JP4860309B2 - Iii族窒化物結晶の作製装置およびiii族窒化物結晶の積層構造体の作製方法 - Google Patents

Iii族窒化物結晶の作製装置およびiii族窒化物結晶の積層構造体の作製方法 Download PDF

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本発明は、III族窒化物結晶の作製装置、特にIII族窒化物膜をエピタキシャル成長させる装置に関する。
III族窒化物結晶は、フォトニックデバイス及び電子デバイスなどの半導体素子を構成する材料として用いられている。
III族窒化物結晶の厚膜(III族窒化物厚膜)の作製方法として、所定の下地基板の上に、LPE(Liquid Phase Epitaxy)、HVPE(Hydride Vapor Phase Epitaxy)、昇華法などの成長方法を用いてIII族窒化物結晶をエピタキシャル形成させる方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。下地基板としては、サファイアやSiCなどの単結晶基材を用いる態様もあるが、そうした単結晶基材の上に、III族窒化物結晶をせいぜい10μm程度に(熱膨張率差に起因したそりの生じない程度に)エピタキシャル形成させてなる、いわゆるエピタキシャル基板(テンプレート基板とも称する)が用いられることもある(例えば、特許文献2参照)。エピタキシャル基板は通常、MOCVD法(有機金属化学的気相成長法)、MBE法(分子線エピタキシ−法)といった薄膜形成方法を用いて、その上に形成する厚膜と同種又は異種のIII族窒化物結晶をせいぜい10μm程度に(熱膨張率差に起因したそりの生じない程度に)エピタキシャル形成することによって得られる。
特開2005−252248号公報 特開2005−223126号公報
HVPE法を用いてIII族窒化物結晶を形成する場合、ホモエピタキシャル成長用の高品質な単結晶が存在しないため、同種の結晶の下地膜を形成したエピタキシャル基板を下地基板として用いる必要がある。
従来は、MOCVD装置やMBE装置において所定の基材上に下地膜を形成することによってエピタキシャル基板を作製した後、該エピタキシャル基板をHVPE装置における結晶成長に供するようにしていた。しかしながら、このように異なる2種類の装置の使用を前提とする作製方法は、作製コストの低減を図るうえでは問題である。
また、HVPE法には成長速度が速いという利点がある一方で、初期核生成の制御が難しいため、成長速度を精度よくコントロールすることが困難であるという欠点もある。従って、厚膜中にせいぜい数十nm程度の比較的薄い中間層を挿入したい場合などにHVPE法を適用することは、困難である。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、HVPE法による結晶成長とMOCVD法による結晶成長とを複合的に行えるIII族窒化物結晶の作製装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、反応管内でIII族元素含有ガスと窒素元素含有ガスとを気相反応させることによりIII族窒化物結晶を作製する装置であって、前記III族元素含有ガスとしてIII族元素を含む有機金属ガスを前記反応管内に供給する第1のIII族元素供給手段と、III族元素金属とハロゲン化水素とを反応させることによりハロゲン化物ガスを生成させ、前記III族元素含有ガスとして前記ハロゲン化物ガスを前記反応管内に供給する第2のIII族元素供給手段と、前記窒素元素含有ガスを前記反応管内に供給する窒素元素供給手段と、を備え、前記第1のIII族元素供給手段と前記第2のIII族元素供給手段と前記窒素元素供給手段とが、ガス種ごとに独立に、かつ、前記窒素元素供給手段からの供給ガスが前記第1のIII族元素供給手段と前記第2のIII族元素供給手段の外周部分から供給される態様にて、前記反応管内の反応領域の近傍位置に各々の供給ガスを供給するように設けられており、III族窒化物結晶を作製する際には前記III族窒化物結晶を構成する同じ種類のIII族元素について前記第1と第2のIII族元素供給手段が選択的に使用されて前記III族元素含有ガスが供給される、ことを特徴とする。
