JP6158579B2 - 静止誘導電器 - Google Patents

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本発明は静止誘導電器に係り、特に、巻線の上下方向に配置される鉄心締付け金具における磁気シールド構造を改良した静止誘導電器に関する。
通常、鉄心脚部及び鉄心継鉄部からなる鉄心と、その鉄心脚部の回りに巻かれた巻線とで構成される静止誘導電器において、特に、大型の鉄心を用いる場合は、鉄心を積厚方向の両側から上下の鉄心締付け金具で締付け、鉄心形状をしっかりと保持すると共に、上下の鉄心締付け金具を利用して巻線を保持することが行われている。
上述した鉄心締付け金具は、機械的強度を必要とするため、材質として金属(例えば鉄、ステンレス鋼等)が用いられる。また、鉄心締付け金具は、巻線付近の上方及び下方に配置されるため、巻線からの漏れ磁束により、鉄心締付け金具に渦電流が流れ、渦電流損失(熱)が生じる。この渦電流損失を低減するため、非磁性材のシールドを用いることもある。
一方、巻線を構成する電線内でも漏れ磁束による渦電流損失が発生することが知られている。特に、巻線の上下端部では、磁束密度が様々な方向成分を持つため、巻線中央部などに比べ、漏れ磁束が大きくなる傾向にある。
しかも、近年は、製造コスト低減のため、静止誘導電器が小型化し、漏れ磁束密度は高くなる傾向にある。また、漏れ磁束による損失低減のためには、巻線部の渦電流損失、鉄心締付け金具での損失及びそのシールドの損失を全体として低減することが望まれる。
上述の漏れ損失の低減手段として、珪素鋼板を複数枚重ねて製作した磁気シールドを用いることが提案されている。
例えば、特許文献1には、リボン状の珪素鋼板を複数枚積層し円板状に形成した磁性シールドとリブ材を一体に固着したシールドについて開示されている。また、特許文献2には、平板状の珪素鋼板を積層して作製された磁気シールドを吸音材で囲み、コイルを取り付けるクランプに取り付ける構造について開示されている。また、特許文献3には、鉄心締付け金具のコイルと対向する面に、透磁率の高い材質(珪素鋼板)の磁気シールドが設置された構造について開示されている。更に、特許文献4には、リボン状の珪素鋼板を直線状に複数枚積層して形成した磁気シールド(磁気クランプ)が、上下の締付け金具(支持部材)の近傍に配置されたシールドについて開示されている。
特開昭61−99314号公報 特開平09−293622号公報 特開平08−288153号公報 特開昭58−139415号公報
特許文献1の構造では、漏れ磁束は磁気シールドに向かって流れるため、巻線端部での渦電流損の発生を低減する効果がある。しかし、磁束が珪素鋼板間を移動し難く、鉄心を支持する部材を介して鉄心に磁束が流入或いは流出するため、損失の低減効果は十分でない。また、円板状の磁気シールドは、製作が難しく、製作コストや取り付けコストがかかるという問題がある。また、特許文献2及び特許文献3の構造では、磁気シールドでの損失の発生は小さいものの、その背後にあるクランプ(特許文献2)や締付け金具(特許文献3)へ磁気シールドから磁束が渡り、そこで大きな損失を発生するという問題がある。更に、特許文献4の構造では、磁気シールドにより、上下の鉄心締付け金具の渦電流損失を大幅に低減できるが、巻線端部において巻線を構成する電線を横切るような磁束密度成分を低減することは簡単ではなく、巻線の渦電流損失を低減することは難しいという問題がある。
本発明は上述の点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、巻線からの漏れ磁束に起因する巻線の渦電流損、鉄心締付け金具及び損失低減のための磁気シールドで発生する損失を全体として低減することができる静止誘導電器を提供することにある。
