以下に本発明の実施の形態を説明するが、請求項に記載の構成要件と、発明の実施の形態における具体例との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、請求項に記載されている発明をサポートする具体例が、発明の実施の形態に記載されていることを確認するためのものである。したがって、発明の実施の形態中には記載されているが、構成要件に対応するものとして、ここには記載されていない具体例があったとしても、そのことは、その具体例が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、具体例が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その具体例が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
さらに、この記載は、発明の実施の形態に記載されている具体例に対応する発明が、請求項に全て記載されていることを意味するものではない。換言すれば、この記載は、発明の実施の形態に記載されている具体例に対応する発明であって、この出願の請求項には記載されていない発明の存在、すなわち、将来、分割出願されたり、補正により追加される発明の存在を否定するものではない。
本発明の一側面の情報処理装置は、ネットワーク(例えば、図1の外部通信回線11−2)を介して通信を行う情報処理装置(例えば、図1の端末1−1)において、所定の空間を共有する複数の他の情報処理装置(例えば、図1の端末1−2および1−3)と通信を行う通信手段(例えば、図14の外部通信インタフェース83)と、前記所定の空間における自己および他の情報処理装置の位置を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された前記自己および他の情報処理装置の位置に基づいて、前記他の情報処理装置に対する接続優先度を算出する優先度算出手段(例えば、図1の接続優先度解析部21)と、前記取得手段により取得された前記自己および他の情報処理装置の位置に基づいて、前記所定の空間の座標系を表すチャート(例えば、図19のレーダチャート251)上に、前記自己および他の情報処理装置の各位置を表す第1のアイコン(例えば、図19のノードアイコン261A)の表示を制御する表示制御手段(例えば、図14のGUI処理部88)と、ユーザによる前記第1のアイコンに対する移動要求に応じて、前記第1のアイコンに対応する情報処理装置の仮想の位置を算出する仮想位置算出手段(例えば、図18の仮想位置算出部215)と、前記仮想位置算出手段により算出された前記仮想の位置に基づいて、前記優先度算出手段により算出された前記他の情報処理装置に対する接続優先度を変更する接続優先度変更手段(例えば、図18の優先度情報変更部216)と、前記優先度変更手段により変更された前記他の情報処理装置に対する接続優先度に基づいて、前記他の情報処理装置との通信において送信または受信されるデータを処理するデータ処理手段(例えば、図14のデータ調整部85)とを備える。
前記表示制御手段は、前記表示制御手段は、前記チャート上を移動し、前記第1のアイコンに対応する情報処理装置の前記仮想の位置を表す第2のアイコン(例えば、図20の分身アイコン281A)の表示も制御することができる。
前記表示制御手段は、前記表示制御手段は、前記第2のアイコンとともに前記チャート上を移動し、前記第1のアイコンに対応する情報処理装置に付帯される付帯情報を表す第3のアイコン(例えば、図23の楽曲アイコン332)の表示も制御することができる。
前記他の情報処理装置から送信されてくる、前記他の情報処理装置において算出された前記第1のアイコンに対応する情報処理装置の仮想の位置を受信する受信手段(例えば、図18の位置情報受信部218)をさらに備え、前記接続優先度変更手段はまた、前記受信手段により受信された前記仮想の位置に基づいて、前記優先度算出手段により算出された前記他の情報処理装置に対する接続優先度を変更し、前記表示制御手段はまた、前記受信手段により受信された前記仮想の位置に基づいて、前記第2のアイコンの表示を制御することができる。
前記仮想位置算出手段により算出された前記仮想の位置を、前記他の情報処理装置に送信する送信手段(例えば、図18の位置情報提供部217)をさらに備えることができる。
ユーザの動作に対応して、前記所定の空間における前記自己の情報処理装置の方向情報を入力する動作入力手段(例えば、図1の動作入力部26)をさらに備え、前記優先度算出手段は、前記自己および他の情報処理装置の位置、並びに、前記動作入力手段により入力された前記自己の情報処理装置の方向情報に基づいて、前記他の情報処理装置に対する接続優先度を算出することができる。
本発明の一側面の情報処理方法またはプログラムは、ネットワークを介して通信を行う情報処理装置の情報処理方法またはプログラムにおいて、所定の空間を共有する複数の他の情報処理装置と通信を行い(例えば、図15のステップS81)、前記所定の空間における自己および他の情報処理装置の位置を取得し、前記自己および他の情報処理装置の位置に基づいて、前記他の情報処理装置に対する接続優先度を算出し(例えば、図11のステップS27)、前記自己および他の情報処理装置の位置に基づいて、前記所定の空間の座標系を表すチャート上に、前記自己および他の情報処理装置の各位置を表すアイコンの表示を制御し(例えば、図27のステップS201)、ユーザによる前記アイコンに対する移動要求に応じて、前記アイコンに対応する情報処理装置の仮想の位置を算出し(例えば、図28のステップS234)、算出された前記仮想の位置に基づいて、算出された前記他の情報処理装置に対する接続優先度を変更し(例えば、図28のステップS235)、変更された前記他の情報処理装置に対する接続優先度に基づいて、前記他の情報処理装置との通信において送信または受信されるデータを処理する(例えば、図15のステップS88)ステップを含む。
以下、図を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明を適用した通信システムの構成例を示している。
この通信システムは、端末1−1が、ネットワーク2を介して、所定の空間(実空間や仮想空間)を共有する複数の端末1(図1の例の場合、端末1−2および1−3)と一度に通信を行う場合に、通信相手の端末1、GPS(Global Positioning System)衛星3、仮想空間管理サーバ4、または基地局5などから、自己および通信相手の情報を取得し、取得した情報に基づいて算出される複数の端末1の接続優先度に応じて、複数の端末1間の通信バランスを制御し、複数の端末1と最適に通信を行うようにするものである。なお、以下、端末1−1乃至1−3を個々に区別する必要がない場合、まとめて端末1とも称する。
図1の例において、インタネットに代表されるネットワーク2には、ユーザaが操作する端末1−1、ユーザbが操作する端末1−2、および端末1−3(ユーザには操作されていない)が接続されている。なお、以下、適宜、ユーザaと端末1−1を合わせてノードAとも称し、ユーザbと端末1−2を合わせてノードBとも称し、端末1−3をノードNとも称する。この例においては、端末1が3台のみ示されているが、ネットワーク2には、任意の台数の端末1が接続される。
ネットワーク2には、また、端末1の画面にCG(Computer Graphic)として表示させる仮想的な空間(仮想空間)や、仮想空間におけるユーザの象徴としてのマスコット(アバタ)の位置情報および方向情報などを管理し、提供する仮想空間管理サーバ4、および、端末1に図示せぬ無線ICタグ(RFID(Radio Frequency Identification))を埋め込むことにより、端末1の位置を検出し、ローカルポジショニングシステム(Local Positioning System)による位置情報などを提供する基地局5などが接続されている。この仮想空間管理サーバ4および基地局5も、任意の台数、ネットワーク2に接続される。
ネットワーク2は、端末1同士、仮想空間管理サーバ4、または基地局5の間で、各端末1の特性情報を通信する通信路である特性情報通信回線11−1、および、端末1間において、各種データを通信する通信路である外部通信回線11−2により構成される。なお、図1の例においては、説明の便宜上、ネットワーク2を2つの通信路に分けて説明するが、実際には、1つの通信路で特性情報も各種データも通信される。また、ネットワーク2は、有線に限らず、無線で構成されてもよい。
端末1−1は、パーソナルコンピュータなどで構成される。端末1−1の接続優先度解析部21、内部通信処理部23、および出力制御部24は、入出力インタフェース25を介して、入出力インタフェース25に適宜装着される動作入力部26、情報入力部27、および出力部28と接続されている。なお、図1においては、図示しないが、入出力インタフェース25には、例えば、出力部28として、ヘッドフォンやスピーカなどで構成される音声出力部またはヘッドマウントディスプレイやLCD(Liquid Crystal Display)などで構成される表示部が適宜装着され、さらに、図示せぬ入力部として、マイクロフォンおよびカメラなどで構成される映像音声入力部なども適宜装着される。
すなわち、動作入力部26または情報入力部27からの情報は、入出力インタフェース25を介して、接続優先度解析部21、内部通信処理部23、または出力制御部24に入力され、内部通信処理部23または出力制御部24からの情報は、入出力インタフェース25を介して、出力部28に出力される。
接続優先度解析部21は、図示せぬGPS機能を搭載しており、GPS衛星3から地球に送出される信号(電波)を受信し、その信号を解析することにより、受信位置(緯度、経度など)を算出し、その位置情報を記憶する。また、接続優先度解析部21は、動作入力部26から入力されるノードAの方向情報も記憶する。
接続優先度解析部21は、端末1−2および1−3と、外部通信回線11−2を介して通信を行う場合、特性情報通信回線11−1を介して、各端末1(または仮想空間管理サーバ4)から、ノードBおよびノードNの特性情報を取得する。なお、ノードAの特性情報も、端末1−2および1−3の要求に応じて、特性情報通信回線11−1を介して送信される。
特性情報は、ノードのID(Identification)情報、所定の空間(実空間または仮想空間)におけるノードの位置や方向の情報、ノードが他のノードとの通信を要求する度合いを表す接続確立指数、および、ノードを中心とした各方向に対しての接続確立指数を表す指向性フィルタ指数情報(以下、指向性フィルタ情報とも称する)などにより構成される。
接続優先度解析部21は、自己の位置情報を基準とした、所定の空間(実空間または仮想空間)で構成される基準空間を設定し、設定した基準空間に、自己および通信相手の特性情報に基づいて、通信相手の位置を配置し、自己と通信相手の相対的な位置や関係を求めることにより、端末1−2および1−3との通信における各ノードの接続優先度を算出し、算出した接続優先度を記憶部22に登録する。
また、接続優先度解析部21は、端末1−2および1−3との通信の途中に、ユーザaの動作や操作に基づいて、動作入力部26から入力されるノードAの方向や位置の変化を検出した場合、情報入力部27からの指示に応じて、接続確立指数や指向性フィルタ情報を変更した場合、または、通信相手の端末1−2または1−3から変更された特性情報が受信された場合など、少なくとも1つの特性情報の変化に応じて、基準空間を更新し、自己と通信相手の相対的な位置や関係を求めて、各ノードの接続優先度を再算出し、算出した接続優先度で、記憶部22に登録される接続優先度を更新する。
なお、接続優先度解析部21は、端末1−2および1−3との通信の途中に、動作入力部26から入力されるノードAの方向や位置の変化を検出した場合、または、情報入力部27からの指示に応じて、接続確立指数や指向性フィルタ情報を変更した場合、通信相手の端末1−2および1−3に、特性情報通信回線11−1を介して、ノードAの特性情報を送信する。
記憶部22には、接続優先度解析部21により算出された通信相手(端末1−2および1−3)の接続優先度が、ID情報に対応付けて、接続優先度リスト(図4)として登録される。接続優先度リストには、接続優先度の他に自己および通信相手の特性情報も登録されている。記憶部22に登録された接続優先度リストの情報は、自己または通信相手の特性情報の変化が1つでも検出された場合に接続優先度解析部21により改めて算出された接続優先度や変化があった特性情報で更新される。
内部通信処理部23は、外部通信回線11−2を介して、通信が確立された端末1−2および端末1−3からのデータを受信すると、記憶部22に登録される接続優先度リストの情報を参照し、参照した接続優先度リストの情報に応じて、端末1−2と1−3との通信バランスを制御する。
すなわち、内部通信処理部23は、通信中のデータが音声データであれば、例えば、複数端末1のうち、接続優先度の高い端末からの音声データの音量を大きく出力させたり、音質を明瞭にさせるなど、接続優先度に応じて、音声データを調整することで、端末1−1内における音声データの通信バランスを制御する。また、内部通信処理部23は、通信中のデータが映像データであれば、接続優先度の低い端末1からの映像データのサイズを小さくしたり、透明度を大きくしたり、表示位置を変更して出力させるなど、接続優先度に応じて、映像データを調整することで、端末1−1内における映像データの通信バランスを制御する。
また、内部通信処理部23は、ユーザの情報入力部27の操作に応じて、各ノードが共有する所定の空間(における各ノードの座標位置)の制約を超えて、接続優先度リストの情報を変更し、変更した接続優先度リストの情報に応じて、端末1−2と1−3との通信バランスを制御することもできる。
具体的には、内部通信処理部23は、記憶部22に登録される接続優先度リストの情報を参照し、所定の空間の座標系を表し、その座標系上に、各ノードの位置を表すアイコンが配置されるレーダチャートを生成し、入出力インタフェース25を介して、そのレーダチャートを、出力部28を構成するモニタなどに出力させる。レーダチャート上には、接続優先度解析部21により算出された接続優先度リストの情報(すなわち、所定の空間における各ノードの座標位置情報)に基づいて表示される各ノードの座標位置を表すノードアイコンと、そのノードアイコンに対応するアイコンであり、ユーザの情報入力部27の操作に応じて、その位置が移動可能な分身アイコンが表示される。
内部通信処理部23は、ユーザによる、レーダチャート上におけるノードアイコンの移動要求に応じて、レーダチャート上における、そのノードアイコンに対応する分身アイコンの位置を移動させるとともに、各ノードの接続優先度リストの情報を変更し、変更した接続優先度リストの情報に応じて、端末1−2と1−3との通信バランスを制御する。
すなわち、接続優先度解析部21における接続優先度リストの情報の更新は、所定の空間における各ノードの位置や向きの変更に応じてなされるものであり、所定の空間における各ノードの関係などに則って実行されているが、内部通信処理部23における接続優先度リストの情報の変更は、所定の空間における各ノードの座標位置関係を超えて、実行される処理である。
なお、詳しくは後述するが、この接続優先度リストの情報の変更は、各ノードにおいて予め設定されている他のノードに対しての許容の度合いを示す許容情報に基づいて制限されることもある。
出力制御部24は、情報入力部27から入力されるユーザの指示に対応して、あるいは、記憶部22の接続優先度リストを監視しており、接続優先度リストが登録されたり、または、接続優先度リストの情報が自己または通信相手の方向や位置の変化に応じて更新されると、各ノードの接続優先度をユーザに通知するための画面データなどを生成し、入出力インタフェース25を介して、出力部28を構成するモニタなどに出力させる。
動作入力部26は、ジャイロセンサ、加速度センサ、電子コンパス、またはチルト(傾斜)センサなどで構成され、ユーザaに装着されたり、端末1−1に設置されている。動作入力部26は、動作入力部26が装着されたユーザaの動作に応じて、または、動作入力部26が設けられた端末1−1を移動させるユーザaの動作に応じて、すなわち、ユーザに連動して、ノードAの位置情報または方向情報を入力する。また、動作入力部26を、ユーザの操作に応じて、ノードAの位置情報または方向情報を入力する方向キーが設けられたコントローラなどで構成するようにしてもよい。
情報入力部27は、キーボードやマウス、または出力部28を構成するモニタ上に重畳されて構成されるタッチパネルなどで構成され、ユーザの操作に対応した操作信号を、入出力インタフェース25を介して、接続優先度解析部21、内部通信処理部23、および出力制御部24に入力する。
出力部28は、出力制御部24や内部通信処理部23から入出力インタフェース25を介して入力されるデータに対応して、映像を表示するモニタや、点灯するLED(Light Emitting Diode)などで構成される。
なお、端末1−2および1−3の構成例については、端末1−1の構成例と同様であるので、その説明は省略する。この端末1は、パーソナルコンピュータで構成することができることはもちろん、例えば、携帯電話機、その他のPDA(Personal Digital Assistant)機器や、AV(Audio Visual)機器や家電(家庭用電化製品)などのCE(Consumer Electronics)機器などで構成することもできる。
また、図1の例においては、接続優先度解析部21は、GPS衛星3によるGPS機能を用いて、地球上における位置情報を取得する場合を説明したが、例えば、GPSの場合よりも狭い実空間で、端末1などに無線ICタグが埋め込まれている場合には、基地局5から、ローカルポジショニングシステムによる位置情報を取得するようにしてもよいし、仮想空間を共有する端末同士で通信を行う場合には、仮想空間管理サーバ4から仮想空間における位置情報などを取得するようにしてもよい。仮想空間の場合には、他のノードの特性情報も仮想空間管理サーバ4から取得される。
さらに、図示はしないが、地面に埋め込んだ無線ICタグによる位置検出、電波やレーダを用いた測距機能、端末1にカメラを複数台設け、ステレオ視による測距機能、あるいは、室内空間にカメラを設置し、そのカメラから取得される情報などを用いて位置情報を取得するようにしてもよい。すなわち、この通信システムは、地球上としての広範囲の空間、所定の地域の空間、または室内空間などの大小さまざまな実空間、および仮想空間において適用される。
図2は、端末1の接続優先度解析部の詳細な構成例を示している。
図2の例において、接続優先度解析部21は、方向検出部51、特性情報設定部52、空間情報設定部53、情報取得制御部54、特性情報通信部55、空間情報管理部56、および優先度算出部57により構成される。
方向検出部51は、情報取得制御部54からの制御に応じて、動作入力部26から入力されるユーザ(自己のノード)の方向情報を、自己のノードの現在の方向として設定するとともに、情報取得制御部54に供給する。また、方向検出部51は、動作入力部26から入力される自己のノードの方向や位置の変化を検出した場合、変化が検出された方向情報や位置情報を、情報取得制御部54に供給する。
すなわち、方向検出部51は、自己のノードの方向設定時の方向に対して変化を検出するため、予めキャリブレーション処理として、現在の方向を設定する。なお、位置についても同様に設定するようにしてもよい。具体的には、方向検出部51は、端末1の起動またはリセット時に、動作入力部26を規定の基準位置に適応させたり、動作入力部26を構成する電子コンパスまたはチルトセンサからの情報に基づいて、自己のノードの現在の方向や位置を設定し、設定した自己のノードの現在の方向または位置を基準に、動作入力部26を構成するジャイロセンサ、加速度センサ、またはコントローラからの情報から、自己のノードの方向や位置の変化を検出する。
特性情報設定部52は、情報入力部27から入力されるユーザの指示に対応して、各種設定情報を、情報取得制御部54に供給するとともに、ユーザの指示に応じて、通信の開始や終了などを通知する。すなわち、特性情報設定部52は、情報入力部27から入力されるユーザの指示に対応して、内蔵するメモリ(図示せぬ)に、特性情報のうち、自己のノードのID情報、自己のノードが他のノードとの通信を要求する度合いを表す接続確立指数、および、自己のノードを中心とした各方向に対しての接続確立指数を表す指向性フィルタ指数を設定し、情報取得制御部54に供給する。また、特性情報設定部52は、情報入力部27から入力されるユーザの指示に対応して、自己のノードの接続確立指数および指向性フィルタ指数を変更した場合、変更した自己のノードの接続確立指数および指向性フィルタ指数を、情報取得制御部54に供給する。
空間情報設定部53は、情報入力部27から入力されるユーザの指示に対応して、所定の地域の空間、室内空間、および仮想空間などの中から、基準空間とする空間(すなわち、どの空間を共有する端末と通信を行うか)を設定し、基準空間とする空間の情報を、空間情報管理部56に供給する。
情報取得制御部54は、特性情報設定部52から、自己のノードの接続確立指数および指向性フィルタ指数などが入力されると、方向検出部51、および特性情報通信部55を制御し、自己の方向情報および位置情報、並びに通信相手の特性情報をそれぞれ取得させ、方向検出部51、特性情報設定部52、または特性情報通信部55からの自己および通信相手の特性情報を、空間情報管理部56に供給する。また、情報取得制御部54は、特性情報通信部55を介して受信される通信相手からの要求に応じて、特性情報通信部55を制御し、自己の特性情報を、通信相手に送信させる。