また、請求項の発明は、請求項1に記載の作製装置であって、前記窒素元素含有ガスとしてアンモニアガスを用いる、ことを特徴とする。
また、請求項の発明は、III族窒化物結晶の積層構造体の作製方法において、請求項1または請求項2に記載の作製装置を用いて、前記第1のIII族元素供給手段によって供給した前記III族元素含有ガスと前記窒素元素含有ガスとを気相反応させることによって第1のIII族窒化物層を形成する第1形成工程と、前記第2のIII族元素供給手段によって供給した前記III族元素含有ガスと前記窒素元素含有ガスとを気相反応させることによって第2のIII族窒化物層を形成する第2形成工程と、を所定の回数ずつ行うことを特徴とする。
請求項1および請求項の発明によれば、MOCVD装置の機能とHVPE装置の機能とを兼ね備えた複合的なIII族窒化物の作製装置が実現される。係る作製装置によれば、ガスの供給態様と加熱態様とを適宜に切り替えることで、一の基板上への結晶成長を行う場合に、MOCVD法による結晶成長とHVPE法による結晶成長とを適宜に切り替えつつ行うことができるので、両手法の長所を活かしたより自由度の高い結晶成長が可能となる。
請求項3の発明によれば、MOCVD法による結晶成長とHVPE法による結晶成長とを適宜に切り替えつつ行うことで、いずれか一方の方法のみを使用する場合や、それぞれの手法による結晶成長を別の装置で行う場合よりもコスト面あるいは品質面に優れたIII族窒化物結晶の積層構造体を得ることができる。
<第1の実施の形態>
<装置構成>
図1は、本実施の形態に係るIII族窒化物結晶の作製装置10の構造を概念的に示す断面模式図である。作製装置10は、略水平方向に長手方向を有する、例えば石英製やSUSステンレス製の反応管11を備える。反応管11の内部には、略水平な載置面を有するサセプタ12が設けられてなる。サセプタ12の載置面上に下地基板13を載置した状態で、反応管11の一方端側に備わる供給系14から所定のガスを供給し、下地基板13の上方の空間で所定の気相反応を生じさせることによって、下地基板13の上にIII族窒化物結晶をエピタキシャル形成させることができる。なお、以下の説明においては、III族窒化物結晶としてAlNを作製する場合を例に説明しているが、作製装置10は、他のIII族元素(B、Ga、Inなど)を含むIII族窒化物結晶を作製する場合にも、適用可能である。
本実施の形態において供給系14は、4つの供給管14a、14b、14c、および14dを有してなる。供給管14a、14b、14c、および14dは、いずれも先端部分(供給口)がサセプタ12の近傍にまで達するように設けられてなる。これらの供給管14a、14b、14c、および14dを通じて、それぞれが図示しない所定の供給源から供給される所定のガスが反応管11の内部のサセプタ12の近傍へと供給される。
供給管14aからは、所定のキャリアガス(例えばN2ガス)とともにTMA(トリメチルアルミニウム)が供給される。このTMAを含むガスを第1ガスg1と称することとする。
供給管14bからは、該キャリアガスとともにHClが供給される。このHClを含むガスを第2ガスg2と称することとする。なお、第2ガスg2を供給する供給管14bの途中には、金属Al粉末を載置するためのボート15が設けられてなる。
供給管14cからは、該キャリアガスとともにNH3が供給される。このNH3を含むガスを第3ガスg3と称することとする。
供給管14dからは、該キャリアガスのみが供給される。このガスを第4ガスg4と称することとする。
また、反応管11の外周部分には、HClとAlとの反応領域を加熱するべく、供給系14のうち少なくともボート15を含む部分を、反応管11の外部から加熱する第1ヒータ16が備わっている。第1ヒータ16は、抵抗加熱ヒータである。さらには、下地基板13へのエピタキシャル成長を行わせるべく、サセプタ12の上に載置された下地基板13を加熱するための第2ヒータ17も備わっている。第2ヒータ17は、RF加熱ヒータである。
また、反応管11の内部からの排気を行うための排気系18も備わっている。
このような構成を有する作製装置10においては、図示しない制御手段によって、ガス供給を行う供給管の選択や供給するガスの流量制御、ひいては反応管内の圧力制御をも含む、供給系14からのガスの供給態様の制御と、第1ヒータおよび第2ヒータ17の加熱態様の制御とを適宜に行うことにより、所望のIII族窒化物結晶を作製することが可能である。
