JP4827520B2 - 樹脂ペレット貯蔵装置及びその清掃方法 - Google Patents
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Description
図6に示すように、樹脂ペレット貯蔵装置として使用される一般的なサイロ100は、樹脂ペレットが投入される投入口101と、樹脂ペレットを貯溜する胴部102と、サイロ100の下部を中心に向けて絞り込むコーン部103と、サイロ100の最下部から樹脂ペレットを排出する排出口104と、サイロ100の最下部よりも上方に溜った樹脂ペレットをサンプルとして抽出するサンプル抽出口105、レベル計106とを備えて構成されている。
これは静電気によりサイロ100の内壁に付着した切粉や樹脂屑の影響と考えられる。例えば、図8に示すように、サイロ100内の樹脂ペレットは、所謂、砂時計の砂の様に中心部から崩れて先に排出され、最後に外周部が崩れて排出されるため、最後に排出される樹脂ペレットは、サイロ100の内壁に付着した切粉や樹脂屑を伴い易くなる。特に、最後に排出される樹脂ペレットは、コーン部103の内壁を擦りながら落ちてくるので、最下部に溜まった金属粉、切粉、樹脂屑等の異物を多く伴って排出される。
したがって、最後に排出される樹脂ペレットは、規格外品として別経路で処理されるべきである。規格外品として処理される樹脂ペレットの量は、サイロの大きさ、樹脂ペレットの規格、ロットの定義などにもよるが、ロットの区切りの境で特定バッチ数量(フレキシブルコンテナ、ローリー等の輸送容器容量)に満たないものを、他のロットと混合することなく、所謂、山欠け品として処理することができる。
なお、最後に排出される樹脂ペレットを規格外品としないために、アフターブレンドと呼ばれるサイロ内均一化装置を用いて、サイロ内の樹脂ペレットを均一化する場合があるが、アフターブレンドは、折角、静電気によりサイロの内壁に付着した切粉や樹脂屑を再び樹脂ペレットに混入させ、異物含有量を増加させる可能性があるので、光ディスク基板等の材料として用いられる低異物樹脂ペレットにおいては、相応しい解決手段とは言えない。
また、特許文献2には、微粉末の発生が少ない光学用成形材料が示されている。この光学用成形材料は、直径1.0mm以下の微粉体を250ppm以下、更に150ppm以下としているが、例えば、DVD−RやDVD−RAMのようなDVD用途向け低異物樹脂ペレットでは、50ppm以下、好ましくは30ppm以下でなければ、ディスクメーカーの要求は満たせない。
また、特許文献2は、押出機から吐出されたストランドのカッティング条件を定めたものであって、樹脂ペレットの貯蔵するサイロについては具体的な記述がない。
また、規格品の排出経路と、規格外品の排出経路が別々に確保されているので、規格外品による下流設備の汚染を回避できるだけでなく、管理の簡略化も図れる。
このようにすると、サイロ内の最下部よりも上方に溜った規格品と同等の低異物樹脂ペレットを、例えば、分析評価用サンプルとして抽出することができる。
このようにすると、規格品排出経路にブレンド機能を付与し、規格品における異物含有量の均一化が図れる。
このようにすると、サイロに対する樹脂ペレットの投入開始時に、樹脂ペレットがサイロの内壁に当たり、ここに付着した切粉や樹脂屑を落下させるので、これらの切粉や樹脂屑をサイロの最下部近傍に溜め、規格品と区分けできる。これにより、前回のロットでサイロの内壁に付着残留した切粉や樹脂屑による異物含有量の増加を回避できる。
このようにすると、樹脂ペレットの排出に伴ってサイロ内が負圧となっても、フィルタで濾過されたクリーンエアーによって差圧調整されるので、外気の吸入によるサイロ内の汚染を防止することができる。
このようにすると、クリーンな気体によってサイロ内を常に正圧に保ち、サイロ内が負圧になって外気が吸入されることによるサイロ内の汚染を防止することができる。
