JP4852851B2 - 運転意図推定装置、車両用運転操作補助装置および車両用運転操作補助装置を備えた車両 - Google Patents

運転意図推定装置、車両用運転操作補助装置および車両用運転操作補助装置を備えた車両 Download PDF

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Description

本発明は、走行中の運転者の運転行動意図を推定する運転意図推定装置、および運転意図に応じて運転者の操作を補助する車両用運転操作補助装置に関する。
従来の運転意図推定装置は、運転者の視線行動を用いて運転意図を推定している(例えば特許文献1参照)。この装置は、運転者の視線方向を前方投影平面に投影し、投影平面上の分割された複数の領域における視線方向頻度分布を用いて運転者の運転意図を推定する。
本願発明に関連する先行技術文献としては次のものがある。
特開2002−331850号公報
上述した従来の装置は、運転者の視線方向や視線の注視頻度等を用いて運転者の運転行動意図を推定することができる。ただし、運転者の視線行動は車両走行環境の差異に影響され、さらに運転者の個人差も大きく意図推定の精度が変動してしまうという問題があるため、常に高い精度で運転意図を推定することが望まれている。
本発明による運転意図推定装置は、自車両の車両周囲状態を検出する車両周囲状態検出手段と、実際のドライバによる運転操作量を検出する運転操作量検出手段と、車線変更または車線維持の運転意図を与えられた複数の異なる仮想のドライバについて、車両周囲状態検出手段によって検出される車両周囲状態に基づいて、各仮想ドライバが運転意図を遂行するために必要な運転操作量を計算する仮想ドライバ運転操作量計算手段と、仮想ドライバ運転操作量計算手段によって計算された複数の仮想ドライバの前記運転操作量と、運転操作量検出手段によって検出された実際のドライバの前記運転操作量との近似度合(以降、運転操作量近似度合とする)をそれぞれ計算する運転操作量近似度合計算手段と、運転操作量近似度合計算手段によって計算された複数の運転操作量近似度合に基づいて、車線変更または車線維持の確信度を表すスコアを算出し、算出したスコアを運転意図推定基準と比較することによって実際のドライバの運転意図を推定する運転意図推定手段と、自車両前方の先行車の車線内における横方向位置を検出する障害物状況検出手段と、障害物状況検出手段で検出された先行車の横方向位置に基づいて運転意図推定基準を設定する運転意図推定基準変更手段とを備える。
本発明による運転意図推定装置は、自車両の車両周囲状態を検出する車両周囲状態検出手段と、実際のドライバによる運転操作量を検出する運転操作量検出手段と、車線変更または車線維持の運転意図を与えられた複数の異なる仮想のドライバについて、車両周囲状態検出手段によって検出される車両周囲状態に基づいて、各仮想ドライバが運転意図を遂行するために必要な運転操作量を計算する仮想ドライバ運転操作量計算手段と、自車両前方の先行車の車線内における横方向位置を検出する障害物状況検出手段と、仮想ドライバ運転操作量計算手段で計算される仮想ドライバの運転操作量を、障害物状況検出手段で検出された先行車の横方向位置に基づいて補正する仮想ドライバ運転操作量補正手段と、仮想ドライバ運転操作量補正手段によって補正された複数の仮想ドライバの運転操作量と、運転操作量検出手段によって検出された実際のドライバの運転操作量との近似度合(以降、運転操作量近似度合とする)をそれぞれ計算する運転操作量近似度合計算手段と、運転操作量近似度合計算手段によって計算された複数の運転操作量近似度合に基づいて、実際のドライバの運転意図を推定する運転意図推定手段とを備える。
本発明による車両用運転操作補助装置は、運転意図推定装置と、自車両周囲の障害物状況を検出する障害物検出手段と、障害物検出手段による検出結果に基づいて、自車両周囲のリスクポテンシャルを算出するリスクポテンシャル算出手段と、リスクポテンシャル算出手段によって算出されるリスクポテンシャルに基づいて、アクセルペダルに発生する操作反力を算出する操作反力算出手段と、操作反力算出手段によって算出された操作反力をアクセルペダルに発生させる操作反力発生手段と、運転意図推定手段による運転意図の推定結果と、運転意図推定基準変更手段によって設定された運転意図推定基準とに基づいて、アクセルペダルに発生する操作反力を補正する補正手段とを備える。
本発明による車両用運転操作補助装置は、運転意図推定装置と、自車両周囲の障害物状況を検出する障害物検出手段と、障害物検出手段による検出結果に基づいて、自車両周囲のリスクポテンシャルを算出するリスクポテンシャル算出手段と、リスクポテンシャル算出手段によって算出されるリスクポテンシャルに基づいて、アクセルペダルに発生する操作反力を算出する操作反力算出手段と、操作反力算出手段によって算出された操作反力をアクセルペダルに発生させる操作反力発生手段と、運転意図推定手段による運転意図の推定結果に基づいて、アクセルペダルに発生する操作反力を補正する補正手段とを備える。
本発明によれば、運転意図を与えられた複数の異なる仮想ドライバについて、車両周囲状態に基づいて運転意図を遂行するために必要な運転操作量をそれぞれ算出し、実際のドライバによる運転操作量との近似度合に基づいて運転意図を推定する。このとき、自車両前方の障害物状況が実際のドライバの運転操作に与える影響を考慮して運転意図推定基準もしくは仮想ドライバの運転操作量を補正するので、精度よく運転意図を推定することができる。
《第1の実施の形態》
本発明の第1の実施の形態による運転意図推定装置について、図面を用いて説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態による運転意図推定装置1の構成を示すシステム図である。まず、第1の実施の形態による運転意図推定装置1の構成を説明する。
運転意図推定装置1は、ドライバの操作による運転操作量を検出する運転操作量検出部10と、自車両周囲の状態を検出する車両周囲状態検出部20と、車両状態を検出する車両状態検出部30と、仮想ドライバ運転操作量計算部40と、仮想ドライバ運転操作量近似度合計算部50と、運転意図推定基準可変設定部60と、運転意図推定部70とを備えている。
運転意図推定装置1は、運転意図を有する仮想のドライバを複数設定し、実際のドライバの運転操作と仮想ドライバの運転操作とを比較する。そして、実際のドライバの運転操作と仮想ドライバの運転操作がどれだけ近似しているかに基づいて運転意図を推定する。このとき、現在から過去の直近の所定時間における運転操作の系列的な近似度合に基づいて運転意図を推定する。
運転操作量検出部10は、例えば操舵系に組み込まれた操舵角センサを備え、自車両の操舵角を検出する。車両周囲状態検出部20は、例えば自車両の前方道路状況を画像として取得する前方カメラ、ヨー角センサおよびヨーレイトセンサ等を備え、自車両の車線内横方向位置、自車両と車線とのヨー角および自車両に作用するヨーレイト等を検出する。さらに、自車両の前方に存在する先行車の走行状況も検出する。なお、車両周囲状態検出部20は、前方カメラで取得した画像信号を画像処理する画像処理装置も備えている。車両状態検出部30は、例えば自車速を検出する車速センサを備えている。
仮想ドライバ運転操作量計算部40と、仮想ドライバ運転操作量近似度合計算部50と、運転意図推定基準可変設定部60と、運転意図推定部70は、例えばそれぞれマイクロコンピュータから構成される。またはCPUと、ROMおよびRAM等のCPU周辺部品とから構成されるコントローラにおいて、CPUのソフトウェア形態によりそれぞれを構成することもできる。
仮想ドライバ運転操作量計算部40は、それぞれ異なる運転意図を与えられた複数の仮想ドライバが、それぞれの運転意図を遂行するために必要な運転操作量を計算する。具体的には、仮想ドライバ運転操作量計算部40は、車両周囲状態検出部10によって検出される、自車両が走行する車線のレーンマーカ(車線識別線)と自車両との相対的な関係に基づいて複数の仮想ドライバの運転操作量を算出する。
仮想ドライバ運転操作量近似度合計算部50は、仮想ドライバ運転操作量計算部40で算出された複数の仮想ドライバの運転操作量と、運転操作量検出部10で検出された実際のドライバの運転操作量との近似度合を算出する。運転意図推定基準可変設定部60は、車両周囲状態検出部20によって検出される車両周囲状態に基づいて、実際のドライバの運転意図を推定する際に用いる運転意図推定基準を設定する。
運転意図推定部70は、運転意図推定基準可変設定部60で設定された運転意図推定基準を用いて、仮想ドライバ運転操作量近似度合計算部50で算出された複数の仮想ドライバの運転操作量と実際のドライバの運転操作量との近似度合に基づいて実際のドライバの運転意図を推定する。
次に、第1の実施の形態による運転意図推定装置1の動作を説明する。まず、その概要を説明する。
運転意図推定装置1においては、運転意図に応じて自車両の前方に目標位置を設定し、自車両がその目標位置に到達するように実際のドライバは運転操作を行うと仮定して、各運転意図を有する仮想ドライバの運転操作量を算出する。ただし、実際の運転状況においては、先行車の走行状況によって運転意図を遂行するために必要となる運転操作量が変化する。
具体的には、車線変更を行おうとする場合、自車両の前方に存在する先行車の車線内横位置や車幅等の走行状況によって、自車両が車線変更を行うのに必要な運転操作量が異なる。図2(a)〜(c)に、自車両が右車線に車線変更して先行車を追い越すときに、先行車が車線中央を走行する場合、車線左側領域を走行する場合、および車線右側領域を走行する場合の、自車両の走行軌跡の一例を示す。
図2(a)に示すように、先行車が車線中央を走行している場合、自車両は先行車に接近した後、右側に操舵して車線変更を行う。これに対し、図2(b)に示すように先行車が車線左側領域を走行している場合は、同一地点から操舵操作を開始するとすると、破線で示すように車線変更を開始するときに必要な操舵量が小さい。一方、図2(c)に示すように先行車が車線右側領域を走行している場合は、破線で示すように車線変更を開始するときに必要な操舵量が大きい。
実際のドライバの運転操作量と仮想ドライバの運転操作量の近似度合を用いて運転意図を推定する装置においては、先行車の走行状況によって実際のドライバの運転操作量が変化すると、運転意図を精度よく推定することが困難となる。そこで、第1の実施の形態では運転意図推定基準可変設定部60において、先行車の走行状況に応じて運転意図推定基準を可変で設定することにより、運転意図を誤推定してしまうことを低減する。
以下に、第1の実施の形態による運転意図推定装置1の動作を、図3を用いて詳細に説明する。図3は、運転意図推定装置1における運転意図推定処理プログラムの処理手順を示すフローチャートである。図3に示す処理の処理内容は、一定間隔(例えば50msec)毎に連続的に行われる。
ステップS101では、現在の自車両の車線内横位置xと自車両のヨー角ψを検出する。図4に示すように、車線内横位置xは、自車線の車線中央線から自車両中心点Oまでの左右方向(横方向)距離であり、ヨー角ψは、自車線の直進方向に対する自車両の回転角である。自車両の車線内横位置xは、車線中央から右側を正の値、左側を負の値で表す。
ステップS102では、仮想ドライバ運転操作量計算部40において複数の仮想ドライバの運転操作量を算出する。ここでは、車線維持(LK)、右車線変更(LCR)、および左車線変更(LCL)の運転意図を持つ3人の仮想ドライバを設定し、それぞれの仮想ドライバがその運転意図を遂行するために必要な運転操作量Oidを算出する。仮想ドライバが行う操舵操作の操舵角θidを、運転操作量Oidとして算出する。以下に、仮想ドライバの運転操作量Oidの算出方法を説明する。
(1)仮想ドライバの運転意図が車線維持の場合
