JP4853309B2 - 静電荷現像用トナー、静電荷現像用現像剤、カートリッジ、静電荷像現像用トナーの製造方法、画像形成装置および画像形成方法 - Google Patents

静電荷現像用トナー、静電荷現像用現像剤、カートリッジ、静電荷像現像用トナーの製造方法、画像形成装置および画像形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、静電荷現像用トナー(以下、電子写真トナーともいう)、静電荷現像用現像剤、カートリッジ、静電荷像現像用トナーの製造方法、画像形成装置および画像形成方法に関する。
電子写真法など静電荷像を経て画像情報を可視化する方法は、現在様々な分野で利用されている。電子写真法においては帯電、露光工程により感光体上に静電荷像を形成し、トナーを含む現像剤で静電潜像を現像し、転写、定着工程を経て可視化される。
ここで用いられる現像剤としては、トナー及びキャリアからなる2成分現像剤と、磁性トナーまたは非磁性トナーを単独で用いる1成分現像剤とが知られている。そのトナーの製法としては、通常熱可塑性樹脂を顔料、帯電制御剤、ワックスなどの離型剤とともに溶融混練し、冷却後、微粉砕・分級する混練粉砕法が利用されている。この方法はかなり優れたトナーを製造しうるが、トナー形状が不定形であること、微粉が発生しやすいこと、離型剤が表面露出しやすいこと等により、現像器中でのストレス等による現像性の低下や画質劣化、他部材への汚染などのいくつかの問題を有している。
また近年、高画質化への要求が高まり、特にカラー画像形成では高精細な画像を実現するために、トナーの小径化傾向が著しい。特に、デジタルフルカラー複写機やプリンターにおいては、色画像原稿をB(ブルー)、R(レッド)、G(グリーン)の各フィルターで色分解した後、オリジナル原稿に対応した20〜70μmの範囲のドット径からなる潜像をY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、Bk(黒)の各現像剤を用い、減色混合作用を利用して現像するが、従来の白黒機に比べてデジタルフルカラー複写機などでは多量の現像剤を転写させる必要があり、上記小径のドット径に対応させるため、前記小径化に加えて、均一帯電性、持続性、トナー強度、粒度分布のシャープネスがますます重要になる。
これに対し、意図的にトナー形状及びトナーの表面構造の制御を可能とする手段として、乳化重合凝集法によるトナーの製造方法が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。これらは、一般に乳化重合などにより樹脂微粒子分散液を作製し、一方溶媒に着色剤を分散した着色剤分散液を作製した後、これらを混合し、トナー粒径に相当する凝集粒子を形成し、加熱することによって融合・合一させトナーとする製造方法である。この方法を用いると、粒度分布がシャープで小粒子径のトナーの製造が可能となるだけでなく、トナー形状の制御が可能、トナー表面への離型剤露出の抑制が可能となる。
また、主に乳化重合凝集法による製造工程では、イオンとなり得る金属元素を使用する場合がある。特に2価以上の多価のイオンを用いると凝集性が1価のものよりも優れるために使用される場合が多い。
一方、近年では、高湿環境下での単位面積当たりのトナー量が多い画像のような転写に負担のかかる画像環境における使用も想定され、これまでにも、黒トナーの転写性が改善される方法が発明されている。例えば、分散剤の極性に注目してトナー中のカーボンブラック分散状態を良好にする方法や(例えば、特許文献3参照)、重合体で表面処理したカーボンブラックを用いることでトナー中のカーボンブラック分散状態を良好にする方法(例えば、特許文献4参照)などが挙げられる。またカーボンブラックの分散を良好にすることによって主に着色に注目した報告がある(例えば特許文献5から特許文献9)。
特開昭63−282752号公報 特開平6−250439号公報 特開平10−198070号公報 特開平09−324134号公報 特開2006‐171501号公報 特開2005‐345881号公報 特開2005‐345881号公報 特開2003‐207926号公報 特開2002‐82492号公報
しかし、2価以上の価数を取りうる金属元素を含有するトナーでは、多価という性格上、金属元素は吸水性が強くそのため水和し、イオンの形態をとりやすく、これがさらに吸水性を高めるため、トナーの含水性が上がってしまう。このため、トナーの電気抵抗が低下しトナーの電荷が漏洩しやすくなり、帯電量を保持できなくなる場合がある。また、通常環境では問題ないものの、高湿環境下での単位面積当たりのトナー量が多い画像の転写のような転写に負担のかかる画像環境では転写性が悪化してしまう可能性がある。近年の複写機、プリンターの高画質化や多様化では、上述した環境下での要求も重要であり、対応策を考える必要がある。
また、上述したような転写状況における転写性改善は未だ不十分であった。
そこで、本発明は、主に高湿環境下での単位面積当たりのトナー量が多い画像のような転写に負担のかかる画像環境での転写性の悪化を抑制することが可能な静電荷現像用トナー、静電荷現像用現像剤、カートリッジ、静電荷像現像用トナーの製造方法、画像形成装置および画像形成方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の通りである。
(1)結着樹脂と着色剤と2価以上の価数を取りうる金属元素を含有する静電荷像現像用トナーであって、静電荷像現像用トナーに内添された前記2価以上の価数を取りうる金属元素はX線光電子分光法により測定される金属元素単位で0.02atm%以上0.2atm%以下で含有され、前記結着樹脂は、ジアルコール成分と、ジカルボン酸成分またはポリカルボン酸成分とを重合した重量平均分子量が45000以上55000以下ポリエステル樹脂からなり、前記ジアルコール成分がビスフェノールA−プロピレンオキシド付加物またはビスフェノールA−エチレンオキシド付加物のいずれかを含み、前記ジカルボン酸成分がドデセニルコハク酸であり、前記ポリカルボン酸成分がトリメリット酸またはピロメリット酸であるポリエステル樹脂であり、前記着色剤は、体積1次粒子径が30nm以上50nm以下であってBET比表面積70m/g以下のカーボンブラックを含む静電荷像現像用トナーである。
(2)結着樹脂と着色剤と2価以上の価数を取りうる金属元素を含有する静電荷像現像用トナーであって、静電荷像現像用トナーに内添された前記2価以上の価数を取りうる金属元素がアルミニウムであって、前記アルミニウムのX線光電子分光法により測定されるアルミニウム元素単位で0.02atm%以上0.2atm%以下で含有され、前記結着樹脂は、ジアルコール成分と、ジカルボン酸成分またはポリカルボン酸成分とを重合した重量平均分子量が45000以上55000以下ポリエステル樹脂からなり、前記ジアルコール成分がビスフェノールA−プロピレンオキシド付加物またはビスフェノールA−エチレンオキシド付加物のいずれかを含み、前記ジカルボン酸成分がドデセニルコハク酸であり、前記ポリカルボン酸成分がトリメリット酸またはピロメリット酸であるポリエステル樹脂であり、前記着色剤は、体積1次粒子径が30nm以上50nm以下であってBET比表面積70m/g以下のカーボンブラックを含むことを特徴とする静電荷像現像用トナーである。
)上記(1)または2)に記載の静電荷像現像用トナーとキャリアとを含有する静電荷像現像用現像剤である。
)潜像保持体上に潜像を形成する潜像形成手段と、前記潜像を静電荷現像用現像剤を用いて現像する現像手段と、現像された画像を被転写体上に転写する転写手段を有する脱着可能なカートリッジであって、前記静電荷現像用現像剤が、上記(1)または2)に記載の静電荷現像用トナーを含むカートリッジである。
)上記(1)または2)に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法であって、少なくとも1種以上の樹脂粒子分散液と、1種以上の着色剤分散液とを混合し、2価以上の価数を取りうる金属元素の存在下で凝集粒子を形成する凝集工程と、前記樹脂粒子のガラス転移点以上の温度に加熱して前記凝集粒子を融合・合一してトナー粒子を形成する融合工程と、を有する静電荷像現像用トナーの製造方法である。
)潜像担体上に潜像を形成する潜像形成手段と、前記潜像を静電荷現像用現像剤を用いて現像する現像手段と、現像されたトナー画像を中間転写体を介してまたは介さずに被転写体上に転写する転写手段と、前記被転写体上のトナー画像を加定着する定着手段と、を含む画像形成装置であり、前記静電荷現像用現像剤が、上記(3)に記載の静電荷現像用現像剤である画像形成装置である。
)静電荷像担持体表面に潜像を形成する潜像形成工程と、トナーを含む現像剤で前記静電荷像担持体表面の潜像を現像してトナー像を得る現像工程と、該トナー像を被転写体表面に転写する転写工程と、転写されたトナー像を被転写体表面に熱定着する定着工程と、を有する画像形成方法において、前記静電荷現像用現像剤が、上記(3)に記載の静電荷現像用現像剤である画像形成方法である。
本発明によれば、高湿環境下での単位面積当たりのトナー量が多い転写のようなストレスな転写環境での転写性の悪化を抑制することができる。
請求項1に係る発明によれば、疎水性の高いジアルコール成分を有するポリエステル樹脂と疎水性の高い着色剤とを用いかつ2価以上の価数を取りうる金属元素が上記範囲内で含有されるため、トナー製造時の凝集性を良好に保ちつつ、トナー含水性を悪化させず、その結果、上述した転写に負担のかかる画像環境下でのトナーの転写性を、2価以上の価数を取りうる金属元素を凝集剤として用いた従来のトナーに比べ改善することができる。また、ジカルボン酸成分またはポリカルボン酸成分を疎水性の高いものとすることにより、トナーの含水性を、2価以上の価数を取りうる金属元素を凝集剤として用いた従来のトナーに比べ改善することができる。
請求項2に係る発明によれば、3価のアルミニウムイオンが上記範囲内で含有することにより、トナー製造時の凝集性を良好に保ちつつトナー含水性を、2価以上の価数を取りうる金属元素を凝集剤として用いた従来のトナーに比べ改善することができる。また、ジカルボン酸成分またはポリカルボン酸成分を疎水性の高いものとすることにより、トナーの含水性を、2価以上の価数を取りうる金属元素を凝集剤として用いた従来のトナーに比べ改善することができる。
請求項に係る発明によれば、含水性が改善されたトナーを用いるため、上述した転写に負担のかかる画像環境下でのトナーの転写性を、2価以上の価数を取りうる金属元素を凝集剤として用いた従来のトナーに比べ改善することができる。
請求項に係る発明によれば、含水性が改善されたトナーを用いるカートリッジであるため、上述した転写に負担のかかる画像環境下でのトナーの転写性が向上し、上記ストレス転写環境下でも優れた画質を得ることができる。
請求項に係る発明によれば、キレート配位可能な2価以上の価数を取りうる金属元素存在下で凝集させるため、トナー中の金属元素の含有量を削減することができる。
請求項に係る発明によれば、含水性の改善されたトナーを用いているため、上述した転写に負担のかかる画像環境下でのトナーの転写性が向上し、その結果、優れた画質を得ることができる。
[静電荷像現像用トナー]
本実施の形態の静電荷像現像用トナー(以下「トナー」ともいう)は、結着樹脂と着色剤とを含む静電荷像現像用トナーであって、2価以上の価数を取りうる金属元素を含有し、前記2価以上の価数を取りうる金属元素はX線光電子分光法により測定される金属元素単位で0.02atm%以上0.2atm%以下で含有され、前記結着樹脂は、ジアルコール成分と、ジカルボン酸成分またはポリカルボン酸成分を重合した重量平均分子量が20000以上55000以下ポリエステル樹脂からなり、前記ジアルコール成分がビスフェノールA−プロピレンオキシド付加物またはビスフェノールA−エチレンオキシド付加物のいずれかを含むポリエステル樹脂であり、前記着色剤は、体積1次粒子径が30nm以上50nm以下であってBET比表面積70m/g以下のカーボンブラックである静電荷像現像用トナーである。