このようにすると、サイロの内壁に付着した切粉や樹脂屑を除去し、規格外品排出経路から排出することができる。これにより、前回のロットでサイロの内壁に付着残留した切粉や樹脂屑の混入による異物含有量の増加を回避できる。
このようにすると、既存設備の利用や比較的簡単な装置の追加により、サイロ内の清掃が可能となる。
また、規格品の排出経路と、規格外品の排出経路が別々に確保されているので、規格外品による下流設備の汚染を回避できるだけでなく、管理の簡略化も図れる。
まず、本発明の実施形態に係る樹脂ペレット貯蔵装置について、図1〜図5を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る樹脂ペレット貯蔵装置の全体正面断面図、図2の(a)、(b)は、本発明の実施形態に係る樹脂ペレット貯蔵装置の下部平面断面図、下部正面断面図、図3の(a)、(b)は、本発明の実施形態に係る樹脂ペレット貯蔵装置の上部平面断面図、上部正面断面図、図4の(a)、(b)は、本発明の実施形態に係る樹脂ペレット貯蔵装置のスライドゲートバルブを示す説明図、(c)は、従来例に係るスライドゲートバルブの説明図、図5の(a)、(b)、(c)は、本発明の実施形態に係る樹脂ペレット貯蔵装置のロータリバルブを示す斜視図、平面図、側面図である。
サイロ1は、上部に投入口5を有する胴部6と、サイロ1の下部を中心に向けて絞り込むコーン部7とを備え、投入口5から投入された樹脂ペレットを貯溜する。樹脂ペレットには、切粉、樹脂屑などの異物が含まれる。異物の一部は、静電気でサイロ1の内壁に付着したり、ここから落下してサイロ1の最下部に溜りやすい。
規格品排出経路2は、サイロ1内の最下部近傍よりも上方に保有される低異物樹脂ペレットを、規格品としてサイロ1外に排出する経路であり、本実施形態では、サイロ1の底部を上下方向に貫通する配管で構成される。
規格外品排出経路3は、サイロ1内の最下部近傍に溜った高異物樹脂ペレットを、規格外品としてサイロ1外に排出する経路であり、本実施形態では、コーン部7の最下部に連通する配管で構成される。
サンプル抽出経路4は、サイロ1内の最下部近傍よりも上方に保有される低異物樹脂ペレットを、サンプルとしてサイロ1外に抽出する経路であり、本実施形態では、コーン部7を斜め方向に貫通する配管で構成される。
また、規格品排出経路2と規格外品排出経路3が別々に確保されているので、規格外品による下流設備の汚染を回避できるだけでなく、管理の簡略化も図れる。
また、サンプル抽出経路4は、サイロ1内の最下部近傍よりも上方から樹脂ペレットを抽出するので、規格品と同等の低異物樹脂ペレットをサンプルとして抽出できる。
このようにすると、複数の流入口から流入した樹脂ペレットがその下方で合流することにより、樹脂ペレットがブレンドされるので、規格品排出経路2にブレンダ機能を付加し、規格品における異物含有量の均一化が図れる。
なお、樹脂ペレット流入口は、渦巻状の多重構造にしてもよい。このようにしても、上記効果を得ることができる。
このようにすると、サイロ1に対する樹脂ペレットの投入開始時に、樹脂ペレットがサイロ1の内壁に当たり、ここに付着した切粉や樹脂屑を落下させるので、これらの切粉や樹脂屑をサイロ1の最下部に溜め、規格品と区分けできる。これにより、前回のロットでサイロ1の内壁に付着残留した切粉や樹脂屑による異物含有量の増加を回避できる。
このようにすると、樹脂ペレットの排出に伴ってサイロ1内が負圧となっても、フィルタ11で濾過されたクリーンエアーによって差圧調整されるので、外気の吸入によるサイロ1内の汚染を防止できる。
このようにすると、クリーンな気体によってサイロ1内が常に正圧に保つことができるので、外気の吸入によるサイロ1内の汚染を防止できる。
