JP4852407B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
像担持体表面に傷やフィルミングが発生すると、像担持体表面を反射する反射光が、傷やフィルミングがないときと異なってくる。すなわち、像担持体表面を反射する反射光の検出データには、感光体の劣化情報が含まれている。
前記像担持体表面を一様帯電する帯電部と、
前記像担持体を走査して露光することで前記像担持体表面に潜像を形成する露光部と、前記像担持体表面の潜像をトナー像に現像する現像部と、前記像担持体のトナー像を、無端ベルトまたは該無端ベルトが担持する記録紙に転写する転写部と、像担持体表面の所定の位置に向かって光を発する発光手段と、該発光手段によって発せられ該像担持体表面に反射した光を受光する受光手段とを備え、前記像担持体に形成された特定のテスト画像のトナー濃度を検知するトナー濃度検知手段とを備えた画像形成手段と、前記トナー濃度検知手段が検知した検知結果に基づいて、前記露光部の露光量を補正するための露光光量補正パラメータと、現像ポテンシャルを補正する現像補正パラメータを算出して、前記露光光量補正パラメータに基づき露光量を補正し、前記現像補正パラメータに基づいて現像バイアスを補正するプロセス制御を実施する制御手段とを備えた画像形成装置において、前記無端ベルト上の検知パターンの位置を検知する検知パターン位置検知手段と、前記受光手段が像担持体表面から反射した光を検知したときの出力値が所定値となるように調整された前記発光手段の発光光量と、前記露光光量パラメータと、前記現像補正パラメータと、前記無端ベルト上に検知パターンを形成して、前記検知パターン位置検知手段が検知パターンを検知したときの位置検出データのピーク数とに基づいて自装置の故障状態を示す指標値を算出する指標値算出手段と、前記指標値に基づいて、画像形成装置の異常の有無の判別または故障の発生を予測する異常判定手段とを備え、前記指標値算出手段は、指標値算出に用いる各情報に対してそれぞれ所定の重み付けパラメータで重み付けし、重み付けされた指標値算出に用いる各情報を一次線形結合式に代入することで、前記指標値を算出することを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、前記検知パターンを複数形成し、前記検知パターン位置検知手段が各検知パターンを検知して各検知パターンに対応した位置検出データを取得し、各位置検出データに基づいて、各検知パターンの位置情報を計測し、各検知パターンの位置情報に基づいて、各位置情報の計測差を前記指標値算出に用いるように指標値算出手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2の画像形成装置において、互いに異なる色のトナー像を前記無端ベルトに転写する複数の画像形成手段と、前記無端ベルト上に各色の検知パターンを形成して、前記検知パターン位置検知手段で前記無端ベルト上に形成された各色の検知パターンの位置を検出し、これら各色の検知パターンの位置検出データに基づいて、色ずれ量を算出し、この色ずれ量に基づいて色ずれ補正を行う色ずれ補正制御手段とを備え、前記色ずれ補正制御実行時に取得した検知パターンの位置検出データのピーク数を、前記指標値の算出に用いるように用いるように指標値算出手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3の画像形成装置において、前記色ずれ補正制御手段は、算出した色ずれ量に基づいて色ずれ補正した後に、再度、各色の検知パターンを形成して、前記検知パターン位置検知手段で前記無端ベルト上に形成された各色の検知パターンの位置を検出し、これら各色の検知パターンの位置検出データに基づいて色ずれ量を算出する処理を行うものであって、色ずれ補正するときに取得した検知パターンの位置検出データに基づいて計測された検知パターンの位置情報と、色ずれ補正後に取得した検知パターンの位置検出データに基づいて計測された検知パターンの位置情報とに基づいて、各位置情報の計測差を算出し、この計測差を前記指標値算出に用いるように指標値算出手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項4の画像形成装置において、前記色ずれ補正制御手段は、算出した色ずれ量が所定のズレ量以上のときまたは色ずれ量の算出エラーになったときに、再度、検知パターンの位置を検出して色ずれを算出する処理を行って、色ずれ補正を行うものであって、再度色ずれ補正処理を実行したという情報を、前記指標値の算出に用いるように指標値算出手