JP4840120B2 - インクジェット記録用シートの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット記録方式に適用する記録用シートを製造する方法に関する。
水性インクを微細なノズルから記録用シートに向かって噴出し、該シートの記録面上に画像を形成させるインクジェット記録方式は、記録時の騒音が少ないこと、フルカラー画像の形成が容易であること、高速記録が可能であること、および、他の印刷装置より記録コストが安価であることなどの理由により、端末プリンタ、ファクシミリ、プロッタ、あるいは帳票印刷等で広く利用されている。
一方、プリンタの急速な普及と、高精細・高速化と、さらにはデジタルカメラの登場とにより、インクジェット記録用シートにも特性の高度化が要求されている。すなわち、インク吸収性、記録濃度、耐水性、耐光性に優れ、かつ銀塩方式の写真に匹敵する画質および光沢と保存性とを兼ね備えたインクジェット記録用シートが強く求められている。さらには、インクジェット記録用シートにおけるインク受容層のひび割れ防止、折り割れ防止も求められている。
さらに、インクジェット記録方式の広範な普及に伴い、適度な光沢感を有し比較的低コストのインクジェット記録用シート、すなわち、コストパフォーマンスの優れたインクジェット記録用シートの要望も高まっている。
支持体上に、微細粒子を含有するインク受容層を塗工したインクジェット記録用シートは、インク吸収性が良好で、また微細粒子からなるインク受容層は透明性が高いためインクの発色が鮮明で、高い印字濃度が得られる。また微細粒子からなるインク受容層はキヤスト法による光沢処理をしなくても、表面平滑性がすぐれ、適度な光沢を有し、上記の市場要望に適合するものである。
だが支持体に微細粒子を含有するインク受容層を塗工するだけでは、塗工乾燥の工程でインク受容層が乾燥する際、塗工層が収縮してひびわれが発生しやすく、平滑性が低下して光沢感が低下したり、印刷の際ひびわれに沿って印字にニジミが生じたり、あるいは印字の均一性が低下するとの問題があった。ひびわれの防止のためには、インク受容層のバインダー成分を増量することもできるが、この方法では、インク受容層のインク吸収速度も低下するため、プリンタから吐出されるインクを即座に吸収できないために、印字にじみが生じて印字品質を低下させるとの問題がある。
またインク受容層の塗工量を増やして対応した場合には、出来上がったインクジェット記録用シートが厚ぼったくなる、あるいは剛直になり折われしやすいなど不都合がある。
このため、支持体上に予めインク受容層形成用の塗工液と接触してゲル化ないし増粘する作用を有する材料を含む処理液を塗布したのち、インク受容層を設けることで、インク受容層のヒビワレの発生を防止する方法がすでに提案されている。
特許文献1には、ほう砂又はほう酸を片面あたり0.1g/m以上塗工してなる基紙の一方の面に合成シリカを主成分とする顔料とポリビニルアルコールを主成分とするバインダーからインク受容層を形成したインクジェット記録用紙が開示されている。だが合成シリカを主成分とする顔料とポリビニルアルコールの組み合わせでは、顔料粒子が大きくまた不揃いであるために、光沢が得られにくく、またほう砂またはほう酸の浸透ムラから印字品質の均一性が低下するとの問題があった。
特許文献2には、ホウ酸およびホウ酸塩からなる群より選ばれた1種以上および紙表面処理剤により表面処理した基材の、該処理表面上に、ベーマイトおよびポリビニルアルコールを含有する多孔質インク吸収層を有することを特徴とする記録用紙が開示されている。
また、特許文献3には、支持体上に色材受容層を有するインクジェット記録用シートにおいて、少なくとも支持体と色材受容層との間の該支持体上に、ホウ酸又はホウ素化合物が支持体の一方の表面当り0.1g/m以上塗工され、前記色材受容層が、平均一次粒子径20nm以下の無機顔料微粒子と水溶性樹脂とを含んで構成され、空隙率50〜80%の三次元網目構造を有しするインクジェット記録用シートが開示されている。
また、特許文献4には、a)高分子バインダーおよびボラートまたはボラート誘導体を含んでなる下塗り層であって、前記ボラートまたはボラート誘導体が3〜50g/mの量で存在しており、そして前記高分子バインダーの前記ボラートまたはボラート誘導体に対する質量比が0.2:1〜2:1である下塗り層、並びにb)ヒドロキシル基を含有している架橋性ポリマーおよび粒子を含んでなる画像受容層であって、前記架橋性ポリマーが20〜150g/mの量で存在しており、そして前記架橋性ポリマーの前記粒子に対する質量比が10:90〜30:70である画像受容層、を担持している基材を含んでなるインクジェット記録要素が開示されている。
また、特許文献5には、支持体に、或いは支持体上に形成された下塗り層上に、架橋剤を塗布し、顔料と架橋剤と架橋するバインダーを塗布したインク受容層、およびキャスト層を形成するインクジェット記録体が開示されている。
これらの方法では、インク受容層が透気性支持体に浸透することは防ぐものの、透気性支持体上に塗工した架橋剤含有液が支持体に浸透してしまい、必要なゲル化ないし増粘する作用が発揮されないと問題があった。特に顔料塗工層上に架橋剤含有液を塗工する場合、紙のサイズ性のムラから、顔料塗工層の不均一性により、架橋剤含有液の浸透状態にもムラができ、これに起因してインク受容層のインク吸収性や印字品質のムラ(たとえばインクジェット記録用紙の全面に印刷した時に、印字濃度の均一性が得られない)などの問題があった。
そして、そのようなインク受容層をキャスト仕上げしたり、キャスト法により更に光沢発現層を形成した場合、光沢性は示すものの、インク吸収性や印字品質のムラが発生した。
特公平7−37175号公報 特開平11−291621号公報 特開2001−246832号公報 特開2003−205679号公報 特開2006−142748号公報
本発明の課題は、支持体上に、微細粒子を含有するインク受容層を塗工したインクジェット記録用シートにおいて、インク吸収性が優れ、高い印字濃度が得られ、しかもキャスト法による光沢処理を施すことで、銀塩写真印画紙に匹敵する、表面の平滑性と光沢を有するインクジェット記録用シートの製造方法を提供しようとするものである。
上記課題を解決するために、発明者等が鋭意研究を重ねた結果、インク吸収層上にインク受容層形成用の塗工液と接触してゲル化ないし増粘する作用を有する架橋剤および粘度調整剤を配合した粘度を2mPas〜20mPas(B型粘度計)の架橋剤含有処理液を塗工することにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するにいたった。
即ち、本発明は、
(1)支持体上に、インク吸収層と、インク受容層とを少なくとも有するインクジェット記録用シートの製造方法において、支持体の少なくとも一方の面にインク吸収層を設ける第1の工程、該インク吸収層上に、インク受容層形成用塗工液と接触してゲル化もしくは増粘する作用を有する材料と粘度調整剤としてセルロース誘導体を含有する架橋剤含有液を、塗工する第2の工程、少なくとも平均粒子径5nm以上700nm以下の微細粒子を含有するインク受容層を塗工する第3の工程を含むことを特徴とするインクジェット記録用シートの製造方法である。