本発明の静止誘導電器は、上記目的を達成するために、複数の珪素鋼板が積層されて形成される鉄心脚部及び鉄心継鉄とからなる鉄心と、前記鉄心脚部に巻回された巻線と、該巻線の上下に配置されて前記鉄心を締め付け固定する上部及び下部鉄心締付け金具と、該上部及び下部鉄心締付け金具のそれぞれと前記巻線の間に配置された磁気シールドとを備え、前記上部鉄心締付け金具と前記上部に配置された磁気シールドとの軸方向距離が、前記鉄心と前記上部に配置された磁気シールドとの径方向距離より大きく構成されていると共に、前記各磁気シールドは、前記上部及び下部鉄心締付け金具の長手方向に3分割され、中央部に位置する磁気シールドの珪素鋼板の圧延方向が前記鉄心を構成する珪素鋼板の圧延方向と直角であり、かつ、両端に位置する磁気シールドの珪素鋼板の圧延方向が、前記中央部に位置する磁気シールドの珪素鋼板の圧延方向に対して直角であり、しかも、前記中央部に位置する磁気シールドは平面形状が矩形で、前記両端に位置する磁気シールドの平面形状が台形であることを特徴とする。
本発明によれば、巻線からの漏れ磁束に起因する巻線の渦電流損、鉄心締付け金具及び損失低減のための磁気シールドで発生する損失を全体として低減することができる。
本発明の静止誘導電器の実施例1である変圧器の主要部分を示す縦断面図である。 図1の変圧器における巻線上方の構造物の配置(下半分)及び他の構造物との位置関係(上半分)を示す平面図である。 図1の変圧器における巻線下方の構造物の配置(下半分)及び他の構造物との位置関係(上半分)を示す底面図である。 本発明の実施例1における上部鉄心締付け金具の側面から積層磁性体取付け構造物を見た側面図である。 本発明の実施例1における上部鉄心締付け金具の正面から積層磁性体取付け構造物を見た正面図である。 本発明の実施例1における積層磁性体の位置と漏れ磁束により発生する損失との関係を示す特性図である。 本発明の静止誘導電器の実施例2の変圧器における巻線上方の構造物の配置(下半分)及び他の構造物との位置関係(上半分)を示す平面図である。 本発明の静止誘導電器の実施例2の変圧器における巻線下方の構造物の配置(下半分)及び他の構造物との位置関係(上半分)を示す底面図である。 本発明の静止誘導電器の実施例3の変圧器における巻線上方の構造物の配置(下半分)及び他の構造物との位置関係(上半分)を示す平面図である。 本発明の静止誘導電器の実施例4の変圧器における巻線上方の構造物の配置(下半分)及び他の構造物との位置関係(上半分)を示す平面図である。 本発明の静止誘導電器の実施例5である変圧器の主要部分を示す縦断面図である。 本発明の静止誘導電器の実施例5の変圧器における巻線上方の構造物の配置(下半分)及び他の構造物との位置関係(上半分)を示す底面図である。 本発明の静止誘導電器の実施例6である変圧器の主要部分を示す縦断面図である。
以下、図示した実施例に基づいて本発明の静止誘導電器を説明する。なお、符号は、各実施例において、同一構成部品には同符号を使用する。
図1に、本発明の静止誘導電器の実施例1である変圧器の構成を、図2及び図3に、本実施例の変圧器における巻線上方及び下方の構造物の配置(下半分)及び他の構造物との位置関係(上半分)を示す。なお、図2及び図3は、3つの主脚よりなる変圧器鉄心のうち、中央の主脚とその付近を取り出して示したものである(以下で説明する他の実施例も同様である)。
図1に示すように、本発明の実施例1である変圧器の主要部分は、珪素鋼板を径方向(y方向)に複数枚積層して形成された鉄心脚部1Aと鉄心継鉄1Bからなる鉄心1と、鉄心脚部1Aに巻回された高圧側巻線4及び低圧側巻線5とを備え、鉄心1は、高圧側巻線4及び低圧側巻線5の上方に配置される上部鉄心締付け金具2と、高圧側巻線4及び低圧側巻線5の下方に配置される下部鉄心締付け金具3で固定されている。
