およびTAS07プライマー(TCGCTATACTGCTGTCGATTCGATAC)(配列番号22)を用いた。TAS08プライマーおよびTAS07プライマーは、それぞれ、薬物耐性マーカー配列の5’側末端および3’側末端にアニールし、そしてTAS81およびTAS82は、ノックアウト構築物に用いられるDNAの5’側領域および3’側領域に隣接するゲノムの配列に相補的であるので、双方のスクリーニングにおけるPCR産物の観察は、MNN4B ORFのノックアウトの成功を示す。96個の形質転換体をスクリーニングし、MNN4Bノックアウトとして4個が試験的に陽性であった。4つのΔpno1 Δmnn4b系統は全て、検出可能なレベルのマンノシルリン酸を有さない、K3レポータータンパク質を発現した。この一例を、図5Dに示す。
(実施例6)
(Hisでタグを付けられた、EPOタンパク質、CD40タンパク質、およびインベルターゼタンパク質についての系統構築、図7,8)
Hisでタグを付けられたエリスロポエチン(EPO)のために、ヒト腎臓cDNAライブラリー(Clontech)から、EPOの最初の166アミノ酸を増幅して、そしてC−末端6His pPICZA(Invitrogen)プラスミドの、EcoRI部位およびKpnI部位に挿入した。このプラスミド(pBK291)を2つのP.pastoris系統に形質転換し、EPO−6Hisを発現する、以下の系統を生じた:実施例2、実施例4に記載され、そして示される、BK248ノックアウト(ura3、his4、ade1、arg4、Δoch1::URA3)およびBK244ノックアウト[pBK116、およびpno1mnn4b(pno1::Hyg)を有するpBK284を形質転換されたYSH44](mnn4b::Kan)。pBK116は、NRRL11430(ATCC)から単離された1551bpのAOX1 3’UTR DNAフラグメントを、Invitrogen pPIC6AプラスミドのAFlIII部位に挿入し、そしてNRRL11430から単離された1952bpのAOX1 5’UTR DNAフラグメントを、573bpのPmeI/BamHI DNAフラグメントを除去した、同じpPIC6AプラスミドのBglII部位およびBamHI部位に挿入することの結果として生じる。次いで、このpBK116をNotIで消化し、そして、レポーターであるK3タンパク質をノックアウトするために、生じたNotIフラグメントをYSH44に形質転換した。pBK284は、NRRL11430(ATCC)から、AOX1プロモーター配列、AOX1 ORF配列、およびAOX1ターミネーター配列を含む3196bpのDNAフラグメントを単離し、そしてInvitrogenのプラスミドpCR2.1−TOPOのマルチクローニング部位にクローニングすることの結果として生じる。次いで、カナマイシン遺伝子を消失するために、このプラスミドをMscIおよびBssHIで消化した。この結果pBK284が生じ、これを、AOXIプロモーター遺伝子座への組み込みのためにpBK116を形質転換された、YSH44系統への形質転換に先立って、PmeIで消化した。BK248およびBK244における、EPO−6HisのHPLCグリカン解析を、図7Bおよび図7Cに示す。Hisタグを付けられたCD40のために、phCD40/GemT(Pullenら、1999、JBC、274:14246−14254)から、pPICZ aAへのクローニングのための5’EcoRIプライマーおよび3’His10−KpnIプライマーを用いて、ヒトCD40 DNAを増幅し、結果としてpJC33を生じた。pJC33を、P.pastoris YJC12系統(ura3、his4、ade1、arg4)、およびYAS252−2(pBK116、pBK284、および、ガラクトシルトランスフェラーゼを含むpRCD465(USSN 60/562424)を形質転換されたYAS−130)内で発現させ、後者は結果としてYAS252を生じた。YJC12およびYAS252内での、CD49−6HisのHPLCグリカン解析を、図7Dおよび図7Eに示す。Hisでタグを付けられたインベルターゼのために、インベルターゼ配列の全長を、Centraalbureau voor Schimmelculturesから購入した、Kluyveromyces lactisゲノムDNA(CBS683系統)から、PCRによって増幅した。このインベルターゼORFを、PmlI部位におけるpPICZAプラスミド(C末端の6Hisタグを提供する)への挿入のために、平滑末端の5’プライマーおよび3’プライマーを用いて増幅した。このpPB147を、P.pastoris YAS245−2系統(pBK116、pBK284、およびpRCD465(USSN 60/562424)を形質転換されたYAS130)に形質転換し、結果としてYAS253を生じた。YAS253におけるインベルターゼ−6HisのHPLCグリカン解析を、図8に示す。
