JP4854556B2 - 電源装置 - Google Patents

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本発明は、電流検出部で得られた検出信号を基に、過電流保護や並列運転時におけるカレントシェアリングのような電源部への制御を、制御部が行なう電源装置に関する。
従来のこの種の電源装置として、例えば特許文献1には、負荷に流れる電流を検出する電流検出部を備え、この電流検出部で検出された信号を入力として、過電流状態であるか否かを判断する過電流保護機能を備えたものが知られている。また、これとは別に、複数の電源装置から共通する負荷に出力電圧を供給する並列運転時に、各電源装置から負荷に供給する出力電流を電流検出部で検出し、電源装置間の出力電流のアンバランスを補償する制御が行なわれている。
図3は、こうした電流検出部を備えたスイッチング電源装置の一例を示す回路構成図である。同図において、1は電源装置の入力端子2A,2B間に直流入力電圧Viを供給する直流電源、3はこの入力電圧Viを出力電圧Voに変換して、入力端子4A,4B間から負荷5に供給する電源部である。なお、ここでの負荷5は、一定の出力電流Ioを発生する電流源として等価的に示されている。
電源部3は、一次側と二次側とを絶縁するトランス7と、例えばMOSFETからなるスイッチング素子8と、トランス7の二次側の整流回路を構成するダイオード10,11と、トランス7の二次側の平滑回路を構成するチョークコイル12および平滑コンデンサ13とを備えたフォワード型の回路構成を有する。具体的には、トランス7の一次巻線7Aとスイッチング素子8との直列回路が入力端子2A,2B間に接続され、スイッチング素子8をスイッチングさせることにより、前記直流電源1からの入力電圧Viを一次巻線7Aに断続的に印加する。これに伴い、スイッチング素子8のオン期間には、トランス7の二次巻線7Bのドット側端子に正極性の電圧が誘起され、二次巻線7Bのドット側端子にアノードを接続したダイオード10が導通して、二次巻線7Bからのエネルギーがチョークコイル12を通して平滑コンデンサ13および負荷5に送り出される。また、スイッチング素子8のオフ期間には、二次巻線7Bの非ドット側端子にアノードを接続した別なダイオード11が導通し、それまでチョークコイル12に蓄えられていたエネルギーが、平滑コンデンサ13および負荷5に送り出されるようになっている。
21は、トランス7の二次側を流れる電流から、前記負荷5を流れる出力電流Ioを検出する電流検出部である。この電流検出部21は、トランス7の二次側において、二次巻線7Bの非ドット側端子から出力端子4Bの出力電圧ライン間に挿入接続される電流検出器としての抵抗22と、抵抗22の両端間に発生する出力電流Ioに比例した電圧Visを増幅して、検出信号として出力する増幅器23と、増幅に伴い前記検出信号に含まれるノイズ成分を除去するローパスフィルタ(LFP)24と、を備えて構成される。
31は、電源部3の動作を制御する制御部としてのディジタルシグナルプロセッサ(DSP)である。このDSP31はトランス7の二次側に設けられており、A/D変換器32と、PWM(パルス幅変調)制御器33と、PWM信号発生器34と、キャリア波生成手段35とを内蔵している。A/D変換器32は、何れもアナログ信号である入力端子2A,2B間に発生する入力電圧Viと、LFP24からの電流検出部21の検出信号と、入力端子4A,4B間に発生する出力電圧Voを、それぞれDSP31の内部で処理可能なディジタル信号に変換するものである。PWM制御器33は、出力電圧Voに応じたA/D変換器32からのディジタル信号と基準電圧Vrefとの偏差に基づき、入力電圧Viや電流検出部21の検出信号の変動を加味しながら、電源部3が所望の出力電圧Voを生成するための操作量uを算出するものである。PWM信号発生器34は、前記PWM制御器33からの操作量uと、キャリア波生成手段35で生成される固定周期の鋸波との比較により、操作量uに応じたパルス導通幅の駆動信号を生成して、これをスイッチング素子8のゲートに供給するものである。
なお、前記DSP31がトランス7の二次側に設けられている関係で、トランス7の一次側にある入力電圧ラインおよびスイッチング素子8のゲートと、DSP31との間を繋ぐ各線路には、信号を電気的に絶縁するアイソレータ41,42がそれぞれ挿入接続される。