情報取得制御部54は、他の端末1の外部通信回路11−2を介しての通信の途中に、方向検出部51、特性情報設定部52、または特性情報通信部55から自己または通信相手の変更された特性情報が入力された場合、自己または通信相手の変更された特性情報を、空間情報管理部56に供給する。なお、このとき、方向検出部51または特性情報設定部52から変更された自己の特性情報が入力された場合には、変更された自己の特性情報は、特性情報通信部55を介して通信相手の端末1に送信される。
特性情報通信部55は、特性情報送信部61および特性情報受信部62により構成されており、情報取得制御部54の制御のもと、予め端末1内に記憶されている通信相手のアドレス(例えば、IP(Internet Protocol)アドレス、MAC(Media Access Control Address)アドレス、または携帯電話機の番号など)を用いて、特性情報通信回線11−1を介して、各ノードの特性情報を送受信する。
特性情報送信部61は、情報取得制御部54から自己の特性情報の送信が指示された場合、または、通信相手の端末1から特性情報を要求された場合、情報取得制御部54から自己のノードの特性情報を取得し、特性情報通信回線11−1を介して通信相手の各端末1に送信したり、情報取得制御部54の制御のもと、情報通信回線11−1を介して、通信相手の各端末1にそれぞれの特性情報を要求する。
特性情報受信部62は、特性情報送信部61からの要求に応じて、情報通信回線11−1を介して、通信相手の各端末1から送信されてくる、それぞれの特性情報を取得する。また、特性情報受信部62は、図示せぬGPS機能を内蔵しており、情報取得制御部54の制御のもと、GPS衛星3から地球に送出される信号(電波)を受信し、その信号を解析することにより、受信位置(緯度、経度など)を算出し、その位置情報を、情報取得制御部54に供給する。
なお、この位置情報は、端末1に無線ICタグを埋め込めこみ、特性情報受信部62により、基地局5のローカルポジショニングシステムから取得されるようにしてもよい。また、仮想空間管理サーバ4により提供される仮想空間を共有するノード間における通信を行う場合には、特性情報送信部61および特性情報受信部62は、仮想空間管理サーバ4にアクセスし、相互の位置情報および方向情報などを受信し、それらの情報の変化も検出する。この場合、仮想空間管理サーバ4に各ノードの特性情報のうち、必要に応じたもの(すべても含む)を管理させるようにしてもよい。
空間情報管理部56は、空間情報設定部53からの基準とする空間情報に基づいて、情報取得制御部54から入力されるユーザの位置情報を基準位置とし、自己を基準とした自己のノードの基準空間を定義する。空間情報管理部56は、情報取得制御部54から自己および通信相手の特性情報が入力されると、自己および通信相手の特性情報に基づいて、自己のノードの基準空間に、通信相手のノードを配置したり、各情報を反映させることにより自己のノードの基準空間を設定し、設定された自己のノードの基準空間を管理し、優先度算出部57に供給する。
また、空間情報管理部56は、すでに自己のノードの基準空間が管理されている場合に、情報取得制御部54から自己または通信相手の特性情報が入力されると、入力された特性情報に基づいて、記憶されている自己のノードの基準空間を更新するとともに、優先度算出部57に供給する。
優先度算出部57は、空間情報管理部56により供給された自己のノードの基準空間を用いて、自己と通信相手の相対的な位置や関係を表す相対的な特性情報(相対特性情報)を求めることにより、自己のノードから通信相手の各ノードまでの接続優先度を算出し、各ノードに関する接続優先度をID情報に対応付けて記憶部22の接続優先度リストに記憶する。このとき、優先度算出部57は、優先度を算出する際に求めた自己と通信相手の相対特性情報(例えば、相対方位情報、相対位置情報や相対距離情報など)もID情報に対応付けて記憶部22の接続優先度リストに記憶する。
なお、図2の例においては、位置情報の変化の検出は、方向検出部51により検出される場合を説明したが、方向検出部51による位置情報の変化の検出は、例えば、室内空間においてなどあまり広くない空間の場合に用いられる。したがって、GPS機能により位置情報の変化が取得されるような大きな空間の場合には、位置情報の変化は、特性情報受信部62が内蔵する図示せぬGPS機能が用いられて検出されるように構成される。
図3は、記憶部22に登録される接続優先度リストの構成例を示している。接続優先度リストは、ID情報に対応付けてリスト形式で記憶部22に登録される。
図3の例の場合、接続優先度リストは、「ノード名」、優先度算出部57により算出された「接続優先度」、接続を優先する「順位」、およびノードの位置情報である「位置」により構成される。
例えば、図3の接続優先度リストには、「ノードB」は、接続優先度が「100」で、順位が「1」であることが登録されており、「ノードN」は、接続優先度が「65」で、順位が「2」であることが登録されている。
次に、図4を参照して、空間情報管理部56において設定されるノードAの基準空間について説明する。図4の例においては、ノードAの位置を中心(原点)としたノードAの基準空間座標(系)がx,yの2次元で示されている。なお、基準空間は、実際には、x,y,zの3次元で構成される。
ノードAの基準空間座標において、ノードAの位置を中心に、y軸の図中上方向が0度として設定され、0度から時計回りに360度の方位(θ)が設定されている。すなわち、図4の例の場合、ノードAの正面方向paは、0度の方位を向いている。また、ノードAの基準空間座標には、各ノードの特性情報に基づいて、正面方向pbを向くノードB、正面方向pcを向くノードC、および正面方向pnを向くノードNが配置されている。また、ノードAの基準空間座標において、原点(ノードA)を中心とする6つの円の半径は、ノードAからの距離をそれぞれ示す。例えば、説明の便宜上、最内周の円の半径を10m、次の円の半径を20m、…、最外周の円の半径を60mとして説明する。
具体的には、ノードAの基準空間座標において、ノードBは、原点に対して、略315度の方位の、半径55m(略)離れた位置に、略225度の方位を正面方向pbとして配置されている。ノードCは、原点に対して、略70度の方位の、半径45m(略)離れた位置に、略70度の方位を正面方向pcとして配置されている。ノードNは、原点に対して、略225度の方位の、半径40m(略)離れた位置に、略135度の方位を正面方向pnとして配置されている。
さらに、図4の例において、ノードAを囲む指向性フィルタfaは、ノードAの正面方向paの背面方向が凹んだ形状をしている円で表されており、これは、ノードAが、正面指向性型の指向性フィルタ情報を有することを表している。ノードBを囲む無指向性フィルタNfb、ノードCを囲む無指向性フィルタNfc、ノードNを囲む無指向性フィルタNfnは、正円で示されており、これは、各ノードが、無指向性型の指向性フィルタ情報を有していることを表している。
ここで、指向性フィルタ情報について、図5を参照して説明する。指向性フィルタ情報とは、x,y,zの3次元の空間における方位(すなわち、xy平面上における角度θ(deg)およびyz平面における角度φ(deg))への通信に対する要望の大きさである指向性フィルタ指数f(θ,φ)を表すものである。この指向性フィルタ情報は、ユーザによる情報入力部27の操作に応じて変更が可能である。
図5は、説明の便宜上、3次元のうち、z次元が省略された、すなわち、3次元のうち、x,yの2次元(xy平面)における、各方位に対する指向性フィルタ指数f(θ,φ)を表すグラフ121と、縦軸を指向性フィルタ指数f(θ,φ)とし、横軸を方位θ(グラフ121の同じ方位を示す)としたグラフ122を示しており、グラフ121およびグラフ122には、それぞれ正面指向性型の指向性フィルタ131と、無指向性型の指向性フィルタ132の指向性フィルタ指数が表されている。
グラフ121において、原点は、指向性フィルタの中心であるノード位置を示し、xy平面の各円は、−50(原点)から、−10刻みの指向性フィルタ指数を表している。また、グラフにおいては、y軸上において上方向が0度を表し、360度の方位が0度から時計回りに設定されており、0度の方位が各指向性フィルタの正面方向qとされている。
正面指向性型の指向性フィルタ131は、正面方向qの方位に対しては、略3と大きく、正面方向qの方位から、原点を中心に背面方向に回動するにつれて、だんだん小さくなり、背面方向(180度)の方位に対しては、略−40と急に小さくなっていく指向性フィルタ指数を有している。したがって、正面指向性型の指向性フィルタ131の指向性フィルタ指数は、グラフ121においては、凹んだ形状で表され、グラフ122においては、凸型の2次曲線で表される。
無指向性型の指向性フィルタ132は、どの方位に対しても一定で同じ大きさ(略0)である(すなわち、無指向である)指向性フィルタ指数を有している。したがって、無指向性型の指向性フィルタ132の指向性フィルタ指数は、グラフ121においては、正円の形状で表され、グラフ122においては、x軸に平行な直線で表される。
すなわち、端末1において、無指向性型の指向性フィルタ132を用いる場合には、どの方向にも一様の接続要望(指向性フィルタ指数)の大きさがあるが、正面指向性型の指向性フィルタ131を用いる場合には、正面方向qに対しての接続要望が一番大きく、背面方向に対しては、接続要望が小さい。
したがって、図4のノードAの基準空間座標においては、ノードAが指向性フィルタfaを有することから、ノードAの正面方向paから±60度以内に位置するノードBへの指向性フィルタ指数が一番大きく、ノードAの正面方向paから±120度以内に位置するノードCへの指向性フィルタ指数が、ノードBの指向性フィルタ指数よりも小さく、ノードAの背面方向から±60度以内に位置するノードNへの指向性フィルタ指数が一番小さいことがわかる。
そして、ノードA(端末1−1)においては、図4に示されるように、各ノードが配置され、指向性フィルタ情報などの各特性情報が反映(設定)されたノードAの基準空間を参照して、ノードAから各ノードXへの接続優先度YAXが算出される。すなわち、接続優先度YAXは、次の式(1)で表される。
ここで、PAは、ノードAの接続確立指数を表し、PXは、ノードXの接続確立指数を表し、LAXは、ノードAからノードXの距離に応じて大きくなる接続優先度減衰指数を表す。また、fA(θAAX,φAX)は、ノードAの指向性フィルタのノードAからみたノードA方向における指向性フィルタ指数を表し、fX(θXA,φXA)は、ノードXの指向性フィルタのノードXからみたノードA方向における指向性フィルタ指数を表す。
なお、接続優先度の算出に必要な各ノードの特性情報(すなわち、位置情報、方向情報、ID情報、指向性フィルタ指数情報、接続確立指数情報)のうち取得できないものがある場合には適宜、規定値を入力するようにして接続優先度の算出を行うようにしてもよい。
以上のように、図4のノードAの基準空間座標においては、無指向性フィルタNfb、無指向性フィルタNfc、および無指向性フィルタNfnをそれぞれ有するノードB、ノードCおよびノードNの正面方向に応じて各ノードの指向性フィルタ情報は変化しないが、指向性フィルタfaを有するノードAの正面方向paに応じてノードAの指向性フィルタ情報は変化する。したがって、指向性フィルタ情報を用いて算出される接続優先度も、指向性フィルタfaを有するノードAの正面方向paに応じて変化することがわかる。
そして、このような特性(指数)を有する指向性フィルタfaの正面方向とユーザaの方向を連動させることで、例えば、ユーザaが接続したいノードの方向を振り向くといったようなごく自然な動作によって簡単に各ノードの接続優先度を変更することができる。
なお、図5の例においては、正面指向性型の指向性フィルタの例を説明したが、指向性フィルタは上述した例に限らず、例えば、正面指向性型より、後ろ方向に指向性がさらにない、前方向優先型の指向性フィルタや、前後方向に指向性を有する前後方向優先型の指向性フィルタなど、さまざまな指向性を有するフィルタを用いることもできる。
次に、図6乃至図8を参照して、ノードの方向と接続優先度の遷移について説明する。
図6は、ノードAの基準空間の座標例を示しており、図7は、図6のノードAの基準空間において、各ノードが有する指向性フィルタ情報を示している。図8は、図6のノードAの基準空間において、図7の指向性フィルタ情報を有する場合の接続優先度の遷移を示している。
図6の例においては、ノードAの基準空間座標と、ノードAとノードAの基準空間座標に配置される各ノードとの相対位置表が示されている。なお、図6に示されるノードAの基準空間座標(系)は、図4の基準空間座標と同様に構成されており、y軸の上方向(図中上方向)が0度として設定され、0度から時計回りに360度の方位(θ)が設定されている。すなわち、図6の例においても、ノードAの正面方向paは、0度の方位を向いている。また、ノードAの基準空間において、原点(ノードA)を中心とする6つの円(点線)の半径は、ノードAからの距離をそれぞれ示し、最内周の円の半径を10m、次の円の半径を20m、…、最外周の円の半径を60mとして説明する。
図6の例の場合、ノードAの座標は、座標[0,0]([x座標,y座標]を示す)である。ノードAの基準空間座標には、各ノードの特性情報に基づいて、ノードB、ノードCおよびノードDが配置されている。
ノードBは、ノードAとの相対距離Dabが40mで、ノードAとの相対方位θabが315度(−45度)で、座標[xb,yb]の位置に配置されている。ノードCは、ノードAとの相対距離Dacが30mで、ノードAとの相対方位θacが90度で、座標[xc,yc]の位置に配置されている。ノードDは、ノードAとの相対距離Dadが25mで、ノードAとの相対方位θadが157.5度で、座標[xd,yd]の位置に配置されている。
なお、このノードAの基準空間座標は、各ノードの特性情報が、GPS機能やローカルポジショニングシステムなどによりそれぞれのノードで取得された後、各ノード間で送受信されて設定されたものである。
このような図6のノードAの基準空間座標において、図7に示されるように、ノードAだけにより正面指向性型の指向性フィルタが用いられたとする。
図7の例の場合、ノードAは、図5を参照して上述した正面指向性型の指向性フィルタfaを有しており、ノードAの正面方向paは、y軸の上方向を向いている。また、ノードAの基準空間座標に配置されるノードB、ノードC、およびノードDは、それぞれ、無指向性フィルタNfb、無指向性フィルタNfc、および無指向性型の指向性フィルタNfdを有している。
したがって、図7に示されるノードAの基準空間座標においては、無指向性フィルタNfb、無指向性フィルタNfc、および無指向性フィルタNfdをそれぞれ有するノードB、ノードCおよびノードDの正面方向に応じて各指向性フィルタ情報は変化しないが、指向性フィルタfaを有するノードAの正面方向に応じて、ノードAの指向性フィルタ情報は変化する。
以上のように構成される、ノードAだけが正面指向性型の指向性フィルタを用いたノードAの基準空間座標において、上述した式(1)を用いて、ノードAの方位毎にノードAと各ノードとの接続優先度を算出した結果、ノードAと各ノードとの接続優先度は、図8に示されるように、ノードAの正面方向paが向いた方位(θ)に応じて遷移する。
なお、この場合、接続優先度の算出には、ノード間の距離に応じて大きくなる接続優先度減衰指数の算出方法の一例として、自由空間中における2.4GHz帯電磁波の電波損失の算出方法が用いられるとする。また、式(1)において、各ノードの接続確立指数は、0[dB]が用いられ、図5を参照して上述した指向性フィルタ指数f(θ,φ)の単位にも、[dB]が用いられる。
自由空間中における2.4GHz帯電磁波の電波損失L[dB]は、次の式(2)で表される。
ここで、λは、波長[m]を表し、dは、電波距離[m]を表し、fは、周波数[Hz]を表し、cは、光速(3.0*108)[m/s]を表す。
さらに、これらのシミュレーションにおいては、各ノードの接続確立指数は、0[dB]が用いられる。また、図5を参照して上述した指向性フィルタ指数f(θ,φ)の単位にも、[dB]を用いることとする。
図8は、図7の指向性フィルタ情報が用いられた図6のノードAの基準空間座標におけるノードAの正面方向paに対する、ノードAと各ノード間の接続優先度の遷移を示すグラフである。
図8においては、縦軸が接続優先度[dB]を表し、横軸は、ノードAの基準空間座標におけるノードAの正面方向paの向き(θ)(すなわち、ノードAの基準空間座標において、ノードAの正面方向が向いた方位)を表している。なお、図8の例においては、図7における方位(θ)である180度乃至360度は、−180度乃至0度に換算されている。
ノードBは、ノードAの基準空間座標において、ノードAとの相対距離Dabが40mで、ノードAとの相対方位θabが−45(315)度の方位に位置している。したがって、図8に示されるノードAとノードB間の接続優先度Qabは、ノードAの正面方向paが−45度の方位を向いたときに略−71[dB]と一番高くなり、ノードAの正面方向paが、−45度の方位からノードAを中心に回動していくにつれてだんだん下がっていき、ノードAの正面方向paが90度または180度を向いたときに、略−91[dB]になり、図示されないが、ノードAの正面方向paが135度を向いたときに一番低くなる。
同様に、ノードCは、ノードAの基準空間座標において、ノードAとの相対距離Dacが30mで、ノードAとの相対方位θacが90度の方位に位置している。したがって、図8に示されるノードAとノードC間の接続優先度Qacは、ノードAの正面方向paが90度の方位を向いたときに略−67[dB]と一番高くなり、ノードAの正面方向paが、90度の方位からノードAを中心に回動していくにつれてだんだん下がっていき、ノードAの正面方向paが−45(315)度または225度を向いたときに、略−89[dB]になり、図示されないが、ノードAの正面方向paが270度を向いたときに一番低くなる。
ノードDは、ノードAの基準空間座標において、ノードAとの相対距離Dadが25mで、ノードAとの相対方位θadが157.5度の方位に位置している。したがって、図8に示されるノードAとノードD間の接続優先度Qadは、ノードAの正面方向paが157.5度の方位を向いたときに略−66[dB]と一番高くなり、ノードAの正面方向paが、157.5度の方位からノードAを中心に回動していくにつれてだんだん下がっていき、ノードAの正面方向paが22.5度または−67.5(292.5)度を向いたときに、略−87[dB]になり、図示されないが、ノードAの正面方向paが−22.5(337.5)度を向いたときに一番低くなる。
したがって、ノードAが正面指向性型の指向性フィルタfaを有している図9の基準空間座標におけるノードAと各ノード間の接続優先度を比較した場合、ノードAの正面方向paが−45度の方位(すなわち、ノードB方向)を向いたとき、点線L1上の丸に示されるように、接続優先度Qab(略−71[dB])>>接続優先度Qac(略−89[dB])>接続優先度Qad(−90[dB]以下)となる。
また、ノードAの正面方向paが90度の方位(すなわち、ノードC方向)を向いたとき、点線L2上の丸に示されるように、接続優先度Qac(略−67[dB])>接続優先度Qad(略−72[dB])>>接続優先度Qab(略−91[dB])となる。
さらに、ノードAの正面方向paが157.5度の方位(すなわち、ノードD方向)を向いたとき、点線L3上の丸に示されるように、接続優先度Qad(略−66[dB])>>接続優先度Qac(略−73[dB])>>接続優先度Qab(−90[dB]以下)となる。
なお、ノードAが正面指向性型の指向性フィルタを持たない基準空間座標、すなわち、各ノードが無指向性フィルタを有する基準空間座標におけるノードAと各ノード間の接続優先度を比較した場合には、ノードAの正面方向の向きは各ノードとの接続優先度には影響せず、相対距離に応じて、接続優先度Qad(略−66[dB])>接続優先度Qac(略−67[dB])>接続優先度Qab(略−71[dB])となる。
以上のように、ノードAのみが正面指向性型の指向性フィルタを有している図7の場合、ノードAの正面方向の向きに応じて、各ノードの接続優先度が遷移し、ノードAの正面方向の向きにあるノードの接続優先度が他のノードの接続優先度よりも大きくなることがわかる。
なお、図示は省略するが、端末1−1が無指向性フィルタを有し、端末1−2乃至1−4のうちの少なくとも1つの端末が正面指向性型の指向性フィルタを有する場合には、正面指向性型の指向性フィルタを有するノードの正面方向の向きに応じて、そのノードの接続優先度が遷移する。
また、端末1−1も正面指向性型の指向性フィルタを有し、端末1−2乃至1−4のうちの少なくとも1つの端末が正面指向性型の指向性フィルタを有する場合には、上述したように、ノードAの正面方向の向きに応じて、各ノードの接続優先度が遷移し、正面指向性型の指向性フィルタを有する他のノードの接続優先度は、ノードAおよびそのノードの正面方向の向きに応じて遷移する。
以上のように、各ノードが有する特性情報(すなわち、位置情報、方向情報、ID情報、指向性フィルタ指数情報、接続確立指数情報)を用いて、自己と通信相手の相対的な位置や関係を求め、ある時点におけるノードAと各ノード間での接続優先度を算出し、算出された接続優先度を比較することにより、通信を行う複数のノードの中で優先順位を付与することができる。
また、各ノードの接続優先度は、動作入力部26からのノードの方向情報を変化させる(すなわち、ユーザが動作入力部26を動作させる)ことにより調整が可能であり、図5を参照して上述したような正面指向型の指向性フィルタを、各ノードの方向情報と連動させて使用することにより、例えば、ノードAが接続したいノードの方向を振り向くといったようなごく自然な動作によって簡単に各ノードの接続優先度を調整することができる。
なお、上記説明においては、x,yの2次元で示されている基準空間座標(系)を用いて接続優先度を説明したが、上述したように、実際には、基準空間は、3次元で構成される。したがって、例えば、3次元の基準空間座標(系)において、ノードAが他のノードとあまり接続したくない場合には、yz平面の角度(φ)を下に向ける、すなわち、ノードがうつむくといったごく自然な動作によって、簡単に各ノードの接続優先度を調整することができる。
