JP4849468B2 - 接続頭部と曲げ部を有する高圧用燃料噴射管およびその製造方法 - Google Patents

接続頭部と曲げ部を有する高圧用燃料噴射管およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ディーゼル内燃機関のコモンレールによる蓄圧式燃料噴射システム等に使用される高圧用燃料噴射管(以下「噴射管」と略称する。)とその製造方法に関する。
従来、この種の噴射管としては、図19に例示するように、比較的細径からなる厚肉鋼管21の接続端部に、球面状のシート面23と、該シート面23から軸芯方向に間隔をおいて設けた環状フランジ部25と、前記シート面23に連なって前記環状フランジ部25まで先端に向って先細りとなる円弧面24とから形成された接続頭部22を有し、かつ曲げ加工部(屈曲部分)26を有するものが知られている(特許文献1の図4参照)。この種の接続頭部22は、外方からのパンチ部材による軸芯方向への押圧による挫屈加工によって成形されるのに関連して、該押圧による挫屈加工に伴う周壁の外側への拡がりによって、該頭部内周面にポケット(環状凹部)27を生ぜしめて構成され、かかる状態で使用に供されてきたが、ポケット部の形成に伴う内径の大径化とそのポケット部の谷部に発生する亀裂により内周面の応力が上昇、並びに配設使用時の高圧流体に起因して該ポケット部付近に発生するキャビテーションエロージョンにより、該接続頭部にポケットを起点に径方向の亀裂が放射状に生じたり、ポケットの周囲に円周方向の亀裂が生じるという問題があった。
かかる対策として、本出願人は、例えば比較的細径からなる厚肉鋼管の接続端部に、球面状のシート面と、該シート面から軸芯方向に間隔をおいて設けた環状フランジ部と、前記シート面に連なって前記環状フランジ部まで先端に向って先細りとなる円錐面とから形成された接続頭部を有する噴射管において、前記円錐面の一部に深さの浅い環状の湾曲凹溝を設けることによって、該接続頭部の成形に伴って生ずる該頭部内側のポケットを深さが浅くかつなだらかとする方法(特許文献1の図1参照)や、外側周面を相手座部への截頭円錐状、もしくは截頭円弧状のシート面とする接続頭部の成形に伴って生ずる該頭部内側のポケットを、該頭部内側に嵌着する金属製円筒部材で被覆する方法(特許文献2)等を先に提案した。
また、この種の噴射管における曲げ加工部(屈曲部分)については、当該噴射管の耐久性(内圧繰返し強度)に影響を与える管体の偏平現象が問題となる。従来のディーゼルエンジン用噴射管は、外径がφ6、φ6.35の場合、内径φ2が主流でφ1.4〜φ2.2(肉厚t/外径Dの比率=0.32以上)のものが使用されているため、CNCベンダー等の曲げ加工手段により曲げ加工を施しても曲げ加工部(屈曲部分)に発生する偏平現象は極めて少なく、また、従来のエンジンの管内圧は直接噴射式燃料噴射システムでも最高120MPa程度である為、前記偏平現象が当該噴射管の耐久性(内圧繰返し強度)に影響を与えることはなく、さらに従来のディーゼルエンジン用噴射管は、コモンレールシステム用噴射管と比べると長さが長いため、曲げRは大きなR(標準曲げR:外径×3.0以上)を使用することができた。
特開2003−336560号公報 特開2005−180218号公報
ところで、最近のディーゼルエンジンのコモンレールによる蓄圧式燃料噴射システムに使用される噴射管は、排ガス規制等から使用時の圧力が200MPa以上に高くなる傾向にあり、このような超高圧に耐えられる内圧疲労強度が要求されている。
従来、噴射管の接続頭部については、前記したごとく、配設使用時の高圧流体に起因して該ポケット部付近に発生するキャビテーションエロージョンによる前記亀裂の発生を防止する手段として、頭部内側のポケットを深さが浅くかつなだらかとする方法や、頭部内側のポケットを金属製円筒部材で被覆する方法等が提案されているが、200MPa以上の内圧疲労強度を確保するためには技術的には必ずしも十分とは言えなかった。
また、この燃料噴射システムに使用される噴射管は、以下に記載する理由により、前記した偏平部分の破損の危険性が増大している。
すなわち、最近の蓄圧式燃料噴射システムの高圧仕様に伴い、燃料噴射による脈動が大きくなり、その影響は多数回噴射を行う場合、プレ噴射による圧力変動がメイン噴射時の圧力すなわち噴射量に影響を与える時の弊害が大きいため、この脈動を減少させるためには管内径を大きくする必要が生じ、前記した肉厚/外径の比率が小さくなる傾向にあること、コモンレールシステムの場合は、ポンプとノズルの間にコモンレールが入るために噴射管自体の長さが短くなり、かつ狭い場所(空間)での配管が必要となったことにより、曲げ加工部(屈曲部分)の曲げRが小さくなり、内径偏平率が10%を超えるようになったこと、内圧による繰返し疲労に起因する破壊を防止するために噴射管の内表面精度をより高める必要があること(内面疵を小さくすること)等である。
本発明は、従来のこのような現状に鑑みてなされたもので、200MPa以上の内圧疲労強度を確保し得る接続頭部と、曲げ加工部における疲労破壊を可及的に防止し得る、コモンレールシステムに使用される接続頭部と曲げ部を有する噴射管およびその製造方法を提案することを目的とするものである。
本発明に係る接続頭部と曲げ部を有する噴射管は、厚肉細径鋼管の接続端部に、球面状のシート面と、該シート面から軸芯方向に間隔をおいて形成された環状フランジ部と、前記シート面に連なって前記環状フランジ部まで先端に向かって先細りとなる円錐面を有し、前記環状フランジ部の受圧面と係合する締付ナットを組込んでなる、曲げ部を有する噴射管において、t(肉厚)/D(外径)<0.3の厚肉細径鋼管の場合に、接続頭部端末から前記環状フランジ部背面までの軸方向距離L1が0.38D〜0.6D、前記シート面の球体半径Rが0.45D〜0.65D、前記環状フランジ部外径D1が1.2D〜1.4Dであって、該頭部内周面が当該鋼管の内周面に近いフラットな面を有する接続頭部と、偏平率が6%以下の曲げ部を有し、かつ硬さHvが285以上、引張強度が900MPa以上であることを特徴とするものである。
また、本発明は接続頭部と曲げ部を有する噴射管として、t(肉厚)/D(外径)≧0.3の厚肉細径鋼管の場合に、接続頭部端末から前記環状フランジ部背面までの軸方向距離L1が0.38D〜0.7D、前記シート面の球体半径Rが0.45D〜0.65D、前記環状フランジ部外径D1が1.2D〜1.4Dであって、該頭部内周面が当該鋼管の内周面に近いフラットな面を有する接続頭部と、内径偏平率が6%以下の曲げ部を有し、かつ硬さHvが285以上、引張強度が900MPa以上であることを特徴とするものである。
上記した本発明の噴射管はまた、前記接続頭部内周面に円周方向の圧縮応力が残留していることを特徴とするものである。
