JP2005172597A - 核磁気共鳴測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 核磁気共鳴測定装置で使用される電子品の一種であるプローブヘッド内の照射コイル,受信コイル,前置増幅器を極低温に冷却して超電導化し、照射コイルまたは受信コイルのQ値とS/N比を高める手段を備えた核磁気共鳴測定装置を提供する。
【解決手段】 冷凍機18により、熱伝導体16を介して、熱伝導方式で、照射コイル,受信コイル7,前置増幅器9を冷却する。冷凍機18の冷却ステージ12を床から間接的に固定支持し、無振動で照射コイル,受信コイル7,前置増幅器9を約5Kにまで冷却する。冷却用作動冷媒用の圧縮機,トランスファチューブ,熱交換器を使用せずに、照射コイル,受信コイル7を約5Kにまで冷却できるので、冷却装置の製造コストを削減できる。極低温への熱負荷を小さくし、冷凍機18の冷凍量を小さくできるので、冷凍機18の消費電力を少なくし、冷却運転コストを削減できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、核磁気共鳴測定装置(NMR測定装置)に係り、特に、核磁気共鳴測定装置で使用されるプローブヘッド内の照射コイル,受信コイル,増幅器を冷却し、照射コイル,受信コイルのQ値とS/N比とを高めるための冷却手段に関する。
核磁気共鳴測定装置には、無線周波数信号電磁波を試料に連続的に照射するCW型と、パルス状の電磁波を試料に照射するパルスフーリエ型とが存在する。最近では、単に核磁気共鳴測定装置といえば、後者のパルスフーリエ型を指すことが多くなっている。本明細書でも、核磁気共鳴測定装置は、パルスフーリエ型核磁気共鳴測定装置を意味する。
核磁気共鳴測定装置は、基本的には、静磁場を発生する超電導磁石、内部に収納した試料に高周波パルス磁場を照射する照射コイル、試料から放射される自由誘導減衰信号(FID信号)を受信する受信コイル、上記コイルを内部に備えたプローブヘッド、照射コイルに高周波電流を供給する高周波電源、自由誘導減衰信号を増幅する増幅器、信号を検波する検波器、検波器によって検出した信号を解析する解析装置等からなる(例えば、非特許文献1参照)。
なお、照射コイルまたは受信コイルは、様々な核種や測定方法に対応するため複数のコイルを備えるプローブヘッドに収納される。照射コイルと受信コイルは、それらの機能を併せ持っているコイルもある。これらコイルを総称してここでは、プローブヘッドコイルという。
プローブヘッドの一種に低温プローブヘッドがある。非特許文献1によれば、低温プローブヘッドとは、プローブヘッドコイルを超電導化し、極低温のヘリウムガスによってプローブヘッド内部を冷却する方式のプローブヘッドをいい、超電導体としては、一般的には酸化物超電導体が用いられる。
低温プローブヘッドには、2つの利点がある。1つの利点は、回路の電気抵抗が低くなるので、コイルのQ値を高くできることである。コイルのQ値は、数式
Q=1/R・√(L/C) ……(1)
で表現できる。ここで、Lは回路のインダクタンス、Cはキャパシタンス、Rは抵抗である。数式1によれば、電気抵抗Rが小さくなると、Q値が高くなることがわかる。
もう1つの利点は、低温にしたので、回路全体の熱雑音を減少させ、S/N比を高くできることである。ノイズ電圧Vnは、数式
Vn=√(4kTΔf・R)……(2)
で表現できる。ここで、kはボルツマン定数、Tは温度、Δfは周波数幅、Rは電気抵抗である。数式2によれば、温度Tが低くなると、ノイズ電圧Vnは小さくなることがわかる。
一般的な金属では、温度Tが低くなると、電気抵抗Rも小さくなる。したがって、プローブヘッド内部を冷却し、プローブヘッドコイルを超電導化すれば、ノイズ電圧Vnは、Rの1/2乗以上で小さくできる。
プローブヘッド内部を冷却し、低温プローブヘッドを実現するための冷却技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1によれば、簡単な方法でかつ大きな技術的困難とコストアップを伴わずに、受信コイルの温度を30K以下に冷却できる。
特開平10−332801号公報 (第7,8頁 図1〜図4) 荒田洋治著『NMRの書』2000/09/25 丸善刊 第III部第9章9.3プローブ 330頁
しかし、特許文献1の技術にも課題がある。
まず、圧縮機により冷媒を循環させ低温プローブヘッドを冷却する方式では、冷媒循環用の圧縮機および冷媒の冷熱回収用の熱交換器が必要となり、装置コストが上がる。冷媒循環用の圧縮機分の消費電力が必要となり、運転コストが上がる。熱交換器の非効率分の侵入熱を冷凍機で冷却する必要があるので、冷凍機の必要冷凍量が増加し、冷凍機が大型化して装置コストが増加するとともに、冷凍機の消費電力が大きくなり、運転コストが上がる。
より具体的には、例えば、ギフォード・マクマホン式冷凍機で冷媒を冷却し、この冷媒を別の圧縮機により循環させ、被冷却体を極低温の約5Kに冷却し、ここでの冷凍量が0.5W必要となる場合を考えると、ギフォード・マクマホン式冷凍機の消費電力は約9kWであり、圧縮機の消費電力は約3kW必要なので、合計12kWの消費電力となる。約5Kでの冷凍量0.5Wを発生できる冷凍機の消費電力は、約5kWなので、約2.4倍の電力を消費することになる。
次に、冷凍機で冷却された冷媒をそこから離れた位置の低温プローブヘッドに移送させるために、真空断熱されたトランスファチューブが必要となり、トランスファチューブのコストがかかる。トランスファチューブ内の極低温冷媒への熱侵入量が増加し、冷凍機の冷凍能力を増加させなければならず、冷凍機がさらに大型化して装置コストが上がるとともに、冷凍機で消費する電力が大きくなる。
例えば、ギフォード・マクマホン式冷凍機は、運転時に往復動する蓄冷器による機械振動が発生し、振動を嫌う被冷却体近くにはこの冷凍機を設置できないので、被冷却体から離した場所に設置しなければならない。冷凍機で冷却された冷媒によりこの冷凍機から離れた位置に配置した被冷却体を極低温の約5Kに冷却するには、真空断熱されたトランスファチューブに内蔵した極低温の配管により冷媒を往復循環させなければならない。この場合、室温のトランスファチューブから極低温の配管に熱が侵入し、冷媒温度を高めてしまうので、トランスファチューブが長くなるに従い、冷凍機の冷凍能力を増加させなければならず、冷凍機で消費する電力が増加し、2.4倍以上の電力を消費する。冷凍量0.5Wを発生できる冷凍機のコストに比べ、約6倍の冷却装置コストが必要となる。
プローブヘッドが振動するとノイズの原因となるので、プローブヘッド内の照射コイル,受信コイル,増幅器に冷凍機の運転振動を伝えないためには、冷凍機をプローブヘッドから離して設置しなければならない。一般に、トランスファチューブの主な配管部品としては、フレキシブルなベローズを使用し、長い距離を確保し、振動を吸収していた。
本発明の目的は、プローブヘッド内の照射コイル,受信コイル,増幅器を極低温に冷却して超電導化するための長大なトランスファチューブ,大きな冷凍機,熱交換器を不要にするとともに、プローブヘッドの振動を極力抑制し、照射コイルおよび受信コイルのQ値とS/N比を高める手段を備えた核磁気共鳴測定装置を提供することである。
本発明は、上記目的を達成するために、少なくとも1つの電子品であるNMR受信コイルおよび照射コイルを備えたNMRプローブヘッドを有する核磁気共鳴(NMR)測定用の測定装置において、前記プローブヘッド内に前記NMR受信コイルによって受信されるNMR信号を増幅する少なくとも1つの増幅器を備え、前記NMR受信コイルおよび照射コイルを冷却する極低温の第2冷却ステージを前記プローブヘッド内に備え、極低温の第2冷却ステージに前記増幅器を熱的に良好で熱伝達が大きな銅,銀,アルミニウム等の金属やサファイア,窒化アルミニウム等のセラミックス系材料を介して結合する。
前記プローブヘッド内にあり、極低温に冷却する電子品の前記NMR受信コイル、照射コイルおよび前記増幅器は、前記電子品に常温から侵入する大きな輻射熱を防止するため、低温の第1冷却ステージで温度70K前後に冷却された第1熱シールド体内に配置されている。前記第1熱シールド体と電子品は、非接触である。
前記極低温の第2冷却ステージは、前記プローブヘッドを構成する真空容器と、真空を維持しつつ接続された真空配管の中に配置された銅、窒化アルミニウムやサファイア製の極低温の熱伝導体の一方の端部にインジューム等の比較的柔らかなシート状の熱伝導媒体を挟んで熱的に結合される。
前記極低温の熱伝導体の他方の端部は、例えば銅網やインジュームシートの積層体で構成されたフレキシブルな極低温の熱伝導体を介して、冷却用の例えばパルス管式冷凍機の極低温の第2冷却ステージに熱的に良好に結合される。
ここで、パルス管式冷凍機の極低温の第2冷凍ステージは、冷凍運転により、温度約4Kに冷却される。パルス管式冷凍機は、作動ガス(ヘリウムガス)の断熱膨張用の膨張管と出入りする作動ガスの熱を交換する蓄冷器で構成される。
一般に極低温の温度4Kを発生させる冷凍機は、極温度4Kと約50Kの温度を発生させる冷凍ステージを有し、2段でカスケード的に極低温度を生成する。作動ガスの断熱膨張用の膨張管と蓄冷器は、それぞれの温度発生用に2組を有する。
2個の冷凍ステージは、温度約4Kの極低温の第2冷凍ステージと、温度約50Kの低温の第1冷凍ステージであり、2個の蓄冷器は、それぞれ4K用の第2蓄冷器と50K用の第1蓄冷器である。
