JP4856823B2 - 吸水剤組成物及び吸収性物品 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は吸水剤組成物及び吸収性物品に関するものである。更に詳しくは、紙オムツや生理用ナプキン、失禁パット等の衛生材料の吸収体中に用いた場合に特に優れた消臭性能と安定した吸収特性を有する吸水剤組成物および吸収性物品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、体液を吸収させることを目的として吸水性樹脂が紙オムツや生理用ナプキン、失禁パット等の衛生材料の構成材料の一つとして幅広く利用されている。
【0003】
上記吸水性樹脂としては、例えば、ポリアクリル酸部分中和物架橋体、澱粉−アクリロニトリルグラフト重合体の加水分解物、澱粉−アクリル酸グラフト重合体の中和物、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体のケン化物、カルボキシメチルセルロース架橋体、アクリロニトリル共重合体若しくはアクリルアミド共重合体の加水分解物またはこれらの架橋体、カチオン性モノマーの架橋体、架橋イソブチレン−マレイン酸共重合体、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸とアクリル酸の架橋体等が知られている。
従来から上記の吸水性樹脂に望まれる吸水特性としては、体液等の水性液体に接した際の高い吸収倍率、優れた吸収速度、通液性、膨潤ゲルのゲル強度、水性液体を含んだ基材から水を吸い上げる吸引量等が唱えられている。また、大人用のおむつなどに用いられる吸水性樹脂には、消臭という機能も望まれている。消臭性を付与する試みとしては、吸水性樹脂とツバキ科植物の葉抽出物とからなる吸水剤(特開昭60-158861号公報)、製茶及び吸水性樹脂を含んでなる吸収性物品(特開平2-41155号公報)、吸水性樹脂に塩化ベンザルコニウム及び/又はグルコン酸クロルヘキシジンを含有した樹脂を含む使い捨ておむつ(特開昭63-135501号公報)、吸水性樹脂の内部にゼオライト粒子が分散された消臭性樹脂組成物(特開平8-176338号公報)、わさび抽出物、からし抽出物、またはイソチオシアン酸アリルの少なくとも1種のパウダーと、該パウダーの抗菌消臭作用を持続させる持続剤として吸水ゲル化剤を備えてなる持続性抗菌消臭剤(特開2000-51339号公報)、吸水性樹脂とアンモニア産生菌に対して抗菌機能を有する化合物とアンモニアに対してアンモニアに対して中和能または、中和能および吸着能を有する薬剤とからなる粉末状の消臭性/抗菌性吸水剤(特開2000-79159号公報)等が知られている。
また、従来よりおむつなどの体液吸収物品に使用した吸水性樹脂は、尿を吸収し膨潤した状態で時間がたつと劣化・分解が生じることが知られおり、このような劣化・分解による安定性低下を防ぐために、吸水性樹脂を含有した吸収体中に酸化剤を配する検討(特開昭63-153060号公報)、吸水性樹脂に、少なくとも1種のトロポロン誘導体の、シクロデキストリン包接化合物を含有させる方法(特開昭9-157535号公報)等が提案されている。
しかしながら、上記、消臭性を改善する従来の方法では、実使用に耐える十分な効果は見られられず、また、吸水性樹脂の劣化・分解を防止する性能についても、同様に十分な効果を発揮することができない場合があった。さらに、
消臭性と劣化・分解防止という両性能をあわせもつことができないため、従来の方法で得られた吸水性樹脂を用いた吸水性物品について、臭いや吸収力の経時変化等の問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の目的は、長時間使用した場合に、優れた消臭性能と吸収特性を有する吸水剤組成物及び吸収性物品を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは吸水剤をオムツ等の吸収性物品に組み入れた場合の優れた消臭性能と優れた吸収特性という観点から鋭意検討した結果、ヨウ素および/またはヨウ化物イオンを担持したシクロデキストリンと吸水性樹脂を含む吸水剤組成物が上記目的が達成できることを見出し本発明を完成させるに至った。
【0006】
すなわち本発明の吸水剤組成物は、ヨウ素および/またはヨウ化物イオンを担持したシクロデキストリンと、吸水性樹脂とを含む吸水剤組成物よりなることを特徴としており、好ましくは、吸水性樹脂がアクリル酸およびアクリル酸塩を主構成単位とする水膨潤性架橋重合体で、かつ、シクロデキストリンがβシクロデキストリンであることが好ましい。
【0007】
また、本発明の吸収性物品は、ヨウ素および/またはヨウ化物イオンを担持したシクロデキストリンと、吸水性樹脂とを含む吸収体と、液透過性を有する表面シート、及び液不透過性を有する背面シートを備える吸収性物品であることを特徴としている。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳しく説明する。
(1)吸水性樹脂
本発明における吸水性樹脂としては、一般に吸水性樹脂前駆体を表面架橋処理するという製造方法により得られる。
【0009】
