JP4530161B2 - 液体噴射装置 - Google Patents

液体噴射装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4530161B2
JP4530161B2 JP2005153853A JP2005153853A JP4530161B2 JP 4530161 B2 JP4530161 B2 JP 4530161B2 JP 2005153853 A JP2005153853 A JP 2005153853A JP 2005153853 A JP2005153853 A JP 2005153853A JP 4530161 B2 JP4530161 B2 JP 4530161B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nozzle
head
ink
water
jet recording
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005153853A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006327025A (ja
Inventor
寛成 大脇
功 柳澤
靖雄 稲岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2005153853A priority Critical patent/JP4530161B2/ja
Publication of JP2006327025A publication Critical patent/JP2006327025A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4530161B2 publication Critical patent/JP4530161B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

本発明は、被噴射液を吐出する液体噴射ヘッドを具備する液体噴射装置に関し、特にインク滴を吐出するノズル開口と連通する圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板を介して圧電素子を設けて、圧電素子の変位によりインク滴を吐出させるインクジェット式記録ヘッドを具備するインクジェット式記録装置に関する。
インクジェット式プリンタやプロッタ等のインクジェット式記録装置は、インクカートリッジやインクタンク等のインク貯留部に貯留されたインクを、インク滴として吐出可能なインクジェット式記録ヘッドを具備するインクジェット式記録ヘッドユニット(以下、ヘッドユニットと言う)を有する。
ヘッドユニットは、並設されたノズル開口からなるノズル列を有するインクジェット式記録ヘッドと、インクジェット式記録ヘッドのインク供給口側に固定されるヘッドケースと、インクジェット式記録ヘッドのインク滴吐出面側を保護するカバーヘッドとを具備する。ここで、インクジェット式記録ヘッドを構成するノズルプレートの露出部分とノズル開口の内面に無電解メッキによる撥水処理を施し皮膜を形成したノズルプレートの製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1のように、ノズルプレートの露出部分の全てに撥水処理を施した皮膜(撥水膜)が設けられていると、ノズルプレートを他の部材に接着剤を介して固定する際に、撥水膜によって他の部材との接着強度が弱くなってしまうという問題がある。
このため、ノズルプレートの表面に撥水性の表面処理を施した撥水処理面と周縁の撥水処理を施していない非撥水処理面とを設け、この非撥水部をノズルプレートを覆う箱状に形成されたカバーヘッドに接着剤を介して接着接合したものが提案されている。(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、特許文献1及び2のようにノズルプレートに撥水膜を形成した場合、微小なノズル開口と撥水膜が設けられた領域とのコントラスト比が低く、ノズル開口を識別するのが困難であり、ノズル開口を用いてインクジェット式記録ヘッドをインクカートリッジケースが装着されるカートリッジケース等の保持部材などに位置決めするのが困難であるという問題がある。
また、複数のインクジェット式記録ヘッドを用いることで、ノズル開口の並設されたノズル列を多列化したヘッドユニットがあるが、このようなヘッドユニットは、印刷品質を向上するために、隣接するインクジェット式記録ヘッドのノズル列の相対的な位置決めを高精度に行う必要がある。しかしながら、ノズルプレートに撥水膜を形成した場合には、微小なノズル開口の識別が困難なことから、ノズル開口を用いて隣接するノズル列の相対的な位置決めを高精度に行えないという問題がある。
なお、このような問題は、インクを吐出するインクジェット式記録ヘッドを具備するインクジェット式記録装置だけではなく、勿論、インク以外を吐出する他の液体噴射ヘッドを具備する液体噴射装置においても、同様に存在する。
特開平9−123461号公報(特許請求の範囲及び第3頁、第1図) 特開平10−34920号公報(第3頁、第1〜2図)
本発明はこのような事情に鑑み、ノズル開口の位置決め精度を向上し印刷品質を向上することができる液体噴射装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、並設されたノズル開口からなるノズル列の設けられたノズルプレートを有する複数の液体噴射ヘッドと、該液体噴射ヘッドの液体供給口側に固定されるヘッドケースと、前記ノズル開口を露出する露出開口部を画成すると共に前記ノズルプレートの前記液滴吐出面の少なくとも前記ノズル列の両端部側に接合された接合部を有する固定板と、前記固定板の前記液体噴射ヘッドとは反対側に設けられて前記液体噴射ヘッドを覆うカバーヘッドとを具備すると共に、前記ノズルプレートは、ノズル開口の周縁部に撥水膜が設けられた液滴吐出ノズルと、前記ノズル列の両端側に前記ノズル開口と同一形状を有し且つノズル開口の周縁部に撥水膜が設けられていない非撥水部を有するダミーノズルとを具備し、前記カバーヘッドは、前記液滴吐出ノズルと、前記ノズル列の一端側の前記非撥水部とを露出する露出連通部を画成すると共に前記ノズル列の他端側の前記非撥水部を覆う枠部を有することを特徴とする液体噴射ヘッドユニットにある。
かかる第1の態様では、非撥水部によってダミーノズルの視認性を向上することができ、液体噴射ヘッドと固定板との位置決めを容易に且つ高精度に行うことができる。また、ノズルプレートをワイピングする際に、カバーヘッドによって覆われた非撥水部側から、露出された非撥水部側に向かってワイピングすることで、ワイピング開始時にワイピングブレードに増粘したインクが付着するのを防止して、液滴吐出ノズルに増粘したインクをすり込むのを防止することができる。これにより、ノズル開口の目詰まりやインク吐出不良等を防止することができる。さらに、カバーヘッドによって一方の非撥水部だけを覆うことで、ヘッドユニットの大型化を防止して、キャッピング手段により良好なクリーニング動作を行わせることができる。
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記液滴吐出ノズル及び前記ダミーノズルが、前記液体噴射ヘッドの中心から露出された前記非撥水部側にずらして設けられていることを特徴とする液体噴射ヘッドユニットにある。
