JP4826185B2 - 反応器及び発電装置 - Google Patents

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Description

本発明は、基板に溝が形成され、溝を蓋基板で覆うことによって基板との間に流路を形成した反応器及び反応器を備えた発電装置に関する。
近年では、マイクロリアクタと呼ばれる小型反応器が開発・実用化されている。マイクロリアクタは、複数種類の原料や試薬、燃料などの反応物を互いに混合させながら反応させる小型反応器であって、マイクロ領域での化学反応実験、薬品の開発、人工臓器の開発、ゲノム・DNA解析ツール、マイクロ流体工学の基礎解析ツールなどに利用されている。マイクロリアクタを用いる化学反応には、ビーカ、フラスコなどを用いた通常の化学反応にはない特徴がある。例えば、反応器全体が小さいため、熱交換率が極めて高く温度制御が効率良く行えるという利点がある。そのため、精密な温度制御を必要とする反応や急激な加熱又は冷却を必要とする反応でも容易に行うことができる。
マイクロリアクタとして、マイクロリアクタ内の反応を促進させるために、加熱手段をもつものが一般的であるが、電熱線などを巻き付けたりして外部から熱を供給するタイプと、シリコン基板等に予め加熱手段を形成しておくいわゆる自己加熱タイプとがある。
自己加熱型のマイクロリアクタは、シリコン基板の一方の面に薄膜ヒータを所定形状で形成し、他方の面に流路となる溝を所定形状で形成する。その後、ガラス基板を流路面に
接合して流路を形成する。そして、薄膜ヒータに所定の電力で通電して薄膜ヒータで加熱することによって化学反応に必要な熱を供給し、薄膜ヒータ面にも場合によってはガラス基板を接合して三層構造とする場合がある。このように薄膜ヒータ面に接合するガラス基板は、薄膜ヒータを保護する他に、薄膜ヒータの熱拡散を防止し熱効率を良くする働きを有している。そのため、薄膜ヒータ側のガラス基板にはザグリ加工が施されたものがしばしば使用され、さらには断熱性能を高めるためにザグリ加工によって形成された空間を真空にしてシリコン基板と接合する方法がよく用いられている。また、シリコン基板に形成した溝に、化学反応の反応速度を高める触媒を形成することが多く、様々な触媒を形成させることが可能であるが、代表的なものとして一つのもしくは複数の無機担体と、一つ又は複数の金属種又は金属酸化物とを組み合わせた、いわゆる不均一系触媒が代表的なものとしてしばしば用いられる。
ところで、マイクロリアクタが通常の管型反応器等と比べて特徴的な部分として、反応体積当たりの表面積が大きいという点が挙げられる。この特徴は、触媒の温度分布の均一性向上や発熱反応時における除熱特性向上の利点が大きいが、反面放熱性が良好であるために、吸熱反応においてはエネルギーロスが大きくなるという欠点があった。
そこで、吸熱反応と発熱反応とを組み合わせた反応を行い、熱量を補うという方法が知られている。例えば、炭化水素と水から水素を生成し、不純物である一酸化炭素を除去するいわゆる水蒸気改質プロセスを想定した場合に、比較的大型の反応器においては、改質プロセスのうち吸熱反応である水素生成反応と、発熱反応である燃焼反応や一酸化除去反応の配置を工夫することにより熱交換機能をもたせることができる(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−319213号公報
例えばメタノールと水から水素を生成する水蒸気改質反応(吸熱反応)(式(1)参照)に部分酸化反応(発熱反応)(式(2)参照)を組み合わせた方法が挙げられる。
CHOH+HO→3H+CO…(1)
CHOH+1/2O→2H+CO…(2)
しかしながら、効率良く熱交換させるためには反応器のレイアウトに厳密な設計が求められる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、流路内に反応原料を通過させることによって発熱反応と吸熱反応とを行う場合に、効率良く熱交換を行うことができ、また、反応効率に優れた反応器及び発電装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、反応器本体の内部に流路が形成され、
前記反応器本体は、一方の面に溝が形成された基板と、前記基板の一方の面に前記溝を覆うことによって前記基板との間に前記流路を形成する蓋基板とを備え、
前記流路内に部分酸化反応に供する第1触媒と水蒸気改質反応に供する第2触媒とが前記流路の上流側から下流側にかけて交互に複数回配置されるように形成されていることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、反応器本体の内部に形成された流路内に互いに異なる触媒が交互に形成されているので、流路内に反応原料を通過させることによって、一方の触媒により発熱反応が生じ、他方の触媒により吸熱反応が生じ、発熱反応と吸熱反応とが交互に行われる。したがって、発熱反応で発生する反応熱を、隣接する触媒に直接伝達して吸熱反応を起こすことができるため、効率良く熱交換を行うことができる。
