JP4054185B2 - 吸水剤、および吸水剤の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸水剤の製造方法、および吸水剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、紙オムツや生理用ナプキン、いわゆる失禁パット等の吸水性物品には、その構成材として、体液を吸収させることを目的とし吸水性樹脂(吸水剤)が幅広く使用されている。
このような吸水性樹脂(高吸水性樹脂、吸水性ポリマーとも呼ばれる)は、例えば、日本工業規格(JIS)K7223−1996に記載されており既に公知である。
上記の吸水性樹脂としては、例えば、ポリアクリル酸部分中和物架橋体、澱粉−アクリル酸グラフト重合体の加水分解物、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体ケン化物、アクリロニトリル共重合体若しくはアクリルアミド共重合体の加水分解物又はこれらの架橋体、及びカチオン性モノマーの架橋体等が知られている。
【0003】
上記の吸水性樹脂が備えるべき特性として、従来より体液等の水性液体に接した際の優れた吸水量や吸水速度、ゲル強度、水性液体を含んだ基材から水を吸い上げる吸引力等が唱えられている。そして、従来よりこれらの特性を複数併せ持ち、紙オムツや生理用ナプキン等の吸水性物品に用いられた場合に、優れた性能(吸収特性)を示す吸水性樹脂(吸水剤)が種々提案されている。
例えば、吸水性樹脂の無加圧下吸水倍率および加圧下吸水倍率等の吸収特性をバランス良く改良する方法として吸水性樹脂の表面近傍を架橋する技術が知られており、これまでに様々な方法が開示されている。
【0004】
その例として、多価アルコールを用いる方法(特開昭58−180233号公報、特開昭61−16903号公報)、多価グリシジル化合物、多価アジリジン化合物、多価アミン化合物、多価イソシアネート化合物を用いる方法(特開昭59−189103号公報)、グリオキシサールを用いる方法(特開昭52−117393号公報)、多価金属を用いる方法(特開昭51−136588号公報、特開昭61−257235号公報、特開昭62−7745号公報)、シランカップリング剤を用いる方法(特開昭61−211305号公報、特開昭61−252212号公報、特開昭61−264006号公報)、アルキレンカーボネートを用いる方法(独国特許第4020780号公報)、オキサゾリジノンを用いる方法(WO99/42494号公報)、多価オキサゾリジノンを用いる方法(WO99/43720号公報)、オキサジンを用いる方法(WO00/31153号公報)、オキサゾリン化合物を用いる方法(特開2000−197818号公報)等が知られている。
【0005】
また、近年おむつ等の吸水性物品は吸水性樹脂の使用量が増加する傾向にある。そのため吸水性樹脂を用いて、紙おむつをはじめとする、種々の吸水性物品を製造する際に、吸湿性の高い吸水性樹脂粉末を多量に繊維基材に組み込む必要があり、その作業環境、気候条件(特に高温多湿な地域)によっては吸水性樹脂粉末同士がホッパーや製造ラインの途中でブロッキングを起こしたり装置に付着したりして安定な製造が出来ないという問題点がある。すなわち、吸水性樹脂は粉末として製造される場合が多いため、その粉末の流動性、特に吸湿下の流動性が実使用において重要である。
【0006】
このような吸湿下での流動性を解決するための手法として吸水性樹脂粉体と疎水性微粒子状シリカとを特定比率で混合した組成物(特公昭61−17542号公報)、吸水性樹脂粉体に含水二酸化ケイ素、含水二酸化アルミニウム、含水二酸化チタン等の無機粉体を混合した組成物(特開昭59−80459号公報)、吸水性樹脂を特定のカチオン性界面活性剤で処理した後、無機物質または高融点有機化合物を混合する方法(特開昭61−69854号公報)、吸水性樹脂粉体にステアリン酸および無機粉末を混合する方法(特開昭63−105064号公報)、吸水性樹脂を特定のシリコン系界面活性剤で処理する方法(特開平9−136966号公報)等が知られている。
【0007】
しかしながら、従来の技術では、前記添加剤のコストや粉塵等の安全性の問題、さらに、吸水性樹脂の製造工程が煩雑になることや吸水性樹脂の物性が低下するといった多くの問題があり、無加圧下吸水倍率と加圧下吸水倍率のバランスおよび吸湿下の流動性を改良した吸水性樹脂(吸水剤)については不十分であった。
さらに、使用する架橋剤の安全性の問題がある。一般に架橋剤がエポキシ等の反応性の高い官能基を有している化合物の場合、低い温度で反応が行えるものの架橋剤自体が皮膚刺激性を有しており、残存量等のコントロールを厳密に行う必要があり、また残存量低減のためにもプロセス上煩雑な作業が必要となる等の問題点があった。また、安全性の高い多価アルコール等の架橋剤は、架橋剤の反応性が低いため、架橋反応の高温や長時間が必要であり、場合によっては吸水性樹脂が加熱により着色したり、劣化する可能性があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものである。すなわち、本発明は、無加圧下吸水倍率と加圧下吸水倍率のバランスに優れ、また吸湿下の流動性が高く、安全性に優れた吸水剤を低温、短時間で製造する方法を提供することにある。また、本発明の別の目的は、新規な、吸水剤、および吸水性樹脂の架橋に特に適した架橋剤を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、吸収特性、および吸湿下の流動性に優れた吸水剤を鋭意検討した結果、特定の化合物を吸水性樹脂の架橋剤として用いることで上記課題が解決することを見出し本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の吸水剤の製造方法は、水膨潤性ポリアクリル酸(塩)架橋重合体である吸水性樹脂にオキセタン化合物および/またはイミダゾリジノン化合物を混合することを特徴とする吸水剤の製造方法である。
また、本発明は、上記吸水剤の製造方法において、オキセタン化合物が、下記の構造式(1)で表されるものであることが好ましい。
【0010】
【化3】
【0011】
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6は別個に水素原子、水酸基、アルキル基、アルケニル基、芳香族基、ハロゲン基、置換アルキル基、置換アルケニル基又は置換芳香族基を表す。)
また、本発明は、上記吸水剤の製造方法において、イミダゾリジノン化合物が、下記の構造式(5)で表されるものであることが好ましい。
【0012】
【化4】
【0013】
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6は別個に水素原子、水酸基、アルキル基、アルケニル基、芳香族基、ハロゲン基、置換アルキル基、置換アルケニル基又は置換芳香族基を表す。)
また、本発明は、上記吸水剤の製造方法において、前記吸水性樹脂が粒子状であることが好ましい。
また、本発明は、上記吸水剤の製造方法において、前記吸水性樹脂は、アクリル酸及び/又はその塩(中和物)を主成分とする単量体を重合・架橋することにより得られる重合体であることが好ましい。
本発明の吸水剤は、オキセタン化合物および/またはイミダゾリジノン化合物と架橋重合体である吸水性樹脂を含む吸水剤である。
また、本発明の吸水剤は、オキセタン化合物および/またはイミダゾリジノン化合物によって架橋された架橋重合体である吸水性樹脂を含む吸水剤である。
また、本発明は、上記吸水剤において、架橋重合体である吸水性樹脂の表面近傍が前記オキセタン化合物および/またはイミダゾリジノン化合物で処理され、且つ、0.9重量%生理食塩水に対する2.07kPa加圧下吸水倍率が少なくとも20(g/g)以上であることが好ましい。
また、本発明は、上記吸水剤において、40℃、相対湿度75%の条件下に20分間放置後の吸湿下の流動性が60%以上であることが好ましい。
また、本発明は、上記吸水剤において、前記吸水性樹脂が粒子状であることが好ましい。
また、本発明は、上記吸水剤において、前記吸水性樹脂は、アクリル酸及び/又はその塩(中和物)を主成分とする単量体を重合・架橋することにより得られる重合体であることが好ましい。