図9は、記憶部22に記憶される接続優先度リストの構成例を示している。すなわち、図9の接続優先度リストは、図3の接続優先度リストの他の構成例である。
図9の例の場合、接続優先度リストは、ノードのID情報に基づいて、「ノード名」、優先度算出部57により算出された「接続優先度」、接続するノードの中での接続優先順位を示す「順位」、ノードの位置情報である「位置」、ノードの方向情報である「方向」、ノードに接続するための「アドレス」、ノードが有する「指向性フィルタ指数」、および、ノードの「接続確立指数」によりリスト化されて構成されている。
「ノードB」は、接続優先度が「100」で、順位が「2」であり、位置が[xb,yb,zb]([x座標,y座標,z座標])で、方向が(θB,φB)((xy平面の角度,yz平面の角度))で、アドレスが「xx-xx-xx-」であり、指向性フィルタ指数は、fB(θ,φ)であり、接続確立指数が「45」である。
「ノードC」は、接続優先度が「65」で、順位が「3」であり、位置が[xc,yc,zc]([x座標,y座標,z座標])で、方向が(θC,φC)((xy平面の角度,yz平面の角度))で、アドレスが「090-xxxx」であり、指向性フィルタ指数は、fC(θ,φ)であり、接続確立指数が「21」である。
「ノードN」は、接続優先度が「123」で、順位が「1」であり、位置が[xn,yn,zn]([x座標,y座標,z座標])で、方向が(θN,φN)((xy平面の角度,yz平面の角度))で、アドレスが「xx-xx-xx-」であり、指向性フィルタ指数は、fN(θ,φ)であり、接続確立指数が「70」である。
すなわち、この接続優先度リストは、各ノードの特性情報である「位置」、「方向」、「指向性フィルタ指数」、および「接続確立指数」が取得され、ノードAと各ノードの相対特性情報が求められ、式(1)および式(2)を用いて各ノードの「接続優先度」が算出され、算出された各ノードの「接続優先度」に基づいて、接続するノードの中での各ノードの接続優先順位を示す「順位」が設定され、これらの情報がノードIDに基づいて、記憶部22に登録されたものである。
なお、図9の例においては、図示されていないが、接続優先度リストには、ノードAと各ノードの相対特性情報の、例えば、相対方位情報、相対位置情報、相対距離情報も登録されている。
また、この接続優先度リストは、内部通信処理部23に供給されるとともに、出力制御部24に供給され、入出力インタフェース25を介して、出力部28を構成するモニタに表示される。このとき、出力制御部24は、接続優先度リストを構成する情報を、図9の接続優先度リストと同じ構成のリスト形式で、あるいは、接続優先度リストのうちの一部の情報だけをリスト形式でモニタに表示させる。さらに、出力制御部24は、接続優先度リストを構成する情報を、図10に示すように、ノードAの基準空間座標を、3D(dimension)空間としてCG(Computer Graphics)合成した映像を用いて表示させることもできる。
図10は、出力部28に出力される接続優先度リストの表示例を示している。
図10の例においては、x,y,zからなる3次元のノードAの基準空間座標に、各ノードの特性情報に基づいた位置に配置された各ノードを象徴するアバタとともに、図9の接続優先度リストのうちのノード名、ノードAとの相対位置(座標)、相対距離、ノードの正面方向、および指向性フィルタ指数の各情報が表示されている。なお、説明の便宜上、xy平面において、y軸の正方向を0度とし、0度から時計回りに360度の方位を示すものとして説明する。
出力部28には、ノードA、ノードB、およびノードCは、各端末1を操作するユーザa、ユーザb、およびユーザcがマスコット形状のアバタとしてそれぞれ表示され、ノードNは、端末1が接続されているのみである(ユーザには操作されていない)ため、端末1がデータベース形状のアバタとして表示されている。また、各ノードの方向は、各アバタの正面方向の向きで表され、各アバタの下部には、各ノードが有する指向性フィルタ指数情報を表す指向性フィルタが表示されている。
すなわち、ノードAの基準空間座標の原点には、ノードAのアバタAAが、その正面方向paがノードC向き(略135度方向)に表示され、アバタAAの下部には、ノードAが有する指向性フィルタ指数情報として、正面指向型の指向性フィルタfaが凹んだ形状をしている円で表示されている。また、アバタAAの上部には、ノード名「ノードA」と、位置情報「座標値[0,0,0]」が吹き出し表示されている。
ノードAの背面方向(略315度)の方位の、ノードAとの相対距離Dabの位置には、ノードBのアバタABが、その正面方向pbが略180度の方位向きに表示され、アバタABの下部には、ノードBが有する指向性フィルタ指数情報として、正円の無指向性フィルタNfbが表示されている。また、アバタABの上部には、ノード名「ノードB」と、位置情報「座標値[xb,yb,zb]」が吹き出し表示されている。
ノードAの正面方向(略135度)の方位の、ノードAとの相対距離Dacの位置には、ノードCのアバタACが、その正面方向pcが略270度の方位向きに表示され、アバタACの下部には、ノードCが有する指向性フィルタ指数情報として、正円の無指向性フィルタNfcが表示されている。また、アバタACの上部には、ノード名「ノードC」と、位置情報「座標値[xc,yc,zc]」が吹き出し表示されている。
ノードAの略45度の方位の、ノードAとの相対距離Danの位置には、ノードNのアバタANが、その正面方向pnがノードA向き(略225度方向)に表示され、アバタANの下部には、ノードNが有する指向性フィルタ指数情報として、正円の無指向性フィルタNfbが表示されている。また、アバタANの上部には、ノード名「ノードN」と、位置情報「座標値[xn,yn,zn]」が吹き出し表示されている。
なお、図10の例の場合、ノードAとの相対距離は、Dac>Dab>Danとなっている。
以上のように、記憶部22に登録された接続優先度リストの情報(すなわち、算出された接続優先度、各特性情報、および各相対特性情報など)がモニタに表示されるので、ノードAのユーザaは、表示された接続優先度リストをもとに、動作入力部26を動作させることで、動作入力部26からのノードの方向情報の変化による効果をすぐに知ることができ、容易に各ノードの接続優先度を調整することができる。
さらに、ユーザが、各ノードの位置やノードに関する他の情報を予め知らなくても、表示された接続優先度リストをもとに、各ノードの位置や情報を簡単に把握することができる。
次に、図11のフローチャートを参照して、端末1の接続優先度設定処理について説明する。
端末1−1を操作するユーザaは、ノードBの端末1−2およびノードNの端末1−3と外部通信回線11−2を介して、複数のノード間で、例えば、映像を用いてのチャットを行うアプリケーションなどを用いることにより、相互に映像データを通信するため、マウスなどからなる情報入力部27を操作して、端末1−1に通信の開始を指示する。このとき、ユーザaは、必要に応じて、例えば、通信を行う対象の空間情報や、ノードが他のノードとの通信を要求する度合いを表す接続確立指数、および、ノードを中心とした各方向に対しての接続確立指数を表す指向性フィルタ指数を入力する。
情報入力部27は、ユーザの操作に対応する操作信号を、特性情報設定部52および空間情報設定部53に入力する。特性情報設定部52は、情報入力部27から入力されるユーザaの指示に対応して、ノードAのID情報、接続確立指数情報、および指向性フィルタ指数情報などを情報取得制御部54に供給するとともに、情報取得制御部54に通信開始を通知する。空間情報設定部53は、情報入力部27から入力されるユーザaの指示に対応して、基準空間とする空間の情報を、空間情報管理部56に供給する。
情報取得制御部54は、特性情報設定部52から通信開始の通知が入力されるまで待機しており、ノードAの接続確立指数情報および指向性フィルタ指数情報が入力され、通信開始の通知が入力されると、通信開始が指示されたと判定し、図11の接続優先度設定処理を開始する。
情報取得制御部54は、ステップS21において、特性情報受信部62を制御し、GPS衛星3から地球に送出される信号(電波)を受信させて、自己の位置情報を取得させ、空間情報設定部53に供給する。
空間情報管理部56は、ステップS22において、空間情報設定部53からの基準とする空間情報に基づいて、情報取得制御部54から入力されるユーザaの位置情報を基準位置とし、自己を基準としたノードAの基準空間を定義する。
情報取得制御部54は、ステップS23において、方向検出部51を制御し、動作入力部26から入力されるユーザa(ノードA)の方向情報に基づいて、ノードAの現在の方向を設定させ、設定されたノードAの現在の方向を、空間情報管理部56に供給し、ノードAの基準空間に反映させる。
空間情報管理部56は、ステップS24において、情報取得制御部54に供給されている端末1−1(ノードA)のID情報、接続確立指数情報、および指向性フィルタ指数情報を取得する。
情報取得制御部54は、ステップS25において、特性情報送信部61を制御し、特性情報通信回線11−1を介して、通信相手の各ノードにそれぞれの特性情報(位置情報、方向情報、ID情報、接続確立指数情報、および指向性フィルタ指数情報など)を要求させることにより、情報通信回線11−1を介して、通信相手の各ノードから送信されてくるそれぞれの特性情報を、特性情報受信部62に取得させ、空間情報管理部56に供給する。
すなわち、通信相手のノードの端末1−2および1−3においては、予め、例えば、ステップS21の処理と同様にして自己(通信相手)の位置情報が取得され、ステップS24の処理と同様にして自己の方向情報が取得され、ステップS24の処理と同様にして自己のID情報、接続確立指数情報、および指向性フィルタ指数情報が取得されており、特性情報送信部61からの要求に応じてこれらの特性情報が、情報通信回線11−1を介して端末1−1に送信されてくる。なお、通信相手のノードの端末1−2および1−3は、特性情報送信部61からの要求が受信されたときに特性情報を取得するようにしてもよい。
なお、端末1−2および1−3が実行するステップS25の処理により、端末1−1(ノードA)の特性情報が要求された場合には、情報取得制御部54は、特性情報送信部61を制御し、特性情報受信部62からの位置情報、特性情報設定部52からノードAのID情報、接続確立指数情報、および指向性フィルタ指数情報、並びに、方向検出部51からのノードAの方向情報を、情報通信回線11−1を介して、端末1−2および1−3に送信させる。
空間情報管理部56は、情報取得制御部54から通信相手の各ノードの特性情報が供給されると、ステップS26において、取得された各情報を、ノードAの基準空間に配置し、通信相手のノードが配置されたノードAの基準空間を、優先度算出部57に供給する。
すなわち、空間情報管理部56は、ステップS24において取得された端末1(ノード)のID情報、接続確立指数情報、および指向性フィルタ指数情報と、ステップS25において情報取得制御部54から通信相手の各ノードの特性情報に基づいて、ステップS23において現在の方向が反映されたノードAの基準空間に、各ノードを配置し、接続確立指数情報、および指向性フィルタ指数情報を反映させる。そして、空間情報管理部56は、通信相手のノードが配置され、各情報が反映されたノードAの基準空間を記憶し、管理するとともに、優先度算出部57に供給する。
優先度算出部57は、ステップS27において、空間情報管理部56から供給されたノードAの基準空間に基づいて(すなわち、式(1)および式(2)を用いて)、自己と通信相手の相対的な位置関係を表す相対特性情報を求めることで、自己のノード(ノードA)から、他のノード(ノードBおよびノードNなど)までの接続優先度をそれぞれ算出し、ステップS28において、各ノードに関する特性情報や、接続優先度解析結果を、ID情報に対応付けて、接続度優先度リストとして、記憶部22に登録させる。なお、このとき、優先度算出部57は、相対特性情報も接続優先度リストに登録する。
以上のようにして、接続優先度設定処理は、終了され、記憶部22に接続優先度リストが登録されるので、出力制御部24は、接続優先度リストが登録されたと判定し、各ノードの接続優先度リストの情報をユーザに通知するための画面データなどを生成し、入出力インタフェース25を介して、画面データに対応する画面を、出力部28を構成するモニタなどに出力させる。これにより、図9または図10を参照して上述したような接続優先度リストの情報(以下、接続優先度の通知画面とも称する)が表示される。
これにより、動作入力部26が装着(設置)されているユーザaは、モニタに表示される接続優先度リストの通知画面を参照して、例えば、ノードAが接続したいノードの方向を振り向くといったようなごく自然な動作を行ったり、または、情報入力部27を介して、ノードAの接続確立指数および指向性フィルタ指数などを変更するなど、所望の接続優先度を設定することが可能である。
また、内部通信処理部23も、記憶部22を監視しており、記憶部22に接続度優先度リストの情報が登録されると、内部通信処理部23においては、記憶部22に登録された接続優先度リストの情報に応じて、後述するように、所定の空間の座標を表し、各ノードに対応するノードアイコンが配置されるレーダチャートが表示され、ユーザの要求に応じて、接続優先度リストの情報が変更されたり、記憶部22に登録された接続優先度リストの情報や変更された接続優先度リストの情報に応じて、端末1−1内部において、端末1−2および1−3との通信バランスが制御される。
次に、図12のフローチャートを参照して、図11の接続優先度設定処理により登録された接続優先度リストの接続優先度更新処理を説明する。なお、図12の接続優先度更新処理は、図15を参照して後述する内部通信制御部24による内部通信制御処理や図27を参照して後述する接続優先度変更処理などと並行で行われる処理であり、情報入力部27から入力されるユーザaの通信終了を指示する操作信号に基づいて、特性情報設定部53が情報取得制御部54に通信の終了を通知し、情報取得制御部54が通信を終了すると判定するまで、繰り返し続けられる処理である。
図11のステップS28において、接続優先度リストが登録されると、例えば、各ノードの接続優先度リストの情報をユーザに通知するための接続優先度の通知画面がモニタに表示される。
ユーザaは、外部通信回線11−2を介しての、他のノードと相互に映像データの通信を行いながら、モニタに表示される接続優先度の通知画面を参照して、例えば、接続したいノードの方向を振り向くといったようなごく自然な動作を行う。なお、ジャイロセンサ、または加速度センサなどで構成される動作入力部26は、例えば、ユーザaに装着されており、ユーザaの動作に応じて、ノードAの位置情報または方向情報を入力する。
あるいは、例えば、ユーザaは、モニタに表示される接続優先度リストの通知画面を参照して、情報入力部27を介して、ノードAの接続確立指数、または指向性フィルタ指数などを変更する指示を行う。
または、例えば、通信相手のユーザbは、端末1−1の場合と同様にして、端末1−2のモニタに表示される接続優先度リストの通知画面を参照して、例えば、端末1−2の動作入力部26が装着されたユーザbが、接続したいノードの方向を振り向くといったようなごく自然な動作を行ったり、端末1−2の情報入力部27を介して、ノードBの接続確立指数、または指向性フィルタ指数などを変更する指示を行う。この場合、端末1−2は、後述される図13のステップS72、S74,またはS76の処理と同様に、変更されたノードBの特性情報を、特性情報通信回線11−1を介して、端末1−1に送信してくる。
これに対応して、優先度情報解析部21は、図12のステップS51において変化情報供給処理を実行する。この変化情報供給処理を、図13のフローチャートを参照して説明する。
方向検出部51は、ステップS71において、図11のステップS23において設定されたノードAの現在の方向や位置を基準として、動作入力部26から入力されたノードAの位置情報または方向情報から、ノードAの方向や位置の変化を検出したか否かを判定し、ノードAの方向や位置の変化を検出したと判定した場合、ステップS72において、動作入力部26から入力されたノードAの位置情報または方向情報を、情報取得制御部54を介して、空間情報管理部56に供給する。
なお、このとき、情報取得制御部54は、変更が検出されたノードAの位置情報または方向情報を、特性情報送信部61を制御し、特性情報通信回線11−1を介して、ノードの端末1−2や端末1−3にも送信させる。
ステップS71において、入力されたノードAの位置情報または方向情報から、ノードAの方向や位置の変化を検出していないと判定された場合、ステップS72の処理はスキップされ、処理は、ステップS73に進む。
ステップS73において、特性情報設定部52は、情報入力部27を介して入力されるユーザaの操作信号に基づいて、ノードAの接続確立指数情報、または指向性フィルタ指数情報の変更指示が入力されたか否かを判定し、情報入力部27を介して、ノードAの接続確立指数情報、または指向性フィルタ指数情報を変更する指示が入力されたと判定した場合、ノードAの接続確立指数情報、または指向性フィルタ指数情報を変更し、ステップS74において、変更したノードAの接続確立指数情報、または指向性フィルタ指数情報を、情報取得制御部54を介して、空間情報管理部56に供給する。
なお、このとき、情報取得制御部54は、変更されたノードAの接続確立指数情報、または指向性フィルタ指数情報を、特性情報送信部61を制御し、特性情報通信回線11−1を介して、ノードの端末1−2や端末1−3にも送信させる。
ステップS73において、ノードAの接続確立指数および指向性フィルタ情報の変更指示が入力されていないと判定された場合、ステップS74の処理はスキップされ、処理は、ステップS75に進む。
また、例えば、上述したように、ノードBの特性情報に変更があった場合、端末1−2は、変更されたノードBの特性情報を、特性情報通信回線11−1を介して、端末1−1に送信してくる。
これに対応して、特性情報受信部62は、ステップS75において、他のノードから特性情報が受信されたか否かを判定し、他のノードから特性情報を受信したと判定した場合、ステップS76において、受信した他のノードから特性情報を、空間情報管理部56に供給する。その後、処理は、図18のステップS51に戻り、ステップS52に進む。
ステップS75において、他のノードから特性情報を受信していないと判定された場合、ステップS76の処理はスキップされ、処理は、図12のステップS51に戻り、ステップS52に進む。
図12のステップS52において、空間情報管理部56は、ノードAの位置情報、方向情報、接続確立指数情報、および指向性フィルタ指数情報、並びに、他のノードの特性情報のうち、少なくとも1つの情報が供給されたか否かを判定する。
空間情報管理部56は、ステップS52において、ノードAの位置情報、方向情報、接続確立指数情報、および指向性フィルタ指数情報、並びに、他のノードの特性情報のうち、少なくとも1つの情報が供給されていないと判定した場合、処理は、ステップS51に戻り、それ以降の処理が繰り返される。すなわち、ステップS52において、ノードAの位置情報、方向情報、接続確立指数情報、および指向性フィルタ指数情報、並びに、他のノードの特性情報のうち、少なくとも1つの情報が供給されたと判定されるまで、ステップS51の処理が繰り返される。
一方、ステップS52において、ノードAの位置情報、方向情報、接続確立指数情報、および指向性フィルタ指数情報、並びに、他のノードの特性情報のうち、少なくとも1つの情報が供給されたと判定された場合、空間情報管理部56は、ステップS53において、供給された情報に基づいて、ノードAの基準空間に配置されるノードの配置位置などを変更して、記憶されているノードAの基準空間を更新するとともに、優先度算出部57に供給する。
優先度算出部57は、ステップS54において、空間情報管理部56から供給されたノードAの基準空間(すなわち、式(1)および式(2))を用いて、自己と通信相手の相対的な位置関係を表す相対特性情報を求めることで、自己のノード(ノードA)から、他のノード(ノードBおよびノードNなど)までの接続優先度をそれぞれ算出し、ステップS55に進み、記憶部22に登録されている、接続優先度解析結果である接続度優先度リストをID情報に対応付けて更新する。なお、このとき、接続優先度リストに登録されている相対特性情報も更新される。
以上により、接続優先度更新処理は終了され、出力制御部24により、各ノードの接続優先度をユーザに通知するための画面データなどが新たに生成され、入出力インタフェース25を介して、画面データに対応する画面が更新されて出力される。
以上のように、自己のノードの特性情報、および通信相手のノードの特性情報を取得し、それらを用いて、自己と通信相手の相対的な位置関係を表す相対特性情報を求めることで、接続優先度を算出するようにしたので、この接続優先度や相対特性情報を用いて、複数の通信相手との通信に、重み付けなどの制御を行うことができ、通信バランスが制御されるので、通信相手のノード数が増えた場合であっても、最適な通信品質を得ることができる。
また、これらの接続優先度や相対特性情報は、各ノードの位置情報や方向情報の変化、あるいは、接続確立指数および指向性フィルタ指数に応じて、逐次変更されるので、この接続優先度や相対特性情報を用いて、各ノードの状態が変わった場合にも、その状態に応じた制御を行うことができる。
さらに、ユーザは、振り向くなどの自然かつ簡単な動作、または、リモコンなどに設けられる方向指示ボタンなどで方向を指示することだけで、接続優先度や相対特性情報を変更させることすなわち、接続優先度に応じて制御される処理を変更させることができる。
