JP4841569B2 - 卵殻膜粉末を配合した菓子類 - Google Patents
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Description
皮膚における(I)型コラーゲンと(III)型コラーゲンの割合は加齢に伴って変化し、(III)型コラーゲンは胎児のときに最も多く、10代から徐々に減少する。
皮膚における(III)型コラーゲンの割合を増すことができれば、加齢による皮膚の老化を止め、肌荒れを防止し、皮膚を滑らかで、柔らかく、シットリとした状態に保つことができる。
卵殻膜は、強靭な繊維性のタンパク質から主としてなり、昔から相撲部屋で擦り傷などの手当にも使われていたように、皮膚の再生を促進する働きを有することが知られており、近年、胎児性コラーゲンとも称される(III)型コラーゲンの生成を促進させる作用を有することが報告されている。
また、卵殻膜またはその加水分解物を経口により摂取して肌改善効果や健康増進効果などを発揮させることが提案されており、そのような従来技術としては、例えば、卵殻膜またはその加水分解物を含有する経口用肌改善剤や健康食品が知られている(特許文献3〜5などを参照)。
卵殻膜を菓子類に配合して摂取できれば、菓子類を賞味しながら卵殻膜の有する上記した優れた機能によって、肌改善、育毛、発毛促進、脱毛防止、疾病や不良な身体症状の改善や予防、生体の活性化、健康増進、健康の維持などを同時に図ることができ、望ましいことである。
本発明の目的は、卵殻膜が菓子類中に均一に配合されていて、且つ菓子類に配合した卵殻膜の性能の低下や変質などがなく、卵殻膜の有する上記した種々の優れた作用が菓子中で長期にわたって維持され、しかも菓子本来の食感や風味の低下のない、賞味期間が長く、食感や風味に優れる、高品質の菓子類を提供することである。
さらに、本発明の目的は、菓子類の製造時の作業性に優れる、卵殻膜入りの菓子類を提供することである。
その結果、卵殻膜粉末を菓子中にそのまま直接配合せずに、卵殻膜粉末をキャラメルで被覆してキャラメル被覆卵殻膜粉末をつくり、当該キャラメル被覆卵殻膜粉末を用いて菓子類を製造すると、卵殻膜粉末を配合した菓子生地の製造時に卵殻膜粉末同士の凝集・塊化が生じず、卵殻膜粉末を菓子用原材料や菓子生地中に均一に混合でき、良好な作業性で卵殻膜入り菓子類を円滑に製造できることを見出した。
また、本発明者は、キャラメルで被覆した卵殻膜粉末を用いて菓子類を製造すると、卵殻膜粉末の吸湿が防止されて、卵殻膜粉末の腐敗や酸化が生じにくくなり、卵殻膜が有する肌改善、育毛、発毛促進、脱毛防止、疾病や不良な身体症状の改善や予防、生体の活性化、健康増進、健康の維持などの種々の優れた機能が長期にわたって維持されること、しかも菓子類の食感や風味が低下せず、長期にわたって良好な食感や風味を維持する、高品質で賞味期間の長い菓子類が得られることを見出した。
さらに、本発明者は、キャラメルで被覆した卵殻膜粉末における卵殻膜粉末:キャラメルの質量比を1:2〜1:5の範囲にすると、キャラメル被覆卵殻膜粉末の製造が容易で、しかも卵殻膜粉末の防湿を良好に行うことができ、更に当該キャラメル被覆卵殻膜粉末を菓子類に配合した際にそれぞれの菓子類が有する本来の食感や風味が損なわれないことを見出した。
さらに、本発明者は、菓子類にキャラメル被覆卵殻膜粉末と共に、リコピン、セラミド、カロチン、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンE、ローヤルゼリー、ヒアルロン酸および卵殻カルシウムのうちの1種または2種以上を更に含有させると肌改善効果が一層向上すること、キャラメル被覆卵殻膜粉末を配合する菓子類としては、穀粉を用いて焼成して製造した菓子類、特にケーキ(パウンドケーキ、アマンドケーキ、ショートケーキ、バウムクーヘンなど)、クッキー、ビスケット、サブレ、シュクレなどの菓子類が、美味、風味などの点から好ましく、特にパウンドケーキ、アマンドケーキ、バウムクーヘン、クッキー、ビスケット、サブレなどが美味、風味、保存性などの点から好ましいことを見出し、それらの種々の知見に基づいて本発明を完成した。
