JP4844174B2 - 液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置 - Google Patents
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Description
さらに、少なくとも2つの位置決めノズルを相互にのみ連通させることによって、位置決めノズルのそれぞれを相互に大気に開放させることができ、例えば、専用吸引キャップを位置決めノズルの片方ずつに連結して、個別吸引することによって、そこに浸入して残留した液体をそれぞれ簡易に排出することができる。
(液滴吐出ヘッドの構成)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る液滴吐出ヘッドを示す斜視図、図2は、図1のA−A線断面図である。
ベース部材2は、図1に示すように、長尺な棒状の部材であって、耐インク腐食性、寸法安定性及び剛性を有する、SUS等の金属から構成されることが好ましい。
位置決め用接着剤4は、中間部材5の下面5aとヘッドユニット3の上面3aとの間に充填され、両者を接着するものである。位置決め用接着剤4としては、例えば、硬化速度が速く、熱収縮が小さい透明なアクリル系接着剤等の光(紫外線)硬化型接着剤を好適例として挙げることができる。
図3は、第1の実施の形態に用いられるヘッドユニットの平面図、図4は、図3(a)のB−B線断面図、図5は、分解斜視図である。なお、図3では、フレキシブルプリント配線基板の図示を省略している。
液体の流れについて、図5を参照して説明する。ヘッドユニット3において、振動板37の供給孔37aに供給された液体は、圧力発生室プレート36の供給孔36b、第2の供給孔プレート34Bの供給路34c、供給路プレート35の供給路35c、第1の供給孔プレート34Aの供給路34c、プールプレート33の液プール33b、第1の供給孔プレート34Aの供給孔34b、供給路プレート35の供給路35b、第2の供給孔プレート34Bの供給孔34b、圧力発生室プレート36の圧力発生室36a、第2の供給孔プレート34Bの連通孔34a、供給路プレート35の連通孔35a、第1の供給孔プレート34Aの連通孔34a、およびプールプレート33の連通孔33aを経由して、ノズルプレート32のノズル32aから液滴として吐出する。
図6(a)は、ヘッドユニットを吐出側から見た平面図、(b)は(a)のC−C線断面図、(c)、(d)は位置決めノルズから液体を吸引する様子を示す断面図である。このヘッドユニット3のノズルプレート32は、複数の液滴吐出ノズル32aが形成された領域の外側に、液滴吐出ノズル32aの液体流路に連通せず、液滴を吐出しない複数(例えば4つ)の位置決めノズル32bを有している。
以下、図4を参照しつつ、本発明の第1の実施の形態に係る液滴吐出ヘッド1の製造方法の一例を説明する。
必要な厚さに加工した厚さ30μmの圧電体(図示せず)に対し、スパッタリング等により電極材(図示せず)を成膜する。
成膜した電極材及び圧電体の断面が露出する構造となるようにブラスト法やダイシング法等の手段により、個別化された圧電素子38、個別電極及38a及び共通電極38bを形成する。
ノズルプレート32及びプールプレート33を接合した第1の積層体S1と、振動板37、圧力発生プレート36、第2の供給プレート34B、供給路プレート35、第1の供給孔プレート34Aを接合した第2の積層体S2とを接着等の手段によって接合する。
振動板37上の各圧力発生室36aに対応する位置に導電性接着剤により圧電素子38の共通電極38bを接着し、圧電素子38の個別電極38aに、ハンダによりFPC42の導電パターン42aに接続、ヘッドユニット3を形成する。
図示しない液体保持タンクから供給される液体を、(4)までの工程で製造されたヘッドユニット3内に供給するための液体中継部材50(図8(b),(c)参照)を取り付ける。以上により圧電素子38を備えたヘッドユニット3が完成する。
ヘッドユニット3に液体を充填し、吐出させて、吐出ドロップの方向性等を検査して、良品を選別する。
次に、ヘッドユニット吐出不良検査で吐出した液体が飛散して位置決めノズル32bに浸入し、後工程の位置決めに支障を来たす場合には、図6(c)に示すように、専用吸引キャップ15を位置決めノズル32bの片方ずつに連結して、個別吸引することによって、そこに浸入して残留した液体を排出する。
良品判定されたヘッドユニット3の上面3aに、位置決め用接着剤4として紫外線硬化型接着剤を塗布し、中間部材5の下面5aに密着させる。
する。
(イ)位置決めノズル32bを、図6(a)に示すように、複数の液滴吐出ノズル32aの周縁部に配設することによって、隣接ヘッドユニット3のアライメント前の吐出不良検査やワイピング作業の際に、位置決めノズル32bに液体が浸入し難いため、位置決めノズル32bを、工程を増加させることなしに高い位置精度で簡易かつ確実に形成することができる。
(ロ)少なくとも2つの位置決めノズル32bを、図6(b)に示すように、相互に連通させることによって、位置決めノズル32bのそれぞれを相互に大気に開放させることができ、例えば、図6(c)に示すように、専用吸引キャップ15を位置決めノズル32bの片方ずつに連結して、個別吸引することによって、そこに浸入して残留した液体をそれぞれ簡易に排出することができる。