次に、上述した接続優先度に応じて実行される内部通信処理部23の処理について説明する。
図14は、端末1の内部通信処理部の詳細な構成例を示している。
図14の例において、例えば、複数の端末1間で外部通信回線11−2を介して相互に映像データや音声データを通信する場合の内部通信処理部23が示されており、この内部通信処理部23においては、複数の端末1間で外部通信回線11−2を介して通信される、それぞれの映像データのサイズ、透明度、表示位置や、音声データの音量、音質、音源位置などが、対応する接続優先度や相対特性情報などに応じて調整される。
内部通信処理部23は、通信制御部81、優先度情報取得変更部82、外部通信インタフェース(I/F)83、コーデック部84、データ調整部85、混合器86、分配器87、およびGUI(Graphical User Interface)処理部88により構成される。
また、図14の例においては、入出力インタフェース25には、例えば、タッチパネルで構成される情報入力部27の他に、さらに、出力部82として、情報入力部27の下に積層されるLCDで構成される表示部91と、音声を出力するステレオスピーカからなる音声出力部92、および、被写体を撮像し、撮像した映像に対応する映像データを入力するカメラと、音声を集音し、集音した音声に対応する音声データを入力するマイクロフォンなどからなる映像音声入力部93も装着されている。
通信制御部81は、情報入力部27から、GUI処理部88を介して入力されるユーザの指示、または優先度情報取得変更部82からの通知に対応して、外部通信インタフェース83を制御し、外部通信回線11−2を介して、通信相手の端末1と通信を行わせる。また、通信制御部81は、外部通信インタフェース83により受信されたノードのID情報を優先度情報取得変更部82に供給し、ID情報に対応するノードの接続優先度リストの情報(例えば、接続優先度、および相対方位情報などの相対特性情報)を取得させ、データ調整部85を制御し、優先度情報取得変更部82からのノードの接続優先度リストの情報に応じて映像データを調整させる。
優先度情報取得変更部82は、記憶部22の接続優先度リストを監視し、接続優先度リストが登録されると、通信制御部81に通知する。また、優先度情報取得変更部82は、通信制御部81から供給されるID情報に対応する接続優先度リストの情報を記憶部22から取得し、取得した接続優先度リストの情報を通信制御部81に供給するとともに、GUI処理部88に供給する。
優先度情報取得変更部82は、また、GUI処理部88を介して入力されるユーザの要求情報に基づいて、記憶部22から取得した接続優先度リストの情報を変更し、変更した接続優先度リストの情報を、通信制御部81に供給するとともに、GUI処理部88に供給する。なお、実際には、優先度情報取得変更部82は、ユーザの要求情報だけでなく、予め設定されているユーザの他のノードに対しての許容の度合いを示す許容情報および通信相手の端末1から取得される通信相手の、このノードに対しての許容情報にも基づいて、記憶部22から取得した接続優先度リストの情報を変更する。なお、優先度情報取得変更部82の詳細は、GUI処理部88の詳細とともに、図18を参照して後述する。
さらに、優先度情報取得変更部82は、通信制御部81から供給されたID情報に対応する接続優先度リストの情報を監視し、接続優先度リストの情報が更新されたと判定した場合、更新された接続優先度リストの情報を取得し、取得した接続優先度リストの情報の更新部分を、変更した接続優先度リストの情報に反映させることで、接続優先度リストの情報を変更し、変更した接続優先度リストの情報を、通信制御部81に供給するとともに、GUI処理部88に供給する。
外部通信インタフェース83は、データ受信部101およびデータ送信部102により構成され、通信制御部81の制御のもと、外部通信回線11−2を介して、通信相手の端末と接続(回線を確立)し、映像データを送受信する。データ受信部101は、外部通信回線11−2を介して映像データや音声データを受信すると、受信した映像データや音声データをコーデック部84に供給するとともに、その映像データや音声データに付加されているノードのID情報を取り出し、取り出したID情報を通信制御部81に供給する。データ送信部102は、通信制御部81の制御のもと、コーデック部84により符号化された映像データや音声データを外部通信回線11−2を介して対応する端末1に送信する。
コーデック部84は、復号部103および符号化部104により構成される。復号部103は、データ受信部101により受信された映像データや音声データを復号し、復号された映像データや音声データをデータ調整部85に供給する。符号化部104は、データ調整部85により調整された映像データや音声データを符号化し、符号化された映像データや音声データをデータ送信部102に供給する。例えば、コーデック部84においては、MPEG(Moving Picture Experts Group)2などの符号化方法が用いられる。
データ調整部85は、出力データ調整部105および入力データ調整部106により構成され、通信制御部81の制御のもと、接続優先度リストの情報である、接続優先度や相対方位情報に応じて(すなわち、接続優先度や相対方位情報に応じた重み付けをして)、入力される映像データのサイズ、透明度、および表示位置などの映像特性情報の調整や、または音声データの音量、音質、および音源位置などなどの音声特性情報の調整を行う。
出力データ調整部105は、復号部103からの映像データや音声データを、通信制御部81の制御のもと、各ノードの接続優先度や相対方位情報に応じた映像や音声に調整することにより、端末1内における映像データや音声データの通信バランスを制御し、混合器86に出力する。入力データ調整部106は、分配器87からの映像データや音声データを、通信制御部81の制御のもと、各ノードの接続優先度や相対方位情報に応じた映像や音声に調整することにより、端末1内における映像データや音声データの通信バランスを制御し、符号化部104に出力する。
すなわち、出力データ調整部105および入力データ調整部106においては、映像データおよび音声データ(以下、単にデータとも称する)を、各ノードの接続優先度や相対方位情報に応じて調整することにより、複数端末間の通信路の通信バランスではなく、端末1内における映像データおよび音声データの通信バランスが制御される。
なお、図3の例の場合、データ受信部101は、ノードB(端末1−2)からのデータAb1を受信するデータ受信部101−1、ノードN(端末1−3)からのデータAn1を受信するデータ受信部101−2、…として、通信相手に応じて分けて構成されており、データ送信部102は、ノードBに対してのデータAb2を送信するデータ送信部102−1、ノードNに対してのデータAn2を送信するデータ送信部102−2、…として、通信相手に応じて分けて構成されている。
また、出力データ調整部105は、ノードBからのデータAb1のサイズ、透明度、および表示位置などを調整する(すなわち、映像データの場合、サイズ、透明度、および表示位置などを調整し、音声データの場合、音量、音声、および音源位置などを調整する)出力データ調整部105−1、ノードNからのデータAn1を調整する出力データ調整部105−2、…として、通信相手に応じて分けて構成されている。
入力データ調整部106は、ノードBに対してのデータAb2を調整する入力データ調整部106−1、ノードNに対してのデータAn2を調整する入力データ調整部106−2、…として、通信相手に応じて分けて構成されている。
すなわち、データ受信部101−1は、ノードBからのデータAb1を受信し、復号部103を介して、出力データ調整部105−1に供給する。出力データ調整部105−1は、ノードBからの映像データAb1のサイズ、透明度、および表示位置など、ノードBからの音声データAb1の音量、音質、および音源位置などを、ノードBの接続優先度リストの情報に応じて調整し、混合器86に供給する。
データ受信部101−2は、ノードNからのデータAn1を受信し、復号部103を介して、出力データ調整部105−2に供給する。出力データ調整部105−2は、ノードNからの映像データAn1のサイズ、透明度、および表示位置など、ノードNからの音声データAn1の音量、音質、および音源位置などを、ノードNの接続優先度リストの情報に応じて調整し、混合器86に供給する。
また、入力データ調整部106−1は、分配器87からの映像データのサイズ、透明度、および表示位置など、分配器87からの音声データの音量、音質、および音源位置などを、ノードBの接続優先度リストの情報に応じて調整し、映像または音声データAb2として、符号化部104を介して、データ送信部102−1に供給する。データ送信部102−1は、ノードBに対してのデータAb2を、対応する端末1−2に送信する。
入力データ調整部106−2は、分配器87からの映像データのサイズ、透明度、および表示位置など、分配器87からの音声データの音量、音質、および音源位置などを、ノードNの接続優先度リストの情報に応じて調整し、映像または音声データAn2として、符号化部104を介して、データ送信部102−2に供給する。データ送信部102−2は、ノードNに対してのデータAn2を、対応する端末1−3に送信する。
混合器86は、出力データ調整部105−1、105−2、…からの調整された映像データや音声データを混合し、混合した映像データを、入出力インタフェース25を介して、表示部91から出力させたり、混合した音声データを、入出力インタフェース25を介して、音声出力部92から出力させる。
分配器87は、映像音声入力部93から入力された映像データや音声データを、入出力インタフェース25を介して入力し、入力データ調整部106−1、106−2、…に分配する。
GUI処理部88は、優先度情報取得変更部82からの接続優先度リストの情報に基づいて、所定の空間の座標系を表し、各ノードの位置を表すノードアイコンなどが配置されるレーダチャートを生成し、入出力インタフェース25を介して、表示部91に表示させる。
レーダチャート上には、接続優先度リストの情報に基づいて表示され、所定の空間における実際の各ノードの座標位置に対応するレーダチャート上の各ノードの位置を表すノードアイコンと、そのノードアイコンに対応するアイコンであり、ユーザの情報入力部27の操作に応じて、その位置が移動可能な分身アイコンが表示される。すなわち、分身アイコンは、レーダチャート上における各ノードの仮想的な位置を示している。
GUI処理部88は、また、ユーザの情報入力部27の操作に応じた位置を検出することで、ノードアイコンに対してのユーザの移動要求情報を取得し、ユーザの移動要求情報を、優先度情報取得変更部82に供給する。
表示部91は、混合器86からの映像データに対応する映像を表示したり、GUI処理部88により生成されるGUI画像(例えば、レーダチャート)を表示する。音声出力部92は、混合器86からの音声データに対応する音声を出力する。
映像音声入力部92は、撮像した映像に対応する映像データや集音した音声に対応する音声データを分配器87に供給する。なお、映像音声入力部93からの映像データまたは音声データは、一旦、記憶部22に記憶されるようにしてもよい。
なお、図14の例においては、出力データ調整部105が外部通信回線11−2を介して受信したデータを調整し、入力データ調整部106が映像音声入力部93から入力されたデータを調整するようにしたが、記憶部22に記憶されているデータを調整させてもよい。
例えば、記憶部22の接続優先リストに各ノードの映像または音声データがID情報に関連付けて登録されている場合には、接続優先度リストの情報を読み出す際に、映像または音声データも取得して、それを復号させたのち、出力データ調整部105に調整させて、表示部91に表示させたり、音声出力部92に出力させるようにしてもよい。
さらに、映像音声入力部93からのデータの代わりに、記憶部22に記憶されている映像データまたは音声データを読み出し、復号させた後、分配器87で分配させ、出力データ調整部105に調整させて、他の情報処理装置に送信させるようにしてもよい。
次に、図15のフローチャートを参照して、図14の内部通信処理部201により実行される内部通信制御処理の例を説明する。
なお、この制御処理は、図2の接続優先度解析部21により記憶され、逐次更新される接続優先度リスト、または、それが、さらに、ユーザの操作に応じて、図14の優先度情報取得変更部82により変更される接続優先度リストに基づいて実行される端末1−1の内部通信制御処理の例である。
図11のステップS28において、優先度算出部57は、接続優先度リストを記憶部22に登録させる。優先度情報取得変更部82は、記憶部22の接続優先度リストを監視し、接続優先度リストが登録されると、通信制御部81に通知する。通信制御部81は、優先度情報取得変更部82からの通知が入力されるのを待機しており、優先度情報取得変更部82からの通知が入力されたと判定した場合、図15の内部通信制御処理を開始する。
通信制御部81は、ステップS81において、データ送信部102−1を制御し、通信相手のノード(例えば、ノードBの端末1−2)と、外部通信回線11−2を介して接続させる。
このとき、データ送信部102−1は、外部通信回線11−2を介して、端末1−2に対して、ノードBのノードIDを要求する。端末1−2は、端末1−1からの要求を受信すると、外部通信回線11−2を介して、端末1−1に対して、ノードBのノードID情報を送信してくる。
データ受信部101−1は、端末1−2からのノードBのノードID情報を受信し、通信制御部81に供給する。通信制御部81は、ステップS82において、データ受信部101−1からノードBのノードID情報を取得し、優先度情報取得変更部82に供給する。なお、このとき、ノードID情報とともに、後述するノードBの許容情報も取得され、優先度情報取得変更部82に供給される。
優先度情報取得変更部82は、ステップS83において、記憶部22の接続優先度リストに、ノードBのノードIDがあるか否かを判定し、記憶部22の接続優先度リストに、ノードBのノードIDがあると判定した場合、処理は、ステップS84に進む。
優先度情報取得変更部82は、ステップS84において、ノードBに対応する接続優先度の情報を取得し、取得した接続優先度リストの情報を、通信制御部81に供給し、処理は、ステップS86に進む。
ステップS83において、記憶部22の接続優先度リストに、ノードBのノードID情報がないと判定された場合、処理は、ステップS85に進む。記憶部22の接続優先度リストに、ノードBのノードIDがないということは、ノードBの接続優先度や相対方位情報などの情報が設定されていない。
したがって、優先度情報取得変更部82は、ステップS85において、接続優先度および相対方位情報が設定されていないノードBに、規定の接続優先度リストの情報(すなわち、接続優先度および相対方位情報)を設定し、通信制御部81に供給するとともに、GUI処理部88に供給する。
なお、接続優先度リストにノードID情報がなく、接続優先度が設定されていない場合、ノードBとの接続を停止させるようにしてもよく、規定の接続優先度を設定するか、接続を停止させるかの設定は、ユーザaが情報入力部27を操作することなどで変更可能とされる。
ステップS86において、通信制御部81は、通信候補となるすべての通信相手と接続されたか否かを判定し、通信候補となるすべての通信相手と接続されていないと判定した場合、処理は、ステップS81に戻り、次の通信相手(例えば、ノードN)と、それ以降の処理が繰り返される。
ステップS86において、通信候補となるすべての通信相手と接続されたと判定された場合、ステップS87において、通信制御部81は、各ノードから受信されるデータを処理するデータ調整部85に対して、優先度情報取得変更部82からの接続優先度リストの情報のうち、必要に応じた情報(例えば、接続優先度と相対方位情報)を供給する。
ステップS88において、通信制御部81は、外部通信インタフェース83およびデータ調整部85を制御し、データ調整処理を実行する。このデータ調整処理の詳細は、図16のフローチャートを参照して後述する。
例えば、通信制御部81は、ステップS88において、受信部83を制御し、外部通信回線11−2を介して各ノードからの音声データを受信させ、出力データ調整部105を制御し、各ノードの接続優先度および相対方位情報に応じて、各ノードからの音声データの音量、音質、および音源位置を調整させ、接続優先度および相対方位情報に応じて調整された音声データに対応する音声を、音声出力部92に出力させる処理を行う。
これにより、音声出力部92を構成するスピーカからは、接続優先度および相対方位情報に応じて調整された音声データに対応する音声が出力される。
また、例えば、通信制御部81は、ステップS88において、映像音声入力部93により入力され、分配された映像データを、入力データ調整部106を制御し、各ノードの接続優先度および相対方位情報に応じて、各ノードに送信する映像データのサイズ、透明度、および表示位置を調整させ、接続優先度および相対方位情報に応じて調整された映像データを、送信部102を制御し、外部通信回線11−2を介して、各ノードに送信させる処理を行う。
これにより、各ノードの端末1の表示部91からは、接続優先度および相対方位情報に応じて調整された映像データに対応する映像が出力される。
なお、詳しくは、図27を参照して後述するが、ステップS86において、通信候補となるすべての通信相手と接続されたと判定された場合、優先度情報取得変更部82により、GUI処理部88に、接続優先度リストの情報が供給され、GUI処理部88により、優先度情報取得変更部82からの接続優先度リストの情報に基づいて、所定の空間の座標系を表し、各ノードの位置を表すアイコンが配置されるレーダチャートが生成され、入出力インタフェース25を介して、表示部91に表示される。
レーダチャート上には、接続優先度リストの情報(すなわち、所定の空間における各ノードの座標位置情報)に基づく各ノードの座標位置を表すノードアイコンと、そのノードアイコンに対応するアイコンであり、ユーザの情報入力部27の操作に応じて、その位置が移動可能な分身アイコンが表示される。
このレーダチャートを見たユーザによる情報入力部27の操作に応じて、優先度情報取得変更部82は、接続優先度リストの情報を変更し、変更した接続優先度リストの情報を、通信制御部81に供給するとともに、GUI処理部88に供給する。
通信制御部81は、ステップS89において、接続優先度リストの情報が変更されたか否かを判定する。通信制御部81は、優先度情報取得変更部82により変更された接続優先度リストの情報を受けると、ステップS89において、接続優先度リストの情報が変更されたと判定する。これにより、処理は、ステップS87に戻り、それ以降の処理を繰り返す。すなわち、このステップS87においては、通信制御部81により、データ調整部85に対して、変更された接続優先度および相対方位情報が供給されるので、変更された接続優先度および相対方位情報に基づいて、それ以降の処理が繰り返される。
ステップS89において、接続優先度リストの情報が変更されていないと判定された場合、通信制御部81は、ステップS90において、情報入力部27から入力されるユーザaの通信終了を指示する操作信号に基づいて、通信を終了するか否かを判定し、通信を終了しないと判定した場合、処理は、ステップS87に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
すなわち、この場合、変更されていない接続優先度および相対方位情報に応じたデータ調整処理が繰り返し実行される。
ステップS90において、通信制御部81は、情報入力部27から入力されるユーザaの通信終了を指示する操作信号に基づいて、通信を終了すると判定した場合、各端末と接続を停止する。これにより、内部通信制御処理は終了される。
次に、図16のフローチャートを参照して、図15のステップS87のデータ調整処理の例を説明する。図16の例においては、出力データ調整部105により各ノードからの音声データに対して実行されるデータ調整処理が示されている。
外部通信インタフェース83のデータ受信部101−1は、図16のステップS111において、通信制御部211の制御のもと、ノードBからの音声データを受信し、受信した音声データを復号部103に供給する。
復号部103は、ステップS112において、データ受信部101−1により受信された音声データを復号し、復号された音声データを出力データ調整部105−1に供給する。
出力データ調整部105−1は、ステップS113において、復号部103により復号された、ノードBからの音声データAb1の音量を、図15のステップS87において通信制御部81により供給されたノードBの接続優先度に応じて調整する。
出力データ調整部105−1は、ステップS114において、音量が調整されたノードBからの音声データAb1の音質を、図15のステップS87において通信制御部81により供給されたノードBの接続優先度に応じて調整する。なお、この音質調整処理には、例えば、帯域制限フィルタやぼかしフィルタが用いられる。
出力データ調整部105−1は、ステップS115において、音質が調整された音声データAb1から、右音声データAb1−1および左音声データAb1−2を生成し、図15のステップS87において通信制御部81により供給されたノードBの相対方位情報に応じて、左右の音声データの音声特性を調整する。なお、この音源位置調整処理には、例えば、音像定位デジタルフィルタが用いられる。
そして、出力データ調整部105−1は、右音声データAb1−1および左音声データAb1−2を混合器86に出力する。
なお、ステップS111乃至S115においては、データ受信部101−1がノードBからの音声データAb1を受信し、出力データ調整部105−1が処理する例を説明したが、この処理は、ノードNからの音声データAn1を受信し、処理するデータ受信部101−2および出力データ調整部105−2などにおいても同様に実行される。
