JP2004294842A - Ledランプ用レンズ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】環状オレフィン系熱可塑性樹脂を成形してなるLEDランプ用レンズ。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば車載用のランプや信号機、および照明に用いられるLEDランプ用のレンズに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
LEDランプは、光の配光性のコントロールや光の取り出し効率向上などの理由で、集光レンズなどをLEDチップと組み合わせることが多い。従来、LEDランプ用レンズは、エポキシ樹脂を用いたトランスファ成形法やアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂などの射出成形法で製造されている。
ところが、このエポキシ樹脂のトランスファ成形は、バリの発生やボイドの発生、レンズ形状精度不良などが多く生産性の問題があり、また熱硬化性樹脂であるためリサイクルが不可能である。また、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂は、一般的に生産性が高いとされる射出成形法により成形されているが、品質上の問題としてアクリル樹脂製のLEDランプ用レンズにおいては吸湿による寸法変化からレンズ特性の変化や他部材との接着層剥がれなどの課題があり、耐熱性も低いため、特に自動車用途などでの耐熱試験で変形が起こり問題となっていた。また、ポリカーボネート樹脂の場合においては、耐熱性の問題は小さいが、高温高湿条件下での耐久試験でLEDランプ用レンズが白濁する問題や耐擦傷性に乏しいためレンズ部に傷がつきやすく、傷による透過光量の低下などの問題が生じていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような課題を背景に成されたもので、耐熱性や高温高湿条件下での耐久性に優れ、各種材料との密着性も高く、表面硬度も高いLEDランプ用レンズを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、環状オレフィン系熱可塑性樹脂を成形してなるLEDランプ用レンズに関する。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明のLEDランプ用レンズには、環状オレフィン系熱可塑性樹脂を使用するが、環状オレフィン系樹脂としては、次のような(共)重合体が挙げられる。
▲1▼下記一般式(1)で表される特定単量体の開環重合体。
▲2▼下記一般式(1)で表される特定単量体と共重合性単量体との開環共重合体。
▲3▼上記▲1▼または▲2▼の開環(共)重合体の水素添加(共)重合体。
▲4▼上記▲1▼または▲2▼の開環(共)重合体をフリーデルクラフト反応により環化したのち、水素添加した(共)重合体。
▲5▼下記一般式(1)で表される特定単量体と不飽和二重結合含有化合物との飽和共重合体。
▲6▼下記一般式(1)で表される特定単量体、ビニル系環状炭化水素系単量体およびシクロペンタジエン系単量体から選ばれる1種以上の単量体の付加型(共)重合体およびその水素添加(共)重合体。
▲7▼下記一般式(1)で表される特定単量体とアクリレートとの交互共重合体。
【0006】
【化1】
【0007】
〔式中、R1〜R4 は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜30の炭化水素基、またはその他の1価の有機基であり、それぞれ同一または異なっていてもよい。R1とR2またはR3 とR4は、一体化して2価の炭化水素基を形成しても良く、R1またはR2とR3またはR4とは互いに結合して、単環または多環構造を形成してもよい。mは0または正の整数であり、pは0または正の整数である。〕
【0008】
<特定単量体>
上記特定単量体の具体例としては、次のような化合物が挙げられるが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
トリシクロ[5.2.1.02,6 ]−8−デセン、
トリシクロ[4.4.0.12,5 ]−3−ウンデセン、
テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
ペンタシクロ[6.5.1.13,6 .02,7 .09,13]−4−ペンタデセン、
5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−フェニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
5−フルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ペンタフルオロエチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリス(フルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラキス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロ−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロ−5−ペンタフルオロエチル−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5−ヘプタフルオロ−iso−プロピル−6−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−クロロ−5,6,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジクロロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−トリフルオロメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−ヘプタフルオロプロポキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−フルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−ジフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−ペンタフルオロエチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9,9−テトラフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9,9−テトラキス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8−ジフルオロ−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメトキシテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−ペンタフルオロプロポキシテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロ−8−ペンタフルオロエチル−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8−ヘプタフルオロiso−プロピル−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−クロロ−8,9,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジクロロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン
などを挙げることができる。
これらは、1種単独で、または2種以上を併用することができる。
【0009】
特定単量体のうち好ましいのは、上記一般式(1)中、R1 およびR3が水素原子または炭素数1〜10、さらに好ましくは1〜4、特に好ましくは1〜2の炭化水素基であり、R2 およびR4 が水素原子または一価の有機基であって、R2 およびR4の少なくとも一つは水素原子および炭化水素基以外の極性を有する極性基を示し、mは0〜3の整数、pは0〜3の整数であり、より好ましくはm+p=0〜4、さらに好ましくは0〜2、特に好ましくはm=1、p=0であるものである。m=1、p=0である特定単量体は、得られる環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度が高くかつ機械的強度も優れたものとなる点で好ましい。
上記特定単量体の極性基としては、カルボキシル基、水酸基、アルコキシカルボニル基、アリロキシカルボニル基、アミノ基、アミド基、シアノ基などが挙げられ、これら極性基はメチレン基などの連結基を介して結合していてもよい。また、カルボニル基、エーテル基、シリルエーテル基、チオエーテル基、イミノ基など極性を有する2価の有機基が連結基となって結合している炭化水素基なども極性基として挙げられる。これらの中では、カルボキシル基、水酸基、アルコキシカルボニル基またはアリロキシカルボニル基が好ましく、特にアルコキシカルボニル基またはアリロキシカルボニル基が好ましい。
【0010】
さらに、R2 およびR4の少なくとも一つが式−(CH2)nCOORで表される極性基である単量体は、得られる環状オレフィン系樹脂が高いガラス転移温度と低い吸湿性、各種材料との優れた密着性を有するものとなる点で好ましい。上記の特定の極性基にかかる式において、Rは炭素原子数1〜12、さらに好ましくは1〜4、特に好ましくは1〜2の炭化水素基、好ましくはアルキル基である。また、nは、通常、0〜5であるが、nの値が小さいものほど、得られる環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度が高くなるので好ましく、さらにnが0である特定単量体はその合成が容易である点で好ましい。
【0011】
また、上記一般式(1)においてR1またはR3がアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜4のアルキル基、さらに好ましくは1〜2のアルキル基、特にメチル基であることが好ましく、特に、このアルキル基が上記の式−(CH2)nCOORで表される特定の極性基が結合した炭素原子と同一の炭素原子に結合されていることが、得られる環状オレフィン系樹脂の吸湿性を低くできる点で好ましい。
【0012】
<共重合性単量体>
共重合性単量体の具体例としては、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、ジシクロペンタジエンなどのシクロオレフィンを挙げることができる。シクロオレフィンの炭素数としては、4〜20が好ましく、さらに好ましいのは5〜12である。これらは、1種単独で、または2種以上を併用することができる。
特定単量体/共重合性単量体の好ましい使用範囲は、重量比で100/0〜50/50であり、さらに好ましくは100/0〜60/40である。
【0013】
<開環重合触媒>
本発明において、▲1▼特定単量体の開環重合体、および▲2▼特定単量体と共重合性単量体との開環共重合体を得るための開環重合反応は、メタセシス触媒の存在下に行われる。
このメタセシス触媒は、(a)W、MoおよびReの化合物から選ばれた少なくとも1種と、(b)デミングの周期律表IA族元素(例えばLi、Na、Kなど)、IIA族元素(例えば、Mg、Caなど)、IIB族元素(例えば、Zn、Cd、Hgなど)、IIIA族元素(例えば、B、Alなど)、IVA族元素(例えば、Si、Sn、Pbなど)、あるいはIVB族元素(例えば、Ti、Zrなど)の化合物であって、少なくとも1つの該元素−炭素結合あるいは該元素−水素結合を有するものから選ばれた少なくとも1種との組合せからなる触媒である。また、この場合に触媒の活性を高めるために、後述の(c)添加剤が添加されたものであってもよい。
【0014】
(a)成分として適当なW、MoあるいはReの化合物の代表例としては、WCl6 、MoCl6 、ReOCl3 などの特開平1−132626号公報第8頁左下欄第6行〜第8頁右上欄第17行に記載の化合物を挙げることができる。
(b)成分の具体例としては、n−C4H9Li、(C2H5)3 Al、(C2 H5)2AlCl、(C2H5)1.5AlCl1.5、(C2H5)AlCl2、メチルアルモキサン、LiHなど特開平1−132626号公報第8頁右上欄第18行〜第8頁右下欄第3行に記載の化合物を挙げることができる。
添加剤である(c)成分の代表例としては、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、アミン類などが好適に用いることができるが、さらに特開平1−132626号公報第8頁右下欄第16行〜第9頁左上欄第17行に示される化合物を使用することができる。
【0015】
メタセシス触媒の使用量としては、上記(a)成分と特定単量体とのモル比で「(a)成分:特定単量体」が、通常、1:500〜1:50,000となる範囲、好ましくは1:1,000〜1:10,000となる範囲とされる。
(a)成分と(b)成分との割合は、金属原子比で(a):(b)が1:1〜1:50、好ましくは1:2〜1:30の範囲とされる。