前記第1熱シールド体冷却用の低温の第1冷却ステージのスカート部は、良好に熱伝導する例えば銅管で構成され、前記スカート内に、極低温の熱伝導体が,そして、熱伝導媒体,極低温の第2冷却ステージが前記スカート端と熱的に結合された第2熱シールド体内に配置され、前記極低温の熱伝導体、極低温の第2冷却ステージおよび極低温の第2冷却ステージに常温から侵入する大きな輻射熱を防止する。前記第2熱シールド体と冷凍機の温度約50Kの低温の第1冷凍ステージは、インジューム等の比較的柔らかなシート状の熱伝導媒体を挟んで熱的に結合される。
第1,第2熱シールド体および低温の第1冷却ステージのスカート部には、積層断熱材を巻き付け、低温部および極低温部を内蔵する室温の真空断熱容器内壁面から侵入する大きな輻射熱を防止する。
冷凍機の運転中は、高圧ガスと低圧ガスとが膨張管に周期的に給排気されるので、膨張管が圧力により伸び縮みし、その変位分振動する。
冷凍機に高圧ガスを供給する配管と、膨張後の低圧ガスを回収する配管とは、圧縮機に金属製配管で接続されている。圧縮機は、モータと圧縮機とからなり、運転中大きな振動を発生する。この振動が前記配管を通じて冷凍機に伝播する。これらの振動でプローブヘッド部が振動し、ノイズが発生する。
この振動を防止するため、大地に設置した基礎部に強固に固定した基礎支持台に、プローブヘッド部を間接的に締結する。
真空断熱容器の内壁から、熱伝導率が小さいFRP製の断熱支持体により、プローブヘッド部を間接的に支持する極低温の熱伝導体の両端部を強固に支持する。
前記断熱支持体の室温と極低温部との間は、第1冷却ステージのスカート部を貫通し、その貫通部分において、温度約70Kのスカート部と熱的にかつ強固に結合され、FRP製の断熱支持体の固体部の室温から極低温部に熱伝導によって進入する進入熱を防止する。
真空断熱容器は、前記基礎支持台に強固に締結される。この構造により、前記スカート部も固定され、前記スカート部の振動を防止できる。
さらに、冷凍機の極低温の第2冷凍ステージと第2蓄冷器の極低温側の端部を、真空断熱容器の内壁から、熱伝導率が小さいFRP製の断熱支持体で強固に支持する。前記断熱支持体の室温と極低温部の間は、冷凍機の温度約50Kの低温の第1冷凍ステージで冷却される熱シールド体を貫通し、その貫通部分において、熱シールド体と熱的にかつ強固に結合され、FRP製の断熱支持体の固体部の室温から極低温部に熱伝導によって侵入する侵入熱を防止する。
この構造により、第1冷凍ステージと熱シールド体が固定され、前記第1冷凍ステージと熱シールド体の振動を防止し、ノイズが増加することを防止できる。
以上の構造により、プローブヘッド内の照射コイル、受信コイルおよび前置増幅器を、極低温の熱伝導体により、ほとんど振動無しに、極低温に冷却でき、低温プローブヘッドを実現できる。
また、プローブヘッド内の照射コイル、受信コイルおよび前置増幅器を冷却するために、冷凍機以外の装置による加圧循環作動流体を伝熱媒体とした、例えばヘリウムガス等の冷媒を使用しないので、熱交換器が不要である。
したがって、熱交換器の非効率分の冷却を冷凍機の冷凍容量で補う必要がなく、これによって冷凍機の冷凍量が低減でき、冷凍量が小さな、すなわち、消費電力が小さな冷凍機を使用できる。冷凍機として小型のものを適用でき、熱交換器が不要であり、冷凍機と低温プローブヘッドとの間のトランスファチーブが不要となるので、装置価格を低減できる。
また、装置外部からの侵入熱が少なくなり、冷凍機の冷却温度が低下するので、プローブヘッド部の温度が上昇することを防止できる。
本発明によれば、冷却用作動冷媒用の圧縮機、トランスファチューブや熱交換器を使用せずに、照射コイルおよび受信コイルを約5Kにまで冷却できるので、冷却装置の製造コストを下げるとともに、極低温への熱負荷を削減できるので、冷凍機の冷凍量を小さくでき、冷凍機の消費電力を小さくして、冷却運転コストを低減できる。
次に、図1〜図20を参照して、本発明による核磁気共鳴測定装置の実施形態を説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明による核磁気共鳴測定装置の実施形態1の全体構造を示す図である。
本実施形態1の核磁気共鳴測定装置1においては、対向する超電導磁石2,3が発生する静磁場内に、NMRプローブヘッド4を設置する。超電導磁石2,3は、断熱真空容器5,6内で液体ヘリウム等の冷媒により極低温の約4Kに冷却される。断熱真空容器5,6は、超電導磁石2と3との間の磁気力に対して、支持体111で支持されている。
超電導磁石は、サンプルの挿入方向に対して垂直の静磁場が図1の水平方向に作用するように、スプリット型に配置されており、超電導磁石の間隙または超電導磁石の中心ボアに大きな空隙ができる。したがって、この空隙を開放空間として利用すれば、プローブヘッド側面に大面積の観測空間を形成でき、サンプルに高エネルギーの光や熱を照射し、サンプルを広範囲に観測できる。
図3は、実施形態1の低温プローブヘッドの詳細な構造を示す図である。
少なくとも1つの電子品であるNMR受信・照射コイル7を備えたNMRプローブヘッド4を有する核磁気共鳴測定装置において、プローブヘッド4内にNMR受信・照射コイル7によって受信されるNMR信号を増幅する少なくとも1つの増幅器9を備え、プローブヘッド4内にNMR受信・照射コイル7を冷却する極低温の第2冷却ステージ14をプローブヘッド4内に備え、プローブヘッド4内において、極低温の第2冷却ステージ14に、熱伝達が良好な銅、銀、アルミニウム等の金属やサファイア、窒化アルミニウム等のセラミックス系材料で製作した熱伝導体16をインジュームシート等の柔らかな熱良導物を介して、ボルト100で熱的に良好に結合する。
NMR受信・照射コイル7は、極低温の第2冷却ステージ14と例えば溝内にインジューム等の介在物を介して熱的に良好に結合され、その後、接着剤等で固定され、サファイア、窒化アルミニウム等のセラミックス系材料で製作したコイル支持材8に、熱的に良好に固定されている。コイル支持材8には、常温のサンプル挿入空間110を敷設するための穴を有している。
例えば銅、銀等の金属やサファイア、窒化アルミニウム等のセラミックス系材料で製作した支持体101を、インジュームシート等の柔らかな熱良導物を介して、ボルト102で熱伝導体16に熱的に良好に結合し、この支持体101に増幅器9を熱的に良好に結合する。
図3では、NMRプローブヘッドコイルは、NMRプローブヘッドコイルは、照射用と受信用を兼用とした構成した場合を示しており、照射用と受信用を分けてもよい。
一方、図3において、電子品に常温から侵入する大きな輻射熱を防止するため、プローブヘッド4内にあり、極低温に冷却する電子品のNMR受信・照射コイル7および増幅器9は、低温の第1冷却ステージ12で温度60K前後に冷却される第1熱シールド体13内に配置されている。
第1熱シールド体13と電子品は、非接触である。第1熱シールド体13は、熱伝導が良好な銅、アルミニウム、銀等の金属やサファイア、窒化アルミニウム等のセラミックス系材料で製造される。
第1熱シールド体13は、インジュームシート等の柔らかな熱良導物を介して、ボルト103で第1冷却ステージ12に熱的に良好に結合される。
極低温の第2冷却ステージ14は、プローブヘッド4を構成する真空容器15と真空を維持しつつ接続された真空配管の中に配置された銅、銀等の金属やサファイア、窒化アルミニウム等のセラミックス系材料の極低温の熱伝導体16の一方の端部にインジューム等の比較的柔らかなシート状の熱伝導媒体を挟んで熱的に結合される。
電子品に第1熱シールド板13から侵入する大きな輻射熱を防止するため、プローブヘッド4内にあり、極低温に冷却する電子品のNMR受信・照射コイル7および増幅器9は、極低温の第2冷却ステージ14で温度5K前後に冷却される第2熱シールド体90内に配置されている。
第2熱シールド体90は、インジュームシート等の柔らかな熱良導物を介して、ボルト100で第2冷却ステージ14と熱伝導体16の締結部に熱的に良好に結合される。
図3において、NMR受信・照射コイル7は、ガラス製サンプル管91の外側に配置され、いわゆる螺旋コイルを配置した形状となっている。なお、ガラス製サンプル管91には、測定サンプル92が入っている。コイル7の材質は、例えば二ホウ化マグネシウム超電導線である。
コイル7の両端には、銅線冶金線である電流リード93がはんだ接続されており、電流リード93に直流電流を通電した場合、コイル7は、図中の矢印の方向94に磁場を発生するので、サンプル4の中央で矢印の方向94に均一な磁場を発生できる。なお、これらの構成部品は、超電導磁石2,3の発生する高均一静磁場中に置かれる。この場合の高均一静磁場の向きは、方向95に示される方向となる。
電流リード93の内、NMR信号を受信するリード線は、NMR信号を増幅する増幅器9に接続され、信号を増幅するために回転軸96の回転で増幅器9のトリマコンデンサを調整する。
回転軸96は、図2に示すように、冷凍機側にある端部で傘歯車を組み合わせたギアボックス97に接続され、回転軸96と90度方向の回転軸98と接続される。回転軸98は、上部フランジ35に磁性真空シール機構等を使用して気密性を有した状態で貫通させ、室温部の回転ハンドル等で構成する回転機構99に接続する。したがって、回転機構99で回転軸98を回転させると、回転軸96を回転させ、増幅器9のトリマコンデンサを調整できる。
