JP4829634B2 - 触媒の形成方法およびそれを用いた炭素膜の製造方法 - Google Patents

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本発明は、カーボンナノファイバ等の炭素膜を成長させるのに好適な触媒を形成する方法およびその触媒を用いた炭素膜の製造方法に関する。
電子放出材料にカーボンナノファイバ等の炭素膜を用いることが行われている(例えば、特許文献1参照。)。このような炭素膜、例えば、カーボンナノチューブを製造する方法としては、例えば、熱エネルギが付与されている雰囲気中に、基板上に炭素の成膜を促進する物質である触媒金属を配置し、この触媒金属に炭素を含むガスを接触させることによりそのガスを分解して炭素膜を成膜する熱CVD法が提案されている。
このような熱CVD法で基板上に、カーボンナノチューブを高密度に均一に形成するためには、触媒となる金属を、できるだけ粒径の揃った微粒子にして基板上に均一な密度で分散させる必要がある。
特開2003−16912号公報
そこで、本発明は、炭素膜の成長を促進する触媒を、高い密度で均一に形成できる方法およびそれを用いた炭素膜の製造方法を提供することを解決すべき課題としている。
本発明の触媒の形成方法は、炭素膜の成長を促進する作用を有する触媒金属膜を成長させた基板に、熱エネルギおよび電気的エネルギを付与して前記触媒金属膜を微粒子化する触媒の形成方法であって、
前記電気的エネルギの付与を、前記基板に対する電圧の印加により行ない、
前記電圧が、放電現象が発生しない電圧であることを特徴とするものである。
触媒金属には、例えば、鉄、コバルト、ニッケル等の金属がある。
本発明によると、熱エネルギを付与して膜状の触媒金属を微粒子化するに際して、電気的エネルギを付与して行うので、触媒金属の微粒子の粒径および分布密度を均一に制御することができる。
したがって、この触媒金属の微粒子を起点として炭素膜を製造することにより、均一な径でかつ均一な長さの炭素膜を成長させて製造することが可能となる。
熱エネルギを付与する態様としては、アニール処理であるのが好ましい。
この印加電圧は、負電圧、正電圧のいずれでもよい。
電圧の印加は、少なくとも膜状の触媒金属が微粒子化するまでの期間に亘って行なうのが好ましい。
基板は、触媒金属膜の下層に、アルミニウムなどの下地金属膜を形成したものであってもよい。
炭素膜には、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、カーボンナノコーン、カーボンナノバンブ、グラファイトナノファイバを含むことができる。
炭素を含むガスには、例えば、アセチレン、エチレン、メタン、プロパン、プロピレン等がある。また、常温・常圧下においては気体でなくともカーボンファイバの成膜条件(圧力・温度など)において気体であれば良く、メタノールやエタノールをはじめとするアルコール類やアセトンやベンゼンなどの有機溶剤などを用いることができる。
本発明によれば、触媒金属を、粒径および分布密度が均一な微粒子にすることが可能となる。
かかる微粒子の触媒金属を用いるとともに、電気的エネルギを付与して炭素膜の成膜をアシストすることにより、炭素膜の成膜効率が向上し、かつ成膜速度、膜厚および膜質の制御が可能となる。
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施の形態に係る触媒の形成方法およびそれを用いた炭素膜の製造方法を説明する。
図1は、本発明方法の実施に用いる製造装置の一例である熱CVD装置を示す概略構成図である。
同図において、20は石英管チャンバである。石英管チャンバ20の内部には一対の平行平板電極22,24が対向配置されている。下側の平行平板電極24は、アルミナ24aに、電極24bおよび耐熱性の絶縁材としての石英板34が埋設されている。
26はガス導入管、28は排気管、30は電気炉、32は直流電源である。
直流電源32の負極側が下側平行平板電極24に接続され、直流電源32の正極側は接地されている。上側平行平板電極22は接地されている。
下側平行平板電極24のアルミナ24a上にはシリコンウエハ、石英ガラス、等からなる基板10が搭載されている。