また、本発明の吸水性物品は、上記吸水剤を含む吸水性物品である。
【0014】
また、本発明は分子中にオキセタン骨格を少なくとも1以上有するオキセタン化合物からなる吸水性樹脂用架橋剤に関するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の吸水性樹脂とは、水膨潤性・水不溶性架橋重合体のことであり、従来から知られている吸水性樹脂を使用することができる。例えばイオン交換水中において、好ましくは自重の10倍から3000倍、より好ましくは50倍から1000倍という多量の水を吸収し、アニオン性、ノニオン性、カチオン性のヒドロゲルを形成する従来公知の架橋重合体であるか、または、必要に応じて該重合体を乾燥し、乾燥の前および/または後で通常粉砕して得られたものである。このような吸水性樹脂としては、ポリアクリル酸部分中和物架橋体、デンプン−アクリロニトリルグラフト重合体の加水分解物、デンプン−アクリル酸グラフト重合体の加水分解物、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体のケン化物、アクリロニトリル共重合体もしくはアクリルアミド共重合体の加水分解物又はこれらの架橋体、カルボキシル基含有架橋ポリビニルアルコール変性物、架橋イソブチレン−無水マレイン酸共重合体等の1種または2種以上を挙げることができる。これらの吸水性樹脂は、1種または混合物でも用いられるが、中でもカルボキシル基を有するものの1種またはその混合物が好ましく、典型的にはアクリル酸及び/又はその塩(中和物)を主成分とする単量体を重合・架橋することにより得られる重合体(水膨潤性ポリアクリル酸(塩)架橋体)である。また、水不溶性の上記吸水性樹脂とは、該吸水性樹脂中の未架橋の水可溶成分が、好ましくは40重量%以下、より好ましくは25重量%以下、さらに好ましくは20重量%以下、さらにより好ましくは15重量%以下、特に好ましくは10重量%以下のものが用いられる。
【0016】
上記アクリル酸塩としては、アクリル酸のナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩及びアミン塩等を例示することができる。上記吸水性樹脂は、その構成単位としてアクリル酸0モル%〜50モル%およびアクリル酸塩100モル%〜50モル%(但し、両者の合計量は100モル%とする)の範囲にあるものが好ましく、アクリル酸10モル%〜40モル%およびアクリル酸塩90モル%〜60モル%(但し、両者の合計量は100モル%とする)の範囲にあるものがより好ましい。上記塩を形成させるための吸水性樹脂の中和は重合前に単量体の状態で行っても良いし、あるいは重合途中や重合後に重合体の状態で行っても良いし、それらを併用してもよいが、重合体の状態で中和を行うと可溶分が少なくなるという利点も有するものの、中和にかなりの長時間を要するため、生産コストの点から重合前の単量体の状態で中和を行う方が好ましい。
【0017】
本発明で用いる吸水性樹脂を得るための単量体は、必要に応じて上記アクリル酸(塩)以外の単量体を含有していてもよい。アクリル酸(塩)以外の単量体としては、特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、メタクリル酸、マレイン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルプロパンスルホン酸等のアニオン性不飽和単量体及びその塩;アクリルアミド、メタアクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、N−アクリロイルピペリジン、N−アクリロイルピロリジン、N−ビニルアセトアミド等のノニオン性の親水基含有不飽和単量体;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、及びこれらの四級塩等のカチオン性不飽和単量体等が挙げられる。これら単量体は、単独で用いてもよく、適宜2種類以上を混合して用いてもよい。
【0018】
本発明において、アクリル酸(塩)以外の単量体を用いる場合には、該アクリル酸(塩)以外の単量体は、主成分として用いるアクリル酸及びその塩との合計量に対して、好ましくは30モル%以下、より好ましくは10モル%以下の割合である。上記アクリル酸(塩)以外の単量体を上記の割合で用いることにより、最終的に得られる吸水性樹脂(吸水剤)の吸収特性がより一層向上すると共に、吸水性樹脂(吸水剤)をより一層安価に得ることができる。
本発明に用いられる吸水性樹脂を得るために上述の単量体を重合するに際しては、バルク重合や沈殿重合を行うことが可能であるが、性能面や重合の制御の容易さ、さらに膨潤ゲルの通液性の観点から、上記単量体を水溶液とすることによる水溶液重合や逆相懸濁重合が好ましい。尚、上記単量体を水溶液とする場合の該水溶液(以下、単量体水溶液と称する)中の単量体の濃度は、水溶液の温度や単量体によって決まり、特に限定されるものではないが、10重量%〜70重量%の範囲内が好ましく、20重量%〜60重量%の範囲内がさらに好ましい。また、上記水溶液重合を行う際には、水以外の溶媒を必要に応じて併用してもよく、併用して用いられる溶媒の種類は、特に限定されるものではない。
【0019】
水溶液重合の方法としては、双腕型ニーダー中で単量体水溶液を、得られる含水ゲルを砕きながら重合したり、所定の容器中や駆動するベルト上に単量体水溶液を供給し、重合して得られたゲルをミートチョッパー等で粉砕する方法等が挙げられる。
上記の重合を開始させる際には、例えば過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化水素、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩等のラジカル重合開始剤や、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン等の光重合開始剤を用いることができる。
【0020】
さらに、これら重合開始剤の分解を促進する還元剤を併用し、両者を組み合わせることによりレドックス系開始剤とすることもできる。上記の還元剤としては、例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム等の(重)亜硫酸(塩)、L−アスコルビン酸(塩)、第一鉄塩等の還元性金属(塩)、アミン類等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
これら重合開始剤の使用量は、通常0.001モル%〜2モル%、好ましくは0.01モル%〜0.1モル%である。これら重合開始剤の使用量が0.001モル%未満の場合には、未反応の単量体が多くなり、従って、得られる重合体中の残存単量体量が増加するので好ましくない。一方、これら重合開始剤の使用量が2モル%を超える場合には、得られる重合体中の水可溶成分量が増加するので好ましくない場合がある。
【0021】
また、反応系に放射線、電子線、紫外線等の活性エネルギー線を照射することにより重合反応の開始を行ってもよいし、さらに、上記重合開始剤を併用してもよい。尚、上記重合反応における反応温度は、特に限定されるものではないが、15〜130℃の範囲が好ましく、20〜110℃の範囲内がより好ましい。また、反応時間も特に限定されるものではなく、単量体や重合開始剤の種類、反応温度等に応じて適宜設定すればよい。
前記吸水性樹脂としては、架橋剤を使用しない自己架橋型のものであってもよいが、一分子中に、2個以上の重合性不飽和基や、2個以上の反応性基を有する内部架橋剤を共重合又は反応させたものがさらに好ましい。
【0022】