仮想ドライバの操舵角θidを算出するために、まず仮想ドライバの運転意図が車線維持である場合の目標位置を前方参照点LK(i)を設定し、前方参照点LK(i)の横位置p_lkを算出する。前方参照点LK(i)の個数は任意であるが、ここでは自車両の前後方向中心線上に2つの前方参照点LK1,LK2を設定した場合を例として説明する。図4に示すように、自車両中心点Oから前方参照点LK1,LK2までの距離px(i)は、例えばpx(1)=10m、px(2)=30mに設定する(px={10m、30m})。距離px(i)は、例えば自車速に応じて設定することもできる。
現在自車両が走行する車線の中央線から前方参照点LK(i)までの左右方向距離lat_pos(px(i))は、自車両のヨー角ψと前方地点LK(i)までの距離px(i)に依存し、例えば前方カメラからの画像信号に基づいて算出することができる。車線維持の場合の前方参照点LK(i)の横位置p_lk(px(i))は、以下の(式1)で表すことができる。
p_lk(px(i))=lat_pos(px(i)) i={1,...,n}・・・(式1)
ここで、n=2である。
前方参照点LK(i)の横位置p_lk(px(i))を用いて、車線維持の場合の仮想ドライバの操舵角θid_lkを以下の(式2)から算出することができる。
θid_lk=Σ{a(i)×p_lk(px(i))} ・・・(式2)
ここで、a(i)は前方参照点LK(i)における横位置p_lk(px(i))に重み付けをする重み付け係数であり、予め適切な値を設定しておく。
(2)仮想ドライバの運転意図が右車線変更の場合
仮想ドライバの操舵角θidを算出するために、仮想ドライバの運転意図が右車線変更である場合の目標位置を前方参照点LCR(i)を設定する。図4には、自車両の前方に2つの前方参照点LCR1,LCR2を設定した場合を例として示している。
右車線変更の場合の前方参照点LCR(i)の横位置p_lcr(px(i))は、以下の(式3)で表すように、車線維持の場合の前方参照点LK(i)の左右方向距離lat_pos(px(i))にオフセット量lc_offset_lcrを加算して算出することができる。
p_lcr(px(i))=lat_pos(px(i))+lc_offset_lcr i={1,...,n}・・・(式3)
ここで、n=2である。オフセット量lc_offset_lcrは、右車線変更の場合の前方参照点LCR(i)の横位置p_lcr(px(i))を設定するために予め適切な値、例えばlc_offset_lcr=−1.75に設定する。
前方参照点LCR(i)の車線内横位置p_lcr(px(i))を用いて、右車線変更の場合の操舵角θid_lcrを以下の(式4)から算出することができる。
θid_lcr=Σ{a(i)×p_lcr(px(i))} ・・・(式4)
ここで、a(i)は前方参照点LCR(i)における車線内横位置p_lcr(px(i))に重み付けをする重み付け係数であり、予め適切な値を設定しておく。
(3)仮想ドライバの運転意図が左車線変更の場合
仮想ドライバの操舵角θidを算出するために、仮想ドライバの運転意図が左車線変更である場合の目標位置を前方参照点LCL(i)を設定する。図4には、自車両の前方に2つの前方参照点LCL1,LCL2を設定した場合を例として示している。
左車線変更の場合の前方参照点LCL(i)の横位置p_lcl(px(i))は、以下の(式5)で表すように、車線維持の場合の前方参照点LK(i)の左右方向距離lat_pos(px(i))にオフセット量lc_offset_lclを加算して算出することができる。
p_lcl(px(i))=lat_pos(px(i))+lc_offset_lcl i={1,...,n}・・・(式5)
ここで、n=2である。オフセット量lc_offset_lclは、左車線変更の場合の前方参照点LCL(i)の横位置p_lcl(px(i))を設定するために予め適切な値、例えばlc_offset_lcl=1.75に設定する。
前方参照点LCL(i)の車線内横位置p_lcl(px(i))を用いて、左車線変更の場合の仮想ドライバの操舵角θid_lclを以下の(式6)から算出することができる。
θid_lcl=Σ{a(i)×p_lcl(px(i))} ・・・(式6)
ここで、a(i)は前方参照点LCL(i)における車線内横位置p_lcl(px(i))に重み付けをする重み付け係数であり、予め適切な値を設定しておく。
ステップS103では、運転操作量検出部10によって検出される現在の操舵角θrdを、実際のドライバの運転操作量Ordとして読み込む。
ステップS104では、ステップS102で算出した各運転意図における仮想ドライバの運転操作量Oidと、ステップS102で検出した実際のドライバの運転操作量Ordとを用いて、仮想ドライバの運転操作量近似度合Pidを算出する。
ここでは、説明を簡単にするために、運転意図が車線維持の場合、右車線変更の場合、および左車線変更の場合の近似度合Pid_lk, Pid_lcr, Pid_lclをまとめてPidで表す。同様に、運転意図が車線維持の場合、右車線変更の場合、および左車線変更の場合の仮想ドライバの操舵角θid_lk, θid_lcr, θid_lclをまとめてθidで表す。
仮想ドライバ運転操作量近似度合Pidは、実際のドライバの操舵角θrdを平均値、所定値ρrdを標準偏差とする正規分布に対して、仮想ドライバの操舵角θidの正規化(規準化)値の対数確率として、以下の(式7)から算出することができる。
Pid=log{Probn((θid_1−θrd)/ρrd)} ・・・(式7)
ここで、Probnは、与えられた標本が、正規分布で表される母集団から観測される確率を計算するための確率密度変換関数である。
このように、ステップS104では、(式7)を用いて車線維持の場合の近似度合Pid_lk、右車線変更の場合の近似度合Pid_lcr、および左車線変更の場合の近似度合Pid_lclをそれぞれ算出する。これらの近似度合Pid_lk、Pid_lcr、Pid_lclは、現時点tにおける第1の仮想ドライバ運転操作量近似度合であるのでPid(t)と表す。
ステップS105では、ステップS104で算出した仮想ドライバの運転操作量近似度合Pidを用いて、現在から過去の所定時間までの系列的な運転操作量近似度合Pidsを算出する。ここでは、過去の時点(t−m+1)から現時点tまでに算出され、仮想ドライバ運転操作量計算部40のメモリに記憶されているm個の仮想ドライバ運転操作量近似度合Pidを用いて、各運転意図における運転操作量系列近似度合Pidsを算出する。ここでは、運転意図が車線維持の場合、右車線変更の場合、および左車線変更の場合の運転操作量系列近似度合Pids_lk, Pids_lcr,Pids_lclをまとめてPidsで表す。運転操作量系列近似度合Pidsは、以下の(式8)から算出することができる。
Figure 0004852851
ここで、Πは、現時点tでの仮想ドライバ運転操作量近似度合Pid(t)から過去の時点(t−m+1)での仮想ドライバ運転操作量近似度合Pid(t-m+1)までを全て積算した積和を表す。
なお、図5に示すように、車線維持の場合の運転操作量系列近似度合Pids_lkを算出する場合は、現時点tから過去の時点(t−m+1)の間に算出された車線維持の近似度合Pid_lk(t)〜Pid_lk(t-m+1)を用いる。同様に、右車線変更の場合の運転操作量系列近似度合Pids_lcrを算出する場合は、現時点tから過去の時点(t−m+1)の間に算出された右車線変更の近似度合Pid_lcr(t)〜Pid_lcr(t-m+1)を用い、左車線変更の場合の運転操作量系列近似度合Pids_lclを算出する場合は、現時点tから過去の時点(t−m+1)の間に算出された左車線変更の近似度合Pid_lcl(t)〜Pid_lcl(t-m+1)を用いる。
このように、ステップS105では(式8)を用いて、車線維持の場合の運転操作量系列近似度合Pids_lk、および右車線変更および左車線変更の場合の運転操作量系列近似度合Pids_lcr、Pids_lclをそれぞれ算出する。ここで、(式9)に示すように、右車線変更の場合の系列近似度合Pids_lcrおよび左車線変更の場合の系列近似度合Pids_lclの最大値を、車線変更の場合の系列近似度合Pids_lcとして設定する。
Pids_lc=max{Pids_lcr, Pids_lcl} ・・・(式9)
なお、車線維持の場合の系列近似度合Pids_lkは、実際のドライバが車線維持をする尤度(車線維持尤度Pr(LK))を表し、車線変更の場合の系列近似度合Pids_lcは、実際のドライバが車線変更をする尤度(車線変更尤度Pr(LC))を表す。このようにして実際のドライバの運転意図尤度を算出した後、ステップS106へ進む。
ステップS106では、自車両の前方に存在する先行車の走行状況を検出する。具体的には、図6に示すように、車線中央から先行車の左右方向中心点Plまでの距離を、先行車の車線内横位置xlsとして検出する。先行車の車線内横位置xlsは、車線中央から右側を正の値、左側を負の値で表す。
つづくステップS107では、ステップS106で検出した先行車の走行状況に基づいて、実際のドライバの運転意図を推定する際に用いる運転意図推定基準を設定する。具体的には、先行車の車線内横位置xlsに基づいて、車線変更意図推定しきい値Tを設定する。図7に、先行車の車線内横位置xlsと車線変更意図推定しきい値Tとの関係を示す。
図2(b)に示すように先行車が車線の左側領域を走行している場合、すなわち車線内横位置xlsが負の値の場合は、自車両が右側へ車線変更を行う際に必要な操舵量が小さくなり、車線変更意図と車線維持意図との判別が困難になる。そこで、図7に破線で示すように、車線内横位置xlsが所定値-xls0を超えると右車線変更意図を推定する際のしきい値Tを徐々に大きくする。一方、自車両が左側へ車線変更を行う際に必要な操舵量は大きくなるので、車線変更意図と車線維持意図との判別は容易となる。そこで、実線で示すように左車線変更意図を推定する際のしきい値Tは徐々に小さくする。
同様に、図2(c)に示すように先行車が車線の右側領域を走行している場合、すなわち車線内横位置xlsが正の値の場合は、車線内横位置xlsが所定値+xls0を超えると、実線で示すように左車線変更意図を推定する際のしきい値Tを徐々に大きくするとともに、破線で示すように右車線変更意図を推定する際のしきい値Tは徐々に小さくする。
なお、図7に示すように、-xls0<xls<+xls0で先行車が車線中央領域を走行している場合は、車線変更意図推定しきい値Tを所定値T0(例えばT0=0.5)とする。
ステップS108では、実際のドライバの運転意図を推定する。まず、ステップS105で算出した車線維持尤度Pr(LK)および車線変更尤度Pr(LC)を用いて、以下の(式10)から車線変更意図スコアScを算出する。
Figure 0004852851
(式10)で算出される車線変更意図スコアScは、0〜1の間で連続的に変化し、車線変更の確信度(確率)が車線維持の確信度よりも相対的に高いほど大きな値をとる。例えば車線変更と車線維持の確信度が50:50のときに、スコアSc=0.5となり、車線変更の確信度が100%のときに、スコアSc=1となる。
つぎに、車線変更意図スコアScをステップS107で設定した車線変更意図推定しきい値Tと比較する。スコアScが車線変更意図推定しきい値Tよりも大きければ運転意図が車線変更であると推定し、スコアScがしきい値T以下であれば運転意図が車線維持であると推定する。したがって、しきい値Tが大きいほど車線維持意図を有する場合に車線変更意図であると誤推定することを低減できる。また、しきい値Tが小さいほど車線変更意図の推定タイミングを早くすることができる。なお、右操舵が行われている場合は、図7に破線で示した右車線変更意図推定しきい値を用い、左操舵が行われている場合は、実線で示した左車線変更意図推定しきい値を用いる。
ステップS109では、ステップS108で推定した実際のドライバの運転意図の推定結果を出力する。これにより、今回の処理を終了する。
このように、以上説明した第1の実施の形態においては、以下のような作用効果を奏することができる。