そして、上記構成のDSP31では、電源部3に与えられる入力電圧Viと、負荷5を流れる出力電流Ioに応じた検出信号と、電源部3からの出力電圧Voとを、それぞれA/D変換器32に取り込んでディジタル信号に変換し、これをDSP31の信号処理部であるPWM制御器33に出力する。PWM制御器33は、入力電圧Viや出力電流Ioがさほど変化しない定常時には、出力電圧Voに応じたディジタル信号の検出レベルと、基準電圧Vrefとの偏差に見合う操作量uを算出し、これをPWM信号発生器34に出力する。一方、電源部3の起動または停止時などにおいて、入力電圧Viが急変したり、負荷5の変動などに伴い、電流検出部21で検出される出力電流Ioが急変したりすると、前記出力電圧Voの検出レベルに優先して、これらの急変を考慮した操作量uを決定する。こうして決定された操作量uに基づき、PWM信号発生器34が所望のパルス導通幅の駆動信号を、アイソレータ42を介してスイッチング素子8に供給することで、定常時には安定した出力電圧Voを負荷5に供給しつつ、入力電圧Viや出力電流Ioの急変時には、電源部3を安全に制御することが可能になる。
特開2006−129566号公報
図3に示す従来の電源装置は、次のような問題点がある。
入力電圧Viよりも低い出力電圧Voに変換する電源部3では、トランス7の二次側に接続した抵抗22に比較的大きな電流値が流れるので、電源部3としての損失を極力小さくするために、小さな抵抗値の抵抗22が電流検出器として用いられる。そのため、抵抗22の両端間に発生する電圧Visが小さく、大きな増幅度の増幅器23を用いざるを得なくなり、LPF24によるノイズ成分の除去が必須のものとなる。しかし、このLPF24自体は検出信号の遅れをもたらし、DSP31による制御の高速化を妨げる要因となっていた。
本発明は上記の各問題点に着目してなされたもので、電源部としての損失の増加を防止しつつ、制御部による制御の高速化を実現できる電源装置を提供することを、その目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、スイッチング素子のスイッチングにより、トランスの一次巻線に入力電圧を断続的に印加し、前記トランスの二次巻線に誘起した電圧を整流してチョークコイルを含む平滑回路で平滑することで、負荷に出力電圧を供給する電源部と、前記電源部を流れる電流を検出する電流検出部と、前記電流検出部からの検出信号と前記出力電圧とを監視して、前記スイッチング素子に供給する駆動信号のパルス導通幅を決定し、前記電源部を制御する制御部と、を備えた電源装置において、前記電流検出部は、前記トランスの一次巻線を流れる一次電流を検出する電流検出器と、この電流検出器で得られた信号ピーク値を保持し、これを前記検出信号として出力するサンプルホールド部とを備え、前記制御部は、前記出力電圧と前記スイッチング素子への駆動信号に基づき、前記チョークコイルを流れる電流のリップル分の平均値を推定する平均電流推定器を備え、この平均電流推定器で得られた平均値から、前記負荷を流れる出力電流を推定する構成としている。
この場合、前記電源部がフォワード型コンバータ,ハーフブリッジ型またはフルブリッジ型コンバータで構成されれば、前記平均電流推定器は、前記出力電圧と、前記スイッチング素子への駆動信号により決定される当該スイッチング素子のオフ時間とにより、前記チョークコイルを流れる電流のリップル分の平均値を推定するものであることが好ましい。
代わりに、前記電源部がフォワード型,ハーフブリッジ型またはフルブリッジ型コンバータコンバータで構成される場合、前記平均電流推定器は、前記出力電圧と、前記スイッチング素子への駆動信号により決定される当該スイッチング素子のオン時間と、さらに前記入力電圧とにより、前記チョークコイルを流れる電流のリップル分の平均値を推定するものであってもよい。
前記サンプルホールド部は、前記駆動信号によりオン,オフするスイッチ素子と、このスイッチ素子のオン期間中に前記一次電流に比例した電圧に充電され、スイッチ素子のオフ期間中に、その充電電圧のピーク値が前記信号ピーク値として保持される容量性素子と、を備えている。