吸水性樹脂前駆体は、例えば、水溶液重合あるいは逆相懸濁重合により合成される。該吸水性樹脂前駆体としては、具体的には、例えば、ポリアクリル酸部分中和物架橋体、澱粉−アクリロニトリルグラフト重合体の加水分解物、澱粉−アクリル酸グラフト重合体の中和物、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体のケン化物、アクリロニトリル共重合体若しくはアクリルアミド共重合体の加水分解物またはこれらの架橋体、カルボキシル基含有架橋ポリビニルアルコール変性物、架橋イソブチレン−無水マレイン酸共重合体等の1種以上が挙げられ、単独またはブレンドとして使用される。
上記の吸水性樹脂前駆体は、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、β−アクリロイルオキシプロピオン酸等の不飽和カルボン酸またはこれらの中和物から選ばれる1種類以上の単量体を重合若しくは共重合させた後、該重合体に対して必要により粉砕・分級等の操作を行い、粒子径を調整することにより得られる。
上記酸基の中和率は、好ましくは30〜100モル%、更に好ましくは60〜90モル%、更により好ましくは65〜75モル%の範囲内に調整される。酸基の中和は、重合前に水溶液中で酸基含有単量体として行なってもよいし、該重合体の水溶液、つまり重合ゲルの後中和で行なってもよいし、両者を併用してもよい。中和する塩としては、ナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、アンモニア、アミン類などが好ましい。
【0010】
単量体としては、上記単量体のうち、(メタ)アクリル酸及びこれらの中和物がより好ましい。重量平均粒子径は、好ましくは100μm〜600μmの範囲内、より好ましくは200〜500μmの範囲に調整することが好ましい。
【0011】
更に、吸水性樹脂前駆体は、上記単量体と共重合可能な別の単量体との共重合体であってもよい。上記別の単量体としては、具体的には、例えば、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルプロパンスルホン酸等のアニオン性不飽和単量体及びその塩;メタアクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のノニオン性の親水基含有不飽和単量体;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、及び、これらの四級塩等のカチオン性不飽和単量体等が挙げられる。
吸水性樹脂前駆体は、架橋され水不溶性であることが必須であり、水可溶分が20重量%以下、好ましくは15重量%以下、更に好ましくは10重量%以下である。また、水の吸水倍率は自重の10倍〜1000倍、生理食塩水の吸収倍率は自重の20〜100倍が好ましい。
また、上記吸水性樹脂前駆体は、自己架橋でもよいが、好ましくは複数の重合性不飽和基や、複数の反応性基を有する架橋剤と反応または共重合させることにより、その内部が架橋されたものである。
上記の架橋剤としては、具体的には、例えば、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、グリセリンアクリレートメタクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルホスフェート、トリアリルアミン、ポリ(メタ)アリロキシアルカン、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、エチレンジアミン、ポリエチレンイミン、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これら架橋剤は、単独で用いてもよく、また、2種類以上を混合して用いてもよい。上記例示の化合物のうち、複数の重合性不飽和基を有する化合物を架橋剤として用いることがより好ましい。
【0012】
架橋剤の使用量は、上記単量体の合計量に対して0.01モル%〜2モル%の範囲内が好ましく、0.03モル%〜0.2モル%の範囲内がより好ましい。
【0013】
また、上記重合開始時には、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化水素、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩等のラジカル重合開始剤、或いは、紫外線や電子線等の活性エネルギー線等を用いることができる。また、酸化性ラジカル重合開始剤を用いる場合には、例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、硫酸第一鉄、L−アスコルビン酸等の還元剤を併用してレドックス重合を行っても良い。これら重合開始剤の使用量は、0.001モル%〜2モル%の範囲内が好ましく、0.01モル%〜0.5モル%の範囲内がより好ましい。
【0014】
また重合時に単量体に炭酸塩、アゾ化合物等の発泡剤や不活性気体等を含有させ、得られる吸水性樹脂前駆体を多孔質構造にして、比表面積を増加させる手法も好ましい。
【0015】