(1) キャラメルで被覆した卵殻膜粉末を配合したことを特徴とする菓子類である。
そして、本発明は、
(2) キャラメルで被覆した卵殻膜粉末が、150メッシュの標準篩を通過する粒子の含有割合が70質量%以上である卵殻膜粉末をキャラメルで被覆した粉末である前記(1)の菓子類;および、
(3) キャラメルで被覆した卵殻膜粉末における卵殻膜粉末:キャラメルの質量比が1:2〜1:5である前記(1)または(2)の菓子類;
である。
(4) キャラメルで被覆した卵殻膜粉末が、キャラメルと卵殻膜粉末を含む溶融混合物をキャラメルが固化する温度の雰囲気中に噴霧して得られる粉末であるか、またはキャラメルと卵殻膜粉末を含む溶融混合物を冷却固化した後に粉砕して得られる粉末である前記した(1)〜(3)のいずれか菓子類;および、
(5) 卵殻膜粉末の配合量が、キャラメルで被覆する前の卵殻膜粉末の質量で、菓子類の製造に用いてなる原材料の合計質量に基づいて、0.01〜5質量%である前記(1)〜(4)のいずれかの菓子類;
である。
(6) ヒアルロン酸、卵殻カルシウム、ローヤルゼリー、リコピン、ビタミンE、ビタミンB、ビタミンC、カロチン、セラミドのうちの1種または2種以上を更に含有する前記(1)〜(5)のいずれかの菓子類;
(7) 穀粉を用いてなる生地を焼成して製造した菓子類である前記(1)〜(6)のいずれかの菓子類;および、
(8) ケーキ、クッキー、ビスケット、サブレまたはシュクレである前記(1)〜(7)のいずれかの菓子類;
である。
キャラメルで被覆した卵殻膜粉末を菓子類に配合している本発明による場合は、吸湿による卵殻膜粉末の腐敗や酸化などが防止されるために、卵殻膜が有する肌改善、育毛、発毛促進、脱毛防止、疾病や不良な身体症状の改善や予防、生体の活性化、健康増進、健康の維持などの種々の優れた機能が長期にわたって維持することができ、しかも菓子類の食感や風味が低下せず、長期にわたって良好な食感や風味を維持することができ、賞味期間が長い。
本発明において、キャラメル被覆卵殻膜粉末における卵殻膜粉末:キャラメルの質量比を1:2〜1:5の範囲にすると、キャラメル被覆卵殻膜粉末の製造が容易で、しかも卵殻膜粉末の防湿を良好に行うことができ、更に当該キャラメル被覆卵殻膜粉末を菓子類に配合した際にそれぞれの菓子類が有する本来の食感や風味が損なわれない。
本発明で用いるキャラメル被覆卵殻膜粉末は、キャラメルと卵殻膜粉末を含む混合物を溶融状態にして噴霧し冷却して粉末状にするか、または溶融したキャラメルと卵殻膜粉末を含む溶融混合物を冷却固化後に粉砕することによって、円滑に製造することができる。
キャラメル被覆卵殻膜粉末と共に、リコピン、セラミド、カロチン、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンE、ローヤルゼリー、ヒアルロン酸および卵殻カルシウムのうちの1種または2種以上を更に含有する本発明の菓子類は、肌改善効果に一層優れている。
本発明では、卵殻膜粉末として、鳥類の卵から得られる卵殻膜の粉末のいずれもが使用でき、そのうちでも鶏卵から得られる卵殻膜粉末が汎用性、入手容易性などの点から好ましく用いられる。
本発明で用いる卵殻膜粉末としては、粉末状の卵殻膜であればいずれもが使用でき、菓子類の種類などによっては、平均粒径が1mm以上の卵殻膜粉末、例えば平均粒径が1〜5mmの卵殻膜粉末であっても使用可能である。