コイル7は、コイルボビンに巻かれていてもよい。高均一静磁場を乱さないよう、コイルボビンは、比透磁率が1に近いこと、すなわち、真空の透磁率に近い材質である必要がある。
コイル7は、高周波パルス電流を通電し、測定サンプル92に高周波パルス磁場を印加するので、コイルボビンは、高周波磁場を遮蔽しない絶縁体である必要がある。さらに、被測定核種が含まれるコイルボビンとした場合、コイルボビン自体がNMR信号を発信してしまい、測定サンプル92が発信するNMR信号と区別できなくなるので、材質の選定には、注意が必要である。したがってコイルボビンは、透磁率調整用の成分を含んだ特殊ガラスが望ましい。
コイルボビンのみならず、サンプル管91や、サンプル管91の外側に設置した真空容器15aも上記特殊ガラスが望ましい。
図3において、第2冷却ステージ14および第1冷却ステージ12は、それ自身が剛性高く、熱伝導率が小さいガラスやカーボン繊維で補強されたエポキシ樹脂で製造された円盤状の荷重支持体80で支持固定される。
すなわち、第2冷却ステージ14および第1冷却ステージ12を荷重支持体80で固定し、コイル7の位置を固定すると、冷却による熱収縮でコイル7の位置が移動する量を最小限にできる。
荷重支持体45の外周部は、ステンレス鋼やアルミニウム合金等の金属性のフランジ81に接着剤等で一体化されている。
フランジ81の低温プローブヘッド側は、真空容器15に溶接等で一体化されたフランジ82とフランジ81がボルト83で締結され、Oリング83で大気側と真空隔離されている。
フランジ81の冷凍機側は、円筒状で肉厚を比較的厚くして剛性を高めた真空容器87に溶接等で一体化されたフランジ84と、フランジ81とがボルト85で締結され、Oリング86で大気側と真空隔離されている。
図2において真空容器87と冷凍機を内蔵する真空容器44は、溶接やフランジ結合で真空機密性を有しながら強固に結合されている。したがって、フランジ81に固定された荷重支持体80は、真空容器44に固定された高剛性の真空容器87で支持されるので、荷重支持体80は、冷凍機運転時においても振動しない。
第2冷却ステージ14および第1冷却ステージ12は、荷重支持体80に接着剤等で一体化されている。その結果、第1冷却ステージ12は、荷重支持体80も、冷凍機運転時においても振動しない。
したがって、第1冷却ステージ12に結合し、コイル7および増幅器9を覆う第1熱シールド体13、および極低温の第2冷却ステージ16に結合した第2熱シールド体90、コイル支持材8とコイル7は、冷凍機運転時においても振動しないから、無振動により磁場中で移動することによって生じる渦電流が作り出す磁場が生じないので、精度よくNMR信号を受信でき、高精度の計測ができる。
フランジ81は、室温の真空容器87で支持されているので、第2冷却ステージ16等が冷却されて熱収縮が生じても、真空容器87には、熱収縮が生じないので、初期の設定位置が冷却運転後においても変化しない。
その結果、常温の真空容器15で形成される常温のサンプル挿入空間110も、サンプル挿入空間110等が冷却されて熱収縮が生じても、真空容器87には、熱収縮が生じないので、初期の設定位置が冷却運転後においても変化しない。
しかし、図3において、フランジ81とサンプル挿入空間110の中心までの距離Lの範囲にある、第2熱シールド体90、第2冷却ステージ16およびコイル支持材8は、常温状態から極低温の4Kまで温度が低下するので、熱収縮が生じる。
冷却前には、第2冷却ステージ16およびコイル支持材8で支持されたコイル7の中心は、サンプル挿入空間110の中心軸に一致している。しかし、冷却後には、熱収縮によりコイル7の中心がフランジ81側にΔLだけ収縮する。
第2冷却ステージ16およびコイル支持材8の熱収縮率をβ(1/K)とし、温度降下をT(K)とすると、ΔLは、数式
ΔL=β・L・T ……(3)
で表される。
Lを小さくすると、ΔLを小さく抑制できる。本実施形態1では、低温プローブヘッド側の近傍にフランジ81を設置できるので、Lを極力小さくできるので、ΔLを小さく抑制できる。
したがって、サンプル挿入空間110を構成し熱収縮が生じない常温の真空容器15aに低温プローブヘッド4内の第2熱シールド体90aが、第2熱シールド体90aに第1熱シールド体13aが熱収縮により接触することを防止でき、それぞれより高温側の物体から、低温側の物体に熱が侵入することを防止し、第2熱シールド体90a,90とコイル7の温度が上昇してコイル7が超電導状態を逸脱することを防止でき、計測精度を維持できる。
図2は、実施形態1の冷凍機の詳細な構造を示す図である。
一方、図2において、極低温の第2冷却ステージ14は、例えば銅網やインジュームシートの積層体で構成されたフレキシブルな極低温の冷却体77を介して、冷凍用の例えばパルス管式冷凍機18の極低温の第2冷凍ステージ19に熱的に良好に結合される。
すなわち、冷凍機側の極低温の第2冷凍ステージ19と被冷却体側の極低温の第2冷却ステージ14は、ほとんど同じ温度になるのが望ましい。
通常、被冷却体側の極低温の第2冷却ステージ14の温度は、冷凍機側の極低温の第2冷凍ステージ19の温度より高くなる。この温度差は、冷凍機の冷却温度と冷凍能力の特性が冷凍機の性能で定まり、これに被冷却体側の極低温の第2冷却ステージ14に負荷される冷凍量、およびフレキシブルな伝導体17の熱伝導率の物性で定まる。
前記の負荷される必要冷凍量は、前記電子品の通電時の発熱量、および電子品、極低温の熱伝導体16、第2冷却ステージ14およびフレキシブルな熱伝道体17への室温部から侵入する侵入熱量である。したがって、発熱量と侵入熱量を小さくすると、電子品をより低温に冷却できる。
図2において、パルス管式冷凍機18の極低温の第2冷凍ステージ19は、冷凍運転により、温度約4Kに冷却される。パルス管式冷凍機18の低温部は、作動ガス(ヘリウムガス)の断熱膨張用の膨張管と出入りする作動ガスの熱を交換する蓄冷器で構成される。
一般に極低温の温度4Kを発生させる冷凍機は、極温度4Kと約50Kの温度を発生させる複数の冷凍ステージを有し、2段の冷凍過程でカスケード的に極低温度を生成する。
作動ガスの断熱膨張用の膨張管と蓄冷器は、それぞれの温度発生用に2組を有する。2段の冷凍ステージは、温度約4Kの極低温の第2冷凍ステージ19と、温度約50Kの低温の第1冷凍ステージ20であり、2個の断熱膨張用の膨張管と蓄冷器は、それぞれ4K用の第2膨張管21と第2蓄冷器22と、50K用の第1膨張管23と第1蓄冷器24である。
50K用の第1蓄冷器24の室温端は、配管28を介して、室温の真空用フランジ29に固定され、作動ガスのヘリウムガスの供給および排気を調整するバルブユニット27に配管28で接続している。第1蓄冷器24の他端は、膨張管23の低温端に配管38で接続している。
配管38で50Kの寒冷が発生するので、配管38は、熱伝導が良好な例えば銅製のフランジで構成した第1冷凍ステージ20と、半田や銀ろうで冶金的に一体化されている。膨張管23の常温端は、配管34でフランジ29を貫通し、細孔のオリフィスを有し、室温部に設けた圧力緩和容器30に接続している。
一方、4K用の第2蓄冷器22の室温端は、配管32を介して、室温の真空用フランジ29に固定され、作動ガスのヘリウムガスの供給および排気を調整、するバルブユニット27に配管32で接続している。第2蓄冷器22は、内蔵される蓄冷材が複数材使用され、蓄冷材は、作動温度領域で区別して使用される。
通常、50K以上の温度領域では、銅製の金網の積層材で構成した第1蓄冷材が使用され、50K以下では、Er(エルビウム)系の複合材(例えば、ErNi)の直径が数/10mm程度の球形の第2蓄冷材が使用される。
第2蓄冷器22内の常温の真空用フランジ29側には、第1蓄冷材が、第2冷凍ステージ19の極低温側には第2蓄冷材が内蔵されている。
第2蓄冷器22の温度60K部分あたりと第1冷凍ステージ20を、銅板アルミニウム板や、銅網等で作成されたフレキシブルな熱良導体である冷却体60を介して、半田や銀ろう等で熱的に一体化し、第2蓄冷器22内を流動する作動ガスを第1冷凍ステージ20で冷却する。
第2蓄冷器22の高温端は、配管31で接続され、さらに、配管31は、フランジ29を貫通し、細孔のオリフィスを有し、室温部に設けた圧力緩和容器32に接続している。
第2蓄冷器22の低温端は、膨張管21の低温端に配管33で接続している。
配管33で約4Kの寒冷が発生するので、配管33は、熱伝導が良好な例えば銅製のフランジで構成した第2冷凍ステージ19と、半田や銀ろうで冶金的に一体化されている。
一方、第1蓄冷器24は、第1蓄冷材が充填されている。
作動ガスのヘリウムガスの供給および排気を調整するバルブユニット27は、作動ガスの圧縮機41に高圧配管42、低圧配管43と接続されている。
バルブユニット27では、内部のバルブの切り替え、例えば、図示しないモータで回転する回転バルブにより、所定周期で高圧配管42から供給される高圧の作動ガスを、第1蓄冷器、第1膨張管および第2蓄冷器、第2膨張管に、それぞれ配管を通じ、圧縮機41から供給し、同様に断熱膨張後の低圧ガスを、同様な経路で低圧配管43により圧縮機41に回収する。
なお、内部に電気モータを有するバルブユニット27と圧縮機41は、核磁気共鳴測定装置1を取り囲んで設置される磁気シールド板113の外側に配置され、磁気ノイズが核磁気共鳴測定装置1に侵入するのを防止している。
真空用の上部フランジ35を有する真空容器44内には、それ自身の剛性高く、熱伝導率が小さいガラスやカーボン繊維で補強されたエポキシ樹脂で製造され、剛性が高い円筒構造を有した固定用の荷重支持体45の室温側の端部46aが上部フランジ35にボルト52で強固に固定される。