また本発明における吸水性樹脂前駆体の製造工程としては、例えば水溶液重合の場合、単量体水溶液の調整−重合−重合体の細粒化−乾燥−粉砕−分級という一連の工程が挙げられる。
【0016】
上記水溶液重合する場合、一般に10重量%〜飽和濃度、好ましくは20〜60重量%の単量体水溶液を調整し、次いで重合する。重合方法としては双椀型ニーダー中で、必要に応じ攪拌しながら、重合する方法、容器中で注型重合する方法、駆動するベルト上で(連続的に)静置重合する方法等が挙げられる。
【0017】
上記重合工程で得られる該重合体(含水ゲル)を乾燥するため、所定の粒子径にまで前記含水ゲルは細粒化されることが望ましい。含水ゲルの細粒化は双椀型ニーダー等により攪拌しながら重合することにより重合時に行なったり、重合後のゲルをミートチョッパー等を用いてダイスから押出すことにより行なうことが出来る。またカッティングミル等により細粒化することも出来る。細粒化されたゲルの粒径は、乾燥機の能力等により適宜設定することが出来るが、一般に0.1〜10mmの範囲が好ましい。0.1mmよりもゲルが細かいと得られる吸水性樹脂の物性の低いものとなる恐れがある。10mmよりも大きいと乾燥されにくくなる恐れがある。
【0018】
細粒化工程においては10mmよりも大きい粗ゲル及び0.1mmよりも小さい微ゲルが生成し得る。これら重合物を取り出し、例えば単量体水溶液や重合ゲルに添加することが出来る。
上記細粒化工程で細粒化されたゲルは乾燥工程で乾燥される。乾燥方法としては、例えば、熱風乾燥機、気流乾燥機、流動層乾燥機、ドラムドライヤー、マイクロ波、遠赤外線等を用いることが出来る。乾燥温度は120℃以上であり、好ましくは150〜250℃の範囲であり、より好ましくは160〜220℃の範囲である。
【0019】
一般に上記の吸水性樹脂前駆体を、更に架橋剤を用いることにより、その吸収倍率と加圧下吸収倍率と吸水速度等の吸収特性を向上させることが好ましい。具体的には、吸水性樹脂前駆体の表面近傍を架橋剤を用いて架橋させることにより吸収性物品に好適な吸水性樹脂が得られる。
即ち、本発明にかかる吸水性樹脂は好ましくは前記した水溶液重合あるいは逆相懸濁重合によって得られる吸水性樹脂前駆体、好ましくは水溶液重合によって得られる吸水性樹脂前駆体、即ち、重量平均粒子径が100μm〜600μmの範囲内、より好ましくは重量平均粒子径が200μm〜500μmの範囲内で粒径が106μm未満の粒子の割合が10重量%以下と、さらに5重量%以下となるように、重合、分級等の操作により調整して得られたものを、吸水性樹脂(吸水性樹脂前駆体)の有する官能基と反応し得る架橋剤(以下、表面架橋剤と表す)の存在下に加熱処理することにより得られる。
上記吸水性樹脂前駆体は、所定形状に造粒されていてもよく、また、球状、鱗片状、不定形破砕状、顆粒状等の種々の形状であってもよい。さらに、吸水性樹脂前駆体は、実質、未造粒の1次粒子であってもよく、また、1次粒子の造粒体であってもよい。
【0020】
上記の表面架橋剤としては吸水性樹脂前駆体の有する官能基たとえば酸性基と反応し得る官能基を有するものであり、通常、該用途に用いられている公知の架橋剤が例示される。
【0021】
吸水性樹脂前駆体の官能基が例えばカルボキシル基である場合には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタジオール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、2−ブテン−1,4−ジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサノール、トリメチロールプロパン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ポリオキシプロピレン、オキシエチレンオキシプロピレンブロック共重合体、ペンタエリスリトール、ソルビトールなどの多価アルコール化合物;エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリシドール等のエポキシ化合物;エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミン等の多価アミン化合物;2,4−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の多価イソシアネート化合物;1,2−エチレンビスオキサゾリン等の多価オキサゾリン化合物;1,3−ジオキソラン−2−オン、4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,4−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−エチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、1,3−ジオキサン−2−オン、4−メチル−1,3−ジオキサン−2−オン、4,6−ジメチル−1,3−ジオキサン−2−オン、1,3−ジオキソパン−2−オン等のアルキレンカーボネート化合物;モノ、ジ、ポリのオキサゾリジン化合物;エピクロロヒドリン、エピブロムヒドリン、α−メチルエピクロロヒドリン等のハロエポキシ化合物;亜鉛、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、鉄、ジルコニウム等の水酸化物及び塩化物等の多価金属化合物;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のシランカップリング剤;ポリアミドポリアミンエピハロヒドリン樹脂;等より選ばれる1種または2種以上のものが例示できる。好ましくは多価アルコール化合物、多価アミン化合物、多価エポキシ化合物、及びアルキレンカーボネート化合物から選ばれる少なくとも1種を含むものである。