特に、供給管14bからの第2ガスg2の供給を停止し、第1ガスg1および第3ガスg3、あるいはさらに第4ガスg4を適宜の流量で供給し、第1ヒータ16では加熱を行わず第2ヒータ17による下地基板13の加熱を行うようにする場合には、下地基板13の上方で第1ガスg1中のTMAと第3ガスg3中のNH3との気相反応が生じ、III族窒化物であるAlNが下地基板13上に析出することになる。これはすなわち、MOCVD法による結晶成長が実現されていることになる。ゆえに、作製装置10は、MOCVD装置としての機能を有していると言える。このように、MOCVD法での結晶成長を実現する使用態様をMOCVDモードと称することとする。
また、供給管14aからの第1ガスg1の供給を停止し、第2ガスg2および第3ガスg3、あるいはさらに第4ガスg4を適宜の流量で供給し、第1ヒータ16によるボート15の近傍の加熱と第2ヒータ17による下地基板13の加熱とをいずれも行うようにする場合には、供給管14bの内部で第2ガスg2中のHClとボート15に載置した金属Al粉末との反応で生じたAlClxと、供給管14cから供給される第3ガスg3中のNH3との気相反応が下地基板13の上方で生じ、III族窒化物であるAlNが下地基板13上に析出することになる。これはすなわち、HVPE法による結晶成長が実現されていることになる。ゆえに、作製装置10は、HVPE装置としての機能を有していると言える。このように、HVPE法での結晶成長を実現する使用態様をHVPEモードと称することとする。
よって、本実施の形態に係る作製装置10においては、下地基板13を載置した後、MOCVDモードとHVPEモードとを切り替えつつ行うことで、MOCVD法による結晶成長とHVPE法による結晶成長とを同一の装置内で連続的に行うことができる。これにより、いずれか一方の手法のみを使用する場合や、それぞれの手法による結晶成長を別の装置で行う場合よりも、コスト面あるいは品質面に優れたIII族窒化物結晶(厳密にはその積層構造体)を得ることができるようになる。
例を挙げると、初めにいったんMOCVDモードで、サファイア、SiC、MgO、BAlGaInN(B、Al、Ga、およびInの少なくとも1つを含むIII族窒化物)といった下地基板13の上に0.5μmの厚みのAlN下地膜をエピタキシャル形成し、引き続いて、アニール処理を行い、該AlN下地膜の上にHVPEモードで200μmの厚みのAlN厚膜結晶をエピタキシャル形成する、というような態様での結晶成長が可能となる。
係る場合、前者のAlN下地膜の形成は、第1ヒータ16による加熱は行わず、第2ヒータ17によって下地基板13を1200℃に加熱しつつ、第1ガスg1、第3ガスg3、および第4ガスg4を反応管内圧力が20Torrとなるように供給することで、実現される。後者の厚膜結晶の成長は、AlN下地膜の形成後、第1ガスg1の供給を停止し、第1ヒータ16で供給系14を550℃に加熱するとともに第2ヒータ17によって下地基板13を1500℃に加熱し、第3ガスg3、および第4ガスg4を反応管内圧力が40Torrとなるように供給することで実現される。
あるいは、そのようにしてHVPEモードで厚膜を形成している途中で、MOCVDモードでの結晶成長を介在させることで、中間層の形成を精度良く行うことも可能である。
以上、説明したように、本実施の形態においては、MOCVD装置の機能とHVPE装置の機能とを兼ね備えた複合的なIII族窒化物の作製装置が実現されてなる。係る作製装置によれば、ガスの供給態様と加熱態様とを適宜に切り替えることで、一の基板上への結晶成長を行う場合に、MOCVD法による結晶成長とHVPE法による結晶成長とを適宜に切り替えつつ行うことができるので、両手法の長所を活かしたより自由度の高い結晶成長が可能となる。
<第2の実施の形態>
MOCVD装置の機能とHVPE装置の機能とを兼ね備えた複合的なIII族窒化物の作製装置の構成態様は、第1の実施の形態で示したものに限定されない。本実施の形態においては、異なる構成態様を有する作製装置について説明する。