混合器86は、ステップS116において、出力データ調整部105−1、105−2、…からの音声特性が調整された右音声データ、左音声データをそれぞれ混合し、混合した音声データに対応する音声を、入出力インタフェース25を介して、音声出力部92からそれぞれ出力させる。
これにより、ステレオスピーカなどで構成される音声出力部92からは、接続優先度などに応じて調整された音声が出力され、音声特性調整処理は終了される。そして、処理は、図15のステップS88に戻り、ステップS89に進む。
以上のように、複数のノードとの通信を行う際に、求められた各ノードの接続優先度に応じて、通信する音声データの特性として、音量、音質、および音源位置などが調整されるので、優先度の高いノードからの音声が大きく、明瞭に聞こえるようになり、優先度の低いノードからの音声が小さく、不明瞭に聞こえるようになり、さらに、十分な頭外感や方向感、現実感が得られる。
次に、図17のフローチャートを参照して、図15のステップS87において実行されるデータ調整処理の他の例を説明する。図17の例においては、入力データ調整部106により各ノードへ送信される映像データに対して実行されるデータ調整処理が示されている。
分配器87は、ステップS131において、映像音声入力部93から入出力インタフェース25を介して入力される、被写体の映像に対応する映像データを、入力データ調整部106−1、106−2、…に分配する。
例えば、分配器87は、分配した映像データを、ノードBに対しての映像データAb2として入力データ調整部106−1に出力し、ノードCに対しての映像データAc2として入力データ調整部106−2に出力する。
入力データ調整部106−1は、まず、ステップS132において、分配器87からのノードBに対しての映像データAb2のサイズを、図15のステップS87において通信制御部81により供給されたノードBの接続優先度に応じて調整する。
入力データ調整部106−1は、次に、ステップS133において、サイズが調整されたノードBに対しての映像データAb2の映像データの透明度(すなわち、明瞭度)の度合いを、図15のステップS87において通信制御部81により供給されたノードBの接続優先度に応じて調整する。
入力データ調整部106−1は、さらに、ステップS134において、透明度の度合いが調整されたノードBに対しての映像データAb2の映像データの画枠における表示位置を、図15のステップS87において通信制御部81により供給されたノードBの相対方位情報に応じて調整し、符号化部104に供給する。
ステップS135において、符号化部104は、データ調整部85により映像特性情報(すなわち、サイズ、透明度、表示位置)が調整された映像データを符号化し、符号化された映像データをデータ送信部102−1に供給する。
ステップS136において、データ送信部102−1は、通信制御部81の制御のもと、符号化部104により符号化された映像データを、外部通信回線11−2を介して対応するノードBの端末1−2に送信する。
なお、ステップS132乃至S136においては、入力データ調整部106−1がノードBに対しての映像データAb2を処理し、データ送信部102−1がノードBの端末1−2に送信する例を説明したが、この処理は、ノードNに対しての映像データAn2を処理し、送信する入力データ調整部106−2およびデータ送信部102−2などにおいても同様に実行され、映像特性調整処理は、終了される。そして、処理は、図15のステップS88に戻り、ステップS89に進む。
これにより、端末1−2の表示部92には、ノードAから受信され、ノードAにおけるノードBの接続優先度および相対方位情報に応じて調整されたノードAに対応する映像が表示される。
以上のように、複数のノードとの通信を行う際に、求められた各ノードの接続優先度に応じて、通信する映像データの特性として、サイズ、透明度、および表示位置などが調整されるので、優先度の高いノードからの映像が明瞭に目立つように表示され、優先度の低いノードからの映像が不明瞭に目立たないように表示される。
なお、上記説明においては、所定の空間(実空間や仮想空間)を共有する複数のノード間の通信バランスの制御において、ユーザが、振り向くなどの自然かつ簡単な動作、または、リモコンなどに設けられる方向指示ボタンなどで方向を指示することだけで、接続優先度や相対特性情報を変更させること、すなわち、接続優先度に応じて制御されるデータ処理を変更させることを説明した。
しかしながら、上述した所定の空間を共有する複数のノード間の通信バランスの制御は、所定の空間において規定される複数のノードの相互の位置関係を維持したまま、すなわち、所定の空間における複数のノードの相互の位置関係の制約に基づいて行われていたため、上述した接続優先度の更新処理だけでは、そのノードの相互の位置関係の制約以上の、ユーザのコミュニケーション要求に応じることができなかった。
それ故、あるノードと密接にコミュニケーションを行いたい場合には、実際に、ユーザは、振り向いたり、あるいは、移動したりすることで、所定の空間における複数のノードの相互の位置関係を変更しなければならなかった。しかしながら、このようなユーザが行う動作は、空間的に移動不可能であるなどの制約があったり、ユーザが動くことができないなどの状況的な制約があることから、困難になってしまう場合があった。
そこで、次に、所定の空間における複数のノードの相互の位置関係の制約を超えて、各ユーザが所望する最適な通信制御を行う方法を、以下に詳しく説明する。
これは、図14の優先度情報取得変更部82およびGUI処理部88により、接続優先度リストの情報に基づいて、所定の空間の座標系を表し、その座標系上に、各ノードの位置を表すアイコンなどが配置されるレーダチャートが表示され、レーダチャートに表示されるアイコンを移動させるユーザの操作に応じて実行される、接続優先度リストの情報の変更処理によって実現される。
図18は、図14の優先度情報取得変更部82およびGUI処理部88の詳細な構成例を示している。なお、図18の例において、入出力インタフェース25の図示は省略されている。
図18の例において、優先度情報取得変更部82は、優先度情報取得部211、許容情報取得提供部212、許容情報記憶部213、仮想位置算出部215、優先度情報変更部216、位置情報提供部217、および位置情報受信部218により構成される。
GUI処理部88は、GUI位置検出部221、GUI画像生成部222、およびGUI表示制御部223により構成される。
優先度情報取得部211は、記憶部22の接続優先度リストを監視し、接続優先度リストが登録されると、通信制御部81に通知する。また、優先度情報取得部211は、通信制御部81から供給されるID情報に対応する接続優先度リストの情報を記憶部22から取得し、取得した接続優先度リストの情報を、仮想位置算出部215に供給する。
その後、優先度情報取得部211は、通信制御部81から供給されたID情報に対応する接続優先度リストの情報を監視し、接続優先度リストの情報が変更されたと判定した場合、変更された接続優先度リストの情報を取得し、取得した接続優先度リストの情報を仮想位置算出部215に供給する。
許容情報取得提供部212は、図15の内部通信制御処理の処理開始時などに、情報入力部27を介して予め入力されるユーザの各通信相手に対する許容や制限の度合いを示す許容情報を取得する。
また、許容情報取得提供部212は、各ノードとの通信接続時に、ノードIDなどと同時に、通信相手の自己に対する許容情報を要求することで、通信制御部81により取得され、供給される許容情報を、許容情報記憶部213に記憶し、通信制御部81によりユーザの許容情報が要求された場合、許容情報記憶部213に記憶されるユーザの許容情報を、通信制御部81に提供する。
なお、許容情報は、通信制御部81によりユーザの許容情報が要求されるたびに、各ノードから取得するように構成することもできる。
許容情報記憶部213は、許容情報取得提供部212により取得される自己および他のノードのユーザの許容情報を記憶する。
許容情報は、通信相手に対して、どのくらい近くまで接近する(すなわち、どのくらいまで接続優先度を高くする)ことを許容するか、あるいは制限するかの許容の度合いを示す許容情報であり、通信相手に対して、ユーザに付帯され、通信相手に提供し得るユーザの様々な情報毎にもその許容情報が設定される。そして、この許容情報が示す、ユーザの様々な情報毎の許容度合いにより、ユーザの様々な情報の開示をどこまで許可するか制限するかが制限される。
このユーザの様々な情報は、例えば、ユーザが有する楽曲、映画(動画像および音声)、静止画像などのコンテンツのデータ、ユーザのニックネーム、ハンドルネーム、本名、住所、ユーザが有するサイトのURLなどのユーザの個人情報、ユーザとの会話(画像や音声)データ、そして、表示されるレーダチャート上におけるノードの位置情報などで構成される。
なお、許容情報は、通信相手毎ではなく、通信相手を所定のレベルに分け、レベル毎に設定することも可能である。
仮想位置算出部215は、優先度情報取得部211からの接続優先度リストの情報を入力すると、内蔵するメモリに記憶し、GUI画像生成部222に供給するとともに、優先度情報変更部216を介して、通信制御部81に供給する。
仮想位置算出部215は、GUI位置検出部221からユーザの移動要求情報が入力されると、入力されたユーザの移動要求情報と、許容情報記憶部213に記憶されているユーザおよび通信相手の許容情報に基づく、レーダチャート上において、ユーザにより移動が要求された移動対象のアイコンが対応するノードの仮想の位置を算出し、その仮想の位置情報を、GUI画像生成部222、優先度情報変更部216、および位置情報提供部217に供給する。
このとき、仮想の位置情報は、許容情報記憶部213のユーザの許容情報に基づいて、位置情報提供部217により、位置情報の開示が許容されているノードにも提供される。また、他のノードにより算出され、位置情報受信部218により受信された仮想の位置情報は、仮想位置算出部215を介して、GUI画像生成部222および優先度情報変更部216にも供給される。
また、仮想位置算出部215は、内蔵するタイマを用いて計時動作を行い、最後に仮想の位置が算出されてから所定の時間が経過したか否かを判定し、最後に仮想の位置が算出されてから所定の時間が経過したと判定した場合、算出された仮想の位置から、優先度情報取得部211により取得された接続優先度リストの位置情報(すなわち、所定の空間における実際の位置)に、所定の間隔で所定の量ずつ戻すための仮想の位置を算出し、その仮想の位置情報を、GUI画像生成部222および優先度情報変更部216に供給する。
さらに、仮想位置算出部215は、優先度情報取得部211から接続優先度解析部21により更新された接続優先度リストの情報が入力されると、更新前の情報との差分を算出し、記憶する接続優先度リストの情報を更新するとともに、その差分情報を、GUI画像生成部222および優先度情報変更部216に供給する。
優先度情報変更部216は、仮想位置算出部215からの接続優先度リストの情報を、通信制御部81に供給する。また、優先度情報変更部216は、仮想位置算出部215から仮想の位置情報や差分情報が入力されると、入力された仮想の位置情報や差分情報を、接続優先度リストの情報に反映させることで、接続優先度リストの情報を変更し、変更した接続優先度リストの情報を、通信制御部81に供給する。
位置情報提供部217は、許容情報記憶部213のユーザの許容情報に基づいて、仮想位置算出部215からの仮想の位置情報を、位置情報の開示が許容されているノードに、外部通信回線11−2を介して送信する。
位置情報受信部218は、外部通信回線11−2を介して、他のノードにより算出され、送信されてくる仮想の位置情報が受信されると、受信された仮想の位置情報を、仮想位置算出部215に供給する。
GUI位置検出部221は、ユーザの情報入力部27の操作が入力されると、GUI画像生成部222により生成されたレーダチャートを参照し、レーダチャート上の位置を検出することで、アイコンの移動が指示された場合の情報入力部27の操作を、ユーザの移動要求情報として、仮想位置算出部215に供給する。
GUI画像生成部222は、仮想位置算出部215からの接続優先度リストの情報や仮想の位置情報に基づいて、各ノードを表すアイコンが配置される所定の空間の座標系が表されるレーダチャートを生成し、GUI位置検出部221およびGUI表示制御部223に供給する。
詳しくは、後述するが、レーダチャート上には、接続優先度リストの情報に基づいて配置される、所定の空間の座標位置に相当する各ノードの位置を表すノードアイコンと、レーダチャート上における、そのノードアイコンに対応する仮想の位置を表し、ユーザの情報入力部27の操作に応じて、その位置が移動可能な分身アイコンが配置される。
すなわち、ノードアイコンのレーダチャート上における表示位置は、仮想位置算出部215からの接続優先度リストの情報に基づくものであり、分身アイコンのレーダチャート上における表示位置は、仮想位置算出部215からの接続優先度リストの情報や仮想の位置情報に基づくものである。
GUI表示生成部223は、GUI画像生成部222からの各アイコンが配置されるレーダチャートを、表示部91に出力させる。
図19は、ノードAの表示部91に表示されるレーダチャートの例を示している。図19の例においては、表示部91はLCDで構成され、タッチパネルである情報入力部27が積層されている場合を用いて説明する。
図19に示されるレーダチャート251は、図4を参照して説明したノードAの基準空間座標と同様に、自己(ノードA)を中心とした座標系で構成される円形のレーダチャートである。
レーダチャート251において、中心には、通信を行う複数のノードが共有する所定の空間におけるノードAの座標位置を表す黒い星型のノードアイコン261Aが配置されており、図中上方向が、ノードAの正面方向(0度)を表している。
また、レーダチャート251上において、所定の空間におけるノードB,ノードC,およびノードNとノードAとの相対的な座標位置に対応する位置には、それぞれ、ノードアイコン261よりも少し小さい黒い星型ノードアイコン262B,262C,および262Nが配置されている。
具体的には、レーダチャート251には、その中心のノードAのノードアイコン261から距離を表す複数の円(図19の例の場合、4つの円)が示されており、それらの半径がそれぞれ、最内周より順に、10m,20m,30m,40mを表すとする。この場合、ノードBのノードアイコン262Bは、図中上方向を向くノードAのノードアイコン261の位置に対して、反時計回りに略45度の方位で、略38mの位置に配置されており、ノードCのノードアイコン262Cは、図中上方向を向くノードAのノードアイコン261の位置に対して、時計回りに略90度の方位で、略32mの位置に配置されており、ノードNのノードアイコン262Nは、図中上方向を向くノードAのノードアイコン261の位置に対して、反時計回りに略135度の方位で、略27mの位置に配置されている。
すなわち、実際の所定の空間においても、ノードAの正面方向と位置に対して、反時計回りに略45度の方位で、略38mの位置には、ノードBが存在し、ノードAの正面方向と位置に対して、時計回りに略90度の方位で、略32mの位置には、ノードCが存在し、ノードAの正面方向と位置に対して、反時計回りに略135度の方位で、略27mの位置には、ノードNが存在している。
このレーダチャート251は、接続優先度リストの情報が、接続優先度解析部21により算出され、記憶部22に記憶されると、記憶部22に記憶される接続優先度リストの情報に基づいて生成されて、ノードAの表示部91に表示される。
このとき、並行して、同じ接続優先度リストの情報に基づいて、図15を参照して上述した内部通信制御処理により、例えば、音量、音質や、音源位置が調整された音声データに対応する音声が、音声出力部92から出力されており、これにより、ユーザの耳には、レーダチャート251における各ノードの方向から、それぞれの接続優先度に応じた大きさの音声が聞こえている。
以上のように表示されるレーダチャート251の状態において、ノードAのユーザは、ノードNからの音声をもう少しはっきり聞きたい場合、例えば、図20に示されるように、自己のノードアイコン261Aを、レーダチャート251上を移動させて、ノードNのノードアイコン262Nに近づけるため、自己のノードアイコン261Aが表示されるタッチパネル上に、指271を接触させ、接触させた指271をノードNのノードアイコン262Nの近傍に移動させる。
すなわち、ユーザは、他のノードとの通信に対する強い要求が発生すると、その要求を、自己のアイコンを、他のノードに近づけるように移動させる要求を入力することで、入力する。
これに対応して、優先度情報取得変更部82の仮想位置算出部215は、ユーザの指271の移動に応じて、レーダチャート251上におけるノードAの仮想の位置を算出し、GUI処理部88は、仮想位置算出部215により算出されたレーダチャート251上におけるノードAの仮想の位置に、ノードAの仮想の位置を表す白い星型の分身アイコン281Aを出現させる。
これにより、レーダチャート251上には、矢印Pに示されるように、分身アイコン281Aが、ノードアイコン261Aの代わりに、タッチパネルに接触されるユーザの指271の移動に伴って移動表示される。なお、このとき、ノードアイコン261Aの表示を薄くしてもよい。
また、優先度情報取得変更部82の優先度情報変更部216においては、仮想位置算出部215により算出されたノードAの仮想の位置に基づいて、接続優先度リストにおけるユーザAの位置情報が変更され、それに係る情報(相対位置情報や接続優先度)も変更される。
そして、内部通信処理部23においては、変更された接続優先度リストの情報に基づいて、内部通信制御処理が実行され、例えば、音声データの音量、音質や、音源位置が調整されて、音声出力部92から出力される。
これにより、ユーザの耳には、あたかも、自分が分身アイコン281Aの位置にいるかのように、レーダチャート251における分身アイコン281Aを中心とした各ノードの方向から、それぞれの変更された接続優先度に応じた大きさの音声が聞こえてくる。
すなわち、ノードNだけでなく、ノードBやノードCの接続優先度も変更されるので、ノードBやノードCからの音声データに対応する音声もそれに応じて出力されるようになる。
なお、この分身アイコン281Aの位置情報は、外部通信回線11−2を介して、通信を行う他のノードにも送信され、他のノードにおいても、分身アイコン281Aの表示が行われるとともに、接続優先度リストの情報も変更される。
また、この分身アイコン281Aは、ユーザの指271がタッチパネルから解放されてから、所定の時間が経過した後、図21の矢印Rに示されるように、予め設定された所定の割合(速度)で、レーダチャート251上におけるノードアイコン261Aの位置(すなわち、所定の空間における実際のノードAの位置)に戻るように移動表示され、最終的に、ノードアイコン261Aの位置に戻り、ノードアイコン261Aに隠れるが如く、分身アイコン281Aの表示は、レーダチャート251上から消える。
このときも、優先度情報取得変更部82においては、所定の割合で移動する、分身アイコン281Aの位置(すなわち、ノードAの仮想の位置)が算出されているので、算出されたノードAの仮想の位置に基づいて、接続優先度リストにおけるユーザAの位置情報が変更され、さらに、それに係る情報(相対位置情報や接続優先度)が変更される。
そして、内部通信処理部23においては、変更された接続優先度リストの情報に基づいて、内部通信制御処理が実行され、例えば、音声データの音量、音質や、音源位置が調整されて、音声出力部92から出力される。
これにより、ユーザの耳には、所定の割合で移動する、レーダチャート251における分身アイコン281Aを中心とした各ノードの方向から、分身アイコン281Aの移動と同じ割合で、それぞれの変更された接続優先度に応じた大きさの音声が聞こえ、最終的には、再び、図19のレーダチャート251における各ノードの方向から、それぞれの接続優先度に応じた大きさの音声が聞こえてくるようになる。
以上のように、所定の空間における複数のノード間での通信中に、所定の空間における座標系を表すレーダチャートを表示させ、ユーザによるレーダチャート上に配置されるアイコンの操作に応じて、複数のノードの接続優先度の情報が変更されるようにしたので、所定の空間を共有する複数のノード間の通信において、所定の空間における制約を超えて、ユーザの要求に応じた最適なコミュニケーションを、ユーザに提供することができる。
また、ユーザが、他のノードとのコミュニケーションを強く要求する場合に、表示される所定の空間における座標系を表すレーダチャート上に配置される自己のノード(の分身)を、他のノードに近づける操作を行うことで、端末に、自己のノードの移動要求情報(すなわち、コミュニケーションの要求情報)が入力されるようにしたので、ユーザにとって、操作と結果の対応付けがわかりやすく、ユーザは、簡単に、自分の要求に応じたコミュニケーションを行うことができる。
さらに、レーダチャート251上において、ユーザの要求に応じて移動された分身アイコン281Aは、所定の時間が経過した場合、所定の割合で、もとの位置(ノードアイコン261A)に戻り、それに伴い、複数のノードの接続優先度の情報も元の位置に戻すことができる。すなわち、複数のノードが供給する所定の空間の位置関係の制約を完全に破るわけではなく、時間がたつと、所定の空間の位置関係に戻る。これにより、所定の空間の位置関係の制約を超えたユーザの要求に応じたとしても、所定の空間の実際の位置関係を破綻させることがないコミュニケーション環境が提供される。
なお、レーダチャート251を円形で構成するようにしたが、もちろん円形に限定されず、多角形であってもよい。
次に、図22を参照して、レーダチャート251におけるユーザの要求に対する制限について説明する。
図22の例においては、図19のレーダチャート251上のノードNのノードアイコン262Nの周囲に、ノードアイコン262Nを中心とした小さな複数の円(図22の場合2つの円)からなるレーダチャート301が表示されている。