かかる第2の態様では、ノズルプレートの面積を広くすることなく、液滴吐出ノズルとダミーノズルとの間にキャップ部材が当接する領域を確保することができるため、ヘッドユニットを小型化することができる。
本発明の第3の態様は、第1又は2の態様において、前記固定板の前記露出開口部が、前記液滴吐出ノズルと前記ノズル列の一端側の前記ダミーノズルとを露出すると共に、前記接合部の前記ノズル列の他端側の前記ダミーノズルに相対向する領域には、前記露出開口部と連続しない貫通孔が設けられていることを特徴とする液体噴射ヘッドユニットにある。
かかる第3の態様では、液体噴射ヘッドを固定板に位置決めして接合する際に、貫通孔によってダミーノズルを確認することができ、高精度な位置決めを行うことができる。
本発明の第4の態様は、第1〜3の何れかの態様において、前記カバーヘッドの前記枠部が、前記ノズルプレートの前記液滴吐出面と複数の液体噴射ヘッドの側面とに沿って屈曲して設けられていると共に、該枠部の露出された前記非撥水部側には、前記固定板の表面を露出させる切り欠き部が設けられていることを特徴とする液体噴射ヘッドユニットにある。
かかる第4の態様では、切り欠き部によってワイピング時にワイピングブレードが枠部に当接するのを防止して、良好なクリーニング動作を行わせることができる。
本発明の第5の態様は、第1〜4の何れかの態様において、前記非撥水部の輝度が、前記撥水膜の輝度の11倍以上であることを特徴とする液体噴射ヘッドユニットにある。
かかる第5の態様では、非撥水部と撥水幕とのコントラスト比を高くすることで、ダミーノズルの視認性を向上することができる。
本発明の第6の態様は、第1〜5の何れかの態様において、前記撥水膜が金属膜からなることを特徴とする液体噴射ヘッドユニットにある。
かかる第6の態様では、金属膜からなる撥水膜を形成しても、ダミーノズルの視認性を向上することができる。
本発明の第7の態様は、並設されたノズル開口からなるノズル列の設けられたノズルプレートを有する複数の液体噴射ヘッドと、該液体噴射ヘッドの液体供給口側に固定されるヘッドケースと、前記ノズル開口を露出する露出開口部を画成すると共に前記ノズルプレートの前記液滴吐出面の少なくとも前記ノズル列の両端部側に接合された接合部を有する固定板と、前記固定板の前記液体噴射ヘッドとは反対側に設けられて前記液体噴射ヘッドを覆うカバーヘッドと、前記ノズルプレートを前記ノズル開口の並設方向に向かってワイピングするワイピングブレードを有するワイピング手段とを具備すると共に、前記ノズルプレートには、ノズル開口の周縁部に撥水膜が設けられた液滴吐出ノズルと、前記ノズル列の両端側に前記ノズル開口と同一形状を有し且つノズル開口の周縁部に撥水膜が設けられていない非撥水部を有するダミーノズルとを具備し、前記カバーヘッドは、前記液滴吐出ノズルと、前記ノズル列の前記ワイピング手段によるワイピング方向の終端側の前記非撥水部とを露出する露出連通部を画成すると共に前記ワイピング手段によるワイピング方向の始端側の前記非撥水部を覆う枠部を有することを特徴とする液体噴射装置にある。
かかる第7の態様では、ノズルプレートをワイピングする際に、カバーヘッドによって覆われた非撥水部側から、露出された非撥水部側に向かってワイピングすることで、ワイピング開始時にワイピングブレードに増粘したインクが付着するのを防止して、液滴吐出ノズルに増粘したインクをすり込むのを防止することができる。これにより、ノズル開口の目詰まりやインク吐出不良等を防止することができる。また、カバーヘッドによって一方の非撥水部だけを覆うことで、ヘッドユニットの大型化を防止して、キャッピング手段により良好なクリーニング動作を行わせることができる。
本発明の第8の態様は、第7の態様において、前記ノズルプレートに接続されるキャップ部材と該キャップ部材内を吸引する吸引手段とを有するキャッピング手段を具備することを特徴とする液体噴射装置にある。
かかる第8の態様では、カバーヘッドによって一方の非撥水部だけを覆うことで、ヘッドユニットの大型化を防止して、キャッピング手段により良好なクリーニング動作を行わせることができる。
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドユニットを示す分解斜視図であり、図2は、インクジェット式録ヘッドユニットの組立斜視図であり、図3は、その要部断面図である。図1に示すように、インクジェット式記録ヘッドユニット200(以下、ヘッドユニット200と言う)を構成する保持部材であるカートリッジケース210は、インク供給手段であるインクカートリッジ(図示なし)がそれぞれ装着されるカートリッジ装着部211を有する。例えば、本実施形態では、インクカートリッジは、ブラック及び3色のカラーインクが充填された別体で構成され、カートリッジケース210には、各色のインクカートリッジがそれぞれ装着される。また、カートリッジケース210の底面には、図3に示すように、一端が各カートリッジ装着部211に開口し、他端が後述するヘッドケース側に開口する複数のインク連通路212が設けられている。さらに、カートリッジ装着部211のインク連通路212の開口部分には、インクカートリッジのインク供給口に挿入されるインク供給針213が、インク内の気泡や異物を除去するためにインク連通路212内に形成されたフィルタ(図示なし)を介して固定されている。
また、このようなカートリッジケース210の底面側には、複数の圧電素子300を有すると共に、カートリッジケース210とは反対側の端面に圧電素子300の駆動によってノズル開口21からインク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッド220が固定されるヘッドケース230を有する。本実施形態では、インクカートリッジの各色のインクを吐出するインクジェット式記録ヘッド220がインク色毎に対応して複数設けられ、ヘッドケース230も各インクジェット式記録ヘッド220に対応してそれぞれ独立して複数設けられている。
ここで、カートリッジケース210に搭載される本実施形態のインクジェット式記録ヘッド220及びヘッドケース230について説明する。図4は、インクジェット式記録ヘッド及びヘッドケースの分解斜視図であり、図5は、インクジェット式記録ヘッド及びヘッドケースの断面図である。図4及び図5に示すように、インクジェット式記録ヘッド220を構成する流路形成基板10は、本実施形態では、シリコン単結晶基板からなり、その一方面には予め熱酸化により形成した二酸化シリコンからなる弾性膜50が形成されている。この流路形成基板10には、その他方面側から異方性エッチングすることにより、複数の隔壁によって区画された圧力発生室12が、幅方向に並設された列が2列形成されている。また、各列の圧力発生室12の長手方向外側には、後述する保護基板30に設けられるリザーバ部31と連通し、各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバ100を構成する連通部13が形成されている。また、連通部13は、インク供給路14を介して各圧力発生室12の長手方向一端部とそれぞれ連通されている。
