JP4841107B2 - 粘着加工シート - Google Patents

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Description

本発明は、ステッカー、ラベルなどに用いる粘着加工シートに関する。
従来の粘着加工シートは、シート基材に粘着剤層を平坦に設けて形成された粘着加工シートと、その平坦な粘着剤層上に貼合された剥離シートから構成されている。剥離シートの剥離処理面は通常平坦になっており、剥離シートを剥がして粘着加工シートの粘着剤層面を被着体に貼り、使用するものである。
このような粘着加工シートは、粘着加工シートと被着体との間に空気を巻き込むことが多く、空気溜まり部分がフクレとなり、貼り付けた粘着加工シートの表面側に凸部が生じ、著しく外観を損ねるという問題があった。この問題は特に粘着加工シートの面積が大きい場合に、あるいは被着体の表面が平滑である場合に顕著であった。
また、被着体がプラスチック(ポリカーボネート、アクリル、発泡ポリスチレン樹脂等)製である場合、経時でプラスチック表面からガスが発生して粘着加工シートにフクレが発生することがあった。
上記のような問題を解決するために、特許文献1、特許文献2などに、これまでに様々な粘着加工シートが提案されている。しかしそれらの技術は通常の粘着加工シートよりも生産性が劣り、コスト高であった。
そこで本発明は、上述の問題を解決して貼着時または貼着後にフクレを生じることがなく、且つ生産性に優れて安価な粘着加工シートを提供することを目的とした。
実用新案登録第2503717号明細書 特開平3−243677号公報
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、シート基材Aと、多数の小窪み部b1および多数の小突起部b2を有する粘着剤層Bから構成することを特徴とする粘着加工シートを用いることにより、製造コストが安価で、且つ被着体貼着時にフクレが発生しないので、粘着加工シートの外観を損ねず施工性が大幅に向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、シート基材A、ならびに粘着剤層Bの基本平坦面に多数の小窪み部b1および多数の小突起部b2を有する粘着剤層Bから構成する粘着加工シートであって、小突起部b2が小窪み部b1の基本平坦面基底部における輪郭に沿って、隣接して形成されていることを特徴とする粘着加工シートを提供するものである。
本発明の粘着加工シートの好ましい実施態様では、シート基材A、粘着剤層Bの基本平坦面に多数の小窪み部b1および多数の小突起部b2を有する粘着剤層B、多数の***部c1および多数の穿孔構造c2を有する剥離シートCから構成され、剥離シートCの穿孔
構造c2の周縁に***部c1が形成されており、小窪み部b1は***部c1に対応し、小突起部b2は穿孔構造c2に対応していることが好ましい。
粘着剤層Bは、剥離シートCと接する面側に基本平坦面を有しており、小窪み部b1はこの基本平坦面から陥没しており、小突起部b2はこの基本平坦面から突出していることが好ましい。小窪み部b1はこの基本平坦面から1μm〜粘着剤層B厚さ分の深さで陥没しており、小突起部b2はこの基本平坦面から1〜150μmの高さで突出していることが好ましい。
また、小窪み部b1の基本平坦面と水平方向の断面形状は円形、楕円形、ドーナツ形、三日月形、n角形(nは3以上の自然数)からなる群より選ばれた少なくとも一つ以上の形状であることが好ましく、ドーナツ形、三日月形より選ばれた少なくとも一つ以上の形状であることがより好ましい。同様に、小突起部b2の基本平坦面と水平方向の断面形状は円形、楕円形、ドーナツ形、三日月形、ひょうたん形、n角形(nは3以上の自然数)からなる群より選ばれた少なくとも一つ以上の形状であることが好ましく、ドーナツ形、三日月形、ひょうたん形からなる群より選ばれた少なくとも一つ以上の形状であることがより好ましく、小窪み部b1の基本平坦面上における基底部輪郭に沿って、隣接して形成された形状であることが特に好ましい。