(a)成分と(c)成分との割合は、モル比で(c):(a)が0.005:1〜15:1、好ましくは0.05:1〜7:1の範囲とされる。
【0016】
<重合反応用溶媒>
開環重合反応において用いられる溶媒(分子量調節剤溶液を構成する溶媒、特定単量体および/またはメタセシス触媒の溶媒)としては、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカンなどのアルカン類、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナンなどのシクロアルカン類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメンなどの芳香族炭化水素、クロロブタン、ブロモヘキサン、塩化メチレン、ジクロロエタン、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン、クロロホルム、テトラクロロエチレンなどの、ハロゲン化アルカン、ハロゲン化アリールなどの化合物、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、プロピオン酸メチル、ジメトキシエタンなどの飽和カルボン酸エステル類、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエーテル類などを挙げることができ、これらは単独であるいは混合して用いることができる。これらのうち、芳香族炭化水素が好ましい。
溶媒の使用量としては、「溶媒:特定単量体(重量比)」が、通常、1:1〜10:1となる量とされ、好ましくは1:1〜5:1となる量とされる。
【0017】
<分子量調節剤>
得られる開環(共)重合体の分子量の調節は、重合温度、触媒の種類、溶媒の種類によっても行うことができるが、本発明においては、分子量調節剤を反応系に共存させることにより調節する。
ここに、好適な分子量調節剤としては、例えばエチレン、プロペン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどのα−オレフィン類およびスチレンを挙げることができ、これらのうち、1−ブテン、1−ヘキセンが特に好ましい。
これらの分子量調節剤は、単独であるいは2種以上を混合して用いることができる。
分子量調節剤の使用量としては、開環重合反応に供される特定単量体1モルに対して0.005〜0.6モル、好ましくは0.02〜0.5モルとされる。
【0018】
▲2▼開環共重合体を得るには、開環重合工程において、特定単量体と共重合性単量体とを開環共重合させてもよいが、さらに、ポリブタジエン、ポリイソプレンなどの共役ジエン化合物、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−非共役ジエン共重合体、ポリノルボルネンなどの主鎖に炭素−炭素間二重結合を2つ以上含む不飽和炭化水素系ポリマーなどの存在下に特定単量体を開環重合させてもよい。
【0019】
以上のようにして得られる開環(共)重合体は、そのままでも用いられるが、これをさらに水素添加して得られた▲3▼水素添加(共)重合体は、耐衝撃性の大きい樹脂の原料として有用である。
<水素添加触媒>
水素添加反応は、通常の方法、すなわち開環重合体の溶液に水素添加触媒を添加し、これに常圧〜300気圧、好ましくは3〜200気圧の水素ガスを0〜200℃、好ましくは20〜180℃で作用させることによって行われる。
水素添加触媒としては、通常のオレフィン性化合物の水素添加反応に用いられるものを使用することができる。この水素添加触媒としては、不均一系触媒および均一系触媒が挙げられる。
【0020】
不均一系触媒としては、パラジウム、白金、ニッケル、ロジウム、ルテニウムなどの貴金属触媒物質を、カーボン、シリカ、アルミナ、チタニアなどの担体に担持させた固体触媒を挙げることができる。また、均一系触媒としては、ナフテン酸ニッケル/トリエチルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナート/トリエチルアルミニウム、オクテン酸コバルト/n−ブチルリチウム、チタノセンジクロリド/ジエチルアルミニウムモノクロリド、酢酸ロジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウムなどを挙げることができる。触媒の形態は、粉末でも粒状でもよい。
【0021】
これらの水素添加触媒は、開環(共)重合体:水素添加触媒(重量比)が、1:1×10−6〜1:2となる割合で使用される。
このように、水素添加することにより得られる水素添加(共)重合体は、優れた熱安定性を有するものとなり、成形加工時や製品としての使用時の加熱によっても、その特性が劣化することはない。ここに、水素添加率は、通常、50%以上、好ましく70%以上、さらに好ましくは90%以上である。
【0022】
上記のようにして得られた開環(共)重合体には、公知の酸化防止剤、例えば2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2′−ジオキシ−3,3′−ジ−t−ブチル−5,5′−ジメチルジフェニルメタン、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン;紫外線吸収剤、例えば2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなどを添加することによって安定化することができる。また、加工性を向上させる目的で、滑剤などの添加剤を添加することもできる。
【0023】
また、水素添加(共)重合体の水素添加率は、500MHz、1H−NMRで測定した値が50%以上、好ましくは90%以上、さらに好ましくは98%以上、最も好ましくは99%以上である。水素添加率が高いほど、熱や光に対する安定性が優れたものとなり、本発明の波長板として使用した場合に長期にわたって安定した特性を得ることができる。
なお、本発明の環状オレフィン系樹脂として使用される水素添加(共)重合体は、該水素添加(共)重合体中に含まれるゲル含有量が5重量%以下であることが好ましく、さらに1重量%以下であることが特に好ましい。
【0024】
また、本発明の環状オレフィン系樹脂として、▲4▼上記▲1▼または▲2▼の開環(共)重合体をフリーデルクラフト反応により環化したのち、水素添加した(共)重合体も使用できる。
<フリーデルクラフト反応による環化>
▲1▼または▲2▼の開環(共)重合体をフリーデルクラフト反応により環化する方法は特に限定されるものではないが、特開昭50−154399号公報に記載の酸性化合物を用いた公知の方法が採用できる。酸性化合物としては、具体的には、AlCl3 、BF3 、FeCl3 、Al2 O3 、HCl、CH3 ClCOOH、ゼオライト、活性白土、などのルイス酸、ブレンステッド酸が用いられる。