(1)運転意図推定装置1は、自車両の車両周囲状態に基づいて、運転意図を与えられた複数の異なる仮想のドライバについて、各仮想ドライバが与えられた運転意図を遂行するために必要な運転操作量Oidを算出し、算出した複数の仮想ドライバの運転操作量Oidと実際のドライバの運転操作量Ordとの近似度合をそれぞれ算出する。そして、複数の運転操作量近似度合に基づいて実際のドライバの運転意図を推定する。運転意図推定基準可変設定部60は、自車両前方の障害物状況に基づいて、運転意図推定部70における運転意図推定基準を変更する。これにより、自車両前方の障害物状況が実際のドライバの運転操作に与える影響を考慮して、精度よく運転意図を推定することができる。
(2)運転意図推定基準可変設定部60は、障害物状況として自車両前方の先行車の走行状況に基づいて運転意図推定基準を変更する。これにより、先行車の走行状況に応じた実際のドライバの運転特性を考慮して、精度よく運転意図を推定することができる。
(3)運転意図推定基準可変設定部60は、先行車の車線内における横方向位置xlsに応じて、運転意図推定基準を設定する。これにより、先行車の走行状況に応じた実際のドライバの運転特性を考慮して、精度よく運転意図を推定することができる。
(4)運転意図推定基準可変設定部60は、先行車の横方向位置xlsが左右いずれかの車線端に近づくほど、その車線端方向への車線変更意図の推定感度が高くなるように車線変更意図に関する運転意図推定基準を小さくする。例えば、図7に実線で示すように先行車の車線内横位置xlsが左側の車線端に近づくほど、左車線変更意図の推定しきい値Tを小さくする。これにより、車線変更意図を早いタイミングで推定することができる。
(5)運転意図推定基準可変設定部60は、先行車の横方向位置xlsが左右いずれかの車線端に近づくほど、その車線端とは反対方向への車線変更意図の推定精度が高くなるように車線変更意図に関する運転意図推定基準を大きくする。例えば、図7に破線で示すように先行車の車線内横位置xlsが左側の車線端に近づくほど、右車線変更意図の推定しきい値Tを大きくする。これにより、車線維持の際に車線変更意図であると誤推定してしまうことを低減できる。
《第2の実施の形態》
本発明の第2の実施の形態による運転意図推定装置について、図面を用いて説明する。第2の実施の形態による運転意図推定装置の基本構成は、図1に示した第1の実施の形態と同様である。ここでは、第1の実施の形態との相違点を主に説明する。
第2の実施の形態においては、レーンマーカ(車線端)から先行車までの距離に基づいて車線変更意図推定しきい値Tを設定する。具体的には、図8に示すように、自車両が走行する道路の車線端から自車両の前方に存在する先行車の左右方向の車体端部までの距離xlmを検出する。先行車の右端部から右側の車線端までの距離をxlmr、左端部から左側の車線端までの距離をxlmlと表す。
図9に、先行車の車体端部から車線端までの距離xlmと車線変更意図推定しきい値Tとの関係を示す。なお、図9は右側の車線端までの距離xlmrと左側の車線端までの距離xlmlをまとめて表している。右側の車線端までの距離xlmrに応じて右車線変更意図を推定する際のしきい値Tを設定し、左側の車線端までの距離xlmlに応じて左車線変更意図を推定する際のしきい値Tを設定する。
図9に示すように、距離xlmが所定値xlm0以上の場合、すなわち先行車が車線端から離れている場合は、しきい値Tを所定値T0(例えばT0=0.5)に設定する。距離xlmが所定値xlm0を下回ると、距離xlmが小さくなるほどしきい値Tを小さくする。先行車が車線端に接近している場合は、自車両が車線変更を行う際に必要な操舵量が大きくなり、車線変更意図と車線維持意図との判別は容易となるので、しきい値Tを小さくして早いタイミングで車線変更意図を推定できるようにする。
このように、以上説明した第2の実施の形態においては、とくに以下のような作用効果を奏することができる。
(1)運転意図推定基準可変設定部60は、先行車の横方向の車体端部と車線端との距離xlmに応じて、運転意図推定基準を設定する。これにより、先行車の走行状況に応じた実際のドライバの運転特性を考慮して、精度よく運転意図を推定することができる。
(2)運転意図推定基準可変設定部60は、先行車の車体端部と車線端との距離xlmが小さくなるほど、その車線端方向への車線変更意図の推定感度が高くなるように車線変更意図に関する運転意図推定基準を小さくする。例えば、図9に示すように距離xlmが小さくなるほど車線変更意図推定しきい値Tを小さくする。これにより、車線変更意図を早いタイミングで推定することができる。
(3)運転意図推定基準可変設定部60は、先行車の車体端部と車線端との距離xlmが小さくなるほど、その車線端とは反対方向への車線変更意図の推定精度が高くなるように車線変更意図に関する運転意図推定基準を大きくする。例えば、車体端部と右側の車線端との距離xlmrが小さくなると、車体端部と左側の車線端との距離xlmlが大きくなり、左車線変更意図の推定しきい値Tが大きくなる。これにより、車線維持の際に車線変更意図であると誤推定してしまうことを低減できる。
《第3の実施の形態》
本発明の第3の実施の形態による運転意図推定装置について、図面を用いて説明する。第3の実施の形態による運転意図推定装置の基本構成は、図1に示した第1の実施の形態と同様である。ここでは、第1の実施の形態との相違点を主に説明する。
第3の実施の形態においては、車線端から先行車の車体端部までの距離にオフセット量を加えた距離に基づいて車線変更意図推定しきい値Tを設定する。具体的には、図10に示すように、自車両が走行する道路の車線端から自車両の前方に存在する先行車の左右方向の車体端部までの距離xlmを検出する。そして、先行車の車体端部から車線端までの距離xlmにオフセット量xloffを加えた距離xlmoffを設定する。先行車の右端部から右側の車線端までの距離にオフセット量xloffを加えた距離をxlmoff_r、左端部から左側の車線端までの距離にオフセット量xloffを加えた距離をxlmoff_lと表す。
先行車の車幅Wlが大きいほど、自車両は先行車を大きく避けるように車線変更を行う傾向にある。そこで、オフセット量xloffは、先行車の車体幅(車幅)Wlに応じて設定する。図11に、先行車の車幅Wlとオフセット量xloffとの関係を示す。先行車の車幅Wlが大きくなるほどオフセット量xloffが大きくなるように設定する。
図12に、先行車の車体端部から車線端までの距離xlmにオフセット量xloffを加えた距離xlmoffと車線変更意図推定しきい値Tとの関係を示す。なお、図12は右側の車線端までの距離xlmrにオフセット量xloffを加えた距離xlmoff_rと左側の車線端までの距離xlmlにオフセット量xloffを加えた距離xlmoff_lをまとめて表している。右側の距離xlmoff_rに応じて右車線変更意図を推定する際のしきい値Tを設定し、左側の距離xlmoff_lに応じて左車線変更意図を推定する際のしきい値Tを設定する。
図12に示すように、距離xlmoffが所定値xlmoff0以上の場合は、しきい値Tを所定値T0(例えばT0=0.5)に設定する。距離xlmoffが所定値xlmoff0を下回ると、距離xlmoffが小さくなるほどしきい値Tを小さくする。先行車が車線端に接近している、もしくは先行車の車幅Wlが大きい場合は、自車両が車線変更を行う際に必要な操舵量が大きくなり、車線変更意図と車線維持意図との判別は容易となるので、しきい値Tを小さくして早いタイミングで車線変更意図を推定できるようにする。
このように、以上説明した第3の実施の形態においては、とくに以下のような作用効果を奏することができる。
(1)運転意図推定基準可変設定部60は、先行車の車体端部と車線端との距離xlmにオフセット量(補正値)xloffを加えて補正した値を用いて、運転意図推定基準を設定する。これにより、実際のドライバの運転特性を考慮して運転意図を一層精度よく推定することができる。
(2)オフセット量xloffは先行車の車幅Wlに応じて設定されるので、車線変更を行う際に先行車の車幅Wlが実際のドライバに与える影響を考慮して、運転意図推定基準を設定することができる。
(3)オフセット量xloffは、図11に示すように、先行車の車幅Wlが大きくなるほど大きくなるように設定される。これにより、先行車の車幅Wlが大きいほど先行車を大きく避けるように車線変更を行う実際のドライバの運転特性を考慮して、運転意図を一層精度よく推定することができる。
《第4の実施の形態》
本発明の第4の実施の形態による運転意図推定装置について、図面を用いて説明する。第4の実施の形態による運転意図推定装置の基本構成は、図1に示した第1の実施の形態と同様である。ここでは、第1の実施の形態との相違点を主に説明する。
第4の実施の形態においては、自車両の車線内横位置xと先行車の車線内横位置xlsとに基づいて車線変更意図推定しきい値Tを設定する。具体的には、図13に示すように、自車両の左右方向中心位置Pxから先行車の左右方向中心位置Plまでの距離xrを検出する。中心位置間距離xrは、先行車の中心位置Plが自車両の中心位置Pxから右側にオフセットしている場合を正の値、左側にオフセットしている場合を負の値で表す。図14に、自車両と先行車との中心位置間距離xrと車線変更意図推定しきい値Tとの関係を示す。
中心位置間距離xrが正の値で、図13に示すように先行車が右側にオフセットしている場合は、自車両が左側へ車線変更を行う際に必要な操舵量が小さくなり、車線変更意図と車線維持意図との判別が困難になる。そこで、図14に実線で示すように、中心位置間距離xrが所定値+xr0を超えると左車線変更意図を推定する際のしきい値Tを徐々に大きくする。一方、自車両が右側へ車線変更を行う際に必要な操舵量は大きくなるので、車線変更意図と車線維持意図との判別は容易となる。そこで、破線で示すように右車線変更意図を推定する際のしきい値Tは徐々に小さくする。
同様に、中心位置間距離xrが負の値で、先行車が左側にオフセットしている場合は、中心位置間距離xrが所定値-xr0を超えると、破線で示すように右車線変更意図を推定する際のしきい値Tを徐々に大きくするとともに、実線で示すように左車線変更意図を推定する際のしきい値Tは徐々に小さくする。
なお、図14に示すように、-xr0<xr<+xr0で自車両と先行車との車幅方向のずれが小さい場合は、車線変更意図推定しきい値Tを所定値T0(例えばT0=0.5)とする。
このように、以上説明した第4の実施の形態においては、とくに以下のような作用効果を奏することができる。
(1)運転意図推定基準可変設定部60は、自車両前方の先行車および自車両の車線内における横方向の位置に基づいて、運転意図推定基準を変更する。これにより、自車両と先行車との相対関係を考慮して、精度よく運転意図を推定することができる。
(2)運転意図推定基準可変設定部60は、先行車の横方向の中心位置Plと自車両の横方向の中心位置Pxとの間の中心位置間距離xrに応じて、運転意図推定基準を設定する。これにより、自車両と先行車との相対関係に基づき、先行車の走行状況が実際のドライバの運転操作に与える影響を考慮しながら精度よく運転意図を推定することができる。
(3)運転意図推定基準可変設定部60は、中心位置間距離xrが大きいほど、自車両の中心位置Pxに対して先行車の中心位置Plが存在する方向への車線変更意図の推定感度が高くなるように、車線変更意図に関する運転意図推定基準を小さくする。例えば、図14に実線で示すように、先行車が左側にオフセットしている場合は中心位置値間距離xrが大きくなるほど、左車線変更意図の推定しきい値Tを小さくする。これにより、車線変更意図を早いタイミングで推定することができる。
(4)運転意図推定基準可変設定部60は、中心位置間距離xrが大きいほど、自車両の中心位置Pxに対して先行車の中心位置Plが存在する方向とは反対方向への車線変更意図の推定精度が高くなるように、車線変更意図に関する運転意図推定基準を大きくする。例えば、図14に破線で示すように、先行車が左側にオフセットしている場合は中心位置間距離xrが大きくなるほど、右車線変更意図の推定しきい値Tを大きくする。これにより、車線維持の際に車線変更意図であると誤推定してしまうことを低減できる。
《第5の実施の形態》