また、流路形成基板10の開口面側には、各圧力発生室12のインク供給路14とは反対側で連通して液滴が吐出される液滴吐出ノズルであるノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が接着剤や熱溶着フィルム等を介して固着されている。すなわち、本実施形態では、1つのインクジェット式記録ヘッドにノズル開口21の並設されたノズル列21Aが2列設けられている。なお、ノズルプレート20は、厚さが例えば、0.01〜1mmで、線膨張係数が300℃以下で、例えば2.5〜4.5[10-6/℃]あるガラスセラミックス、シリコン単結晶基板又はステンレス鋼などからなる。
ここで、ノズルプレート20には、図6に示すように、各ノズル列21Aの両端部側にそれぞれダミーノズル22が設けられている。このダミーノズル22は、圧力発生室12に連通しないように、ノズル開口21と同一形状で且つ隣接するノズル開口21のピッチのN倍の位置に設けられている。このようなダミーノズル22は、詳しくは後述するが、複数のインクジェット式記録ヘッド220を固定板250に位置決めする際に用いられるものである。本実施形態では、ノズルプレート20に2列のノズル列21Aが設けられているため、ダミーノズル22を各ノズル列21Aに対して2個、すなわち、ダミーノズル22をノズルプレート20に4個設けるようにした。なお、ダミーノズル22の数は特にこれに限定されるものではなく、ダミーノズル22は各ノズルプレート20に2個以上あればよく、ダミーノズル22を2個設ける場合には、各ノズル列21Aの両端部側にそれぞれ1個ずつ設けるのが好ましい。これにより、ダミーノズル22を用いてインクジェット式記録ヘッド220と固定板250との位置決めを容易に且つ高精度に行うことができる。また、ダミーノズル22をノズル開口21と同一形状で且つ隣接するノズル開口21のピッチのN倍の位置に設けることで、ノズルプレート20にノズル開口21を形成するためのピン等の同じ工具を用いてインク滴が吐出されるノズル開口21に対して高精度な位置にダミーノズル22を形成することができる。
また、ノズルプレート20のインク滴吐出面側には、撥水膜23が設けられている。撥水膜23としては、例えば、フッ素系高分子を含む金属膜やシロキサン等をプラズマ重合したプラズマ重合膜などを挙げることができる。金属膜からなる撥水膜23は、例えば、共析メッキにより所定の厚さで高精度に形成することができる。また、プラズマ重合膜からなる撥水膜23は、例えば、シロキサンを気化させた原料ガスにアルゴンやヘリウム等の希ガス、酸素や二酸化炭素等の酸化力を有するガスを混合して原料を重合させ、プラズマ重合装置を用いて形成することができる。なお、本実施形態では、ステンレス鋼からなるノズルプレート20にフッ素樹脂を共析メッキすることで撥水膜23を形成した。
このような撥水膜23は、ノズルプレート20と詳しくは後述する固定板250とを接合する際に、接着剤の接着力が低下してしまうため、固定板250の露出開口部251により露出された領域のみに設けられている。すなわち、ノズルプレート20には、外周に亘った周縁部に固定板250が接合されるため、この固定板250が接合される領域以外の部分に撥水膜23が設けられている。
また、ノズルプレート20のインク滴吐出面のダミーノズル22に対応する領域は、撥水膜23が設けられていない非撥水部24となっている。本実施形態では、ダミーノズル22の開口する周縁部の領域に円形状の非撥水部24を設けた。このようにノズルプレート20のダミーノズル22に対応する領域に非撥水部24を設けることによって、非撥水部24の輝度を撥水膜23よりも高くして、非撥水部24のコントラスト比を高めることで、非撥水部24内のダミーノズル22の視認性を向上することができる。
詳しくは、撥水膜23は輝度が低いため、ダミーノズル22の周囲に撥水膜23が設けられているとダミーノズル22を確認することができない。しかしながら、ダミーノズル22の周囲に非撥水部24を設けることによって、ダミーノズル22の周囲の非撥水部24の輝度を撥水膜23よりも高くして、非撥水部24内のダミーノズル22を確認し易くすることができる。
なお、非撥水部24は、0.4mm以上の直径とするのが好ましい。これは、撥水膜23及び非撥水部24を共析メッキにより形成する際に、非撥水部24となる領域のレジストの直径が0.4mmより小さいとメッキ時にレジストが浮いてしまい、非撥水部24もメッキされてしまうからである。
また、非撥水部24は、比較的小さい面積で形成するのが好ましい。これは、例えば、非撥水部24が大きいと非撥水部24にインクが残留し、残留したインクが増粘して、ノズルプレート20がワイピングされた際に増粘したインクがワイピングブレードに付着してしまい、増粘したインクが付着したワイピングブレードでノズル開口21をワイピングすると、増粘したインクがノズル開口21から進入してしまいノズル開口21の目詰まり等が発生してしまうからである。すなわち、非撥水部24は、直径が0.4mm以上で且つなるべく小さく形成するのが好ましく、0.4〜0.5mmが好適である。
また、このような非撥水部24は、例えば、ノズルプレート20にノズル開口21及びダミーノズル22を形成後、非撥水部24となる領域にレジストを設け、撥水膜23を共析メッキにより形成した後、レジストを除去することで形成することができる。
ここで、例えば、ステンレス鋼からなるノズルプレート20に、フッ素樹脂からなる撥水膜23を共析メッキにより形成した場合には、非撥水部24の輝度を撥水膜23の輝度に対して11倍以上にすることができる。このように非撥水部24のコントラスト比を高くすることで、ダミーノズル22の視認性を向上することができ、ダミーノズル22を用いてインクジェット式記録ヘッド220とカバーヘッド240との位置決めを容易に且つ高精度に行うことができる。なお、非撥水部24及び撥水膜23の輝度は、ノズルプレート20に光を照射すると共に、ノズルプレート20を撮影した画像をディスプレーに表示した際のものである。また、詳しくは後述するが、このようなノズルプレート20のディスプレーによるモニタリングは、インクジェット式記録ヘッド220をカバーヘッド240に位置決め固定する際に行われるものである。
一方、流路形成基板10の開口面とは反対側には、弾性膜50上に、金属からなる下電極膜と、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等からなる圧電体層と、金属からなる上電極膜とを順次積層することで形成された圧電素子300が形成されている。このような圧電素子300が形成された流路形成基板10上には、リザーバ100の少なくとも一部を構成するリザーバ部31を有する保護基板30が接合されている。このリザーバ部31は、本実施形態では、保護基板30を厚さ方向に貫通して圧力発生室12の幅方向に亘って形成されており、上述のように流路形成基板10の連通部13と連通されて各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバ100を構成している。
また、保護基板30の圧電素子300に対向する領域には、圧電素子300の運動を阻害しない程度の空間を有する圧電素子保持部32が設けられている。このような保護基板30としては、ガラス、セラミック、金属、プラスチック等を挙げることができるが、流路形成基板10の熱膨張率と略同一の材料を用いることが好ましく、本実施形態では、流路形成基板10と同一材料のシリコン単結晶基板を用いて形成した。