高湿環境下での転写を改善するには、トナー中から余分な水分を排除し、トナーの含水性を低下させることが要求される。トナー中に余分な水分をもってしまう原因としては、トナー中に含有される金属元素の水和によるイオン化があげられる。イオンは一般的に含水性をもつことが知られているが、特に1価ではなく2価以上の多価の金属イオンでは、含水性があがってしまう傾向がある。トナー中に金属イオンを含有する要因としては、乳化重合凝集法などにより製造される際に金属イオンになりうる化合物を凝集剤として使用する場合がある。多価の金属イオンはその凝集力の高さから好適に用いられる。
本実施の形態では、結着樹脂に疎水性の高いポリエステル樹脂と、疎水性の高いカーボンブラックを含む着色剤とをトナー材料に使用することで、トナー中から含水分が選択的に排除しやすくなり、高湿環境下でのトナー含水性の改善が可能となる。
上記結着樹脂のポリエステル樹脂は、疎水性の高いジアルコール成分と、疎水性の高いジカルボン酸成分とからなる。そして、上記ジアルコール成分は、疎水性の高いビスフェノールA−プロピレンオキシド付加物またはビスフェノールA−エチレンオキシド付加物であり、上記ジカルボン酸成分としては、疎水性の高いドデセニルコハク酸、上記ポリカルボン酸成分としては疎水性の高いトリメリット酸またはピロメリット酸である。これら疎水性の高いポリエステル樹脂を用い、かつ重量平均分子量(Mw)は、より疎水性の高い比較的高めの20000以上55000以下である。ポリエステル樹脂の重量平均分子量が20000未満であると、十分な疎水性を得られずにトナー中の含水分を十分に排除しきれない、またポリエステル樹脂の重量平均分子量が55000を超えると、十分な疎水性は得られるもののトナーの粘弾性が増加し、含水分の動きが抑制され、逆にトナー中から排除されにくくなってしまう。また、上記ビスフェノールA−プロピレンオキシド付加物またはビスフェノールA−エチレンオキシド付加物において、プロピレンオキシド付加数は1以上4以下であり、エチレンオキシド付加数は1以上4以下である。
上記着色剤に含まれるカーボンブラックは、疎水性の高いものを用いる。すなわち、上記着色剤は、カーボンブラックの体積1次粒子径が比較的大きめな30nm以上50nm以下、BET比表面積が比較的小さめな70m/g以下であるカーボンブラック粒子を含む。カーボンブラックの体積1次粒子径が30nm未満であるとカーボンブラック粒子同士の凝集が生じやすくなり、そのため凝集粒子間に水分が関与しやすくなり含水分の排除に十分な効果を発揮できず、一方カーボンブラックの体積1次粒子径が50nmを超えるとカーボンブラック粒子が大きすぎるためにトナー製造時のトナーへの取り込みが悪く、トナー表面へ露出してしまう場合がある。また、カーボンブラックのBET比表面積が70m/gを超えると疎水性が向上しすぎるために、カーボンブラックに初めから含有されている水分の排除に十分な効果を発揮できない。
イエロートナーを除く他のカラートナー全てにおいて、着色剤に上記疎水性の高いカーボンブラックを含有させることができる。なお、イエロートナー中に、上記疎水性の高いカーボンブラックを含有させない場合、他のカラートナーの転写後にイエロートナーを最後に転写する場合には、高温高湿下での画像形成においても良好な画質が得られる。
上記2価以上の価数を取りうる金属元素としては、例えば、アルミニウム、銅、モリブデン、コバルト、鉄、亜鉛、カルシウムなどの2価以上の価数を取りうる金属元素を用い、2価以上の価数を取りうる金属元素はX線光電子分光法により測定される金属元素単位で0.02atm%以上0.2atm%以下で、トナーに含有される。また、上記2価以上の価数を取りうる金属元素は、乳化重合凝集法(「乳化凝集法」ともいう)によりトナーを製造する場合、例えば、凝集剤として添加してもよい。なお、2価以上の価数を取りうる金属元素は、水等の溶媒によりイオン化しうる溶質であって元素単体のみを示すものではないことは言うまでもなく、より具体的には2価以上の価数を取りうる金属元素を有する化合物を指すものである。
また、上記2価以上の価数を取りうる金属元素として、3価の価数を取りうるアルミニウムを用いる場合、アルミニウムは、トナーにおけるX線光電子分光法(XPS)により測定されるアルミニウム元素単位で0.02atm%以上0.08atm%以下とすることによって、製造時の凝集性の安定性とトナー中の金属元素を排除することが良好となり、本発明の課題を達成すること可能であることがわかった。また、乳化重合凝集法によりトナーを製造する際に、凝集粒子に後述するキレート剤を作用させることによって、トナーにおける2価以上の価数を取りうる金属元素の量を低減させ、トナーの含水分の除去と製造性がもっとも安定することを見出した。
本実施の形態において、上述したように、XPSにより測定される2価以上の価数を取りうる金属元素の含有率は、X線光電子分光法により測定される金属元素単位で0.02atm%以上0.2atm%以下である必要があり、アルミニウム元素の場合はその含有率が0.02atm%以上0.08atm%以下であることが好ましい。2価以上の価数を取りうる金属元素を供給する金属元素およびアルミニウム元素の含有率が0.02atm%未満であると、含水性は改善できるものの、トナーの定着時にホットオフセット性が悪化する場合がある。一方、2価以上の価数を取りうる金属元素を供給する金属元素含有率が、0.2atm%を超える場合、含水性に問題が発生してしまう。特にアルミニウム元素含有率が0.08atm%を超える場合には、アルミニウムは含水性が高いことから問題が発生してしまう場合がある。上記アルミニウム元素の含有率は、0.03〜0.07atm%の範囲であることが好ましく、0.04〜0.06atm%の範囲であることがより好ましい。
なお、後述するようにXPS測定による金属元素およびアルミニウム含有率は、トナーの表面近傍(約0.01〜0.5μm程度)のものとして得られるが、本実施の形態においては、トナーの表面近傍の測定で得ることができる。高温高湿条件において水分は外部からトナー表面を通って内部へ進入する。一方帯電性はトナーの表面の摩擦により生じ、表面から漏洩するものであると考えられるため、表面近傍の測定を行えば、トナー全体の特性を示していると考えられるためである。
本実施の形態におけるトナーに含まれるXPS測定による元素およびアルミニウム元素の含有率は、ESCA(X線光電子分光分析)により表面組成分析を行い算出した。
本実施の形態における、ESCAの装置および測定条件は、下記の通りである。
使用装置:PHI社(Physical Electronics Industries,Inc.)製 1600S型 X線光電子分光装置。
測定条件:X線源 MgKα(400W)。
分光領域:直径800μm。
本実施の形態では、測定された各元素のピーク強度から、PHI社提供の相対感度因子を用いて原子濃度(atm%)を算出した。なお、上記測定は、トナー表面をArイオンビームにより深さ方向にスパッタリングすることによって行ったものであり、Arイオンビームによりスパッタリング処理した後、透過型電子顕微鏡を用いて確認したところ、表面からの深さは0.01〜0.5μmの範囲であった。
上記条件により、トナーの表面から0.01〜0.5μm程度の深さの上記金属元素およびアルミニウム元素の含有率を求めることができる。なお、金属元素単位で0.02atm%以上0.2atm%とは、前記X線光電子分光装置による測定ができる原子全体のうち、2価以上の価数を取りうる金属元素の割合をatm%で示したものである。
さらに、上述したように本実施の形態の静電荷像現像用トナーは、少なくともバインダー樹脂(結着樹脂)及び着色剤を含み、必要に応じて離型剤等その他の成分を含有する。本発明のトナーについて、まず各構成成分に分けて詳細に説明する。
(結着樹脂)
本実施の形態における結着樹脂は、ポリエステル樹脂を用いる。主成分としては非晶性樹脂を用いるが、結晶性樹脂を併用することもある。結着樹脂のポリエステル樹脂は、疎水性の高いジアルコール成分と、疎水性の高いジカルボン酸成分とからなる。そして、上記ジアルコール成分は、疎水性の高いビスフェノールA−プロピレンオキシド付加物またはビスフェノールA−エチレンオキシド付加物であり、上記ジカルボン酸成分としては、疎水性の高いドデシニルコハク酸、上記ポリカルボン酸成分としては疎水性の高いトリメリット酸またはピロメリット酸である。これら疎水性の高いポリエステル樹脂を用い、かつ重量平均分子量(Mw)は、より疎水性の高い比較的高めの2万以上5.5万以下である。なお、後段では、上記ビスフェノールA−プロピレンオキシド付加物を「ビスフェノールA−PO付加物」と略し、またビスフェノールA−エチレンオキシド付加物を「ビスフェノールA−EO付加物」と略す。
ここで、樹脂の分子量は、THF可溶物を、東ソー製GPC・HLC−9120、東ソー製カラム「TSKgel SuperHM−M」(15cm)を使用し、THF溶媒で測定し、単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して分子量を算出したものである。また、本実施の形態において、前記結晶性樹脂の「結晶性」とは、後述する示差熱分析(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有する樹脂のことを指し、具体的には、昇温速度10℃/minで測定した際の吸熱ピークの半値幅が6℃以内であることを意味する。また、前記結晶性の主鎖に対して他成分を共重合したポリマーの場合、他成分が50質量%以下であれば、この共重合体も結晶性樹脂と呼ぶ。また、本発明における非晶性樹脂とは、前記DSCにおいて明確な吸熱ピークではなく、階段状の吸熱変化のみを有するものをいう。より具体的には温度と吸熱量により形成されるDSC曲線のベースラインが、吸熱ピークを示し、ピークが戻ったときに前記ベースラインの延長線上にのらないものを階段状の吸熱変化という。
本実施の形態における結着樹脂のポリエステル樹脂に加えて、一部ではあるが下記のような樹脂を用いる場合もある。
具体例としては、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類の単独重合体または共重合体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のビニル基を有するエステル類の単独重合体または共重合体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類の単独重合体または共重合体;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類の単独重合体または共重合体;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン類の単独重合体または共重合体;エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類の単独重合体または共重合体;またはこれらの混合物などが挙げられる。また、メチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン等を含むシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の非ビニル縮合系樹脂、あるいはこれらと前記ビニル系樹脂との混合物、これらの共存化でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体などを用いても良い。