また、前記電流検出器がカレントトランスであることが好ましい。
請求項1の発明によれば、トランスの一次巻線を流れる一次電流を電流検出器で検出し、この電流検出器で得られた信号ピーク値をサンプルホールド部で保持する一方で、平均電流推定器が、電源部からの出力電圧とスイッチング素子への駆動信号に基づいて、チョークコイルを流れる電流のリップル分の平均値を推定することで、既存の増幅器やフィルタなどを一切用いることなく、負荷を流れる出力電流を推定することができる。したがって、この負荷の出力電流の変動を監視することで、過電流保護やカレントシェアリングなどの電源部に対する制御を、遅れなく高速に行なうことが可能になる。また、入力電圧よりも出力電圧が低ければ、トランスの一次側を流れる電流は二次側を流れる電流よりも小さく、電流検出器としての損失を低減できる。
請求項2の発明によれば、フォワード型コンバータ,ハーフブリッジ型またはフルブリッジ型コンバータを有する電源部の場合、出力電圧とスイッチング素子のオフ時間が判れば、入力電圧などを監視しなくても、平均電流推定器がチョークコイルを流れる電流のリップル分の平均値を推定できる。したがって、制御部の構成を簡単にできる。
請求項3の発明によれば、フォワード型コンバータ,ハーフブリッジ型またはフルブリッジ型コンバータを有する電源部の場合、スイッチング素子への駆動信号によりスイッチング素子のオン時間が判れば、入力電圧と出力電圧の各情報を取り込んで、平均電流推定器がチョークコイルを流れる電流のリップル分の平均値を推定できる。
請求項4の発明によれば、電流検出器で得られた信号のピーク値を保持するために、スイッチング素子への駆動信号を利用してオン,オフ動作するスイッチ素子と、このスイッチ素子のオン,オフ動作に伴い、一次電流に比例した電圧を充電し保持するコンデンサがあれば、電流検出器で得られた信号のピーク値を簡単に保持できる。したがって、この場合は電流検出部としての構成を簡単にできる。
請求項5の発明によれば、抵抗などの他の電流検出器に比べて、損失を少なくできる。また、制御部がトランスの二次側に設けられている構成では、トランスの一次側に配置されたカレントトランス自体がアイソレータとしても機能し、電流検出部としての構成を簡単にできる。
以下、本発明における電源装置の好ましい一実施形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、従来例で示した図3と共通する部分には共通する符号を付し、その共通する箇所の説明は重複を避けるため極力省略する。
図1は、本実施例で提案する電源装置の回路構成を示したものである。先ず、電源部3について、従来例との違いを説明すると、ここでは前記電流検出部22に代わって、電流検出器としてのカレントトランス52と、逆流防止用のダイオード53と、抵抗54,コンデンサ55およびMOSFETからなるスイッチ素子56と、により構成される新たな電流検出部51が設けられる。カレントトランス52の一次巻線52Aは、従来のようにトランス7の二次側ではなく、トランス7の一次側において、トランス7の一次巻線7Aと直列に接続される。なお、電流検出器としては例えば抵抗などを用いてもよいが、損失が小さく、またDSP31への信号供給に際しアイソレータを必要としないという点で、カレントトランス52が最も好ましい。また、入力電圧Viよりも出力電圧Voが低い場合には、トランス7の一次側を流れる電流が二次側よりも小さく、電流検出器としての損失を小さくできる。
電流検出部51は、カレントトランス52の二次巻線52Bの両端間に、ダイオード53と抵抗54との直列回路を接続し、抵抗54の両端間に、サンプルホールド回路をなすコンデンサ55とスイッチ素子56との直列回路を接続し、コンデンサ55の両端間に発生する電圧Vesが、電流検出部51の検出信号としてA/D変換器32に出力されるようになっている。また、スイッチ素子56のゲートには、PWM発生器34からのパルス駆動信号が与えられ、スイッチング素子8と同じタイミングでオン,オフ動作するようになっている。これにより、コンデンサ55の両端間には、チョークコイル12を流れる電流iLfのピーク値に比例した電圧Vesが、スイッチング素子8のオフ期間中に保持されることとなる。
