JP4840232B2 - 車両の操舵制御装置 - Google Patents
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Description
この特許文献1においては、前輪の横すべり角の増大に伴って操舵反力を増加させる技術が開示されている。
この困難性を示す一例としては、操舵輪の舵角変化と車両挙動の変化とにより生じる共振現象が挙げられ、このような現象を、特許文献1の技術により防いだり抑制したりすることは事実上極めて困難である。
また、車速検出手段および操舵角速度検出手段による検出結果に基づいて後輪横すべり角速度を取得できるので、低コストで信頼性を向上させることが出来る(請求項1)。
また、この車両10には、ドライバにより操作されるステアリングホイール(操舵部)11と、このステアリングホイール11と機械的に接続され、ステアリングホイール11の操舵角δSW(すなわち、目標舵角)に応じて車両10の前輪12,12の舵角θFTを変更する操舵機構(舵角変更機構)13と、ステアリングホイール11に入力される操舵トルク(操舵力)TSWおよび車速Vに応じたアシストトルク(補助駆動力)Tを発生させ、このアシストトルクTを操舵機構13に入力する電動パワーステアリング機構(操舵力調整機構)14とが設けられている。
このうち、操舵トルクセンサ21は、ドライバからステアリングホイール11に入力されたトルクである操舵トルクTSWを検出するものである。
また、車速センサ22は、車両10の車速Vを検出するものである。
また、このEPS(Electrical control Power Steering) ECU31は、いずれも図示しないインターフェース,メモリ,CPUなどが備えられた電子制御ユニットであって、モータ角速度検出部23,操舵角速度検出部(操舵角速度検出手段)24,基本制御ユニット32および付加制御ユニット33を有して構成されている。
また、操舵角速度検出部24は、モータ角速度検出部23により算出された電動モータ15の角速度ωMに基づいてステアリングホイール11の操舵角δSWの角速度δSW′を算出するものである。
基本アシスト電流設定部41は、操舵トルクセンサ21によって検出された操舵トルクTSWと、車速センサ22によって検出された車速Vとに応じて、基本アシストトルクTbaseを設定し、その後、この基本アシストトルクTbaseに対応した電流である基本アシスト電流Ibaseに変換するものである。なお、この基本アシストトルクTbaseは、電動パワーステアリング機構14の電動モータ15により生じるアシストトルクTの基本となるものである。
このうち、後輪横すべり角速度推定部47は、車速センサ22によって得られた車速Vと、操舵角速度検出部24によって検出された操舵角速度δSW′とに基づいて、後輪17,17の横すべり角BRの角速度BR′を推定するものである。
そして、式(1)〜(3)によって得られたヨー角加速度γ′と、式(4)〜(6)によって得られた重心横滑り角速度B′とを以下の式(7)に代入することによって、後輪横すべり角速度BR′を推定するようになっている。
本発明の第1実施形態に係る車両の操舵制御装置は上述のように構成されているので、以下のような作用および効果を奏する。
また、従来の技術のように、前輪の横すべり角に応じてアシストトルクTを補正する制御を行なった場合は(図4中細実線参照)、アシストトルクTの補正をなんら行わなかった場合に比べると、車両の挙動は比較的安定しているものの、実験開始から約8〜12秒の間で共振が発生していることがわかる。
次に、本実施形態に係る車両10のシミュレーション実験の結果の他の例を図5のグラフに示す。この実験は、高速で走行している車両10のドライバが急激な操舵を行なった場合を想定している。より具体的には、100km/hで直進している車両10のドライバが2.5Nmの操舵トルクTSWでステアリングホイール11を回転させて保持した場合における車両10の挙動を示したものがこの図5である。
これに対して、本実施形態に係る本発明においては、後輪横すべり角BRのオーバーシュートがほとんど生じておらず(図5中矢印A2参照)、車両10の挙動を安定させることが出来ており、ドライバは修正操舵を要求されず、安心して車両10を走行させることが可能である。
また、操舵トルクセンサ21と車速センサ22との検出結果のみに基づいて後輪横すべり角速度BR′を取得できるので、低コストで信頼性の高い操舵制御を実現することが出来る。