環化された開環(共)重合体は、▲1▼または▲2▼の開環(共)重合体と同様に水素添加できる。
【0025】
さらに、本発明の環状オレフィン系樹脂として、▲5▼上記特定単量体と不飽和二重結合含有化合物との飽和共重合体も使用できる。
<不飽和二重結合含有化合物>
不飽和二重結合含有化合物としては、例えばエチレン、プロピレン、ブテンなど、好ましくは炭素数2〜12、さらに好ましくは炭素数2〜8のオレフィン系化合物を挙げることができる。
特定単量体/不飽和二重結合含有化合物の好ましい使用範囲は、重量比で90/10〜40/60であり、さらに好ましくは85/15〜50/50である。
【0026】
本発明において、▲5▼特定単量体と不飽和二重結合含有化合物との飽和共重合体を得るには、通常の付加重合法を使用できる。
<付加重合触媒>
上記▲5▼飽和共重合体を合成するための触媒としては、チタン化合物、ジルコニウム化合物およびバナジウム化合物から選ばれた少なくとも一種と、助触媒としての有機アルミニウム化合物とが用いられる。
ここで、チタン化合物としては、四塩化チタン、三塩化チタンなどを、またジルコニウム化合物としてはビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドなどを挙げることができる。
【0027】
さらに、バナジウム化合物としては、一般式
VO(OR)aXb、またはV(OR)cXd
〔ただし、Rは炭化水素基、Xはハロゲン原子であって、0≦a≦3、0≦b≦3、2≦(a+b)≦3、0≦c≦4、0≦d≦4、3≦(c+d)≦4である。〕
で表されるバナジウム化合物、あるいはこれらの電子供与付加物が用いられる。
上記電子供与体としては、アルコール、フェノール類、ケトン、アルデヒド、カルボン酸、有機酸または無機酸のエステル、エーテル、酸アミド、酸無水物、アルコキシシランなどの含酸素電子供与体、アンモニア、アミン、ニトリル、イソシアナートなどの含窒素電子供与体などが挙げられる。
【0028】
さらに、助触媒としての有機アルミニウム化合物としては、少なくとも1つのアルミニウム−炭素結合あるいはアルミニウム−水素結合を有するものから選ばれた少なくとも一種が用いられる。
上記において、例えばバナジウム化合物を用いる場合におけるバナジウム化合物と有機アルミニウム化合物の比率は、バナジウム原子に対するアルミニウム原子の比(Al/V)が2以上であり、好ましくは2〜50、特に好ましくは3〜20の範囲である。
【0029】
付加重合に使用される重合反応用溶媒は、開環重合反応に用いられる溶媒と同じものを使用することができる。また、得られる▲5▼飽和共重合体の分子量の調節は、通常、水素を用いて行われる。
【0030】
さらに、本発明の環状オレフィン系樹脂として、▲6▼上記特定単量体、およびビニル系環状炭化水素系単量体またはシクロペンタジエン系単量体から選ばれる1種以上の単量体の付加型共重合体およびその水素添加共重合体も使用できる。
<ビニル系環状炭化水素系単量体>
ビニル系環状炭化水素系単量体としては、例えば、4−ビニルシクロペンテン、2−メチルー4−イソプロペニルシクロペンテンなどのビニルシクロペンテン系単量体、4−ビニルシクロペンタン、4−イソプロペニルシクロペンタンなどのビニルシクロペンタン系単量体などのビニル化5員環炭化水素系単量体、4−ビニルシクロヘキセン、4−イソプロペニルシクロヘキセン、1−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキセン、2−メチル−4−ビニルシクロヘキセン、2−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキセンなどのビニルシクロヘキセン系単量体、4−ビニルシクロヘキサン、2−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキサンなどのビニルシクロヘキサン系単量体、スチレン、α―メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、4−フェニルスチレン、p−メトキシスチレンなどのスチレン系単量体、d−テルペン、1−テルペン、ジテルペン、d−リモネン、1−リモネン、ジペンテンなどのテルペン系単量体、4−ビニルシクロヘプテン、4−イソプロペニルシクロヘプテンなどのビニルシクロヘプテン系単量体、4−ビニルシクロヘプタン、4−イソプロペニルシクロヘプタンなどのビニルシクロヘプタン系単量体などが挙げられる。好ましくは、スチレン、α−メチルスチレンである。これらは、1種単独で、または2種以上を併用することができる。
【0031】
<シクロペンタジエン系単量体>
本発明の▲6▼付加型共重合体の単量体に使用されるシクロペンタジエン系単量体としては、例えばシクロペンタジエン、1−メチルシクロペンタジエン、2−メチルシクロペンタジエン、2−エチルシクロペンタジエン、5−メチルシクロペンタジエン、5,5−メチルシクロペンタジエンなどが挙げられる。好ましくはシクロペンタジエンである。これらは、1種単独で、または2種以上を併用することができる。
【0032】
上記特定単量体、ビニル系環状炭化水素系単量体およびシクロペンタジエン系単量体から選ばれる1種以上の単量体の付加型(共)重合体は、上記▲5▼特定単量体と不飽和二重結合含有化合物との飽和共重合体と同様の付加重合法で得ることができる。
また、上記付加型(共)重合体の水素添加(共)重合体は、上記▲3▼開環(共)重合体の水素添加(共)重合体と同様の水添法で得ることができる。
【0033】
さらに、本発明の環状オレフィン系樹脂として、▲7▼上記特定単量体とアクリレートとの交互共重合体も使用できる。
<アクリレート>
本発明の▲7▼上記特定単量体とアクリレートとの交互共重合体の製造に用いられるアクリレートとしては、例えば、メチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート等の炭素原子数1〜20の直鎖状、分岐状または環状アルキルアクリレート、グリシジルアクリレート、2−テトラヒドロフルフリルアクリレートなどの炭素原子数2〜20の複素環基含有アクリレート、ベンジルアクリレートなどの炭素原子数6〜20の芳香族環基含有アクリレート、イソボロニルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレートなどの炭素数7〜30の多環構造を有するアクリレートが挙げられる。
【0034】