基板10と電極24との間に絶縁部材である石英板34を挟み込むことにより基板10を電極24から電気的に絶縁した状態におき、この絶縁状態で基板10に異常放電を発生させずに高電界、例えば基板10と電極22との距離を短く設定したり、および/あるいは直流電源32の電圧を高く設定したりして高電界、を印加することができるようになっている。
この実施形態の触媒の形成方法は、炭素膜の成長を促進する作用を有する触媒金属膜を、電子ビーム物理蒸着(EB−PVD)法、スパッタリング法等によって成長させた基板10を、上記熱CVD装置を用いて熱エネルギおよび電気的エネルギを付与して触媒金属膜を微粒子化するものである。
熱エネルギの付与は、真空中(減圧下)における電気炉30による加熱処理、すなわち、熱アニール処理として行なわれる。
電気的エネルギの付与は、一対の平行平板電極22,24間に、直流電源32によって電圧を印加することにより行なわれる。
この実施形態では、一方の電極24に直流電源32の負極側を接続し、該直流電源32の正極側を接地するとともに、他方の電極22を接地する。
一方、電極24上に、触媒金属膜を成長させた基板10を搭載して該基板10に負電圧を印加しておく。この場合、上記雰囲気内にはプラズマ等の放電が発生しない条件とする。そのため、減圧圧力、雰囲気温度、印加電圧値が調整される。
直流電源32からの基板10に印加する電圧のモードとしてはパルス波形の電圧印加モード、直流電圧の印加モードのいずれでもよく、プラズマが発生しない電圧以下であればよい。
この実施形態の触媒の形成方法は、触媒金属膜を成長させた基板を、熱CVD装置を用いて真空中で熱アニール処理する際に、直流電源によって基板10に電界を印加するものであり、これによって、触媒金属を微粒子化できるとともに、後述の実施例で示すように、金属触媒の微粒子の粒径および分布密度を均一に制御することができるものである。
次に、この実施形態の炭素膜の製造法について説明する。
この実施形態の炭素膜の製造方法は、触媒の形成工程と炭素膜の成膜工程とを備えており、上記触媒の形成方法によって、触媒が形成された基板を用いて、熱CVD法によって炭素膜を成膜するものであって、その際に、電気的エネルギを付与して炭素膜の成膜をアシストするものである。
電気的エネルギの付与は、触媒の形成方法と同様に、上記熱CDV装置において、一対の平行平板電極22,24間に、直流電源32によって電圧を印加することにより行なわれる。
この実施形態では、電界を印加しながら行なう上記熱アニール処理、すなわち、上記触媒の形成に引き続いて、炭素膜の成膜を行なうものであり、電気炉30で加熱しながら減圧下で、アセチレン、エチレン、メタン、プロパン、プロピレン、一酸化炭素等の炭素を含むガスを導入する。
同時に、触媒形成のときと同様に、平行平板電極22,24間に、直流電源32によって電圧を印加するものである。
この場合、プラズマ等の放電が発生しないように、減圧圧力、温度、印加電圧値が調整される。
以上の過程により、上記ガスを、基板10上の微粒子化した触媒金属に接触させてガスを分解することにより基板10上に炭素膜を成膜することができる。
なお、上記ガスに加えて、ヘリウム、アルゴン、水素等のキャリアガスあるいは希釈ガスを導入しても構わない。
以上の製造においては、熱エネルギが付与された雰囲気内に直流電源32からプラズマ等の放電が発生しない条件下で基板10に負電圧を印加することにより、後述の実施例で示すように、触媒金属の触媒性能が向上し、成膜速度、膜厚、膜質が向上する。
なお、本発明の他の実施形態として、負電圧に代えて、正電圧を印加してもよい。
以下、触媒の形成方法およびそれを用いた炭素膜の製造方法の具体例を説明する。
図2は、触媒の形成工程およびそれに引き続く炭素膜の成膜工程における時間と温度との関係を示す図である。
同図において、横軸が時間(分)を、縦軸が温度(℃)をそれぞれ示しており、第1段階が、触媒の形成工程を示し、第2段階が、炭素膜の成膜工程をそれぞれ示している。
触媒の形成工程では、電界を印加しつつ、触媒金属膜を成長させた基板に対して熱アニール処理を実施するものであり、石英管チャンバ20を、例えば、10-3Pa程度の真空を保った状態で基板10全体を、例えば、700℃程度の温度にまで徐々に昇温しその温度に達するとその状態に放置する。熱アニールの工程時間は、例えば、30分間であるが、この工程時間は30分間に限定されず、必要に応じて任意の工程時間に設定することができる。
