JP4851265B2 - 冷却式nmrプローブヘッド及びこれを備えたnmr分析装置 - Google Patents

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Description

本発明は、化学分析などに用いられるNMR(Nuclear Magnetic Resonance:核磁気共鳴)分析装置においてNMR信号の検出を行うための冷却式NMRプローブヘッドに関するものである。
NMR信号を検出する手段として、NMR用アンテナコイルを備えたNMRプローブヘッドが知られている。前記NMR用アンテナコイルは、一般に筒状をなし、その内側に挿入されたサンプルに高周波(RF:Radio Frequency)パルスを照射し、その照射から一定時間経過後に前記サンプルから放出される磁気共鳴信号をピックアップする。しかし、このようにして検出されるNMR信号は微弱なため、その検出感度の向上が要求される。
そのための方法として、前記アンテナコイルをヘリウム等の冷媒を用いて極低温まで冷却することにより熱雑音を減らす技術が開発されている。前記NMR信号のS/N比(SNR)は、次式(1)に示されるようにアンテナコイルの温度Tcと抵抗値Rcの積を含む値の平方根に反比例するので、前記アンテナコイルを冷却することはNMR信号の検出感度の著しい向上をもたらす。
SNR∝1/√[T+T+T(R+R] (1)
ここで、Tsは測定対象となるサンプルの温度、Rsは同サンプルの有効抵抗値、Taは信号を増幅させるためのプリアンプの温度である。
前記アンテナコイルを冷却する手段として、下記特許文献1は、前記アンテナコイルを支持する円筒状の熱伝導体と、GM冷凍機により冷却されたヘリウムガスが導入される熱交換器とを具備するプローブヘッドを開示する。具体的に、この特許文献1の図2は、前記熱伝導体の下端が前記熱交換器の上面に立直状態で結合された構造を示している。
米国特許出願公開第2004/0004478号明細書及び図面
前記(1)式から明らかなように、NMR信号のS/N比の向上のためには、前記アンテナコイルの温度が極力低いことが望ましい。しかし、従来の冷却式NMRプローブヘッドでは、アンテナコイルを冷却するのに限界があった。
本発明は、このような事情に鑑み、アンテナコイルの温度を有効に低下させてNMR信号の検出感度を高めることが可能な冷却式NMRプローブヘッド及びこれを備えたNMR分析装置を提供することを目的としている。
本件発明者は、アンテナコイルへ高周波電力を伝送するための給電線が、当該アンテナコイルの冷却を阻害する要因として働くことに想到した。
つまり、前記給電線は、アンテナコイルに比べて小さい断面積とされて電気抵抗が大きいため、伝送される電力の一部はジュール熱として給電線内で消費され、この給電線の温度さらには当該給電線を伝達してアンテナコイルの温度をも上昇させる。一方、アンテナコイルを形成する金属(例えば銅やアルミニウム)の比熱は、運転時における極低温の条件下では著しく小さいため、僅かなジュール熱も前記アンテナコイルの温度を著しく上昇させてしまう。しかも、前記アンテナコイルの材料である銅やアルミニウムの電気抵抗値は、当該材料の温度に伴って増大し、この電気抵抗の増大が前記給電線のジュール熱による温度上昇を促進する。
そこで、上記課題を解決するために、本発明は、アンテナコイルを備え、このアンテナコイルが冷却された状態でNMR信号を検出する冷却式NMRプローブヘッドにおいて、前記アンテナコイルに接続され、当該アンテナコイルに高周波電力を伝送する給電線と、前記アンテナコイルを冷却するように当該アンテナコイルと熱的に接続された冷却用部材とを備え、前記給電線は、少なくとも一部が前記冷却用部材に対し熱的に接続され、前記冷却用部材は、冷媒が流通可能な冷却空間を形成する外壁を有する冷媒容器を備え、前記給電線は、前記冷媒容器の前記外壁に対し熱的に接続されていることを特徴とする冷却式NMRプローブヘッドを提供する。
本発明によれば、給電線の少なくとも一部と冷却用部材とが熱的に接続された構成とされているので、アンテナコイルだけでなくこのアンテナコイルに接続された給電線についても、冷却用部材によって冷却することができる。
そのため、アンテナコイルを形成する金属の比熱が著しく小さくなる極低温の運転条件下においても、給電線の温度上昇を抑制することにより、当該給電線からアンテナコイルへ伝達する熱量を低減することができるので、その分、アンテナコイルを有効に冷却することができる。
したがって、本発明によれば、給電線の温度上昇を抑制することによりアンテナコイルの温度を有効に低下させてNMR信号の検出感度を高めることができる。
さらに、本発明では、前記冷却用部材は、冷媒が流通可能な冷却空間を形成する外壁を有する冷媒容器を備え、前記給電線は、前記冷媒容器の前記外壁に対し熱的に接続されている
れにより、内部の冷却空間に冷媒が流通することにより冷却される冷媒容器の外壁に対し前記給電線を熱的に接続することにより、アンテナコイルの温度を有効に低下させることができる。
前記冷媒容器と給電線との熱的な接続態様については特に限定されることはないが、前記冷媒容器には、前記外壁を貫通するとともに前記冷却空間と連通しない貫通孔が形成され、前記給電線は、少なくとも一部が前記貫通孔を通って配置されるとともに当該貫通孔の内側面に対し熱的に接続されていることが好ましい。
このようにすれば、冷媒容器に形成された貫通孔を通して給電線を配置することができるので、冷媒容器を避けるようにして当該冷媒容器の外側面に対し給電線を熱的に接続する場合と比較して、当該給電線の配索に要するスペースを低減することができ、全体としてコンパクトなプローブヘッドを形成することができる。
さらに、給電線を貫通孔内に配置する構成としているので、給電線と冷媒容器との間の熱交換を、当該給電線の外周面と貫通孔の内周面との間の比較的広い面積で行うことができる。
前記のように冷媒容器の貫通孔内に給電線を配置する構成とした場合、給電線のうちアンテナコイルに近い部分と冷媒容器とを熱的に接続しようとすると、アンテナコイルとの距離が近づくにつれて当該アンテナコイルのレイアウト上の制限を受けて冷媒容器の形状が複雑となるおそれがあるが、前記冷却用部材は、前記冷媒容器から前記アンテナコイルまでの間に配置された給電線のうち前記冷媒容器に対し熱的に接続されていない部分の少なくとも一部の外周面を取り囲む被覆部材をさらに備え、この被覆部材は、少なくとも一部が前記冷媒容器の前記外壁に対し熱的に接続されている構成を採用することにより、冷媒容器とは別部材の被覆部材によって給電線を冷却することができるので、冷媒容器の形状を維持しながら給電線の冷却範囲を拡大することができる。
前記冷却式NMRプローブヘッドにおいて、前記給電線は、当該給電線と前記冷却用部材とを電気的に絶縁可能な絶縁部材を介して前記冷却用部材に対し熱的に接続されていることが好ましい。
この構成によれば、冷却用部材が導電性の部材により構成されている場合であっても短絡を防止することができるので、NMR信号の検出にほとんど影響を与えることなく、給電線と冷却用部材とを熱的に接続することができる。
ここで、前記絶縁部材のうち少なくとも前記給電線と冷却用部材との間に介在する部分が、単結晶サファイア、ジルコニア、石英、ダイアモンドの中から選ばれる少なくとも一つの材料により構成されていることが特に好ましい。
このようにすれば、前記給電線と冷却用部材との間に、特に熱伝導性の高い材料を介在させることができるので、給電線の冷却効率をより向上させることができる。
また、本発明は、上記冷却式NMRプローブヘッドと、この冷却式NMRプローブヘッドの周囲に設けられる超伝導コイルと、この超伝導コイルを収容する低温容器とを備えることを特徴とするNMR分析装置を提供する。
本発明によれば、給電線の温度上昇を抑制することによりアンテナコイルの温度を有効に低下させてNMR信号の検出感度を高めることができる。このため、非常に検出感度に優れたNMR分析装置を得ることができる。
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面に基いて説明する。
図1は、NMR(核磁気共鳴)分析装置の全体構成を示したものである。
この装置は、液体ヘリウム等の冷媒を収容する低温容器1と、この冷媒中に浸漬される超伝導コイル2と、冷却式NMRプローブヘッド3とを備えている。