さらに、保護基板30上には、各圧電素子300を駆動するための駆動IC110が設けられている。この駆動IC110の各端子は、図示しないボンディングワイヤ等を介して各圧電素子300の個別電極から引き出された引き出し配線と接続されている。そして、駆動IC110の各端子には、図1に示すような、フレキシブルプリントケーブル(FPC)等の外部配線111を介して外部と接続され、外部から外部配線111を介して印刷信号等の各種信号を受け取るようになっている。
また、このような保護基板30上には、コンプライアンス基板40が接合されている。コンプライアンス基板40のリザーバ100に対向する領域には、リザーバ100にインクを供給するためのインク導入口44が厚さ方向に貫通することで形成されている。また、コンプライアンス基板40のリザーバ100に対向する領域のインク導入口44以外の領域は、厚さ方向に薄く形成された可撓部43となっており、リザーバ100は、可撓部43により封止されている。この可撓部43により、リザーバ100内にコンプライアンスを与えている。
このように、本実施形態のインクジェット式記録ヘッド220は、ノズルプレート20、流路形成基板10、保護基板30及びコンプライアンス基板40の4つの基板で構成されている。そして、このようなインクジェット式記録ヘッド220のコンプライアンス基板40上には、インク導入口44に連通すると共にカートリッジケース210のインク連通路212に連通して、カートリッジケース210からのインクをインク導入口44に供給するインク供給連通路231が設けられたヘッドケース230が設けられている。このヘッドケース230には、可撓部43に対向する領域に凹部232が形成され、可撓部43の撓み変形が適宜行われるようになっている。また、ヘッドケース230には、保護基板30上に設けられた駆動IC110に対向する領域に厚さ方向に貫通した駆動IC保持部233が設けられており、外部配線111は、駆動IC保持部233を挿通して駆動IC110と接続されている。
このような本実施形態のインクジェット式記録ヘッド220は、インクカートリッジからのインクをインク連通路212及びインク供給連通路231を介してインク導入口44から取り込み、リザーバ100からノズル開口21に至るまで内部をインクで満たした後、駆動IC110からの記録信号に従い、圧力発生室12に対応するそれぞれの圧電素子300に電圧を印加し、弾性膜50及び圧電素子300をたわみ変形させることにより、各圧力発生室12内の圧力が高まりノズル開口21からインク滴が吐出する。
このようなインクジェット式記録ヘッド220を構成する各部材及びヘッドケース230には、組立時に各部材を位置決めするためのピンが挿入されるピン挿入孔234が角部の2箇所に設けられている。そして、ピン挿入孔234にピンを挿入して各部材の相対的な位置決めを行いながら部材同士を接合することで、インクジェット式記録ヘッド220及びヘッドケース230が一体的に形成される。
なお、上述したインクジェット式記録ヘッド220は、1枚のシリコンウェハ上に多数のチップを同時に形成し、ノズルプレート20及びコンプライアンス基板40を接着して一体化し、その後、図4に示すような1つのチップサイズの流路形成基板10毎に分割することによってインクジェット式記録ヘッド220となる。
このようなインクジェット式記録ヘッド220及びヘッドケース230は、上述したカートリッジケース210にノズル列21Aの並び方向に所定の間隔で4つ固定されている。すなわち、本実施形態のヘッドユニット200には、ノズル列21Aが8列設けられていることになる。このように複数のインクジェット式記録ヘッド220を用いて並設されたノズル開口21からなるノズル列21Aの多列化を図ることで、1つのインクジェット式記録ヘッド220にノズル列21Aを多列形成するのに比べて歩留まりの低下を防止することができる。また、ノズル列21Aの多列化を図るために複数のインクジェット式記録ヘッド220を用いることで、1枚のシリコンウェハから形成できるインクジェット式記録ヘッド220の取り数を増大させることができ、シリコンウェハの無駄な領域を減少させて製造コストを低減することができる。
また、このような4つのインクジェット式記録ヘッド220は、図1及び図3に示すように、複数のインクジェット式記録ヘッド220のノズルプレート20のインク滴吐出面に接合された共通の固定板250によって位置決めされて保持されている。固定板250は、平板からなり、ノズル開口21及びノズル列21Aの一端側のダミーノズル22を露出する露出開口部251と、露出開口部251を画成すると共にインクジェット式記録ヘッド220のインク滴吐出面の少なくともノズル列21Aの両端部側に接合されて、ノズル列21Aの他端側のダミーノズル22を覆う接合部252とを具備する。
接合部252は、本実施形態では、複数のインクジェット式記録ヘッド220に亘ってインク滴吐出面の外周に沿って設けられた固定用枠部253と、隣接するインクジェット式記録ヘッド220の間に延設されて露出開口部251を分割する固定用梁部254とで構成され、固定用枠部253及び固定用梁部254からなる接合部252が複数のインクジェット式記録ヘッド220のインク滴吐出面に同時に接合されている。また、接合部252の固定用枠部253は、インクジェット式記録ヘッド220の製造時に各部材を位置決めするピン挿入孔234を塞ぐように形成されている。
さらに、接合部252の固定用枠部253には、ノズル列21Aの他端側のダミーノズル22に相対向する領域に露出開口部251とは連続しない貫通孔255が設けられており、この貫通孔255によってノズル列21Aの他端側のダミーノズル22が露出されている。
このような固定板250の材料としては、例えば、ステンレス鋼などの金属、ガラスセラミックス又はシリコン単結晶板などが挙げられる。なお、固定板250は、ノズルプレート20との熱膨張の違いによる変形を防止するために、ノズルプレート20と熱膨張係数が同じ材料を用いるのが好ましい。例えば、ノズルプレート20がシリコン単結晶板で形成されているときは、固定板250をシリコン単結晶板で形成するのが好適である。
また、固定板250は、薄く形成するのが好ましく、後述するカバーヘッド240よりも薄くするのが好適である。これは、例えば、固定板250を厚くすると、インクジェット式記録ヘッド220のノズル開口21と、インクジェット式記録ヘッド220を固定板250に位置決めする際に用いられるアライメント治具のアライメントマークとの距離が遠くなり、位置決め精度を高めることが困難になると共に、ノズルプレート20のインク滴吐出面をワイピングした際に固定用梁部254の間などにインクが残留し易いからである。すなわち、固定板250を薄く形成することで、インクジェット式記録ヘッド220のノズル開口21とアライメント治具のアライメントマークとの距離を短くして、位置合わせを容易に且つ高精度に行うことができると共に、ワイピングの際にインクがノズルプレート20のインク滴吐出面に残留するのを防止することができる。なお、本実施形態では、固定板250の厚さを0.1mmとした。また、固定板250とノズルプレート20との接合は、特に限定されず、例えば、熱硬化性のエポキシ系接着剤や、紫外線硬化型の接着剤などによる接着が挙げられる。
このように、固定板250が、固定用梁部254によって隣接するインクジェット式記録ヘッド220の間を塞いでいるため、隣接するインクジェット式記録ヘッド220の間にインクが侵入することがなく、圧電素子300や駆動IC110などのインクジェット式記録ヘッド220のインクによる劣化及び破壊を防止することができる。また、インクジェット式記録ヘッド220のインク滴吐出面と固定板250との間は、接着剤によって隙間なく接着されているため、隙間に被記録媒体が入り込むのを防止して固定板250の変形及び紙ジャムを防止することができる。