特に、150メッシュの標準篩(150Tyler篩;目開き104μm)を通過する粒子の含有割合が70質量%以上である微粒子状の卵殻膜粉末を用い、当該微粒子状の卵殻膜にキャラメルを被覆したキャラメル被覆卵殻膜粉末は、消化吸収性に優れていて、卵殻膜が有する上記した肌改善、育毛、発毛促進、脱毛防止、疾病や不良な身体症状の改善や予防、生体の活性化、健康増進、健康の維持などの優れた機能をより良好に発揮することができ、しかも穀粉などの菓子用原材料と均一に混合する点から好ましく用いられる。
卵殻膜粉末の被覆に用いるキャラメルとしては、従来から知られている砂糖をベースとキャラメルを使用することができる。本発明で用い得るキャラメルとしては、例えば、砂糖をベースとし、砂糖に少量の水を加えて焦がさないようにしてキャラメル色になるまで煮詰めた後に、冷却して固めたキャラメルなどが用いられる。卵殻膜粉末の被覆に用いるキャラメルは、必要に応じて水飴、グルコースシロップなどの甘味料、油脂類(バター、サラダ油、バニラオイルなど)、乳成分(牛乳、全粉乳、コンデンスミルク、生クリームなど)、小麦粉、澱粉、食塩、香料、レシチンや蔗糖脂肪酸エステルなどの乳化剤、重炭酸ソーダなどの1種または2種以上を含有していてもよい。
また、本発明のためにキャラメルを別途調製せずに、市販のキャラメルをそのまま用いてキャラメル被覆卵殻膜粉末を調製してもよい。本発明で用い得る市販のキャラメルとしては、例えばノルマンディー・キャラメル社製「NCキャラメルフレーク」(ペピット・ド・キャラメル)、DGF社製「DGFエクラドカラメル」などを挙げることができる。
キャラメル中に乳成分(生クリーム、コンデンスミルク、全粉乳など)を加える場合は、キャラメルの製造に用いた砂糖100質量部に対して80質量部以下であることが好ましく、またキャラメルに油脂類(バター、サラダ油、バニラオイルなど)を加える場合は、キャラメルの製造に用いた砂糖100質量部に対して50質量部以下であることが好ましい。
前記(i)および(ii)の方法において、キャラメルと卵殻膜粉末を含む溶融混合物の調製に当たっては、固体状のキャラメルと卵殻膜粉末を混合した後に溶融して溶融混合物とする方法、予め加熱溶融しておいたキャラメルに卵殻膜粉末を添加混合する方法のいずれもが採用でき、そのうちでも予め加熱溶融しておいたキャラメルに卵殻膜粉末を添加混合する方法が、キャラメルと卵殻膜粉末を均一に混合できる点から好ましく採用される。
キャラメルの混合割合が少なすぎると、卵殻膜粉末の吸湿性を低減することが困難になり、一方キャラメルの混合割合が多すぎると、キャラメルで被覆した卵殻膜粉末を菓子類に配合した際に、キャラメルの風味や食味が強くなり過ぎて、それぞれの菓子類本来の食味や風味が損なわれ易くなる。
本発明の菓子類が卵殻カルシウムを含有する場合は、卵殻カルシウムの含有量は、菓子類の製造に用いてなる原材料の合計質量(但し菓子生地の調製に水を用いる場合は水の量を除く)に基づいて、0.01〜1質量%、特に0.05〜0.1質量%であることが好ましい。
本発明の菓子類がローヤルゼリーを含有する場合は、ローヤルゼリーの含有量は、菓子類の製造に用いてなる原材料の合計質量(但し菓子生地の調製に水を用いる場合は水の量を除く)に基づいて、0.01〜1質量%、特に0.05〜0.1質量%であることが好ましい。
本発明の菓子類がリコピンを含有する場合は、リコピンの含有量は、菓子類の製造に用いてなる原材料の合計質量(但し菓子生地の調製に水を用いる場合は水の量を除く)に基づいて、0.001〜0.01質量%、特に0.001〜0.05質量%であることが好ましい。
本発明の菓子類がビタミンBを含有する場合は、ビタミンBの含有量は、菓子類の製造に用いてなる原材料の合計質量(但し菓子生地の調製に水を用いる場合は水の量を除く)に基づいて、0.00005〜0.001質量%、特に0.0001〜0.01質量%であることが好ましい。