また、発熱反応と吸熱反応とが交互に起こるように流路内に各触媒を交互に形成しているので、流路の反応原料を導入する上流側では、反応量が大きくなるため発熱反応による発熱量及び吸熱反応による吸熱量が大きくなる。そのため、上流側においては発熱量・吸熱量ともに大きい部分同士が相対し、逆に流路の下流側においては発熱量・吸熱量ともに小さい部分同士が相対する関係となるので、より熱バランスが得やすい構造となる。
さらに、従来のように別途加熱手段を設ける場合に比して、反応器の内部から直接熱を供給する構造となるので、起動特性に優れる。そして、流路内を流れる反応原料自体も熱を伝える作用があるので、速やかに熱交換が可能という効果がある。
請求項の発明は
反応器本体の内部に流路が形成され、
前記反応器本体は、両面に複数の溝が形成された基板と、前記基板の両面に前記溝をそれぞれ覆うことによって前記基板との間に前記流路を形成する蓋基板とを備え、
前記流路は、前記基板の一方の面に形成された各溝と、他方の面に形成された各溝とが、基板の両面を貫通して各溝を交互に連通する貫通孔によって連続して構成され、
前記一方の面の流路内に部分酸化反応に供する前記第1触媒が形成され、前記他方の面の流路内に水蒸気改質反応に供する第2触媒が形成されることによって、前記第1触媒と前記第2触媒とが前記流路の上流側から下流側にかけて交互に複数回配置されるように形成されていることを特徴とする。
請求項の発明によれば、基板の一方の面に形成された溝と他方の面に形成された溝とが貫通孔を介して交互に連通されて連続した流路が構成されており、この流路内に反応原料を通過させることによって、基板の一方の面の流路で発熱反応が生じ、貫通孔を介して他方の面の流路で吸熱反応が生じ、発熱反応と吸熱反応とが交互に行われる。したがって、上述のように発熱反応で発生する反応熱を、他方の面に直接伝達して吸熱反応を起こすことができるため、効率良く熱交換を行うことができる。
請求項の発明は、請求項1又は2に記載の反応器において、
前記蓋基板に溝が形成され、前記溝内に触媒が形成されていることを特徴とする。
請求項の発明によれば、蓋基板に溝が形成され、溝内に触媒が形成されているので、流路の断面積を大きくすることができ、また、触媒量の増加及び流路内での反応原料の滞留時間の増加が図れ、反応効率に優れる。
請求項の発明は、請求項1〜のいずれか一項に記載の反応器において、
前記流路内を電気エネルギーにより加熱する加熱手段を有していることを特徴とする。
請求項の発明によれば、流路内を電気エネルギーにより加熱する加熱手段を有しているので、反応速度を速めることができ、温度制御を行い易い。
請求項の発明は、請求項1〜のいずれか一項に記載の反応器において、
前記発熱反応が酸化反応であることを特徴とする。
請求項の発明は、請求項1〜のいずれか一項に記載の反応器において、
水素を含む炭素化合物と、水と、酸素とを混合した混合物から水素を発生させることを特徴とする。
請求項の発明は、発電装置において、
請求項1〜のいずれか一項に記載の反応器で生成した水素から電気エネルギーを生成することを特徴とする。
本発明によれば、発熱反応で発生する反応熱を、速やかに吸熱反応側に伝達することができるので、熱効率に優れる反応器及び発電装置を提供することができる。
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための最良の形態について説明する。ただし、発明の範囲は図示例に限定されないものとする。
[第一の実施の形態]
図1は、反応器100の斜視図、図2(a)は、反応器100を構成する基板1の一方の面11の平面図、図2(b)は、基板1の他方の面12の透過平面図、図3は、図2(a)において切断線III−IIIに沿った面の反応器100の矢視断面図、図4は、図2(a)において切断線IV−IVに沿った面の反応器100の矢視断面図、図5は図2(a)において切断線V−Vに沿った面の反応器100の矢視断面図、図6は図2(a)において切断線VI−VIに沿った面の矢視断面図である。(図2(a)と図2(b)は、同じ向きから見た平面図と透過平面図の関係なので、図2(a)の左上の角は、図2(b)の左上の角に対応している。)
本発明に係る反応器は、セラミック、シリコン、アルミニウム、ガラス等の材料(シリコン、ガラスがより好ましい。)から板状に形成された基板1と第一の蓋基板2及び第二の蓋基板3とを互いに重ね合わせて接合した構造を有している。なお、本発明で言う反応器本体は、基板1、第一の蓋基板2及び第二の蓋基板3とで構成される。