これら内部架橋剤の具体例としては、例えば、N,N´−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチルロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、グリセリンアクリレートメタクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルホスフェート、トリアリルアミン、ポリ(メタ)アリロキシアルカン、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、エチレンジアミン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ポリエチレンイミン、グリシジル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。また、本発明の架橋剤である後述のオキセタン化合物を用いても良い。
【0023】
これら内部架橋剤は、単独で用いてもよく、適宜2種類以上を混合して用いてもよい。また、これら内部架橋剤は、反応系に一括添加してもよく、分割添加してもよい。少なくとも1種または2種類以上の内部架橋剤を使用する場合には、最終的に得られる吸水性樹脂の吸収特性等を考慮して、2個以上の重合性不飽和基を有する化合物を重合時に必須に用いることが好ましい。
これら内部架橋剤の使用量は、前記単量体に対して、0.005モル%〜2モル%の範囲内であることが好ましく、0.02モル%〜0.5モル%の範囲内とすることがより好ましく、0.04モル%〜0.2モル%の範囲内とすることがさらに好ましい。上記内部架橋剤の使用量が0.005モル%よりも少ない場合、並びに、2モル%よりも多い場合には、充分な吸収特性が得られないおそれがある。
【0024】
上記内部架橋剤を用いて架橋構造を重合体内部に導入する場合には、上記内部架橋剤を、上記単量体の重合前あるいは重合途中、あるいは重合後、または中和後に反応系に添加するようにすればよい。
尚、上記重合に際しては、反応系に、炭酸(水素)塩、二酸化炭素、アゾ化合物、不活性有機溶媒等の各種発泡剤;澱粉・セルロース、澱粉・セルロースの誘導体、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸(塩)、ポリアクリル酸(塩)架橋体等の親水性高分子;各種界面活性剤;キレート剤;次亜燐酸(塩)等の連鎖移動剤を添加してもよい。
【0025】
上記架橋重合体が水溶液重合で得られたものでゲル状である場合、すなわち含水ゲル状架橋重合体である場合、該架橋重合体は、必要に応じて乾燥し、乾燥の前および/または後で通常粉砕されて吸水性樹脂とする。また、乾燥は通常60℃〜250℃、好ましくは100℃〜220℃、より好ましくは120℃〜200℃の温度範囲で、乾燥時間は10分〜12時間、好ましくは20分〜6時間、より好ましくは30分〜3時間の範囲である。
本発明に用いることのできる吸水性樹脂の含水率(吸水性樹脂1gに対する180℃、3時間の乾燥減量で規定)は特に限定されないが、好ましくは含水率は0重量%以上400重量%以下、より好ましくは0.2重量%以上40重量%以下、さらに好ましくは0.2重量%以上20重量%以下、さらにより好ましくは0.2重量%以上10重量%以下である。
【0026】
また本発明の製造方法に用いることのできる吸水性樹脂としては、粒子状のものを挙げることができる。吸水性樹脂の粒径は、重合反応により得られた乾燥粉砕前のゲル状の平均粒径が1000μmを超えるようなものも使用できるが、通常、重量平均粒径(ふるいで分散して対数確率紙にプロットした値を読み取ることによって規定)が10μm〜1000μm、好ましくは50μm〜800μm、より好ましくは75μmを越えて700μm以下、特に好ましくは150μmを越えて600μm以下のものである。さらに好ましくは吸水性樹脂中の微粉末(例えば100μm以下)の粒子は少ない方が好ましく、具体的には10重量%以下、さらには5重量%以下、特に1重量%以下であることが好ましい。このようにして得られた吸水性樹脂の粒子形状は、球状、破砕状、不定形状等特に限定されるものではないが、粉砕工程を経て得られた不定形破砕状のものが好ましく使用できる。
【0027】
本発明における吸水剤とは、吸水性樹脂を好ましくは80重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上とし、吸水性樹脂をさらに架橋剤などで改質(好ましくは表面改質、特に表面架橋)させたものをいう。
本発明で用いられるオキセタン化合物としては、下記の構造式(1)で示されるものを用いることができる。
【0028】
【化5】
【0029】
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6は別個に水素原子、水酸基、アルキル基、アルケニル基、芳香族基、ハロゲン基、置換アルキル基、置換アルケニル基又は置換芳香族基を表す。)
R1、R2、R3、R4、R5、R6は、別個に水素原子、アルキル基、アルケニル基、芳香族基、ハロゲン基、置換アルキル基、置換アルケニル基又は置換芳香族基を表すが、好ましくは、R1が水素原子、水酸基、アルキル基、置換アルキル基、R2が水素原子、水酸基、アルキル基、置換アルキル基、R3〜R6が別個に水素原子、水酸基、アルキル基であり、より好ましくは、R1が水素原子、水酸基、C1〜6のアルキル基、水酸基を有するC1〜6の置換アルキル基、R2が水素原子、水酸基、C1〜6のアルキル基、水酸基を有するC1〜6の置換アルキル基、R3〜R6が水素原子である。また、該オキセタン化合物は、水に不溶であっても良いが、水溶性であることが好ましく、25℃の水100gに対して0.5g以上、より好ましくは1g以上、さらに好ましくは、5g以上溶解するものである。
【0030】
具体的には、オキセタン、3−メチル−3−オキセタンメタノール、3−エチル−3−オキセタンメタノール、3−ブチル−3−オキセタンメタノール、3−メチル−3−オキセタンエタノール、3−エチル−3−オキセタンエタノール、3−ブチル−3−オキセタンエタノールなどオキセタン環および水酸基を有する化合物、3−メチル−3−アミノメチルオキセタン、3−エチル−3−アミノメチルオキセタンなどオキセタン環およびアミノ基を有する化合物、3−クロロメチル−3−メチルオキセタン、3−クロロメチル−3−エチルオキセタンなどのハロゲンを有する化合物、3−メチル−3−アリルオキシメチルオキセタン、3−エチル−3−アリルオキシメチルオキセタン、3−メチル−3−メタリルオキシメチルオキセタン、3−エチル−3−メタリルオキシメチルオキセタン、3−メチル−3−(2−プロペニルオキシ)メチルオキセタン、3−エチル−3−(2−プロペニルオキシ)メチルオキセタン、3−メチル−3−(2−メチル−2−プロペニルオキシ)メチルオキセタン、3−エチル−3−(2−メチル−2−プロペニルオキシ)メチルオキセタンなど脂肪族不飽和基を有する化合物、3−メチル−3−フェニルオキシメチルオキセタン、3−エチル−3−フェニルオキシメチルオキセタン、3−メチル−3−ベンジルオキシメチルオキセタン、3−エチル−3−ベンジルオキシメチルオキセタンなどの芳香族不飽和基を有する化合物が挙げられる。また、前記水酸基、アミノ基、ハロゲンを有するオキセタン化合物をエステル化、アミド化、エーテル化してもよく、例えば、グリコール酸、乳酸、酢酸、プロピオン酸、グルタル酸、コハク酸、酒石酸、マロン酸、リンゴ酸、クエン酸、ポリアクリル酸と水酸基を有するオキセタン化合物とのエステル化物(例えば酒石酸と3−メチル−3−オキセタンメタノールとのジエステル化物)、あるいはアミノ基を有するオキセタン化合物とのアミド化物、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、グリセロリン酸、2−ブテン−1,4−ジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサノール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ジブロモメタン、ジクロロメタン、ジヨードメタン、1,1−ジブロモエタン、1,2−ジブロモエタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジヨードエタン、1,2−ジブロモプロパン、1,2−ジクロロプロパン、1,3−ジブロモプロパン、1,3−ジクロロプロパン、1,3−ジヨードプロパン、1,2,3−トリブロモプロパン、1,2,3−トリクロロプロパン、2,2−ジブロモプロパン、1,3−ジブロモブタン、1,4−ジブロモブタン、1,4−ジクロロブタン、2,3−ジクロロブタン、ベンジルブロミド等とオキセタン化合物とのエーテル化物が挙げられる。