本発明の菓子類がビタミンCを含有する場合は、ビタミンCの含有量は、菓子類の製造に用いてなる原材料の合計質量(但し菓子生地の調製に水を用いる場合は水の量を除く)に基づいて、0.00005〜0.001質量%、特に0.0001〜0.01質量%であることが好ましい。
本発明の菓子類がカロチンを含有する場合は、カロチンの含有量は、菓子類の製造に用いてなる原材料の合計質量(但し菓子生地の調製に水を用いる場合は水の量を除く)に基づいて、0.00005〜0.001質量%、特に0.0001〜0.01質量%であることが好ましい。
本発明の菓子類がセラミドを含有する場合は、セラミドの含有量は、菓子類の製造に用いてなる原材料の合計質量(但し菓子生地の調製に水を用いる場合は水の量を除く)に基づいて、0.00005〜0.001質量%、特に0.0001〜0.01質量%であることが好ましい。
特に、本発明の菓子類が穀粉を用いて調製した生地を焼成して得られる菓子類である場合は、穀粉と共に、油脂類(バター、マーガリン、ショートニング)、甘味料(トレハロース、マルチトール、砂糖、ブドウ糖など)、卵、ナッツ類、粉状ナッツ、乾燥果実(干しブドウ、干しブルーベリ、干しストロベリーなど)、コーヒー、ココア、チョコレート、抹茶、チーズ、生クリーム、ベーキングパウダー、食塩、香料、リキュール、ブランデー、バニラビーンズなどの1種または2種以上を用いて菓子生地を調製し、当該生地を焼成し、場合により更にデコレーションやトッピングなどを行なって、卵殻膜を配合してなる本発明の菓子類を製造することができる。
《調製例1》[キャラメルの調製]
釜に砂糖250質量部および水25質量部を入れて、焦がさないようにかき混ぜながらキャラメル色になるまで煮詰めた後、釜を火からおろし、溶融状態で釜から取り出し、室温に冷却し固化してキャラメルを調製した。
上記の調製例1で調製したキャラメル500質量部を120℃に加熱して溶融し、それに市販の卵殻膜粉末(キューピー株式会社製「EMパウダー300」;150メッシュの標準篩を通過する粒子の含有割合70質量%以上)200質量部を加えて撹拌下に均一に混合してキャラメルと卵殻膜粉末との溶融混合物を調製し、当該溶融混合物を冷却して固化した後、粉砕してキャラメル被覆卵殻膜粉末(卵殻膜粉末の含有割合=40質量%、粒径0.5mm以下)を調製した。
(1) 上記の調製例2で得られたキャラメル被覆卵殻膜粉末20gを皿の上に約1mmの厚さに均一に拡げ、その状態で、温度25℃、湿度60%RHの雰囲気中に放置して、下記の表1に示す所定の時間ごとに吸湿率を測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
(2) また、比較のために、上記の調製例2で用いた卵殻膜粉末[キャラメルで被覆してない市販の卵殻膜粉末(キューピー株式会社製「EMパウダー300」)]20gを皿の上に約1mmの厚さに均一に拡げ、その状態で、上記(1)と同じ雰囲気中に放置して、下記の表1に示す所定の時間ごとに吸湿率を測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
なお、上記の(1)および(2)において、吸湿率は、吸湿試験に供する直前のキャラメル被覆卵殻膜粉末の質量または卵殻膜粉末(キャラメルで被覆してない卵殻膜粉末)の質量Wa(g)と、吸湿試験における各測定時におけるキャラメル被覆卵殻膜粉末の質量または卵殻膜粉末の質量Wb(g)とから、次式により求めた。
吸湿率(質量%)={(Wb−Wa)/Wa}×100
(1) 上記の調製例2で調製したキャラメル被覆卵殻膜粉末を用い、下記の表2に示す配合組成を採用して、以下の(2)の方法でメープルパウンドケーキを製造した。