基板1は、所定の厚みを有し平面視長方形状をなした基板であって、上下両面が平坦でかつ互いに平行となるように形成されている。この基板1の一方の面(図中、上面)11には、平面視略コ字状の四つの溝4,4,…と平面視直線状の一つの溝5とが基板1の長手方向に沿って所定間隔に並んで形成されている。コ字状溝4は、基板1の短手方向に沿って平行な棒状部41と、互いに隣接する棒状部41,41を一方の端部同士で連結する連結部42とを備え、これによって平面視略コ字状に形成されている。また、図中、最も右側に位置するコ字状溝41に隣接して平面視直線状の溝5が形成されている。直線状溝5は、コ字状溝4の棒状部41と平行となるように形成されている。
コ字状溝4と直線状溝5とは、連結部42と逆側の端部に基板1の他方の面(図中、下面)に貫通する貫通孔43,43,…、51がそれぞれ形成されている。
一方、基板1の他方の面12には、平面視略コ字状の四つの溝6,6,…が基板1の長手方向に沿って所定間隔に並んで形成されている。コ字状溝6は、基板1の一方の面11に形成されたコ字状溝4と同様に棒状部61,61と連結部62とを備えている。また、図中、最も左側に位置するコ字状溝6に隣接して平面視直線状の溝7が形成されている。
コ字状溝6と直線状溝7とは、連結部62と逆側の端部に基板1の一方の面11に貫通する貫通孔63,63,…、71が形成されている。貫通孔43,51,63,71は、基板1の一方の面11に形成されたコ字状溝4又は直線状溝5と、これら各溝4,5に対応して他方の面に形成されたコ字状溝6又は直線状溝7とを、一方の面11と他方の面12とにおいて交互に連通している。詳細には、基板1の右側から順に一方の面11に形成された直線状溝5の貫通孔51と、他方の面12に形成された最も右側の棒状部61の貫通孔63とが互いに連通している。さらに、直線状溝5の左隣の棒状部41の貫通孔43と、他方の面12に形成された右から2番目の棒状部61の貫通孔63とが互いに連通している。同様にして右側から順に、一方の面11に形成された棒状部41の貫通孔43と他方の面に形成された棒状部61の貫通孔63とが連通し、最後に、一方の面に形成された最も左側の棒状部41の貫通孔43と、他方の面12に形成された直線状溝7の貫通孔71とが互いに連通している。その結果、一方の面11と他方の面12とを交互に蛇行する一つの流路が構成される。
このような基板1の一方の面11に、溝4,5を覆うように第一の蓋基板2が接合されており、基板1と第一の蓋基板2との間に上記流路が構成されている。第一の蓋基板2は、所定の厚みを有し平面視長方形状をなした基板であって、上下両面が平坦でかつ互いに平行となるように形成されており、基板1と同じ大きさをなしている。
第一の蓋基板2には、基板1に形成された直線状溝5に通じ、反応原料を導入するための導入孔21が第一の蓋基板2の上下面を貫通して形成されている。また、第一の蓋基板2で溝4,5が覆われることによって形成された流路の内壁面には、反応原料の反応を促進するための触媒8が形成されている。
基板1の他方の面12に、溝6,7を覆うように第二の蓋基板3が接合されており、基板1と第二の蓋基板3との間に上記流路が構成されている。第二の蓋基板3は、所定の厚みを有し平面視長方形状をなした基板であって、上下両面が平坦でかつ互いに平行となるように形成されており、基板1と同じ大きさをなしている。
第二の蓋基板3には、基板1に形成された直線状溝7に通じ、反応後の生成物を排出するための排出孔31が第二の蓋基板3の上下面を貫通して形成されている。また、第二の蓋基板3で溝6,7が覆われることによって形成された流路の内壁面には、反応原料の反応を促進するための触媒9が形成されている。
基板1の一方の面11の流路に形成された触媒8と他方の面12に形成された触媒9とは、互いに異なる触媒であり、一方の面11の流路に形成された触媒8は、発熱反応を優先的に選択する性質を有し、他方の面12の流路に形成された触媒9は吸熱反応を優先的に選択する性質を有している。これら触媒8,9は、Cu,Pd,Pt,Zn,Fe,Cr,Al,Ce,Zr,Ti,Co,Ni,Ru,Reのうち少なくとも一種類の金属を含むことが好ましく、特に発熱反応の選択性が高い触媒8としては、Pt/ZnO系触媒等が好ましく、吸熱反応の選択性が高い触媒9としては、Cu/ZnO系触媒、Pd/ZnO系触媒等が好ましい。したがって、基板1の一方の面11に形成された流路に反応原料を通すことによって発熱反応が生じ、基板1の他方の面12に形成された流路に反応原料を通すことによって吸熱反応が生じる。
なお、基板1と第一の蓋基板2及び基板1と第二の蓋基板3は、陽極接合によって接合することが好ましい。
また、第一の蓋基板2の基板1との接合面とは反対側の面に、図示しないが薄膜ヒータを形成しても良い。薄膜ヒータは電気エネルギーにより発熱する電熱膜であり、具体的には電気抵抗性発熱体、半導体性発熱体を薄膜状に成膜したものである。
このように構成された反応器100では、第一の蓋基板2の導入孔21から反応原料が導入されると、基板1の一方の面11に形成された直線状溝5によって構成される流路内を通り、貫通孔51,63を介して基板1の他方の面12に形成された最も右側のコ字状溝6によって構成される流路内を通る。その後、右から2番目の棒状部61の貫通孔63,43を介して一方の面11に形成された次のコ字状溝4によって構成される流路内を通る。このように基板1の一方の面11の流路内と他方の面12の流路内とを交互に通り、最後に、基板1の他方の面12に形成された直線状溝7を通って第二の蓋基板3の排出孔31から排出される。
