JP4823562B2 - レジストパターン形成方法 - Google Patents
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Description
微細化の手法としては一般に露光光源の短波長化が行われている。具体的には、従来は、上述したように、g線、i線に代表される紫外線が用いられていたが、現在では、KrFエキシマレーザー(248nm)が量産の中心となり、さらにArFエキシマレーザー(193nm)が量産で導入され始めている。また、F2エキシマレーザー(157nm)や極端紫外光(EUV)、電子線(EB)等を光源(放射線源)として用いるリソグラフィー技術についても研究が行われている。
近年の露光光源の短波長化および要求される寸法の微細化に伴い、レジスト材料には、露光光源に対する感度と解像性のさらなる向上が求められている。そのため、KrFエキシマレーザー以降では、主に、レジスト材料として、ベース樹脂と、露光により酸を発生する酸発生剤とを含有する化学増幅型レジスト組成物が用いられている。化学増幅型レジストとしては、たとえばネガ型の場合、主に、アルカリ可溶性樹脂と酸発生剤と架橋剤とを含有するものが用いられており、レジストパターン形成時に、露光により酸発生剤から酸が発生すると露光部がアルカリ不溶性となる。
また、露光光源の短波長化に伴って、レジスト材料に用いられるベース樹脂も変化しており、たとえばKrFエキシマレーザーを光源とする場合には、主に、ポリヒドロキシスチレン(PHS)系樹脂が用いられている。また、ArFエキシマレーザーを光源とする場合には、主に、(メタ)アクリル酸から誘導される構成単位を主鎖に有する樹脂(アクリル系樹脂)などが一般的に用いられている。
たとえば、基板上に、有機膜と、シリカ系の無機膜からなる中間膜と、レジスト膜とを積層した積層体を用いる3層レジスト法や、3層レジスト法よりも工程数が少ない点で優れた2層レジスト法(例えば、特許文献1,2参照)などの多層レジスト法が提案されている。かかる多層レジスト法においては、高解像性を実現できる可能性がある。
しかし、多層レジスト法は、プロセス数の増大による歩留りの悪化、スループットの低下、又はコストの問題がある。
この方法では、たとえば、通常はパターン全体を、微細パターンの形成に必要な光源、たとえば電子線を用いて形成するところを、微細パターンについては電子線を用い、あまり高解像性が要求されないラフパターンについてはそれ以外の光源、たとえばKrFエキシマレーザーを用い、マスクパターンを介して一括して露光し、ラフパターンの形成に要する時間を短縮することにより、スループットを向上させることができるとされている。
そこで、これらのいずれの光源を用いたミックスアンドマッチにおいても使用可能なレジスト材料に対する要求が高まっている。なかでも、高解像性のパターンを形成できる電子線とそれ以外の光源との組み合わせ、特に一般に広く使用されているg線および/またはi線との組み合わせでのミックスアンドマッチに使用できるレジスト材料が強く求められている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、g線、i線、KrFエキシマレーザーおよび電子線に対する感度を有し、g線、i線、KrFエキシマレーザーおよび電子線から選ばれる少なくとも2種の露光光源を用いて露光するミックスアンドマッチ工程に使用できるネガ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の第一の態様は、アルカリ可溶性樹脂成分(A)、g線、i線、KrFエキシマレーザーおよび電子線の照射により酸を発生する酸発生剤成分(B)、および架橋剤成分(C)を含有するネガ型レジスト組成物を用いて基板上にレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を、g線、i線およびKrFエキシマレーザーから選ばれる少なくとも1種と、電子線とを用いて選択的に露光する工程、および前記レジスト膜をアルカリ現像してレジストパターンを形成する工程を含み、
前記酸発生剤成分(B)が、下記一般式(III)または(IV)で表されるオキシムスルホネート系酸発生剤であることを特徴とするレジストパターン形成方法である。
本発明のネガ型レジスト組成物は、g線、i線、KrFエキシマレーザーおよび電子線から選ばれる少なくとも2種の露光光源を用いて露光する工程に用いられるネガ型レジスト組成物であって、アルカリ可溶性樹脂成分(A)(以下、(A)成分という。)、g線、i線、KrFエキシマレーザーおよび電子線の照射により酸を発生する酸発生剤成分(B)(以下、(B)成分という。)、および架橋剤成分(C)(以下、(C)成分という。)を含有することを特徴とする。