【0031】
また、本発明のオキセタン化合物としては、オキセタン骨格を少なくとも1つ有するオキセタン化合物を用いることができる。
従って、本発明のオキセタン化合物の1分子中のオキセタン骨格は1つに限定されることなく、オキセタン骨格を複数もつ化合物でも良い。オキセタン骨格とは、特に酸素原子を有する4員環エーテル構造をもつ環状構造であり、具体的には、下記一般式(2)、または、下記一般式(3)で表される構造を少なくとも1つ以上有するジ、トリ、テトラ、ポリオキセタン化合物(高分子量体)などを挙げることができる。
【0032】
【化6】
【0033】
(式中、R7は酸素原子、アルキル基、芳香族基、置換アルキル基又は置換芳香族基を表し、R8、R9、R10、R11、R12は別個に水素原子、水酸基、アルキル基、アルケニル基、芳香族基、ハロゲン基、置換アルキル基、置換アルケニル基又は置換芳香族基を表し、nは1以上の整数である。)
【0034】
【化7】
【0035】
(式中、R13は酸素原子、アルキル基、芳香族基、置換アルキル基、置換アルケニル基又は置換芳香族基を表し、R14、R15、R16、R17、R18は別個に水素原子、水酸基、アルキル基、アルケニル基、芳香族基、ハロゲン基、置換アルキル基、置換アルケニル基又は置換芳香族基を表す。)
上記オキセタン骨格を複数有する多価オキセタン化合物の例としては、下記一般式(4)で表されるものをあげることができる。
【0036】
【化8】
【0037】
(式中、R19は酸素原子、アルキル基、アルケニル基、芳香族基、ハロゲン基、置換アルキル基、置換アルケニル基又は置換芳香族基、R20、R21は別個に水素原子、水酸基、アルキル基、アルケニル基、芳香族基、ハロゲン基、置換アルキル基、置換アルケニル基又は置換芳香族基を表す。)
本発明で用いられるイミダゾリジノン化合物としては、下記の構造式(5)で示されるものを用いることができる。
【0038】
【化9】
【0039】
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6は別個に水素原子、水酸基、アルキル基、アルケニル基、芳香族基、ハロゲン基、置換アルキル基、置換アルケニル基又は置換芳香族基を表す。)
R1、R2、R3、R4、R5、R6は、別個に水素原子、水酸基、アルキル基、アルケニル基、芳香族基、ハロゲン基、置換アルキル基、置換アルケニル基又は置換芳香族基を表すが、好ましくは、水素原子、水酸基、アルキル基、芳香族基、置換アルキル基、置換芳香族基、より好ましくは、水素原子、水酸基、置換アルキル基である。また、イミダゾリジノン化合物は、水に不溶であっても良いが、水溶性であることが好ましく、25℃の水100gに対して好ましくは0.5g以上、より好ましくは1.0g以上、さらに好ましくは、5.0g以上溶解するものである。
【0040】
本発明で用いられるイミダゾリジノン化合物としては、具体的には、2−イミダゾリジノン、アセチレンウレア、ジメチロールエチレンウレア、ジメチロールヒドロキシエチレンウレアなどが挙げられる。
また、本発明のイミダゾリジノン化合物としては、イミダゾリジノン骨格を少なくとも1つ有するイミダゾリジノン化合物を用いることができる。
従って、本発明のイミダゾリジノン化合物の1分子中のイミダゾリジノン骨格は1つに限定されることなく、イミダゾリジノン骨格を複数もつ化合物でも良い。
【0041】
本発明におけるオキセタン化合物および/またはイミダゾリジノン化合物の使用量は、吸水性樹脂の固形分100重量部に対して0.005〜10重量部の範囲内が好ましく、0.05〜5重量部の範囲内がより好ましい。上記の範囲内でオキセタン化合物を用いることにより、尿や汗、経血等の体液(水性液体)に対する吸収特性をさらに一層向上させることができる。オキセタン化合物および/またはイミダゾリジノン化合物の使用量が0.005重量部未満では、吸水性樹脂の表面近傍の架橋密度をほとんど高めることができず、吸収特性が向上しない場合がある。また、オキセタン化合物および/またはイミダゾリジノン化合物の使用量が10重量部より多い場合には、該オキセタン化合物および/またはイミダゾリジノン化合物が過剰となり、不経済であるとともに、架橋密度を適正な値に制御することが困難となり吸水倍率が向上しない恐れがある。
【0042】
本発明において、吸水性樹脂とオキセタン化合物および/またはイミダゾリジノン化合物とを混合する場合、水を更に添加することが好ましい。水の添加はオキセタン化合物および/またはイミダゾリジノン化合物の混合前、混合中、混合後のいずれの場合でも良いが、工程の簡便さからオキセタン化合物および/またはイミダゾリジノン化合物と水とを同時に混合することが好ましく、より好ましくは、オキセタン化合物および/またはイミダゾリジノン化合物を水分散液、あるいは、水溶液の形で添加混合する方法である。この際、使用される水の量は、吸水性樹脂100重量部に対し、0.5〜10重量部、好ましくは0.5〜3重量部の範囲である。水の使用量が10重量%を越えると吸水倍率が低下してしまうことがある。0.5重量%よりも少ないと、加圧下吸水倍率を向上させることができなくなるおそれがある。
【0043】
また、本発明において吸水性樹脂とオキセタン化合物および/またはイミダゾリジノン化合物とを混合する場合、上記水以外に、親水性有機溶媒を併用してもよい。用いられる親水性有機溶媒としては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール等のアルコール;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ジオキサン、アルコキシ(ポリ)エチレングリコール、テトラヒドロフラン等のエーテル類;ε−カプロラクタム、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;ジメチルスルホキサイド等のスルホキサイド類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、グリセロリン酸、2−ブテン−1,4−ジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサノール、トリメチロールプロパン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ポリオキシプロピレン、オキシエチレン−オキシプロピレンブロック共重合体、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の多価アルコール類が挙げられる。使用される親水性有機溶媒の量は、吸水性樹脂の種類や粒度によって異なるが、通常、吸水性樹脂100重量部に対し0〜10重量部、好ましくは0〜5重量部、より好ましくは0.1〜5重量部の範囲である。多価アルコール等を親水性有機溶媒とする場合、その一部または全部を吸水性樹脂と反応させても良い。
【0044】
さらに、本発明において吸水性樹脂とオキセタン化合物および/またはイミダゾリジノン化合物とを混合する場合、水や親水性有機溶媒以外の物質として、混合性や物性改良のため、界面活性剤や不活性無機微粒子粉末を用いてもよい。用いられる界面活性剤や不活性無機微粒子粉末は、米国特許第5164459号公報、欧州特許第827753号公報、欧州特許第349240号公報、欧州特許第761241号公報などに例示される。
また、オキセタン化合物および/またはイミダゾリジノン化合物の反応をより加速し吸収特性をより向上するために、無機酸、有機酸等を用いても良い。これらの無機酸、有機酸としては硫酸、リン酸、塩酸、クエン酸、グリオキシル酸、グリコール酸、グリセリンリン酸、グルタル酸、ケイ皮酸、コハク酸、酢酸、酒石酸、乳酸、ピルビン酸、フマル酸、プロヒオン酸、3−ヒドロキシプロピオン酸、マロン酸、酪酸、イソ酪酸、イミジノ酢酸、リンゴ酸、イセチオン酸、シトラコン酸、アジピン酸、イタコン酸、クロトン酸、シュウ酸、サリチル酸、没食子酸、ソルビン酸、グルコン酸、p−トルエンスルホン酸等が例示される。これらの使用量は、吸水性樹脂のpH等によって異なるが、吸水性樹脂100重量部に対して、好ましくは0〜10重量部、より好ましくは0.1〜5重量部の範囲である。