上部フランジ35は、真空容器44にボルト53で強固に固定され、真空容器44は、下部フランジ39とボルト54で強固に固定されている。さらに、下部フランジ39は、振動補強工事等で大地36に固定された固定床49に強固に固定された剛性が高い支持台50の上部にボルト55で強固に固定されている。
支持台50は、脚37を介して、固定床49にボルト等で強固に固定される。したがって、固定用の荷重支持体45は、固定床49に強固に固定されていることになる。
断熱真空容器5、6は、脚112を介して、固定床49にボルト等で強固に固定される。荷重支持体45の低温側の端部46bは、第2冷凍ステーション19と、固定フランジ51を介して、ボルト52で強固に固定されている。固定フランジ51は、それ自身が剛性高く、熱伝導率が小さいガラスやカーボン繊維で補強されたエポキシ樹脂で製造される。
したがって、第2冷凍ステーション19は、固定床49に強固に固定されていることとなり、第2冷凍ステーション19は、固定床49と同様にほとんど振動しない。
第1冷凍ステージ20には、熱伝導が良好な銅、アルミニウム、銀等の金属やサファイア、窒化アルミニウム等のセラミックス系材料で製造した、第1熱シールド体用のフランジ56を、インジューム等の比較的柔らかなシート状の熱良導物を挟んで、ボルト57で固定される。
真空用の上部フランジ35を有する真空容器44内には、フランジ56は、剛性高く、熱伝導率が小さいガラスやカーボン繊維で補強されたエポキシ樹脂で製造され、剛性が高い円筒構造を有した固定用の荷重支持体58で、上部フランジ35にボルト59で強固に固定される。
この構造により、第1熱シールド板冷却用のフランジ56の振動を防止する。
上部フランジ35は、真空容器44にボルト53で強固に固定され、真空容器44は、下部フランジ39とボルト54で強固に固定されている。さらに、下部フランジ39は、振動補強工事等で大地36に固定された固定床49に強固に固定された剛性が高い支持台50の上部にボルト55で強固に固定されている。
真空用の上部フランジ35から第2冷凍ステージ19固定用の荷重支持体45の室温側部とフランジ56を、銅板、アルミニウム板や、銅網等で作成された冷却体40を介して半田等で熱的に良好に結合し、荷重支持体45を温度約50Kのフランジ56で冷却し、常温の上部フランジ35から温度約4Kの第2冷凍ステージ19に熱伝導により熱が侵入することを防止している。
フランジ56には、第1熱シールド体61が、フランジ56とインジューム等の比較的柔らかなシート状の熱良導物を挟んで、ボルト62で固定され、第1熱シールド体61は、フランジ56で温度約60Kに冷却される。なお、第1冷凍ステージ20および第1冷凍ステージ20で冷却されるフランジや第1熱シールド体には、常温部と対向する面上に積層断熱材を巻き付け、低温部および極低温部を、室温の真空断熱容器内壁面から侵入する大きな輻射熱を防止する。
一方、冷凍機18を常温部で固定する真空用フランジ29は、フランジ64と円筒真空容器63に気密性を有して冶金的に一体化した伸縮性に富む柔らかいベローズ65を介して、真空容器の上部フランジ35に付設した円筒真空容器63にボルト66で結合され、Oリング67で大気と真空容器内とを気密性を有しながら隔離している。
ベローズ65により、冷凍機18の運転時の振動、すなわち、膨張器や蓄冷器に高圧、低圧の作動ガスが出入りする際に生じる圧力差で膨張器や蓄冷器の容器が伸び縮みして、これが変位差となって振動する運転時の振動を吸収する。
すなわち、本構造では、第2冷凍ステージ19が、荷重支持体45を介して上部フランジ35から強固に固定されているので、冷凍機運転時の膨張器や蓄冷器の容器の伸び縮みをベローズ65で吸収できる。
なお、真空容器44と上部フランジ35、下部フランジ39内と大気は、Oリング68で気密性を有して隔離している。
それ自身が剛性高く、熱伝導率が小さいガラスやカーボン繊維で補強されたエポキシ樹脂で製造され、剛性が高い円筒構造を有した固定用の荷重支持体69により、極低温の第2冷却ステージ14は、上部フランジ35にボルト70で強固に固定される。
第1熱シールド体61と荷重支持体69の室温部側の一部は、銅板、アルミニウム板や、銅網等で作成された冷却体71を介して、荷重支持体69とは、接着剤で、第1熱シールド体61側とは、はんだ等で熱的に良好に結合し、荷重支持体69を温度約50Kの第1熱シールド体61で冷却し、常温の上部フランジ35から温度約4Kの第2冷却ステージ14に熱伝導により熱が侵入することを防止している。
荷重支持体69の低温側は、例えば円筒状で内表面が低摩擦係数の材料、例えば、フッ化化合物で製作された円筒体72に固持される。
一方、第2冷却ステージ14に固持され、例えば円筒状で外表面が低摩擦係数の材料、例えば、フッ化化合物で製作された円筒体73が、円筒体72内面に狭い隙間で嵌め合わせるように配置される。
第2冷却ステージ14の端部は、インジューム等の比較的柔らかなシート状の熱良導物を挟んで、熱伝達が良好な銅,銀,アルミニウム等の金属製のフランジ74とボルト75で固定され、フランジ74と、熱伝達が良好な銅,銀,アルミニウム等の金属製のフランジ76とは、フレキシブルなインジュームシート,薄い銅板,アルミニウム板や、銅網等で作成された冷却体77でインジュームや半田や銀ろうで熱的に一体化される。
本構造により、第2冷却ステージ14が冷却による熱収縮で長軸方向に伸縮する場合、円筒体73と円筒体72とが滑り、第2冷却ステージ14を支持する部材に余分な荷重が作用しない。
なお、真空容器44内は、真空ポンプで真空排気され、真空空間がつながっている低温プローブヘッド内も真空排気される。
以上、本実施形態1によれば、NMR受信・照射コイル7および増幅器9を、コイル支持材8、熱伝導体16、第2冷却ステージ14およびフレキシブルな冷却体77を通じて冷凍機の第2冷凍ステージ19により、間接的に熱伝導で冷却できるので、コイル7と第2冷凍ステージ19との間の距離を短縮でき、冷凍機の極低温度域での熱侵入量が低減できる。
したがって、冷凍能力が小さい冷凍機でMR受信・照射コイル7および増幅器9を所定温度に冷却できるので、コイル7でNMR信号を良好に受信し、NMR信号を高精度に測定できるとともに、冷凍機の運転消費電力を小さくできる。
冷凍機の第2冷凍ステージ19を間接的に床から固定支持するので、第2冷凍ステージ19を運転中に無振動に維持できるので、第2冷凍ステージ19に接続したNMR受信・照射コイル7および増幅器9を無振動で冷却でき、静磁界内でコイル7が動かないので、渦電流で発生する磁界によるノイズが無く、NMR信号を高精度に測定できる。
NMR受信・照射コイル7を冷却するコイル支持材8および熱伝導体16を、低温プローブヘッド4を構成する常温の真空容器15から固定支持するので、低
温プローブヘッド4内に配置した極低温部材の冷却による熱収縮量を小さくできる。
この結果、低温プローブヘッド4内に配置した極低温部材が他の高温の部材に接触することを防止し、極低温の電子部品への侵入熱量を小さくし、電子品をより低温に冷却できるので、NMR信号を高精度に測定できる。
(実施形態2)
図4は、本発明による核磁気共鳴測定装置の実施形態2の構造を示す図である。
本構造と図3との相違は、図3におけるフランジ81の締結部の構造を、ボルト締結からキャップによるねじ締結にした構造にある。
図4においてフランジ120は、剛性高く、熱伝導率が小さいガラスやカーボン繊維で補強されたエポキシ樹脂で製造された円盤状の荷重支持体80を内側に接着剤で固定し、真空容器87とは、溶接等で冶金的に一体化している。
フランジ120の外周部に設けた雄ネジ部とキャップ122の内側に設けた雌ネジ部の嵌め合わせ部121を有するキャップ122の回転により、真空容器15と溶接等で冶金的に一体化されたフランジ123をフランジ120に押し付けながら真空容器15を支持する。Oリング124で、真空容器15内と大気間を真空隔離している。
本実施形態2によれば、外径を真空容器87の外径により近づけることが可能なキャップ122により、低温プローブヘッド4の真空容器15を支持できるので、フランジ結合部を含めた低温プローブヘッド4の外径をより小さくでき、低温プローブヘッド4を小型、軽量に製作でき核磁気共鳴測定装置1への挿入等の操作性を高められる。
(実施形態3)
図5は、本発明による核磁気共鳴測定装置の実施形態3の構造を示す図である。
本構造と図3との相違は、図3における常温のサンプル挿入空間110が、低温プローブヘッド4の長軸方向に直角に配置されている構造にした点である。
これに対して、図5では、常温のサンプル挿入空間130が、低温プローブヘッド131の長軸方向と同軸方向に配置されている構造の場合を示している。サンプル管91は、図中上部から下部への重力方向に空間130へ挿入する場合を示している。
NMR受信・照射コイル132は、鞍型コイルと呼ばれるコイルを対向して配置した形状となっている。
コイル7の材質は、例えば、二ホウ化マグネシウム超電導線である。コイル7の両端には、銅線冶金線である電流リード133がはんだ接続されており、電流リード133に直流電流を通電した場合、コイル132は、図中の矢印の方向134に磁場を発生するので、サンプル4の中央で矢印の方向134に均一な磁場を発生できる。高均一静磁場の向きは、方向135である。