さらにまた、本発明の噴射管は、前記環状フランジ部の首下部にワッシャーを組込んで構成したり、さらに、少なくとも前記シート面に軟質層を設けるとより効果的であり、かつその軟質層は脱炭層であることが好ましいが、前記軟質層は加熱による軟化層であってもよい。
上記した本発明の、内径偏平率が6%以下の曲げ部と、硬さHvが285以上、引張強度が900MPa以上、接続頭部と曲げ部を有する噴射管の製造方法は、最終伸管後の厚肉細径鋼管を熱処理工程にて焼き入れ・焼戻し処理し伸びが5%以上の管材を得た後、該管材を規定の製品長さに切断し、次いで該所定長さの厚肉細径鋼管の端部に、予め先端側に接続頭部の加工代を残してチャックに保持した状態で押型を備えたパンチ部材による軸方向先端部外方からプレス成形して、端部に外側周面を球面となすシート面を有する接続頭部と、該頭部に連なる拡径した環状フランジ部および前記シート面に連なって前記環状フランジ部まで先端に向かって先細りとなる円錐面を形成せしめると共に、前記接続頭部内周面に円周方向の圧縮応力を残留せしめた後、当該鋼管に内径偏平率6%以下の曲げ加工を施すことを特徴とするものである。
上記した本発明の噴射管の製造方法においては、最終伸管後の厚肉細径鋼管を規定の製品長さに切断した後で、該所定長さの厚肉細径鋼管を熱処理工程にて焼き入れ・焼戻し処理し伸びが5%以上の管材を得た後、該管材の端部に前記接続頭部の成形を行なってもよい。
また、本発明方法における前記接続頭部は、t(肉厚)/D(外径)<0.3の厚肉細径鋼管の場合に、該接続頭部端末から前記環状フランジ部背面までの軸方向距離L1が0.38D〜0.6D、前記シート面の球体半径Rが0.45D〜0.65D、前記環状フランジ部外径D1が1.2D〜1.4Dであって、該頭部内周面が当該鋼管の内周面に近いフラットな面を有することを特徴とし、また、t(肉厚)/D(外径)≧0.3の厚肉細径鋼管の場合に、該接続頭部端末から前記環状フランジ部背面までの軸方向距離L1が0.38D〜0.7D、前記シート面の球体半径Rが0.45D〜0.65D、前記環状フランジ部外径D1が1.2D〜1.4Dであって、該頭部内周面が当該鋼管の内周面に近いフラットな面を有することを特徴とするものである。
また、本発明法では、前記厚肉細径鋼管の熱処理工程における熱処理雰囲気を脱炭雰囲気とすることにより、前記脱炭層を設けることができる。またその場合、前記厚肉細径鋼管の接続頭部の少なくともシート面が形成される部位を露出させ、他の外周表面をマスキングして熱処理工程を実施することが好ましいが、マスキングをしないで熱処理工程を実施してもよい。
さらにまた、本発明法は、前記所定長さの厚肉細径鋼管の端部に、予め先端側に接続頭部の加工代を残して短寸筒状のワッシャー部材を組込み、しかる後に端部付近をチャックに保持した状態でプレス成形し、かつ前記接続頭部の形成に伴って、該直管部分に位置して前記ワッシャー部材を圧嵌して嵌着せしめる方法と、所定長さの厚肉細径鋼管に前記ワッシャー部材を遊嵌せしめかつチャックから退避させた状態で前記プレス成形を施して接続頭部を成形し、しかる後に前記ワッシャー部材を該頭部首下部に移動させて該ワッシャー部材を圧嵌もしくは遊嵌させて嵌着せしめる方法のどちらでもよい。
なお、本発明法では、少なくとも前記シート面に軟質層を設ける手段として、以下に記載する方法を採用することができる。
前記接続頭部の形成後に行う方法として、該接続頭部のシート面と首下部付近に配設した電極間に通電しシート面を加熱する方法、前記接続頭部のシート面を除く先端側端面と首下部付近に配設した電極間に通電しシート面を加熱する方法、前記電極のシート面の接触面に高電気抵抗材料製チップを設けてシート面を加熱する方法、前記シート面の加熱後、加熱電流より小さな電流をさらに通電してシート面を徐冷する方法、前記シート面に近接して電気ヒーターを設け、該ヒーターに通電して発熱させて該ヒーター表面からの輻射熱により前記シート面を加熱し当該シート面表層を軟化させる方法、前記シート面に高温に加熱した昇温パンチ部材を接触・押圧して該昇温パンチ部材の熱をシート面に伝熱させて該シート面の表面層を軟化させる方法、前記シート面を火炎により直接加熱して該シート面の表面層を軟化させる方法、前記シート面を溶融した軟質金属またはガラスに浸漬し、その後シート面を仕上げ成形する方法、前記所定長さの厚肉細径鋼管の端部の少なくともシート面形成部位と該鋼管の他の部位に電極を配置し、該電極間に通電しシート面形成部位を加熱して該シート面形成部位の表面層を軟化させる方法、前記電極のシート面形成部位との接触部に高電気抵抗材料製チップを設けてシート面形成部位を加熱する方法、前記所定長さの厚肉細径鋼管の端部の少なくともシート面形成部位の外周表面を電熱ヒーターの輻射熱により加熱して該シート面の表面層を軟化させる方法、前記接続頭部の形成後、該接続頭部のシート面を高周波誘導加熱方式により加熱する方法等を用いることができる。
また、前記接続頭部の形成前に行う方法として、該所定長さの厚肉細径鋼管の端部の少なくともシート面形成部位を高周波誘導加熱方式により加熱し軟化させる方法、前記シート面形成部位に高温に加熱した昇温チャック部材を接触させて該昇温チャック部材の熱をシート面形成部位に伝熱させて該シート面形成部位の表面層を軟化させる方法、前記シート面形成部位を火炎により直接加熱して該シート面形成部位の表面層を軟化させる方法、前記シート面形成部位を溶融した軟質金属またはガラスに浸漬して該シート面形成部位の表面層を軟化させる方法等を用いることができる。
さらに、前記シート面またはシート面形成部位の加熱による軟化時、加熱前に予熱および/または加熱後に徐冷する方法を用いてもよく、その場合前記予熱および/または徐冷は加熱炉中にて保持または通電による加熱を用いるのが好ましい態様である。その理由は、この方法によりシート面が急冷されて硬化することを防止できるからである。
本発明に係る噴射管は、接続頭部内周面が当該鋼管の内周面に近いフラットな面を有することから該頭部の内側に塑性加工により発生するポケット(環状凹部)がほとんど存在しないため、該頭部成形時におけるポケット部の谷部の亀裂の発生、および該頭部内での流体圧によるキャビテーションエロージョンによる亀裂の発生の憂い、並びに前記頭部成形時における該ポケットの形成に伴う内径の大径化による内表面の引張応力の上昇現象をなくし、かつ該頭部内周面が疲労破壊の起点となる可能性を大幅に減少させることができる。また、少なくともシート面に軟質層を設けると、コモンレール等の相手部品継ぎ手部のシール面(シート面)を塑性変形させることが皆無となり、高シール性が得られる。さらに、本発明の接続頭部は、該頭部端末から環状フランジ部までの距離が比較的短縮されているため、球面状シート部の剛性が増しヘタリ等の永久変形を防止できると共に、相手部品継ぎ手部の受圧座面に対する座りも安定し、超高圧燃料流の繰返し加圧やディーゼル内燃機関等の振動に対しても燃料の飛散による洩れや接続部の離脱の発生も防止され、前記ポケットがほとんど存在しないことによる燃料の流れの円滑化作用と相俟ってより正確な燃料噴射が可能となる。