(実施例7)
(P.pastorisにおけるマンノシルリン酸化の決定)
図5〜図8に示す系統における、N連結グリカンへのマンノシルリン酸の転移の量を、メタノール誘導性AOX1プロモーターの制御下において発現される、Hisでタグを付けられたレポータータンパク質(図5および図6において、クリングル3タンパク質;図7において、エリスロポエチンタンパク質およびCD40タンパク質、ならびに、図8においてインベルターゼタンパク質)の分泌によって決定した。手短に言うと、BMGYを含む振盪フラスコに、新鮮な酵母培養物(例えば、YAS−130)を播種し、そして、O.D.が約20になるまで増殖させた。この培養物を遠心分離し、そして細胞ペレットをBMMY(緩衝化最小メタノール:1%グリセロールの代わりに0.5%メタノールを含む点を除いて、BMGYと同じ)で洗浄した。細胞ペレットを、最初のBMGY培養物の1/5の体積までのBMMYに再懸濁し、そして振盪機に24時間置いた。分泌されたタンパク質、遠心分離によってバイオマスをペレット化し、そして培養培地を新たなチューブに移すことで、収集した。次いで、Hisでタグを付けられたK3タンパク質、EPOタンパク質、CD40タンパク質、およびインベルターゼタンパク質を、Ni−親和性カラム上で精製し、そしてPNGase(Choiら、2003)で消化した。グリカンをタンパク質から分離し、次いで2−アミノ−ベンズアミド(2−AB)で標識した。この2−ABで標識されたグリカンを凍結乾燥し、HPLCグレードの水に再懸濁し、そしてGlycoSep Cカラム(Glyco、Novato、CA)を用いたHPLCに供した。この解析は、中性グリカンと酸性グリカンの分離を可能とする。末端のマンノース基を除いてリン酸を露出させる、穏やかな酸による加水分解を用いる実験によるリン酸化のために、これらのグリカンを決定した。引き続くアルカリホスファターゼ処理によって、末端のリン酸基を切断させて、中性のグリカンを残し得る。一連の実験は、全ての系統におけるリン酸化されたN連結グリカン(酸性グリカン)が、20分〜30分の間に移動することを示した。dHOをブランクとして用いることで、基線条件を評価した。リン酸化の割合を、酸性ピーク面積を中性ピークおよび酸性ピークの和で割ることで計算した。このHPLC解析を、以下の条件下で行った。
(HPLC解析)
HPLC条件は以下の通りである:溶媒A(アセトニトリル)、溶媒B(500mMの酢酸アンモニウム、500mM、pH4.5)、および溶媒C(水)。流速は、0.4mL/分にて50分間である。10分間、イソクラティク(20% A:80% C)に溶出した後、グリカンを溶出するために、30分間、線形溶媒勾配(20% A:0% B:80% C〜20% A:50% B:30% C)を用いた。実行の間に、カラムを溶媒(20% A:80% C)で20分間平衡化した。
(配列表テキスト)
Figure 0004861830
図1は、P.pastorisのMNN4Aの核酸配列およびアミノ酸配列を示す。 図2は、P.pastorisのMNN4Bの核酸配列およびアミノ酸配列を示す。 図3は、P.pastorisのMNN4Cの核酸配列およびアミノ酸配列を示す。 図4は、薬物耐性マーカーを用いた、P.pastorisのMNN4Bの、融合PCRノックアウト戦略を示す。 図5Aは、サンプルとしてHOを用いる、ネガティブ実験コントロールについての、高速液体クロマトグラムを示す。図5Bは、P.pastoris YSH−44の上清から精製されたK3に由来するN連結グリカンを含むサンプルについての、高速液体クロマトグラムを示す。マンノシルリン酸を有するグリカンは、20分〜30分の間に溶出する。