本発明の第5の実施の形態による運転意図推定装置について、図面を用いて説明する。第4の実施の形態による運転意図推定装置の基本構成は、図1に示した第1の実施の形態と同様である。ここでは、第1の実施の形態との相違点を主に説明する。
第5の実施の形態においては、自車両の左右方向端部から先行車の左右方向端部までの距離に基づいて車線変更意図推定しきい値Tを設定する。具体的には、図15に示すように、自車両後方から見た場合に、自車両の左右方向両端部のうち先行車と重ならない方の端部(外端部)から、先行車の左右方向両端部のうち自車両と重ならない方の端部(外端部)までの距離xrwを検出する。外端部距離xrwは、先行車の中心位置Plが自車両の中心位置Pxから右側にオフセットしている場合を正の値、左側にオフセットしている場合を負の値で表す。図16に、自車両と先行車との外端部距離xrwと車線変更意図推定しきい値Tとの関係を示す。
外端部距離xrwが正の値で、図15に示すように先行車が右側にオフセットしている場合は、自車両が左側へ車線変更を行う際に必要な操舵量が小さくなり、車線変更意図と車線維持意図との判別が困難になる。そこで、図16に実線で示すように、外端部距離xrwが自車両の車幅wから大きくなると、左車線変更意図を推定する際のしきい値Tを所定値T0(例えばT0=0.5)から徐々に大きくする。一方、自車両が右側へ車線変更を行う際に必要な操舵量は大きくなるので、車線変更意図と車線維持意図との判別は容易となる。そこで、破線で示すように右車線変更意図を推定する際のしきい値Tは徐々に小さくする。
同様に、外端部距離xrwが負の値で、先行車が左側にオフセットしている場合は、外端部距離xrwが自車両の車幅wに相当する値-wから大きくなると、破線で示すように右車線変更意図を推定する際のしきい値Tを所定値T0から徐々に大きくするとともに、実線で示すように左車線変更意図を推定する際のしきい値Tは徐々に小さくする。
このように、以上説明した第5の実施の形態においては、とくに以下のような作用効果を奏することができる。
(1)運転意図推定基準可変設定部60は、先行車の横方向の外端部と自車両の横方向の外端部との間の外端部距離xrwに応じて、運転意図推定基準を設定する。これにより、自車両と先行車との相対関係に基づき、先行車の走行状況が実際のドライバの運転操作に与える影響を考慮しながら精度よく運転意図を推定することができる。
(2)運転意図推定基準可変設定部60は、外端部距離xrwが大きいほど、自車両に対して先行車がオフセットしている方向への車線変更意図の推定感度が高くなるように、車線変更意図に関する運転意図推定基準を小さくする。例えば、図16に実線で示すように、先行車が左側にオフセットしている場合は外端部距離xrwが大きくなるほど、左車線変更意図の推定しきい値Tを小さくする。これにより、車線変更意図を早いタイミングで推定することができる。
(3)運転意図推定基準可変設定部60は、外端部距離xrwが大きいほど、自車両に対して先行車がオフセットしている方向とは反対方向への車線変更意図の推定精度が高くなるように、車線変更意図に関する運転意図推定基準を大きくする。例えば、図16に破線で示すように、先行車が左側にオフセットしている場合は外端部距離xrwが大きくなるほど、右車線変更意図の推定しきい値Tを大きくする。これにより、車線維持の際に車線変更意図であると誤推定してしまうことを低減できる。
《第6の実施の形態》
本発明の第6の実施の形態による運転意図推定装置について、図面を用いて説明する。図17に、第6の実施の形態による運転意図推定装置2のシステム図を示す。図17において、図1に示した第1の実施の形態と同様の機能を有する箇所には同一の符号を付している。ここでは、第1の実施の形態との相違点を主に説明する。
第6の実施の形態による運転意図推定装置2は、仮想ドライバ運転操作量計算部40で算出した仮想ドライバの運転操作量Oidを補正する仮想ドライバ運転操作量補正部90をさらに備えている。第6の実施の形態においては、先行車の走行状況に応じて運転意図推定基準である車線変更意図推定しきい値Tを可変で設定する代わりに、車両周囲状態に応じて算出される仮想ドライバの運転操作量Oidを先行車の走行状況に応じて補正することにより、運転意図を誤推定してしまうことを低減する。
以下に、第6の実施の形態による運転意図推定装置2の動作を、図18を用いて詳細に説明する。図18は、運転意図推定装置2における運転意図推定処理プログラムの処理手順を示すフローチャートである。図18に示す処理の処理内容は、一定間隔(例えば50msec)毎に連続的に行われる。
ステップS201では、現在の自車両の車線内横位置xと自車両のヨー角ψを検出する。ステップS202では、自車両の前方に存在する先行車の走行状況、具体的には先行車の車線内横位置xlsを検出する。
ステップS203では、ステップS202で検出した先行車の走行状況に基づいて、仮想ドライバの運転操作量Oidの算出に用いるパラメータを設定する。具体的には、車線変更意図を有する仮想ドライバ(車線変更意図モデル)の操舵角θid_lcを補正する補正係数Kxlを先行車の車線内横位置xlsに基づいて設定する。図19に、先行車の車線内横位置xlsと車線変更意図を有する仮想ドライバの操舵角補正係数Kxlとの関係を示す。
先行車が車線の左側領域を走行している場合、すなわち車線内横位置xlsが負の値の場合は、自車両が右側へ車線変更を行う際に必要な操舵量が小さくなる。そこで、図19に実線で示すように、車線内横位置xlsが所定値-xls0を超えると右車線変更意図モデルの操舵角補正係数Kxllc_rを徐々に小さくする。一方、自車両が左側へ車線変更を行う際に必要な操舵量は大きくなるので、破線で示すように左車線変更意図モデルの操舵角補正係数Kxllc_lを徐々に大きくする。このように補正係数Kxlを設定することにより、車線変更意図モデルの操舵角θid_lcを実際のドライバの運転行動に合致させる。
同様に、先行車が車線の右側領域を走行している場合、すなわち車線内横位置xlsが正の値の場合は、車線内横位置xlsが所定値+xls0を超えると、実線で示すように右車線変更意図モデルの操舵角補正係数Kxllc_rを徐々に大きくするとともに、破線で示すように左車線変更意図モデルの操作核補正係数Kxllc_lを徐々に小さくする。
なお、図19に示すように、-xls0<xls<+xls0で先行車が車線中央領域を走行している場合は、左右車線変更意図モデルの操舵角補正係数Kxllc_l,Kxllc_rを1とする。
つづくステップS204では、仮想ドライバ運転操作量計算部40において上述した(式1)〜(式6)を用いて各運転意図モデルの仮想ドライバの運転操作量θid_lk、θid_lcr、θid_lclを算出する。さらに、ステップS203で算出した左右車線変更意図モデルの操舵角補正係数Kxllc_r、Kxllc_lを、左右車線変更意図モデルの仮想ドライバの運転操作量θid_lcr、θid_lclにそれぞれ乗ずることにより、車線変更意図モデルの操舵角θid_lcを補正する。
ステップS205では、運転操作量検出部10によって検出される現在の操舵角θrdを、実際のドライバの運転操作量Ordとして読み込む。ステップS206では、ステップS204で算出および補正した各運転意図における仮想ドライバの運転操作量Oidと、ステップS205で検出した実際のドライバの運転操作量Ordとを用いて、上述した(式7)を用いて仮想ドライバの運転操作量近似度合Pidを算出する。
ステップS207では、ステップS206で算出した仮想ドライバの運転操作量近似度合Pidを用いて、現在から過去の所定時間までの系列的な運転操作量近似度合Pidsを、上述した(式8)から算出する。ステップS208では、ステップS207で算出した運転操作量系列近似度合Pidsを用いて(式10)から車線変更意図スコアScを算出し、これを予め設定した車線変更意図推定しきい値Tと比較することにより、実際のドライバの運転意図を推定する。なお、車線変更意図推定しきい値Tは、例えばT=0.5とする。
ステップS209では、ステップS208で推定した実際のドライバの運転意図の推定結果を出力する。これにより、今回の処理を終了する。
このように、以上説明した第6実施の形態においては、以下のような作用効果を奏することができる。
(1)運転意図推定装置1は、自車両の車両周囲状態に基づいて、運転意図を与えられた複数の異なる仮想のドライバについて、各仮想ドライバが与えられた運転意図を遂行するために必要な運転操作量Oidを算出し、算出した複数の仮想ドライバの運転操作量Oidと実際のドライバの運転操作量Ordとの近似度合をそれぞれ算出する。そして、複数の運転操作量近似度合に基づいて実際のドライバの運転意図を推定する。仮想ドライバ運転操作量補正部90は、仮想ドライバ運転操作量計算部40で計算される仮想ドライバの運転操作量Oidを、自車両前方の障害物状況に基づいて補正する。これにより、自車両前方の障害物状況が実際のドライバの運転操作に与える影響を考慮して、精度よく運転意図を推定することができる。
(2)仮想ドライバ運転操作量補正部90は、障害物状況として自車両前方の先行車の走行状況に基づいて補正を行う。これにより、先行車の走行状況に応じた実際のドライバの運転特性を考慮して、精度よく運転意図を推定することができる。
(3)仮想ドライバ運転操作量補正部90は、複数の仮想ドライバのうち車線変更意図を与えられた仮想ドライバの運転操作量θid_lcを算出するための目標位置を、先行車の車線内における横方向位置xlsに応じて変更することにより、仮想ドライバの運転操作量θid_lcを補正する。具体的には、図4に示すような車線変更意図の前方参照点LCL(i),LCR(i)を先行車の車線内横位置xlsに応じて車幅(左右)方向に移動するように、車線変更意図モデルの操舵角θid_lcに補正係数Kxlを乗ずる。このように車線変更意図の仮想ドライバの運転操作量θid_lcの算出基準となる目標位置、すなわち前方参照点LCL(i),LCR(i)を変更することにより、先行車の走行状況に応じて変化する実際のドライバの運転行動に合った運転意図を推定することができる。
(4)仮想ドライバ運転操作量補正部90は、先行車の車線内横位置xlsが左右いずれかの車線端に近づくほど、その車線端方向への車線変更意図の目標位置を車線位置意図の目標位置から遠ざける。例えば、図2(c)に示すように先行車の車線内横位置xlsが右側の車線端に近づいている場合は、右車線変更意図の目標位置である前方参照点LCR(i)が車線維持意図の前方参照点LK(i)から遠ざかるように設定する。これにより、破線で示すような運転者の運転操作に合った仮想ドライバの運転操作量θid_lcを算出することができる。
(5)仮想ドライバ運転操作量補正部90は、先行車の車線内横位置xlsが左右いずれかの車線端に近づくほど、その車線端方向とは反対方向への車線変更意図の目標位置を車線位置意図の目標位置に近づける。例えば、図2(b)に示すように先行車の車線内横位置xlsが左側の車線端に近づいている場合は、右車線変更意図の目標位置である前方参照点LCR(i)が車線維持意図の前方参照点LK(i)に近づくように設定する。これにより、破線で示すような運転者の運転操作に合った仮想ドライバの運転操作量θid_lcを算出することができる。
(6)仮想ドライバ運転操作量補正部90による目標位置の変更は、具体的には、図19に示すように車線内横位置xlsが大きくなるほど、その車線端方向への車線変更意図モデルの操舵角補正係数Kxlを徐々に大きくし、反対方向への車線変更意図モデルの操舵角補正係数Kxlを徐々に小さくすることにより実現できる。操舵角補正係数Kxlを乗ずることにより車線変更意図モデルの操舵角θid_lcが変化するので、先行車の走行状況に応じて変化する実際のドライバの運転行動に合った運転意図を推定することができる。
《第7の実施の形態》
本発明の第7の実施の形態による運転意図推定装置について、図面を用いて説明する。第7の実施の形態による運転意図推定装置の基本構成は、図17に示した第6の実施の形態と同様である。ここでは、第6の実施の形態との相違点を主に説明する。