(ハ)図6(d)に示すように、本液滴吐出ヘッド1がプリンタ等に使用された場合、印字をしない時に装着するメンテナンスキャップ16を利用して、位置決めノズル32bに浸入して残留した液体をそれぞれ簡易に排出することができる。
(ニ)位置決めノズル32bを、図6(a)に示すように、最外部に位置する液滴吐出ノズル32aから、液滴吐出ノズル32aの配列ピッチのn倍(nは1〜2の整数、好ましくは1、2の自然数)離れた位置に配設することによって、工程を増加させることなしに、二次元配列の位置決めノズルを高い位置精度で簡易かつ確実に形成することができる。
図7は、本発明の第2の実施の形態に用いられるヘッドユニットを示し、(a)は、ヘッドユニットを吐出側から見た平面図、(b)は(a)のD−D線断面図、(c)、は位置決めノルズから液体を吸引する様子を示す断面図、(d)、(e)は、位置決めノズルを封止する様子を示す断面図である。
第2の実施の形態によれば、以下の効果が得られる。
(イ)位置決めノズル32bの空間通路32cは互いに連通することなく、製造工程における隣接ヘッドユニットのアライメント前は、それぞれが封止可能に大気開放孔32dから大気に開放されるように構成することによって、例えば、メンテナンスキャップを位置決めノズルの全てに連結して、全ての位置決めノズルを一括して吸引することによって、全ての位置決めノズルに浸入して残留した液体の全てを簡易かつ迅速に排出することができる。
(ロ)また、製造工程における隣接ヘッドユニットのアライメント終了後は、大気開放孔32dを封止することができ、また、大気開放孔32dから封止剤32eを注入して位置決めノズル32bまでを封止することができるように構成することによって、例えば、製品の出荷時には、位置決めノズルから、液体が漏洩することを防止することができる。
図8は、本発明の第3の実施の形態に係るヘッドユニットを示し、(a)は、ヘッドユニットを吐出側から見た平面図、(b)は、(a)のE−E線断面図、(c)は、位置決めノルズから液体を吸引する様子を示す断面図である。なお、図8(a)では、液体中継部材50の図示を省略している。
第3の実施の形態によれば、位置決めノズル32bの空間通路32cを、容積が大である液体中継部材50の、容積が大の液体貯留室51に連通させることによって、製造工程における隣接ヘッドユニットのアライメント前及びプリンタ使用時に、位置決めノズルが連通する空間通路の流路抵抗を、液滴吐出ノズルが連通する液体流路よりも簡易かつ確実に小とすることができる。このため、例えば、図8(c)に示すように、メンテナンスキャップ16によって、製造工程における隣接ヘッドユニットのアライメント前に、浸入して残留した液体を簡易かつ確実に一括排除することができる。
図9は、本発明の第4の実施の形態に係るヘッドユニットを示し、(a)は、ヘッドユニットを吐出側から見た平面図、(b)は、(a)のF−F線断面図である。
第4の実施の形態によれば、位置精度及び印字性能に優れた液滴吐出ヘッドのレイアウトの自由度を拡大することができる。
図10は、本発明の第5の実施の形態に係るヘッドユニットを示し、(a)は、ヘッドユニットを吐出側から見た平面図、(b)は(a)のG−G線断面図である。
第5の実施の形態によれば、位置精度及び印字性能に優れた液滴吐出ヘッドのレイアオウトの自由度を拡大することができる。
(カラープリンタの構成)
図11は、本発明の第6の実施の形態に係る液滴吐出装置を適用したカラープリンタの構成図である。このカラープリンタ100は、略箱型状の筐体101を有し、筐体101内の下部に、用紙Pを収容する給紙トレイ120、筐体101内の上部に、記録済みの用紙Pが排出される排紙トレイ121を各々配設し、給紙トレイ120から記録位置102を経由して排紙トレイ121に至る主搬送路131a〜131e、及び排紙トレイ121側から記録位置102側に至る反転搬送路132に沿って用紙Pを搬送する搬送機構130を有している。
次に、カラープリンタ100の動作を説明する。搬送機構130は、制御部の制御の下に、ピックアップロール133及び搬送ロール134を駆動し、給紙トレイ120から用紙Pを取り出して主搬送路131a,131bに沿って搬送する。用紙Pが無端ベルト135の近傍に差し掛かると、帯電ロール143の静電吸着力によって用紙Pに電荷が付与され、用紙Pは無端ベルト135に吸着する。
上述した第6の実施の形態によれば、印字性能に優れた液滴吐出ヘッドを用いているので、高精細、高画質のカラー画像を提供することができる。
2 ベース部材
2a 下面
3 ヘッドユニット
3a 上面
3A 1列配置ユニット
4 位置決め用接着剤
5 中間部材
5a 下面
6 ボルト
15 専用吸引キャップ
16 メンテナンンスキャップ
21 ベース部材の裏面
31 ヘッドユニットの表面
32 ノズルプレート
32a 液滴吐出ノズル
32b 位置決めノズル
32c 空間通路
32d 大気開放孔
32e 封止剤
33 プールプレート
33a 連通孔
33b 液プール
34A,34B 供給孔プレート
34a 連通孔
34b 供給孔
34c 供給路
35 供給路プレート
35a 連通孔
35b,35c 供給路
36 圧力発生室プレート
36a 圧力発生室
36b 供給孔
37 振動板
37a 供給孔
38 圧電素子
38a 個別電極
38b 共通電極
42 フレキシブルプリント配線基板(FPC)
42a 導通パターン