流路内を反応原料が通っている際には、薄膜ヒータによって流路内が加熱されて、一方の面11の流路に形成された触媒8により発熱反応が起こり、他方の面12の流路に形成された触媒により吸熱反応が起こり、生成物が生成される。
なお、基板1の一方の面11の流路に形成した触媒8と、他方の面12の流路に形成した触媒9とは、それぞれ一種類ずつとしたが、一方の面11の流路で発熱反応が優先的に生じ、他方の面12の流路で吸熱反応が優先的に生じるようにすれば良く、一方の面11の流路に二種類以上の触媒を形成し、他方の面12の流路にも二種類以上の触媒を形成しても良い。
また、溝4,5,6,7の形状や個数は特に上述したものに限定されるものではなく、また、貫通孔43,51,63,71の位置も溝の形状に合わせて適宜変更可能である。例えば、全てコ字状溝4,6としても良く、棒状部41,61を三つ以上並べて連結部42,62で連結してなる形状の溝としても良い。
さらに、図示しないが、第一の蓋基板2の基板1と接合する面に、基板1の一方の面11に形成した溝4,5と同様の溝を形成し、第二の蓋基板3の基板1と接合する面に、基板1の他方の面12に形成した溝6,7と同様の溝を形成し、上記貫通孔43,51,63,71と同様の貫通孔を、基板1に形成し、第一の蓋基板2に形成した溝による流路と第二の蓋基板3に形成した溝による流路とで交互に発熱反応及び吸熱反応を行うように構成しても構わない。
次に、上記反応器100を、水素を含む炭素化合物と、水と、を混合した混合物から水素を主成分とする生成物に改質する改質器203として使用する場合について、このような改質器203を備えた発電装置200とともに説明する。
図7は、発電装置200のブロック図である。
発電装置200は、メタノールと水との混合液を貯留した燃料容器201と、燃料容器201から供給された混合液を気化する気化器202と、気化器202から供給された混合気を触媒により水素リッチな水素ガスに改質する改質器203と、改質器203から供給された生成ガスの中から燃料電池を劣化する要因となる一酸化炭素を除去する一酸化炭素除去器204と、一酸化炭素除去器204から供給された生成ガス中の水素ガスの電気化学反応により電気エネルギーを生成する燃料電池205と、を備えている。ここで、発電装置200は、携帯電話機、パーソナルコンピュータ、PDA、電子手帳、腕時計、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、ゲーム機、遊技機、家庭用電気機器、その他の電子機器に用いられる。この場合、気化器202、改質器203、一酸化炭素除去器204及び燃料電池205からなる発電装置本体は電子機器本体に搭載されており、燃料容器201は電子機器本体を介して発電装置本体に装着された場合、燃料容器201から気化器202に混合液が供給されるようになっている。燃料電池205により生成された電気エネルギーは電子機器本体を駆動するために用いられる。
燃料電池205は、触媒微粒子を含有又は付着させた燃料極(水素極)と、触媒微粒子を含有又は付着させた酸素極(空気極)と、燃料極と酸素極との間に挟持された固体高分子電解質膜と、を備える。
気化器202は図示しないが、セラミック、シリコン、アルミニウム、ガラス等の材料から板状に形成された基板と蓋基板とを接合した構造を有し、基板と蓋基板との接合部に流路が設けられており、蓋基板の接合面とは反対側の面に薄膜ヒータが成膜されている。
一酸化炭素除去器204も図示しないが、セラミック、シリコン、アルミニウム、ガラス等の材料から板状に形成された基板と蓋基板とを接合した構造を有し、基板と蓋基板との接合部に流路が設けられており、蓋基板の接合面とは反対側の面に薄膜ヒータが成膜されている。流路の壁面には触媒が形成され、触媒は一酸化炭素を選択的に酸化する触媒が使用されている。
次に、発電装置200の動作について説明する。
気化器202、改質器203及び一酸化炭素除去器204のそれぞれの薄膜ヒータが電気により発熱し、気化器202、改質器203及び一酸化炭素除去器204がそれぞれ所定の温度になるように加熱される。この状態で、ポンプが作動すると、燃料容器201に貯留された混合液(メタノール、水)が気化器202のマイクロ流路に供給される。混合液が気化器202のマイクロ流路を流動している時に、混合液が気化して混合気が生成される。気化されて高圧になったその混合気が相対的に低圧の改質器203の導入孔21から基板1の一方の面11の直線状溝5によって構成される流路に供給される。この流路から貫通孔51,63を介して基板1の他方の面12のコ字状溝6によって構成される流路に供給される。同様に貫通孔63,43を介して一方の面11の流路と他方の面12の流路とを交互に混合気が流動して、混合気が触媒に接触する。