また、曲げ加工部の内径偏平率が6%以下と小さいので、当該曲げ部が内周面から疲労破壊することがなく、偏平部分の破損の危険性が大幅に少なくなる。
さらに、本発明に係る噴射管の製造方法によれば、前記したポケット(環状凹部)がほとんど存在しない接続頭部を得ることができるのみならず、当該接続頭部の内周面であって管軸方向の中央付近に圧縮残留応力を発生させることができるので、該頭部内周面からの疲労破壊を大幅に減少させることが可能となり、さらに曲げ加工部における疲労破壊を可及的に防止することが可能となるので、200MPa以上の内圧疲労強度を有する噴射管を得ることができる。
さらに、本発明の接続頭部はシート面の表層に脱炭雰囲気中の熱処理により形成された脱炭による軟質層または加熱により形成された焼鈍による軟質層が存在するので、相手部品(コモンレール、インジェクター、高圧ポンプ等)継手部の受圧座面の塑性変形を防止することができ、高シール性が得られる。また、焼入れや焼戻しの熱処理時の雰囲気を脱炭雰囲気とすることにより接続頭部のシート面の表層に脱炭層としての軟質層を得ることができ、さらに接続頭部または直管の端部を通電や誘導加熱方式等により直接もしくは間接に加熱することによりシート面に加熱による軟質層を得ることができるので、前記と同様、相手部品継手部の受圧座面の塑性変形を防止することができ、高シール性が得られる。
なお、前記シート面に脱炭による軟質層または加熱焼鈍による軟質層を形成させてシール性を高める方法は、噴射管材端部にスリーブを螺合し、かつ該噴射管材先端部にシート面を形成した、挫屈成形を伴わない接続頭部(環状フランジを有しないフラットな接続頭部)を有する噴射管(Hv≧285、引張強度900MPa以上)にも適用できることはいうまでもない。
本発明における厚肉細径鋼管の鋼種としては、特に限定するものではないが、合金鋼や高圧配管用炭素鋼鋼管等が好適である。また、この厚肉細径鋼管のサイズとしては、管径Dが6mmないし10mm、肉厚tが1.25mmないし3.5mm程度である。
本発明の噴射管において、t(肉厚)/D(外径)<0.3の厚肉細径鋼管の場合に、接続頭部端末から前記環状フランジ部背面までの軸方向距離L1を0.38D〜0.6Dと限定したのは、0.38D未満では頭部を形成できず、他方、0.6Dを超えると、ポケットが発生するとともに該ポケットが次第に大きくなるためである。また、前記シート面の球体半径Rを0.45D〜0.65Dとしたのは、0.45D未満では頭部を形成できず、他方、0.65Dを超えると、ポケットが発生するとともに該ポケットが次第に大きくなるためである。さらに、前記環状フランジ部外径D1を1.2D〜1.4Dとしたのは、1.2D未満では相手部品と締結する際、高い軸力を伝達するための広い押圧面積が確保できず、他方、1.4Dを超えるとポケットが発生するとともに該ポケットが次第に大きくなるためである。
さらにまた、本発明の噴射管において、t(肉厚)/D(外径)≧0.3の厚肉細径鋼管の場合に、接続頭部端末から前記環状フランジ部背面までの軸方向距離L1を0.38D〜0.7Dと限定したのは、0.38D未満では頭部を形成できず、他方、0.7Dを超えると、ポケットが発生するとともに該ポケットが次第に大きくなるためである。なお、前記シート面の球体半径Rおよび前記環状フランジ部外径D1の数値限定理由については、前記t(肉厚)/D(外径)<0.3の厚肉細径鋼管の場合と同様である。
また、本発明の噴射管において、曲げ部の内径偏平率を6%以下としたのは、6%を超えると偏平部の内周面が疲労破壊を生じる危惧がある。
さらに、該噴射管の硬さHvを285以上、引張強度を900MPa以上としたのは、硬さHvが285未満あるいは引張強度が900MPa未満では耐内圧疲労性が確保できず、疲労破壊を生じることが危惧されるためである。
本発明の噴射管の製造方法における焼入れ方法としては、例えば、最終伸管後の素管を連続炉またはバッチ炉にて950℃の温度に10分間保持後、油または水による焼入れを行う方法、または最終伸管後の素管を高周波加熱機にて1050℃〜1100℃の温度に5秒保持後、油または水による焼入れを行う方法を用いることができる。また、焼戻しは、600℃の温度に20分保持後、徐冷する方法により行うことができる。
なお、本発明の噴射管の製造方法において、焼き入れ・焼戻し処理により伸びが5%以上の管材を得ることとしたのは、その後に施される該管材の曲げ加工に少なくとも5%以上の伸びを必要とするためである。
本発明に係る噴射管の接続頭部の成形方法は、規定の製品長さに切断された厚肉細径鋼管の端部に、予め先端側に接続頭部の加工代を残してチャックに保持した状態で押型を備えたパンチ部材による軸方向先端部外方からプレス成形して、端部に外側周面を球面となすシート面を有する接続頭部と、該頭部に連なる拡径した環状フランジ部を形成せしめる方法を用いることができる。その際、頭部内周面にポケットがほとんど存在しない接続頭部を形成するために、所望の加工代を設け、かつ接続頭部端末から前記環状フランジ部背面までの軸方向距離L1が0.38D〜0.6Dまたは0.38D〜0.7D、環状フランジ部外径D1が1.2D〜1.4D、シート面の球体半径Rが0.45D〜0.65Dに対応する形状のパンチ部材を用いるのが好ましい。
なお、本発明方法は、前記成形加工の際、予め先端側に接続頭部の加工代を残してワッシャー部材を組込み、しかる後に端部付近をチャックに保持した状態でプレス成形すると、該頭部の形成に伴って、当該直管部分に位置して前記ワッシャー部材を圧嵌せしめることができる。また、所定長さの厚肉細径鋼管に前記ワッシャー部材を遊嵌せしめた状態で前記プレス成形を施して接続頭部を成形し、しかる後に該頭部首下部に前記短寸筒状のワッシャー部材を移動させて圧嵌もしくは遊嵌させて嵌着せしめてもよい。
また、少なくとも前記シート面に軟質層を設ける方法としては、例えば誘導加熱方式により局部的に軟化焼鈍する方法、通電加熱方式、電熱ヒーターの輻射熱による間接加熱方式、高温パンチ部材による直接加熱方式、火炎による直火加熱方式、高温の溶融金属またはガラスへの浸漬方式等によりシート面、または頭部成形前の直管の状態での少なくともシート面形成部位を加熱する方法を用いることができる。