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1乃至5いずれかの画像形成装置において、前記検知パターン像を、線幅0.1mm以上1mm以下のライン画像としたことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1乃至5いずれかの画像形成装置において、前記検知パターン像を、線幅1mm以上のベタ画像としたことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1または2の画像形成装置において線幅1mm以上のベタ画像からなる検知パターンの位置検出データから得られた位置検出データのピーク数と、線幅0.1mm以上1mm以下のライン画像からなる検知パターンの位置検出データから得られた位置検出データのピーク数とを前記指標値の算出に用いるように指標値算出手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1乃至8いずれかの画像形成装置において、前記検知パターン位置検知手段は、光を発光する発光素子と、前記検知パターンの線幅と同程度の幅のスリットを有するスリット部材と、前記スリット部材のスリットを通過した前記発光素子から発光した光を受光する受光素子とからなる光学センサを有し、前記受光素子の出力信号履歴から前記検知パターンのピーク数を検知することを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項1乃至9いずれかの画像形成装置において、トナー像を担持する像担持体表面の所定の位置に向かって光を発する発光手段と、該発光手段によって発せられ該像担持体表面に反射した光を受光する受光手段とを有する表面状態検知手段と、前記トナー濃度検知手段の発光手段の発光光量と、前記露光光量パラメータと、前記現像補正パラメータと、前記表面状態検知手段の受光手段の検出データとに基づいて自装置の故障状態を示す第2の指標値を算出する第2の指標値算出手段と、前記第2の指標値に基づいて、画像形成装置の異常の有無の判別または故障の発生を予測する第2の異常判定手段とを備え、前記第2の指標値算出手段は、第2の指標値算出に用いる各情報に対してそれぞれ所定の重み付けパラメータで重み付けし、重み付けされた第2の指標値算出に用いる各情報を一次線形結合式に代入することで、前記第2指標値を算出することを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項10の画像形成装置において、前記表面状態検知手段の受光手段で回転する前記像担持体表面から反射した光を所定期間連続的に検出し、該連続取得された検出データ群に基づき、検出データの均質性を判別する均質性判別手段を備え、該均質性判別手段の判別結果を、前記第2の指標値の算出に用いるように第2の指標値算出手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項11の画像形成装置において、前記表面状態検知手段は、複数の受光手段を前記像担持体の軸方向に異なる位置に配置し、前記均質性判別手段は、各受光手段の検出データの均質性を判別し、該均質性判別手段で判別した各受光手段の検出データにおける均質性の判別結果がいずれも均質であるか否かの情報を、前記第2の指標値の算出に用いるように第2の指標値算出手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、請求項10乃至12いずれかの画像形成装置において、前記表面状態検知手段の受光手段の検出データを記憶する記憶手段を備え、該記憶手段に記憶されている検出データを取得してから所定時間経過後に取得された検出データと、該記憶手段に記憶された検出データとを比較し、その比較結果を前記第2の指標値の算出に用いるように第2の指標値算出手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、請求項10乃至13いずれかの画像形成装置において、前記表面状態検知手段の受光手段は、前記像担持体表面に乱反射した乱反射光を受光することを特徴とするものである。