熱処理はこの工程時間において基板10の加熱温度を室温から700℃に昇温する。加熱雰囲気は好ましくは真空であるが、真空中に限定されない。電界を印加しながら上記熱アニールを行なうことにより、基板10上の触媒金属は膜状から粒径および分布密度が均一な微粒子状になる。
この触媒形成における電界印加の効果を確認するために、シリコン基板上に、鉄触媒の膜を、例えば、10Åの膜厚に成膜した複数のサンプル基板を準備し、上記熱CVD装置によって、図2のA2で示すように触媒形成の工程(第1段階)のみを行い、その際に、比較例として電極24に印加される負電圧が0(ゼロ)Vでサンプル基板に電界が印加されない電界非印加モードと、実施例として電極24に300Vの負電圧が印加されてサンプル基板に電界が印加される電界印加モードとで触媒形成をそれぞれ行なった。
サンプル基板は、10×10mm角であり、250μm径の円形ドットが縦横の辺に250μmの等間隔に並んだメタルマスクを使用し、電子ビーム物理蒸着法によって、鉄触媒膜を成膜した。
以上のようにして電界非印加モードで熱アニール処理して得られた比較例としてのサンプル基板および電界印加モードで熱アニール処理して得られた実施例としてのサンプル基板の表面を、AFM(原子力間顕微鏡)で評価した。
なお、説明の簡略化のために電界非印加で熱アニールした比較例としてのサンプル基板10を単に熱アニール基板、電界印加で熱アニールした実施例としてのサンプル基板を特に電界印加熱アニール基板と称する。
図3(a)は熱アニール基板のAFM写真像を、また、図3(b)は電界印加熱アニール基板のAFM写真像を示す。
図3(a)で示すように熱アニール基板上には幅30nm程度、高さ15nm程度の粗大な凸部が約100nmの粗い間隔で生成されていることを観察することができる。
また、図3(b)で示すように電界印加熱アニール基板上には幅10〜20nm、高さ5〜10nm程度の比較的小さい凸部が10〜50nmの比較的密な間隔で細かく分散されて生成されていることを観察することができる。
図3(a)(b)を対比して判るように、電界印加熱アニール基板では、熱アニール基板と比較して、細かく分散した凸部が触媒の微粒子として10倍以上の頻度で存在していることを確認することができる。このように電界印加熱アニール基板においては、電界印加効果によって、触媒金属の微粒子化が促進され、触媒の微粒子が多く生成され、触媒金属の触媒性能が向上する。
次に、シリコン基板上に、アルミニウムの下地膜と鉄触媒の膜とを、電子ビーム物理蒸着法によって、例えば、100Åと20Åの膜厚でそれぞれ成膜した複数のサンプル基板を準備し、電界非印加モードと電界印加モードとで熱アニール処理して触媒形成を行ない、得られたサンプル基板の表面をFE−SEMおよびAFMを用いて評価した。
図4(a)は熱アニール基板のSEM写真像であり、図4(b)は電界印加熱アニール基板のSEM写真像である。
図4(a)では1辺が30nm程度の多角形状に微粒子化した触媒を多く確認することができる。図4(b)では直径が20nm以下の丸みを帯びた形状の触媒を確認することができる。
この触媒の形状を、図5(a)(b)のAFM写真像によりさらに詳細に示す。図5(a)は図4(a)に対応する写真像であり、この写真像から電界非印加モードで熱アニールした場合、図中点線で代表的に選択して囲む数個の触媒微粒子の粒径は直径10nm以下〜80nm以上の大きさの分布幅を持っている。図5(b)は図4(b)に対応する写真像であり、この写真像から、電界印加モードで熱アニールした場合、図中点線で代表的に選択して囲む数個の触媒微粒子の粒径は直径20〜50nm程度で揃っていることが判る。
上記AFM写真像に基づいて粒度分布を解析した結果を、図6および図7に示す。
図6(a),(b)は、図5(a),(b)にそれぞれ対応するものであり、熱アニール基板および電界印加熱アニール基板の触媒微粒子の粒径に対する個数を示すものであり、横軸は粒径の範囲を、縦軸はその粒径の範囲に属する微粒子の個数をそれぞれ示している。
これらの図に示すように、電界印加モードで熱アニールした電界印加熱アニール基板の触媒微粒子の粒径の分布範囲は、11nm〜50nmであるのに対して、電界非印加モードで熱アニールした熱アニール基板の触媒微粒子の粒径の分布範囲は、0nm〜100nmと大きくなっている。
