JP4856460B2 - アスファルト組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、道路舗装、防水シート、遮音シート及びルーフィングシート等に使用されるアスファルト組成物に関する。
従来、アスファルトは、道路舗装及び防水等の幅広い分野で使用されている。しかしながら、アスファルトは、一般に、温度によって物性が大きく変化するため、例えば、道路舗装用途においては、夏季の気象条件下では直射日光により舗装面の温度は約60℃に達するため、アスファルトが軟化してわだち掘れ等の損傷が発生しやすく、また、冬場の寒冷地域では舗装面の温度が約−20℃まで低下するため、アスファルトの柔軟性が低下して硬く、脆くなって、骨材飛び及びひび割れ等が発生しやすくなるという問題点がある。また、供用時の耐久性を向上させるために、アスファルトの粘度を高くすると、施工時の粘度も高くなり、骨材との混合が不十分となったり、舗装面の平坦度が低下したりする。更に、施工性を向上させるために、アスファルトの粘度を低くすると、供用時の強度が不足する。
そこで、従来、アスファルトの物性における温度依存性を少なくするため、ストレートアスファルト又は性状調製したアスファルト等に、熱可塑性エラストマーを混合したアスファルト組成物が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。例えば、特許文献1に記載のアスファルト組成物では、高い機械的強度、60℃での高い粘度、200℃での低い粘度、組成物としての安定性を得るために、ビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物とを共重合して得られる共重合体、及び/又は、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックとからなるブロック共重合体を、アスファルトに加熱溶融混合してなるアスファルト組成物に、2−クロロ−1,3−ブタジエン系重合体及び/又は2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン系重合体を混合している。
また、特許文献2には、アスファルト100質量部に対して、共役ジエンとビニル芳香族化合物からなる共重合体に、水素を添加してなる水添共重合体であり、水添共重合体中のビニル芳香族化合物の含有量が50質量%を超え90質量%以下、水添共重合体中のビニル芳香族化合物中のビニル芳香族化合物重合体ブロック量が40質量%以下、水添共重合体の質量平均分子量が5万〜100万、かつ水添共重合体中の共役ジエン化合物に基づく二重結合の75%以上が水添されている水添共重合体を、0.5〜50質量部添加したアスファルト組成物が開示されている。
更に、特許文献3には、アスファルトと熱可塑性エラストマーの混合均一性を向上して相分離を防止するため、アスファルト、ゴム又は熱可塑性エラストマー及び鉱油に加えて、更に、特定の置換基を有するフェニルエーテル化合物を添加した道路舗装用改質アスファルト組成物が開示されている。
特開2004−307612号公報 特開2003−238813号公報 特開2003−3070号公報
しかしながら、前述した従来技術には、以下に示すような問題点がある。一般に、アスファルトを道路舗装用途に使用する場合は、各施工場所においてアスファルトを180〜200℃程度に加熱することによりその粘度を低下させて、作業性を良好にした後、骨材等と混合して施工している。その際、アスファルトを、180℃程度の温度下で数日間貯蔵することがあり、特許文献1記載の技術のように、熱可塑性エラストマーが添加されたアスファルト組成物を高温貯蔵すると、熱可塑性エラストマーがゲル化して、その後の取扱いが困難になるという問題点がある。また、アスファルト組成物がタンク内でゲル化すると、タンクからの移送及び排出ができなくなり、多大な修繕費等が必要となる。更に、高温貯蔵の期間及び条件によっては、熱可塑性エラストマーが分解し、その添加効果が十分に得られないという問題点もある。
一方、特許文献2に記載のアスファルト組成物では、熱可塑性エラストマーとして水添共重合体を使用することにより、高温貯蔵安定性向上を図っているが、このアスファルト組成物に添加されている水添共重合体は、アスファルトと混合しにくく、相分離が生じやすい。このため、特許文献2に記載のアスファルト組成物は、均一な組成のアスファルト組成物を得ることが困難であり、また、混合に長時間要するため、作業性が劣るという問題点がある。