ここで、基板1の一方の面11の流路においては、メタノールと空気中の酸素が、触媒8の作用を受けて反応して、化学反応式(2)のような発熱反応(部分酸化反応)が起こる。
CH3OH+1/2O2→2H2+CO2 …(2)
また、基板1の他方の面12の流路においては、メタノールと水が触媒9の作用を受けて、化学反応式(1)のような吸熱反応(水蒸気改質反応)が起こる。
CHOH+HO→3H+CO…(1)
また、基板1の両面11,12の流路において、メタノールと水が完全に二酸化炭素及び水素に改質されない場合もあり、この場合、化学反応式(3)のように、二酸化炭素、一酸化炭素及び水蒸気が生成される。
2CH3OH+H2O→5H2+CO+CO2 … (3)
このように、基板1の一方の面11の流路と、他方の面12の流路とが貫通孔43,51,63,71を介して交互に連通されて連続しており、一方の面11の流路において発熱反応が生じ、貫通孔43,51,63,71を介して他方の面12の流路において吸熱反応が生じるので、発熱反応と吸熱反応とが交互に行われる。したがって、発熱反応で発生する反応熱を、他方の面12に直接伝達して吸熱反応を起こすことができるため、効率良く熱交換を行うことができる。そのため、改質器203の温度が280℃よりも低くても(例えば、250℃)、メタノールの転化率が向上し、一酸化炭素の生成量を低減することができる。
また、流路の反応原料を導入する上流側では、反応量が大きくなるため発熱反応による発熱量及び吸熱反応による吸熱量が大きくなる。(通常、反応速度は原料の濃度に比例することから、発熱反応、吸熱反応にかかわらず、反応器導入孔付近の反応速度が高くなり、したがって、反応熱も大きくなる。)そのため、上流側においては発熱量・吸熱量ともに大きい部分同士が相対し、逆に流路の下流側においては発熱量・吸熱量ともに小さい部分同士が相対する関係となるので、より熱バランスが得やすい構造となる。さらに、改質器203の内部から直接熱を供給する構造となるので、起動特性に優れる。そして、流路内を流れる反応原料自体も熱を伝える作用があるので、速やかに熱交換が可能という効果がある。また、一方の面11と他方の面12において、触媒の量やチャンネル密度を変えるといった調節が可能なので、上流から下流にわたる各流路のポイント毎で正確に熱バランスが保たれるように制御することが可能である。
そして、改質器203で生成された生成ガスが一酸化炭素除去器204のマイクロ流路に供給され、更に空気が一酸化炭素除去器204のマイクロ流路に供給される。このマイクロ流路においては、一酸化炭素が一酸化炭素除去器204のマイクロ流路に形成された触媒の作用を受けて特異的に酸化する。その後、生成ガスがそのマイクロ流路から燃料電池205の燃料極に供給され、空気が燃料電池205の空気極に供給される。燃料極においては、電気化学反応式(4)に示すように、生成ガス中の水素が燃料極の触媒微粒子の作用を受けて水素イオンと電子とに分離する。水素イオンは固体高分子電解質膜を通じて酸素極に伝導し、電子は燃料極により取り出される。
2→2H++2e- … (4)
酸素極においては、電気化学反応式(5)に示すように、空気中の酸素と、固体高分子電解質膜を通過した水素イオンと、燃料極により取り出された電子とが反応して水が生成される。
2H++1/2O2+2e-→H2O … (5)
なお、ここでは、図7に示すように、上記発電装置200において、改質器203に酸素又は空気を供給する機構、例えば装置外に図示しないポンプ等を設けて、酸素又は空気中の酸素を酸化剤として供給し、改質器203において発熱反応を起こすような構成としている。
また、燃料容器201に貯留される混合液がメタノールと水との混合液であるが、水素を含む他の炭素化合物と水との混合液が燃料容器201に貯留されても良い。
また、気化器202、改質器203及び一酸化炭素除去器204のそれぞれに薄膜ヒータを形成しているが、最も高温で反応する改質器203のみに薄膜ヒータを設け、気化器202及び一酸化炭素除去器204にはそれぞれ薄膜ヒータを設けずに改質器203からの熱を伝搬によって反応を引き起こすようにしてもよく、改質器203及びその次に高温反応を引き起こす一酸化炭素除去器204にそれぞれ薄膜ヒータを形成してもよい。
さらに、薄膜ヒータの代替として上述した炭化水素やアルコール、エーテルといった水素を含む炭素化合物を燃焼する化学反応炉を設けてもよい。
[第二の実施の形態]
図8は、第二の実施の形態における反応器100Aを構成する基板1Aの一方の面11Aの平面図、図9は、図8において切断線IX−IXに沿った面の反応器100Aの矢視断面図である。
第二の実施の形態では、反応器100Aは、第一の実施の形態と同様にセラミック、シリコン、アルミニウム、ガラス等の材料(シリコン、ガラスがより好ましい。)から板状に形成された基板1Aと、蓋基板2Aとを互いに重ね合わせて接合した構造を有している。なお、本発明で言う反応器本体は、基板1A及び蓋基板2Aとで構成される。