結晶性ポリエステル樹脂の製造は、重合温度180〜230℃の間で行うことができ、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合時に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる。モノマーが反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させても良い。重縮合反応においては、溶解補助溶剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪いモノマーが存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪いモノマーと、そのモノマーと重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させると良い。
結晶性ポリエステル樹脂の製造時に使用可能な触媒としては、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属化合物;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属化合物;亜鉛、マンガン、アンチモン、チタン、スズ、ジルコニウム、ゲルマニウム等の金属化合物;亜リン酸化合物、リン酸化合物、及びアミン化合物等が挙げられ、具体的には、以下の化合物が挙げられる。
例えば、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、酢酸リチウム、炭酸リチウム、酢酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸マンガン、ナフテン酸マンガン、チタンテトラエトキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトライソプロキシド、チタンテトラブトキシド、三酸化アンチモン、トリフェニルアンチモン、トリブチルアンチモン、ギ酸スズ、シュウ酸スズ、テトラフェニルスズ、ジブチルスズジクロライド、ジブチルスズオキシド、ジフェニルスズオキシド、ジルコニウムテトラブトキシド、ナフテン酸ジルコニウム、炭酸ジルコニール、酢酸ジルコニール、ステアリン酸ジルコニール、オクチル酸ジルコニール、酸化ゲルマニウム、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−t−ブチルフェニル)ホスファイト、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、トリエチルアミン、トリフェニルアミン等の化合物が挙げられる。このような触媒の添加量は、原材料の総量に対して0.01〜1.00重量%とすることが好ましい。
上述したように、ポリエステル樹脂を作製した後に高温、高圧条件で分散安定剤と共に分散させ樹脂粒子分散液を作製することもできる。
(着色剤)
本実施の形態における着色剤に含有されるカーボンブラックは、色相角、彩度、明度、耐候性、トナー中での分散性の観点もふまえて選択される。主にカーボンブラック黒色顔料を用いるが、以下の顔料を一部用い、各色カラートナーを製造する。
すなわち、黄色顔料としては、例えば、黄鉛、亜鉛黄、黄色酸化鉄、カドミウムイエロー、クロムイエロー、ハンザイエロー、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーメネントイエローNCG等が挙げられる。
橙色顔料としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジRK、インダスレンブリリアントオレンジGK等が挙げられる。
赤色顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デイポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、エオキシンレッド、アリザリンレーキ等が挙げられる。
青色顔料としては、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、ファストスカイブルー、インダスレンブルーBC、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオクサレレートなどが挙げられる。
紫色顔料としては、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等が挙げられる。
緑色顔料としては、酸化クロム、クロムグリーン、ピグメントグリーン、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等が挙げられる。
白色顔料としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等が挙げられる。
体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等が挙げられる。また、染料としては、塩基性、酸性、分散、直接染料等の各種染料、例えば、ニグロシンが挙げられる。
これらの着色剤は、単独もしくは混合し、更には固溶体の状態で使用できる。これらの着色剤は、公知の方法で分散されるが、例えば、回転せん断型ホモジナイザーやボールミル、サンドミル、アトライター等のメディア式分散機、高圧対向衝突式の分散機等が好ましく用いられる。
更に、これらの着色剤が後述する乳化凝集法等に用いられる場合には、極性を有する界面活性剤を用い、前記ホモジナイザーによって水系に分散される。
本発明において、トナー中に分散させる着色剤の添加量は、トナー全体質量に対して4〜15質量%の範囲であることが好ましい。
また、トナーを磁性として用いる場合は、磁性粉を含有せしめても良い。このような磁性粉としては、磁場中で磁化される物質が用いられ鉄、コバルト、ニッケルの如き強磁性の粉末、もしくはフェライト、マグネタイト等化合物である。特に、水相中でトナーを得る場合には、磁性体の水層移行性や溶解性、酸化性に注意を払う必要があり、好ましくは表面改質、例えば疎水化処理等を施しておくのが好ましい。
黒色着色剤として磁性体を用いた場合は、他の着色剤とは異なり、結着樹脂に対して30〜100質量部の範囲で添加される。
本実施の形態においては、必要に応じて離型剤を用いることができる。
使用できる離型剤の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;軟化点を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス類;モンタンワックス、 オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物・石油系ワックス類;ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル等の高級脂肪酸と高級アルコールとのエステルワックス類;ステアリン酸ブチル、オレイン酸プロピル、モノステアリン酸グリセリド、ジステアリン酸グリセリド、ペンタエリスリトールテトラベヘネート等の高級脂肪酸と単価または多価低級アルコールとのエステルワックス類;ジエチレングリコールモノステアレート、ジプロピレングリコールジステアレート、ジステアリン酸ジグリセリド、テトラステアリン酸トリグリセリド等の高級脂肪酸と多価アルコール多量体とからなるエステルワックス類;ソルビタンモノステアレート等のソルビタン高級脂肪酸エステルワックス類;コレステリルステアレート等のコレステロール高級脂肪酸エステルワックス類などが挙げられる。
本発明において、これらの離型剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いても良い。
離型剤の添加量としては、結着樹脂100質量部に対し5〜25質量部の範囲が好ましく、7〜20質量部の範囲であることがより好ましい。
本実施の形態においては、目的に応じて、前記結着樹脂、前記着色剤、及び前記離型剤以外に、内添剤、帯電制御剤、無機微粒子などのその他の成分(粒子)を添加させることが可能である。
内添剤としては、例えば、フェライト、マグネタイト、還元鉄、コバルト、マンガン、ニッケル等の金属、合金、またはこれら金属を含有する化合物などの磁性体などが挙げられ、トナー特性としての帯電性を阻害しない程度の量が使用できる。
帯電制御剤としては、特に制限はないが、特にカラートナーを用いた場合、無色または淡色のものが好ましく使用できる。例えば、4級アンモニウム塩化合物、ニグロシン系化合物、アルミニウム、鉄、クロムなどの錯体からなる染料、トリフェニルメタン系顔料などが挙げられるが、後述する凝集や融合・合一時の安定性に影響するイオン強度の制御と廃水汚染の低減との観点から、水に溶解しにくい材料の方が好ましい。
また本実施の形態のトナーには、帯電性を安定させるために湿式で無機微粒子を添加することができる。添加する無機微粒子としては、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸三カルシウムなど通常トナー表面の外添剤として使うすべてのものを使用することができ、イオン性界面活性剤や高分子酸、高分子塩基で分散して使用することが好ましい。
前記その他の成分の含有量としては、本実施の形態の目的を阻害しない程度であればよく、一般的には極少量であり、具体的には0.01〜5質量%の範囲であり、好ましくは0.5〜2質量%の範囲である。
本実施の形態のトナーは、流動性付与やクリーニング性向上の目的で、その表面に少なくとも1種以上の金属酸化物粒子や有機粒子を有することが好ましい。
前記金属酸化物粒子の具体例としては、シリカ、チタニア、酸化亜鉛、酸化ストロンチウム、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化セリウム、またはこれらの複合酸化物等が挙げられる。このうちシリカ、チタニアが、粒径、粒度分布、製造性の観点から好ましく用いられる。これらの金属酸化物粒子は、疎水化等の表面改質を行なう方が好ましく、該表面改質の手段としては従来公知の方法を用いることができる。具体的にはシラン、チタネート、アルミネート等の各カップリング処理が挙げられる。
また、有機粒子としては、ビニル系樹脂、ポリエステル、シリコーンなどの樹脂粒子が挙げられる。これらの粒子は単独で用いても、また複数種を混合して用いても良い。また、これらのトナーに対する添加量は特に制限はないが、0.1〜10質量%の範囲で好ましく用いられる。より具体的には、0.2〜8質量%程度の範囲である。
上記金酸化物粒子や有機粒子は、せん断をかけながらトナー粒子表面に添加することが好ましい。
本実施の形態のトナーの体積平均粒径は、3〜9μmの範囲であることが好ましく、3〜8μmの範囲であることがより好ましい。トナー粒子の体積平均粒径が9μmを超えると、粗大粒子の比率が高くなり、定着工程を経て得られる画像の細線や微小ドットの再現性、および階調性が低下する。一方、トナー粒子の体積平均粒径が3μm未満となると、トナーの粉体流動性、現像性、あるいは転写性が悪化し、像担持体表面に残留するトナーのクリーニング性が低下する等、粉体特性低下に伴う他の工程における種々の不具合が生じる。
また、本実施の形態に用いるトナー粒子の粒子径分布指標としては、体積平均粒度分布指標GSDvが1.30以下であることが好ましく、数平均粒度分布指標GSDpとの比GSDv/GSDpが0.95以上であることがより好ましい。体積分布指標GSDvが1.30を超えると、前述の定着画像の凹凸が大きくなるため、光沢度にむらが生じやすくなる場合がある。また、体積平均粒度分布指標GSDvと数平均粒度分布指標GSDpとの比が0.95未満の場合、小粒径トナーの量が増加し、トナー1個あたりに含有される離型剤量にむらが生じやすくなり、結果として剥離不良が生じ所望の光沢度が得られない場合がある。
