JP4821530B2 - 薄型の光学レンズ - Google Patents
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Description
鍔部とレンズ部とが、凹部を介して結合しており、直径が10mm以下である光学レンズであって、
上記鍔部の厚みが0.5mm以下、上記凹部の厚みが該鍔部の厚み以下、かつ0.4mm以下であり、
下記式(1)で示される修正Crossモデルにより溶融粘度を表したときの指数定数nが0.3以上0.5以下である環状オレフィン系樹脂を射出成形して得られることを特徴とする。
かれる単位を有することが好ましい。
R1〜R4のうち少なくとも一つが極性基であることが好ましい。
鍔部とレンズ部とが、凹部を介して結合しており、直径が10mm以下である光学レンズの製造方法であって、
光学レンズの製造方法上記式(1)で示される修正Crossモデルにより溶融粘度を表し
たときの指数定数nが0.3以上0.5以下である環状オレフィン系樹脂からなるペレットを射出成形し、
上記鍔部の厚みを0.5mm以下、上記凹部の厚みを該鍔部の厚み以下、かつ0.4mm以下の形状に成形することを特徴とする。
本発明の光学レンズは、鍔部とレンズ部とが、凹部を介して結合しており、直径が10mm以下である。
の厚み以下、かつ0.4mm以下である。ここで、上記鍔部の厚みはレンズ端部の位置で測定
した値を意味する。上記凹部は、レンズ部と鍔部の間に位置し、鍔部からレンズ部の方向に見た場合、鍔部よりも薄肉の部分である。上記凹部は、その薄肉部の厚みが最も薄くなる位置で測定した値を意味する。
融粘度を表したときの指数定数nが0.3以上0.5以下である環状オレフィン系樹脂が用いられる。
モデルを用いる。
が大きいほど、剪断速度に対して溶融粘度の変化が大きいことを意味する。
であると、射出成形時に薄肉部での流動性が不足し、レンズの面精度を光学設計内に収めた場合、レンズ部となる厚肉部に局所歪が発生するとともに、流動末端でのバリの発生が生ずることがある。また、nが0.5を越えると、レンズ金型キャビティー内の充填圧力が不足し、レンズの面精度を維持することが著しく困難となり好ましくない。したがって、上記のような形状を有する薄型の光学レンズの製造には、nが上記範囲にある環状オレフィン系樹脂が好適に用いられる。
本発明に用いられる環状オレフィン系樹脂としては、下記式(I)で表される環状オレフィン化合物から導かれる単位を有する(共)重合体が挙げられる。この(共)重合体は、上記環状オレフィン化合物を含む単量体を重合して得られる。
上記式(I)中、R1〜R4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、1価の炭化水素基または極性基を示す。
上記1価の極性基としては、カルボキシル基、水酸基、アルコキシカルボニル基、アリロキシカルボニル基、アミノ基、アミド基、シアノ基などが挙げられ、これら極性基には、メチレン基などの連結基を介して結合している基も含まれる。また、上記極性基には、カルボニル基、エーテル基、シリルエーテル基、チオエーテル基、イミノ基などの極性を有する2価の連結基を介して結合する炭化水素基も含まれる。これらの極性基のうち、カルボキシル基、水酸基、アルコキシカルボニル基およびアリロキシカルボニル基が好ましく、アルコキシカルボニル基およびアリロキシカルボニル基が特に好ましい。
(II)で表される極性基である環状オレフィンを用いると、さらに、高いガラス転移温度および低い吸湿性を有するとともに、各種材料との密着性に優れた環状オレフィン系樹脂が得られる点で好ましい。
上記式(II)中、Rは、炭素数が好ましくは1〜12、さらに好ましくは1〜4、特に好ましくは1または2の炭化水素基である。ここで、上記炭化水素基としては、アルキル基が好ましい。また、nは、通常0〜5であり、nの値が小さい環状オレフィンほど、ガラス転移温度が高い環状オレフィン系樹脂が得られるため好ましく、nが0である環状オレフィン(−COOR)は合成が容易であるため特に好ましい。
よびR4が水素原子であると、吸湿性が低く、特定のnを有する環状オレフィン系樹脂が
得られる点で好ましい。
指数定数nが0.3以上0.5以下である樹脂を得るには、上述した極性基を有する環状オレフィンを(共)重合成分として用いることが好ましく、当該極性基を有する環状オレフィンの割合をコントロールすることで、nの値を調整することができる。
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
トリシクロ[4.3.0.12,5]−8−デセン、
トリシクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセン、
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン、
5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデ
セン、
8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデ
セン、
8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセ
ン、
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3
−ドデセン、
8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3
−ドデセン、