コイル132は、熱伝導率が大きな銅、アルミニウム、銀等の金属やサファイア、窒化アルミニウム等のセラミックス系材料で製造された熱伝導体136に熱的に一体化され、熱伝導体136は、熱伝導率が大きな例えば銅製のフランジ137に熱的に一体化され、フランジ137は、インジュームシート等の柔らかな熱良導物を介して、ボルト138で熱伝導体16に熱的に良好に結合される。第1熱シールド板139は、コイル132を取り囲むように配置されている。
本実施形態3によれば、静磁場の方向が、重力方向である場合で、低温プローブヘッド131を逆重力方向から静磁場に挿入し、サンプル管91を重力方向から空間130に挿入する場合においても、図3と同様に、ほとんど振動しない状態でコイル132を極低温に冷凍機で良好に冷却できるので、良好なNMR信号を測定できる。
(実施形態4)
図6は、本発明による核磁気共鳴測定装置の実施形態4の構造を示す図である。
本構造と図2との相違は、図1における常温の断熱真空容器6に、低温プローブヘッド4およびその冷却部を含めた一体を強固に固定支持し、磁石と低温プローブの相対的振動変位差によるノイズを低減するようにした点である。
断熱真空容器6の真空容器壁の一部の壁140の大気側に冶金的に取り付けられたフランジ141に、上部フランジ35と下部フランジ39に固定された固定用支持板142、143をボルト144,145で強固に固定する。
本実施形態4によれば、大地や機械・電気的な振動吸収装置等の振動を抑えられた常温の断熱真空容器6に、低温プローブヘッド4およびその冷却部を含めた一体を強固に固定支持することで、低温プローブヘッド4の振動が低減され、仮に地震等で振動が発生しても低温プローブヘッド4は、磁石と同体で振動するので、磁石と低温プローブの相対的振動変位差によるノイズが低減されるので、良好なNMR信号を測定できる。
(実施形態5)
図7および図8は、本発明による核磁気共鳴測定装置の実施形態5の構造を示す図である。
本構造と図2との相違は、図2におけるベローズ65の外周に、紙面の左右方向、および紙面上下方向を中心軸として、ベローズ6が回転することを防止する構造を付加した構成にある。
真空用の上部フランジ35の室温側に、円筒真空容器63をフランジ146と気密性を有して冶金的に結合し、さらにこのフランジ146にいんろう部を有して固定されるフランジ付のガイド用円筒案内治具147をボルト148で固定する。円筒案内治具147の先端外周部には、低摩擦係数の円筒リング149を結合する。
一方、室温の真空用フランジ29には、円筒リング149に嵌め合わせる円形窪み150を有した案内フランジ151をボルト152で固定し、真空Oリング153で真空気密性を保持する。
案内フランジ151とベローズ65は、冶金的に一体化され、真空気密性を有している。円筒リング149と円形窪み150とは、紙面上下方向に僅かな隙間で摺動する。すなわち、冷凍機の運転に伴うベローズの伸縮分の変位の分だけ摺動する。
この嵌め合わせにより、冷凍機のベローズ部が紙面の左右方向に動くことを阻止し、冷凍機を安定に支持し、余分な運転振動や動揺を防止できるので、冷凍機に間接的に接続した低温プローブヘッド4のプローブの揺れを防止し、プローブの揺れによって生じる計測精度の低下を防止できる。
案内フランジには、周り止めの穴154を設け、この穴154を貫通し下部の円筒案内冶具147のボルト穴にねじ止めで固定された支持棒155により、案内フランジ146が回転すること防止し、ベローズ65がねじりの荷重を受けないように支持する。
この構造により、多数回数のねじれの繰り返しによって生じるベローズの亀裂の発生を防止し、ベローズ65からの真空の破壊が発生してプローブの温度が上昇することを防止できる。
支持棒155が穴から抜き出ないように設けたストッパ156により、ベローズ65が必要以上に伸びないように支持棒で伸びを拘束できるので、ベローズ65に過度の塑性変形が生じることを防止でき、同様にベローズ65の破壊から生じる真空の破壊が発生してプローブの温度が上昇することを防止できる。
本実施形態5によれば、冷凍機を更に安定に支持できるので、冷凍機と真空容器とを接続するベローズに過度の応力やひずみが発生しない。したがって、ベローズの破壊を防止でき、破壊によるプローブ温度上昇を防止できるとともに、運転による冷凍機の揺れを防止できるので、低温プローブヘッド4の揺れによる計測精度の低下を防止できる。
(実施形態6)
実施形態5の変形例も可能である。
図9に示す本実施形態6の構造と図7との相違は、図7における冷凍機および第2冷凍ステージ19が、荷重支持体45を介して冷凍機着脱用のフランジ178に一体化され、振動防止構造を冷凍機側にまとめた点である。
真空用の上部フランジ35に、装脱着できるように、フランジ178から荷重支持体45、荷重支持体58で、第2冷凍ステージ19およびフランジ56を固定支持する。
フランジ178は、フランジ35にボルト179で強固に固定され、Oリング180で真空保持する。
第1冷凍ステージ20で冷却されるフランジ56は、インジュームを介してボルト182で固定して熱的に一体化し、第1熱シールド板181を冷却する。
フランジ178には、フランジ146がボルト148で取り付けられている。
フランジ76をフランジ56から切り離し、第1熱シールド板181をフランジ56から切り離すと、冷凍機単体でフランジ178を装置から切り離し撤去できる。
したがって、冷凍機の装着は、フランジ178をフランジ35に取り付けることで間単に振動を防止できる冷凍ステージを提供できるので、装置の組み立てがより容易となる。
本実施形態6によれば、振動防止用に冷凍ステージを固定した冷凍機を単独で提供できるので、冷凍機の設置がさらに少ない組み立て工数で実施できるので、装置コストを低減できる。
(実施形態7)
図10は、本発明による核磁気共鳴測定装置の実施形態7の構造を示す図である。
本構造と図2との相違は、冷凍機の第1冷凍ステージ20を有する50K用の第1膨張管23と第1蓄冷器24を常温部で気密性を有して固定支持するフランジ157と、真空容器の真空用フランジ29間をベローズ158で気密性を有して接続した構造にある。フランジ157は、ボルト159とOリング160で、ベローズ158に冶金的に気密性を有して結合されたフランジ161と接続されている。
本構造により、上部フランジ35からフランジ56を介して荷重支持体58で固定支持された冷凍機の第1冷凍ステージ20を固定端とした、冷凍機運転時の高圧作動ガスの給気、膨張排気によって生じる第1膨張管23と第1蓄冷器24の伸縮による変位と、同様な第2冷凍ステージ19を固定端とした第2膨張管21と第2蓄冷器22の変位との違いによる変位差が振動の要因となって、低温プローブが振動し測定精度低下する場合、冷凍機の第1冷凍ステージを荷重支持体58で室温部から固定し、振動分を個別にベローズ158で逃がすことができるので、上記の差は、ほとんど生じない。
したがって、本実施形態7においては、第1冷凍ステージと第2冷凍ステージを室温部の上部フランジ35から固定し、それぞれの運転振動をベローズ65とベローズ158でそれぞれ単独に吸収できるので、さらに冷凍機の運転によるプローブの振動を防止できる。
(実施形態8)
図11は、本発明による核磁気共鳴測定装置の実施形態8の構造を示す図である。
本構造と図9との相違は、図9におけるベローズ65の代わりの真空気密手段として、真空Oリングを使用した構成にある。案内フランジ151に内側にOリング162を有した案内円筒163を一体化する。
本構造によれば、真空Oリング162で真空を保持しながら円筒真空容器63が案内円筒163内を摺動できるので、本実施形態8においても、冷凍機を安定に支持し、運転振動、動揺を防止し冷凍機に間接的に接続したプローブの揺れを防止し、プローブの揺れによって生じる計測精度の低下を防止できる。
(実施形態9)
図12は、本発明による核磁気共鳴測定装置の実施形態9の構造を示す図である。
本構造と図4との相違は、図4における円盤状の荷重支持体164に気密性を持たせ、荷重支持体164で低温プローブ側と冷凍機側の真空空間を隔離する構成にある。
本構造では、冷凍機側の真空空間165に増幅器9を備え、真空容器166内にNMR受信・照射コイル7を冷却できる極低温の第2冷却ステージ14の端部を備え、プローブヘッド4内において、極低温の第2冷却ステージ14に、熱伝達が良好な銅、銀、アルミニウム等の金属やサファイア、窒化アルミニウム等のセラミックス系材料で製作した熱伝導体16をインジュームシート等の柔らかな熱良導物を介して、ボルト100で熱的に良好に結合する。
荷重支持体164を貫通する低温の第1冷却ステージ12、第2冷却ステージ14および電流リード93は、接着剤167で気密性を有して荷重支持体164に固着されている。第1冷却ステージ12、第2冷却ステージ14を固定する接着剤は、薄く図示されていない。
真空空間166は、真空弁168を介して、真空配管169から真空ポンプで真空排気される。電流リード93は、第2シールド体90と接着部170で熱的に一体化される。
電流リード93は、コネクタ171を有し、ここで容易に分離される。
本実施形態9によれば、計測対象物に応じてNMR受信・照射コイル7を交換する場合に、冷凍機側の真空空間165を大気に開放しないまま、低温プローブ側の真空空間166を大気側に開放できる。