上部鉄心締付け金具2は、縦板2aと上板2b及び下板2cから成る断面コ字状に形成され、その上部鉄心締付け金具2の下板2cに張出し構造物11が設けられており、張出し構造物11に取付けられている巻線押付け部材13により、上部絶縁物6及び上部流路構造物(高圧側巻線4及び低圧側巻線5を冷却するための冷却油を流す流路を形成するもの)7を介して、高圧側巻線4及び低圧側巻線5を締付ける構造となっている。
また、上部鉄心締付け金具2と高圧側巻線4及び低圧側巻線5の間には、珪素鋼板を軸方向(z方向)に複数枚積層して一体に形成配置された磁気シールド10が配置されており、この磁気シールド10は、ステンレス鋼製の磁気シールド取付け構造物12で固定されている。
そして、本実施例では、磁気シールド10と上部鉄心締付け金具2の下板2cとは、その軸方向(z方向)距離がHだけ離れており、また、磁気シールド10の鉄心側端部と鉄心1とは、その径方向(y方向)距離がLだけ離れて配置されており、しかも、上記した軸方向距離Hは、径方向距離Lより大きくなるように磁気シールド10が配置されている。
一方、下部鉄心締付け金具3は、縦板3aと上板3b及び下板3cから成る断面コ字状に形成され、その下部鉄心締付け金具3の上板3b上には、下部流路構造物8(高圧側巻線4及び低圧側巻線5を冷却するための冷却油を流す流路を形成するもの)及び下部絶縁物9が配置され、高圧側巻線4及び低圧側巻線5を下側から支えている。下部絶縁物9の一部には、珪素鋼板を軸方向に複数枚積層して一体に形成配置された磁気シールド20が埋め込まれている。
次に、高圧側巻線4及び低圧側巻線5の上方に配置されている磁気シールド10について、詳細に説明する。
図2に示すように、本実施例の磁気シールド10は、上部鉄心締付け金具2の長手方向(x方向)に3分割され、中央磁気シールド10aと、中央磁気シールド10aの両端に配置された2つの端部磁気シールド10bとで構成され、しかも、中央磁気シールド10aの平面形状が矩形に、2つの端部磁気シールド10bの平面形状が台形に形成されている。
そして、本実施例では、中央磁気シールド10aと端部磁気シールド10bは、その珪素鋼板の圧延方向(図2の下半分の矢印方向(y方向))が、鉄心1を構成する珪素鋼板の圧延方向(z方向)と直角となるように配置されている。
なお、中央磁気シールド10aと2つの端部磁気シールド10bは、その珪素鋼板の平面が水平方向(y方向)の状態で鉄心1を構成する珪素鋼板の圧延方向(z方向)と直角となるように配置されているか、或いは中央磁気シールド10aと2つの端部磁気シールド10bの平面が上下方向(z方向)の状態で鉄心1を構成する珪素鋼板の圧延方向(z方向)と直角となるように配置されているものである。
図2の上半分は、上部鉄心締付け金具2と磁気シールド10、鉄心1と高圧側巻線4及び低圧側巻線5との位置関係を示している。該図に示すように、中央磁気シールド10aと端部磁気シールド10bは、高圧側巻線4と低圧側巻線5との間隙をほぼ覆うように配置されているので、高圧側巻線4及び低圧側巻線5からの漏れ磁束を集め易くなっている。
なお、中央磁気シールド10aと端部磁気シールド10bは、それぞれの形状に切断した珪素鋼板を重ね(例えば、150枚)たものを、液状の樹脂に浸け、その後、熱を加えて固化して形成されるものである。
次に、高圧側巻線4及び低圧側巻線5の下方に配置されている磁気シールド20について、詳細に説明する。
図3に示すように、本実施例の磁気シールド20は、下部鉄心締付け金具3の長手方向(x方向)に3分割され、中央磁気シールド20aと、2つの中央磁気シールド20aの両端に配置された端部磁気シールド20bとで構成され、しかも、中央磁気シールド20aの平面形状が矩形に、2つの端部磁気シールド20bの平面形状が台形に形成されている。
