JP4825516B2 - 洗浄剤組成物 - Google Patents
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Description
しかし、このリン酸エステル系界面活性剤は水に対する溶解性が他の陰イオン性界面活性剤に比べて乏しく、中性〜弱酸性のpH領域においてその傾向はさらに顕著となるため、起泡性が大幅に低下するという問題があった。
このような問題を解決するために、1種類の助剤を配合した洗浄剤組成物が提案されている。たとえば、助剤として特定構造のヒドロキシスルホベタインを用いた洗浄剤組成物が開示(例えば、特許文献1)されており、この洗浄剤組成物は起泡性や低温安定性が改善されるという点では優れているが、起泡性、泡質の両方を同時に満足するものではなかった。
また、リン酸エステル系界面活性剤に異なる2種類の助剤としてイソプレングリコールとラウリルヒドロキシスルホベタインを配合した洗浄剤組成物が開示(例えば、特許文献2)されているが、起泡性、泡質の改善の点で比較的効果はあるものの充分なものではなかった。
さらに、アルキルリン酸モノエステルにアルキルリン酸ジエステルとラウリルジメチルヒドロキシスルホベタイン等を配合した洗浄剤組成物が開示(例えば、特許文献3)されているが、この洗浄剤組成物も起泡性、泡質の両方を同時に満足するという点ではさらなる改善が要望されている。
(B)(b1)下記一般式(2)、
(b2)下記一般式(3)、及び
(b3)下記一般式(4)
で表される四級アンモニウム、カルボキシベタイン、およびスルホベタインからなる群から選ばれる少なくとも1種のカチオン性または両性の界面活性剤、及び
(C)下記一般式(5)
で表されるカルボキシベタインを含有する洗浄剤組成物を提供する。
XおよびYはそれぞれ独立に水素原子、アルカリ金属原子、アンモニウム基、塩基性アミノ基または炭素数2若しくは3のヒドロキシアルキル基を有するアルカノールアミン残基を示す。具体的には、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムの各原子、モノエタノールアミン、ジタノールアミン、トリエタノールアミン各残基等が挙げられる。XまたはYとして、好ましくはナトリウム原子、カリウム原子、トリエタノールアミン残基、より好ましくは、カリウム原子である。
上記MAPは対応するアルコールと無水リン酸又はオキシ塩化リン等のリン酸化剤とを反応させ、さらに水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基で中和することにより得ることができる。
上記MAPの具体例としては、特開平8−127798号公報の段落0033に記載されているモノリン酸エステルの中でオクチルリン酸モノエステル、ノリルリン酸モノエステル、デシルリン酸モノエステル、イソデシルリン酸モノエステル、ウンデシルリン酸モノエステル、ラウリルリン酸モノエステル、トリデシルリン酸モノエステル、ミリスチルリン酸モノエステル、ペンタデシルリン酸モノエステル、セチルリン酸モノエステル、ヘプタデシルリン酸モノエステル、ステアリルリン酸モノエステル、オレイルリン酸モノエステルおよびそれらのエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。本発明においては、これらのMAPの中で、起泡性、水溶性、人体に対する安全性、低刺激性、コスト等の観点からデシルリン酸モノエステル、イソデシルリン酸モノエステル、ウンデシルリン酸モノエステル、ラウリルリン酸モノエステル、トリデシルリン酸モノエステル、ポリオキシエチレン(0.5)ラウリルリン酸エステル、ポリオキシエチレン(1.0)ラウリルリン酸エステル、ポリオキシエチレン(0.5)トリデシルリン酸エステル、ポリオキシエチレン(1.0)トリデシルリン酸エステルが好ましい。これらのMAPは1種で、または2種以上組み合わせて用いても良い。
炭素数は泡質と起泡性の観点から、好ましくは、14〜18、より好ましくは14〜16、さらに好ましくは16である。R7は炭素数1〜3のアルキレン基、もしくはヒドロキシアルキレン基である。具体例としてメチレン基、エチレン基、プロピレン基、2-ヒドロキシプロピレン基等が挙げられる。好ましくはメチレン基、2-ヒドロキシプロピレン基である。