8−メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10
]−3−ドデセン、
8−メチル−8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10
]−3−ドデセン、
8−メチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]
−3−ドデセン、
5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−フェニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
5−フルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ペンタフルオロエチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリス(フルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラキス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロ−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロ−5−ペンタフルオロエチル−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5−ヘプタフルオロ−iso−プロピル−6−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−クロロ−5,6,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジクロロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−トリフルオロメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−ヘプタフルオロプロポキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−フルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−ジフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−ペンタフルオロエチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
、
8,8−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3
−ドデセン、
8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3
−ドデセン、
8−メチル−8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3
−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
、
8,8,9−トリス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10
]−3−ドデセン、
8,8,9,9−テトラフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ド
デセン、
8,8,9,9−テトラキス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5
.17,10]−3−ドデセン、
8,8−ジフルオロ−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5
.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメトキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−ペンタフルオロプロポキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロ−8−ペンタフルオロエチル−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8−ヘプタフルオロiso−プロピル−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−クロロ−8,9,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−
3−ドデセン、
8,9−ジクロロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
などを挙げることができる。
(1)上記式(I)で表される環状オレフィンの開環重合体
(2)上記式(I)で表される環状オレフィンと共重合性単量体との開環共重合体
(3)上記(1)または(2)の開環(共)重合体の水素添加(共)重合体
(4)上記(1)または(2)の開環(共)重合体をフリーデルクラフト反応により環化したのち、水素添加した(共)重合体
(5)上記式(I)で表される環状オレフィンと不飽和二重結合含有化合物との飽和共重
合体
(6)上記式(I)で表される環状オレフィンと、ビニル系環状炭化水素系単量体およびシクロペンタジエン系単量体から選ばれる1種以上の単量体との付加型(共)重合体およびその水素添加(共)重合体