そして、本実施例では、中央磁気シールド20aと端部磁気シールド20bは、その珪素鋼板の圧延方向(図3の下半分の矢印方向(y方向))が、鉄心1を構成する珪素鋼板の圧延方向(z方向)と直角となるように配置されている。
なお、中央磁気シールド20aと端部磁気シールド20bは、その珪素鋼板の平面が水平方向(y方向)の状態で鉄心1を構成する珪素鋼板の圧延方向(z方向)と直角となるように配置されているか、或いは中央磁気シールド20aと端部磁気シールド20bの平面が上下方向(z方向)の状態で鉄心1を構成する珪素鋼板の圧延方向(z方向)と直角となるように配置されているものである。
図3の上半分は、下部鉄心締付け金具3と磁気シールド20、鉄心1と高圧側巻線4及び低圧側巻線5との位置関係を示している。該図に示すように、中央磁気シールド20aと2つの端部磁気シールド20bは、高圧側巻線4と低圧側巻線5との間隙をほぼ覆うように配置されている。
なお、中央磁気シールド20aと端部磁気シールド20bの製作方法は、上述した中央磁気シールド10aと端部磁気シールド10bの製作方法と同様である。
次に、磁気シールド取付け構造物12の詳細について図4及び図5を用いて説明する。
該図に示すように、磁気シールド取付け構造物12は、上部鉄心締付け金具側支持部材12aと、張出し構造物側支持部材12bと、磁気シールド保持ケース12cと、磁気シールド封止部材12dとから構成されており、それぞれ、非磁性体の材料を用いて作製されている(本実施例では、ステンレス鋼で作製されている)。
上述の磁気シールド保持ケース12cは、同部での損失の発生を抑制する目的で、幅の狭いステンレス鋼で構成した枠状の構造物である。また、磁気シールド封止部材12dは、磁気シールド10を磁気シールド保持ケース12cに挿入した後、ネジ止め或いは溶接等で固定されている。
また、磁気シールド10を挿入した磁気シールド保持ケース12cは、鉄心1側が上部鉄心締付け金具側支持部材12aを介して上部鉄心締付け金具2の下板2cに、反鉄心1側が張出し構造物側支持部材12bを介して張出し構造物11に、それぞれ固定されている。
なお、磁気シールド10の重量が小さい場合には、磁気シールド取付け構造物12の全部、又はその一部を、繊維強化プラスチックなどの絶縁物で作製しても良い。
上述もしたが、鉄心1を構成する珪素鋼板の圧延方向は、上部鉄心締付け金具2の縦板2aと並行で上下方向(z方向)を向いており、磁気シールド10を構成する珪素鋼板の圧延方向(y方向)とは、ほぼ直角となっている。これにより、磁束の集中を起こすことなく、磁気シールド10から鉄心1への磁束移行を可能にしている。
次に、本実施例における損失低減の効果について説明する。
図6は、磁気シールド10の位置と高圧側巻線4と低圧側巻線5からの漏れ磁束により発生する損失の関係を示すもので、横軸は、磁気シールド10と上部鉄心締付け金具2の下板2cとの距離Hを、磁気シールド10の鉄心側端部と鉄心1との距離Lで割った値、縦軸は、漏れ磁束により発生する損失の総和であり、上部及び下部の磁気シールド10及び20を用いない場合の発生損失を100%として示している。
該図から明らかなように、H/Lが0から大きくなるに従い、漏れ磁束により発生する損失は減少するが、H/Lが1より大きくなると徐々に飽和することが分かる。