かかるネガ型レジスト組成物においては、露光により前記(B)成分から発生した酸が作用すると、(A)成分と(C)成分との間で架橋が起こり、ネガ型レジスト組成物全体がアルカリ不溶性へと変化する。そのため、レジストパターンの形成において、該ネガ型レジスト組成物からなるレジスト膜を選択的に露光すると、または露光に加えて露光後加熱すると、露光部はアルカリ不溶性へ転じる一方で未露光部はアルカリ可溶性のまま変化しないので、アルカリ現像することによりネガ型のレジストパターンが形成できる。
(A)成分としては、アルカリ現像液に可溶であり、かつ(C)成分との相互作用によりアルカリ不溶となるものであればよく、これまで化学増幅型ネガ型レジスト組成物のアルカリ可溶性樹脂成分として用いられているものの中から任意に選ぶことができる。
ノボラック樹脂としては、特に制限されるものでなく、従来、ネガ型レジスト組成物において被膜形成物質として通常用いられ得るものとして提案されているものの中から任意に選ぶことができ、好ましくは、芳香族ヒドロキシ化合物と、アルデヒド類および/またはケトン類とを縮合反応させて得られるノボラック樹脂を挙げることができる。
これらのアルデヒド類の中では、入手のしやすさからホルムアルデヒドを用いることが好ましい。特に、耐熱性が良好であることから、ホルムアルデヒドと、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド等のヒドロキシベンズアルデヒド類とを組み合わせて用いるのが好ましい。
さらにまた、上記アルデヒド類とケトン類とを適宜組み合わせて用いてもよい。
ここで、本明細書における低分子量体には、例えばノボラック樹脂の合成に用いた芳香族ヒドロキシ化合物、アルデヒド類、ケトン類等のモノマーのうち、反応せずに残った残留モノマー、該モノマーが2分子結合したダイマー、3分子結合したトリマー等(モノマーおよび2〜3核体等)が含まれる。
低分子量体の分別処理方法としては、特に限定はなく、例えば、イオン交換樹脂を用いて精製する方法や、当該樹脂の良溶媒(アルコールなど)と貧溶媒(水など)とを用いた公知の分別操作を用いることができる。前者の方法によれば低分子量体とともに、酸成分やメタル成分を除去することも可能である。
かかる低分子量体の分別除去処理における収率は50〜95質量%の範囲が望ましい。50質量%以上であると、露光部と未露光部との間における溶解速度の差が大きくなり、解像性が良好である。また、95質量%以下であると、分別除去を行うことによる効果が十分に得られる。
また、Mwが500以下の低分子量体の含有量は、GPCチャート上15%以下、好ましくは12%以下であることが好ましい。15%以下とすることにより、レジストパターンの耐熱性向上効果が奏されるのと同時に、加熱処理時の昇華物の発生量を抑制する効果が奏される。
ここで、「ヒドロキシスチレン」とは、ヒドロキシスチレン、およびヒドロキシスチレンのα位の炭素原子に結合した水素原子がハロゲン原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基等の他の置換基に置換されたもの、ならびにそれらの誘導体(好適には、ベンゼン環に上述のような置換基が結合したもの等)を含む概念とする。ヒドロキシスチレンのベンゼン環に結合した水酸基の数は、1〜3の整数であることが好ましく、1であることがより好ましい。なお、ヒドロキシスチレンのα位(α位の炭素原子)とは、特に断りがない限り、ベンゼン環が結合している炭素原子のことである。
「ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位」とは、ヒドロキシスチレンのエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。
PHS系樹脂中、ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位の割合は、当該PHS系樹脂を構成する全構成単位の合計に対し、50〜100モル%が好ましく、80〜100モル%がより好ましい。
ヒドロキシスチレン−スチレン共重合体としては、下記一般式(I)で表される構成単位(a1)と下記一般式(II)で表される構成単位(a2)とを有する共重合体等が挙げられる。
mは、1〜3の整数である。これらのうち、mは1であることが好ましい。
水酸基の位置は、o−位、m−位、p−位のいずれでもよいが、容易に入手可能で低価格であることから、mが1であり、かつp−位に水酸基を有するものが好ましい。mが2または3の場合には、任意の置換位置を組み合わせることができる。
上記R1は、炭素数1〜5の直鎖又は分岐状アルキル基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などが挙げられる。工業的にはメチル基又はエチル基が好ましい。
上記nは、0または1〜3の整数である。これらのうち、nは0または1であることが好ましく、特に工業上0であることが好ましい。