すなわち、電界印加熱アニール基板の触媒微粒子の粒径の分布幅は、40nm以内であるのに対して、熱アニール基板の触媒微粒子の粒径の分布幅は、100nm以内と広く、熱アニール基板の触媒微粒子の粒径は、電界印加熱アニール基板の触媒微粒子の粒径に比べて、広い範囲に分布していることが判る。
更に、電界印加モードで熱アニールした電界印加熱アニール基板の触媒微粒子は、31nm〜40nmの粒径のものが6割以上を占めるのに対して、電界非印加モードで熱アニールした熱アニール基板の触媒微粒子は、最も個数が多い51nm〜60nmの粒径のものでも2割程度に留まり、幅広く分布している、すなわち、粒径のばらつきが大きいことが判る。
上記のように電界印加熱アニール基板の触媒微粒子は、その粒径が、31nm〜40nmの範囲、すなわち、10nmの分布幅に収まるものが6割以上を占めている。
このように電界印加熱アニール基板は、電界を印加しない熱アニール基板に比べて、触媒微粒子の粒径および分布密度が均一であることが判る。
次に、図2における第1段階(触媒形成工程)および第2段階(成膜工程)を備える炭素膜の製造工程について説明する。
この炭素膜の製造工程においては、A1に示すように、第1段階の触媒形成工程に引き続いて、触媒形成工程で基板10上に生成した触媒の微粒子をカーボンナノチューブの成長起点としてカーボンナノチューブを成長させて成膜するものである。
この成膜工程においては、電界を印加しつつ、例えば、チャンバ内圧力200Paで、例えば、700℃の温度で炭素を含むガスとして例えばC22(アセチレンガス)を所要の流量、例えば100SCCM以下の流量で導入し、そのガス雰囲気内でその温度をさらに約30分間程度維持して化学的気相蒸着(CVD)により成膜を行う。
成膜後は、冷却(自然冷却、強制冷却)する。成膜工程では触媒の微粒子にアセチレンガスが接触して分解され、その触媒の微粒子を成長起点としてカーボンナノチューブが基板10上に成長する。
次に、上述の図3(a)に示される比較例としての電界非印加モードで形成されたサンプル基板および図3(b)に示される実施例としての電界印加モードで形成されたサンプル基板について、電界非印加モードおよび電界印加モードでそれぞれカーボンナノチューブを製造し、SEMによって評価した。なお、このカーボンナノチューブの成膜条件は、触媒金属が膜厚10Åの鉄触媒、原料ガスがHe希釈の20%のC22(アセチレンガス)、成膜温度が700℃、ガス流量が100SCCM、成膜圧力200Pa、成膜時間が30分である。
図7は電界非印加モードで製造した比較例としてのカーボンナノチューブ束の側面のSEM写真像である。図7(a)のSEM写真像からは基板上に直径250μm、高さ70μmのカーボンナノチューブ束が製造されていることを確認することができる。また、図7(a)の矩形枠部分を拡大して示す図7(b)のSEM写真像からカーボンナノチューブ束を構成するカーボンナノチューブが粗な間隔で個々に成長していることを確認することができる。
図8は電界印加モードで製造した実施例としてのカーボンナノチューブ束の側面のSEM写真像である。図8(a)のSEM写真像からは基板上に直径250μm、高さ290μmのカーボンナノチューブ束が製造されていることを確認することができ、図8(a)の矩形枠部分を拡大して示す図8(b)のSEM写真像からはカーボンナノチューブ束を構成するカーボンナノチューブが密な間隔でほぼ均一に成長していることを確認することができる。
図7と図8の両SEM写真像を比較して明らかであるように電界印加モードで製造されたカーボンナノチューブは、電界非印加モードで製造されたカーボンナノチューブよりも、垂直配向性および成長密度が飛躍的に増加し、成膜速度および膜厚が向上していることが判る。
次に、上述の図4(a)に示される比較例としての電界非印加モードで形成されたサンプル基板および図4(b)に示される実施例としての電界印加モードで形成されたサンプル基板について、電界非印加モードおよび電界印加モードでそれぞれカーボンナノチューブを製造し、得られた基板をそれぞれ電子エミッタとして発光特性を評価した。なお、このカーボンナノチューブの成膜条件は、触媒が膜厚100Åのアルミニウムの下地膜と膜厚20Åの鉄触媒、原料ガスがHe希釈の20%のC22(アセチレンガス)、成膜温度が700℃、ガス流量が100SCCM、成膜圧力200Pa、成膜時間が30分である。