なお、電源部3の変形例として、ここではフォワード型の回路構成を示しているが、例えばフライバック型,プッシュ・プル型,ハーフブリッジ型,フルブリッジ型など、別な回路構成の電源部3を採用してもよい。その場合、カレントトランス52の一次巻線52Aは、トランス7の一次側において、チョークコイル12を流れる電流iLfひいてはトランス7の一次巻線7Aを流れる電流を、電流検出部51が間接的にでも検出できるように接続されていればよい。また、バックアップ電源(図示せず)を含めた無停電電源装置の電源部3をも、含めることができる。その他の電源部3の構成は、図3で示したものと共通している。
次に、DSP31に関し、従来例に対する変更点を説明する。本実施例におけるDSP31は、従来例でも示したA/D変換器32、PWM制御器33と、PWM信号発生器34と、キャリア波生成手段35の他に、チョークコイル12を流れる電流iLfのリップル成分をキャンセルした平均電流値iLaveを推定する平均電流推定器61を備えている。
A/D変換器32は、電源部3に与えられる入力電圧Viと、電流検出部51からの出力電流Ioに応じた検出信号と、電源部3からの出力電圧Voとを、それぞれディジタル信号に変換するが、これらの各ディジタル信号はPWM制御器33に出力されると共に、特に出力電圧Voに応じたディジタル信号と、場合によっては入力電圧Viに応じたディジタル信号が、後述する平均電流推定器61にも出力される。また、平均電流推定器61は、スイッチング素子8のオン時間またはオフ時間を内部の時間算出部62で算出するために、PWM制御器33で算出された操作量uと、キャリア波生成手段35から発生する鋸波の振幅の各情報が入力される。なお、この時間算出部62は、平均電流推定器61に内蔵させず、平均電流推定器61の外部に独立した機能として設けてもよい。
平均電流推定器61は、A/D変換器32から与えられるディジタル信号と、時間算出部62で算出されるスイッチング素子8のオン時間Tonまたはオフ時間Toffによって、チョークコイル12を流れる電流iLfのリップル成分の平均値iLaveを推定する。PWM制御器33は、A/D変換器31によりディジタル信号に変換された電流検出部51の検出信号が、一定の電圧レベル値に保持されたと判断すると、このときの値と平均電流推定値61から取り込んだ推定平均値iLaveとにより、負荷5の出力電流Ioを推定する。PWM制御器33は、出力電圧Voに応じたA/D変換器32からのディジタル信号と基準電圧Vrefとの偏差に基づき、入力電圧Viや推定した負荷5の出力電流Io’の変動を加味しながら、電源部3が所望の出力電圧Voを生成するための操作量uを算出するようになっている。
次に、上記構成における各部の動作を、図2の波形図を参照して説明する。同図において、最上段の波形はPWM信号発生器34から出力される駆動信号の電圧波形であり、以下、トランス7の一次巻線7Aを流れる電流波形と、コンデンサ55の両端間電圧Vesの波形とを、それぞれ示している。
PWM信号発生器34からの駆動信号がH(高)レベルの時には、スイッチング素子8およびスイッチ素子56が何れもオンする。このとき電源部3は、トランス7の一次巻線7Aに直流電源1からの入力電圧Viが印加され、トランス7の二次巻線7Bのドット側端子に正極性の電圧が誘起される。これによりダイオード10が導通する一方で、別なダイオード11は非導通となり、二次巻線7Bからのエネルギーがチョークコイル12を通して平滑コンデンサ13および負荷5に送り出される。また、このときにはカレントトランス52の一次巻線52Aに、チョークコイル12のインダクタンスLに依存して増加する一次巻線7Aからの電流が流れ、この一次巻線7Aを流れる電流が、カレントトランス52の二次巻線52Bで検出される。これにより、ダイオード53が導通して、スイッチ素子56がオンしている関係で、二次巻線52Bを流れる電流によってコンデンサ55が充電され、当該コンデンサ55の両端間電圧Vesが、チョークコイル12を流れる電流iLfひいては一次巻線7Aを流れる電流と同様に上昇する。
ここで、電源部3が図1に示すようなフォワード型コンバータの構成を有する場合、スイッチング素子8のオン期間Tonにおいて、チョークコイル12を流れる電流iLfに含まれるリップル電流ΔiLの値は、次の数1で表わされる。