(2)粘度調整剤としてのセルロース誘導体が、カチオン化セルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群から選ばれる1種類以上である(1)に記載のインクジェット記録用シートの製造方法。
(3)架橋剤含有液の粘度が2mPas〜20mPas(B型粘度計)である(1)又は(2)に記載のインクジェット記録用シートの製造方法である。
(4)架橋剤含有液中に含有される架橋剤がホウ酸および/またはホウ砂であり、かつインク受容層形成用塗工液にポリビニルアルコールを含有することを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のインクジェット記録用シートの製造方法である。
(5)架橋剤含有液中に、界面活性剤を含むことを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載のインクジェット記録用シートの製造方法である。
(6)インク受容層を塗工したあと、少なくとも平均粒子径5nm以上100nm以下のコロイド状粒子を含有する光沢発現層を塗工する第4の工程を含むことを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載のインクジェット記録用シートの製造方法である。
本発明のインクジェット記録用シートの製造方法は、インク吸収性が優れ、高い印字濃度が得られ、しかもキャスト法による光沢処理を施すことで、銀塩写真印画紙に匹敵する、表面の平滑性と光沢を有するインクジェット記録用シートを得ることができる。
<第1の工程>
本発明では、まず第1の工程として、支持体にインク吸収層を設ける。
「支持体について」
インクジェット記録用シートに用いる支持体は、その種類、形状、寸法などについては特に制限はないが、吸収性支持体、非吸収性支持体ともに使用できる。印字後のコックリング(浪打ち)や写真調の風合いの点から非吸収性支持体基材の方が好ましいが、インク吸収性が不足してしまうと、インクジェット記録の際に、ニジミが生じるなど不都合が生じる場合がある。
(吸収性支持体)
吸収性支持体としては、例えば、上質紙、中質紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙等の紙基材が例示できる。紙基材としては、木材パルプを主成分として構成され、必要に応じて填料、各種助剤等の添加剤を含有するものが挙げられる。
木材パルプとしては、各種化学パルプ、機械パルプ、再生パルプ等を使用することができる。これらのパルプは、紙力、抄紙適性等を調整するために、叩解機により叩解度を調整できる。パルプの叩解度(フリーネス)は特に限定しないが、一般に250〜550ml(CSF:JIS−P−8121)程度である。平滑性を高めるためには叩解度を進めるほうが望ましいが、用紙に記録した場合にインク中の水分によって起こる用紙のボコツキや記録画像のにじみは、叩解を進めないほうが良好な結果を得る場合が多い。従ってフリーネスは300〜500ml程度が好ましい。
填料は、不透明性等を付与したり、インク吸収性を調整する目的で配合し、炭酸カルシウム、焼成カオリン、シリカ、酸化チタン等が使用できる。特に炭酸カルシウムは、白色度が高い紙基材となり、インクジェット記録用紙の光沢感が高まるので好ましい。紙基材中の填料の含有率(灰分)は1〜20質量%程度が好ましく、多すぎると紙力が低下するおそれがある。少ないと紙基材の透気性が悪くなるので、好ましい填料の含有率は7〜20質量%である。この範囲にすると、平滑度、透気度、紙力のバランスがとれているので、結果として光沢度、像鮮明度が優れたインクジェット記録用シートが得られ易くなる。
紙基材には、助剤としてサイズ剤、定着剤、紙力増強剤、カチオン化剤、歩留り向上剤、染料、蛍光増白剤等を添加することができる。紙力増強剤としては、ポリアミド・エピクロルヒドリン樹脂、N−ビニルホルムアミド・ビニルアミン共重合体等の紙力増強剤を内添あるいは塗布もしくは含浸して用いることができる。特にポリアミド・エピクロルヒドリン樹脂は湿潤時の紙の寸法安定性を向上させる効果をもっているため、好適に使用される。
紙基材には、さらに、抄紙機のサイズプレス工程において、デンプン、ポリビニルアルコール類、カチオン樹脂等を塗布・含浸させ、表面強度、サイズ度等を調整できる。
紙基材に水を吸収する能力がないと、インク吸収層(下塗り層)形成用塗料を紙基材に塗工した際に塗料の不動化が著しく遅くなり、乾燥ドライヤーの風量を弱くする必要があり、したがって乾燥工程に長時間を要する、あるいはドライヤー内の風で風紋とよばれる塗工面の不良が発生する問題がある。
一方、水を吸収する能力が高すぎる場合(すなわち紙基材のサイズ度が低い場合には)、塗工時に皺が発生する等操業上問題となる場合がある。またサイズ度が高いとインク吸収性が低下したり、印字後のカールやコックリングが著しくなる場合がある。より好ましいサイズ度の範囲はステキヒトサイズ度で5秒〜500秒である。またコブサイズ度は、同様の理由によって20ml/m2〜500ml/m2であること好ましい。
(非吸収性支持体)
一方、非吸収性支持体の例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのプラスチックフィルムや合成紙、白色フィルム等が挙げられる。また、これらの支持体や上記吸収性支持体を、非インク媒体吸収性樹脂で被覆して得られる非吸収性樹脂被覆シートなどを用いてもよい。非インク媒体吸収性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂や、セルロースジアセテート樹脂、ポリエステル樹脂、またはそれらの混合物等を主成分とするものを用いることができるが、ポリオレフィンは前記支持体に対する密着性が良好であるので好ましく、特にポリエチレンを用いることが好ましい。
また、支持体のインク受容層を形成する面に、支持体とインク受容層との密着性を向上させる目的で、予め密着処理、又は接着処理を施してもよい。特に、非吸収性支持体として樹脂被覆紙を用いる場合、その樹脂被覆層の表面にコロナ放電処理を施すこと、あるいはゼラチン、ポリビニルアルコールなどによるアンダーコート層を設けることが好ましい。
支持体の裏面に搬送性向上処理、帯電防止処理、ブロッキング防止処理などの処理を施すことも可能である。裏面処理は、例えば、帯電防止剤およびブロッキング防止剤などの化学的処理であってもよく、あるいはコート層を設けるなど適宜他の構成を追加するものであってもよい。
支持体の平滑度は特に限定はないが、王研式平滑度(王研式、J.TAPPI No.5)が300秒以上であると、高光沢、高平滑な面を得ることができ好ましい。また、支持体の不透明度にも特に限定はないが、不透明度(JIS P8138)が85%以上であること、銀塩写真ライクな外観(特に視感白色度)を得ることができが好ましい。より好ましくは93%以上である。
(その他支持体について)
支持体には、その上に形成される塗工層(インク吸収層、インク受容層、光沢発現層)の形成方法、或いは、使用される用途などに応じて、上記例示の支持体の中から適宜選択使用できる。勿論、支持体表面に蛍光染料、蛍光顔料などにより色目を調節する層を形成したり、帯電防止層、アンカー層、バリヤー層を形成してもよく、コロナ処理などを施しても構わない。また印刷時のカール等の防止や、摩擦性の調整、プリンタ搬送性の向上や、手触り、風合いなどの調整を目的として、樹脂、及び必要に応じて顔料や染料を含む裏面層を設けることができる。プリンタでの搬送性改善の目的で裏面処理層を設けることもできる。