本発明において、▲7▼上記特定単量体とアクリレートとの交互共重合体を得るためには、ルイス酸存在下、上記特定単量体とアクリレートとの合計を100モルとしたとき、通常、上記特定単量体が30〜70モル、アクリレートが70〜30モルの割合で、好ましくは上記特定単量体が40〜60モル、アクリレートが60〜40モル割合で、特に好ましくは上記特定単量体が45〜55モル、アクリレートが55〜45モルの割合でラジカル重合する。
▲7▼上記特定単量体とアクリレートとの交互共重合体を得るために使用するルイス酸の量は、アクリレート100モルに対して0.001〜1モルとなる量とされる。また、公知のフリーラジカルを発生する有機過酸化物またはアゾビス系のラジカル重合開始剤を用いることができ、重合反応温度は、通常、−20℃〜80℃、好ましくは5℃〜60℃である。また、重合反応用溶媒には、開環重合反応に用いられる溶媒と同じものを使用することができる。
なお、本発明でいう「交互共重合体」とは、上記特定単量体に由来する構造単位が隣接しない、すなわち、上記特定単量体に由来する構造単位の隣は必ずアクリレートに由来する構造単位である構造を有する共重合体のことを意味しており、アクリレート由来の構造単位どうしが隣接して存在する構造を否定するものではない。
【0035】
本発明で用いられる環状オレフィン系樹脂の好ましい分子量は、固有粘度〔η〕inh で0.2〜5dl/g 、さらに好ましくは0.3〜3dl/g 、特に好ましくは0.4〜1.5dl/gであり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は8,000〜100,000、さらに好ましくは10,000〜80,000、特に好ましくは12,000〜50,000であり、重量平均分子量(Mw)は20,000〜300,000、さらに好ましくは30,000〜250,000、特に好ましくは40,000〜200,000の範囲のものが好適である。
固有粘度〔η〕inh 、数平均分子量および重量平均分子量が上記範囲にあることによって、環状オレフィン系樹脂の耐熱性、耐水性、耐薬品性、機械的特性と、本発明のLEDランプ用レンズとして使用したときの成形加工性が良好となる。
【0036】
本発明に用いられる環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度(Tg)としては、通常、120℃以上、好ましくは120〜350℃、さらに好ましくは130〜250℃、特に好ましくは140〜200℃である。Tgが120℃未満の場合は、LED光源やその隣接部品からの熱、自動車の車載用途における太陽光などによる室温上昇により、得られるLEDランプ用レンズの変形が起こり好ましくない。一方、Tgが350℃を超えると、成形加工が困難になり、また成形加工時の熱によって樹脂が劣化する可能性が高くなる。
【0037】
本発明で用いられる環状オレフィン系樹脂の23℃における飽和吸水率は、好ましくは0.005〜2重量%、さらに好ましくは0.1〜1重量%の範囲にある。飽和吸水率がこの範囲内であると、得られるLEDランプ用レンズと他材料などとの密着性が優れ、使用途中で剥離などが発生せず、また、酸化防止剤などとの相溶性にも優れ、多量に添加することも可能となる。飽和吸水率が0.005重量%未満であると、ガラス基板や透明支持体との密着性が乏しくなり、剥離を生じやすくなり、一方、2重量%を超えると、LEDランプ用レンズが吸水により寸法変化を起こしやすくなる。
なお、上記の飽和吸水率はASTM D570に従い、23℃水中で1週間浸漬して増加重量を測定することにより得られる値である。
【0038】
本発明に使用される環状オレフィン系樹脂は、上記のような▲1▼〜▲2▼開環(共)重合体、▲3▼〜▲4▼水素添加(共)重合体、▲5▼飽和共重合体、または▲6▼付加型(共)重合体、またはその水素添加(共)重合体より構成されるが、これに公知の酸化防止剤、紫外線吸収剤などを添加してさらに安定化することができる。また、加工性を向上させるために、滑剤などの従来の樹脂加工において用いられる添加剤を添加することもできる。
【0039】
また、成形用樹脂材料としては、2種類以上の環状オレフィン系重合体、環状オレフィン系重合体と重合体組成物、あるいは2種以上の重合体組成物をブレンドして使用することも可能である。
成形用樹脂材料に係るブレンドは、ペレットの状態で混合する手法、例えば押出機などを用いて溶液の状態で混合する手法などによって行うことができる。
【0040】
本発明のLEDランプ用レンズは、公知の熱加工方式による方法で成形することが可能である。一般的には射出成形にて成形することが好ましい。本発明の熱可塑性樹脂組成物の射出成形に使用される射出成形機は特に規定されないが、例えばシリンダーの方式ではインライン方式、プリプラ方式、駆動方式では油圧式、電動式、ハイブリッド式、型締め方式としては直圧式、トグル式、射出方向では横型、縦型などが使用できる。また、型締めに関しては、射出圧縮、コア圧縮が使用できるものであっても良い。さらには、金型のキャビティー内を減圧にして成形を行う機構を持つものも好ましいものである。シリンダー径および型締め力は目的の成形品の形状により決まるが、一般に成形品の投影面積が大きいほど型締め力を大きく、成形品の容量が大きい場合はシリンダー径の大きなものを選ぶことが好ましい。なお、成形条件は成形品の形状により最適なものを選ぶべきであり、特に限定されるものではない。成形時の樹脂温度は環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度(Tg)+90℃〜+200℃、金型温度はTg−0℃〜−40℃の範囲で設定することが好ましい。
また、LEDランプ用レンズの成形に用いる金型は、公知の鋼材を使用することができ、目的に応じて、例えば、クロム系、チタン系、ホウ素系、炭素系の材料などでコーティングすることもできる。
【0041】
次に本発明のLEDランプ用レンズについて説明する。
本発明のLEDランプ用レンズは、面実装タイプのLEDや砲弾型LEDの光の取り出し効率を高めるためや、配光性をコントロールするために用いられる。
近年、LEDランプは、蛍光管やフィラメントタイプの電球に比べ、省エネルギー、長寿命であることから、次に挙げるような各種のランプ用途に採用が広がってきている。すなわち、車載用としてはテールランプやストップランプ、方向指示器、ヘッドライトなどの外装照明部品や室内灯、インストルメントパネルなどがあり、信号機用途としては交通信号機をはじめとして警告信号灯や交通情報表示機などに使用されている。さらに、照明用途では、家庭用の照明や道路照明などである。
【0042】