また、請求項15の発明は、請求項10乃至14いずれかの画像形成装置において、前記表面状態検知手段の発光手段として、前記像担持体の表面を除電する光除電ランプを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項16の発明は、請求項10乃至14いずれかの画像形成装置において、前記前記表面状態検知手段の発光手段として、前記像担持体表面に光を照射して潜像を形成する潜像形成手段を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項17の発明は、請求項10乃至14いずれかの画像形成装置において、前記表面状態検知手段として、前記トナー濃度検出手段を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項18の発明は、請求項10乃至16いずれかの画像形成装置において、前記表面状態検知手段として、前記検知パターン位置検知手段を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項19の発明は、請求項10乃至18いずれかの画像形成装置において、前記第2の指標値算出手段が、第2の指標値を算出するために用いる算出式は、パターン認識アルゴリズムに基づき決定されたものであることを特徴とするものである。
また、請求項20の発明は、請求項1乃至19いずれかの画像形成装置において、前記指標値算出手段が、指標値を算出するために用いる算出式は、パターン認識アルゴリズムに基づき決定されたものであることを特徴とするものである。
また、トナー、像担持体、帯電部、現像部、転写部などの劣化情報が含まれる、検知パターンの位置検出データに基づく情報を、指標値の算出に用いることで、精度の高い故障予測・異常判別を行うことができる。
図1は、本発明を適用する画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
図2は、画像形成装置のシステムコントローラ71の主要部を示すブロック図である。
プロセス制御用センサ37Bkは、後述する現像バイアスや帯電バイアス、露光量などのプロセス条件を調整するプロセス調整運転のときに形成される階調パターンの濃度を検知するセンサである。プロセス制御センサ37Bkは、発光素子と受光素子とで構成されるアナログ光量センサが広く用いられている。本実施形態においては、プロセス制御センサ37Bkは、感光体に対向して配置されているが、搬送ベルト21や中間転写ベルトなど、階調パターンが担持可能な部材と対向して配置してもよい。
色ずれは、温度変化による装置構造体の伸縮が大きく寄与しているので、色ずれ補正制御は、例えば、100枚程度の画像形成ごと、温度変化が所定値以上変化したとき、連続印刷枚数が所定値を越えたときなどに実行する。
図9は、色ずれ補正制御の一例を示す制御フローである。
図9に示す色ずれ補正制御は、連続印刷枚数が所定値を越えたときに実行する色ずれ補正制御フローである。
システムコントローラ71は、記録紙12を給紙部10から1枚搬送させる毎に、印刷枚数をカウントしているが、連続印刷の印刷開始時に、カウント値を読み込んでメモリに保存する。
電子写真方式の画像形成装置は経時劣化や環境変動で画像濃度が変動してしまう弱点があるので、上記プロセス調整運転を実行して画像濃度が安定するように制御している。
電源投入時あるいは所定枚数のプリント前後の時間を利用し、プロセス調整運転信号が上位制御装置よりシステムコントローラ71に指示され、プロセス調整運転がスタートする。
そこで、本実施形態においては、以下に記述するような故障判別アルゴリズムを用いることで、故障判定に有効性のある上記3つの値P、Q、Rを総合的に勘案した、故障判定を実行している。
図12、図13に示す故障判別アルゴリズムは、一次線形結合式を用いたものである。
図12に示すように、装置の運転制御情報(信号)としての上記プロセス制御用センサ37の発光素子の発光光量R、露光光量補正パラメータP、補正パラメータQを読み出す(S301)。次に、上記R、P、Qを1次線形結合式(C=aP+bQ+cR)に代入して、状態指標値Cを求める(S302)。上記a、b、cは、重み付けパラメータであり、パターン認識アルゴリズムなどの手法を用いて決定する値である。一例としては、感光体が劣化し、表面の乱反射光量が増えてくるとR値は低下傾向になり、同様にこの影響はQ値の低下傾向ももたらす。また同様の劣化が帯電電位も十分でなくなる傾向を招きP値は上昇傾向となる。このような条件が揃ったときC<0、そうではないときC>0となるように1次線形結合式の重み付けパラメータを決定するのである(図13参照)。
このような故障判定によって、故障と判定(C<0)されたとき(S303のNO)は、システムコントロール71は、装置の表示パネルやパーソナルコンピュータなどの外部装置の表示画面などでメンテナンス要求を報知する(S304)。また、サービスセンターと通信を行って、サービスセンターにメンテナンスが必要な旨を報知してもよい。
発明者らは位置検知センサ51、52のセンサ出力値から得られる情報からも故障判定・故障予測するのに非常に有益な情報が得られることを見出した。