特に、一般的なスライドゲートバルブ15の場合、図4の(c)に示すように、ゲートナイフ16が収納されるゲートポケット部17とゲートナイフ16の先端の間にどうしても樹脂ペレットを噛み込んでしまうため、異物の発生リスクが他のバルブよりも高くなる。
また、図4の(b)に示すように、ゲートナイフ16が斜め上方に格納される際、ゲートナイフ16の表面に静電気で付着した樹脂ペレットを噛み込まないように、少なくとも、露点−10℃以下まで乾燥されたクリーンエアーやクリーン窒素をゲートナイフ16に向けて噴射し、付着した樹脂ペレットを吹き飛ばすことが好ましい。
この例は、ロータリバルブ18の筐体側に加工を施したものであるが、「く」の字状に加工したローターブレード19でも同様な効果が期待できる。
なお、サイロ1の内部については、ペレット接触面のすべての溶接ビードを除去し、少なくともIIB板相当の表面粗さとしなければならない。好ましくは#300、更に好ましくは#400以上のバフ研磨を施すことが好ましい。
また、スライドゲートバルブ、ロータリバルブの内部についても、ペレット接触面のすべての溶接ビードを除去し、少なくとも#300以上、好ましくは#400以上のバフ研磨を施さなければならない。
つぎに、本発明の実施形態に係る樹脂ペレット貯蔵装置の清掃方法について、図1を参照して説明する。
本発明の実施形態に係る樹脂ペレット貯蔵装置の清掃方法は、規格外品排出経路3を開け、サイロ1内の最下部に溜った高異物樹脂ペレットをサイロ1外に排出した後、規格外品排出経路3を開けたまま、サイロ1の内壁に付着した付着物の除去処理を行う点に特徴がある。
このようにすると、サイロ1の内壁に付着した切粉や樹脂屑を除去し、規格外品排出経路3から排出することができるので、前回のロットでサイロ1の内壁に付着残留した切粉や樹脂屑による異物含有量の増加を回避できる。
このようにすると、既存設備の利用や比較的簡単な装置の追加により、サイロ1内の清掃が可能なる。
図1に示すサイロ1(内容積:260m3、約180MTのペレットが貯蔵可能)を使用した。サイロ1は、底部から内部に突き出した樹脂配管からなる規格品排出経路2(内径12インチ、底部から内部に突き出した長さ600mm)と、サイロ1の最下部に溜まった樹脂ペレットを抜き出すための規格外品排出経路3(内径8インチ)と、サイロ1の内部中央部から樹脂ペレットをサンプリングするサンプル抽出経路4を備える構造とした。
樹脂ペレットの投入前に、サイロ1の内部をエアーブローし、また、サイロ1の外壁をハンマリングし、サイロ1の内壁に静電気で付着していたポリカーボネート微粉体を可能な限り除去した。このサイロ1にポリカーボネート樹脂ペレット(16メッシュ・アンダーのポリカーボネート微粉体を80ppm含有)を150MT投入し、規格品排出経路2から約149.3MTの樹脂ペレットを抜き出した。抜き出されたポリカーボネート樹脂ペレット中の16メッシュ・アンダーの微粉体含有量を測定したところ、その含有率は30ppmであった。16メッシュ・アンダーの微粉体除去率は、68%であった。
これは、150MTに含まれる80ppmの微粉体12kgの内7.5kgが、サイロ1の内壁に付着したと考えられる。また、サイロ1の最下部に溜まった樹脂ペレット700kgの微粉体量を調べたところ、220ppmに増加していた。
実施例1において、16メッシュパスの微粉体を200ppm含有するポリカーボネート樹脂ペレットに変更した以外は同様にして実施した結果、規格品排出経路2から抜き出されたポリカーボネート樹脂ペレット中の16メッシュパスの微粉体量は110ppmであった。16メッシュパスの微粉体除去率は、45%であった。
内部には、底部から内部に突き出した樹脂排出配管(規格品排出経路)を具備しないサイロ(内容積:260m3、約180MTのペレットが貯蔵可能)を使用し、同じく樹脂ペレットの投入前に、サイロの内部をエアーブローし、また、サイロの外壁をハンマリングし、サイロの内壁に静電気で付着していたポリカーボネート微粉体を可能な限り除去した。