また、小窪み部b1は基本平坦面上において相互に離間し、散在しており、且つ小突起部b2は基本平坦面上において相互に離間し、散在していることが好ましい。小窪み部b1は10〜10,000個/cm 2 の頻度で分布しており、且つ及び小突起部b2は10〜10,000個/cm2 の頻度で分布していることが好ましい。
また、小突起部b2の基本平坦面上における基底部の幅は、1〜1,500μmであることが好ましい。
剥離シートCの穿孔構造c2の周縁に、***部c1が形成されていることが好ましく、***部c1部分の厚さは、剥離シートCの非穿孔部分の厚さより1μm以上厚いことが好ましい。また、剥離シートCは熱可塑性樹脂からなることが好ましい。
図1は、本発明の粘着加工シートにおける基本構成の断面図の一例であり、該粘着加工シートにおいて粘着剤層B側の垂直方向(俯瞰)から見た概略図を図2に示す。
図3は、本発明の粘着加工シートにおける他の基本構成の断面図の一例であり、該粘着加工シートにおいて粘着剤層B側の垂直方向(俯瞰)から見た概略図を図4に示す。
図中、1はシート基材A、2は粘着剤層B、3は小窪み部b1、4は小突起部b2、5は基本平坦面を示す。
剥離シートCに***部c1および穿孔構造c2を設けることにより、粘着加工の際に剥離シートCの形状が粘着剤層Bに転写され、粘着剤層Bには対応した多数の小窪み部b1および小突起部b2を形成することができる。
こうした小窪み部b1および小突起部b2を有することにより、粘着加工シートを被着体に軽く貼着した際に、まず粘着剤層Bの小突起部b2が被着体に粘着し、粘着剤層Bの基本平坦面と被着体表面との間には外部に連通する隙間が生じる。この結果、外部に連通する隙間を介して、粘着加工シートと被着体間の殆どの空気を外部に抜くことができ、貼付時に大きく不均一なフクレを生じることはない。また、粘着加工シートと被着体との間に残った微少な空気は小窪み部b1に溜まるので、外観を全く損なわずに施工することができる。
また、粘着剤層Bは基本平坦面を有することによって、粘着加工シートの粘着剤層Bを被着体に強く圧着した際に、粘着剤層Bの基本平坦面が被着面に連続的に接着し、粘着剤層Bと被着体間に連通していた隙間は無くなり、強い接着強度を得ることもできる。また強い圧着の際にも、小窪み部b1は被着体には接着しておらず、被着体がプラスチックの場合に経時で発生するガスが、この小窪み部b1に均一に溜まるため、施工後も大きく不均一なフクレは発生せず、著しく外観を損ねることはない。
更に、粘着加工シートを被着体に軽く貼着した時、まず粘着剤層Bの小突起部b2が被着体に密着するため、密着面積は小となる。このため、貼り替え直す場合に再び剥がして貼り直すことが容易である。また剥離に伴う粘着強度の低下を抑えることも可能となる。
以上の利点から、例えば本発明の粘着加工シートを大判のラベルとして施工する際には位置決め等も容易であり、作業に熟練を要せず、短時間で作業完了し、美麗な仕上がりを得ることが可能となる。
本発明の粘着加工シートを使用することにより、貼り直しが容易で、且つシート施工時および施工後に大きく不均一なフクレが発生しないため、大判のステッカー、ラベル、サイン、ネーマー、タックシート等に有用に利用することができる。
(シート基材A)
シート基材Aの材質は特に制限なく、天然紙、プラスチックフィルム、合成紙、織布、不織布など各種の基材が適用できる。特にポリオレフィン、ポリエステルなどのプラスチックフィルム、またはポリオレフィン、ポリエステルからなる合成紙は、基本的に通気性に乏しい基材である分、本発明の技術が好ましく適用できる。またそれらの基材シートは基材強度が強いため剥離時にシート基材が破壊せず、きれいに剥離できるため好ましい。
シート基材Aの厚さは30〜2000μmであり、好ましくは40〜1500μmである。
(剥離シートC)