また、このような固定板250には、複数のインクジェット式記録ヘッド220が位置決め固定されており、このような位置決めは、例えば、ガラス等の透過性を有する板状のマスクを有するアライメント治具を用いて行うことができる。ここで、アライメント治具を用いて複数のインクジェット式記録ヘッド220を固定板250に位置決めして接合する方法について説明する。なお、図7は、インクジェット式記録ヘッドを固定板に位置決めして接合する製造工程を示す平面図である。
図7(a)に示すように、アライメント治具400には、固定板250を保持するベース治具410と、ガラス等の透過性を有する板状のマスク420とを具備し、マスク420には、ノズルプレート20のダミーノズル21と位置決めする基準マーク401が所定位置に設けられている。
まず、図7(b)に示すように、ベース治具410に固定板250を保持させる。このとき、ベース治具410と固定板250との位置合わせは、例えば、ベース治具410と固定板250との両方に設けられた貫通孔にピンを挿入することで行うことができる。
次に、図7(c)に示すように、マスク420を固定板250とは反対側から透視して、基準マーク401に1つ目のインクジェット式記録ヘッド220のノズル列21Aのダミーノズル22を位置決めする。このダミーノズル22は、ノズルプレート20を貫通する貫通孔であることから、輝度の高い非撥水部24の中で低い輝度で表示されるため、視認し易く、基準マーク401に対して容易に且つ高精度に位置決めすることができる。また、このとき、図示しないが、予め固定板250のインクジェット式記録ヘッド220と接合される接合面に接着剤を塗布し、ノズル列21Aを位置決めすると共に1つ目のインクジェット式記録ヘッド220を固定板250に接合する。なお、基準マーク401とダミーノズル22との確認は、マスク420の底面側からノズルプレート20に光を照射すると共に、マスク420の底面側からCCDカメラや顕微鏡などの光学系を用いて行うことができる。また、インクジェット式記録ヘッド220の固定板250に対する位置合わせは、例えば、図示しないマイクロメータ等により微小な調整を行うことができる。もちろん、光学系としてCCDカメラを用いて、光学系により撮影された画像を画像処理することにより、マイクロメータを駆動モータ等により駆動させて基準マーク401とダミーノズル22とを自動的に位置合わせさせるようにしてもよい。
ここで、インクジェット式記録ヘッド220と固定板250とを接合する接着剤としては、上述のように熱硬化性の接着剤や、紫外線硬化型の接着剤を用いることができる。ここで、熱硬化性の接着剤を用いる場合、固定板250に接着剤を塗布した後、固定板250とインクジェット式記録ヘッド220とを互いに当接させて、所定の圧力で加圧しながら接着剤を硬化させることで両者を接合する。一方、紫外線硬化型の接着剤を用いる場合、固定板250の接合面に接着剤を塗布した後、固定板250とインクジェット式記録ヘッド220とを当接させた状態で紫外線を照射して接着剤を硬化させることで両者を接合する。このとき、紫外線硬化型接着剤は、熱硬化性接着剤のように固定板250とインクジェット式記録ヘッド220とを所定の圧力で加圧しながら硬化させる必要がなく、加圧することによってインクジェット式記録ヘッド220と固定板250の位置ズレを防止して両者を高精度に接合することができる。また、紫外線硬化型の接着剤を用いた接合では、接合強度が比較的弱いため、固定板250とインクジェット式記録ヘッド220とを紫外線硬化型接着剤で接合した後、インクジェット式記録ヘッド220と固定板250とで画成される角部等の周囲を熱硬化性接着剤で固定するようにすればよい。これにより、固定板250とインクジェット式記録ヘッド220とを高精度に且つ強固に接合して、信頼性を向上することができる。
なお、例えば、カバーヘッド240に直接インクジェット式記録ヘッド220を固定すると、カバーヘッド240は、インクジェット式記録ヘッド220をキャッピングやワイピングなどの衝撃から保護するために、薄い材料で形成することができず、インクジェット式記録ヘッド220のノズル開口21とアライメントマーク401との距離が遠くなってしまう。このようにノズル開口21とアライメントマーク401との距離が遠いと、位置決めし難く、位置決め精度を高めることができない。しかしながら、本実施形態では、インクジェット式記録ヘッド220を固定板250に位置決め固定するため、固定板250を薄く形成することができる。これにより、ダミーノズル22と基準マーク401との距離を短くすることができ、ダミーノズル22と基準マーク401との位置合わせを容易に且つ高精度に行うことができる。
また、カバーヘッド240は、インクジェット式記録ヘッド220を衝撃などから保護するためにインクジェット式記録ヘッド220を覆うような箱形状に形成されている。このため、例えば、インクジェット式記録ヘッド220を直接カバーヘッド240に位置決め固定すると、カバーヘッド240内でインクジェット式記録ヘッド220のハンドリングが悪く、インクジェット式記録ヘッド220の位置決めを高精度に行うのは困難である。また、例えば、カバーヘッド240内でのインクジェット式記録ヘッド220のハンドリングを良くするために、インクジェット式記録ヘッド220をカバーヘッド240の側壁部245から突出するような大きさで形成したとしても、インクジェット式記録ヘッド220がカバーヘッド240で覆われず、カバーヘッド240がインクジェット式記録ヘッド220を保護することができないと共に、インクジェット式記録ヘッド220が大型化してしまう。これに対して、本実施形態では、インクジェット式記録ヘッド220を平板の固定板250に固定するため、位置決めの際にインクジェット式記録ヘッド220のハンドリングを邪魔することがなく、インクジェット式記録ヘッド220の位置決めを高精度に行うことができる。
その後、図7(c)に示す工程を繰り返し行うことで、複数のインクジェット式記録ヘッド220を固定板250に順次位置決め固定する。このように、固定板250と複数のノズル列21Aの位置を示すダミーノズル22とを位置決めして両者を接合することで、固定板250とノズル列21Aとの高精度な位置決めを行うことができる。また、隣接するインクジェット式記録ヘッド220の各ノズル列21A同士の相対的な位置決めを高精度に行うことができる。さらに、インクジェット式記録ヘッド220を平板からなる固定板250に当接させて固定するため、インクジェット式記録ヘッド220を平板からなる固定板250に固定するだけで複数のインクジェット式記録ヘッド220のインク滴吐出方向の相対的な位置決めが行われる。このため、複数のインクジェット式記録ヘッド220のインク滴吐出方向の位置合わせを行う必要がなく、インク滴の着弾位置不良を確実に防止することができる。
一方、ヘッドユニット200には、図1及び図2に示すように、固定板250のインクジェット式記録ヘッド220とは反対側には、複数のインクジェット式記録ヘッド220を覆う箱形状を有するカバーヘッド240が設けられている。このカバーヘッド240は、固定板250の露出開口部251に対応して露出連通部241が設けられた枠部242を具備する。