なお、前記体積平均粒径、粒度分布指標の値は、次のようにして測定し算出した。まず、測定器としてマルチサイザーII(ベックマン−コールター社製)を用いて測定されたトナーの粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、個々のトナー粒子の体積、数について小径側から累積分布を描き、累積16%となる粒径を、体積平均粒子径D16v、数平均粒子径D16pと定義し、累積50%となる粒径を、体積平均粒子径D50v(この値を体積平均粒径とする)、D50pと定義する。同様に、累積84%となる粒径を、体積平均粒子径D84v、D84pと定義する。これらを用いて、体積平均粒度分布指標GSDvは、(D84v/D16v)1/2として定義され、数平均粒度分布指標GSDpは、(D84p/D16p)1/2として定義される。
さらに、本実施の形態におけるトナーの形状係数SF1は110〜145の範囲にあることが好ましい。形状係数SF1が110未満であると、感光体上の転写残トナーのブレードクリーニング性を損ない、145を超えるとトナーの流動性が低下し、初期から転写性に悪影響を及ぼすことがある。
ここで上記形状係数SF1は、下記式(1)により求められる。
SF1=(ML/A)×(π/4)×100 … 式(1)
上記式(1)中、MLはトナー粒子の最大長、Aはトナー粒子の投影面積を各々示す。
前記SF1は、主に顕微鏡画像または走査電子顕微鏡(SEM)画像を画像解析装置を用いて解析することによって数値化され、例えば、以下のようにして算出することができる。すなわち、スライドガラス表面に散布したトナーの光学顕微鏡像をビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、50個以上のトナー粒子の最大長と投影面積を求め、上記式(1)によって計算し、その平均値を求めることにより得られる。
本実施の形態におけるトナー粒子は、トナー中に2価以上の価数を取りうる金属元素を含有する製法であれば、混練粉砕法、懸濁重合法、溶解懸濁法、及び乳化凝集合一法などいかなる製法でも作製可能であるが、特に、前述のように凝集工程で金属イオンを含む凝集剤を用いる乳化重合凝集合一法に対して効果的である。また、キレート剤を作用させてアルミニウム含有量を低減させる方法に対しても効果的である。
<静電荷像現像用トナーの製造方法>
本実施の形態の静電荷像現像用トナーの製造方法は、特に制限されないが、前述のように本発明のトナーが、トナー中の金属イオンによる吸水を制限するということから、金属イオンを積極的に用いる乳化重合凝集法により製造する方法に対して効果的である。
以下、本実施の形態における静電荷像現像用トナーの製造方法について、乳化重合凝集法により詳細に説明する。
本実施の形態における静電荷像現像用トナーの製造方法は、少なくとも1種以上の樹脂粒子分散液と、1種以上の着色剤分散液とを混合し、2価以上の価数を取りうる金属元素の存在下で凝集粒子を形成する凝集工程と、前記樹脂粒子のガラス転移点以上の温度に加熱して前記凝集粒子を融合・合一してトナー粒子を形成する融合工程と、を有する。
すなわち上記製造方法は、一般に乳化重合等により製造された樹脂粒子のイオン性界面活性剤による分散液を用い、これに反対極性のイオン性界面活性剤に分散した着色剤分散液を混合して、ヘテロ凝集を生じさせ、トナー径に相当する凝集粒子を形成し、その後樹脂のガラス転移温度以上に加熱することにより凝集粒子を融合・合一し、洗浄、乾燥してトナーを得る方法で、トナー形状は不定形から球形まで適宜製造することができる。また、本発明のトナーでは、適宜、離型剤微粒子分散液を添加することもできる。
また前記製造方法は、原料分散液を一括して混合し、これらを凝集させ融合する方法であるが、凝集工程の初期の段階で極性のイオン性分散剤の量のバランスを予めずらしておき、例えば、少なくとも2価以上の価数を取りうる金属元素を含む無機金属塩、もしくは少なくともアルミニウムを含む重合体を用いてこれをイオン的に中和し、ガラス転移温度以下でコア凝集粒子を形成し、安定した後、さらに必要に応じてコア凝集粒子又は追加粒子に含まれる樹脂のガラス転移温度または融点以下の高い温度でわずかに加熱することにより安定化させた後、必要に応じて、第2段階として前記のバランスのずれを補填するような極性、量の粒子分散液を添加し、さらに必要に応じてコア凝集粒子または追加粒子に含まれる樹脂のガラス転移温度以下の高い温度でわずかに加熱することにより安定化させた後、ガラス転移温度以上に加熱して第2段階で加えた粒子をコア凝集粒子の表面に付着させたまま融合・合一させる。
本実施の形態におけるトナーの製造方法において、少なくとも融合工程における実際の融合開始直前までに、凝集粒子にキレート剤を添加することが好ましい。融合・合一前の凝集粒子にキレート剤を添加することにより、凝集工程における凝集のために凝集粒子に導入された金属イオンに前記キレート剤が配位して、後の洗浄工程でキレート配位金属イオンがトナー外に除去され、結果としてトナー中の金属イオンの含有量を削減することが可能となる。
なお、トナーにおける2価以上の価数を取りうる金属元素の含有率を極力低減、例えば、0.02atm%未満にするために、例えば、トナー製造時に、あらかじめ凝集剤の仕込み量を削減し、金属イオンの仕込み量を削減させることが考えられるが、凝集工程における粒子成長の安定性確保の観点から制御が困難である。一方、融合工程で融合が完結したトナー粒子にキレート剤を作用させても、トナー粒子中にキレート剤が入り込めないため、後の洗浄工程でキレート配位金属イオンがトナー外に除去されないため、目的とする金属イオン含有量を低減したトナー粒子を得ることができない。したがって、凝集後の遅くとも融合工程における実際の融合開始前にキレート剤を添加することで、トナー(トナー粒子内部を含む)における金属イオン含有量を制御することができる。
以下、順を追って説明する。前記樹脂粒子分散液は、原料としてビニル系単量体を用いる場合は、イオン性界面活性剤などを用いて乳化重合させて作製することができる。その他の樹脂の場合は、油性で水への溶解度の比較的低い溶剤に溶解するものを用い、樹脂をそれらの溶剤に解かして水中にイオン性の界面活性剤や高分子電解質とともにホモジナイザーなどの分散機により水中に粒子を分散させ、その後加熱又は減圧して溶剤を蒸散することにより、樹脂粒子分散液を作製することができる。
本実施の形態における、樹脂粒子分散液、後述する着色剤分散液、離型剤分散液、およびその他の成分における分散媒としては、例えば水系媒体などが挙げられる。
水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。
また、前記各分散液の分散安定を目的として界面活性剤を用いることができる。界面活性剤としては、例えば硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤;などが挙げられる。これらの中でもイオン性界面活性剤が好ましく、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤がより好ましい。
本発明におけるトナーにおいては、一般的にはアニオン系界面活性剤は分散力が強く、樹脂粒子、着色剤の分散に優れているため、離型剤を分散させるための界面活性剤としてはアニオン系界面活性剤を用いることが有利である。
非イオン系界面活性剤は、前記アニオン系界面活性剤またはカチオン系界面活性剤と併用されるのが好ましい。前記界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用して使用してもよい。
アニオン系界面活性剤の具体例としては、ラウリン酸カリウム、オレイン酸ナトリウム、ヒマシ油ナトリウム等の脂肪酸セッケン類;オクチルサルフェート、ラウリルサルフェート、ラウリルエーテルサルフェート、ノニルフェニルエーテルサルフェート等の硫酸エステル類;ラウリルスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、トリイソプロピルナフタレンスルホネート、ジブチルナフタレンスルホネートなどのアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム;ナフタレンスルホネートホルマリン縮合物、モノオクチルスルホサクシネート、ジオクチルスルホサクシネート、ラウリン酸アミドスルホネート、オレイン酸アミドスルホネート等のスルホン酸塩類;ラウリルホスフェート、イソプロピルホスフェート、ノニルフェニルエーテルホスフェート等のリン酸エステル類;ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムなどのジアルキルスルホコハク酸塩類;スルホコハク酸ラウリル2ナトリウム等のスルホコハク酸塩類;などが挙げられる。
カチオン系界面活性剤の具体例としては、ラウリルアミン塩酸塩、ステアリルアミン塩酸塩、オレイルアミン酢酸塩、ステアリルアミン酢酸塩、ステアリルアミノプロピルアミン酢酸塩等のアミン塩類;ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジヒドロキシエチルメチルアンモニウムクロライド、オレイルビスポリオキシエチレンメチルアンモニウムクロライド、ラウロイルアミノプロピルジメチルエチルアンモニウムエトサルフェート、ラウロイルアミノプロピルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムパークロレート、アルキルベンゼントリメチルアンモニウムクロライド、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩類;などが挙げられる。
非イオン性界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のアルキルフェニルエーテル類;ポリオキシエチレンラウレート、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンオレート等のアルキルエステル類;ポリオキシエチレンラウリルアミノエーテル、ポリオキシエチレンステアリルアミノエーテル、ポリオキシエチレンオレイルアミノエーテル、ポリオキシエチレン大豆アミノエーテル、ポリオキシエチレン牛脂アミノエーテル等のアルキルアミン類;ポリオキシエチレンラウリン酸アミド、ポリオキシエチレンステアリン酸アミド、ポリオキシエチレンオレイン酸アミド等のアルキルアミド類;ポリオキシエチレンヒマシ油エーテル、ポリオキシエチレンナタネ油エーテル等の植物油エーテル類;ラウリン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド等のアルカノールアミド類;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート等のソルビタンエステルエーテル類;などが挙げられる。
界面活性剤の各分散液中における含有量としては、本発明を阻害しない程度であれば良く、一般的には少量であり、具体的には0.01〜10質量%程度の範囲であり、より好ましくは0.05〜5質量%の範囲であり、さらに好ましくは0.1〜2質量%程度の範囲である。含有量が0.01質量%未満であると、樹脂粒子分散液、着色剤分散液、離型剤分散液等の各分散液が不安定になり、そのため凝集を生じたり、また凝集時に各粒子間の安定性が異なるため、特定粒子の遊離が生じる等の問題があり、また、10質量%を越えると、粒子の粒度分布が広くなったり、また、粒子径の制御が困難になる等の理由から好ましくない。一般的には粒子径の大きい懸濁重合トナー分散物は、界面活性剤の使用量は少量でも安定である。
また、常温固体の水性ポリマー等も用いることができる。具体的には、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース系化合物、ポリビニルアルコール、ゼラチン、デンプン、アラビアゴム等が使用できる。
また、前記着色剤分散液は、樹脂粒子分散液の作製に用いたイオン性界面活性剤と反対極性イオン性界面活性剤を用いて、青色、赤色、黄色等の所望の色の着色剤粒子を溶媒中に分散させることにより調製する。さらに、離型剤分散液は、離型剤を、水中にイオン性界面活性剤や高分子酸や高分子塩基などの高分子電解質とともに分散し、融点以上に加熱するとともに強い剪断をかけられるホモジナイザーや圧力吐出型分散機により微粒子化することにより調製する。