剥離シートCの材質の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ナイロンなどのポリアミド系樹脂等の熱可塑性樹脂シート、またはこれらの熱可塑性樹脂シートを天然紙の片面または両面にラミネートしたラミネート紙、金属箔、さらには金属箔と熱可塑性樹脂シート、金属箔と天然紙などの組み合わせ複合物などが挙げられる。好ましくは熱可塑性樹脂シートであり、より好ましくはポリプロピレンフィルムである。
剥離シートCには***部c1および穿孔構造c2を設ける為に後述する穿孔処理を施す。穿孔処理前の剥離処理面側の表面は後に粘着剤層Bの基本平坦面を成すものであり、平滑であることが好ましいが、剥離性能をコントロールする目的から、粗面とすることも可能である。
剥離シートC上に剥離剤を塗布する前に、剥離シートC表面にコロナ放電、フレーム処理、オゾン処理等の表面処理を行っても良い。
剥離剤としては、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アミノアルキド樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられ、好ましくはシリコーン樹脂である。これらはエマルジョン型、溶剤型、または無溶剤型として使用される。
本発明の剥離シートCの厚さは、取扱い強度、穿孔容易性などの観点から、5〜150μmが好ましく、より好ましくは10〜130μmである。
(穿孔処理)
本発明の剥離シートCの穿孔周縁部は、後述する穿孔処理方法により熱変形または塑性変形することによって、該シートの厚み方向に捲れあがり、該シートの非穿孔処理部分の厚さ(あるいは穿孔処理前の該シートの平均厚さ)よりも厚さが増加する。本発明では剥離シートCへの穿孔処理により厚さ増加した部分を***部c1とする。***部c1部分の厚さは、剥離シートCの非穿孔処理部分の厚さ(あるいは穿孔処理前の剥離シートの平均厚さ)よりも1μm以上厚くなっていることが好ましく、1μm〜粘着剤層Bの厚み分厚くなっていることがより好ましく、3μm〜粘着剤層Bの厚み分の範囲で厚くなっていることが特に好ましい。
***部c1の厚さが非穿孔部分の厚さに比べて1μm未満である場合は、剥離シートCに充分な突起高さを得ることができず、後述する粘着加工時に粘着剤層Bに形成される小窪み部b1の陥没深さも得ることができず、本発明の趣旨であるフクレ防止を達成できない。
剥離シートCは穿孔処理によって、穿孔構造c2が生じる。穿孔構造c2は貫通孔でも良いし、半貫通孔(剥離シートの厚み方向に貫通していない孔)でも良い。また本発明の構成要件を満たす範囲で剥離シートCの穿孔構造c2は厚み方向に形状や孔径が変化するものであっても良い。剥離シートCは穿孔処理により貫通孔を設けた後に、別の基材を積層して、貫通孔の片側を閉じて穿孔構造c2を半貫通孔としたものであっても良い。
穿孔構造c2の深さは本発明の構成要件を満足できる性能を持ち得る範囲で、特に限定されない。中でも剥離シートCの表面から、1μm以上の深さを持っていることが好ましく、1μm〜剥離シートCの厚み分の深さを持っていることがより好ましく、3μm〜剥離シートCの厚み分の範囲で深さを持っていることが特に好ましい。
穿孔構造c2の孔径もまた、本発明の構成要件を満足できる性能を持ち得る範囲で、特に限定されない。具体例としては5〜2,000μm、好ましくは50〜1,500μmであり、下記の穿孔処理方法で形成可能な範囲のものである。
***部c1部分の厚さ(高さ)、穿孔構造c2の深さは、穿孔加工後の剥離シートCの断面をミクロトームで切り出し、市販のイオンコーターでイオンエッチングおよび金蒸着した後、走査型電子顕微鏡(商品名:S−3000N、(株)日立ハイテクノロジーズ製)にて、断面形態から算出した。
剥離シートCに***部c1および穿孔構造c2を設ける穿孔処理の方法としては、熱針穿孔法、レーザー光穿孔法、電子線照射穿孔法、プラズマ穿孔法、高圧放電穿孔法から選ばれた少なくとも一つの方法が適用でき、剥離シートCの材質、厚さ、加工速度、穿孔径に応じて適宜選択し、組み合わせることができる。
(粘着剤層B)