枠部242は、固定板250の露出開口部251側から、インクジェット式記録ヘッド220の側面側に、固定板250の外周に亘って屈曲するように設けられている。また、枠部242は、図6に示すように、ノズル列21Aの一端側に設けられたダミーノズル22を覆い、露出連通部241によって液滴吐出ノズルであるノズル開口21と、ノズル列21Aの他端側に設けられたダミーノズル22とを露出させるように設けられている。すなわち、カバーヘッド240は、ノズル列21Aの一端側の非撥水部24を覆い、ノズル列21Aの他端側の非撥水部24を露出しないように設けられている。
そして、このようなヘッドユニット200のノズルプレート20をゴム等の弾性部材からなるワイピングブレードを有するワイピング手段によってワイピングする際に、カバーヘッド240によって覆われた非撥水部24側から、露出された非撥水部24側に向かってワイピングすることで、ワイピング開始時にワイピングブレードに増粘したインクが付着するのを防止して、液滴吐出ノズルであるノズル開口21に増粘したインクをすり込むのを防止することができる。これにより、ノズル開口21の目詰まりやインク吐出不良等を防止することができる。
すなわち、ワイピングの始端側の非撥水部24を露出しておくと、非撥水部24には撥水膜23がないことから、非撥水部24にインクが残留し、残留したインクが増粘して、ノズルプレート20がワイピングされた際に増粘したインクがワイピングブレードに付着してしまい、増粘したインクが付着したワイピングブレードでノズル開口21をワイピングすると、増粘したインクを液滴吐出ノズルであるノズル開口21にすり込むことになり、ノズル開口21が目詰まりしてインク滴吐出不良が生じてしまう。本実施形態では、ワイピング手段によるワイピング方向の始端側の非撥水部24をカバーヘッド240で覆い、ワイピング方向の終端側の非撥水部24を露出させることで、増粘したインクを液滴吐出ノズルであるノズル開口21にすり込むのを防止して、ノズル開口21の目詰まりやインク滴吐出不良などの発生を防止することができる。
なお、ノズル列21Aの両端部の非撥水部24をカバーヘッド240で覆うと、液滴吐出ノズルであるノズル開口21からインクを吸引するキャッピング手段のキャップ部材が当接する領域が狭くなってしまうため、液滴吐出ノズルであるノズル開口21とダミーノズル22との間に余分な領域を確保する必要がある。このため、ノズルプレート20の面積を広くしなくてはならず、インクジェット式記録ヘッド220が大型化してしまう。本実施形態では、カバーヘッド240によって、ノズル列21Aの一端側の非撥水部24のみを露出し、ノズル列21Aの他端側の非撥水部24を覆うようにしたため、ヘッドユニット200の大型化を防止して、キャッピング手段により良好なクリーニング動作を行わせることができる。なお、液滴吐出ノズルであるノズル開口21及びダミーノズル22の位置を、インクジェット式記録ヘッド220の中心から露出する非撥水部24側にずらしておくことで、ノズルプレート20の面積を広くすることなく、液滴吐出ノズルであるノズル開口21とダミーノズル22との間にキャップ部材が当接する領域を確保することができるため、インクジェット式記録ヘッド220を小型化することができる。
また、本実施形態では、カバーヘッド240の露出された非撥水部24側には、固定板250の表面を露出させる切り欠き部243が設けられている。この切り欠き部243によって固定板250の露出された非撥水部24側の縁部が露出され、ノズルプレート20(固定板250)のワイピング時にワイピングブレードが枠部242に当接するのを防止して、ワイピングをさらに良好に行わせることができる。
さらに、キャッピング手段によるキャッピングは、キャップ部材をカバーヘッド240の切り欠き部243とは反対側の壁に当接させることで位置決めされて行われる。このとき、キャップ部材の一部が切り欠き部243によってカバーヘッド240に当接しないため、キャップ部材が削れて異物などが発生するのを低減させることができる。
なお、本実施形態では、カバーヘッド240の枠部242は、固定板250の接合部252に接着剤を介して接合されている。このように、インクジェット式記録ヘッド220のインク滴吐出面とカバーヘッド240との間が隙間なく接合されているため、隙間に被記録媒体が入り込むのを防止してカバーヘッド240の変形及び紙ジャムを防止することができる。また、カバーヘッド240の側壁部245が、複数のインクジェット式記録ヘッド220の外周縁部を覆うことで、インクジェット式記録ヘッド220の側面へのインクの回り込みを確実に防止することができる。
このようなカバーヘッド240としては、例えば、ステンレス鋼などの金属材料が挙げられ、金属板をプレス加工により形成してもよく、成形により形成するようにしてもよい。また、カバーヘッド240を導電性の金属材料とすることで、接地するこができる。さらに、カバーヘッド240は、インクジェット式記録ヘッド220をワイピングやキャッピングなどの衝撃から保護するために、ある程度の強度が必要である。このため、カバーヘッド240は比較的厚くする必要がある。なお、本実施形態では、カバーヘッド240の厚さを0.2mmとした。
なお、カバーヘッド240と固定板250との接合は、特に限定されず、例えば、熱硬化性のエポキシ系接着剤による接着が挙げられる。
また、カバーヘッド240には、カバーヘッド240を他部材に位置決め固定するための固定孔247が設けられたフランジ部246が設けられている。このフランジ部246は、枠部242から液滴吐出面の面方向と同一方向に突出するように屈曲して設けられている。本実施形態では、カバーヘッド240は、図2及び図3に示すように、インクジェット式記録ヘッド220及びヘッドケース230を保持した保持部材であるカートリッジケース210に固定されている。
詳しくは、図2及び図3に示すように、カートリッジケース210には、インク滴吐出面側に突出して、カバーヘッド240の固定孔247に挿入される突起部215が設けられており、この突起部215をカバーヘッド240の固定孔247に挿入すると共に、突起部215の先端部を加熱してかしめることで、カートリッジケース210にカバーヘッド240が固定されている。このようなカートリッジケース210に設けられた突起部215を、フランジ部246の固定孔247よりも小径の外径とすることで、カバーヘッド240をインク滴吐出面の面方向に位置決めしてカートリッジケース210に固定することができる。
このようなヘッドユニット200は、インクジェット式記録装置に搭載される。図8は、そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図である。図8に示すように、インクジェット式記録ヘッドを有するヘッドユニット200は、インク供給手段を構成するカートリッジ1A及び1Bが着脱可能に設けられ、このヘッドユニット200を搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。このヘッドユニット200の各インクジェット式記録ヘッドは、例えば、それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出するものとしている。
そして、駆動モータ6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、ヘッドユニット200を搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ローラなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン8上を搬送されるようになっている。