本実施の形態における樹脂粒子分散液の樹脂粒子粒径は、体積平均粒径で1μm以下であり、好ましくは100〜300nmの範囲である。体積平均粒径が1μmを越えると、凝集融合して得るトナー粒子の粒度分布が広くなったり、遊離粒子が発生してトナーの性能や信頼性の低下を招いたりする。なお、100nm未満ではトナーを凝集成長させるのに時間を要し工業的には適さない場合があり、300nmを超えると、離型剤及び着色剤の分散が不均一となると共にトナー表面性の制御が困難になる場合がある。
なお、樹脂粒子分散液等の粒子径は、例えばレーザー回析式粒度分布測定装置(LA−700堀場製作所製)で測定することができる。
前記凝集工程においては、互いに混合された樹脂粒子分散液、着色剤分散液、及び必要に応じて離型剤分散液中の各粒子が凝集して凝集粒子を形成する。該凝集粒子はヘテロ凝集等により形成され、該凝集粒子の安定化、粒度/粒度分布制御を目的として、前記凝集粒子とは極性が異なるイオン性界面活性剤や、金属塩等の一価以上の電荷を有する化合物が添加される。
また、プロセスは一括で混合し、凝集することによりなされるものであっても、凝集工程において、初期の各極性のイオン性分散剤の量のバランスを予めずらしておき、該イオン性界面活性剤や、金属塩等の一価以上の電荷を有する化合物を用いてこれをイオン的に中和し、ガラス転移点以下で第1段階の母体凝集を形成、安定化の後、第2段階としてバランスのずれを補填するような極性、量の分散剤で処理された樹脂粒子分散液を添加し、被覆した後、さらに必要に応じ母体または追加粒子に含まれる樹脂のガラス転移点以下で加熱してより高い温度で安定化させたのち、ガラス転移点以上に加熱することにより凝集形成の第2段階で加えた粒子を母体凝集粒子の表面に付着させた状態(付着粒子)で合一させたものでも良い。更にこの凝集の段階的操作は複数回、くり返し実施したものでもよい。
本実施の形態における静電荷像現像用トナーの製造方法では、凝集工程においてpH変化により凝集を発生させ、粒子を調製することができる。同時に粒子の凝集を安定に、また迅速に、またはより狭い粒度分布を持つ凝集粒子を得るため、凝集剤を添加する。
前記凝集剤としては、特に制限されないが、凝集粒子の安定性、凝集剤の熱や経時に対する安定性、洗浄時の除去を考慮し、凝集剤としては、無機酸の金属塩が用いられる。具体的には塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸アンモニウム、硝酸アルミニウム、硝酸銀、硫酸銅、炭酸ナトリウム等の無機酸の金属塩などが挙げられるが、本実施の形態では、上述した効果の観点から、2価以上の多価金属イオンを含む凝集剤、例えば、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、カリミョウバン等が用いられる。
これらの凝集剤の添加量は、電荷の価数により異なるが、いずれも少量であって、アルミニウムのような三価の場合は0.5質量%以下程度である。凝集剤の量は少ない方が好ましいため、価数の多い化合物を用いることが好ましい。
本実施の形態では、凝集工程の昇温後において、さらにキレート剤を混合する場合がある。この段階でキレート剤を混合する場合には、所望の凝集粒子が形成された後であるためキレート剤の配位による凝集の妨げが起こることがない。なお、キレート剤の添加は、必ずしもこの段階で行う必要はなく、上記のように遅くとも実際の融合開始前であればよいため、融合のための加熱開始時等に添加を行えばよく、すなわち、凝集工程のあとであって融合工程の前または融合工程中に、キレート剤を混合すればよい。
本実施の形態におけるキレート剤は、一般的にキレート剤とよばれている金属イオン封鎖効果を有するものの総称であり、キレート剤としては、水溶性であることが好ましい。水溶性でない場合には、液中への分散性に乏しく、トナー中において金属イオンへの配位が充分になされない場合がある。
用い得るキレート剤としては、例えば、酒石酸、クエン酸、グルコン酸などのオキシカルボン酸、イミノジ酸(IDA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)などのほかに、エチレンジアミン4酢酸(EDTA)、ニトリロ3酢酸、ジエチレントリアミン5酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン3酢酸、トリエチレンテトラアミン6酢酸等のアミノポリカルボン酸などを好適に用いることができる。これらの中では、トナーの電気特性並びに諸特性の低下を引き起こさない点でEDTA等のアミノポリカルボン酸が好ましく用いられる。
これらのキレート剤は水中などに溶解し希釈した状態で使用することが望ましい。また、樹脂と着色剤とからなる複合体を用いる場合、樹脂と着色剤とを溶剤中に溶解分散した後、上記の適当な分散剤と共に水中に分散し、加熱、減圧により溶剤を除去して得る方法や、乳化重合により作製された樹脂粒子表面に機械的せん断力で付与する方法や、電気的に吸着、固定化する方法により凝集粒子に作用させることができる。これらの方法は、例えば追加粒子としての着色剤の遊離を抑制したり、帯電性の着色剤依存性を改善するのに有効である。
キレート剤の添加量としては、キレート剤の添加量としては、結着樹脂100質量部に対して0.1〜15質量部の範囲とすることが好ましく、0.5〜10質量部の範囲とすることがより好ましい。キレート剤の添加量が0.1質量部未満であると、特に6価のアミノポリカルボン酸を用いてもキレート剤添加の効果がなく、トナー中の含水性を改善できない場合がある。一方、15質量部を超えると、トナー中の含水性は改善されるものの、トナーの粘弾性が低下して定着性に悪影響を与える場合がある。
前記凝集粒子(付着粒子を含む)が形成、さらにキレート剤が加えられた後、融合工程にて凝集粒子の合一を行う。融合工程においては、凝集工程と同様の攪拌下で、凝集粒子の懸濁液のpHを6.0〜9.5の範囲にすることにより、凝集の進行を止め、溶液中にて、この凝集粒子中に含まれる非晶性樹脂粒子(シェル層構成樹脂を含む)のガラス転移温度(樹脂の種類が2種類以上の場合は最も高いガラス点移温度を有する樹脂のガラス転移温度)、さらに結晶性樹脂が含まれる場合には結晶性樹脂の融点のうち最も高い温度以上に加熱し、融合・合一することによりトナー粒子を得る。
上記凝集、融合工程終了後、任意の洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程を経て所望のトナーを得るが、洗浄工程は、帯電性の点から十分にイオン交換水による置換洗浄を施すことが好ましい。また、固液分離工程は、特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等が好ましく用いられる。更に乾燥工程も特に方法に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等が好ましく用いられる。
本実施の形態における静電荷像現像用トナーは、以上述べたようにしてトナー粒子(母粒子)を作製し、このトナー粒子に前記無機微粒子等を添加し、ヘンシェルミキサー等で混合して製造することができる。
<静電荷像現像剤>
本実施の形態の静電荷像現像剤は、上述した本実施の形態の静電潜像現像用トナーを含有する以外は特に制限はなく、目的に応じて適宜の成分組成をとることができる。本発明の静電荷像現像剤は、静電荷像現像用トナーを、単独で用いると一成分系の静電荷像現像剤となり、また、キャリアと組み合わせて用いると二成分系の静電荷像現像剤となる。
例えば、キャリアを用いる場合のそのキャリアとしては、特に制限はなく、それ自体公知のキャリアが挙げられ、例えば、特開昭62−39879号公報、特開昭56−11461号公報等に記載された樹脂被覆キャリア等の公知のキャリアが挙げられる。
キャリアの具体例としては、以下の樹脂被覆キャリアが挙げられる。該キャリアの核体粒子としては、通常の鉄粉、フェライト、マグネタイト造型物などが挙げられ、その体積平均粒径は30〜200μm程度の範囲である。
また、上記樹脂被覆キャリアの被覆樹脂としては、例えば、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のα−メチレン脂肪酸モノカルボン酸類;ジメチルアミノエチルメタクリレート等の含窒素アクリル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類;2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン等のビニルピリジン類;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロぺニルケトン等のビニルケトン類;エチレン、プロピレン等のオレフィン類;弗化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレン等のビニル系フッ素含有モノマー;などの単独重合体、または2種類以上のモノマーからなる共重合体、さらに、メチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン等を含むシリコーン樹脂類、ビスフェノール、グリコール等を含有するポリエステル類、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で用いてもよいし、あるいは2種以上併用してもよい。被覆樹脂の被覆量としては、前記核体粒子100質量部に対して0.1〜10質量部程度の範囲が好ましく、0.5〜3.0質量部の範囲がより好ましい。
キャリアの製造には、加熱型ニーダー、加熱型ヘンシェルミキサー、UMミキサーなどを使用することができ、前記被覆樹脂の量によっては、加熱型流動転動床、加熱型キルンなどを使用することができる。
静電荷像現像剤における前記本発明の静電潜像現像用トナーとキャリアとの混合比としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<画像形成装置>
次に、本実施の形態の画像形成装置の一例について説明する。
図1は、本実施の形態の画像形成方法により画像を形成するための、画像形成装置の構成例を示す概略図である。図示した画像形成装置200は、ハウジング400内において4つの電子写真感光体401a〜401dが中間転写ベルト409に沿って相互に並列に配置されている。 電子写真感光体401a〜401dは、例えば、電子写真感光体401aがイエロー、電子写真感光体401bがマゼンタ、電子写真感光体401cがシアン、電子写真感光体401dがブラックの色からなる画像をそれぞれ形成することが可能である。
電子写真感光体401a〜401dのそれぞれは所定の方向(紙面上は反時計回り)に回転可能であり、その回転方向に沿って帯電ロール402a〜402d、現像装置404a〜404d、1次転写ロール410a〜410d、クリーニングブレード415a〜415dが配置されている。現像装置404a〜404dのそれぞれにはトナーカートリッジ405a〜405dに収容されたブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの4色のトナーが供給可能であり、また、1次転写ロール410a〜410dはそれぞれ中間転写ベルト409を介して電子写真感光体401a〜401dに当接している。
さらに、ハウジング400内の所定の位置には露光装置403が配置されており、露光装置403から出射された光ビームを帯電後の電子写真感光体401a〜401dの表面に照射することが可能となっている。これにより、電子写真感光体401a〜401dの回転工程において帯電、露光、現像、1次転写、クリーニングの各工程が順次行われ、各色のトナー像が中間転写ベルト409上に重ねて転写される。