第7の実施の形態においては、車線端から先行車までの距離に基づいて車線変更意図モデルの操舵角補正係数Kxlを設定する。具体的には、自車両が走行する道路の車線端から自車両の前方に存在する先行車の左右方向の車体端部までの距離xlmを検出する(図8参照)。先行車の右端部から右側の車線端までの距離をxlmr、左端部から左側の車線端までの距離をxlmlとする。
図20に、先行車の車体端部から車線端までの距離xlmと車線変更意図モデルの操舵角補正係数Kxlとの関係を示す。なお、図20は右側の車線端までの距離xlmrと左側の車線端までの距離xlmlをまとめて表している。右側の車線端までの距離xlmrに応じて右車線変更意図モデルの操舵角補正係数Kxl_lcrを設定し、左側の車線端までの距離xlmlに応じて左車線変更意図モデルの操舵角補正係数Kxl_lclを設定する。
例えば先行車が右側の車線端に接近して走行している場合は、自車両が右側へ車線変更を行う際に必要な操舵量が大きくなり、左側へ車線変更を行う際に必要な操舵量は小さくなる。そこで、図20に示すように、先行車の車体端部から車線端までの距離xlmが所定値xlm1よりも小さい場合は、その車線端方向への車線変更意図を有する仮想ドライバの操舵角補正係数Kxlを徐々に大きくする。一方、車線端までの距離xlmが所定値xlm2よりも大きくなると、操舵角補正係数Kxlを徐々に小さくする。
xlm1<xlm<xlm2で先行車が車線中央領域を走行している場合は、車線変更意図モデルの操舵角補正係数Kxlを1とする。
このように、以上説明した第7の実施の形態においては、とくに以下のような作用効果を奏することができる。
(1)仮想ドライバ運転操作量補正部90は、複数の仮想ドライバのうち車線変更意図を与えられた仮想ドライバの運転操作量θid_lcを算出するための目標位置を、先行車の横方向の車体端部と車線端との距離xlmに応じて変更することにより、仮想ドライバの運転操作量θid_lcを補正する。具体的には、図4に示すような車線変更意図の前方参照点LCL(i),LCR(i)を先行車の車体端部から車線端までの距離xlmに応じて車幅(左右)方向に移動するように、車線変更意図モデルの操舵角θid_lcに補正係数Kxlを乗ずる。このように車線変更意図の仮想ドライバの運転操作量θid_lcの算出基準となる目標位置、すなわち前方参照点LCL(i),LCR(i)を変更することにより、先行車の走行状況に応じて変化する実際のドライバの運転行動に合った運転意図を推定することができる。
(2)仮想ドライバ運転操作量補正部90による目標位置の変更は、具体的には、図20に示すように先行車の車体端部から車線端までの距離xlmが小さくなるほど、その車線端方向への車線変更意図モデルの操舵角補正係数Kxlを徐々に大きくし、反対方向への車線変更意図モデルの操舵角補正係数Kxlを徐々に小さくすることにより実現できる。操舵角補正係数Kxlを乗ずることにより車線変更意図モデルの操舵角θid_lcが変化するので、先行車の走行状況に応じて変化する実際のドライバの運転行動に合った運転意図を推定することができる。
《第8の実施の形態》
本発明の第8の実施の形態による運転意図推定装置について、図面を用いて説明する。第8の実施の形態による運転意図推定装置の基本構成は、図17に示した第6の実施の形態と同様である。ここでは、第6の実施の形態との相違点を主に説明する。
第8の実施の形態においては、車線端から先行車までの距離にオフセット量を加えた距離に基づいて車線変更意図モデルの操舵角補正係数Kxlを設定する。具体的には、自車両が走行する道路の車線端から自車両の前方に存在する先行車の左右方向の車体端部までの距離xlmを検出し、距離xlmにオフセット量xloffを加算した距離xlmoffを設定する(図10参照)。先行車の右端部から右側の車線端までの距離xlmrにオフセット量xloffを加えた距離をxlmoff_r、左端部から左側の車線端までの距離xlmlにオフセット量xloffを加えた距離をxlmoff_lとする。
なお、オフセット量xloffは、図11に示したように先行車の車幅Wlに応じて設定する。
図21に、先行車の車体端部から車線端までの距離xlmにオフセット量xloffを加えた距離xlmoffと車線変更意図モデルの操舵角補正係数Kxlとの関係を示す。なお、図21は右側の車線端までの距離xlmrにオフセット量xloffを加えた距離xlmoff_rと左側の車線端までの距離xlmlにオフセット量xloffを加えた距離xlmoff_lをまとめて表している。右側の車線端に関する距離xlmoff_rに応じて右車線変更意図モデルの操舵角補正係数Kxl_lcrを設定し、左側の車線端に関する距離xlmoff_lに応じて左車線変更意図モデルの操舵角補正係数Kxl_lclを設定する。
例えば先行車が右側の車線端に接近して走行している場合、もしくは先行車の車幅Wlが大きい場合は、自車両が右側へ車線変更を行う際に必要な操舵量が大きくなり、左側へ車線変更を行う際に必要な操舵量は小さくなる。そこで、図21に示すように、先行車の車体端部から車線端までの距離xlmにオフセット量xloffを加えた距離xlmoffが所定値xlmoff1よりも小さい場合は、その車線端方向への車線変更意図を有する仮想ドライバの操舵角補正係数Kxlを徐々に大きくする。一方、車線端までの距離xlmにオフセット量xloffを加えた距離xlmoffが所定値xlmoff2よりも大きくなると、操舵角補正係数Kxlを徐々に小さくする。
xlmoff1<xlmoff<xlmoff2の場合は、車線変更意図モデルの操舵角補正係数Kxlを1とする。
このように、以上説明した第8の実施の形態においては、とくに以下のような作用効果を奏することができる。
(1)仮想ドライバ運転操作量補正部90は、先行車の車体端部と車線端との距離にオフセット量(補正値)xloffを加えて補正した値xlmoffを用いて、車線変更意図モデルの目標位置を設定する。図11に示すように先行車の車幅Wlに応じて設定されるオフセット量xloffを加えて目標位置を設定することにより、先行車の車幅に応じて変化する実際のドライバの運転行動に合った運転意図を推定することができる。
(2)仮想ドライバ運転操作量補正部90による目標位置の変更は、具体的には、図21に示すように先行車の車体端部から車線端までの距離xlmにオフセット量(補正値)xloffを加えた距離xlmoffに応じて車線変更意図モデルの操舵角補正係数Kxlを設定することにより実現できる。
《第9の実施の形態》
つぎに、本発明の第9の実施の形態による車両用運転操作補助装置について、図面を用いて説明する。図22は、本発明の第9の実施の形態による車両用運転操作補助装置100の構成を示すシステム図であり、図23は、車両用運転操作補助装置100を搭載した車両の構成図である。車両用運転操作補助装置100は、第1から第8の実施の形態で説明した運転意図推定装置1、2の運転意図推定結果に基づいて、実際のドライバの運転操作を補助するものである。
まず、車両用運転操作補助装置100の構成を説明する。
レーザレーダ110は、車両の前方グリル部もしくはバンパ部等に取り付けられ、水平方向に赤外光パルスを照射して自車両の前方領域を走査する。レーザレーダ110は、前方にある複数の反射物(通常、先行車の後端)で反射された赤外光パルスの反射波を計測し、反射波の到達時間より、先行車までの車間距離と相対速度を検出する。検出した車間距離及び相対速度はコントローラ150へ出力される。レーザレーダ110によりスキャンされる前方の領域は、自車正面に対して±6deg 程度であり、この範囲内に存在する前方物体が検出される。
前方カメラ120は、フロントウィンドウ上部に取り付けられた小型のCCDカメラ、またはCMOSカメラ等であり、前方道路の状況を画像として検出する。前方カメラ120からの画像信号は画像処理装置130で画像処理を施され、コントローラ150へと出力される。前方カメラ120による検知領域は車両の前後方向中心線に対して水平方向に±30deg程度であり、この領域に含まれる前方道路風景が画像として取り込まれる。
車速センサ140は、車輪の回転数や変速機の出力側の回転数を計測することにより自車両の車速を検出し、検出した自車速をコントローラ150に出力する。
さらに、上述した第1から第5のいずれかの実施の形態による運転意図推定装置1によって推定された実際のドライバの運転意図推定結果がコントローラ150へ入力される。なお、第6から第8のいずれかの実施の形態による運転意図推定装置2の推定結果を用いてもよいことはもちろんである。
コントローラ150は、CPUと、ROMおよびRAM等のCPU周辺部品とから構成される。コントローラ150は、例えばCPUのソフトウェア形態により、リスクポテンシャル計算部151,アクセルペダル反力指令値計算部152,およびアクセルペダル反力指令値補正部153を構成する。
リスクポテンシャル計算部151は、レーザレーダ110および車速センサ140から入力される自車速、車間距離および先行車両との相対車速と、画像処理装置130から入力される車両周辺の画像情報とから、自車両周囲のリスクポテンシャルRPを算出する。アクセルペダル反力指令値計算部152は、リスクポテンシャル計算部151で算出されたリスクポテンシャルRPに基づいて、アクセルペダル160に発生させるアクセルペダル反力の指令値FAを算出する。
アクセルペダル反力指令値補正部153は、運転意図推定装置1から入力される運転意図推定結果に基づいて、アクセルペダル反力指令値計算部152で算出されたアクセルペダル反力指令値FAを補正する。アクセルペダル反力指令値補正部153で補正されたアクセルペダル反力指令値FAは、アクセルペダル反力制御装置170へ出力される。
アクセルペダル反力制御装置170は、コントローラ150からの指令値に応じてアクセルペダル操作反力を制御する。アクセルペダル160には、リンク機構を介してサーボモータ180およびアクセルペダルストロークセンサ181が接続されている(図24参照)。サーボモータ180は、アクセルペダル反力制御装置170からの指令に応じてトルクと回転角とを制御し、運転者がアクセルペダル160を操作する際に発生する操作反力を任意に制御する。アクセルペダルストロークセンサ181は、リンク機構を介してサーボモータ180の回転角に変換されたアクセルペダル160のストローク量(操作量)ASを検出する。
なお、アクセルペダル反力制御を行わない場合の通常のアクセルペダル反力特性は、例えば、操作量ASが大きくなるほどアクセルペダル反力がリニアに大きくなるよう設定されている。通常のアクセルペダル反力特性は、例えばアクセルペダル160の回転中心に設けられたねじりバネ(不図示)のバネ力によって実現することができる。
つぎに、第9の実施の形態による車両用運転操作補助装置100の動作を説明する。まず、その概要を説明する。
コントローラ150は、自車両周囲のリスクポテンシャルRP、具体的には先行車に対するリスクポテンシャルに基づいて、アクセルペダル160に発生するアクセルペダル反力を制御する。ここで、ドライバが車線変更する意図を持って先行車に接近する場合、リスクポテンシャルRPの増加に応じてアクセルペダル反力を増加すると、ドライバの運転操作を妨げたりドライバに違和感を与える可能性がある。そこで、運転意図推定装置1によってドライバの車線変更意図が推定される場合は、車線変更意図が推定されない場合に比べてアクセルペダル反力を小さくする。さらに、運転意図推定に用いた車線変更推定しきい値Tに基づいてアクセルペダル反力を調整する。
上述したように、車線変更推定しきい値Tを大きく設定することにより、車線維持中に車線変更であると誤推定される頻度は低減する。しかし、車線変更意図の推定精度が高くなる反面、車線変更の意図を推定するタイミングが遅くなってしまう。一方、車線変更推定しきい値Tを小さく設定すると、車線変更の意図を推定する感度が上昇して推定タイミングは早くなるが、車線変更であると誤推定する頻度が増加する。
そこで、ドライバの運転意図が車線変更であると推定された場合、車線変更推定しきい値Tが大きいときは車線変更推定タイミングの遅れを補償するように、アクセルペダル反力を調整する。