図2は、本実施の形態に係るIII族窒化物結晶の作製装置20の構造を概念的に示す断面模式図である。なお、作製装置20において第1の実施の形態に係る作製装置10と同様の作用効果を奏する構成要素については、図1と同一の符号を付してその説明を省略する。
図2に示す作製装置20は、作製装置10に係る供給系14とは異なる構成態様の供給系24を備えている。供給系24は、2つの供給管24aおよび24bを有してなり、供給管24aからは第1ガスg1が、供給管24bからは第2ガスg2が供給される。係る供給管24aおよび24bは、いずれも先端部分(供給口)がサセプタ12の近傍にまで達するように設けられてなるので、第1ガスg1と第2ガスg2とはいずれも、反応管11の内部のサセプタ12の近傍へとそれぞれ供給されることになる。なお、第1の実施の形態と同様に、第2ガスg2を供給する供給管24bの途中には、金属Al粉末を載置するためのボート15が設けられてなる。
また、供給系24においては、供給管24aおよび24bの外周部分(図2においては供給管24aおよび24bの上下部分)を通じて、第3ガスg3がサセプタ12の近傍へと供給されるようになっている。
このような構成を有する作製装置20においても、作製装置10と同様に、図示しない制御手段によって供給系24からのガスの供給態様の制御と、第1ヒータ16および第2ヒータ17の加熱態様の制御とを適宜に行うことにより、所望のIII族窒化物結晶を作製することが可能である。
特に、供給管24bからの第2ガスg2の供給を停止し、第1ガスg1および第3ガスg3を適宜の流量で供給し、第1ヒータ16では加熱を行わず第2ヒータ17が下地基板13を加熱するようにすることで、MOCVDモードでの使用が可能となる。
また、供給管24aからの第1ガスg1の供給を停止し、第2ガスg2および第3ガスg3を適宜の流量で供給し、第1ヒータ16によるボート15の近傍の加熱と第2ヒータ17による下地基板13の加熱をいずれも行うようにすることで、HVPEモードでの使用が可能となる。
従って、本実施の形態に係る作製装置20も、第1の実施の形態に係る作製装置10と同様に、MOCVD装置の機能とHVPE装置の機能とを兼ね備えた複合的なIII族窒化物の作製装置であり、一の基板上への結晶成長を行う場合に、MOCVDモードによる結晶成長とHVPEモードによる結晶成長とを適宜に切り替えつつ行うことが可能である。
これにより、例えば第1の実施の形態にて例示したように、MOCVDモードで作製したAlN下地膜の上にHVPEモードにてAlNを成長させるといった態様の結晶成長などを、同様の条件設定のもとで行うことができる。
なお、作製装置20は上述のような構成の供給系24を有するので、HVPEモードで結晶成長を行う際、サセプタ12の上方では、供給管24bで反応生成したAlClxを包み込むように第3ガスg3が供給されることになる。反応管が石英製である場合、一般的には石英との反応性が高いAlClxが反応管11の内壁面に触れると反応管11が腐食される可能性があるが、作製装置20においては上述のような態様でガスが供給されるので、AlClxは周囲に供給される第3ガスg3に含まれるNH3と優先的に反応することになる。従って、反応管11が石英製であっても、その腐食の可能性は十分に抑制されているといえる。
以上、説明したように、本実施の形態においても、MOCVD装置の機能とHVPE装置の機能とを兼ね備えた複合的なIII族窒化物の作製装置が実現されてなる。係る作製装置によれば、ガスの供給態様と加熱態様とを適宜に切り替えることで、一の基板上への結晶成長を行う場合に、MOCVD法による結晶成長とHVPE法による結晶成長とを適宜に切り替えつつ行うことができるので、両手法の長所を活かしたより自由度の高い結晶成長が可能となる。また、本実施の形態に係る作製装置は、反応管の腐食がより抑制されるように構成されてなる。
<第3の実施の形態>
本実施の形態においては、MOCVD装置の機能とHVPE装置の機能とを兼ね備えた複合的なIII族窒化物の作製装置のさらに異なる構成態様について説明する。
図3は、本実施の形態に係るIII族窒化物結晶の作製装置30の構造を概念的に示す断面模式図である。なお、作製装置30において第1の実施の形態に係る作製装置10と同様の作用効果を奏する構成要素については、図1と同一の符号を付してその説明を省略する。