なお、特許文献3には、特定の置換基を有するフェニルエーテル化合物を添加することにより、アスファルトと熱可塑性エラストマーの混合均一性を向上させる技術が開示されているが、この特許文献3に記載の技術には、高温での長期貯蔵を想定していないため、このような場合における性状変化についての検討もなされておらず、熱安定性及び高温貯蔵安定性が十分ではないという問題点がある。
本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、熱安定性及び高温貯蔵安定性が優れ、更に−20〜60℃の温度範囲において優れた耐久性を有するアスファルト組成物を提供することを目的とする。
本発明に係るアスファルト組成物は、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体、又はスチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体である水添熱可塑性エラストマー:4〜18質量%を含有し、残部がアスファルトからなり、前記水添熱可塑性エラストマーは、臭素価が10gBr2/100g以下、分子量が50000〜200000、スチレン含有量が前記水添熱可塑性エラストマー全質量に対して15〜40質量%であり、かつ前記水添熱可塑性エラストマー分子の両端部のみには、夫々エラストマー1分子あたり5〜35質量%のスチレンのブロック共重合体が存在していることを特徴とする。
本発明においては、アスファルトに、臭素価が10gBr2/100g以下、分子量が50000〜200000、水添熱可塑性エラストマー全質量あたりのスチレン含有量が15〜40質量%で、かつエラストマー分子の両端部のみにスチレンのブロック共重合体がエラストマー1分子あたり5〜35質量%ずつ存在する構造のスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体、又はスチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体である水添熱可塑性エラストマーを、アスファルト組成物全質量あたり4〜18質量%含有させているため、−20℃程度の低温下でのたわみ性を確保すると共に、60℃程度の温度下での軟化を防止することができ、更には、180℃程度で長期間貯蔵しても熱可塑性エラストマーのゲル化を防止することができる。その結果、熱安定性及び高温貯蔵安定性が優れ、更に−20〜60℃の温度範囲において優れた耐久性を有するアスファルト組成物が得られる。
本発明によれば、アスファルトに、臭素価が10gBr/100g以下、分子量が50000〜200000、スチレン含有量が15〜40質量%で、かつエラストマー分子の両端部にスチレンのブロック共重合体が5〜35質量%ずつ存在する構造の水添熱可塑性エラストマーを4〜18質量%含有させているため、熱安定性及び高温貯蔵安定性が優れ、更に−20〜60℃の温度範囲において優れた耐久性を有するアスファルト組成物が得られる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、詳細に説明する。本発明のアスファルト組成物は、水添熱可塑性エラストマー:4〜18質量%と、アスファルト:82〜96質量%との混合物である。本発明におけるアスファルトとしては、例えば、ストレートアスファルト(JIS K 2207 参照)、ブローンアスファルト(JIS K 2207 参照)、セミブローンアスファルト(「アスファルト舗装要綱」,社団法人日本道路協会発行,平成9年1月13日,p.51,表−3.3.4 参照)、脱瀝アスファルト(「新石油辞典」,石油学会編,1982年,p.308 参照)等のアスファルト又はこれらの混合物、並びにこのような各種アスファルトに石油系溶剤抽出油(「新石油辞典」,石油学会編,1982年,p.304 参照)及び/又は潤滑油等の軟化剤が添加されたもの等を使用することができる。
一方、本発明のアスファルト組成物における水添熱可塑性エラストマーは、臭素価が10gBr/100g以下、分子量が50000〜200000、スチレン含有量が水添熱可塑性エラストマー全質量あたり15〜40質量%であり、かつこの水添熱可塑性エラストマー分子の両端部には、夫々エラストマー1分子あたり5〜35質量%のスチレンのブロック共重合体が存在しているものであり、例えば、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体、及びスチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体等を使用することができる。