なお、nが1である場合には、R1の置換位置はo−位、m−位、p−位のいずれでもよく、さらに、nが2または3の場合には、任意の置換位置を組み合わせることができる。
また、PHS系樹脂として、前記構成単位(a1)と構成単位(a2)とを有する共重合体における構成単位(a1)の水酸基の水素原子の5〜30モル%がアルカリ不溶性基で置換され、アルカリ可溶性が低減されているものを用いてもよい。
ここで、「アルカリ不溶性基」とは、未置換のアルカリ可溶性樹脂のアルカリ溶解性を低下させる置換基であり、例えば、tert−ブトキシカルボニル基、tert−アミルオキシカルボニル基などの第三級アルコキシカルボニル基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基などの低級アルキル基がある。
(B)成分としては、g線、i線、KrFエキシマレーザーおよび電子線の照射により酸を発生するものであればよく、これまで化学増幅型レジスト用の酸発生剤として提案されているもののなかから任意に選択して使用することができる。
ここで、「g線、i線、KrFエキシマレーザーおよび電子線の照射により酸を発生する」とは、露光光源としてこれらのいずれを用いた場合でも、酸を発生することを意味する。
当該酸発生剤が、g線、i線、KrFエキシマレーザーおよび電子線の照射により酸を発生する酸発生剤であるかどうかは、たとえば、当該酸発生剤および(A)成分を含有するネガ型レジスト組成物を調製し、該ネガ型レジスト組成物を用いて形成したレジスト膜に対し、g線、i線、KrFエキシマレーザーおよび電子線を用いて選択的に露光し、現像した場合に、それぞれ、レジストパターンが形成されるかどうかによって判断することができる。
これらの中でも、オキシムスルホネート系酸発生剤は、g線やi線、KrFエキシマレーザー等に対する透明性が高く、たとえばレジスト膜を膜厚100nm〜5.0μmといった厚膜とした場合でも、露光光が充分にレジスト膜中を透過し、高解像性のレジストパターンを形成できるため好ましい。
ここで、オキシムスルホネート系酸発生剤とは、下記一般式(B−1)で表される基を少なくとも1つ有する化合物、若しくは、下記一般式(III)または(IV)で表される化合物であって、放射線の照射によって酸を発生する特性を有するものである。
R21の有機基としては、直鎖、分岐または環状のアルキル基またはアリール基が好ましい。これらのアルキル基、アリール基は置換基を有していても良い。該置換基としては、特に制限はなく、たとえばフッ素原子、炭素数1〜6の直鎖、分岐または環状のアルキル基等が挙げられる。ここで、「置換基を有する」とは、アルキル基またはアリール基の水素原子の一部または全部が置換基で置換されていることを意味する。
アルキル基としては、炭素数1〜20が好ましく、炭素数1〜10がより好ましく、炭素数1〜8がさらに好ましく、炭素数1〜6が特に好ましく、炭素数1〜4が最も好ましい。アルキル基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアルキル基(以下、ハロゲン化アルキル基ということがある)が好ましい。なお、部分的にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味し、完全にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味する。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。すなわち、ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
アリール基は、炭素数4〜20が好ましく、炭素数4〜10がより好ましく、炭素数6〜10が最も好ましい。アリール基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアリール基が好ましい。なお、部分的にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味し、完全にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味する。
R21としては、特に、置換基を有さない炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のフッ素化アルキル基が好ましい。
R22としては、特に、シアノ基、置換基を有さない炭素数1〜8のアルキル基、または炭素数1〜8のフッ素化アルキル基が好ましい。
オニウム塩系酸発生剤としては、下記一般式(b−1)または(b−2)で表される化合物が挙げられる。