誘導加熱方式としては、頭部成形前に行う場合は直管状の厚肉細径鋼管端部の少なくともシート面形成部位を高周波で誘導加熱する方式を採用し、頭部成形後に行う場合は接続頭部のシート面部を高周波で誘導加熱する方式を採用することができる。通電加熱方式としては、例えば接続頭部のシート面と該頭部首下部付近に配設した電極間に通電してシート面の表層を加熱し、好ましくはその後徐冷して軟化焼鈍する方法を採用することができる。その際、シート面側電極のシート面との接触部に高電気抵抗材料製チップを取付けてシート面の表面に通電すると、高電気抵抗材料製チップが集中的に発熱するのでシート面の表面を選択的に軟化することができ、より効果的に軟化焼鈍することができる。頭部成形前の直管の状態での少なくともシート面形成部位を加熱する場合も同様である。ここで、高電気抵抗材料としては、例えばタングステン、モリブデン、ニッケル−クロム合金、シリコン−カーバイド等を用いることができる。電熱ヒーターの輻射熱による間接加熱方式、好ましくはシート面の形状にほぼ沿うように形成した電熱ヒーターの輻射熱により、好ましくは噴射管を回転させながらシート面を加熱して軟化焼鈍する方法を採用することができる。高温パンチ部材または高温チャック部材による直接加熱方式は、例えばプレス成形装置と同様の装置に昇温パンチ部材または高温チャック部材を退避位置で高温に加熱しておき、その高温に加熱された昇温パンチ部材または高温チャック部材を前進動させてシート面またはシート面形成部位に相当する鋼管端部に当接させて該シート面またはシート面形成部位を加熱軟化させる方式を採用することができる。火炎による直火加熱方式は、例えば可燃性ガス等によるバーナーフレームで好ましくは噴射管を回転させながら直接シート面またはシート面形成部位を加熱して軟化焼鈍する方法を採用することができる。浸漬方式は、高温液体にシート面形成部位に相当する部分を浸漬して当該部分を加熱軟化する方式であり、溶融状態の金属(Sn、Al、Bi、Sb、およびこれらの基合金等)、ガラス等の高温液体中に接続頭部のシート面形成部位に相当する部分を浸漬して軟化焼鈍する方法を採用することができる。この方式の場合、シート面部に付着した溶融金属は切削あるいはエッチング等により除去することができるが、僅かに残留させてこれをプレスで押圧してシート面表層として使用することも可能である。また、シート面に付着したガラスは、焼入れ温度以下まで冷却されたことを確認後、水冷により破砕して除去することができる。
なお、上記した各種加熱軟化方式によるシート面およびシート面形成部位の軟化焼鈍は700〜800℃程度で行なわれることが好ましい。
また、本発明に係る曲げ部を有する噴射管の曲げ加工方法は、特に限定するものではないが、曲げロール、クランプ治具および反力受具等の曲げ加工治具で噴射管を略真円状に保持した状態で曲げ加工を施す方法、前記曲げ加工治具により噴射管を保持した状態で、当該噴射管の曲げ部に相当する部分を曲げ平面に対し偏平部の短軸が垂直な方向になるように偏平させ、その偏平させた状態で曲げ加工を施す方法、噴射管に曲げ加工を施した後その曲げ加工部の偏平部を当該偏平が小さくなるように矯正する方法、前記噴射管の曲げ部に相当する部分を曲げ加工によって生ずる偏平方向とは逆方向に予め押圧偏平化した後、曲げ加工を施す方法、曲げ加工を施した後、該曲げ加工によって生じた偏平部に対し、偏平が小さくなるように当該偏平部の長軸方向から潰し加工を施す方法等を採用することができる。なお、噴射管を曲げ加工する際には、予め管体内に媒体を充填して曲げ加工を施し、曲げ加工後前記媒体を除去する。
前記した曲げ加工方法を実施するための装置としては、例えば上下二分割構造の曲げロール、この曲げロールの周面に噴射管を押圧しながら、この噴射管を介してロール周面上を所定角度回動して当該噴射管を順次曲げ加工する上下二分割構造のクランプ治具および反力受具を有する曲げ手段を備えた装置を用いることができる。
[実施例]
図1は本発明に係る噴射管の一実施例を示す平面図、図2は同上噴射管の接続頭部を示す縦断側面図、図3は被加工管である噴射管の曲げ部を平型で押圧して偏平化する方法の一例を示す概略説明図で、(a)は押圧前の状態を示す側面図、(b)は同上縦断正面図、図4〜図10は噴射管の接続頭部のシート面を加熱軟化する方法を例示したもので、図4〜図6は通電加熱方式、図7は電熱ヒーターの輻射熱による間接加熱方式、図8は高温に加熱された昇温パンチ部材による直接加熱方式、図9は火炎による直火加熱方式、図10は高温の溶融金属または溶融ガラスへの浸漬方式をそれぞれ示す概略図、図11〜図17は接続頭部成形前の厚肉細径鋼管のシート面形成部位を加熱軟化する方法を例示したもので、図11および図12は通電加熱方式、図13は電熱ヒーター表面からの輻射熱による間接加熱方式、図14は高温に加熱された昇温チャック部材による直接加熱方式、図15は火炎による直火加熱方式、図16は高周波誘導加熱方式、図17は高温の溶融金属または溶融ガラスへの浸漬方式をそれぞれ示す概略図であり、図18は?1は噴射管、2は接続頭部、3曲げ部、4はワッシャー、5は締付ナット、6は平型、7はカップ状電極、7’は小径電極、8はチャック状電極、9は高電気抵抗材料製チップ、10は皿状電熱ヒーター、11は昇温パンチ部材、12は狭幅電極、13は広幅電極、14は環状電熱ヒーター、15は昇温チャック部材、16はバーナー、17は渦巻状電極、18は溶融金属または溶融ガラス等の高温液体である。
図1、図2に示す噴射管1は、厚肉細径鋼管1−1の接続端部に、外側周面を相手座部への球面状のシート面2−1と、該シート面2−1から軸芯方向に間隔をおいて設けた環状フランジ部2−3と、前記シート面2−1に連なって前記環状フランジ部2−3まで先端に向って先細りとなる円錐面2−2とから構成され、かつ頭部内周面が当該鋼管の内周面に近いフラットな面を有する接続頭部2を有している。ここで、噴射管1がt/D<0.3の厚肉細径鋼管の場合の接続頭部2は、該接続頭部端末から環状フランジ部2−3の背面までの距離L1は0.38D〜0.6D、シート面2−1の球体半径Rは0.45D〜0.65D、環状フランジ部2−3の外径D1は1.2D〜1.4Dである。また、噴射管1がt/D≧0.3の厚肉細径鋼管の場合の接続頭部2は、該接続頭部端末から環状フランジ部2−3の背面までの距離L1が0.38D〜0.7Dである以外は、前記t/D<0.3の厚肉細径鋼管の場合と同じである。なお、軟質層は材質に応じて設ける。
この噴射管1を製造する方法としては、前記したごとく最終伸管後の厚肉細径鋼管を熱処理工程にて焼き入れ・焼戻し処理した後、規定の製品長さに切断して端末加工を施す場合と、最終伸管後の厚肉細径鋼管を先に規定の製品長さに切断し、該所定長さの厚肉細径鋼管を熱処理工程にて焼き入れ・焼戻し処理した後、端末加工を施す場合の二つの方法を用いることができる。ここでは、前者の製造方法について説明する。
まず最終伸管後の素管を熱処理工程で焼き入れ・焼戻し処理を施す。焼き入れは、前記したごとく、例えば最終伸管後の素管を連続炉またはバッチ炉にて950℃の温度に10分保持後、油または水による焼入れを行う方法、または最終伸管後の素管を高周波加熱機にて1050℃〜1100℃の温度に5秒保持後、油または水による焼入れを行う方法により行なう。また、焼戻しは、600℃の温度に20分保持後、徐冷する方法により行なう。