【0022】
表面架橋剤の使用量は、用いる化合物やそれらの組み合わせ等にもよるが、吸水性樹脂前駆体の固形分100重量部に対して、0.001重量部〜5重量部の範囲内が好ましく、0.01重量部〜1重量部の範囲内がより好ましい。上記の表面架橋剤を用いることにより、吸水性樹脂前駆体、つまり、吸水性樹脂の表面近傍の架橋密度を内部よりも高くすることができ、本発明の樹脂に必要な吸収特性を有するものができる。表面架橋剤の使用量が10重量部を越える場合には、不経済となるばかりか、吸水性樹脂における最適な架橋構造を形成する上で、表面架橋剤の量が過剰となるため、吸収倍率が低下し好ましくない場合がある。また、表面架橋剤の使用量が0.001重量部未満の場合には、吸水性樹脂における加圧下吸引力が向上しにくい場合がある。
【0023】
吸水性樹脂前駆体と表面架橋剤とを混合する際には、溶媒として水を用いることが好ましい。水の使用量は、吸水性樹脂前駆体の種類や粒径等にもよるが、吸水性樹脂前駆体の固形分 100重量部に対して、0を越え、20重量部以下が好ましく、0.5重量部〜10重量部の範囲内がより好ましい。
【0024】
また、吸水性樹脂前駆体と表面架橋剤とを混合する際には、必要に応じて、溶媒として親水性有機溶媒を用いてもよい。上記の親水性有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール等の低級アルコール類;アセトン等のケトン類;ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類等が挙げられる。親水性有機溶媒の使用量は、吸水性樹脂前駆体の種類や粒径等にもよるが、吸水性樹脂前駆体の固形分100重量部に対して、20重量部以下が好ましく、10重量部以下の範囲内がより好ましい。
【0025】
吸水性樹脂前駆体と表面架橋剤とを混合する際には、例えば、上記の親水性有機溶媒中に吸水性樹脂前駆体を分散させた後、表面架橋剤を混合してもよいが、混合方法は、特に限定されるものではない。種々の混合方法のうち、必要に応じて水及び/または親水性有機溶媒に溶解させた表面架橋剤を、吸水性樹脂前駆体に直接、噴霧若しくは滴下して混合する方法が好ましい。また、水を用いて混合する場合には、水に不溶な微粒子状の粉体や、界面活性剤等を共存させてもよい。
【0026】
吸水性樹脂前駆体と表面架橋剤とを混合する際に用いられる混合装置は、両者を均一かつ確実に混合するために、大きな混合力を備えていることが好ましい。上記の混合装置としては、例えば、円筒型混合機、二重壁円錐型混合機、V字型混合機、リボン型混合機、スクリュー型混合機、流動型炉ロータリーデスク型混合機、気流型混合機、双腕型ニーダー、内部混合機、粉砕型ニーダー、回転式混合機、スクリュー型押出機等が好適である。
【0027】
また、吸水性樹脂前駆体と表面架橋剤とを混合した後、加熱処理を行うことが好ましい。上記加熱処理の処理温度は、用いる表面架橋剤にもよるが、40℃以上250℃以下が好ましい。処理温度が40℃未満の場合には、均一な架橋構造が形成されず、処理温度が250℃を越える場合には、吸水性樹脂の劣化を引き起こし、吸水性樹脂の性能が低下する場合があり注意を要する。
【0028】
上記の加熱処理は、通常の乾燥機または加熱炉を用いて行うことができる。
上記の乾燥機としては、例えば、溝型混合乾燥機、ロータリー乾燥機、デスク乾燥機、流動層乾燥機、気流型乾燥機、赤外線乾燥機等が挙げられる。
本発明の吸水剤組成物は上記により得られた吸水性樹脂にヨウ素および/またはヨウ化物イオンを担持したシクロデキストリンを添加させることにより得られる。
(2)ヨウ素および/またはヨウ化物イオンを担持したシクロデキストリン
本発明に用いることのできるヨウ素および/またはヨウ化物イオンとは、酸化能力を有するあらゆる形態のヨウ素を言う。例えば、元素状態のヨウ素、トリヨウ化物イオン、次亜ヨウ素酸イオン、ヨウ素酸イオン等がある。酸化能力を有する形態とは、チオ硫酸ナトリウムで滴定可能である。
【0029】
これらのヨウ素および/またはヨウ化物イオンの使用量は、目的とする消臭機能および経時安定性によっても異なるがその添加量は吸水性樹脂固形分 100重量部に対して、0.001〜10重量部の範囲が好ましく、より好ましくは0.01〜5重量部の範囲である。0.001重量部より少ないと十分な効果が得られず、10重量部以上の場合は、添加量に見合った効果が得られない。