また、キャリッジ3のホームポジションに対応する位置、すなわち、キャリッジ軸5の一方の端部近傍には、ヘッドユニット200のノズルプレート20(固定板250)の液滴吐出面をワイピングするワイピングブレード501を有するワイピング手段500が設けられている。そして、所定のタイミングでキャリッジ3の移動によりインクジェット式記録ヘッド220の液滴吐出面にワイピングブレード501の先端を摺接させ、液滴吐出面を払拭するワイピング動作が実行される。このワイピング動作は、本実施形態では、カバーヘッド240によって覆われた非撥水部24側から露出された非撥水部24側に向かって行われるようになっている。
さらに、このワイピング手段500に隣接してインクジェット式記録ヘッド220の液滴吐出面を封止するキャップ部材511と、キャップ部材511に接続されてキャップ部材511内を吸引する吸引手段512とを有するキャッピング手段510が設けられている。このキャップ部材511によって液滴吐出面を封止することにより、インクの乾燥を防止すると共に、フラッシング動作時のインク受けとしても機能する。また、所定のタイミングで吸引手段512によってキャップ部材511の内部を吸引することによって、ノズル開口21からインク等を強制的に排出させる吸引動作を実行することにより、ノズルの目詰まり等による吐出不良の発生を防止している。
このようなインクジェット式記録装置では、上述のように、ワイピング手段500によりワイピングする際に、ワイピングの始端側の非撥水部24が覆われているため、増粘したインクを液滴吐出ノズルであるノズル開口21にすり込むのを防止して、ノズル開口21が目詰まりしてインク滴吐出不良が生じるのを防止することができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上述したものに限定されるものではない。例えば、上述した実施形態では、開口部周縁の非撥水部24にインクが残留することでインク滴吐出用のノズル開口21に影響を与えないようにするために、ノズル開口21と所定距離隔てて配置しても何ら支障の無いダミーノズル22を用いて説明したが、当該ダミーノズル22に限定されず、圧力発生室12に連通するインク滴吐出用のノズル開口21の周縁部に非撥水部を設けて、位置決めの際の視認可能なマークとして利用することができる。ただし、ノズル開口21の周縁部に非撥水部を形成する場合は、隣接するノズル開口21に影響を与えないようにするために、非撥水部を設ける範囲を視認可能な範囲においてできるだけ狭い範囲で設けることで対応可能である。
また、上述した実施形態1では、撓み振動型のインクジェット式記録ヘッド220を例示したが、これに限定されず、例えば、圧電材料と電極形成材料とを交互に積層させて軸方向に伸縮させる縦振動型のインクジェット式記録ヘッドや発熱素子等の発熱で発生するバブルによってインク滴を吐出させるインクジェット式記録ヘッド等、種々の構造のインクジェット式記録ヘッドを有するヘッドユニットに応用することができることは言うまでもない。
なお、液体噴射ヘッドとしてインクを吐出するインクジェット式記録ヘッドを有するヘッドユニット及びインクジェット式記録装置を一例として説明したが、本発明は、広く液体噴射ヘッドを有する液体噴射ヘッドユニット及び液体噴射装置全般を対象としたものである。液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンタ等の画像記録装置に用いられる記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED(面発光ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等を挙げることができる。
実施形態1に係るヘッドユニットの分解斜視図である。 実施形態1に係るヘッドユニットの組立斜視図である。 実施形態1に係るヘッドユニットの要部断面図である。 実施形態1に係るヘッドユニットの要部の分解斜視図である。 実施形態1に係るヘッドケース及び記録ヘッドの断面図である。 実施形態1に係るヘッドユニットの要部平面図である。 実施形態1に係るヘッドユニットの製造工程を示す平面図である。 実施形態1に係るインクジェット式記録装置の概略図である。
符号の説明
3 キャリッジ、 10 流路形成基板、 12 圧力発生室、 20 ノズルプレート、 21 ノズル開口、 22 ダミーノズル、 23 撥水膜、 24 非撥水部、 100 リザーバ、 200 ヘッドユニット、 210 カートリッジケース、 220 インクジェット式記録ヘッド、 230 ヘッドケース、 240 カバーヘッド、241 露出連通部、242 枠部、 250 固定板、 251 露出開口部、 300 圧電素子、 400 アライメント治具、 401 基準マーク、 500 ワイピング手段、 510 キャッピング手段

Claims (2)

  1. 並設されたノズル開口からなるノズル列の設けられたノズルプレートを有する複数の液体噴射ヘッドと、該液体噴射ヘッドの液体供給口側に固定されるヘッドケースと、前記ノズル開口を露出する露出開口部を画成すると共に前記ノズルプレートの前記液滴吐出面の少なくとも前記ノズル列の両端部側に接合された接合部を有する固定板と、前記固定板の前記液体噴射ヘッドとは反対側に設けられて前記液体噴射ヘッドを覆うカバーヘッドと、前記ノズルプレートを前記ノズル開口の並設方向に向かってワイピングするワイピングブレードを有するワイピング手段とを具備すると共に、
    前記ノズルプレートは、ノズル開口の周縁部に撥水膜が設けられた液滴吐出ノズルと、前記ノズル列の両端側に前記ノズル開口と同一形状を有し且つノズル開口の周縁部に撥水膜が設けられていない非撥水部を有するダミーノズルとを具備し、前記カバーヘッドは、前記液滴吐出ノズルと、前記ノズル列の前記ワイピング手段によるワイピング方向の終端側の前記非撥水部とを露出する露出連通部を画成すると共に前記ワイピング手段によるワイピング方向の始端側の前記非撥水部を覆う枠部を有することを特徴とする液体噴射装置。
  2. 請求項1に記載の液体噴射装置において、前記ノズルプレートに接続されるキャップ部材と該キャップ部材内を吸引する吸引手段とを有するキャッピング手段を具備することを特徴とする液体噴射装置。
JP2005153853A 2005-05-26 2005-05-26 液体噴射装置 Expired - Fee Related JP4530161B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005153853A JP4530161B2 (ja) 2005-05-26 2005-05-26 液体噴射装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005153853A JP4530161B2 (ja) 2005-05-26 2005-05-26 液体噴射装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006327025A JP2006327025A (ja) 2006-12-07
JP4530161B2 true JP4530161B2 (ja) 2010-08-25

