JP4850079B2 - 画像処理装置、画像処理装置の制御方法及び故障予測方法 - Google Patents
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Description
具体的な問題として、所定のppm値を基準として構成された画像処理装置に、HDDを搭載して動作させた際、実際の動作性能が、定められているppm値よりも低くなってしまう問題が発生している。この問題は、HDDを画像処理装置本体から離して設置すると解決することも判明しており、画像処理の工程においてHDDへのアクセスが必要となる場合に、画像処理装置本体の振動がHDDに影響することにより、HDDのパフォーマンスが低下し、結果として画像処理装置全体のパフォーマンスが低下していると考えられる。更に具体的な解析の結果、画像処理装置のコントローラからHDDへ書き込みコマンドを発行した後、HDDが書き込み開始可能になるまでに通常よりも長い時間を要している場合があり、上記ppmの問題はこのタイミングで発生していることが判明した。
即ち、書き込み中にヘッドの位置ずれを検知して書き込みを停止した場合や、書き込んだ情報のベリファイ結果がエラーである場合等は、自動的にリトライ処理を行って書き込み完了するように設計されている。従って、装置振動のどのようなタイミングでエラーが発生しているのかを解析することが困難であり、そのために装置振動によるエラーに対して有効な対策をとることも困難であった。
本発明は、上述した実情を考慮してなされたもので、ディスク記憶装置の搭載された画像処理装置において、装置振動によるディスク記憶装置の不具合解析及び低減を可能とすることを目的とする。また、本発明の他の目的として、画像処理装置に搭載されたディスク記憶装置の寿命予測の正確性を向上することを目的とする。
また請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像処理装置において、前記ディスク記憶装置制御部は、前記受信した振動検知情報に基づき、前記画像処理装置に発生している振動の所定周波数成分に応じて前記ディスク記憶装置へのアクセス可否を判断することを特徴とする。
また請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の画像処理装置において、前記ディスク記憶制御部は、前記判断された振動周波数成分が前記振動検知部によって検出されている期間における前記ディスク記憶装置へのアクセスを禁止することを特徴とする。
また請求項5に記載の発明は、請求項3または4に記載の画像処理装置において、前記ディスク記憶装置制御部は、前記ディスク記憶装置の不具合情報を蓄積して前記ディスク記憶装置の寿命を予測する寿命予測制御部を更に有し、前記寿命予測制御部は、前記判断された振動周期タイミングまたは前記判断された振動周波数成分が前記振動検知部によって検出されている期間において発生した前記ディスク記憶装置の不具合情報を除外して前記ディスク記憶装置の寿命を予測することを特徴とする。
また請求項7に記載の発明は、画像処理装置に搭載されたディスク記憶装置の故障予測方法であって、前記ディスク記憶装置の不具合情報を蓄積し、前記画像処理装置に発生する振動を検知し、前記画像処理装置に発生する振動の検知によって検知された周期的な振動の位相と時間軸とが関連付けられた情報を振動検知情報として生成し、前記ディスク記憶装置において発生した不具合とその発生タイミングとが関連付けられた不具合情報を受信し、前記振動検知情報の時間軸と前記不具合情報の時間軸とを対応させることにより、前記ディスク記憶装置の不具合発生に寄与する前記画像処理装置の振動状態を特定し、前記蓄積された不具合情報のうち前記特定された振動状態における不具合情報を除外した上で前記蓄積された不具合情報に基づいて前記ディスク記憶装置の故障予測を行うことを特徴とする。
また、画像処理装置に搭載されたディスク記憶装置の寿命予測の正確性を向上することが可能となる。
本発明は、ディスク記憶装置としてHDDを搭載した画像処理装置において、画像処理装置本体に発生する振動成分を検出し、検出した振動に基づいて装置を制御する。
[実施例1]