トナー、感光体31、帯電部32、現像部34、転写部35などが劣化した場合、色ずれ補正制御に用いられる位置検知パターン像にさまざまな異常が発生する。これは、位置検知パターンは、線幅が0.1〜1mmのライン画像であることに起因する。すなわち、トナー像の外周には、強いエッジ電界が形成されるため、トナー像の中央部分に比べて、トナー像のエッジ部は、さまざまな画像形成条件の変動によって変化しやすい。ライン画像は、上述のように、線幅が1mm以下と狭いため、このようなエッジ部の変化の影響が顕著に現れる。よって、ライン画像は、ベタ画像に比べて、トナー、感光体31、帯電部32、現像部34、転写部35などが劣化の影響で異常が生じやすいのである。すなわち、画像への異常が目視できないような軽微な段階でも、ライン画像では、異常画像が顕著になるのである。よって、ライン画像の異常を把握することで、画像への異常が目視できないような軽微な段階で感光体31、帯電部32、現像部34、転写部35などが劣化の影響を把握することが可能となる。
トナーや現像部34が劣化すると、濃度が低下して位置検知パターンに図14(a)に示すような、「ぼそつき」が生じる。位置検知センサ51、52が、このぼそついた位置検知パターンを検知したときのセンサ出力値(検出値)は、図14(b)に示すように、低く、また、センサの検出波形もブロードになる。その結果、図14(c)に示すように、メモリ値から位置解析によって得られた検知パターンの位置計測結果(メモリ値がLowからHighに変化した所)が遅れ気味となる。また、位置計測結果のばらつきが大きくなる。
そこで、本実施形態においては、位置検知センサ51、52のセンサ出力値(位置検出データ)から得られる情報を、上記故障判定に用いたのである。以下に、実施例1、2に基づいて、具体的に説明する。
実施例1においては、故障検知用パターンを形成して、この故障検知用パターンを位置検知センサ51,52で検知して、故障判定に用いる運転制御情報を取得するものである。
図18は、位置検知センサ51、52からの位置情報に基づいて、運転制御情報を取得するときの制御フローである。
まず、所定枚数画像形成した後や、環境が所定量変化した後に、システムコントロール71は、運転制御情報取得制御をスタートさせる。
運転制御情報取得制御がスタートしたら、図19(a)に示すような、故障検知用パターンを形成する(S401)。図19(a)に示すように、故障検知用パターンは、線幅1mm以下、長さ3mm以上の位置検知の基準となる基準ライン像(K色)Pと、K、Y、M、Cの4色のライン像とからなる第1、第2ラインパターンと、線幅1mm以上のK、Y、C、Mのベタ画像からなるベタ画像パターンとからなっている。なお、本実施形態においては、基準ライン像PをK色で形成しているが、他の色でもよい。
具体的に説明すると、図19(b)に示すように、まず、基準ライン像Pを位置検知センサが検知してから、各色のライン像が検知されるまでの時間を計測する(Tk1、Tc1、Tm1、Ty1)。すなわち、このTk1、Tc1、Tm1、Ty1が、基準ライン像を基準とした、各色の位置情報となる。第2ライン像からも同様に各色のライン像の位置情報としてTk2、Tc2、Tm2、Ty2を取得する。この2つのライン像パターンから得られた、位置情報の一致性として、各色の計測差S(Tk1−Tk2、Tc1−Tc2、Tm1−Tm2、Ty1−Ty2)を算出する。また、第3、第4・・・と複数のラインパターンを作成し、複数の計測差を算出して、各色計測差の平均T、計測差の分散Uを算出してもよい。これら、位置情報の一致性として算出した計測差S、計測差の平均T、計測差の分散Uを、「ボソツキ」に関する運転制御情報として故障判定の指標値算出に用いる。
次に、実施例2について説明する。実施例2は、色ずれ補正制御時に作成した位置検知パターンの位置検知データから運転制御情報を取得するものである。
図20は、実施例2における運転制御情報を取得するときの制御フローである。
まず、図7に示すような、位置検知パターン60を形成する(S501)。1つのパターンによって「白ヌケ」、「虫食い」などの発生に関する情報を得ることが可能であるが、複数個作成することにより計測差Sを求め「ぼそつき」などに関する情報を得るようにしてもよい。次に、位置検知センサ51、52の検出結果から、位置(色)ずれ量(スキューずれ量、主走査レジストずれ量、主走査倍率ずれ量、副走査レジストずれ量)を算出(S503)する。また、位置検知センサ51、52の検出結果から、運転制御情報としての計測差Sを算出する(S504)。次に、算出エラーの場合(S505のYES)、位置検知パターンを検知できずに位置(色)ずれ量が算出できなかったことを示すので、白抜けに関する運転制御情報Wをインクリメントする(S508)。また、位置ずれ算出処理がリトライされた回数Vをインクリメントして(S510)、S501以降のステップを行う。
故障部位を画像形成部か露光光学系か区別するためには、位置情報の一致性以外の情報を状態指標値Cの演算式に加え、画像形成部の故障判別式と露光光学系の故障判別式を独立に作ることが有効である。
図に示すように、P,Q、Rが異常な状態に推移するに従って、エッジ回数X、リトライ回数Vも正常の状態から異常な状態に推移しているのがわかる。よって、LHエッジを2回検知する回数Xが増加傾向、リトライ回数Vが増加傾向を示すときに、C<0となるように、重み付けすれば、指標値Cに基づき、より高い故障判定・予測が可能となる。また、故障を判断するための運転制御情報が増えることで、より総合的に故障の判定・予測が行うことができ、偶発的な故障状態の情報による誤判定をより抑制することができる。
この中間転写タイプの画像形成装置の場合は、中間転写ベルトと対向する位置にセンサを設けて、このセンサでプロセス制御センサと位置検知センサとを兼用させることもできる。プロセス制御センサと位置検知センサとを兼用するための光センサとしては、正反射光を受光する受光素子と、乱反射光を受光する受光素子とを備えたマルチタイプの光センサが好ましい。そして乱反射光を受光する受光素子と中間転写ベルトとの間には、スリット部材を設けて、乱反射光受光素子の対向位置に検知パターン像がきたときのみ乱反射光が乱反射光受光素子に入光するようにする。この場合、プロセス制御のときの調整された発光光量Rは、中間転写ベルトの劣化の状態を示す運転制御情報となる。
感光体表面は、ジャム処理の操作時などのときに誤って感光体表面に小さな傷を付けてしまう場合がある。具体的な一例を挙げると、ジャム処理のときに転写紙を機内から引き出すときにユーザーが腕に付けている腕時計が誤って感光体表面と摺擦して、感光体表面に軸方向に延びる微細な傷を付けてしまう場合がある。
感光体表面には、転写位置、乃至は感光体クリーニング位置に至るまでの間トナーが付着した状態となっている。このトナー中に添加されているシリカ、酸化チタン及びワックスなどの物質が像担持体表面に付着する可能性がある。また、図1に示すように、感光体表面に形成した画像を転写紙に直接転写する直接転写方式の画像形成装置においては、感光体表面に各種の転写紙が接触するため、それら転写紙の塗料として使用されている炭酸カルシウムやシリカ等が付着する可能性がある。このようにして付着したシリカ、酸化チタン及びワックスなどの物質が軸方向に延びる微細な傷に突き刺さり、小さな固着核を形成する。そして、経時使用でその固着核が成長していき、各種の異物による軸方向に延びるフィルミングが発生する。このような軸方向に延びるフィルミングが発生すると、画像上にヨコスジが現れてしまい、ユーザーが装置の故障(感光体の劣化)に気付く。このようなヨコスジ画像が現れた段階で、修理が行われるため、異常発生から修理完了まで異常画像が形成され続ける。このため、その間は正常な画像形成を行うことができないので、機能を停止させることになり、使用者にとって時間的なロスが大きい。また、異常画像が形成されたものは、画像形成のやり直しが必要となり資源(トナーおよび紙)の無駄が発生してしまう。
よって、感光体の劣化の状態や、クリーニングブレードの劣化状態を画像に影響が出る前に把握することができる感光体表面に照射した光の反射光の検出データを故障の予測・判定に用いることで、より、高精度に装置の故障の予測・判定を行うことができる。
まず、実施例Aについて、説明する。
図24(a)は、感光体表面に傷や付着物がない状態のときの表面状態検知センサで感光体表面を連続的に検知したときの検出データ(出力値)を示す図である。図24(b)は、感光体表面の一部に傷や付着物がある状態のときの表面状態検知センサで感光体表面を連続的に検知したときの検出データ(出力値)を示す図である。なお、図24(a)、(b)は、感光体が一回転するときに、13回検出データを取得したものである。また、実施例Aは、表面状態検知センサとして、プロセス制御用センサ37を用いた。
図26は、運転制御情報として、S、P、Q,Rを用いて故障判定を行うときの制御フロー図である。
図に示すように、メモリから、装置の運転制御情報としての上記プロセス制御用センサ37の発光素子の発光光量R、露光光量補正パラメータP、補正パラメータQ、および判別値Sを読み出す(S601〜S602)そして、これら運転制御情報から、上述と同様にして、指標値Cを算出し(S603)、指標値Cに基づいて、故障の判定を行う(S604〜S605)。
図27に示すように、S=1となった3つのケースのうち左から2つのケースではP、Q、Rは通常の変動範囲からは余り変わっていない。感光体表面状態が変化すると現像能力が変化するのでP、Q、Rいずれも変化する可能性があるが、これらが左2つのように変化していないときのSが1になった場合にはC>0とする。一方、右端のように、Sが1で、P、Q、Rいずれも変化したときC<0となるように1次線形結合式の重み付けパラメータを選ぶ。このような装置運転情報を総合的に勘案することで実益のある故障判別が可能となる。また画像の出力結果を計測しているのではなく、感光体表面状態の変化を計測しているので、異常画像は発生していないが表面の悪化がはじまっていることを検出することも可能である。よって、故障の予測も可能となる。
次に、実施例Bについて、説明する。
図28に示すように、プロセス制御用センサ37を表面状態検知センサとして用いた場合、感光体表面の軸方向一部しか感光体表面状態を検知することができない。特に、感光体表面移動方向に沿ってできた傷や、クリーニングブレードの劣化によって生じる感光体表面移動方向に沿って延びる付着物は、プロセス制御用センサ37で検知できない場合がある。
そこで、実施例Bでは、受光手段であるCCDを感光体軸方向にアレイ状に配設したラインCCD38aで構成して、感光体軸方向の感光体表面を網羅的に検出できるようにしたものである。図28では、ラインCCD38aは、除電ランプ38から照射された光の感光体表面からの反射光を検知する位置に配置したものである。もちろん、ラインCCD38aを、書込み光の感光体表面からの反射光を検知する位置に配置してもよい。また、受光手段たるフォトダイオードを感光体軸方向にアレイ状に配置したものでもよい。
図29(a)に示すように、傷や付着物がない状態の表面を検知したときの各CCDの検出データ(出力値)は、均質である。一方、図29(b)に示すように、感光体軸方向の一部に傷や付着物がある状態の表面をラインCCD38aが検知したときは、一部のCCDの検出データ(出力値)が、他のものに比べて高くなる。その結果、各CCDの検出データ(出力値)が均質でなくなる。よって、各CCDから得られた検出データが均質であるか否かを判定することによって、感光体表面に傷や付着物があるか否かを検知することができる。具体的には、システムコントローラは、各CCDから取得した検出データに基づいて平均値を算出して、各CCDの検出データと平均値との差分値を算出する。算出した差分値が所定範囲内か否かを検出して、所定範囲外の差分値があるときは、各CCDからの検出データが均質でないと判別し判別値Sを1とする。一方、算出した全ての差分値が所定範囲内のときは、各CCDからの検出データが均質であると判別し、判別値Sを0とする。
次に、実施例Cについて、説明する。
上述の実施例Aや、実施例Bでは、感光体表面の局所的な傷や付着物は、検知することができる。しかし、感光体表面全体が均一に傷ついたり、均一に付着物が付着したりしても、上述の実施例A、Bでは、検出できない。実施例Cは、稀に発生する感光体表面全体の均一な傷つきや、付着物の均一な付着を検出できるようにしたものである。
図31は、プリント枚数とラインCCD38aの検出データ群の平均値との関係を示す図である。図に示すように、初期時においては、平均値は、ほぼ所定値であるが、経時で劣化して、感光体表面の一部や全体に傷が付いたり、付着物が付着したりすると、平均値が上昇する。よって、検出データの平均値が所定範囲内か否かを判定することで、感光体表面の一部または全体に傷や付着物があるか否かを検知することができる。
51 位置検知センサ
71 システムコントローラ
152 スリット板
153 レンズ
Claims (20)
- 像担持体と、
前記像担持体表面を一様帯電する帯電部と、
前記像担持体を走査して露光することで前記像担持体表面に潜像を形成する露光部と、前記像担持体表面の潜像をトナー像に現像する現像部と、
前記像担持体のトナー像を、無端ベルトまたは該無端ベルトが担持する記録紙に転写する転写部と、
像担持体表面の所定の位置に向かって光を発する発光手段と、該発光手段によって発せられ該像担持体表面に反射した光を受光する受光手段とを備え、前記像担持体に形成された特定のテスト画像のトナー濃度を検知するトナー濃度検知手段とを備えた画像形成手段と、
前記トナー濃度検知手段が検知した検知結果に基づいて、前記露光部の露光量を補正するための露光光量補正パラメータと、現像ポテンシャルを補正する現像補正パラメータを算出して、前記露光光量補正パラメータに基づき露光量を補正し、前記現像補正パラメータに基づいて現像バイアスを補正するプロセス制御を実施する制御手段とを備えた画像形成装置において、