基板1Aは、所定の厚みを有し平面視長方形状をなした基板であって、上下両面が平坦でかつ互いに平行となるように形成されている。この基板1Aの一方の面(図中、上面)11Aには、葛折り状の溝4Aが凹んだ状態に形成されており、この溝4Aに蓋をするように基板1Aに蓋基板2Aを接合することによって、基板1Aと蓋基板2Aとの間に流路が構成されている。
蓋基板2Aは、所定の厚みを有し平面視長方形状をなした基板であって、上下両面が平坦でかつ互いに平行となるように形成されており、基板1Aと同じ大きさをなしている。
蓋基板2Aには、基板1Aに形成された流路の上流側端部(図中、右端部)に通じ、反応原料を導入するための導入孔21Aが蓋基板2Aの上下面を貫通して形成され、流路の下流側端部(図中、左端部)に通じ、反応後の生成物を排出するための排出孔22Aが蓋基板2Aの上下面を貫通して形成されている。
また、蓋基板2Aの基板1Aとの接合面とは反対側の面には薄膜ヒータ(図示略)が形成されている。さらに、蓋基板2Aで溝4Aが覆われることによって形成された流路の内壁面には、互いに異なる触媒8A,9Aが交互に所定間隔に形成されている。そして、隣接する触媒8A,9Aのうち一方の触媒8Aが発熱反応を優先的に選択する性質を有し、他方の触媒9Aが吸熱反応を優先的に選択する性質を有している。触媒8A,9Aは、Cu,Pd,Pt,Zn,Fe,Cr,Al,Ce,Zr,Ti,Co,Ni,Ru,Reのうち少なくとも一種類の金属を含むことが好ましく、特に発熱反応の選択性が高い触媒8Aとしては、Pt/ZnO系触媒等が好ましく、吸熱反応の選択性が高い触媒9Aとしては、Cu/ZnO系触媒、Pd/ZnO系触媒等が好ましい。したがって、このような流路に反応原料を通すことによって、発熱反応と吸熱反応とが交互に生じる。
なお、上記第二の実施の形態における反応器100Aも、第一の実施の形態と同様に発電装置200の改質器203として使用することができる。この場合、改質器203として第二の実施の形態の反応器100Aに置き換えたものとなり、その他の構成及び動作は同様のためその説明を省略する。
また、上記第二の実施の形態において、流路に形成した触媒8A,9Aは、二種類としたが、発熱反応と吸熱反応とが交互に起こるように形成すれば、三種類以上としても良い。
以上のように、基板1Aの一方の面11Aに形成された溝4Aを蓋基板2Aで覆うことによって形成した流路内に発熱反応と吸熱反応とが交互に起こるように各触媒8A,9Aを交互に形成しているので、この流路内に反応原料を通過させることによって、一方の触媒8Aにより発熱反応が生じ、他方の触媒9Aにより吸熱反応が生じ、発熱反応と吸熱反応とが交互に行われる。したがって、発熱反応で発生する反応熱を、隣接する触媒9Aに直接伝達して吸熱反応を起こすことができるため、効率良く熱交換を行うことができる。
また、流路の反応原料を導入する上流側では、反応量が大きくなるため発熱反応による発熱量及び吸熱反応による吸熱量が大きくなる。そのため、上流側においては発熱量・吸熱量ともに大きい部分同士が相対し、逆に流路の下流側においては発熱量・吸熱量ともに小さい部分同士が相対する関係となるので、より熱バランスが得やすい構造となる。さらに、反応器100Aの内部から直接熱を供給する構造となるので、起動特性に優れる。そして、流路内を流れる反応原料自体も熱を伝える作用があるので、速やかに熱交換が可能という効果がある。また、触媒8A部のチャンネル長と触媒9A部のチャンネル長を変えるといった調節が可能なので、上流から下流にわたる各流路のポイント毎で正確に熱バランスが保たれるように制御することが可能である。
[第三の実施の形態]
図10(a)は、反応器100Bを構成する基板1Bの一方の面11Bの平面図、図10(b)は、基板1Bの他方の面12Bの透過平面図、図11は、図10(a)において切断線XI−XIに沿った面の反応器100Bの矢視断面図である。(図10(a)と図10(b)は、同じ向きから見た平面図と透過平面図の関係なので、図10(a)の左上の角は、図10(b)の左上の角に対応している。)
第三の実施の形態では、反応器100Bは、第一の実施の形態と同様にセラミック、シリコン、アルミニウム、ガラス等の材料(シリコン、ガラスがより好ましい。)から板状に形成された基板1Bと、第一の蓋基板2B及び第二の蓋基板3Bとを互いに重ね合わせて接合した構造を有している。なお、本発明で言う反応器本体は、基板1B、第一の蓋基板2B及び第二の蓋基板3Bとで構成される。
基板1Bは、所定の厚みを有し平面視長方形状をなした基板であって、上下両面が平坦でかつ互いに平行となるように形成されている。この基板1Bの一方の面(図中、上面)には、葛折り状の溝4Bが凹んだ状態に形成されており、この溝4Bに蓋をするように基板1Bに第一の蓋基板2Bを接合することによって、基板1Bと第一の蓋基板2Bとの間に流路が構成されている。
基板1Bの他方の面(図中、下面)12Bには、一方の面11Bに形成された溝4Bと対向するように同形状の葛折り状の溝6Bが凹んだ状態に形成されており、この溝6Bに蓋をするように基板1Bに第二の蓋基板3Bを接合することによって、基板1Bと第二の蓋基板3Bとの間に流路が構成されている。