「インク吸収層について」
支持体上に、インク吸収層を形成する。インク吸収層を形成することにより、インクジェットプリンタで印刷した際のインクの吸収性を好適に調整でき、印字濃度や印字にじみ、ベタ均一性等の記録適性が向上する傾向にある。インク吸収層は、インクの溶媒成分をいち早く吸収する機能を有する層であり、顔料と接着剤を含有することが好ましい。
(顔料について)
インク吸収層(下塗り層)に配合される顔料としては、カオリン、クレー、焼成クレー、非晶質シリカ(無定形シリカともいう)、合成非晶質シリカ、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、アルミナ、コロイダルシリカ、ゼオライト、合成ゼオライト、セピオライト、スメクタイト、合成スメクタイト、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、珪藻土、スチレン系プラスチックピグメント、ハイドロタルサイト、尿素樹脂系プラスチックピグメント、ベンゾグアナミン系プラスチックピグメント等、一般塗工紙製造分野で公知公用の各種顔料を1種もしくはそれ以上、併用することができる。これらの中で、酸化亜鉛、酸化チタン、プラスチックピグメント類は、白紙部の黄変を防ぐことができるので配合することが好ましい。また、無定形シリカ、アルミナ、ゼオライトはインク吸収性が高いので主成分として含有させることが好ましい。
顔料の平均粒子径(凝集顔料の場合は凝集粒子径)は、1〜12μm程度が好ましく、より好ましくは2〜10μm、更に好ましくは2〜6μmである。1μm以上とすることにより、インク吸収速度向上効果が得られ、12μm以下とすることにより、インク受容層の平滑性や光沢の低下を防ぐことができる。異なる平均粒子径の顔料を併用することも可能である。
また、インク吸収性を調整したり、インク吸収層の上に塗工する架橋剤含有液やインク受容層用の塗工液の浸透を制御する目的で、副成分として、平均粒子径の小さい、例えば平均粒子径が1μm未満の顔料を配合することができる。この様な顔料としてはコロイダルシリカ、アルミナゾルが挙げられ、特にコロイダルシリカが好ましい。
(接着剤について)
インク吸収層に配合される接着剤としては、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白質類、澱粉や酸化澱粉等の各種澱粉類、ポリビニルアルコール、カチオン性ポリビニルアルコール、シリル変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコールを含むポリビニルアルコール類、カルボキシメチルセルロースやメチルセルロース等のセルロース誘導体、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル系重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス、水性ポリウレタン樹脂、水性ポリエステル樹脂等の、一般に塗工紙用として用いられている従来公知の接着剤が単独、あるいは併用して用いられる。
なお、水性ポリウレタン樹脂は、ウレタンエマルジョン、ウレタンラテックス、ポリウレタンラテックス等とも通称されている。また、ポリウレタン樹脂は、ポリイソシアネート化合物と活性水素含有化合物との反応から得られるものである。比較的多数のウレタン結合及び尿素結合を含む高分子化合物である。
顔料と接着剤の配合割合は、その種類にもよるが、一般に、顔料100質量部に対し接着剤1〜100質量部、好ましくは2〜50質量部の範囲で調節される。
(その他インク吸収層について)
インク吸収層(下塗り層)には、さらに、一般塗工紙の製造において使用される分散剤、増粘剤、消泡剤、帯電防止剤、防腐剤等の各種助剤が適宜添加される。また、下塗り層中に、蛍光染料、着色剤を添加することもできる。
(インク吸収層の形成について)
インク吸収層は、上記材料をもって構成される下塗り層用塗工液を支持体上に塗工し、乾燥することにより形成できる。インク吸収層用塗工液は、固形分濃度5〜50質量%程度に調整して塗工される。
インク吸収層用塗工液の塗工量は、乾燥質量で、好ましくは2〜60g/m2、より好ましくは2〜30g/m2程度、更に好ましくは4〜20g/m2程度である。塗工量を2g/m2以上とすることにより、インク吸収性改良効果が充分に得られ、インク受容層を設けた際に優れた光沢性が得られ、60g/m2以下とすることにより、印字濃度が高くなったり、塗工層の強度が向上し、粉落ちや傷が付きにくくなる傾向がある。
インク吸収層用塗工液の塗工には、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、ブラシコーター、チャンプレックスコーター、バーコーター、リップコーター、グラビアコーター、カーテンコーター、スロットダイコーター、スライドコーター等の各種公知公用の塗工装置が使用できる。
また、インク吸収層の形成後、さらに、必要に応じてスーパーキャレンダー、ブラシ掛け等の平滑化処理を施すこともできる。なお、下塗り層は、2層以上形成しても構わない。
<第2の工程>
上記第1の工程により、支持体上にインク吸収層を設けたあと、第2の工程として、インク吸収層上に、インク受容層形成用塗工液と接触してゲル化もしくは増粘する作用を有する材料(以下、架橋剤ともいう。)と粘度調整剤とを含有する架橋剤含有液を塗工する。或いは、第2の工程として、インク吸収層上に、架橋剤を含有し、且つ粘度が2mPas〜20mPas(B型粘度計)である架橋剤含有液を塗工する。
[架橋剤含有液]
架橋剤含有液は、インク受容層形成用塗工液と接触してゲル化もしくは増粘する材料の1種類以上を含むものである。第1の発明は、架橋剤含有液の粘度を増大させて調整可能な粘度調整剤の1種以上を含むものである。第2の発明は、架橋剤含有液の粘度を規定するものである。架橋剤含有液には、さらに界面活性剤を併用することでいっそうの効果を発揮するのでより好ましい。
[架橋剤について]
インク受容層形成用塗工液と接触してゲル化もしくは増粘する作用を有する材料(架橋剤)としては、例えば、ホウ素化合物、エポキシ化合物、グリシジル化合物、ジルコニウム化合物、アルミニウム化合物、クロム化合物等が挙げられる。これらの中でも、後述の水溶性樹脂としてのポリビニルアルコールと組み合わせた場合、ゲル化もしくは増粘する進行が速いことから、ホウ素化合物が好ましく、ホウ酸および/またはホウ砂がより好ましい。
ホウ酸としては、例えば、オルトホウ酸、メタホウ酸、次ホウ酸、四ホウ酸、五ホウ酸等が挙げられる。また、これらのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩であってもよい。これらの中でも、オルトホウ酸と四ホウ酸二ナトリウムが好ましい。
ホウ砂とは、ナトリウムの含水ホウ酸塩鉱物であり、その組成はNa・10HOである。実質的にはNa(四ホウ酸二ナトリウム)が架橋剤成分である。
架橋剤の濃度は0.001〜20質量%であることが好ましい。0.001質量%以上であれば、架橋剤により後述のインク受容層に用いる水溶性樹脂を充分にゲル化もしくは増粘することができる。一方、20質量%以下であれば、過度なゲル化もしくは増粘を防ぐことができる。
