JP4843749B2 - 変圧器 - Google Patents

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Description

本発明は変圧器に関し、特に、変圧器に含まれる鉄心の構造に関する。
大容量の変圧器の鉄心は、一般に、薄板状の磁性体(たとえば電磁鋼板、アモルファス板等)を積層した構造を有している。たとえば特許文献1(実開昭60−81618号公報)には、鉄心の組立作業を容易にするために、帯状の強磁性板を折り曲げて鉄心を構成することが開示されている。この強磁性板の折曲げ部には、幅方向に僅かな連通部を残して打抜き孔または切欠き孔が形成される。
一方、変圧器の効率を向上させるためには変圧器の損失を低減することが要求される。変圧器の損失にはコイルからの漏れ磁束による渦電流損が含まれる。渦電流損を低減するための技術がこれまでに提案されている。
たとえば特許文献2(特開2003−347134号公報)および特許文献3(特開平1−259514号公報)には、渦電流損を低減するための鉄心の構造が開示されている。具体的には、特許文献2では、積層されたブロック鉄心を挟む上下のリングヨークの両方に水平方向のスリットが形成されることが開示されている。特許文献3では、ギャップ付き主鉄心の両端に設けられた継鉄に、磁束密度分布に沿ってスリットが形成されることが開示されている。
また、たとえば特許文献4〜特許文献6(実開昭60−57115号公報、特開平10−116741号公報、および特開2001−35733号公報)では、変圧器を収納するためのタンクの内壁面に取り付けられた電磁シールドの構造が開示されている。たとえば特許文献4(実開昭60−57115号公報)には、複数本のスリットまたは溝が形成されたシールド板が開示されている。スリットまたは溝は、磁束の流入部および流出部となるシールド板の上下両端側に、磁束の浸透深さよりも深くなるよう形成され、かつシールド板の幅方向に沿って延在する。
たとえば特許文献5(特開平10−116741号公報)には、ケイ素鋼帯を積層することによって形成された電磁シールドが開示されている。ケイ素鋼帯の表面には、その長手方向に沿ったスリットが少なくとも1つ形成される。たとえば特許文献6(特開2001−35733号公報)には、タンクの内側に磁性体を積層することで形成された電磁シールドが開示されている。たとえばスリットは、この電磁シールドの表面側にのみ設けられる。
特許文献7(実開昭62−32518号公報)には、巻線の上面、下面および側面を覆うように形成された電磁シールド部材が開示される。この電磁シールド部材に複数のスリットが形成される。特許文献8(特開2003−203813号公報)には、平面導体コイルの上下面の少なくとも一方に設けられた磁性導体にスリットが形成されることが開示されている。
実開昭60−81618号公報 特開2003−347134号公報 特開平1−259514号公報 実開昭60−57115号公報 特開平10−116741号公報 特開2001−35733号公報 実開昭62−32518号公報 特開2003−203813号公報
上記のように、変圧器の渦電流損を低減するための各種の技術がこれまでに提案されている。しかしながら変圧器の効率を向上させるためには、変圧器の損失をできるかぎり小さくすることが求められる。したがって変圧器の損失を低減するための技術には、なお改良の余地がある。
本発明は上述の課題を解決するためのものであって、その目的は、変圧器の損失を低減可能な鉄心の構造を提供することである。
本発明は要約すれば、変圧器であって、一方向に積層された複数の磁性板を含む鉄心と、鉄心に巻回されたコイルとを備える。複数の磁性板のうち、少なくとも、複数の磁性板の積層方向においてコイルの内周面と対向する磁性板にスリットが形成される。
本発明によれば、鉄心の渦電流損を低減することができるので、変圧器の損失を低減することができる。
本発明の実施の形態1に係る変圧器を、鉄心を構成する複数の磁性板の積層方向から見た図である。 本発明の実施の形態1に係る変圧器をコイルの巻軸方向から見た図である。 図1Aおよび図1Bに示したZ方向に沿って鉄心を見たときの鉄心を示す図である。 図2AのIIB−IIB断面を示す図である。 図2A中の2点鎖線IIIで囲まれた部分の斜視図である。 図3A中の矢印Bに示す方向から見た側面図である。 コイルおよびスリットの間の位置関係を示した図である。 スリットの深さを説明するための図である。 コイルによって発生した磁束を説明するための図である。 スリットが形成されていない電磁鋼板表面の渦電流分布を示した図である。 スリットが形成されていない電磁鋼板表面の損失密度を示した図である。 本発明の実施の形態1に係る電磁鋼板表面の渦電流分布を示した図である。 本発明の実施の形態1に係る電磁鋼板表面の損失密度を示した図である。 本発明の実施の形態2に係る変圧器を、鉄心を構成する複数の磁性板の積層方向から見た図である。 本発明の実施の形態2に係る変圧器をコイルの巻軸方向から見た図である。 図9Aおよび図9Bに示された変圧器に含まれる鉄心を示した平面図である。 実施の形態2に係るレグ鉄心を模式的に示した平面図である。 