図3に示す作製装置30は、反応管に供給系から供給するガスの加熱に係る構成態様が、第1の実施の形態に係る作製装置10と相違する。作製装置30は、3つの供給管34a、34b、および34cを備える供給系34を有してなる。これら3つの供給管34a、34b、および34cはいずれも、略水平方向に長手方向を有する反応管31の一方端部に先端部分(供給口)が位置するように設けられてなる。供給管34aからは第1ガスg1が、供給管34bからは第2ガスg2が、供給管34cからは第3ガスg3が、それぞれ供給される。また、反応管31の内部においては、供給管34a、34b、および34cの供給口が近傍に位置するように、略水平な載置面を有するサセプタ12が設けられてなる。これにより、第1ガスg1、第2ガスg2、および第3ガスg3のいずれも、サセプタ12の近傍へとそれぞれ供給されることになる。
また、第1の実施の形態と同様に、第2ガスg2を供給する供給管34bの途中には、金属Al粉末を載置するためのボート15が設けられてなる。一方、第1の実施の形態においては反応管11の外周に第1ヒータ16が設けられているが、本実施の形態においては、これに代わり、供給管34bの外周部分にのみ第1ヒータ36が設けられてなる。しかも、係る第1ヒータ36は、上流側ヒータ36aと下流側ヒータ36bの2つのヒータから構成されている。上流側ヒータ36aは、HClとAlとの反応領域の加熱を担うべく、供給管34bのうち少なくともボート15を含む部分を、供給管34bの外部から抵抗加熱するように設けられてなる。下流側ヒータ36bは、上流部分における反応によって生成したAlClxの析出を抑制すべく、供給管34bのうち上流側ヒータ36aの加熱部分よりも下流側の部分を、その外側から抵抗加熱するように設けられてなる。これら上流側ヒータ36aと下流側ヒータ36bの加熱温度は、独立して調整可能とされてなる。よって、それぞれに最適の温度条件での加熱を行うことができる。
このような構成を有する作製装置30においても、作製装置10と同様に、図示しない制御手段によって供給系34からのガスの供給態様の制御と、第1ヒータ36および第2ヒータ17の加熱態様の制御とを適宜に行うことにより、所望のIII族窒化物結晶を作製することが可能である。
特に、供給管34bからの第2ガスg2の供給を停止し、第1ガスg1および第3ガスg3を適宜の流量で供給し、第1ヒータ36では加熱を行わず第2ヒータ17が下地基板13を加熱するようにすることで、MOCVDモードでの使用が可能となる。
また、供給管34aからの第1ガスg1の供給を停止し、第2ガスg2および第3ガスg3を適宜の流量で供給し、第1ヒータ36による供給管34bの加熱と第2ヒータ17による下地基板13の加熱をいずれも行うようにすることで、HVPEモードでの使用が可能となる。
従って、本実施の形態に係る作製装置30も、第1の実施の形態に係る作製装置30と同様に、MOCVD装置の機能とHVPE装置の機能とを兼ね備えた複合的なIII族窒化物の作製装置であり、一の基板上への結晶成長を行う場合に、MOCVDモードによる結晶成長とHVPEモードによる結晶成長とを適宜に切り替えつつ行うことが可能である。
特に、HVPEモードの場合、第1ヒータ36を構成する上流側ヒータ36aと下流側ヒータ36bの加熱温度を違えることができるので、反応生成を行わせるうえでより効果的な温度条件の設定が可能となっている。例えば、第1の実施の形態にて例示したようにMOCVDモードで作製したAlN下地膜の上にHVPEモードにてAlNを成長させる場合に、上流側ヒータ36aの加熱温度を第1の実施の形態における第1ヒータの加熱温度と同じ550℃とするとともに、下流側ヒータ36bの加熱温度を200℃とするといった態様が可能である。
あるいは、さらに、本実施の形態に係る作製装置30においては、MOCVD法による結晶成長とHVPE法による結晶成長とを混合的に行うことも可能である。係る結晶成長を実現する使用態様を、混合モードと称することとする。混合モードは、供給系34から第1ガスg1、第2ガスg2、および第3ガスg3の全てを適宜の流量で供給し、第1ヒータ36による供給管34bの加熱と第2ヒータ17による下地基板13の加熱をいずれも行うようにすることで実現される。混合モードによれば、第1ガスg1と第2ガスg2との供給バランスを適宜に制御することで、成長速度を確保しつつ、精度のよい結晶成長を実現することが可能となる。この場合、第1ガスg1をTMG含有ガスとし、混晶比を精度良く制御したAlGaNを形成することも可能となる。