(7)上記式(I)で表される環状オレフィンとアクリレートとの交互共重合体
が挙げられる。これらのうちで、上記(1)または(2)の開環(共)重合体の水素添加(共)重合体が好適に用いられる。
開環重合体(1)および開環共重合体(2)は、メタセシス触媒の存在下で、上記環状オレフィンを開環重合させるか、または上記環状オレフィンと共重合性単量体とを開環共重合させて得られる。
上記共重合性単量体としては、シクロオレフィンが挙げられ、炭素数が好ましくは4〜20、より好ましくは5〜12のシクロオレフィンが望ましい。より具体的には、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、ジシクロペンタジエンなどを挙げることができる。これらのシクロオレフィンは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
開環(共)重合反応において用いられるメタセシス触媒は、下記の化合物(a)と化合物(b)との組合せからなる触媒である。
(a)W、MoおよびReの化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物。
(b)デミングの周期律表IA族元素(例えば、Li、Na、Kなど)、IIA族元素(例えば、Mg、Caなど)、IIB族元素(例えば、Zn、Cd、Hgなど)、IIIA族元素(例えば、B、Alなど)、IVA族元素(例えば、Si、Sn、Pbなど)およびIVB族元素(例えば、Ti、Zrなど)から選ばれる少なくとも1つの元素を含む化合物であって、上記元素と炭素との結合、または上記元素と水素との結合を少なくとも1つ有する化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物。
上記化合物(a)の具体例としては、WCl6、MoCl6、ReOCl3など、特開平
1−132626号公報の第8頁左下欄第6行〜第8頁右上欄第17行に記載の化合物を挙げることができる。
iHなど、特開平1−132626号公報の第8頁右上欄第18行〜第8頁右下欄第3行に記載の化合物を挙げることができる。
上記添加剤(c)と化合物(a)との割合は、モル比〔(c):(a)〕で、通常0.005:1〜15:1、好ましくは0.05:1〜7:1である。
開環(共)重合反応において、溶媒は、後述する分子量調節剤溶液を構成する溶媒や、環状オレフィンおよび/またはメタセシス触媒の溶媒として使用される。このような溶媒としては、たとえば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカンなどのアルカン類;シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナンなどのシクロアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメンなどの芳香族炭化水素;クロロブタン、ブロモヘキサン、塩化メチレン、ジクロロエタン、ヘキサメチレンジブロミド、クロロホルム、テトラクロロエチレンなどのハロゲン化アルカン;クロロベンゼンなどのハロゲン化アリール;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、プロピオン酸メチル、ジメトキシエタンなどの飽和カルボン酸エステル類;ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエーテル類などを挙げることができる。これらの溶媒は単独であるいは混合して用いることができる。これらのうち、芳香族炭化水素が好ましい。
<分子量調節剤>
得られる開環(共)重合体の分子量は、重合温度、触媒の種類、溶媒の種類によって調節することも可能であるが、分子量調節剤を共存させることによっても調節できる。
上記開環共重合体は、環状オレフィンと共重合性単量体とを開環共重合させて得ることができるが、さらに、ポリブタジエン、ポリイソプレンなどの共役ジエン化合物、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−非共役ジエン共重合体、ポリノルボルネンなどの主鎖に炭素−炭素間二重結合を2つ以上含む不飽和炭化水素系ポリマーなどの存在下で環状オレフィンを開環共重合させてもよい。
上記開環(共)重合体は、そのままでも用いることができるが、さらにこれに水素添加して得られる水素添加(共)重合体(3)は、耐衝撃性に優れた樹脂として有用である。
、好ましくは20〜180℃で作用させて行うことができる。
上記水素添加触媒としては、通常のオレフィン性化合物の水素添加反応に用いられる触媒を使用することができる。この水素添加触媒としては、不均一系触媒および均一系触媒が挙げられる。
水素添加(共)重合体(3)の水素添加率は、1H−NMRにより500MHzの条件
で測定した値が、通常50%以上、好ましく70%以上、より好ましくは90%以上、特に好ましくは98%以上、最も好ましくは99%以上である。水素添加率が高いほど、熱や光に対する安定性が優れ、長期にわたって安定した特性を有する導光体などの成形品を得ることができる。
(4)水素添加(共)重合体
水素添加(共)重合体(4)は、上記(1)または(2)の開環(共)重合体をフリーデルクラフト反応により環化したのち、水素添加することにより得られる。
、CH3ClCOOH、ゼオライト、活性白土などのルイス酸、ブレンステッド酸が挙げ
られる。
(5)飽和共重合体