このレーダチャート301は、ノードNのノードAに対する許容情報における許容の度合い(レベル)を表すものである。例えば、レーダチャート301のうちの内側の円が、最も許容度が高いレベル1を表し、外側の円がレベル2を表しており、外側の円よりも外は、レベル3を現している。
例えば、ノードNが、ノードAに対して、レーダチャート301の外側の円より自分に近づく(すなわち、接続優先度を高くする)ことを許容していない(すなわち、レベル3を設定している)とする。
このような場合に、ノードAのユーザが、自己のノードアイコン261Aを、レーダチャート251上を移動させて、ノードNのノードアイコン262Nに近づけようとして、自己のノードアイコン261Aが表示されるタッチパネル上に、指271を接触させ、矢印P2に示されるように、接触させた指を、ノードNのレーダチャート301の内側の円の中まで移動させたとしても、ノードAの分身アイコン281Aは、矢印P1に示されるように、レーダチャート301の外側の円よりも内側に表示されず、ノードアイコン262Nに近づくことができない。
すなわち、分身アイコン281Aの移動(すなわち、ノードAの仮想の位置)は、ノードNの許容情報に制限され、レーダチャート301の外側の円上で停止されてしまうとともに、ノードAとノードNの接続優先度も、ノードNの許容情報に制限され、ノードNの許容情報を超えて高くなることはならない。
したがって、ノードAがいくらノードNとのコミュニケーションを高く要求したとしても、ノードNが拒む場合には、ノードAとノードNの接続優先度は、高くなることはない。これにより、ノードAの要求が、複数のノードが供給する所定の空間の位置関係の制約を超える場合においても、コミュニケーション相手にも不都合のない範囲で、ノードAの要求に応じたコミュニケーションが実現される。
なお、レーダチャート301は、換言するに、ノードAのノードNに対する許容情報における許容のレベルを表すものでもある。したがって、ノードAがいくらノードNとのコミュニケーションを高く要求したとしても、自己の許容情報が予め低めに設定されており、ノードAの許容情報が拒む場合にも、ノードAの分身アイコン281A(仮想の位置)が、ノードアイコン262Nに近づくことはなく、したがって、ノードAとノードNの接続優先度は、高くなることはない。すなわち、ノードの仮想の位置の移動は、自己と通信相手の相互の許容情報に応じて制限される。
ここで、上述した分身アイコンは、ノードAの、レーダチャート251上における仮想の位置を表すものとして説明したが、分身アイコンとともに、図23に示されるように、ノードAに付帯される情報のアイコンを表示させることもできる。
図23は、レーダチャート上に表示されるアイコンの例を示す図である。
図23の例においては、図中右側に、図22のノードNのノードアイコン262N(図示は省略)が配置されており、レーダチャート301における許容の各レベルを表す円301−1乃至301−4の一部が示されている。そして、図23の例の場合、円301−1は、最も内側の円であり、最も許容度の高いレベル1であり、円301−4は、最も外側の円であり、許容度の低いレベル4であり、円301−4の外は、最も許容度の低いレベル5を表している。
円301−4上には、図20の分身アイコン281Aに相当する、ノードAの仮想的な位置を表す分身アイコン331が表示され、その下には、ノードAが有する楽曲コンテンツを表す楽曲アイコン332、ノードAが有する映画(Movie)コンテンツを表す映像アイコン333、ノードAが有する静止画像コンテンツを表す画像アイコン334、ノードAのユーザに関するユーザ情報を表すIDアイコン335、およびノードAのユーザとの会話を表すユーザ会話アイコン336が並んで表示されている。
レーダチャート251において、ノードAの楽曲アイコン332がノードアイコン262Nに近づくと、楽曲に対してのノードAとノードNとの相対距離が近くなって、接続優先度が高くなり、ノードNに提供されるまたはノードNから提供される楽曲コンテンツが、その接続優先度に応じて調整されて出力される。例えば、楽曲アイコン332が、円301−4乃至301−1とだんだんノードNに近づくに連れて、それぞれのノードの端末1においては、最初は小さな音で出力されていた楽曲が明確に出力されてゆき、楽曲コンテンツの名前や、通信相手が有する楽曲コンテンツリストなど詳細な情報までが提示されるようになってゆく。
同様に、レーダチャート251において、ノードAの映像アイコン333がノードアイコン262Nに近づくと、映画コンテンツに対してのノードAとノードNとの相対距離が近くなって、接続優先度が高くなり、ノードNに提供されるまたはノードNから提供される映画コンテンツが、その接続優先度に応じて調整されて出力される。例えば、映像アイコン333が、円301−4乃至301−1とだんだんノードNに近づくに連れて、それぞれのノードの端末1においては、最初は小さなウインドウで出力されていた映画が大きく明確に出力されてゆき、映画コンテンツの名前や、通信相手が有する映画コンテンツリストなど詳細な情報までが提示されるようになってゆく。
レーダチャート251において、ノードAの画像アイコン334がノードアイコン262Nに近づくと、静止画像に対してのノードAとノードNとの相対距離が近くなって、接続優先度が高くなり、ノードNに提供されるまたはノードNから提供される静止画像コンテンツが、その接続優先度に応じて調整されて出力される。例えば、画像アイコン334が、円301−4乃至301−1とだんだんノードアイコン262Nに近づくに連れて、それぞれのノードの端末1においては、最初は小さなウインドウで出力されていた画像が大きく明確に出力されてゆき、画像コンテンツの名前や、画像コンテンツのアルバム名や、通信相手が有する画像コンテンツリストなど詳細な情報までが提示されるようになってゆく。
レーダチャート251において、ノードAのIDアイコン335がノードアイコン262Nに近づくと、ID情報に対してのノードAとノードNとの相対距離が近くなって、接続優先度が高くなり、ノードNに提供されるまたはノードNから提供されるユーザ情報が、その接続優先度に応じて調整されて出力される。例えば、IDアイコン335が、円301−4乃至301−1とだんだんノードアイコン262Nに近づくに連れて、それぞれのノードの端末1においては、最初は、ハンドル名などしか提示されなかった通信相手のユーザ情報が、通信相手のユーザの個人サイトやブログのURL情報、ユーザの趣味、さらに、ユーザの本名や住所などの詳細な情報までが提示されるようになってゆく。
レーダチャート251において、ノードAのユーザ会話アイコン336がノードアイコン262Nに近づくと、会話に対してのノードAとノードNとの相対距離が近くなって、接続優先度が高くなり、ノードNに提供されるまたはノードNから提供される通信相手のユーザとの会話が、その接続優先度に応じて調整されて出力される。例えば、ユーザ会話アイコン336が、円301−4乃至301−1とだんだんノードアイコン262Nに近づくに連れて、それぞれのノードの端末1においては、最初は、不明瞭な音声だけで出力されていた通信相手の音声が、だんだん明瞭に、そして、映像が付加され、されに、動画像が出力され、動画像での会話ができるようになってゆく。
以上のように、レーダチャート251において、ノードAの各アイコンとノードNのノードアイコンの距離が近づくに連れて、各アイコンが示す情報に対するそれぞれの許容度のレベルが高くなり、それぞれのノードにおいては、各アイコンが示す情報が多く開示されるようになってゆく。
ここで、図23の例においては、ノードAの許容情報における、ノードNに対して、会話の開示は、円301−3まで(すなわち、レベル4)、静止画像とユーザ情報の開示は、円301−2まで(すなわち、レベル3)、映画コンテンツの開示は、301−1まで(すなわち、レベル2)と制限されている場合を説明する。すなわち、ノードAに対してのノードNの許容情報は、説明の便宜上省略するが、実際の処理では、相互の許容情報が加味される。
この場合、ノードAのユーザの指271が、分身アイコン331(に対応するタッチパネル)に接触し、接触した指271が、最も外側の円301−4上を移動すると、分身アイコン331とともに、楽曲アイコン332、映像アイコン333、画像アイコン334、IDアイコン335、およびユーザ会話アイコン336が並んで移動する。
そこからさらに、分身アイコン331に接触した指271が、円301−4よりも内側の円301−3上を移動した場合には、分身アイコン331とともに、楽曲アイコン332、映像アイコン333、画像アイコン334、およびIDアイコン335は共に移動するが、ユーザ会話アイコン336の表示はレーダチャート251上から消えてしまう。
すなわち、ノードAのノードNに対する許容情報においては、ノードAのユーザの会話は、レベル4であり、円301−3で制限(拒否)されているので、円301−3にフィルタリングされ、対応するユーザ会話アイコン336は、それより中の領域では表示されない。
したがって、ノードAの要求に応じて、円301−3における接続優先度よりも接続優先度が高くなるように変更された接続優先度リストの情報に基づいて、ノードNに対するノードAの楽曲、映像、画像、およびIDの各データが調整されるので、ノードAの楽曲、映像、画像、およびIDの各情報は、より多くノードNに提供されるが、ノードAのユーザの会話のデータは、変更前の円301−3における接続優先度リストの情報に基づいて調整されることとなり、情報の開示はノードNに対して制限される。
分身アイコン331に接触した指271が、円301−3よりも内側の円301−2上を移動した場合には、分身アイコン331とともに、楽曲アイコン332、および映像アイコン333は共に移動するが、画像アイコン334およびIDアイコン335の表示はレーダチャート251上から消えてしまう。
すなわち、ノードAのノードNに対する許容情報においては、ノードAの静止画像とユーザ情報は、レベル3であり、円301−2で制限(拒否)されているので、円301−2にフィルタリングされ、対応する画像アイコン334とIDアイコン335は、それより中の領域では表示されない。
したがって、ノードAの要求に応じて、円301−2における接続優先度よりも接続優先度が高くなるように変更された接続優先度リストの情報に基づいて、ノードNに対するノードAの楽曲および映像の各データが調整されるので、ノードAの楽曲および映像の各情報は、より多くノードNに提供されるが、ノードAのユーザの画像およびIDの各データは、変更前の円301−2における接続優先度リストの情報に基づいて調整されることとなり、情報の開示はノードNに対して制限される。
さらに、分身アイコン331に接触した指271が、最も内側の円301−1上を移動した場合には、分身アイコン331とともに、楽曲アイコン332は共に移動するが、映像アイコン333の表示はレーダチャート251上から消えてしまう。
すなわち、ノードAのノードNに対する許容情報においては、ノードAの映画コンテンツは、レベル2であり、円301−1で制限(拒否)されているので、円301−1にフィルタリングされ、対応する映像アイコン333は、それより中の領域では表示されない。
したがって、ノードAの要求に応じて、円301−1における接続優先度よりも接続優先度が高くなるように変更された接続優先度リストの情報に基づいて、ノードNに対するノードAの楽曲のデータが調整されるので、ノードAの楽曲の情報は、より多くノードNに提供されるが、ノードAのユーザの映像のデータは、変更前の円301−1における接続優先度リストの情報に基づいて調整されることとなり、情報の開示はノードNに対して制限される。
なお、図23の例においては、接続優先度リストの情報に基づいて、ノードNに対するノードAのデータが調整が調整される例を説明したが、接続優先度リストの情報に基づいて、ノードAに対するノードNのデータを調整することもできる。
以上のように、各ノードにおいては、通信されるデータの種別毎に許容情報を設定することが可能であり、ユーザの要求だけでなく、要求とともにその相互の許容情報に応じて、接続優先度リストの情報は変更されるので、ユーザおよび通信相手に不都合のない範囲での、ユーザの要求に応じたコミュニケーションが実現される。
図24は、図23のアイコンの他の表示例を示している。
図24の例においては、図23の例と同様に、図中右側に、図示は省略するが、図22のノードNのノードアイコン262Nが配置されており、ノードNのノードAに対する、かつノードAのノードNに対する許容情報を表すレーダチャート301を構成する円301−1乃至301−4の一部が示されている。そして、円301−1は、最も内側の円であり、最も許容度の高いレベル1であり、円301−4は、最も外側の円であり、許容度の低いレベル4であり、円301−4の外は、最も許容度の低いレベル5である。
円301−4上には、分身アイコン331が表示され、その周囲に、楽曲アイコン332、映像アイコン333、静止画像コンテンツを表す画像アイコン334、IDアイコン335、およびユーザ会話アイコン336が接続されて1グループを構成するように表示されている。
図24の例においては、ノードNの許容情報における、ノードAに対して、会話と静止画像の開示は、円301−2まで(すなわち、レベル3)、ユーザ情報と楽曲の開示は、円301−1まで(すなわち、レベル2)と制限されている場合を説明する。すなわち、図23の例の場合とは逆に、ノードNに対してのノードAの許容情報は、説明の便宜上省略するが、実際の処理では、相互の許容情報が加味される。
なお、図23の例において接続優先度リストの情報に基づいて、ノードNに対するノードAのデータを調整することを上述したので、図24の例においては、接続優先度リストの情報に基づいて、ノードAに対するノードNのデータが調整される例を説明する。
この場合、ノードAのユーザの指271が、分身アイコン331(に対応するタッチパネル)に接触し、接触した指271が、最も外側の円301−4および301−3上を移動すると、分身アイコン331とともに、接続される楽曲アイコン332、映像アイコン333、画像アイコン334、IDアイコン335、およびユーザ会話アイコン336が移動する。
そこからさらに、分身アイコン331に接触した指271が、円301−3よりも内側の円301−2上を移動する際、分身アイコン331とともに、他の周囲のアイコンすべても共に移動するが、そのうち、画像アイコン334およびユーザ会話アイコン336が薄く(図中、点線)表示される。
すなわち、ノードNのノードAに対する許容情報においては、ノードNの静止画像コンテンツの提供およびユーザの会話は、レベル3であり、円301−2で制限(拒否)されているので、円301−2にフィルタリングされ、対応する画像アイコン334およびユーザ会話アイコン336は、それより中の領域では通常表示されない。
したがって、ノードAの要求に応じて、円301−2における接続優先度よりも接続優先度が高くなるように変更された接続優先度リストの情報に基づいて、ノードAに対するノードNの楽曲、映像、およびIDの各データが調整されるので、ノードNの楽曲、映像、およびIDの各情報は、より多くノードAに提供されるが、ノードNの画像およびユーザの会話の各データは、変更前の円301−2における接続優先度リストの情報に基づいて調整されることとなり、情報の開示はノードNに対して制限される。
分身アイコン331に接触した指271が、円301−1よりも内側の円301−1上を移動した場合には、分身アイコン331とともに、他の周囲のアイコンすべても共に移動するが、そのうち、画像アイコン334およびユーザ会話アイコン336に加えて、楽曲アイコン332およびIDアイコン335が薄く表示される。
すなわち、ノードNのノードAに対する許容情報においては、ノードNの楽曲とユーザ情報は、円301−1で制限(拒否)されているので、円301−1にフィルタリングされ、対応する楽曲アイコン332およびIDアイコン335は、それより中の領域では通常表示されない。
したがって、ノードAの要求に応じて、円301−1における接続優先度よりも接続優先度が高くなるように変更された接続優先度リストの情報に基づいて、ノードAに対するノードNの映像のデータが調整されるので、ノードNの映像の情報は、より多くノードAに提供されるが、ノードNの画像およびIDの各データは、変更前の円301−1における接続優先度リストの情報に基づいて調整されることとなり、情報の開示はノードAに対して制限される。
なお、アイコンの表示例は、図23および図24の例に限らない。また、図23の例において、フィルタリングされたアイコン(例えば、会話アイコン336)は、そのフィルタリングされた円(例えば、円301−3)上に残るように表示させることもできる。この場合に、残されたアイコンは、分身アイコン331が元の位置に戻る過程において、一緒に元の位置に戻るように表示される。
図25は、図19のレーダチャートの他の例を示している。
図25に示されるレーダチャート251の場合、表示部91におけるレーダチャート251の横には、スクロールバー351が表示される。
このスクロールバー351は、ノードAのユーザが、レーダチャート251に示されるノードアイコン262B,262C、および262Nに対応するすべてのノードに対して、コミュニケーションの要求度を高く(強く)したいときに、あるいは、低く(弱く)したいときに操作される。
例えば、ノードAのユーザが、スクロールバー351のスクロールサム351Aに対応するタッチパネル上に指271を接触させ、その指271(スクロールサム351A)を、図中上方向に移動させると、矢印F1に示されるように、レーダチャート251の距離を表す各円(点線)の位置から、ノードアイコン261A(レーダチャート251の中心)に向かって密に集まるように移動した各円(実線)が出現されたレーダチャート361が表示される。すなわち、レーダチャート361は、レーダチャート251よりも距離縮尺が密になっている。
このとき同時に、密になったレーダチャート361の縮尺に応じて算出された各ノードの仮想位置に応じて、各ノードアイコン262B,262C,および262Nに対応し、レーダチャート251上におけるノードB,C,Nの仮想の位置をそれぞれ表す、白い星型の分身アイコン371B,371C,371Nが、レーダチャート361上の各ノードアイコン262B,262C,および262Nの位置から、それぞれ、ノードアイコン261Aに近づいて移動表示されるとともに、算出された各ノードの仮想位置に応じて、ノードAと各ノードとの接続優先度も高く変更される。
これにより、ノードAのユーザは、一度の操作で、通信を行っているすべてのノードのユーザと、より密接なコミュニケーションを行うことができる。
一方、図26の例においては、ノードAのユーザが、スクロールバー351のスクロールサム351Aに対応するタッチパネル上に指271を接触させ、その指271(スクロールサム351A)を、図中下方向に移動させている。
図26の例の場合、矢印F2に示されるように、レーダチャート251の距離を表す各円(点線)から、ノードアイコン261A(レーダチャート251の中心)に対して、離れるように移動した各円(実線)が出現されたレーダチャート381が表示される。すなわち、レーダチャート381は、レーダチャート251よりも距離縮尺が疎になっている。
このとき同時に、疎になったレーダチャート381の縮尺に応じて算出された各ノードの仮想位置に応じて、各分身アイコン371B,371C,371Nが、レーダチャート381上の各ノードアイコン262B,262C,および262Nの位置から、それぞれ、ノードアイコン261Aよりさらに離れるように移動表示されるとともに、算出された各ノードの仮想位置に応じて、ノードAと各ノードとの接続優先度も低く変更される。
これにより、ノードAのユーザは、一度の操作で、通信を行っているすべてのノードのユーザと、より疎遠なコミュニケーションを行うことができる。
なお、レーダチャート251において距離を表す各円は、縮尺移動後のレーダチャート361および381では、点線で示され、縮尺移動後の円は、実線で示されており、上述したノードAの分身アイコン281Aのように、スクロールサム351Aに対応するタッチパネル上に指271が離れてから、所定の時間が経過すると、予め設定された所定の割合(速度)で、点線で示される縮尺移動前の位置に戻り、これに応じて、分身アイコン371B,371C,371Nも、ノードアイコン262B,262C,および262Nにそれぞれ戻り、最終的に、レーダチャート251の表示に戻る。
次に、図27のフローチャートを参照して、図18の優先度情報取得変更部82およびGUI処理部88による優先度情報変更処理について説明する。
上述した図15のステップS85において、通信候補となるすべての通信相手と接続されたと判定された場合、優先度情報取得変更部82の仮想位置算出部215は、記憶部22から優先度情報取得部211により取得された通信候補となるすべての通信相手の接続優先度リストの情報を、GUI画像生成部222に供給する。
GUI画像生成部222は、ステップS201において、仮想位置算出部215からの接続優先度リストの情報に基づいて、各ノードを表すアイコンが配置される所定の空間の座標系を表すレーダチャートを生成し、GUI位置検出部221およびGUI表示制御部223に供給する。GUI表示制御部223は、GUI画像生成部222からのレーダチャートを、表示部91に出力させる。
これにより、例えば、ノードアイコン261Aが中心に配置され、各ノードアイコン261Aからの相対位置に、ノードアイコン262B,262C,および262Nが配置される図19のレーダチャート251が表示される。
また、図15のステップS87においては、各ノードから受信された音声データが、接続優先度リストの情報に基づいて、データ調整処理が実行され、データ調整された音声データに対応する音声が、音声出力部92を構成するスピーカから出力されている。
