JP2003231342A - インクジェット記録シートの製造方法 - Google Patents

インクジェット記録シートの製造方法

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JP2003231342A
JP2003231342A JP2002028108A JP2002028108A JP2003231342A JP 2003231342 A JP2003231342 A JP 2003231342A JP 2002028108 A JP2002028108 A JP 2002028108A JP 2002028108 A JP2002028108 A JP 2002028108A JP 2003231342 A JP2003231342 A JP 2003231342A
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ink receiving
boric acid
recording sheet
ink
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JP2002028108A
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Takeshi Iida
剛 飯田
Yoshihiro Yoshimura
至弘 吉村
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ひび割れ防止性、光沢性の高いインクジェッ
ト記録シートを、塗布性よく製造する方法の提供。 【解決手段】 方法(1)において、支持体上の内側イ
ンク受容層上に硼酸含有溶液塗布層を設け、その上に、
硼酸と架橋反応するポリマーを含む塗布液を塗布し、前
記ポリマーを架橋しながら乾燥して外側インク受容層を
形成し、方法(2)においては、転写基材上に形成され
た外側インク受容層上に硼酸含有溶液塗布層を設け、そ
の上に硼酸と架橋反応するポリマーを含む塗布液を塗布
し、前記ポリマーを架橋しながら乾燥して内側インク受
容層を形成し、その上に支持体を貼着した後、転写基材
を剥離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インク吸収性や耐
光性が良好で、しかもひび割れ等の欠陥が少なく、かつ
光沢性の高いインクジェット記録シートを塗布性よく製
造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】水性インクを微細なノズルから記録シー
トに向かって噴出し、記録体面上に画像を形成させるイ
ンクジェット記録方式は、記録時の騒音が少ないこと、
フルカラー画像の形成が容易であること、高速記録が可
能であること、および、他の印刷装置より記録コストが
安価であることなどの理由により、端末プリンタ、ファ
クシミリ、プロッタ、あるいは帳票印刷等で広く利用さ
れている。
【0003】一方、プリンタの急速な普及、高精細・高
速化、さらにはデジタルカメラの登場により、記録シー
トにも特性の高度化が要望されるようになった。すなわ
ち、吸収性、記録濃度、耐水性、および耐光性に優れ、
かつ銀塩方式の写真に匹敵する画質と保存性とを兼ね備
えた記録シートの実現が強く求められている。さらに、
記録製品を写真製品により近づけるために、高い記録シ
ートの光沢性の向上も要望されている。
【0004】一般的に記録シートに光沢性を付与する方
法としては、スーパーカレンダー等の装置を用い、記録
体に1対のロールの間で、加熱加圧することによりイン
ク受容層の表面を平滑化する方法が知られている。しか
しながら、このような方法では、得られる光沢性が不十
分なうえに、インク受容層内に分布しているインク吸収
性空隙が減少してしまうため、結果としてインク画像に
にじみが発生するという現象がある。特に最近のインク
ジェットプリンターでは粒状感のない写真調の画像を実
現するために、低濃度インクを重ね打ちするフォトイン
ク搭載のプリンタが主流となってきていることにより、
記録シートにはより高いインク吸収性が求められてい
る。
【0005】高いインク吸収性を得るためには、インク
受容層の塗布量を多量にする必要がある。例えば特開2
000−301828号公報に記載しているように、通
常、高い塗布量(乾燥膜厚として30μm以上)をもっ
てインク受容層を形成する場合、塗布液の湿潤膜は10
0μmの高い膜厚で塗布される必要がある。この様な高
い湿潤膜厚で水系塗布液を支持体上に塗布すると、その
乾燥時に、インク受容層にひび割れが起きやすいという
問題がある。この理由として、形成されるインク吸収層
は硬い膜であるため、これを急速に乾燥すると、ひび割
れが起きたり、風による液ヨレ(風により支持体上の塗
料が移動すること)を生ずるためと考えられる。
【0006】そのため、特開2000−301828号
公報では、非吸水性支持体上に第1の多孔質層を形成す
る塗布液を塗布し乾燥して後に、第1の多孔質層より乾
燥膜厚が薄い第2の多孔質層を形成する塗布液を塗布
し、乾燥させることを提案している。しかし、多数のイ
ンク受容層を、それぞれ薄く形成し、これらを積層する
ことは工程コストが高く、経済的に問題を生ずることが
ある。しかし、できるだけ塗工層のひび割れが少なく、