基板1Bの一方の面11Bに形成された流路の下流側端部(図中、右端部)14Bと、基板1Bの他方の面12Bに形成された流路の上流側端部(図中、右端部)15Bとは連続して一つの流路とされている。そのため、他方の面12Bに形成された流路の上流側端部15Bの近傍に、一方の面11Bに形成された流路の上流側端部13Bが位置し、基板1Bの高さ方向において近傍している。同様に、基板1Bの他方の面12Bに形成された流路の下流側端部16Bの近傍に、一方の面11Bに形成された溝4Bの下流側端部14Bが位置し、基板1Bの高さ方向において近傍している。
第一の蓋基板2Bは、所定の厚みを有し平面視長方形状をなした基板であって、上下両面が平坦でかつ互いに平行となるように形成されており、基板1Bと同じ大きさをなしている。第一の蓋基板2Bには、基板1Bの一方の面11Bに形成された流路の上流側端部13Bに通じ、反応原料を導入するための導入孔21Bが第一の蓋基板2Bの上下面を貫通して形成されている。また、第一の蓋基板2Bで溝4Bが覆われることによって形成された流路の内壁面には、反応原料の反応を促進するための触媒8Bが形成されている。
第二の蓋基板3Bは、所定の厚みを有し平面視長方形状をなした基板であって、上下両面が平坦でかつ互いに平行となるように形成されており、基板1Bと同じ大きさをなしている。
第二の蓋基板3Bには、基板1Bの他方の面12Bに形成された流路の下流側端部16Bに通じ、反応後の生成物を排出するための排出孔31Bが第二の蓋基板3Bの上下面を貫通して形成されている。また、第二の蓋基板3Bで溝6Bが覆われることによって形成された流路の内壁面には、反応原料の反応を促進するための触媒9Bが形成されている。
一方の面11Bの流路に形成された触媒8Bと他方の面12Bに形成された触媒9Bとは、互いに異なる触媒であり、一方の面11Bの流路に形成された触媒8Bは発熱反応を優先的に選択する性質を有し、他方の面12Bの流路に形成された触媒9Bは吸熱反応を優先的に選択する性質を有している。これら触媒8B,9Bは、Cu,Pd,Pt,Zn,Fe,Cr,Al,Ce,Zr,Ti,Co,Ni,Ru,Reのうち少なくとも一種類の金属を含むことが好ましく、特に発熱反応の選択性が高い触媒8Bとしては、Pt/ZnO系触媒等が好ましく、吸熱反応の選択性が高い触媒9Bとしては、Cu/ZnO系触媒、Pd/ZnO系触媒等が好ましい。したがって、基板1Bの一方の面11Bに形成された流路に反応原料を通すことによって発熱反応が生じ、基板1Bの他方の面12Bに形成された流路に反応原料を通すことによって吸熱反応が生じる。
なお、基板1Bと第一の蓋基板2B及び基板1Bと第二の蓋基板3Bは、陽極接合によって接合することが好ましい。
また、第一の蓋基板2Bの基板1Bとの接合面とは反対側の面に、薄膜ヒータを形成しても良い。
このように構成された反応器100Bでは、第一の蓋基板2Bの導入孔21Bから反応原料が導入されると、基板1Bの一方の面11Bに形成された流路の上流側端部13Bから下流側端部14Bを通り、基板1Bの他方の面12Bに形成された流路の上流側端部15Bから下流側端部16Bを通って、第二の蓋基板3Bの排出孔31Bから排出される。
流路内を反応原料が通っている際には、薄膜ヒータによって流路内が加熱されて、一方の面11Bの流路に形成された触媒8Bにより発熱反応が起こり、他方の面12Bの流路に形成された触媒9Bにより吸熱反応が起こり、生成物が生成される。
なお、上記第三の実施の形態における反応器100Bも、第一の実施の形態と同様に発電装置200の改質器203として使用することができる。この場合、改質器203として第三の実施の形態の反応器100Bに置き換えたものとなり、その他の構成及び動作は同様のためその説明を省略する。
また、上記第三の実施の形態において、基板1Bの一方の面11Bの流路に形成した触媒8Bと、他方の面12Bの流路に形成した触媒9Bとは、それぞれ一種類ずつとしたが、一方の面11Bの流路で発熱反応が優先的に生じ、他方の面12Bの流路で吸熱反応が優先的に生じるようにすれば良く、一方の面11Bの流路に二種類以上の触媒を形成し、他方の面12Bの流路にも二種類以上の触媒を形成しても良い。
以上のように、基板1Bの両面に形成された溝4B,6Bが同じ方向に延在し、蓋基板2B,3Bによって基板1Bとの間に、一方の面11Bと他方の面12Bとで連続した流路が形成されており、一方の面11Bの流路内で発熱反応が起こり、他方の面12Bの流路内に吸熱反応が起こるように各触媒8B,9Bを形成しているので、この流路内に反応原料を通過させることによって、一方の面11Bの流路で発熱反応が生じた後、他方の面12Bの流路で吸熱反応が生じる。一方の面11Bに形成された流路の上流側では発熱反応による発熱量が大きくなり、他方の面12Bに形成された流路の上流側では吸熱反応による吸熱量が大きくなり、上流側においては発熱量・吸熱量ともに大きい部分同士が基板1の高さ方向において近傍に位置することから、基板1Bの一方の面11Bで生じる発熱反応による大きな反応熱を、他方の面12Bに直接伝達して吸熱反応を起こすことができる。逆に、下流側においては発熱量・吸熱量ともに小さい部分同士が基板1Bの高さ方向において近傍に位置するので、基板1Bの一方の面11Bで生じる発熱反応による小さな反応熱を、他方の面12Bに直接伝達して吸熱反応を起こすことができる。その結果、効率良く熱交換を行うことができる。