R1”〜R3”のアリール基としては、特に制限はなく、例えば、炭素数6〜20のアリール基であって、該アリール基は、その水素原子の一部または全部がアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子等で置換されていてもよく、されていなくてもよい。アリール基としては、安価に合成可能なことから、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。具体的には、たとえばフェニル基、ナフチル基が挙げられる。
前記アリール基の水素原子が置換されていても良いアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n‐ブチル基、tert‐ブチル基であることが最も好ましい。
前記アリール基の水素原子が置換されていても良いアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記アリール基の水素原子が置換されていても良いハロゲン原子としては、フッ素原子であることが好ましい。
R1”〜R3”のアルキル基としては、特に制限はなく、例えば炭素数1〜10の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基等が挙げられる。解像性に優れる点から、炭素数1〜5であることが好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ノニル基、デカニル基等が挙げられ、解像性に優れ、また安価に合成可能なことから好ましいものとして、メチル基を挙げることができる。
これらの中で、R1”〜R3”はすべてフェニル基であることが最も好ましい。
前記直鎖のアルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。
前記環状のアルキル基としては、前記R1”で示したような環式基であって、炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜10であることがさらに好ましく、炭素数6〜10であることが最も好ましい。
前記フッ素化アルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。また。該フッ化アルキル基のフッ素化率(アルキル基中のフッ素原子の割合)は、好ましくは10〜100%、さらに好ましくは50〜100%であり、特に水素原子をすべてフッ素原子で置換したものが、酸の強度が強くなるので好ましい。
R4”としては、直鎖または環状のアルキル基、またはフッ素化アルキル基であることが最も好ましい。
R5”〜R6”のアリール基としては、R1”〜R3”のアリール基と同様のものが挙げられる。
R5”〜R6”のアルキル基としては、R1”〜R3”のアルキル基と同様のものが挙げられる。
これらの中で、R5”〜R6”はすべてフェニル基であることが最も好ましい。
式(b−2)中のR4”としては上記式(b−1)のR4”と同様のものが挙げられる。
Y”、Z”は、それぞれ独立に、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状または分岐状のアルキル基であり、該アルキル基の炭素数は1〜10であり、好ましくは炭素数1〜7、より好ましくは炭素数1〜3である。
X”のアルキレン基の炭素数またはY”、Z”のアルキル基の炭素数は、上記炭素数の範囲内において、レジスト溶媒への溶解性も良好である等の理由により、小さいほど好ましい。
また、X”のアルキレン基またはY”、Z”のアルキル基において、フッ素原子で置換されている水素原子の数が多いほど、酸の強度が強くなり、また200nm以下の高エネルギー光や電子線に対する透明性が向上するので好ましい。該アルキレン基またはアルキル基中のフッ素原子の割合、すなわちフッ素化率は、好ましくは70〜100%、さらに好ましくは90〜100%であり、最も好ましくは、全ての水素原子がフッ素原子で置換されたパーフルオロアルキレン基またはパーフルオロアルキル基である。
これらは1種または2種以上混合して用いることができる。
(C)成分は、特に限定されず、これまでに知られている化学増幅型のネガ型レジスト組成物に用いられている架橋剤の中から任意に選択して用いることができる。
具体的には、例えば2,3−ジヒドロキシ−5−ヒドロキシメチルノルボルナン、2−ヒドロキシ−5,6−ビス(ヒドロキシメチル)ノルボルナン、シクロヘキサンジメタノール、3,4,8(または9)−トリヒドロキシトリシクロデカン、2−メチル−2−アダマンタノール、1,4−ジオキサン−2,3−ジオール、1,3,5−トリヒドロキシシクロヘキサンなどのヒドロキシル基またはヒドロキシアルキル基あるいはその両方を有する脂肪族環状炭化水素またはその含酸素誘導体が挙げられる。
これらのうち、メラミンを用いたものをメラミン系架橋剤、尿素を用いたものを尿素系架橋剤、エチレン尿素、プロピレン尿素等のアルキレン尿素を用いたものをアルキレン尿素系架橋剤、グリコールウリルを用いたものをグリコールウリル系架橋剤という。