ここで、帯電ロール402a〜402dは、電子写真感光体401a〜401dの表面に導電性部材(帯電ロール)を接触させて感光体に電圧を均一に印加し、感光体表面を所定の電位に帯電させるものである(帯電工程)。なお本実施形態において示した帯電ロールの他、帯電ブラシ、帯電フィルム若しくは帯電チューブなどを用いて接触帯電方式による帯電を行ってもよい。また、コロトロン若しくはスコロトロンを用いた非接触方式による帯電を行ってもよい。
露光装置403としては、電子写真感光体401a〜401dの表面に、半導体レーザー、LED(light emitting diode)、液晶シャッター等の光源を所望の像様に露光できる光学系装置等を用いることができる。これらの中でも、非干渉光を露光可能な露光装置を用いると、電子写真感光体401a〜401dの導電性基体と感光層との間での干渉縞を防止することができる。
現像装置404a〜404dには、上述の二成分静電荷像現像剤を接触又は非接触させて現像する一般的な現像装置を用いて行うことができる(現像工程)。そのような現像装置としては、二成分静電荷像現像用現像剤を用いる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜公知のものを選択することができる。一次転写工程では、1次転写ロール410a〜410dに、像担持体に担持されたトナーと逆極性の1次転写バイアスが印加されることで、像担持体から中間転写ベルト409へ各色のトナーが順次1次転写される。
クリーニングブレード415a〜415dは、転写工程後の電子写真感光体の表面に付着した残存トナーを除去するためのもので、これにより清浄面化された電子写真感光体は上記の画像形成プロセスに繰り返し供される。クリーニングブレードの材質としてはウレタンゴム、ネオプレンゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。
中間転写ベルト409は駆動ロール406、バックアップロール408及びテンションロール407により所定の張力をもって支持されており、これらのロールの回転によりたわみを生じることなく回転可能となっている。また、2次転写ロール413は、中間転写ベルト409を介してバックアップロール408と当接するように配置されている。
2次転写ロール413に、中間転写体上のトナーと逆極性の2次転写バイアスが印加されることで、中間転写ベルトから記録媒体へトナーが2次転写される。バックアップロール408と2次転写ロール413との間を通った中間転写ベルト409は、例えば駆動ロール406の近傍に配置されたクリーニングブレード416或いは、除電器(不図示)により清浄面化された後、次の画像形成プロセスに繰り返し供される。 また、ハウジング400内の所定の位置にはトレイ(被転写媒体トレイ)411が設けられており、トレイ411内の紙などの被転写媒体500が移送ロール412により中間転写ベルト409と2次転写ロール413との間、さらには相互に当接する2個の定着ロール414の間に順次移送された後、ハウジング400の外部に排紙される。
<画像形成方法>
本実施の形態の画像形成方法は、潜像形成工程、現像工程、転写工程及び定着工程を含む。前記各工程は、それ自体一般的な工程であり、上述した画像形成装置の他に、例えば特開昭56−40868号公報、特開昭49−91231号公報等に記載されている。なお本発明の画像形成方法は、それ自体公知のコピー機、ファクシミリ機等の画像形成装置を用いて実施することができる。
潜像保持体としては、例えば、電子写真感光体及び誘電記録体等が使用できる。電子写真感光体の場合、該電子写真感光体の表面を、コロトロン帯電器、接触帯電器等により一様に帯電した後、露光し、静電潜像を形成する(潜像形成工程)。次いで、表面に現像剤層を形成させた現像ロールと接触若しくは近接させて、静電潜像にトナーの粒子を付着させ、電子写真感光体上にトナー画像を形成する(現像工程)。形成されたトナー画像は、コロトロン帯電器等を利用して紙等の被転写体表面に転写される(転写工程)。さらに、被転写体表面に転写されたトナー画像は、定着機により熱定着され、最終的なトナー画像が形成される。
尚、前記定着機による熱定着の際には、オフセット等を防止するため、通常、前記定着機における定着部材に離型剤が供給される。
熱定着に用いる定着部材であるローラあるいはベルトの表面に、離型剤を供給する方法としては、特に制限はなく、例えば、液体離型剤を含浸したパッドを用いるパッド方式、ウエブ方式、ローラ方式、非接触型のシャワー方式(スプレー方式)等が挙げられ、なかでも、ウエブ方式、ローラ方式が好ましい。これらの方式の場合、前記離型剤を均一に供給でき、しかも供給量をコントロールすることが容易な点で有利である。尚、シャワー方式により前記定着部材の全体に均一に前記離型剤を供給するには、別途ブレード等を用いる必要がある。
上記潜像形成工程は、静電荷像担持体表面に潜像を形成するものである。上記現像工程は、現像剤担持体表面の現像剤層により前記潜像を現像してトナー像を形成するものである。上記現像剤層としては、本実施の形態の静電荷像現像用トナーを含有する本実施の形態の静電荷像現像剤を含んでいれば特に制限はない。上記転写工程は、上記トナー像を被転写体表面に転写するものである。上記定着工程は、被転写体表面に転写されたトナー像を、定着部材からの加熱により被記録体に定着するものである。
なお、中間転写体を用いた2次転写工程を有する場合には、上記被転写体には中間転写体も含まれる。また、上記定着器による熱定着の際には、オフセット等を防止するため、通常、上記定着器における定着部材に離型剤が供給される。トナー像を転写する被転写体(記録材)としては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンター等に使用される普通紙、OHPシート等が挙げられる。
[好ましい態様]
(i)請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法であって、少なくとも1種以上の樹脂粒子分散液と、1種以上の着色剤分散液とを混合し、2価以上の価数を取りうる金属元素の存在下で凝集粒子を形成する凝集工程と、前記樹脂粒子のガラス転移点以上の温度に加熱して前記凝集粒子を融合・合一してトナー粒子を形成する融合工程と、を有し、前記凝集工程のあとであって、前記融合工程の前または融合工程における融合完了前までにキレート剤を添加する静電荷像現像用トナーの製造方法である。
(ii)上記(i)の静電荷像現像用トナーの製造方法において、前記キレート剤は、酒石酸、クエン酸、グルコン酸などのオキシカルボン酸、イミノジ酸(IDA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、エチレンジアミン4酢酸(EDTA)、ニトリロ3酢酸、ジエチレントリアミン5酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン3酢酸、トリエチレンテトラアミン6酢酸からなる群より少なくとも1種である静電荷像現像用トナーの製造方法である。
(iii)上記(i)の静電荷像現像用トナーの製造方法において、前記キレート剤は、エチレンジアミン4酢酸(EDTA)、ニトリロ3酢酸、ジエチレントリアミン5酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン3酢酸、トリエチレンテトラアミン6酢酸からなる群から少なくとも1種から選択されるアミノポリカルボン酸である静電荷像現像用トナーの製造方法である。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明を限定するものではない。なお、以下において特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を表す。
<各種特性の測定方法>
まず、実施例、比較例で用いたトナー等の物性測定方法について説明する。
(トナー粒度及び粒度分布測定方法)
本発明におけるトナー粒度及び粒度分布測定は、測定装置としてはマルチサイザーII型(ベックマン−コールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマン−コールター社製)を使用した。
測定法としては、分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液2ml中に測定試料を0.5〜50mg加える。これを前記電解液100〜150ml中に添加した。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1分間分散処理を行い、前記マルチサイザーII型により、アパーチャー径として100μmアパーチャーを用いて2〜60μmの粒子の粒度分布を測定して、前述のようにして体積平均粒径、GSDv、GSDpを求めた。測定する粒子数は50000であった。
(トナーの形状係数SF1測定方法)
トナー形状係数SF1は、スライドグラス上に散布したトナーの光学顕微鏡像をビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、10個のトナーの最大長の2乗(ML)、投影面積(A)とから、以下の式で求めた各々のトナーの形状係数SF1を計算し、平均値を求めることにより得られたものである。
SF1=(ML/A)×(π/4)×100 (式中、πは円周率)
(樹脂の重量平均分子量、分子量分布測定方法)
本発明において、結着樹脂等の分子量、分子量分布は以下の条件で行ったものである。GPCは「HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー(株)社製)装置」を用い、カラムは「TSKgel、SuperHM−H(東ソー(株)社製6.0mmID×15cm)」を2本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。実験条件としては、試料濃度0.5%、流速0.6ml/min、サンプル注入量10μl、測定温度40℃、IR検出器を用いて実験を行った。また、検量線は東ソー社製「polystylene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作製した。
(樹脂微粒子、着色剤粒子等の体積平均粒径)
樹脂微粒子、着色剤粒子等の体積平均粒子径は、レーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−700)で測定した。
(樹脂のガラス転移温度の測定方法)
非晶性樹脂のガラス転移点(Tg)は、ASTMD3418−8に準拠して、示差走査熱量計(マックサイエンス社製:DSC3110、熱分析システム001)を用い、室温から150℃まで昇温速度10℃/分の条件下で測定することにより求めた。なお、ガラス転移点は吸熱部におけるベースラインと吸収ラインとの延長線の交点の温度(所謂オンセット温度)とした。
(2価以上の価数を取りうる金属元素含有率)
XPS測定による元素およびアルミニウム元素の含有率は、ESCA(X線光電子分光分析)により表面組成分析を行い算出した。ESCAの装置および測定条件は、下記の通りである。
使用装置:PHI社(Physical Electronics Industries,Inc.)製 1600S型 X線光電子分光装置。
測定条件:X線源 MgKα(400W)。
分光領域:直径800μm。
測定された各元素のピーク強度から、PHI社提供の相対感度因子を用いて原子濃度(atm%)を算出した。なお、上記測定は、トナー表面をArイオンビームにより深さ方向にスパッタリングすることによって行ったものであり、Arイオンビームによりスパッタリング処理した後、透過型電子顕微鏡を用いて確認したところ、表面からの深さは0.01〜0.5μmの範囲であった。
<各分散液の調製>