本発明に用いることのできるシクロデキストリンとは、多数のD-グルコピラノース基がα1→4グリコシド結合によって環化した構造を有するオリゴ糖同属体であり、1分子中に含むグリコース基の数が6個のα―シクロデキストリン、7個のβ―シクロデキストリン、8個のγ―シクロデキストリン、9個のδ―シクロデキストリンがある。また、水への溶解性を高めるため構造の一部をメチル化したものもある。本発明に使用されるシクロデキストリンは特に限定するものではないが、最も容易に包接体を形成することのできるβ―シクロデキストリンが好ましい。
シクロデキストリンに担持されるヨウ素および/またはヨウ化物イオンの量は、特に限定されないが、シクロデキストリン固形分100重量部に対して、0.1重量部〜200重量部が好ましく、より好ましくは1重量部〜100重量部の範囲で、さらに好ましくは、5重量部〜50重量部である。
シクロデキストリンにヨウ素および/またはヨウ化物イオンを担持させる方法としては、一般的には、溶媒、例えば水中でヨウ素および/またはヨウ化物イオンおよびシクロデキストリンを攪拌混合し、必要により、乾燥および粉砕をする方法。また、好ましくは適量の溶媒、例えば水存在下、シクロデキストリン、ヨウ素および/またはヨウ化物イオンを混練/スラリー化させ、必要により、乾燥および粉砕をする方法。さらに好ましくは、水中でヨウ素および/またはヨウ化物イオンおよびシクロデキストリンを攪拌混合し、スプレードライヤーで乾燥粉末化する方法があるが、特に限定されるものはない。
また、ヨウ素および/またはヨウ化物イオンを担持したシクロデキストリンが粉末の場合の粒子径は、通常、0.001〜1000μm、好ましくは、1〜600μmの範囲であり、重量平均粒子径が500μm以下、更に好ましくは300μm以下であることが好ましい。重量平均粒子径が500μmより大きい場合には、尿と接触した場合のシクロデキストリン粉末に含まれる有効成分の作用が不十分となり、安定した消臭性能が付与できない場合があり好ましくないことがある。また吸水性樹脂の重量平均粒子径に対して、シクロデキストリン粉末の重量平均粒子径が小さい方が、優れた消臭性能および安定性が付与できるため好ましい。
(3)吸水剤組成物
これらヨウ素および/またはヨウ化物イオンを担持したシクロデキストリンの添加方法としては、吸水性樹脂に所望の量添加されるように、吸水性樹脂に直接混合させる方法(例えば粉体同士を混合する場合は、ドライブレンド法)、ヨウ素および/またはヨウ化物イオンを担持したシクロデキストリンを吸水性樹脂に直接混合したものに、水、水性液や各種有機溶剤などを、噴霧若しくは滴下混合させる方法、ヨウ素および/またはヨウ化物イオンを担持したシクロデキストリンを水、水性液や各種有機溶剤等に分散させたものを、吸水性樹脂に直接、噴霧若しくは滴下混合させる方法等が例示できる。なお吸水性樹脂の重合時にヨウ素および/またはヨウ化物イオンを担持したシクロデキストリンを添加する方法、重合後のゲルにヨウ素および/またはヨウ化物イオンを担持したシクロデキストリンを添加する方法を採用することも可能である。
【0030】
本発明において吸水性樹脂とヨウ素および/またはヨウ化物イオンを担持したシクロデキストリンを混合する場合、必要により用いる水、水蒸気、または水と親水性有機溶媒からなる水性液等の添加量は、吸水性樹脂の種類や粒度によってその最適量は異なるが、通常、水の場合、吸水性樹脂の固形分100重量部に対して、10重量部以下、好ましくは1〜5重量部の範囲である。また使用される親水性有機溶媒の量は、同様に通常、吸水性樹脂の固形分100重量部に対して、10重量部以下、好ましくは0.1〜5重量部の範囲である。
【0031】
本発明において吸水性樹脂とシクロデキストリン粉末とを混合する場合に使用する装置としては、通常の装置でよく、例えば、円筒型混合機、スクリュー型混合機、スクリュー型押出機、タービュライザー、ナウター型混合機、V型混合機、リボン型混合機、双腕型ニーダー、流動式混合機、気流型混合機、回転円盤型混合機、ロールミキサー、転動式混合機などを挙げることができ、混合の際の速度は高速、低速を問わない。
上記の吸水性樹脂及び/または吸水剤組成物に、更に各種の無機粉末を添加してもよい。無機粉末としては、具体的には、例えば、二酸化珪素や酸化チタン等の金属酸化物、天然ゼオライトや合成ゼオライト等の珪酸(塩)、カオリン、タルク、クレー、ベントナイト等が挙げられる。このうち、二酸化珪素及び珪酸(塩)がより好ましく、コールターカウンター法により測定された平均粒子径が200μm以下の二酸化珪素及び珪酸(塩)がさらに好ましい。その使用量は、吸水性樹脂及び/または吸水剤組成物と無機粉体の組み合わせにもよるが、吸水性樹脂及び/または吸水剤組成物100重量部に対し0.001〜10重量部、より好ましくは0.01〜5重量部である。吸水性樹脂及び/または吸水剤組成物と無機粉体の混合方法は、特に限定されるものではなく、例えば粉体同士を混合するドライブレンド法、湿式混合法等を採用できるが、ドライブレンド法がより好ましい。
上記の本発明に係る吸水剤組成物の製造方法においては、さらに、必要に応じて、消臭剤、抗菌剤、香料、発泡剤、顔料、染料、可塑剤、親水性短繊維、粘着剤、界面活性剤、肥料、酸化剤、還元剤、水、塩類、キレーと剤、殺菌剤、ポリエチレングリコールやポリエリレンイミンなどの親水性高分子、パラフィンなどの疎水性高分子、ポリエチレンやポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂、ポリエステル樹脂やユリア樹脂などの熱硬化性樹脂等を添加する等、種々の機能を付与する工程を含んでいてもよい。