図9(a)(b)はそれぞれ熱アニール基板と電界印加熱アニール基板とをそれぞれ電子エミッタとし、これら基板上にそれぞれ成長したカーボンナノチューブから電界電子放出された電子の衝突により発光している各蛍光体基板の写真である。
図9(a)(b)を比較して、図9(a)の蛍光体基板の発光点数よりも図9(b)の蛍光体基板の発光点数が多いことを確認することができる。
上述のように、10×10mm角のサンプル基板に、250μm径の円形ドットが縦横の辺に250μmの等間隔に並んだメタルマスクを使用して触媒膜を成膜したので、図9に示される10×10mm角の蛍光体基板の1辺には、カーボンナノチューブの束が、20個形成されることになる。
したがって、図9(a)の熱アニール基板による場合、蛍光体基板上の発光点数はカーボンナノチューブ束1本当たり1〜2点であると考えられる。一方、図9(b)の電界印加熱アニール基板による場合、蛍光体基板上の発光点数はカーボンナノチューブ束1本当たり5〜6点であると考えられる。
このように電界印加モードで製造された図9(b)の電界印加熱アニール基板は、電界非印加モードで製造された図9(a)の熱アニール基板よりも、膜質が向上してエミッション特性が向上していることが判る。
なお、図9(a)(b)それぞれの写真中に見られる蛍光体基板上で特に明るく発光している発光点(図中矢印)は基板を測定治具に固定する際に受けた傷(凹凸箇所)や基板端部での電界集中による電界電子放出によると考えられる。
上述の実施形態では、微粒子化した触媒金属を用いて熱CVD法によって、カーボンナノチューブを製造したけれども、本発明の他の実施形態として、微粒子化した触媒金属を用いてプラズマCVDや他の方法でカーボンナノチューブや他の炭素膜を製造してもよい。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内で、種々な変更ないしは変形を含むものである。
図1は本発明の実施に係る製造方法の実施に用いる熱CVD装置の概略構成を示す図である。 図2はカーボンナノチューブの製造工程を示す図である。 図3(a)は熱アニール基板のAFM写真像、図3(b)は電界印加熱アニール基板のAFM写真像である。 図4(a)は熱アニール基板上の触媒微粒子のSEM写真像、図4(b)は電界印加熱アニール基板上の触媒微粒子のSEM写真像である。 図5(a)は熱アニール基板上の触媒微粒子のAFM写真像、図5(b)は電界印加熱アニール基板上の触媒微粒子のAFM写真像である。 図6(a)は熱アニール基板上の触媒微粒子の粒度分布、図6(b)は電界印加熱アニール基板上の触媒微粒子粒度分布を示す図である。 図7は電界非印加モードで製造したカーボンナノチューブのSEM写真像である。 図8は電界印加モードで製造したカーボンナノチューブのSEM写真像である。 図9(a)は電界非印加モードで製造したカーボンナノチューブにより放出される電子により発光している蛍光体基板の写真像、図9(b)は電界印加モードで製造したカーボンナノチューブにより放出される電子により発光している蛍光体基板の写真像である。
符号の説明
10 基板
12 カーボンナノチューブ(炭素膜)
20 石英管チャンバ
22,24 平行平板電極
24a アルミナ
24b 電極
26 ガス導入管
28 排気管
30 電気炉
32 直流電源
34 石英板

Claims (3)

  1. 炭素膜の成長を促進する作用を有する触媒金属膜を成長させた基板に、熱エネルギおよび電気的エネルギを付与して前記触媒金属膜を微粒子化する触媒の形成方法であって、
    前記電気的エネルギの付与を、前記基板に対する電圧の印加により行ない、前記電圧が、放電現象が発生しない電圧であることを特徴とする触媒の形成方法。
  2. 前記熱エネルギの付与がアニール処理である請求項1に記載の触媒の形成方法。
  3. 前記基板は、前記触媒金属膜の下層に下地金属膜を有する請求項1または請求項2に記載の触媒の形成方法。
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