以下に、車両用運転操作補助装置100の動作を、図25のフローチャートを用いて詳細に説明する。図25は、コントローラ150における運転操作補助制御プログラムの処理手順を示すフローチャートである。本処理内容は、一定間隔(例えば50msec)毎に連続的に行われる。
ステップS401で、レーザレーダ110、前方カメラ120および車速センサ140によって検出される自車両周囲の走行環境を表す環境状態量を読み込む。具体的には、自車両と先行車との車間距離D、先行車速V2および自車速V1を読み込む。ステップS402では、ステップS401で読み込んだ走行環境データに基づいて、自車両周囲のリスクポテンシャルRPを算出する。ここでは、自車両周囲のリスクポテンシャルRPを算出するために、先行車に対する余裕時間TTCと車間時間THWとを算出する。
余裕時間TTCは、先行車に対する現在の自車両の接近度合を示す物理量である。余裕時間TTCは、現在の走行状況が継続した場合、つまり自車速V1、先行車速V2および相対車速Vr(Vr=V2−V1)が一定の場合に、何秒後に車間距離Dがゼロとなり自車と先行車両とが接触するかを示す値である。余裕時間TTCは、以下の(式11)により求められる。
TTC=−D/Vr ・・・(式11)
余裕時間TTCの値が小さいほど、先行車への接触が緊迫し、先行車への接近度合が大きいことを意味している。例えば先行車への接近時には、余裕時間TTCが4秒以下となる前に、ほとんどの運転者が減速行動を開始することが知られている。
車間時間THWは、自車両が先行車に追従走行している場合に、想定される将来の先行車の車速変化による余裕時間TTCへの影響度合、つまり相対車速Vrが変化すると仮定したときの影響度合を示す物理量である。車間時間THWは、以下の(式12)で表される。
THW=D/V1 ・・・(式12)
車間時間THWは、車間距離Dを自車速V1で除したものであり、先行車の現在位置に自車両が到達するまでの時間を示す。この車間時間THWが大きいほど、周囲の環境変化に対する予測影響度合が小さくなる。つまり、車間時間THWが大きい場合には、もしも将来に先行車の車速が変化しても、先行車までの接近度合には大きな影響を与えず、余裕時間TTCはあまり大きく変化しないことを示す。なお、自車両が先行車に追従し、自車速V1=先行車速V2である場合は、(式12)において自車速V1の代わりに先行車速V2を用いて車間時間THWを算出することもできる。
そして、算出した余裕時間TTCと車間時間THWとを用いて先行車に対するリスクポテンシャルRPを算出する。先行車に対するリスクポテンシャルRPは、以下の(式13)を用いて算出することができる。
RP=a/THW+b/TTC ・・・(式13)
(式13)に示すように、リスクポテンシャルRPは、余裕時間TTCと車間時間THWとから連続的に表現される物理量である。ここで、a、bは、車間時間THWおよび余裕時間TTCにそれぞれ適切な重み付けをするための定数であり、予め適切な値を設定しておく。定数a、bは、例えばa=1,b=8(a<b)に設定する。
ステップS403では、アクセルペダルストロークセンサ181によって検出されるアクセルペダル160のストローク量Sを読み込む。ステップS404では、ステップS402で算出したリスクポテンシャルRPに基づいて、アクセルペダル反力指令値FAを算出する。まず、リスクポテンシャルRPに応じた反力増加量ΔFを算出する。
図26に、先行車に対するリスクポテンシャルRPと反力増加量ΔFとの関係を示す。図26に示すように、リスクポテンシャルRPが最小値RPmin以下の場合は、反力増加量ΔFを0とする。これは、自車両周囲のリスクポテンシャルRPが非常に小さいときにアクセルペダル反力FAを増加することによって、運転者に煩わしさを与えてしまうことを避けるためである。最小値RPminは、予め適切な値を設定しておく。
リスクポテンシャルRPが最小値RPminを超える領域では、リスクポテンシャルRPに応じて反力増加量ΔFが指数関数的に増加するように設定する。反力増加量ΔFは、以下の(式14)で表される。
ΔF=k・RP・・・(式14)
ここで、定数k、nはそれぞれ車種等によって異なり、ドライブシミュレータや実地試験によって取得される結果に基づいて、リスクポテンシャルRPを効果的に反力増加量ΔFに変換できるように予め適切に設定しておく。
さらに、(式14)に従って算出した反力増加量ΔFを、アクセルペダルストローク量Sに応じた通常の反力特性に加算することにより、アクセルペダル反力指令値FAを算出する。
ステップS405では、運転意図推定装置1による運転意図の推定結果を読み込み、推定結果が車線変更であるか否かを判定する。ドライバの運転意図が車線変更であると推定された場合は、ステップS406へ進む。ステップS406では、運転意図推定装置1において車線変更であると推定したときの車線変更推定しきい値Tを読み込む。ここで、今回の周期以前から運転意図が車線変更であると推定されていた場合は、車線変更意図が初めて推定されたときの車線変更推定しきい値Tをそのまま使用する。
続くステップS407では、車線変更意図が推定された場合に、その車線変更推定しきい値Tに基づいて、ステップS404で算出したアクセルペダル反力指令値FAを補正する。具体的には、ステップS404で算出したアクセルペダル反力指令値FAにローパスフィルタ等のフィルタ処理を施して減衰させる。
補正後のアクセルペダル反力指令値FAは、以下の(式15)を用いて表すことができる。なお、(式15)において補正後の反力指令値FAを制御用の反力指令値としてFAcで表す。
FAc=gf(FA)
=kf・{1/(1+Kfdx・a・Tsf)}・FA ・・・(式15)
ここで、aは適切に設定された定数、Tsfは反力指令値FAを減衰させる際の時定数である。Kfdxはアクセルペダル反力指令値FAを補正するために時定数Tsfにかかる補正係数であり、図27に示すように車線変更意図推定しきい値Tに応じて設定される。
車線変更推定しきい値Tが所定値T1(<T0)よりも小さい場合は、車線変更意図の推定タイミングが早まるので、図27に示すように補正係数Kfdxを徐々に大きくする。車線変更推定しきい値Tが所定値T2(>T0)よりも大きい場合は、車線変更意図の推定タイミングが遅くなるので、補正係数Kfdxを徐々に小さくする。T1≦T≦T2の場合は、補正係数Kfdx=1とする。これにより、推定しきい値Tが大きくなるほど時定数項(Kfdx・a・Tsf)が小さくなり、アクセルペダル反力を速やかに減衰させることができる。
なお、推定しきい値Tに応じて時定数Tsfを直接設定することももちろん可能である。
一方、ステップS405において運転意図推定装置1によって推定された運転意図が車線変更ではないと判定された場合は、ステップS408へ進み、ステップS404で算出したアクセルペダル反力指令値FAをそのまま制御用の指令値FAcとして設定する。
ステップS409では、ステップS407またはS408で設定したアクセルペダル反力指令値FAcを、アクセルペダル反力制御装置170へ出力する。アクセルペダル反力制御装置170は、コントローラ150から入力された指令に従ってサーボモータ180を制御する。これにより、今回の処理を終了する。
このように、以上説明した第9の実施の形態においては、以下のような作用効果を奏することができる。
(1)コントローラ150は、自車両周囲の障害物状況に基づいてリスクポテンシャルRPを算出し、リスクポテンシャルRPに基づいてアクセルペダル操作反力制御を行う。このとき、運転意図推定装置1による推定結果、および車線変更推定しきい値Tに基づいてアクセルペダル160に発生する操作反力を補正する。これにより、自車両周囲のリスクポテンシャルRPを車両操作機器であるアクセルペダル160の操作反力としてドライバに伝えながら、ドライバの運転意図に合った操作反力制御を行うことができる。さらに、運転意図推定装置1において車線変更意図を推定したときの状況に応じてシステムの性能を補償することができる。
(2)コントローラ150は、運転意図推定結果および車線変更推定しきい値Tに基づいて、リスクポテンシャルRPと操作反力、すなわちアクセルペダル反力指令値FAとの関係を補正する。具体的には、運転意図推定装置1によってドライバの運転意図が車線変更であると推定されると、車線変更以外であると推定される場合に比べてアクセルペダル反力指令値FAを低下するとともに、しきい値Tが大きい場合はしきい値Tが小さい場合よりもアクセルペダル反力指令値FAを低下する。運転意図が車線変更である場合にアクセルペダル反力指令値FAを低下することにより、車線変更を行おうとするドライバの運転操作を妨げることがない。ただし、しきい値Tが大きいと、車線変更意図の推定精度が高くなり誤推定が減少する反面、車線変更意図の推定タイミングが遅くなる。そこで、しきい値Tが大きくなるほど図27に示すように時定数Tsfにかかる係数Kfdxを小さくし、車線変更意図が推定されてからアクセルペダル操作反力が速やかに減衰するようにする。これにより、車線変更意図の誤推定の低減と、アクセルペダル反力制御の性能の確保を両立させることができる。
《第10の実施の形態》
本発明の第10の実施の形態による車両用運転操作補助装置について、図面を用いて説明する。図28は、本発明の第10の実施の形態による車両用運転操作補助装置200の構成を示すシステム図である。図28において、図22に示した第9の実施の形態と同様の機能を有する箇所には同一の符号を付している。ここでは、第9の実施の形態との相違点を主に説明する。
第10の実施の形態においては、運転意図推定装置1によってドライバの車線変更意図が推定された場合に、自車両周囲のリスクポテンシャルRPを補正する。そこで、車両用運転操作補助装置200のコントローラ150Aは、リスクポテンシャル計算部151、リスクポテンシャル補正部154、およびアクセルペダル反力指令値計算部155を備えている。
次に、第10の実施の形態による車両用運転操作補助装置200の動作を、図29を用いて詳細に説明する。図29は、コントローラ150Aにおける運転操作補助制御プログラムの処理手順を示すフローチャートである。本処理内容は、一定間隔(例えば50msec)ごとに連続的に行われる。ステップS501およびS502での処理は、図25のフローチャートのステップS401およびS402での処理と同様であるので説明を省略する。
ステップS503では、運転意図推定装置1による運転意図の推定結果を読み込み、推定結果が車線変更であるか否かを判定する。ドライバの運転意図が車線変更であると推定された場合は、ステップS504へ進む。ステップS504では、運転意図推定装置1において車線変更であると推定し始めたときの車線変更推定しきい値Tを読み込む。
続くステップS505では、車線変更意図が推定された場合に、ステップS504で読み込んだ車線変更推定しきい値Tに基づいて、ステップS502で算出したリスクポテンシャルRPを補正する。具体的には、ステップS502で算出したリスクポテンシャルRPにローパスフィルタ等のフィルタ処理を施して減衰させる。
フィルタ処理後のリスクポテンシャルRPは、以下の(式16)を用いて表すことができる。なお、(式16)において実際に制御に用いる補正後のリスクポテンシャルをRPcで表す。
RPc=gr(RP)
=kr・{1/(1+Krdx・a・Tsr)}・RP ・・・(式16)
ここで、aは適切に設定された定数、TsrはリスクポテンシャルRPを減衰させる際の時定数である。KrdxはリスクポテンシャルRPを補正するために時定数Tsrにかかる補正係数であり、図30に示すように車線変更意図推定しきい値Tに応じて設定される。
車線変更推定しきい値Tが所定値T1(<T0)よりも小さい場合は、車線変更意図の推定タイミングが早まるので、図30に示すように補正係数Krdxを徐々に大きくする。車線変更推定しきい値Tが所定値T2(>T0)よりも大きい場合は、車線変更意図の推定タイミングが遅くなるので、補正係数Krdxを徐々に小さくする。T1≦T≦T2の場合は、補正係数Krdx=1とする。これにより、推定しきい値Tが大きくなるほど時定数項(Krdx・a・Tsr)が小さくなるので、アクセルペダル反力を速やかに減衰させることができる。
なお、推定しきい値Tに応じて時定数Tsrを直接設定することももちろん可能である。