(C)成分としては、メラミン系架橋剤、尿素系架橋剤、アルキレン尿素系架橋剤およびグリコールウリル系架橋剤からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、特にメラミン系架橋剤が好ましい。
R3’とR4’が低級アルコキシ基であるとき、好ましくは炭素数1〜4のアルコキシ基であり、直鎖状でもよく分岐鎖状でもよい。R3’とR4’は同じであってもよく、互いに異なっていてもよい。同じであることがより好ましい。
vは0または1〜2の整数であり、好ましくは0または1である。
アルキレン尿素系架橋剤としては、特に、vが0である化合物(エチレン尿素系架橋剤)および/またはvが1である化合物(プロピレン尿素系架橋剤)が好ましい。
グリコールウリル系架橋剤の具体例としては、例えばモノ,ジ,トリ及び/またはテトラヒドロキシメチル化グリコールウリル、モノ,ジ,トリ及び/またはテトラメトキシメチル化グリコールウリル、モノ,ジ,トリ及び/またはテトラエトキシメチル化グリコールウリル、モノ,ジ,トリ及び/またはテトラプロポキシメチル化グリコールウリル、モノ,ジ,トリ及び/またはテトラブトキシメチル化グリコールウリルなどが挙げられる。
(C)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して3〜30質量部が好ましく、3〜15質量部がより好ましく、5〜10質量部が最も好ましい。(C)成分の含有量が下限値以上であると、架橋形成が充分に進行し、良好なレジストパターンが得られる。またこの上限値以下であると、レジスト塗布液の保存安定性が良好であり、感度の経時的劣化が抑制される。
本発明のネガ型レジスト組成物には、レジストパターン形状、引き置き経時安定性などを向上させるために、さらに、含窒素有機化合物(D)(以下、(D)成分という)を配合させることが好ましい。
(D)成分としては、当該ネガ型レジスト組成物中の他の成分に対する相容性を有するものであれば良く、特に制限されるものではないが、例えば特開平9−6001号公報に記載の化合物を挙げることができる。
特に、下記一般式(X)で表される比較的嵩高い特定の塩基性化合物(d1)を配合することにより、経時的にネガ型レジスト組成物中に副生成するおそれのある酸成分の量を抑制する効果もあり、ネガ型レジスト組成物の長期保存安定性を向上させることができる。
(1)の炭素数4以上のアルキル基においては、炭素数が4以上であることにより、経時安定性の向上に有効である。炭素数はさらには5以上、特には8以上であることが好ましい。炭素数の上限値は、特に限定しないが、経時安定効果が認められ、また商業的に入手容易である点から、20以下が好ましく、特に15以下が好ましい。なお、20を超えると塩基性強度が弱くなり、保存安定性の効果が充分に得られないおそれがある。
(1)のアルキル基は直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよい。特に直鎖状が好ましく、具体的には、例えばn−デシル基、n−オクチル基、n−ペンチル基等が好ましい。
(2)の炭素数3以上の環状アルキル基においては、特に炭素数4〜8のシクロアルキル基が商業的に入手可能であり、かつ経時安定性を向上させる効果に優れ好ましい。特に炭素数が6であるシクロヘキシル基が好ましい。
(4)のアラルキル基は、側鎖を有する芳香族炭化水素の側鎖から水素原子1個を除いた基であり、一般式−R’−P(R’はアルキレン基、Pはアリール基)で表すことができる。Pのアリール基としてはフェニル基、ナフチル基等が挙げられ、フェニル基が好ましい。R’のアルキレン基は、炭素数は1以上であればよく、好ましくは1〜3である。
(4)のアラルキル基としては、ベンジル基、フェニルエチル基等が好ましい。
(1’)の炭素数3以下のアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよい。特にメチル基、エチル基が好ましい。
中でも、トリ−n−デシルアミン、メチル−ジ−n−オクチルアミン、トリ−n−ペンチルアミンから選ばれる1種以上が好ましく、特にトリ−n−デシルアミンが好ましい。
(D)成分は、(A)成分100質量部に対して、通常0.01〜5.0質量部の範囲で用いられる。
有機カルボン酸としては、例えば、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸などが好適である。
リンのオキソ酸若しくはその誘導体としては、リン酸、リン酸ジ−n−ブチルエステル、リン酸ジフェニルエステルなどのリン酸又はそれらのエステルのような誘導体、ホスホン酸、ホスホン酸ジメチルエステル、ホスホン酸−ジ−n−ブチルエステル、フェニルホスホン酸、ホスホン酸ジフェニルエステル、ホスホン酸ジベンジルエステルなどのホスホン酸及びそれらのエステルのような誘導体、ホスフィン酸、フェニルホスフィン酸などのホスフィン酸及びそれらのエステルのような誘導体が挙げられ、これらの中で特にホスホン酸が好ましい。