超伝導コイル2は、鉛直軸を中心とする筒状の巻枠と、その周囲に巻き付けられる超伝導線材とで構成され、この超伝導コイル2を径方向内側から覆うように前記低温容器1もドーナツ状をなしている。つまり、この低温容器1の中央には鉛直方向に延びる内側空間4が形成されている。前記冷却式NMRプローブヘッド3は、前記内側空間4内に下から挿入される。
この冷却式NMRプローブヘッド3は、電極部5と、この電極部5につながる円柱状のプローブ本体6とを有し、このプローブ本体6が前記内側空間4内に下側から挿入されている。
図2は、プローブ本体の上部の内部構造を示したものである。図3は、図2の要部を拡大して示す斜視図である。図4は、図2の要部を拡大して示す断面図である。
プローブ本体6は、その中心軸J1(図4参照)上に位置するサンプル挿入管7と、このサンプル挿入管7を囲む略円筒状のアンテナコイル8と、このアンテナコイル8と図外の共振回路との間で高周波電力を伝送する給電線9及び給電線10と、前記アンテナコイル8を冷却するための冷却用部材11と、外筒12とを備えている。
前記サンプル挿入管7は、石英等からなり、その内側の空間14内は常温常圧に保たれている。この空間14内には、上からサンプル管15が挿入される。このサンプル管15は、NMR分析の対象となるサンプル16を収容する。
前記アンテナコイル8は、略円筒状の周壁を有し、この周壁は図3に示すように金属箔板を丸めることによって形成される。このアンテナコイル8の具体的な形状は限定されず、NMR検出に用いられるRFパルスの周波数その他の仕様に応じて適宜設定される。また、アンテナコイル8の下部の給電点9a及び給電点10aには、前記各給電線9、10がそれぞれ電気的に接続されている。
前記冷却用部材11は、前記アンテナコイル8を支持するコイル支持部材17と、ヘリウムガス等の冷媒を流通させることが可能な冷媒容器18と、この冷媒容器18に冷媒を導入するための冷媒導入管19と、前記冷媒容器18から冷媒を導出するための冷媒排出管20とを備えている。
この冷却用部材11は、冷媒容器18によってコイル支持部材17を冷却することにより当該コイル支持部材17に支持されたアンテナコイル8を冷却するとともに、このアンテナコイル8に電気的に接続された各給電線9、10も前記冷媒容器18によって冷却することが可能とされている。その詳細は後述する。
前記外筒12は、前記コイル支持部材17及び冷媒容器18を前記プローブ本体6の中心軸J1回りに囲むように配置されている。この外筒12は、前記コイル支持部材17及び冷媒容器18を囲む高さ領域に設けられる上側筒部28と、それよりも下方の下側筒部29とを有している。下側筒部29は、例えば、アルミニウム合金、ステンレス鋼といった金属材料で構成されるのに対し、上側筒部28は、合成樹脂等の非金属材料で構成されている。この上側筒部28の上端からは、前記アンテナコイル8及びコイル支持部材17を上から覆いながら前記サンプル挿入管7の上端とつながる天井壁30が延び、この天井壁30の下側の空間S2が外部から隔離されている。この空間S2には、図略のポンプにより真空が形成される。すなわち、前記アンテナコイル8等は、真空空間S2内に収容される。
前記上側筒部28のうち、前記アンテナコイル8を含む高さ領域の部分は、PFGコイル31により構成される。このPFGコイル31は、前記サンプル管15内のサンプル16にパルス上の勾配磁場を印加するためのもので、本発明において必須ではない。このPFGコイル31は、前記樹脂製の上側筒部28とともにモールドされることが可能である。
次に、前記冷却用部材11の具体的構造について図2〜図4を参照しながら説明する。
コイル支持部材17は、円筒状をなし、前記プローブ本体6の中心軸J1と同軸に配置されている。このコイル支持部材17の上部が前記アンテナコイル8を支持している。詳しくは、当該コイル支持部材17の上部の外周面に前記アンテナコイル8の内周面が接合されている。
このコイル支持部材17は、電磁波に対して透明な絶縁材料で形成されている。これは、当該コイル支持部材17の存在が前記アンテナコイル8によるNMR信号の検出に影響を与えるのを防ぐためである。このコイル支持部材17の材料は、さらに、熱伝導性に優れたものであることが好ましい。具体的には、単結晶サファイア、ジルコニア、石英、ダイアモンドが好適な例として挙げられる。特に、単結晶サファイアは、低温域での熱伝導率に優れていて前記アンテナコイル8の有効な冷却に大きく寄与する。ちなみに、4K付近での単結晶サファイアの熱伝導率は150[W/m/K]である。
前記冷媒容器18は、全体が前記冷媒導入管19及び冷媒排出管20とともに銅等の金属材料により形成されている。この冷媒容器18は、冷媒が流通可能な冷却空間S1を形成する外壁を有し、この外壁は、前記サンプル挿入管7の周囲を取り囲むようにドーナツ状とされた中空容器を形成している。
具体的に、外壁は、外周壁21aと内周壁21bと上蓋21cと下蓋21dとを一体に有する。前記外周壁21aは、前記プローブ本体6の中心軸J1回りで冷却空間S1の径方向外側に配置されている。前記内周壁21bは、前記中心軸J1回りで冷却空間S1の径方向内側に配置されている。前記上蓋21c及び下蓋21dは、前記外周壁21aと内周壁21bとを上下に挟むように配置されている。
前記上蓋21cは、その上面に立設された連結筒22を一体に備えている。この連結筒22の内側に前記コイル支持部材17の下端部が挿入された状態で、連結筒22とコイル支持部材17とが連結されている。
具体的に、前記連結筒22の内側面とコイル支持部材17の外側面との間には銀合金系のロウ剤が充填され、このロウ剤によって当該連結筒22とコイル支持部材17とが熱的に連結されている。したがって、前記アンテナコイル8は、前記ロウ剤及びコイル支持部材17を介して冷媒容器18に対し熱的に接続される。
また、冷媒容器18は、前記外周壁21aを上下方向に貫通する8つの貫通孔23を備えている。つまり、これら貫通孔23は、前記冷却空間S1に連通しない状態で上下方向に形成されている。
そして、前記各給電線9、10は、これら貫通孔23のうちの2つの貫通孔23a、23bをそれぞれ通って配置されている。これら給電線9、10の外側面と前記各貫通孔23a、23bの内側面とは、熱的に接続されている。具体的に、各給電線9、10の外側面と前記貫通孔23a、23bの内側面との間には絶縁部材24及び絶縁部材25がそれぞれ設けられている。そして、これら絶縁部材24、25を介して各給電線9、10の外側面と貫通孔23a、23bの内側面とは、熱的に接続されている。したがって、冷媒容器18内に冷媒が流通すると、当該冷媒容器18と各給電線9、10との間で絶縁部材24、25を介して熱交換が行われ、当該各給電線9、10が冷却される。
前記絶縁部材24、25は、それぞれ絶縁性を有する材料で形成されている。これは、各給電線9、10同士が冷媒容器18を介して短絡するのを防止するためである。さらに、絶縁部材24、25の材料は、熱伝導性に優れたものであることが好ましい。具体的には、単結晶サファイア、ジルコニア、石英、ダイアモンドが好適な例として挙げられる。特に、単結晶サファイアは、上述したように低温域での熱伝導率に優れているため、各給電線9、10と冷媒容器18との間の有効な熱交換に大きく寄与する。
ここで、絶縁部材24、25としてサファイアを採用した場合、前記熱的な接続状態をより強固なものとするために、前記貫通孔23a、23bの内側面及び各給電線9、10の外側面と、前記絶縁部材24、25との間に銀合金系のロウ剤をさらに介在させることができる。すなわち、このような接続構造を形成するためには、まず、貫通孔23a、23bの内側面及び各給電線9、10の外側面にそれぞれロウ剤の層を形成し、これら貫通孔23a、23b内に各給電線9、10を挿入する。次いで、これら貫通孔23a、23bの内側面と各給電線9、10の外側面との間(それぞれのロウ剤の層の間)に絶縁部材24、25をそれぞれ充填した仮組み品を形成する。そして、この仮組み品を真空炉内で加熱処理することにより前記ロウ剤が溶解し、これが冷却されることにより絶縁部材24、25と貫通孔23a、23bの内側面及び各給電線9、10の外側面との間がロウ剤で満たされた強固な接続状態を確立することができる。
なお、図4では、貫通孔23a、23b内に配置される各給電線9、10の全範囲について円柱状の絶縁部材24、25を充填する構成について例示しているが、図5に示すように、円板状の絶縁部材26、27を間欠的に充填するようにしてもよい。このように構成した場合にも、各絶縁部材26、27を介して冷媒容器18と各給電線9、10とが熱的に接続されているので、これら冷媒容器18と各給電線との間の熱交換が行われ、当該各給電線9、10が冷却される。さらに、この構成とした場合には、前記円柱状の絶縁部材24、25を充填して各給電線9、10に伝送される高周波電流のインピーダンスが大幅に乱れる場合に、絶縁部材26、27を採用することによりインピーダンスの乱れを緩和することができる。
以上説明したように、前記実施形態によれば、各給電線9、10と冷媒容器18とが熱的に接続された構成とされているので、アンテナコイル8だけでなくこのアンテナコイル8に接続された給電線9、10についても、冷媒容器18によって冷却することができる。
そのため、アンテナコイル8を形成する金属の比熱が著しく小さくなる極低温の運転状況下においても、給電線9、10の温度上昇を抑制することにより、当該給電線9、10からアンテナコイル8へ伝達する熱量を低減することができるので、その分、アンテナコイル8を有効に冷却することができる。
そして、前記実施形態のように、各給電線9、10が冷媒容器18に形成された貫通孔23a、23bを通して配置する構成とすることにより、冷媒容器18を避けるようにして当該冷媒容器18の外側面(外周壁21a)に対し各給電線9、10を熱的に接続する場合と比較して、当該給電線9、10の配索に要するスペースを低減することができ、全体としてコンパクトな冷却式NMRプローブヘッド3を形成することができる。
さらに、給電線9、10を貫通孔23a、23b内に配置する構成としているので、給電線9、10と冷媒容器18との間の熱交換を、当該給電線9、10の外周面と貫通孔23a、23bの内周面との間の比較的広い面積で行うことができる。
なお、前記実施形態では、冷媒容器18の貫通孔23a、23b内に各給電線9、10を配置する構成としているが、図6及び図7に示すように、冷媒容器18に形成された溝32内に各給電線9、10を嵌め込むようにしてもよい。
具体的に、冷媒容器18の外周壁21aの外側面には、前記プローブ本体6の中心軸J1回りに8つの溝32が形成されている。これら溝32は、前記中心軸J1から離間する方向に開くとともに上下方向に延びるように、前記外周壁21aに凹設されている。
そして、これら溝32のうち溝32a及び溝32bには、前記各給電線9、10が嵌め込まれている。これら各給電線9、10の外周面と各溝32a、32bの内側面との間には、絶縁部材33がそれぞれ設けられている。
この絶縁部材33は、前記絶縁部材24、25(図4参照)と同様の材料により構成されている。また、各絶縁部材33と、各給電線9、10の外周面及び溝32a、32bの内側面との間に前述したロウ剤を介在させることもできる。
この実施形態においても、冷媒容器18と各給電線9、10とを熱的に接続することができるので、これら冷媒容器18と各給電線9、10との間で熱交換が行われ、当該各給電線9、10を冷却することができる。
さらに、前記実施形態では、冷媒容器18に形成された溝32a、32b内に嵌めた状態で給電線9、10を配置することができるので、冷媒容器18の外側面(外周壁21a)にそのまま給電線9、10を接触させる場合と比較して、給電線9、10の配索に要するスペースが冷媒容器18の外側に嵩張るのを抑制することができ、全体としてコンパクトな冷却式NMRプローブヘッド3を形成することができる。
そして、前記各実施形態のように冷媒容器18の貫通孔23a、23b又は溝32a、32b内に給電線9、10を配置する構成とした場合、給電線9、10のうちアンテナコイル8に近い部分と冷媒容器18とを熱的に接続しようとすると、アンテナコイル8との距離が近づくにつれて当該アンテナコイル8のレイアウト上の制限を受けて冷媒容器18の形状が複雑化するおそれがある。そこで、冷媒容器18に加えて、図8に示すような冷却ブーツ(被覆部材)35、36を備えた構成とすることもできる。
これら冷却ブーツ35、36は、円柱がその軸線を含む平面で縦割りにされた形状を有する一対の半円柱体35a、35b、36a及び36b(以下半円柱体35a〜36bと称す)をそれぞれ備えている。これら半円柱体35a〜36bは、それぞれ前記絶縁部材24、25と同様の材料によって形成されている。
また、半円柱体35a〜36bの合わせ面には、溝37a、37bがそれぞれ形成されている。これら溝37a、37bは、それぞれ半円柱体35a〜36bの軸線に沿って延びるとともに相手の半円柱体35a〜36b側に開いて形成されている。そして、これらの溝37aと溝37bとの間に、それぞれ各給電線9、10を配置することが可能とされている。
このように各給電線9、10を挟み込んだ状態で、半円柱体35a〜36bの下面は、それぞれロウ剤39を介して冷媒容器18の上面(上蓋21c)に対し熱的に接続されている。また、各溝37a、37bの内側面と各給電線9、10の外側面との間にもロウ剤40を介在させることが好ましい。
この実施形態によれば、冷却ブーツ35、36によって覆われる分だけ、冷媒容器18と各給電線9、10との熱的な接続面積を大きくすることができるので、より有効に各給電線9、10を冷却することができる。
さらに、この実施形態のように冷媒容器18とは別に冷却ブーツ35、36を備えた構成とすれば、冷媒容器18の形状を維持しながら給電線9、10の冷却範囲を拡大することができる。
NMR(核磁気共鳴)分析装置の全体構成を示したものである。 プローブ本体の上部の内部構造を示したものである。 図2の要部を拡大して示す斜視図である。 図2の要部を拡大して示す断面図である。 本発明の別の実施形態を示す図4相当図である。 本発明の別の実施形態を示す図4相当図である。 図6の冷媒容器を示す平面図である。 本発明の別の実施形態を示す図3相当図である。
符号の説明
3 冷却式NMRプローブヘッド
6 プローブ本体
8 アンテナコイル
9 給電線
10 給電線
11 冷却用部材
17 コイル支持部材
18 冷媒容器
21a 外周壁(外壁の一例)
21b 内周壁(外壁の一例)
21c 上蓋(外壁の一例)
21d 下蓋(外壁の一例)
23a、23b 貫通孔
24〜26、33 絶縁部材
32a、32b 溝
35 冷却ブーツ(被覆部材の一例)

Claims (6)

  1. アンテナコイルを備え、このアンテナコイルが冷却された状態でNMR信号を検出する冷却式NMRプローブヘッドにおいて、
    前記アンテナコイルに接続され、当該アンテナコイルに高周波電力を伝送する給電線と、
    前記アンテナコイルを冷却するように当該アンテナコイルと熱的に接続された冷却用部材とを備え、
    前記給電線は、少なくとも一部が前記冷却用部材に対し熱的に接続され
    前記冷却用部材は、冷媒が流通可能な冷却空間を形成する外壁を有する冷媒容器を備え、前記給電線は、前記冷媒容器の前記外壁に対し熱的に接続されていることを特徴とする冷却式NMRプローブヘッド。
  2. 前記冷媒容器には、前記外壁を貫通するとともに前記冷却空間と連通しない貫通孔が形成され、前記給電線は、少なくとも一部が前記貫通孔を通って配置されるとともに当該貫通孔の内側面に対し熱的に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の冷却式NMRプローブヘッド。
  3. 前記冷却用部材は、前記冷媒容器から前記アンテナコイルまでの間に配置された給電線のうち前記冷媒容器に対し熱的に接続されていない部分の少なくとも一部の外周面を取り囲む被覆部材をさらに備え、この被覆部材は、少なくとも一部が前記冷媒容器の前記外壁に対し熱的に接続されていることを特徴とする請求項2に記載の冷却式NMRプローブヘッド。
  4. 前記給電線は、当該給電線と前記冷却用部材とを電気的に絶縁可能な絶縁部材を介して前記冷却用部材に対し熱的に接続されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の冷却式NMRプローブヘッド。
  5. 前記絶縁部材のうち少なくとも前記給電線と冷却用部材との間に介在する部分が、単結晶サファイア、ジルコニア、石英、ダイアモンドの中から選ばれる少なくとも一つの材料により構成されていることを特徴とする請求項4に記載の冷却式NMRプローブヘッド。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載の冷却式NMRプローブヘッドと、この冷却式NMRプローブヘッドの周囲に設けられる超伝導コイルと、この超伝導コイルを収容する低温容器とを備えることを特徴とするNMR分析装置。
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