実施例、比較例に用いたトナーは、下記の樹脂粒子分散液、着色剤分散液をそれぞれ調製し、これらを所定の割合で混合し攪拌しながら、これに少なくとも2価以上の価数を取りうる金属元素の供給源としてアルミニウムを含む無機金属塩の重合体を添加し、イオン的に中和して凝集粒子を形成した。その後、キレート剤、及び無機水酸化物で系内のpHを弱酸性から中性に調整した後、前記樹脂微粒子のガラス転移温度以上に加熱して融合・合一させた。その後、十分な洗浄、固液分離、乾燥の各工程を経て所望のトナーを得た。
−樹脂粒子分散液(1)の調製−
ビスフェノールA−プロピレンオキサイド付加物(PO3モル付加):814質量部
ドデセニルコハク酸 :1392質量部
以上を、攪拌装置、窒素導入管、温度センサー、精留塔を備えた内容量5リットルのフラスコに上記のモノマーを仕込み、1時間を要して温度を190℃まで上げ、反応系内が均一に攪拌されていることを確認した後、ジブチル錫オキサイドの1.2質量部を投入した。さらに生成する水を留去しながら同温度から6時間を要して240℃まで温度を上げ、240℃でさらに4時間脱水縮合反応を継続し、重量平均分子量45000である樹脂粒子分散液(1)を得た。ついで、これを溶融状態のまま、キャビトロンCD1010(株式会社ユーロテック製)に毎分100gの速度で移送した。別途準備した水性媒体タンクには試薬アンモニア水をイオン交換水で希釈した0.37重量%濃度の希アンモニア水を入れ、熱交換器で120℃に加熱しながら毎分0.1リットルの速度で、上記ポリエステル樹脂熔融体と同時に上記キャビトロン(株式会社ユーロテック製)に移送した。回転子の回転速度が60Hz、圧力が5Kg/cmの条件でキャビトロンを運転し、平均粒径0.14μmのポリエステル樹脂からなる樹脂粒子分散液(1)(樹脂粒子濃度:30重量%)を得た。
−樹脂粒子分散液(2)の調製−
ビスフェノールA−エチレンオキサイド付加物(EO2モル付加):820質量部
ドデセニルコハク酸 :1390質量部
脱水縮合反応の時間を3時間にした以外は、前記樹脂龍分散液(1)の調製と同様にして、重量平均分子量が40000である樹脂粒子分散液(2)を得た。ついでこれを樹脂粒子分散液(1)の調製条件と同様にキャビトロンで乳化分散させ、平均粒径0.16μmのポリエステル樹脂からなる樹脂粒子分散液(2)(樹脂粒子濃度:30重量%)を得た。
−樹脂粒子分散液(3)の調製−
ビスフェノールA−プロピレンオキサイド付加物(PO3モル付加):814質量部
トリメリット酸 :1392質量部
前記樹脂粒子分散液(1)の調製と同様にして反応をさせ、重量平均分子量が45000である樹脂粒子分散液(3)を得た。ついでこれを樹脂粒子分散液(1)の調製条件と同様にキャビトロンで乳化分散させ、平均粒径0.16μmのポリエステル樹脂からなる樹脂粒子分散液(3)(樹脂粒子濃度:30重量%)を得た。
−樹脂粒子分散液(4)の調整−
ビスフェノールA−プロピレンオキサイド付加物(PO2モル付加):800質量部
ピロメリット酸 :1400質量部
脱水縮合反応の時間を5時間にした以外は、前記樹脂粒子分散液(1)の調製と同様にして、反応をさせ、重量平均分子量が50000である樹脂粒子分散液(4)を得た。ついでこれを樹脂粒子分散液(1)の調製条件と同様にキャビトロンで乳化分散させ、平均粒径0.16μmのポリエステル樹脂からなる樹脂粒子分散液(4)(樹脂粒子濃度:30重量%)を得た。
−樹脂粒子分散液(5)の調整−
ビスフェノールA−エチレンオキサイド付加物(EO1モル付加):820質量部
ドデシニルコハク酸 :1390質量部
脱水縮合反応の時間を2時間にした以外は、前記樹脂龍分散液(1)の調製と同様にして、重量平均分子量が15000である樹脂粒子分散液(5)を得た。ついでこれを樹脂粒子分散液(1)の調製条件と同様にキャビトロンで乳化分散させ、平均粒径0.16μmのポリエステル樹脂からなる樹脂粒子分散液(5)(樹脂粒子濃度:30重量%)を得た。
−樹脂粒子分散液(6)−
エチレングリコ−ル :486質量部
ネオペンチルグリコール :650質量部
テレフタル酸 :957質量部
前記樹脂粒子分散液(1)の調製と同様にして、反応をさせた。重量平均分子量9200である樹脂粒子分散液(6)を得た。ついでこれを樹脂粒子分散液(1)の調製条件と同様にキャビトロンで乳化分散させ、平均粒径0.16μmのポリエステル樹脂からなる樹脂粒子分散液(6)(樹脂粒子濃度:30重量%)を得た。
−樹脂粒子分散液(7)の調整−
ビスフェノールA−エチレンオキサイド付加物(EO1モル付加):820質量部
テレフタル酸 :1390質量部
前記樹脂粒子分散液(1)の調製と同様にして、重量平均分子量が30000である樹脂粒子分散液(7)を得た。ついでこれを樹脂粒子分散液(1)の調製条件と同様にキャビトロンで乳化分散させ、平均粒径0.16μmのポリエステル樹脂からなる樹脂粒子分散液(7)(樹脂粒子濃度:30重量%)を得た。
−樹脂粒子分散液(9)の調整−
ビスフェノールA−プロピレンオキサイド付加物(PO3モル付加):780質量部
ピロメリット酸 :1420質量部
脱水縮合反応の時間を5時間にした以外は、前記樹脂粒子分散液(1)の調製と同様にして、反応をさせ、重量平均分子量が53000である樹脂粒子分散液(9)を得た。ついでこれを樹脂粒子分散液(1)の調製条件と同様にキャビトロンで乳化分散させ、平均粒径0.16μmのポリエステル樹脂からなる樹脂粒子分散液(9)(樹脂粒子濃度:30重量%)を得た。
−樹脂粒子分散液(10)の調整−
ビスフェノールA−プロピレンオキサイド付加物(PO4モル付加):800質量部
ピロメリット酸 :1400質量部
脱水縮合反応の時間を6時間にした以外は、前記樹脂粒子分散液(1)の調製と同様にして、反応をさせ、重量平均分子量が60000である樹脂粒子分散液(10)を得た。ついでこれを樹脂粒子分散液(1)の調製条件と同様にキャビトロンで乳化分散させ、平均粒径0.16μmのポリエステル樹脂からなる樹脂粒子分散液(10)(樹脂粒子濃度:30重量%)を得た。
−着色剤分散液(1)の調製−
カーボンブラック(三菱化成社製、#25;1次粒子径47nm、BET比表面積40m/g):90質量部
アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンSC):10質量部
イオン交換水:240質量部
以上を混合し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて15分間分散した後、循環式超音波分散機(日本精機製作所製、RUS−600TCVP)にかけて着色剤粒子分散液(1)を調製した。着色剤分散液(1)における着色剤の数平均粒径は145nmであった。
−着色剤分散液(2)の調製−
・カーボンブラック(旭カーボン社製、#60HMAF;1次粒子径35nm、BET比表面積49m/g):90質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンSC):10質量部
・イオン交換水:240質量部
以上を混合し、着色剤分散液(1)と同様の条件にて着色剤粒子分散液(2)を調製した。着色剤分散液(2)における着色剤の数平均粒径は150nmであった。
−着色剤分散液(3)の調製−
・カーボンブラック(キャボット社製、REGAL330;1次粒子径25nm、BET比表面積94m/g):90質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンSC):10質量部
・イオン交換水:240質量部
以上を混合し、着色剤分散液(1)と同様の条件にて着色剤粒子分散液(3)を調製した。着色剤分散液(3)における着色剤の数平均粒径は150nmであった。
−シアン着色剤分散液の調製−
C.I.PigmentBlue15:3:大日精化製) 50質量部
イオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬) 5質量部
イオン交換水 195質量部
以上を混合溶解し、ホモジナイザー(IKAウルトラタラクス)により10分間分散し、中心粒径168nmの着色剤分散液を得た。
−イエロー着色剤分散液の調製−
C.I.PigmentYellow74:大日精化製) 50質量部
イオン性界面活性剤ネオゲンRK (第一工業製薬) 5質量部
イオン交換水 195質量部
以上を混合溶解し、ホモジナイザー(IKAウルトラタラクス)により10分間分散し、中心粒径168nmの着色剤分散液を得た。
−マゼンタ着色剤分散液の調製−
C.I.PigmentRed 122:(クラリアント製) 50質量部
イオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬) 6質量部
イオン交換水 200質量部
以上を混合溶解し、ホモジナイザー(IKA製ウルトラタラクス)により10分間分散し、中心粒径185nm、固形分量23.5重量部のマゼンタ着色剤分散液を得た。
<実施例1>
(トナー1の製造)
イオン交換水:500質量部
樹脂粒子分散液(1):175質量部
着色剤分散液(1):35質量部
凝集剤(浅田化学社製、ポリ塩化アルミニウムの1%水溶液):0.5質量部
以上成分を混合し、丸型ステンレス製フラスコ中で、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50、IKA社製)で混合分散した。次いで、加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら凝集温度を40℃まで加熱し30分間保持した。その後、45℃まで加熱し1.5時間保持した。上記調製した凝集粒子を含む分散液に、さらに樹脂粒子分散液(1)25質量部を緩やかに添加し、加熱用オイルバスの温度を上げて46℃で1時間保持した。
その後、1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を系内のpHが7.5になるように添加した後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて撹拌を継続しながら85℃まで緩やかに加熱し、その後90℃まで加熱し、5時間保持した。
反応終了後、冷却、ろ過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、真空乾燥機を用いて乾燥させることによりトナー粒子1を作製した。このトナー粒子1の体積平均粒径は5.9μm、体積粒度分布指標GSDvは1.23であった。また、ルーゼックス画像解析装置による形状観察より求めた粒子の形状係数SF1は130であった。さらに、XPS測定から求めたアルミニウム含有率は0.08atm%であった。
(現像剤1の調製)
作製したトナー粒子100質量部に対して、疎水性シリカ(TS720、キャボット製)0.70部を添加し、サンプルミルにてブレンドした。これをポリメチルメタクリレート(綜研化学社製:Mw=80000)を1%コートした体積平均粒径50μmのフェライトキャリアに対し、トナー濃度が5%になるように秤量し、ボールミルで5分間攪拌・混合し現像剤1を調製した。
<実施例2>
実施例1におけるトナーの製造において、樹脂粒子分散液(1)の代わりに樹脂粒子分散液(2)を用いた以外は同様にしてトナー2及び現像剤2を作製し、同様の評価を行った。トナーの特性及び評価結果をまとめて表1に示す。
<実施例3>
実施例1におけるトナーの製造において、樹脂粒子分散液(1)の代わりに樹脂粒子分散液(3)を、着色剤分散液(1)の代わりに着色剤分散液(2)を用いた以外は同様にしてトナー3及び現像剤(3)を作製し、同様の評価を行った。トナーの特性及び評価結果をまとめて表1に示す。
<実施例4>
実施例1におけるトナーの製造において、樹脂粒子分散液(1)の代わりに樹脂粒子分散液(4)を、着色剤分散液(1)の代わりに着色剤分散液(2)を用いた以外は同様にしてトナー4及び現像剤4を作製し、同様の評価を行った。トナーの特性及び評価結果をまとめて表1に示す。
<実施例5>