ただし、LEDの出力は蛍光灯などに比べ乏しいため、これらの用途にはLEDの光の取り出し効率、発光効率を高めることが必要であることから、当該機能を持たせたLEDランプ用レンズが使用されている。また、LEDランプ用レンズのレンズ部の機能の一つは配光性のコントロールであるが、その機能は用途により集光や広角度配光、出射方向の制御など多様であり、レンズ部形状は凸レンズや凹レンズなど球形や非球面などの曲面から、くさび形のような平面を合わせた形状、もしくは曲面と平面の組み合わせ形状がある。
【0043】
LEDランプ用レンズは、例えば自動車のテールランプなどでは面実装タイプのLEDチップ1個に対し、レンズ1個を取り付ける場合があり、照明などでは複数の砲弾型LEDに対しレンズ部が複数設けられる場合がある。
例えば、本発明のLEDランプ用レンズを組み込んだLEDランプについて、図1を用いて説明すると、鉄系や銅系などの導電性の金属からなるリードフレーム4とエポキシ樹脂系の熱硬化性樹脂を用いたトランスファ成形、またはPPS、PAA、SPS、液晶ポリマーなどの高耐熱熱性樹脂を用いた射出成形で一体成形された凹部を有する樹脂ステム3に、エポキシ樹脂などの透明性樹脂を注入しリードフレーム4とそれぞれが接続された半導体発光素子6とボンディングワイヤ2を封止する。LEDレンズ1は、樹脂ステムに組みつけて使用する。組み付け方法は、接着やスナップフィットのような機械的な組み付けが可能である。
【0044】
本発明のLEDランプ用レンズには、公知の方法でその表面に反射防止コートやハードコートなどの表面コートを施すこともできる。反射防止加工については、公知の乾式あるいは湿式の各方法が使用可能である。乾式の反射防止加工は、例えば特開平4−89821号公報、特開平9−120001号公報に開示されているノルボルネン系樹脂表面に無機化合物をコーティングする方法が採用できる。反射防止加工に用いる無機化合物としては、公知のシリコン、チタン、ゲルマニウム、アルミニウム、タンタル、ジルコニウムなどの酸化物、窒化物、フッ化物などが用いられる。真空蒸着方は特に規定されないが、公知のPVD,CVDなどの手法が用いられる。また、コーティング層は、1層でも2層以上の多層構造でもよい。1層あたりの厚みも特に限定されないが、通常、10nm〜500nmの範囲で積層される。
湿式の反射防止加工は、例えば特開平9−120002号公報で開示されているように公知の有機化合物を、刷毛塗り、ロールコーティング、ディッピング、スピンコーティング、吹き付けなどの方法で、LEDランプ用レンズ表面に塗布することにより行われる。
これら反射防止処理は、無機コート層の単独あるいは多層体、有機コート層の単独あるいは多層体、さらに無機コートと有機コートが組み合わされたものであってもよい。
【0045】
以下に、本発明のハードコート処理について説明する。
LEDランプ用レンズ表面のハードコート処理方法としては、紫外線、放射線、電磁波などでLEDランプ用レンズ表面近傍の本発明の環状オレフィン系樹脂を架橋・硬化し、LEDランプ用レンズ表面そのものの硬度を高める方法も挙げられるが、耐擦傷性をより高めるためには、活性エネルギー線や熱などにより硬化する有機化合物(活性エネルギー線硬化性組成物、熱硬化性組成物)などを塗布・硬化し、LEDランプ用レンズ表面を被覆する方法を採用することが好ましい。また、被膜に用いる硬化性の有機化合物としては、例えば、特開2000−12577号公報段落「0016」〜「0021」あるいは特開2001−110826号公報段落「0021」〜「0035」で開示されているように、設備および工業的生産性の面から紫外線硬化性有機化合物が優れており、その作業性の点から硬化前は常温で液状もしくは流動性を有するものであることが好ましく、刷毛塗り、ロールコーティング、ディッピング、スピンコーティング、吹き付けなどの方法で、フロントライト表面に塗布することによりハードコート処理が可能である。
【0046】
紫外線硬化性有機化合物としては、重合性官能基を有するオリゴマーおよび/またはモノマーと紫外線重合開始剤を必須成分とする紫外線硬化性組成物が好ましい。重合性官能基としては、ラジカル重合性基、あるいはカチオン重合性基を挙げることができる。より具体的には、例えばビニル基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、ビニルエーテル基などを挙げることができる。重合性官能基を有するオリゴマーとしては、上述の官能基を分子中に1つ以上有する化合物が用いられ、分子量500〜50,000の化合物が特に好ましい。
これらの重合性官能基を有するオリゴマーおよび/またはモノマーとしては、作業性、感度の面で、特に(メタ)アクリロイル基を有するものが好ましい。光重合開始剤としては、紫外線の照射によりラジカル種、カチオン種などの重合開始能を有する化学種を生じる化合物が挙げられる。さらに、必要に応じて光増感剤を添加することができる。
【0047】
本発明で用いられる紫外線硬化性組成物を構成する上記モノマーあるいは光重合開始剤としては、例えば、特開2000−12577号公報段落「0016」〜「0021」、あるいは、特開2001−110826号公報段落「0021」〜「0035」で開示されているような単官能性および多官能性モノマー、有機化合物あるいは無機化合物などを使用することができる。
以上の活性エネルギー線や熱による硬化条件としては、活性エネルギー線の場合は、その照射エネルギーが、通常、200mJ/cm2以上10J/cm2未満、好ましくは300mJ/cm2以上3J/cm2未満であることが必要である。200mJ/cm2未満の場合、硬化が不完全になり得られたハードコート層が硬度などの所望の特性を示さない場合が生じることがあり、一方、10J/cm2以上の場合には、ハードコート層やその下のLEDランプ用レンズを形成する樹脂層が劣化して着色するなどの問題が生じる場合がある。
また、熱の場合には、温度に関しては、通常、100℃以上200℃未満、好ましくは120℃以上180℃未満、硬化時間としては、通常、10分以上300分未満、好ましくは60分以上180分未満である。温度が低すぎたり時間が短すぎると、硬化が不完全になりなり得られたハードコート層が硬度などの所望の特性を示さない場合が生じることがあり、一方、温度が高すぎたり時間が長すぎると、ハードコート層やその下のLEDランプ用レンズを形成する樹脂層が変形したり劣化して着色するなどの問題が生じる場合がある。
なお、活性エネルギー線と熱とを併用することも可能である。また、LEDランプ用レンズの酸化劣化を防止することや、硬化を充分に完結させるために、窒素などの不活性ガス雰囲気や減圧雰囲気下でかかる硬化処理を施すことも可能である。
【0048】