前記無端ベルト上の検知パターンの位置を検知する検知パターン位置検知手段と、
前記受光手段が像担持体表面から反射した光を検知したときの出力値が所定値となるように調整された前記発光手段の発光光量と、前記露光光量パラメータと、前記現像補正パラメータと、前記無端ベルト上に検知パターンを形成して、前記検知パターン位置検知手段が検知パターンを検知したときの位置検出データのピーク数とに基づいて自装置の故障状態を示す指標値を算出する指標値算出手段と、
前記指標値に基づいて、画像形成装置の異常の有無の判別または故障の発生を予測する異常判定手段とを備え、
前記指標値算出手段は、指標値算出に用いる各情報に対してそれぞれ所定の重み付けパラメータで重み付けし、重み付けされた指標値算出に用いる各情報を一次線形結合式に代入することで、前記指標値を算出することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1の画像形成装置において、
前記検知パターンを複数形成し、前記検知パターン位置検知手段が各検知パターンを検知して各検知パターンに対応した位置検出データを取得し、各位置検出データに基づいて、各検知パターンの位置情報を計測し、各検知パターンの位置情報に基づいて、各位置情報の計測差を前記指標値算出に用いるように指標値算出手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1または2の画像形成装置において、
互いに異なる色のトナー像を前記無端ベルトに転写する複数の画像形成手段と、
前記無端ベルト上に各色の検知パターンを形成して、前記検知パターン位置検知手段で前記無端ベルト上に形成された各色の検知パターンの位置を検出し、これら各色の検知パターンの位置検出データに基づいて、色ずれ量を算出し、この色ずれ量に基づいて色ずれ補正を行う色ずれ補正制御手段とを備え、
前記色ずれ補正制御実行時に取得した検知パターンの位置検出データのピーク数を、前記指標値の算出に用いるように用いるように指標値算出手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項3の画像形成装置において、
前記色ずれ補正制御手段は、算出した色ずれ量に基づいて色ずれ補正した後に、再度、各色の検知パターンを形成して、前記検知パターン位置検知手段で前記無端ベルト上に形成された各色の検知パターンの位置を検出し、これら各色の検知パターンの位置検出データに基づいて色ずれ量を算出する処理を行うものであって、
色ずれ補正するときに取得した検知パターンの位置検出データに基づいて計測された検知パターンの位置情報と、色ずれ補正後に取得した検知パターンの位置検出データに基づいて計測された検知パターンの位置情報とに基づいて、各位置情報の計測差を算出し、この計測差を前記指標値算出に用いるように指標値算出手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項4の画像形成装置において、
前記色ずれ補正制御手段は、算出した色ずれ量が所定のズレ量以上のときまたは色ずれ量の算出エラーになったときに、再度、検知パターンの位置を検出して色ずれを算出する処理を行って、色ずれ補正を行うものであって、再度色ずれ補正処理を実行したという情報を、前記指標値の算出に用いるように指標値算出手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至5いずれかの画像形成装置において、
前記検知パターン像を、線幅0.1mm以上1mm以下のライン画像としたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至5いずれかの画像形成装置において、
前記検知パターン像を、線幅1mm以上のベタ画像としたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1または2の画像形成装置において、
線幅1mm以上のベタ画像からなる検知パターンの位置検出データから得られた位置検出データのピーク数と、線幅0.1mm以上1mm以下のライン画像からなる検知パターンの位置検出データから得られた位置検出データのピーク数とを前記指標値の算出に用いるように指標値算出手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至8いずれかの画像形成装置において、