本発明の実施の形態3に係る変圧器を、鉄心を構成する複数の磁性板の積層方向から見た図である。 本発明の実施の形態3に係る変圧器をコイルの巻軸方向から見た図である。 図12Aおよび図12Bに示された鉄心を示した平面図である。 図13のXIV−XIV断面を部分的に拡大して示す図である。 図12Aおよび図12Bに示した鉄心の製造方法を模式的に説明するための図である。 本発明の実施の形態4に係る変圧器を、鉄心を構成する複数の磁性板の積層方向から見た図である。 本発明の実施の形態4に係る変圧器をコイルの巻軸方向から見た図である。 実施の形態4による電磁シールドおよびスリットの配置を説明するための斜視図である。 実施の形態4による電磁シールドおよびスリットの配置を説明するための平面図である。 本発明の実施の形態5に係る変圧器を、鉄心を構成する複数の磁性板の積層方向から見た図である。 本発明の実施の形態5に係る変圧器をコイルの巻軸方向から見た図である。 実施の形態5による電磁シールドおよびスリットの配置を説明するための斜視図である。 実施の形態5による電磁シールドおよびスリットの配置を説明するための平面図である。 本発明の実施の形態6に係る変圧器を、鉄心を構成する複数の磁性板の積層方向から見た図である。 本発明の実施の形態6に係る変圧器をコイルの巻軸方向から見た図である。 実施の形態6による電磁シールドおよびスリットの配置を説明するための斜視図である。 実施の形態6による電磁シールドおよびスリットの配置を説明するための平面図である。 低圧コイルおよび高圧コイルからの漏れ磁束の流れを説明するための図である。 実施の形態6の第1の変形例に係る変圧器を、鉄心を構成する複数の磁性板の積層方向から見た図である。 図26に示された変圧器を説明するための斜視図である。 図26および図27に示した変圧器における電磁シールドおよびスリットの配置を説明するための平面図である。 実施の形態6の第2の変形例に係る変圧器を、鉄心を構成する複数の磁性板の積層方向から見た図である。 実施の形態6の第3の変形例に係る変圧器を、鉄心を構成する複数の磁性板の積層方向から見た図である。 実施の形態6の第4の変形例におけるスリットの配置を説明するための図である。 内鉄型の変圧器の構成を概略的に説明するための図である。 図22中の鉄心51の構造を説明するための図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰返さない。
本発明の実施の形態に係る変圧器は、たとえば変電所において送配電のために用いられる。ただし本発明の変圧器は、送配電用と限定されず広く適用可能である。
[実施の形態1]
図1Aおよび図1Bは、本発明の実施の形態1に係る変圧器の構造を概略的に示した図である。図1Aは、本発明の実施の形態1に係る変圧器を、鉄心を構成する複数の磁性板の積層方向から見た図である。図1Bは、本発明の実施の形態1に係る変圧器をコイルの巻軸方向から見た図である。
図1Aおよび図1Bを参照して、変圧器10は、2つの鉄心15と、コイル21とを含む。鉄心15は、閉磁気回路を形成する環状の形状を有する。具体的には、鉄心15は、略矩形の額縁形状を有する。
鉄心15は、一対のヨーク(yoke)鉄心11,12と、一対のレグ(leg)鉄心13,14とを含む。ヨーク鉄心11とヨーク鉄心12とは、互いに間隔を隔てて平行に配置され、レグ鉄心13とレグ鉄心14とは、互いに間隔を隔てて平行に配置されている。ヨーク鉄心11,12の各々の一方端がレグ鉄心13により接合され、ヨーク鉄心11,12の各々の他方端がレグ鉄心14により接合されている。ヨーク鉄心11,12およびレグ鉄心13,14の各々は、環状の形状を有する鉄心15の周回方向に沿って帯状に延びる形状を有する。
2つの鉄心15は、レグ鉄心14同士が隣り合うように配置されている。図1A中のX軸は2つの鉄心15の配置方向を示している。X軸方向に隣り合って配置された2つのレグ鉄心14にコイル21が巻回されている。図示しないが、コイル21は、中心軸を共通とする高圧巻線および低圧巻線を含む。図1B中のY軸はコイル21の中心軸(巻軸)を示している。
ヨーク鉄心11,12およびレグ鉄心13,14の各々は、複数枚の薄板状磁性体が層状に重ねられた積層構造を有する。以下では、薄板状の磁性体を「磁性板」と呼ぶことにする。本発明の実施の形態では、ヨーク鉄心11,12およびレグ鉄心13,14を構成する磁性板として、電磁鋼板、より具体的には方向性鋼板が適用される。
図1Aおよび図1Bに示したZ軸は、複数枚の磁性板の積層方向を示している。図1Aおよび図1Bに示したX軸、Y軸およびZ軸は、互いに直交する軸である。以後説明する図に示すX軸、Y軸およびZ軸の間にも上述の関係が成立するので、以後は、X軸、Y軸およびZ軸に関する説明を繰返さないものとする。
本発明の実施の形態では、レグ鉄心14を構成する複数枚の磁性板のうち、少なくとも、コイル21の内周面に対向する磁性板の表面にスリット16が形成される。なお、図1Aは、複数の磁性板の積層方向に沿って一方の側から見た変圧器10の構成を示しているが、反対側から見た変圧器10の構成も図1Aの構成と同様である。すなわち、Z軸方向に沿って積層された複数の磁性板のうちの両端の磁性板にスリット16が形成される。