(E)成分は、(A)成分100質量部当り0.01〜5.0質量部の割合で用いられる。
当該保存安定剤としては、有機溶剤の分解反応を抑制する作用を有するものであれば特に限定されず、例えば、特開昭58−194834号公報に記載されているような酸化防止剤を挙げることができる。酸化防止剤としては、フェノール系化合物とアミン系化合物が知られているが、特にフェノール系化合物が好ましく、中でも2,6−ジ(tert−ブチル)−p−クレゾール及びその誘導体が、エステル系溶剤、ケトン系溶剤の劣化に対して有効であり、商業的に入手可能、かつ安価であって、さらに保存安定効果に優れる点で好ましい。特にプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、2−ヘプタノンに対する劣化防止効果に極めて優れる。
本発明における染料とは、g線、i線およびKrFエキシマレーザーのうち、ミックスアンドマッチに使用する光源の少なくとも1種に対して吸収を有するものであり、かかる染料を配合することにより、g線、i線またはKrFエキシマレーザーに対する感度をコントロールし、他の少なくとも1種の光源(たとえば電子線)に対する感度とのバランスを調節することができる。また、g線、i線またはKrFエキシマレーザーによる定在波の影響が低減され、ラインエッジラフネス(LER)の低減、形成されるパターン寸法の面内均一性の向上、焦点深度幅の向上等が達成される。
有機溶剤としては、使用する各成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、従来、化学増幅型レジストの溶剤として公知のものの中から任意のものを1種または2種以上適宜選択して用いることができる。
例えば、γ−ブチロラクトン等のラクトン類や、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類、エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコール、またはジプロピレングリコールモノアセテートのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテルまたはモノフェニルエーテルなどの多価アルコール類およびその誘導体や、ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類などを挙げることができる。
これらの有機溶剤は単独で用いてもよく、2種以上の混合溶剤として用いてもよい。
また、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)と極性溶剤とを混合した混合溶媒は好ましい。その配合比(質量比)は、PGMEAと極性溶剤との相溶性等を考慮して適宜決定すればよいが、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2の範囲内とすることが好ましい。
有機溶剤の使用量は特に限定しないが、基板等に塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定されるものであるが、一般的にはレジスト組成物の固形分濃度が2〜60質量%、好ましくは5〜50質量%であり、さらに好ましくは5〜40質量%の範囲内となる様に用いられる。
なお、上記分解により副生成する酸成分としては、例えば2−ヘプタノンの場合、蟻酸、酢酸、プロピオン酸等を生じることが確認されている。
本発明のネガ型レジスト組成物は、g線、i線、KrFエキシマレーザーおよび電子線のいずれに対しても感度を有しているため、露光光源としては、g線、i線、KrFエキシマレーザーおよび電子線のいずれを選択してもよい。
本発明においては、特に、微細なパターンを形成できることから、露光光源として、少なくとも電子線を用いることが好ましい。すなわち、上記工程は、g線、i線およびKrFエキシマレーザーから選ばれる少なくとも1種と、電子線とを用いて露光する工程であることが好ましい。この場合、微細パターン、たとえば寸法が200nm以下の微細パターンについては電子線を用いて形成し、それよりもラフなパターン、たとえば寸法が200nmを越えるパターンについてはg線、i線またはKrFエキシマレーザーを用いて形成する。これにより、たとえば電子線のみを用いる場合に比べ、スループットを大幅に向上させることができる。
さらに、露光装置が安価で、コストが低減できること等を考慮すると、g線および/またはi線を用いることが好ましい。すなわち、上記工程は、g線および/またはi線と、電子線とを用いて露光する工程であることが好ましい。