なお、第1および第2の実施の形態に係る作製装置10および20を用いて、この混合モードに相当する処理を行おうとすることも不可能ではないが、両作製装置の場合、TMAを含む第1ガスg1が第1ヒータ16にて加熱されてしまうことになるので、第1ヒータ16の加熱条件によっては、TMAが分解し、III族窒化物の生成に無関係な副反応物の生成、析出が起こりうる点には、留意が必要である。これに対して、本実施の形態に係る作製装置30においては、供給系34のうち、HClを含む第2ガスg2を供給する供給管34bのみを加熱するようにしているので、そのような問題が生じることはない。すなわち、作製装置30は、混合モードによる結晶成長に適した構成態様を有しているといえる。
以上、説明したように、本実施の形態においても、MOCVD装置の機能とHVPE装置の機能とを兼ね備えた複合的なIII族窒化物の作製装置が実現されてなる。係る作製装置によれば、ガスの供給態様と加熱態様とを適宜に切り替えることで、一の基板上への結晶成長を行う場合に、MOCVD法による結晶成長とHVPE法による結晶成長とを適宜に切り替えつつ行うことが可能である。加えて、MOCVD法による結晶成長とHVPE法による結晶成長とを同時並行的に行うことについても好適な装置である。これにより、第1および第2の実施の形態よりもさらに自由度の高い結晶成長が可能となる。
<第4の実施の形態>
本実施の形態においても、MOCVD装置の機能とHVPE装置の機能とを兼ね備えた複合的なIII族窒化物の作製装置のさらに異なる構成態様について説明する。
図4は、本実施の形態に係るIII族窒化物結晶の作製装置40の構造を概念的に示す断面模式図である。なお、作製装置40において第1の実施の形態に係る作製装置10と同様の作用効果を奏する構成要素については、図1と同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施の形態に係る作製装置40は、垂直方向に長手方向を有する反応管41を備える。また、反応管41の内部には、略水平な載置面を有するサセプタ42が設けられてなる。さらに、反応管41の上側には供給系44が備わっている。すなわち、作製装置40は、他の実施形態に係る横型構造の作製装置とは異なり、縦型構造を有するものである。
供給系44は、供給管44aを有してなる。供給管44aからは、第1ガスg1と第2ガスg2とが、図示しない所定の切り替え手段によって切替可能に供給される。供給管44aは、先端部分(供給口)がサセプタ42の近傍にまで達するように設けられてなるので、第1ガスg1あるいは第2ガスg2は、反応管41の内部のサセプタ42の近傍へとそれぞれ供給されることになる。なお、供給管44aの途中には、金属Al粉末を載置するためのボート15が設けられてなる。
また、供給系44においては、供給管44aの外周部分(図4においては供給管44aの左右部分)を通じて、第3ガスg3がサセプタ42の近傍へと供給されるようになっている。
さらには、反応管41の外周部分には、第1の実施の形態と同様に、HClとAlとの反応領域を加熱するべく、供給系44のうち少なくともボート15を含む部分を、反応管11の外部から加熱する第1ヒータ16が備わっている。さらには、下地基板13へのエピタキシャル成長を行わせるべく、サセプタ42の上に載置された下地基板13を加熱するための第2ヒータ17も備わっている。
このような構成を有する作製装置40においても、作製装置10と同様に、図示しない制御手段によって供給系44からのガスの供給態様の制御と、第1ヒータ16および第2ヒータ17の加熱態様の制御とを適宜に行うことにより、所望のIII族窒化物結晶を作製することが可能である。
特に、供給管44aから第1ガスg1を供給するとともに第3ガスg3を供給し、第1ヒータ16では加熱を行わず第2ヒータ17が下地基板13を加熱するようにすることで、MOCVDモードでの使用が可能となる。