図2Aおよび図2Bは、図1Aおよび図1Bに示された鉄心の平面図である。図2Aは、図1Aおよび図1Bに示したZ方向に沿って鉄心を見たときの鉄心を示す図である。図2Bは、図2AのIIB−IIB断面を示す図である。
図2Aおよび図2Bを参照して、Y方向およびZ方向は図1に示したY軸方向およびZ軸方向にそれぞれ対応する。ヨーク鉄心11,12およびレグ鉄心13,14の各々は、Z方向に積層された複数枚の電磁鋼板31を含む。レグ鉄心14を構成する電磁鋼板31の主表面は、Y方向に沿って延在する。
レグ鉄心14を構成する複数の電磁鋼板のうち、少なくともコイル21の内周面に対向する電磁鋼板に、スリット16が形成される。スリット16は電磁鋼板31の主表面の延在方向に沿って形成されるので、Y方向(コイル21の巻軸方向)に延在する。
なお図2Bに示されるように、本実施の形態では、Z方向に並ぶ複数の電磁鋼板のうちの端に位置する(コイルの内周面に対向する)電磁鋼板だけでなく、その電磁鋼板からZ方向に連続的に並ぶ電磁鋼板にスリットが形成される。したがって本実施の形態では、連続する複数の電磁鋼板にスリットが形成される。なお、積層された電磁鋼板31の各々の主表面には絶縁被膜32が配置されている。
図3Aおよび図3Bは、図2A中の2点鎖線IIIで囲まれた部分を拡大して示す図である。図3Aは、図2A中の2点鎖線IIIで囲まれた部分の斜視図であり、図3Bは、図3A中の矢印Bに示す方向から見た側面図である。
図3Aおよび図3Bを参照して、ヨーク鉄心12とレグ鉄心14とは、各鉄心を構成する電磁鋼板31同士が噛み合うことにより、互いに接合されている。その構造について詳細に説明すると、各鉄心を構成する複数枚の電磁鋼板31は、第1の電磁鋼板31pと、第2の電磁鋼板31qとを含む。第1の電磁鋼板31pと、第2の電磁鋼板31qとは1枚ずつ交互に積層される。
ヨーク鉄心12とレグ鉄心14との接合位置において、電磁鋼板31qの端部は電磁鋼板31pの先端よりも突出する。積層方向に隣り合う電磁鋼板31qの間には隙間が形成されており、ヨーク鉄心12およびレグ鉄心14の相互において、電磁鋼板31pが、電磁鋼板31q間に形成された隙間に挿入される。
図3Aおよび図3Bは各鉄心の1つの構成例を示すものであり、鉄心の構成は図3Aおよび図3Bに示された形態に限定されない。たとえば複数枚の電磁鋼板31pと、複数枚の電磁鋼板31qとが交互に積層されることによって鉄心15が構成されてもよい。
次に図4および図5を用いて、スリットについて詳細に説明する。なお本発明の実施の形態の理解のために、以下に説明する図ではレグ鉄心を構成する電磁鋼板の形状を長方形で示す場合がある。
図4は、コイルおよびスリットの間の位置関係を示した図である。図4を参照して、複数の電磁鋼板の積層方向から見た場合、スリット16は電磁鋼板31の延在方向、すなわち電磁鋼板の圧延方向に沿って形成される。本発明の実施の形態では電磁鋼板31に方向性鋼板が用いられるので、方向性鋼板の圧延方向とは磁化容易軸の方向である。方向性鋼板31の圧延方向がコイル21の巻軸方向に沿うように方向性鋼板31が配置される。
図5は、スリットの深さを説明するための図である。図5を参照して、Z方向は、図1に示したZ軸の方向を表わしている。複数枚の電磁鋼板31に連続的にスリット16が形成されるので、スリット16は、複数枚の電磁鋼板31の積層方向(Z方向)に深さdを有する。
スリット16の深さdは、鉄心に生じた渦電流に起因する損失(渦電流損)を低減するための値として適切に定めることができる。スリット16の深さdが予め定められることによりスリット16の形成が必要な電磁鋼板31の枚数を定めることができる。したがってレグ鉄心14を構成するすべての電磁鋼板31にスリット16を形成する必要はない。スリット16を形成する電磁鋼板31の枚数を限定することによって、スリットの加工費用を低減できるので、鉄心の製造コストを低減できる。
渦電流は、コイル21によって発生した磁束が鉄心15(特にレグ鉄心14)を構成する電磁鋼板に進入することによって生じる。図6に示すように、鉄心15により構成された閉磁気回路には、コイル21によって発生した磁束FL1,FL2が流れる。2つの鉄心15にそれぞれ流れる磁束FL1,FL2は変圧器10の変圧作用に寄与する磁束である。一方、鉄心15の主表面17のうち、コイル21の内周面21aと対向する領域17aには、コイル21で発生した磁束FL3,FL4が進入する。領域17aはレグ鉄心14の表面に対応する領域である。磁束FL3,FL4が鉄心15(レグ鉄心14)に進入することによって、鉄心15(レグ鉄心14)に渦電流が生じる。
図7Aおよび図7Bは、レグ鉄心を構成する電磁鋼板にスリットが形成されていない場合に、電磁鋼板に生じる渦電流および渦電流損を説明するための図である。図7Aは、スリットが形成されていない電磁鋼板表面の渦電流分布を示した図である。図7Bは、スリットが形成されていない電磁鋼板表面の損失密度を示した図である。
図7Aを参照して、電磁鋼板31の主表面において磁束が貫通する領域を、図6と同様に符号17aで示す。コイル21からの磁束が貫通する領域17aでは磁束密度が高くなる。