本発明の粘着剤層Bの種類(材質)や厚さ(塗工量)は、シート基材Aに用いる基材の材質、厚みや、使用される環境(被着体の材質や状態、屋内や屋外、温度や湿度、使用期間等)や、目的とする粘着の強度等により種々の選択が可能であり、特に限定はされない。
粘着剤層Bの例としては、一般的に用いられる水系もしくは溶剤系の粘着剤を塗工し乾燥して形成することができる。種類(材質)としては、天然ゴム系、合成ゴム系、アクリル系、ウレタン系、EVA系、シリコーン系等のものが使用でき、これらの高分子系粘着剤は有機溶媒溶液や、エマルジョンやディスパージョンといった水系溶液に分散した形態で使用可能である。
(塗工方法)
シート基材A上に粘着剤層Bを設ける方法には、直接シート基材Aに粘着剤を塗工する直接塗工と、一旦剥離シートCに粘着剤を塗工する間接塗工の二通りが考えられるが、本発明の技術はその両方とも適用可能であり、特に限定はされない。
粘着剤の塗工方法も特に限定はされない。例えばコンマコート塗工、リバースコート塗工、グラビアコート塗工、キスコート塗工、ナイフコート塗工、バーコート塗工、カーテンコート塗工、および工程紙にこれらの方法で塗工した粘着剤を転写させる転写法などが挙げられる。
厚さ(塗工量)としては、乾燥重量で0.5〜400g/m2 、もしくは乾燥厚みで0.5〜400μmの範囲で用いられるのが一般的である。
(小窪み部b1および小突起部b2の形成方法)
粘着剤層Bに設ける小窪み部b1および小突起部b2は、穿孔処理した剥離シートCを用いることによって、粘着剤層Bと剥離シートCが積層される際に(間接塗工の場合は剥離シートCへの粘着剤塗工時に)、剥離シートCの***部c1が粘着剤層Bの基本平坦面に食い込んで対応する小窪み部b1を形成する。同時に剥離シートCの穿孔構造c2に粘着剤層Bの基本平坦面より粘着剤が流入して対応する小突起部b2を形成する。これらの小窪み部b1は***部c1に対応するものであり、また小突起部b2は穿孔構造c2に対応するものである。
加えて、シート基材Aに粘着剤層Bを直接設ける直接塗工の場合には、剥離シートCを積層する際に剥離シートCの***部c1が粘着剤層Bの基本平坦面に食い込んで対応する小窪み部b1を形成すると同時に、押し出された粘着剤が小窪み部b1の周囲に、小突起部b2として堤防のように形成される。この場合、生じる小窪み部b1は***部c1に対応するものだが、小突起部b2は穿孔構造c2と必ずしも対応するものではない。
小窪み部b1の陥没深さは、粘着剤層Bの基本平坦面から1μm〜粘着剤層Bの厚さの範囲であることが好ましく、基本平坦面から3μm〜粘着剤層Bの厚さの範囲であることがより好ましい。小窪み部b1の深さが1μm未満では、小窪み部b1も被着体に接着しやすくなり、残留した微少な空気あるいは被着体から発生したガスが不均一に溜まるために結果的にフクレを発生させ、外観を著しく損ない好ましくない。
小突起部b2の突出高さは、粘着剤層Bの基本平坦面から1μm〜150μmの範囲であることが好ましく、基本平坦面から3μm〜100μmの範囲であることがより好ましい。小突起部b2の高さが1μm未満では、粘着加工シートを被着体に貼着する際、粘着剤層Bと被着体間の外部へ連通する隙間は小さくなるため空気の抜けが悪くなり、結果的に大きく不均一なフクレを発生させ、外観を著しく損ない好ましくない。また150μmを超えて大きい場合は、被着体に貼り付けた後に強く圧着しても基本平坦面が被着面と接触できず、強い接着力を求める場合には不利に働き好ましくない。
小窪み部b1の陥没深さ、小突起部b2の突出高さは、加工後の粘着加工シートを粘着剤のガラス転移点以下の温度に調整してミクロトームを用いて断面を切り出し、市販のイオンコーターでイオンエッチングおよび金蒸着した後、走査型電子顕微鏡(商品名:S−3000N、(株)日立ハイテクノロジーズ製)にて、断面形態から算出した。
小窪み部b1の形状は本質的に剥離シートCの***部c1の形状を転写したものであり、特に限定されるものではないが、粘着剤層Bの基本平坦面に対して水平方向の断面形状が円形、楕円形、ドーナツ形、三日月形、n角形(nは3以上の自然数)からなる群より選ばれた少なくとも一つ以上の形状が好ましく選択でき、特にドーナツ形、三日月形の何れかより選ばれた少なくとも一つ以上の形状であることが好ましい。