Figure 0004854556
但し、Npはトランス7の一次巻線7Aの巻数であり、Nsはトランス7の二次巻線7Bの巻数である。
やがて、PWM信号発生器34からの駆動信号がL(低)レベルに転じると、スイッチング素子8およびスイッチ素子56は何れもオフ状態になる。そのため、トランス7の一次巻線7Aへの入力電圧Viの印加は遮断され、トランス7の二次側におけるダイオード10は非導通となる一方、ダイオード11は導通する。そのため、電源部3はトランス7の一次側と二次側がいわば切り離された状態となり、それまでチョークコイル12に蓄えられていたエネルギーが、平滑コンデンサ13および負荷5に送り出される。
また、このときにスイッチ素子56がオフしている関係で、コンデンサ55の両端間電圧Vesが、チョークコイル12を流れる電流iLfのピーク値に対応した値でそのまま保持され、これが電流検出器51の検出信号として、A/D変換器32に出力される。A/D変換器32は、電流検出部51の検出信号の他に、電源部3への入力電圧Viと、電源部3からの出力電圧Voを取り込んで、これらのディジタル信号をPWM制御器33に出力する。
ここで、電源部3が図1に示すようなフォワード型コンバータの構成を有する場合、スイッチング素子8のオン期間Toffにおいて、チョークコイル12を流れる電流iLfに含まれるリップル電流ΔiLの値は、次の数2で表わされる。
Figure 0004854556
平均電流推定器61に内蔵する時間算出部62は、PWM制御器33で算出された操作量uと、キャリア波生成手段35から発生する鋸波の振幅の各情報を入力として、前記スイッチング素子8のオン時間Tonまたはオフ時間Toffの何れも算出することができる。時間算出部62がスイッチング素子8のオン時間Tonを算出する場合、平均電流推定器61は、入力電圧Viのディジタル信号と、出力電圧Voのディジタル信号とをA/D変換器32からそれぞれ取り込み、上記数1に基づいてリップル電流ΔiLの値を算出する。なお、チョークコイル12のインダクタンスLや、各巻数Np,Nsは、予め判っている値なので、平均電流推定器61に記憶させることができる。また、時間算出部62がスイッチング素子8のオン時間Toffを算出する場合、平均電流推定器61は、出力電圧Voのディジタル信号をA/D変換器32から取り込めば、上記数2に基づいてリップル電流ΔiLの値を算出できる。そして、このリップル電流ΔiLの値を半分にすれば、平均電流推定器61によって、リップル電流ΔiLの平均電流値iLaveを算出することができる(iLave=ΔiL/2)。
一方、PWM制御器33は、A/D変換器31によりディジタル信号に変換された電流検出部51の検出信号が、一定の電圧レベル値に保持されたと判断すると、このときの値と平均電流推定値61から取り込んだ推定平均値iLaveとにより、前記チョークコイル12を流れる電流iLfを出力フィルタ回路(チョークコイル12および平滑コンデンサ13)で平均化した負荷5の出力電流Ioを推定する。推定する負荷5の出力電流Io’は、コンデンサ55の両端間電圧Vesのピーク値に見合う電流ピーク値ipから、推定平均値iLaveを減算することで簡単に算出できる(Io’=ip−iLave)。
PWM制御器33は、従来例でも説明したように、入力電圧Viや出力電流Ioがさほど変化しない定常時には、出力電圧Voに応じたディジタル信号の検出レベルと、基準電圧Vrefとの偏差に見合う操作量uを算出し、これをPWM信号発生器34に出力する。一方、電源部3の起動または停止時などにおいて、入力電圧Viが急変したり、負荷5の変動などに伴い、電流検出部21で検出される出力電流Ioが急変したりすると、前記出力電圧Voの検出レベルに優先して、入力電圧Viに応じたディジタル信号の検出レベルや、推定した負荷5の出力電流Io’を考慮し、操作量uを決定する。こうして決定された操作量uに基づき、PWM信号発生器34が所望のパルス導通幅の駆動信号を、アイソレータ42を介してスイッチング素子8に供給することで、定常時には安定した出力電圧Voを負荷5に供給しつつ、入力電圧Viや出力電流Ioの急変時には、電源部3を安全に制御することが可能になる。