[粘度調整剤について]
粘度調整剤は、これを添加することにより架橋剤含有液の粘度が増大するものであればよく例えばゼラチン、バイオガム、セルロース誘導体、グアーガム類、アルギン酸ソーダ、ポリアクリル酸等が挙げられる。
バイオガムとしては、例えば、キサンタンガム、ウエランガム、ジェランガム等が挙げられる。セルロース誘導体としては、例えば、カチオン化セルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース等が挙げられる。グアーガム類としては、例えば、グアーガム、ヒドロキシプロピル化グアーガム、カチオン化グアーガム等が挙げられる。
本発明において粘度調整剤は、架橋剤含有液における粘度が比較的高くてバランスの点でセルロース誘導体を使用する。
セルロース誘導体の重合度は、架橋剤含有液の粘度調整が比較的容易である点で500〜2000が好ましく、800〜1800がより好ましい。
本発明において、架橋剤含有塗液における粘度調整剤の含有量は、架橋剤含有塗液の粘度が所望の範囲となるように設定され、特に制限されないが、少量の添加で所望の粘度に達する場合は、粘度の微調整が難しいため好ましくない。一方、粘度調整剤の添加量が多すぎるとインク吸収性が低下する。したがって、例えば、架橋剤100質量部に対して1〜100質量部の範囲内で用いることが好ましい。
[架橋剤含有液の粘度]
架橋剤含有液の粘度は、2mPasないし20mPasである。さらに5mPasないし10mPasであることが好ましい。この粘度は東機産業株式会社製「B型粘度計BL型」を用い、液温23℃、60rpmの条件で測定して得られる値である。架橋剤含有液の粘度が2mPas未満であると、架橋剤含有液をインク吸収層に均一に塗りつけることが難しく、またインク吸収層への浸透が不均一になりやすく、塗工ムラができやすいとの不都合が生じる。一方、20mPasを超えると、架橋剤含有液がインク吸収層表面から内部に浸透しにくくなり、連続してインク受容層を塗工する場合には、塗工まで待ち時間が必要になるため、生産速度が低下するか、あるいは塗工装置のラインを長くする必要が生じる。あるいはいったん支持体を巻き取って保管した後に、インク受容層を塗工する場合でも、乾燥に長時間を要し生産性が低下するとの問題がある。5mPas以上10mPasであることがより好ましい。
粘度の調整方法は特に限定するものではないが、上記粘度調整剤を用いることが好ましい。
[界面活性剤]
架橋剤含有液に界面活性剤を添加することにより、支持体表面における架橋剤含有液のハジキが抑えられるので、粘度調整剤の添加により該処理液の粘度が高くなっても塗工の均一性を確保できる。
界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤のいずれであってもよい。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル塩系等が挙げられる。
カチオン系界面活性剤としては、例えば、アミン塩系、4級アンモニウム塩系等が挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、アセチレングリコール系、ポリエチレングリコール系(高級アルコールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、高級脂肪族アミンおよび脂肪酸アミドのエチレンオキサイド付加物等)、多価アルコール系(グリセリンおよびペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビトールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステル、多価アルコールのエチレンオキサイド付加物、脂肪酸アルカノールアミド)等が挙げられる。
上記界面活性剤の中でも、インクジェットプリンタのインクとの親和性が高いことから、ノニオン系界面活性剤が好ましく、さらには、ノニオン系界面活性剤の中でも、アセチレングリコール系界面活性剤が好ましい。アセチレングリコール系界面活性剤は、分子中にアセチレン性三重結合を形成する互いに隣接した炭素原子に酸素原子が結合されているため、ノニオン性でありながら、非常に強い極性を有している。そのため、少量の添加でも表面活性効果が高く、支持体表面における該処理液の濡れ性を向上させることができる。また、一般的に、界面活性剤は気泡形成性が強いため、泡立ちという問題を生ずるが、アセチレングリコール系界面活性剤は消泡性を有しており、泡立ちを抑制できる。
アセチレングリコール系界面活性剤は、分子中にアセチレン結合とアルコール性水酸基とを有する化合物であり、その中でも、アルキニレングリコール化合物とエチレンオキサイドとの付加反応生成物が好ましい。特に好ましいアセチレングリコール系界面活性剤は、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールにエチレンオキサイドを付加した化合物であって、下記式(1)により表される化学構造を有する化合物である。とりわけ、式(1)において、m+nが6以下であることが好ましく、m+nが2〜5であることがより好ましい。m,nは整数であるが、平均値は勿論整数でない場合がある。
Figure 0004840120
架橋剤含有液中の界面活性剤含有量は、架橋剤100質量部に対して0.001〜10質量部であることが好ましい。界面活性剤の含有量が、架橋剤100質量部に対して0.001質量部以上であれば、支持体表面に対する架橋剤含有塗液の濡れ性を充分に確保することができる。一方、10質量部以下であれば、塗工後のブロッキングや裏面への転移といった問題が発生しにくい。
架橋剤含有液には溶媒を適宜含んでいてもよい。架橋剤含有液は、例えば架橋剤を溶媒に溶解させた架橋剤溶液、界面活性剤を溶媒に溶解させた界面活性剤溶液、および粘度調整剤を溶媒に溶解させた粘度調整剤溶液を混合することによって調製される。溶媒としては、例えば、水または水に有機溶剤が少量添加された水系溶媒が挙げられる。
[塗工方法]
インク吸収層への架橋剤含有液の塗工手段としては、例えば、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、ロッドブレードコーター、リップコーター、ダイコーター、カーテンコーター、スライドビードコーター等が挙げられる。
架橋剤含有液は、架橋剤の塗工量が固形分換算で0.1〜3.0g/m2となるように塗工することが好ましい。塗工量が0.1g/m2以上であればインク受容層の強度を確保できる。一方、塗工量が3.0g/m2以下であれば、水溶性樹脂の過度な架橋を防ぎ、インク受容層の折り割れを防止できる。
[乾燥方法]
インク吸収層上に架橋剤含有液を塗工した後、該塗液中の溶媒を積極的に除去する乾燥工程を行うことが好ましい。乾燥後、一旦巻き取って保管してもよい。塗工した架橋剤含有液を乾燥させずに、その上にインク受容層形成用塗液を塗工することもできるが、その場合、インク受容層形成用塗液を塗工すると直ちにインク受容層中の水溶性樹脂が架橋するため、例えばインク受容層形成用塗液の塗工手段としてダイコーターを用いると架橋物がヘッドに詰まり易いなど、塗工を適性に行うのが難しい場合がある。乾燥方法としては特に制限されず、例えば、熱風による乾燥、赤外線照射による乾燥等を適用できる。