すなわち、冷凍機運転を止め、所定時間が経過し低温プローブ部が室温近くになった時点(室温よりも低く大気中の水分がまだ冷たい部分に露結する温度)で、真空Oリング等の真空隔離手段で支持された真空容器15aを外したのち、真空容器15をキャップ122を緩めて外し、ボルト103を緩めて、インジューム等の熱伝導率が高い熱媒体でつないでいる第1熱シールド体13および13aを外す。
第1熱シールド体13を外したあとは、コネクタ171で電流リード93を分離し、ボルト100を緩めることで、第2冷却ステージ14で冷却される低温プローブ部を分離できる。
このあと、交換する低温プローブ部をボルト100で接続し、逆の手順で低温プローブ4を短時間の内に組み立てできる。
この交換作業の過程において、大気中水分は、真空空間166側の低温部分にのみに露結する。この水分は、ドライヤ等の温風で容易に乾燥できる。
入り組んだ構成を有する冷凍機側の真空空間165側には、大気が入り込まないので、結露することがなく、プローブ交換後に次に真空に排気する際に残留水分がなく短時間の内に所定真空に排気することが可能となる。
本実施形態9によれば、低温プローブを交換する際、必要最小限の真空空間を大気に開放して、プローブを交換できるので、容易に短時間でプローブを交換でき、真空空間165,166を真空配管169から短時間の内に所定真空圧力に真空排気できる。
(実施形態10)
図13は、本発明による核磁気共鳴測定装置の実施形態10の構造を示す図である。
本構造と図12との相違は、図12における円盤状の荷重支持体を円筒状の折り返し隔壁で構成し、高温部より低温部への熱伝導距離を長くすることで、熱侵入量を小さくし、第1および第2冷却ステージの冷却温度を低くするようにした点である。
すなわち、円盤状の荷重支持体172を常温からは、FRP製の薄肉円筒173が、金属製の常温リング174に接着剤で気密性を有して一体化されている。常温リング174は、真空容器87に溶接等で耐真空性を有して一体化されている。この構造により、常温部の真空容器87から第1冷却ステージ12への熱侵入量を低減できる。
一方、円盤状の荷重支持体172を第1ステージ12からは、FRP製の薄肉円筒175、176が、リング177に接着剤で気密性を有して一体化されている。この構造により、第1冷却ステージ12から第2冷却ステージ14への熱侵入量を低減できる。
本実施形態10によれば、計測対象物に応じてNMR受信・照射コイル7を交換する場合、実施形態9と同様に交換が容易である。しかも、常温からの伝導による熱侵入量を低減し、第1,第2冷却ステージ12,14の温度上昇を抑制し、低温プローブの温度上昇を防止できる。
したがって、温度上昇による低温プローブの計測精度の低下を防止できる。
本実施形態10によれば、低温プローブを交換する際の必要最小限の真空空間を大気に開放して、プローブを交換できるので、容易に短時間でプローブを交換でき、真空空間165、166を短時間の内に所定真空圧力に真空排気できる。
(実施形態11)
図14は、本発明による核磁気共鳴測定装置の実施形態11の構造を示す図である。
本構造と図7との相違は、図7における複数のパイプ状の荷重支持体45を円筒状の荷重支持体185で構成し、膨張管21の低温端の配管33に応力が作用しないように保護治具を設けた点である。
ガラス繊維入りや炭素繊維入りのエポキシ樹脂製の荷重支持体185は、両端部にフランジ186,187に接着剤で一体化されている。フランジ187は、ボルト189で、真空用の上部フランジ35に強固に締結される。
一方、フランジ186は、ボルト190で、銅製の第2冷凍ステージ19にボルト191で一体化されたフランジ192に固定支持する。
第2冷凍ステージ19の端部には、インジューム等の比較的柔らかなシート状の熱良導物を挟んで、熱伝達が良好な銅,銀,アルミニウム等の金属製のフランジ193をボルト194で固定する。
一方、フランジ193には、フレキシブルなインジュームシート,薄い銅板,アルミニウム板や銅網等で作成された冷却体77でインジュームや半田や銀ろうで熱的に一体化される。
4K用の第2膨張管21と第2蓄冷器22の低温端に溶接やろう付けやはんだ付けで一体化されたフランジ195が取り付けられ、フランジ195には、溶接やろう付けやはんだ付けで保護リング196が一体化され、第2冷凍ステージ19に溶接やろう付けやはんだ付けで一体化されている。
膨張管21の低温端に配置した配管33は、発生する寒冷でフランジ19を冷凍するために、一般には、熱伝導が良好な銅製の配管である。
したがって、銅製の配管は、強度的には、弱く外部の荷重で容易に変形し、外部荷重があまりに大きい場合には、配管が潰れて流路が閉塞したり、流路の内面積が減少し流路抵抗が増大し、所定の冷凍運転ができなくなり、所定温度に冷却できなくなる。
外力としては、ベローズ65内部が真空なので、ベローズ65に接続したフランジ29に作用する大気の圧力がある。この外力の大きさは、数十ニュートンの大きさにもなる場合がある。
しかし、本構造によれは、この外圧は、ステンレス鋼製の第2膨張管21と第2蓄冷器22とで受け止めるので、強度的に十分支持でき、配管33に外力が作用することがなく、所定温度にフランジ19を冷却できる。
一方、荷重支持体185には、開口部197を設け、第1熱シールド体用のフランジ198と第1冷凍ステージ20とを、銅板、アルミニウム板や、銅網等で作成された冷却体199で熱的に一体化し、フランジ198を所定温度に冷却する。
荷重支持体185の途中は、低温度のフランジ198から銅板、アルミニウム板や、銅網等で作成された冷却体200で冷却され、荷重支持体185を通じて常温部から侵入する伝導熱を吸収し、フランジ19に流入する侵入熱を低減する。
荷重支持体185の内外表面にアルミニウムを蒸着し、極低温部に輻射熱が侵入することを防止する。
本実施形態11によれば、荷重支持体185を円筒状に構成したので、荷重支持体のねじり剛性や引張りおよび圧縮に対する剛性が大幅に増加し、フランジ19の振動をさらに低減できる。
フランジ195、保護リング196を設け、外力をステンレス鋼製の第2膨張管21と第2蓄冷器22で支持したので、配管33の変形を防止できるので、冷凍機による良好な冷凍運転ができる。
(実施形態12)
図15および図16は、本発明による核磁気共鳴測定装置の実施形態12の構造を示す図である。
本構造と図10,13との相違は、図15と図13において、図13の極低温の第2冷却ステージ14内に図15に示した気体封入空間201を設けその空間端を、熱伝導体16の接続端に接近して設けた点と、図16と図10において、図10の極低温の第2冷却ステージ14内に図16に示した気体封入空間203端をフランジ74の接続端に接近して設け、室温空間に設けた気体供給/回収装置204と気体封入空間201とを耐圧性のフレキシブルなキャピラリチューブ205で接続し、気体封入空間201と所定の圧力で破壊し内圧を大気に圧力を開放する破裂板を有する圧力調節器206とをフレキシブルな耐圧キャピラリチューブ207を介して接続した点である。
気体供給/回収装置204から例えばヘリウムガスをキャピラリチューブ205から気体封入空間201に導入する。封入圧力は、気体供給/回収装置204内で調整する。
例えば4.5Kでヘリウムガスを液化させる場合には、0.12MPaに調整する。
極低温の第2冷凍ステージ19が4K程度に冷却されると、フランジ74は、約4.2Kに冷却され、封入されたヘリウムガスは、気体封入空間201の端部203の第2冷却ステージ14の壁面において、温度約4.5Kで凝縮し液化する。
液化した液体ヘリウムは、気体封入空間201を端部202に向かって流れ、途中の壁面を冷却し蒸発する。蒸発したヘリウムガスは、端部203側に移動し、再度凝縮して液化する。
この現象が順次繰り返され、端部202は、温度約4.5Kに冷却される。
図10、13において、コイル7に侵入する熱量をコイル支持材8,熱伝導体16および第2冷却ステージ14を通じてフランジ74で冷却する場合、第2冷却ステージ14の両端部の温度差は、前記熱量に比例し、また第2冷却ステージ14の長さに比例し、その断面積に反比例する。
例えば、熱量が0.5W,無酸素銅製の第2冷却ステージ14の長さが1m、断面積が4cmとすると、温度差は約6Kとなり、フランジ74の温度を4.2Kとすると、端部202の温度は、10.2Kとなり、コイルの超電導温度を超え、超電導温度による運転ができなくなる。
しかし、本実施形態12によれば、熱量が大きい場合にも、端部202の温度を約4.5Kに冷却し、コイル温度を超電導温度以下に冷却し、NMRプローブヘッドコイルを超電導状態で運転できるので、前記熱量が大きい場合でも、高い精度で計測できる。
冷却運転を停止する場合、封入したヘリウムガスの温度が上昇し、体積が増え、気体封入空間201内の圧力が上昇する。
ヘリウムガスは、キャピラリチューブ205を通じて気体供給/回収装置204内に回収される。気体封入空間201内の圧力は、ほぼ大気圧に調整される。
万が一、接続部のリーク等により、キャピラリチューブ205内に空気や空気中の水分が混入し、空気や空気中の水分が凝結してキャピラリチューブ205内を閉塞させ、ヘリウムガスを回収できなくなり、気体封入空間201内の圧力が上昇する場合、キャピラリチューブ207を通じて圧力が圧力調器206に伝播し、内部の破裂板が所定圧力以上で破壊し、内圧を大気に圧力を開放し、気体封入空間201内の圧力が異常に上昇することを防止するので、第2冷却ステージ14が破裂し事故を生じる危険を回避できる。