一方、ステップS503において運転意図推定装置1によって推定された運転意図が車線維持であると判定された場合は、ステップS506へ進み、ステップS502で算出したリスクポテンシャルRPをそのまま制御用のリスクポテンシャルRPcとして設定する。
つづくステップS507では、アクセルペダルストロークセンサ181によって検出されるアクセルペダルストローク量Sを読み込む。ステップS508では、ステップS505またはステップS506で設定したリスクポテンシャルRPcに基づいてアクセルペダル反力指令値FAを算出する。ここでは、上述した第9の実施の形態と同様に、例えば図26のマップにしたがってアクセルペダル反力指令値FAを算出する。ただし、RP→RPcとする。ステップS509では、ステップS508で算出したアクセルペダル反力指令値FAをアクセルペダル反力制御装置170へ出力する。これにより、今回の処理を終了する。
このように、以上説明した第10の実施の形態においては、とくに以下のような作用効果を奏することができる。
コントローラ150Aは、運転意図推定結果および車線変更推定しきい値Tに基づいて、リスクポテンシャルRPと操作反力、すなわちアクセルペダル反力指令値FAとの関係を補正する。具体的には、運転意図推定装置1によってドライバの運転意図が車線変更であると推定されると、車線変更以外であると推定される場合に比べてリスクポテンシャルRPを低下するとともに、しきい値Tが大きい場合はしきい値Tが小さい場合よりもリスクポテンシャルRPを低下する。運転意図が車線変更である場合にリスクポテンシャルRPを低下することによりアクセルペダル反力指令値FAが低下し、車線変更を行おうとするドライバの運転操作を妨げることがない。ただし、しきい値Tが大きいと、車線変更意図の推定精度が高くなり誤推定が減少する反面、車線変更意図の推定タイミングが遅くなる。そこで、しきい値Tが大きい場合には、図30に示すように時定数Tsrにかかる係数Krdxを小さくし、車線変更意図が推定されてからリスクポテンシャルRPが速やかに減衰するようにする。これにより、車線変更意図の誤推定の低減と、リスクポテンシャルRPに応じたアクセルペダル反力制御の性能の確保を両立させることができる。
なお、第6から第8の実施の形態による運転意図推定装置2では、車線変更意図推定しきい値Tを固定値としていたので、運転意図推定結果を第9または第10の実施の形態による車両用運転操作補助装置100,200で利用する場合は、しきい値Tに応じてアクセルペダル反力指令値FAまたはリスクポテンシャルRPを補正する必要はない。
上述した第1から第8の実施の形態においては、自車両が車線変更を行う際に先行車の走行状況もしくは自車両と先行車の相対位置関係が実際のドライバの運転行動に及ぼす影響を考慮して、車線変更意図推定しきい値Tや車線変更意図モデルの操舵角θid_lcを変更した。先行車の走行状況もしくは自車両と先行車の相対位置関係は、上述した第1から第8の実施の形態で用いたパラメータ以外を用いることももちろん可能である。
上述した第1から第8の実施の形態においては、仮想ドライバと実際のドライバの現在から過去の所定時間までの系列的な運転操作量近似度合Pidsを算出し、系列近似度合Pidsに基づいて、(式10)から車線変更意図スコアScを算出した。ただし、これには限定されず、仮想ドライバと実際のドライバの現時点での仮想ドライバの運転操作量近似度合Pidに基づいて車線変更意図スコアScを算出し、運転意図の推定を行うことも可能である。
また、車線変更意図尤度のスコアScを算出する代わりに、車線変更意図尤度Pr(LC)と車線維持意図尤度Pr(LK)から車線維持意図尤度のスコアを算出し、これをしきい値と比較して車線維持意図を推定することも可能である。さらに、スコアScを算出することなく、最も大きな運転操作量系列近似度合Pidsを有する仮想ドライバの運転意図を実際のドライバの運転意図として推定することもできる。
上述した第9および第10の実施の形態においては、自車両と先行車との余裕時間TTCおよび車間時間THWとを用いてリスクポテンシャルRPを算出した。ただしこれには限定されず、例えば余裕時間TTCの逆数をリスクポテンシャルとして用いることもできる。また、リスクポテンシャルRPと反力増加量ΔFとの関係は図26に示すものには限定されず、リスクポテンシャルRPが大きくなるほど反力増加量ΔFが増加するような種々のマップを用いることができる。
上述した第9の実施の形態においては、リスクポテンシャルRPに応じた反力増加量ΔFを通常の反力特性に加算した反力指令値FAを補正および再補正したが、これには限定されず、反力増加量ΔFを再補正してから通常の反力特性に加算して反力指令値FAの再補正値FAccを算出することも可能である。
以上説明した第1から第8の実施の形態においては、運転操作量検出部10が運転操作量検出手段として機能し、車両周囲状態検出部20が車両周囲状態検出手段および障害物検出手段として機能し、仮想ドライバ運転操作量計算部40が仮想ドライバ運転操作量計算手段として機能し,運転意図推定部70が運転意図推定手段として機能し、運転意図推定基準可変設定部60が運転意図推定基準変更手段として機能し、仮想ドライバ運転操作量補正部90が仮想ドライバ運転操作量補正手段として機能することができる。また、レーザレーダ110,前方カメラ120および車速センサ140が障害物検出手段として機能し、リスクポテンシャル計算部151がリスクポテンシャル算出手段として機能し,アクセルペダル反力指令値計算部152,155が操作反力算出手段として機能し、アクセルペダル反力制御装置170が操作反力発生手段として機能することができる。アクセルペダル反力指令値補正部152およびリスクポテンシャル補正部154は補正手段として、具体的には操作反力補正手段およびリスクポテンシャル補正手段としてそれぞれ機能することができる、ただし、これらには限定されず、障害物検出手段として、別方式のミリ波レーダ等を用いることもできる。また、操作反力発生手段として、アクセルペダルとは異なる車両操作機器、たとえば操舵装置に操舵反力を発生させる操舵反力制御装置や、車両の駆動指令を出力するジョイスティックレバーに反力を発生させる装置を用いることも可能である。
第1の実施の形態による運転意図推定装置のシステム図。 (a)〜(c)車線変更を行う場合の先行車の走行状況に応じた自車両の走行軌跡の例を示す図。 第1の実施の形態における運転意図推定処理の処理手順を示すフローチャート。 仮想ドライバの運転操作量の算出方法を説明する図。 仮想ドライバの運転操作量系列近似度合の算出方法を説明する図。 先行車の車線内横位置を示す図。 先行車の車線内横位置と車線変更意図推定しきい値との関係を示す図。 先行車の車体端部と車線端との距離を示す図。 先行車の車体端部と車線端との距離と車線変更意図推定しきい値との関係を示す図。 先行車の車体端部と車線端との距離にオフセット量を加えた距離を示す図。 先行車の車幅とオフセット量との関係を示す図。 先行車の車体端部と車線端との距離にオフセット量を加えた距離と車線変更意図推定しきい値との関係を示す図。 自車両と先行車との中心位置間距離を示す図。 自車両と先行車との中心位置間距離と車線変更意図推定しきい値との関係を示す図。 自車両と先行車との外端部距離を示す図。 自車両と先行車との外端部距離と車線変更意図推定しきい値との関係を示す図。 第6の実施の形態による運転意図推定装置のシステム図。 第6の実施の形態における運転意図推定処理の処理手順を示すフローチャート。 先行車の車線内横位置と車線変更意図モデルの操舵角補正係数との関係を示す図。 先行車の車体端部と車線端との距離と車線変更意図モデルの操舵角補正係数との関係を示す図。 先行車の車体端部と車線端との距離にオフセット量を加えた距離と車線変更意図モデルの操舵角補正係数との関係を示す図。 第9の実施の形態による車両用運転操作補助装置のシステム図。 図22に示す車両用運転操作補助装置を搭載した車両の構成図。 アクセルペダルおよびその周辺の構成を示す図。 第9の実施の形態における運転操作補助制御処理の処理手順を示すフローチャート。 リスクポテンシャルと反力増加量との関係を示す図。 車線変更意図推定しきい値とアクセルペダル反力指令値の補正係数との関係を示す図。 第10の実施の形態による車両用運転操作補助装置のシステム図。 第10の実施の形態における運転操作補助制御処理の処理手順を示すフローチャート。 車線変更意図推定しきい値とリスクポテンシャルの補正係数との関係を示す図。
符号の説明
1,2:運転意図推定装置
10:運転操作量検出部
20:車両周囲状態検出部
30:車両状態検出部
40:仮想ドライバ運転操作量計算部
50:仮想ドライバ運転操作量近似度合計算部
60:運転意図推定基準可変設定部
70:運転意図推定部
90:仮想ドライバ運転操作量補正部
100,200:車両用運転操作補助装置
150,150A:コントローラ
170:アクセルペダル反力制御装置

Claims (31)

  1. 自車両の車両周囲状態を検出する車両周囲状態検出手段と、
    実際のドライバによる運転操作量を検出する運転操作量検出手段と、
    車線変更または車線維持の運転意図を与えられた複数の異なる仮想のドライバについて、前記車両周囲状態検出手段によって検出される前記車両周囲状態に基づいて、各仮想ドライバが前記運転意図を遂行するために必要な運転操作量を計算する仮想ドライバ運転操作量計算手段と、
    前記仮想ドライバ運転操作量計算手段によって計算された複数の仮想ドライバの前記運転操作量と、前記運転操作量検出手段によって検出された前記実際のドライバの前記運転操作量との近似度合(以降、運転操作量近似度合とする)をそれぞれ計算する運転操作量近似度合計算手段と、
    前記運転操作量近似度合計算手段によって計算された複数の前記運転操作量近似度合に基づいて、車線変更または車線維持の確信度を表すスコアを算出し、算出したスコアを運転意図推定基準と比較することによって前記実際のドライバの運転意図を推定する運転意図推定手段と、
    前記自車両前方の先行車の車線内における横方向位置を検出する障害物状況検出手段と、
    前記障害物状況検出手段で検出された前記先行車の横方向位置に基づいて前記運転意図推定基準を設定する運転意図推定基準変更手段とを備えることを特徴とする運転意図推定装置。
  2. 請求項1に記載の運転意図推定装置において、
    前記障害物状況検出手段は、前記先行車の横方向位置として、車線中央から前記先行車の左右方向中心点までの距離を検出することを特徴とする運転意図推定装置。
  3. 請求項2に記載の運転意図推定装置において、
    前記運転意図推定基準変更手段は、前記先行車の前記横方向位置が左右いずれかの車線端に近づくほど、前記車線端方向への車線変更意図の推定感度が高くなるように、前記車線変更意図に関する前記運転意図推定基準を小さくすることを特徴とする運転意図推定装置。
  4. 請求項2または請求項3に記載の運転意図推定装置において、
    前記運転意図推定基準変更手段は、前記先行車の前記横方向位置が左右いずれかの車線端に近づくほど、前記車線端とは反対方向への車線変更意図の推定精度が高くなるように、前記車線変更意図に関する前記運転意図推定基準を大きくすることを特徴とする運転意図推定装置。
  5. 請求項1に記載の運転意図推定装置において、
    前記障害物状況検出手段は、前記先行車の横方向位置として、前記先行車の横方向の車体端部と車線端との距離を検出し、
    前記運転意図推定基準変更手段は、前記障害物状況検出手段で検出された前記先行車の横方向の車体端部と車線端との距離に応じて、前記運転意図推定基準を設定することを特徴とする運転意図推定装置。
  6. 請求項5に記載の運転意図推定装置において、
    前記運転意図推定基準変更手段は、前記先行車の前記車体端部と前記車線端との距離が小さくなるほど、前記車線端方向への車線変更意図の推定感度が高くなるように、前記車線変更意図に関する前記運転意図推定基準を小さくすることを特徴とする運転意図推定装置。
  7. 請求項5または請求項6に記載の運転意図推定装置において、