<第3の工程>
第3の工程は、架橋剤含有液を塗工した面に、少なくとも平均粒子径5nm以上700nm以下の微細粒子を含有するインク受容層を塗工する。インク受容層には微細粒子の他に、バインダーとして前記の架橋剤と接触してゲル化もしくは増粘可能な水溶性樹脂を含むものである。
[微細粒子]
微細粒子としては、例えば、非晶質シリカ(湿式法及び乾式法によって製造される合成非晶質シリカ、及びアルミナ等によるカチオン変性シリカを含む)、非晶質シリカとカチオン性化合物を混合し凝集させることによって得られる非晶質シリカ−カチオン性化合物凝集体粒子、カオリン、クレー、焼成クレー、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化チタン、硫酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルミナおよびアルミナ水和物、炭酸カルシウム、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、スメクタイト、ゼオライト、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、珪藻土、スチレン系プラスチックピグメント、尿素樹脂系プラスチックピグメント、ベンゾグアナミン系プラスチックピグメント等が挙げられる。これらの中でも、光沢性、インク吸収性のバランスが取り易い点から、非晶質シリカ、非晶質シリカとカチオン性化合物を混合し凝集させることによって得られる非晶質シリカ−カチオン性化合物凝集体粒子、アルミノシリケート、アルミナ、アルミナ水和物を用いることが好ましい。
インク受容層で用いる微細粒子は平均粒子径5nm以上700nm以下である。700nm以下とすることで光沢性が優れ、5nm以上とすることによりインク吸収性が優れる。平均粒子径は、一次粒子として塗液中に存在している場合は一次粒子の径を、一次粒子が凝集した二次粒子として塗液中に存在している場合は二次粒子の径である。二次粒子の平均粒子径(平均二次粒子径)の調整は、たとえば機械的手段で強い力を施す方法、所謂breakingdown法(塊状原料を細分化する方法)により行なうことができる。機械的手段としては、超音波ホモジナイザー、圧力式ホモジナイザー、液流衝突式ホモジナイザー、高速回転ミル、ローラミル、容器駆動媒体ミル、媒体攪拌ミル、ジェットミル、乳鉢、擂解機(鉢状容器中の被粉砕物を、杵状攪拌棒で磨砕混練する装置)、サンドグラインダー、ナノマイザー等が挙げられる。粒子径を小さくする為に、分級と粉砕とを繰り返して施すことができる。
[水溶性樹脂]
前記架橋剤と接触してゲル化もしくは増粘可能な水溶性樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、シリル変性ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白質類、澱粉、ポリプロピレンオキサイド、ポリエチレングリコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルアクリルアミド及びポリビニルピロリドン等が挙げられる。
これらの中でも、インク吸収性、耐水性、ひび割れ防止の点から、ポリビニルアルコールが好ましい。ポリビニルアルコールは、重合度が3000〜5000であることが好ましい。重合度が3000未満では、得られるインク受容層の耐水性が不充分になる傾向にあり、5000を超えるものは、実用上、入手が困難である。
水溶性樹脂は、微細粒子100質量部に対して、好ましくは1〜100質量部、より好ましくは5〜50質量部の範囲で使用される。
水溶性樹脂と架橋剤の質量比は、20:1〜1:20が好ましく、10:1〜1:10がより好ましい。質量比をこの範囲内とすることにより、ひび割れ防止、耐経時ニジミおよびインク吸収性により優れるインクジェット記録用シートが得られる。
インク受容層の塗工量は、5〜50g/m2の範囲である。5g/m2より少ないと吐出したインクを吸収できないで、印字が滲んだりニジミが生じるとの不都合がある。また50g/m2より多いと、出来上がった記録用シートが厚つぼったくなるばかりでなく、カールが大きくなったり、シートが剛直で折われが劣るとの問題が生じる。好ましい範囲は10〜40g/m2の範囲である。本発明のインク受容層は同等の機能が発揮されば、2層以上を分割して重ねて塗工することも差し支えない。
[その他の成分]
インク受容層形成用塗液には、本発明の目的が達成される範囲内において、
例えば、水分散性樹脂(例えば、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体の共役ジエン系重合体ラテックス、イソプレン、ネオプレン(登録商標)、ポリブタジエン等のポリジエン類、アクリル系重合体ラテックス、ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリアルケン類、ビニルハライド、酢酸ビニル、スチレン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド、メチルビニルエーテル等のビニル系重合体や共重合体類ラテックス、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、オレフィン−無水マレイン酸系樹脂、メラミン系樹脂等)等のような、一般に塗工紙分野で用いられている各種接着剤が含まれていてもよい。
また、インク受容層形成用塗液には、カチオン性化合物が含まれていてもよい。カチオン性化合物としては、例えば、ポリエチレンアミンやポリプロピレンポリアミン等のポリアルキレンポリアミン類、またはその誘導体、第3級アミノ基や第4級アンモニウム基を有するアクリル樹脂、ジアクリルアミン等が挙げられる。カチオン性化合物の含有量としては、微細粒子100質量部に対し、1〜30質量部であることが好ましく、5〜20質量部であることがより好ましい。
さらに、インク受容層形成用塗液には、各種分散剤、増粘剤、消泡剤、着色剤、帯電防止剤、防腐剤等の各種助剤が含まれていてもよい。
[塗工方法、乾燥方法]
インク受容層形成用塗工液の塗工方法および乾燥方法としては、架橋剤含有液の塗工方法および乾燥方法と同様の方法が適用できる。本発明において、支持体上に形成されるインク受容層が1層であっても、良好なインク吸収性が得られるが、さらにその上にインク受容層を積層して形成することも可能である。
<第4の工程>
さらに光沢を高めるために、第4の工程としてインク受容層をキャスト法で仕上げたり、インク受容層上に光沢発現層を設けたり、該光沢発現層をキャスト法で仕上げたりすることができる。
[キャスト法]
インク受容層に適用可能なキャスト法は、インク受容層が湿潤状態にある間にこれを加熱された鏡面、例えば鏡面ドラムに圧着し乾燥して、鏡面を塗工層に写し取る仕上げ方法である。例えば、インク受容層を塗布し鏡面ドラムに圧接するウェットキャスト法、インク受容層を塗布乾燥した後、再湿潤液を付与して湿潤状態にしたインク受容層を鏡面ドラムに圧接するリウェットキャスト法が可能である。なお、鏡面ドラムで塗工層を乾燥するので、透気性支持体を用いる場合に適している。