以下、本発明のアスファルト組成物における水添熱可塑性エラストマーの数値限定理由について説明する。
水添熱可塑性エラストマー含有量:4〜18質量%
アスファルト組成物全質量あたりの水添熱可塑性エラストマー含有量が4質量%未満の場合、60℃程度の温度下での剛性又は−20℃程度の温度下でのたわみ性が低下するため、−20〜60℃の全ての温度範囲おいて十分な耐久性を得ることができなくなる。一方、アスファルト組成物全質量あたりの水添熱可塑性エラストマー含有量が18質量%を超えると、アスファルト組成物の粘度が高くなりすぎるため、移送が困難になると共に、骨材と混合する際により高温に加熱しなければならず、作業性及び施工性が低下する。よって、水添熱可塑性エラストマー含有量は4〜18質量%とする。
臭素価:10gBr/100g以下
水添熱可塑性エラストマーの臭素価が10gBr/100gを超えると、180℃程度の温度で貯蔵した場合に、粘度上昇及びゲル化等の性状変化が生じる。よって、水添熱可塑性エラストマーの臭素価は、10gBr/100g以下とする。また、臭素価が10gBr/100g以下の水添熱可塑性エラストマーを使用することにより、供用中の紫外線による劣化を防止し、耐久性を著しく向上させることもできる。
分子量:50000〜200000
分子量が50000未満の水添熱可塑性エラストマーを使用すると、アスファルト組成物として、十分な剛性が得られない。一方、分子量が200000を超えた水添熱可塑性エラストマーを使用すると、アスファルト組成物全体の粘度が上昇して施工性が悪化する。また、施工性が確保できる粘度にするために、より高い温度への加熱及び保管が必要となる。よって、水添熱可塑性エラストマーの分子量は、50000〜200000とする。
スチレン含有量:水添熱可塑性エラストマー全質量あたり15〜40質量%
水添熱可塑性エラストマー全質量あたりのスチレン含有量が15質量%未満の場合、アスファルト組成物として十分な剛性が得られない。一方、水添熱可塑性エラストマー全質量あたりのスチレン含有量が40質量%を超えると、アスファルトとの溶解性が低下するため、混合に長時間要し、作業性が悪化する。よって、水添熱可塑性エラストマー全質量あたりのスチレン含有量は、15〜40質量%とする。
スチレンのブロック共重合体量:エラストマー分子の両端部に夫々5〜35質量%(エラストマー1分子あたり)
本発明のアスファルト組成物における水添熱可塑性エラストマーは、直鎖状のエラストマー分子の両端部に夫々スチレンのブロック共重合体が存在している構造のものである。スチレンのブロック共重合体がエラストマー分子の一方の端部にしか存在していない構造の水添熱可塑性エラストマーを使用した場合、アスファルト組成物の剛性が低くなるため、十分な強度を得ることができない。また、側鎖にスチレンのブロック共重合体が存在している構造の水添熱可塑性エラストマーを使用した場合は、アスファルト組成物の粘度が高くなりすぎて施工性が悪化する。更に、エラストマー分子の両端部に存在するスチレンのブロック共重合体のうち、少なくとも一方のブロック共重合体の量が、エラストマー1分子あたり5質量%未満の場合、アスファルト組成物として十分な剛性が得られない。一方、エラストマー分子の両端部に存在するスチレンのブロック共重合体のうち、少なくとも一方のブロック共重合体の量が、エラストマー1分子あたり35質量%を超えると、アスファルトとの溶解性が低下するため、混合に長時間を要し、作業性が悪化する。よって、エラストマー分子の両端部に存在するスチレンのブロック共重合体の量は、夫々、エラストマー1分子あたり5〜35質量%とする。なお、このスチレンブロック共重合体量は、水添熱可塑性エラストマーの両端部が同じ値である必要はなく、夫々が5〜35質量%の範囲内であれば、一方の端部と他方の端部とでスチレンブロック共重合体量が異なっていてもよい。