厚い膜厚を得るために有効な手段については上記公報に
は全く記載されていない。
【0007】高いインク吸収性を有するインク受容層を
形成するためには、一般的にインク受容層中のバインダ
ーの含有量を減少させることが必要である。しかしそう
すると、インク受容層の塗膜強度が低下するという問題
を生ずる。この問題を解決するため、特開平4−223
190号公報には、硼砂又は硼酸を0.1g/m2 以上
の塗工量が塗布された基紙を用いることが提案されてい
る。また特開平5−104848号公報には、片艶紙の
艶面に、硼砂又は硼酸処理層を設けることが提案されて
いる。さらに特開平7−238467号公報には、布地
にバインダーのゲル化剤を担時させる処理方法が提案さ
れている。さらに特開平11−115308号公報に
は、硼酸および硼酸塩からなる群より選ばれた1種以上
からなる紙表面処理剤により表面処理された基材を用い
ることが提案されている。さらに特開2001−246
832号公報には、支持体と色材受容層との間におい
て、この支持体の色材受容層に対向している面上に、硼
酸または硼素化合物を0.1g/m2 以上の塗布量で塗
工することが提案されている。
【0008】しかしながら、樹脂被覆紙等の非吸水性支
持体を用いる場合、この支持体に硼素化合物を含浸させ
ることは不可能である。またインク受容層に硼素化合物
を含有させるために、インク受容層用塗工液に硼素化合
物を添加すると、この塗工液が増粘しやすく、このため
塗工し難くなり、また塗工し得たとしても、このインク
受容層上にさらに追加インク受容層用塗工液を塗布した
とき、硼酸が、この追加のインクジェット受容層中に、
その中のバインダーを架橋しうる量をもって溶出するこ
とは困難であって、その効果が低いという問題がある。
【0009】特開平11−115308号公報には、支
持体上に色材受容層が設けられてなる記録用シートにお
いて、この色材受容層が、無機微粒子および水溶性樹脂
を含む塗布液を支持体上に塗布し、この塗布と同時に、
あるいはこの塗布した層が減率乾燥速度を示すようにな
る前に、前記塗布液層に、前記水溶性樹脂を架橋させる
ことができる架橋剤を含む溶液を付与し、前記塗布液層
を硬化させることが提案されている。
【0010】しかしながら、本発明者らが検討した結
果、架橋速度が遅いため風による液ヨレを生じ易く、ま
たひび割れの制御が不十分であることがわかった。その
ため、インク受容層用塗料の増粘がなく、しかも塗工層
のひび割れ防止及び、液ヨレ防止の両立が可能なインク
受容層の架橋が困難であるのが現状である。
【0011】さらに、特開昭57−74192号公報に
は、色素画像退色防止剤が提案されている。また特開昭
61−146591号公報には、ヒンダードアミン系化
合物をインク受容層に含有させることが提案されてい
る。さらに特開昭62−261476号公報には、紫外
線吸収剤と防かび剤とをインク受容層に含有させること
が提案されている。しかしながら、これらの文献にはイ
ンク画像の耐光性の改良については開示されているもの
の、ひび割れ防止手段については全く記載されていな
い。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、塗布性が優
れ、インク吸収性及び耐光性が良好で、しかもひび割れ
等の欠陥が少なく、かつ光沢性の高いインクジェット記
録シートの製造方法を提供しようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
記録シートの製造方法(1)は、支持体上に、樹脂材料
及び顔料を含む少なくとも1層の内側インク受容層を形
成し、前記内側インク受容層上に、樹脂材料及び顔料を
含む外側インク受容層を形成することを含み、前記外側
インク受容層の形成に際し、前記内側インク受容層上
に、硼酸含有溶液を塗布し、その上に形成される外側イ
ンク受容層の前記樹脂材料に硼酸による架橋反応が可能
なポリマーを含有させることを特徴とするものである。
本発明のインクジェット記録シートの製造方法(2)
は、転写基材上に、樹脂材料及び顔料を含む外側インク
受容層を形成し、前記外側インク受容層上に、樹脂材料
及び顔料を含む少なくとも1層の内側インク受容層を形
成し、前記転写基材上の前記内側インク受容層の表面上
に、支持体を貼着し、この貼着体から前記転写基材を剥
離することを含み、前記内側インク受容層の形成に際
し、前記外側インク受容層上に、硼酸含有溶液を塗布
し、その上に形成される内側インク受容層中の前記樹脂
材料に硼酸により架橋反応が可能なポリマーを含有させ
ることを特徴とするものである。本発明のインクジェッ
ト記録シートの製造方法(1)及び(2)において、前
記内側インク受容層が2層以上形成され、先に形成され
た内側インク受容層上に、硼酸含有溶液を塗布した後、
硼酸により架橋反応が可能なポリマーを樹脂材料中に含
む内側インク受容層を形成することを更に含んでいても
よい。本発明のインクジェット記録シートの製造方法
(1)及び(2)において、前記硼酸により架橋反応が
可能なポリマーが、ポリビニルアルコール、カチオン変
性ポリビニルアルコール、シリル変性ポリビニルアルコ
ール、ポリビニルアセタール、メチルセルロース、エチ
ルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カゼイン
大豆蛋白、合成蛋白質類、でんぷん、ポリプロピレンオ
キサイド、ポリエチレングリコール、ポリビニルエーテ
ル、ポリビニルアクリルアミド、ポリビニルピロリド
ン、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタアクリ
レート、スチレン−酢酸ビニル共重合体から選ばれるこ
とが好ましい。本発明のインクジェット記録シートの製
造方法(1)及び(2)において、前記外側インク受容
層および内側インク受容層に含まれる顔料が、それぞれ
他から独立に、シリカ、アルミノシリケート、アルミナ
及びアルミナ水和物からなる群から選ばれた少なくとも
1種を含むことが好ましい。本発明のインクジェット記
録シートの製造方法(1)及び(2)において、前記外
側インク受容層および内側インク受容層に含まれる樹脂
材料の含有量が、それぞれ他から独立に、顔料100質
量部に対して、3〜100質量部であることが好まし
い。本発明のインクジェット記録シートの製造方法
(1)及び(2)において、前記硼酸による架橋反応可
能なポリマーを含む、外側インク受容層及び内側インク
受容層の、前記樹脂材料の合計質量に対する前記硼酸架
橋結合可能ポリマーの含有率は、それぞれ他から独立
に、50〜100質量%であることが好ましい。本発明
のインクジェット記録シートの製造方法(1)及び
(2)において、前記インクジェット記録シートの硼酸
含有量が、0.025〜2.5g/m2 であることが好
ましい。本発明のインクジェット記録シートの製造方法
(1)及び(2)において、前記インクジェット記録シ
ートの75°表面光沢度(JIS−Z−8741)が、
30%以上であることが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】(塗工方法)本発明方法(1)に
おいて、支持体上に樹脂材料及び顔料を含む少なくとも
1層の内側インク受容層が形成され、前記内側インク受
容層上に、樹脂材料及び顔料を含む外側インク受容層が
形成される。この外側インク受容層の形成に際し、外側
インク受容層用塗布液の樹脂材料中に、硼酸により架橋
反応することができるポリマーを含ませておき、前記内
側インク受容層上に硼酸含有溶液を塗布し、その上に前
記硼酸により架橋反応するポリマーを含有する塗布液を
塗布し、乾燥して、外側インク受容層を形成する。
【0015】本発明方法(2)において、転写基材の成
形表面上に、樹脂材料及び顔料を含む外側インク受容層
を形成し、その上に樹脂材料及び顔料を含む少なくとも
1層の内側インク受容層を形成し、この内側インク受容
層上に支持体を貼着し、この貼着体から前記転写基材を
剥離して、インクジェット記録シートが得られる。前記
内側インク受容層の形成に際し、外側インク受容層に直
接接する内側インク受容層を形成するための塗布液の樹
脂材料中に、硼酸と反応して架橋し得るポリマーを含有
させておき、転写基材上の外側インク受容層上に硼酸含
有溶液を塗布し、その上に前記硼酸により架橋反応し得
るポリマーを含む内側インク受容層用塗布液を塗布し乾
燥する。
【0016】硼酸含有溶液塗布層と、硼酸で架橋しうる
ポリマーを含有する外側又は内側インク受容層用塗布液
層が接触すると、直ちに塗布液がゲル化し、不動態とな
るため、風による液ヨレが発生し難く、このため乾燥時
の風量を大きくして乾燥効率を向上させることが可能と
なる。また、乾燥後の外側インク受容層も、ひび割れに
対して高い抵抗を示す。
【0017】硼酸含有溶液を塗布した後に、乾燥工程を
施した後に、硼酸で架橋しうるポリマーを含有する外側
又は内側インク受容層用塗布液を塗布してもよい。しか
しながら、インク受容層用塗布液のゲル化効率の点か
ら、硼酸含有溶液塗布層が湿潤状態にあるうちにインク
受容層用塗布液を塗布することが好ましい。硼酸含有溶
液塗布層が、インク受容層用塗布液と接触するときの好
ましい水分率は、例えば30%以上であり、より好まし
くは50%以上である。なお、内側インク受容層を少な
くとも2層設ける場合、先に形成された内側インク受容
層(すなわち、本発明の製造方法(1)においては、支
持体上に形成された内側インク受容層、本発明の製造方
法(2)においては、転写基材上の外側インク受容層上
に形成された内側インク受容層)がそれを形成するため
の内側インク受容層用塗布液を塗布、乾燥して形成され
た後、この先に形成された内側インク受容層上に、硼酸
含有溶液を塗布し、その上に硼酸と反応して架橋し得る
ポリマーを含む内側インク受容層用塗布液を塗布し乾燥
して架橋された内側インク受容層を形成してもよい。
【0018】この場合、前記と同様に、先に形成された
内側インク受容層上に硼酸含有溶液を塗布した後、これ
を乾燥した後に、その上に硼酸で架橋しうるポリマーを
含有する内側インク受容層用塗布液を塗布してもよい。
しかしながら、塗布液のゲル化効率の点から硼酸含有溶
液塗布層が湿潤状態にあるうちに、硼酸架橋可能なポリ
マーを含む内側インク受容層用塗布液を塗布することが
好ましい。このときの硼酸含有溶液塗布層の好ましい水
分率は例えば30%以上であり、より好ましくは50%
以上である。
【0019】図1において、本発明方法(1)及び
(2)によって得られるインクジェット記録シート6
は、支持体1と、その上に形成された内側インク受容層
2と、その上に形成された外側インク受容層3とにより
構成されている。本発明方法(1)によりインクジェッ
ト記録シートが形成されるときは、支持体1上に内側イ
ンク受容層2を形成(乾燥)した後、図示されていない
が、その上に硼酸含有溶液塗布層を塗布し、好ましくは
それが50%以上の水分率を有する状態において、その
上に外側インク受容層3を形成して乾燥すると、硼酸含
有溶液塗布層は消失するが、外側インク受容層中の硼酸
と架橋反応し得るポリマーは硼酸と架橋反応して、外側
インク受容層塗布液がゲル化し、外側インク受容層のひ
び割れ防止及び液ヨレ防止の両立ができ、しかも外側イ
ンク受容層3は、内側インク受容層2に強固に結着す
る。図2において、本発明方法(2)によりインクジェ
ット記録層が製造されるときは、図2−(A)に示され
ているように、転写基材4の上に外側インク受容層3が
形成され、その上に硼酸含有溶液塗布層5が形成され
る。次に図2−(B)に示されているように、好ましく
は前記硼酸溶液塗布層5が50%以上の水分率を有する
状態において、硼酸含有溶液塗布層5の上に内側インク
受容層2を形成し、乾燥すると、内側インク受容層2中
の硼酸と架橋反応し得るポリマーは硼酸と架橋反応し、
その乾燥後は硼酸含有溶液塗布層5は消失するが、内側
インク受容層2は、外側インク受容層3に強固に結着す
る。次に図2−(C)に示されているように、内側イン
ク受容層2上に支持体1を結着する。このとき、支持体
2を、内側インク受容層が乾燥する前に積層して、結着
しながら内側インク受容層を乾燥固化してもよいし、そ
れを乾燥固化した後、接着剤または水などを塗布層に塗
布し、支持体1に圧着してもよい。次に、図2−(D)
に示されているように、転写基材4を、支持体1/内側
インク受容層2/外側インク受容層3からなる記録シー
ト6から剥離する。
【0020】(支持体)本発明方法において、支持体と
して、例えばセロハン、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、軟質ポリ塩化ビニル、硬質ポリ塩化ビニル、ポリエ
ステル等のフィルム類、上質紙、アート紙、箔紙、クラ
フト紙、樹脂被覆紙、含浸紙、蒸着紙等の紙類、金属フ
ォイル、合成紙等のシート類が適宣使用される。また、
例えばコート紙、キャスト紙等のような塗工紙や、あら
かじめ公知のインク受容層を設けたものを用いてもよ
い。
【0021】本発明の記録シートにおいて、そのコック
リングを防止し、表面平滑性、表面光沢性を向上させる
ために、支持体としてポリエチレンやポリプロピレン等
の樹脂による被覆紙又は合成紙を用いると、銀塩方式の
写真に匹敵する画質を有するインク画像を記録すること
が可能になるため、これらが特に好ましく用いられる。
【0022】支持体として樹脂被覆紙を用いた場合、支
持体と内側インク受容層との密着性を向上させる目的を
もって、内側インク受容層側に、あらかじめ密着処理、
または接着処理を施しておくことが有効である。また支
持体裏面に、必要により搬送性、帯電防止、ブロッキン
グ防止等のための処理を施してもよい。支持体の平滑度
には特に限定はないが、高光沢、高平滑な表面を有する
インクジェット記録シートを得るためには、300秒
(王研式、J.TAPPI NO5)以上の平滑度を有
する支持体を用いることが好ましい。また、支持体の不
透明度にも特に限定はないが、銀塩写真ライクな風合い
を得るためには、支持体の不透明度(JIS P813
8)が85%以上であることが好ましい。
【0023】(転写基材)本発明の製造方法(2)に用
いられる転写基材は、例えば、高平滑性を有するセロハ
ン、ポリエチレン、ポリプロピレン、軟質ポリ塩化ビニ
ル、硬質ポリ塩化ビニル、ポリエステル等のプラスチッ
クフィルム類、樹脂被覆紙、グラシン紙、含浸紙、蒸着
紙、水溶性紙等の紙類、金属フォイル及び合成紙等のシ
ート類、無機ガラス、金属又はプラスチック製の高平滑
性成形表面有するドラム、及び板材類が適宣使用され
る。特に、製造工程、および塗布層の成形面の性能から
みて、プラスチックフィルムや高平滑性を有する金属ド
ラムを用いることが好ましい。転写基材の成形面は、記
録シートに優れた光沢を付与するため、平滑であるほう
が好ましく、成形面の表面粗さRa(JIS−B−06
01)は、0.5μm以下であることが好ましく、より
好ましくは、0.05μm以下である。ただし、表面粗
さを適宜にコントロールしてセミグロス調等の表面を記
録シートに与えることもできる。
【0024】(外側インク受容層および内側インク受容
層)樹脂材料(バインダー)及び顔料を有する外側イン
ク受容層および内側インク受容層について説明する。
【0025】(顔料)インク受容層に用いられる顔料
は、例えば非晶質シリカ(アルミナ等によるカチオン変
性シリカを含む)、カオリン、クレー、焼成クレー、酸
化亜鉛、酸化スズ、硫酸マグネシウム、水酸化アルミニ
ウム、アルミナおよびアルミナ水和物、炭酸カルシウ
ム、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、スメクタイ
ト、ゼオライト、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウ
ム、酸化マグネシウム、珪藻土、スチレン系プラスチッ
クピグメント、尿素樹脂系プラスチックピグメント、ベ
ンゾグアナミン系プラスチックピグメント等である。本
発明では、光沢性、インク吸収性のバランスが取り易い
シリカ、アルミノシリケート、アルミナ、アルミナ水和
物を用いることが好ましい。
【0026】特に光沢性の点から、外側インク受容層
(つまり、インクがまず着弾するところ)に含まれる顔
料は、その粒子径が1μm以下の顔料であることが好ま
しい。さらに平均一次粒子径が3〜40nm、平均二次
粒子径が500nm以下の顔料であることがより好まし
い。平均二次粒子径が1μmを超えると、外側インク受
容層の平滑性が低下し、従って、その光沢性も低下す
る。平均一次粒子径が3nm未満であると、緻密な外側
インク受容層が形成され、このためインク吸収性が低下
する。
【0027】顔料の分散方法には特に制限はなく、例え
ば一般市販の合成非晶質シリカ(数μm)に機械的手段
で強い力を与えることにより得られる。機械的手段とし
ては、超音波、高速回転ミル、ローラミル、容器駆動媒
体ミル、溶媒攪拌ミル、ジェットミル、サンドグライン
ダー等の機械的手法が挙げられる。分散媒体は、特に限
定されないが、例えば水が用いられる。
【0028】本発明方法(1)及び(2)において用い
られ、硼酸により架橋反応し得るポリマーには、それが
硼酸により架橋し得るものである限り、格別の制限はな
く、例えばポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビ
ニルアルコール、シリル変性ポリビニルアルコール、ポ
リビニルアセタール、メチルセルロース、エチルセルロ
ース、ヒドロキシエチルセルロース、カゼイン、大豆蛋
白、合成蛋白質類、澱粉、ポリプロピレンオキサイド、
ポリエチレングリコール、ポリビニルエーテル、ポリビ
ニルアクリルアミド及びポリビニルピロリドン等が挙げ
られる。その他、本発明の目的が達成される範囲内にお
いて、例えば水分散性樹脂(例えば、スチレン-ブタジ
エン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重
合体の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル系重合
体ラテックス、スチレン−酢酸ビニル共重合体などのビ
ニル系共重合体ラテックス等)等のような、一般に塗工
紙分野で用いられている各種接着剤を用いてもよい。
【0029】本発明方法(1)及び(2)において、硼
酸と架橋反応し得るポリマーとしては、インク吸収性、
塗膜耐水性、ひび割れ防止等のために、ポリビニルアル
コール類を包含する各種水溶性樹脂が好ましく使用され
る。より好ましくはポリビニルアルコールが用いられ、
その重合度は3000以上であることが好ましく、しか
し5000以下であることが好ましい。重合度が300
0未満では、得られるインク受容層の耐水性が不十分で
ある。またそれが5000を超えるものは、実用上入手
が困難である。
【0030】(顔料とポリマーの固形分質量比)本発明
方法(1)及び(2)において、外側インク受容層およ
び内側インク受容層に用いられる、顔料及び樹脂材料の
固形分質量比には特に制限はないが、顔料100質量部
に対し、樹脂材料が3〜100質量部であることが好ま
しく、より好ましくは5〜30質量部である。樹脂材料
の含有比率が高すぎると、顔料粒子間に形成される細孔
が小さくなり、インク吸収性が低下する場合がある。一
方、樹脂材料の含有比率が過少であると、得られるイン
ク受容層にひび割れを生じ易く、実用できなくなる恐れ
がある。
【0031】(硼酸含有溶液)本発明方法(1)及び
(2)において、硼酸が少量でも、樹脂材料中の架橋反
応可能なポリマーを含む塗布液層のゲル化を促進する特
性を有しているため、上記ポリマーを含むインク受容層
の塗布性が向上し、しかも得られるインク受容層のイン
ク吸収性が向上し、また耐光性も向上する。インクジェ
ット記録シートの硼酸含有量は、0.025〜2.5g
/m2 であることが好ましい。それか0.025g/m
2 未満では、得られる記録シートに所望の効果が得られ
にくく、またそれが2.5g/m2 を超えると、硼酸を
含有することにより得られる効果が飽和する上に、水や
湿度により塗布層がひび割れしやすくなるなどの問題を
生ずる。
【0032】硼酸含有溶液の硼酸濃度は、0.01〜4
質量%であることが好ましい。それが0.01%未満で
は、得られる記録シートにおいて所望の効果を得ること
が困難になり、またそれが4%を超えると、溶液中の硼
酸溶解度が飽和してしまうため、製造コストが無意味に
増大することになる。
【0033】(カチオン性化合物)本発明の外側及び/
又は少なくとも1層の内側インク受容層中にカチオン性
化合物を添加してもよい。これにより、インク定着性を
向上させることができる。添加されるカチオン性化合物
としては、例えばポリエチレンアミンやポリプロピレン
ポリアミン等のポリアルキレンポリアミン類、またはそ
の誘導体、第3級アミノ基や第4級アンモニウム基を有
するアクリル樹脂、ジアクリルアミン等が挙げられる。
なお、カチオン樹脂の添加量としては顔料100質量部
に対し、1〜30質量部であることが好ましく、より好
ましくは5〜20質量部の範囲内で調節される。また各
インク受容層中には、それぞれ互いに独立に、一般塗工
紙製造において使用される分散剤、増粘剤、消泡剤、着
色剤、帯電防止剤、防腐剤等の各種助剤が添加されてい
てもよい。
【0034】本発明方法(1)及び(2)において、外
側インク受容層および内側インク受容層の合計の塗布量
には特に限定はないが、5〜60g/m2 程度に調節す
ることが好ましい。塗布量が5g/m2 より少ないと、
得られるインク受容層のインク吸収性及び画質が不十分
になることがあり、また、塗布量が60g/m2 より多
いと、得られるインク受容層にひび割れが生じ易くなる
ことがある。銀塩方式の写真に匹敵する画質が得るため
には、インク受容層の合計塗布量は20〜45g/m2
であることが好ましい。
【0035】支持体上または転写基材上に最初に形成さ
れるインク受容層用塗布液層は、インク受容層用塗布液
を、例えばブレードコーター、エアナイフコーター、ロ
ールコーター、バーコーター、グラビアコーター、ロッ
ドフレードコーター、リップコーター、ダイコーター、
カーテンコーター等の各種塗工装置を用いて塗布して形
成することができ、これを乾燥して固化したインク受容
層を得ることができる。
【0036】支持体又は転写基材上に2層目のインク受
容層を形成するには、先に設けた1層目のインク受容層
上に、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロール
コーター、バーコーター、グラビアコーター、ロッドフ
レードコーター、カーテンコーター、ダイコーター等で
硼酸含有溶液を塗布した後、その上に2層目のインク受
容層用塗布液を、1層目と同様の各種塗工装置の一つ以
上を用いて塗布、乾燥して得ることができる。
【0037】もちろん3層目以降のインク受容層を設け
るときも、前記硼酸含有溶液を塗布した後、硼酸で架橋
しうるポリマーを含有するインク受容層用塗布液を塗布
し、乾燥する工程を繰り返せばよい。
【0038】本発明の所望の効果を阻害しない限りにお
いて、外側及び内側インク受容層中に前記以外の顔料、
界面活性剤、接着性樹脂、耐ガス向上剤、酸化防止剤、
紫外線吸収剤、カビ防止剤、カチオン性化合物、蛍光増
白剤、及び/又は染料等を含有させてもよい。
【0039】本発明方法(1)及び(2)において、銀
塩写真並みの優れた画質や光沢が得るため、記録表一面
の75度光沢度(JIS−Z−8741)は、30%以
上であることが好ましく、50%以上であることがさら
に好ましい。
【0040】
【実施例】本発明を下記実施例により具体的に説明する
が、もちろん本発明の範囲はこれらによって限定される
ものではない。また、例中の「部」および「%」は、特
に断らない限り、水を除いた固形分の「質量部」および
「質量%」を示す。
【0041】下記実施例及び比較例において、下記材料
が用いられた。 (塗布液A)平均粒径3μmの合成非晶質シリカ(日本
シリカ工業社製、商標:Nipsil HD−2)をサ
ンドグライダーにより粉砕分散した後、圧力式ホモジナ
イザー(SMT社製、商標:超高圧式ホモジナイザー
GM−1)でさらに粉砕分散し、一次粒子の平均粒子径
が15nm、二次粒子の平均粒子径が100nmのシリ
カ粒子を含む5%シリカ分散液Aを調製した。このシリ
カ分散液A100部にカチオン性化合物としてポリジメ
チルジアリルアンモニウムクロライド(センカ社製、商
標:ユニセンスCP−103)15部を添加し増粘・凝
集させた。このシリカ−カチオン性化合物凝集体粒子
を、二次粒子の平均粒径が150nmになるまで、粉砕
分散操作を繰り返して、6%シリカゾルAKを調製し
た。このシリカゾルAK100部に、5%ポリビニルア
ルコール(クラレ社製、商標:PVA−135H、重合
度:3500、ケン化度:99%以上)24部を混合
し、塗布液Aを調製した。
【0042】(塗布液B)分散液Aと同様にして、粉砕
分散の操作を繰り返し、二次粒子の平均粒子径が800
nmの10%シリカ分散液Bを調製した。このシリカ分
散液B100部に5%ポリビニルアルコール(クラレ社
製、商標:PVA−135H、重合度:3500、ケン
化度:99%以上)40部を混合し、塗布液Bを調製し
た。
【0043】〔塗布液C〕インク受容層用塗布液Aと同
様にし、塗布液Cを調整した。但し、5%ポリビニルア
ルコール(クラレ社製、商標:PVA−135H、重合
度:3500、ケン化度:99%以上)24部の代わり
に、5%ポリビニルアルコール(クラレ社製、商標:P
VA−117、重合度:1700、ケン化度:99%以
上)24部を用いた。
【0044】〔塗布液D〕前記シリカ分散液A100部
にカチオン性化合物としてポリジメチルジアリルアンモ
ニウムクロライド(センカ社製、商標:ユニセンスCP
−103)15部を添加し増粘・凝集させた。このシリ
カ−カチオン性化合物凝集体粒子を、二次粒子の平均粒
径が700nmになるまで粉砕分散の操作を繰り返し
て、6%シリカゾルAKを調製した。このシリカゾルA
K100部に5%ポリビニルアルコール(クラレ社製、
商標:PVA−135H、重合度:3500、ケン化
度:99%以上)24部を混合して塗布液Dを調製し
た。なお、上記各粉砕分散処理において、シリカ一次粒
子径は処理前後で変化はなかった。
【0045】[支持体の作製]標準ろ水度(JIS P
−8121)が250mlになるまで叩解した針葉樹晒
クラフトパルプ(NBKP)と、標準ろ水度が280m
lになるまで叩解した広葉樹晒クラフトパルプ(LBK
P)とを、質量比2:8の割合で混合し、濃度0.5%
のパルプスラリーを調製した。このパルプスラリー中
に、パルプ絶乾質量を基準にして、カチオン化澱粉2.
0%,アルキルケテンダイマー0.4%,アニオン化ポ
リアクリルアミド樹脂0.1%及びポリアミドポリアミ
ンエピクロルヒドリン樹脂0.7%を添加し、十分に攪
拌して分散させた。上記組成のパルプスラリーを長網マ
シンに供して抄紙し、得られた湿紙をドライヤー、サイ
ズプレス、マシンカレンダーを通し、坪量180g/m
2、密度1.0g/cm3の原紙を製造した。上記サイズ
プレス工程に用いたサイズプレス液は、カルボキシル変
性ポリビニルアルコールと塩化ナトリウムとを2:1の
質量比で混合し、これを水に加えて加熱溶解し、濃度5
%に調製したものであって、これを紙の両面に、合計2
5ml/m2 の塗布量で塗布して支持体用原紙を得た。
【0046】前記支持体用原紙の両面に、コロナ放電処
理を施した後、バンバリーミキサーで混合分散して調製
され、かつ下記の組成を有するポリオレフィン樹脂組成
物を、原紙のフェルト側面上に、その塗工量が25g/
2 になるようにして、また前記と同一のポリオレフィ
ン樹脂組成物を、原紙のワイヤー側面上に塗工量が20
g/m2 になるように、T型ダイを有する溶融押し出し
機(溶融温度320℃)を用いて塗布積層し、フェルト
側面上の上記層を鏡面を有するクーリングロールに、ま
た、ワイヤー側面上の樹脂層を粗面のクーリングロール
上に導いて冷却固化した。表面平滑度(王研式、J.T
APPI No.5)が6000秒であり、不透明度
(JIS P−8138)が93%の支持体が得られ
た。 (支持体用ポリオレフィン樹脂組成物)長鎖型低密度ポ
リエチレン樹脂(密度0.926g/cm3、メルトイ
ンデックス20g/10分)35部、低密度ポリエチレ
ン樹脂(密度0.919g/cm3、メルトインデック
ス2g/10分)50部、アナターゼ型二酸化チタン
(石原産業社製、商標:A−220)15部、ステアリ
ン酸亜鉛0.1部、酸化防止剤(チバガイギー社製、商
標:Irganox1010)0.03部、群青(第一
化成社製、商標:青口群青No.2000)0.09
部、蛍光増白剤(チバガイギー社製、商標:UVITE
X OB)0.3部。
【0047】実施例1 前記支持体の表面上に、前記塗布液Bを、メイヤーバー
で固形分塗布量が30g/m2 となるように塗布し、乾
燥して内側インク受容層を形成した。この内側インク受
容層上に硼酸含有溶液(濃度:1.5%)を5g/m2
の塗布量で塗布し、それが乾燥しない状態において、そ
の上に前記塗布液Aを、メイヤーバーで固形分塗布量が
5g/m2 になるように塗布し、熱風乾燥機(温度:1
00℃、風速:8m/秒)で乾燥して外側インク受容層
を形成した、インクジェット記録シートが得られた。
【0048】実施例2 成形面として使用されたPETフィルム(東レ社製、商
標:ルミラーT、厚さ:75μm)の表面上に、前記塗
布液Aをメイヤーバーで固形分塗工量が5g/m2 とな
るように塗布し、乾燥して外側インク受容層を形成し
た。この外側インク受容層上に硼酸含有溶液(濃度1.
5%)を3g/m2 の塗布量で塗布し、この溶液層上
に、前記塗布液Bを、メイヤーバーで固形分塗布量が3
0g/m2 になるように塗布し、この湿潤内側インク受
容層上に、市販原紙(王子製紙社製、商標:OKコー
ト、坪量127.9g/m2 )を貼合せ、熱風乾燥機
(温度:100℃、風速:8m/秒)で乾燥し、しかる
後にPETフィルムを剥離して、インクジェット記録シ
ートを得た。
【0049】実施例3 実施例1と同様にしてインクジェット記録シートを得
た。但し、塗布液Aの代わりに、塗布液Cを用いた。
【0050】実施例4 実施例1と同様にしてインクジェット記録シートを得
た。但し、塗布液Aの代わりに、塗布液Dを用いた。
【0051】比較例1 実施例1と同様にしてインクジェット記録シートを得
た。但し、硼酸含有溶液(濃度1.5%)の代わりに水
を用いた。
【0052】比較例2 実施例2と同様にしてインクジェット記録シートを得
た。但し、硼酸含有溶液(濃度1.5%)の代わりに水
を用いた。
【0053】比較例3 実施例1と同様にしてインクジェット記録シートを得
た。但し、硼酸含有溶液(濃度1.5%)の代わりに、
ほう砂含有溶液(濃度1.5%)を用いた。
【0054】実施例1〜4及び比較例1〜3において得
られた7種のインクジェット記録シートの目視外観、光
沢度、及び印字濃度を下記方法により測定評価した。そ
の結果を表1に示す。 [目視外観]インクジェット受容層の目視外観を、下記
基準に従って評価した。○及び△と表示されたものは実
用上問題のないレベル。 ○:塗布面にひび割れがなく良好 △:塗布面にひび割れはあるが、実用上問題ないレベル ×:塗布面にひび割れが多く、実用上使用困難なレベル
【0055】[光沢度]JIS−P8142に従って白
紙部の75°光沢度を測定した。 [印字濃度]供試インクジェット記録シートに、インク
ジェットプリンター(エプソン社製、商標:PM−80
0C)を用いて黒部ベタを印写し、その色濃度をマクベ
ス反射濃度計(マクベス社製、RD−914)を用いて
測定した。表中に示した数字は5回測定の平均値であ
る。
【0056】[耐光性]供試インクジェット記録シート
に、インクジェットプリンター(エプソン社製、商標:
PM−800C)で、ポートレート画像(高精細カラー
ディジタル標準画像データ、N1、日本規格協会)を印
写した後、それにキセノンウエザーメーター(スガ試験
機社製、63℃、90%)を用いて光を48時間照射
し、その結果を下記のように評価した。 ○:退色が少なく良好。 ×:退色が進み問題あり。 [インク吸収性]供試インクジェット記録シートに、イ
ンクジェットプリンター(エプソン社製、商標:PM−
800C)で自転車の画像(高精細カラーディジタル標
準画像データ、N5、日本規格協会)を印写し、インク
の吸収状況を下記のように評価した。 ○:にじみがなく線がはっきりしている。 ×:にじみがあり線がつぶれている。
【0057】
【表1】
【0058】
【発明の効果】本発明のインクジェット記録シートの製
造方法は、インク受容層を塗布性よく形成することがで
き、そのインク吸収性や耐光性が良好で、しかもひび割
れ等の欠陥が少なく光沢性の高いインクジェット記録シ
ートを効率よく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法(1)及び(2)によって得られる
インクジェット記録シートの積層構造を示す断面説明
図。
【図2】本発明方法(2)の工程を示す説明図。
【符号の説明】
1…支持体 2…内側インク受容層 3…外側インク受容層 4…転写基材 5…硼酸含有溶液塗布層 6…インクジェット記録シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA13 FC06 2H086 BA16 BA26 BA31 BA33 BA34 BA41

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、樹脂材料及び顔料を含む少
    なくとも1層の内側インク受容層を形成し、前記内側イ
    ンク受容層上に、樹脂材料及び顔料を含む外側インク受
    容層を形成することを含み、 前記外側インク受容層の形成に際し、 前記内側インク受容層上に、硼酸含有溶液を塗布し、そ
    の上に形成される外側インク受容層の前記樹脂材料に硼
    酸による架橋反応が可能なポリマーを含有させることを
    特徴とするインクジェット記録シートの製造方法。
  2. 【請求項2】 転写基材上に、樹脂材料及び顔料を含む
    外側インク受容層を形成し、前記外側インク受容層上
    に、樹脂材料及び顔料を含む少なくとも1層の内側イン
    ク受容層を形成し、前記転写基材上の前記内側インク受
    容層の表面上に、支持体を貼着し、この貼着体から前記
    転写基材を剥離することを含み、前記内側インク受容層
    の形成に際し、 前記外側インク受容層上に、硼酸含有溶液を塗布し、そ
    の上に形成される内側インク受容層中の前記樹脂材料に
    硼酸により架橋反応が可能なポリマーを含有させること
    を特徴とするインクジェット記録シートの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記内側インク受容層が2層以上形成さ
    れ、先に形成された内側インク受容層上に、硼酸含有溶
    液を塗布した後、硼酸により架橋反応が可能なポリマー
    を樹脂材料中に含む内側インク受容層を形成することを
    更に含む、請求項1または2記載に記載のインクジェッ
    ト記録シートの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記硼酸により架橋反応が可能なポリマ
    ーが、ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニル
    アルコール、シリル変性ポリビニルアルコール、ポリビ
    ニルアセタール、メチルセルロース、エチルセルロー
    ス、ヒドロキシエチルセルロース、カゼイン大豆蛋白、
    合成蛋白質類、でんぷん、ポリプロピレンオキサイド、
    ポリエチレングリコール、ポリビニルエーテル、ポリビ
    ニルアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、スチレン
    −ブタジエン共重合体、メチルメタアクリレート、スチ
    レン−酢酸ビニル共重合体から選ばれる、請求項1〜3
    のいずれか1項に記載のインクジェット記録シートの製
    造方法。
  5. 【請求項5】 前記外側インク受容層および内側インク
    受容層に含まれる顔料が、それぞれ他から独立に、シリ
    カ、アルミノシリケート、アルミナ及びアルミナ水和物
    からなる群から選ばれた少なくとも1種を含む、請求項
    1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット記録シー
    トの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記外側インク受容層および内側インク
    受容層に含まれる樹脂材料の含有量が、それぞれ他から
    独立に、顔料100質量部に対して、3〜100質量部
    である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジ
    ェット記録シートの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記硼酸による架橋反応可能なポリマー
    を含む、外側インク受容層及び内側インク受容層の、前
    記樹脂材料の合計質量に対する前記硼酸架橋結合可能ポ
    リマーの含有率は、それぞれ他から独立に、50〜10
    0質量%である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の
    インクジェット記録シートの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記インクジェット記録シートの硼酸含
    有量が、0.025〜2.5g/m2 である請求項1〜
    7のいずれか1項に記載のインクジェット記録シートの
    製造方法。
  9. 【請求項9】 前記インクジェット記録シートの75°
    表面光沢度(JIS−Z−8741)が、30%以上で
    ある請求項1〜8のいずれか1項に記載のインクジェッ
    ト記録シートの製造方法。
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