ハードコート層の厚さは、0.1μm〜200μmが好ましく、さらに好ましくは0.5μm〜100μm、特に好ましくは0.7μm〜50μmである。膜厚が200μmを超えると、活性エネルギー線照射の際に均一な硬化が困難となったり、内部に大きな残留応力を生じるためコート層にクラックが生じたり、耐冷熱サイクル性や光学特性が劣るといった問題があり、一方、膜厚が0.1μm未満であると、コート層による耐擦傷性の改善が不十分である。また、コート層の透明性は、全光線透過率が厚さ3mmで90%以上、好ましくは92%以上の熱可塑性樹脂板に被覆することによって生じる全光線透過率の減少が10%以内であることが好ましく、さらに好ましくは5%以内、特に好ましくは3%以内の減少である。被覆したことによる全光線透過率の減少が10%より大きくなると、LEDランプ用レンズとした場合の透過光量が低下し好ましくない。
【0049】
本発明によれば、耐熱性、高温高湿条件下での耐久性および透明性に優れるとともに、生産性の高いLEDランプ用レンズを提供することが可能である。
【0050】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明がこれらによって制限されるものではない。なお、以下において、「部」は「重量部」を示す。
【0051】
(A−1)成分の調製方法
下記式(1)で表される8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン(特定単量体)250部と、1−ヘキセン(分子量調節剤)41部と、トルエン(開環重合反応用溶媒)750部とを窒素置換した反応容器内に仕込み、この溶液を60℃に加熱した。次いで、反応容器内の溶液に、トリエチルアルミニウムのトルエン溶液(1.5モル/l)0.62部と、t−ブタノール/メタノールで変性した六塩化タングステン(t−ブタノール:メタノール:タングステン=0.35モル:0.3モル:1モル)のトルエン溶液(濃度0.05モル/l)3.7部とを添加し、この系を80℃で3時間加熱攪拌することにより開環重合反応させて開環重合体溶液を得た。
この重合反応における重合転化率は97%であった。
【0052】
【化2】
【0053】
このようにして得られた開環重合体溶液4,000部をオートクレーブに仕込み、この開環重合体溶液に、RuHCl(CO)[P(C6H5)3]3 0.48部を添加し、水素ガス圧100kg/cm2 、反応温度165℃の条件下で3時間加熱攪拌することにより水素添加反応させた。
得られた反応溶液(水素添加重合体溶液)を冷却した後、水素ガスを放圧した。このようにして得られた水素添加重合体(以下、(A−1)成分という。)の水素化率は実質上100%である。なお、示差走査熱量測定法(DSC)を利用してガラス転移温度(Tg)を測定したところ、165℃であった。
【0054】
(A−2)成分の調製方法
特定の環状オレフィン系単量体として8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン225部と、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン25部と、1−ヘキセン52部と、トルエン750部とを、窒素置換した反応容器内に仕込んで単量体溶液を形成し、この単量体溶液を60℃に加熱した。
【0055】
次いで、当該単量体溶液に、濃度が1.5モル/Lであるトリメチルアルミニウムのトルエン溶液0.62部と、t−ブタノール:メタノール:タングステンの比率が0.35モル:0.3モル:1モルである、濃度が0.05モル/Lのt−ブタノール/メタノールで変性した六塩化タングステンのトルエン溶液3.7部とを添加し、この系を80℃で3時間加熱攪拌することにより開環重合体溶液を得た。この重合反応における重合転化率は98%であった。
【0056】
このようにして得られた開環重合体溶液4,000部をオートクレーブに仕込み、この開環重合体溶液に、RuHCl(CO)[P(C6H5)3]3 0.4
8部を添加し、水素ガス圧100kg/cm2 、反応温度165℃の条件下で3時間加熱攪拌することにより水素添加反応を行った。
【0057】
得られた反応溶液(水素添加重合体溶液)を冷却した後、水素ガスを放圧し、多量のメタノール中で凝固させた後、乾燥させて比較用の水素添加共重合体(以下、「A−2」成分という。)を得た。
このようにして得られた水素添加共重合体について、1H−NMRを用いて水素添加率を測定したところ、99.9%であった。また、示差走査熱量測定法(DSC)を利用してガラス転移温度(Tg)を測定したところ、141℃であった。
【0058】
(A−3)成分の調製方法
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセンに代えて、8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン 200部を用いたこと以外は、調製例(A−1)と同様にして開環重合反応、水素添加反応を行って水素添加重合体を得た。
【0059】
このようにして得られた水素添加重合体(以下、(A−3)成分という。)の水素化率は実質上100%であり、GPCで測定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は19,200、重量平均分子量(Mw)は58,000であった。なお、示差走査熱量測定法(DSC)を利用してガラス転移温度(Tg)を測定したところ、142℃であった。
【0060】
(A−4)成分の調製方法
特定の環状オレフィン系単量体として8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン2600gと、触媒として下記一般式(2)においてA1がアントラセニル基およびA2がフェニル基、Lがトリフェニルホスフィン残基、Xが−CH(CH3)2、Yが酸素原子、Mがニッケルである遷移金属錯体化合物0.0375モルと、ニッケルビスシクロオクタジエン0.075モルとを、内部雰囲気がエチレンガスにより置換され、乾燥トルエン5Lが充填された反応容器に仕込み、当該反応容器の系内を10℃に維持すると共に、エチレンガスを1L/minで循環させた状態において、3時間付加重合反応処理を行った。
【0061】
【化3】
【0062】
その結果、重合平均分子量が73.5×103、Mw/Mnの値が1.6のシクロオレフィン系付加重合体(以下、「樹脂(a)」という。)1800gが得られた。この反応における特定の環状オレフィン系単量体の重合転化率は65%であった。なお、示差走査熱量測定法(DSC)を利用してガラス転移温度(Tg)を測定したところ、155℃であった。
【0063】
(比較用樹脂)
(B)成分
メタクリル樹脂:比重1.19、Tg=180℃、MFR(260℃、10kg)=157g/10min
ポリカーボネート樹脂:比重1.20、Tg=146℃、MFR(260℃、10kg)=34g/10min
【0064】
試験片の成形方法
試験片の形状および成形方法
※試験用レンズの形状