このように本実施例では、高圧側巻線4と低圧側巻線5からの漏れ磁束は、主として磁気シールド10に流れるが、磁気シールド10と上部鉄心締付け金具2の下板2cとの距離Hが、磁気シールド10の鉄心側端部と鉄心1との距離Lより大きくなるように形成しているため、磁気シールド10からの漏れ磁束は、鉄心1に取り込まれるように流れるので、高圧側巻線4及び低圧側巻線5を構成する電線を横切る磁束を低減でき、高圧側巻線4及び低圧側巻線5の渦電流損失を低減できる。また、上部鉄心締付け金具2に入る磁束を大幅に低減でき、磁気シールド10の発生損失は、非磁性シールドなどに較べ少ないため、上部及び下部鉄心締付け金具2及び3、上部及び下部の磁気シールド10及び20で発生する損失を低減できる。その結果、変圧器全体として、漏れ磁束による発生損失を低減できる効果がある。
なお、上述した実施例では、磁気シールド10及び20を3分割したものについて説明したが、磁気シールド10及び20は一体物で構成しても良い(以下に説明する他の実施例でも同様)。磁気シールド10及び20を一体物で構成することにより、作成し易い、機械的に強い、固定し易い等のメリットがある。
図7及び図8に、本発明の静止誘導電器の実施例2の変圧器を示す。該図は、変圧器における巻線上方及び下方の構造物の配置(下半分)及び他の構造物との位置関係(上半分)を示すものである。
実施例1では、磁気シールド10及び20を構成する珪素鋼板の圧延方向が同じである複数の分割磁気シールドを用いたが、本実施例は、磁気シールド10及び20を構成する珪素鋼板の圧延方向が異なる複数の分割磁気シールドを用いた例である。
図7に示す如く、本実施例の巻線上方の磁気シールド10も実施例1と同様に、上部鉄心締付け金具2の長手方向(x方向)に3分割され、中央磁気シールド10aと、中央磁気シールド10aの両端に配置された2つの端部磁気シールド10bとで構成され、しかも、中央磁気シールド10aの平面形状が矩形に、2つの端部磁気シールド10b平面形状が台形に形成されている。そして、本実施例では、中央磁気シールド10aは、その珪素鋼板の圧延方向(y方向)が、鉄心1を構成する珪素鋼板の圧延方向(z方向)と直角となるように配置され、かつ、2つの端部磁気シールド10bの珪素鋼板の圧延方向(x方向)が、中央磁気シールド10aの珪素鋼板の圧延方向(y方向)に対して直角となるように配置されているものである。
同様に、図8に示す如く、巻線下方の磁気シールド20も、下部鉄心締付け金具3の長手方向(x方向)に3分割され、中央磁気シールド20aと、中央磁気シールド20aの両端に配置された2つの端部磁気シールド20bとで構成され、中央磁気シールド20aの平面形状が矩形に、2つの端部磁気シールド20bの平面形状が台形に形成されており、しかも、中央磁気シールド20aは、その珪素鋼板の圧延方向(y方向)が、鉄心1を構成する珪素鋼板の圧延方向(z方向)と直角となるように配置され、かつ、2つの端部磁気シールド20bの珪素鋼板の圧延方向(x方向)が、中央磁気シールド20aの珪素鋼板の圧延方向(y方向)に対して直角となるように配置されている。他の構成は、実施例1と同様である。
このような本実施例の構成とすることにより、実施例1と同様な効果が得られることは勿論、高圧側巻線4と低圧側巻線5で生じた漏れ磁束が、端部磁気シールド20bに取込まれたのち珪素鋼板の圧延方向(x方向)に流れ、更に、中央磁気シールド10aを珪素鋼板の圧延方向(y方向)に流れて鉄心1に取込まれるため、それ以外の部位に漏れる磁束を低減できる効果がある。また、巻線下方に配置される中央磁気シールド20a及び端部磁気シールド20bについても、上述した巻線上方に配置される磁気シールド10の磁束の流れと同様の流れが生じ、それ以外の部位に漏れる磁束を低減できる効果がある。
図9に、本発明の静止誘導電器の実施例3の変圧器を示す。該図は、変圧器における巻線上方の構造物の配置(下半分)及び他の構造物との位置関係(上半分)を示すものである。