上記のようなカルボキシベタイン化合物の具体例としては、特公昭58−51991号公報に記載のデシルジメチルカルボキシベタイン、ラウリルジメチルカルボキシベタイン、ミリスチルジメチルカルボキシベタイン、パルミチルジメチルカルボキシベタイン、ステアリルジメチルカルボキシベタイン、オレイルジメチルカルボキシベタイン等が挙げられ、これらの中でも起泡力および泡質向上効果の観点からミリスチルジメチルカルボキシベタイン、パルミチルジメチルカルボキシベタインが好ましい。
(b2)成分であるカルボキシベタイン化合物は1種で、または2種以上組み合わせて用いても良い。
炭素数は泡質と起泡性の点から14〜18、より好ましくは14〜16、さらに好ましくは16である。
上記のようなスルホベタイン化合物の具体例としては、たとえば、特開平7−48235号公報に記載のラウリルジメチルヒドロキシスルホベタイン、ミリスチルジメチルヒドロキシスルホベタイン、パルミチルジメチルヒドロキシスルホベタイン、ステアリルジメチルヒドロキシスルホベタイン、オレイルジメチルヒドロキシスルホベタイン、ヤシ油脂肪酸ジメチルヒドロキシスルホベタイン、ラウリルジメチルアミノプロパンスルホベタイン、ヤシ油脂肪酸ジメチルアミノプロパンスルホベタイン等が挙げられ、これらの中でも起泡力および泡質向上効果の観点からミリスチルジメチルヒドロキシスルホベタイン、パルミチルジメチルスルホベタインが好ましい。
(b3)成分である上記のスルホベタイン化合物は1種で、または2種以上組み合わせて用いることができる。さらに、(B)成分である上記の(b1)〜(b3)成分は(b1)と(b2)の2種類や(b1)、(b2)、(b3)の3種類等各種組み合わせて用いることができる。
上記のようなカルボキシベタイン化合物の具体例としては、起泡力および泡質改善効果の観点からブチルジメチルカルボキシベタイン、ヘキシルジメチルカルボキシベタイン、オクチルジメチルカルボキシベタインが好ましく、オクチルジメチルカルボキシベタインが特に好ましい。
[(A)+(B)+(C)]成分に対する(D)成分の配合比(D)/[(A)+(B)+(C)] は起泡力および泡質向上効果促進の観点から、質量基準で好ましくは、1/100〜1/10、より好ましくは、1/50〜1/15である。
任意成分としては、通常の洗浄剤に用いられる他の界面活性剤、例えばポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α―オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、脂肪酸塩、α―スルホ脂肪酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、脂肪酸のモノ及び、ジアルカノールアミド、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤、アミドプロピルベタインを配合することもできる。
その他の任意成分としては、通常の洗浄剤に用いられる成分、例えば、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール等の保湿剤;メチルセルロース、ポリオキシエチレングリコールジステアレート、エタノール等の粘度調整剤;トリクロサン、トリクロロカルバン等の殺菌剤;グリチルリチン酸カリウム、酢酸トコフェロール等の抗炎症剤;ジンクピリチオン、オクトピロックス等の抗フケ剤;メチルパラベン、ブチルパラベン等の防腐剤;香料、色素、酸化防止剤等を配合することができる。
実施例1〜3および比較例1〜3で使用した各成分は以下の通りであり、表1にそれぞれの配合量および測定した泡量等の結果を示した。
(A)成分 C12.6のMAP:一般式(1)におけるR1がC12.6で、lが0.5であるネオドール23(シェル社製)をポリリン酸を用いてリン酸エステル化した[リン酸エステル化反応については、油化学、第36巻、第9号(1987)、p629参照]。反応終了物に対し48%水酸化カリウムならびにイオン交換水を用いて15質量%1当量カリウム塩水溶液を調整した。イオン交換水を用いてこの水溶液を所定の濃度に希釈して表1に示す量になるように使用した。
(b1)成分 C14の四級アンモニウム:テトラデシルトリメチルアンモニウムクロライド[東京化成(株)社製]