[光沢発現層]
本発明では、光沢性を高めるために、インク受容層上に微粒子を含有する光沢発現層を形成するとよい。微粒子としては、特に限定されないが、コロイダルシリカ、気相法シリカ、アルミナ酸化物は、優れた光沢が得られるので好ましい。
光沢発現層には、光沢発現を主目的とするため、染料定着機能は必ずしも必要とするものではないが、カチオン性の微粒子を選択することにより、定着性を高めることができる。カチオン性の微粒子としては、カチオン変性されたコロイダルシリカや気相法シリカ、またはアルミナ酸化物等が好ましい。アルミナ酸化物の中では、気相法(フュームド)アルミナ酸化物がより好ましい。
微粒子の形態は、コロイド状であることが好ましい。単分散体であっても凝集粒子分散体であってもよいが、高印字濃度、高光沢を得るために単分散体、もしくは凝集粒子分散体のなかでも粒子径の小さいものが主に好ましく用いられる。具体的には、平均粒子径5〜100nmの粒子から選択することが好ましい。
光沢発現層は、インク吸収性を阻害しない限り、上記水溶性樹脂を適宜含有してもよい。また、必要応じて、前述のカチオン性化合物を含有することもできる。
光沢発現層の形成方法は、インク受容層上に通常の塗工手段で塗布してもよいし、インク受容層の塗工と同時に多層塗工してもよい。
また、インク受容層に微粒子と溶媒とを含有する光沢発現層形成用塗液を塗工し、加熱された鏡面ドラムに圧着、乾燥して得るキャスト法を適用して形成することができる。鏡面ドラムから剥離しやすくするためには、光沢発現層形成用塗液中に各種離型剤を適宜添加してもよい。離型剤の添加量は微粒子100質量部に対して0.5〜10質量部が好ましい。
なお、支持体の透気性が乏しい場合には、光沢層形成用塗液を塗工後これが湿潤状態にあるうちに鏡面ドラムに押し当てた後、まだ湿潤状態にあるうちに鏡面ドラムから剥離したあと、後工程の乾燥装置で乾燥することも差し支えない。
光沢発現層形成用塗液の固形分塗工量は、0.1〜10g/m2の範囲が好ましく、0.2〜5g/m2がより好ましく、0.5〜2g/m2がさらに好ましい。塗工量が少なすぎると、塗膜が薄くなり光による干渉色が生じやすく、また光沢性もいまひとつである。一方、塗工量が多すぎると、インク吸収速度が著しく低下し、また、透明性が低下するおそれがある。
以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は勿論これらに限定されるものではない。また、例中の部および%は、特に断らない限り、それぞれ質量部および質量%のことである。
<支持体の調製>
(支持体)
針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)をフリーネス(CSF、JIS P−8121)が250mlになるまで叩解し、これとフリーネスが250mlになるまで叩解した広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)とを、質量比2:8の割合で混合し、濃度0.5%のパルプスラリーを調製した。このパルプスラリー中に、パルプ絶乾質量に対し、カチオン化澱粉2.0%、アルキルケテンダイマー0.4%、アニオン化ポリアクリルアミド樹脂0.1%、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂0.7%、内添填料として軽質炭酸カルシウムを添加し、十分に攪拌して分散させた。なお軽質炭酸カルシウムの配合量は出来上がった原紙の質量比で5%になるように調整した。
上記組成のパルプスラリーを長網マシンで抄紙し、ドライヤー、サイズプレス、マシンカレンダーを通し、坪量180g/m2、密度0.85g/cmの原紙を製造した。上記サイズプレス工程に用いたサイズプレス液は、ポリビニルアルコールと酸化澱粉とを1:3の質量比で混合し、これを水に加え、加熱溶解し、濃度5%に調製したものである。このサイズプレス液を原紙への吸収量は両面合計で50ml/m2であった。
<微細顔料の調製>
(シリカゾルA)
市販気相法シリカ(商品名:レオロシールQS−30、平均一次粒子径10nm、比表面積300m2/g、トクヤマ社製)をサンドミルにより水分散粉砕した後、ナノマイザー(商品名:ナノマイザー、ナノマイザー社製)を用いて、粉砕分散を繰り返し、分級後、平均二次粒子径80nmの10%シリカ分散液を調製した。このシリカ分散液100部に、カチオン性化合物として、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド(商品名:ユニセンスCP−103、センカ社製)10部を添加し、シリカの凝集と、分散液の増粘を起こさせた後、再度ナノマイザーを用いて粉砕分散を繰り返し、平均二次粒子径300nmの8%分散液を調製してシリカゾルAを得た。
<実施例1>
<第1の工程>
上記支持体Aの片面に、下記インク吸収層用塗工液を、エアナイフコーターを用いて、塗工量が絶乾重量換算で8.0g/m2になるように塗工し、温風温度110℃のドライヤーで1分間乾燥させた。
(インク吸収層用塗工液の調製)
合成非晶質シリカ(商品名:ファインシールX−45、トクヤマ社製、平均二次粒子径4.5μm)100部に、シリル変性ポリビニルアルコール(商品名:R1130、クラレ社製)25部、分散剤(東亜合成社製、商品名:アロンSD−10)0.05部、蛍光染料(商品名:WhitexBPS(H)、住友化学社製)2部、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−アクリルアミド共重合体(商品名:PAS−J−81、日東紡績社製)5部を混合水分散して、固形分濃度15%のインク吸収層用塗工液を調製した。
<第2の工程>
上記インク吸収層上に、下記架橋剤含有液1をメイヤーバーで20g/m2となるように支持体上に塗工し、ドライヤー温度100℃で1分間乾燥した。この時の塗工量は、固形分換算で0.8g/m2であった。
(架橋剤含有液1の調製)
ホウ砂5%水溶液100部と、カチオン化セルロース1%水溶液(重合度:1500、商品名:ポイズC−150L、花王株式会社製))3部を混合攪拌して、これに水を加えて、濃度3.8%、粘度5mPasの架橋剤含有液を調製した。
なお、カチオン化セルロース1%水溶液は以下のようにして調製した。すなわち、カチオン化セルロース1部を冷水99部に攪拌しながら投入、分散させたのち、攪拌しながら50℃まで加温して1時間保持した。次いで室温まで冷却して、1%のカチオン化セルロース溶液を得た。
<第3の工程>
架橋剤含有液を塗布した面に、下記インク受容層形成用塗工液1を、ダイコーターで塗工量が固形分換算で22g/m2となるように塗工し、ドライヤー温度100℃で2分間乾燥し、インク受容層を形成した。
(インク受容層形成用塗工液1の調製)
シリカゾルA 100部に、5%ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:PVA−135H、重合度:3500、ケン化度:99%以上)24部を混合し、濃度7.2%のインク受容層塗料1を調製した。
<実施例2>
実施例1のインクジェット記録用シートに更に光沢発現層を形成した。
<第4の工程>
インク受容層に、光沢発現層用塗工液1をバーコーターで、塗工量が固形分換算で1.5g/m2になるように塗工したのち、直ちに表面温度100℃の鏡面ドラムに圧接、乾燥して仕上げ、インクジェット記録用シートを完成させた。