したがって、本実施形態12によれば、第2冷却ステージ14内部に封入したヘリウムガスの蒸発と凝縮により熱を移動させ、熱の移動距離による温度差がほとんど発生させず、すなわち、温度差無しに第2冷却ステージ14をフランジ74で冷却できるので、NMRプローブヘッドコイルを超電導状態で運転し、熱量が大きい場合でも高い精度で計測できる。
第2冷却ステージ14内部の気体空間と、室温部に設けた破裂板を有した圧力調整器を気体封入流路とは、別な流路で接続できるので、気体封入流路が閉塞した場合でも、第2冷却ステージ14内部の気体空間の圧力を安全に大気に解放できる。
本実施形態12では、ヘリウムガスの蒸発と凝集の熱交換現象で冷却した場合で説明した。
封入するヘリウムガスの圧力を大気圧以上に調整し、超臨界状態のヘリウムで熱移動をしても、良好な熱移動を実施できる。気体供給/回収装置204の一部が、図1の冷凍機の圧縮機41であっても、同様である。
本実施形態12では、ヘリウムガスを使用した。冷却温度が大気圧の液体ヘリウム温度よりも高い場合には、他のネオンガス等の大気圧下の沸点が高い気体を使用してもよい。
(実施形態13)
図17および図18は、本発明による核磁気共鳴測定装置の実施形態13の構造を示す図である。
本実施形態13と図15,16との相違は、図15,16における気体封入空間201の代わりに、銅やステンレス鋼製の長尺の圧力容器208を採用した点である。
すなわち、室温空間に設けた気体供給/回収装置204から耐圧性のあるフレキシブルなキャピラリチューブ205を介し、例えばヘリウムガスを圧力容器208内に封入する。
圧力容器208の両端部は、例えば熱伝導が良好な銅製の第2冷却ステージ209,210と溶接やろう付けまたははんだ付け等で冶金的に一体化してある。
第2冷却ステージ209と熱伝導体16とは、インジュームシート等の柔らかな熱良導物を介して、ボルト100で熱的に良好に結合され、第2冷却ステージ210とフランジ74とは、インジュームシート等の柔らかな熱良導物を介して、ボルト75で熱的に良好に結合される。
気体供給/回収装置204から例えばヘリウムガスをキャピラリチューブ205から圧力容器208に導入する。封入圧力は、気体供給/回収装置204内で調整する。
実施形態11と同様に、4.5Kでヘリウムガスを液化させる場合には、0.12MPaに調整する。
極低温の第2冷凍ステージ19が4K程度に冷却されると、フランジ74は約4.2Kに冷却される。封入されたヘリウムガスは、圧力容器208の第2冷却ステージ210に一体化した端部の壁面により、温度約4.5Kで凝縮し液化する。
液化した液体ヘリウムは、圧力容器208を端部の第2冷却ステージ209に向かって流れ、圧力容器208の途中の壁面を冷却し蒸発する。
蒸発したヘリウムガスは、第2冷却ステージ210側に移動し、再度凝縮して液化する。この現象が順次繰り返され、第2冷却ステージ209は、温度約4.5Kに冷却される。
実施形態11の場合と同様に、コイル支持材8を支持し、コイルからの発熱を伝導する熱伝導体16の熱量が大きい場合にも、第2冷却ステージ209の温度を約4.5Kに冷却できるので、コイルを超電導温度以下に冷却でき、NMRプローブヘッドコイルを超電導状態で運転できる。したがって、前記熱量が大きい場合でも高い精度で計測できる。
本実施形態13では、圧力容器208を引張り強度の高いステンレス鋼で製造できるので、例えば銅製の第2冷却ステージ14に比べて軽量な圧力容器で、熱移動部分を構成できる。
キャピラリチューブ205の大気側に圧力計211を接続すると、圧力容器208内の圧力をモニタできる。圧力容器208内の温度を圧力計211の圧力値で換算してモニタすると、第2冷却ステージ209のおおよその温度を検知でき、冷凍運転の情報として活用できる。
したがって、本実施形態13によれば、圧力容器208内部に封入したヘリウムガスの蒸発および凝縮により熱を移動させることができるので、熱の移動距離による温度差をほとんど発生せずに、第2冷却ステージ209をフランジ74で冷却し、NMRプローブヘッドコイルを超電導状態で運転でき、前記熱量が大きい場合でも高い精度で計測できる。
また、圧力容器208を引張り強度の高い耐圧性のステンレス鋼で構成してあるので、冷凍機の運転を停止して温度が高くなり圧力容器208の圧力が高くなっても、内部のヘリウムガスを抜く必要がなく、再冷却運転の場合においてもヘリウムガスを圧力容器208内に封入する必要がないから、これらのガス操作作業が必要なくなり、運転操作効率を大幅に高められる。
この圧力容器208内の圧力を計測すると、第2冷却ステージ209の温度レベルを計測できる。
なお、以上の実施形態では、冷凍機にパルス管式冷凍機を適用する場合で説明したが、適用する冷凍機が他の冷凍機、例えば、ギフォード・マクマホン式冷凍機、ソルベー式冷凍機、スターリング式冷凍機、電子式冷凍機、ジュール・ソムソン弁を有する冷凍機等の冷凍機であっても同様の作用効果を生じる。
また、冷凍機の数と低温プローブヘッドの数とは、必ずしも一致しなくてもよい。すなわち、1台の冷凍機で複数の低温プローブヘッドを冷却してもよいし、複数の冷凍機で1台の低温プローブヘッドを冷却してもよい。
(実施形態14)
図19および20は、本発明による核磁気共鳴測定装置の実施形態14の構造を示す図である。
本構造と図12,6との相違は、図12における真空配管169、真空弁168の代わりに、図19において真空配管212を荷重支持体164に貫通して設け、さらに、図20において、真空配管212の端部を真空配管213と連通させ、真空配管213を大気中に設けた真空弁214を介して真空空間165と連通させるようにし、さらに真空弁215を介して真空配管213を大気に連通できるようにした点である。
真空配管212と荷重支持体164の貫通部とは、接着剤等で密封することで気密性を有している。
本実施形態14によれば、真空弁214を開く操作により、真空空間165と真空空間166が真空配管212、213を通じて連通され、真空空間166を真空に排気できる。真空空間166を大気圧に戻す場合は、真空弁214を閉じた後真空弁215を開ける。
本実施形態14では、冷凍機配置側の大気空間に設けた真空弁214と真空弁215の開閉の操作でコイル7を配置した真空空間166を真空や大気圧にできるので、計測対象物によってNMR受信・照射コイル7を交換する場合、冷凍機側の真空空間165を大気に開放しないまま、低温プローブ側の真空空間166を大気側に開放できる。
したがって、NMRプローブヘッド4先端に真空配管169を設ける必要がなく、真空配管169から伝播する真空ポンプ等の機械装置からの振動を無くすことができるので、低温プローブを交換する際、必要最小限の真空空間を大気に開放して容易に短時間でプローブを交換しながら、振動ノイズが少ない精度の高い計測ができる。
本発明による核磁気共鳴測定装置の実施形態1の全体構造を示す図である。 実施形態1の冷凍機の詳細な構造を示す図である。 実施形態1のプローブヘッドの詳細な構造を示す図である。 本発明による核磁気共鳴測定装置の実施形態2のプローブヘッドの詳細な構造を示す図である。 本発明による核磁気共鳴測定装置の実施形態3のプローブヘッドの詳細な構造を示す図である。 本発明による核磁気共鳴測定装置の実施形態4の冷凍機の詳細な構造を示す図である。 本発明による核磁気共鳴測定装置の実施形態5の冷凍機の詳細な構造を示す図である。 本発明による核磁気共鳴測定装置の実施形態5の冷凍機の詳細な構造を示す図である。 本発明による核磁気共鳴測定装置の実施形態6の冷凍機の詳細な構造を示す図である。 本発明による核磁気共鳴測定装置の実施形態7の冷凍機の詳細な構造を示す図である。 本発明による核磁気共鳴測定装置の実施形態8の冷凍機の詳細な構造を示す図である。 本発明による核磁気共鳴測定装置の実施形態9のプローブヘッドの詳細な構造を示す図である。 本発明による核磁気共鳴測定装置の実施形態10のプローブヘッドの詳細な構造を示す図である。 本発明による核磁気共鳴測定装置の実施形態11の冷凍機の詳細な構造を示す図である。 本発明による核磁気共鳴測定装置の実施形態12のプローブヘッドの詳細な構造を示す図である。 本発明による核磁気共鳴測定装置の実施形態12の冷凍機の詳細な構造を示す図である。 本発明による核磁気共鳴測定装置の実施形態13のプローブヘッドの詳細な構造を示す図である。 本発明による核磁気共鳴測定装置の実施形態13の冷凍機の詳細な構造を示す図である。 本発明による核磁気共鳴測定装置の実施形態14のプローブヘッドの詳細な構造を示す図である。 本発明による核磁気共鳴測定装置の実施形態14の冷凍機の詳細な構造を示す図である。
符号の説明
1 核磁気共鳴測定装置
2 超電導磁石
3 超電導磁石
4 NMRプローブヘッド
5 断熱真空容器
6 断熱真空容器
7 NMR受信・照射コイル
8 コイル支持材
9 増幅器
11 コイル冷却用熱交換器
12 第1冷却ステージ
13 第1熱シールド体
14 第2冷却ステージ
15 真空容器
16 熱伝導体
17 伝導体
18 冷凍機
19 第2冷凍ステージ
20 第1冷凍ステージ
21 第2膨張管
22 第2蓄冷管
23 第1膨張管
24 第1蓄冷管
27 バルブユニット
28 配管
29 真空用フランジ
30 圧力緩和容器
31 配管
32 配管
33 配管
34 配管
35 上部フランジ
36 大地
37 脚
38 配管
39 下部フランジ
40 冷却体
41 圧縮機
42 高圧配管
43 低圧配管
44 真空容器
45 荷重支持体
46 端部
49 固定床
50 支持台
51 固定フランジ