例えば、ノードAのユーザは、ノードNのユーザとのコミュニケーションをより強く要求するために、図20を参照して上述したように、自己のノードアイコン261Aを、レーダチャート251上を移動させて、ノードNのノードアイコン262Nに近づけるために、自己のノードアイコン261Aが表示されるタッチパネル(情報入力部27)上に、指を接触させ、接触させた指を、ノードNのノードアイコン262Nの近傍に移動させる。
あるいは、ノードAのユーザは、図25を参照して上述したように、自己のノードアイコン261Aに、他のノードアイコン262を近づけるために、スクロールサム351Aが表示されるタッチパネル上に指を接触させ、その指(スクロールサム351A)を上方向に移動させる。なお、スクロールサムの場合も、スクロールサムの移動に応じて、結果的にアイコンが移動する。
GUI位置検出部221は、ステップS202において、ユーザの情報入力部27の操作が入力されると、GUI画像生成部222により生成されたレーダチャートを参照し、レーダチャート上の位置を検出して、レーダチャート上のアイコンの移動が指示されたか否かを判定する。
ステップS202において、レーダチャート上のアイコンの移動が指示されたと判定された場合、GUI位置検出部221は、ユーザの移動要求情報を、仮想位置算出部215に供給し、仮想位置算出部215は、ステップS203において、仮想位置算出反映処理を実行する。この仮想位置算出反映処理の詳細は、図28を参照して後述する。
ステップS203の仮想位置算出反映処理により、ユーザの移動要求情報、および各ユーザの許容情報に基づいて、移動対象のアイコンが対応するノードの仮想の位置が算出され、その仮想の位置情報に基づいて、接続優先度リストの情報、およびレーダチャートの表示が変更され、変更された接続優先度リストの情報が通信制御部81に供給されるとともに、変更されたレーダチャートが表示部91に表示される。さらに、そのノードの仮想の位置情報が、外部通信回線11−2を介して、他のノードに送信される。
ステップS202において、レーダチャート上のアイコンの移動が指示されていないと判定された場合、処理は、ステップS203をスキップし、ステップS204に進む。
ステップS204において、仮想位置算出部215は、内蔵するタイマを用いて計時動作を行い、最後に仮想位置が算出されてから、所定の時間が経過したか否かを判定する。
すなわち、ステップS204においては、ステップS203における仮想位置算出反映処理または前回のステップS205における戻り仮想位置算出反映処理が実行され、算出された仮想の位置が、接続優先度およびレーダチャートに反映されてから、所定の時間が経過したか否かが判定される。
ステップS204において、最後に仮想の位置が算出されてから、所定の時間が経過したと判定された場合、ステップS205において、仮想位置算出部215は、戻り仮想位置算出反映処理を実行する。この戻り仮想位置算出反映処理の詳細は、図30を参照して後述する。
ステップS205の戻り仮想位置算出反映処理により、元のノードの位置情報、移動したアイコンに対応するノードの仮想の位置情報に基づいて、移動したアイコンが対応するノードが所定の割合で元の位置に戻るために経過する途中の仮想の位置(戻り位置とも称する)が算出される。そして、その戻り位置情報に基づいて、接続優先度リストの情報、およびレーダチャートの表示が変更され、変更された接続優先度リストの情報が通信制御部81に供給されるとともに、変更されたレーダチャートが表示部91に表示される。さらに、その算出されたノードの戻り位置情報が、外部通信回線11−2を介して、他のノードに送信される。
ステップS204において、レーダチャート上のアイコンの移動が指示されていないと判定された場合、処理は、ステップS205をスキップし、ステップS206に進む。
ステップS206において、位置情報受信部218は、外部通信回線11−2を介して、他のノードからの仮想の位置情報が受信されたか否かを判定し、他のノードからの仮想の位置情報が受信されたと判定した場合、受信された他のノードからの仮想の位置情報を、仮想位置算出部215に供給し、ステップS207において、仮想位置算出部215は、位置情報反映処理を実行する。この位置情報反映処理の詳細は、後述する図28のステップS235における位置情報反映処理の例と基本的に同様の処理を行う。この位置情報反映処理は、図29を参照して後述される。
ステップS207の位置情報反映処理により、接続優先度リストの情報およびレーダチャートの表示に、他のノードからの仮想の位置情報が反映されて、接続優先度リストの情報およびレーダチャートの表示が変更され、変更された接続優先度リストの情報が通信制御部81に供給されるとともに、変更されたレーダチャートが表示部91に表示される。
ステップS206において、他のノードからの仮想の位置情報が受信されていないと判定された場合、処理は、ステップS207をスキップし、ステップS208に進む。
ステップS208において、優先度情報取得部211は、記憶部22の接続優先度リストが接続優先度解析部21により更新されたか否かを判定し、接続優先度リストが接続優先度解析部21により更新されたと判定した場合、更新された接続優先度リストの情報を、仮想位置算出部215に供給し、仮想位置算出部215は、ステップS209において、更新情報反映処理を実行する。この更新情報反映処理の詳細は、図31を参照して後述する。
ステップS208の更新情報反映処理により、更新された接続優先度リストの情報と、更新前の接続優先度リストの情報の差分情報が算出され、接続優先度リストの情報およびレーダチャートの表示に、算出された差分情報が反映され、接続優先度リストの情報およびレーダチャートの表示が変更され、変更された接続優先度リストの情報が通信制御部81に供給されるとともに、変更されたレーダチャートが表示部91に表示される。
ステップS208において、接続優先度リストが接続優先度解析部21により更新されていないと判定された場合、処理は、ステップS209をスキップし、ステップS210に進む。
ステップS210において、仮想位置算出部215は、情報入力部27およびGUI位置検出部221を介して入力されるユーザの操作に対応して、優先度情報変更処理を終了するか否かを判定する。ステップS210において、優先度情報変更処理を終了すると判定された場合、優先度情報変更処理は、終了される。
一方、ステップS210において、優先度情報変更処理をまだ終了しないと判定された場合、処理は、ステップS202に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
次に、図28のフローチャートを参照して、図27のステップS203の仮想位置算出反映処理を説明する。
仮想位置算出部215は、ステップS231において、GUI位置検出部221から入力されるユーザの移動要求情報を取得する。
仮想位置算出部215は、ステップS232において、許容情報記憶部213からユーザの許容情報を取得し、ステップS233において、許容情報記憶部213から他のノードのユーザの許容情報を取得する。
そして、仮想位置算出部215は、ステップS234において、ユーザの移動要求情報および各ユーザの許容情報に基づいて、ユーザが移動を所望した移動対象のアイコンに対応するノードの仮想の位置を算出する。
すなわち、仮想位置算出部215は、ユーザの移動要求情報が示す移動要求が各ユーザの許容情報により許容されるか制限されるかを判定し、ユーザの移動要求が各ユーザの許容情報により許容されると判定した場合には、ユーザの移動要求に基づいて、移動対象のアイコンに対応するノードの仮想の位置を算出する。
また、ユーザの移動要求が各ユーザの許容情報により許容されないと判定された場合には、各ユーザの許容情報により許容される範囲に基づいて、移動対象のアイコンに対応するノードの仮想の位置を算出する。
仮想位置算出部215は、ステップS235において、算出したノードの仮想の位置を仮想の位置情報として、優先度情報変更部216およびGUI画像生成部222に供給し、位置情報反映処理を実行させる。この位置情報反映処理の詳細を、図29のフローチャートを参照して説明する。
優先度情報変更部216は、ステップS251において、仮想位置算出部215からのノードの仮想の位置情報を基に、接続優先度リストの情報を変更し、ステップS252において、変更した接続優先度リストの情報を、通信制御部81に供給する。
すなわち、ノードの仮想の位置情報に基づいて、接続優先度リストの情報における、移動対象のノードの位置情報が変更され、変更された位置情報に応じて、接続優先度リストの情報において、それに係る接続優先度や、相対位置情報などが変更される。
これに対応して、上述した図15のステップS88において、通信制御部81により接続優先度リストの情報が変更されたと判定され、処理は、ステップS86に戻り、変更された接続優先度リストの情報に基づいて、データ調整部85によるデータ調整処理が実行される。
一方、ステップS253において、GUI画像生成部222は、レーダチャートの表示に、仮想位置算出部215からのノードの仮想の位置情報を反映させる。すなわち、GUI画像生成部222は、ステップS253において、仮想の位置情報を基に、表示を変更させたレーダチャートを生成し、生成したレーダチャートの画像を、GUI位置検出部221およびGUI表示制御部223に供給する。
GUI表示制御部223は、ステップS254において、GUI画像生成部222からにより仮想の位置情報が反映されたレーダチャートを、表示部91に表示させる。
この後、処理は、図28のステップS235に戻り、ステップS236に進む。ステップS236において、仮想位置算出部215は、許容情報記憶部213の自己および他のノードのユーザの許容情報を参照し、位置情報の開示が許容されているノードに、算出された仮想の位置情報を、位置情報提供部217に、外部通信回線11−2を介して送信させる。
これにより、仮想位置算出反映処理は、終了し、図27のステップS203に戻り、ステップS204に進む。
次に、図30のフローチャートを参照して、図27のステップS205の戻り仮想位置算出反映処理を説明する。
ステップS271において、仮想位置算出部215は、元のノードの位置情報、移動したアイコンに対応するノードの仮想の位置情報に基づいて、移動したアイコンに対応するノードが所定の割合で元の位置に戻るために経過する途中のノードの戻り仮想位置(戻り位置)を算出する。
仮想位置算出部215は、ステップS272において、算出したノードの戻り位置情報を、優先度情報変更部216およびGUI画像生成部222に供給し、位置情報反映処理を実行させる。この戻り位置情報反映処理の詳細は、図29を参照して上述した位置情報反映処理と基本的に同様の処理を行うため、その説明は省略する。
ステップS272の戻り位置情報反映処理により、算出されたノードの戻り位置情報に基づいて、接続優先度リストの情報、およびレーダチャートの表示が変更され、変更された接続優先度リストの情報が、通信制御部81に供給されるとともに、変更されたレーダチャートが表示部91に表示される。
ステップS273において、仮想位置算出部215は、許容情報記憶部213の自己および他のノードのユーザの許容情報を参照し、位置情報の開示が許容されているノードに、算出した仮想の戻り位置情報を、位置情報提供部217に、外部通信回線11−2を介して送信させる。
これにより、戻り仮想位置算出反映処理は、終了し、図27のステップS205に戻り、ステップS206に進む。
次に、図31のフローチャートを参照して、図27のステップS209の更新情報反映処理を説明する。
ステップS291において、仮想位置算出部215は、優先度情報取得分部211からの接続優先度解析部21により更新された接続優先度リストの情報と、更新前の接続優先度リストの情報の差分を算出し、その差分情報を、優先度情報変更部216およびGUI画像生成部222に供給する。
ステップS292において、優先度情報変更部216は、仮想位置算出部215からの差分情報を基に、接続優先度リストの情報を変更し、ステップS293において、変更した接続優先度リストの情報を、通信制御部81に供給する。
これに対応して、上述した図15のステップS88において、通信制御部81により接続優先度リストの情報が変更されたと判定され、処理は、ステップS86に戻り、変更された接続優先度リストの情報に基づいて、データ調整部85によるデータ調整処理が実行される。
ステップS294において、GUI画像生成部222は、レーダチャートの表示に、仮想位置算出部215からの差分情報を反映させる。すなわち、GUI画像生成部222は、ステップS294において、差分情報を基に、表示を変更させたレーダチャートを生成し、生成したレーダチャートの画像を、GUI位置検出部221およびGUI表示制御部223に供給する。
GUI表示制御部223は、ステップS295において、GUI画像生成部222からにより差分情報が反映されたレーダチャートを、表示部91に表示させる。
ステップS295の処理の後、更新情報反映処理は、終了し、図27のステップS209に戻り、ステップS210に進む。
以上のように、所定の空間における複数のノード間での通信中、所定の空間における座標系を表すレーダチャートを表示させ、他のノードとのコミュニケーションを要求するユーザの操作に応じて、レーダチャート上におけるノードの仮想位置を算出し、算出されたノードの仮想位置に応じて、複数のノードの接続優先度の情報を変更し、変更された情報に応じて、通信バランスを制御するようにしたので、所定の空間における各ノードの位置関係の制約を超えても、ユーザは、所望の通信バランスでのコミュニケーションを行うことができる。
すなわち、ユーザは、空間的に移動不可能であるなどの制約があったり、ユーザが動くことができないなどの状況的な制約があったとしても、所望の通信バランスでのコミュニケーションを行うことができる。
また、他のノードとのコミュニケーションを要求する場合に、レーダチャート上において、自己のノードの分身を、他のノードに近づける操作を行うことで、その要求情報が入力されるようにしたので、操作と結果の対応付けがわかりやすくなり、ユーザは、簡単に、コミュニケーションに対する自分の要求を入力することができる。
さらに、ユーザにより移動された分身アイコン281Aは、所定の時間が経過した場合、所定の割合で、もとの位置(ノードアイコン261)に戻り、それに伴い、複数のノードの接続優先度の情報も元に戻るようにしたので、所定の空間における実際の位置関係を破綻されることがないコミュニケーション環境を提供することができる。
また、ユーザの操作(要求)だけでなく、各ノード間の許容情報に基づいて、レーダチャート上におけるノードの仮想位置を算出するようにしたので、ノード相互にとって不都合のないコミュニケーション環境を提供することができる。
なお、上記説明においては、レーダチャート上において、自分のノードアイコン(に対応する分身アイコン)を、通信相手のノードアイコンに近づけるように操作したが、図32に示されるように、通信相手のノードアイコン(に対応する分身アイコン)を、自己のノードアイコンに近づけることも可能である。
以下、上述したレーダチャート251の他の表示例について説明する。
図32の例においては、レーダチャート251と同じ構成のレーダチャート401が示されている。すなわち、レーダチャート401において、中心には、所定の空間における自己のノード(ノードA)の座標位置を表すノードアイコン261Aが配置されており、所定の空間におけるノードB,ノードC,およびノードNとノードAとの相対的な位置に対応する位置には、それぞれ、ノードアイコン262B,262C,および262Nが配置されている。
このようなレーダチャート401の状態において、ノードAのユーザがノードCからの音声をもう少しはっきり聞きたい場合、ノードAのユーザは、例えば、ノードCのノードアイコン262Cを、レーダチャート401上を移動させて、自己のノードアイコン261Aに近づけるために、ノードCのノードアイコン262Cが表示されるタッチパネル上に、指271を接触させ、接触させた指271をノードAのノードアイコン261Aの近傍に移動させる。
優先度情報取得変更部82の仮想位置算出部215は、ユーザの指271の移動に応じて、レーダチャート401上のノードCの仮想の位置を算出する。これに対応して、GUI処理部88は、レーダチャート401上のノードアイコン262Cの位置から、レーダチャート401上における仮想的なノードの位置を表す、白い星型の分身アイコン411Cを出現させ、矢印Pに示されるように、分身アイコン411Cを、ノードアイコン262Cの代わりに、タッチパネルに接触されるユーザの指271の移動に伴って移動表示させる。
また、優先度情報取得変更部82の優先度情報変更部216においては、仮想位置算出部215により算出されたノードCの仮想の位置に基づいて、接続優先度リストにおけるユーザCの位置情報が変更され、それに係る情報(相対位置情報や接続優先度)も変更される。
そして、図19の例の場合と同様に、内部通信処理部23においては、変更された接続優先度リストの情報に基づいて、内部通信制御処理が実行され、例えば、音声データの音量、音質や、音源位置が調整されて、音声出力部92から出力される。
これにより、ユーザの耳には、あたかも、ノードCが分身アイコン411Cの位置にいるかのように変更された接続優先度に応じた大きさの音声が聞こえてくる。
そして、この分身アイコン411Cも、図21の例の場合と同様に、ユーザの指271がタッチパネルから解放されてから、所定の時間が経過した後、図33の矢印Rに示されるように、予め設定された所定の割合(速度)で、レーダチャート401上におけるノードアイコン262Cの位置(すなわち、所定の空間における実際のノードCの位置)に戻るように、分身アイコン411C−1、分身アイコン411C−2、および分身アイコン411C−3と移動表示され、最終的に、ノードアイコン262Cの位置に戻り、ノードアイコン262Cに隠れるが如く、分身アイコン411Cの表示は、レーダチャート401上から消える。
また、優先度情報取得変更部82においても、図21の例の場合と同様に、所定の割合で移動するように、算出されている分身アイコン411C(すなわち、ノードCの仮想の位置)の位置に基づいて、接続優先度リストにおけるノードCの位置情報が変更される。
なお、図33の例の場合、レーダチャート401上には、分身アイコン411C−1、分身アイコン411C−2、分身アイコン411C−3として、分身アイコン411Cが、元のノードアイコン262Cの位置に近づく軌跡が残るように表示が制御されており、さらに、元のノードアイコン262Cの位置に近づくにつれ、分身アイコンが濃くなるように表示が制御されている。
図34は、図22のユーザの要求に対する制限の他の例を示している。
図34の例においては、図32のレーダチャート401において中心(ノードアイコン261A)からの距離を示す各円が、ノードアイコン262Cを避けるように歪んで表示されている。
すなわち、ノードAのユーザが、図32の例の場合と同様に、ノードCのノードアイコン262Cが表示されるタッチパネル上に、指271を接触させ、接触させた指271をノードA(自己)のノードアイコン261Aの近傍に移動させようとする。
しかしながら、例えば、ノードCが、ノードAに対して自分に近づく(すなわち、接続優先度を高くする)ことを許容していない場合には、ノードAのユーザが、指271を接触させることで、ノードCのノードアイコン262Cを自己のノードアイコン261Aに近づけようとしても、ノードAを中心としたレーダチャート251の円に移動表示されることが拒否され、図22のように、レーダチャート301は表示されないが、図34に示されるように、ノードアイコン262Cの周囲にバリアが張られたように、各円が歪んで表示される。
なお、この場合も、ノードAとノードCの接続優先度も、ノードCの許容情報に制限され、ノードCの許容情報を超えて高くなることはならない。
したがって、図34の例の場合も、ノードAがいくらノードCとのコミュニケーションを高く要求したとしても、ノードCが拒む場合には、ノードAとノードCの接続優先度は、高くなることはない。これにより、ノードAの要求が、複数のノードが供給する所定の空間の位置関係の制約を超える場合においても、コミュニケーション相手にも不都合のない範囲で、ノードAの要求に応じたコミュニケーションが実現される。
図35は、レーダチャート上に表示される図23のアイコンの他の例を示す図である。
図35の例においては、レーダチャート401のノードアイコン262Cの傍らに、黒い音符アイコン431Cが表示されている。この音符アイコン431Cは、図23を参照して上述した楽曲アイコン332に相当するものであり、ノードCが有する楽曲コンテンツを表している。なお、この場合、表示を見やすくするために、ノードアイコン262Cの傍らに音符アイコン431Cが表示されているが、実際には、ノードアイコン262Cと同じ位置に存在する。
図35の例の場合、ノードAのユーザは、例えば、ノードCのノードアイコン262Cではなく、その傍らの音符アイコン431Cが表示されるタッチパネル上に、指271を接触させ、接触させた指271をノードA(自己)のノードアイコン261Aの近傍に移動させようとする。
これに対応して、優先度情報取得変更部82の仮想位置算出部215は、指271の移動に応じて、レーダチャート251上におけるノードCの仮想の位置を算出する。これに対応して、GUI処理部88は、レーダチャート401上の音符アイコン431Cの位置から、レーダチャート401上における仮想的な楽曲コンテンツがある位置(すなわち、ノードCの位置)を示す、白い音符の分身アイコン432Cを出現させ、矢印PCに示されるように、音符の分身アイコン432Cを、音符アイコン431Cの代わりに、タッチパネルに接触されるユーザの指271の移動に伴って移動表示させる。
また、優先度情報取得変更部82の優先度情報変更部216においては、仮想位置算出部215により算出されたノードCの仮想の位置に基づいて、接続優先度リストにおけるユーザCの位置情報が変更され、それに係る情報(相対位置情報や接続優先度)も変更される。