また、供給管44aから第2ガスg2を供給するとともに第3ガスg3を供給し、第1ヒータ16による供給系24の加熱と第2ヒータ17による下地基板13の加熱をいずれも行うようにすることで、HVPEモードでの使用が可能となる。
従って、本実施の形態に係る作製装置40も、第1の実施の形態に係る作製装置10と同様に、MOCVD装置の機能とHVPE装置の機能とを兼ね備えた複合的なIII族窒化物の作製装置であり、一の基板上への結晶成長を行う場合に、MOCVDモードによる結晶成長とHVPEモードによる結晶成長とを適宜に切り替えつつ行うことが可能である。
これにより、例えば第1の実施の形態にて例示したように、MOCVDモードで作製したAlN下地膜の上にHVPEモードにてAlNを成長させるといった態様の結晶成長などを、同様の条件設定のもとで行うことができる。
以上、説明したように、本実施の形態においても、MOCVD装置の機能とHVPE装置の機能とを兼ね備えた複合的なIII族窒化物の作製装置が実現されてなる。係る作製装置によれば、ガスの供給態様と加熱態様とを適宜に切り替えることで、一の基板上への結晶成長を行う場合に、MOCVD法による結晶成長とHVPE法による結晶成長とを適宜に切り替えつつ行うことができるので、両手法の長所を活かしたより自由度の高い結晶成長が可能となる。
第1の実施の形態に係る作製装置10の構造を概念的に示す断面模式図である。 第2の実施の形態に係る作製装置20の構造を概念的に示す断面模式図である。 第3の実施の形態に係る作製装置30の構造を概念的に示す断面模式図である。 第4の実施の形態に係る作製装置40の構造を概念的に示す断面模式図である。
符号の説明
10、20、30、40 (III族窒化物結晶の)作製装置
11、31,41 反応管
12、42 サセプタ
13 下地基板
14、24、34、44 (ガス)供給系
14a〜14d、24a、24b、34a〜34c、44a ガス供給管
15 ボート
16、36 第1ヒータ
17 第2ヒータ
18 排気系
36a 上流側ヒータ
36b 下流側ヒータ

Claims (3)

  1. 反応管内でIII族元素含有ガスと窒素元素含有ガスとを気相反応させることによりIII族窒化物結晶を作製する装置であって、
    前記III族元素含有ガスとしてIII族元素を含む有機金属ガスを前記反応管内に供給する第1のIII族元素供給手段と、
    III族元素金属とハロゲン化水素とを反応させることによりハロゲン化物ガスを生成させ、前記III族元素含有ガスとして前記ハロゲン化物ガスを前記反応管内に供給する第2のIII族元素供給手段と、
    前記窒素元素含有ガスを前記反応管内に供給する窒素元素供給手段と、
    を備え、
    前記第1のIII族元素供給手段と前記第2のIII族元素供給手段と前記窒素元素供給手段とが、ガス種ごとに独立に、かつ、前記窒素元素供給手段からの供給ガスが前記第1のIII族元素供給手段と前記第2のIII族元素供給手段の外周部分から供給される態様にて、前記反応管内の反応領域の近傍位置に各々の供給ガスを供給するように設けられており、
    III族窒化物結晶を作製する際には前記III族窒化物結晶を構成する同じ種類のIII族元素について前記第1と第2のIII族元素供給手段が選択的に使用されて前記III族元素含有ガスが供給される、
    ことを特徴とするIII族窒化物結晶の作製装置。
  2. 請求項1に記載の作製装置であって、
    前記窒素元素含有ガスとしてアンモニアガスを用いる、
    ことを特徴とするIII族窒化物結晶の作製装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の作製装置を用いて、
    前記第1のIII族元素供給手段によって供給した前記III族元素含有ガスと前記窒素元素含有ガスとを気相反応させることによって第1のIII族窒化物層を形成する第1形成工程と、
    前記第2のIII族元素供給手段によって供給した前記III族元素含有ガスと前記窒素元素含有ガスとを気相反応させることによって第2のIII族窒化物層を形成する第2形成工程と、
    を所定の回数ずつ行うことを特徴とするIII族窒化物結晶の積層構造体の作製方法。
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