【0045】
本発明において、吸水性樹脂とオキセタン化合物および/またはイミダゾリジノン化合物の混合はシクロヘキサン、ペンタン等の有機溶媒中に該吸水性樹脂を分散させた状態で行ってもよいが、好ましくは、例えば、必要により水及び/または親水性有機溶媒とオキセタン化合物および/またはイミダゾリジノン化合物とを予め混合した後、次いで、該混合物を吸水性樹脂に噴霧あるいは滴下混合する方法が挙げられ、好ましくは噴霧する方法であり、噴霧される液滴の大きさは、300μm以下が好ましく、200μm以下がより好ましい。混合に水を用いる場合、水不溶性微粒子粉体や界面活性剤を共存させてもよい。
【0046】
前記混合に用いられる好適な混合装置は、均一な混合を確実にするため大きな混合力を生み出せることが必要である。本発明に用いることのできる混合装置としては、例えば、円筒型混合機、二重壁円錐型混合機、高速攪拌型混合機、V字型混合機、リボン型混合機、スクリュー型混合機、流動型炉ロータリーディスク型混合機、気流型混合機、双腕型ニーダー、内部混合機、粉砕型ニーダー、回転式混合機、スクリュー型押出機等が好適である。
本発明の吸水剤の製造方法では、吸水性樹脂に、オキセタン化合物および/またはイミダゾリジノン化合物を混合する。
【0047】
本発明の吸水剤の製造方法では、吸水性樹脂に、好ましくはオキセタン化合物および/またはイミダゾリジノン化合物を混合した後、吸水性樹脂粉末の表面近傍を架橋させる際に、加熱処理あるいは光照射処理を行う。
本発明で加熱処理を行う場合、処理時間は、1分〜180分が好ましく、3分〜120分がより好ましく、5分〜100分がさらに好ましい。処理温度は60〜250℃の範囲が好ましく、100〜210℃の範囲がより好ましく、120〜200℃の範囲がさらに好ましい。加熱温度が60℃未満では、加熱処理に時間がかかり生産性の低下を引き起こすのみならず、均一な架橋が達成されず、優れた吸水剤が得られなくなる恐れがある。また処理温度が250℃を越えると、得られる吸水性樹脂(吸水剤)がダメージを受け、吸水倍率に優れたものが得られにくいとことがある。
【0048】
加熱処理は通常の乾燥機または加熱炉を用いて行うことができ、溝型混合乾燥機、ロータリー乾燥機、ディスク乾燥機、流動層乾燥機、気流型乾燥機、および赤外線乾燥機が例示される。
本発明において光照射処理を行う場合には、紫外線を照射することが好ましく、また、光重合開始剤を使用することができる。
本発明の製法において、オキセタン化合物および/またはイミダゾリジノン化合物は、吸水性樹脂の表面架橋剤として用いることができる。
オキセタン化合物および/またはイミダゾリジノン化合物を表面架橋剤として用いる場合、従来知られている表面架橋剤を別途あるいは同時に併用しても良い。併用できる表面架橋剤としては、特開昭58−180233号公報、特開昭61−16903号公報、特開昭59−189103号公報、特開昭52−117393号公報、特開昭51−136588号公報、特開昭61−257235号公報、特開昭62−7745号公報、特開昭61−211305号公報、特開昭61−252212号公報、特開昭61−264006号公報、独国特許第4020780号公報、WO99/42494号公報、WO99/43720号公報、WO00/31153号公報、特開2000−197818号公報などに例示される。
【0049】
上記表面架橋を行うことにより、好ましくは、0.9重量%生理食塩水に対する2.07kPa(0.3psi)加圧下の吸水倍率が20(g/g)以上、より好ましくは25(g/g)以上、さらに好ましくは28(g/g)以上、さらにより好ましくは30(g/g)以上の吸水剤を得ることができる。さらに、40℃、75%RH(相対湿度)の条件下に20分間放置した後の吸湿下の流動性60重量%以上、好ましくは70重量%以上、より好ましくは90重量%以上の吸水剤を得ることが可能である。
従って、加圧下吸水倍率が少なくとも20(g/g)以上であり、吸湿下の流動性が60%以上である本発明の吸水剤は、紙オムツ等の衛生材料の製造工程でのロスが少なく、且つ、該吸水剤を用いた紙オムツ等の衛生材料は優れた吸収特性を示すものである。
【0050】
本発明において、特に衛生材料向けに好ましい吸水剤は、吸水性樹脂表面近傍がオキセタン化合物および/またはイミダゾリジノン化合物で処理され、且つ、加圧下吸水倍率が少なくとも20(g/g)以上である吸水剤である。このような物性を有する本発明の吸水剤は、紙オムツ等の衛生材料として格段の性能を発揮することが我々の実験で見出されている。
上記の本発明に係る吸水剤の製造方法においては、さらに、必要に応じて、消臭剤、抗菌剤、香料、二酸化珪素や酸化チタン等の無機粉末、発泡剤、顔料、染料、親水性短繊維、可塑剤、粘着剤、界面活性剤、肥料、酸化剤、還元剤、水、塩類、キレート剤、殺菌剤、ポリエチレングリコールやポリエチレンイミンなどの親水性高分子、パラフィンなどの疎水性高分子、ポリエチレンやポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂、ポリエステル樹脂やユリア樹脂などの熱硬化性樹脂等を添加する等、吸水性樹脂に種々の機能を付与する工程を含んでいてもよい。
【0051】
本発明の吸水剤は、吸水性樹脂100重量部に対するオキセタン化合物を0.005〜10重量部の範囲とすることが好ましく、0.05〜5重量部の範囲がより好ましく、0.1〜3重量部の範囲が更に好ましい。
本発明の吸水剤の含水率や、平均粒径は、好ましくは前述の吸水性樹脂の範囲である。また、吸水剤中の微粉末量は、前述の吸水性樹脂の範囲が好ましい。また、本発明の吸水剤はシート状にしても良いが、好ましくは前述の吸水性樹脂の粒子形状である。さらに吸水剤中の可溶分量は、前述の吸水性樹脂の範囲が好ましい。
【0052】
本発明の吸水剤は、好ましくは、0.9重量%生理食塩水に対する2.07kPa(0.3psi)加圧下の吸水倍率が20(g/g)以上であり、40℃、75%RHの条件下に20分間放置した後の吸湿下の流動性が60重量%以上であることを特徴とするものであるが、前記製造方法により限定されるものではない。
従って、本発明に係る吸水剤、あるいは、本発明の製造方法により得られた吸水剤は、優れた加圧下の吸水倍率などの吸収特性と良好な吸湿流動性を備えた吸水剤である。本発明の加圧下吸水倍率およびハンドリング特性に優れた吸水剤は、全く新規な製品と言えるものである。
【0053】
さらに、本発明は、分子中にオキセタン骨格を少なくとも1以上有するオキセタン化合物からなる吸水性樹脂用架橋剤、または、下記一般式(1)で表される構造を有する、前記吸水性樹脂用架橋剤をも提供する。
【0054】
【化10】
【0055】
(式中R1、R2、R3、R4、R5、R6は別個に水素原子、水酸基、アルキル基、アルケニル基、芳香族基、ハロゲン基、置換アルキル基、置換アルケニル基又は置換芳香族基を表す。)
また、本発明は、分子中にイミダゾリジノン骨格を少なくとも1以上有するイミダゾリジノン化合物からなる吸水性樹脂用架橋剤、または、下記一般式(5)で表される構造を有する、前記吸水性樹脂用架橋剤をも提供する。
【0056】
【化11】
【0057】
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6は別個に水素原子、水酸基、アルキル基、アルケニル基、芳香族基、ハロゲン基、置換アルキル基、置換アルケニル基又は置換芳香族基を表す。)
本発明のオキセタン骨格を有する吸水性樹脂用架橋剤、または、イミダゾリジノン骨格を有する吸水性樹脂用架橋剤は、吸水性樹脂の重合開始時や重合途中、重合後の後架橋、乾燥後の架橋にも適用できるが、好ましくは、前記表面架橋剤に用いられる。本発明のオキセタン化合物やイミダゾリジノン化合物は、前述のように反応性が高く、安全で、しかも、加圧下吸水倍率や吸湿下の流動性に優れた吸水剤を与える吸水性樹脂用架橋剤である。
【0058】