【0032】
以上の製造方法により得られる吸水剤組成物は、ヨウ素および/またはヨウ化物イオンを担持したシクロデキストリンと、吸水性樹脂とを含む吸水剤組成物である。尚、本発明の吸水剤組成物の製法は、上記の方法に特に限定されるものではない。
(4)吸収性物品
更に本発明の吸収性物品は、吸水剤組成物を含む吸収体、液透過性を有する表面シート、及び液不透過性を有する背面シートを備える吸収性物品である。
また本発明の吸収性物品は、ヨウ素および/またはヨウ化物イオンを担持したシクロデキストリンと、吸水性樹脂とを含む吸収体、液透過性を有する表面シート、及び液不透過性を有する背面シートを備える吸収性物品である。
【0033】
次いで、本発明の吸収性物品について説明する。本発明の吸収性物品は、吸水剤組成物を含む吸収体、液透過性を有する表面シート、及びとう液不透過性を有する背面シートを備える吸収性物品であって、吸収体に含まれる吸水剤組成物の重量比αが0.3以上であることを特徴とするものである。αは好ましくは0.4〜1.0、更に好ましくは0.5〜0.8の範囲である。
【0034】
本発明の吸収性物品において、吸収体に含まれる吸収剤組成物の重量比が0.3未満の場合は、吸水剤組成物の使用量が少なく、オムツ全体への消臭性能の付与が十分に行われない場合が有り、好ましくない。
この吸収性物品の製造方法は、例えば繊維基材と吸水剤組成物とをブレンドないしサンドイッチすることで吸収体(吸収コア)を作成し、吸収コアを液透過性を有する基材(表面シート)と液不透過性を有する基材(背面シート)でサンドイッチして、必要に応じて、弾性部材、拡散層、粘着テープ等を装備することで、吸収性物品、特に大人用紙オムツや生理用ナプキンとすればよい。かかる吸収コアは密度0.06〜0.50g/cc、坪量0.01〜0.20g/cmの範囲に圧縮成形される。なお、用いられる繊維基材としては、親水性繊維、例えば、粉砕された木材パルプ、その他、コットンリンターや架橋セルロース繊維、レーヨン、綿、羊毛、アセテート、ビニロン等を例示できる。好ましくはそれらをエアレイドしたものである。
一般の吸水性樹脂は、オムツ等の吸収性物品に用いると尿により経時的に吸水性樹脂が劣化し、水溶化および/またはゲル強度が低下することがある。これら経時変化により、ゲル粒子間および/または吸収体の通液性の低下を引き起こし、吸収体での吸収速度の低下が見られる。この吸収体の吸収速度低下は、実使用での漏れの原因のひとつに挙げられおり、よって、尿により吸水性樹脂が劣化すると吸収性物品の吸収特性が低下する場合がある。また、吸水性樹脂自体では、尿などの消臭についてはあまり効果がなかった。本発明の吸水剤組成物は、ヨウ素および/またはヨウ化物イオンを担持したシクロデキストリンと吸水性樹脂を用いることにより、長時間にわたり優れた消臭性能と、優れた吸収特性を吸収性物品に付与することが出来、吸収性物品に好ましく用いられる。
これら効果の発現の機構については明らかではないが、例えば、ヨウ素および/またはヨウ化物イオンを担持したシクロデキストリンが、液を吸収したとき徐々に放出され、効成分の作用とヨウ素および/またはヨウ化物イオンの酸化能力による殺菌および雑菌の抑制、メルカプタン等の硫黄含有悪臭成分の化学変性による無臭化、シクロデキストリンによる悪臭成分の包接作用等、また、ヨウ素の昇華性をシクロデキストリンに担持させることにより防ぎ、上記有効成分量が、使用時(尿と接触時)まで変化しないということが挙げられる。さらに、一般的に、ヨウ素および/またはヨウ化物イオンを包接した化合物としてポリビニルピロリドンとヨウ素の複合物が知られているが、しかし、該化合物を使用すると消臭機能および吸水性樹脂の経時安定性の面で本目的を十分に達成することはできなかったことより、担持するシクロデキストリンとヨウ素および/またはヨウ化物イオン間の相互作用が影響することも考えられる。
【0035】
このように本発明の吸水剤組成物は、吸収性物品に消臭機能を付与でき、長時間にわたり、優れた消臭性能と、かつ、安定した吸収特性を示すものである。このような吸収性物品としては、具体的には、近年成長の著しい大人用紙オムツをはじめ、子供用オムツや生理用ナプキン、いわゆる失禁パッド等の衛生材料等が挙げられ、それらに特に限定されるものではないが、吸収性物品の中に存在する吸水剤組成物が非常に優れた消臭性を有し、かつ、戻り量も少なく、ドライ感が著しいことにより、装着している本人、介護の人々の負担を大きく低減することができる。
【0036】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、吸水剤組成物および吸収性物品の諸性能は以下の方法で測定した。
(a)吸収倍率
吸水性樹脂(または吸水剤組成物)0.2gを不織布製の袋(60mm×60mm)に均一に入れ、25℃に調温した0.9重量%塩化ナトリウム水溶液(生理食塩水)中に浸漬した。60分後に袋を引き上げ、遠心分離機を用いて250Gで3分間水切りを行った後、袋の重量W2(g)を測定した。また、同様の操作を吸水性樹脂を用いないで行い、そのときの重量W1(g)を測定した。そして、これら重量W1、W2 から、次式、