飽和共重合体(5)は、付加重合触媒の存在下で、上記環状オレフィンに不飽和二重結合含有化合物を付加重合させることにより得られる。付加重合法は従来公知の方法を適用できる。
不飽和二重結合含有化合物としては、たとえば、エチレン、プロピレン、ブテンなどのオレフィン系化合物を挙げることができ、これらのうち、炭素数が好ましくは2〜12、さらに好ましくは2〜8のオレフィン系化合物が望ましい。
付加重合触媒としては、チタン化合物、ジルコニウム化合物およびバナジウム化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物と、助触媒として有機アルミニウム化合物との組み合わせが挙げられる。
VO(OR)aXb、またはV(OR)cXd
〔ただし、Rは炭化水素基、Xはハロゲン原子であって、0≦a≦3、0≦b≦3、2≦(a+b)≦3、0≦c≦4、0≦d≦4、3≦(c+d)≦4である。〕
で表されるバナジウム化合物、あるいはこれらの電子供与付加物が挙げられる。
また、飽和共重合体(5)の分子量の調節は、通常、水素を用いて行うことができる。
付加型(共)重合体(6)は、上記環状オレフィンに、ビニル系環状炭化水素系単量体およびシクロペンタジエン系単量体から選ばれる1種以上の単量体を付加重合させることにより得られる。
上記ビニル系環状炭化水素系単量体としては、たとえば、4−ビニルシクロペンテン、2−メチル−4−イソプロペニルシクロペンテンなどのビニルシクロペンテン系単量体;
4−ビニルシクロペンタン、4−イソプロペニルシクロペンタン等のビニルシクロペンタン系単量体などのビニル化5員環炭化水素系単量体;4−ビニルシクロヘキセン、4−イソプロペニルシクロヘキセン、1−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキセン、2−メチル−4−ビニルシクロヘキセン、2−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキセンなどのビニルシクロヘキセン系単量体;4−ビニルシクロヘキサン、2−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキサンなどのビニルシクロヘキサン系単量体;スチレン、α―メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、4−フェニルスチレン、p−メトキシスチレンなどのスチレン系単量体;d−テルペン、1−テルペン、ジテルペン、d−リモネン、1−リモネン、ジペンテンなどのテルペン系単量体;4−ビニルシクロヘプテン、4−イソプロペニルシクロヘプテンなどのビニルシクロヘプテン系単量体;4−ビニルシクロヘプタン、4−イソプロペニルシクロヘプタン等のビニルシクロヘプタン系単量体などが挙げられる。これらの単量体のうち、スチレン、α−メチルスチレンが好ましい。また、これらの単量体は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
上記シクロペンタジエン系単量体としては、たとえば、シクロペンタジエン、1−メチルシクロペンタジエン、2−メチルシクロペンタジエン、2−エチルシクロペンタジエン、5−メチルシクロペンタジエン、5,5−メチルシクロペンタジエンなどが挙げられる。これらの単量体のうち、シクロペンタジエンが好ましい。また、これらの単量体は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
上記付加型(共)重合体(6)の水素添加(共)重合体は、上記付加型(共)重合体(6)を、上記(3)と同様の方法により水素添加することにより得ることができる。
交互共重合体(7)は、ルイス酸等の存在下で上記環状オレフィンとアクリレートとをラジカル重合させることにより得られる。
上記アクリレートとしては、たとえば、メチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレートなどの炭素数1〜20の直鎖状、分岐状または環状アルキルアクリレート;グリシジルアクリレート、2−テトラヒドロフルフリルアクリレートなどの炭素原子数2〜20の複素環基含有アクリレート;ベンジルアクリレートなどの炭素原子数6〜20の芳香族環基含有アクリレート;イソボロニルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレートなどの炭素数7〜30の多環構造を有するアクリレートが挙げられる。
また、フリーラジカルを発生する公知の有機過酸化物またはアゾビス系のラジカル重合開始剤を用いることもできる。
gが好ましく、0.3〜3dl/gがさらに好ましく、0.4〜1.5dl/gが特に好ましい。また、テトラヒドロフランを溶媒として、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、カラム:東ソー(株)製TSKgel G7000HXL×1、TSKgel GMHXL×2およびTSKgel G2000HXL×1の4本を直列に接続した。)で測定されるポリスチレン換算の分子量は、数平均分子量(Mn)が好ましくは8,000〜100,000、さらに好ましくは10,000〜80,000、特に好ましくは12,000〜50,000であり、重量平均分子量(Mw)が好ましくは20,000〜300,000、さらに好ましくは30,000〜250,000、特に好ましくは40,000〜200,000である。
にある環状オレフィン系樹脂は、成形加工性に優れ、この樹脂によれば、耐熱性、耐水性、耐薬品性および機械的特性に優れた成形品が得られる。