上記の形状は本発明の剥離シートCへの穿孔処理において、選択し得る好適な形状であり、特にドーナツ形、三日月形は安価な処理プロセスで成形しうる点で好ましい。
同様に、小突起部b2の基本平坦面と水平方向の断面形状は円形、楕円形、ドーナツ形、三日月形、ひょうたん形、n角形(nは3以上の自然数)からなる群より選ばれた少なくとも一つ以上の形状が好ましく選択でき、ドーナツ形、三日月形、ひょうたん形からなる群より選ばれた少なくとも一つ以上の形状であることがより好ましく、小窪み部b1の基本平坦面基底部における輪郭に沿って、その外周に隣接して形成される形状であることが特に好ましい。
上記の形状を設けることにより、微少なフクレが生じたとしても目立ちにくく、大きく外観を損ねることはない。
本発明の技術は小窪み部b1と小突起部b2はそれぞれ独立して、離間して存在していても良いが、小窪み部b1に隣接して小突起部b2が形成されている場合は、粘着剤層Bと被着体の間に残った微少な空気、若しくは被着体から発生したガスが、小突起部b2に隣接した小窪み部b1に集中して取り込まれ、不均一なフクレを効果的に抑制できる。
小窪み部b1は基本平坦面上に多数存在し、それらは相互に離間し、散在していることがこのましい。小窪み部b1が密に存在している場合は基本平坦面の占める割合が低下し、粘着基材シートの接着力がその部分だけ低下してしまう。疎になっている場合は粘着剤層Bと被着体の間の微少な空気やガスを取り込めきれずにフクレが発生してしまう恐れがある。
小窪み部b1は、10〜10,000個/cm2 の頻度で分布していることが好ましく、15〜5,000個/cm2 の頻度で分布していることがより好ましい。
小窪み部b1の分布頻度が10個/cm2 未満である場合にはフクレ防止効果が低下するために好ましくない。10,000個/cm2 を超える場合には要求する接着強度が得られず好ましくない。
小窪み部b1は、フクレ防止の観点から基本平坦面上で均等に分布させることが特に好ましい。
同様に小突起部b2は基本平坦面上に多数存在し、それらは相互に離間し、散在している事がこのましい。小突起部b2が密に存在している場合は被着体との接触面積が低下し、強く圧着しても充分な接着強度が得られない。疎になっている場合は粘着加工シートを被着体に貼着する際、粘着剤層Bと被着体間の外部へ連通する隙間は小さくなるため空気の抜けが悪くなり、結果的に大きく不均一なフクレを発生してしまう恐れがある。
小突起部b2は、10〜10,000個/cm2 の頻度で分布していることが好ましく、15〜5,000個/cm2 の頻度で分布していることがより好ましい。
小突起部b2の分布頻度が10個/cm2 未満である場合には大きく不均一なフクレが発生し外観を著しく損ない好ましくない。10,000個/cm2 を超える場合には要求する接着強度が得られず好ましくない。
小突起部b2の基本平坦面上における分布頻度は、上記の範囲内である限り均一であっても、不均一であっても良い。均一であればシート全面に均等な接着力を持たせることができ、施工性が向上する。不均一であれば部分的に接着力を弱めたラベル等を作成することができ、クーポン券付きラベルなどに適用できる。
小突起部b2の水平方向の大きさは、基本平坦面における基底部の最大幅が1〜1,500μmであることが好ましく、3〜1,000μmであることがより好ましい。
小突起部b2の最大幅が1μmに満たない場合は、粘着剤層Bと被着体の間の微少な空気やガスを取り込めきれずにフクレが発生してしまうために好ましくない。小突起部b2の幅が1,500μmよりも大きい場合は、基本平坦面の占める面積割合が低下し、要求する接着強度が得られず好ましくない。