前記焼入れ・焼戻し処理後は、当該素管を規定の製品長さに切断し、端末加工および部品の装着を施す。端末加工は前記したごとく、所定長さの厚肉細径鋼管の端部に、予め先端側に接続頭部の頭部加工代を残して短寸筒状のワッシャー4を組込み、しかる後当該鋼管1−1をチャックに保持した状態で当該鋼管1−1の先端部をパンチ部材により軸芯方向へ押圧する。この押圧により厚肉鋼管1−1の頭部加工代の部分が塑性流動し、厚肉鋼管1−1の先端部に、外側周面を相手座部への球面状のシート面2−1と、該シート面2−1から軸芯方向に間隔をおいて設けた環状フランジ部2−3と、前記シート面に連なって前記環状フランジ部2−3まで先端に向って先細りとなる円錐面2−2とから構成され、かつ頭部内周面が当該鋼管の内周面に近いフラットな面を有する接続頭部2が得られる。この方法の場合は、成形加工の際、予め先端側に接続頭部の加工代を残してワッシャー部材を組込み、しかる後に端部付近をチャックに保持した状態でプレス成形するので、前記ワッシャー部材は頭部首下部に圧嵌されるが、所定長さの厚肉細径鋼管にワッシャー部材をチャックから離して当該鋼管に遊嵌せしめた状態で前記プレス成形を施して接続頭部を成形し、しかる後に該頭部首下部に前記短寸筒状のワッシャー部材を移動させて圧嵌もしくは遊嵌させて嵌着せしめてもよい。
この端末加工と部品の装着が完了すると、曲げ加工治具で曲げ加工を施した後、当該鋼管に内径偏平率Prが6%以下の曲げ部を形成する。この内径偏平率Prは、本願出願人が先に提案した特願2004−362068に記載の下記式1で定義される値である。
[式1]
Pr=[(Maxh−Minh)/ h ]×100(%)
Maxh:曲げ加工後の管の最大内径(mm)
Minh:曲げ加工後の管の最小内径(mm)
h :曲げ加工前の管の平均内径(mm)
本発明において、噴射管1の曲げ部3の内径偏平率Prを6%以下としたのは、以下に記載する理由による。
すなわち、燃料噴射管の高圧繰返し試験を行うと、曲げ部の曲げ平面に垂直な管内(中立軸付近)壁を起点に疲労破壊が発生する。この要因としては、管の曲げ加工により曲げ部は加工硬化されるが、特に中立軸付近では他の部位に比べ変形が少なく硬化が少ないため、疲労限界の向上が乏しく、また、断面が曲げ加工により潰れるため、中立軸付近が応力集中し易い形になることが考えられる。このため、曲げ加工品のFEM解析を行うと、曲げ部3の内径偏平率Prが6%を超える7%の潰れ部分では最大40%アップの応力増加となっていることが判明した。かかる知見より、本発明では曲げ部3の内径偏平率Prを6%以下と規定した。
また、曲げ加工治具で曲げ加工を施した後、図3に示す装置により被加工管1−1を平型で押圧する場合は、加圧面が平坦面の下型6−1の上面に被加工管1−1を載置し(図a)、同じく加圧面が平坦面の上型6−2により被加工管1−1を押圧し偏平させる(図b)。また、この装置による場合は、下型6−1、上型6−2を離間した状態で当該両型を管軸方向に移動させて再度押圧して被加工管1−1を偏平させる方法(型側を移動させる方式)を、あるいは下型6−1、上型6−2を離間した状態で被加工管1−1側を移動させて下型6−1および上型6−2を再度押圧して偏平させる方法(管側を移動させる方式)を採用することもできる。
次に、噴射管1の接続頭部2のシート面2−1に軟質層を設けるための方法を図4〜図17に基づいて説明する。なお、図4〜図10は頭部成形後にシート面を加熱軟化する方法を、図11〜図17は頭部成形前の直管の状態でシート面形成部位を加熱軟化する方法を、それぞれ例示したものである。
まず図4に示す方法は、通電加熱方式により噴射管1の接続頭部2のシート面2−1を加熱軟化する方法を例示したもので、接続頭部2のシート面2−1側にカップ状電極7を、接続頭部2の首下部付近にチャック状電極8をそれぞれ配設する。この方法の場合は、より効果的にシート面を加熱するために、パイプ側のチャック状電極8の接触面積をシート面2−1側のカップ状電極7の接触面積より大きく、好ましくは2倍以上大きくしてシート面2−1以外の表面の軟化を防止する。そして、両電極7、8間に通電してシート面2−1の表層を軟化温度(700〜800℃程度)に加熱した後、通電電流を小さくしながら継続して通電することにより徐冷して急冷されることによる硬化を防止する。このようにしてシート面2−1の表層を軟化させる。
図5に示す方法は、前記図4に示す通電加熱方式において、シート面2−1側カップ状電極7のシート面との接触部に、例えばタングステン、モリブデン、ニッケル−クロム合金、シリコン−カーバイド等からなる高電気抵抗材料製チップ9を埋設し、前記と同様に両電極7、8間に通電してシート面2−1の表層を軟化温度(700〜800℃程度)に加熱してシート面2−1の表層を軟化させる方法である。この高電気抵抗材料製チップ9を用いた方法の場合は、両電極7、8間に通電すると高電気抵抗材料製チップ9が集中的に発熱するのでシート面の表面を選択的に軟化することができ、より効果的に軟化させることができる。
図6に示す方法は、図4、図5に示す方法におけるカップ状電極7に替えて、接続頭部2のシート面2−1を除く頭部先端面に小径電極7’を当接させて通電してシート面2−1の表層を軟化温度(700〜800℃程度)に加熱してシート面2−1の表層を軟化させる方法である。この方法の場合は、比較的少ないエネルギーで効率よくシート面2−1の表層を軟化することができる上、シート面2−1に電極が接触しないため当該シート面に疵、スパーク疵等をつけるおそれが皆無である。
図7に示す方法は、噴射管1の接続頭部2のシート面2−1を電熱ヒーター10の輻射熱により加熱軟化する方法を例示したもので、この方法はシート面2−1の形状に沿うように形成した皿状の電熱ヒーター10をシート面2−1を覆うように配設し、この皿状電熱ヒーター10を固定した状態で好ましくは噴射管1側を回転させて皿状電熱ヒーター10の輻射熱によりシート面2−1を軟化温度(700〜800℃程度)に加熱して軟化させる方法である。
図8に示す方法は、昇温パンチ部材11による直接加熱方式により噴射管1の接続頭部2のシート面2−1を加熱軟化する方法を例示したもので、この方法は、例えばプレス成形装置と同様の装置の、耐熱耐食性を有する例えばタングステンカーバイド等よりなる昇温パンチ部材11を退避位置で高温に加熱しておき、その高温に加熱されたパンチ部材11を前進動させてシート面2−1に当接させて該シート面2−1を軟化温度(700〜800℃程度)に加熱して軟化させる方法である。この方法における昇温パンチ部材11の加熱手段としては、例えば通電方式による直接加熱方式、あるいは加熱炉のような加熱容器により加熱する間接加熱方式等を用いることができる。