このサイロにポリカーボネート樹脂ペレット(16メッシュパスの微粉体を80ppm含有)を150MT投入した。樹脂排出配管(規格品排出経路)がないので、約150MTの樹脂ペレットが抜き出される。抜き出し最中のポリカーボネート樹脂ペレット中の16メッシュパスの微粉体含有量を測定したところ、その含有率は同じく30ppmであったが、抜き出し直後の0.5トン、並びにサイロが空になる前の147トンを抜き出した辺りから16メッシュパスの微粉体が増加し、始めの0.5トン、最後の1トンの微粉体量は最大で110ppm、180ppmと急増した。
これらを考慮すると、サイロを1ロットと見れば、この1ロットの樹脂ペレットの品質を一定に保つためには、特に、微粉体の多い抜き出し直後、最後を合わせた最低2〜3トン程度を山欠け品(規格外品)とし、規格品と区分けして管理する必要がある。
2 規格品排出経路
3 規格外品排出経路
4 サンプル抽出経路
5 投入口
9 誘導部材
12 差圧調整用通気経路
13 気体供給経路
Claims (8)
- 樹脂ペレットを貯蔵するサイロと、
前記サイロ内の最下部よりも上方に樹脂ペレット流入口を配置し、異物含有量の少ない低異物樹脂ペレットを規格品として前記サイロ外に排出する規格品排出経路と、
前記サイロ内の最下部に樹脂ペレット流入口を配置し、異物含有量の多い高異物樹脂ペレットを規格外品として前記サイロ外に排出する規格外品排出経路と
を有することを特徴とする樹脂ペレット貯蔵装置。 - 前記サイロ内の前記規格品排出経路の樹脂ペレット流入口よりも上方に樹脂ペレット流入口を配置し、異物含有量の少ない低異物樹脂ペレットを、サンプルとして前記サイロから抽出するサンプル抽出経路を備えることを特徴とする請求項1記載の樹脂ペレット貯蔵装置。
- 前記規格品排出経路の樹脂ペレット流入口が、複数に分割されている多重管構造であることを特徴とする請求項1又は2記載の樹脂ペレット貯蔵装置。
- 前記サイロのペレット投入口に近接して配置され、前記ペレット投入口から投入されたペレットの一部を前記サイロの内壁に沿って落下させる、中心部に孔を有する傘状の誘導部材を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂ペレット貯蔵装置。
- 前記サイロの内圧を外気の圧力と均一化させる差圧調整用通気経路を備えるとともに、この差圧調整用通気経路に、外気からの異物混入を防止するフィルタを備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂ペレット貯蔵装置。
- 前記サイロ内の圧力を正圧に保つための気体を供給する気体供給経路を備えるとともに、この気体供給経路に、異物混入を防止するフィルタを備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂ペレット貯蔵装置。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂ペレット貯蔵装置を清掃する方法であって、
前記規格外品排出経路を開け、前記サイロ内の最下部近傍に溜った高異物樹脂ペレットを前記サイロ外に排出した後、
前記規格外品排出経路を開けたまま、前記サイロの内壁に付着した付着物の除去処理を行う
ことを特徴とする樹脂ペレット貯蔵装置の清掃方法。 - 前記除去処理が、前記サイロに樹脂ペレットを投入するための空送エアーを用いて、前記サイロ内をブローする処理、及び/又は、前記サイロの外壁に機械的な衝撃や振動を与える処理であることを特徴とする請求項7記載の樹脂ペレット貯蔵装置の清掃方法。
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