本発明の粘着加工シートのシート基材Aには、各種の印刷方法にて装飾を施すことができる。印刷方法としては、電子写真方式、溶融熱転写方式、昇華熱転写方式、リライタブルマーキング、およびインクジェット方式等のプリンターの使用は勿論のこと、凸版印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、溶剤型オフセット印刷、紫外線硬化型オフセット印刷、スクリーン印刷など種々の印刷方式が適用できる。
以下に実施例、比較例、試験例を挙げて本発明を具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により何ら限定されない。
〔実施例1〕
厚さ60μmのポリプロピレンフィルム(商品名:パイレンP2761、東洋紡績(株)製)に熱針穿孔法を用いて貫通穿孔処理を実施し、この穿孔部の捲れ上がりのある面にシリコーン処理を施し、剥離シートCとした。孔径は400μm、孔数は60個/cm2 であり、穿孔部の深さは60μm(貫通孔)であり、穿孔部の周縁に生じた***部c1の高さは60μmであった。
次にシート基材Aとして厚さ80μmの合成紙(商品名:SGS−80、(株)ユポ・コーポレーション製)に、接着剤層Bとして溶剤系アクリル系粘着剤(商品名:オリバインBPS1109、東洋インキ化学工業(株)製)を、乾燥後の塗工量が30g/m2 となるようにコンマコーターで塗工し、乾燥して粘着加工シート(シート基材A+粘着剤層B)とした。
この粘着加工シートの粘着剤層面と剥離シートCのシリコーン塗布面が接する様に積層し、粘着加工シートを得た。得られた粘着加工シートの物性を表1に示す。
〔実施例2〕
市販の厚さ190μmの粘着加工シート(商品名:XJP−190、(株)ユポ・コーポレーション製)の剥離紙を剥がし、この粘着加工シートの粘着剤層面と実施例1で得た剥離シートCのシリコーン処理面が接する様に積層し、粘着加工シートを得た。得られた粘着加工シートの物性を表1に示す。
〔実施例3〕
実施例1で得た剥離シートCのシリコーン処理面に、粘着剤層Bとして溶剤系アクリル系粘着剤(商品名:オリバインBPS1109、東洋インキ化学工業(株)製)を、乾燥後の塗工量が30μmとなるようにバーコーターで塗工し、乾燥して積層体(粘着剤層B+剥離シートC)とした。
次にシート基材Aとして厚さ80μmの合成紙(商品名:SGS−80、(株)ユポ・コーポレーション製)と、積層体の粘着剤層B面とを積層して粘着加工シートを得た。得られた粘着加工シートの物性を表1に示す。
実施例1〜実施例3を通じて、使用した材料(シート基材、粘着剤、剥離シート等)はいずれも当業者であれば一般的に入手可能なものであり、剥離シートに予め穿孔処理を施した以外には、加工機器や加工条件に特別なものは使用していない。従って現在提案されている技術の様に特別な部材や加工工程を必要とし、生産性が劣り、コスト高となる事はなく、安価に課題を解決しうる粘着加工シートを得ることができた。
〔比較例1〕
厚さ60μmのポリプロピレンフィルム(商品名:パイレンP2761、東洋紡績(株)製)にシリコーン処理を施し、剥離シートCとした。貫通穿孔処理を施さない以外は実施例1と同様の操作を行い、粘着加工シートを得た。得られた粘着加工シートの物性を表1に示す。
〔試験例〕
(小窪み部b1陥没深さ、小突起部b2突出高さ)
各実施例、比較例において粘着剤層B上に形成された小窪み部b1の陥没深さ、小突起部b2の突出高さを前述の方法により算出した。
(施工性)
各実施例、比較例の粘着加工シートの剥離シートCを剥がし、透明で高平滑なガラス板に軽く貼り付けた後、再び剥離し、皺や糊残りがないか、剥離のし易さを以下の基準で判定した。
○:剥離しやすく、皺や糊残りは無い。
×:剥離時に抵抗があり、皺や糊残りが発生する。
(フクレ防止)
各実施例、比較例の粘着加工シートの剥離シートCを剥がし、透明で高平滑なガラス板に軽く貼り付けた後、バレンを使用して手作業で圧着した際のフクレの有無を、目視にて以下の基準で判定した。
○:フクレの発生は見られない。
×:大きく不均一なフクレが発生する。
各試験例における評価、判定結果を表1に示す。
Figure 0004841107