実施例1におけるトナーの製造において、樹脂粒子分散液(1)の代わりに樹脂粒子分散液(4)を用いて、また、加熱用オイルバスの温度を上げて46℃で1時間保持した後に、キレート剤としてエチレンジアミン4酢酸Na塩(中部キレスト社製、キレスト40)を全液の5%となるように添加した。その他は実施例1と同様にしてトナー5及び現像剤5を作製し、同様の評価を行った。トナーの特性及び評価結果をまとめて表1に示す。
<実施例7>
実施例1におけるトナーの製造において、樹脂粒子分散液(1)の代わりに樹脂粒子分散液(9)を用い、1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を系内のpHが7.5になるように添加した後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて撹拌を継続しながら85℃まで緩やかに加熱し、その後90℃まで加熱し、3時間保持した以外は同様にしてトナー7及び現像剤7を作製し、同様の評価を行った。トナーの特性及び評価結果をまとめて表1に示す。
<実施例8>
実施例1におけるトナーの製造において、樹脂粒子分散液(1)の代わりに樹脂粒子分散液(9)を用い、1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を系内のpHが7.5になるように添加した後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて撹拌を継続しながら85℃まで緩やかに加熱し、その後90℃まで加熱し、2時間保持した以外は同様にしてトナー8及び現像剤8を作製し、同様の評価を行った。トナーの特性及び評価結果をまとめて表1に示す。
<実施例9>
実施例5におけるトナーの製造において、凝集剤(浅田化学社製、ポリ塩化アルミニウムの1%水溶液)の添加量を0.5質量部の代わりに0.15重量部に代えた以外は同様にしてトナー9及び現像剤9を作製し、同様の評価を行った。トナーの特性及び評価結果をまとめて表1に示す。
<実施例10>
実施例5におけるトナーの製造において、凝集剤として、ポリ塩化アルミニウムの1%水溶液の代わりに、塩化鉄(III)の1%水溶液を0.45重量部に代えた以外は同様にしてトナー10及び現像剤10を作製し、同様の評価を行った。トナーの特性及び評価結果をまとめて表1に示す。
<実施例11>
実施例1におけるトナーの製造において、凝集剤として、ポリ塩化アルミニウムの1%水溶液の代わりに、塩化銅の1%水溶液を0.57重量部に代えた以外は同様にしてトナー11及び現像剤11を作製し、同様の評価を行った。トナーの特性及び評価結果をまとめて表1に示す。
<実施例12>
実施例1におけるトナーの製造において、凝集剤として、ポリ塩化アルミニウムの1%水溶液の代わりに、硝酸コバルトの1%水溶液を0.59重量部に代えた以外は同様にしてトナー12及び現像剤12を作製し、同様の評価を行った。トナーの特性及び評価結果をまとめて表1に示す。
<実施例13>
実施例1におけるトナーの製造において、着色剤分散液(1):35質量部の代わりに、着色剤分散液(1):1質量部とシアン着色剤分散液:40質量部を添加した以外は、同様にしてトナー13及び現像剤13を作製し、同様の評価を行った。トナーの特性及び評価結果をまとめて表1に示す。
<実施例14>
実施例1におけるトナーの製造において、着色剤分散液(1):35質量部の代わりに、着色剤分散液(1):0.5質量部とマゼンタ着色剤分散液:48質量部を添加した以外は、同様にしてトナー14及び現像剤14を作製し、同様の評価を行った。トナーの特性及び評価結果をまとめて表1に示す。
<実施例15>
実施例1におけるトナーの製造において、着色剤分散液(1):35質量部の代わりに、着色剤分散液(1):1質量部とシアン着色剤分散液:25質量部とイエロー着色剤分散液:25質量部を添加した以外は、同様にしてトナー15及び現像剤15を作製し、同様の評価を行った。トナーの特性及び評価結果をまとめて表1に示す。
<比較例1>
実施例1におけるトナーの製造において、樹脂粒子分散液(1)の代わりに樹脂粒子分散液(6)を、着色剤分散液(1)の代わりに着色剤分散液(3)を用いた以外は、同様にしてトナー16及び現像剤16を作製し、同様の評価を行った。トナーの特性及び評価結果をまとめて表1に示す。
<比較例2>
実施例1におけるトナーの製造において、樹脂粒子分散液(1)の代わりに樹脂粒子分散液(5)を用いた以外は、同様にしてトナー17及び現像剤17を作製し、同様の評価を行った。トナーの特性及び評価結果をまとめて表1に示す。
<比較例3>
実施例1におけるトナーの製造において、着色剤分散液(1)の代わりに着色剤分散液(3)を用いた以外は、同様にしてトナー18及び現像剤18を作製し、同様の評価を行った。トナーの特性及び評価結果をまとめて表1に示す。
<比較例4>
実施例1におけるトナーの製造において、樹脂粒子分散液(1)の代わりに樹脂粒子分散液(7)を用いた以外は、同様にしてトナー19及び現像剤19を作製し、同様の評価を行った。トナーの特性及び評価結果をまとめて表1に示す。
<比較例5>
実施例1におけるトナーの製造において、樹脂粒子分散液(1)の代わりに樹脂粒子分散液(10)を用いた以外は、同様にしてトナー20及び現像剤20を作製し、同様の評価を行った。トナーの特性及び評価結果をまとめて表1に示す。
(トナーの評価)
現像剤(1)を、図1に示すDocuCentreColor400CP改造機(富士ゼロックス社製)に装填し、転写性の評価を行った。このDocuCentreColor400CP改造機は、感光体の帯電方式は接触帯電方式を採用している。まず、前記トナー濃度が5質量%の各現像剤を上記画像形成装置の現像器に収容し、温度30℃、湿度90%RHの高温多湿環境に72時間放置した。その後、評価時は感光体表面の各色のトナー現像量が、4〜5g/mの範囲で維持できるように現像条件を設定し、A4サイズ白色紙(富士ゼロックスオフィスサプライ社製、JDコート157紙、幅:210mm、長さ:297mm、157g/m)とA4サイズ白色紙(富士ゼロックスオフィスサプライ社製、ST紙、幅:210mm、長さ:297mm、52.3g/m)とを1枚毎に交互にプリントテストを行った。
転写性の評価は使用トナー重量に対する回収トナー量の割合で求めた。具体的には、評価で使用したトナー消費量aを評価前後のトナーカートリッジの重量変化から求め、転写残トナー量bを評価前後の廃トナー回収ボックスの重量変化から求め、以下の式で転写効率を求めた。
転写効率η(%)={1−(b/a)}×100
目標とする転写効率は、90%以上であり、以下のような判断基準で評価した。
η≧90% : ◎
80%≦η<90% : ○
70%≦η<80% : △
η<70% : ×
評価としては初期、5万枚後の転写効率を評価した。結果を表1に示す。
Figure 0004853309
実施例1〜15で得られた現像剤1〜15は、初期は勿論、5万枚コピー後も転写性が良好であった。一方、比較例1で得られた現像剤16では、初期から転写性は悪く、5万枚コピー後でも同様であった。比較例2〜5で得られた現像剤17〜19は、初期の転写性は著しく悪くはないものの、5万枚コピー後では悪化していた。
本発明の静電荷現像用トナーは、特に電子写真法、静電記録法等の用途に有用である。
本実施の形態に用いた画像形成装置の構成例を示す概略図である。
符号の説明
200 画像形成装置、401a〜401d 電子写真感光体、400 ハウジング、402a〜402d 帯電ロール、403 露光装置、404a〜404d 現像装置、405a〜405d トナーカートリッジ、409 中間転写ベルト、410a〜410d 1次転写ロール、411 トレイ(被転写媒体トレイ)、413 2次転写ロール、414 定着ロール、415a〜415d,416 クリーニングブレード、500 被転写媒体。

Claims (7)

  1. 結着樹脂と着色剤と2価以上の価数を取りうる金属元素を含有する静電荷像現像用トナーであって、
    静電荷像現像用トナーに内添された前記2価以上の価数を取りうる金属元素はX線光電子分光法により測定される金属元素単位で0.02atm%以上0.2atm%以下で含有され、
    前記結着樹脂は、ジアルコール成分と、ジカルボン酸成分またはポリカルボン酸成分とを重合した重量平均分子量が45000以上55000以下ポリエステル樹脂からなり、前記ジアルコール成分がビスフェノールA−プロピレンオキシド付加物またはビスフェノールA−エチレンオキシド付加物のいずれかを含み、前記ジカルボン酸成分がドデセニルコハク酸であり、前記ポリカルボン酸成分がトリメリット酸またはピロメリット酸であるポリエステル樹脂であり、
    前記着色剤は、体積1次粒子径が30nm以上50nm以下であってBET比表面積70m/g以下のカーボンブラックを含むことを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. 結着樹脂と着色剤と2価以上の価数を取りうる金属元素を含有する静電荷像現像用トナーであって、
    静電荷像現像用トナーに内添された前記2価以上の価数を取りうる金属元素がアルミニウムであって、前記アルミニウムのX線光電子分光法により測定されるアルミニウム元素単位で0.02atm%以上0.2atm%以下で含有され、
    前記結着樹脂は、ジアルコール成分と、ジカルボン酸成分またはポリカルボン酸成分とを重合した重量平均分子量が45000以上55000以下ポリエステル樹脂からなり、前記ジアルコール成分がビスフェノールA−プロピレンオキシド付加物またはビスフェノールA−エチレンオキシド付加物のいずれかを含み、前記ジカルボン酸成分がドデセニルコハク酸であり、前記ポリカルボン酸成分がトリメリット酸またはピロメリット酸であるポリエステル樹脂であり、
    前記着色剤は、体積1次粒子径が30nm以上50nm以下であってBET比表面積70m/g以下のカーボンブラックを含むことを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  3. 請求項1または請求項2に記載の静電荷像現像用トナーとキャリアとを含有することを特徴とする静電荷像現像用現像剤。
  4. 潜像保持体上に潜像を形成する潜像形成手段と、前記潜像を静電荷現像用現像剤を用いて現像する現像手段と、現像された画像を被転写体上に転写する転写手段を有する脱着可能なカートリッジであって、前記静電荷現像用現像剤が、請求項1または請求項2に記載の静電荷現像用トナーを含むことを特徴とするカートリッジ。
  5. 請求項1または請求項2に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法であって、
    少なくとも1種以上の樹脂粒子分散液と、1種以上の着色剤分散液とを混合し、2価以上の価数を取りうる金属元素の存在下で凝集粒子を形成する凝集工程と、前記樹脂粒子のガラス転移点以上の温度に加熱して前記凝集粒子を融合・合一してトナー粒子を形成する融合工程と、を有することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
  6. 潜像担体上に潜像を形成する潜像形成手段と、前記潜像を静電荷現像用現像剤を用いて現像する現像手段と、現像されたトナー画像を中間転写体を介してまたは介さずに被転写体上に転写する転写手段と、前記被転写体上のトナー画像を加定着する定着手段と、を含む画像形成装置であり、
    前記静電荷現像用現像剤が、請求項に記載の静電荷現像用現像剤であることを特徴とする画像形成装置。
  7. 静電荷像担持体表面に潜像を形成する潜像形成工程と、トナーを含む現像剤で前記静電荷像担持体表面の潜像を現像してトナー像を得る現像工程と、該トナー像を被転写体表面に転写する転写工程と、転写されたトナー像を被転写体表面に熱定着する定着工程と、を有する画像形成方法において、
    前記静電荷現像用現像剤が、請求項に記載の静電荷現像用現像剤であることを特徴とする画像形成方法。
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