以上詳述したように、本発明のアスファルト組成物は、水添熱可塑性エラストマーを4〜18質量%と高含有量で添加しているため、−20℃程度の低温下でのたわみ性を確保することができる。また、スチレン含有量が全質量あたり15〜40質量%の水添熱可塑性エラストマーを使用しているため、60℃程度の温度下での軟化を防止することができる。更に、臭素価が10gBr/100g以下の水添熱可塑性エラストマーを使用しているため、180℃程度の温度で長期間貯蔵しても、アスファルト組成物にゲル化及び粘度上昇等の性状変化が発生しにくい。その結果、熱安定性及び高温貯蔵安定性が優れ、更に−20〜60℃の温度範囲において優れた耐久性を有するアスファルト組成物が得られる。
なお、本発明のアスファルト組成物は、舗装用途に限定されるものではなく、舗装材以外にも、ルーフィングシート、シーリング材及びパイプコーティング材等としても使用することができる。
以下、本発明の効果について、実施例及び比較例を挙げて具体的に説明する。本実施例においては、温度を180℃に保持したアスファルト(溶剤脱瀝アスファルト及び石油系溶剤抽出油の混合物)に、水添熱可塑性エラストマー又は未水添熱可塑性エラストマーを添加し、ホモミキサーにより、温度を180℃、回転数を3000回転/分として2時間混合して、実施例及び比較例の各アスファルト組成物を作製した。その際、篩(目開き1.18mm)の通過試験により、アスファルトと熱可塑性エラストマーとが均一なアスファルト組成物になっていることを確認した。なお、これら実施例及び比較例の各アスファルト組成物においては、針入度が45〜75になるように、溶剤脱瀝アスファルトと石油系溶剤抽出油との配合割合を設定した。
また、本実施例では、溶剤脱瀝アスファルトとしては、25℃における針入度が8(1/10mm)、軟化点が66.5℃、15℃における密度が1028kg/m、引火点が352℃のものを使用した。また、石油系溶剤抽出油としては、100℃における粘度が0.07Pa・秒、芳香族含有量が33質量%、ナフテン含有量が26質量%、パラフィン含有量が41質量%、引火点が254℃のものを使用した。更に、水添熱可塑性エラストマーとしては、臭素価が5gBr/100g、分子量が150000、スチレン含有量が30質量%であり、エラストマー分子の両端部に存在するスチレンのブロック共重合体の量が15質量%であるスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)(以下、共重合体Aという)を使用し、未水添熱可塑性エラストマーとしては、臭素価が220gBr/100g、分子量が150000、スチレン含有量が32質量%であり、エラストマー分子の両端部に存在するスチレンのブロック共重合体の量が16質量%であるスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)(以下、共重合体Bという)を使用した。各アスファルト組成物の配合割合を下記表1に示す。
Figure 0004856460
次に、上述の方法で作製した実施例及び比較例の各アスファルト組成物を、25℃における針入度及び軟化点を測定すると共に、施工性を評価するために200℃における粘度の測定を、供用中(夏場)の耐久性を評価するために60℃における複素弾性率Gの測定を、供用中(冬場)の耐久を評価するために−20℃におけるスティフネスの測定を、高温貯蔵安定性を評価するために7日養生後の粘度上昇率の測定を夫々行った。以下、各評価項目の具体的な測定方法について説明する。
針入度及び軟化点は、JIS K2207に規定されている方法で測定した。また、200℃における粘度は、Brookfield社製回転粘度計を使用し、No.SC4−21のスピンドルで、測定回転数を20回転/分の条件で測定した。本実施例においては、アスファルト組成物を低粘度化することにより、現場の施工性を向上させるため、200℃における粘度の値は1200mPa・秒以下を合格とした。
更に、60℃における複素弾性率Gは、DSR(Dynamic Shear Rheometer)試験(「舗装試験法便覧別冊(暫定試験方法)」,社団法人日本道路協会発行、平成8年10月,p.91−99 参照)により測定した。本実施例においては、アスファルトの耐流動性能を向上させるため、アスファルト流動が発生しやすい低いせん断速度により評価し、測定温度60℃、測定周波数0.1rad/秒における複素弾性率Gが5kPa以上のものを合格とした。