別紙図2に試験用レンズの製品形状を示した。
図2において、(a)はレンズの側面図、(b)はレンズの平面図である。なお、図2における単位は、mmである。
【0065】
試験用レンズの成形方法
実施例のA−1〜A−4成分、および比較用樹脂のB成分であるメタクリル樹脂とポリカーボネートを以下の射出成形機および射出成形条件で試験用レンズを製造した。
成形機:住友重機製 SG75M−S(シリンダー径28mm、型締め75ton)
成形条件:樹脂温度 Tg+150℃、金型温度 Tg−5℃、射出速度 2mm/sec、保圧 1段目 ピーク圧力で1sec 2段目 ピーク圧力の4/5で60sec、冷却 120sec
【0066】
多目的試験片の成形方法
実施例のA−1〜A−4成分、および比較用樹脂のB成分であるメタクリル樹脂とポリカーボネートを以下の射出成形機および射出成形条件で試験片を製造した。
試験片サイズは100mm×25mm×3.2mmである。
成形機:住友重機製 SG75M−S(シリンダー径28mm、型締め75ton)
成形条件:樹脂温度 Tg+150℃、金型温度 Tg−5℃、射出速度 30mm/sec、保圧 1段目 ピーク圧力で2sec 2段目 ピーク圧力の4/5で60sec、冷却 40sec
【0067】
金属との接着性試験片の製作方法
長さ100mm×幅24mm×厚さ2.5mmの金属板(SUS420J2)を約30mm重ね、その隙間に各材料を投入し、プレス成形機にてTg+130℃まで昇温した後に、20MPaまで加圧。加圧後10分間放置し、取り出したサンプルを5MPa加圧しながら冷却した。
【0068】
反射防止コートの形成方法
下記の方法で反射防止コートを形成した。
多目的試験片の片面に10−4Torrの真空下で、SiO2を140nmの膜厚で蒸着を行った。さらに、TiO2を120nmの膜厚で、再外層にSiO2を170nmで蒸着をそれぞれ行った。
【0069】
上記で得られた各試験片について次の試験を行った。
※耐熱耐久性(耐熱性)
それぞれ、恒温槽(120℃)中に成形された試験用レンズを500hr放置し、外観評価としてクラックの発生について目視で評価した。
○:クラックなし
×:クラックあり
※蒸気加圧試験
それぞれの試験用レンズを不飽和型加速寿命試験装置で条件121℃×2気圧のもとで96hr放置し、その外観変化について目視で評価した
○:外観変化なし
×:白濁もしくはクラック発生
※耐高温高湿性
それぞれの成形された試験用レンズを恒温恒湿槽(温度85℃×湿度85%)中に放置し、1,000hr後に面精度RMS値の変化を評価した。RMS値の測定はレーザー干渉計(富士写真光機株式会社製)を使用した。
○:変化無し
△:変化率が0.02λ未満で観測された。
×:0.02λ以上変化している。
※接着性(対接着剤)
それぞれの多目的試験片の1枚面積5cm2の範囲にシアノアクリレート系接着剤(商品名アロンアルファ)を塗布した後、同成分で製作された多目的試験片を重ね、一晩放置後引っ張り試験機(インストロン社製)で接着力を測定した。
※接着性(対金属)
プレス機にて製作された金属との接着性試験片を引っ張り試験機にて引っ張り破断力(剥離力)を測定し、接着力の評価を行った。
※耐擦傷性
JIS K5401に従い鉛筆硬度を評価した。
※膜密着性
▲1▼反射防止コートの初期の膜形成状態を評価した。
▲2▼100℃×1時間放置後の膜密着状態を評価した。
評価法は次のとおり。
反射防止コートを行った多目的試験片の反射防止膜側を1mm×1mmのマス目100個をカッターで刻み、セロハンテープ剥離試験をおこない以下の評価基準にしたがって密着性を評価した。
○:剥離された目の数が0のもの
△:剥離された目の数が1〜10個のもの
×:剥離された目の数が10個を超えるもの
【0070】
実施例1〜4、比較例1〜2
表1に示す組成により本発明の試験用レンズの評価を行った。実施例1〜4、比較例1〜2の比較により、本発明の環状オレフィン系(共)重合体を用いた試験用レンズは、各種の耐久性に優れるとともに他材との密着性も良いことが分かり、LEDランプ用レンズとして優れていることがあることが分かる。
【0071】
【表1】
【0072】
【発明の効果】
本発明のLEDランプ用レンズは、生産性の高い射出成形での生産が可能で、特徴として加圧蒸気への耐性や、耐熱性、耐吸湿性に優れ、また反射防止コート、ハードコートのような膜との密着性や他部材との接着性にも優れており、耐擦傷性もよいため、車載用や信号機用および照明機器用途に適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のLEDランプ用レンズを組み込んだLEDランプの構成図である。
【図2】本発明の実施例に用いられる試験用レンズの形状を示し、(a)は試験用レンズの側面図、(b)は試験用レンズの平面図である。
【符号の説明】
1:LEDランプ用レンズ
2:ボンディングワイヤ
3:ステム
4:リードフレーム
5:透明封止材
6:半導体発光素子
Claims (4)
- 環状オレフィン系熱可塑性樹脂を成形してなるLEDランプ用レンズ。
- 環状オレフィン系熱可塑性樹脂のガラス転移温度が120℃以上である請求項1に記載のLEDランプ用レンズ。
- 面実装タイプのLEDの光の出射側に配置され、面実装タイプのLEDと組みつける構造である請求項1または2に記載のLEDランプ用レンズ。
- LEDランプの使用用途が車載用途、照明用途または信号用途である請求項1〜3いずれかに記載のLEDランプ用レンズ
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---|---|---|---|
JP2003087867A JP2004294842A (ja) | 2003-03-27 | 2003-03-27 | Ledランプ用レンズ |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006235487A (ja) * | 2005-02-28 | 2006-09-07 | Konica Minolta Opto Inc | 光学素子及び光ピックアップ装置 |
JP2010117701A (ja) * | 2008-10-17 | 2010-05-27 | Jsr Corp | 光学モジュール用レンズ |
JP2010212109A (ja) * | 2009-03-11 | 2010-09-24 | Ichikoh Ind Ltd | 車両用灯具 |
-
2003
- 2003-03-27 JP JP2003087867A patent/JP2004294842A/ja active Pending
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