電磁鋼板を磁束が貫通することによって渦電流が発生する。磁束分布の中心から外側に向かうほど渦電流の密度が高くなる。したがって、たとえば図7A中の破線によって囲まれた位置で電流密度が高くなる。この部分では電流密度が高くなるため、図7Bに示されるように損失密度も高くなる。
図8Aおよび図8Bは、本発明の実施の形態1に係るレグ鉄心に生じる渦電流および渦電流損を説明するための模式図である。図8Aは、本発明の実施の形態1に係る電磁鋼板表面の渦電流分布を示した図である。図8Bは、本発明の実施の形態1に係る電磁鋼板表面の損失密度を示した図である。
図8Aおよび図8Bを参照して、コイルの内周面と対向する電磁鋼板31にスリット16が形成されることで渦電流が分断される。渦電流が分断されることにより渦電流の密度を低下させることができる。電流密度の低下によって損失密度を低下させることができるので、本発明の実施の形態1によれば鉄心の渦電流損を低減することが可能になる。
渦電流損を低減することによって、変圧器で消費される電力を低減することができる。この結果、変圧器の効率を向上させることができる。変圧器の効率が向上することによって、変圧器の小型化および軽量化を図ることができる。
さらに実施の形態1では、スリットは、レグ鉄心を構成する複数の電磁鋼板のうちの積層方向に連続的に並ぶ複数の電磁鋼板に形成される。これにより渦電流をより一層低減できる。よって渦電流による損失を一層低減することができる。
さらに、実施の形態1によれば、スリット16は、電磁鋼板(方向性鋼板)の圧延方向に沿って延在するように電磁鋼板に形成される。電磁鋼板(方向性鋼板)の圧延方向とは、電磁鋼板の延在方向である。実施の形態1では、レグ鉄心を構成する複数の電磁鋼板の各々の延在方向がコイル21の巻軸方向に沿うように、それら複数の電磁鋼板の各々が配置される。
変圧器の鉄心に用いられる薄板状の磁性体には主磁束を効率的に流す機能が要求される。このため、実施の形態1では、特定の方向(圧延方向)に磁化しやすい方向性鋼板が鉄心の磁性板として用いられる。図6に示したように、変圧作用に寄与する磁束FL1,FL2は、電磁鋼板の延在方向に沿って流れる。
スリットの延在方向によっては、変圧作用に寄与する主磁束の流れを妨げる可能性が考えられる。実施の形態1では、スリット16の延在方向が電磁鋼板(方向性鋼板)の圧延方向と平行になるので、最も透磁率の高い方向に沿ってスリットが形成される。これにより、磁性板の本来の機能である、変圧作用に起因する磁束を流すという機能が低下することを抑制しつつ鉄心の渦電流損を効果的に低減することができる。
[実施の形態2]
実施の形態2では、スリットの一端が磁性板の端部に達するように、磁性板にスリットが形成される。
図9Aおよび図9Bは、本発明の実施の形態2に係る変圧器の構造を概略的に示した図である。図9Aは、本発明の実施の形態2に係る変圧器を、鉄心を構成する複数の磁性板の積層方向から見た図である。図9Bは、本発明の実施の形態2に係る変圧器をコイルの巻軸方向から見た図である。
図9A,9Bおよび図1A,1Bを参照して、変圧器10Aは、鉄心15に代えて鉄心15Aを備える点で変圧器10と異なる。鉄心15Aは、レグ鉄心14に代えてレグ鉄心14Aを備える点で鉄心15と異なる。
図10は、図9Aおよび図9Bに示された鉄心を示した平面図である。図11は、実施の形態2に係るレグ鉄心を模式的に示した平面図である。図9A、図9B、図10および図11を参照して、スリット16は、その一方端が磁性板(電磁鋼板31)の延在方向に位置する磁性板の端部に達するように形成される。この点で実施の形態2は実施の形態1と異なる。なお鉄心15Aの他の部分の構成は、鉄心15の対応する部分の構成と同様である。
なお、スリットは、レグ鉄心14Aを構成する複数の磁性板のうちコイル21の内周面に対向する磁性板に形成される。ただし、実施の形態1と同様に、コイル21の内周面に対向する磁性板だけでなく、当該電磁鋼板からZ方向に連続的に並んだ複数の電磁鋼板にスリットが形成されてもよい。
スリット16の一方端はコイル21と重なり合うのに対し、スリットの他方端は電磁鋼板31の端部に達する。この点において実施の形態2に係るレグ鉄心は実施の形態1に係るレグ鉄心と異なる。レグ鉄心14Aの他の部分は、実施の形態1に係るレグ鉄心14の対応する部分の構成と同様である。
磁束分布の中心から外側に向かうほど渦電流の密度が高くなる。このため磁性板の延在方向に位置する磁性体の端部において渦電流の密度が高くなりやすい。スリットの一端が磁性板の端部に達するようにスリットが形成されることで、上記した磁性板の端部での渦電流を抑制できる。したがって、実施の形態2によれば、鉄心の渦電流損を抑制する効果をより高めることができる。
[実施の形態3]
実施の形態3では、積層方向に隣接する2つの磁性板の間でスリットが重なり合わないように、それら2つの磁性板の各々にスリットが形成される。
図12Aおよび図12Bは、本発明の実施の形態3に係る変圧器の構造を概略的に示した図である。図12Aは、本発明の実施の形態3に係る変圧器を、鉄心を構成する複数の磁性板の積層方向から見た図である。図12Bは、本発明の実施の形態3に係る変圧器をコイルの巻軸方向から見た図である。