図9に示す本実施例は、図7に示す実施例2の構成とほとんど同じであるが、巻線上方の磁気シールド10の端部磁気シールドとして、平面形状が台形ではなく矩形である珪素鋼板で構成された端部磁気シールド10cが用いられているところが異なっている。即ち、3分割された中央磁気シールド10a及び2つの端部磁気シールド10cが、平面形状が全て矩形に構成されているものである。しかも、本実施例では、その両端に位置する2つの端部磁気シールド10cが、中央磁気シールド10aより断面積が小さく形成されている。
このような本実施例の構成とすることにより、実施例1と同様な効果が得られることは勿論、磁気シールド10を製作する費用を削減できる効果がある。
なお、詳しい説明は省略するが、巻線下方の磁気シールド20についても、同様の形状の磁気シールドを用いることができる。
図10に、本発明の静止誘導電器の実施例4の変圧器を示す。該図は、変圧器における巻線上方の構造物の配置(下半分)及び他の構造物との位置関係(上半分)を示すものである。
図10に示す本実施例は、図7に示す実施例2の構成とほとんど同じであるが、端部磁気シールド10cより他の主脚側に、別の端部磁気シールド10dを配置し、上部鉄心締付け金具2の下部に、ほぼ切れ目なく磁気シールド10を配置したものである。
なお、端部磁気シールド10cは、中央磁気シールド10aより断面積が小さく形成され、端部磁気シールド10cと端部磁気シールド10dの断面積は略同じである。また、中央磁気シールド10aと端部磁気シールド10c及び10dの珪素鋼板の圧延方向(y方向)は同じであり、鉄心1を構成する珪素鋼板の圧延方向(z方向)と直角となるように配置されているものである。
このような本実施例の構成とすることにより、実施例1と同様な効果が得られることは勿論、中央の主脚と他の主脚の間に位置する上部鉄心締付け金具2に取り込まれる磁束を低減でき、漏れ磁束により発生する損失を更に低減できる効果がある。
図11及び図12に、本発明の静止誘導電器の実施例5の変圧器を示す。図12は、変圧器における巻線下方の構造物の配置(下半分)及び他の構造物との位置関係(上半分)を示すものである。
図11及び図12に示す本実施例は、図1乃至図3に示す実施例1の構成とほとんど同じであるが、大容量変圧器に用いられる下部鉄心締付け金具を箱型の構造とした場合の例である。
即ち、本実施例は、下部鉄心締付け金具及びその付近の構造以外は図1乃至図3の構造と同じであるが、本実施例では、箱形下部鉄心締付け金具33が用いられている。この箱形下部鉄心締付け金具33で鉄心1を締め付け固定すると共に、箱形下部締付け金具33の内側は、冷却のための油流路35が形成されており、この油流路35を流れた鉱油の一部は、箱形下部締付け金具33の上部に設けられた油導入穴37を通じて高圧側巻線4及び低圧側巻線5に流れるようになっている。
また、本実施例では、図11に示すように、磁気シールド30が下部絶縁物9に埋め込まれており、更に、磁気シールド30は、図12に示すように、平面形状が矩形に形成され、油導入穴37を避けて配置され2つの磁気シールド30bと、この磁気シールド30bより断面積が大きく、かつ、油導入穴37を避けて配置された2つの磁気シールド30b間を連結する別の磁気シールド30aとから構成されている。そして、2つの磁気シールド30bを構成する珪素鋼板の圧延方向(y方向)は、鉄心1を構成する珪素鋼板の圧延方向(z方向)と直角となるように配置され、かつ、別の磁気シールド30aを構成する珪素鋼板の圧延方向(x方向)は、磁気シールド30bを構成する珪素鋼板の圧延方向(y方向)と直角となるように配置されている。