図5Cは、P.pastoris YSH−49(Δpno1)の上清から精製されたK3に由来する、N連結グリカンを含むサンプルについての、高速液体クロマトグラムを示す。マンノシルリン酸を有するグリカンは、20分〜30分の間に溶出する。 図5Dは、P.pastoris YAS−130(Δpno1Δmnn4B)の上清から精製されたK3に由来する、N連結グリカンを含むサンプルについての、高速液体クロマトグラムを示す。20分〜30分の間の、マンノシルリン酸化グリカンの非存在に注目されたい。 図6Aは、P.pastoris YSH−1(Δoch1)の上清から精製されたK3に由来するN連結グリカンを含むサンプルについての、高速液体クロマトグラムを示す。マンノシルリン酸を有するグリカンは、20分〜30分の間に溶出する。図6Bは、P.pastoris YAS−164(Δoch1 Δmnn4A Δpno1)の上清から精製されたK3に由来するN連結グリカンを含むサンプルについての、高速液体クロマトグラムを示す。マンノシルリン酸を有するグリカンは、20分〜30分の間に溶出する。図6Cは、P.pastoris YAS−174(Δoch1 Δmnn4A Δpno1 Δmnn4B)の上清から精製されたK3に由来するN連結グリカンを含むサンプルについての、高速液体クロマトグラムを示す。20分〜30分の間の、マンノシルリン酸化グリカンの非存在に注目されたい。 図7Aは、HOを含むネガティブ実験コントロールサンプルについての、高速液体クロマトグラムを示す。図7Bは、P.pastoris BK248系統より産生された、pBK291(His−EPO)から発現される、エリスロポエチンに由来するN連結グリカンを含むサンプルについての、高速液体クロマトグラムを示す。図7Cは、P.pastoris BK244系統において産生されるHis−Epoに由来する、N連結グリカンを含むサンプルについての、高速液体クロマトグラムを示す。 図7Dは、P.pastoris YJC12系統において産生される、pJC33(His−CD40)から発現される、CD40に由来するN連結グリカンを含むサンプルについての、高速液体クロマトグラムを示す。図7Eは、YAS252についての高速液体クロマトグラムを示す。注意:マンノシルリン酸を有するグリカンは、20分〜30分の間に溶出する。 図8Aは、P.pastoris YAS252系統において産生されるpPB147から発現される、インベルターゼに由来する、N連結グリカンを含むサンプルについての、高速液体クロマトグラムを示す。 図9は、DNAStarから提供されるClustal Wを用いた、P.pastoris(Pp)、S.cerevisiae(Sc)、Neurospora crassa(Nc)、Aspergillus nidulans(An)、Candida albicans(Ca)、およびPichia angusta(Hansenula polymorpha)(Pa)における、MNN4/PNO1のホモログのアラインメントを示す。

Claims (2)

  1. MNN4B遺伝子およびPNO1遺伝子についての破壊または失を含む真菌宿主であって、ここで該真菌宿主が、Picha pastorisであり、全N−グリカンの1%未満のマンノシルリン酸化された糖タンパク質を生産でき、
    破壊または失される前記MNN4B遺伝子が、以下:
    (a)配列番号:3、
    (b)配列番号:3の縮重改変体である核酸配列、
    (c)配列番号:3と少なくとも90%同一である核酸配列、
    (d)配列番号:4のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする核酸配列、及び
    (e)配列番号:4と少なくとも90%同一であるポリペプチドをコードする核酸配列
    から選択される核酸配列を含むか又は(a)〜(e)の核酸配列からなるcDNAに対応するmRNAをコードする、
    真菌宿主。
  2. 請求項1に記載の真菌宿主において糖タンパク質組成物を生産するための方法であって、該真菌宿主を培養する工程、および該糖タンパク質産物を単離する工程を包含する、方法。
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