図9に示す方法は、バーナー16の火炎により直接加熱する直火加熱方式により噴射管1の接続頭部2のシート面2−1を加熱軟化する方法を例示したもので、この方法は噴射管1の接続頭部2の外周に配置したバーナー16を固定した状態で好ましくは噴射管1側を回転させてバーナー16の火炎によりシート面2−1を軟化温度(700〜800℃程度)に加熱して軟化させる方法である。なお、噴射管1の接続頭部2の外周に複数のバーナー16を等間隔に配置した場合には、噴射管1を固定した状態で加熱することができる。
図10に示す方法は、高温の溶融金属または溶融ガラスへの浸漬方式により加熱軟化する方法を例示したもので、700〜800℃程度の軟化温度に保持された高温の溶融金属または溶融ガラス18中に噴射管1の接続頭部2のシート面2−1を浸漬して当該部位を加熱して軟化させる方法である。溶融金属としてはSn、Al、Bi、Sb、およびこれらの基合金等である。
図11に示す方法は、通電加熱方式により噴射管1の接続頭部2のシート面2−1に相当する部位を加熱軟化する方法を例示したものであり、厚肉細径鋼管1−1の接続端部のシート面形成部位1−2にほぼ相当する幅を有する狭幅電極12を、前記シート面形成部位1−2以外の他の部分に広幅電極13をそれぞれ配設する。そして、両電極12、13間に通電してシート面形成部位1−2の表層を軟化温度(700〜800℃程度)に加熱軟化させる。その際、通電電流を小さくしながら継続して通電することにより徐冷して急冷されることによる硬化を防止する。
図12に示す方法は、前記図11に示す通電加熱方式において、狭幅電極12の厚肉細径鋼管1−1との接触部に、前記と同じ例えばタングステン、モリブデン、ニッケル−クロム合金、シリコン−カーバイド等からなる高電気抵抗材料製チップ9を埋設し、前記と同様に両電極12、13間に通電してシート面形成部位1−2の表層を軟化温度(700〜800℃程度)に加熱軟化させる方法である。この場合も両電極12、13間に通電すると高電気抵抗材料製チップ9が集中的に発熱するのでシート面形成部位1−2の表面を選択的に軟化することができ、シート面形成部位1−2をより効果的に軟化させることができる。
図13に示す方法は、厚肉細径鋼管1−1の接続端部のシート面形成部位1−2を環状電熱ヒーター14の輻射熱により加熱軟化する方法を例示したもので、この方法はシート面形成部位1−2にほぼ相当する幅を有する環状電熱ヒーター14を厚肉細径鋼管1−1の接続端部に該シート面形成部位1−2を覆うように配置し、この環状電熱ヒーター14を固定した状態で好ましくは厚肉細径鋼管1−1側を回転させて環状電熱ヒーター14の輻射熱によりシート面形成部位1−2を軟化温度(700〜800℃程度)に加熱して軟化させる方法である。
図14に示す方法は、厚肉細径鋼管1−1の接続端部のシート面形成部位1−2を昇温チャック部材15による直接加熱方式により加熱軟化する方法を例示したもので、この方法は、例えばプレス成形装置と同様の装置の、耐熱耐食性を有する例えばタングステンカーバイド等よりなる昇温チャック部材15を退避位置で高温に加熱しておき、その高温に加熱された昇温チャック部材15を鋼管側へ移動させてシート面形成部位1−2に当接させて該シート面形成部位1−2を軟化温度(700〜800℃程度)に加熱して軟化させる方法である。この方法における昇温チャック部材15の加熱手段も前記と同様、例えば通電方式による直接加熱方式、あるいは加熱炉のような加熱容器により加熱する間接加熱方式等を用いることができる。
図15に示す方法は、厚肉細径鋼管1−1の接続端部のシート面形成部位1−2をバーナー16の火炎により直接加熱する直火加熱方式により加熱軟化する方法を例示したもので、この方法は厚肉細径鋼管1−1の接続端部の外周に配置したバーナー16を固定した状態で好ましくは厚肉細径鋼管1−1側を回転させてバーナー16の火炎によりシート面形成部位1−2を軟化温度(700〜800℃程度)に加熱して軟化させる方法である。なお、厚肉細径鋼管1−1の外周に複数のバーナー16を等間隔に配置した場合には、厚肉細径鋼管1−1を固定した状態で加熱することができる。
図16に示す方法は、厚肉細径鋼管1−1の接続端部のシート面形成部位1−2を高周波誘導加熱方式により加熱する方法を例示したもので、この方法は厚肉細径鋼管1−1の接続端部に間隔wを有して渦巻状電極17を対向配置し、該渦巻状電極17を固定した状態で好ましくは厚肉細径鋼管1−1側を回転させて加熱周波数40KHz程度でシート面形成部位1−2を軟化温度(700〜800℃程度)に加熱して軟化させる方法である。なお、この方法における間隔wは特に限定するものではないが、5mm程度でよい。
図17に示す方法は、厚肉細径鋼管1−1の接続端部のシート面形成部位1−2を高温の溶融金属または溶融ガラスへの浸漬方式により加熱軟化する方法を例示したもので、700〜800℃程度の軟化温度に保持された高温の溶融金属または溶融ガラス18中に厚肉細径鋼管1−1の接続端部のシート面形成部位1−2を浸漬して当該部位を加熱して軟化させる方法である。溶融金属としては前記したごとく、Sn、Al、Bi、Sb、およびこれらの基合金等である。
上記した図1〜図17に示す各実施例は、すべて挫屈成形により形成した環状フランジ部付き接続頭部を有する噴射管に適用した場合を示したが、図18に示す厚肉細径鋼管1−1の先端部にシート面2−1が形成された、挫屈成形に伴う環状フランジ部なしの接続頭部2を有し、該接続頭部2に連なる部分に締結用のスリーブ19が螺合された噴射管にも適用できることはいうまでもない。すなわち、挫屈成形に伴う環状フランジ部を有しない接続頭部2の前記シート面2−1にも脱炭による軟質層または加熱焼鈍による軟質層を形成させて相手継手部品とのシール性を高めることができる。
なお、本発明では、必要に応じてオートフレッテージ処理やヒートソーク(低温焼鈍処理)を行うこともある。
本発明に係る高圧用燃料噴射管は、接続頭部内周面が当該鋼管の内周面に近いフラットな面を有することから、接続頭部の内側に塑性加工により発生するポケット(環状凹部)がほとんど存在しないため、該頭部成形時におけるポケット部の谷部の亀裂の発生、および該頭部内での流体圧によるキャビテーションエロージョンによる亀裂の発生の憂い、並びに前記頭部成形時における該ポケットの形成に伴う内径の大径化による内表面の引張応力の上昇現象をなくし、かつ該頭部内周面が疲労破壊の起点となる可能性を大幅に減少させることができる。また、少なくともシート面に軟質層を有することにより、コモンレール等の相手部品継ぎ手部のシール面(シート面)を塑性変形させることが皆無となり、高シール性が得られる。さらに、本発明の接続頭部は、該頭部端末から環状フランジ部までの距離が比較的短縮されているため、球面状シート部の剛性が増しヘタリ等の永久変形を防止できると共に、相手部品継ぎ手部の受圧座面に対する座りも安定し、超高圧燃料流の繰返し加圧やディーゼル内燃機関等の振動に対しても燃料の飛散による洩れや接続部の離脱の発生も防止され、前記ポケットがほとんど存在しないことによる燃料の流れの円滑化作用と相俟ってより正確な燃料噴射が可能となる。