特に、露光光源として2種の露光光源を用いる場合は、i線と電子線とを用いることが好ましい。
本発明のレジストパターン形成方法は、上記本発明のネガ型レジスト組成物を用いて基板上にレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を、g線、i線、KrFエキシマレーザーおよび電子線から選ばれる少なくとも2種の露光光源を用いて選択的に露光する工程、および前記レジスト膜をアルカリ現像してレジストパターンを形成する工程を含む。
すなわち、まずシリコンウェーハのような基板上に、上記本発明のネガ型レジスト組成物をスピンナーなどで塗布し、60〜180℃の温度条件下、プレベークを10〜600秒間、好ましくは60〜90秒間施し、レジスト膜を形成する。レジスト膜の膜厚は、特に制限はない。特に、レジスト膜を膜厚100nm〜10μmさらに好ましくは200nm〜5μmといった膜厚が好ましい。
該レジスト膜に対し、g線、i線、KrFエキシマレーザーおよび電子線から選ばれる1種(第一の露光光源)を用いて、所望のマスクパターンを介してまたは介さずに選択的に露光する。すなわちマスクパターンを介して露光する、またはマスクパターンを介さずに電子線を直接照射して描画する。
次いで、該レジスト膜に対し、g線、i線、KrFエキシマレーザーおよび電子線から選ばれる、前記第一の露光光源以外の1種(第二の露光光源)を用いて、所望のマスクパターンを介してまたは介さずに選択的に露光する。
選択的露光後、80〜150℃の温度条件下、加熱処理(ポストエクスポージャーベーク(PEB))を40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施す。次いで、これをアルカリ現像液、例えば0.1〜10質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液を用いて現像処理することにより、レジストパターンを形成できる。
なお、基板とレジスト組成物の塗布層との間には、有機系または無機系の反射防止膜を設けることもできる。
本発明においては、特に、上述したように、g線、i線およびKrFエキシマレーザーから選ばれる少なくとも1種と、電子線との組み合わせが好ましく、g線および/またはi線と電子線との組み合わせがより好ましく、i線と電子線との組み合わせが最も好ましい。
実施例1〜2、比較例1〜2
下記表1に示す各成分を混合、溶解してネガ型レジスト組成物溶液を調製した。
表1中、[]内の数値は配合量(質量部)を示す。また、表1中の略号は以下の意味を有する。
(A)−2:Mw=2500のポリヒドロキシスチレン(商品名:VPS−2520、日本曹達社製)
(A)−4:m−クレゾールと、ホルムアルデヒド/サリチルアルデヒド=1/0.3(モル比)の混合アルデヒド類とを用いて、常法により合成した、Mw=4000のノボラック樹脂。
(B)−1:上記式(V)で表される化合物
(B)−2:トリフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート
(C)−1:メラミン系架橋剤(商品名:MW100LM、三和ケミカル社製)
(D)−2:トリ−n−デシルアミン
(D)−3:トリ−n−ペンチルアミン
(E)−1:サリチル酸
Add2:界面活性剤(商品名:XR−104、大日本インキ化学工業社製)
Add3:染料(商品名:HHBP、ダイトーケミックス社製)
(S)−2:PGMEA
[電子線に対する感度]
得られたネガ型レジスト組成物溶液を、ヘキサメチルジシラザン処理を施した8インチシリコン基板上に均一に塗布し、130℃にて90秒間のベーク処理(PAB)を行って成膜し、膜厚500nmのレジスト膜を得た。
該レジスト膜に対し、電子線描画機(日立製HL−800D、70kV加速電圧)にて描画を行った後、110℃にて90秒間のベーク処理(PEB)を行い、2.38質量%TMAH水溶液(23℃)で60秒間現像した。
その後、該基板について、パターンが形成されているかどうかを走査型電子顕微鏡(SEM)により観察した。
その結果、実施例1および比較例1ともにパターンが形成されており、電子線に対する感度を有することがわかった。
上記と同様にして膜厚500nmのレジスト膜を形成し、該レジスト膜に対し、KrF露光装置FPA3000EX3(Canon社製;NA(開口数)=0.55,σ=0.55)により、KrFエキシマレーザー(248nm)を、マスクパターンを介して選択的に照射した後、110℃にて90秒間のベーク処理(PEB)を行い、2.38質量%TMAH水溶液(23℃)で60秒間現像した。
該基板について、パターンが形成されているかどうかをSEMにより観察した結果、実施例1および比較例1ともにパターンが形成されており、KrFエキシマレーザーに対する感度を有することがわかった。