図12A,12Bおよび図1A,図1Bを参照して、変圧器10Bは、鉄心15に代えて鉄心15Bを備える点で変圧器10と異なる。鉄心15Bは、レグ鉄心14に代えてレグ鉄心14Bを備える点で鉄心15と異なる。
図13は、図12Aおよび図12Bに示された鉄心を示した平面図である。図14は、図13のXIV−XIV断面を部分的に拡大して示す図である。図13および図14を参照して、積層方向に隣接する2つの電磁鋼板31の間では、スリット16の位置が互いにずれている。なお、鉄心15Bの他の部分の構成は鉄心15と同様である。
図15は、図12Aおよび図12Bに示した鉄心の製造方法を模式的に説明するための図である。図15を参照して、スリットが形成された複数の電磁鋼板31が予め準備される。電磁鋼板31の主表面でのスリットの位置は完全に同一ではない。電磁鋼板31を積層して鉄心を製造する際に、積層方向の下側に位置する電磁鋼板31とスリットの位置が重ならないようにスリットが形成された電磁鋼板31が選択され、その電磁鋼板が積み重ねられる。
一般に、渦電流の大きさは磁性板の厚みの2乗に比例する。本発明の実施の形態では、互いに絶縁された薄い磁性板を積層して鉄心を構成することにより渦電流を低減できる。本発明の実施の形態では、さらに、少なくともコイルの内周面に対向する磁性板にスリットを形成する。これにより鉄心に生じる渦電流損をより一層低減できる。
しかしながら磁性板にスリットを形成する(たとえばプレス穴あけ加工によりスリットを形成する)ことでスリットの周辺の絶縁被膜がはがれる可能性がある。積層方向に隣接する2つの電磁鋼板31のスリットの位置が重なる場合、電磁鋼板の露出部分同士が接触することで、それら2つの電磁鋼板が導通する可能性がある。電磁鋼板が導通すると渦電流を低減する効果が小さくなる。
実施の形態3によれば、積層方向に隣接する2つの電磁鋼板31の間でスリットが重なり合わないので、仮にスリットの周囲の絶縁被膜がはがれたとしても、それら2つの電磁鋼板31が導通する可能性を小さくできる。したがって、実施の形態3によれば、渦電流が低減される効果をより確実に期待できる。
さらに、実施の形態3によれば、複数枚の磁性板の間でスリットの位置を完全に同一とする必要がないので、スリットの加工に関する条件(加工位置など)を広くすることができる。したがってスリットの加工が容易となるので鉄心の製造コストを低減することが可能となる。
なお、実施の形態2と同様に、実施の形態3においても、スリットの一方端が磁性板の端部に達するようにスリットが形成されていてもよい。
[実施の形態4]
実施の形態4では、変圧器は実施の形態1から3のいずれかの構成に加え、コイルと鉄心との間に挿入された電磁シールドをさらに備える。
図16Aおよび図16Bは、本発明の実施の形態4に係る変圧器の構造を概略的に示した図である。図16Aは、本発明の実施の形態4に係る変圧器を、鉄心を構成する複数の磁性板の積層方向から見た図である。図16Bは、本発明の実施の形態4に係る変圧器をコイルの巻軸方向から見た図である。
図16A,16Bおよび図1A,1Bを参照して、変圧器10Cは、各々がコイル21と2つのレグ鉄心14との間に配置された電磁シールド18,19をさらに備える点で変圧器10と異なる。具体的には、電磁シールド18,19の各々は、コイル21の内周面と、その内周面に対向する磁性板との間に挿入される。
図17は、実施の形態4による電磁シールドおよびスリットの配置を説明するための斜視図である。図18は、実施の形態4による電磁シールドおよびスリットの配置を説明するための平面図である。なお図18は、鉄心を構成する複数の磁性板の積層方向から電磁シールドおよびスリットを透視した状態を示す。
図17および図18を参照して、複数の磁性板の積層方向から見て、スリット16は電磁シールド18と重なり合わない領域に形成される。なお、電磁シールド19の側から複数の磁性板の積層方向に沿ってシールドおよびスリットを透視した場合も同様に、スリット16は、少なくともコイルの内周面に対向する電磁鋼板において電磁シールド19と重なり合わない領域に形成される。
コイル21の内周面とレグ鉄心14との間に電磁シールド18が挿入されることによって、鉄心での渦電流損を低減することができる。しかしコイルの内周面が曲面であるので、電磁シールド18に覆われていない部分がレグ鉄心14の表面に生じる。この部分にコイル21からの磁束が進入することで渦電流が発生し、損失密度が高くなることが起こりうる。
実施の形態4では、複数の磁性板の積層方向から見て電磁シールドと重ならない領域にスリットが形成されるので、この領域において渦電流による損失を小さくすることができる。つまり実施の形態4によれば、電磁シールドおよびスリットの両方によって、鉄心で発生する渦電流を小さくすることができる。したがって鉄心での渦電流損をより一層低減できる。
なお、実施の形態2と同様に、スリットの一方端が磁性板の端部に達するようにスリットが形成されていてもよい。また、複数の磁性板の積層方向から見て電磁シールドと重ならないのであれば、実施の形態3と同様に、積層方向に隣接する2つの電磁鋼板の間でスリットが重なり合わないように、複数の電磁鋼板にスリットが形成されていてもよい。もちろん、実施の形態2と実施の形態3とを組み合わせて実施の形態4に適用してもよい。
[実施の形態5]