    前記運転意図推定基準変更手段は、前記先行車の前記車体端部と前記車線端との距離が小さくなるほど、前記車線端とは反対方向への車線変更意図の推定精度が高くなるように、前記車線変更意図に関する前記運転意図推定基準を大きくすることを特徴とする運転意図推定装置。
  8. 請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の運転意図推定装置において、
    前記運転意図推定基準変更手段は、前記先行車の前記車体端部と前記車線端との前記距離に補正値を加えて補正した値を用いて、前記運転意図推定基準を設定することを特徴とする運転意図推定装置。
  9. 請求項8に記載の運転意図推定装置において、
    前記補正値は、前記先行車の車幅に応じて設定されることを特徴とする運転意図推定装置。
  10. 請求項9に記載の運転意図推定装置において、
    前記補正値は、前記先行車の前記車幅が大きくなるほど大きくなるように設定されることを特徴とする運転意図推定装置。
  11. 請求項1に記載の運転意図推定装置において、
    前記障害物状況検出手段は、前記先行車の横方向位置に加えて、前記自車両の車線内における横方向の位置を検出し、
    前記運転意図推定基準変更手段は、前記障害物状況検出手段で検出された前記自車両前方の先行車および前記自車両の車線内における横方向の位置に基づいて、前記運転意図推定基準を変更することを特徴とする運転意図推定装置。
  12. 請求項11に記載の運転意図推定装置において、
    前記運転意図推定基準変更手段は、前記先行車の前記横方向の中心位置と前記自車両の前記横方向の中心位置との間の中心位置間距離に応じて、前記運転意図推定基準を設定することを特徴とする運転意図推定装置。
  13. 請求項12に記載の運転意図推定装置において、
    前記運転意図推定基準変更手段は、前記中心位置間距離が大きいほど、前記自車両の前記中心位置に対して前記先行車の前記中心位置が存在する方向への車線変更意図の推定感度が高くなるように、前記車線変更意図に関する前記運転意図推定基準を小さくすることを特徴とする運転意図推定装置。
  14. 請求項12または請求項13に記載の運転意図推定装置において、
    前記運転意図推定基準可変設定手段は、前記中心位置間距離が大きいほど、前記自車両の前記中心位置に対して前記先行車の前記中心位置が存在する方向とは反対方向への車線変更意図の推定精度が高くなるように、前記車線変更意図に関する前記運転意図推定基準を大きくすることを特徴とする運転意図推定装置。
  15. 請求項11に記載の運転意図推定装置において、
    前記運転意図推定基準変更手段は、前記先行車の前記横方向の車体外端部と前記自車両の前記横方向の車体外端部との間の外端部距離に応じて、前記運転意図推定基準を設定することを特徴とする運転意図推定装置。
  16. 請求項15に記載の運転意図推定装置において、
    前記運転意図推定基準変更手段は、前記外端部距離が大きいほど、前記自車両に対して前記先行車がオフセットしている方向への車線変更意図の推定感度が高くなるように、前記車線変更意図に関する前記運転意図推定基準を小さくすることを特徴とする運転意図推定装置。
  17. 請求項15または請求項16に記載の運転意図推定装置において、
    前記運転意図推定基準変更手段は、前記外端部距離が大きいほど、前記自車両に対して前記先行車がオフセットしている方向とは反対方向への車線変更意図の推定精度が高くなるように、前記車線変更意図に関する前記運転意図推定基準を大きくすることを特徴とする運転意図推定装置。
  18. 自車両の車両周囲状態を検出する車両周囲状態検出手段と、
    実際のドライバによる運転操作量を検出する運転操作量検出手段と、
    車線変更または車線維持の運転意図を与えられた複数の異なる仮想のドライバについて、前記車両周囲状態検出手段によって検出される前記車両周囲状態に基づいて、各仮想ドライバが前記運転意図を遂行するために必要な運転操作量を計算する仮想ドライバ運転操作量計算手段と、
    前記自車両前方の先行車の車線内における横方向位置を検出する障害物状況検出手段と、
    前記仮想ドライバ運転操作量計算手段で計算される前記仮想ドライバの前記運転操作量を、前記障害物状況検出手段で検出された前記先行車の横方向位置に基づいて補正する仮想ドライバ運転操作量補正手段と、
    前記仮想ドライバ運転操作量補正手段によって補正された複数の仮想ドライバの前記運転操作量と、前記運転操作量検出手段によって検出された前記実際のドライバの前記運転操作量との近似度合(以降、運転操作量近似度合とする)をそれぞれ計算する運転操作量近似度合計算手段と、
    前記運転操作量近似度合計算手段によって計算された複数の前記運転操作量近似度合に基づいて、前記実際のドライバの運転意図を推定する運転意図推定手段とを備えることを特徴とする運転意図推定装置。
  19. 請求項18に記載の運転意図推定装置において、
    前記障害物状況検出手段は、前記先行車の横方向位置として、車線中央から前記先行車の左右方向中心点までの距離を検出し、
    前記仮想ドライバ運転操作量補正手段は、前記複数の仮想ドライバのうち車線変更意図を与えられた仮想ドライバの前記運転操作量を算出するための目標位置を、前記障害物状況検出手段で検出された前記先行車の横方向位置に応じて変更することにより、前記仮想ドライバの運転操作量を補正することを特徴とする運転意図推定装置。
  20. 請求項19に記載の運転意図推定装置において、
    前記仮想ドライバ運転操作量補正手段は、前記先行車の前記横方向位置が左右いずれかの車線端に近づくほど、前記車線端方向への車線変更意図の前記目標位置を車線維持意図の目標位置から遠ざけることを特徴とする運転意図推定装置。
  21. 請求項19または請求項20に記載の運転意図推定装置において、
    前記仮想ドライバ運転操作量補正手段は、前記先行車の前記横方向位置が左右いずれかの車線端に近づくほど、前記車線端とは反対方向への車線変更意図の前記目標位置を車線維持意図の目標位置に近づけることを特徴とする運転意図推定装置。
  22. 請求項18に記載の運転意図推定装置において、
    前記障害物状況検出手段は、前記先行車の横方向位置として、前記先行車の横方向の車体端部と車線端との距離を検出し、
    前記仮想ドライバ運転操作量補正手段は、前記複数の仮想ドライバのうち車線変更意図を与えられた仮想ドライバの前記運転操作量を算出するための目標位置を、前記障害物状況検出手段で検出された前記先行車の横方向の車体端部と車線端との距離に応じて変更することにより、前記仮想ドライバの運転操作量を補正することを特徴とする運転意図推定装置。
  23. 請求項22に記載の運転意図推定装置において、
    前記仮想ドライバ運転操作量補正手段は、前記先行車の前記車体端部と前記車線端との前記距離に補正値を加えて補正した値を用いて、前記目標位置を設定することを特徴とする運転意図推定装置。
  24. 請求項18に記載の運転意図推定装置において、
    前記障害物状況検出手段は、前記先行車の横方向位置として、車線中央から前記先行車の左右方向中心点までの距離を検出し、
    前記仮想ドライバ運転操作量補正手段は、前記障害物状況検出手段で検出された前記先行車の車線内における横方向位置が左右いずれかの車線端に近づくほど、前記車線端方向への車線変更意図を有する前記仮想ドライバの前記運転操作量が大きくなるように補正を行うとともに、前記車線端とは反対方向への車線変更意図を有する前記仮想ドライバの前記運転操作量が小さくなるように補正を行うことを特徴とする運転意図推定装置。
  25. 請求項18に記載の運転意図推定装置において、
    前記障害物状況検出手段は、前記先行車の横方向位置として、前記先行車の横方向の車体端部と車線端との距離を検出し、
    前記仮想ドライバ運転操作量補正手段は、前記障害物状況検出手段で検出された前記先行車の横方向の車体端部と車線端との距離が小さくなるほど、前記車線端方向への車線変更意図を有する前記仮想ドライバの前記運転操作量が大きくなるように補正を行うとともに、前記車線端とは反対方向への車線変更意図を有する前記仮想ドライバの前記運転操作量が小さくなるように補正を行うことを特徴とする運転意図推定装置。
  26. 請求項25に記載の運転意図推定装置において、
    前記仮想ドライバ運転操作量補正手段は、前記先行車の前記車体端部と前記車線端との前記距離に補正値を加えて補正した値を用いて、前記仮想ドライバの前記運転操作量を補正することを特徴とする運転意図推定装置。
  27. 請求項1から請求項17のいずれか1項に記載の運転意図推定装置と、
    自車両周囲の障害物状況を検出する障害物検出手段と、
    前記障害物検出手段による検出結果に基づいて、前記自車両周囲のリスクポテンシャルを算出するリスクポテンシャル算出手段と、
    前記リスクポテンシャル算出手段によって算出される前記リスクポテンシャルに基づいて、アクセルペダルに発生する操作反力を算出する操作反力算出手段と、
    前記操作反力算出手段によって算出された前記操作反力を前記アクセルペダルに発生させる操作反力発生手段と、
    前記運転意図推定手段による前記運転意図の推定結果と、前記運転意図推定基準変更手段によって設定された前記運転意図推定基準とに基づいて、前記アクセルペダルに発生する前記操作反力を補正する補正手段とを備える車両用運転操作補助装置。
  28. 請求項27に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記補正手段は、前記リスクポテンシャルと前記操作反力との関係を補正する操作反力補正手段であり、
    前記操作反力補正手段は、前記運転意図推定手段によって前記運転意図が車線変更であると推定されると、前記運転意図が車線変更以外であると推定される場合に比べて前記操作反力を低下するとともに、前記車線変更に関する前記運転意図推定基準が大きい場合は前記運転意図推定基準が小さい場合よりも前記操作反力を低下することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  29. 請求項27に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記補正手段は、前記リスクポテンシャルと前記操作反力との関係を補正するリスクポテンシャル補正手段であり、
    前記リスクポテンシャル補正手段は、前記運転意図推定手段によって前記運転意図が車線変更であると推定されると、前記運転意図が車線変更以外であると推定される場合に比べて前記リスクポテンシャルを低下するとともに、前記車線変更に関する前記運転意図推定基準が大きい場合は前記運転意図推定基準が小さい場合よりも前記リスクポテンシャルを低下することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  30. 請求項18から請求項26のいずれか1項に記載の運転意図推定装置と、
    自車両周囲の障害物状況を検出する障害物検出手段と、
    前記障害物検出手段による検出結果に基づいて、前記自車両周囲のリスクポテンシャルを算出するリスクポテンシャル算出手段と、
    前記リスクポテンシャル算出手段によって算出される前記リスクポテンシャルに基づいて、アクセルペダルに発生する操作反力を算出する操作反力算出手段と、
    前記操作反力算出手段によって算出された前記操作反力を前記アクセルペダルに発生させる操作反力発生手段と、
    前記運転意図推定手段による前記運転意図の推定結果に基づいて、前記アクセルペダルに発生する前記操作反力を補正する補正手段とを備えることを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  31. 請求項27から請求項30のいずれか1項に記載の車両用運転操作補助装置を備えることを特徴とする車両。
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