また、曲げ加工部の偏平率が6%以下と小さいので、当該曲げ部が内周面から疲労破壊することがなく、偏平部分の破損の危険性が大幅に少なくなる。
さらに、本発明に係る高圧用燃料噴射管の製造方法によれば、前記したポケット(環状凹部)がほとんど存在しない接続頭部を得ることができるのみならず、当該接続頭部の内周面であって管軸方向中央付近に圧縮残留応力を発生させることができるので、該頭部内周面からの疲労破壊を大幅に減少させることが可能となり、さらに曲げ加工部における疲労破壊を可及的に防止することが可能となるので、200MPa以上の内圧疲労強度を有する高圧用燃料噴射管を得ることができる。
したがって、本発明は、ディーゼル内燃機関における燃料の供給路として配設多用される高圧用燃料噴射管に限らず、比較的細径からなる厚肉鋼管による接続頭部を有する各種の高圧金属配管にも適用可能である。
さらに、本発明の接続頭部はシート面の表層に脱炭雰囲気中の熱処理により形成された脱炭による軟質層または加熱により形成された焼鈍による軟質層が存在するので相手部品(コモンレール、インジェクター、高圧ポンプ)継手部の受圧座面の塑性変形を防止することができ、高いシール性が得られる。また、焼入れや焼戻しの熱処理時の雰囲気を脱炭雰囲気とすることにより接続頭部のシート面の表層に脱炭層としての軟質層を得ることができ、さらに接続頭部または直管の端部を通電などにより直接もしくは間接に加熱することによりシート面に加熱による軟質層を得ることができので、前記と同様、相手部品継手部の受圧座面の塑性変形を防止することができ、高いシール性が得られる。
なお、本発明の前記シート面に脱炭による軟質層または加熱焼鈍による軟質層を形成させてシール性を高める方法は、噴射管材端部にスリーブを螺合し、かつ該噴射管材先端部にシート面を形成した、挫屈成形を伴わない接続頭部(環状フランジを有しないフラットな接続頭部)を有する噴射管(Hv≧285、引張強度900MPa以上)にも適用できることはいうまでもない。
本発明に係る高圧用燃料噴射管の一実施例を示す平面図である。 同上高圧用燃料噴射管の接続頭部を示す縦断側面図である。 被加工厚肉細径鋼管の曲げ部を平型で押圧して偏平化する方法の一例を示す概略説明図で、(a)は押圧前の状態を示す側面図、(b)は同上縦断正面図である。 本発明に係る高圧用燃料噴射管の接続頭部のシート面を通電加熱方式により軟化させる方法の一例を示す概略図である。 同じく高圧用燃料噴射管の接続頭部のシート面を通電加熱方式により軟化させる方法の他の例を示す概略図である。 同じく高圧用燃料噴射管の接続頭部のシート面を通電加熱方式により軟化させる方法の別の例を示す概略図である。 同じく高圧用燃料噴射管の接続頭部のシート面を電熱ヒーターの輻射熱による間接加熱方式により軟化させる方法の一例を示す概略図である。 同じく高圧用燃料噴射管の接続頭部のシート面を昇温パンチ部材による直接加熱方式により軟化させる方法の一例を示す概略図である。 同じく高圧用燃料噴射管の接続頭部のシート面を火炎による直火加熱方式により軟化させる方法の一例を示す概略図である。 同じく高圧用燃料噴射管の接続頭部のシート面を高温の溶融金属または溶融ガラスへの浸漬方式により加熱軟化する方法の一例を示す概略図である。 同じく高圧用燃料噴射管の接続頭部成形前の厚肉細径鋼管のシート面形成部位を通電加熱方式により軟化させる方法の一例を示す概略図である。 同じく高圧用燃料噴射管の接続頭部成形前の厚肉細径鋼管のシート面形成部位を通電加熱方式により軟化させる方法の他の例を示す概略図である。 同じく高圧用燃料噴射管の接続頭部成形前の厚肉細径鋼管のシート面形成部位を電熱ヒーターの輻射熱による間接加熱方式により軟化させる方法の一例を示す概略図である。 同じく高圧用燃料噴射管の接続頭部成形前の厚肉細径鋼管のシート面形成部位を昇温チャック部材による直接加熱方式により軟化させる方法の一例を示す概略図である。 同じく高圧用燃料噴射管の接続頭部成形前の厚肉細径鋼管のシート面形成部位をバーナー火炎による直火加熱方式により軟化させる方法の一例を示す概略図である。 同じく高圧用燃料噴射管の接続頭部成形前の厚肉細径鋼管のシート面形成部位を高周波誘導加熱方式により加熱軟化する方法の一例を示す概略図である。 同じく高圧用燃料噴射管の接続頭部成形前の厚肉細径鋼管のシート面形成部位を高温の溶融金属または溶融ガラスへの浸漬方式により加熱軟化する方法の一例を示す概略図である。 本発明の他の実施例を示す高圧用燃料噴射管の概略図である。 本発明の対象とする従来の高圧用燃料噴射管の一例を示す縦断側面図である。
符号の説明
1 高圧用燃料噴射管
2 接続頭部
3 曲げ部
4 ワッシャー
5 締付ナット
6−1 下型
6−2 上型
7 カップ状電極
7’ 小径電極
8 チャック状電極
9 高電気抵抗材料製チップ
10 皿状電熱ヒーター
11 昇温パンチ部材
12 狭幅電極
13 広幅電極
14 環状電熱ヒーター
15 昇温チャック部材
16 バーナー
17 渦巻状電極
18 溶融金属または溶融ガラス等の高温液体
19 スリーブ

Claims (24)

  1. 肉細径鋼管の接続端部に、球面状のシート面と、該シート面から軸芯方向に間隔をおいて形成された環状フランジ部と、前記シート面に連なって前記環状フランジ部まで先端に向かって先細りとなる円錐面を有し、前記環状フランジ部の受圧面と係合する締付ナットを組込んでなる、曲げ部を有する高圧用燃料噴射管において、t(肉厚)/D(外径)<0.3の厚肉細径鋼管の場合に、接続頭部端末から前記環状フランジ部背面までの軸方向距離L1が0.38D〜0.6D、前記シート面の球体半径Rが0.45D〜0.65D、前記環状フランジ部外径D1が1.2D〜1.4Dであって、該頭部内周面が当該鋼管の内周面に近いフラットな面を有する接続頭部と、内径偏平率が6%以下の曲げ部を有し、かつ硬さHvが285以上、引張強度が900MPa以上であることを特徴とする、接続頭部と曲げ部を有する高圧用燃料噴射管。
  2. 肉細径鋼管の接続端部に、球面状のシート面と、該シート面から軸芯方向に間隔をおいて形成された環状フランジ部と、前記シート面に連なって前記環状フランジ部まで先端に向かって先細りとなる円錐面を有し、前記環状フランジ部の受圧面と係合する締付ナットを組込んでなる、曲げ部を有する高圧用燃料噴射管において、t(肉厚)/D(外径)≧0.3の厚肉細径鋼管の場合に、接続頭部端末から前記環状フランジ部背面までの軸方向距離L1が0.38D〜0.7D、前記シート面の球体半径Rが0.45D〜0.65D、前記環状フランジ部外径D1が1.2D〜1.4Dであって、該頭部内周面が当該鋼管の内周面に近いフラットな面を有する接続頭部と、内径偏平率が6%以下の曲げ部を有し、かつ硬さHvが285以上、引張強度が900MPa以上であることを特徴とする、接続頭部と曲げ部を有する高圧用燃料噴射管。