以上のように本実施例では、スイッチング素子8のスイッチングにより、トランス7の一次巻線7Aに入力電圧Viを断続的に印加し、トランス7の二次巻線7Bに誘起した電圧を整流してチョークコイル12を含む平滑回路で平滑することで、負荷5に出力電圧Voを供給する電源部3と、この電源部3を流れる電流を検出する電流検出部51と、電流検出部51からの検出信号と出力電圧Voとを監視して、スイッチング素子8に供給する駆動信号のパルス導通幅を決定し、前記電源部3を制御する制御部としてのDSP31とを備えた電源装置において、電流検出部51が、トランス7の一次巻線7Aを流れる一次電流を検出する電流検出器(カレントトランス52)と、この電流検出器で得られた信号のピーク値を保持し、これを電流検出部51の検出信号として出力するサンプルホールド部としてのコンデンサ55とスイッチ素子56を備えており、またDSP31が、出力電圧Voとスイッチング素子8への駆動信号に基づき、チョークコイル12を流れる電流iLfのリップル分の平均値iLaveを推定する平均電流推定器61を備え、この平均電流推定器61で得られた平均値iLaveから、負荷5を流れる推定の出力電流Io’の値を算出する推定する構成としている。
このような構成を採用すると、トランス7の一次巻線7Aを流れる一次電流を電流検出器で検出し、この電流検出器で得られた信号のピーク値をコンデンサ55とスイッチ素子56で構成されるサンプルホールド部で保持する一方で、平均電流推定器61が、電源部3からの出力電圧Voとスイッチング素子8への駆動信号に基づいて、チョークコイル12を流れる電流iLfのリップル分の平均値iLaveを算出し推定することで、既存の増幅器23やフィルタ(LFP24)などを一切用いることなく、負荷5を流れる出力電流Io’を推定することができる。したがって、この推定した負荷5の出力電流Io’の変動を監視することで、例えば過電流保護やカレントシェアリングなどの電源部3に対する制御を、遅れなく高速に行なうことが可能になる。また、電源部3が入力電圧Viよりも出力電圧Voが低い降圧型のコンバータであれば、トランス7の一次側を流れる電流は二次側を流れる電流よりも小さく、電流検出器としての損失を低減できる。
また、スイッチング素子8のオン時に、トランス7を介して負荷5に電力を供給し、スイッチング素子8のオフ時に、トランス7の二次側で負荷5に電力を供給するフォワード型コンバータで電源部3が構成される場合、平均電流推定器61は、出力電圧Voと、スイッチング素子8への駆動信号により決定されるスイッチング素子8のオフ時間Toffとにより、チョークコイル12を流れる電流iLfのリップル分の平均値iLaveを推定する構成とするのが好ましい。
こうすると、フォワード型コンバータを有する電源部3の場合、出力電圧Voとスイッチング素子8のオフ時間が判れば、数1の式からも明らかなように、入力電圧Viなどを監視しなくても、平均電流推定器61がチョークコイル12を流れる電流iLfのリップル分の平均値iLaveを自ずと推定できる。したがって、制御部であるDSP31の制御構成を簡単にできる。
これとは別に、電源部3が同じくフォワード型コンバータで構成される場合、平均電流推定器61は、出力電圧Voと、スイッチング素子8への駆動信号により決定される当該スイッチング素子8のオン時間Tonと、さらに入力電圧Voとにより、チョークコイル12を流れる電流iLfのリップル分の平均値iLaveを推定してもよい。つまり、スイッチング素子8への駆動信号によりスイッチング素子8のオン時間Tonが判れば、入力電圧Viと出力電圧Voの各情報を取り込んで、平均電流推定器61がチョークコイル12を流れる電流iLfのリップル分の平均値iLaveを推定できる。なお、こうした平均値iLaveの推定は、他のハーフブリッジ型またはフルブリッジ型コンバータにも、同様に適用できる。
ここで、前記サンプルホールド部は、スイッチング素子8への駆動信号によりオン,オフするスイッチ素子56と、このスイッチ素子56のオン期間中にトランス7の一次電流に比例した電圧Vesに充電され、スイッチ素子56のオフ期間中に、その充電電圧Vesのピーク値が前記電流検出部51からの信号のピーク値として保持される容量性素子としてのコンデンサ55と、を備えている。