52 ボルト
53 ボルト
54 ボルト
55 ボルト
56 フランジ
57 ボルト
58 荷重支持体
59 ボルト
60 冷却体
61 第1熱シールド体
62 ボルト
63 円筒真空容器
64 フランジ
65 ベローズ
66 ボルト
67 Oリング
68 Oリング
69 荷重支持体
70 ボルト
72 円筒体
73 円筒体
74 フランジ
75 ボルト
76 フランジ
77 冷却体
80 荷重支持体
81 フランジ
82 フランジ
83 ボルト
84 フランジ
85 ボルト
86 Oリング
87 真空容器
90 第2熱シールド体
91 ガラス製サンプル管
92 ガラス製サンプル管
93 電流リード
94 矢印方向
95 方向
96 回転軸
97 ギアボックス
98 回転軸
99 回転機構
100 ボルト
101 支持体
102 ボルト
103 ボルト
110 サンプル挿入空間
111 支持体
112 脚
113 磁気シールド板
120 フランジ
121 嵌め合わせ部
122 キャップ
123 フランジ
124 Oリング
130 サンプル挿入空間
131 低温プローブヘッド
132 コイル
133 電流リード
134 方向
135 方向
136 熱伝導体
137 フランジ
138 ボルト
139 第1熱シールド板
140 真空容器壁
141 フランジ
142 固定用支持板
143 固定用支持板
144 ボルト
145 ボルト
146 フランジ
147 円筒案内治具
148 ボルト
149 円筒リング
150 円形窪み
151 案内フランジ
152 ボルト
153 真空Oリング
154 周り止め穴
155 支持棒
156 ストッパ
157 フランジ
158 ベローズ
159 ボルト
160 Oリング
161 フランジ
162 Oリング
163 案内円筒
164 荷重支持体
165 真空空間
166 真空空間
167 接着剤
168 真空弁
169 真空配管
170 接着部
171 コネクタ
172 荷重支持体
173 薄肉円筒
174 常温リング
175 薄肉円筒
176 薄肉円筒
177 リング
178 フランジ
179 ボルト
180 Oリング
181 第1熱シールド板
182 ボルト
185 荷重支持体
186 フランジ
187 フランジ
189 ボルト
190 ボルト
191 ボルト
192 フランジ
193 フランジ
194 ボルト
195 フランジ
196 保護リング
197 開口部
198 フランジ
199 冷却体
200 冷却体
201 気体封入空間
202 端部
203 端部
204 気体供給/回収装置
205 キャピラリチューブ
206 圧力調節器
207 キャピラリチューブ
208 圧力容器
209 第2冷却ステージ
210 第2冷却ステージ
211 圧力計
212 真空配管
213 真空配管
214 真空弁
215 真空弁

Claims (20)

  1. 少なくとも1つのNMR受信コイルおよび照射コイルを備えたNMRプローブヘッドを有する核磁気共鳴測定装置において、
    前記プローブヘッドの真空空間内に前記NMR受信コイルが受信したNMR信号を増幅する少なくとも1つの前置増幅器と、
    前記プローブヘッド内に前記NMR受信コイル,前記照射コイル,前記前置増幅器を熱伝導で冷却する冷却体と、
    前記冷却体を冷却する冷凍機と、
    前記冷却体と前記冷凍機の極低温度の冷凍ステージとを熱的に接続するフレキシブルな熱伝導冷却物とを備えた
    ことを特徴とする核磁気共鳴測定装置。
  2. 請求項1に記載の核磁気共鳴測定装置において、
    前記冷却体が、熱伝導媒体により熱的に一体化された電気絶縁物の第1冷却体と通電性金属の第2冷却体とからなり、
    前記プローブヘッド内で前記NMR受信コイル,前記照射コイル,前記前置増幅器を熱伝導で冷却する前記第1冷却体に熱的に接続し、
    前記第2冷却体と前記冷凍機の極低温度の冷凍ステージとの少なくとも一部をフレキシブルな熱伝導冷却物を有する熱伝導冷却体で熱的に接続した
    ことを特徴とする核磁気共鳴測定装置。
  3. 請求項1または2に記載の核磁気共鳴測定装置において、
    前記プローブヘッド側の近傍にある前記冷却体の部位または第1冷却体の部位が、前記プローブヘッドを構成する室温の真空容器に固定支持されている
    ことを特徴とする核磁気共鳴測定装置。
  4. 請求項1に記載の核磁気共鳴測定装置において、
    前記冷凍機が、パルス管式冷凍機である
    ことを特徴とする核磁気共鳴測定装置。
  5. 請求項1に記載の核磁気共鳴測定装置において、
    前記冷凍機の前記冷凍ステージが、前記冷凍機を設置する床上に設置支持された固体に熱伝導率が小さな支持体で固定支持され、
    前記冷凍機を固定支持するフランジと前記固体とが、フレキシブルな支持手段で気密に接続されている
    ことを特徴とする核磁気共鳴測定装置。
  6. 請求項1に記載の核磁気共鳴測定装置において、
    前記冷却体の少なくとも一部が、前記プローブヘッドを構成する真空容器または前記冷凍機を固定した真空容器から熱伝導率が小さな支持体で固定支持され、 前記支持体が、前記冷却体の熱縮み方向に滑りながらその垂直方向を固定支持する
    ことを特徴とする核磁気共鳴測定装置。
  7. 請求項1に記載の核磁気共鳴測定装置において、
    前記プローブヘッドの前記核磁気共鳴測定装置に挿入する方向と、前記プローブヘッドへの被測定サンプル体を室温空間で挿入する方向が垂直である
    ことを特徴とする核磁気共鳴測定装置。
  8. 請求項1ないし3のいずれか一項に記載の核磁気共鳴測定装置において、
    前記プローブヘッドを挿入する核磁気共鳴測定装置の磁石の容器の一部に、前記プローブヘッドを構成する室温の真空容器の一部を固定支持する
    ことを特徴とする核磁気共鳴測定装置。
  9. 請求項1ないし4のいずれか一項に記載の核磁気共鳴測定装置において、
    冷凍ステージを貫通させた気密性の真空隔壁により、前記プローブヘッドを構成する真空容器の低温プローブ側の真空空間と冷凍機側の真空空間とを隔離した
    ことを特徴とする核磁気共鳴測定装置。
  10. 請求項9に記載の核磁気共鳴測定装置において、
    前記真空隔壁の一部を折り返し円筒体で構成した
    ことを特徴とする核磁気共鳴測定装置。
  11. 請求項1に記載の核磁気共鳴測定装置において、
    前記冷却体の内部に気体を封入する気体封入空間と、前記気体封入空間に気体を供給し捕集する室温部に設置されたガス封入手段とを配管で接続した
    ことを特徴とする核磁気共鳴測定装置。
  12. 請求項1に記載の核磁気共鳴測定装置において、
    前記冷却体の一部に内部に気体を封入する気体封入手段を設け、室温部に設置され前記気体封入手段に気体を供給し捕集するガス封入手段とを配管で接続した
    ことを特徴とする核磁気共鳴測定装置。
  13. 請求項1に記載の核磁気共鳴測定装置において、
    前記冷却体の一部に内部に気体を予め封入した気体封入手段を設け、前記冷却体と前記気体封入手段を熱的に一体化した
    ことを特徴とする核磁気共鳴測定装置。
  14. 請求項13に記載の核磁気共鳴測定装置において、
    前記気体封入手段と室温部に設けた圧力表示手段とを配管で接続した
    ことを特徴とする核磁気共鳴測定装置。
  15. 被冷却体を冷却する寒冷発生手段と寒冷発生手段の低温部にある冷凍ステージとを有する冷凍機において、
    前記冷却体を前記冷凍機の極低温度の前記冷凍ステージと熱的に接続し、前記冷凍ステージまたは寒冷発生手段の低温部を前記冷凍ステージよりも温度が高い前記寒冷発生手段の部位から直接または間接的に支持する支持手段を備えた
    ことを特徴とする冷凍機。
  16. 請求項15に記載の冷凍機において、
    前記支持手段の常温部が前記冷凍機の常温取り付けフランジに直接固定支持され、
    前記冷凍ステージよりも温度が高い前記寒冷発生手段の部位が、ベローズ等の伸縮気密手段で前記冷凍機の常温取り付けフランジに直接または間接的に支持される
    ことを特徴とする冷凍機。
  17. 請求項15または請求項16に記載の冷凍機において、
    前記支持手段が、円筒状の支持体であり、冷凍機の低温部の少なくとも一部が、前記支持体の内部に包含される
    ことを特徴とする冷凍機。
  18. 請求項15ないし17のいずれか一項に記載の冷凍機において、
    前記支持体が、前記冷凍機を構成する膨張手段または蓄冷手段の低温部の容器の一部を常温部から支持する
    ことを特徴とする冷凍機。
  19. 請求項9に記載の核磁気共鳴測定装置において、
    前記プローブヘッドを構成する真空容器を、気密性を有して冷凍ステージを貫通させた真空隔壁で、低温プローブ側の真空空間を、冷凍機側の真空空間と隔離し、
    前記真空隔壁を貫通する真空配管を設け、
    前記真空配管により仕切り弁を介して少なくとも前記低温プローブ側の真空空間と前記冷凍機側の真空空間とを連通する
    ことを特徴とする核磁気共鳴測定装置。
  20. 請求項19に記載の核磁気共鳴測定装置において、
    前記真空配管内を、冷凍機側に設けた仕切り弁を介して大気空間と連通する
    ことを特徴とする核磁気共鳴測定装置。
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