本発明に係る吸水性物品は、前記の本発明に係る吸水剤を含んでなることを特徴としている。本発明の吸水性物品は、体液等を吸収する吸収体からなる吸収層を有してなる。
吸収体の構造は一般の吸水性物品に用いられる構造であれば特に制限はなく、例えば、シート状に成形した親水性繊維材料の間に吸水剤を配する、いわゆるサンドイッチ構造の吸収体や、親水性繊維材料と吸水剤を混合したものを成形した、いわゆるブレンド構造の吸収体が挙げられる。
上記吸収体における吸水剤と親水性繊維材料の重量比は、例えば、吸水剤:親水性繊維材料=20:80〜100:0であることが好ましく、通常、30:70〜100:0である。これらの比率は使用目的により適宜選択することができるものである。
【0059】
本発明の吸水性物品は、例えば、前記吸収体を透液性を有する表面シート、不透液性を有する背面シートの間に担持して用いられる。また、この吸収体の上面あるいは表面シートの裏面、表面シートの上面に液拡散を助ける、不織布、セルロース、架橋セルロース等よりなる拡散層を配置しても良い。前記液透過性のシートとは、水性液体を透過する性質を備えた材料からなっており、例えば、不織布、織布;ポリエチレンやポリプロピレン、ポリアミド等からなる多孔質の合成フィルム等が挙げられる。前記液不透過性のシートとは、水性液体を透過しない性質を備えた材料からなっており、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンビニルアセテート、ポリ塩化ビニル等からなる合成樹脂フィルムやこれら合成樹脂と不織布との複合体材からなるフィルム、上記合成樹脂と織布との複合材からなるフィルム等が挙げられる。なお、液不透過性フィルムは、蒸気を透過する性質を備えていても良い。
【0060】
本発明の吸水性物品としては、例えば、幼児用、大人用、あるいは、失禁者用の使い捨ておむつやパッド、または、女性用の経血吸収用ナプキンなどが挙げられる。上記使い捨ておむつ、経血吸収用ナプキンの構造は従来周知の構造と同様に種々の構造を採用することができ、また、表面シートと背面シートの材料等も従来用いられているものを特に制限することなく用いることができる。
尚、上記の吸収体にさらに消臭剤、香料、各種の無機粉末、発泡剤、顔料、染料、親水性短繊維、肥料、酸化剤、還元剤、キレート剤、水、塩類等を添加し、これにより、吸収体または吸水性物品に種々の機能を付与させてもよい。
【0061】
本発明に係る吸水性物品は、前述の本発明に係る吸水剤を用いて製造された吸収体からなるので、高吸収性等、本発明の吸水剤の有する効果を発現でき、また、吸水性物品製造時に吸湿性の高い吸水剤を用いることによって起こる問題点が少ない効果を発現できる。
【0062】
【実施例】
以下、実施例および比較例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、吸水剤、吸水性樹脂粉末の諸性能は、以下の方法で測定した。
(無加圧下吸水倍率)
吸水性樹脂粉末0.2gを不織布製の袋(60mm×60mm)に均一に入れ、0.9重量%生理食塩水中に浸漬した。60分後に袋を引き上げ、遠心分離機を用いて250×9.81m/sec2(250G)で3分間水切りを行った後、袋の重量W1(g)を測定した。また、同様の操作を吸水性樹脂粉末を用いずに行い、その時の重量W0(g)を測定した。そして、これらW1、W0から、次式に従って無加圧下吸水倍率(g/g)を算出した。なお、測定は20〜25℃の雰囲気下で行った。
【0063】
無加圧下吸水倍率(g/g)=(W1(g)−W0(g))/吸水性樹脂粉末の重量(g)
(加圧下吸水倍率)
内径60mmのプラスチックの支持円筒の底に、ステンレス製400メッシュの金網(目の大きさ38μm)を融着させ、該網上に吸水剤0.9gを均一に散布し、その上に、吸水剤に対して2.07kPaあるいは4.83kPaの荷重を均一に加えることができるよう調整された、外径が60mmよりわずかに小さく支持円筒との隙間が生じず、かつ上下の動きが妨げられないピストンと荷重とをこの順に載置し、この測定装置一式の重量Wa(g)を測定した。
【0064】
直径150mmのペトリ皿の内側に直径90mmのガラスフィルターを置き、0.9重量%生理食塩水をガラスフィルターと同じレベルになるように加える。その上に、直径90mmの濾紙を載せ、表面が全て濡れるようにし、かつ過剰の液を除いた。
上記測定装置一式を前記湿った濾紙上に載せ、液を荷重下で吸収させる。1時間後、測定装置一式を持ち上げ、その重量Wb(g)を測定する。そして、Wa、Wbから、次式に従って加圧下吸水倍率(g/g)を算出した。なお、測定は20〜25℃の雰囲気下で行った。
【0065】
加圧下吸水倍率(g/g)
=(Wb(g)−Wa(g))/吸水剤の重量((0.9)g)
(吸湿下の流動性)
吸水剤ないし、吸水性樹脂粉末2.0g(粒径が850μm以下のもの)を底面の直径52mm、高さ22mmのアルミニウムカップの底に均一に散布し、あらかじめ40℃、相対湿度75%に調整した恒温恒湿器(タバイエスペック製PLATINOUS LUCIFER PL−2G)にすばやく入れ、20分間放置した。その後、吸湿した吸水性樹脂の重量(WA)を測定した。さらに、吸湿した吸水性樹脂を直径7.5cm、目開き1000μmのJIS標準ふるいに移し、数回タッピングすることで振動を与えた。1000μmふるいを通過した吸水性樹脂の重量(WB)を測定した。WB/WA×100を計算することによって吸湿下の流動性(%)を求めた。吸湿後でもふるいを通過しやすいほど、すなわち、吸湿下の流動性が高いほど、吸湿流動性に優れた好適な吸水性樹脂である。
【0066】
(重量平均粒径)
粉砕後の吸水性樹脂を目開き850μm、600μm、500μm、425μm、300μm、212μm、150μm、106μm、75μmなどのJIS標準ふるいで篩い分けし、残留百分率Rを対数確率紙にプロットした。これにより、重量平均粒子径(D50)を読み取った。
(可溶分量)
吸水性樹脂0.5gを1000mlのイオン交換水中に分散させ、16時間攪拌した後、膨潤ゲルを濾紙で濾過した。そして、得られた濾液中の水溶性高分子、すなわち、吸水性樹脂粉末から溶出した可溶分量(重量%、対吸水性樹脂)をコロイド滴定により測定した。
【0067】
(生理食塩水流れ誘導性(SFC)試験(特表平9−509591参照))
特表平9−509591の生理食塩水流れ誘導性(SFC:Saline Flow Conductivity)試験に準じて行った。
図1に示す装置を用い、容器40に均一に入れた吸水剤(0.900g)を人工尿(1)を用いて0.3psi(2.07kPa)の加圧下、60分間膨潤させ、ゲル44のゲル層の高さを記録し、次に0.3psi(2.07kPa)の加圧下、0.69重量%塩化ナトリウム水溶液33を、一定の静水圧でタンク31から膨潤したゲル層を通液させる。このSFC試験は室温(20〜25℃)で行った。コンピューターと天秤を用い、時間の関数として20秒間隔でゲル層を通過する液体量を10分間記録する。膨潤したゲル44(の主に粒子間)を通過する流速Fs(t)は増加重量(g)を増加時間(s)で割ることによりg/sの単位で決定する。一定の静水圧と安定した流速が得られた時間をtsとし、tsと10分間の間に得たデータだけを流速計算に使用して、tsと10分間の間に得た流速を使用してFs(t=0)の値、つまりゲル層を通る最初の流速を計算する。Fs(t=0)はFs(t)対時間の最小2乗法の結果をt=0に外挿することにより計算される。
【0068】
ここで、
Fs(t=0):g/sで表した流速
L0:cmで表したゲル層の高さ
ρ :NaCl溶液の密度(1.003g/cm3)
A :セル41中のゲル層上側の面積(28.27cm2)
ΔP:ゲル層にかかる静水圧(4920dyne/cm2)
およびSFC−値の単位は(cm3×s×g-1)である。
【0069】