更にまた、−20℃におけるスティフネスは、BBR(Bending Beam Rheometer)試験(「舗装試験法便覧別冊(暫定試験方法)」,社団法人日本道路協会発行、平成8年10月,p.81−87 参照)により評価した。その際、冬場の寒冷地域でも十分なたわみ性が得られる値、即ち、−20℃の温度条件下で、SHRP(Strategic Highway Research Program:戦略的道路研究計画)のSUPERPAVE(米国のアスファルト舗装の総合的な評価・解析システム)で採用している60秒後におけるスティフネスが、600MPa以下のものを合格とした。
高温貯蔵安定性は、アスファルト組成物を2.5kg缶に充填して密封し、この状態で190℃に保持したオーブン中で7日間養生し、養生前後の粘度を比較した。粘度の測定は、Brookfield社製回転粘度計を使用し、測定温度を180℃とし、No.SC4−21のスピンドルで、測定回転数を20回転/分の条件で行った。そして、養生後の粘度と製造直後の粘度との比(養生後の粘度/製造直後の粘度)を指数化し、粘度上昇率(%)とした。その結果、アスファルトを製造し、施工現場でアスファルトを使用したときに粘度が上昇していると、施工性が大幅に悪化するため、この粘度上昇率が90〜120%の範囲のものを合格とした。以上の結果を、下記表2にまとめて示す。
Figure 0004856460
上記表2に示すように、比較例1及び比較例2のアスファルト組成物は、熱可塑性エラストマー含有量は本発明の範囲内(4〜18質量%)ではあったが、7日間養生による粘度上昇率が高く、高温貯蔵安定性が劣っていた。また、比較例3及び比較例4のアスファルト組成物は、共に60℃の複素弾性率Gが低く、60℃における耐久性が劣っていた。更に、これらのアスファルト組成物は、−20℃におけるスティフネスの値が高く、−20℃における耐久性も劣っていた。更にまた、比較例5のアスファルト組成物は、200℃における粘度が高く、施工性が劣っていた。更にまた、比較例6のアスファルト組成物は、200℃における粘度が高く、施工性が劣っており、更には、7日間養生による粘度上昇率が高く、高温貯蔵安定性も劣っていた。
これに対して、本発明の範囲内の実施例1〜5のアスファルト組成物は、200℃における粘度が1200mPa・秒以下であり、施工性が優れたものであった。また、実施例1〜5のアスファルト組成物は、60℃の複素弾性率Gが5kPa以上、−20℃におけるスティフネスの値が600MPa以下であるため、−20〜60℃の温度範囲おいて、前述の比較例のアスファルト組成物に比べて優れた耐久性が得られることが確認された。更に、実施例1〜5のアスファルト組成物は、190℃の温度条件下で7日間養生しても、粘度上昇率が90〜120%の範囲内であり、高温貯蔵安定性にも優れていた。
更に、本発明の比較例として、水添熱可塑性エラストマーとして、臭素価が5gBr2/100g、分子量が50000、スチレン含有量が72質量%で、エラストマー分子の両端部に存在するスチレンのブロック共重合体の量が36質量%であるスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体を使用し、上記表1に示す実施例1のアスファルト組成物と同様の配合比及び製造方法でアスファルト組成物を作製した。その結果、2時間混合後の組成物を、混合終点の確認として、篩(目開き1.18mm)を用いた通過試験により、アスファルトと熱可塑性エラストマーとが均一なアスファルト組成物になっているか、その溶解性を確認したところ、水添熱可塑性エラストマーの残留分が確認されたため、溶解不良と判断し、その後の工程及び評価は実施しなかった。

Claims (1)

  1. スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体、又はスチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体である水添熱可塑性エラストマー:4〜18質量%を含有し、
    残部がアスファルトからなり、
    前記水添熱可塑性エラストマーは、
    臭素価が10gBr2/100g以下、
    分子量が50000〜200000、
    スチレン含有量が、前記水添熱可塑性エラストマー全質量に対して15〜40質量%であり、
    かつ、前記水添熱可塑性エラストマー分子の両端部のみには、夫々エラストマー1分子あたり5〜35質量%のスチレンのブロック共重合体が存在していることを特徴とするアスファルト組成物。
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