また、上流側においては発熱量・吸熱量ともに大きい部分同士が基板1Bの高さ方向において近傍に位置し、逆に流路の下流側においては発熱量・吸熱量ともに小さい部分同士が基板1Bの高さ方向において近傍に位置する関係となるので、より熱バランスが得やすい構造となる。さらに、反応器100Bの内部から直接熱を供給する構造となるので、起動特性に優れる。
第一の実施の形態における反応器100の斜視図である。 (a)は、反応器100を構成する基板1の一方の面11の平面図、(b)は、基板1の他方の面12の透過平面図である。 図2(a)において切断線III−IIIに沿った面の反応器100の矢視断面図である。 図2(a)において切断線IV−IVに沿った面の反応器100の矢視断面図である。 図2(a)において切断線V−Vに沿った面の反応器100の矢視断面図である。 図2(a)において切断線VI−VIに沿った面の反応器100の矢視断面図である。 発電装置200のブロック図である。 第二の実施の形態における反応器100Aを構成する基板1Aの一方の面11Aの平面図である。 図8において切断線IX−IXに沿った面の反応器100Aの矢視断面図である。 (a)は、第三の実施の形態における反応器100Bを構成する基板1Bの一方の面11Bの平面図、(b)は、第三の実施の形態における反応器100Bを構成する基板1Bの他方の面12Bの透過平面図である。 図10(a)において切断線XI−XIに沿った面の反応器100Bの矢視断面図である。
符号の説明
1,1A,1B 基板
2,2B 第一の蓋基板
2A 蓋基板
3,3B 第二の蓋基板
4,6 コ字状溝
5,7 直線状溝
4A,4B,6B 溝
8,8A,8B,9,9A,9B 触媒
11,11A,11B 一方の面
12,12B 他方の面
21,21A,21B 導入孔
22A,31,31B 排出孔
43,51,63,71 貫通孔
100,100A,100B 反応器
200 発電装置
201 燃料容器
202 気化器
203 改質器
204 一酸化炭素除去器
205 燃料電池

Claims (7)

  1. 反応器本体の内部に流路が形成され、
    前記反応器本体は、一方の面に溝が形成された基板と、前記基板の一方の面に前記溝を覆うことによって前記基板との間に前記流路を形成する蓋基板とを備え、
    前記流路内に部分酸化反応に供する第1触媒と水蒸気改質反応に供する第2触媒とが前記流路の上流側から下流側にかけて交互に複数回配置されるように形成されていることを特徴とする反応器。
  2. 反応器本体の内部に流路が形成され、
    前記反応器本体は、両面に複数の溝が形成された基板と、前記基板の両面に前記溝をそれぞれ覆うことによって前記基板との間に前記流路を形成する蓋基板とを備え、
    前記流路は、前記基板の一方の面に形成された各溝と、他方の面に形成された各溝とが、基板の両面を貫通して各溝を交互に連通する貫通孔によって連続して構成され、
    前記一方の面の流路内に部分酸化反応に供する前記第1触媒が形成され、前記他方の面の流路内に水蒸気改質反応に供する第2触媒が形成されることによって、前記第1触媒と前記第2触媒とが前記流路の上流側から下流側にかけて交互に複数回配置されるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の反応器。
  3. 前記蓋基板に溝が形成され、前記溝内に触媒が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の反応器。
  4. 前記流路内を電気エネルギーにより加熱する加熱手段を有していることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の反応器。
  5. 前記発熱反応及び前記吸熱反応は、ともに水素を生成する反応であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の反応器。
  6. 水素を含む炭素化合物と、水と、酸素とを混合した混合物から水素を発生させることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の反応器。
  7. 請求項1〜のいずれか一項に記載の反応器で生成した水素から電気エネルギーを生成することを特徴とする発電装置。
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