このような本実施例の構成とすることにより、実施例1と同様な効果が得られることは勿論、磁気シールド30a及び30bに移行した磁束は、油導入穴37を避けて配置され2つの磁気シールド30bから鉄心1に移行することができ、また、鉄心1を構成する珪素鋼板と、鉄心1の油導入穴37を避けて配置され2つの磁気シールド30bを構成する珪素鋼板は、ほぼ直角となっており、磁束の集中を回避して油導入穴37を避けて配置され2つの磁気シールド30bから鉄心1に移行することができるので、磁気シールドで発生する損失を全体として低減できる効果が顕著である。
図13に、本発明の静止誘導電器の実施例6の変圧器を示す。図13に示す本実施例は、図1乃至図3に示す実施例1の構成とほとんど同じであるが、巻線上方に配置される磁気シールド10が絶縁物6に埋め込まれている構造となっている。
このような本実施例の構成とすることにより、実施例1と同様な効果が得られることは勿論、磁気シールド10の固定が容易になる効果がある。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1…鉄心、1A…鉄心脚部、1B…鉄心継鉄、2…上部鉄心締付け金具、2a…上部鉄心締付け金具の縦板、2b…上部鉄心締付け金具の上板、2c…上部鉄心締付け金具の下板、3…下部鉄心締付け金具、3a…下部鉄心締付け金具の縦板、3b…下部鉄心締付け金具の上板、3c…下部鉄心締付け金具の下板、4…高圧側巻線、5…低圧側巻線、6…上部絶縁物、7…上部流路構造物、8…下部流路構造物、9…下部絶縁物、10、20、30、30a、30b…磁気シールド、10a、20a…中央磁気シールド、10b、10c、10d、20b…端部磁気シールド、11…張出し構造物、12…磁気シールド体取付け構造物、12a…上部鉄心締付け金具側支持部材、12b…張出し構造物側支持部材、12c…磁気シールド保持ケース、12d…磁気シールド封止部材、13…巻線押し付け部材、33…箱形下部鉄心締付け金具、35…油流路、37…油導入穴。

Claims (3)

  1. 複数の珪素鋼板が積層されて形成される鉄心脚部及び鉄心継鉄とからなる鉄心と、前記鉄心脚部に巻回された巻線と、該巻線の上下に配置されて前記鉄心を締め付け固定する上部及び下部鉄心締付け金具と、該上部及び下部鉄心締付け金具のそれぞれと前記巻線の間に配置された磁気シールドとを備え、
    前記上部鉄心締付け金具と前記上部に配置された磁気シールドとの軸方向距離が、前記鉄心と前記上部に配置された磁気シールドとの径方向距離より大きく構成されていると共に、前記各磁気シールドは、前記上部及び下部鉄心締付け金具の長手方向に3分割され、中央部に位置する磁気シールドの珪素鋼板の圧延方向が前記鉄心を構成する珪素鋼板の圧延方向と直角であり、かつ、両端に位置する磁気シールドの珪素鋼板の圧延方向が、前記中央部に位置する磁気シールドの珪素鋼板の圧延方向に対して直角であり、しかも、前記中央部に位置する磁気シールドは平面形状が矩形で、前記両端に位置する磁気シールドの平面形状が台形であることを特徴とする静止誘導電器。
  2. 請求項に記載の静止誘導電器において、
    前記巻線は、前記鉄心脚部に巻回された低圧側巻線及び該低圧側巻線の周囲に、該低圧側巻線と所定の間隙をもつて巻回された高圧側巻線から成り、前記磁気シールドは、前記低圧側巻線と前記高圧側巻線との間隙を覆うように配置されていることを特徴とする静止誘導電器。
  3. 請求項1又は2に記載の静止誘導電器において、
    前記3つに分割されて上部に配置された磁気シールドの各々は、保持ケースに収納され、該保持ケースの鉄心側が第1の支持部材を介して前記上部鉄心締付け金具に、前記保持ケースの反鉄心側が第2の支持部材を介して前記上部鉄心締付け金具に設けられている張出し構造物にそれぞれ固定されていることを特徴とする静止誘導電器。
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