(b2)成分 C16のカルボキシベタイン: ヘキサデシルジメチルアミン[ファーミンDM6098、花王(株)製]をモノクロロ酢酸ナトリウム[関東化学(株)製]、並びに水酸化ナトリウムを用いてイオン交換水、エタノール混合溶媒中にて既知の方法にて4級化反応を行った。得られた水溶液を濃縮しエタノールを加えて副成物である塩化ナトリウムを濾別した。濾液をエタノールにて再結晶することによりC16のカルボキシベタイン(純度:98質量%)を得て、これを使用した。
(b3)成分 C16のスルホベタイン: ヘキサデシルジメチルアミン[ファーミンDM6098、花王(株)製]を3−クロロ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸ナトリウム「東京化成工業(株)製」、並びに水酸化ナトリウムを用いてイオン交換水、エタノール混合溶媒中にて既知の方法にて4級化反応を行った。得られた水溶液を濃縮しエタノールを加えて副成物である塩化ナトリウムを濾別した。濾液をエタノールを用いて再結晶することによりC16のスルホベタインのカルボキシベタイン(純度:97質量%)を得て、これを使用した。
(C)成分 C8のカルボキシベタイン: オクチルジメチルアミン[ファーミンDM0898、花王(株)製]をモノクロロ酢酸ナトリウム[関東化学(株)製]、並びに水酸化ナトリウムを用いてイオン交換水、エタノール混合溶媒中にて既知の方法にて4級化反応を行った。得られた水溶液を濃縮しエタノールを加えて副成物である塩化ナトリウムを濾別した。濾液を再び濃縮しイオン交換水を用いて希釈することによりC8のカルボキシベタイン(有効成分:39質量%)を得て、これを使用した。
[(b2)、(b3)および(C)成分における4級化反応については、AMPHOTERIC SURFACTANTS surfactant science series Vol. 59, p78 (Second Edition, Marcel Dekker, Inc.)参照]
(D)成分 2−エチルヘキシルグリセリルエーテル(表中では、GE-EHと表示)
(D)成分である2−エチルヘキシルグリセリルエーテルを用いなかった以外はそれぞれ実施例1〜3と同様に行った。表2にそれぞれの配合量および測定した泡量等の結果を示した。
室温で50mlのサンプル瓶に表1および2に示されている配合組成で各成分を入れて混合後、40〜60℃に加熱し、一度溶解させて、室温まで放冷した。
・泡量試験
栓および目盛り付きガラス管(長さ180mm×25mmφ)に各組成物5gを入れ、80回手で振とうし、振とう後の泡量により評価を行った。
・泡粘度試験
ガラス管(長さ270mm×40mmφ) に組成物15gを入れ、ガラス器具洗浄用ブラシ(長さ360mm×60mmφ×毛渡り65mm)を20回往復させて泡立てた。発生した泡をプラスチック製カップ(高さ54mm×43mmφ)に移し替え、B型粘度計(TOKIMEC INC.製 ローター: No.3、 回転:12 r/min)で測定し評価を行った。
上記の測定はすべて室温で行った。
Claims (7)
- (A)下記一般式(1)
(B)(b1)下記一般式(2)、
(b2)下記一般式(3)、及び
(b3)下記一般式(4)
で表される四級アンモニウム、カルボキシベタイン、およびスルホベタインからなる群から選ばれる少なくとも1種のカチオン性または両性の界面活性剤、及び
(C)下記一般式(5)
で表されるカルボキシベタインを含有する洗浄剤組成物。 - pHが2〜7である請求項1に記載の洗浄剤組成物。
- 一般式(1)のR1がC12.6であり、lが0.5である請求項1〜3のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
- (B)成分が炭素数14の四級アンモニウムクロライドである請求項1〜4のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
- (B)成分が炭素数16のカルボキシベタインまたは炭素数16のヒドロキシスルホベタインである請求項1〜4のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
- (C)成分が炭素数8のカルボキシベタインである請求項1〜4のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
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