  3. 前記接続頭部内周面に円周方向の圧縮応力が残留していることを特徴とする請求項1または2に記載の接続頭部と曲げ部を有する高圧用燃料噴射管。
  4. 前記環状フランジ部の首下部にワッシャーを圧嵌もしくは遊嵌させて組込んでなる請求項1ないし3のいずれか1項に記載の接続頭部と曲げ部を有する高圧用燃料噴射管。
  5. 少なくとも前記シート面に軟質層を有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の接続頭部と曲げ部を有する高圧用燃料噴射管。
  6. 前記軟質層が脱炭層であることを特徴とする請求項5に記載の接続頭部と曲げ部を有する高圧用燃料噴射管。
  7. 前記軟質層が加熱による軟化層であることを特徴とする請求項5に記載の接続頭部と曲げ部を有する高圧用燃料噴射管。
  8. 内径偏平率が6%以下の曲げ部を有し、かつ硬さHvが285以上、引張強度が900MPa以上の高圧用燃料噴射管の製造方法であって、最終伸管後の厚肉細径鋼管を熱処理工程にて焼き入れ・焼戻し処理し伸びが5%以上の管材を得た後、該管材を規定の製品長さに切断し、次いで該所定長さの厚肉細径鋼管の端部に、予め先端側に接続頭部の加工代を残してチャックに保持した状態で押型を備えたパンチ部材による軸方向先端部外方からプレス成形して、端部に外側周面を球面となすシート面を有する接続頭部と、該頭部に連なる拡径した環状フランジ部および前記シート面に連なって前記環状フランジ部まで先端に向かって先細りとなる円錐面を形成せしめると共に、前記接続頭部内周面に円周方向の圧縮応力を残留せしめた後、当該鋼管に内径偏平率が6%以下の曲げ加工を施すことを特徴とする高圧用燃料噴射管の製造方法。
  9. 内径偏平率が6%以下の曲げ部を有し、かつ硬さHvが285以上、引張強度が900MPa以上の高圧用燃料噴射管の製造方法であって、最終伸管後の厚肉細径鋼管を規定の製品長さに切断した後、該所定長さの厚肉細径鋼管を熱処理工程にて焼き入れ・焼戻し処理し伸びが5%以上の管材を得た後、該管材の端部に、予め先端側に接続頭部の加工代を残してチャックに保持した状態で押型を備えたパンチ部材による軸方向先端部外方からプレス成形して、端部に外側周面を球面となすシート面を有する接続頭部と、該頭部に連なる拡径した環状フランジ部および前記シート面に連なって前記環状フランジ部まで先端に向かって先細りとなる円錐面を形成せしめると共に、前記接続頭部内周面に円周方向の圧縮応力を残留せしめた後、当該鋼管に内径偏平率が6%以下の曲げ加工を施すことを特徴とする高圧用燃料噴射管の製造方法。
  10. 前記接続頭部が、t(肉厚)/D(外径)<0.3の厚肉細径鋼管の場合に、該頭部端末から前記環状フランジ部背面までの軸方向距離L1が0.38D〜0.6D、前記シート面の球体半径Rが0.45D〜0.65D、前記環状フランジ部外径D1が1.2D〜1.4Dであって、該頭部内周面が当該鋼管の内周面に近いフラットな面を有することを特徴とする請求項8または9に記載の高圧用燃料噴射管の製造方法。
  11. 前記接続頭部が、t(肉厚)/D(外径)≧0.3の厚肉細径鋼管の場合に、該頭部端末から前記環状フランジ部背面までの軸方向距離L1が0.38D〜0.7D、前記シート面の球体半径Rが0.45D〜0.65D、前記環状フランジ部外径D1が1.2D〜1.4Dであって、該頭部内周面が当該鋼管の内周面に近いフラットな面を有することを特徴とする請求項8または9に記載の高圧用燃料噴射管の製造方法。
  12. 前記厚肉細径鋼管の熱処理工程における熱処理雰囲気を脱炭雰囲気とすることを特徴とする請求項8または9に記載の高圧用燃料噴射管の製造方法。
  13. 前記厚肉細径鋼管の接続頭部の少なくともシート面が形成される部位を露出させ、他の外周表面をマスキングして熱処理工程を実施することを特徴とする請求項12に記載の高圧用燃料噴射管の製造方法。
  14. 前記所定長さの厚肉細径鋼管の端部に、予め先端側に接続頭部の加工代を残して短寸筒状のワッシャー部材を組込み、しかる後に端部付近をチャックに保持した状態でプレス成形し、かつ前記接続頭部の形成に伴って、該直管部分に位置して前記ワッシャー部材を圧嵌して嵌着せしめることを特徴とする請求項8ないし11のいずれか1項に記載の高圧用燃料噴射管の製造方法。
  15. 所定長さの厚肉細径鋼管に前記短寸筒状のワッシャー部材を遊嵌せしめた状態で、当該鋼管の先端側に接続頭部の加工代を残して端部付近をチャックに保持してプレス成形し、接続頭部成形後に該頭部首下部に前記短寸筒状のワッシャー部材を移動させて圧嵌もしくは遊嵌させて嵌着せしめることを特徴とする請求項8ないし11のいずれか1項に記載の高圧用燃料噴射管の製造方法。
  16. 前記接続頭部の形成後、該接続頭部のシート面と首下部付近に配設した電極間に通電しシート面を加熱することを特徴とする請求項8、9、10、11、14、15のいずれか1項に記載の高圧用燃料噴射管の製造方法。
  17. 前記電極のシート面との接触部に高電気抵抗材料製チップを設けたことを特徴とする請求項16に記載の高圧用燃料噴射管の製造方法。
  18. 前記接続頭部の形成後、該接続頭部のシート面を除く頭部先端面と首下部付近に配設した電極間に通電しシート面を加熱することを特徴とする請求項8、9、10、11、14、15のいずれか1項に記載の高圧用燃料噴射管の製造方法。
  19. 前記シート面を高周波誘導加熱方式により加熱することを特徴とする請求項8、9、10、11、14、15のいずれか1項に記載の高圧用燃料噴射管の製造方法。
  20. 前記所定長さの厚肉細径鋼管の端部の少なくともシート面形成部位と該鋼管の他の部位に電極を配置し、該電極間に通電しシート面形成部位を加熱して該シート面形成部位の表面層を軟化させることを特徴とする請求項8、9、10、11、14、15のいずれか1項に記載の高圧用燃料噴射管の製造方法。
  21. 前記所定長さの厚肉細径鋼管の端部の少なくともシート面形成部位を高周波誘導加熱方式により加熱し軟化させることを特徴とする請求項8、9、10、11、14、15のいずれか1項に記載の高圧用燃料噴射管の製造方法。
  22. 前記電極のシート面形成部位との接触部に高電気抵抗材料製チップを設けたことを特徴とする請求項21に記載の高圧用燃料噴射管の製造方法。
  23. 前記シート面またはシート面形成部位の加熱による軟化時、加熱前に予熱および/または加熱後に徐冷することを特徴とする請求項16ないし22のいずれか1項に記載の高圧用燃料噴射管の製造方法。
  24. 前記予熱および/または徐冷を加熱炉中にて保持または通電による加熱により行うことを特徴とする請求項23に記載の高圧用燃料噴射管の製造方法。
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