図6は本実施形態の全体構成を示す模式的なブロック図である。なお、上述の第1実施形態を説明する際に用いた図3〜図5を本実施形態の説明においても併せて用いる。
この図6に示す第2実施形態と、図1に示す上述の第1実施形態との間で異なる構成要素は、ヨーレイトセンサ(ヨーレイト検出手段)26,横加速度センサ(横加速度検出手段)27および後輪横すべり角速度演算部(後輪横すべり角速度取得手段)49である。
これに対して、この第2実施形態においては、後輪横すべり角速度演算部49が、ヨーレイトセンサ26によって検出された車両10のヨーレイトγaと、横加速度センサ27によって検出された車両10の横加速度GYと、車速センサ22によって検出された車速Vとに基づいて、後輪横すべり角速度BR′を演算する点で異なる。
ヨーレイトセンサ26は、車両10のヨーレイトγaを検出するセンサであって、検出結果はEPS ECU31によって読み込まれるようになっている。
後輪横すべり角速度推定部49は、ヨーレイトセンサ26によって検出されたヨーレイトγと、横加速度センサ27によって検出された横加速度GYと、車速センサ22によって検出された車速Vとに基づいて、車両10の後輪17,17の横すべり角速度BR′を演算するソフトウェアである。
より具体的には、後輪横すべり角速度演算部49により、後輪横すべり角速度BR′を演算するようになっている。
本実施形態においても、原則的に、第1実施形態における制御内容を説明する際に用いた図3のフローチャートと同様に行なわれ、ステップS15における制御の内容のみが異なるので、ここでは、ステップS15を中心に説明する。
これに対し、第2実施形態においては、後輪横すべり角速度演算部49が、ヨーレイトセンサ26によって検出されたヨーレイトγaと、横加速度センサ27によって検出された横加速度GYと、車速センサ22によって検出された車速Vとに基づいて、後輪横すべり角速度BR′を算出する(ステップS15)。
また、操舵角δSWが一定の状態で車両10が旋回走行している(すなわち、定常旋回している)場合においても、本実施形態に係る本発明によれば、第1実施形態の説明において図5を用いて説明した場合と同様の効果、すなわち、後輪横すべり角BRのオーバーシュートを抑制し、車両10の挙動を安定させることが可能となり、ドライバに余計な修正操舵を要求する事態が回避可能であるという効果を得ることが出来る。
つまり、近年の車両においては、ヨーレイトセンサ26や横加速度センサ27が既に搭載されている場合が多く、このような場合においては、本発明のために新たにヨーレイトセンサ26や横加速度センサ27を設ける必要がなく、コストの増大を防ぐことができるのである。
以上、本発明の第1および第2実施形態を説明したが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
Claims (2)
- 車両のドライバにより操作され操舵輪の目標舵角が入力される操舵部と、
該操舵部に入力された該目標舵角に応じて該操舵輪の舵角を変更する舵角変更機構と、
該操舵部に入力された操舵力を検出する操舵力検出手段と、
該車両の車速を検出する車速検出手段と、
該操舵力検出手段により検出された該操舵力および該車速検出手段によって検出された該車速に応じた補助駆動力で該舵角変更機構を駆動する操舵力調整機構と、
操舵角速度検出手段により検出された該操舵部の操舵角速度および該車速検出手段により検出された該車速に基づいて該後輪の横すべり角の角速度を取得する後輪横すべり角速度取得手段と、
該後輪横すべり角速度取得手段によって取得された該後輪横すべり角速度の増大に伴って該操舵力調整機構による該補助駆動力を減じる補正を行なう補正手段とを備える
ことを特徴とする車両の操舵制御装置。 - 該車両のヨーレイトを検出するヨーレイト検出手段と、
該車両の横加速度を検出する横加速度検出手段とをさらに備え、
該後輪横すべり角速度取得手段は、車速検出手段によって検出された車速と該ヨーレイト検出手段よって検出された該ヨーレイトと、該横加速度検出手段よって検出された該横加速度とに基づいて該後輪横すべり角速度を取得する
ことを特徴とする、請求項1記載の車両の操舵制御装置。
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JP2007100715A JP4840232B2 (ja) | 2007-04-06 | 2007-04-06 | 車両の操舵制御装置 |
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