吸収倍率(g/g)=(重量W2(g) −重量W1(g))/吸水性樹脂の重量(g)
に従って吸収倍率(g/g)を算出した。
(b)ゲル安定性評価
0.005重量%のL−アスコルビン酸を含む人工尿(人工尿組成:尿素95g、塩化ナトリウム40g、硫酸マグネシウム5g、塩化カルシウム5g、イオン交換水4855g)を用いて、100mlの蓋付きプラスチック容器中で各吸水性樹脂組成物2gを25倍に膨潤させ、温度37℃相対湿度90%の雰囲気下に所定時間放置した。16時間後の膨潤ゲルの様子を目視および触感で評価した。評価:○ゲルはしっかりしている。△同やや軟化している。×同完全に崩壊している。
(c)消臭テスト(吸水性樹脂または吸水剤組成物)
成人10人より集めた人尿50mlを蓋付きの120mlのポリプロピレンカップに加え、そこに吸水性樹脂(または吸水剤組成物)2.0gを添加することにより膨潤ゲルを形成させた。人尿は***後2時間以内のものを用いた。この容器に蓋をし、膨潤ゲルを37℃に保った。液吸収から6時間後に蓋を開け、カップの上部から約3cmの位置から成人20名のパネラーが臭いをかぐことにより、消臭効果を判定した。
1:(無臭), 2:(ほとんど気にならない臭い), 3:(感知できるが許容できる臭い), 4:(強い臭い), 5:(強烈な臭い)という判定基準で各人5段階で得点を記載し平均値を求めた。なお吸水性樹脂(または吸水剤組成物)を添加せず人尿だけで、同様の操作を行ったものを標準品とし、その臭いを5として消臭効果を評価した。
(d)吸収性物品の評価(吸収速度)
後述する実施例で得られた吸収性物品をもちい、吸収性物品全体に荷重1.96kPaをかけ室温で放置した。吸収性物品の中心部から直径50mm、高さ100mmの円筒より、37℃に調整した0.005重量%のL−アスコルビン酸を含む人工尿(人工尿組成:尿素95g、塩化ナトリウム40g、硫酸マグネシウム5g、塩化カルシウム5g、イオン交換水4855g)75g入れた。入れ始めてから吸水性物品に人工尿が吸収されるまでの時間を吸収速度とした。荷重をかけたまま3時間放置後、さらに上記手順で、2回目の液の吸収速度を測定した。さらに、荷重をかけたまま3時間放置後、同様の操作で3回目の液の吸収速度を測定した。
(e)吸収性物品の評価(消臭テスト)
後述する実施例で得られた吸収性物品を10×10cmの大きさに切断し、蓋付きの250mlのポリプロピレンカップに入れた。この容器に、成人から採取した尿50gを入れ、蓋をして容器全体を37℃に保った。6時間後に蓋を開け、カップの上部(約3cmの位置)から成人20名のパネラーが臭いをかぐことにより、消臭効果を判定した。
1:(無臭), 2:(ほとんど気にならない臭い), 3:(感知できるが許容できる臭い), 4:(強い臭い), 5:(強烈な臭い)という判定基準で各人の判定結果を平均しその値を消臭結果とした。
〔参考例1〕
75モル%の中和率を有するアクリル酸ナトリウムの水溶液5500g(単量体濃度33重量%)に、ポリエチレングリコールジアクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数8)4.00gを溶解し反応液とした。次に、この反応液を窒素ガス雰囲気下で30分間脱気した。次いで、シグマ型羽根を2本有する内容積10Lのジャケット付きステンレス製双腕型ニーダーに蓋を付けて形成した反応器に、上記反応液を供給し、反応液を30℃に保ちながら系を窒素ガス置換した。続いて、反応液を撹拌しながら、過硫酸ナトリウム 2.46g及びL−アスコルビン酸0.10gを添加したところ、凡そ1分後に重合が開始した。そして、30℃〜80℃で重合を行い、重合を開始して60分後に含水ゲル状重合体を取り出した。得られた含水ゲル状重合体は、その径が約5mmに細分化されていた。この細分化された含水ゲル状重合体を50メッシュ(目の大きさ300μm)の金網上に広げ、 150℃で90分間熱風乾燥した。次いで、乾燥物を振動ミルを用いて粉砕し、さらに20メッシュ(目の大きさ850μm)の金網で分級、調合することにより、重量平均粒子径320μmの不定形破砕状の吸水性樹脂前駆体(a)を得た。
【0037】
得られた吸水性樹脂前駆体(a)100重量部に、プロピレングリコール1重量部と、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.05重量部と、水3重量部と、イソプロピルアルコール1重量部とからなる表面架橋剤を混合した。上記の混合物を210℃で50分間加熱処理することにより吸水性樹脂(1)を得た。この吸水性樹脂(1)の吸収倍率は33(g/g)であった。また、この吸水性樹脂の重量平均粒子径は、吸水性樹脂前駆体とあまり変わらず、320μmであった。
〔実施例1〕
参考例1で得られた吸水性樹脂(1)100重量部にβ−シクロデキストリンにヨウ素を5%担持させた粉体0.5重量部をドライブレンド法により混合し、吸水剤組成物(1)を得た。吸水剤組成物(1)の吸収倍率、ゲル安定性および消臭効果を表1にまとめた。
〔実施例2〕
参考例1で得られた吸水性樹脂(1)100重量部にβ−シクロデキストリンにヨウ素を5%担持させた粉体1.0重量部をドライブレンド法により混合し、吸水剤組成物(2)を得た。吸水剤組成物(2)の吸収倍率、ゲル安定性および消臭効果を表1にまとめた。