(ii) バターおよびショートニングをよく混ぜてクリーム状にし、これにトレハロース、メイプル、メイプルシロップ、マビット(登録商標)(林原製、水素化マルトース)およびローヤルゼリーを加えた後、溶きほぐした全卵を加え、これに上記(2)で調製した小麦粉混合物を加えてメイプルパウンドケーキ用生地を調製し、この生地を、油を薄く塗ったパウンドケーキ型に流し込み(1個のパウンドケーキ型への生地の流し込み量55g)、170℃に予熱しておいたオーブン中で170〜180℃で約25分間焼成してメイプルパウンドケーキを製造した。
なお、上記のメイプルパウンドケーキの製造工程において、キャラメル被覆卵殻膜粉末は、吸湿性が小さく、凝集がなく取り扱い性に優れ、小麦粉などの原材料中に均一に混合することができた。
(3) 上記(2)で得られたメイプルパウンドケーキを製造してから2時間後、10時間後および24時間後に5名のパネラーに食してもらったところ、5名のパネラーの全員が製造して2時間後、10時間後および24時間後のいずれの時点においても、食味および風味に優れると評価した。
(4) さらに、上記の表2に記載した配合組成を採用して上記(2)の方法でメイプルパネラーケーキを15日間毎日製造し、それにより得られるメイプルパウンドケーキを3名の女性(年齢21歳、35歳および52歳)に15日間にわたって1日1個の割合で継続して食してもらったところ、3名の女性のいずれにおいても、食する前に比べて肌(顔の皮膚)の張り、艶およびしっとり感が増した。
上記の表2において、キャラメル被覆卵殻膜粉末8.75質量部の代わりに、キャラメルで被覆していない市販の卵殻膜粉末(キューピー株式会社製「EMパウダー300」)を3.5質量部の割合で用いて、それ以外は実施例1と同様にしてメイプルパウンドケーキを製造しようとしたが、卵殻膜粉末が吸湿して小麦粉中に均一に混合することができなかったため、ケーキの製造を中止した。
(1) 上記の調製例2で調製したキャラメル被覆卵殻膜粉末を用い、下記の表3に示す配合組成を採用して、以下の(2)の方法でマロンパウンドケーキを製造した。
(ii) バターおよびショートニングをよく混ぜてクリーム状にし、これにトレハロース、マロンリキュール、マビット(登録商標)およびローヤルゼリーを加えた後、溶きほぐした全卵を加え、これに上記(2)で調製しておいた小麦粉混合物を加えてマロンパウンドケーキ用生地を調製し、この生地を油を薄く塗ったパウンドケーキ型に流し込み(1個のパウンドケーキ型への生地の流し込み量55g)、170℃に予熱しておいたオーブン中で170〜180℃で約25分間焼成してマロンパウンドケーキを製造した。
なお、上記のマロンパウンドケーキの製造工程において、キャラメル被覆卵殻膜粉末は、吸湿性が小さく、凝集がなく取り扱い性に優れ、小麦粉などの原材料中に均一に混合することができた。
(3) 上記(2)で得られたマロンパウンドケーキを製造してから2時間後、10時間後および24時間後に5名のパネラーに食してもらったところ、5名のパネラーの全員が製造して2時間後、10時間後および24時間後のいずれの時点においても、食味および風味に優れると評価した。
(1) 上記の調製例2で調製したキャラメル被覆卵殻膜粉末を用い、下記の表4に示す配合組成を採用して、以下の(2)の方法でアマンドケーキを製造した。
(ii) バターを撹拌してクリーム状にし、それにオリゴ糖を加えた後、溶きほぐした全卵を加え、これに上記(2)で調製しておいた小麦粉混合物を加えてアマンドケーキ用生地を調製し、この生地をアマンドケーキ用のアルミケースに流し込み(1個のアルミケースへの生地の流し込み量6g)、180℃に予熱しておいたオーブン中で15分間焼成してアマンドケーキを製造した。
なお、上記のアマンドケーキの製造工程において、キャラメル被覆卵殻膜粉末は、吸湿性が小さく、凝集がなく取り扱い性に優れ、小麦粉などの原材料中に均一に混合することができた。
(3) 上記(2)で得られたアマンドケーキを製造してから2時間後、10時間後、24時間後および48時間後に5名のパネラーに食してもらったところ、5名のパネラーの全員がいずれの時点においても、食味および風味に優れると評価した。