Family

ID=37549228

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005153853A Expired - Fee Related JP4530161B2 (ja) 2005-05-26 2005-05-26 液体噴射装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4530161B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4288519B2 (ja) 2006-09-13 2009-07-01 セイコーエプソン株式会社 アライメント装置及びアライメント方法
JP4207074B2 (ja) 2006-09-14 2009-01-14 セイコーエプソン株式会社 アライメント装置及びアライメント方法
JP5257563B2 (ja) * 2007-03-01 2013-08-07 セイコーエプソン株式会社 液体噴射ヘッドユニットの製造方法
JP4957896B2 (ja) * 2007-03-13 2012-06-20 セイコーエプソン株式会社 ノズル形成部材の製造方法及び液体噴射ヘッドの製造方法並びに液体噴射ヘッドユニットの製造方法
JP2008246799A (ja) * 2007-03-29 2008-10-16 Seiko Epson Corp 液体噴射装置
JP4947303B2 (ja) * 2007-07-31 2012-06-06 セイコーエプソン株式会社 液体噴射ヘッドユニット及び液体噴射装置
JP2011121218A (ja) 2009-12-09 2011-06-23 Seiko Epson Corp ノズルプレート、吐出ヘッド及びそれらの製造方法並びに吐出装置

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004050487A (ja) * 2002-07-17 2004-02-19 Seiko Epson Corp 液体噴射ヘッドの製造方法
JP2005014513A (ja) * 2003-06-27 2005-01-20 Seiko Epson Corp 液滴吐出ヘッド、ノズル孔位置検出方法および液滴吐出装置
JP2005096419A (ja) * 2003-08-27 2005-04-14 Seiko Epson Corp 液体噴射ヘッドユニット及びその製造方法並びに液体噴射装置
JP2005096367A (ja) * 2003-09-26 2005-04-14 Seiko Epson Corp 液体噴射ヘッドおよびその製造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004050487A (ja) * 2002-07-17 2004-02-19 Seiko Epson Corp 液体噴射ヘッドの製造方法
JP2005014513A (ja) * 2003-06-27 2005-01-20 Seiko Epson Corp 液滴吐出ヘッド、ノズル孔位置検出方法および液滴吐出装置
JP2005096419A (ja) * 2003-08-27 2005-04-14 Seiko Epson Corp 液体噴射ヘッドユニット及びその製造方法並びに液体噴射装置
JP2005096367A (ja) * 2003-09-26 2005-04-14 Seiko Epson Corp 液体噴射ヘッドおよびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006327025A (ja) 2006-12-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4573022B2 (ja) 液体噴射ヘッドユニット
JP4561228B2 (ja) 液体噴射ヘッドユニット及び液体噴射ヘッドのアライメント方法
JP4715304B2 (ja) アライメント治具及び液体噴射ヘッドユニットの製造方法
US20080284819A1 (en) Liquid ejecting head and liquid ejecting apparatus
JP4947303B2 (ja) 液体噴射ヘッドユニット及び液体噴射装置
JP4530161B2 (ja) 液体噴射装置
JP4341654B2 (ja) 液体噴射ヘッドユニットの製造方法
JP2009056658A (ja) 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
JP4380713B2 (ja) 液体噴射ヘッドユニットの製造方法
JP4655760B2 (ja) アライメント治具及びその製造方法並びに液体噴射ヘッドユニットの製造方法
JP2009190278A (ja) 液体噴射ヘッド及びその製造方法並びに液体噴射装置
US7585046B2 (en) Liquid-jet head unit and liquid-jet apparatus
US20080284826A1 (en) Liquid ejecting head and liquid ejecting apparatus
JP4957896B2 (ja) ノズル形成部材の製造方法及び液体噴射ヘッドの製造方法並びに液体噴射ヘッドユニットの製造方法
JP5257563B2 (ja) 液体噴射ヘッドユニットの製造方法
JP4419476B2 (ja) 液体噴射ヘッドユニット及びその製造方法並びに液体噴射装置
JP4701795B2 (ja) 液体噴射ヘッドユニットの製造方法
JP2007030379A (ja) 液体噴射ヘッドユニット及び液体噴射装置
JP2005053080A (ja) 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
JP2007050674A (ja) 液体噴射ヘッドユニット及び液体噴射装置
US20080278541A1 (en) Liquid ejecting head unit and liquid ejecting apparatus
JP2009034862A (ja) 液体噴射ヘッドユニット及び液体噴射装置
JP2010099985A (ja) 液体噴射ヘッドの製造方法
JP2012218261A (ja) 液体噴射ヘッドユニット及びその製造方法並びに液体噴射装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070705

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100217

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100416

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100519

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100601

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130618

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees