JP4838932B2 - 過酸化物に基づく化学発光の検量方法、並びにそのために用いる化合物 - Google Patents

過酸化物に基づく化学発光の検量方法、並びにそのために用いる化合物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の背景】
この発明は、検量値を検出するためのシステムに関し、例えば結合反応検量値を得るために、化学発光量を検出するシステムに関する。従来混合物中における検体の存在を確認または定量するために、様々な試薬や測定方法が用いられてきた。例えば様々な検量が、ある検体と反応または、結合する結合相手となるものに依存して行なわれてきた。結合現象は、いろいろな方法で検出される。検出可能な標識となる試薬がよく用いられる。免疫学的検量と品種改良のための検量は、そのような標識試薬を用いる代表例である。これらの検量は、ラジオアイソトープ、コロイド状の金、酵素など異種の標識を用いて、光を発生または吸収するような化合物を応用する。酵素系標識の利点は、その触媒的機能にある。単一の酵素分子が触媒的に作用し、検出可能な多種類の分子を発生させる。
【0002】
二種類の活性アクリジ・カルボキシル酸が既に開示されている。ハロゲン化アクリジ・カルボニルとアクリジ・カルボキシル酸の無水化カルボキシル酸である。9−アクリジニパーカルボキシル酸は、過酸化物、ピリジン、9−塩化アクリジ・カルボニルの反応生成物として、1965年に初めて開示された。著者はRauhut,Sheehanらである。American Cyanamid(Rauhat,M.M.;Sheehan,D.,Clarke,R.A.;Roberts,B.G.;and Semsel,A.M.;Journal of Organic Chemistry,30,pp.3587−3592(1965)本書においては、専ら9−塩化カルボニル−10−塩化メチルアクリジニウムの化学発光に焦点をおいて記述しており、以下のことには言及していない。上記の反応が化学発光を呈するのであり、アクリダンが反応生成物である。化学発光のスペクトルが、アクリダンを発生源として密接に結びついているということについては、明らかにしていない。
【0003】
USP.No.3,552,791およびNo.3,539,574は、この研究に基づく。USP.No.3,552,791においては、9−塩化アクリジ・カルボニルがSamdahl and Weider(Samdahl and Weider, Bull.Soc.Chim.(5),2,2008(1935))によって、初めて分離されたと述べている。しかし、この研究においては、化学発光であるということが確認されていない。このように9−塩化アクリジ・カルボニルが9−アクリジ・カルボキシル酸からの最初の活性誘導体である。しかし、これは水中で非常に安定というわけではなく、診断用の検量に適切な試薬とは期待しがたい。
【0004】
上記二件のUSPにおいては、9−アクリジ・カルボキシル酸からの酸塩化誘導体の他に、臭化物および弗化物もクレームされている。これら化合物の誘導体および、これら全ての化合物におけるアクリジ・リングの置換物についてもクレームされている。これらの誘導体の内、僅かのもの(例えば弗化物および、たぶん立体異方性の無水物)は、水性溶媒中でいくらか安定と期待される。これら化合物の意図した主な用途は、他の光源に支障があって使えない状況下で、光源として使うことである。シアルーメ(Cyalume)発光片は、この研究に基づくひとつの産物である。しかし、彼らはアクリジ・カルボキシル酸よりも、むしろシュウ酸誘導体の方を、収量を得やすいので用いたと思われる。
【0005】
これら特許、文献のどちらにおいても、これらの化合物を分析的試薬として用いるという記述はない。化学発光が過酸化水素の濃度に比例するという議論がされていない。事実、化学発光を発生させるのに使われた、過酸化水素の濃度は、概して50mMよりも大で、診断用検量に必要な濃度よりはるかに高濃度である。酵素の活性を測定するのに使える可能性について、何ら議論されていなかった。彼らは、水性溶媒中でこれらの誘導体の安定性が欠如していることに特に注目し、次のように述べている。「もし、アクリジン化合物に最初に水が加えられたときは、最上の結果を得るためには、すみやかに過酸化水素を追加すべきである。」(Sheehan,D.,Clarke,R.A.,and Rauhut,M.M.,U.S.Patent 3,352,791,column 9,lines 12 to 14)たぶん水中における安定性の問題が予見されたために、微生物分析の分野については、何の注意も払われなかった。
【0006】
他の人々がそのような化合物の化学発光について試験した。(White,Emil H.;Roswell,David F.;Dupont,Andrea C.;Wilson,Alan A.,Journal of the American Chemical Society, 109 pp5189−5196(1987))9−アクリジ・カルボキシル酸のフェニル エステルについて、および9−アクリジ・カルボキシル酸の水酸化物については、(Rapaport,Eliezer; Cass,Malcolm W.;and White,Emil H. Journal of the American Chemical Society,94 pp.3153−3159 (1972))らが試験した。
【0007】
化学発光を開始するための条件がきびしく、そのため、これらの化合物を、微生物分析の標識とする、それ以上の試験を続ける意欲が失われたことは、ありうることである。加えてこれらの誘導体の収量は、低いものであったと報告されている。しかも、N−アルキルアクリジニウム エステルを標識とすることに成功したために、かえって化学発光能力源として、アクリジ・リングの複素環を構成する窒素を置換する研究が重要と、過剰に強調される次第となった。とにかく誰も、これらの化合物のいずれをも、過酸化水素を含む化合物の分析や、酵素などの免疫学的検量あるいは、オリゴヌクレオチド プローブを使う検量に応用しようとは言わなかった。
【0008】
多数の文献や、30以上の特許がすでに、アクリジニウム エステルの化学発光および関連する化合物(例スルフォンアミド)に注目し、精力的な研究が、より良い標識物の設計や、特許性のあるオリジナルなエステルの開発の為に行なわれた。アクリジニウム エステルに関するオリジナルな仕事が、F.McCapra’s group(McCapras,Frank,;Richardson,D.G.;and Chang,Y.C.,Photochemistry and Photobiology,4,pp.1111−1121(1965))および前記したthe American Cyanamid groupによって行なわれた。
【0009】
アクリジニウム エステルの免疫学的検量への応用は,その合成が発表されると共に始まり,N−オキシ・サクシニミド エステル グループを含むアクリジニウム エステルの実用化は、たんぱく質その他の生物分子、なかでもアルキルアミン グループに対して、アクリジニウム エステルを結合することを促進させた。Weeks,Ian;Beheshti,Iraj;McCapra,Frank;Campbel,Anthony K.;and Woodhead,J.Stuart,Clinical Chemistry,29,pp 1474−1479(1983) また、Welsh National School of Medicineのグループは、アクリジニウム エステルを標識用試薬として用いることについて、特許を取得した。(Campbell,Anthony,;Woodhead,J.Stuart;and Weeks,Ian,U.K.Patent 2,112,779 B,(1982 December 8) Campbel,Anthony K.;and Woodhead,James.S.;and Weeks,Ian,U.S.Patent 4,946,958)
【0010】
さらにまた、部分修正された誘導体に対して取得された特許には、Ciba−Corning(4,745,181;4,918,192;4,927,769; 5,093,270;5,110,932;5,227,489;5,241,070;5,395,752); Abbott Laboratories(5,468,646;5,543,524;5,565,570); Gen−Probe(4,950,613); Mochida Pharmaceutical Co.(5,438,139;5,521,103;5,594,112); Amoco(5,155,216); London Diagnostics(5,281,712;5,283,334;5,284,951;5,284,952;5,290,936;5,321,136;5,338,847); Nichols Institute(5,395,938)がある。
【0011】
部分修正の内には、エステル グループに対する立体異方性的アプローチのものも含まれ(4,745,181)、このような手法で水性溶媒中での安定性を向上させる。例えば、エステルのフェニール リングに対しオルソの位置のもの(4,745,181;5,284,951)あるいは、エステルを包囲するアクリジ・リングに対するもの(5,321,136)などがある。各リングに対し、置換基グループが水溶性向上のために添加された5,227,489;5,281,712)水溶性向上の目的は,脱離基の性能向上、つまりエステルに対する過酸化物のアタック率を上げることである。置換基グループは、アクリジ・リングに対し、生成物であるアクリダンの発光特性を向上させるために、添加されてきた。置換された、あるいは置換されていない、他のオキシアリール脱離基グループによるアクリジニウム エステルが生産されてきた。そして、普通のフェノキシ脱離基をスルフォンアミド グループで置き換えた誘導体が得られた5,468,646)
【0012】
様々なカプリング グループがアクリジ・リング、脱離基(アリール、またはアルキル エステルグループまたは、スルフォンアミド グループに対し添加されてきた5,241,070;5,283,334)さらに、複素環の窒素を4分割して得たアルキル、またはアリールグループに対しても添加された5,438,139)複素環式アクリジニの窒素もまた、O-または、O−アルキルで4分割されてきたSeptak,M.,J.of Biolum. and Chemilum.,4,pp 351−356(1989))
【0013】
その他の脱離基としては、ヒドロキサメイト、エネアミド、チオール エステル(thiolesters)、チオエステル(thioesters)および活性化した環外アリールアミドがこれに含まれる。アクリジニウムを置換した別の複素環群(例フェナンスリジニウム(phenanthridinium)およびキノリニウム)が特許請求項とされている。実質上これらのグループの全てが、部分修正された化合物の合成時の誘導体としての、塩化アクリジ・カルボニルを使用してきた。しかし、誰も過酸化物の検出試薬として、ハロゲン化アクリジ・カルボキシル酸または、アクリジ・カルボキシル酸の無水カルボキシル酸誘導体を使おうということを、提案はしなかった。
【0014】
いくつかの特許がアクリダン誘導体を開示している。これらアクリダンのいくつかは、9番の位置に水素を持った正真正銘のアクリダンであって、化学発光反応を開始するには、過酸化水素よりもむしろ、酸素を必要とするものであり、その他は、付加化合物であって、僅かな状況の変化、例えば酸の添加、または希釈などでアクリジニウムの形に戻るものである。
【0015】
上記のどの特許も、アクリジニ誘導体を使うことについて、議論していない。見かけ上誘導体をクレームしている特許もあるが、それはリングの窒素に、プロトンを付加したアクリジニウム塩の形のもので、プラスの電荷を帯びている。(例えば、特許5,155,216のクレーム2を参照されたい) アクリジ・リングの窒素をプロトネートし、アクリジニウムの形にするのに必要なpHの低い条件下では、過酸化物は、実質上完全にプロトネート化されてしまっており、決して相手に電子を与える良い求核的状況ではない。また、普通のフェニール(あるいは部分修正されたフェニール)エステルの脱離基によるアクリジニウム塩を使ったのでは、良い化学発光が得られるとは、期待しがたい。
【0016】
事実、アクリジ・カルボキシル酸の標準的フェニール エステルでは、ほとんどあらゆる条件下で、充分な化学発光は得られない。どの場面においても、アクリジン化合物について、実例をあげ、実験結果を伴って議論されたことがない。従来技術において、アクリジニウム エステルを改良するために、多大の努力がなされたにもかかわらず、どのグループも、会社も次のことを理解(発見)したことがなかった。ここに開示する、活性化されたアクリジ・カルボキシル酸の誘導体は、化学発光試薬として有用である。
【0017】
【この発明の目的と要点】
この発明の目的のひとつは、過酸化水素または、過酸化物状化合物の、特に低い濃度のものでも、化学発光反応手段を用いて、検出または測定することが出来る、新規の化学的化合物を提案することである。
【0018】
この発明の別の目的は、過酸化水素または、過酸化物状化合物を、直接作り出すことができる化学発光酵素を用いて、検出または測定することが出来る、化学的化合物を提案することである。
【0019】
この発明の別の目的は、過酸化水素または、過酸化物状化合物を、間接的に作り出すことができる化学発光酵素を用いて、検出または測定することが出来る、化学的化合物を提案することである。
【0020】
この発明の別の目的は、過酸化水素または、過酸化物状化合物を、消費する化学発光酵素を用いて、検出または測定することが出来る、化学的化合物を提案することである。
【0021】
この発明の別の目的は、過酸化水素または、過酸化物状化合物を、直接または間接的に、生成または消費するなんらかの酵素を用いて、抗体を検出または測定することが出来る、化学発光検量を提案することである。
【0022】
この発明の別の目的は、過酸化水素または、過酸化物状化合物を、直接または間接的に、生成または消費するなんらかの酵素を用いて、抗を検出または測定することが出来る、化学発光検量を提案することである。
【0023】
この発明の別の目的は、過酸化水素または、過酸化物状化合物を、直接または間接的に、生成または消費するなんらかの酵素を用いて、たんぱく質受容体に結合する抗体を検出または測定することが出来る、化学発光検量を提案することである。
【0024】
この発明の別の目的は、過酸化水素または、過酸化物状化合物を、直接または間接的に、生成または消費するなんらかの酵素を用いて、核酸を検出または測定することが出来る、化学発光検量を提案することである。
【0025】
この発明の別の目的は、過酸化水素または、過酸化物状化合物を、直接または間接的に、生成または消費するなんらかの酵素を用いて、ポリサッカライドを検出または測定することが出来る、化学発光検量を提案することである。
【0026】
この発明の別の目的は、過酸化水素または、過酸化物状化合物を、直接または間接的に、生成または消費するなんらかの酵素を用いて、その他のバイオポリマーを検出または測定することが出来る、化学発光検量を提案することである。
【0027】
この発明の別の目的は、過酸化水素または、過酸化物状化合物を、直接または間接的に、生成または消費するなんらかの酵素を用いて、医学的に重要な分子を検出または測定することが出来る、化学発光検量を提案することである。
【0028】
この発明の別の目的は、過酸化水素または、過酸化物状化合物を、直接または間接的に、生成または消費するなんらかの酵素を用いて、獣医学的に重要な分子を検出または測定することが出来る、化学発光検量を提案することである。
【0029】
この発明の別の目的は、過酸化水素または、過酸化物状化合物を、直接または間接的に、生成または消費するなんらかの酵素を用いて、薬理学的に重要な分子を検出または測定することが出来る、化学発光検量を提案することである。
【0030】
この発明の別の目的は、過酸化水素または、過酸化物状化合物を、直接または間接的に、生成または消費するなんらかの酵素を用いて、診断上重要な分子を検出または測定することが出来る、化学発光検量を提案することである。
【0031】
この発明の別の目的は、過酸化水素または、過酸化物状化合物を、直接または間接的に、生成または消費するなんらかの酵素を用いて、法廷上重要な分子を検出または測定することが出来る、化学発光検量を提案することである。
【0032】
この発明の別の目的は、過酸化水素または、過酸化物状化合物の存在下において、グローまたは、閃光状の化学発光信号を発生させる、試薬を提案することである。
【0033】
この発明の別の目的は、水溶性溶液中または、一以上の洗剤あるいは、相変化試薬を含む、類似の表面活性剤を内蔵する水性溶媒中において、少なくとも適度に安定であって、しかもなお、過酸化水素または、過酸化物状化合物の存在下において、グローまたは、閃光状の化学発光信号を発生させる、試薬を提案することである。
【0034】
この発明の別の目的は、制限的ではないが上記のいくつかの段落で述べたタイプを含め、あらゆる反応(有機、無機触媒あるいは、生物学的触媒を用いて、または触媒無しで)を応用して、過酸化水素または、過酸化物状化合物を、直接または間接的に、生成または消費するなんらかの酵素を用いて、診断上重要な分子を検出または測定することが出来る、化学発光検量を提案することである。
【0035】
この発明によれば、過酸化物と反応して、強くかつ多くの場合、望外に長寿命の化学発光活性を呈する、安定で水溶性のアクリジン化合物(9−アクリジ・カルボキシル酸の誘導体)がこのように実現する。この反応による化学発光信号の強さは、概して過酸化物の濃度に比例する。この信号は、水溶液システム中での反応も含め、検量用の読み取りに充分な時間持続する。
【0036】
従ってこれらの化合物は、過酸化物の検出および濃度の検量に役立つ。当該検体自体が反応物となり、様々な反応で過酸化物を発生する。例えば,グルコース オキシダーゼは、グルコースの存在下で過酸化物を発生して反応する。このようにして出来た過酸化物は、本発明による化合物と反応し、その結果としての化学発光は、グルコースの検出および濃度検量の指標となる。
【0037】
別の検量実施法として、結合検量に用いる試薬は、本発明で述べた、化学発光を発生させるのに必要な、要素の一つを用いて標識化されている。標識の存在は、残る要素を添加することによって、検出される。例えば,Hを発生する酵素は、結合検量における結合相手のひとつと、連結されている。結合検量が行なわれた後、酵素の基質および、一以上のここで述べた化学発光化合物を添加して、標識化された結合試薬が捕捉されたという化学発光信号を出させる。化学発光化合物は、あらかじめ添加しておいてもよく、酵素の反応開始と同時または、開始後に添加してもよい。ある場合(例えば酵素の反応条件と化学発光反応条件が適切に両立できないとき)には、化学発光化合物は、酵素反応後に添加するのがよい。
【0038】
最後に、この発明による化合物は、過酸化物を消耗する、酸化防止剤を含む、検体の存在を検出する目的で、ネガティブの検量においても使える。例えば,酵素基質の存在下でHを激減させる酵素(または、他の試薬)は、酵素と化学発光化合物から成る対照と比較して、化学発光の減少量を把握すれば、酵素基質の検量において使用できる。同様に、結合検量において、過酸化物を消費する試薬(ペルオキシダーゼまたは、カタラーゼのような)を結合相手の一方に連結することができる。過酸化物を消耗する試薬で標識づけられた結合相手が捕捉されたということは、過酸化物と化学発光試薬のひとつが反応することにる、化学発光が進行中の溶液を追加すれば、以下のようにして示される。試験管に捕捉されていない、標識づけられた結合相手を追加した対照と比較して、化学発光の減少量を把握すればよい。
【0039】
上記の議論は,生物学的システムで一般的な、Hに焦点をおいた。その他の活性な酸素系化学種、例えば、過酸、置換された過酸化物、ヒドロ過酸化物、(または、フリーラジカル化学種)もまた、本発明の化合物から、化学発光信号を発生させることができる。過酸、置換された過酸化物との反応により、中間置換されたアクリジン過酸化物誘導体(Acr(=O)OOR)を発生させることができる。場合によっては、自然に再置換された活性な形、(AcrC(=O)OOHまたは、AcrC(=O)OO)というアクリジ・パーカルボキシル酸になることもある。しかし、その他の場合、ブロックする置換 ”R”を除去するための、引き続いておこる反応が必要である。この状況は、もしブロックするグループを除去する反応がかなり迅速であれば、これらの化合物を、閃光型の信号を発生させるために使うことを、容易にするかもしれない。
【0040】
次の3タイプのアクリジン化合物を区別することが重要である:アクリダン、アクリジン、アクリジニウム。これらのタイプの化合物は、混同されやすい。何故なら、その名前は,少なくとも二つの観点から使われる:構造形態、および酸化状態。構造的には、アクリダンは、9番位置に二個の置換基を備えた、非芳香族の中央リングを有する。しかしもし,これら置換基のひとつまたは両方が、求核的ですぐ分離する場合、(例えば、シアン化物、アミン、チオール、リン酸塩など)その化合物は、実質上アクリジニウムの付加化合物である。アクリジニウム化合物は、リングの窒素にプラスの電荷を帯びている。
【0041】
複素環の窒素部分に他の置換基を持たない、プロトネートされた形の、アクリジン化合物をアクリジニウム塩と称することは正しいが、通常は、真のアクリジニウム化合物とは、複素環の窒素部分に、すぐには分離しない置換を行なったもの、のこととみなされている。アクリジニウム化合物の付加化合物は、9番位置に求核的アタックが行なわれて形成される。付加化合物は、アクリジニウム形態と平衡状態にあり、それらの形態は、条件が変わると容易に逆転する。例えば、pHが低くなる、求核性物の濃度を下げる試薬を加える、溶液を薄めるなど。
【0042】
アクリジニウム化合物は、典型的に明るい黄色の溶液である。求核性試薬を充分高濃度に加えると、付加化合物が形成され、黄色が消える。その顕著な例は,アクリダンの形成において見られる。求核性試薬の濃度を下げると、一般的に黄色が復活する。アクリジニ複素環の窒素がプロトネートされるpHにおいては、(pH<約5)すぐれた求核性試薬は、ほとんどプロトネートされないものが無く、このため、リングの窒素に共有置換基を持たない、アクリジニ化合物の付加化合物は、異例である。アクリジニウム化合物を還元すると、真のアクリダン化合物ができる。これは、9番位置に水素を持った付加化合物とは区別できる。このプロトンは、分離できるが親電子物質であって、(水性溶媒中ではHとして)求核性試薬ではない。事実、このプロトンの分離によってできたアクリダン アニオンは、求核性試薬である。水性溶媒中では、アクリダン化合物からの水素の分離は、起こりそうも無い現象である。その他の「真の」アクリダンには、9番位置に二個の分離しないグループを持つもの、および、別の親電子物質置換基(例、Liまたは、Mg)をプロトンの代わりに持つ物が含まれる。
【0043】
【本発明の詳しい記述】
ここで開示する一群の新規な化学発光試薬は、過酸化物、活性酸素化学種を含む、その他の過酸化物状化学種の検出または、測定に役立つ。
【0044】
多くの酵素は、過酸化物を直接発生したり、適切な基質を用いて間接的に過酸化物を作ることが出きるので、これらの化学発光試薬のより有益な応用の中には、これらの過酸化物を発生する酵素の内のひとつを標識として用いる、核酸の化学発光検量や、化学発光免疫検量がある。
【0045】
過酸化物を直接発生する酵素には、制限的ではないが、(1)グルコース 酸化酵素、(2)キサンチン酸化酵素、(3)コレステロール酸化酵素、(4)グリセロール リン酸塩 酸化酵素が含まれる。適切な基質を用いて間接的に過酸化物を作ることができる酵素には、制限的ではないが、次記のものがある。(1)BCIPによるアルカリ性リン酸塩(5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリール リン酸塩およびX−Pまたは、X−POとして知られている物)、(2)BCIガラクトサイド(X−gal)によるベータ−ガラクトシダーゼ(3)X−グルコロナイドによるベータ−グルコニダーゼ、(4)その他多くのX−エステル(その多くは、市販されている)に対応するエステラーゼ。
【0046】
過酸化物、例えば過酸化酵素および触媒を消耗する酵素を用いれば、ネガティブ検量もまた、可能である。アルカリ性フォスファターゼおよびセイヨウワサビ・ペルオキシダーゼは、免疫学的検量および核酸プローブ検量で、最も頻繁に用いられる二大酵素である。この二つの酵素に次いで多用される物は、グルコーズオキシダーゼ、ベータ−ガラクトシダーゼ、ベータ−グルコニダーゼ、キサンチン酸化酵素である。ここに開示した試薬は、これらの酵素の内、どれの活性度を測定するのにも使用できる。
【0047】
【酵素による免疫学的検量および核酸プローブ検量】
抗体および核酸プローブに対する、酵素をベースとした検量で、最も頻繁に用いられる酵素は、セイヨウワサビ・ペルオキシダーゼ(HRP)、アルカリ性フォスファターゼ(AP)、ベータ−ガラクトシダーゼである。(Mayer,Andreas, and Neuenhofer,Stephan,Angew.Chem.Int.Ed.Engl.,33,pp1044−1072(1994))。これら三つの酵素と、抗体、ビオチン、ストレプタビジン、アビジンとの接合物は、市販されている。
【0048】
化学発光ベースの検量用として、一層ポピュラーなシステムは、Krickaらによって開発された、ルミノールおよび過酸化酵素を使うもの、および次ぎに述べるいくつかの発光酵素システムを使う、強化型の化学発光システムである。後者は、ジオキセタン基質誘導体を用いるもので、TropixのBronstein他が開発した、適切な基質と共に、酵素として、アルカリ性フォスファターゼ、ベータ−ガラクトシダーゼ、ベータ−グルコニダーゼを用いる。キサンチン酸化酵素を使うような、より新しいシステムが出現しつつある。これら多くの酵素の物性並びに、酵素標識の理想的な物性に関するディスカッションについては、次ぎの文献を参照されたい。Tijssen,P.,Practice and Theory of Enzyme Immunoassays,pp173−219(1985)Elsevier Science Publishers B.V.
【0049】
【アクリジン試薬の応用並びに他のシステムとの比較】
HRPは、標識体として抗体、抗原、プローブに接合して使われる他に、しばしば、以下のような検量に際し、他の酵素によって作り出される過酸化物を、測定するために用いられる。コレステロール(コレステロール 酸化酵素を使用)、グルコーズ(グルコーズ 酸化酵素を使用)、トリグリセライド(グリセロール リン酸塩 酸化酵素を使用)、その他診断上重要な分子についての測定用。ここに開示した試薬は,次ぎのような環境で使用できる。セイヨウワサビ・ペルオキシダーゼ、色彩計、蛍光計、化学発光遺伝子基質が日常的に使われている環境。
【0050】
典型的なHRP色彩計基質には、3,3’,5,5’−テトラメチルベンチジン(TMB)3,3’−ジアミノベンチジン、トリンダー試薬などが含まれる。強化剤存在下におけるルミノールは、HRPの化学発光検出用基質として、ひとつの選択肢である。ここに開示したシステムは,これらのペルオキシダーゼ システムよりも幾つかの利点がある。
【0051】
1.酵素(ペルオキシダーゼ)、検出用試薬(ルミノールまたは、その他の基質)などを使う代わりに、検出用試薬を添加するだけで良い。
【0052】
2.ルミノール検出のためには、通常高いpHが必要であるが、これらのアクリジン試薬は、酸状態のpH値を含む、広い範囲のpHレンジで使うことができる。このことは、一層シンプルな測定法を可能にし、従来設計が困難とされていた、検量を可能にするであろう。
【0053】
3.過酸化物ルミノールのシステムは複雑で、数十年にわたる研究を経ても、まだ完全には理解されていない。これに反し、アクリジン試薬からの、光発生メカニズムは、はるかに単純と思われ、種々の汚染物質あるいは、他の検量成分の効果を、予測することが容易になるであろう。
【0054】
4.ペルオキシダーゼの限界のひとつは、典型的な検量の時間中に、その活動が死滅することである。ペルオキシダーゼを排除することにより、この問題は回避できた。典型的な反応中に形成され、濃縮された副生成物のいかなるものも、以後の検出または、繰り返し検量を妨げる兆候は見られない。ここで開示した、試薬の多くから出る化学発光信号は、典型的には数時間持続し、なかには数日におよぶものもある。
【0055】
ジオキセタンは、染みや薄膜測定法への用途が見出されたが、溶液測定法には向かない。より感度を上げるには、強化剤を添加しなければならない。ジオキセタンのように、アクリジン試薬の多くは、「グロー」速度を呈する。(長時間持続する化学発光信号)これらの試薬に対し、信号を強化することができる洗剤や有機溶剤のような化合物が存在する。
【0056】
開示した試薬は、溶液測定法においては、良く機能する。しかし、ジオキセタンのような酵素に対しては、それぞれ再設計する必要がある。検出される酵素により、補助試薬が必要になる。(例、BCIPあるいは、BCI−gal)しかしこれらの多くは、市中で調達可能である。開示した試薬は、ジオキセタンを補足するが、既に述べたように、より広範な応用ができ、多岐にわたる酵素を検出できる。
【0057】
【ネガティブ検量 ペルオキシダーゼ並びにカタラーゼ】
免疫学的検量においてはまだポピュラーではないが、カタラーゼはそのような応用に対し、魅力的な特性を備える。特にその高い回転率。(知られている最高のものは、毎秒40,000,000回)(Creighton,Thomas E.,Proteins,p407(1984)W.H.Freeman and Company)ペルオキシダーゼおよびカタラーゼは、過酸化物を消耗する。これらの酵素のいずれかに対し、アクリジン試薬のひとつを使う、ネガティブ検量は実用的である。
【0058】
これらの試薬については、ポジティブ検量に比べ、ダイナミックレンジの点で劣るが、化学発光信号が非常に長時間持続し、ペルオキシダーゼのないところで、実質上コンスタントな信号にできるので、高原状の信号を作り出すのに用いる、過酸化物の濃度を変えて、検量の操作レンジを変化させることができる。ペルオキシダーゼおよびカタラーゼはまた、ポジティブ検量においてバックグランド信号を減らすための、試薬として使うこともできる。
【0059】
【アルカリ性フォスファターゼおよびベータ−ガラクトシダーゼ】
免疫学的検量においてポピュラーな酵素に次いで、アルカリ性フォスファターゼは、核酸プローブ検量用酵素として良く知られている。アルカリ性フォスファターゼ用の非常にポピュラーな基質のひとつ、BCIP(5−Bromo−4−Chloro−3−Inolyl Phosphate)は、リン酸塩グループ(当初はBCIを与える)の除去に引き続き、酸素と反応し過酸化水素とインジゴ系染料を作り出す。(Arakawa,H,;Maeda,M.;Tsuji,A.Analytical Biochemistry,199,pp238−242(1991))
【0060】
この間接的に過酸化物を発生させる方法は、他の酵素に対しても役立つであろう。その例として、BCI(または他のインジゴあるいはキノール状の)基質が入手可能で、それらの内にはベータ−ガラクトシダーゼ、ベータ−グルコニダーゼその他数種のエステラーゼを含む。適切なBCI基質とともに、これらの酵素の内どれを用いても、活性アクリジ・カルボキシル酸 誘導体の検量が可能である。最近、新しい類似のインドリル基質が開発された。(U.S.Patent Nos.5,364,854 5,364,767)red−PO,red−galなどの基質もまた、同様に反応し、適切な酵素と共に用いて、過酸化物を発生させることができる。
【0061】
保護された形の化合物と考えられ、その保護グループが、酵素により除去されると、直ちに過酸化物(通常は、制限的ではないが、酸素との反応によって)を生成するような、加水分解酵素の基質は、いずれも明らかに検量用途に適切な基質と考えられる。これが本開示の主題である。
【0062】
例えば、アントラハイドロキノンは、過酸化水素合成の市中供給源として良く知られる。これは直ちに、酸素を脱離させ、過酸化水素とアントラキノンを生成する。アントラハイドロキノンをリン酸化すると、保護された誘導体を生成し、これがアルカリ性フォスファターゼの基質と成る。アントラハイドロ・ガラクトシドはベータ−ガラクトシダーゼなどと一緒に使うのに好適である。
【0063】
いくつかの酵素(酸化酵素)は、直接過酸化物を生成することが知られ、その多くは市中で調達できる。キサンチン酸化酵素とグルコーズ酸化酵素(GOase)は、免疫学的検量において使われてきた、二大酸化酵素である。(Kricka,L.J.,Clinikal Chemistry,37,pp1472−81(1991)) グルコーズ酸化酵素および、9−アクリジ・カルボキシル酸によるイミダゾライドは、反応を通じて約10attomolesのグルコーズ酸化酵素を生成する。(1attomoleは、10−18molesつまり約600,000molecules)グルコーズ酸化酵素は、多くの臨床用検量において、糖尿病処置のために、グルコーズを測定するのに用いられる。
【0064】
患者サンプル用に他の化学発光検量が、使われている研究室において、活性化9−アクリジ・カルボキシル酸のひとつを用いて、生成される過酸化水素を測定する検量は、現に使用中の測定法の代わりに、実行可能な測定法である。臨床関連検量で使用される、他の二つの酸化酵素には、コレステロール測定用のコレステロール酸化酵素および、トリグリセライド測定用のリン酸塩グリセロールとがある。セイヨウワサビ・ペルオキシダーゼ(HRP)システムが、Hを測定するための現在一番ポピュラーな生物分析的手法であるが、ここで述べたアクリジン試薬は、いくつかの利点がある。
【0065】
【その他の応用例】
プローブ検量および免疫学的検量において現に使用中のものの他に、ベータ−ガラクトシダーゼ、ベータ−グルコニダーゼ、選ばれた胎盤アルカリ性フォスファターゼは、分子生物学の研究で遺伝子レポーターとして、しばしば用いられる。Tropix,Inc.(Bedford,MA)により開発されたジオキセタンは、これらの遺伝子を説明するため、化学発光を用いて、測定するために使われてきた。(Bronstein,Irena;Fortin,John;Stanley,Philip E.;Stewart,gordon S.A.B.;and Kricka,Larry J.,Analytical Biochemistry,219,pp169−181(1994)
【0066】
活性化された形の9−アクリジ・カルボキシル酸もまた、そのような応用に受け入れられるであろう。臨床研究室においては、広いレンジで使える検量器具であることが重要である。メニューの中に多くの検量があればあるほど、研究室に特別な研究アプローチのために、受け入れられやすく、器具を購入または、レンタルしてもらえ、検量および試薬が採用される。上記した酸化酵素および酵素標識に加えて、大部分の脱水素酵素の活動を測定することもまた、可能と考えられる。何故なら、脱水素酵素の活動を過酸化水素の生成と結びつける方法が、知られているから。(Kricka,L.J.,Clinical Chemistry,37,pp1472−81(1991))
【0067】
これらの化合物の、もうひとつの可能性のある用途は、セルの中にある過酸化水素を検出するために用いることである。過酸化物は、セル内の第二のメッセンジャーであるとの、最近の考察がある。(Sundaresan,Maitrayee,Yu,Zu−Xi,Ferrans,Victor J.,Irani,Kaikobad,Finkel,Toren,Science,270,pp296−299(1995))これらのアクリジニ誘導体の内のいくつかは、セルに入ることができ、セル内部レベルの過酸化物を測定するために使うことができる。異なる脱離基を用いることにより、検出試薬の特性は、特定の応用に適するようにすることができる。これらの特性のうちには、電荷、溶解性、反応媒体中での安定性、過酸化物による置換速度を含む。
【0068】
【適切なアクリジ・カルボキシル酸の誘導体】
この発明による新規の試薬は、アクリジ・カルボキシル酸の活性化された誘導体で、その内の多くは,水性溶液中で驚異的に安定である。この新規の試薬はまた、求核的な化合物と広いpHレンジで反応し、化学発光信号を呈する。これは、まずアクリジ・カルボキシル酸が生成され、次ぎにアクリドンに分解するとき光を出すものと考えられる。
【0069】
化学発光量は、数桁の範囲にわたって、過酸化物の濃度に正比例する。いくつもの種類の活性アクリジ・カルボキシル酸が存在する。これらの内には,化学発光として先に述べた二種類があるが、従来は、過酸化物の濃度を測定するためあるいは、過酸化物 化合物を、直接あるいは間接的に、発生または消耗する酵素の活動を、測定するために、解析用試薬として使われたことが無い。
【0070】
この二種類とは、ハロゲン化アクリジ・カルボキシルおよびアクリジ・カルボキシル酸の無水カルボキシル酸である。新しい種類の化学発光試薬として役立つものには、次ぎのような物がある。9−アクリジ・カルボキシル酸の活性エステル(例、制限的ではないが、9−アクリジ・カルボキシル酸とN−ヒドロキシサクシニミド(NHS)をカプリングしてできたエステル、1−ヒドロキシ・ベンゾベンゾトリアゾール(HOBt)、ジニトロフェノール(DNPOH)、エチル シアノグリオキシレート−2−オキシム(ECGO);9−アクリジ・カルボキシル酸の活性アミド(例、制限的ではないが、次ぎのようなもの。イミダゾライド、トリアゾライド、テトラゾライド);9−アクリジ・カルボキシル酸の活性スルフォンアミド;9−アクリジ・カルボキシル酸のシリルエステル。
【0071】
この発明で用いるのに適した、アクリジ・カルボキシル酸 誘導体は、次式で定義できる。
【0072】
【化21】
Figure 0004838932
【0073】
ここに、C*は、sp2配位結合炭素原子、Aは、9−アクリジニルまたは置換9−アクリジニル、Zは、C*に共有結合されかつ制限的ではないがO,S,N−R1または(+)N−R12を含む部分とし、R1とR2を置換または非置換水素、アルキル、アルコオキシ、アルキルアリール、ヘテロアリールまたはヘテロアルコオキシから独立に選ばれるもの。これらのいずれも、置換されても、置換されなくても良い。望ましくは,アルキルおよびアルコオキシは、1ないし5個の炭素原子を含むものが良い。
【0074】
この分野の熟練者には明らかなことであるが、芳香族リングの外側のいずれか(通常行なわれている番号付け方式で、1、2、3、4、5、6、7、8の位置)で、一以上の置換基を持つ、活性化した9−アクリジ・カルボキシル酸は、置換されていない活性化した、9−アクリジ・カルボキシル酸 化合物に対し似たような反応を示す。このように置換された、9−アクリジ・カルボキシル酸 化合物は、全て本発明の範囲に属する。リングの外側のいずれかに、付けられた追加のリングを有する化合物もまた、意図されている。このように、例えば、Aは次ぎのようなものである。
【0075】
【化22】
Figure 0004838932
【0076】
ここに、R12からR19までは、次ぎの物から独立に選ぶことができる。水素、アルキル、アルコキシ、アリールアルキルアリール、ヘテロアリール、ヘテロアルコキシ、アルデヒド、ケト、アミノ、ニトロ、ハロ、スルフェイト、スルフォニル、カルボキシ、カルボキシエステル、リン酸塩、フォスフォエステル。これらはいずれも、置換されていても、置換されていなくても良い。望ましくは、アルキルおよびアルコキシは、1ないし5個の炭素原子を有するものが良い。R12からR19までの内の任意の二つは、芳香族を含む環を構成する要素であっても、無くても良く、また、少数のヘテロ原子を含んでいても良い。
【0077】
Qは、液体または混合液体−有機状態(制限的ではないが洗剤溶液、極性用溶媒混合物、エマルジョンおよび多相システムなどを含む)下の適切な脱離基として選ばれ、この状態が過酸化物または過酸化物状化合物の存在下に化学発光性を呈する化合物を生成する。
【0078】
適切な脱離基(Q)を備えた化合物には、制限的ではないが次ぎのようなものがある。ニトロアリル エステル,ハロゲン化アリル エステル、オキシサクシニミド エステル、オキシベンゾトリアゾーレ エステル、イミダゾライド、トリアゾライド、ピリジンアミド、シリルエステル、エネアミド、スルフォンアミド。
【0079】
適切な脱離基(Q)には、制限的ではないが次ぎのようなものがある。(1)窒素原子で前記C * に結合される、任意に置換された複素環式アリール基、例えば、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピラゾール、ピリミジン、プリン、キノリン、イソキノリン、ピロール、インドール、ピリジン、テトラゾール、トリアゾール、ベンゾトリアジノン、N−オクシサクシニミド、オキシフタルイミド、カルバゾール
【0080】
(2)O−N=C(CN)−CO−Rここに、Rはアルコキシ、置換アルコキシ、スルフィドリル、アルキルまたは、置換アルキル・グループ、またここに、アルコキシとしてのRは、O−Rであっても良く、Rは任意に置換されたアルキルまたは、アルキル・グループであって望ましくは、1ないし5個の炭素原子を有する置換アルキル・グループ。
【0081】
(3)O−Arであり、Arが芳香族または複素環式芳香族環状であり、該環状が少なくとも1個の電子引離し要素または、置換されてないときには、過酸化水素または過酸化水素から誘導されたアニオン(例えば、任意に置換されたフェニール、任意に置換されたピリジニール、ジニトロフェニール、または、クロロピリジニール)を用いて容易に置き換えられる残基を用いて置換されているもの。
【0082】
(4)
【化23】
Figure 0004838932
【0083】
ここに、R5は、単環状または、多環状複素環式基の一部である。
【0084】
(5)O−N=C(CN)−Ar ここに、Arは芳香族または、複素環芳香族の一部。
【0085】
(6)
【化24】
Figure 0004838932
【0086】
ここに、R6,R7,R8は,次ぎのものから独立に選ぶことができる。アルキル、アルコキシ、アリール、アルキルアリール、ヘテロアリール、ヘテロアルコキシ。これらのどれも、置換されていても、いなくても良い。
【0087】
(7)S−R9 ここに、R9は次ぎのものである。アルキル、アルコキシ、アリール、アルキルアリール、ヘテロアリール、ヘテロアルコキシ。これらはいずれも、任意に置換されていても良い。
【0088】
(8)ハロゲン化物または、擬似ハロゲン化物(例えば、弗化物)。
【0089】
(9)
【化25】
Figure 0004838932
【0090】
ここに、R10およびR11は、次ぎの物から独立に選ぶことができる。アルキル、アルコキシ、アリール、アルキルアリール、ヘテロアリール、ヘテロアルコキシ。これらはいずれも、任意に置換されていても良い。
【0091】
上記において、上記アリールまたは、アルコキシのいずれも、1ないし5個の炭素原子を有することが望ましい。
【0092】
一層具体的には、以下の脱離基グループは、この発明の実施中に、役立つことが次第に分かってきた。
【0093】
(1)エチル シアノグリコキシレート−2−オキシム
【0094】
【化26】
Figure 0004838932
【0095】
(2)2−ヒドロキシミノ−2−フェニルアセトニトリル
【0096】
【化27】
Figure 0004838932
【0097】
(3)3−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアジン−4−(3H)−ワン
【0098】
【化28】
Figure 0004838932
【0099】
(4)1−ヒドロキシベンゾトリアゾーレ
【0100】
【化29】
Figure 0004838932
【0101】
(5)N−ヒドロキシ・サクシニイミド
【0102】
【化30】
Figure 0004838932
【0103】
(6)6−クロロ−2−ピリジノール
【0104】
【化31】
Figure 0004838932
【0105】
(7)2,4−ジニトロフェノール
【0106】
【化32】
Figure 0004838932
【0107】
(8)4−ヒドロキシ−3,5−ジニトロベンゾイック アシド
【0108】
【化33】
Figure 0004838932
【0109】
(9)イミダゾール
【0110】
【化34】
Figure 0004838932
【0111】
(10)N−アルファ−アセチール−L−ヒスチジン
【0112】
【化35】
Figure 0004838932
【0113】
(11)1,2,4−トリアゾーレ
【0114】
【化36】
Figure 0004838932
【0115】
(12)2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ヒドロキシベンゾイック アシド
【0116】
【化37】
Figure 0004838932
【0117】
(13)1−メチルイミダゾーレ
【0118】
【化38】
Figure 0004838932
【0119】
(14)4,5−ジシアノイミダゾーレ
【0120】
【化39】
Figure 0004838932
【0121】
(15)1H−テトラゾーレ
【0122】
【化40】
Figure 0004838932
【0123】
上記構造式中のダッシュは、示されたQの、sp2配位結合炭素原子Cへの推定される接合位置を示す。ある場合には、このCへの接合位置として、Qに対し、二またはそれ以上の場所があることもある。例として、(10)N−アルファ−アセチル−L−ヒスチジン、(11)1,2,4−トリアゾール、(15)1H−テトラゾールなど。示された位置は、化学的立場で、立体構造上または、前記した化学的文献に記載された関連化合物の構造決定の視点で、推定されるものである。
【0124】
ある場合には、合成中に形成された生成物の混合体のこともある。もし今後の解析により、Cへの接合位置として、上記以外の物が示されたとしても、前記化合物に対する、我々のクレームを無効するものではない。構造式は、単なる説明のためのものにすぎない。
【0125】
従来の色彩計や、蛍光計と比較した場合、この化学発光検出システムの最大の利点は、その感度にある。(ターゲット種に対する感度が、10−15モルということも稀ではない。)しかも、ローバックグランドかつ、ワイド ダイナミックレンジである。
【0126】
アクリジニウム エステルは、抗体または、核酸プローブに共有結合され、通常直接的な化学発光(CL)標識物として用いられる。CL開始のための標準的試薬を用いると、発光速度は、「閃光」型であり、10秒未満の短時間激しく発光する。このことが、アクリジニウム エステル検量の特質である,迅速で感度の良い検量を可能にする。
【0127】
そのような検量のためには、照度計は一以上の噴射機を備えるべきであり、その噴射力は充分な攪拌力を保証すべきである。このことは困難であり、多数の容器皿を読み取る装置を高価にする。今回のシステムによれば、グロー速度は、装置の外部で、光の発生量や精度を犠牲にすることなしに、開始できる。
【0128】
アクリジニウム エステルによる化学発光を、低いpH(約10.5未満)で開始させることは可能であるが、バッファーの選択およびバッファーの濃度に、注意を払う必要がある。アクリジニウム エステルは、大部分の求核性試薬との間に付加物を形成する。その求核性試薬には、大部分のバッファー剤のベースフォームを含むが、ホウ酸塩は別である。このことは、検量の設計および再現性を複雑なものにする。さらに、低いpH(約10.5未満)でのアクリジニウム エステルによるグロー速度は、アクリジン・カルボニル・イミダゾールのようには高原状ではなく、急激にピークまで立ちあがり、緩やかな減衰傾向を示すため、一層危機的である。
【0129】
今回の試薬については、酸(検量中にできたアクリジニウム エステル付加物を戻すための)もベース(pH>10.5にするため)も必要ないので、このシステムに関しては、ほとんど何の障害も無い。しかも、直接的標識であって、検出することにより、破壊されてしまうので、アクリジニウム エステルについての、疑わしい結果を確認する唯一の方法は、サンプルのいくらかを、再検量のために保存しておくことである。今回のシステムによれば、信号の持続性により、直ちに再チェックすることが可能になる。化学発光の開始pHが低いので,背景に対するサンプルの寄与がより少ないと考えられる。
【0130】
【調合の方法】
9−アクリジ・カルボキシル酸の活性誘導体は、有機化学の標準的な方法で合成できる。例えば、イミダゾライドは、次の方法で作ることができる。(1)カルボキシル酸をピリジン中に溶かし、カルボニル・ジイミダゾールを加える。(2)カルボキシル酸を、塩化チオニールで塩化カルボニルに変換し、塩化カルボニルを精製し、イミダゾールト反応させる。
【0131】
別の方法は、カルボキシル酸を、カルボジイミド(ジシクロヘキシル・ジカルボジイミド−DCCまたは、ジイソプロピル・カルボジイミド−Dipc)およびイミダゾールと反応させる。塩化チオニール基はたぶん、いくつかの理由で最も便利な物であろう。この試薬は、煮沸すれば簡単に除去できる。生成物である塩化カルボニルは、適切な溶液中に溶かし、脱離グループのひとつ、またはいくつかと、個別の反応で、反応させることができる。
【0132】
このルートの短所は、塩化カルボニルが加水分解性が強いことである。もし、希望する脱離基の、テトラメチル・ウロニウム誘導体(NHSおよびHOBt誘導体がそれにあたる)が入手できるか、最初に合成されれば、カルボキシル酸で直接反応させることができ、あるいは、その塩の形で活性誘導体を得ることができる。
【0133】
より具体的には、9−アクリジン・カルボニル・イミダゾールは、次の方法で作ることができるであろう。4mLのガラスびんに、93.8mgの9−アクリジ・カルボキシル酸水和物(Aldrich #23,634−4,FW=223.23,97%,実効MW=230.134)(408ミクロモル)と、2mLの塩化チオニール(Aldrich #23,046−4,FW=118.97,99%,比重=1.631)を加える。(27.1ミリモル=9−アクリジ・カルボキシル酸の66.6倍)
【0134】
混合物は、約85℃で還流させられた。還流してしばらく後、混合物は不純物を除去された。4時間の還流後、コンデンサーが取り除かれ、余剰の塩化チオニールが、85℃で蒸発させて除去され、黄色の結晶の残渣ができた。冷却後、びんは蓋をされ、水蒸気から護るためにパラフィンでシールして、−20℃で保管された。その文献によると、残渣はめざす9−塩化アクリジ・カルボニルの塩化水素酸塩であった。
【0135】
使用直前に、びんは室温まで暖められ、4.0mLのアセトニトリル(水分を減らすために分子ふるいの上に保存しておいた)を添加された。溶けた残渣のあるものは、黄色ないしオレンジ色の、9−塩化アクリジ・カルボニルの塩化水素酸塩であった。この溶液の1mLを取り、CHCN 中で1.0Mのイミダゾールを、200uL添加された。イミダゾールの添加後すぐに、この溶液はほとんど無色になり、塩化水素酸塩が中和されたことが分かった。この反応は室温でも続いた。引き続いて行なわれた、HPLC分析により、実質上完璧な9−アクリジ・カルボニル イミダゾールへの転換であることが分かった。
【0136】
9−塩化アクリジ・カルボニルのアセトニトリル溶解液は、他の結合物、エステル、アミドを作るために使用できる。その結果の生成物は、化学発光用に選別され、かくして、その他の可能性のある脱離グループの試験が行なわれた。
【0137】
例えば,この溶液の50uL(約5ミクロモルの活性アクリジン誘導体を含む)に、希望する脱離グループの溶液を加えることができる。その溶液は、望ましくは、アセトニトリルまたは、脱離グループの過剰物を含む、N,N−ジメチル・フォルムアミド(DMF)であって、望ましい濃度は、少なくとも、2ないし20倍のモル量の塩化カルボニル(この実施例では10ないし100ミクロモル)を用いるものである。
【0138】
これらの場合、脱離グループがプロトネートされた形であるとき、充分な量の、ピリジンのような求核性の低いベースを添加することはまた、脱離グループをデプロトネートし、塩化アクリジ・カルボニルの塩化水素酸塩を中和やすくしてくれる。(この実施例では、約125ミクロモルのピリジンを使用。)ベースが加えられると、オレンジ色の溶液は、黄色になり、(脱離グループの溶液が着色していなければ)次いで薄い黄色に変わって、アクリジン リングが、一層プロトンが減った状態になったことを示す。
【0139】
もし溶液が無色になれば、反応は良い状態で進行する。しかし、溶液中に存在するかもしれない、偶然に加えられた水に由来する、加水分解物に一層敏感である。ピリジン(および前の実施例におけるイミダゾール)による適量の一時衝突原子は、pHが過剰に高くなるを防いでくれる。所望の反応時間(数分から数日まで任意)後、その反応は化学発光により直接試験することができる。その方法は、単に分取された試料の一部を、希望する媒体中で過酸化物溶液に添加するだけで良い。
【0140】
例えば、反応用に分取された少量の試料を、pH約8.2の、50mMのナトリウム リン酸塩バッファー中で、40uMのHの溶液に加え、化学発光の時間的経過を測定する。この濃度は、選別目的には好適な濃度であるが、これよりも高い濃度、低い濃度を用いることもできる。脱離グループを添加せずに行なう、対照反応もできることは重要であるが、添加したどのようなベースを用いても、溶液中に存在する全ての過酸化物が、パーカボキシル酸を直接作り、化学発光する。
【0141】
行なわれるべきもうひとつの対照は、過酸化物の入っていない溶媒中に、分取された少量の試料を加え、化学発光を測定後、後から過酸化物を添加する。この対照は、生成物が選ばれた溶液中で、充分長時間安定であれば、それが役立つものであることを示す。試薬の添加後過酸化物を添加するまでの時間は、用途によって様々であり、如何様にもできる。酸化物を添加する以前に見られる化学発光は、反応溶液中に存在する過酸化物の量、および/または、試験媒体の組成についての、一つの指標である。
【0142】
【実施例】
1.過酸化水素との反応
図1、図2には、グルコーズ酸化酵素媒体中における、9−アクリジ・カルボキシル酸によるイミダゾライドの、異なる濃度の過酸化水素との反応で、呈する化学発光が示されている。信号の発生速度、および信号の強度変化の両方が、過酸化物濃度の関数として示されている。時間以外の軸は、対数目盛りになっていること、並びに、過酸化物添加後30分以内に、実質上、高原領域に達していることに留意されたい。
【0143】
図1、図2についての付記:
照度計:BMG Lumimaster Plate Reader
信号ノイズ 50ないし100RLU/秒のレンジ 内
各容器には、あらかじめ混合したものを 100uL添加。
化学発光を何度も読み取る。
10mMのNaPiバッファー(pH=pKa)中に5uLの過酸化水素を添加。
化学発光を何時間にもわたって読み取る。
【0144】
各容器には次ぎの物が、50mMの溶液として100uLずつ入っている。NaPO(pH=8.2),1.50%(w/v)グルコーズ;5.0%(v/v)DMF;2.0%(v/v)トリトンX−100;210uM Acl.5uLの過酸化水素を添加する前に、化学発光を何度も読み取った。過酸化水素は、次ぎの量添加された。(単位はピコモル):(1)40,000、(2)4,000、(3)400、(4)40.0、(5)0.00
【0145】
示したデータは、過酸化水素サンプルが入った、二個の容器の平均である。ブランクの容器については,八個の平均である。図1に示す直線は、過酸化水素を添加後の、異なる時間における調整を示す。
【0146】
2.グルコーズ酸化酵素の化学発光検出
図3、図4には、5段階の量についての調整を示す。図3、図4についての反応条件は、図1、図2についてのものと同じである。この実験における、グルコーズ酸化酵素の検出限界は、105μLの反応中で約10アットモールである。
【0147】
図3、図4についての付記:
照度計:BMG Lumimaster Plate Reader
信号ノイズ 50ないし100RLU/秒のレンジ 内
各容器には、あらかじめ混合したものを 100uL添加。
化学発光を何度も読み取る。
10mMのNaPiバッファー(pH=pKa)中に5uLのグルコーズ酸化酵素を添加。
化学発光を何時間にもわたって読み取る。
【0148】
各容器には次ぎの物が、50mMの溶液として100uLずつ入っている。NaPO(pH=8.2),1.50%(w/v)グルコーズ;5.0%(v/v)DMF;2.0%(v/v)トリトンX−100;210uM Acl.5uLの過酸化水素を添加する前に、化学発光を何度も読み取った。過酸化水素は、次ぎの量添加された。(単位はピコモル):(1)60,000、(2)6,000、(3)600、(4)60.0、(5)6.00、(6)0.00 示したデータは、グルコーズ酸化酵素サンプルが入った、二個の容器の平均である。ブランクの容器については,八個の平均である。
【0149】
3.アルカリ性フォスファターゼの化学発光検出
図5、図6には、信号の発生速度および化学発光信号発生の濃度依存性が、次記のものについて示されている。アルカリ性フォスファターゼ並びに、基質としてのBCIPについて。これらのリン酸塩グループは、***した後、酸素と反応し過酸化水素を発生する。ここでは、検出限界は、酵素の約8アットモールである。
【0150】
調整グラフ中にブランクについての読み取り値もこの範囲にプロットしておいた。その目的は、この酵素のレベルが、ブランクの信号よりも、強い信号を出すことを示すためである。ブランクの信号の大部分は、洗剤ストック中の過酸化物不純物から出ている。速度グラフ中の酵素添加後の下降曲線は、二つの要因で説明できる。BSA(牛亜科の血清アルブミン)酵素バッファーがこの過酸化物と反応すること、並びに、希釈が信号強度の若干の低下をもたらすこと。
【0151】
図5、図6についての付記:
照度計:BMG Lumimaster Plate Reader
信号ノイズ 50ないし100RLU/秒のレンジ 内
各容器には、あらかじめ混合したものを 90uL添加。
化学発光を何度も読み取る。
100uL中での反応において、図示された量の酵素(バッファー)を確保のため、各容器に10uLの酵素または、バッファーを添加。バッファー=10.0mM NaHCO,1%BSA
バッファーはやはり、順次希釈物に対する希釈剤である。
【0152】
各容器には次ぎの物が、100mMの溶液として90uLずつ入っている。NaPO(pH=8.2),100mM NaCl,50mM MgCl2,0.1mMZnCl2,20%(v/v)DMF;2.0%(v/v)トリトンX−100;211 uM Acl,1.00 mg/mL BCIP 過酸化水素は、次ぎの量添加された。(単位はピコモル):(1)806,000、(2)80,600、(3)8,060、(4)806、(5)80.60、(6)8.06(7)0.806、(8)0.0806 示したデータは、グルコーズ酸化酵素サンプルが入った、二個の容器の平均である。ブランクの容器については,八個の平均である。
【0153】
4.9−塩化アクリジ・カルボニルと脱離化合物による選別反応
A.リン酸塩バッファー、pH8.2
9−塩化アクリジ・カルボニルと、いくつかの候補となる脱離化合物との反応の準備をした。つまり、9−塩化アクリジ・カルボニルの塩酸塩溶液(1ないし5ミクロモル)を、試験物としての化合物溶液(少なくとも18ミクロモル)に、個別に添加する。
【0154】
固形化合物は、アセトニトリル、N,N−ジメチル・フォルムアミドまたは、これら二つに溶解した。塩化カーボニルによる酸から中和し、試験物としての化合物を確実に、求核性で、アンプロトネートな状態にするために、ピリジンをこれらの大部分の化合物に添加した。
【0155】
反応は室温で少なくとも12時間進行させた。これらの反応による生成物を選別して、pH8.2 近辺で化学発光させるために、ポリプロピレン製試験管に次記のものを入れて準備した。50uLに対し100mM相当のナトリウム リン酸塩、pH8.2の水40uL、800mMのHを5uL。時間ゼロのとき、各反応物の5uLずつを、これらの試験管に添加して、化学発光をMagic Lite Analyzer II照度計で、数時間にわたって測定した。
【0156】
高原型と、下降型という二つのタイプの発光速度が観察された。図7に高原型の発光速度を示し、図8に下降型の発光速度を示す。図中略号で示したのは、9−塩化アクリジ・カルボニルと反応させた化合物であり、その内容は以下の通り:TRIAZOLEは、1,2,4−トリアゾール;HOBtは、1−ヒドロキシ・ベンゾ・トリアゾール;N−AcetylHisは、N−α アセチル−L−ヒスチジン、F4HBAは、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ヒドロキシ・ベンゾイック酸;1−MeImは、1−メチルイミダゾール。
【0157】
図8における略号は以下の通り:TETRAZOLEは、1H−テトラゾール;(CN)2Imは、4,5−ジシアノ・イミダゾール;NHSは、N−ヒドロキシ・サクシニミド;ECGOは、エチル シアノ・グリコキシレート−2−オキシム。下降型発光速度の実施例においてさえも、化学発光が少なくとも1時間、検出可能であることことに留意されたい。ここに示した反応中、イミダゾールと1−メチルイミダゾールだけが、ピリジンを用いなかった。この選別過程では、精製されていない生の反応混合物を使用したことに留意されたい。
【0158】
B.アセテート バッファー、pH5.5
選別過程は次記の置換をして、同じ反応に基づいて繰り返された。pH8.2のナトリウム リン酸塩バッファーを、pH5.5で100mMのナトリウム アセテート バッファーに置きかえる。ここでも再び、高原型と、下降型の両方の発光速度が観察された。図9に高原型の発光速度を示し、図10に下降型の発光速度を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図示されたグルコース酸化酵素緩衝剤中における、過酸化水素の濃度の関数としての、9−アクリジ・カルボニル・イミダゾールからの化学発光信号
【図2】 過酸化水素を添加後の時間を関数とする、化学発光信号の速度。異なる曲線は、異なる量の過酸化水素を添加したサンプルからのデータを示す。
【図3】 グルコーズ酸化酵素を、9−アクリジ・カルボニル・イミダゾールを含む、図示の緩衝剤中に、異なる量添加したものにつき、添加後異なる時間経過したものについて、第二の実験結果を示す。
【図4】 図示の量のグルコーズ酸化酵素を添加後の化学発光信号の速度。
【図5】 第三の実験による化学発光の検量線:アルカリ性フォスファターゼを、9−アクリジ・カルボニル・イミダゾールを含む適当な緩衝剤中に、添加後図示の時間における、アルカリ性フォスファターゼの検出。
【図6】 図示の量のアルカリ性フォスファターゼを添加後の、信号の速度を示す。
【図7】 異なるpHシステムを用い、異なる化学発光用反応混合物をスクリーニングした結果を示す。
【図8】 異なるpHシステムを用い、異なる化学発光用反応混合物をスクリーニングした結果を示す。
【図9】 異なるpHシステムを用い、異なる化学発光用反応混合物をスクリーニングした結果を示す。
【図10】 異なるpHシステムを用い、異なる化学発光用反応混合物をスクリーニングした結果を示す。

Claims (23)

  1. 過酸化物化合物またはその遊離基の水溶液または水−有機混合溶液を化学発光剤と接触させ、前記化学発光剤と検知される過酸化物化合物またはその遊離基とが反応することによって生じる化学発光を検知することを含んでなる過酸化物化合物またはその遊離基の存在を検知する方法であって、
    前記化学発光剤は、構造式
    Figure 0004838932
    によって定められる化学発光化合物を含み、
    ここで、C*はsp2配位結合炭素原子であり、
    Aは、構造式
    Figure 0004838932
    によって定められ、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18及びR19は、置換または非置換の、水素、アルキル、アルコキシ、アリール、アルキルアリール、ヘテロアリール、ヘテロアルコキシ、アルデヒド、ケト、アミノ、ニトロ、ハロ、スルフェイト、スルフォニル、カルボキシ、カルボキシエステル、リン酸塩、フォスフォエステルからなる群から独立して選ばれ、
    ZはOであり、
    Qは、過酸化物または過酸化物状化合物の存在下で化学発光性を呈する化合物を生成する水溶液または水−有機混合溶液下の脱離基であり、次の(1)から(11)からなる群から選ばれ、
    (1)窒素原子で前記C*に結合される任意に置換された複素環式アリール基
    ここで、前記複素環式アリール基は、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピラゾール、ピリミジン、プリン、キノリン、イソキノリン、ピロール、インドール、ピリジン、テトラゾール、トリアゾール及びカルバゾールの中から選ばれる。
    (2)O−N=C(CN)−CO−R3
    ここで、R3は、(C1-5)アルコキシ、置換(C1-5)アルコキシ、スルフィドリル、(C1-5)アルキルまたは置換(C1-5)アルキルである。
    )構造式
    Figure 0004838932
    )構造式
    Figure 0004838932
    )構造式
    Figure 0004838932
    )構造式
    Figure 0004838932
    )構造式
    Figure 0004838932
    )構造式
    Figure 0004838932
    )構造式
    Figure 0004838932
    10)構造式
    Figure 0004838932
    11)構造式
    Figure 0004838932
    前記化学発光化合物が、検知される過酸化物化合物またはその遊離基と反応することによって生じる化学発光を検知することを特徴とする過酸化物化合物またはその遊離基の存在を検知する方法。
  2. Qが、窒素原子で前記C*に結合される任意に置換された、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピラゾール、ピリミジン、プリン、キノリン、イソキノリン、ピロール、インドール、ピリジン、テトラゾール、トリアゾールまたはカルバゾール基であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. Qが、窒素原子で前記C*に結合されるイミダゾールまたは窒素原子で前記C*に結合される置換イミダゾールであることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. QがO−N=C(CN)−CO−R3であり、ここでR3がアルコオキシ、置換アルコオキシ、サルフヒドリル、アルキルまたは置換アルキル基であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. 前記脱離基が、構造式
    Figure 0004838932
    で表わされることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  6. 前記脱離基が、構造式
    Figure 0004838932
    で表わされることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  7. 前記脱離基が、構造式
    Figure 0004838932
    で表わされることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  8. 前記脱離基が、構造式
    Figure 0004838932
    で表わされることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  9. 前記脱離基が、構造式
    Figure 0004838932
    で表わされることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  10. 前記脱離基が、構造式
    Figure 0004838932
    で表わされることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  11. 前記脱離基が、構造式
    Figure 0004838932
    で表わされることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  12. 前記脱離基が、構造式
    Figure 0004838932
    で表わされることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  13. 前記脱離基が、構造式
    Figure 0004838932
    で表わされることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  14. 遊離基が超酸化物、水酸化物基、ヒドロ過酸化物基の中から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  15. 検知される過酸化物化合物またはその遊離基が過酸化水素、過酸化水素から誘導されたアニオン、過酸またはヒドロ過酸化物であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  16. 前記過酸化物化合物は過酸化水素を含み、前記過酸化水素は、存在不存在が決定される検体と過酸化水素を生成する反応物との間の反応生成物であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  17. 前記過酸化物化合物又はその遊離基の濃度を減少させる検体の存在不存在の検量を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  18. 検体の存在不存在の競合結合検量であり、検体の結合相手が酵素、酵素の基材または前記化学発光化合物のいずれかひとつに共役であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  19. 検体が前記過酸化物化合物又はその遊離基の濃度を減少させる酵素性反応の基材であることを特徴とする請求項18に記載の方法。
  20. 検体の存在または量の競合結合検量であり、標本検体が競合結合反応剤と競合して結合相手に結合し、競合結合反応剤が酵素、酵素の基材または前記化学発光化合物のいずれかに対して共役であり、それにより検体が増量すると酵素、酵素の基材または前記化学発光化合物のいずれかに共役する競合結合反応剤が減量して競合結合反応剤の共役が減少し、それによって化学発光反応を生じるのに利用される過酸化物化合物またはその遊離基の濃度が増加することを特徴とする請求項18に記載の方法。
  21. 過酸化水素または過酸化物化合物を直接または間接的に作り出す化学発光酵素を用いて、検出及び/又は測定することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  22. 過酸化水素または過酸化物化合物を消費する化学発光酵素を用いて、検出及び/又は測定することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  23. 過酸化水素または過酸化物化合物を直接または間接的に生成または消費する酵素を用いて、抗原、タンパク質受容体、核酸、ポリサッカライド及びバイオポリマーを検出及び/又は測定することを特徴とする請求項1に記載の方法。
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