(1) 上記の調製例2で調製したキャラメル被覆卵殻膜粉末を用い、下記の表5に示す配合組成を採用して、以下の(2)の方法で米粉よりなるアマンドケーキを製造した。
(ii) バターを撹拌してクリーム状にし、それにトレハロースを加えた後、溶きほぐした全卵を加え、これに上記(2)で調製しておいた米粉混合物を加えてアマンドケーキ用生地を調製し、この生地をアマンドケーキ用のアルミケースに流し込み(1個のアルミケースへの生地の流し込み量6g)、180℃に予熱しておいたオーブン中で15分間焼成して米粉を用いたアマンドケーキを製造した。
なお、上記したアマンドケーキの製造工程において、キャラメル被覆卵殻膜粉末は、吸湿性が小さく、凝集がなく取り扱い性に優れ、米粉などの原材料中に均一に混合することができた。
(3) 上記(2)で得られたアマンドケーキを製造してから2時間後、10時間後、24時間後および48時間後に5名のパネラーに食してもらったところ、5名のパネラーの全員がいずれの時点においても、食味および風味に優れると評価した。
(1) 上記の調製例2で調製したキャラメル被覆卵殻膜粉末を用い、下記の表6に示す配合組成を採用して、以下の(2)の方法でクッキーを製造した。
(3) 上記(2)のクッキーの製造工程において、キャラメル被覆卵殻膜粉末は、吸湿性が小さく、凝集がなく取り扱い性に優れ、小麦粉などの原材料中に均一に混合することができた。
上記(2)で得られたクッキーを製造してから10時間後および48時間後に5名のパネラーに食してもらったところ、5名のパネラーの全員がいずれの時点においても、食味および風味に優れると評価した。
しかも、卵殻膜粉末をキャラメルで被覆して菓子類に配合してなる本発明による場合は、卵殻膜粉末の吸湿を効果的に防止することで、菓子類の製造時に卵殻膜粉末同士の凝集・塊化が生じず、卵殻膜粉末を菓子用原材料や菓子生地中に均一に混合でき、良好な作業性で卵殻膜入り菓子類を円滑に製造することができ、更に卵殻膜粉末が有する前記した肌改善やその他の種々の機能を卵殻膜粉末の変質や酸化などを生ずることなく、長期にわたって維持することができる。
Claims (8)
- キャラメルで被覆した卵殻膜粉末を配合したことを特徴とする菓子類。
- キャラメルで被覆した卵殻膜粉末が、150メッシュの標準篩を通過する粒子の含有割合が70質量%以上である卵殻膜粉末をキャラメルで被覆した粉末である請求項1に記載の菓子類。
- キャラメルで被覆した卵殻膜粉末における卵殻膜粉末:キャラメルの質量比が1:2〜1:5である請求項1または2に記載の菓子類。
- キャラメルで被覆した卵殻膜粉末が、キャラメルと卵殻膜粉末を含む溶融混合物をキャラメルが固化する温度の雰囲気中に噴霧して得られる粉末であるか、またはキャラメルと卵殻膜粉末を含む溶融混合物を冷却固化した後に粉砕して得られる粉末である請求項1〜3のいずれか1項に記載の菓子類。
- 卵殻膜粉末の配合量が、キャラメルで被覆する前の卵殻膜粉末の質量で、菓子類の製造に用いてなる原材料の合計質量に基づいて、0.01〜5質量%である請求項1〜4のいずれかに記載の菓子類。
- ヒアルロン酸、卵殻カルシウム、ローヤルゼリー、リコピン、ビタミンE、ビタミンB、ビタミンC、カロチン、セラミドのうちの1種または2種以上を更に含有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の菓子類。
- 穀粉を用いてなる生地を焼成して製造した菓子類である請求項1〜6のいずれか1項に記載の菓子類。
- ケーキ、クッキー、ビスケット、サブレまたはシュクレである請求項1〜7のいずれか1項に記載の菓子類。
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