本実施例は、画像処理装置本体の振動を検出すると共に、画像処理装置に搭載されたHDDの具体的処理を記録し、両者を照合することによって装置振動に対するHDDのエラー発生の解析及びエラー対策を実行する。まず、図1、図2を用いて、本実施例に係る画像処理装置の全体構成を説明する。図1は、本実施例に係る画像処理装置100の外観を示す斜視図であり、図2は、本実施例に係る画像処理装置100の全体構成を示すブロック図である。図2に示すように、本実施例に係る画像処理装置100は、CPU101、メモリ102、HDD103、ROM104、ホストI/F105、給紙トレイ106、プリントエンジン107、排紙トレイ108、スキャナ109、ディスプレイパネル110、振動検知装置111及びシステムバス112を有する。尚、図2においては、電気的接続を実線の矢印で示しており、プリントアウトに用いられる用紙の流れを破線の矢印で示している。
ホストI/F105は、画像処理装置100がネットワークを介して他の機器と通信する際のインターフェースである。外部のホスト装置が送信した印刷ジョブは、ホストI/F105を介して画像処理装置100の制御部に入力され、制御部の制御に従って印刷処理が実行される。印刷処理においては、給紙トレイ106から用紙が引き出され、画像形成機構としてのプリントエンジン107によって用紙上に画像が形成され、排紙トレイ108に排紙される。スキャナ109は、読み取り台に載置された書類等の読み取り対象物を光学的に走査し、電子文書を生成する画像読み取り装置である。スキャナ109は、原稿載置トレイ109a及びADF(Auto Document Feeder:自動原稿搬送機)109bを有し、原稿載置トレイ109a上に載置された原稿をADF109bが読み取り台上へ自動的に搬送する。
また、画像処理制御部121は、スキャナ109を制御し、スキャナ109が生成した読み取りデータを、HDD制御部122を介してHDDに格納若しくはホストI/F105を介してホスト装置200に送信する。また、画像処理装置100が複写機として動作する場合、画像処理制御部121は、スキャナ109が生成したデータに基づいて給紙トレイ106、プリントエンジン107及び排紙トレイ108を制御し、画像形成を実行する。HDD制御部122は、画像処理装置100におけるHDD103へのアクセスを制御すると共に、HDD103の動作状況に関する情報をHDD103から受信する。振動検知制御部123は、振動検知装置111を制御し、振動検知装置111の出力信号を解析すると共に、解析結果をHDD制御部122に送信する。
次に、本実施例に係るHDD103及びHD制御部122の動作を説明する。本実施例に係るHDD103は、不具合が発生するたびにその内容をHDD制御部122に通知している。図5は、HDD制御部122がHDD103から受信し、記憶している不具合情報テーブルを示す図である。図5に示すように、HDD制御部122は、HDD103から受信した不具合情報及びそのタイムスタンプを記憶している。HDD103がHDD制御部122に通知する主な不具合イベントとしては、エラーレートの劣化、スピンアップタイムの劣化、セクタ・リロケートの発生、シークエラーレートの劣化、CRCエラーの発生、ライトエラーの発生等が挙げられる。
図6の例においては、画像処理装置100に発生している周期的振動において、基準位置からのずれがピークとなるタイミングの近傍で高い不具合レベルを示していることがわかる。従って、図6に示すような解析結果の場合、HDD制御部122は、図7に示すように、アクセス禁止タイミングTを設定する。即ち、画像処理装置100に発生している周期的振動の基準位置からのずれがピークになるタイミングの前後(速度が反転するタイミングの前後)は、HDD103へのアクセスを禁止するアクセス禁止タイミングであるとしてHDD制御部122が記憶し、これ以降、画像処理制御部121の命令によってHDD103へのアクセスが指示された場合、アクセス禁止タイミングを避けてHDD103へアクセスする。
以上説明したように、本実施例に係る画像処理装置においては、装置に発生する周期的振動を検出すると共に、HDDの不具合発生のタイミングを特定し、両者を照合することによって不具合の発生しやすいタイミングでのHDDへのアクセスを抑制し、装置に発生する周期的振動による不具合の発生を防止することができる。