図19Aおよび図19Bは、本発明の実施の形態5に係る変圧器の構造を概略的に示した図である。図19Aは、本発明の実施の形態5に係る変圧器を、鉄心を構成する複数の磁性板の積層方向から見た図である。図19Bは、本発明の実施の形態5に係る変圧器をコイルの巻軸方向から見た図である。図19A,19Bおよび図16A,16Bを参照して、変圧器10Dは、スリット16が電磁シールド18と重なり合う領域に形成される点で変圧器10Cと異なる。
図20は、実施の形態5による電磁シールドおよびスリットの配置を説明するための斜視図である。図21は、実施の形態5による電磁シールドおよびスリットの配置を説明するための平面図である。図18と同様に、図21は、鉄心を構成する複数の磁性板の積層方向から電磁シールドおよびスリットを透視した状態を示す。図20および図21を参照して、スリット16は、複数の磁性板の積層方向から見て、電磁シールド18と重なり合う領域に形成される。なお、電磁シールド19の側から複数の磁性板の積層方向に沿ってシールドおよびスリットを透視した場合も同様に、少なくともコイルの内周面に対向する電磁鋼板において、電磁シールド19と重なり合う領域にスリット16が形成される。
変圧器の構造によっては、電磁シールドを薄くしなければならない可能性がある。この場合、コイル21からの磁束が電磁シールドを貫通して鉄心に進入する可能性が考えられる。実施の形態5によれば、電磁シールドを貫通して鉄心に進入した磁束による渦電流をスリットによって低減できる。したがって実施の形態5によれば渦電流を効果的に抑制することができる。
また、実施の形態5によれば、鉄心で発生する渦電流を薄い電磁シールドによって低減できるので、電磁シールドのコストを低減できる。したがって実施の形態5によれば変圧器のコストを低減することが可能になる。
(実施の形態5の変形例)
上記の形態と実施の形態4とを組み合わせることにより、鉄心表面における電磁シールド直下の領域および電磁シールドに覆われていない領域の両方にスリットを形成してもよい。この場合には、鉄心で発生する渦電流を小さくする効果と、電磁シールドを薄くできる効果との両方を得ることができる。なお好ましくは、電磁シールドと重なり合う領域に形成されるスリットよりも電磁シールドと重なり合わない領域に形成されるスリットのほうが深くなるようにスリットが形成される。
また、上記実施の形態5およびその変形例では、実施の形態2と同様に、スリットの一方端が磁性板の端部に達するようにスリットが形成されていてもよく、実施の形態3と同様に、積層方向に隣接する2つの電磁鋼板の間でスリットが重なり合わないように、複数の電磁鋼板にスリットが形成されていてもよい。さらに、実施の形態2と実施の形態3とを組み合わせて実施の形態5およびその変形例に適用してもよい。
[実施の形態6]
図22Aおよび図22Bは、本発明の実施の形態6に係る変圧器の構造を概略的に示した図である。図22Aは、本発明の実施の形態6に係る変圧器を、鉄心を構成する複数の磁性板の積層方向から見た図である。図22Bは、本発明の実施の形態6に係る変圧器をコイルの巻軸方向から見た図である。
図22Aおよび図22Bを参照して、変圧器10Eは、低圧コイル21A,21Bと、高圧コイル21Cと、鉄心15Eと、電磁シールド18,19とを備える。
実施の形態4および5に係る変圧器の場合、スリットが連続的に鉄心に形成される(たとえば図16Aを参照)。これに対して実施の形態6では、スリット16Aが、鉄心15(レグ鉄心14)のうちの、主として低圧コイル21Aと高圧コイル21Cとの間の部分に形成される。同様に、スリット16Bは、鉄心15(レグ鉄心14)のうちの、主として低圧コイル21Bと高圧コイル21Cとの間の部分に形成される。すなわち、スリットは鉄心に断続的に形成される。
図23は、実施の形態6による電磁シールドおよびスリットの配置を説明するための斜視図である。図24は、実施の形態6による電磁シールドおよびスリットの配置を説明するための平面図である。なお図24は、鉄心を構成する複数の磁性板の積層方向から電磁シールドおよびスリットを透視した状態を示す。図23および図24を参照して、複数の磁性板の積層方向から見て、スリット16A,16Bは電磁シールド18と重なり合わない領域に形成される。
図25は、低圧コイルおよび高圧コイルからの漏れ磁束の流れを説明するための図である。なお図25は、図22AのXXV−XXV線に沿った変圧器の断面を模式的に示している。図25を参照して、外鉄型変圧器では、低圧コイル(21A,21B)と高圧コイル(21C)とが並列に配置される。変圧器の動作時に、高圧コイルおよび低圧コイルの各々から、鉄心15E(レグ鉄心14)に対して垂直方向の漏れ磁束が発生する。磁束Fa1,Fa2は低圧コイル21Aにより発生する漏れ磁束であり、磁束Fb1,Fb2は低圧コイル21Bにより発生する磁束であり、磁束Fc1,Fc2は高圧コイル21Cにより発生する磁束である。高圧コイルに流れる電流によって生じる、複数の磁性板の積層方向の磁束と、低圧コイルに流れる電流によって生じる、複数の磁性板の積層方向の磁束とは、互いに強めあう。複数の磁性板の積層方向とは、図25では紙面の上下方向に対応する。