本発明の粘着加工シートにおける基本構成の断面図の一例である。 図1の粘着加工シートにおいて粘着剤層B側の垂直方向(俯瞰)から見た概略図である。 本発明の粘着加工シートにおける基本構成の断面図の一例である。 図3の粘着加工シートにおいて粘着剤層B側の垂直方向(俯瞰)から見た概略図である。
符号の説明
1:シート基材A
2:粘着剤層B
3:小窪み部b1
4:小突起部b2
5:基本平坦面

Claims (10)

  1. シート基材A、ならびに粘着剤層Bの基本平坦面に多数の小窪み部b1および多数の小突起部b2を有する粘着剤層Bから構成する粘着加工シートであって、小突起部b2が小窪み部b1の基本平坦面上における基底部輪郭に沿って、隣接して形成されていることを特徴とする粘着加工シート。
  2. シート基材A、粘着剤層Bの基本平坦面に多数の小窪み部b1および多数の小突起部b2を有する粘着剤層B、ならびに多数の***部c1および多数の穿孔構造c2を有する剥離シートCから構成する粘着加工シートであって、剥離シートCの穿孔構造c2の周縁に***部c1が形成されており、小窪み部b1は***部c1に対応し、小突起部b2は穿孔構造c2に対応していることを特徴とする請求項1に記載の粘着加工シート。
  3. 粘着剤層Bの剥離シートCと接する面が基本平坦面を有し、小窪み部b1が該基本平坦面から陥没し、且つ小突起部b2が該基本平坦面から突出していることを特徴とする請求項2に記載の粘着加工シート。
  4. 小窪み部b1の深さが、粘着剤層Bの基本平坦面から1μm〜粘着剤層Bの厚み分の範囲であり、且つ小突起部b2の高さが、粘着剤層Bの基本平坦面から1μm〜150μmの範囲であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の粘着加工シート。
  5. 小窪み部b1の基本平坦面と水平方向の断面形状が、円形、楕円形、ドーナツ形、三日月形、n角形(nは3以上の自然数)からなる群より選ばれた少なくとも一つ以上の形状であり、且つ小突起部b2の基本平坦面と水平方向の断面形状が、円形、楕円形、ドーナツ形、三日月形、ひょうたん形、n角形(nは3以上の自然数)からなる群より選ばれた少なくとも一つ以上の形状であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の粘着加工シート。
  6. 小窪み部b1の基本平坦面と水平方向の断面形状が、ドーナツ形、三日月形の何れかより選ばれた少なくとも一つ以上の形状であり、且つ小突起部b2の基本平坦面と水平方向の断面形状が、ドーナツ形、三日月形、ひょうたん形からなる群より選ばれた少なくとも
    一つ以上の形状であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の粘着加工シート。
  7. 小窪み部b1が基本平坦面上において相互に離間し、散在しており、且つ小突起部b2が基本平坦面上において相互に離間し、散在していることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の粘着加工シート。
  8. 小窪み部bが10〜10,000個/cm 2 の頻度で分布しており、且つ小突起部b2が、10〜10,000個/cm2 の頻度で分布していることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の粘着加工シート。
  9. 小突起部b2の基本平坦面上における基底部の最大幅が、1〜1,500μmであることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の粘着加工シート。
  10. 粘着加工シート使用時に、粘着剤層Bの基本平坦面と被着体表面が連続的に接触し、粘着加工シートと被着体表面間の連通する隙間が無くなることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の粘着加工シート。
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