上記と同様にして膜厚500nmのレジスト膜を形成し、該レジスト膜に対し、NSR−1505G7E(ニコン社製)により、g線(436nm)を、マスクパターンを介して選択的に照射した後、110℃にて90秒間のベーク処理(PEB)を行い、2.38質量%TMAH水溶液(23℃)で60秒間現像した。
その結果、実施例1についてはパターンが形成されており、g線に対する感度を有することがわかった。一方、比較例1については、パターンが形成されておらず、g線に対する感度を有さないことがわかった。
上記と同様にして膜厚500nmのレジスト膜を形成し、該レジスト膜に対し、NSR2205i14E(Nikon社製)により、i線(365nm)を、マスクパターンを介して選択的に照射した後、110℃にて90秒間のベーク処理(PEB)を行い、2.38質量%TMAH水溶液(23℃)で60秒間現像した。
その結果、実施例1についてはパターンが形成されており、i線に対する感度を有することがわかった。一方、比較例1については、パターンが形成されておらず、i線に対する感度を有さないことがわかった。
一方、(B)成分として(B)−2のみを用いた比較例1,2のネガ型レジスト組成物は、KrFエキシマレーザーおよび電子線には感度を有しており、電子線を用いて高解像性のパターンを形成できたものの、g線、i線には感度を有していなかった。したがって、比較例1,2のネガ型レジスト組成物を用いて、g線、i線、KrFエキシマレーザーおよび電子線のうちの2種以上を任意に選択してミックスアンドマッチを行うことができないことは明らかである。
まず、基板の上に磁性膜が積層され、さらにその上に下地膜が積層された積層体の下地膜上に、上記と同様にしてレジスト膜を形成した。下地膜は、東京応化工業社製のTBLC−100を用いて形成した。
次いで、図1に示すように、i線で、5μm角の大面積パターン11,11を1μm間隔で形成した。次いで、図2に示すように、電子線で、前記大面積パターン11,11を繋ぐように幅100nmのラインパターン12を形成した。このようにして、大面積パターン11,11がラインパターン12で連結された形状のレジストパターン13が形成できた。該レジストパターン13の斜視図を図3に示す。
このとき、レジスト膜の除去された部分の下に位置する下地膜はオーバーエッチングすることで除去され、下地パターン3が形成された。図4に、ラインパターン12部分における縦断面図を示す。図4に示す様に、基板1の上に積層された磁性膜2’上に、下地パターン3とラインパターン12とからなる断面羽子板状のパターン5が形成された。
まず、パターン5をマスクとして、日立製作所社製のイオンビームミリング装置IMLシリーズを用いたイオンミリングを行ったところ、図5(a)に示したように、パターン5の周辺の磁性膜2’がエッチングされ、パターン5の下部の磁性膜2’が残り、磁性膜パターン2がプリントされた。
さらに、日立製作所社製のスパッタリング装置ISM−2200を用いたスパッタリングを行ったところ、図5(b)に示したように、パターン5の上と、磁性膜パターン2の周囲の基板1の上とに電極膜6が形成された。
最後に、ドライエッチングにより下地パターン3をエッチングしてパターン5を除去(リフトオフ)することにより、図5(c)に示すように、基板1と、その上に形成された磁性膜パターン2と、その周囲に形成された電極膜6とからなる磁気ヘッドのリード部10が製造された。
Claims (4)
- アルカリ可溶性樹脂成分(A)、g線、i線、KrFエキシマレーザーおよび電子線の照射により酸を発生する酸発生剤成分(B)、および架橋剤成分(C)を含有するネガ型レジスト組成物を用いて基板上にレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を、g線、i線およびKrFエキシマレーザーから選ばれる少なくとも1種と、電子線とを用いて選択的に露光する工程、および前記レジスト膜をアルカリ現像してレジストパターンを形成する工程を含み、
前記酸発生剤成分(B)が、下記一般式(III)または(IV)で表されるオキシムスルホネート系酸発生剤であることを特徴とするレジストパターン形成方法。
- 前記アルカリ可溶性樹脂成分(A)が、アルカリ可溶性ノボラック樹脂である請求項1記載のレジストパターン形成方法。
- 前記アルカリ可溶性樹脂成分(A)が、ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位を有する樹脂である請求項1記載のレジストパターン形成方法。
- 前記ネガ型レジスト組成物が、さらに、含窒素有機化合物(D)を含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載のレジストパターン形成方法。
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