(光沢発現層用塗工液1の調製)
平均粒子径0.05μmのアニオン性コロイダルシリカ(商品名:スノーテックスOL、日産化学工業(株)製)100部(コロイド状粒子)、5%ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:PVA−217、重合度1700、ケン化度88%以上)10部、離型剤(ポリエチレンワックス、ノニオン性)1部。固形分濃度15%。
<実施例3〜
実施例2の<第2の工程>において、架橋剤含有液を以下に変更したほかは、実施例2と同じにしてインクジェット記録用シートを完成させた。
<実施例3>
(架橋剤含有液2の調製)
ホウ砂10%水溶液100部(60℃)と、カチオン化セルロース1%水溶液(重合度:1500、商品名:ポイズC−150L、花王株式会社製))10部、アセチレングリコール系界面活性剤の0.1%水溶液(商品名:オルフィンE1004、日信化学工業社製)2部、を混合攪拌して、濃度2.2%、粘度10mPasの架橋剤含有液を調製した。この時の塗工量は、固形分換算で0.9g/m2であった。
<実施例4>
(架橋剤含有液3の調製)
ホウ砂10%水溶液100部(60℃)と、ヒドロキシセルロースの2%水溶液(商品名:サンヘック H、三晶株式会社製)10部、アセチレングリコール系界面活性剤の0.1%水溶液(商品名:オルフィンE1004、日信化学工業社製)2部、を混合攪拌して、濃度3.2%、粘度2.4mPasの架橋剤含有液を調製した。この時の塗工量は、固形分換算で1.3g/m2であった。
<実施例5>
(架橋剤含有液4の調製)
ホウ砂10%水溶液100部(60℃)と、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの2%水溶液(商品名:メトローズ60SH−15、信越化学工業製)の10部、アセチレングリコール系界面活性剤の0.1%水溶液(商品名:オルフィンE1004、日信化学工業社製)2部、を混合溶解して濃度3.2%、粘度3mPasの架橋剤含有液を調整した。この時の塗工量は、固形分換算で1.3g/m2であった。
なお、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの2%水溶液は以下のようにして調製した。すなわち、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2部を冷水98部に攪拌しながら投入し、分散後これを液温が95℃になるまで加熱して1時間保持させたのち、液温が10℃なるまで冷却して2%のヒドロキシプロピルメチルセルロース水溶液を得た。
<実施例6>
(架橋剤含有液5の調製)
ホウ砂10%水溶液100部(60℃)と、カルボキシメチルセルロースの2%水溶液(重合度:1000、商品名:セロゲンWSA、第一工業製薬)の5重量部、アセチレングリコール系界面活性剤の0.1%水溶液(商品名:オルフィンE1004、日信化学工業社製)2部、を混合溶解して濃度3.3%粘度3mPasの架橋剤含有液を調整した。この時の塗工量は、固形分換算で1.3g/m2であった。
<実施例
(架橋剤含有液7の調製)
ホウ酸10%水溶液100部(60℃)と、カチオン化セルロースの1%水溶液(重合度:1500、商品名:ポイズC−150L、花王株式会社製)5部、アセチレングリコール系界面活性剤の0.1%水溶液(商品名:オルフィンE1004、日信化学工業社製)2部、を混合攪拌して、濃度3.2%、粘度2mPasの架橋剤含有液を調整した。この時の塗工量は、固形分換算で1.3g/mであった。
<実施例
(架橋剤含有液8の調製)
ホウ砂10%水溶液100部(60℃)と、カチオン化セルロースの1%水溶液(重合度:600、商品名:ポイズC−60H、花王株式会社製)10部、アセチレングリコール系界面活性剤の0.1%水溶液(商品名:オルフィンE1004、日信化学工業社製)2部、を混合攪拌して、濃度7%、粘度15mPasの架橋剤含有液を調整した。この時の塗工量は、固形分換算で2.8g/mであった。
<比較例1〜4>
実施例2の<第2の工程>において、架橋剤含有液を以下に変更したほかは、実施例2と同じにしてインクジェット記録用シートを完成させた。
<比較例1>
(架橋剤含有液9の調製:架橋剤は入っていない)
カチオン化セルロースの1%水溶液(重合度:1500、商品名:ポイズC−150L、花王株式会社製)10部に水を加えて攪拌して濃度を0.5%に調整した。
該処理液をメイヤーバーで塗工量が40g/m2となるように支持体上に塗工し、ドライヤー温度100℃で1分間乾燥した。この時の塗工量は、固形分換算で0.2g/m2であった。
<比較例2>
(架橋剤含有液10の調製)
ホウ砂5%水溶液100部と、アセチレングリコール系界面活性剤の0.1%水溶液(商品名:オルフィンE1004、日信化学工業社製)2部、を混合攪拌したのち、水を加えて濃度2.2%に調整した。架橋剤含有液の粘度は1mPasであった。該液をメイヤーバーで塗工量が40g/m2となるように支持体上に塗工し、ドライヤー温度100℃で1分間乾燥した。この時の塗工量は、固形分換算で0.9g/m2であった。
<比較例3>
(架橋剤含有液11の調製)
ホウ砂5%水溶液100部と、カチオン化セルロースの1%水溶液(重合度:1500、商品名:ポイズC−150L、花王株式会社製)20部、アセチレングリコール系界面活性剤の0.1%水溶液(商品名:オルフィンE1004、日信化学工業社製)1.5部、を混合攪拌して、濃度2.2%、粘度35mPasの架橋剤含有液を調製した。この時の塗工量は、固形分換算で0.9g/m2であった。
<比較例4>
(架橋剤処理液12の調製)
カチオン化セルロースの1%水溶液(重合度:1500、商品名:ポイズC−150L、花王株式会社製)10部と、アセチレングリコール系界面活性剤の0.1%水溶液(商品名:オルフィンE1004、日信化学工業社製)0.5部、を混合攪拌して、濃度0.7%、粘度10mPasの架橋剤含有液を調製した。この時の塗工量は、固形分換算で0.3g/m2であった。
<比較例5>
実施例2の<第3の工程>において、(インク受容層形成用塗工液1)のポリビニルアルコールの代わりに、SBRエマルションを用いたインク受容層形成用塗工液2を調製して塗工した。そのほかは、実施例2と同様にしてインクジェット記録用シートを得た。
(インク受容層形成用塗工液2の形成)
シリカゾルA 100部にスチレンーブタジエン系共重合体ラテックス(商品名:OX1060 日本ゼオン社製)10部を混合し、インク受容層形成塗液2を調製した。
なお、ダイコーターで塗工量が固形分換算で22g/m2となるように、前記支持体上に塗工し、ドライヤー温度100℃で2分間乾燥し、インク受容層を形成し、光沢発現層の形成は実施例5と同じである。
<比較例6>
(架橋剤含有液6の調製)
ホウ砂10%水溶液100部(60℃)と、ゼラチンの5%水溶液(商品名:P−100、宮城化学工業)の10部、アセチレングリコール系界面活性剤の0.1%水溶液(商品名:オルフィンE1004、日信化学工業社製)2部、を混合溶解して濃度3.3%、粘度2.4mPasの架橋剤含有液を調整した。この時の塗工量は、固形分換算で1.3g/m であった。