射出成形に使用される射出成形機は特に限定されないが、たとえば、シリンダーの方式としてはインライン方式、プリプラ方式;駆動方式としては油圧式、電動式、ハイブリッド式;型締め方式としては直圧式、トグル式;射出方向としては横型、縦型などが挙げられる。また、型締め方式は射出圧縮できるものでもよい。シリンダー径および型締め力は目的の成形品の形状により決まるが、一般に成形品の投影面積が大きい場合は型締め力を大きくすることが好ましく、成形品の容量が大きい場合はシリンダー径の大きくすることが好ましい。
のスクリュー形状は適宜選択でき、スクリュー表面には、クロム系、チタン系、窒化物系、炭素系など、公知のコーティングを施してもよい。また、計量や射出動作の安定性を向上するためにスクリューの回転や圧力を制御する機構などを設けてもよい。また、シリンダー内や樹脂組成物を貯蔵するホッパー内を減圧にしたり、シリンダーおよびホッパーを窒素などの不活性ガスでシールしたりすることは、成形品が安定に得られるという観点から好ましい。
金型のキャビティー内を減圧して射出成形する場合、減圧度は、ゲージ圧で、好ましくは−0.08MPa以下、さらに好ましくは−0.09MPa以下、特に好ましくは−0.1MPa以下である。上記範囲を超えると、減圧度が不足し、光透過性および光拡散性に優れた成形品を得られないことがある。
ーの間隔を狭くすればよい。
射出成形のその他の条件は、特に限定されるものではないが、通常、シリンダー温度が260〜350℃、金型温度は、環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度Tgに基づいて、通常Tg−1〜Tg−40℃、好ましくはTg−5〜Tg−25℃の範囲である。また、射出速度は、本発明の成形品の大きさや成形機のシリンダーサイズにより異なるが、たとえば、シリンダー径が28mmの場合、通常80mm/sec以上、好ましくは90〜250mm/secである。保圧では、成形品の形状が保持できる程度の最小圧・時間に適宜調整することが好ましい。
キャビティーの一部に設けてもよいが、ゲート部を除く全面に形成することも好ましい。また、このようなガスベントは、金型のゲート部、またはランナー部に形成してもよい。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、この実施例により何ら限定されるものではない。なお、以下において「部」および「%」は、特に断らない限り、「重量部」および「重量%」を意味する。
また、環状オレフィン系樹脂の各種物性は以下の方法により測定した。
(屈折率)
環状オレフィン系樹脂を射出成形して40mm×60mm×3.2mmの平板を作製し、(Tg+5)℃で30分間アニールを行った。その後、さらに25℃、50RH%の環境下に1週間放置した後、25℃、50RH%の環境下で屈折率計(カールツァイスイエナ社製 PR−2)を用いて屈折率を測定した。
クロロホルムを溶媒として、重合体濃度0.5g/dlの試料を調製し、30℃の条件下でウベローデ粘度計にて測定した。
東ソー株式会社製HLC−8020ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、カラム:東ソー(株)製TSKgel G7000HXL×1、TSKgel GMHXL×2およびTSKgel G2000HXL×1の4本を直列に接続した。)を用い、テトラヒドロフラン(THF)溶媒で測定し、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)を求めた。なお、Mnはポリスチレン換算の数平均分子量を表す。
セイコーインスツルメンツ社製DSC6200を用いて、昇温速度20℃/分、窒素気流下で測定した。
ツインキャピラリーレオメータを用いて溶融粘度を測定した。測定温度を240℃、260℃、280℃、300℃および320℃の中から任意に3点選び、それぞれの温度において、せん断
速度10〜10,000s-1の範囲で溶融粘度を測定した。測定したデータに基づき最小二乗法に
てフィッティングを行い(上記式(1))、係数および定数を決定した。
[合成例1]
環状オレフィンとして8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン250部と、分子量調節剤として1−ヘキセン41部
と、開環重合反応用溶媒としてトルエン750部とを窒素置換した反応容器内に仕込み、この溶液を60℃に加熱した。次いで、反応容器内の溶液に、トリエチルアルミニウムのトルエン溶液(濃度1.5モル/L)0.62部と、t−ブタノール/メタノールで変性した六塩化タングステン(t−ブタノール:メタノール:タングステン=0.35モル:0.3モル:1モル)のトルエン溶液(濃度0.05モル/L)3.7部とを添加し、この溶液を80℃で3時間加熱攪拌することにより開環重合反応させて、開環重合体を含む溶液を得た。
このようにして得られた開環重合体の溶液4,000部をオートクレーブに仕込み、この開環重合体溶液に、RuHCl(CO)[P(C6H5)3]3を0.48部添加し、水素ガス圧100kg/cm2、反応温度165℃の条件下で3時間加熱攪拌することにより
水素添加反応を行った。得られた反応溶液(水素添加重合体を含む溶液)を冷却した後、水素ガスを放圧した。
その後、回収した水素添加重合体をトルエンに溶解して濃度20%の溶液を調製し、孔径1μmのフィルターでろ過した後、再度、多量のメタノール中に注いで水素添加重合体を凝固させ、回収した。この再溶解/析出/回収操作を3回繰り返し、最後に得られた水素添加重合体を、減圧下、100℃で12時間乾燥した後、溶融押出機を用いて造粒してペレットを得た。