〔実施例3〕
参考例1で得られた吸水性樹脂(1)100重量部にβ−シクロデキストリンにヨウ素を10%担持させた粉体0.5重量部をドライブレンド法により混合し、吸水剤組成物(3)を得た。吸水剤組成物(3)の吸収倍率、ゲル安定性および消臭効果を表1にまとめた。
〔実施例4〕
参考例1で得られた吸水性樹脂(1)100重量部にβ−シクロデキストリンにヨウ素を10%担持させた粉体1.0重量部と水2.0重量部を混合し、吸水剤組成物(4)を得た。吸水剤組成物(4)の吸収倍率、ゲル安定性および消臭効果を表1にまとめた。
〔実施例5〕
参考例1で得られた吸水性樹脂(1)100重量部にβ−シクロデキストリンにヨウ素を20%担持させた粉体0.5重量部をドライブレンド法により混合し、吸水剤組成物(5)を得た。吸水剤組成物(5)の吸収倍率、ゲル安定性および消臭効果を表1にまとめた。
〔実施例6〕
参考例1で得られた吸水性樹脂(1)100重量部にβ−シクロデキストリンにヨウ素を20%担持させた粉体1.0重量部をドライブレンド法により混合し、吸水剤組成物(6)を得た。吸水剤組成物(6)の吸収倍率、ゲル安定性および消臭効果を表1にまとめた。
〔比較例1〕
参考例1で得られた吸水性樹脂(1)を、比較用吸水剤組成物(1)とした。
比較用吸水剤組成物(1)の吸収倍率、ゲル安定性および消臭効果を表1にまとめた。
〔比較例2〕
参考例1で得られた吸水性樹脂(1)100重量部にβ−シクロデキストリン1.0重量部をドライブレンド法により混合し、比較用吸水剤組成物(2)とした。比較用吸水剤組成物(2)の吸収倍率、ゲル安定性および消臭効果を表1にまとめた。
〔比較例3〕
参考例1で得られた吸水性樹脂(1)100重量部にポリビニルピロリドンにヨウ素を包接した市販のポピドンヨード液(ポピドンヨード10%含有溶液、有効ヨウ素10%対ポピドンヨード:明治製菓株式会社製、イソジン液)5重量部を攪拌混合し、比較用吸水剤組成物(3)を得た。比較用吸水剤組成物(3)の吸収倍率、ゲル安定性および消臭効果を表1にまとめた。
〔比較例4〕
参考例1で得られた吸水性樹脂(1)100重量部に1Nヨウ素溶液(和光純薬株式会社製)1.0重量部を攪拌混合し、比較用吸水剤組成物(4)を得た。比較用吸水剤組成物(3)の吸収倍率、ゲル安定性および消臭効果を表1にまとめた。
〔実施例7〕
実施例3で得られた吸水剤組成物(3)50重量部と、木材粉砕パルプ50重量部とを、ミキサーを用いて乾式混合した。次いで、得られた混合物を、400メッシュ(目の大きさ38μm)に形成されたワイヤースクリーン上にバッチ型空気抄造装置を用いて空気抄造することにより、120mm×400mmの大きさのウェブに成形した。さらに、このウェブを圧力196.14kPaで5秒間プレスすることにより、坪量が約0.047g/cmの吸収体を得た。
続いて、液不透過性のポリプロピレンからなる、いわゆる背面シート(液不透過性シート)、上記吸収体、および、液透過性のポリプロピレンからなる不織布の表面シート(液透過性シート)を、両面テープを用いてこの順に互いに貼着することにより、吸収性物品(つまり、大人用の紙オムツのパッドタイプ)(1)を得た、この吸収性物品(1)の重量は45gであった。得られた吸収性物品(1)の吸収速度と消臭テスト結果を表2にまとめた。
〔比較例5〕
実施例7の吸水剤組成物(3)を、比較例1で得られた比較用吸水剤組成物(1)に変更することにより、比較用吸収性物品(1)を得た、この比較用吸収性物品(1)の重量は45gであった。得られた比較用吸収性物品(1)の吸収速度と消臭テスト結果を表2にまとめた。
【0038】
【表1】
Figure 0004856823
【0039】
【表2】
Figure 0004856823
【0040】
【発明の効果】
本発明の吸水剤組成物は吸収性物品に消臭機能を付与でき、長時間にわたり、優れた消臭性能と、かつ、安定した吸収特性を示す新規な吸水剤組成物である。
また、本発明の吸収性物品は、その優れた消臭性能、安定した吸収特性を示すため、紙オムツや生理用ナプキン、大人用失禁パット、大人用オムツ等の衛生材料等に特に好適に用いることができ、長時間にわたって優れた装着感を維持できるものとなりうる。

Claims (5)

  1. ヨウ素および/またはヨウ化物イオンを担持したシクロデキストリンと、吸水性樹脂を含む吸水剤組成物。
  2. 吸水性樹脂がアクリル酸およびアクリル酸塩を主構成単位とする水膨潤性架橋重合体である請求項1記載の吸水剤組成物。
  3. 前記ヨウ素および/またはヨウ化物イオンの使用量が、吸水性樹脂固形分100重量部に対して0.01〜10重量部であり、シクロデキストリン固形分100重量部に対して0.1〜200重量部である、請求項1又は2に記載の吸水剤組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸水剤組成物を含む吸収体、液透過性を有する表面シート、及び液不透過性を有する背面シートを備える吸収性物品。
  5. 請求項4に記載の吸収性物品からなる衛生材料。
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