鉄心15E(レグ鉄心14)に対して垂直な方向の漏れ磁束によって渦電流が生じる。図25に示されるように、高圧コイルと低圧コイルとの間の鉄心の部分(図25において破線により示される部分35A〜35D)では、低圧コイルからの漏れ磁束と高圧コイルからの漏れ磁束とによる渦電流が発生するため渦電流が大きくなる。したがって、高圧コイルと低圧コイルとの間の鉄心の部分において渦電流損失が特に大きくなる。
実施の形態6によれば、渦電流損失が特に大きくなる鉄心の部分、すなわち高圧コイルと低圧コイルとの間の鉄心の部分にスリット(16A,16B)が形成される。これにより、実施の形態6によれば実施の形態1〜5と同様に、渦電流を効果的に低減できるので、渦電流損失を低減できる。したがって実施の形態6によれば、実施の形態1〜5と同様に変圧器の損失を低減することができる。
(実施の形態6の変形例)
図26は、実施の形態6の第1の変形例に係る変圧器を、鉄心を構成する複数の磁性板の積層方向から見た図である。図27は、図26に示された変圧器を説明するための斜視図である。図28は、図26および図27に示した変圧器における電磁シールドおよびスリットの配置を説明するための平面図である。図26〜図28を参照して、変圧器10Eは、低圧コイル21A,21Bと、高圧コイル21Cと、鉄心15Eと、電磁シールド18,19とを備える。複数の磁性板の積層方向から見て、スリット16A,16Bは電磁シールド18と重なり合う領域に形成される。
図29は、実施の形態6の第2の変形例に係る変圧器を、鉄心を構成する複数の磁性板の積層方向から見た図である。図29を参照して、変圧器10E2は、スリット10A〜10Dが形成された鉄心15Eを有する。複数の磁性板の積層方向から見て、スリット16A〜16Dは、高圧コイルと低圧コイルとの間の領域に形成される。具体的には、複数の磁性板の積層方向から見て、スリット16A,16Bは、高圧コイルと低圧コイルとの間の領域かつ電磁シールド18と重なり合わない領域に形成される。一方、複数の磁性板の積層方向から見て、スリット16C,16Dは、高圧コイルと低圧コイルとの間の領域かつ電磁シールド18と重なり合う領域に形成される。
図30は、実施の形態6の第3の変形例に係る変圧器を、鉄心を構成する複数の磁性板の積層方向から見た図である。図30を参照して、変圧器10E3は、電磁シールド18を有していない点において、上記の変圧器10E,10E1,10E2の各々と異なる。なお、複数の磁性板の積層方向から見て、スリット16A,16Bは、高圧コイルと低圧コイルとの間の領域に形成される。
図31は、実施の形態6の第4の変形例におけるスリットの配置を説明するための図である。図31を参照して、変圧器10E4は、スリット16A,16B,16E,16Fが形成された鉄心15E(レグ鉄心14)を有する。スリット16A,16Bは、高圧コイルと低圧コイルとの間の領域に形成される。スリット16E,16Fは、レグ鉄心14の両端にそれぞれ形成される。複数の磁性板の積層方向から見て、スリット16Eの一部が低圧コイル21Aと重なる。同様に、複数の磁性板の積層方向から見て、スリット16Fの一部が低圧コイル21Bと重なる。
図25に示されるように、レグ鉄心14の端部に対応する鉄心15Eの部分35E〜35Hでは、低圧コイルによって発生した漏れ磁束(Fa1,Fa2,Fb1,Fb2)の向きが鉄心15E(レグ鉄心14)の表面に垂直となる。このため、鉄心15Eの部分35E〜35Hにおいて渦電流が発生すると考えられる。図31に示された構成によれば、鉄心15Eの部分35E〜35Hにスリットが形成されるので、低圧コイル21A,21Bからの漏れ磁束によって発生する渦電流をさらに低減することができる。
なお、図31に示された構成から電磁シールド18を省略することもできる。また、スリット16E,16Fは、図26に示された鉄心あるいは図29に示された鉄心に付加的に形成されてもよい。
[実施の形態7]
実施の形態1から6では、本発明が適用可能な変圧器として外鉄型の変圧器を示した。しかしながら本発明は外鉄型の変圧器に限定されず、内鉄型の変圧器にも適用できる。
図32は、内鉄型の変圧器の構成を概略的に説明するための図である。図32を参照して、変圧器50は、鉄心51,52,53を含む鉄心と、鉄心51,52,53にそれぞれ巻き回されたコイル61,62,63とを含む。図32中のY方向は各コイル61,62,63の巻軸の方向を示す。
上記の鉄心51〜53のうちの1つの鉄心およびその鉄心に巻回されたコイルは、三相交流の各相に対応して設けられる。鉄心51〜53の構造は互いに同じであるので、以下では鉄心51の構造を代表的に説明する。
図33は、図32中の鉄心51の構造を説明するための図である。図33を参照して、鉄心51は積層された複数の磁性板(電磁鋼板31A)により構成される。図中のZ方向は電磁鋼板31Aの積層方向を示す。なお、図33では、紙面を貫く方向が図32に示したY方向に対応する。
複数の磁性板のうち少なくとも、コイル61の内周面61aと対向する磁性板にスリット16Aが形成される。コイル61の内周面61aと対向する磁性板だけでなく、その磁性板に連続的に並ぶ磁性板にもスリット16が形成されてもよい。