図1に示す装置としては、タンク31には、ガラス管32が挿入されており、ガラス管32の下端は、0.69重量%塩化ナトリウム水溶液33をセル41中の膨潤ゲル44の底部から、5cm上の高さに維持できるように配置した。タンク31中の0.69重量%塩化ナトリウム水溶液33は、コック付きL字管34を通じてセル41へ供給された。セル41の下には、通過した液を補集する容器48が配置されており、補集容器48は上皿天秤49の上に設置されていた。セル41の内径は6cmであり、下部の底面にはNo.400ステンレス製金網(目開き38μm)42が設置されていた。ピストン46の下部には液が通過するのに十分な穴47があり、底部には吸水剤あるいはその膨潤ゲルが、穴47へ入り込まないように透過性の良いガラスフィルター45が取り付けてあった。セル41は、セルを乗せるための台の上に置かれ、セルと接する台の面は、液の透過を妨げないステンレス製の金網43の上に設置した。
【0070】
人工尿(1)は、塩化カルシウムの2水和物0.25g、塩化カリウム2.0g、塩化マグネシウムの6水和物0.50g、硫酸ナトリウム2.0g、りん酸2水素アンモニウム0.85g、りん酸水素2アンモニウム0.15g、および、純水994.25gを加えたものを用いた。
−参考例1−
シグマ型羽根を2本有する内容積10リットルのジャケット付きステンレス型双腕型ニーダーに蓋を付けて形成した反応器中で、75モル%の中和率を有するアクリル酸ナトリウムの水溶液5500g(単量体濃度38重量%)にポリエチレングリコールジアクリレート(n=9)3.70gを溶解させて反応液とした。次にこの反応液を窒素ガス雰囲気下で、30分間脱気した。続いて、反応液に過硫酸アンモニウム2.7gおよびL−アスコルビン酸0.02gを攪拌しながら添加したところ、およそ1分後に重合が開始した。そして、生成したゲルを粉砕しながら、20〜90°Cで重合を行い、重合が開始して30分後に含水ゲル状架橋重合体(1)を取り出した。
【0071】
得られた含水ゲル状架橋重合体(1)は、その径が約5mm以下に細分化されていた。この細分化された含水ゲル状架橋重合体(1)を50メッシュ(目開き300μm)の金網上に広げ、150°Cで90分間熱風乾燥した。次いで、ロールミルを用いて粉砕し、さらに目開き850μmおよび106μmのJIS振動ふるい網で分級することで吸水性樹脂(A)を得た。
得られた吸水性樹脂(A)の可溶分量は23重量%、含水率は5重量%、重量平均粒径(D50)は330μmであった。
−実施例1−
参考例1で得られた吸水性樹脂(A)100gに3−メチル−3−オキセタンメタノール1.0g、イオン交換水3.0g、イソプロピルアルコール3.0gの混合液からなる表面処理剤を滴下混合した後、170℃の熱風乾燥器中に1時間放置し、吸水剤(1)を得た。得られた吸水剤(1)の無加圧下吸水倍率、2.07kPa加圧下吸水倍率、吸湿下の流動性(以下も同様)を測定した結果を表1に示した。
【0072】
−実施例2−
参考例1で得られた吸水性樹脂(A)100gに3−エチル−3−オキセタンメタノール1.16g、水6.0g、イソプロピルアルコール3.0gの混合液からなる表面処理剤を滴下混合した後、170℃熱風乾燥器中に1時間放置し、吸水剤(2)を得た。得られた吸水剤(2)の測定した物性を表1に示した。
−実施例3−
参考例1で得られた吸水性樹脂(A)100gに3−メチル−3−オキセタンメタノール0.26g、水3.0g、イソプロピルアルコール3.0gの混合液からなる表面処理剤を滴下混合した後、165℃熱風乾燥器中に1時間放置し、吸水剤(3)を得た。得られた吸水剤(3)の測定した物性を表1に示した。
【0073】
−比較例1−
参考例1で得られた吸水性樹脂(A)を比較吸水剤(1)として、比較吸水剤(1)の測定した物性を表1に示した。
−比較例2−
参考例1で得られた吸水性樹脂(A)100gにエチレンカーボネート1.0g、イオン交換水3.0g、イソプロピルアルコール3.0gの混合液からなる表面処理剤を滴下混合した後、170℃の熱風乾燥器中に1.5時間放置し、比較吸水剤(2)を得た。得られた比較吸水剤(2)の測定した物性を表1に示した。
【0074】
−比較例3−
参考例1で得られた吸水性樹脂(A)100gにエチレングリコールジグリシジルエーテル0.03g、プロピレングリコール1.0g、イオン交換水3.0g、イソプロピルアルコール1.0gの混合液からなる表面処理剤を滴下混合した後、170℃の熱風乾燥器中に1.0時間放置し、比較吸水剤(3)を得た。得られた比較吸水剤(3)の測定した物性を表1に示した。
−比較例4−
参考例1で得られた吸水性樹脂(A)100gに1,4−ブタンジオール、0.3g、プロピレングリコール0.5g、イオン交換水3.0g、イソプロピルアルコール0.5gの混合液からなる表面処理剤を滴下混合した後、170℃の熱風乾燥器中に1.5時間放置し、比較吸水剤(4)を得た。得られた比較吸水剤(4)の測定した物性を表1に示した。
【0075】
−比較例5−
参考例1で得られた吸水性樹脂(A)100gにトリメチロールエタン1.20g(実施例1記載の3−メチル−3−オキセタンメタノールと等モル量)、水3.0g、イソプロピルアルコール3.0gの混合液からなる表面処理剤を滴下混合した後、170℃熱風乾燥器中に1.5時間放置し、比較吸水剤(5)を得た。得られた比較吸水剤(5)の測定した物性を表1に示した。
−比較例6−
参考例1で得られた吸水性樹脂(A)100gにトリメチロールプロパン1.34g(実施例1記載の3−メチル−3−オキセタンメタノールと等モル量)、水3.0g、イソプロピルアルコール3.0gの混合液からなる表面処理剤を滴下混合した後、170℃熱風乾燥器中に1.5時間放置し、比較吸水剤(6)を得た。得られた比較吸水剤(6)の測定した物性を表1に示した。
【0076】
【表1】
【0077】
実施例1から3に記載の吸水剤(1)から(3)は、表面架橋剤で処理していない吸水性樹脂である比較例1記載の比較吸水剤(1)と比べて、加圧下吸水倍率が大きく、無加圧下吸水倍率と加圧下吸水倍率のバランスに優れ、さらに、吸湿下の流動性に優れている。
また、実施例1から3に記載の吸水剤(1)から(3)は、比較例2、4、5、6記載の比較吸水剤(2)、(4)、(5)、(6)と比べて、無加圧下吸水倍率と加圧下吸水倍率は同程度の値を示すが、反応時間が短く、あるいは反応温度が低く、さらに、吸湿下の流動性に優れている。
【0078】
また、実施例1から3に記載の吸水剤(1)から(3)は、比較例3記載の比較吸水剤(3)と比べて、無加圧下吸水倍率と加圧下吸水倍率は同程度の値を示すが、吸湿下の流動性に優れている。
このように、本発明の吸水剤は、無加圧下吸水倍率と加圧下吸水倍率のバランスに優れ、さらに、吸湿下の流動性(高温、高湿条件下での取り扱い性)に優れた、反応時間が短くなる良好な性能を備えた吸水剤である。
−参考例2−
シグマ型羽根を2本有する内容積10リットルのジャケット付きステンレス型双腕型ニーダーに蓋を付けて形成した反応器中で、71モル%の中和率を有するアクリル酸ナトリウムの水溶液5500g(単量体濃度41重量%、モノマーの平均分子量87.7)にポリエチレングリコールジアクリレート(n=9)5.01gを溶解させて反応液とした。次にこの反応液を窒素ガス雰囲気下で、30分間脱気した。続いて、反応液に10重量%過硫酸ナトリウム水溶液30.8gおよび1重量%L−アスコルビン酸水溶液2.57gを攪拌しながら添加したところ、およそ1分後に重合が開始した。そして、生成したゲルを粉砕しながら、20〜95℃で重合を行い、重合が開始して30分後に含水ゲル状架橋重合体(2)を取り出した。
【0079】
得られた含水ゲル状架橋重合体(2)は、その径が約5mm以下に細分化されていた。この細分化された含水ゲル状架橋重合体(2)を50メッシュ(目開き300μm)の金網上に広げ、180℃で50分間熱風乾燥した。次いで、ロールミルを用いて粉砕し、さらに目開き850μmのJIS標準篩で分級することで大部分の粒子が850μm以下の範囲にある吸水性樹脂粉末(B)を得た。
得られた吸水性樹脂粉末(B)の無加圧下の吸収倍率は39(g/g)、可溶分量は13重量%、重量平均粒径(D50)は450μmであった。
−実施例4−
参考例2で得られた吸水性樹脂粉末(B)100gに3−メチル−3−オキセタンメタノール0.26g、1,4−ブタンジオール0.384g、プロピレングリコール0.6g、および水3.39gの混合液からなる表面処理剤を混合した後、混合物を212℃で25分間加熱処理することにより、吸水剤(4)を得た。得られた吸水剤(4)は粉末形状であり、その無加圧下吸収倍率、4.83kPa加圧下吸収倍率、生理食塩水流れ誘導性、吸湿下の流動性を測定した結果(以下も同様)を表2に示した。