そして、内部通信処理部23においては、変更された接続優先度リストの情報に基づいて、内部通信制御処理が実行され、例えば、楽曲の音声データの音量、音質や、音源位置が調整されて、音声出力部92から出力される。
これにより、音声出力部92からの音声におけるノードCが有する楽曲の音声は、ユーザの耳には、あたかも、音符の分身アイコン432Cから聞こえるかのように、また、変更された接続優先度に応じた大きさの音声が聞こえてくる。
なお、図35の例の場合には、ノードCからの楽曲の音声データのみが、変更された接続優先度に応じて調整され、仮に映像データも通信されていた場合には、映像データは、変更されていない接続優先度に応じて調整される。
また、この音符の分身アイコン432Cも、図21の例の場合と同様に、ユーザの指271がタッチパネルから解放されてから、所定の時間が経過した後、図36の矢印RCに示されるように、予め設定された所定の割合(速度)で、レーダチャート401上における音符アイコン431Cの位置(すなわち、所定の空間における実際のノードCの位置の近傍)に戻るように、移動表示され、最終的に、音符アイコン431Cの位置に戻り、音符アイコン431Cに隠れるが如く、音符の分身アイコン432Cの表示は、レーダチャート401上から消える。
図37は、レーダチャート上に表示されるノードアイコンの他の例を示している。
図37の例のレーダチャート401において、図32の例の場合と同様に、中心には、所定の空間におけるノードAの座標位置を表すノードアイコン261Aが配置されており、所定の空間におけるノードB,ノードC,およびノードNとノードAとの相対的な位置に対応する位置には、それぞれ、ノードアイコン262B,262C,および262Nが配置されている。
さらに、図37の例の場合、中心(ノードアイコン261A)からの距離を示す最も外側の円のさらに外側(すなわち、レーダチャート401の外側)には、円が表す距離縮尺とは無関係に、円が表す距離縮尺では表せないほど遠くに存在するノードのノードアイコン451D,451E,451Fが配置されている。すなわち、レーダチャート401が可視範囲の空間座標系を表している場合、レーダチャート401の外側は、可視範囲に存在しないノードが表示される領域であり、図37の場合の表示部92には、レーダチャート401上の実際の空間座標系と、レーダチャート401の外の仮想座標系が融合して表示されている。
例えば、レーダチャート401の中心である東京に存在するノードAに対して、レーダチャート401の外側には、ニューヨークにいるノードDのノードアイコン451D、ロンドンにいるノードEのノードアイコン451E、パリにいるノードFのノードアイコン451Fが黒丸で表示されている。
なお、このレーダチャート401の外側において、各ノードの方位情報は、加味されていてもよいし、されていなくてもよい。
このようなレーダチャート401の状態において、ノードAのユーザが、ノードEからの音声をもう少しはっきり聞きたい場合、ノードAのユーザは、例えば、ノードEのノードアイコン451Eを、レーダチャート441上を移動させて、自己のノードアイコン261Aに近づけるために、ノードEのノードアイコン451Eが表示されるタッチパネル上に、指271を接触させ、接触させた指271をノードA(自己)のノードアイコン261Aの近傍に移動させる。
これに対応して、優先度情報取得変更部82の仮想位置算出部215は、ユーザの指271の移動に応じて、レーダチャート251上におけるノードEの仮想の位置を算出する。GUI処理部88は、仮想位置算出部215により算出された、レーダチャート401上におけるノードEの仮想の位置を表す、白丸の分身アイコン452Eを出現させる。これにより、矢印PEに示されるように、分身アイコン452Eは、ノードアイコン451Eの代わりに、レーダチャート401上のノードアイコン451Eの位置から、タッチパネルに接触されるユーザの指271の移動に伴って移動表示させる。
また、仮想位置算出部215により算出されたノードEの仮想の位置に基づいて、接続優先度リストにおけるユーザEの位置情報が変更され、それに係る情報(相対位置情報や接続優先度)も変更される。
そして、図19の例の場合と同様に、内部通信処理部23においては、変更された接続優先度リストの情報に基づいて、内部通信制御処理が実行され、例えば、音声データの音量、音質や、音源位置が調整されて、音声出力部92から出力される。
これにより、音声出力部92からの音声におけるノードEの音声は、ユーザの耳には、あたかも、ノードEが分身アイコン452Eの位置にいるかのように、また、変更された接続優先度に応じた大きさの音声が聞こえてくる。
以上のように、可視範囲に存在しないノード(すなわち、距離縮尺が異なるところに存在するノード)についても、レーダチャート上でノードアイコンに対応する分身アイコンを移動させることで、可視範囲に存在するノードと同様に、音声を調整することができる。
図38は、表示部91に表示されるチャートの他の表示例を示している。
図38のチャート471は、エリア表記の方眼チャートで構成されている。すなわち、チャート471において、各ノードのノードアイコン261A,262B,および262Cは、それぞれ、所定の空間における絶対座標系で配置されていることが、各ノードのノードアイコン261A,262B,および262Cが、自己であるノードAを中心として相対的な位置(座標系)に配置されている図19の円形のレーダチャート251と異なっているだけであり、それ以外は、レーダチャート251と同様の構成であるので、その説明は、繰り返しになるので省略する。
このチャート471において、ユーザの操作に対応して、ノードアイコン261A,262B,262Cに対応する分身アイコンが移動された場合、あるいは、接続優先度解析部21により所定の空間における元のノードの位置(すなわち、ノードアイコン261A,262B,262Cの位置)が移動された場合には、図39に示されるように、各ノードが、チャート471が示す方眼のエリアに含まれるように、上矢印481U,下矢印481D,右矢印481R,左矢印481Lのうち、対応する方向に、エリア自体がスクロール(移動)される。
なお、図39の例においては、チャート471のエリアが上下左右のいずれかにスクロールする場合を説明したが、例えば、ノードアイコン261Aと、ノードアイコン262Bの相対距離が離れてしまい、どちらか一方がチャート471が表示するエリア外に出てしまうような場合には、各ノードが表示領域に含まれるように、チャート471におけるエリアの距離縮尺も変更される。
以上のように、レーダチャート251は、カーナビゲーションシステムなどユーザとともに移動することが多い場合に、常に自己が中心となるため、自分と他との関係がわかりやすいという利点があるが、この方眼のチャート471の場合、ノードが存在する所定の空間と各ノードとの関係がわかりやすいという利点がある。
ここで、上記説明においては、レーダチャートや方眼チャートからなるチャートがLCDなどからなる表示部91に表示される場合を説明したが、例えば、表示部91は、例えば、図40に示されるようなヘッドマウントディスプレイ501でも構成することができる。
図40の例においては、正面から見た場合のユーザaおよびユーザbと、頭上から見た場合のユーザaが示されている。なお、図40においては、図示されないが、ユーザaおよびユーザbには、携帯端末機などで構成される端末1−1および1−2がそれぞれ所持(携帯)されている。すなわち、端末1−1および1−2は、ユーザaおよびユーザbとそれぞれ連動し、ノードAおよびノードBをそれぞれ構成している。
ユーザaの顔には、両目を覆うように、シースルー型のヘッドマウントディスプレイ501が装着されている。また、ユーザbの顔には、右目を覆うように、シースルー型のヘッドマウントディスプレイ502が装着されている。
ヘッドマウントディスプレイ501は、ユーザaの顔に装着されることから、ユーザa(ノードA)の正面方向paが動くと、ヘッドマウントディスプレイ501もそれに対応して動く、すなわち、ユーザaの正面方向paに連動する構成を有している。
また、ヘッドマウントディスプレイ501は、それを装着するユーザaに対して、端末1−1により接続優先度リストの情報に基づいて生成され、表示されるレーダチャートを提供するとともに、シースルー型であるので、ヘッドマウントディスプレイ501を通して、ユーザaが存在する実空間の映像も提供する。
ユーザbに装着される片目用のヘッドマウントディスプレイ502も、ヘッドマウントディスプレイ501と同様な構成を有している。すなわち、ヘッドマウントディスプレイ501は、両目用でなくてもよく、例えば、ユーザbに装着される片目用のヘッドマウントディスプレイ502を表示部91として用いるようにしてもよい。
図41は、ヘッドマウントディスプレイに表示されるレーダチャートの例を示している。なお、実際に、ヘッドマウントディスプレイ501に表示されるレーダチャート511は、実線部分のみであり、点線部分は、説明の便宜上、レーダチャート511全体をわかりやすくするために示されている。
図41の例においては、レーダチャート511は、ユーザaの視界(ヘッドマウントディスプレイ501の表示領域)の中央下部をその中心として、ヘッドマウントディスプレイ501に3D(dimension)表示されており、そのレーダチャート511に配置されるノードアイコン262Bおよび262C上には、ノードBおよびノードCのユーザをそれぞれ表すユーザ画像521Bおよび521Cが、ノードAとの相対距離に応じて、3Dオーバーレイ(重畳)表示されている。
すなわち、ヘッドマウントディスプレイ501には、レーダチャート511の中心(すなわち、ノードA)からの距離が近いノードCのユーザ画像521Cよりも、距離が遠いノードBのユーザ画像521Bの方が小さく表示されている。
また、ユーザ画像521Cの近傍には、ノードAとノードCの相対距離に応じた大きさで、ノードCが有する楽曲コンテンツを表す楽曲アイコン531Cが表示され、ユーザ画像521Bの近傍には、ノードAとノードBの相対距離に応じた大きさ(すなわち、楽曲アイコン531Cよりも小さい大きさ)で、ノードBが有する画像コンテンツを表す画像アイコン532Bが表示されている。
図42は、ヘッドマウントディスプレイに表示されるレーダチャートの他の例を示している。
図42の例においては、レーダチャート551は、ユーザaの視界(ヘッドマウントディスプレイ501の表示領域)の右側に小さく表示されている。
レーダチャート551上には、図19のレーダチャート151と同様に、ノードAのノードアイコン261Aを中心としてその相対的な位置に、各ノードのノードアイコン262B,262C,および262Nが配置されている。また、レーダチャート551上におけるノードアイコン262Cの近傍には、ノードCが有する楽曲コンテンツを表す楽曲アイコン531Cが表示され、ノードアイコン262Bの近傍には、ノードBが有する画像コンテンツを表す画像アイコン532Bが表示されている。
そして、さらに、ヘッドマウントディスプレイ501には、レーダチャート511上におけるノードアイコン261Aと、ノードアイコン262Bおよび262Cとの相対的な位置に対応するように、図41を参照して上述した、ユーザ画像521Bおよびユーザ画像521Cが、ヘッドマウントディスプレイ501の中央下部を中心に3D表示されている。
ここで、図41および図42の例において、例えば、ユーザが、音声出力部92を構成するヘッドフォンステレオを装着している場合には、ヘッドフォンステレオからは、あたかも、ユーザ画像251Bの方向から聞こえてくるように、ノードBのユーザの音声や楽曲が出力され、ユーザ画像251Cの方向から聞こえてくるように、ノードCのユーザの音声や楽曲が出力されている。
したがって、レーダチャート511やレーダチャート551がヘッドマウントディスプレイ501に表示される場合も、図19のレーダチャート151と同様に、各ノードアイコンの移動要求を操作すると、その移動要求や各ユーザの許容情報に基づいて、各ノードアイコンに対応する分身アイコンが表示されるとともに、接続優先度リストの情報が変更され、変更された情報に応じて、通信中のデータが調整される。
なお、図41および図42の例のように、表示部91がヘッドマウントディスプレイ501で構成される場合は、情報入力部27は、タッチパネルでなくてもよく、マウスや他の入力装置などで構成され、情報入力部27の操作に応じて、レーダチャート511上のアイコンや画像が移動表示される。
なお、上記説明においては、表示部91として、ヘッドマウントディスプレイ501により構成する例を説明したが、端末1−1により接続優先度リストの情報に基づいて生成され、表示されるレーダチャートを提供し、ユーザaの正面方向paに連動する表示部91としては、ヘッドマウントディスプレイ501だけでなく、図43に示される小型端末機561が有するLCD562も挙げられる。
すなわち、図41に示されるように、表示部91を、小型携帯端末機561で構成される端末1−1に備えられるLCD562で構成する場合には、ユーザaは、手に保持した端末1−1のLCD562を見ながら、正面方向paを向くことで、ユーザaの正面方向paに対応して、ユーザaの手に保持された端末1−1のLCD562の正面方向も連動する。
したがって、小型携帯端末機からなる端末1−1に備えられるLCD562も、ヘッドマウントディスプレイ501の代わりの表示部91として用いることができる。
ただし、表示部91をシースルー型のヘッドマウントディスプレイ501で構成する場合、ヘッドマウントディスプレイ501上には、ヘッドマウントディスプレイ501を通して得られる現実の実空間の映像と、ヘッドマウントディスプレイ501に表示されるチャートが見かけ上重畳されて表示されるので、現実世界と、仮想世界の融合を実現することが可能である。
なお、上述した小型携帯端末機561のLCD562の場合にも、ユーザaが顔をあげることにより、現実の実空間の映像は得られる。したがって、間接的に、現実世界と、仮想世界の融合を実現することが可能である。
これにより、ユーザは、実空間の映像と、表示されるレーダチャートを見ながら、そのレーダチャート上の画像やアイコンを操作することで、他のノードとの最適な通信を行うことができる。
また、表示部91は、シースルー型だけでなく、遮光型のヘッドマウントディスプレイや没入型のイマーシブディスプレイを用いても、端末1に備えられ、例えば、通常画角カメラや360度全方位カメラなどからなる映像音声入力部93から入力される実空間の映像情報を、チャートと重畳させて表示させることにより、同様の効果が得られる。
なお、上記説明においては、実空間におけるユーザ(ノード)間の相対位置関係の最適化について説明したが、サーバなどが提供するオンラインゲーム空間などの仮想空間におけるアバタ間の相対位置関係を最適化することも可能である。すなわち、サーバなどが提供する仮想空間の位置は、サーバなどで定義されているものであり、サーバで定義されている仮想空間の座標をレーダチャートに表した上で、ユーザの要求に応じた仮想の位置が算出され、算出された仮想の位置が表示されるとともに、最適な通信の制御が行われる。
すなわち、サーバにおける仮想空間の定義を超えて、ユーザの所望に応じた最適な通信の制御が行うことができる。
以上のように、複数のノードが所定の空間において会話やコンテンツを共有する場合に、所定の空間における複数のノードの位置関係を表すチャートを表示させ、ユーザの要求と、各ユーザの許容に基づいて、所定の空間の位置関係を変更し、それに応じて、通信するデータの調整を行うようにしたので、ユーザまたはアバタの位置座標情報などから受ける制約条件を越えて、各ノードのユーザが所望する最適な通信の制御を、各ユーザの不都合のない範囲で、各ユーザ相互に破綻なく実現することができる。
また、そのようにして変更された位置関係も、時間の経過に応じて、もとの所定の空間の位置関係に戻るようにしたので、所定の空間の座標における制約は維持される。
さらに、所定の空間における複数のノードの位置関係(座標系)を表すチャートを表示させ、チャート上の位置を移動させることで、ユーザの要求が入力されるようにしたので、ユーザにとってその操作がわかりやすいインタフェースを提供することができる。
なお、この際、所定の空間におけるノードの座標位置を表すノードアイコンとは別に、チャート上の仮想の位置を表す分身アイコンを表示させるようにしたので、ユーザは、実際の位置と仮想の位置を比較することができ、その上で、コミュニケーション要求を入力できるので、さらに、わかりやすい操作を行うことができる。
なお、上記説明においては、説明の便宜上、ネットワーク2を特性情報通信回線11−1と外部通信回線11−2に分けて説明したため、端末1においては、機能別に、特性情報通信部55と外部通信インタフェース83と分けて構成するようにしたが、特性情報通信回線11−1と外部通信回線11−2を分ける必要がない場合には、1つの通信部として構成するようにしてもよい。
また、上記説明においては、時々刻々と変化する通信環境やユーザの動作に応じて接続優先度が更新される各端末からなるシステムを用いて説明したが、単に、GPSにより取得された座標位置情報、あるいは、サーバより取得された仮想空間の座標位置情報を用いることで、その座標を表すレーダチャートを表示させ、ユーザの操作に応じて算出された仮想位置に基づいて、その座標位置を変更することもできる。
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。この場合、例えば、図1の端末1−1乃至1−3は、図44に示されるようなパーソナルコンピュータ801により構成される。
図44において、CPU(Central Processing Unit)811は、ROM(Read Only Memory) 812に記憶されているプログラム、または、記憶部818からRAM(Random Access Memory)813にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM813にはまた、CPU811が各種の処理を実行する上において必要なデータなどが適宜記憶される。
CPU811、ROM812、およびRAM813は、バス814を介して相互に接続されている。このバス814にはまた、入出力インタフェース815も接続されている。
入出力インタフェース815には、キーボード、マウスなどよりなる入力部816、CRT(Cathode Ray Tube),LCD(Liquid Crystal Display)などよりなるディスプレイ、並びにスピーカなどよりなる出力部817、ハードディスクなどより構成される記憶部818、モデム、ターミナルアダプタなどより構成される通信部819が接続されている。通信部819は、無線などのネットワークを介しての通信処理を行う。
入出力インタフェース815にはまた、必要に応じてドライブ820が接続され、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどからなるリムーバブルメディア821が適宜装着され、それから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部818にインストールされる。
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば、汎用のパーソナルコンピュータなどに、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
なお、このプログラムは、全体として上述した一連の処理を実行できれば、その形態は特に限定されない。例えば、上述した各ブロックのそれぞれに対応するモジュールのそれぞれからなるモジュール構成とされてもよいし、幾つかのブロックの機能の一部または全部が組み合わされたモジュール、若しくは、ブロックの機能が分割されたモジュールからなるモジュール構成とされてもよい。或いは、単に1つのアルゴリズムを有するプログラムでもよい。
このプログラムが記録される記録媒体は、図44に示されるように、装置本体とは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini-Disk)(商標)を含む)、もしくは半導体メモリなどよりなるパッケージメディアであるリムーバブルメディア821により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される、プログラムが記録されているROM812や、記憶部818に含まれるハードディスクなどで構成される。
ここで、本明細書において、コンピュータに各種の処理を行わせるためのプログラムを記述する処理ステップは、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含むものである。
また、プログラムは、1のコンピュータにより処理されるものであっても良いし、複数のコンピュータによって分散処理されるものであってもよい。さらに、プログラムは、遠方のコンピュータに転送されて実行されるものであってもよい。
なお、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
1−1乃至1−3 端末,2 ネットワーク,3 GPS衛星,4 仮想空間管理サーバ,5 基地局,11−1 特性情報通信回線,11−2 外部通信回線,21 接続優先度解析部,22 記憶部,23 内部通信処理部,24 出力制御部,25 入出力インタフェース,26 動作入力部,27 情報入力部,28 出力部,81 通信制御部,82 優先度情報取得変更部,83 外部通信インタフェース,84 コーディング部,85 データ調整部,88 GUI処理部,91 表示部,92 音声出力部, 93 映像音声入力部, 211 優先度情報取得部,212 許容情報取得提供部,213 許容情報記憶部,215 仮想位置算出部,216 優先度情報変更部,217 位置情報提供部,218 位置情報受信部,221 GUI位置検出部,222 GUI画像生成部,223 GUI表示制御部