そのため、カレントトランス52で得られた信号のピーク値を保持するために、スイッチング素子8への駆動信号を利用してオン,オフ動作するスイッチ素子56と、このスイッチ素子56のオン,オフ動作に伴い、トランス7の一次電流に比例した電圧Vesを充電し保持するコンデンサ55があれば、カレントトランス52で得られた信号のピーク値を簡単に保持できる。したがって、この場合は電流検出部51としての構成を簡単にできる。
また、電流検出部51を構成する電流検出器をカレントトランス52とすることが好ましいことは、前述した通りであり、抵抗などの他の電流検出器に比べて、損失を少なくできる。また、DSP31がトランス7の二次側に設けられている構成では、トランスの一次側に配置されたカレントトランス52自体がアイソレータとしても機能し、電流検出部51としての構成を簡単にできる。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲において種々の変形実施が可能である。図1に示す電源装置の回路構成はあくまでも一例に過ぎず、同等の機能を実現する別な回路構成を採用してもよいことは勿論である。例えば、DSP31に代わって、アナログ信号をそのまま演算処理する制御部を用いてもよい。
本発明の一実施形態における電源装置の回路構成図である。 図1の回路構成における各部の動作波形図である。 従来例における電源装置の回路構成図である。
3 電源部
7 トランス
7A 一次巻線
7B 二次巻線
8 スイッチング素子
12 チョークコイル(平滑回路)
31 DSP(制御部)
51 電流検出部
52 カレントトランス(電流検出器)
55 コンデンサ(サンプルホールド部,容量性素子)
56 スイッチ素子(サンプルホールド部)
61 平均電流推定器

Claims (5)

  1. スイッチング素子のスイッチングにより、トランスの一次巻線に入力電圧を断続的に印加し、前記トランスの二次巻線に誘起した電圧を整流してチョークコイルを含む平滑回路で平滑することで、負荷に出力電圧を供給する電源部と、
    前記電源部を流れる電流を検出する電流検出部と、
    前記電流検出部からの検出信号と前記出力電圧とを監視して、前記スイッチング素子に供給する駆動信号のパルス導通幅を決定し、前記電源部を制御する制御部を備えた電源装置において、
    前記電流検出部は、前記トランスの一次巻線を流れる一次電流を検出する電流検出器と、この電流検出器で得られた信号ピーク値を保持し、これを前記検出信号として出力するサンプルホールド部とを備え、
    前記制御部は、前記出力電圧と前記スイッチング素子への駆動信号に基づき、前記チョークコイルを流れる電流のリップル分の平均値を推定する平均電流推定器を備え、この平均電流推定器で得られた平均値から、前記負荷を流れる出力電流を推定する構成としたことを特徴とする電源装置。
  2. 前記電源部はフォワード型,ハーフブリッジ型またはフルブリッジ型コンバータで構成され、
    前記平均電流推定器は、前記出力電圧と、前記スイッチング素子への駆動信号により決定される当該スイッチング素子のオフ時間とにより、前記チョークコイルを流れる電流のリップル分の平均値を推定するものであることを特徴とする請求項1記載の電源装置。
  3. 前記電源部はフォワード型,ハーフブリッジ型またはフルブリッジ型コンバータで構成され、
    前記平均電流推定器は、前記出力電圧と、前記スイッチング素子への駆動信号により決定される当該スイッチング素子のオン時間と、さらに前記入力電圧とにより、前記チョークコイルを流れる電流のリップル分の平均値を推定するものであることを特徴とする請求項1記載の電源装置。
  4. 前記サンプルホールド部は、前記駆動信号によりオン,オフするスイッチ素子と、このスイッチ素子のオン期間中に前記一次電流に比例した電圧に充電され、スイッチ素子のオフ期間中に、その充電電圧のピーク値が前記信号ピーク値として保持される容量性素子と、を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の電源装置。
  5. 前記電流検出器がカレントトランスであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の電源装置。
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