的に100%であった。
2、Mwは75,000、Mw/Mnは3.5、Tgは164℃であった。
図3に示すように溶融粘度を測定し、フィッティングを行って定数を計算した。n=0.462、τ*=1.55×104、B=4.09×10-10、Tb=16920であった。
環状オレフィンとして8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン225部とビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
25部とを使用し、分子量調節剤として1−ヘキセンを43部を使用した以外は、合成例1と同様にして水素添加重合体を得た。得られた水素添加重合体(以下、「環状オレフィン系樹脂2」という。)の水素添加率は、実質的に100%であった。
は62,000、Mw/Mnは3.5、Tgは141℃であった。
図4に示すように溶融粘度を測定し、フィッティングを行って定数を計算した。n=0.393、τ*=7.12×104、B=6.96×10-9、Tb=14030であった。
環状オレフィンとして8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−
3−ドデセン250部を使用し、開環重合反応用溶媒としてシクロヘキサン750部を使用した以外は、合成例1と同様にして水素添加重合体を得た。得られた水素添加重合体(以下、「環状オレフィン系樹脂3」という。)の水素添加率は、実質的に100%であった。
は65,000、Mw/Mnは3.0、Tgは145℃であった。
図5に示すように溶融粘度を測定し、フィッティングを行って定数を計算した。n=0.264、τ*=2.04×105、B=6.13×10-7、Tb=11160であった。
<光学レンズの成形>
(環状オレフィン樹脂の乾燥)
環状オレフィン系樹脂を予め100℃で4時間真空乾燥し、窒素雰囲気下で常圧に戻した後、窒素を封入したアルミニウム製の袋に密封して保管した。
図6に示す金型を用いた。この金型のキャビティーは、光学レンズの鍔部、凹部およびレンズ部にそれぞれ対応する空間部を有する。なお、図6(a)は、実施例で用いた金型において、レンズ部を垂直方向から見た外観図であり、図6(b)は、図6(a)における線Aに沿った断面図である。
ず)を2mm長で設けた。
(射出成形)
射出成形機(ファナック社製α2000iB、シリンダー径25mm、型締め100ton)を用いて、環状オレフィン樹脂を射出成形した。成形条件は表1に示すとおりであった。
で行った。また成形条件設定後30ショット成形を行い、その後得られたレンズの成形品10個を製品とした。
上記射出成形により得られた成形体(光学レンズ)を下記の方法により評価した。その結果を表1に示す。
テーラーホブソン社製、フォームタリサーフS6を用いて、得られた光学レンズの基準面からの乖離の最大値および最小値の差、Pv値を測定した。図7および8に示すように、r1面およびr2面それぞれにおいて、x方向およびy方向で測定した。このPv値が1.0
μm未満の場合を○とし、1.0μm以上の場合を×とした。
王子計測社製のCCD-コブラを用いて、得られた光学レンズの面内の位相差分布を測定した。有効面内に140nm以上の複屈折を有する部位が存在しない場合を○とし、有効面内に140nm以上の複屈折を有する部位が存在する場合を×とした。
得られた光学レンズの端面におけるバリをマイクロスコープにて測定した。バリ長さが
30nm未満の場合を○とし、バリ長さが30nm以上の場合を×とした。
表1より、比較例の光学レンズは、光学歪み、面精度およびバリのバランスがとれていないが、実施例の光学レンズは、光学歪み、面精度およびバリのバランスがよい。
Claims (2)
- 鍔部とレンズ部とが、凹部を介して結合しており、直径が10mm以下である光学レンズであって、
前記鍔部の厚みが0.5mm以下、前記凹部の厚みが該鍔部の厚み以下、かつ0.4mm以下であり、前記レンズ部の厚みの最大値が0.8mm以下であり、
下記式(1)で示される修正Crossモデルにより溶融粘度を表したときの指数定数nが0.3以上0.5以下である環状オレフィン系樹脂を射出成形して得られ、
前記環状オレフィン系樹脂は、クロロホルムを溶媒として測定したときの固有粘度〔η inh 〕が0.2〜5dl/gであり、
前記鍔部と前記レンズ部とが、片側にへこみを有する前記凹部を介して結合しており、前記レンズ部の片面が凸状の曲面、他の片面が凹状の曲面であることを特徴とする光学レンズ。 - 鍔部とレンズ部とが、凹部を介して結合しており、直径が10mm以下である光学レンズの製造方法であって、
下記式(1)で示される修正Crossモデルにより溶融粘度を表したときの指数定数nが0.3以上0.5以下である環状オレフィン系樹脂からなるペレットを射出成形し、
前記鍔部の厚みを0.5mm以下、前記凹部の厚みを該鍔部の厚み以下、かつ0.4mm以下、前記レンズ部の厚みの最大値を0.8mm以下の形状に成形する工程を含み、
前記環状オレフィン系樹脂は、クロロホルムを溶媒として測定したときの固有粘度〔η inh 〕が0.2〜5dl/gであり、
前記鍔部と前記レンズ部とが、片側にへこみを有する前記凹部を介して結合しており、前記レンズ部の片面が凸状の曲面、他の片面が凹状の曲面であることを特徴とする光学レンズの製造方法。
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