なお、ゼラチンの5%水溶液は以下のようにして調製した。すなわち、ゼラチン5部を冷水95部に攪拌しながら投入、分散させたのち、95℃まで加温して1時間保持した。次いで室温まで冷却して、5%のゼラチン溶液を得た。
<実施例
実施例1の<第2の工程>において、架橋剤含有液を以下に変更したほかは、実施例1と同じにしてインクジェット記録用シートを完成させた。
(処理液13の調製)
ジルコニウム系架橋剤(商品名:AZコート、サンノプコ社製)100部と、カチオン化セルロース1%水溶液(重合度:1500、商品名:ポイズC−150L、花王株式会社製))3部を混合攪拌して、これに水を加えて、濃度5%、粘度15mPasのゲル化ないし増粘する作用を有する材料を含む処理液を調製した。
該処理液をメイヤーバーで40g/mとなるように支持体上に塗工し、ドライヤー温度100℃で1分間乾燥した。この時の塗工量は、固形分換算で2.0g/mであった。
<評価方法>
得られた実施例および比較例にいて、架橋剤含有液の塗工適性(ハジキおよび面質の均一性)、インク受容層形成用途液の塗工適性(ダイ塗工適性)、インクジェット記録用シートにおけるインク受容層のひび割れ、75度表面光沢度、インク吸収性、印字のニジミ、印字濃度について、下記評価基準に従って評価した。また、架橋剤含有液の粘度も表1に併せて示した。
(架橋剤含有液の塗工適性:ハジキ)
支持体上に塗工された架橋剤含有塗液のハジキの程度を目視により評価した。
◎:ハジキは全く見られず、塗工面は問題なし。
○:ハジキの個数が0.5個/m2未満と、わずかにハジキが見られるが、実用上問題ない。
△:ハジキの個数が0.5個/m2以上1.0個/m2未満であり、実用上問題が発生する可能性があり。
×:ハジキの個数が1.0個/m2以上であり、実用上問題あり。
(架橋剤含有液の塗工適性:塗工面質の均一性)
支持体上に塗工された架橋剤含有塗液の面質を目視により評価した。
◎:光沢のある均一な塗工面が得られ、問題ない。
○:均一な塗工面が得られ、問題ない。
△:塗工面がややさざ波状であり、塗工がやや不均一である。
×:塗工面がさざ波状で塗工が不均一あるいは所望の塗工量が付いていない。
(ダイ塗工適性)
インク受容層形成用塗液を塗工した際のダイ塗工適性を、ダイ塗工ヘッドの塗料吐出部付近を目視により評価した。
◎:ダイ吐出部表面付近で、インク受容層形成用塗液が・ゲル化もしく増粘する作用を有する材料によってゲル化せず、均一な塗工が得られ操業良好な状態。
○:ダイ吐出部表面の両端付近のインク受容層形成用塗液がややゲル化したが、実用上問題ない状態。(支持体のカールによりダイ塗工ヘッド吐出部と支持体とが接近しているため、ゲル化した。)
△:ダイ吐出部表面の両端付近に限らず部分的にインク受容層形成用塗液がややゲル化したが、乾燥後の外観にはほとんど影響がなく、実用上問題がない状態。
×:ダイ吐出部表面付近で、インク受容層形成用塗液が・ゲル化もしく増粘する作用を有する材料によってゲル化して、均一な塗工面が得られず操業不可能な状態。
(インク受容層のひび割れ)
インク受容層のひび割れの程度を目視により評価した。
◎:ひび割れがまったく見られない。
○:若干ひび割れが発生するものの、実用上問題ない。
△:ひび割れが○よりは少し多いが、実用上問題ない。
×:ひび割れが発生し、実用上問題あり。
(75度表面光沢度)
JIS−P8142に記載の方法により、インクジェット記録用シートのインク受容層表面の75度光沢度を測定した。
(インク吸収性)
インクジェットプリンタPIXUS iP4200キヤノン社製)により、グリーンベタ印字を行い、ベタ印字部のインク吸収の程度を目視により評価した。インクカートリッジは、キヤノン社製BCI−7Bk、BCI−7C、BCI−7M、BCI−7YおよびBCI−3eBkを用いた。
◎:ベタ印字部にムラが見られず、良好な状態。
○:ベタ印字部にムラが若干見られるが、殆ど問題にはならないレベル。
△:ベタ印字部にムラが多少見られ、ベタ印字を多く含む印字をする場合に問題となる可能性があるレベル。
×:ベタ印字部にムラが見られ、問題となるレベル。
(印字ニジミ)
インクジェットプリンタPIXUS iP4200キヤノン社製)により、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー、レッド、グリーン、ブルーを互いに隣接する桝目模様にしてベタ印字を行い、それぞれの境界部分の色のニジミの程度を目視により評価した。インクカートリッジは、キヤノン社製BCI−7Bk、BCI−7C、BCI−7M、BCI−7YおよびBCI−3eBkを用いた。
◎:境界部分にニジミが見られず、良好な状態。
○:境界部分にニジミが若干見られるが、殆ど問題にはならないレベル。
△:境界部分にニジミが多少見られ、繊細な画像を印字する場合に問題となる可能性があるレベル。
×:境界部分にニジミが見られ、問題となるレベル。
(印字濃度)
インクジェットプリンタPIXUS iP7500(キヤノン社製)により、黒ベタ印字を行い、黒ベタ印字部をグレタグマクベス反射濃度計(グレタグマクベス社製、RD−19I)を用いて測定した。表中に示した数字は5回測定の平均値である。なお、インクカートリッジは、キヤノン社製BCI−7Bk、BCI−7C、BCI−7M、BCI−7Y、BCI−7PC、BCI−7PM、BCI−7RおよびBCI−7Gを使用した。
Figure 0004840120

Claims (6)

  1. 支持体上に、インク吸収層と、インク受容層とを少なくとも有するインクジェット記録用シートの製造方法において、支持体の少なくとも一方の面にインク吸収層を設ける第1の工程、該インク吸収層上に、インク受容層形成用塗工液と接触してゲル化もしくは増粘する作用を有する材料と粘度調整剤としてセルロース誘導体を含有する架橋剤含有液を、塗工する第2の工程、少なくとも平均粒子径5nm以上700nm以下の微細粒子を含有するインク受容層を塗工する第3の工程を含むことを特徴とするインクジェット記録用シートの製造方法。
  2. 粘度調整剤としてのセルロース誘導体が、カチオン化セルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群から選ばれる1種類以上である請求項1に記載のインクジェット記録用シートの製造方法。
  3. 架橋剤含有液の粘度が2mPas〜20mPas(B型粘度計)である請求項1又は2記載のインクジェット記録用シートの製造方法。
  4. 架橋剤含有液中に含有される架橋剤がホウ酸および/またはホウ砂であり、かつインク受容層形成用塗工液にポリビニルアルコールを含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット記録用シートの製造方法。
  5. 架橋剤含有液中に、界面活性剤を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット記録用シートの製造方法。
  6. インク受容層を塗工したあと、少なくとも平均粒子径5nm以上100nm以下のコロイド状粒子を含有する光沢発現層を塗工する第4の工程を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェット記録用シートの製造方法。
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