50 液体中継部材
51 液体貯留室
120 給紙トレイ
121 排紙トレイ
130 搬送機構
131a〜131e 主搬送路
132 反転搬送路
133 ピックアップロール
134 搬送ロール
135 無端ベルト
136 駆動ロール
137 従動ロール
141Y、141M、141C、141K 液滴吐出ヘッドユニット
142Y、142M、142C、142K インクタンク
143 帯電ロール
144 プラテン
145 メンテナンスユニット
100 カラープリンタ
101 筐体
102 記録位置
S1 第1の積層体
S2 第2の積層体
P 用紙
Q 紙送り方向
Claims (11)
- 記録媒体の送り方向に直交する方向に長尺なベース部材と、前記ベース部材の下面に整列して接合又は支持される複数のヘッドユニットとを備えた液滴吐出ヘッドにおいて、
前記ヘッドユニットは、液体流路を経由して液滴を吐出する複数の液滴吐出ノズルと、前記ベース部材の下面に複数の前記ヘッドユニットを整列させる際の隣接ヘッドユニットのアライメントに用いられる、前記液体流路とは連通せずに所定の空間通路に連通した、前記液滴を吐出しない複数の位置決めノズルであって、その少なくとも2つは前記空間通路を経由して互いにのみ連通するとともに、それぞれが相互に大気に開放された位置決めノズルとを有し、
前記空間通路および前記位置決めノズルは、前記液体流路および前記液滴吐出ノズルよりも、前記液体が流れた場合の流路抵抗が小であり、専用吸引キャップを前記位置決めノズルの片方ずつに連結して、個別吸引することによって、前記空間通路および前記位置決めノズルに浸入して残留した液体を排出することが可能なことを特徴とする液滴吐出ヘッド。 - 前記液滴吐出ノズルは、ノズルプレートに形成され、前記空間通路は、前記ノズルプレートレート内に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記ヘッドユニットは、2組以上の前記位置決めノズルを有し、複数の前記液滴吐出ノズルの全体が形成される領域の重心に相当する点に対して、ほぼ点対称の位置に前記位置決めノズルが配設されていることを特徴とする請求項2に記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記ヘッドユニットは、複数の前記位置決めノズルを有し、前記位置決めノズルの前記空間通路は互いに連通することなく、それぞれが封止可能に大気に開放されていることを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記位置決めノズルの開口面積は、前記液滴吐出ノズルの開口面積よりも大であることを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記位置決めノズルは、複数の前記液滴吐出ノズルの周縁部に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記位置決めノズルは、最外部に位置する前記液滴吐出ノズルから、前記液滴吐出ノズルの配列ピッチのn倍(nは1〜2の整数)離れた位置に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記位置決めノズルが連通する前記空間通路は、液体中継部材の液体貯留室に連通していることを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記ヘッドユニットとして、前記液滴吐出ノズルが1列に配設された1列配置ユニットの複数が、所定角度傾斜して並列する状態で、前記ベース部材の下面に整列して接合又は支持されていることを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記ヘッドユニットとして、前記液滴吐出ノズルが1列に配設された1列配置ユニットの複数が、千鳥状に配列する状態で、前記ベース部材の下面に整列して接合又は支持されていることを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出ヘッド。
- 記録媒体の送り方向に直交する方向に長尺なベース部材と、前記ベース部材の下面に整列して接合又は支持される複数のヘッドユニットとを有する液滴吐出ヘッドを備え、駆動信号に応じて前記複数の液滴吐出ノズルから前記記録媒体に向けて液滴を吐出する液滴吐出装置において、
前記液滴吐出ヘッドは、
前記ヘッドユニットが、液体流路を経由して液滴を吐出する複数の液滴吐出ノズルと、前記ベース部材の下面に複数の前記ヘッドユニットを整列させる際の隣接ヘッドユニットのアライメントに用いられる、前記液体流路とは連通せずに所定の空間通路に連通した、前記液滴を吐出しない複数の位置決めノズルであって、その少なくとも2つは前記空間通路を経由して互いにのみ連通するとともに、それぞれが相互に大気に開放された位置決めノズルとを有し、
前記空間通路および前記位置決めノズルは、前記液体流路および前記液滴吐出ノズルよりも、前記液体が流れた場合の流路抵抗が小であり、専用吸引キャップを前記位置決めノズルの片方ずつに連結して、個別吸引することによって、前記空間通路および前記位置決めノズルに浸入して残留した液体を排出することが可能なことを特徴とする液滴吐出装置。
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