また、上記の説明においては、HDD制御部122は一度アクセス禁止タイミングを設定した後に、その情報に従ってHDD103を制御する例を説明したが、例えば通常動作においてはアクセス禁止タイミングの設定によるHDD103へのアクセス制御を行わず、ライトエラーが発生した後のリトライ処理において、ライトエラー発生時の振動検知情報に基づいてリトライの実行タイミングを決定するようにしても良い。また、上記の説明においては、ディスク記憶装置としてHDDを例として説明したが、光ディスクドライブ等、他のディスクドライブであっても良い。また、画像処理装置として、スキャナやプリンタ等を有する複合機を例として説明したが、スキャナのみの画像撮像装置や、プリンタのみの画像形成装置であっても良い。
本実施例においては不具合情報の解析について、実施例1とは異なる例を説明する。尚、実施例1と同様の符号を付す構成については実施例1と同一又は相当部を示し、説明を省略する。実施例1においては、時間軸に対応した画像処理装置100の基準位置からの位置ずれ量と、不具合発生のタイミングとを照合することにより、アクセス禁止タイミングを設定した。しかしながら、HDD103の不具合発生について、図6に示すほど具体的なタイミングを検出することが難しい場合がある。例えば、図5に示す不具合イベントのタイムスタンプの分解能が、1(sec)以上である場合等が挙げられる。このような場合、HDD制御部122は、HDD103の不具合が発生した具体的なタイミングではなく、不具合発生のタイミングが含まれる期間のみ知ることができる。従って、本実施例に係る不具合情報解析においては、実施例1のように、HDD103の不具合発生タイミングにおける画像処理装置100の振動周期タイミングに替えて、HDD103の不具合発生時に画像処理装置100に発生している振動の周波数成分を解析することにより、HDD103の不具合発生に寄与する周波数成分を判断し、所定の周波数成分を含む振動が画像処理装置100に発生している場合は、HDDへのアクセスを禁止する。
本実施例においてはHDDが搭載された画像処理装置において、HDDの寿命予測をする方法について説明する。尚、実施例1と同様の符号を付す構成については実施例1と同一又は相当部を示し、説明を省略する。本実施例に係るHDD制御部122は、図5に示すようにHDD103の不具合情報を蓄積してHDD103の故障を予測する機能を有する。故障予測の方法としては、例えばエラーレート、スピンアップタイム、セクタ・リロケートのカウント、シークエラーレート、CRCエラーのカウント、ライトエラーレート等の夫々の項目について閾値を設けると共に、その劣化傾向から閾値を越える(割る)タイミングをHDD103の故障タイミングとして予測する既知の方法を用いる。
本実施例に係るHDD制御部122は、上述した既知の故障予測方法を用いる場合において、振動検知制御部123の振動検知情報を参照し、実施例1若しくは実施例2において特定したアクセス禁止タイミング若しくはアクセス禁止周波数が発生している期間に発生したHDD103の不具合情報を無視する。CRCエラーカウント等からHDD103の故障予測を行う場合、HDD103自体の性能劣化ではなく、画像処理装置100の振動によって発生したエラーをカウントして故障予測を行うと、予測される故障タイミングが実際の寿命よりも短くなってしまうことが考えられる。また、エラーレートや、スピンアップタイム等、一時的に値が劣化するのみで、画像処理装置100の振動が治まった後、値が元に戻る項目においても、一時的に短い寿命が予測されることになる。
尚、上記の説明においては、アクセス禁止タイミング若しくはアクセス禁止周波数の発生中において、HDD103からHDD制御部122に通知された不具合情報を除外する例を説明したが、例えば、HDD103の故障予測につき除外すべき期間として上記の2種類とは別に定めても良い。例えば、HDD103に発生する不具合項目のうち、故障予測に関する項目の不具合報告が特に増加するような画像処理装置100の振動タイミング若しくは装置に発生している振動の周波数成分があれば、その振動タイミング若しくはその周波数成分を含む振動が発生している期間の不具合情報を除外するようにしても良い。
Claims (7)
- ディスク記憶装置の搭載された画像処理装置であって、