【0080】
−比較例7−
参考例2で得られた吸水性樹脂粉末(B)100gに1,4−ブタンジオール0.384g、プロピレングリコール0.6g、および水3.39gの混合液からなる表面処理剤を混合した後、混合物を212℃で35分間加熱処理することにより、比較吸水剤(7)を得た。得られた比較吸水剤(7)は粉末形状であり、その測定した物性を表2に示した。
−実施例5−
比較例7で得られた吸水剤(7)100gに3−メチル−3−オキセタンメタノール1.0gを混合することにより、吸水剤(5)を得た。得られた吸水剤(5)の測定した物性を表2に示した。
【0081】
−実施例6−
比較例7で得られた吸水剤(7)100gにジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル1.0gを混合することにより、吸水剤(6)を得た。得られた吸水剤(6)の測定した物性を表2に示した。
【0082】
【表2】
【0083】
実施例4に記載の吸水剤(4)は、比較例7に記載の比較吸水剤(7)の表面処理剤にオキセタン化合物を併用したものである。吸収剤(4)は比較吸水剤(7)と比較して無加圧下吸水倍率が同じ値であるが、加熱時間が短くなっており、また、生理食塩水流れ誘導性(SFC)は高い値を示し、さらに吸湿下の流動性に優れている。
また、実施例5、6に記載の吸水剤(5)、(6)は比較例7に記載の吸水剤(7)にオキセタン化合物を添加混合した吸水剤である。吸水剤(5)、(6)は比較吸水剤(7)と比較して、無加圧下吸水倍率、加圧下吸水倍率、生理食塩水流れ誘導性は低下すること無く、吸湿下の流動性が改善されている。
【0084】
このように、本発明の方法で製造される吸水剤は、無加圧下吸収倍率と加圧下吸収倍率と生理食塩水流れ誘導性のバランスに優れ、さらに、吸湿下の流動性に優れる上、反応時間が短くなる良好な性能を備えたものである。
また、オキセタン化合物と吸水性樹脂を含む本発明の吸水剤は吸水性樹脂本来の無加圧下吸収倍率、加圧下吸収倍率、生理食塩水流れ誘導性の値を損なうことなく、吸湿下の流動性を向上させることできる優れた吸水剤である。
−実施例7−
参考例1で得られた吸水性樹脂(A)100gに2−イミダゾリジノン0.86g、水3.0g、イソプロピルアルコール3.0gの混合液からなる表面処理剤を滴下混合した後、170℃熱風乾燥器中に1.5時間放置し、吸水剤(7)を得た。得られた吸水剤(7)の無加圧下吸水倍率、2.07kPa加圧下吸水倍率を測定した結果を表3に示した。
【0085】
−比較例8−
参考例1で得られた吸水性樹脂(A)100gに尿素0.60g(実施例7記載の2−イミダゾリジノンと等モル量)、水3.0g、イソプロピルアルコール3.0gの混合液からなる表面処理剤を滴下混合した後、170℃熱風乾燥器中に1.5時間放置し、比較吸水剤(8)を得た。得られた比較吸水剤(8)の無加圧下吸水倍率、2.07kPa加圧下吸水倍率を測定した結果を表3に示した。
【0086】
【表3】
【0087】
実施例7に記載の吸水剤(7)は、表面架橋剤で処理していない吸水性樹脂である比較例1記載の比較吸水剤(1)と比べて、加圧下吸水倍率が大きく、無加圧下吸水倍率と加圧下吸水倍率のバランスに優れている。
また、実施例7に記載の吸水剤(7)は、比較例8に記載の比較吸水剤(8)と比べて、加圧下吸水倍率が大きく、無加圧下吸水倍率と加圧下吸水倍率のバランスに優れている。
このように、本発明の吸水剤は、無加圧下吸水倍率と加圧下吸水倍率のバランスに優れ、良好な性能を備えた吸水剤である。
【0088】
【発明の効果】
本発明によれば、無加圧下吸水倍率と加圧下吸水倍率のバランスに優れ、また吸湿下の流動性が高く、安全性に優れた吸水剤を低温、短時間で製造する方法を提供することができる。また、新規な吸水剤、および吸水性樹脂の架橋に特に適した架橋剤を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 生理食塩水流れ誘導性の測定に用いる測定装置の概略の断面図
【符号の説明】
31 タンク
32 ガラス管
33 0.69重量%塩化ナトリウム水溶液
34 コック付きL字管
35 コック
40 容器
41 セル
42 ステンレス製金網
43 ステンレス製金網
44 膨潤ゲル
45 ガラスフィルター
46 ピストン
47 ピストン中の穴
48 補集容器
49 上皿天秤
Claims (19)
- 水膨潤性ポリアクリル酸(塩)架橋重合体である吸水性樹脂にオキセタン化合物および/またはイミダゾリジノン化合物を混合することを特徴とする、吸水剤の製造方法。
- 前記吸水性樹脂が含水率(吸水性樹脂1gに対する180℃、3時間乾燥減量で規定)0.2重量%以上40重量%以下の粒子状吸水性樹脂である、請求項1から3までのいずれかに記載の吸水剤の製造方法。
- 前記吸水性樹脂の重量平均粒子径(ふるいで分散して対数確率紙にプロットした値で規定)が150μmを越えて600μm以下、かつ、100μm以下の微粉末が10重量%以下の粒子状吸水性樹脂である、請求項1から4までのいずれかに記載の吸水剤の製造方法。
- 吸水剤中の吸水性樹脂が80重量%以上であって、前記吸水性樹脂100重量部に対してオキセタン化合物および/またはイミダゾリジノン化合物0.005〜10重量部、水0.5〜10重量部、親水性有機溶媒0〜5重量部を混合する、請求項1から5までのいずれかに記載の吸水剤の製造方法。
- 前記吸水性樹脂100重量部に対して、無機酸および/または有機酸0〜10重量部を混合する、請求項1から6までのいずれかに記載の吸水剤の製造方法。
- 吸水性樹脂にオキセタン化合物および/またはイミダゾリジノン化合物を混合後に、60〜250℃で1分〜180分の加熱処理を行う、請求項1から7までのいずれかに記載の吸水剤の製造方法。
- 吸水性樹脂は、その構成単位としてアクリル酸0モル%〜50モル%およびアクリル酸塩100モル%〜50モル%(但し、両者の合計量は100モル%とする)の範囲にあるものである、請求項1から8までのいずれかに記載の吸水剤の製造方法。
- 吸水性樹脂は、アクリル酸(塩)以外の単量体として、アクリル酸およびその塩の合計量に対し30モル%以下の単量体を用いるものである、請求項9に記載の吸水剤の製造方法。
- オキセタン化合物および/またはイミダゾリジノン化合物と、水膨潤性ポリアクリル酸(塩)架橋体からなる吸水性樹脂とを含む、吸水剤。
- オキセタン化合物および/またはイミダゾリジノン化合物によってさらに架橋された水膨潤性ポリアクリル酸(塩)架橋重合体である、吸水性樹脂を含む、吸水剤。
- 水膨潤性ポリアクリル酸(塩)架橋重合体である吸水性樹脂の表面近傍が前記オキセタン化合物および/またはイミダゾリジノン化合物で処理され、かつ、0.9重量%生理食塩水に対する2.07kPa加圧下吸水倍率が少なくとも20(g/g)以上である、請求項12に記載の吸水剤。
- 40℃、相対湿度75%の条件下に20分間放置後の吸湿下の流動性が60%以上である、請求項11から13までのいずれかに記載の吸水剤。
- 前記吸水剤の重量平均粒子径(ふるいで分散して対数確率紙にプロットした値で規定)が150μmを越えて600μm以下、かつ、100μm以下の微粉末が10重量%以下である、請求項11から14までのいずれかに記載の吸水剤。
- 吸水剤中の吸水性樹脂が80重量%以上であって、前記吸水性樹脂が粒子状である、請求項11から15までのいずれかに記載の吸水剤。
- 吸水性樹脂は、その構成単位としてアクリル酸0モル%〜50モル%およびアクリル酸塩100モル%〜50モル%(但し、両者の合計量は100モル%とする)の範囲にあるものである、請求項11から16までのいずれかに記載の吸水剤。
- 吸水性樹脂は、アクリル酸(塩)以外の単量体として、アクリル酸およびその塩の合計量に対し30モル%以下の単量体を用いるものである、請求項17に記載の吸水剤。
- 請求項11から18までのいずれかに記載の吸水剤を含む、吸水性物品。
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