コイル61から鉄心51に進入する漏れ磁束によって鉄心51に渦電流が生じた場合にも、スリット16Aによって、その渦電流を小さくすることができる。したがって実施の形態7によれば、内鉄型の変圧器において鉄心の渦電流損を低減することが可能となる。
なお、実施の形態7について、実施の形態2と同様に、スリットの一端が磁性板の端部に達していてもよく、実施の形態3と同様に、複数の磁性板の間でスリットの位置を異ならせてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10,10A〜10D,10E,10E1〜10E4,50 変圧器、11,12 ヨーク鉄心、13,14,14A,14B レグ鉄心、15,15A,15B,15E,51〜53 鉄心、16,16A〜16F スリット、17 主表面、17a 領域、18,19 電磁シールド、21,61〜63 コイル、21a,61a 内周面、31,31A,31p,31q 電磁鋼板、32 絶縁被膜、35A〜35H 部分(鉄心)、B 矢印、FL1〜FL4,Fa1,Fa2,Fb1,Fb2,Fc1,Fc2 磁束。

Claims (7)

  1. 一方向に積層された複数の磁性板(31,31A)を含む鉄心(15,15A,15B,15E,51〜53)と、
    その巻き軸が前記複数の磁性板の積層方向に直交するように、前記鉄心(15,15A,15B,15E,51〜53)に巻回されたコイル(21,61〜63)と、
    前記コイル(21)の内周面と、前記コイル(21)の前記内周面に対向する磁性板との間に挿入された電磁シールド(18,19)とを備え、
    前記複数の磁性板(31)の前記積層方向(Z)から見て、スリット(16,16A,16B,16E,16F)は、前記コイルの前記内周面に対向する磁性板の表面のうちの前記電磁シールド(18,19)と重ならない領域に形成され、前記コイルの前記内周面のうちの前記電磁シールド(18,19)と重なりあわない部分は、曲面を有する、変圧器。
  2. 前記複数の磁性板(31)の前記積層方向(Z)から見て、前記スリット(16)の一方端は前記コイル(21,61〜63)と重なり、かつ、前記スリット(16)の他方端は前記磁性板(31)の延在方向に位置する前記磁性板の端部に達する、請求項1に記載の変圧器。
  3. 前記複数の磁性板(31)の各々は、方向性鋼板であり、
    前記磁性板(31)の延在方向は、前記方向性鋼板の圧延方向であり、
    前記スリット(16,16A〜16F)は、前記方向性鋼板の前記圧延方向に沿って形成される、請求項1に記載の変圧器。
  4. 前記鉄心(15,15A,15B,15E,51〜53)は、前記コイル(21,61〜63)の前記内周面と対向する磁性板を含み、
    前記複数の磁性板(31,31A)の前記積層方向(Z)に沿って連続的に並ぶ所定数の磁性板に、前記スリット(16,16A〜16F)が形成される、請求項1に記載の変圧器。
  5. 前記所定数の磁性板のうち、前記複数の磁性板(31)の前記積層方向(Z)に隣接する2つの磁性板の間では、前記スリットが重ならないように、前記所定数の磁性板に前記スリット(16)が形成される、請求項4に記載の変圧器。
  6. 前記コイル(21)は、第1のコイル(21A,21B)と第2のコイル(21C)とを含み、
    前記第1のコイル(21A,21B)に流れる電流により生じる、前記複数の磁性板(31)の前記積層方向(Z)の磁束と、前記第2のコイル(21C)に流れる電流により生じる、前記複数の磁性板(31)の前記積層方向(Z)の磁束とが、互いに強めあうように、前記第1および第2のコイル(21A〜21C)は構成され、
    前記複数の磁性板(31)の前記積層方向(Z)から見て、前記スリット(16A,16B,16C,16D)は、少なくとも前記第1のコイル(21A,21B)と前記第2のコイル(21C)との間の領域に形成される、請求項1に記載の変圧器。
  7. 前記鉄心は、
    前記複数の磁性板の積層方向および前記コイルの巻き軸方向の両方に直交する方向に並べられ、かつ、各々がコイルを囲む第1および第2の鉄心を含み、
    前記第1の鉄心は、
    前記コイルを貫通する第1のレグ鉄心と、
    前記コイルの外側に、前記第1のレグ鉄心と平行に配置された第2のレグ鉄心と、
    互いに間隔を隔てて平行に配置され、かつ、前記第1のレグ鉄心と前記第2のレグ鉄心とを接続する、第1および第2のヨーク鉄心とを含み、
    前記第2の鉄心は、
    前記コイルを貫通し、かつ前記第1のレグ鉄心と隣り合う第3のレグ鉄心と、
    前記コイルの外側に前記第3のレグ鉄心と平行に配置され、かつ前記第2のレグ鉄心と反対側に位置する第4のレグ鉄心と、
    互いに間隔を隔てて平行に配置され、かつ、前記第3のレグ鉄心と前記第4のレグ鉄心とを接続する、第3および第4のヨーク鉄心とを含み、
    前記複数の磁性板(31)の前記積層方向(Z)から見て、前記電磁シールドが前記第1および第3のレグ鉄心と重なるように配置されるとともに、前記スリットが、前記第1および第3のレグ鉄心の各々の前記電磁シールド(18,19)と重ならない領域に形成される、請求項1に記載の変圧器。
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