前記検知パターン位置検知手段は、光を発光する発光素子と、前記検知パターンの線幅と同程度の幅のスリットを有するスリット部材と、前記スリット部材のスリットを通過した前記発光素子から発光した光を受光する受光素子とからなる光学センサを有し、前記受光素子の出力信号履歴から前記検知パターンのピーク数を検知することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至9いずれかの画像形成装置において、
トナー像を担持する像担持体表面の所定の位置に向かって光を発する発光手段と、該発光手段によって発せられ該像担持体表面に反射した光を受光する受光手段とを有する表面状態検知手段と、
前記トナー濃度検知手段の発光手段の発光光量と、前記露光光量パラメータと、前記現像補正パラメータと、前記表面状態検知手段の受光手段の検出データとに基づいて自装置の故障状態を示す第2の指標値を算出する第2の指標値算出手段と、
前記第2の指標値に基づいて、画像形成装置の異常の有無の判別または故障の発生を予測する第2の異常判定手段とを備え、
前記第2の指標値算出手段は、第2の指標値算出に用いる各情報に対してそれぞれ所定の重み付けパラメータで重み付けし、重み付けされた第2の指標値算出に用いる各情報を一次線形結合式に代入することで、前記第2指標値を算出することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項10の画像形成装置において、
前記表面状態検知手段の受光手段で回転する前記像担持体表面から反射した光を所定期間連続的に検出し、該連続取得された検出データ群に基づき、検出データの均質性を判別する均質性判別手段を備え、該均質性判別手段の判別結果を、前記第2の指標値の算出に用いるように第2の指標値算出手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項11の画像形成装置において、
前記表面状態検知手段は、複数の受光手段を前記像担持体の軸方向に異なる位置に配置し、
前記均質性判別手段は、各受光手段の検出データの均質性を判別し、該均質性判別手段で判別した各受光手段の検出データにおける均質性の判別結果がいずれも均質であるか否かの情報を、前記第2の指標値の算出に用いるように第2の指標値算出手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項10乃至12いずれかの画像形成装置において、
前記表面状態検知手段の受光手段の検出データを記憶する記憶手段を備え、該記憶手段に記憶されている検出データを取得してから所定時間経過後に取得された検出データと、該記憶手段に記憶された検出データとを比較し、その比較結果を前記第2の指標値の算出に用いるように第2の指標値算出手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項10乃至13いずれかの画像形成装置において、
前記表面状態検知手段の受光手段は、前記像担持体表面に乱反射した乱反射光を受光することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項10乃至14いずれかの画像形成装置において、
前記表面状態検知手段の発光手段として、前記像担持体の表面を除電する光除電ランプを用いたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項10乃至14いずれかの画像形成装置において、
前記前記表面状態検知手段の発光手段として、前記像担持体表面に光を照射して潜像を形成する潜像形成手段を用いたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項10乃至14いずれかの画像形成装置において、
前記表面状態検知手段として、前記トナー濃度検出手段を用いたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項10乃至16いずれかの画像形成装置において、
前記表面状態検知手段として、前記検知パターン位置検知手段を用いたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項10乃至18いずれかの画像形成装置において、
第2の指標値算出に用いる情報に対して重み付けする各重み付けパラメータは、パターン認識アルゴリズムに基づき決定されたものであることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至19いずれかの画像形成装置において、
前記指標値算出に用いる情報に対して重み付けする各重み付けパラメータは、パターン認識アルゴリズムに基づき決定されたものであることを特徴とする画像形成装置。
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