前記画像処理装置に発生する振動を検知して検知信号を出力する振動検知部と、前記振動検知部の出力信号に基づいて、振動検知情報を生成する振動検知制御部と、前記振動検知制御部から受信した振動検知情報に基づいて、前記ディスク記憶装置を制御するディスク記憶装置制御部と、を有し、
前記振動検知制御部は、前記振動検知部の出力信号によって示される周期的な振動の位相と時間軸とが関連付けられた情報を前記振動検知情報として生成し、
前記ディスク記憶装置制御部は、前記ディスク記憶装置において発生した不具合とその発生タイミングとが関連付けられた不具合情報を受信し、前記振動検知情報の時間軸と前記不具合情報の時間軸とを対応させることにより、前記ディスク記憶装置において不具合が発生したタイミングに応じた前記周期的な振動の位相を前記ディスク記憶装置へのアクセスを禁止する禁止タイミングとして設定して記憶し、前記振動検知部の出力信号によって示される周期的な振動の位相が前記禁止タイミングとして設定されている場合、禁止タイミングが終了するまで前記ディスク記憶装置へのアクセスを待機することを特徴とする画像処理装置。 - 前記ディスク記憶装置制御部は、前記受信した振動検知情報に基づき、前記画像処理装置に発生している振動の所定周波数成分に応じて前記ディスク記憶装置へのアクセス可否を判断することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
- 前記ディスク記憶装置制御部は、前記ディスク記憶装置に不具合が発生したタイミングと、前記画像処理装置に発生している振動の周波数成分とを照合し、前記ディスク記憶装置の不具合発生に寄与する前記画像処理装置の振動周波数成分を判断することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
- 前記ディスク記憶制御部は、前記判断された振動周波数成分が前記振動検知部によって検出されている期間における前記ディスク記憶装置へのアクセスを禁止することを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
- 前記ディスク記憶装置制御部は、前記ディスク記憶装置の不具合情報を蓄積して前記ディスク記憶装置の寿命を予測する寿命予測制御部を更に有し、
前記寿命予測制御部は、前記判断された振動周波数成分が前記振動検知部によって検出されている期間において発生した前記ディスク記憶装置の不具合情報を除外して前記ディスク記憶装置の寿命を予測することを特徴とする請求項3または4に記載の画像処理装置。 - ディスク記憶装置の搭載された画像処理装置の制御方法であって、
前記画像処理装置に発生する振動を検知し、
前記画像処理装置に発生する振動の検知によって検知された周期的な振動の位相と時間軸とが関連付けられた情報を振動検知情報として生成し、
前記ディスク記憶装置において発生した不具合とその発生タイミングとが関連付けられた不具合情報を受信し、
前記振動検知情報の時間軸と前記不具合情報の時間軸とを対応させることにより、前記ディスク記憶装置において不具合が発生したタイミングに応じた前記周期的な振動の位相を前記ディスク記憶装置へのアクセスを禁止する禁止タイミングとして設定し、
前記画像処理装置に発生する振動の検知によって検知された周期的な振動の位相が前記禁止タイミングとして設定されている場合、禁止タイミングが終了するまで前記ディスク記憶装置へのアクセスを待機することを特徴とする画像処理装置の制御方法。 - 画像処理装置に搭載されたディスク記憶装置の故障予測方法であって、
前記ディスク記憶装置の不具合情報を蓄積し、
前記画像処理装置に発生する振動を検知し、
前記画像処理装置に発生する振動の検知によって検知された周期的な振動の位相と時間軸とが関連付けられた情報を振動検知情報として生成し、
前記ディスク記憶装置において発生した不具合とその発生タイミングとが関連付けられた不具合情報を受信し、
前記振動検知情報の時間軸と前記不具合情報の時間軸とを対応させることにより、前記ディスク記憶装置の不具合発生に寄与する前記画像処理装置の振動状態を特定し、
前記蓄積された不具合情報のうち、前記特定された振動状態における不具合情報を除外した上で前記蓄積された不具合情報に基づいて前記ディスク記憶装置の故障予測を行うことを特徴とする故障予測方法。
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